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( ^ω^)ヴィップワースのようです
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タイトル変更しました(過去ログ元:( ^ω^)達は冒険者のようです)
http://jbbs.livedoor.jp/sports/37256/storage/1297974150.html
無駄に壮大っぽくてよく分からない内に消えていきそうな作品だよ!
最新話の投下の目処は立ったけど、0話(2)〜(5)手直しがまだまだ。
すいこー的ななにがしかが終わり次第順次投下しやす
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川 ゚ -゚)「それじゃあ……行くぞッ!」
再びのクーの合図を機に、三人ともが走り出した。
逃げるため、ワタナベは両手一杯に抱えていた薬草は投げ捨てて、今では各人の鞄の中にあるのみだ。
ツンも、走る際に邪魔となるという事が実体験を通してよく理解できたために、修道服の裾を詰めている。
これは、仲間であるブーン達に置いていかれぬために。
そして、その彼らの足でまといにならぬ為にと、わざわざ自ら裁縫したものだった。
未だ動きにくい衣服ではあるが、その心がけが早速役に立っている。
両手を大きく振って全力で走る事に集中できているのも、この為だ。
… ギ、ギギギィィ …
… キチキチ キチキチキチキチキチ …
从;'ー'从「こっちにも!」
「やはり」といった感想しか出てこないが、走り去るうち次々と移ろい行く景色。
その視界の端々には、次々と妖魔化してゆく人面樹達の姿があった。
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川;゚ -゚)「だが……数はそれほどでもないぞ!」
クーの言う通り、緑が辺り一面中を包む場所にあって、想像していたよりもはるかに化け物の数は少ない。
人面樹は当然の事ながらいるが、ひっそりと佇む普段の姿の樹木も同じぐらいだ。
森の出口を塞いでいた中には、本来はこちらに群生していた樹木達も数多くあったのだろう。
この現状こそが、クーが勝算を見出して賭けに臨んだ理由でもあった。
ブーン達やショボンもこの異変に気付いているのなら、恐らく彼らも襲われているだろう。
その彼らや自分達を狙った人面樹達が、生い茂った獣道から逆に中央の湖畔沿いへと移動してきていると踏んだのだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「これなら、行けるかも!」
小枝や身の丈ほどの葉っぱを手で払いのけながら、山林を奥へと進む。
ざわざわと木の葉を揺らしながら追走してくる気配は、すでに幾つもある。
それでも恐怖を押し殺しながら、ただ見えかけた光明を手繰り寄せるべく、前へ、前へと進む。
从;'ー'从「はぁっ……ふぅっ……!」
ξ;-⊿-)ξ「振り返りたくないわね……」
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おお久しぶりだね
支援支援
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段々と足場が悪く、木や葉に邪魔されて道が険しくなってきた。
自分達を追う人面樹達との距離も、次第に狭まりつつある。
思うように身動きが取れない険しい道を、じたばたと身を捩じらせながらどうにか進んでいく。
そのワタナベとツンの焦燥が、限界近くにまで達した時だった。
川;゚ -゚)「────先に、行け」
一度立ち止まったクーが、ツンとワタナベに告げる。
その彼女へ振り返った方には、ぎょろりとした人の目玉のような眼が窪みに収まった人面樹が、すぐ背後にまで迫る。
ξ;゚⊿゚)ξ「クー!?どうする気よっ」
川;゚ -゚)「少しだけ時間を稼ぐ。お前達は気にせず先へ進め!」
「ギチギチギチ」
威嚇するようなその怪音を意に解する事もなく、腰元の小剣をすら、と抜き出した。
そのまま人面樹へと立ちふさがり、力強く言い放った。
从;'ー'从「クーさん!?」
川;゚ -゚)「人里へと降りられる道を探すんだ!私も……すぐに行くさ!」
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クーがその言葉を最後まで言い終えるよりも早く、人面樹が無造作に伸ばしてきた腕。
それを掻い潜ると同時に、指の役割を果たしているであろう先端から枝分かれした小枝の数本へと剣を振るった。
「… ギアァァァッ …」
川#゚ -゚)「…・…せぇぇぇッ!」
切り落とされた小枝からは、血のように赤黒い樹液が噴き出させた。
その痛みと怒りに任せてか、人面樹が反射的に逆の太い腕を振るうも、すでにその場にクーの姿は無い。
果敢に化け物の懐へと踏み込みながら、胴体である幹へと勢いのままに剣を突きたてた。
その一連の動きは、まるで流水のようにしなやかでそれでいて、無駄の無い洗練された剣技だった。
「… !?ブギイィィィィ …」
从;'ー'从「……クーさん、すごい!」
そうして勇猛な彼女の姿をぼうっと見ていたワタナベの腕が、ツンによって引っつかまれた。
一瞬呆気に取られていた彼女だが、クーの背中に一瞥してから、また走りだす。
ξ;゚⊿゚)ξ「行くわよ、クーが時間を稼いでくれてる間に、アタシ達が突破口を見つけなくちゃ!」
从;'ー'从「は、はいッ!」
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「… ヴァアァァァァァッ! …」
川;゚ -゚)(チッ……もう限界か)
やはりこの剣だけで、そう簡単に倒せるような相手ではないらしい。
幾度か剣で斬り浴びせた後、怒りを露にする人面樹の後ろに、更に2〜3体の姿が見えた。
クーは小さく舌打ちしてから剣を素早く鞘へと収めると、殿を務めながらすぐにツン達を追う。
すると先頭で、何かに気付いたワタナベが悲痛な面持ちを浮かべ、精一杯の声量を搾り出しているのが映った。
从;ー 从「────だめ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「何かあったの!?」
川 ゚ -゚)「………?」
頭を抱えながら、ワタナベはとうとうその場にしゃがみこんでしまった。
ツンが声を掛けると、おずおずと腕を上げて、その方向を指差した。
木々を掻き分けて、ツンが覗き見た先──────
ξ;゚⊿゚)ξ「────そんな」
-
視界を沢山の樹木や緑葉に遮られて、これまで気付くことが出来なかった。
彼女達の眼前には、切り立った断崖が憎らしいほど高くそびえ立っていたのだという事に。
この道から人里へと出るのは────不可能だという事だ。
川;゚ -゚)「くっ………待て!壁沿いを伝っていけば、まだ……」
事態に気付いたクーだったが、まだ諦めてはいなかった。
別の進路をたどればあるいは可能性も残っているはずだ、と。
生存への諦めに絶望した様子のワタナベの傍で、その彼女を奮い立たせようとするツン。
すぐ後ろには数体の人面樹達が迫っており、もはや一秒たりともまごまごしてなどいられぬ状況だ。
遅れてその場へたどり着いたクーが、二人へ声を掛けようとしたその時だった。
川; - )「なんッ─────」
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突如としてクーの脛から下の自由は奪われ、そのまま地面へと倒れ伏してしまった。
少しだけ遅れて、その箇所へは鋭い痛みが訪れた。
"がちゃん"
がっしりとかみ合わさったような金属音。
それが聞こえた足元へと、直ぐに視線を向けた。
川;゚ -゚)(な……トラバサミ……だとッ!?)
クーの足首へと錆びかけた歯をめり込ませ、完全に歩行の自由を奪っている。
それは、かつて狩猟などを生業とする者達にこの森で使われていたであろう、鉄のトラバサミ。
本来ならば肉食の獣へと仕掛ける罠であるそれが、運悪くこの場に取り残されてしまっていた。
それがクーの足首へと力強く噛みついたのだ。
目の前には断崖、背後からは化け物が迫ってきているという最悪の状況下で。
川;゚ -゚)「あ……くそッ、くそぉッ!」
大型の肉食獣用の罠なのか。
膝を畳んで引き寄せ、両手で口をこじ開けようと全力を込めるも、僅かに緩むばかりだ。
一刻を争う状況で、致命的なトラップに引っかかってしまったクーの顔が、苦痛や焦燥に歪む。
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おおおきてた
今から読む!
毎日確認しててよかた
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まさかの歩く木
なんかメルヘンだけど物性考えたら確かに怖いな
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創作板嘘予告スレの>>92って作者?
