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化学・薬品産業総合スレッド

1荷主研究者:2003/12/07(日) 23:23
これまで「石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=」で扱ってきた化学系のネタを独立させます。

社団法人日本化学工業協会
http://www.nikkakyo.org/

石油化学工業協会
http://www.jpca.or.jp/

化学工業日報
http://www.chemicaldaily.co.jp/

石油化学データベース
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/new.htm

1051荷主研究者:2012/10/28(日) 23:51:13

http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/3eddf56cd3f103ced846a9dfcdde8cbe/
12/10/01 | 19:20 東洋経済
太陽電池市場の低迷が招いた四日市の悲劇

 名古屋から南西へ約40km。東は伊勢湾、西は鈴鹿山系に至る三重県四日市市には、臨海部の石油化学コンビナートを中心に工場が集積する。製造品等出荷額で国内12位、中部東海圏では豊田市、名古屋市、浜松市に次ぐ4位(2008年確報値、市町村別)につける。

 三重県で最大、日本全体でも有数の工業都市が、ここ数年挑んでいるのが国際競争力の強化だ。アジアを中心とした海外都市と伍していくべく、官民ともにさまざまな取り組みが進んできた。

 その四日市市にとって痛手となる出来事が起きた。

 工業用ガスで国内首位の大陽日酸は9月28日、液晶パネルや半導体、太陽電池などの製造に使う特殊ガスについて、独化学大手エボニックグループとの共同事業から撤退すると発表した。四日市コンビナート内にある共同製造工場での生産を今秋中に停止。工場を閉鎖するうえ、精製を行う合弁会社も解散する。

 共同製造工場は、南北方向で3地区に分かれる四日市コンビナートの南端。塩浜地区の第1コンビナート内にある。つい1年半前の2011年春に完成、11年秋に製品出荷を始めたばかりのピカピカなプラントだ(=タイトル横写真=)。カラフルなパイプが縦横に配されたプラントの主が、エボニックグループのエボニック モノシラン ジャパンである。

 工場への総投資額は約200億円。建設には約1年半を要した。この工場では特殊ガスのモノシランを生産。大陽日酸はこれを引き取って、エボニックとの合弁会社を通じて精製。日本国内だけでなくアジア市場に拡販する計画だった。

 モノシランガスの主な用途は、結晶型と薄膜型の2タイプに分かれる太陽電池のうちシリコンをあまり使わない薄膜シリコン太陽電池の製造向け。だが、太陽電池は世界的な供給過剰が進み、多結晶シリコンの価格が大きく下落。もともと発電効率の劣る薄膜型の競争力が低下。エボニックモノシランジャパンの製造するモノシランガスは、ほとんど売れない状態となった。

 大陽日酸はエボニックモノシランジャパンから10年間に渡ってモノシランガスを引き取る契約を結んでいたが、販売不振の状況が続けば10年での累積損失が300億円程度に上る可能性があったため、契約の解約金や合弁会社の解散などに伴う特別損失を約233億円計上して、この共同事業からの撤退を決めた。

 この事業撤退は、エボニックを誘致した四日市市が予想だにしなかったことだ。「残念でならない」。四日市市工業振興課の担当者は話す。

 エボニックは、もともと塩浜地区に三菱マテリアルとの合弁工場で、塗料やトナーなどの添加剤となるフュームドシリカをつくる日本アエロジル(80%出資)を40年以上運営し、四日市に根付いている。モノシランとフュームドシリカは原料や副産物を融通し合える関係にある。

 ただ、それらが四日市で投資を実行した決め手ではなかった。エボニックグループは「中国や韓国、台湾も候補地だった」。その中で四日市を選んだ決め手が、三重県と連携した企業誘致態勢の充実だった。

 四日市市には「企業立地促進条例」と呼ぶ、企業の設備投資に絡む補助金制度が設けられている。固定資産・都市計画税に相当する金額のうち10億円まではその半分、10億円超の部分は10分の1(限度額10億円)が5年間に渡って補助される。四日市市の工業振興課はエボニックに補助金制度をアピールするとともに、三重県と連携して関係法令に絡む許認可作業の流れを軸に、工場建設の具体的なスケジュールを示した。環境対策など諸手続が迅速にできる支援態勢を提案した。

 補助金制度に加えて、日本の法制度は細かくて複雑と見ていたエボニックのハードルは低くなった。コストは高くても、ハイテク企業が集まる日本の生産拠点はアジア開拓にも生かせるとみて、四日市への立地が最善との判断に至った。

 そもそも外資系企業が日本国内にこの規模で新工場を建てた例は、ここ最近ではほぼ見掛けない。人口減少で内需が縮小傾向にあるうえ、賃金などのコストも高い日本は敬遠されがち。日本の製造業自体が、海外への生産移転を加速している中で勝ち取った誘致だったが、その灯も消えてしまった。

 四日市市工業振興課の担当者は「エボニックに補助金を支払うかどうかは微妙。これから交渉する」という。今回の撤退は四日市市にとって大きな痛手となるだけでなく、日本全体の競争力低下を映しているようでもある。

(武政 秀明 =東洋経済オンライン)

1052荷主研究者:2012/10/29(月) 00:01:21
>>1051
http://www.isenp.co.jp/news/20121012/news06.htm
2012/10/12(金)伊勢新聞
出荷開始わずか1年余 エボ社 四日市工場を閉鎖へ

【エボニック・モノシラン・ジャパン四日市工場=四日市市石原町で】

【四日市】ドイツの化学メーカー「エボニック・モノシラン・ジャパン」(東京)が、工業用ガス「モノシラン」を生産している四日市工場(四日市市石原町)を近く閉鎖する。製品出荷から、わずか一年余。市は驚きを隠さず、予定していた補助金を交付しない方向で検討している。

 「こんな結果になって申し訳ない」。今月二日。同社幹部が市役所を訪ね、稼働早々の工場閉鎖をわびた。薄膜シリコン型太陽電池や液晶パネルの市場低迷を受け、原材料となるモノシランガスの需要が大幅に減少したことが閉鎖理由だと同社は説明したという。

 四日市工場は昨年六月に生産を始めた。生産量は年産一千トン。同九月から製品出荷を開始し、翌月にはドイツ大統領が工場視察に訪れた。閉鎖時期は確定していないが、同社は生産を今秋終了し、速やかに工場閉鎖に向けた作業を始める。

 市担当者は、稼働一年余での閉鎖について「状況が厳しいとは聞いていたが、一気に閉鎖とは・・・。正直驚いている。本当に残念だ」と話す。企業立地促進条例に基づき、想定していた五年間で三億円の補助金は「出しづらい」(同担当者)という。

 臨海部への新規の化学メーカー立地は久しぶりで、雇用面での市の期待も大きかった。工場立地に合わせ、従業員約五十人が地元雇用されたが、同社は「グループ内異動も含め、調整している」としている。市としても関係部署などと連携を図り、従業員の再就職に全力を尽くす考えだ。

1063荷主研究者:2012/11/15(木) 23:45:28

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820121008aaaw.html
2012年10月08日 日刊工業新聞
宇部興産、タイヤ用ゴム増強−年12万5000トン

 宇部興産は千葉石油化学工場(千葉県市原市)で自動車タイヤ側面のサイドウォールに使う合成ゴム「ポリブタジエンゴム」(BR)の生産を拡大する。8月に年産能力を従来比1万5000トン増の11万トンに増強したが、2013年12月までに新たに1万5000トン増やし、同12万5000トンにする。8月増強分と合わせた投資額は約30億円。タイヤ大手が進める新興国での生産増強に対応した安定供給体制を築く。

 宇部興産は10年7月、千葉石油化学工場に14億円を投じ、主原料のブタジエンからBRを反応させる反応器を1基増設することを決めた。

 今年8月末に稼働を始め、年産能力を従来比16%増の11万トンに引き上げた。このほど反応器をさらに1基増設することを決め、13年末に稼働させる。

1065荷主研究者:2012/11/25(日) 23:39:29

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820121025aaau.html
2012年10月25日 日刊工業新聞
三井化学、電子部品原料のフェノールを2割減産−中国で需要減

 三井化学は11月から、電子部品などに使うフェノールを生産能力比で2割減産する。最大消費国である中国の需要減退で市況が低迷。主原料であるベンゼンの高騰を受けて採算も悪化したため、中国のスポット市場向け(月当たり約1万5000トン)の供給を停止する。これによって市況を引き締め、11月以降の採算改善を目指す。

 三井化学のフェノール年産能力は93万トンで、世界シェア1割を持つ。大阪工場(大阪府高石市、年産能力20万トン)、市原工場(千葉県市原市、同19万トン)、シンガポール(同31万トン)と、出光興産との合弁会社である千葉フェノール(千葉県市原市、同23万トン)の4拠点で生産する。

 うち、大阪工場で稼働率を70%に落とす。市原工場は岩国大竹工場(山口県和木町)の爆発火災事故の影響で、メタパラクレゾール原料のサイメンを代替生産していることから、11月29日の定期修理明け後に稼働率60%にする。

1066荷主研究者:2012/12/09(日) 11:17:17

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/10/18-8651.html
2012年10月18日 化学工業日報
【連載】シェールガス開発で注目 ドリリングケミカル(上)

需要急拡大、市況も上昇

 「今世紀最大のイノベーション」と三菱ケミカルホールディングスの小林善光社長が評価するシェールガス・オイル開発。その影響はエネルギー分野で産業全般に及ぶほか、とくに化学産業では石油化学に大きなインパクトを与えている。そしてシェールガス開発の進展につれて新たなケミカル市場が花開きつつある。�aドリリングケミカル�bと呼ばれ始めているそれら化学品や鉱物資源類は、市況が一挙に数十倍に上昇する動きも出ている。  (渡辺義真)

※40倍の高値をつけたグアーガム※
 アイスクリームや養殖魚餌料用の増粘剤に使用されているグアーガム。インドやパキスタンで産出されるグアーマメを採取して製造される天産品で、ニッチながら安定した市場を保っていた。そのグアーガムが突如として国際的な争奪戦の渦中に放り込まれたのが2010年秋のこと。市況がにわかに上がり始め、以降は右肩上がりに高騰し、11年には従来の40倍の高値で取引される事態となった。今年に入って市況は沈静化の動きが出ているものの、いぜんとして玉不足が続いている。

 その原因となっているのが北米におけるシェールガス・オイルの開発加速だ。掘削時のフラクチャリングと呼ばれる工程で増粘調整を図るためグアーガムの需要が増えた。しかし、天産品のためすぐに供給量が増えず暴騰を招いた。

※増粘向け材料が相次ぎタイト化※
 シェールガス・オイルの開発にともなって、需給バランスのタイト化や高騰を招いているのはグアーガムだけではない。増粘安定剤のカルボシキメチルセルロース(CMC)がグアーガム代替用途で伸長。増粘機能を持つ粘土の一種であるベントナイトは米国で建値が上昇、国産品などと混ぜて使用される場合が多い日本でも価格が強含みで推移している。掘削用の泥水の密度を増加させるために使用するバライト(重晶石)は先行きの供給不安が懸念されている。

※深い層への掘削で飛躍的に増加※
 シェールガス・オイルの採掘には、ドリルを用いて地中に井戸を掘る際に掘削泥水(WBM)といわれる化学物質などを含んだ水を使用する。さらに水平に掘削する際にもフラクチャリング流体と呼ばれる化学品入りの水を使う。そこに使用される化学品や鉱物資源は数十種類にもおよび、開発施工を担うサービスカンパニーに属する調泥師と呼ばれる専門技術者が鉱区の条件などに合わせて調合する。

 従来の石油・ガス開発においても、WBMは必須で多くの化学品が使われていた。しかし、ファラクチャリング流体はシェールガス・オイルの採掘で初めて実用化された技術。また、シェール層は従来のガス・オイル層よりも深いため、WBMの使用量も多くなる。シェール層へのアプローチが可能となったことで、使用する化学品の数も量もこれまでより飛躍的に増加した。このため、1つの需要分野としてカテゴライズしようという動きが広がっており、ドリリングに使用する化学品という意味で�aドリリングケミカル�bという言葉が誕生しつつある。

1067荷主研究者:2012/12/09(日) 11:17:43

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/10/19-8668.html
2012年10月19日 化学工業日報
【連載】シェールガス開発で注目 ドリリングケミカル(下)

