レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
( ^ω^)ヴィップワースのようです
-
タイトル変更しました(過去ログ元:( ^ω^)達は冒険者のようです)
http://jbbs.livedoor.jp/sports/37256/storage/1297974150.html
無駄に壮大っぽくてよく分からない内に消えていきそうな作品だよ!
最新話の投下の目処は立ったけど、0話(2)〜(5)手直しがまだまだ。
すいこー的ななにがしかが終わり次第順次投下しやす
-
爪'ー`)y-「どこの地域でも領主やギルドによって定められた、禁則事項の魔法さ」
(´・ω・`)「そう。例にして挙げれば、この死者を意のままに操る死霊術や、中には古からの
悪魔を召喚し、供物を捧げるのと引き換えにその力を借りる……なんてものもある」
( ^ω^)「なんだか凄そうだおね……それは、強いのかお?」
(´・ω・`)「あぁ。だけどその分、術者に求められる代償はとても大きいだろうね。
人としての倫理観や道徳なんて完全無視だ。人には過ぎた術さ」
( ^ω^)「お〜。魔術にも、色々お住み分けがあるんだおねぇ」
(´・ω・`)「まぁ……自然界における理を根底から覆す、自分達魔術師が言うのも何だけどね」
そう一言付け加えてから、脱線していた話を戻す。
(´・ω・`)「で、出立はいつ?僕は今からでも構わないんだけど……」
爪;'ー`)y-「お前も乗り気かよ!」
(´・ω・`)「勿論そうさ。死者を蘇らせて、その上に立つ支配者気取りにでもなったつもりなんだろうが、
そんな浅はかな真似は、死ぬほど後悔させてやらなきゃならない」
-
パーティーを組んでから、ブーンとフォックスはまだ一つの依頼もこなせていない。
ツン達を巡る騒動に巻き込まれてしまったという理由はあるが、ブーンは今か今かとその時を待ち望んでいたようだ。
今回の依頼に限ってかも知れないが、そんなブーンのみならずショボンも非常に乗り気だったようだ。
本人が語るように、死霊術士という存在を看過出来ないという執念がそうさせているのだろう。
爪'ー`)y-「まぁ……村じゃ死人も出てるみたいだな。もし行くなら、早いに越したこたねぇが」
( ^ω^)「じゃあ、決まり……だおね!ブーンは早速二階で準備してくるお」
そう言って、ブーンは脇目も振らず宿の二階へと駆け上がっていった。
準備をしてくるという事は、すぐに出立するつもりなのだろう。
残された一人、フォックスはカウンターに突っ伏して愚痴る。
爪'ー`)y-「面倒くせぇなぁ、今日ぐらいは出所祝いでゆっくり飲んでたかったぜ……」
(´・ω・`)「ん……誰か?」
誰かが店に入ってくる気配を察して、カウンターの隅で掃除をしていたマスターが、ひょっこりと顔を出した。
(’e’)「おぉ、おかえり。デレ」
その名を耳にした瞬間、口から雑言をこぼしていたフォックスの身が、途端にしゃっきりと直る。
弛み切った表情も、先ほどから比べて三割ほど引き締まったものになっていた。
-
ζ(゚ー゚*ζ「ただいま、買出し行って来たよ。お父さん」
爪' -`)y-「よぉ、お邪魔してるよ。デレちゃん」
ζ(゚ー゚*ζ「あっ……フォックスさんに……」
(´・ω・`)「どうも。この間は、お店をお騒がせしてしまって申し訳ないね」
(’e’)「あぁ、お前も知ってるだろ。道楽貴族の……」
ζ(゚ー゚*ζ「あ……覚えてます、ショボンさんですね!」
マスターからの紹介に苦笑いを浮かべるショボンだが、あながち間違ってもいない。
今は絶縁されているだろうストレートバーボンの家柄だが、
その援助なくして魔術の研究に打ち込む事は、今にして考えてみればままならなかったはずだ。
(’e’)「なんでも、フィレンクトが持ってきた依頼に、こいつらが行くんだとさ」
ζ(゚ー゚*ζ「そうなんですか? もう騎士団から直々の依頼だなんて……っ」
-