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>>909
なぜわかったしwww息抜き
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──── …ギギィ… ――――
奇怪な影は、地を舐めるクーのすぐ傍にまで伸びて来ていた。
いくら力を込めようとも、女性の柔腕では到底こじ開けられるような物にないらしい。
ξ;゚⊿゚)ξ「クーッ!」
川; - )「あ……あぁ……」
うつ伏せで地面を殴りつけた後、力なく仰向けに寝転がるクー。
泡を食って自由を奪われたクーの元へとたどり着いたツンだが、彼女の足に食い込む罠を見て、血の気が引く。
食い込んだ場所からは衣服に薄ら血が滲んでおり、立ち上がるのさえ困難な状況なのだと、解ってしまった。
川; - )「まさか……こんな所で、とはな」
これまで道を指し示してくれていたクーが、初めて諦めにも似た言葉を口にした。
ξ;゚⊿゚)ξ「大丈夫よ!背負ってあげるから、早くこの場所から───」
川; - )「私がこの足ではもう───無理だ」
ξ;゚⊿゚)ξ「何言ってんの!肩を貸すだけでも、まだ───」
川; - )「……お前達だけでも、逃げろ」
-
そのクーを必死に鼓舞するツンの言葉も、届かない。
この一刻一秒を争う事態の中で歩行不能に陥った事実は、既に彼女に絶望を認識させていた。
川; - )「いい、戻れ……どうにか、さっきの場所まで」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン達だってまだ無事かも知れないんだから、皆と合流すればなんとか───」
川#゚ -゚)「───うるさいッ!!解れ!」
ξ゚⊿゚)ξ「……ッ」
問答をしている余裕など無いのだ。
この一言で、クーの言わんとしている事をツンは理解しただろう。
『仲間を危険に晒すぐらいならば、時としてそういった切り捨ての判断も必要なのさ』
先ほどツンに告げた言葉、その状況こそが、"今"なのだ。
このまま全滅するくらいならば、一人だけでも逃げ延びる事が出来れば、きっとそれこそが上策だ。
まさか、自分がこんな立場になってみるなどとは思いもしなかったが────
川 - )「………行け、あいつらと」
-
自分はこの身動きのままならぬ状況で、生きたままあの人面樹達に食われるのであろうか。
身体全体に微かな震えが来たが、それが大きくなってツンに悟られる前にと自分を見捨てるよう促した。
ξ ⊿ )ξ「――――解ったわ」
川 - )「………」
すっくと静かに立ち上がったツンの姿は、すぐにクーの視界から消えた。
そう、それでいい。
己の生死が懸かった状況だというにも関わらず、あまりにも冷静な指示を下せた自分に、少しばかり驚きだ。
思い返してみれば、自分の人生はいつも誰かに置いてけぼりにされてばかりだった。
たとえそんな事ばかりでも、女だてらに周囲の男に負けないぐらい一人でも強く生きてやろうと思った。
父や母の死───あれからが自分の不運の始まりだったのだろうか。
悲哀に打ちひしがれていた自分に手を差し伸べ、再び生きる力を与えてくれた"彼"も、いつか自分の元を去った。
いつもたった一人。孤独という名の暗い牢獄へと、囲繞されていたのだ。
この不運はもしかすると、自分がこの世に生まれ落ちた時から、既に約束されていたのだろうか。
-
──── … ギギッ ギィィッ … ────
化け物の声が、さらに近くに聞こえる。
それと同時に、これまで強い自分を保ってきたクーの心の外殻は、剥がれ落ちようとしていた。
川; - )「……はぁッ、はぁ……」
呼吸は上ずり、次第に周囲の音もぼぅ、と遠くに聞こえる。
これから訪れる死の恐怖を遮断する為に、五感が鈍くなってでもいるのだろうか。
もう目も開けていたくなかったから、思わず顔を塞ごうとした時だった。
ふと─────足元でもぞもぞと違和感を覚え、飛び上がるように身を起こす。
川;゚ -゚)(────なんッ)
「動かないでッ!!」
-
川;゚ -゚)「………お前、どうして………」
クーの脚にがっしりと食い込んだトラバサミ。
その口をこじ開けようと、真っ赤な顔で立ち膝しているツンの姿が、そこにはあった。
小鼻を膨らせながら一心に全力を込めているその指先からは、既に手首を伝う程に血が滲んでいた。
修道服の袖を紅に染めながらも、それでもその手を緩めようとはしない。
ξ;゚⊿゚)ξ「私が神に仕える信徒であろうが、今はそんな事はどうでもいいわ……」
川;゚ -゚)「馬鹿者め、早く逃げるんだ!」
困惑するクーの視界に、いよいよ三体ほどの人面樹の姿が見えた。
だが、ツンはそちらには目もくれず、クーの脚にかかるトラップを解こうとしている。
事の次第に気づいた彼女達の前方に座り込むワタナベも、ようやく正気に立ち返り叫んだ。
从;'ー'从「あ……ツンさん! 後ろ、逃げて下さぁいッ!!」
その言葉にも、ツンが動じる様子はなかった。
ただがむしゃらに、自身の指に食い込む鋭利な鉄の痛みに時折顔をしかめながらも、その場を動こうとしない。
ξ;゚⊿゚)ξ「私の目の前で助けられるかも知れない人をよ……」
川;゚ -゚)「もう……いい」
ξ;゚⊿゚)ξ「ふぅッ……この私が、諦められる訳……ないじゃない!」
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待機中
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そろそろ次スレいる時期だな
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川; - )「どうしてッ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「………今は聖職者だからとか関係ない。そんなの、"アタシがイヤだから"ッ!」
川;゚ -゚)「────!」
有無を言わさぬツンの剣幕に、さしものクーも一瞬たじろいだ。
伊達や酔狂で出来る事ではないのだ、ましてやこんな場面で。
拾えるかも知れない自分の命を、他人の命を救うために投げ出す事など。
ツンの、決して諦めようとしない姿に。
クーはこの時、心を揺さぶられる何かを感じていた。
川;゚ -゚)「その手……」
ξ;-⊿-)ξ「いっ、つつ……」
痛みに一瞬手を離したツンの手のひらを見て、制止しようとするクーの言葉が詰まった。
尖った部分に構わずに指を掛け力を込めていた為か、手のひらはもはや血だらけだ。
それでも再度、閉じた口を両手でがっしと握り締め、諦めるつもりなどないとばかりに、叫ぶ。
-
ξ;゚⊿゚)ξ「─────ワタナベちゃん!お願い、手を貸して!」
だが、もはやツン達の背後に迫る人面樹に恐れをなしたワタナベは、その場から尻餅をついたまま動けない。
半開きに開いた口はカラカラに乾き、ワタナベはただただ救いを口にする事しか出来ずにいた。
从;'ー'从「あ………あ……神、様……」
──── … ウェハハ、ギチギチ … ────
ξ#゚⊿゚)ξ「ふんぬッ!ふんっ!」
川;゚ -゚)「もう……いいんだ」
ξ# ⊿ )ξ「くっ……!」
川;゚ -゚)「私を見捨てて──────お前達だけでも、逃げてくれ」
ξ; ⊿ )ξ「………聞こえない、わよ」
川;゚ー゚)「”ありがとう”………な」
ξ;⊿ )ξ「そんな言葉……聞きたくない」
-
… グフフフフフフ …
… ギヒヒ …
… チキチキチキチキ …
静かな木々のざわめきに入り混じって聞こえる、あざ笑う声。
ツンの背後に、もはや悪夢は覆いかぶさろうとしていた。
ξ;⊿ )ξ「……………なんなのよ、もう」
必死に誰かを救おうとする彼女の心にも、とうとう影が落ちようとしている。
諦めようとしている────心が折れ掛けてしまっていた。
ξ;⊿ )ξ「女の子ほっぽり出して、一体どこをほっつき歩いてるんだっつーの……」
しかし脳裏には、あの能天気な面々の顔が一瞬過ぎる。
これが走馬灯というものだとすれば、憎たらしい事この上の無い最期だ。
だから、こんな形での旅の終わりは絶対に認めない。
諦めを認識しそうになった間際、ツンは半ば無意識に、最後の望みを託してその名を口にした。
喉の奥が震えて、そこから血を吐き出しそうになるほどの大声量で。
ξ; ⊿ )ξ「─────ブウゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーンッ!!」
そのツンの叫びにかぶさって、どこかから声が聞こえた気がした。
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───( 我が前に立ち塞がる敵 其はその一切を 業火の元に滅せよ)───
ツンの背後に迫った人面樹の一体が、ギリギリと幹をしならせて腕を大きく振りかぶる。
直後、それを彼女の頭部へと叩きつけようと、狙いを済まして振り下ろそうとした、瞬間だった。