成長見込み企業活動活発

※WBM需要は年5000万トンに※
 ドリリングケミカルの市場規模は、正確には分かっていない。数量的には掘削泥水(WBM)向けの需要量は年5000万トンに達し、そのうち主に加重剤に使われるバライトなどの砂系統の鉱産物が4000万トン、これら砂類を被覆する樹脂類が500万トン、セラミックスが500万トンほどあるといわれる。

 これだけでもすでに大きな市場となっているが、注目すべきはその成長性にある。一般にWBMとフラクチャリング流体の需要量はリグ(掘削装置)数に比例すると考えられている。そのリグ数はシェールガス・オイル生産の主産地である米国において1990年代後半は1000を割り込んでいたが00年代に入り急増、足元では約2000に達している。そのうえ掘削距離の深さとフラクチャリング工程の誕生によって、井戸1本当たりの水や使用物質の量はかつてよりはるかに多い。さらにシェール層の開発は米国から中国、アフリカなど世界的に進むとみられている。

※北米でフェノール樹脂生産拡大※
 こうした有望市場の出現を踏まえた企業活動も活発となってきた。ドリリングケミカル向け需要が1年で2倍にも伸び、年20万トンほどに成長してきたフェノール樹脂では北米のメーカーが相次ぎ増産投資を決定。日本勢でも住友ベークライトが北米で増産する。ポリ乳酸(PLA)業界でも新たな需要が創出されつつあることへの期待が高まっている。世界最大手のネイチャーワークスはドリリング用途を中心とした新市場で「1日10件ほど話が来ている」(マーク・フェルブルーゲンCEO)として、最適グレードの開発を積極化。米ダウ・ケミカルはシェールガス掘削向けの特殊アミンを開発、拡販に乗り出した。

 クレハは飲料ボトル向けの展開を主に考えていた新規事業のポリグリコール酸(PGA)をドリリングケミカル用中心に供給する方針を固めている。プラント起工時には「考えてもいなかった用途」(同社)を軸とする方向へと短期間に事業戦略を転換することになる。総合商社ではドリリングケミカルのなかでも最も使用量が多いとされるバライトで双日がメキシコの鉱山に出資。これを皮切りに市場の情報をいち早く集積し、ドリリングケミカル分野の総合サプライヤーになる戦略を描いている。

※環境対応製品へ移行する動きも※
 ドリリングケミカルは開花したばかりの市場だけに、使用される化学品・材料の変化も著しい。とくにシェールガス開発に際しての最大の課題ともいわれる環境問題に対応した製品への移行が進んでいる。グアーガムなど天産品やPLA、PGAなど生分解性を持った樹脂の需要が急増しているのも環境対応性との関連が大きい。環境問題に限らず掘削法や北米以外の地域での掘削が増えるなどの変化に合わせ、今後も必要とされる材料が変わっていくと考えられる。PGAのように突然ドリリングケミカル用途が出現するような現象も頻繁に起こることは間違いない。ドリリングケミカルはあらゆる可能性を秘めた化学産業の新天地といってよさそうだ。
(了)

【写真説明】双日バライト選鉱工場 バライトはドリリングケミカルで最も使用量が多い。双日はメキシコの鉱山に出資した

1068荷主研究者:2012/12/09(日) 11:19:32

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/10/25-8755.html
2012年10月25日 化学工業日報
ダウ・ケミカル 衣浦工場を閉鎖へ

 ダウ・ケミカルはエポキシ樹脂を生産する衣浦工場(愛知県半田市)を今後2年以内に閉鎖する。世界経済の減速に対応してコストを削減するために決めた人員削減と生産設備の閉鎖の一環となる。

 衣浦工場は1984年から生産活動を開始した。生産能力は基本液状樹脂が年2万2000トン、固形樹脂が同2万トン。

1069荷主研究者:2012/12/09(日) 11:20:09
>>1068
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/10/31-8832.html
2012年10月31日 化学工業日報
欧米化学の生産撤退が提起した課題

 四半世紀を超えるダウ・ケミカル衣浦工場(愛知県)が歴史を閉じる。世界規模のコスト削減策として、約20工場を閉鎖する一環だ。主力生産品目であるエポキシ樹脂は、独シュターデでの増産などグローバルな生産のなかで供給に影響を与えないとしているが、日本での象徴的事業拠点である衣浦工場の閉鎖は、多国籍企業にとって日本がモノ作り拠点として魅力を失っていることを示している。ダウ・ケミカルは東証に上場する数少ない外資系企業であり、衣浦工場はレスポンシブルケア活動、地域貢献などで高い評価を受けてきた。それだけに経済合理性は理解できても、ショッキングなニュースである。

 日本における生産見直しを行っているのはダウ・ケミカルだけではない。BASFはチバ買収によって得た磯原工場(茨城県)の主力生産品である酸化防止剤「イルガノックス1010」の生産をシンガポールに移管する。同工場は東日本大震災の被害を受け、製品を米国から輸入して凌いだという経緯がある。地震対策という見方もあるが、そうではない。同社では6年前にコスト競争力のあるシンガポール工場に生産を移管することを決定した。純粋に収益力に基づく判断だ。エボニックも四日市におけるモノシランガスの製造から撤退する。

 バブル崩壊以降、欧米系化学企業は本国から派遣する社員を減らし、事務所の移転、日本人社長の登用など日本での事業コストの削減策を次々と打ち出してきた。

 だが、「メードインジャパンはBASFにとって財産。安全・安心で高品質のエクセレントな製品は日本のトレードマークであり、ブランド」というBASFアジア太平洋のサオリ・デュボーグ社長のコメントが示すように、生産は維持してきた。リーマン・ショック後に欧米化学の世界的な生産体制の再編成のなかでも日本での生産活動に大きな変化はなかった。

 だが、エネルギーコスト上昇、超円高などによる日本のハンディキャップは、欧米化学企業にとっては収益の足を引っ張るだけのものになりつつある。来るべきものが来たというのが、現在の多国籍化学企業の日本での生産活動の現状だ。

 日本はモノ作りに向かないと、欧米化学企業から突きつけられた評価を日本政府はどう受け止めているのか。化学製品は東日本大震災で寸断されたサプライチェーンが示したように、経済活動や日常生活に不可欠である。その競争力が低下し、生産が海外へ移ることのリスクは大きい。揺らぐ日本のモノ作り競争力を取り戻すために、政策を総動員すべき時期である。

1070荷主研究者:2012/12/09(日) 11:20:35

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/10/30-8797.html
2012年10月30日 化学工業日報
【連載】アクリル酸・SAP 曲がり角の中国市場(上)

過剰懸念高まるアクリル酸
需要を上回る新増設計画

 中国でアクリル酸・同エステルの供給能力が過剰局面を迎えている。2ケタ成長を続ける需要を背景に新増設が活発となり、2012年はこれまでに合計約50万トンが加わった。一方、需要は「業界内の今年の成長率見通しはバラつきがあるものの10%から20%程度」(市場関係者)で、12年は120万トン程度と予測されている。生産能力は11年末段階でこの水準に達しており、さらに計画通りに増強が進めば大幅な過剰となりそう。(上海支局=白石孝祐)

 近年、中国のアクリル酸需要は年率10%を超える成長が続いてきた。高吸水性樹脂(SAP)をはじめとして水処理剤、塗料、接着剤、繊維などの用途分野がいずれも拡大基調にあることが背景にある。

 この成長需要を取り込むため、中国企業だけでなく外資系企業も加わった新増設計画が各地で浮上している。とくに中国資本では10年から11年前半にかけての高騰も投資を後押ししたといわれる。この時期、需給バランスのタイト化でアクリル酸ブチルの中国国内価格は1トン当たり2万元を突破した。

※来年以降も相次ぐ※

 今年に入って江蘇裕廊が泰興市(江蘇省)で年産能力16万トンのアクリル酸設備を立ち上げた。春には三木集団の同8万トン設備も稼働を開始した。さらに、すでに完成していた中国海洋石油(CNOOC)・恵州の同16万トン設備が8月下旬、商業運転に入っている。江蘇裕廊は第2期として同16万トン設備を年内に立ち上げる予定。

 13年以降に稼働が見込まれる計画としては台湾の粘着材・包装材料メーカーの炎州集団が南通で4月に8万トンのアクリル酸と同規模のアクリル酸ブチルの建設に着手した。また、ポリウレタン大手の煙台万華がプロパン脱水素によるC3誘導品拡大戦略にアクリル酸を据えている。合計30万トンの生産能力を形成する構え。山東開泰もアクリル酸8万トン新設計画を進めている。

※実需盛り上がらず※

 市況は世界的な景気低迷の影響から実需が盛り上がりを欠いている状況下、11年後半以降は下げ基調を継いできた。一時は1トン当たり1万2000元を割り込んだものの、7月に入って原油やプロピレン、アルコール類の価格上昇を材料にようやく底を打った。

 その後、各社の生産調整に加えて国慶節前後に中国主要メーカーで相次ぎプラントトラブルが発生。国慶節前に需要家が在庫水準を落としていたため、「ディーラーを中心として一気に買いが進んだ」(市場関係者)。一部メーカーでは数回にわたり価格引き上げを実施しており、足元ではアクリル酸が1トン当たり1万6000ー1万6500元、アクリル酸ブチルで同1万8000元前後が取引の主流。実需が盛り上がりを欠く状況は続いており、どの程度騰勢が続くかは不透明だ。(写真はBASF南京のプラント)

1071荷主研究者:2012/12/09(日) 11:21:05

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/10/31-8798.html
2012年10月31日 化学工業日報
【連載】アクリル酸・SAP 曲がり角の中国市場(下)

2極化の様相強まるSAP
紙おむつ用、先行組に強み

※売り先確保に苦労※
 生産能力の拡大が進む中国の高吸水性樹脂(SAP)市場は、2極化の様相が強まってきた。大手のうちサンダイヤポリマーは2011年に南通市(江蘇省)の製造拠点で第3期増設を終え年産14万トン体制としたほか、日本触媒も14年稼働を目指し張家港(同)拠点の能力を現状比倍増の同6万トンとする計画。この2社に代表される既存メーカーが紙おむつ大手向けをほぼ押さえており、「新規参入した中国勢では売り先確保に苦慮している」(市場関係者)といわれる。このため一時盛り上がったSAP投資機運には、落ち着きが出ているようだ。

 現在の中国のSAP生産能力はサンダイヤポリマーが年産14万トン、日本触媒3万トン、台湾プラスチックグループ(FPG)4万トン、アクリル酸大手の江蘇裕廊の関係会社・宜興丹森科技有限公司が10万トン。これら主要メーカーのほか、小規模メーカーで合計30万トン強あるとみられる。

 今後は日本触媒の増強計画のほか、BASFが南京(江蘇省)で14年初めの稼働開始を目指し同6万トンを新設中。宜興丹森も15年までに同20万トンへの引き上げを狙う。FPGも寧波の増設を視野に入れているもよう。

 新規参入では大手アクリル酸メーカーの一角・浙江衛星が5月、嘉興市(同)で年産3万トン設備建設に着手した。同社はこれに先立ち平湖市(同)でプロパン脱水素(PDH)によるプロピレン年産45万トン設備の新設を推進中の現地化学企業を買収している。

 上海華誼集団の傘下企業でアクリル酸年産21万トン能力を有する上海華誼アクリル酸有限公司でも、2万トン規模のSAPの本格生産を志向しているといわれる。ただ、同社が立地する上海浦東新区・高橋地区は高橋石化の移転計画が浮上しており、同社も安徽省などを候補に将来的に移転する見通し。このため現在の立地での大型投資は難しそう。

 外資を軸とした既存大手と、新規参入組の中国勢がいずれも生産能力の増強を模索または推進しているものの、大手紙おむつメーカー向けはほぼ前者が押さえている。

 中国の紙おむつ市場ではユニ・チャーム、P&G、スウェーデンの製紙大手SCAが買収し6月から同社グループとなった全日美、中国企業・恒安集団などが大手グループ。「これらで大半のシェアを確保している」(市場関係者)状況。

※品質重視で淘汰も※

 加えて「1人っ子政策下で生まれた世代が親となりつつあり、この世代は品質に対する関心が非常に高い」(同)といわれる。紙おむつでも品質が重視されていく結果、「対応できないメーカーは淘汰されていく」(同)という見方も出ている。紙おむつ生産が大手に集約される流れは、新規SAPメーカーにとっては厳しい。既存メーカーにとって中国での総生産能力拡大は、すぐには直接的脅威にならないとはいえ、市況の下振れ圧力の懸念があるようだ。
(了)

1072荷主研究者:2012/12/09(日) 12:40:25

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820121102aaad.html
2012年11月02日 日刊工業新聞
日本触媒、大阪でスマホ電子材料を代替生産−姫路再開めど立たず