(´・ω・`)「いや、僕もつい今しがた話を聞いたばかりでね……そう大層な話でもなさそうだ」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、フィレンクト団長が持ってくる依頼と言えば、きっと危険なものですよね」
(´・ω・`)「だろうね。だけど、とある村が窮地に陥ってるそうなんだ……見過ごしてはおけないさ」
ζ(゚ー゚*ζ「その考え方、なんだか尊敬しちゃいます」
爪#'ー`)y-「………」
きらきらとした瞳をショボンにばかり向けているデレの姿に、フォックスが嫉妬の炎を揺らめかせていた。
突然乱暴に席を立つと、ショボンを指差して大声で叫ぶ。
爪#'ー`)y-「行くぜ!とっとと支度しな、ショボン!」
(´・ω・`)「……おやおや」
ζ(゚ー゚*ζ「フォックスさんも?」
爪' -`)y-「……当たり前さ。俺の中の義賊の血が騒ぐんだ、”困っている人を救え”……ってな」
ζ(^ー゚*ζ「あははっ。フォックスさんって………面白い人ですよね」
-
爪' -`)y-「俺は大真面目さ、デレちゃん……だから、俺がこの依頼から生きて帰って来れたら……俺と」
(´・ω・`)「さっきまであんなに面倒くさそうにしてたじゃないか」
爪#'ー`)y-「黙ってろ、今いいとこなんだよッ!」
(#’e’)「やかましいッ!」
マスターからの怒声が飛ぶ中、駆け足で階段を下りてきたブーンが、支度を終えて現れた。
革鎧に、手甲。腰に吊るした麻袋に薬草などを持って、準備は万端だ。
背にしまわれた剣の柄の感触を確かめてから、一言でその場をまとめ上げる。
( ^ω^)「さ、行こうお────二人とも!」
───────────────
──────────
─────
-
───【アルバの村 教会内】───
祈りを終えたツンは、ビロード神父と様々な話をするつもりだった。
自分がラウンジへ返されようとしている事、また、ヴィップまで来た経緯や、旅の最中あった人物の事など。
何より、これから自分は旅を続けるべきかどうかを、彼によって導いて欲しかったのだ。
だが、ビロード神父から投げかけられた言葉は、その期待を裏切るものだった。
( ><)「ツンちゃん……積もる話もあるんです。だけど、まだ明るい内にすぐにヴィップへ戻るんです」
ξ゚⊿゚)ξ「……ッ」
( ><)「村の人に途中まででも見送ってもらうんです、だから───」
ξ゚⊿゚)ξ「ビロード神父まで………私がここにいちゃいけない、って………?」
(;><)「あ、いや!そうではないんです、そうではないんですよツンちゃん!」
自分の一言に、途端に泣き出しそうな顔になってしまったツン。
投げかけてしまった自分の言葉を補うべく、ビロードは順序だてて言葉を紡いでゆく。
-
ひょーーーう支援
-
( ><)「よく聞いて欲しいんです……」
ξ ⊿ )ξ「……はい」
俯きがちに小声で応えるツンは、すねているようにも感じられた。
だが、ゆっくりと。彼女に聞き入れてもらえるように、穏やかな口調で諭す。
( ><)「今、このアルバの村では怪異が蔓延しています」
ξ゚⊿゚)ξ「かい……い?」
( ><)「命を落としたはずの村人が、彷徨い歩くんです……毎夜、毎夜の事なんです」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、あの、それって」
( ><)「今ここに棺へ収められているのは、その死んだはずの彼らに襲われた人たちなんです」
ξ゚⊿゚)ξ「不死者───」
その存在を撃退する術に長けた聖教都市では、決して目にする事もなかった存在。
超常の話ではあるが、強い恨みを残して死んでいった者達は、再び現世を彷徨い歩く。
そうならない為に、自分達のように祈りを捧げる人間がいるのだ。
迷える魂が少しでも救われるようにと、願いを込めて。
だから、ビロード神父が居るこの村でそんな事が起きるのは、不可解そのものだった。
-
( ><)「”彼ら”は、決まって陽が沈むと墓から這い出して来るんです……そうして、
再び陽が上るまでには、自らの墓へと戻ってゆく」
ξ;゚⊿゚)ξ「どうしてそんな事に……? 皆幸せそうに暮らしてたはずのこの村で、なんで……!」