…… ギチギ……ブッグゥ ……
突如、人面樹の胴体部分の幹が、中心部分から丸々と赤みを帯びてゆく。
ξ゚⊿゚)ξ「─────!」
川 ゚ -゚)「………これは!」
─────────「【炎の玉】!」
”どむっ”
瞬間、辺りを赤い閃光が照らした。
胴体部分が紅蓮の赤熱を帯びたのが見えたかと思えば、即座にその身が爆散していた。
遅れて吹き荒れる熱風はツンやクーらの衣服をはためかせ、やがて過ぎ去る。
ξ;-⊿-)ξ「きゃっ!」
川; - )「なっ……!」
-
気がつけば今度は、上空へと吹き飛ばされた燃え盛る粉々の木片。
それらがぼとぼとと周囲へ飛散し、ツンとクーは腕を頭上に交差させて身を庇う中で─────
悠々とこちらへ向けて歩を進めてくる──────それは、見慣れた男の一人だった。
「どうやら、ご指名は僕ではなかったか……悪い事をしたね」
ξ゚⊿゚)ξ「………あ」
(´・ω・`)「遅くなって、すまない」
今ではただの木っ端と化してしまった人面樹の背後から現れたのは、頼れる魔術師。
かざしていた手を下ろすと、悪戯っぽく口元で微笑んだ彼の姿に、ツンは思わずにやけて言葉を返した。
ξ゚ー゚)ξ「えぇ、随分待たせたものね?」
川;゚ -゚)「油断するな、まだ───!」
(´・ω・`)「解ってるさ。だが、後はお手並み拝見といこうか」
ショボンの左右に居た人面樹が、一斉にそちらへ振り返った瞬間だった。
林の中を素早く疾駆する"何か"が、急速にこの場へと近づいて来る。
それは、獣のような咆哮を上げながら。
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「─────おぉぉぉぉぉッ!─────」
… グ、ギギ? …
ショボンへと注意が向いていた人面樹の一体は、砲弾のようなその速力にまるで対処できなかった。
目前まで迫るや否や、既に飛び掛りざまに振り下ろされていた一刀は、右腕を軽々と両断する。
… ギィィィィィッ! …
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!」
(# °ω°)「……はあぁぁぁぁぁーッ!!」
次いで、二の太刀はその悲鳴が耳に入るよりも早く繰り出された。
大振りの横薙ぎは、全力を以ってその幹の中心へと叩きつけられる。
ごつ、と重厚な音が地を揺らす程の重さで打ち鳴らされた。
肉厚の刃は目視困難なほどの速力を得ると、幹を繋ぐ大部分の繊維を一瞬にして削いだのだ。
おおよそ4割ほど奥深くまで差し込まれて止まった長剣の刃を強引に引き抜くと、今度は反転しつつ
それを反対側の幹の表皮へと叩きつける。
初撃の逆位置からの、更なる強烈な打ち込み。
… グギャギャッ! ギギッ …
(;`ω´)「お………おぉぉぉッ!」
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柄に力を込めるほどに不気味な呻きを漏らすその人面樹に身体ごと刃を寄せて、そのまま剣を振りぬいた。
掛かっていた負荷が弛緩すると同時に、幹の上体部分はふわりと一瞬中空に舞う。
左右から身を削ぎ取られて両断された人面樹が倒れると同時に、もう一体がブーンに襲い掛かろうとしていた。
「あらよっっと!」
だがそこへ、木々でひしめく林の中を縫うように飛来したのは二振りのナイフ。
"すとっ"と音がしたかと思えば、それはほぼ同時に人面樹の眼の奥へ突き立てられる。
爪'ー`)「熱くなり過ぎだぜ、ブーン」
… グオォッ…ギキ …
眼球を潰された事により、その一体は完全に狙うべき標的を見失った。
右往左往としているそこへ、身体ごとぶちかます強力な刺突が、ブーンにより放たれる。
(#`ω´)「ッらぁ!」
大きく開いた空洞となっている口内に差し込まれた長剣の切っ先は、そのまま反対側へまで突き抜けた。
眼前で響き渡る人面樹のくぐもった断末魔は、剣の柄を押し込むブーンの手におぞましい感触を残したが。
それでも、気にも留めずに顔部分に足をかけると、思い切り蹴飛ばしながら剣を引き抜く事で倒木させた。
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(;`ω´)「───ふぅ、いっちょ上がりだお、ね」
川 ゚ -゚)「お前たち……!」
「すげぇ……すげぇな!お前さんがた!」
3人から遅れてやってきていたラッツが、ブーン達の一連の戦闘を目の当たりにし、感嘆を漏らした。
たまたまこの森に居合わせた同業者に、これほどの手練たちが混じっていたなどとは思わなかっただろう。
爪'ー`)「ヒーローは遅れて現れる、ってな……さて、この場は退散と行こうぜ」
川 ゚ -゚)「………」
ツン達二人の前に差し伸べられたフォックスの手は宙ぶらりんのままだ。
その時クーの瞳は、フォックスの手を取る事なく、俯きながら、肩は震わすツンへと向いていた。
ξ ⊿ )ξ「─────のよ」
爪'ー`)「ん?」
顔を覗き込もうとしたフォックスの顎に、拳が突き刺さる。
爪; ー )「へぶしッ!」
ξ#゚⊿゚)ξ「来るのが遅いっつってんのよ!このあほんだらぁッ!」
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痛快な一撃をもらってよろめいたフォックスが、理不尽なツンの怒りに対して言い返そうとした。
が、唇をわなわなと震わせながら頬に光るものを伝わせている表情に、ぐっと言葉を飲み込む。
爪#'ー`)「このじゃじゃ馬っ!?いきなり何────」
ξ ⊿ )ξ「本当に……怖かったんだから……」
だが、すぐに袖で顔を拭ったツンの様子を見ながら、フォックスは気付く。
クーのトラップを力づくでこじ開けようとした時の傷で、両手を血に染めていた様子に。
爪;'ー`)「おい、大丈夫かよ?クーも脚……」
川 - )「………すまん。私の注意不足で────」
(; °ω°)「ツン……!怪我、してるのかお!?」
ξ;-⊿-)ξ「あいたた!……まぁいいのよ、かすり傷だし」
すぐに血相を変えて傍らにしゃがみ込む二人をよそに、ツンは気丈に振舞った。
クーのせいで自分が怪我をしたなどと思われては、二人が煩いだろうと思っての事だった。
だが、出会った時から無茶をしてばっかりの自分を、毎度カバーしてくれるだけはある。
仲間以外には冷たい人間などでは、なかったようだ。
川 ゚ -゚)「!」
-
(;`ω´)「ふんぬぅぅぅぅッ」
いつの間にやらクーの足元に掛かった罠を取り外すべく、ブーンが両腕に力を込めていた。
ツンが必死に解除しようとしたそれは、さすがの力馬鹿にかかっては呆気なく閉じていた口を開く。
そのままトラバサミを草むらへと投げ捨て、ブーンはゆっくりと立ち上がる。
川 ゚ -゚)「あ……」
( ^ω^)「ふぅ……クーも、大事がなくて良かったお」
爪'ー`)「とはいえ、結構な深手だろ?もし嫌じゃなければ、肩でもお貸しするぜ」
川 - )「………仲間を危険に遭わせ、その上怪我まで………」
( ^ω^)
爪'ー`)y-
俯きながら、ぽつりと謝罪の言葉を口にしたクーを前に、二人は一度顔を見合わせた。
やがて、その彼女の顔の前に手を差し出したのは、ブーンだ。
( ^ω^)「違うお」
川 ゚ -゚)「……何が、違うんだ」
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( ^ω^)「こういう時には、”ありがとう”の一言でいいんだお」
爪'ー`)y-「そういうこった。ツン達がまだ生きてる事に、こっちこそ礼を言わせてもらわなくちゃな」
川;゚ -゚)「あ………」
屈託無く笑みを浮かべながら、自分に向けて差し出された手のひら。
それを取るのが若干気恥ずかしくて、浮かした肘は宙を一瞬漂っていた。
そのクーを後押ししたのは、ツンの一言だった。
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたのさ?」
川;゚ -゚)「私は……大きな口を叩きながら───いざお前の仲間の彼らが来るまで、何も出来なかった」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
川; - )「お前まで巻き添えにしようとした私に、そんな助けを受ける義理など───」
ξ゚⊿゚)ξ「やれやれ……」
ため息めかしに肩をすくめたツンだったが、彼女もまたクーに手を差し伸べる。
そして、優しげな笑みを浮かべながら彼女に問いかけるのだ。
-
ξ゚ー゚)ξ「私達、今は────”仲間”じゃない」
川 ゚ -゚)「!」
ξ゚ー゚)ξ「死ぬ目を押し付けられるのは御免だけれど、それでも、それを分かち合えるなら───」
川 ゚ -゚)「………」
ξ゚ー゚)ξ「クーがいなかったら、私とワタナベちゃんなんてとっくに天に召されてましたー……なんてね」
川 ゚ -゚)「─────ありがとう」
言いながら、差し出されたツンの右手をそっと握りながら、クーは立ち上がった。
その背後では、自身の握手を放置されたショックに固まっていたブーンが、フォックスに笑われていた。