 日本触媒はスマートフォン(多機能携帯電話)向けフィルムの生産に必要な添加剤など電子材料関連の生産を、吹田工場(大阪府吹田市)で数週間以内に始める。姫路製造所(兵庫県姫路市)で生産していたが、爆発・火災事故により操業を停止しているため供給できない状況が続いている。多くのスマートフォンで採用されており、これらの生産への影響が懸念されていた。姫路製造所の操業再開のめどが立たないことを受け、代替生産で早期供給を目指す。(3面に社長インタビュー)

 吹田工場は電子材料関連の研究・開発拠点。小規模な製造設備や試験設備を備えており、これらを改造するなどして、代替生産する体制を整える方針だ。

 同社はスマートフォン向けフィルムの添加剤について、機能や生産規模など詳細は明らかにしていない。

1073荷主研究者:2012/12/12(水) 00:53:54

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820121107agaz.html
2012年11月07日 日刊工業新聞
日本触媒、姫路のアクリル酸増設計画を維持−供給体制整備急ぐ

 日本触媒は9月29日に爆発・炎上事故が発生した姫路製造所(兵庫県姫路市)のアクリル酸の増設計画を維持する。110億円を投じ、8万トンの設備を2013年8月に稼働する計画で、一部設備建設を済ませた段階。

 現在は姫路市の操業停止命令で増設計画も止まったまま。9月30日の事故後の会見で凍結する方針が示されていたが、できるだけ早期に供給体制を整備するため計画を続行する方針。関係各所の許可のもと操業停止が解除され次第、再開する。(12面に関連記事)

 日本触媒の池田全徳社長は6日、大阪市内で会見した。国内の集中生産リスクも指摘されるが「海外で工場を建設すると最低30カ月かかる。早急な海外移転は物理的に難しい」と述べた。海外での増産を進めるものの、姫路での増設計画は維持する。姫路製造所の大部分の設備再稼働のめどは立っていない。

1079荷主研究者:2012/12/30(日) 23:45:28

http://www.sankeibiz.jp/business/news/121128/bsc1211280503005-n1.htm
2012.11.28 05:00 Fuji Sankei Business i.
三井化学、レゾルシンの設備再建断念

 三井化学は27日、今年4月の岩国大竹工場(山口県和木町)の爆発火災事故で全壊し、操業を停止していた「レゾルシン」の製造設備の再建を断念することを明らかにした。レゾルシンはタイヤ用接着剤や樹脂の添加剤などに使われ、同社の世界シェアは約1割を占める。需要が低迷していることなどから、再建しても採算が見込めないと判断した。

1080荷主研究者:2012/12/31(月) 10:33:02

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820121129aaax.html
2012年11月29日 日刊工業新聞
三菱レイヨンと三菱化学、豪州炭を共同調達−輸送費4割低減

 三菱レイヨンは三菱化学と自家発電設備の燃料などに使う豪州炭の共同調達を始めた。両社の持ち株会社、三菱ケミカルホールディングス(HD)が進めるグループ連携の一環。共同調達により最大積載量7万トン級のパナマックス船を用いることで、同3万トン級の小型貨物船を使った場合に比べて輸送費を4割以上低減できる。

 三菱レイヨン大竹事業所(広島県大竹市)が使う大竹港(同)は水深が浅く、パナマックス船のような大型船の入港が許可されていなかった。このため、自前で水深調査を実施し、大竹事業所の担当者が関係各所に交渉。輸送する豪州炭7万トンのうち三菱化学の四日市事業所(三重県四日市市)に約4万トンを降ろし、大竹港入港の際の石炭積載量を安全な量に下げることでパナマックス船の入港許可を得た。

 すでに1回目の共同調達を実施しており、12月に三菱化学と2回目の共同調達を行う。

1081荷主研究者:2012/12/31(月) 10:34:21

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820121129cbal.html
2012年11月29日 日刊工業新聞
ダイキンとダイセル・エボニック、PEEK・フッ素樹脂混合材の生産開始

 ダイキン工業とダイセル・エボニック(東京都新宿区、坂野正典社長、03・5324・6331)は、2社で共同開発したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とフッ素樹脂を混合(アロイ化)した樹脂生産を12月末に始める。新混合樹脂はPEEKの高い機械強度とフッ素樹脂の摺動(しゅうどう)性や絶縁性といった特徴を併せ持つ。まず半導体製造装置などの電線用被膜向けに供給し、自動車の絶縁部品や食品製造装置といった分野も開拓する。

 フッ素化合物を微粒子状でPEEKに分散配合させることでアロイ化を実現した。生産は主にダイキン工業の淀川製作所(大阪府摂津市)で行うが、一部を外注とする。販売はダイセル・エボニックが担当。小規模生産から始め、年間1万トン強と言われる国内フッ素樹脂市場の一部と新市場を開拓していく。

1082荷主研究者:2012/12/31(月) 11:12:52

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/11/19-9083.html
2012年11月19日 化学工業日報
monday close up 化学各社 明暗分かれる電材事業
好調スマートフォン/半導体先端材料
凋落の太陽電池/薄型テレビ部材
Libセパレータはフル生産

 化学大手が成長分野と位置づけるエレクトロニクス関連材料の売れ行き格差が鮮明になってきた。スマートフォンに搭載される半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)向け部材は高成長が続いている。半面、太陽電池や大型液晶パネル関連部材は世界経済の減速に供給過剰と円高が重なって来年まで低迷が続く見通しである。

※レジストで大型投資も※
 高機能化が進むスマートフォンには線幅20ナノメートル台のプロセッサーや、高精細中小型FPDなどの最先端部材が詰め込まれている。最新プロセスの半導体製造用フォトレジストの需要は高い成長が続いており、「下期も液浸レジストは伸びる」(JSR、富士フイルム)。景気低迷下にありながらも、東京応化工業は韓国にレジスト新工場を建設する大型投資を決断した。半導体封止材は汎用品が伸び悩んでいるが、薄型パッケージ向けインターポーザー部材は需要が大きく増えている。住友ベークライトは薄型基板材料「LαZ」の増産投資を矢継ぎ早に行い、売上高250億円を目指す。

※高精細化で強みを発揮※ 
 また、中小型FPDは高精細化が差別化の柱となっており、この分野では日本メーカーが強みを発揮している。斜め延伸位相差フィルムで高シェアを握っているのは日本ゼオンで、福井県敦賀市に新工場を建設するなど増産に拍車をかける。光学フィルム事業は今年度上期が赤字となったが、通期では前年度比3倍の黒字になる見通し。JSRも位相差フィルム用高機能樹脂「アートン」の売上高は上期に前年比70%増と大幅に伸長。タッチパネル向け市場も急速に拡大しており、日立化成工業は層間充填用の「ファインセット」の売上高が「100億円規模になった」という。

 このほか、リチウムイオン2次電池(LiB)材料では「セパレーターはフル生産。エコカー向け需要も中国で伸びている」(宇部興産)。

※先行き不透明な新エネ※
 こうした成長部材がある一方で、業績の足を引っ張っているのが新エネルギー分野。とくに太陽電池向け材料は政府の導入支援策が始まったにもかかわらず、先行きの見通しは厳しい。大陽日酸はエボニックデグサジャパンとのモノシランガス製造事業から、JX日鉱日石エネルギーは太陽電池用シリコンウエハー事業からそれぞれ撤退を決めた。ポリシリコン大手のトクヤマも社運を賭けたマレーシアプロジェクトを大幅に変更、第1期分は対象市場を半導体向けに転換した。太陽電池製造部材では東海カーボンやリンテックなどが上期に続いて下期も低迷が続くとみている。

 LiBでも電気自動車(EV)需要の予想外の低調が響いている。関東電化工業が水島工場の電解質設備の一部減損処理を余儀なくされるなど先行きは不透明だ。

(広木功)

【写真説明】スマートフォンに搭載される高精細の中小型FPD向け部材の需要は堅調だ

1083荷主研究者:2012/12/31(月) 11:13:54

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/11/21-9109.html
2012年11月21日 化学工業日報
JX日鉱日石エネ 中間原料事業を強化 C9は提携

 JX日鉱日石エネルギーは、機能化学品における中間原料事業を拡大する。世界2位の供給力を誇るポリイソブチレン(PIB)は既存装置のボトルネックの解消で2015年を目処に生産能力の増強を検討中。オムツ用のホットメルト接着剤用途が好調な石油樹脂は、未利用のC9留分を持つパートナーとの連携を摸索していく。塩素系洗浄剤からの置き換えが進む炭化水素系洗浄剤は、環境性能と洗浄力を売りに国内シェアを拡大する考え。同社は特定市場を狙った機能化学品を複数積み上げることで収益の安定化を目指しており、機能性ケミカル製品も高付加価値を売りに需要の取り込みを図っていく。

【写真説明】川崎製造所のPB(ポリブテン)、PIB(ポリイソブチレン)製造プラント

1084荷主研究者:2012/12/31(月) 11:14:26

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/11/22-9127.html
2012年11月22日 化学工業日報
東ソー 特殊合成ゴム、高機能化を推進

 東ソーは、特殊合成ゴム事業を強化する。クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)やクロロプレンゴム(CR)は一層の高機能化を推進。CSMは高性能化による新規用途開拓を進め他のポリマー領域への進出を目指し、CRはラテックスグレードの接着性能向上などを図る。CSMは今後、2ー3月程度の在庫を常備し、BCP(事業継続計画)対策にも着手する。同社は南陽事業所(山口県周南市)において両製品を製造しており、ゴム事業のテコ入れで「ビニル・イソシアネート・チェーン」の強化につなげていく。(写真=CSM製造設備)

1085荷主研究者:2012/12/31(月) 11:19:48

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/11/29-9205.html
2012年11月29日 化学工業日報
昭和電工 廃プラ水素化設備 今年稼働率ほぼ100%に

 昭和電工は、廃プラスチック水素化プラント「KPR」の今年の平均稼働率がほぼ100%に達しそうだとの見通しを明らかにした。2003年の操業開始以来、低稼働を余儀なくされてきたものの、ここにきてノウハウの蓄積を通じた運用改善により、安定稼働が可能な状況に持ち込んだ。来年以降も高水準の稼働を維持し、目標とする2年以内の赤字体質からの脱却に弾みをつける。【写真説明】製造したアンモニアは環境に配慮した「エコアン」として注力している

1086荷主研究者:2013/01/03(木) 09:15:06

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/11/27-9161.html
2012年11月27日 化学工業日報
【連載(上)】ナフサ連動価格の終焉ー石化産業もう1つの危機

[国際市況とのリンク進む]
誘導品の輸出採算性悪化

 需要縮小に苦しむ石油化学産業。国内のエチレン設備は昨年秋から稼働率が8割台に低迷し、余剰能力削減の機運が一気に高まっている。その石化産業の土台を揺るがしかねない、もう1つの異変が起こりつつある。国内価格のグローバル化だ。石油化学製品の国内価格は主産物であるエチレン、プロピレンを除けば国際市況とのリンクが急速に進んでいる。これが主産物にも波及した場合、エチレンセンターの収益構造は大きく劣化する可能性が指摘されている。   (佐藤豊)

※原料価格に原因※
 「ナフサリンクのエチレン価格は長くはもたない。自然に消滅していくだろう」。千葉地区で石化コンビナート地区に参画し、基礎原料をセンター会社から購入する誘導品企業の社長が指摘する。センター会社にも同調する声がある。「ナフサ連動の原料では誘導品段階で利益が出ない。グローバルな視点を取り入れた新たな価格体系が必要だ」。

 昨年来、石化誘導品事業は輸出市場でコストが合わず大幅な赤字に陥るケースが続出している。責任を追及される誘導品事業の担当者は、赤字の原因の1つに「基礎原料の価格決定方式がある」と指摘する。石化産業を守ってきた価格メカニズムに対し、身内から反乱が起きつつある。

 石油化学製品の国内価格は、第2次オイルショックで原油価格が高騰した1970年代に、「2N方式」と呼ばれるナフサ価格と連動した価格体系が定着した。ナフサ価格が1キロリットル当たり1000円変動するごとに、石油化学製品の価格を1キログラム当たり2円変動させるもので、「1000円・2円方式」とも呼ばれる。基準となるナフサ価格は輸入通関統計の3カ月間の平均価格(円建て価格)に諸費用を加えた価格が採用されている。