( ><)「一月ほど前になるでしょうか……」
遠い目で、天井を見上げるビロード。
瞳の奥には、とてもやりきれないような悲哀が映し出されている。
( ><)「村の離れのあばら家を貸してくれと、村長の元に一人の魔術師が訪れたんです……
そこには誰も住んでいなかった。だから、渋々村長も承諾したんです」
( ><)「だけど……それがきっかけなんです。7日程前から、この死者が蘇る事件が起きた。
最初は一人だけだったそれが、日を追うごとに……その数は増えているんです」
ξ゚⊿゚)ξ「その、魔術師を捕まえたりはしないんですか?」
( ><)「2、3日が経ったある日、彼の家を村人数人が訪れたんです………
ですが、彼の姿は影も形もなかった。見つからないんです、どこにも────」
ξ;゚⊿゚)ξ「………」
ビロードの話を聞く内、先ほどまでの身の上話を聞いてもらいたいという気持ちは、消えうせていた。
それよりも、深刻な事態が起きているこの村に対して、何か力にならなければ───と。
-
ξ゚⊿゚)ξ「怪異が起きている間、村の人たちはどうしてるんですか?」
( ><)「この教会に………始めの内は、皆家に閉じこもり鍵を掛けているだけだったんです。
ですが、不死者の数が増えるにつれ、それも意味を成さなくなってきたんです」
ξ゚⊿゚)ξ「これで、村の人たちは全員………?」
見渡しても、全部で6人の男女しかいない。
若者は、子供を合わせてたった二人───ビロード神父を含めて、年老いた者ばかりだ。
( ><)「いえ……大半の若者は、村は離れていきました」
「ここで生まれ育ったっていうのに、薄情な連中なんだよ! ……あいつらは」
ツン達の話を聞いていた青年の一人が、割り込んだ。
「こんな小さな子供を村に残してよ……情けねぇ。けど、俺たちはビロード神父と同じ気持ちだぜ」
そう憤慨しながら、青年は子供の頭を撫でた。
大人たちが話す事の大半は、理解できていないぐらいの年頃だ。
ノノ'_')「………」
それでも、深刻な雰囲気だけは彼の身に伝わっているのだろうか。
どこか不安げな瞳の彼を、周りの大人たちは案じているようだ。
-
ξ゚⊿゚)ξ「あなたは、この子の親類?」
「いや……違う。ロイの奴は、この子の親は……二日前に魔術師を捜しに行くと出たきり……」
ξ゚⊿゚)ξ「────そう………」
全員が青年の言葉に俯く様子から、もう戻らないのだと悟った。
ノノ'_')「……お父さん、どこにいるの?」
「………ッ畜生」
父の所在を求める息子の無垢な表情が、この場に居る全員の心を締め付ける。
( ><)「耐え凌ぐんです……皆さん。ヴィップからの騎士団が、この苦境を救ってくれるまで」
「でもよぉ、ビロード神父……依頼を出してから、もう三日も人っ子一人村を訪れやしねぇ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「………」
三日といえば、自分達が御堂聖騎士団とひと悶着あった頃だ。
もし彼らへの尋問と重なり、アルバの村への対応が手をこまねく状況になってしまったとしたら、
そう考えると─────責任の一端を感じざるを得ない。
フィレンクトほどの善人が、この村の事情を知って数日も放っておくとは思えないからだ。
-
「一昨日はドノバンが……今朝はフレッド達が食い殺されて見つかった……
なら次は、俺たちの番なんじゃねぇのか?俺たち、もう村を捨てた方が良いんじゃねぇのか!?」
( ><)「落ち着くんです……希望を捨てては、いけないんです」
「これが落ち着いてなんて───ッ!」
精神的にも相当参ってしまっているのだろう、半ば八つ当たりのように、ビロードへと噛み付く青年。
毅然とした態度で彼をなだめるビロードと、その心中を察しようともしない青年に業を煮やし、ツンが叫んだ。
ξ#゚⊿゚)ξ「うるさいのよッ!」
「ッ!?」
( ><)「!」
身を引き裂かれんばかりの悲哀が、教会内の全員に伝染しそうになった時、その叫びが正常へと引き戻す。
ξ゚⊿゚)ξ「こんな小さな子供がいるってのに、貴方達がしゃきっとしてなきゃダメじゃない!
