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化学・薬品産業総合スレッド

1117とはずがたり:2013/01/22(火) 15:50:08
>>116-117
東アジア唯一のアンモニア生産拠点から
特殊輸送船によるオンタイムのロジスティクス

KPA社の優位性は、最先端技術の導入による世界最高レベルの生産効率もさることながら、何といってもそのロケーションにある。アジアにおいて、大規模なアンモニア生産拠点はここを除けば中東にしか存在せず、東アジアの市場に対してはインドネシアという立地が圧倒的に優位なのだ。さらに、原料となる天然ガスは1990年代後半に契約済みの価格のため、昨今のエネルギー価格高騰の影響を回避できた。この点もコスト面で有利に働く。KPA社の設立によって、自社生産分を含めた三井物産のアンモニア取扱量は、世界でも五指に入る約150万トンに達する。この数量は、パイプライン輸送を除く全世界の洋上輸送分 1,500万トンの1割に上り、アジア市場約470万トンのおよそ3割を占める規模である。

KPA社のさらなる強みは、ロジスティクスにある。前述のように、アンモニアの輸送には専用の冷却船が必要であるが、現在、アンモニア用の特殊輸送船は世界に100隻ほどしかない。三井物産はさまざまなサイズのアンモニア輸送船計5隻を用船契約し、アジア域内で常時輸送を展開している。どの地域の顧客へ、いつ、どれだけのアンモニアを供給するか勘案しつつ、受け入れ港の能力と船のサイズも考慮して、ロスのない輸送を実現させることである。そのためには高度なロジスティクス機能が求められており、運航・安全管理業務は専門事業者に委託したうえで、アンモニア専用の特殊輸送船受け入れに関する補助業務の一切を取り仕切る。また、効率的な配船による在庫管理の徹底、ソースの多様化といったサプライチェーン全体のマネジメントによって、安価かつ安定的な供給を確保している。

2008年7月からはさらに、1万5,000トンのアンモニア専用の特殊輸送船を追加し、顧客のニーズに対応していく。

さらなる展開も視野に

KPA社のアンモニア製造プラントの所有権は、2018年から2022年の間にインドネシア国営肥料会社に移転され、現地に還元される計画だ。KPA社は従業員200名のほとんどを現地で採用している。雇用を創出しているほか、失業者の職業訓練施設を設けたり、パソコンを無償で提供したりといった社会貢献も行っている。三井物産はこのプロジェクトの実績を糧に、今後、インドネシア以外の地域でも、新たにメーカー合弁を積極的に展開していく構想を持っている。アンモニア製造プラントを建設するには、天然ガスの産出国が有利だ。天然ガスに含まれるメタンから、主原料である水素を取り出すことができるからだ。しかも、アンモニア製造には少量の天然ガスがあれば足りるため、LNGを製造量に満たない産出量でも製造が可能であるうえ、余剰分のガスを有効利用する選択肢としても提案できる。

三井物産のアンモニア事業は、貿易だけの取り扱いから、メーカーとしての化学肥料の原料となるアンモニア製造販売へと進化してきた。今後、世界の食糧問題解決への一助となることを目指し、アジアを起点に世界へ向けてアンモニア事業の拠点を広げていく。

2008年7月掲載


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