※変動リスク回避※
 こうして定着した国内の石化製品価格体系は、原料コストの変動リスクをメーカーが負わない代わりに、需給バランスの変動も反映されないメカニズムとなった。つまり大儲けも大損もない世界だ。

 なぜ、このようなガラパゴス的メカニズムが定着したのか。その背景には当時の日本の石化産業が自動車、家電といった日本の製造業を支える産業に対し合成樹脂などの基礎素材を安定提供する立場から、価格も安定化が求められたことがある。つまり、川下業界との合意形成のもとで定着した価格体系だった。

 当時はアジアにおいて日本以外で石化産業そのものが育っておらず、日本固有の価格体系が成立しても不都合がなかった。需要家が等しく日本で素材を調達し、日本やアジアで製品を販売している限り国内価格に矛盾はなかった。

※主産物にも乖離※
 しかし、経済のグローバル化や中東・アジアにおける石化産業の勃興などを背景に、その後は国内価格の矛盾が表面化。近年ではベンゼン、キシレンなどエチレン、プロピレン以外の製品とその誘導品群の価格体系は、紆余曲折を経ながら国際市況など需給バランスを反映させる値決め方式に移行している。

 さらに、足元の急激な円高やアジア市況の下落を背景に、なおナフサ変動で推移する主産物のエチレン、プロピレンおよびその誘導品も、国内価格と国際価格の間には看過できない乖離が生じている。この乖離に対し、需要家だけでなく石化メーカー内部からも異論が噴出している。

(写真はナフサ貯蔵タンク)

1087荷主研究者:2013/01/03(木) 09:15:47

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/11/28-9178.html
2012年11月28日 化学工業日報
【連載(中)】ナフサ連動価格の終焉ー石化産業もう1つの危機

[輸入品に傾斜する川下産業]
合成樹脂の内需浸食進む

※大震災が契機に※
 「ナフサ連動の価格がうまく反映できなくなってきた」。大手ポリオレフィンメーカーの営業担当者は、大口需要家である自動車部品メーカーとの取引で起こっている異変を明かす。ここにきて顧客の購買担当者はナフサ価格が安い期間に大量に発注をかけ、高くなると購入を控えるようになったのだ。このため、原料コストの上昇分を予定通り製品価格に転嫁できない。ただ、「結果的に年間の契約量を買ってくれるので何もいえない」と表情を曇らせる。

 石化製品のナフサ連動価格、すなわち1000円・2円の論理が最も色濃く反映されているのがポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂だ。しかし、円高や価格決定メカニズムの違いが生み出す内外価格差により、合成樹脂の内需浸食は加速している。

 川下産業は東日本大震災を契機に合成樹脂の輸入量を拡大している。国際市況で原料を調達すれば、コストを大幅に引き下げることを学習した。ネックだった品質面での格差の問題も、使いこなすうちに克服しつつある。

※品質問題も克服※
 円高メリット創出に躍起となっている自動車メーカーは、樹脂加工メーカーなどのサプライヤーに対し一定量の輸入原材料の使用を指示するケースが増えている。「部品や半製品を輸入調達に切り替える動きも加速している」(サプライヤー)。さらに、国内調達分も3カ月あるいは半年ごとの価格改定というルールの虚を突くかたちでコストダウンが進められているのだ。

 食品包装業界も原料である合成樹脂の輸入拡大に乗り出している。「最初は2割。その後3割、4割と輸入比率を拡大する」と明かすプラスチック食品容器メーカーの経営者は、「日本の石化産業がアジアで断トツの地位だった時代は終わった。輸入品は品質面でもキャッチアップしつつある」と指摘する。

 それでは需要家が望む新たな価格決定メカニズムとは何か。「やはり需給バランスに連動した国際市況を採用するのが最も公平でリーズナブルだ」との声が多い。その一方、四半期あるいは半年に一度という価格決定のサイクルについては、現行のメカニズムを評価する声もある。「アジア市況のように毎週値段が変わり、その都度交渉するのではエネルギーがかかりすぎる」(包装材料メーカー)。

※汎用品は放棄へ※
 石化メーカーも黙ってこうした状況をみているわけではない。価格フォーミュラーと呼ばれる決定要因のなかに原料価格だけでなくアジア市況の変動分などを一定の割合で織り込み、需給バランスを反映させる動きは始まっている。

 ただ、主産物であるエチレン、プロピレンおよびその誘導品は原料コストを転嫁しなければ事業として成り立たないというのが石化メーカーの本音だ。このため「海外勢と競合する汎用製品について、日本の石化メーカーは放棄する過程にある。独自の価値を認められる高付加価値製品に特化することで価格体系も維持できる」という。しかし、高付加価値製品も主戦場は海外にシフトしつつある。グローバルに考えれば、国際市況から逃れた事業を構築することは難しいといわざるを得ない。

(写真は食品容器製造ライン)

1088荷主研究者:2013/01/03(木) 09:16:25

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/11/29-9179.html
2012年11月29日 化学工業日報
【連載(下)】ナフサ連動価格の終焉ー石化産業もう1つの危機

[シェール革命でベンゼン復活]
「軽質化」時代への対応を

※いち早く国際化※
 米国のシェールガス革命による「石油化学の軽質化」を背景に、国際市況が一気に高騰しているベンゼン。日本の大手石油精製メーカーは「ベンゼンの輸出が石油化学部門の収益を下支えすると期待している」と表情を緩める。エチレン、プロピレンのナフサ連動価格が生き残る一方で、いち早く価格が国際化したのがベンゼン。ここにきて、そうした製品の事業環境がむしろ好転している。

 芳香族製品のうち、ベンゼンはバイプロダクト(副産物)という宿命から歴史的にみて事業採算の厳しい時期が長かった。ベンゼンの供給ソースには大きく2つある。1つはエチレン設備で、もう1つは石油精製の2次精製工程である改質装置(リフォーマー)。

 このうち、エチレン設備の主産物はエチレン、プロピレンなどのオレフィン。また、リフォーマーの主産物はガソリン基材のトルエンやポリエステル原料のパラキシレンだ。ガソリン基材としてのベンゼン使用規制が起きた驟年代以降、副産物としての性格がより強まった。

 かつてベンゼンの営業を担当していた精製系企業のOBは「どうせ余りものなのだからタダで持ってこいとドヤされたこともある」と苦しかった時代を振り返る。しかし、シェールガス革命と価格の国際化がベンゼンを復活させている。

※エタン転換進む※
 米国のエチレン設備はナフサと天然ガス(エタン)の両方を原料に使用できる、いわゆるスイングプラントが多い。シェールガス生産の本格化とともに、エチレン原料はナフサからエタンへの転換が一段と進み、副産物ベンゼンの供給が大きく減少しているのだ。米国のベンゼンスポット価格は今年10月に過去最高を更新し、なお騰勢を強めている。

 ベンゼンと裏返しのケースがブタジエンだ。合成ゴムの原料であるブタジエンも石化の軽質化で需給バランスがひっ迫化。とくに昨年はアジア市況が一時1トン当たり4000ドルを突破し、韓国などアジアの石化企業はエチレンセンターの収益を大きく伸ばした。しかし、ナフサ連動方式の日本国内ではその恩恵を享受できなかった。

 現在、エチレンセンターはエチレン、プロピレン、ブタジエンの3製品のマージン(3品マージン)で収益を支える構造だ。いずれもナフサ連動価格を基本としているが、ここにきてブタジエンは需要家との間でアジア市況を織り込んだ価格体系に切り替える交渉が進んでいる。

※新規技術で増産※
 一方、エチレンはシェールガス革命などの石化の軽質化により長期的にも市況が低迷すると予想されている。天然ガスを由来としたエチレン系製品の輸入が増大すれば、国内価格をナフサと連動させる考え方そのものが成り立たなくなる可能性がある。

 価格の国際化が避けられない情勢をにらみ、石化メーカーはエチレン設備を削減する一方、ブタジエンを増産できる新しい生産技術の商業化を目指すなど、石化の軽質化時代に生き残る道を模索し始めている。

 世界の石化の需給構造に歴史的な転換点が訪れるなかで、原料の9割以上をナフサに頼る日本の石化産業。ブタジエンやベンゼンなどを目的生産物に転換する構造改善に成功すれば、鎖国状態を解いて価格の国際化時代に生き残れるかもしれない。

【写真説明】シェールガス革命は石化産業の構造転換を促す。ナフサから得られる芳香族製品の供給にも影響している(写真はベンゼンプラント)
(了)

1089荷主研究者:2013/01/03(木) 10:20:57

http://www.sankeibiz.jp/business/news/121207/bsc1212070501001-n1.htm
2012.12.7 05:00 Fuji Sankei Business i.
昭電工、収益強化へ事業再設計 国内工場の統廃合、東南アジアに新拠点

 昭和電工は、世界経済の減速や長引く円高などの経営環境の変化を踏まえ、既存事業の再設計に乗り出す。国内事業では工場の統廃合を検討し、2013年中にも具体的計画をまとめる。海外事業では中国での事業拡大を図り、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国に新たな拠点を設け、収益力の強化を目指す。

 国内事業は、市況低迷などで収益力が低下している石油化学、化学品、アルミニウム事業の見直しを進める。市川秀夫社長は、主要拠点の大分コンビナートの競争力強化に向け、国内外の企業との連携を目指す方針を示すとともに、「工場の統廃合も考える」としている。

 一方、HD(ハードディスク)と電炉向け黒鉛電極の2事業を中心にグローバル展開を加速。HD事業では13年上期にも最高容量の製品を世界に先駆けて投入する。黒鉛電極事業では従来の先進国向け製品に加え、12年4月に買収を決めた中国の黒鉛電極メーカーでの現地生産を足がかりに、低価格帯の新興国向け製品を拡充する。

 市川社長は都内で5日に開いた会見で「事業環境が大きく変化しており、『旗』を小さくしなければならない」と説明。13年の業績目標は達成が難しく、2015年に連結売上高1兆1000億円、営業利益1000億円を目指す中期経営計画の数値も実現が先送りになる可能性を示唆した。

1090荷主研究者:2013/01/03(木) 10:24:21

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820121203cbaj.html
2012年12月03日 日刊工業新聞
東ソー、ジルコニア粉末増産へ−南陽事業所を設備増強

 東ソーは南陽事業所(山口県周南市)で実施していたセラミックスの一種であるジルコニア粉末生産設備の増強を完了し、2013年1月に商業生産を始める。イットリアを約5%添加したイットリア安定化ジルコニアを生産し、自動車の構造部品や歯科材料、人工関節などの原料として需要を見込む。設備増強後の生産能力は非公表だが、四日市事業所(三重県四日市市)を含めた生産能力は従来比2割増となる。

 南陽事業所におけるジルコニア粉末生産設備の増強工事は、10億円以上を投じて4月から建設を始め、12月に試運転を行う。イットリア安定化ジルコニアは従来のセラミックスの弱点だったもろさを克服し、高強度で亀裂が発生しにくいという特性を持つ。

 東ソーは1983年にジルコニア粉末生産設備を南陽事業所に建設。09年に四日市事業所にも生産設備を設け、2拠点で生産体制を整えていた。

1093荷主研究者:2013/01/06(日) 13:12:24

http://www.sankeibiz.jp/business/news/121221/bsc1212210504013-n1.htm
2012.12.21 05:00 Fuji Sankei Business i.
住友化学 スマホ向けタッチパネル 韓国工場強化、生産能力を倍増

 住友化学は20日、韓国に建設したスマートフォン(高機能携帯電話)向けのタッチセンサーパネルの製造工場に数十億円を投じ、生産能力を倍近くに引き上げる方針を明らかにした。来年半ばの稼働開始を目指す。

 住化は、韓国子会社で電子材料事業の拠点の「東友ファインケム」に約190億円を投じ、タッチセンサーパネル工場を建設。今年5月から量産を始め、全量をサムスングループの「三星モバイルディスプレイ」などに供給している。

 生産能力の引き上げは、サムスン電子のスマホ「ギャラクシー」シリーズの販売が好調で、サムスン側から増産の要請があったため。同工場の生産能力は公表していないが、既存の製造ラインの増強などにより、倍近くに生産量を引き上げることが可能という。

 住化の情報電子化学部門の2012年度の売上高は約3100億円の見込み。今回の生産能力の引き上げなどを通じ、売上高を15年度には約4500億円まで引き上げる計画だ。スマホ向けに加え、急速に市場が拡大しているタブレット端末向けにもタッチセンサーパネルの供給を検討している。

 タッチセンサーパネルは画面に指で触れてページをめくったり、画像を拡大したりできるもので、スマホやタブレット端末向けなどに需要が急増している。今後は電子黒板やナビゲーション表示材などの幅広い用途への適用が予想される。