怖いのはあんただけじゃない……落ち着いて、力を合わせて今を乗り切るの!」
( ><)(ツンちゃん……)
-
力強くそう語った彼女の横顔から見える瞳には、猛々しいまでの生命力が満ち溢れている。
落ち込んでいるばかりの村人達だが、彼女の強さは確実にこの場の人間に力を与えてくれる存在となり得る。
ビロードが何を言うでもなく、年下の若い娘に怒鳴られた青年は、自分から過ちを認めた。
「………そうだな、お嬢ちゃんの言うとおりだ。すまなかった」
ξ゚ー゚)ξ「解ってくれればいいんです……今は、何をすべきか考えましょう───」
「っと、そうだ……さっきお嬢ちゃんはこれで村人全員かって、聞いたよな?」
ξ゚⊿゚)ξ「えぇ、大半の人は村を離れたとはいえ、これだけなの?」
「いや、まだあと一人……確か」
( ><)「そう。コトおばあさんが、まだなんです……」
ビロードと青年の話では、まだ一人の老女が教会に避難してこないというのだ。
共に付き添って夜を凌いでいた人間によると、夜毎聞こえる息子が自分を呼ぶ声に、
何度も扉を開けようとしたという。
教会に避難するように呼びかけても、鍵を閉じて家から離れたくないと一点張りなのだ。
-
「今日は、誰か呼びに行ったか?」
そう尋ねる青年の声に、全員が首を振る。
( ><)「いけないんです、もうすぐ夜が来る……付き添ってくれていたドノバンはもういない。
誰かが、てこでも連れてこなくてはならないんです」
全員に、緊張が走っていた。
もうじき夕暮れだ、死者が墓から這い出して来るまでに、そう間は無い。
頑固者のコトばあさんを、ビロード神父を含めて8人の中の誰かが、連れてこなくてはならない。
「なら……俺が」
村人6人の中で唯一体格の良い、青年の一人が名乗り出ようとした所だった。
が、それを遮ったのは、ツンだ。
ξ゚⊿゚)ξ「私が行きます」
(;><)「ツンちゃんは知らないでしょうけど……コトおばあさんはとても頑固なんです。
彼に行ってもらって、戸をこじ開けてでも連れてきてもらわなければ……」
-
「そうだぜ、死んだあいつらは、俺たちの身体の温もり目掛けてやってくるんだ。
日ごとに数も増えてるし、あのままじゃ、いつ戸がぶち破られるかも分からない」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな強引なやり方良くないと思う。女同士なら、きっと腹を割って話せるわ」
「しかし……お嬢ちゃん一人に行かせるのも……」
ξ゚⊿゚)ξ「いいんです。いざという時、皆を守れる人がいなきゃね」
必死で引き止めるビロード達の制止を振り切り、コトばあさんの住居の場所を尋ねると、
「大丈夫!」とだけ言い残して、ツンは駆け足で教会を出た。
────────────
────────
────
時間はあまり残されていない。
急がなければ、不死者達が墓から這い出して来るだろう。
ξ゚⊿゚)ξ(……………)
外は、もう雨が振り出していた。
-
コトばあさんの家に行く途中に立ち止まり、良く目を凝らしてみて気づいた。
広場のあちこちには、土が這いずったような痕跡に、時たま血痕もある。
それに加えて、教会に避難している一部の人が居る以外には、がらんどうとなってしまった村の建物。
幼い頃に、父と訪れた思い出の中にあるアルバの村の、素朴で暖かな印象は消えうせてしまっていた。
ξ#゚⊿゚)ξ(………くッ)
この村の現状は、一人の魔術師によって引き起こされているのだという。
顔も名前も知らないその元凶に向けて、湧き上がる怒りに歯噛みした。
だが、すぐにまた走りだした。
降り続く雨にずぶ濡れになるのも、水溜りで僧服の裾に泥が跳ねるのも厭わず。
そうして────教えてもらった場所は、商店の少し離れた並びにあった。