(; ω )「ぐ、ぬぅ……」
爪'ー`)y-「はいフラれました〜……残念だったな」
川;゚ -゚)「あ、すまん」
気恥ずかしそうにしながら腕を引っ込め、歯噛みしながらそっぽを向いたブーン。
それを気にかけようとするクーだったが、奥からワタナベを連れて現れたショボンの方へ、全員が振り返った。
-
(´・ω・`)「取り込み中のところすまないが、彼女も無事だ」
从'ー'从「……ようやく、落ち着きました。皆さん、本当にありがとうございます」
ξ゚ー゚)ξ「ありがと、ショボン。お互い無事で何よりだわ」
「さて」と前置きして、一度周囲を見渡したショボンが咳払いをしてから告げる。
(´・ω・`)「これから、どうしたものかな」
爪'ー`)y-「勿論、脱出するんだろ?」
このカタンの森全体が、妖魔の類と化した人面樹が跋扈する領域。
ボアードが他愛なく葬り去られていたのを見る限り、束になってかかってこられてはひとたまりもない。
だが、そうしない理由について考えた結果、ショボンは所感を述べた。
(´・ω・`)「この森には───野生動物が居ない」
从'ー'从「それ、私も気になってました。鳥の声一つ聞こえないなんて、おかしい……」
( ^ω^)「あいつらに食べられてしまったのかも知れないお」
爪'ー`)y-「あり得なくはねぇ。いつからこの森がこうなっちまったのかは知らねぇけど」
-
川 ゚ -゚)「────2年前」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
从'ー'从「あ………」
ぽつりとクーが漏らした言葉に、ワタナベが思い出したように反応した。
腕組みをしながら話を聞いていたラッツにも、思い当たる事があるようだ。
「────もしかして、あれか」
川 ゚ -゚)「そうだ2年前にこの森で、空から降り注いだ隕石が目撃された」
从'ー'从「確か……大規模な山火事になっちゃったんですよね。その時は実家の薬草屋も大変でした」
川 ゚ -゚)「あぁ、見る影もないほどに焼き尽くされたと噂には聞いている」
(´・ω・`)「それが、2年前だって?」
「馬鹿な」とでも言いたげなショボンが言いたい事には、この顔ぶれの中では勘の鋭いフォックスが気付いた。
ほぼ全焼に近い状態にまで焼け焦げた森が、たった2年そこらで今のような状態にまで復活できるはずがないのだ。
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爪'ー`)y-「気持ちの悪ぃ話だぜ───その隕石、化け物の種でも積んでたんじゃねぇか?」
川 ゚ -゚)「疑うべきだったな。この現状を見る限り、この場に居る誰もがその説を信じるだろう」
从'ー'从「木が……化け物になったんですね」
ワタナベが口にしたおとぎ話は、実際にこの森で起こっているのだ。
鳥の歌も、動物の声も聞こえないのは、みんなあの木に喰われてしまったから。
旅人を食らう森は、自分達がやってくるのを口を開けて待っていた。
森全体が化け物────単純にして、寒気がするような事実だ。
川 ゚ -゚)「ここに来る時、森の入り口の前を通ったか?」
爪'ー`)y-「お前も気付いてたか?……あぁ、残念ながら木で埋め尽くされてたぜ」
( ^ω^)「接近しなきゃ通れない……けど、あれ全部を相手にするのは……」
(´・ω・`)「恐らく僕らを閉じ込めて弱らせる───それから喰うのが、奴らの手口だろう」
-
「おいおい……勘弁してくれよぉ」
黙り込んだ全員の顔を覗き込んで、泣きそうな顔をしたラッツが弱音を漏らす。
皆が考え込む中で、その中には共通の認識を持つものが何人かいるのだが、今ひとつ踏み出せずにいた。
なぜならば、”賭け”の代償は”死”となり得るからだ。
誰でも思いつきそうな案ではあるが、その巨大なリスクが付きまとう故に悩む面々に対し、軽く口に出したのはツン。
浅はかさゆえか、はたまた、それが勇気なのかは分からないが。
ξ゚⊿゚)ξ「……燃やしちゃえば、いいんじゃない?」
(´・ω・`)「………」
(;^ω^)「燃やすって、この森全体を……かお?」
このカタンの森周辺に住み暮らす人々にとっては、命の源泉である森だった。
だが、森に入って帰らぬ者が後を絶たぬ現状、その真相が発覚したこの森を、このままにしておくわけにもいかない。
本来ならば騎士団などに総出で仕事をしてもらうべきだが、外部に出られない以上、自分達でどうにかするしかない。
だが、閉じ込められた現状で森に火を放つという行為は、自分達の首を自分達で絞める事と同義だ。
-
爪'ー`)y-「……ま、それっきゃねぇかもなぁ。動物がいねぇ、つーことは、ここにゃ食い物もねぇ」
从;'ー'从「それじゃ、早く出なきゃ……!」
(´・ω・`)「あぁ、長期戦になればなるほど疲弊して、脱出の可能性が減る事になる」
川 ゚ -゚)「私も、ここまで来て断崖ぶつかった瞬間に、森を全焼させるしか無いと考えた」
(;^ω^)「でも、もし森に火を放ったら……ブーン達はどうなるお?」
爪'ー`)y-「そうさなぁ……まぁ仲良く、丸焦げだろうさ」
ξ゚⊿゚)ξ「ん〜……ダメ、か」
「じょ、冗談じゃねぇやッ!!」
黙って話しを聞いていたラッツが、素っ頓狂な叫び声を上げて一同の意見を明確に拒絶した。
5人の冒険者達の間では、人面樹にやられるよりも焼死による自殺を選ぶ、といった旨の会話がなされているのだ。
-
地面にどっかと座り込んで、真正面から反対意見をぶつけるラッツだったが、それをたしなめたのはショボン。
(´・ω・`)「そう、悲観したものではないよ。抜け道は必ずどこかにある」
爪'ー`)y-「ま、問題も無くはねぇがな」
「問題は……ありすぎだぜ」
爪'ー`)y-「まず第一に、ショボン。お前さん一人の魔法で、この森丸焼きに出来るか?」
(´・ω・`)「たとえ"爆炎の法"級の威力を放つにしろ、風向きや場所、延焼に最適な条件が揃わなければ不可能だ」
川 ゚ -゚)「そして問題は、火を放った後に我々はどうするか……だ」
(´・ω・`)「そこだね。何の考えも無しに火を放っては、山を丸焼きにされて逃げ惑う小鹿も同じだ」
( ^ω^)「何か、打つ手は?」
(´・ω・`)「そうだね─────だが詳しい話しをする前に、まずは……場所を変えようか」
-
────ざわ
…… キヒヒ ……
ざわ────
気付けば、随分と長くこの場に立ち止まり話し込んでしまっていた。
その自分達の周辺に、またも風に乗って流れてくる嫌な声と、不愉快な気配が近づきつつあるのを感じる。
( ^ω^)「また……来ようってのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「立てる?クー」
川 ゚ -゚)「あぁ、それほどの傷ではないようだ」
爪'ー`)「大丈夫かい、肩を貸すぜ?」
そう言って手を貸そうとしたフォックスだったが、遠慮がちに軽く首を振ると、細腕をツンの首へと回した。
一瞬どきっとしながらも、ツンもまたクーの腕を自然体のままに受け入れる。
川 ゚ -゚)「いや……こっちでいい」
-
从*'ー'从「きゃっ、見せ付けてくれますねぇお二人とも〜」
ξ*゚⊿゚)ξ「ちょっ、そんなんじゃ無いわよ」
(;`ω´)(ふぅむ………)
合流前の別れ際、最後に見た二人の様子は罵声を激しく交し合う険悪なものだったはずだ。
だが、今の二人からはそんな雰囲気が微塵も感じ取れない事に、板ばさみで胃を痛める想いだったブーンは、
どこか符に落ちないものを禁じえなかった。
(´・ω・`)「さて、それじゃあ────」
川 ゚ -゚)「ちょっと、待ってくれないか」
どさ、と足元に置いた布袋をごそごそと漁り、クーが何かを取り出した。
その手に握られていたのは、包帯と薬草だ。
川 ゚ -゚)「手を出せ」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
-
川 ゚ -゚)「………少し、痛むぞ」
手のひらを上に向けて差し出させると、クーは手にした薬草をツンの手にすり込み始めた。
手練の動作で両手ともの消毒までも終えると、これまた手馴れた様子で包帯を巻いて行く。
トラップをこじ開けようとして負った負傷部分の治療は、そうして瞬く間に終えられた。
ξ*゚⊿゚)ξ「あっ……ありがと!」
川 ゚ -゚)「お互い様さ」
从*'ー'从(………素敵)
その場に居合わせた少女ワタナベには、二人の真後ろに爛漫と咲き誇る大量の白百合が見えていたようだ。
最も、それは本人の趣味嗜好に伴って都合良く頭の中で形作られた、妄想の類ではあるが。
(;`ω´)(うーん?……うーん)
爪'ー`)「置いてくぜ!ブーン!」
一体この短時間であの険悪だった二者の間に何があったのか。
未だ納得のいかないブーンがいくら頭を悩ませても、女同士の友情というものは理解できなかった。
-
乙乙!
-
続き来てた、乙でした
-
この後クーが正式パーティー加入かな
続きが待ち遠しい
-
来てたか!
おつー
-
いい趣味してるなワタナベwww
乙!