 住化は液晶パネル部材の大手で、生産技術を応用して高精度のタッチセンサーパネル市場に参入。安価な海外製品の流入で主力の石油化学製品事業が低迷する中、新たな収益源として積極的に展開する方針だ。(橋本亮、豊田真由美)

1094とはずがたり:2013/01/06(日) 20:00:08
>>1086-1088
>米国のシェールガス革命による「石油化学の軽質化」
アセチレン系カーバイド化学からナフサ系石油化学への転換を興味津々で調べている俺だが,世の中は既にその先に行ってるんですなぁ。

>石油化学製品の国内価格は、第2次オイルショックで原油価格が高騰した1970年代に、「2N方式」と呼ばれるナフサ価格と連動した価格体系が定着した。ナフサ価格が1キロリットル当たり1000円変動するごとに、石油化学製品の価格を1キログラム当たり2円変動させるもので、「1000円・2円方式」とも呼ばれる。
ナフサの価格設定はこんな感じになっていたんですねぇ。

ナフサの補助金としての減税が不当にもダラダラ続いているけど,それと併せて価格付けも原油精製メーカー保護色の強いものになっているのか。
そろそろナフサにも課税して転換強制していかないとどうしようもなくなってからさあどうしましょ?と国に泣きついて来かねない。。

>芳香族製品のうち、ベンゼンはバイプロダクト(副産物)という宿命から歴史的にみて事業採算の厳しい時期が長かった
そうなのか。。
ベンゼンは昔(高校の化学の授業時)から割と好印象なんだけどw

1095荷主研究者:2013/01/10(木) 23:45:39

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20121226302.htm
2012年12月26日02時18分 北國新聞
輸液・透析事業に参入 陽進堂、味の素製薬と合弁会社

 陽進堂(富山市)は点滴に使う輸液製剤や透析関連医薬品の製造販売事業に参入する。25日、味の素(東京)の100%子会社の味の素製薬(同)から輸液・透析事業を分割し、来年7月1日付で合弁会社「エイワイファーマ」(仮称)を設立する契約を締結したと発表した。新会社で年間200億円の売り上げを目指す。

 陽進堂の下村健三社長、味の素の長町隆専務執行役員、味の素製薬の豊田友康社長が都内で会見した。

 新会社の資本金は1億円で、資本構成は陽進堂が51%、味の素製薬が49%。本社は東京に置き、社長には味の素製薬の佐藤文正専務執行役員が就く。

 味の素製薬の静岡、埼玉両県の計3工場は新会社に移管され、約700人体制となる。新会社で製造する医薬品の販売は、国内は陽進堂、海外は味の素製薬が担当する。

 味の素製薬は輸液・透析事業の構造改革を検討しており、同社の資産を陽進堂主体の効率的な事業運営で最大限活用することが両社の企業価値の向上につながると判断した。

 下村社長は「味の素製薬は基幹病院に販売ルートを持っており、これを生かして後発薬の売り上げも増やしたい」と述べた。

1107荷主研究者:2013/01/20(日) 10:22:41

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/12/03-9242.html
2012年12月03日 化学工業日報
ダイヤニトリックス 主力品生産 前倒し集約

 ダイヤニトリックス(東京都中央区)は、主力化学品の生産体制を再編する。黒崎工場(福岡県)で生産しているアクリルアマイドを横浜工場に集約し能力を6割削減。ポリアクリルアミドも富山工場に生産機能を統合して能力を縮小し、需給のバランス化と収益改善を図る。同社は2015年度をめどに汎用品の生産を集約するとともに、付加価値の高い戦略商材を増産する計画を打ち出していた。足元の汎用品内需が当初の想定よりも速く縮小してきているため、計画を前倒しで実施する。

1108荷主研究者:2013/01/20(日) 10:31:04
Wikipediaによると、ニトロベンゼンは「濃硝酸と濃硫酸を混合した混酸をベンゼン (C6H6) に反応させて作る」とのこと。
濃硝酸が黒崎駅(日本化成)から到着しているので、この輸送量が減ってしまうのであろう。液化塩素(南延岡発)も減少しているようで、三井化学専用鉄道の先行きが心配ではある。

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/12/03-9234.html
2012年12月03日 化学工業日報
三井化学 ウレタン事業 大牟田でテコ入れ

 三井化学は、大牟田工場(福岡県大牟田市)におけるウレタン事業のテコ入れを図る。コストダウン計画の一環として、今月からMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)原料のニトロベンゼンの自製をやめ、安価な韓国製品の輸入に切り替える。年間数億円単位の削減効果を見込む。特殊イソシアネートも開発を進めており、弾性や耐熱性に優れた2製品の実用化を目指す。生産体制の見直しと高付加価値製品の開発で収益改善を加速する。

1109荷主研究者:2013/01/20(日) 10:34:17

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/12/18-9449.html
2012年12月18日 化学工業日報
クラレ 鹿島事業所で液状ゴムを増強

 クラレは液状ゴムの生産体制を強化する。高機能タイヤ分野をはじめとする旺盛な需要に対応するため、14年7月の稼働開始予定で鹿島事業所(茨城県)で年7000トンの増強投資を実施するもの。現在開発中の新規植物系(ファルネセン)液状ゴムの本格展開へも対応する計画。同社では、生産体制の拡充によりコアビジネスであるイソプレン系事業の規模拡大を推進する。

1110荷主研究者:2013/01/20(日) 10:35:14

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/12/25-9518.html
2012年12月25日 化学工業日報
【連載(上)】 アンモニア 転機迎える基礎原料

内需120万トン時代が到来
生産縮小で供給に不安も

 長い間、日本の化学産業の基礎原料として重要な役割を果たしてきたアンモニアに転機が訪れている。低迷が続く国内景気を受け、かつては160万トン台を誇った内需は130万トン割れが目前。自社生産撤退を打ち出すメーカーが相次ぎ、残された各社の供給責任は重さを増す。一方、世界的にアンモニア需要は成長が見込まれ、水素を貯蔵・運搬する機能も注目される。そうしたニーズに対応すべく、従来のエネルギー多消費型製造プロセスからの転換を目指す動きが出てきている。
(吉水暁)

※合繊原料向け低迷※

 「アクリロニトリル(AN)、カプロラクタム(CPL)の不振がここまで大きく響くとは」。昭和電工の担当者は夏以降のアンモニア消費量の大ブレーキにため息をつく。合成繊維原料のAN、CPLはアンモニア内需の約4割を占める大口用途。近年は中国・アジア市場の旺盛な需要を背景に、後退局面にあったアンモニア内需を支えてきた。

 しかし、市況の低迷を受けて域内のAN、CPLメーカーは減産に入り、アンモニア消費量が急減。ANは秋以降、前年同月比で7割の水準まで落ち込んでいる。

 硝酸など誘導品類の需要が全般的に振るわず、自動車部品などの加工用途も低調。「唯一良いのは火力発電所の脱硝向け」(宇部興産)だが、これらの減少分を補うにはいたらず、新たな火力発電所の建設がないため伸びも限定的だ。

 そのため、業界で囁かれているのがアンモニア内需120万トン台時代の到来だ。リーマン・ショック直後の2008?09年度でさえ130万トン台半ばで踏みとどまっていたものの、大口用途のAN、CPLで持ち直しが見通せない以上、今年度は130万トンを割り込む可能性が大きい。各社は一段と縮む内需と真剣に向き合わざるを得ない状況となっている。

※輸入品調達に課題※

 ただ、段階的に製造設備を統廃合すればよいのかというと、そう簡単にはいかない。各社のチェーンにアンモニアはしっかりと組み込まれ、「簡単には止められない」(メーカー)。アンモニアプラントが工場のユーティリティー供給源となっている場合も多く、バランスが崩れる懸念がある。

 もう1つの問題は輸入品が安定調達できるかだ。縮小傾向の日本市場とは反対に、人口が増加基調にある新興国では肥料向けの消費が拡大し需給は締まっている。海外市況は高止まりが続いており、適正価格はおろか「必要量が確保できない局面も出てくるのでは」(大手化学元役員)との心配は常につきまとう。

※スワップ再構築を※

 老朽化が進む国内アンモニア設備はトラブルを起こしやすく、三菱ガス化学が新潟工場で自社生産停止の意向を示した現在、「これ以上、設備が少なくなると代替供給も困難になるだろう」との声が複数のメーカーから上がっている。海外を含めて既存のスワップ枠組みを再構築することが急務となっている。

 旭化成が自社生産から海外調達に切り替えたこともあり、輸入量は増加傾向にある。2?3年以内に海外品抜きでは内需を支えられない時代が来るのは間違いない。「アンモニアは化学産業を支える重要な存在。輸入に頼るような風潮で果たしてよいのだろうか」という国内大手アンモニアメーカー役員のつぶやきが重く響く。

1111荷主研究者:2013/01/20(日) 10:35:36

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/12/26-9550.html
2012年12月26日 化学工業日報
【連載(下)】 アンモニア 転機迎える基礎原料

「HB法」超える新技術は
日本で低圧法提案相次ぐ

 12月15日、東京工業大学の主催で緊急シンポジウム「アンモニアのブレークスルーを目指して」が開催された。土曜日にもかかわらず、約270人の参加者のうち過半数が企業関係者。テーマは東工大の教授らが開発した新規アンモニア合成触媒で、従来は難しかった低圧合成を可能にする技術として高い関心が寄せられている。

※セメント成分利用※

 「世界のエネルギー消費量を抑えられることにつながればインパクトは大きい」。同僚の細野秀雄教授とセメント成分「C12A7」を用いて新規合成触媒を開発した原亨和教授はこう語る。現在のアンモニア量産法は約100年前にドイツでフィリッツ・ハーバーとカール・ボッシュが確立したハーバー・ボッシュ(HB)法によるもので、「いま使われているプロセスはすべてHB法の変形」(宇部興産・千葉泰久顧問)といわれる。しかし、高温・高圧が必須のためエネルギーを多く消費することが問題。一説によると、世界のエネルギー消費の数%はアンモニア製造に使われているほど。

 両教授が開発したC12A7を用いたアンモニア合成触媒は、アルミナセメントの構成成分を電子物化した後、ルテニウムを担持させることで窒素結合の切断能力を高めた。「低エネルギー化を果たすにはより強い電子供与能力が必要」(原教授)と考え、籠状の構造を持たすなどの工夫を加えて既存の10倍まで活性レベルを引き上げた。

 今後の課題として原教授は高表面積化、新たなプロセスシステムの構築、ルテニウムに代わる安価な材料の3点をあげる。「まだ新しい合成ルートを見つけたという段階」として、企業と連携しつつ技術の磨き上げに努める構え。

※鉄触媒でも可能に※

 東京大学と九州大学の研究チームが12月に「ネーチャー・コミュニケーションズ」に発表した合成法も省エネに貢献する新たな技術だ。鉄を触媒とし、水と接触するだけでアンモニアになるシリルアミンという化合物を反応させ、常温常圧でアンモニアを作り出すことができる。安価な鉄で省エネ化が可能になるだけに注目度は高い。今後は反応効率化が課題になるとみられる。これら以外にも同志社大学の伊藤靖彦教授、東京農工大学の亀山秀雄教授らもそれぞれ新たな合成法を考案している。

※水素貯蔵が最適か※

 しかし、HB法の完成度の高さを打ち破るには、乗り越えるべき障壁は多い。宇部興産グループの宇部アンモニア工業は、約40年の操業の間で「触媒は2回しか変えていない」(千葉顧問)という。また、エンジニアリングメーカー関係者によると、プロセス反応効率化はこの50年で半分以上改善されたといい、「触媒が省エネに果たす役割は限られるのでは」と指摘する。このため、一連の新合成法は「水素エネルギー社会が来た時の水素の貯蔵・供給源として用いるのが最適だろう」(経済産業省関係者)との見方も出ている。

 かつてハーバー氏が提唱したアンモニア合成法を商業化できたのは、BASFに勤務していたボッシュ氏の協力があったからこそといわれる。日本発のアンモニア合成技術が歴史を塗り替えられるかどうかは、適切な用途先の見極めとともにいかに企業の協力が得られるかにかかっている。

(了)

【写真説明】上 東工大のシンポジウムには多くの企業関係者が参加した 下 C12A7結晶構造のイメージ

1115とはずがたり:2013/01/22(火) 10:11:59
>>1110-1111
世界的に逼迫しているのに日本では供給縮小とはなんとかならんのかねぇ?!