小さな木造の家だが、作りは頑丈そうだ。これならば青年の言っていたように戸が破られる心配などなさそうだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「………」
が、幾度も叩かれた衝撃で少しささくれた扉に、無数の泥に塗れた手形を見て、怖気が走る。
書物や話にしか知識はないが、やはり不死者は生きている人間の温もりを求めて、彷徨うのだ。
だが、すぐに自分の使命を思い返す。
-
不死者の手形が着いている部分を避けて、木扉を叩いた。
ξ゚⊿゚)ξ「……ごめん下さい!コトおばあさん───いらっしゃいますか!?」
雨音にかき消されないよう、大声で呼びかけながら戸を叩く。
幾度も、幾度も声に出して、呼びかけを試みる。
一向に反応が返ってこない事に、すでに不死者達の手にかかり命を落としたのか───と、不安が過ぎった。
ξ;゚⊿゚)ξ「コトおばあさん!―――お願い、返事をして下さい!」
焦りに声を荒げるツンだったが、そこへ、消え入りそうな声ではあったが、かすかに婦人の声が耳に届いた。
(……なんだい、まだあたしを連れてく気かい……)
ξ゚⊿゚)ξ「! ……私、この村の人間じゃないんです、けど、どうしてもコトおばあさんと話がしたくって……」
辛うじて返ってきたその反応を繋ぎ止めるように、ツンが必死で言葉を紡ごうとするも、
意外な事に、閉じられた扉は本人の方からあっさりと開けられる。
「なんだい……雨が降ってるじゃないか、濡れるよ……さぁ、お入り」
ξ*゚⊿゚)ξ「あ───ありがとう、ございます」
-
頑固者だとは聞いていたが、どうやら嫌味な人柄ではない。
腰は折れ、顔を走る深い皺がいくつも見られるが、自分を見つめる眼差しは、まだ力強さを秘めている。
雨宿りをさせてもらうのは有難いが、どうにかして彼女を説得し、連れて帰らなければならない。
コトばあさんの案内の後について家の中に入ると、なんだか懐かしい臭いがした。
整然とした家の中は、毎日掃除しているのだろう。
外観からはとても古めかしいが、埃に塗れている物は一切見当たらない。
ξ゚⊿゚)ξ「あの……話は聞いていると思うんだけど───」
婦人がたどたどしい足取りでロッキングチェアに腰掛けると、それを見計らってツンが切り出した。
少しだけ黙り込んだ後、そっぽを向いて話し始めた。
「あのね……あたしゃ、この通り足が悪いの」
ξ゚⊿゚)ξ「……うん」
そっと近づき、婦人の腰掛けるロッキングチェアの手すりに自然な動作で手を置く。
中腰になってしゃがみこむと、ツンは彼女の顔をしっかりと覗き込みながら話を聞く。
「だからさ、皆の重荷には……なりたくないのさね……」
ξ゚⊿゚)ξ「……皆、本当に心配してるの。ここに居たらとても危険なのよ?」
-
「解ってるさ……毎晩、毎晩……聞こえるよ。墓に入ってるはずの息子が、あたしを呼ぶ声がね……」
ξ゚⊿゚)ξ「───でもそれは、本当のコトおばあさんの息子じゃない」
「それも、わかっとる……でもね、お嬢ちゃん……?」
ξ゚⊿゚)ξ「……うん」
とても───優しい瞳をしている老婦人だった。
一面だけしか知らない人間にとっては頑固なだけの人物に見えるかも知れないが、
今こうしてツンと面と向かって話すその瞳には、他者をいたわれる優しさが見て取れる。
「あたしゃ、ずぅ〜っと長く生きてきた。色々な事も経験したさね……
息子がいなくなってから、喪失感ばかりがあたしを苛んだりもしたけれど」
人生の酸いも甘いもを知っている、婦人の言葉を真剣に聞いていた。
その最中、村人達の心配に対して「放っておいてくれ」と言わんばかりの態度の理由も、なんとなくは解ってしまった。
だが────だからこそ。
-
「でも、あたしゃこの村が好きだ……じいさんや息子と一緒に暮らした、この家が好きだ」
ξ゚⊿゚)ξ「うん………」
「それで最後には息子の手にかかって死んじゃうんなら、それも仕方ないさねぇ……」