-
まってるにゃん
-
ギコ、ドクオ、ミルナ、モララー側と絡めたストーリーも読みたいな
期待大です
-
まってます
-
( ^ω^)あけおめお
( ^ω^)続き待ってるお
-
───────────────
──────────
─────
先導するショボンに続いて、一向は再び森道を奥へ、奥へとひた走る。
川;゚ -゚)(やはり、私の怪我のせいで遅れを取ってしまっているか…)
クーの足の怪我を庇っているために、どうしても速度は出ない。
それゆえに、行く先では人面樹達とは幾度も戦闘を強いられそうになっていた。
極力それを回避しながらここまでやってきたが、一本道となればそういう訳にもいかないだろう。
「どうする、行く手を塞がれちまったぜッ!?」
爪'ー`)「面倒くさそうな奴だな」
そうして、冒険者たちの眼前には今も一体の人面樹が居た。
今まで対峙した奴に比べ、非常に太い幹を有している、単眼の固体だ。
-
┃#w(;(●);)w#┃「ギギ…ギィ…」
巨体を有するという事は、力も、頑強さも他より優れているという事に他ならない。
様子を伺っているのか、ブーン達の行く手に立ちふさがり、不気味な静けさをたたえて佇んでいた。
(´・ω・`)「だけど、ここは通らなければならない」
先頭に立つショボンが、手を顔の前にかざして詠唱の準備に入る。
やがてその隣に並び立ったブーンが、一言を発した。
( ^ω^)「倒すお」
長剣を手に、ゆっくりと歩み出たブーンの所作は、目まぐるしく瞳を動かす人面樹に凝視されていた。
ぎぎ、と無機質な声を上げているが、そこから動植物としての生気は一切感じられない。
感情も無く、ただ自分達を捕食するという行動原理に従うだけなのだろう。
感情がない分、妖魔以上に性質の悪い存在かも知れない、と思った。
┃#w(;(●);)w#┃「────ギョォッ!」
(;^ω^)「!」
-
人面樹に対し、ブーンが考えと共に剣を構えた時だった。
その左手を模る枝が消えた────────否、急激にしなった。
そこから頭が全身に命令を行き渡らせるのは、電撃的に早かった。
咄嗟に剣の腹を気配が向かってくる方向へと合わせ、難を逃れる。
”ごぎんッ”
鋭く、重い打撃音は手骨にまで響く。
それが、しっかりと握り締めていた柄から剣全体へ、大きな衝撃を伝わらせた。
音が聞こえるまでの間、自分が攻撃を受けた事にも気付かぬ程の速度。
(;`ω´)「────くッ!?」
して、その威力も並大抵ではない。
打たれた一瞬、面々の中では一番の体格を誇るブーンの身体が、側方へとふわりと浮いた。
腕部である枝を鞭のようにしならせて叩きつける打撃は、その図体とは一見見合わぬ速度だ。
これで頭や胸を打たれれば、先だって命を落としてしまったボアードの二の舞となるであろう。
(´・ω・`)【我────魔────】
ブーンが一合で顔に冷や汗を浮かべた様子に、ショボンは即座に魔法詠唱の態勢に入っていた。
だが、人面樹の更なる一撃が、続けざまにブーンの頭部へと振り下ろされる。
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーンッ!?」
-
┃#w(;(●);)w#┃「ギュオォォーーーッ!!」
(;`ω´)「……く、うッ!」
再び、目の前で火花が散るかのような破裂音。
それと同時に頭上で構えていた剣が、顔のすぐ傍にまで一息で押し込まれた。
膝ががくりと地に着きそうになるほどの膂力────だが、二撃までをどうにか耐えた。
(´・ω・`)「離れろ!ブーン!」
(;^ω^)「───ッ!」
「魔法の矢」、ショボンの口からそう言霊が紡がれると、彼の手先から放たれた光の帯は収束して、人面樹の身を貫いてゆく。
咄嗟の呼びかけで危険を察知し、素早く横手の茂みへと転がり込んでいなければ、ブーン自身も危ない距離だった。
動きを止めたその様子に、「決まった」と、誰もが思い浮かべた事だろう。
だが、次の瞬間には苦虫を噛み潰すような表情で、皆一様に歯を食いしばっていた。
┃#w(;(●);)w#┃「──────ギギ、ギィィィィィイーッ!!」
止まらない────それどころか、ますます凶暴さを増してしまったようだ。
「お、おい、やべぇ!こっち来るぞ!」
(´・ω・`)「…………もう一撃放つには、際どい」
-
ラッツが叫びを上げる中、再び全員の間には緊張が走る。
向こう側が見える程の穴が幹を射抜いているというのに、怯む様子もない。
逆鱗に触れたか、腕を振り回しながらそのままショボン達の方へと前進してきたのだ。
爪;'ー`)y-「ちっ、ブーンが前衛にいねぇと、こうも脆いもんかね」
そう言って顔をしかめながら、胸元から数本のナイフを手にとり、前へと歩み出る。
このパーティーで人外を倒す力となり得るのは、強度を持つブーンの剣か、ショボンによる強力な魔法ぐらいなもの。
だが、その二人を抜きにすれば、対人殺傷力しか持たないフォックスが前線に出るのは、無謀だった。
(´・ω・`)「少しだけでいい、時間を稼いでくれないか」
爪;'ー`)y-「────ったく!とんだ貧乏くじだ!」
そういい残し、フォックスは人面樹の前へと躍り出る。
そのまま、狂ったように両の腕を縦横無尽に撫で付ける懐へと、素早く入り込んでいった。
フォックスが飛び出していった後、彼らの最後尾に控えるワタナベらは、それを不安げな表情で見守る。
从;'ー'从「あ……だ、大丈夫なんですか?皆さん……」
-
川;゚ -゚)「ちっ。私も、この脚さえ万全ならばな───」
ξ゚⊿゚)ξ(………)
何気ないそのクーの一言を、ツンは思慮深く聞いていた。
今この場に居る自分は、彼らのように戦える力は持っていない。
だが、不死者を浄化したり、呪いの類を解呪する事が出来る”奇跡の力”があるのだ。
的を絞り、それをもっと小規模な範囲で扱える事は出来ないだろうかと考えている内に、ふと閃いた事があった。
ξ゚⊿゚)ξ(試してみる価値はある……か)
確かに、何もやらないよりは、遥かにいいだろう。
肩を貸していたクーの足元へとしゃがみこみ、彼女が受けた裂傷の部位へと手を伸ばしてみた。
川;゚ -゚)「お、おい。こんな時に、どうした!」
ξ-⊿-)ξ「………」
そして、祈りの力を両の掌へと込めると、そっとまぶたを閉じこんだ。
この力を身につけた時の事、ショボンの身から魔を取り去り、彼の命を救った時の事を思い出しながら。
(癒しの力にも─────なり得るはず)
──────────────────
────────────
──────
-
┃#w(;(●);)w#┃「ギョオオォォォォォォォォッーーーッ!」
半狂乱に不気味な声を上げている。
どうやら狙い済まして腕を振るっている訳でもないらしい。
それならば、いくらでもかわしようはあった。
爪#'ー`)「このッ……木偶がッ!」
次々と襲い来る攻撃だが、身にかすらせる事さえ無く、その全てを避け続ける。
そして、時折大きく空いた懐へ向けて手元のナイフを投擲するが、やはり効果は薄いようだ。
襲い来る横薙ぎの一撃は大きく身を反らせて、瞬く間に眼前を過ぎ去ってゆく。
それではかわせないものには、瞬時に身を伏して難を逃れた。
当たってこそいないが、顔や頭上を過ぎてゆく攻撃の余波が起こす風圧から、致死の威力だと分かる。
それでも適度な距離を保つ事と、彼の動体視力と身体能力にかかっては、回避不可能なほどではない。
(# `ω´)「おおおぉぉッ!!」
もはや知覚の範疇から外れていたブーンが、斜向かいの背後から満を持して斬りかかる。
全力を込めたはずのそれだが、太く硬い幹の薄皮を砕き、僅かに幹の内側を露出させただけだ。
-
背後からの奇襲に気付くと、人面樹の荒れ狂う鞭打は後方にまで及び、さらに攻撃範囲が広がった。
反撃を免れるために後方へと飛びのいて、ブーンが再び距離を取る。
(;`ω´)「マジ……かお!?」
爪'ー`)「ブーン、背後からじゃキツいぜ!お前の剣で、こいつの顔面部位を狙うっきゃねぇ!」
体格によって、個体差というものはあるらしい。
弱点と言えるような弱点は、恐らくこの人面樹に限ってはむき出しとなっている一つの瞳ぐらいだろう。
これまで何体か遭遇したそこらの並のものと比べても、ふた回りほどはあろうかという太さ。
当然その体躯が持ち合わせる耐久力や殺傷力という点は、推して知るべきであろう。
爪'ー`)「とは言え……近づけそうにゃあねぇかッ!」
┃#w(;(●);)w#┃「ギュアァォォッ」
爪;'ー`)「っとぉ……」
足元をなぎ払う一撃を、後方へと跳躍。
だが、着地の際に重心を崩し、一瞬よろめいてしまったのだ。
そのフォックスの肩が、詠唱も半ばだったショボンの胸元へとぶつかった。
(;´・ω・`)「魔法の───……くッ」
-
ショボンはまだ冷静だった。フォックス越しにそのまま指先から魔法を放つ。
それでも、詠唱の終わりで逸れてしまった狙いまでは、修正する事が出来なかったのだ。
フォックスの顔のすぐ近くで放たれた光の矢、今度は的に当たる事すらなかった。
光弾は人面樹という狙いから逸れ、明後日の方向へと突き抜け、消えていった。
爪;'ー`)「わりぃ」
苦い表情で、目の前の敵を見据えたまま、辛うじてショボンにそう告げた。
だが、ミスを省みるような時間は、与えてくれそうにない。
┃#w(;(●);)w#┃「ゴオオォォォアァァァアァッー!」
奇怪な怒号と共に、さらに振り下ろされる一撃。
爪#'ー`)「危……ねぇッ!」
(´・ω・`)「!」
”ずんっ”
フォックスの咄嗟の機転、それがショボンの身を突き飛ばした事が幸いした。