>ただ、段階的に製造設備を統廃合すればよいのかというと、そう簡単にはいかない。
>各社のチェーンにアンモニアはしっかりと組み込まれ、「簡単には止められない」(メーカー)。
>アンモニアプラントが工場のユーティリティー供給源となっている場合も多く、バランスが崩れる懸念がある。
逆に効率的な大規模プラントにも感嘆には出来ないと云う事のようだが。

1116とはずがたり:2013/01/22(火) 15:49:55

─三井物産の取り組み─
挑戦と創造
アンモニア供給で
食糧の安定供給に貢献
http://www.mitsui.com/jp/ja/business/challenge/1190502_1589.html

地球温暖化による天候不順、新興国の需要増、食糧のバイオ燃料への転用などを原因として、国際的に食糧価格が急騰している。そんな中で、肥料の原料であるアンモニアは、食糧需給の戦略物資として位置づけられるようになった。三井物産は2000年にインドネシアに合弁でカルティム・パシフィク・アンモニア社を設立、自らがメーカーとなって、アンモニアの安定供給を開始し、食糧供給の安定に寄与している。

肥料原料として不可欠なアンモニア

アンモニアの生産量は全世界で現在、約1億5,000万トン。アンモニアは、特有の強い刺激臭が想像されるほかはあまりなじみのないものだが、その8割近くが肥料の原料に、残りの2割は合成樹脂や繊維の製造に利用されている。

肥料の3大要素は窒素・リン酸・カリであるが、窒素を肥料として利用するには、大気中に含まれる窒素を固定化する必要がある。100年近く前に発明され現在工業的に唯一の方法なのが、窒素を水素と結合させてアンモニアとする方法だ。つまり、窒素成分はアンモニアでしか供給できず、化学肥料の原料として欠くことができない。肥料は、農業生産に大きな影響を及ぼしていることは言うまでもない。世界的な人口増や耕地面積の不足、新興国の食生活の高度化による食糧不足に対応するには、単位面積当たりの収量増加が求められる。それには肥料の適切な使用がポイントとなるのだ。

こうした背景から、アンモニアの需要は今後、年率3〜4%以上の増加が見込まれている。特に、食糧危機が危惧されるアジア、中南米、アフリカでの需要の伸びは確実であり、このため、アンモニアが食糧需給の戦略物資と位置づけられている。

BOT方式でインドネシアにプラントを建築

三井物産のアンモニア事業への取り組みは、貿易から始まった。1990年代に入ってアジアでの需要が伸び始めた当初も、ロシアや中東から主に輸入販売していた。だが、アンモニアは冷却液化して輸送しなければならず、マイナス33℃に保つことのできる特殊輸送船が必要で、このため、多大な輸送コストがかかる。実際に、持ち込み価格の3割近くを輸送価格が占めるほどになってしまった。アンモニアの販売価格を安定させるには、できるだけ市場に近い場所で製造することがカギとなる。そこで三井物産は、アンモニア製造プラントをアジアで建設し、自らメーカーとして供給することに踏み切った。合弁でカルティム・パシフィク・アンモニア社(KPA社)を設立し、インドネシア・ボンタン市に年間製造能力66万トンのプラントを建設。2000年から操業している。

このプロジェクトにはBOT(Build Operate & Transfer)方式を採用した。すなわち、三井物産が自らアンモニアを製造した事業収入によって投資を回収した後に、国営肥料会社であるカルティム社にプラント一式を簿価で引き渡す。BOT方式は、資源があっても技術と資金が足りない途上国にとって有益な手法だ。また、建設にあたっては、運営を担当する化学品第一本部とプラントの建設販売を手掛けるプロジェクト本部が協業で取り組んだ。その最大のメリットは、ワンストップでプロジェクトを進行させることで、立ち上げまでの準備期間を大幅に削減できたことだが、一方、プラント稼働後、数々のトラブルにも見舞われ、操業が安定するまでの数年間にわたり両本部は組織の垣根を越えた協力体制を敷き関係を深化させることになった。その後、各営業本部間で盛んになった社内横断的な事業展開のさきがけとして、このプロジェクトはエポックメーキングな案件となった。

1117とはずがたり:2013/01/22(火) 15:50:08
>>116-117
東アジア唯一のアンモニア生産拠点から
特殊輸送船によるオンタイムのロジスティクス

KPA社の優位性は、最先端技術の導入による世界最高レベルの生産効率もさることながら、何といってもそのロケーションにある。アジアにおいて、大規模なアンモニア生産拠点はここを除けば中東にしか存在せず、東アジアの市場に対してはインドネシアという立地が圧倒的に優位なのだ。さらに、原料となる天然ガスは1990年代後半に契約済みの価格のため、昨今のエネルギー価格高騰の影響を回避できた。この点もコスト面で有利に働く。KPA社の設立によって、自社生産分を含めた三井物産のアンモニア取扱量は、世界でも五指に入る約150万トンに達する。この数量は、パイプライン輸送を除く全世界の洋上輸送分 1,500万トンの1割に上り、アジア市場約470万トンのおよそ3割を占める規模である。

KPA社のさらなる強みは、ロジスティクスにある。前述のように、アンモニアの輸送には専用の冷却船が必要であるが、現在、アンモニア用の特殊輸送船は世界に100隻ほどしかない。三井物産はさまざまなサイズのアンモニア輸送船計5隻を用船契約し、アジア域内で常時輸送を展開している。どの地域の顧客へ、いつ、どれだけのアンモニアを供給するか勘案しつつ、受け入れ港の能力と船のサイズも考慮して、ロスのない輸送を実現させることである。そのためには高度なロジスティクス機能が求められており、運航・安全管理業務は専門事業者に委託したうえで、アンモニア専用の特殊輸送船受け入れに関する補助業務の一切を取り仕切る。また、効率的な配船による在庫管理の徹底、ソースの多様化といったサプライチェーン全体のマネジメントによって、安価かつ安定的な供給を確保している。

2008年7月からはさらに、1万5,000トンのアンモニア専用の特殊輸送船を追加し、顧客のニーズに対応していく。

さらなる展開も視野に

KPA社のアンモニア製造プラントの所有権は、2018年から2022年の間にインドネシア国営肥料会社に移転され、現地に還元される計画だ。KPA社は従業員200名のほとんどを現地で採用している。雇用を創出しているほか、失業者の職業訓練施設を設けたり、パソコンを無償で提供したりといった社会貢献も行っている。三井物産はこのプロジェクトの実績を糧に、今後、インドネシア以外の地域でも、新たにメーカー合弁を積極的に展開していく構想を持っている。アンモニア製造プラントを建設するには、天然ガスの産出国が有利だ。天然ガスに含まれるメタンから、主原料である水素を取り出すことができるからだ。しかも、アンモニア製造には少量の天然ガスがあれば足りるため、LNGを製造量に満たない産出量でも製造が可能であるうえ、余剰分のガスを有効利用する選択肢としても提案できる。

三井物産のアンモニア事業は、貿易だけの取り扱いから、メーカーとしての化学肥料の原料となるアンモニア製造販売へと進化してきた。今後、世界の食糧問題解決への一助となることを目指し、アジアを起点に世界へ向けてアンモニア事業の拠点を広げていく。

2008年7月掲載

1118とはずがたり:2013/01/22(火) 15:50:32
>>1116-1118
アンカー間違えた。。

1119とはずがたり:2013/01/22(火) 18:48:09
>>87
>当社川崎事業所は、東日本唯一のアンモニア生産・供給拠点であり、生産能力は年産
>19万7千トンである。この内、自家消費分を除く約9万トンを大小様々な荷姿で外販しており、その販売シェアは業界第一位となっている。

>>448
>ンモニアの国際市況は急騰している。05年ごろまでは1トンあたり250−400ドル程度で推移していたが、昨年は一時500ドルを超えた。
>三菱ガス化学の減産に加え、三菱化学が接着剤原料などになるメラミンの生産を昨年終了し、副産物としてのアンモニア生産も中止したためだ。
>一方、東ソーによる硝酸を原料とするウレタン増産などで需要は3万5千トン増える見通しだ。
>残されたアンモニアメーカーの増産余力は少ない。各社とも「フル稼働が続いている」(昭和電工の武笠紀秀ガス・化成品部長)。
>さらに国内プラントは宇部興産が山口県宇部市に構える1969年稼働の工場が最新で、全国的に設備の老朽化が著しい。

>>448
■国内の主なアンモニア生産拠点
▽宇部アンモニア工業(山口県宇部市)36万トン
▽三井化学(大阪府高石市)33万トン
▽旭化成(岡山県倉敷市)32万トン
▽宇部興産(大阪府堺市)20万トン
▽日産化学(富山市)12万トン
▽昭和電工(神奈川県川崎市)12万トン
▽三菱ガス化学(新潟県新潟市)9万トン
(注)数字は年産能力

アンモニアというと昭和電工川崎と日産化学速星が想起されるがどちらも生産量は大したこと無い様だ。
それでも昭電川崎は外販の販売シェアは業界第一位であるそうな。

アンモニアの需給がタイトに成っていて居るという記事は>>448の他>>1110でも云っているし,アンモニアの輸送はー33度の低温に保つことが必要でコストが掛かる>>448>>1116そうであるから是非,東日本にももう一箇所でかめのアンモニア工場造ってみてはいかがか!?
日産化学と三菱化学の計21万㌧をスクラップビルドして30万トンクラスを新潟含む東北地方の日本海側に立地してさ♪(因みに最新鋭のインドネシアの工場は66万トン級のようだ。)酒田北港のアルミ工業の亡霊漂う宏大な空き地なんかどうだろう?富山まで遠すぎるか。

1120とはずがたり:2013/01/24(木) 21:23:14
アンモニア
http://www.knak.jp/muki/nh3.htm
日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめた個人のデータベースです。

1121荷主研究者:2013/02/03(日) 12:22:13

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820130110cbay.html
2013年01月10日 日刊工業新聞
三菱化、カタール公社などにオキソ生産技術を供与

 三菱化学は9日、カタール石油公社とシェルケミカルズにオキソ生産技術を供与するライセンス契約を結んだと発表した。カタール石油公社とシェルケミカルズがカタールで進める天然ガスを原料とした大規模石油化学プロジェクトのオキソ生産工程(年産能力25万トン)に用いられる。

 オキソ製品は塩化ビニール樹脂の添加剤に使う2エチルヘキサノールやノルマルブタノール、イソブタノールなどで構成。三菱化学は水島事業所(岡山県倉敷市)で2エチルヘキサノールを年14万5000トン、ノルマルブタノールを同9万5000トン生産する。中国、インドネシア、南アフリカでライセンス実績がある。

1123荷主研究者:2013/02/10(日) 12:17:14

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820130116cbav.html
2013年01月16日 日刊工業新聞
三井化学、フェノール減産拡大−ベンゼン高騰で採算悪化

 三井化学は高機能樹脂原料であるフェノールの減産幅を生産能力比4割に拡大した。2012年11月に同2割減産したが、主原料となるベンゼン価格の高騰で採算悪化が続いていることに対応する。同社のフェノール年産能力は95万トンで、世界シェア1割を持つ。

 年明けからシンガポールの生産設備(年産能力31万トン)で稼働率を6割に落とした。併せて千葉地区コンビナート(千葉県市原市、同44万トン)に2基ある生産設備のうち、1基の稼働を停止した。大阪工場(大阪府高石市、同20万トン)は稼働率7割を維持している。

 フェノールは電子機器向け誘導品の需要停滞で市況が低迷。1月のベンゼンのアジア契約価格は前年同月比410ドル高の1トン=1470ドルと、値上がりが続いている。このため、採算を示すスプレッド(原料ベンゼンとの価格差)も低迷している。

1127とはずがたり:2013/02/10(日) 18:32:43
>>1125-1126
三井は京葉エチレンから撤退して自社に集中し,住友は逆に自社から撤退して京葉エチレンに増資してくのか。

それにしても100億も固定費削減できるとなればねぇ。。

1128荷主研究者:2013/02/24(日) 10:59:07

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1302010004/
2013年2月1日 神奈川新聞
資生堂鎌倉工場閉鎖:国内生産体制見直し、社長「断腸の思い」/神奈川