ξ゚⊿゚)ξ「………どうして?」
「それこそ、神さまのお導きなんじゃないかい?………あたしゃ受け入れるさ、
どんな結果であろうと、こーんなに長生き出来たんだ、悔いは欠片も残ってないさね」
だからこそ──────彼女を一人この場に放っておく事など、ツンには出来なかった。
彼女と話し、説得に失敗して諦めがつくどころか、「絶対に助ける」という意思が芽生えたのだ。
ツンよりも遥かに長い年月を生きてきたコトばあさんは、とても強い女性だった。
全てを自分の運命として受け入れ、死が目前まで迫っていてもどっしりとしたものだ。
しかしながら、全てが神の定めた運命であるはずがない。
道半ばの不条理な死など、ヤルオ=ダパートの意に沿うもののはずがないのだ。
だからこそ、この場に居合わせる神の使者である自分が、どうにかしなくてはならない。
ξ゚ー゚)ξ「コトばあちゃん……?」
「何かね、お嬢ちゃん……?」
-
ξ゚ー゚)ξ「なら、こうして私と出会ったのも、神様のお導きって事だよね……?」
「そうかも知れないねぇ」
悪戯な笑みを浮かべるツンが立ち上がり、婦人はその彼女を見上げる。
何をしようとしているのかと考える間もなく───唐突に、婦人の軽い身体は持ち上げられた。
ツンに抱えられると、その背に婦人がおんぶする格好だ。
「な、何するんだいっ!お嬢ちゃ───ッ」
ξ;^⊿゚)ξ「ん、しょっと……ごめんね、コトばあちゃん?」
しっかりと自分の足を持たれてなすがままの老婦人は、何事かと驚きを隠せない。
ツンにはその彼女の表情を伺い知れないが、背中ごしには謝っておいた。
ξ゚⊿゚)ξ「ワガママかも知れないけど───」
「………」
ξ゚⊿゚)ξ「私、コトばあちゃんと話してる内、意地でも助けたくなっちゃった」
「! ………ありがたい、事だねぇ……」
ξ;゚⊿゚)ξ(結局、強引に連れ出す事になっちゃったけど……気にしない!)
-
強情さと強引さで、若く力のあるツンに軍配が上がったようだった。
コトばあさんもさすがに折れて、その身をツンの背中へと完全に預けた。
片手で戸を押し開けると、降りしきっていた雨の中を飛び出した。
見れば、陽はもうとっぷりと沈みかけている────
そして、生きていた頃のかがり火を求めて彷徨い歩く、哀れな死者達の時間が訪れた───
(%;℃;;#)「───オ……アァ、ウ─────」
───────────────
──────────
─────
( <●><●>)「ふむ……数も増えていますね。実に良い傾向にあります」
-
村の北東に位置する墓地に、黒の外套に身を包む男が立っていた。
その目線の先には、次々と土の中から這い出してくる、不死者達。
もはや形を為すのも難しい程に身体が崩れてしまっている者は、手足がちぎれながらも這い出る。
( <●><●>)「紛うことなき黄金比でしたね、この私の調合したゾンビパウダーは」
まるでその姿が見えていないかのように、そこに立つ男を素通りして、不死者達は
明かりの見える教会の方へと、続々と這いずり、歩き出した。
その中には、かすかな生前の記憶を持つ者もいるらしい。
もはや人としての言葉を発する事の出来ない潰れた声帯で、時折誰かの名を呟く。
( <●><●>)「まぁ……それはわかっていた事ですが」
小さく笑いながら、列を成す不死者達の姿を、目だけで見送った。
いつもと同じ時間に、いつもと変わらぬ作業。
それが彼にとっては、普通に部屋に閉じこもって研究しているのでは、
たった2年やそこらでは決して得る事の出来ない、大きな成果をもたらすのだ。
-
まだ若い男だが、同じ年の男女と比べても、その青白い顔には健康さの欠片も感じられない。
うすら笑みを浮かべているのだ。
ぼこぼこと土を盛り上がらせて、不気味に這い出てくる不死者達の姿に。
( <●><●>)「さて、後は経過を観察させてもらうと致しましょう」