刹那遅れて、二人の立っていた場所の地面は人面樹の打撃が地面を大きく穿つ。
-
そうして、敵の左右へと分かたれたショボンとフォックス。
三方向から取り囲んでいる状況ではあるが、その位置関係がまるで良くないのだ。
敵を隔てた後方に位置するブーンとの距離が、遥か遠いものに感ぜられる程に。
フォックスと違いショボンの魔法は有効な武器となり得るが、絶対的に”詠唱”という溜めが必要となる。
ブーンがいくら背後から切り込んでも致命打にはならず、気を引いてくれる事もままならないのだ。
かと言って、この化け物にはフォックスの持つ小振りなナイフでは、致命傷にはなり得ない。
(;`ω´)「ふぅッ!」
再度、危険を承知でブーンが後方から表皮へと斬り込むも、わずかばかりの切れ込みを入れるに留まった。
爪;'ー`)「……んなろぉ……」
なおも凶悪な威力の枝を振り乱して猛りながら、じりじりと距離を詰めてくる。
懐にまで接近し、露出している眼球や口内を刺し貫く事が出来れば打倒が可能かも知れなかった。
しかし、一撃入れては素早く回避に回るのがやっとのブーンのように、
フォックスもまた回避に専念するのがやっとなのだ。
それでも、今は手持ちの札で目の前の敵と正面から戦わざるを得ない。
今や大きくひらけてしまった人面樹の前方には、依頼人のワタナベや、負傷しているクーがいるのだ。
从;'ー'从「あ……に、逃げないと!」
-
(´・ω・`)「3人とも下がれ!大きく距離を保つんだ!」
そう声を荒げた視線の先には、ブーン達の苦戦に息を呑むワタナベの姿。
(´・ω・`)「こんな傍じゃ、流石に詠唱には集中できそうにない」
爪;'ー`)「しゃあねえ………もう一度俺が囮になる。その間にでっかいのを一発頼むぜ」
「きゃあぁぁぁぁーッ!?」
背中に聞こえるのは、助けを懇願するような突然の悲鳴。
後方のワタナベのものだった。考えたくはない、冷や汗がにじみ出る。
最悪の展開、その光景がちらりと三人の脳裏を過ぎった。
焦燥、忘却の彼方へと一瞬飛ばされてしまっていた意識。
だが、それから目を背けてしまっては、どの道状況を打破する事も出来ない。
覚悟を決めて下唇を噛みながら振り返ったブーンらの目に、光景が飛び込んできた。
(;`ω´)「ツン達の……方からも!」
爪;'ー`)「ちくしょう、追ってきてやがったか!」
ワタナベ達の後方から、追いかけてきた一体の人面樹が迫っていたのだ。
-
この一体に、時間をかけすぎた。
ただでさえてこずっているというのに、この場の戦力を分散させ、
前と後ろを同時に攻略しなければならない状況に陥ってしまった。
それに、後方のツン達の中に、戦えるメンバーは居ないのだ。
(´・ω・`)「一撃で仕留めて、すぐに戻る」
爪;'ー`)「……任した」
ブーンとフォックスの二人で、どうにかこの大木を食い止める。
その間にショボンが背後の一体を始末する────現状、それしかない。
从;'ー'从「いや……来ないでッ!!」
ワタナベの悲鳴が、前衛で戦う二人の焦燥感をさらに煽る。
彼女らに迫っている人面樹は、ショボン一人に任せるしかない。
┃#w(;(●);)w#┃「ギギィ……」
前門の虎、後門の狼。
この巨大な人面樹には、並の打ち込みでは聞かない。
ただでさえ攻めあぐねているという状況にあって、ツン達にまで追いすがる敵がいる。
沈着冷静なショボンですら、内心には緊張の糸が最大にまで張り詰めていた。
だが─────その時。
-
「ツン達の方は、任せたぞ!」
(´・ω・`)「!」
一陣の風────そう錯覚するほどに疾く、軽やかに。
ショボンがツン達の元にたどり着いた時、そこから一人が入れ違いに駆け出していった。
すれ違いざまに横顔を一瞬目で追う事しかできなかったが、クー以外にいないだろう。
裂傷を追った足の怪我を押して、ブーン達の助勢に入ろうというのか。
頑強さに加えて、一撃で人間の頭部を潰せてしまいそうな剛力を備えた相手だ。
負傷した足を庇いながらでは、簡単に餌食とされてしまいかねない。
そうやってクーの身を案じたショボンが振り向き、彼女の背中を目で追った。
そこには既に、人面樹に斬りかかろうと小剣を腰から抜き出して疾駆する、彼女の姿。
一言かけようとしたが、軽やかな身のこなしは、怪我を押して戦列に加わろうとする者のそれではない。
目の当たりにしたショボンは、クーに向かって掛けようとした制止の言葉それらを、ぐっと飲み下した。
(´・ω・`)(無茶をしている、という風でもなさそうか……ならばここは───)
今は、クーに任せるしかない。
あの頑強さだ、決定打を浴びせられるのは恐らく自分の魔法しかないだろう。
こちらを片付けるまでの間、せめて注意だけでも引いてくれればこの上ない。
-
一瞬で思考を巡らせ、答えを導き出すと、目の前からはツンとワタナベがそのショボンの元へ、
追いすがる人面樹から逃れるようにして走りよってきた。
从;'ー'从「ショボンさん……クーさんが!」
(´・ω・`)「解っているさ。二人とも、僕の後ろに下がっていてくれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「前は、手強い相手のようね」
「ギギギ……ギヒヒィッ!」
二人を背へと庇うと、眼前の人面樹の前に手をかざす。
(´・ω・`)「二人とも僕の外套の端を掴むのはいいが、体当たりだけはしないでくれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「何よそれ?」
(´・ω・`)「さっきは邪魔が入ったんでね───」
「はぁぁーッ!」
背に、クーの気迫の篭った叫びが伝わる。
さっさとこちらを片付けて、自分も助太刀に参じなければならない。
だが今は、ただ精神を集中させて目の前の敵に魔力をぶつけるだけだ。
ξ゚⊿゚)ξ「来るわよッ!」
(´・ω・`)「けど、今度は外さないさ」
-
───────────────
──────────
─────
爪;'ー`)「馬鹿、来るんじゃねぇ!」
気配に気付いたフォックスが振り返ってクーへと叫ぶ。
だが、彼女はただ一点─────目の前にそびえる大木だけを見据えていた。
川 ゚ -゚)(───なめてくれるなよ)
そう、物心ついた時より冒険者として育ってきた自分を、嘗めるな。
生き抜くために身につけた術、手に幾度も血豆を作って独学で励んできた剣技を。
敵は、妖魔化した樹木。
それならば、人に害を為すだけの存在が相手ならば、遠慮はいらない。
(;^ω^)「クーさん!?こいつは手強いお、来ちゃダメだおッ!」
川 ゚ -゚)「大人しく見てなど────」
┃#w(;(●);)w#┃「ッ……ギィィィィーッ!」
自分の元へと掛けてくる気配に気付き、人面樹はクー目掛けて枝を振り下ろしていた。
だが強力なその鞭を、風のあおりを食う木の葉の様に、走りながら軌道修正し、かわす。
川#゚ -゚)「────いられん性質なのでなッ!」
-
一連の流れのままに、腰元から抜き出した小剣をそのまま人面樹の眼へと突き刺した。
入りは浅かったが、逆手で持った剣の柄の底面を、掌で力強く押し込むと、ずぐんと嫌な音を立てて、
さらに奥深くへと刺し込まれてゆく。
┃#w(;(*);)w#┃「ギャッ………ギョオォォォォォォォォーーーッ!??」
川#゚ -゚)「はぁぁッ!」
突き刺した剣の柄を力強く掴み、眼球の内部を引っ掻き回すように、乱暴に剣を動かす。
そうしてぐりぐりと傷口を押し広げられる苦痛に、自分の懐へは伸ばせず決して届かない攻撃を、
近くの地面へ向けて狂ったように繰り返していた。地面が次々に抉られ、砂埃が舞い上がる。
新たな攻め手、クーの登場によって完全に人面樹の不意を突いた。
劇的に向かった風向きは、もはや勝利へと吹いている。
呆気にとられて一瞬立ち尽くしていたブーンに、状況を理解したフォックスが大声で名を呼ぶ。
爪'ー`)「マジか…………ブーンッ!」
(;^ω^)「今、だおねッ!」
┃#w(;(*);)w#┃「ギャッ、ギギギィィッ!!」
川;゚ -゚)「早くしろッ!」
完全に歩みを止めた今が、絶好の好機だった。
-
(# °ω°)「んおおぉぉぉ…………」
背後に立ち、首の後ろにまで剣を大きく振りかぶると、低く唸りながら力を溜め込む。
先ほどは意にも介される事のなかった、全力の一撃の構えだ。
だが今度は防御を考えず、ただ一点を攻撃する事のみに全力を傾けられる。
(# °ω°)「おおおぉぉぉぉッ!!」
溜め込んだ力を、一気に解き放つ。
肩から肘、肘から手首、そして手首から腰。
身体中に次々と伝達させて生み出した大きな回転力を、手先の剣へと込め、ぶち込んだ。
┃#w(;(*);)w#┃「────ギョッ!」
軽い音を立てて表皮を砕いた後、剣は幹へと重く切り込んだ。
驚いたようにかん高い奇声を上げた人面樹が、枝全体をばさりと大きく振るわせる。
どうやら、今度はダメージが浸透したようだ。
(#^ω^)「もういっちょうッ!!」
直後、再び力を溜め込んで、同じ箇所を狙い済ました剣の打ち込みを加える。
傷口から外側へ向けて広く外皮が剥がれ落ちると、更に奥深くへと剣が入り込み、幹に亀裂が入った。
-
爪'ー`)「クー!そいつから離れろッ!」
川;゚ー゚)「ふん、ようやくお役御免か───」
フォックスの呼びかけで即座に剣を引き抜くと、後方へと飛びのいた。
そうしてクーの目に飛び込んできた光景は、まるで木こりが木を伐採する瞬間のような場面。
人の四、五人分も胴回りのある大木は、ブーンの剣によって今まさに倒れようとしていた。
(#^ω^)「効かないなら─────」
どっしりと腰を落として広く歩幅を取ると、腰の後ろで剣を構える。