 「断腸の思い」−。半世紀にわたり主力工場だった鎌倉工場を閉鎖すると31日、東京証券取引所で発表した資生堂の末川久幸社長は、厳しい表情を崩さなかった。

 昨年9月。沖縄・尖閣諸島の国有化に端を発した反日デモが、拠点再編のきっかけの一つとなった。資生堂製品の不買運動が業績に響き、2013年3月期の通期決算で150億円の減収を予想せざるを得なかった。例年ならば売り上げが伸びる第4四半期で110億円の減収を見込むなど「想定以上の落ち込み」(末川社長)に、収益が低迷している日本国内の生産体制を見直すことを決断した。

 同社の生産量は全世界で年間約10億5千万個。国内が6割を占め、約1億個の生産量を誇る鎌倉工場では主力の口紅をはじめ多岐にわたる商品を生み出してきた。今も社員280人、契約社員216人の計496人が働く。末川社長は「面談をして本人の意向を聞きながら決める。正社員は掛川や大阪などの工場に配置転換する」と説明した。

 末川社長は会見後、記者団に対し「鎌倉の市民の皆さまに愛された工場ですから、それは断腸の思いではあります」と胸の内を明かした。

1129荷主研究者:2013/02/24(日) 11:02:45

http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201301/0005701583.shtml
2013/1/28 16:05 神戸新聞
P&G本社、移転先は三宮 16年春にも新ビル入居

 日用品大手のP&Gジャパンが神戸・六甲アイランド(神戸市東灘区)にある本社の移転先を、神戸・三宮(同市中央区)に決めたことが28日分かった。昨春に移転を表明後、従業員の利便性などに配慮して神戸市内を最優先に探していたが、大型物件が少なく、大阪・梅田なども候補地として挙がっていた。

 移転先は、JR三ノ宮駅南側の神戸市中央区小野柄通7。現在、三井住友信託銀行の神戸三宮支店があるが、同支店は2月中旬に移転する。土地・建物を所有する会社が12階建てのオフィスビルに建て替え、P&Gは2016年春にテナントで入る見込みだ。

 六甲アイランドの現本社は1993年、大阪市内に点在していた事務所などを統合して開設。本社機能と研究開発部門があり、約1200人が働く。ここ数年かけてアジア事業の戦略立案部門をシンガポールに移したことなどで活用していないスペースがある。日本でさらに事業拡大を目指すため、より利便性の高い場所を探していた。現本社は売却する方針。

 移転先をめぐっては、神戸以外に、JR大阪駅北側の再開発地域「うめきた」なども浮上。今月に入って、三宮周辺に新設される高層ビルに入居する企業を対象に、神戸市が賃料を補助、兵庫県が法人事業税の軽減を行う方針を固め、進出を促していた。

(松井 元)

1130荷主研究者:2013/02/24(日) 11:43:34

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2013/01/08-9573.html
2013年01月08日 化学工業日報
昭和電工 ANチェーン強化 青酸比率向上の新製法開発

 昭和電工は、アクリルニトリル(AN)チェーン事業強化の一環として、副生品の青酸生産比率を従来と比べ大きく引き上げることができる新製法の開発にめどをえた。これによりアラニン、グリシンなどの青酸誘導品の増産に対応できる。早ければ13年にも製法転換を図り、誘導品の拡大につなげていく。ANは、世界的に着実な需要成長が期待されているが、新増設計画が活発になっているほか、市況変動の波も大きい。これに対しアラニンなどは比較的安定的な市場構造となっているため、青酸比率拡大を通じチェーン全体の基盤安定化が狙える。

1131荷主研究者:2013/02/24(日) 11:45:46
>>1125-1127
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130202/bsc1302020502005-n1.htm
2013.2.2 06:45 Fuji Sankei Business i.
住友化学、国内エチレン生産撤退 需要減・輸入品増で採算悪化

住友化学の千葉工場にあるエチレン製造設備=千葉県市原市

 住友化学は1日、千葉工場(千葉県市原市)のエチレン製造設備を2015年9月までに停止すると発表した。エチレンは合成樹脂など石油化学製品の基礎原料で、国内需要の低迷や割安な輸入品の増加などで採算が悪化していた。同社が国内に持つ唯一の設備の停止により、エチレンの国内生産からの事実上の撤退となる。

 一方、三井化学は同日、丸善石油化学、住友化学と共同運営するエチレン生産会社「京葉エチレン」から、14年度末をめどに離脱すると発表した。中国や中東などで設備増強が相次ぐなか、コスト競争力を失った日本勢は過剰設備の整理を迫られていた。大手2社が具体策を打ち出したことで、国内設備の再編が加速しそうだ。

 住友化学は千葉でのエチレン生産停止後、京葉エチレンからの調達量を増やし、収益性の高い高機能樹脂などの生産を続ける。エチレンとその誘導品の製造に当たる従業員約250人は配置転換などで雇用を維持する。住友化学の十倉雅和社長は同日、都内で会見し「誘導品の高付加価値化を進めるなどして千葉工場全体を再編し、100億円前後の合理化を目指す」と述べた。

 同社は海外事業を強化しており、サウジアラビアで年産能力130万トン、シンガポールで同109万トンのエチレン製造設備をそれぞれ合弁で運営。国内では事業規模を縮小し高機能素材の研究開発と生産に集中する一方、海外ではエチレンなどの汎用(はんよう)品を手がけ、競争力を高める方針だ。

 化学メーカーが国内にもつエチレン製造設備15基の年産能力は約720万トンだが、生産量は安価な輸入品に押されるなどして伸び悩んでいる。石油化学工業協会によると、昨年のエチレンの国内生産量は約615万トン(前年比約8%減)で、2年連続で減少した。今後も内需低迷と海外からの割安な輸入品の増加は避けられないことから、国内メーカーは生産能力の削減に乗り出した。

 すでに、三菱化学は鹿島事業所(茨城県神栖市)の製造設備2基のうち1基を14年に停止する方針を打ち出している。中国や中東で大規模な製造設備の新設が相次いでいる上、シェールガス革命に沸く米国では石化産業が復活ののろしを上げている。ナフサ(粗製ガソリン)を主原料とする日本勢は、価格競争力を失ったエチレンなどの汎用品事業の整理など構造改革を迫られている。

1135荷主研究者:2013/03/17(日) 12:47:28

http://www.sankeibiz.jp/business/news/130216/bsc1302160801001-n1.htm
2013.2.16 08:22 Fuji Sankei Business i.
シェールガス戦略「対極」鮮明 三菱ケミカルと住友化学が歩む異なる道

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/industry/bsc1302160801001-p1.jpg
石油化学製品の製造工程

 米国でシェールガス革命が進む中で、日本の石油化学業界で三菱ケミカルホールディングス(HD)と住友化学の大手2社の戦略の違いが鮮明になってきた。

 三菱ケミカルはシェールガスを活用した世界戦略を描くのに対し、業界2位の住友化学は海外に持つ大規模石化設備を生き残りの主軸とする方針だ。

 世界的な競争激化によって基礎化学原料であるエチレンの国内設備縮小が相次ぐ中で、安価なシェールガスを原料とする石化製品が台頭すれば、国内メーカーのさらなる競争力強化は不可欠。両社の違いの背景は何か。

 海外拠点を活用

 「エチレン設備はシンボル。寂しいセンチメント(感情)はある」。今月1日、千葉工場(千葉県市原市)のエチレン製造設備を2015年9月までに停止すると発表した住友化学の十倉雅和社長は、記者会見でこう打ち明けた。これで同社はエチレンの国内生産から事実上、撤退することになる。

 鉄鋼と並んで日本の高度経済成長を支えたエチレン設備の停止は「過剰設備縮小の必要性は誰もが理解しているが、自社設備は止めたくないのが本音」(業界関係者)と抵抗感が強い。それでも住化が停止を決断せざるを得なかったのは、世界的な供給構造の変化がある。

 中東や中国では大規模なエチレン設備の増強が相次ぎ、特に中東では割安のエタンガスを原料としているため価格競争力が高く、日本メーカーは劣勢に立たされている。これに拍車をかけるのが、米国のシェールガス革命だ。

 米国ではダウ・ケミカルやエクソンモービルが、シェールガス成分である割安のエタンを使ってエチレンを製造する大型設備を計画。2〜3年後には日本の年産能力(約750万トン)に匹敵するほどの設備ができる。

 国内のエチレン設備は割高なナフサ(粗製ガソリン)を主原料とするため、これに太刀打ちできないとの見方が一般的。十倉社長は国内設備の停止について「シェールガスブームがなくても決断した」と否定したが、影響したとみる向きもある。

 住化が今後の生き残り戦略として掲げるのが、高付加価値化とサウジアラビアやシンガポールでエチレンや誘導品を生産する石化工場の活用だ。

 千葉工場をマザー工場と位置づけ、原料は他社と共同出資するエチレン製造会社から調達して収益性の高い高機能素材の生産を継続。サウジでは、国営石油会社サウジ・アラムコと世界最大級の石油精製・石化複合施設の拡張(ラービグ計画)を進める。

 1期工事はすでに09年から稼働を始めており、シンガポール拠点と合わせて原料、誘導品の価格競争力の強化を目指しており、「米国でのエタンを使った事業は今のところ考えていない」(十倉社長)。

 「最大のポイント」

 これに対し国内最大手の三菱ケミカルHDは、傘下の三菱化学が鹿島事業所(茨城県神栖市)のエチレン設備2基のうち1基を14年に停止する計画と、国内設備を縮小する方針は住化と同じだが、小林喜光社長はシェールガスについて「最大のポイント」と明言する。

 具体的には、傘下の三菱レイヨンが世界一のシェアを持つアクリル樹脂原料「メチルメタクリレート」(MMA)の製造設備を米国で建設することを検討している。MMAはプロピレンから作るのが通常だが、同社はエチレンから製造する技術も持っているため「それで勝負する」(小林社長)方針だ。

 三菱ケミカル以外でも、クラレが14年秋以降、シェールガスを使って接着剤などに使われる機能性樹脂「ポバール」の新工場を米国で稼働させる予定だ。

 住化がシェールガスと一線を画すのは「これまでサウジとシンガポールの石化拠点で巨額の海外投資をしてきたため」(業界関係者)との見方が多い。

 特にサウジの総投資額は1期計画で1兆円規模、昨年発表した2期計画も5000億円以上。ただ、この投資の成果が得られるのはこれからで、現時点でシェールガスに大型投資はしにくい、との理由からだ。

 住化の戦略について、野村証券素材チーム・ヘッドの岡嵜茂樹氏は「(エチレンという)汎用品戦略として有効性はある」と、海外の低コスト原料を生かした手法は評価する。

 ただ、シェールガス革命によって石化産業の世界競争が激化することは間違いないことから、岡嵜氏は「中韓台などのメーカーより常に1、2歩先を走る」ことが必要と指摘。

 一層の高付加価値製品の開発と、割安な基礎化学製品を製造する国への進出が競争力維持の鍵となるとしている。(豊田真由美)

1137とはずがたり:2013/03/17(日) 19:27:41
>>1135
海外進出で先手を打った印象の強い住化だけど頁岩瓦斯革命で結果的に結構リスク取った形だなぁ。。
>住化がシェールガスと一線を画すのは「これまでサウジとシンガポールの石化拠点で巨額の海外投資をしてきたため」(業界関係者)との見方が多い。
>特にサウジの総投資額は1期計画で1兆円規模、昨年発表した2期計画も5000億円以上。ただ、この投資の成果が得られるのはこれからで、現時点でシェールガスに大型投資はしにくい、との理由からだ。

1140とはずがたり:2013/03/17(日) 19:50:01
>>59-60>>105>>460>>1090>>1122>>1125-1127>>1131>>1135>>1137
此処でも三井と住友化学は訣別か。。(´・ω・`)

【第103回】 2013年2月14日
週刊ダイヤモンド編集部
住友化学の国内エチレン撤退で
露と消えた三井の大連合構想
http://diamond.jp/articles/-/31943

化学大手の住友化学と三井化学が国内石油化学の再編で袂を分かつ決断を下した。自動車産業や電機産業を川上で支えてきた化学産業は、国内の産業空洞化と国際競争激化の板挟みになり、石油化学製品の核であるエチレンは国内設備の余剰問題を抱えている。今回の決断をもってしてもなお、生産能力の過剰状態は続く。

2012年の暮れも押し迫ったころ、三井化学の田中稔一社長の元を住友化学の十倉雅和社長、丸善石油化学の藤井シュン社長がそれぞれ訪れた。この3社の共通点は千葉にある石油化学コンビナートにエチレンの生産設備を持っていることだった。

合成樹脂などさまざまな石化製品の基礎原料であるエチレンは、国内生産能力が過剰状態にある。現行の生産能力は年間約750万トン。内需は約500万トンなので、設備の3分の1は余剰だ。