そう言って、濡れた地面を踏みしめてどこかへ向かおうとして彼だったが、不意に動きを止めた。
異様にするどい眼光が、彼にとって日常化しつつある光景にそぐわない来訪者の姿を捉えたのだ。
誰であろうが、この村は今や不死者達にとっての”餌場”なのだ。
そして、貴重な実験結果を観察するための、彼にとっての”研究室”
そこへ土足で踏み入る者は、何人たりとも生かして帰る事など許さない。
( <●><●>)「やれやれ、わかっていませんね……」
仮にそれが騎士団であれば退散を余儀なくされるが、人数はたったの3人。
何も知らない冒険者か、もしくは知りながら訪れた冒険者か。
どちらにしろ、亡者共に襲われて仲間入りするという結果に変わりはしない。
-
( <●><●>)「ですが、今夜は面白い実験が見られそうです」
雨粒に混じって、木から流れ落ちる雫に外套を濡らしながら、
彼の足は山の方角へと向き、その姿はさらに奥へと消えていった。
今宵の宴を見下ろせるよう、村の全景を一望できる高台を目指して。
───────────────
──────────
─────
ξ;゚⊿゚)ξ「ふぅ……ふぅっ」
最初抱き上げた時には楽勝だと思ったコトばあさんの身体が、次第に重く感じる。
お互いに雨粒で衣服が水を吸い、その分もあるのだろう。
一歩一歩も、間隔が狭い。
教会から5分足らずで辿り着いた場所が、とても遠い場所のように感じた。
-
「疲れたら、もういいんだよ……?いつでも下ろしとくれ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「………」
背後からそう声を掛けるコトばあさんの言葉を、黙殺する。
今は黙って、ただ教会へと続く門扉を目指さなければならない。
───ずり、
ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ……はぁっ……」
──────ずり、
どこかから聞こえるその音の方を、コトばあさんが顔を向けて言った。
「お嬢ちゃん……あたしを置いて、あんたは走るんだよ」
ξ;゚⊿゚)ξ(やばい……急がなきゃ)
思ったよりも、不死者達が墓から出てくるのは随分と早かったようだ。
雨雲が空を覆い包んでしまっていたのが関係しているのか、
コトばあさんの声に振り返った時、一人の不死者がこちらを視認していたのに気づいた。
(%;℃;;#)「ウォ、ア……………ウゥ」
鼓動が激しく波打つ。
その後ろからも、続々と人影が続いているようだ。
-
ξ;゚⊿゚)ξ「ッ………走るから!」
そう前置きし、残された体力を振り絞って駆け出した。
二人分の体重が掛かる度に、ツンの身体が激しく揺さぶられる。
教会の扉まではあと少し───ツンの瞳は、前しか見えていなかった。
足元の小石に躓いてしまうかも知れないなどと、注意を働かせる余裕もないほどに。
ξ;-⊿-)ξ「きゃッ!?」
激しく前傾姿勢を余儀なくされると共に、コトばあさんの身体が宙に投げ出される。
一瞬送れて、雨でずぶ濡れたぬかるみに、身体ごと突っ伏した。
────────ずり、ずり。
一瞬目の前で星が瞬いたツンだったが、背後から不気味に聞こえてくる音に、すぐにがばっと顔を上げた。
力なく地面に横たわっているコトばあさんの身体を、必死で抱え込む。
ξ;゚⊿゚)ξ「ごめん……!すぐに……」
そう言いかけた所で、すぐ背後に誰かが立っている気配に気付く。
-
「不死者が、すぐ後ろに?」
そう考えた所で─────背はぴんと張り詰め、動けなくなってしまった。
恐怖が、先ほどまでの使命感に満ち溢れていた自分の心を塗りつぶしてゆく。
「逃げなくては」と頭の中で理解しつつも、歯は情けなくがちがちと震えていた。
ξ; ⊿ )ξ(あ、あ………)
まるで歯車仕掛けの人形のように、ゆっくりとその首を後ろへと向けてみた。