裂帛の気合をその一撃に込め、溜めた力を爆発させるように、横一文字に大きく剣を薙ぐ。
全力を込めた渾身の────────必殺を念じた、会心の一撃。
(#`ω´)「……効くまでやってやるおぉッ!!」
三撃目となる打ち込み、重い破壊音が足元の地面へまで伝わる。
そしてブーンの気迫があたりの樹木へと跳ね返り木霊すると────やがて再び訪れる、静寂。
次にはびきびきと、亀裂を形作る音が鳴り響いてきた。
-
┃#w(;(○);)w#┃「ガ───ギ──ゴ」
大きく刻み込まれた傷口、太い幹の7割ほどまで抉り穿った剣を引き抜く。
ばさばさと音を立てながら、幹の上半分が大きく傾いた。
剣につけられた裂け目に沿って自重に耐え切れず傾き、ゆっくりと倒木してゆく。
(;`ω´)「………ふぅぅぅっ」
「いっちょう、あがりだお」
そうブーンが呟くと同時、轟音と共に土煙を巻き上げながら、巨木はついに地面へと倒れ伏した。
肩で息をするブーンをよそに、フォックスが右腕を目の前で小さく掲げる。
爪'ー`)「よっしゃ────良くやったぜ!」
川 ゚ -゚)「喜ぶのは早いぞ。すぐにあいつを援護にいってやらないと……!」
(;^ω^)「そ、そうだったお!」
クーの言う”あいつ”というのは、ショボンの事であろう。
勝利を喜ぶ暇などない、この森には、敵は無限のようにそこら中に居るのだ。
三人が再び奮い立ち、勇みショボンへの助太刀に向かおうとした、その時だった。
-
(´・ω・`)「お見事だったね、クーさん、ブーン」
从;'ー'从「ほっ……どうにか、皆無事ですね」
ξ゚⊿゚)ξ「こっちはこっちで、ド派手に片付いたわ」
悠然とこちらへ歩いてきたショボン、その隣にはワタナベとツンの二人も居る。
ひとまずの危機は、どうにか切り抜ける事が出来たらしい。
爪'ー`)「必死こいて注意引いた俺への労いはなしか?」
(´・ω・`)「……気にはしてないんだけど、誰かさんが僕の手元を狂わせなければ、もう少し楽な戦いだったね」
爪;'ー`)「んぐっ」
先ほどのミスを指摘されてたじろぐフォックスに構わず、ブーンがクーへと詰め寄る。
( ^ω^)「クーさんのお陰で、大助かりだったお!」
川 ゚ -゚)「まぁ……これで少しは借りを返せただろう」
(´・ω・`)「足の怪我は大丈夫なのかい?」
川 ゚ -゚)「あぁ、万全だ」
-
気づかないうちに来てた
今日はここまでかな、明日(もう今日かな)続き待ってる
-
>>968
なう ろーでぃんぐ
-
ξ゚⊿゚)ξ「あー、こほんっ」
わざとらしい咳払いに気付くと、クーが彼女の方へと振り向き言った。
川 ゚ -゚)「それについては……ツンのお陰でな」
そう言って、怪我をしていた足元の衣服の裾をまくり、露出した足首を皆に見せた。
裾の一部は裂けているものの、その下の素肌には傷など影も形も無かった。
爪'ー`)「へぇ……どういう手品だ?」
ξ゚⊿゚)ξ「”聖ラウンジの奇蹟”の、正しい使い道の一つよ」
川 ゚ -゚)「私自身も驚いたがな……ツンが手をかざすと、傷が”治っていった”んだ」
(;^ω^)「そ、そんな事まで出来るのかお!?ツンってば!」
(´・ω・`)「細胞の再生───修復だって?」
ξ゚⊿゚)ξ「とても小さなものだったけど、ヤルオ神からの言葉が届いたの」
───────────────
──────────
─────
-
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | ──これは”癒身の法”……そう名付けた、奇蹟の一つ──
\ ` ⌒´ /
____
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/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ ──いつも話し相手に不自由してるから、またいつでも祈りを飛ばしてくれお!──
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ξ゚⊿^)ξ「”癒身の法”っていう一言しか届かなかったけど、効果はご覧の通りよ」
(´・ω・`)「毎度驚かされるよ、ツン───大陸の大多数が聖ラウンジ信仰なのも、頷ける」
( ^ω^)「やっぱり、君は大した娘さんだお」
ξ*゚⊿゚)ξ「えっへん」
爪'ー`)「馬鹿、褒めすぎるなブーン」
川 ゚ -゚)「………」
先ほどからある疑念が引っかかり、それがクーの胸中でつかえていた。
今しがたのショボンの言葉の中にもあった────確かに、そうなのだろう。
戦闘で過ぎ去った高揚感の後に、えも言われぬ感情が訪れ、複雑な表情を浮かべる。
ξ゚⊿゚)ξ「?……どうしたの、クー」
胸を張るツンの顔を覗き見ていたクーだが、自分の考えを悟られぬよう紛らわし、俯く。
川 - )「────いや、なんでもない」
心の中で起こるせめぎ合いは、いつの間にか彼女の表情を曇らせていたようだ。
それらをひた隠すため、クーは目線をツンから逸らした。
隠そうとも、決して消せぬ感情ではあるが。
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(´・ω・`)「─────さて、目的の場所はすぐそこさ」
再び出立を促すショボンの案内の元、冒険者一向は先を急いだ─────
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怪樹達の群を抜け、湖畔沿いの道にぽっかりと口の開いた洞穴。
そこは、迫る人面樹を凌ぐため、ショボンが一度立ち寄った場所だった。
(´・ω・`)「ここを通っておいて良かった」
じめりとした湿気は、肌にまとわりついてくるようだ。
爪'ー`)「どこに連れてくるのかと来てみりゃあ……何の事はねぇ、緑から逃れる為の休憩所ってか?」
( ^ω^)「なんつーか……ニオうおね」
川 ゚ -゚)「これは……」
爪'ー`)「───ははん、なるほどな」
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煙草を取り出し口にくわえたフォックスが、足元に転がる樽から地面へと染み込んでいる液体を見て、
火打ち石で着火しようとしていた手を止めた。
「お、おい!お前さんがた……まさか本当に───!」
(´・ω・`)「そう、油さ。こいつをそこらじゅうへと振りまいてから、この森に火を放つ」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
冷静に言ってのけるショボンの言葉に、もはや一同から忘れられかけていたラッツが騒ぎ立てる。
どう考えても冷静ではない一言を、さらりと口にした彼に対して。
「はッ!……お笑いだぜ、苦心の末ここまでやってきた挙句、やっぱり森に火を放ちます、だぁ?」
(;^ω^)「心配だという点については、ブーンも同調するお」
「心配どころじゃねぇ、全部燃え尽きた後にゃあ焼死体が7つ発見されるだけだぜ!?」
从;'ー'从「そうですよっ、大体───どこに逃げるんですか!?」
ξ゚⊿゚)ξ「逃げ場のアテはあるの?ショボン」
(´・ω・`)「無いよ」
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( ^ω^)
爪'ー`)
ξ゚⊿゚)ξ
「………」
その一瞬、洞穴の中に居た面々の表情は一様に冷たく凍りついた。
完全に場の時が止まったのを見計らってから、ショボンは白々しく言い放つ。
(´・ω・`)「冗談。確実な安全性の面では、という意味さ」
爪'ー`)「……次からは止してくれ、本当に心臓が止まる奴だっているかも知れないからな」
(´・ω・`)「───だけど、君たちの誰かも、この一つの可能性に気付いているはずだ」
「どうしろってんだよ!地中に穴ぐらでも掘って、そこに埋まってりゃあいいのか?」
(*^ω^)「おっ!それはいい考えかも知れないおっ!?」
爪'ー`)「お前は黙ってろ」
ξ-⊿-)ξ「う〜む……」
川 ゚ -゚)「この場所に居ても、油が染み込んでいるこの地質では引火の可能性が極めて高いな」
(´・ω・`)(……すぐにたどり着く答えだと思ったのは、ひょっとすると僕だけなのか)
腕組みをしながら長考に入った面々の様子に、ショボンはがくりと首を傾げた。
どうにか考えをひねり出そうとしていた彼らの沈黙を破ったのは、ワタナベだった。
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从'ー'从「みず、湖…………あっ!」
川 ゚ -゚)「!」
(´・ω・`)「………そう、船だ」
ショボンが思い描いていた、そしてワタナベが連想あそびの要領でたどり着いた答えは────”湖上”
幸いにもこのカタンの森には中央部分に大きな丸型の湖が存在している。
そしてこの場にいる冒険者たちの大半が、この森に足を踏み入れた時、湖上に浮かぶ木船を見かけたのだ。
この怪樹ひしめくカタンの森からの唯一の脱出経路は、森の外にあらず。
森の中、すなわち湖の上に浮かべる船の上にあったのだ。
(*^ω^)「そ────その手があったかぁぁーーーッ!」
全く思い当たらなかったその答えに、とても大きく感銘を受けて叫ぶブーン。
だが、それにはどうしても一つだけ問題点が残されてしまうのだ。
爪'ー`)「確かにそりゃあ………安全とは言えねぇな」
(´・ω・`)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「名案だと思うけど、どうしてよ?」