十倉社長と藤井社長は別々に田中社長と面会したが、彼らの目的は同じだった。田中社長が需給に見合う生産体制を再構築するために再三提案してきた千葉のエチレンメーカーによる大連合構想への参画を断り、京葉エチレン(住友、三井、丸善が共同出資している千葉のエチレン生産会社)の生産を停止する案も退けるというものだ。

千葉にある住友化学コンビナート。約40万トンの生産能力を持つエチレン設備の廃止を決めた

代わりに、提案が通らない場合の最後通牒として田中社長が突き付けた「京葉エチレンからの離脱」を促し、「できるだけ早く結論を聞かせてほしい」と告げた。

13年の年明け、3社の社長が集まり三井の離脱で合意した。これを受け、三井が京葉エチレンから15年に資本を引き揚げて調達もやめることを明らかにした2月1日、住友は国内で唯一持つエチレン生産設備を15年までに停止して京葉エチレンからの調達量を増やすことを発表した。

京葉エチレンから三井が調達をやめた分量を住友が引き継ぐというのは、理にかなってはいる。しかし一連の流れは、千葉コンビナートにエチレン設備を持つ4社が大連合を組むどころか、住友−丸善陣営、三井−出光興産陣営に分裂したことを意味した。

国内石化は“冷えガエル”
肺炎で死にかねない

国産エチレンは日本の数十分の1のコストで作れる中東や中国などとの激しい競争に晒されている。加えて、16年ごろから米国でシェールガス由来のエチレンが台頭することで、原料コストの高い日本産が競争力を失っていくのは避けられない。

化学大手首脳は、国内石化は「ゆでガエル」ならぬ「冷えガエル」と自嘲する。

「だんだん冷めていく湯に寒い寒いと言いながら漬かり続ければ、いずれ肺炎で死んでしまう」

価格で戦えない国産エチレンは輸出競争力を失っていく。内需に合わせ生産能力を縮小するべきなのはわかり切っているが、国内各社は目の前のシェア低下を恐れて決断を先送りしてきた。

1141とはずがたり:2013/03/17(日) 19:50:14
>>1140-1141
危機感を募らせた国内最大手の三菱ケミカルホールディングスは、先頭を切って12年、茨城県鹿島地区に持つ2基のエチレン設備のうち1基を14年に停止すると決めた。岡山県水島地区でも、旭化成と同社が持つ設備の1基集約を視野に統合運営を始めている。

鹿島、水島に続く再編の焦点が千葉地区だった。住友、三井、出光、丸善、京葉エチレンの4社・5プラントがひしめき、生産能力は約250万トンにも上る。

田中社長は以前から“千葉大連合”を呼びかけ、10年に出光と共同運営をスタート。しかし住友と丸善がこの構想になかなか同意せず、次の手として京葉エチレンの停止を提案した。生産能力が大きい“寄り合い”工場をなくしてしまえば、各社とも自社工場に手を付けなくて済むからだ。しかし、この提案にも2社は首を縦に振らなかったのである。

丸善は三菱や住友、旭化成、三井のようにさまざまな事業を持つ総合化学企業ではなく、エチレンなど基礎原料に特化した会社。京葉エチレンをつぶせば自社の存続が脅かされかねなかった。

住友も、京葉エチレンを残すことが得策と判断した。同社は国内大手の中でいち早く1980年代から石化の海外シフトを推し進め、千葉での生産能力約40万トンに対し、シンガポールに約109万トン、サウジアラビアに約130万トンもの大型設備を持つまでになった。

だが、先行投資がかさんだ結果、財務は大幅に悪化。有利子負債は1兆円以上に膨れ上がっている。

13年度から始まる新中期経営計画では、海外プロジェクトで実績を出すのと同時に、国内の構造改革を迫られる。老朽化した自社設備を手放し、国内では最も新しく規模も大きい京葉エチレンからの調達に切り替えたほうが合理的という結論に至ったわけだ。

住友の自社設備廃止によって生産過剰に片が付くならば、4社の関係に亀裂が生じるのもやむないかもしれない。しかし現実は厄介なもので、これだけでは過剰状態が解消されない。

「近い将来、千葉はもう一段の設備リストラが必要」というのが業界関係者たちの共通認識である。

しかも住友の海外シフトが進めば、海外工場で作った石化製品を“逆輸入”することも考えられ、そうなれば千葉でのエチレン需要はさらに縮小する。

今回の千葉再編は少し湯を足しただけのもの。再び冷めていく湯に漬かって冷えガエルにならないためには、2陣営体制の中で、もう一段の再編に乗り出さなければならない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳沢里佳)

1142とはずがたり:2013/03/17(日) 19:54:18
>>1140-1142

〜鹿島〜
三菱化学 エチレンプラント2基─(1基停止)→1基

〜水島〜
三菱化学+旭化成→プラントの1基統合を交渉中

〜京葉〜
住友、三井、出光、丸善、京葉エチレンの4社・5プラントがひしめき、生産能力は約250万トンにも上る。

三井の大合同提案を住友・丸善石化が拒否

・住友+京葉エチ(丸善油化)
・三井+出光
の2陣営に。

1143とはずがたり:2013/03/17(日) 19:57:01
まだまだ沢山ありそうだ。川崎の再編はないのかな?

コンビナート所在地及びエチレンプラント生産能力
http://www.jpca.or.jp/62ability/0plant.htm

1147荷主研究者:2013/03/31(日) 22:21:25

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2013/02/21-10191.html
2013年02月21日 化学工業日報
【連載 上】ゼオライトが世界を変える 三菱ケミカル新たな挑戦

膜技術に大きな可能性
ガス田開発や人工光合成に

 三菱ケミカルホールディングスグループのゼオライト技術が化学の新たなイノベーションとして注目されている。ナノより小さいオングストローム(Å)領域の同技術は、「分子ふるい」や「触媒」として活用することで人類の夢である人工光合成プロセスの実用化や、シェールガスやバイオエタノールを利用した石油化学原料の新製法への応用が見込まれている。その過程では「オープン・シェアード・ビジネス」(OSB)と呼ぶ外部とのコラボレーションへの発展が予想されるなど、化学企業の新たなビジネスモデルの可能性も期待されている。
(佐藤豊)

※全長1メートル以上でも欠陥ゼロ※
 三菱ケミカルが本格的にゼオライトの研究を始めたのは約��年前で、その背景には資源・エネルギー問題の台頭があった。石油精製や石油化学の製造工程の主流が大量のエネルギーを必要とする蒸留技術から、省エネルギー技術である膜分離技術へシフトすると予想してのことだ。
 そして、開発したのがシャバサイト型骨格構造と呼ぶ構造を持つ孔径3・8Åのゼオライトを基幹素材とする製品群。基幹素材にはアルミニウム-ケイ素-酸素系の「SSZ-13」とアルミニウム-ケイ素-リン-酸素系の「SAPO-34」がある。この間、SAPO系では機能性吸着剤「AQSOA」を実用化しており、三菱樹脂が低温排熱を利用した除湿・空調として事業化している。
 一方、SSZ-13では全長1メートル以上の円筒状の分離膜に加工しても欠陥(ピンホール)がゼロという世界初の緻密さを実現するゼオライト膜(三菱ハイシリカメンブレン=MSM-1)を開発した。「特殊な添加剤の働きで、ゼオライト粒子の成長方向が一定に揃うことが技術ポイント」(三菱化学科学技術研究センターの瀬戸山亨無機系機能材料研究所所長)で、三菱化学エンジが有機化学品と水の分離分野などで用途開発を進めている。

※不純物分離などに威力発揮※
 水分子の大きさは2・9Å。これに対しアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)、酢酸、ギ酸などの有機化学品の多くは分子の大きさが4?5Åだ。このため、MSM-1によって不純物の水を分離することができる。既存のポリマー膜に対し数段高い分離性能を持っており、耐酸性、耐水性も高い。すでに約1年間の耐久テストも実施ずみだ。
 SSZ-13によるゼオライト膜では将来、ガス田における天然ガスと二酸化炭素の分離といったガス分離用途での展開を検討している。東南アジアなどに存在する二酸化炭素濃度の高いサワーガス田の開発コストを大幅に低減できる技術として、年間1000億円規模の事業に育成していく考え。

※国家プロジェクトにも参画※
 人工光合成分野では2012年11月、国家プロジェクトとして立ち上がった「人工光合成化学プロセス技術研究組合(アープケム、理事長=菊池英一早稲田大学名誉教授)」の主要メンバーとして参画した。
 アープケムは二酸化炭素と水を原料に太陽エネルギーで石化原料を製造する革新的触媒の開発や、プロセス基盤の確立などに関する技術開発を推進する。三菱ケミカルのゼオライトは光触媒による水の電気分解で得た水素と酸素を安全に分離する分離膜として利用される。アープケムはまず16年度にオレフィン合成プロセスの小型パイロット設備を確立する計画だ。

【写真説明】MSM-1膜は天然ガスと二酸化炭素の分離などが期待できる

1148荷主研究者:2013/03/31(日) 22:21:52

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2013/02/22-10212.html
2013年02月22日 化学工業日報
【連載 下】ゼオライトが世界を変える 三菱ケミカル新たな挑戦

石化新製法の実現導く触媒
シェール革命で利用拡大へ

 三菱ケミカルホールディングスグループのゼオライトにおける触媒としての活用では、SAPO-34系触媒による自動車排ガス触媒への展開や、SSZ-13の修飾触媒による石化原料転換触媒への展開などがある。このうち、石化原料転換では粗エチレンからプロピレンを1段で生産できる画期的な「ETP」プロセスの実用化計画を進めている。エチレンのほかメタノールやエタノールからもプロピレンを生産できるため、シェールガス革命やバイオ原料の台頭といった、世界のエネルギー転換の流れに乗った開発・事業化が期待されている。

※1段でプロピレン転換可能※
 SSZ-13の修飾触媒は、プロピレン選択率が90%と世界最高の性能を持つゼオライト系触媒だ。エチレンとプロピレンの混合体の場合、エチレン比率が85%と高濃度でも90%の選択率を維持する。
 同触媒によるETPプロセスの最大の特徴は、エチレンなどから一気にプロピレンを生産できること。既存のオレフィン転換技術はまずエチレンの2量化でブテンを生産し、さらにそのブテンとエチレンからプロピレンを生産するプロセスが必要だった。工程が大幅に簡略化できるので、プロセスの設置コストは従来の約半分ですむ。
 北米や中東などにおける在来ガスやシェールガスなどの天然ガスを原料とする石油化学では、生産される基礎原料のほとんどはエチレンのみ。ナフサを原料とする石油化学に対しコスト競争力は高いが、プロピレン、ブタジエン、ベンゼンなどエチレン以外の基礎原料がほとんど生産できないネックがある。

※エネルギー転換の基幹技術※
 こうしてみると、三菱ケミカルのゼオライト技術は分離膜での展開にしても触媒にしても、世界のエネルギー転換の流れを支える基幹技術であり、しかも、それらが密接なかかわりを持つ可能性に気づく。例えば、天然ガス田における「ガス分離」と太陽光を利用した水の電気分解による「人工光合成」は、将来は一貫プロセスに発展する可能性がありそうだ。
 天然ガス田のなかでも、高濃度酸性ガス(サワーガス)はCO2含有量が多く、開発に際し分離コストが課題となっている。こうしたガス田にゼオライト膜のガス分離技術を導入すれば、安価な天然ガスの生産に貢献できる。さらに、分離したCO2を人工光合成プロセスの原料に活用すれば、効率的に石化基礎原料を生産できる。

※外部巻き込み「ことづくり」※
 こうしたプロジェクトは国家の産業やインフラを支える壮大な計画であり、大きなビジネスチャンスが期待できる。また、実現させるには天然ガスの開発業者やエンジニアリング会社などとのコラボレーションが必要になる。さらに、安価で環境に優しい化学系原材料の供給を望む川下業界との連携も考えられる。
 近年、日本の化学企業は新たな成長に向けた曲がり角を迎えている。三菱ケミカルの小林喜光社長は今年の年頭あいさつで自社単独開発にこだわる従来型の成長戦略の限界を指摘したうえで、「オープン・シェアード・ビジネス(OSB)も活用し、簡単には真似されず追随されない製品やサービスを速やかに創造する『ことづくり』を加速しなければならない」と語った。
 化学技術によって生み出された同社のゼオライトも「ことづくり」候補の1つとして、化学企業に従来にないビジネスモデルをもたらす可能性がありそうだ。
(了)


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