爪'ー`)「考えてもみろよ……ひぃ、ふぅ────今この場にゃ、何人居るんだ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ………」
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「子供は数に入れねぇでも────大人が、6人も……」
ここで、再び一同は沈黙した。
小さな木船ならば3、4人がせいぜいのはずだ。
チャンスは一度、そこで全員が船に乗っかり岸からある程度の距離を離れなければならない。
明らかに定員を大幅に超えてしまうのだ、すぐに沈没してしまう事もありうる。
(´・ω・`)「森に立ち込める熱風で、気流に引き寄せられる可能性もある。岸からは少しでも離れたい」
爪'ー`)「万が一沈没したとして、俺やクーならなんとかならぁな……けど」
ξ;゚⊿゚)ξ「私やワタナベちゃんは正直……ずっと立ち泳ぎしてる自信なんて欠片も無いわ」
(;^ω^)「ブーンも……具足や胸当て……ごてごて重い装備ばっかりだお」
爪'ー`)「まぁ、沈んだら溺れるわな」
(´・ω・`)「外してもらうしかない、か」
(;^ω^)「だけどだけど!この子たちはもはやブーンの旅の相棒で、ちゃんと名前も────」
ξ゚⊿゚)ξ「何馬鹿な事言ってんの。あんたが一番重いんだから、そこは譲りなさいよ」
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从;'ー'从「ブーンさん……お願いします」
川 ゚ -゚)「ま、少しでも全員の生存率を上げる上での必須事項だろうな」
(;^ω^)「ぐぬぬぅ……」
女子供の説得に負け、ブーンは泣きそうな表情を顔に貼り付けながら、具足や胸当ての紐を自ら解いていく。
衣服とともに、最後に残ったのは身体に麻糸で巻きつけた、鞘に納まる剣だけだ。
(#^ω^)「べらんめぇ!こいつでどうだおッ!」
(´・ω・`)「すまないね、ブーン」
ξ゚⊿゚)ξ「あ………その背中の剣だって、重いんじゃない?」
( ^ω^)
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、ごめん……ダメだった?」
表情は同じだが、その一言に少しだけ雰囲気の変わったブーンに、ツンが少したじろいだ。
( ^ω^)「この剣だけは、譲れんお」
背の剣の柄を一度握りながら言うと、すぐにいつもの雰囲気に戻ったが。
ξ゚⊿゚)ξ(大事なもの、なんだ)
川 ゚ -゚)「で────その作戦、決行はいつだ?」
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(´・ω・`)「勿論、早いに越した事はない───皆の心の準備は?」
川 ゚ -゚)「私はいつでもいいが……こんな森とは、早いとこおさらばしたいのでな」
爪'ー`)「俺もだ。動くんなら分担だろ。準備は出来てるぜ?」
(´・ω・`)「こき使うようですまないが、これで貸し借り無しにさせてもらうよ───」
「わーったよ」
と、ショボンの台詞にそっぽを向いて一寸子憎たらしい表情を浮かべたフォックスだったが、
どうやら彼は自分の役割を理解しているらしい。
(´・ω・`)「ブーンとフォックスは、この森の東西に分かれてここにある油を撒いてきてくれ」
「なら、俺も手伝わせてもらうぜ!何もしねぇで助かるのは、癪だからな」
(´・ω・`)「ありがとう。ではラッツ、君は北側を頼む」
( ^ω^)「ショボンはツン達とここに残って、この洞窟を見張ってるのがいいおね」
从'ー'从「あ!見張りぐらいなら私だって手伝えます!」
(´・ω・`)「助かる。それじゃあ君は東側の出口を見張って、何かあったらすぐ反対側の僕へと知らせてくれ」
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良い雰囲気だった。
てきぱきと役割分担が決まっていき、それを担う面々の瞳には、不安を塗りつぶす程の強い光が宿っている。
「畜生、意地でも助かってやるからな」と言いながら、ラッツは自分の頬をぴしゃり張っていたが、
恐らくその心中は、この場にいる誰もがそう頑なに思っている事だろう。
この森に住まう怪樹らを倒して、生き残る。
もちろんそれも─────全員でだ。
(´・ω・`)「よし、十分な休憩時間だったね。始めるとしようか」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、あの〜……」
川 ゚ -゚)「私たちは、どうすればいい?」
完全に出遅れたツンが、弱弱しい声を出しながらそろそろと挙手する。
だが、非力なツンに対し”油樽を担いで走り回れ”などとと無茶な事は、当然言える訳もない。
(´・ω・`)「ツンは……クーさんと共に安全なこの場所で待っていてくれ」
ξ-⊿-)ξ「そう、わかったわ(ほっ……)」
(´・ω・`)「クーさんは───」
( ^ω^)「いいんだお、元はと言えばブーンがこの森に行こうと誘ってしまったせいだお」
川 ゚ -゚)「ま……確かに依頼の危険度は大幅に跳ね上がったが」
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(;^ω^)「随分迷惑もかけたし、道中で危険な目に合わせちゃったおね……」
ξ゚⊿゚)ξ「まぁ、旅のお共は道連れって言うじゃない、確か」
( ^ω^)「───迷惑ついでで申し訳ないんだけどお、どうかここで、ツン達の事を守って欲しいお」
川 ゚ -゚)「ふむ、それは腕を見込まれての事かな?」
( ^ω^)「そういう事ですお、先輩冒険者殿」
川 ゚ー゚)「ふっ……わかった。任せてくれ────無事を祈るぞ」
( ^ω^)「!……ありがとだお」
爪'ー`)(ほぉ……こうしてしおらしくしてれば────なるほど、うぅん……悪くないねぇ……)
ξ゚⊿゚)ξ「何じろじろ見てんのよ、アンタは」
役割を果たす自信が無く名乗り出られなかったツンとは違い、クーは手伝う意思が十分にあった。
が、小気味良く連携して脱出の算段を整えてゆくブーンらの様子をずっと見ていて、機を逃しただけ。
目を奪われていたのだという自覚は、彼女にはなかった。
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今までクー自身は毛嫌いしていたはずの、”パーティー”という冒険者の集まり。
だがその認識は、今彼女の中で確実にがらりと変わろうとしていた。
いつの時代も同族で殺し合いばかりしているのは、人間の他には妖魔ぐらいなものだ。
だがそれとは逆に互いを助け合い、同じ希望を胸に抱きながら困難へと立ち向かってゆく者もあった。
ブーン達の、真剣みの中におふざけなどをを交えつつも、皆の気持ちが一つになるさまは────
( ^ω^)「よっしゃ、どっちが先に帰ってこれるか競争だお!フォックス!」
爪'ー`)「けっ、なめんじゃねぇよ。俺が狐なら、お前さんはどん亀だぜ」
(´・ω・`)「二人共下らない小競り合いはいいから、役割だけは果たして帰ってきてくれよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「危なくなったら、すぐに引き返してね……」
川 ゚ -゚)(これが冒険者………”仲間”、か─────)
そうして─────人間不信の一面を持つクーの心を、少しだけ氷解させるに至った。
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─────(まずい、スレまたぎそう)
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支援
残り17レスじゃ無理だろうし
きりがいいところで次スレへ移動をおすすめ
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支援
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あれ、今ここって管直人さんいないんでしたっけ?
このスッドレ過去ログに叩き込んでくれる人いるべか
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(´・ω・`)投下途中支援だよ
居ないと思うよ
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ギャプッ
創作版へお引越しするしかないか……
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(´・ω・`)創作板でみんな待ってるよ
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待っててよかった
創作板かどこかでも楽しみにしてる
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今までお世話になりました…
この度やむ無く創作板にお引っ越ししましたので、そちらで5話まで投下完了いたしました。
これまで見て下さいました方々、ありがとー
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今更ながら
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