そして、その眼前にあったものは───────
( ^ω^)「……手を、貸すお?」
ξ;⊿;)ξ「─────え?」
───────とても印象深く心に残った人物の、変わらぬ笑みだった。
-
ここでいったん切り、続き書いてきます……
-
乙
また朝読むの楽しみにしています
-
乙 続きwktk
-
乙 いい展開だ
-
mouchoy...mattetene
-
おひょう
-
(´・ω・`)”まだ”なんだ。すまない
最初に投下した分の2倍から3倍に膨れ上がってしまって、どーすっぺ。
エメマンブラック計1230mlを摂取しながら、多分昼までに投下を。
-
待ってます
-
何本飲んでんだよwww
-
乙
少しは寝ろよww
-
そんな急がなくてもちゃんと見てるんだぜ
体に影響がないレベルで投下してくれ
-
( ^ω^)「まさか、ツンまでアルバに来てるとは思わなかったお」
ξ;゚⊿゚)ξ「な、なんで………あんたが、ここに!?」
対峙した恐怖にいつの間にか流れていた涙だが、この雨のおかげかブーンには悟られなかったようだ。
後ろを振り向くと、そこには彼同様に、自分が世話になった人物の姿もあった。
(´・ω・`)「さすがと言うべきか……やはり、随分と世話焼きだね。君は」
ξ;゚⊿゚)ξ「────ショボンに」
爪'ー`)y-「よっこら……っせと。この婆さんは、どこに連れてきゃいいんだ?お嬢さんよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「フォックス────!」
呆気に取られたツンをよそに、フォックスがすでにコト婆さんの身体を背に抱えていた。
激しく転倒した時の衝撃で気を失っているようだが、命に別状はなさそうな事に安堵する。
-
─────ずり、ずり、ずり。
その彼らの背後、北東の方角から続々と押し寄せる不死者の影が、少しずつ広場へと広がってゆく。
数にして、10や20ではきかないかも知れない───身体が腐敗しきって、所々に骨が露出した者もいる。
それでも、意思を持ったかのようにこちらへと向かってくるのだ。
(;^ω^)「……こりゃ、ビジュアル的にきっついおねぇ」
(´・ω・`)「もはや、人為的な線は明らかだね」
ブーンとショボンがツンと不死者との間に並び立ち、肩を並べる。
ξ;゚⊿゚)ξ「教会─────教会の中まで、走って!」
爪'ー`)y-「……あそこか。お先に行かせてもらうぜ、しんがりは任せた、お二人さんよッ!」
コト婆さんの身を背に抱えるフォックスが、一足早く脱兎の如く駆け出した。
これまでツンが苦心してやってきた頑張りなど何だったのかという程だ。
あれよあれよという間に、人一人抱えているとは思えない程の身軽さで教会の前まで辿りついてしまう。
それを目で追っている内、背後のブーン達に不死者の何人かが迫っていた。
-
(%;℃;;#)「ヴァ……ウゥゥッ」
不気味な声を上げながら、手を伸ばした不死者。
近づいていたその気配に、普段からは想像もつかない程の機敏さで振り向くと同時、剣を抜いていた。
(#^ω^)「………おぉぉッ!」
自らに伸びていたその腕を、一刀の元に切り落とす。
続けて踏み込んだ一太刀は不死者の胸元から入り込み、腹部を通って振り切られた。
(%;℃;;#)「ヴッ……ウ? ……ウウゥ」
─────それが意に介したと見られるのも、一瞬だった。
一度だけ立ち止まったかと思えば、すぐにまた不死者の身は動き出す。
(;^ω^)「ッ!? ……効果、ナシかお!」
(´・ω・`)「【我……奔…魔…】」
ブーンが叫ぶと同時、ショボンが両手で三角形を模りながら、小さく何事かを呟き始めた。
その聞き覚えのある言葉の端に、ツンはあの時の事を連想する。
一つ違うのは、全てを聞き取る事の出来ない程の速さで、言葉が紡がれていた事か。
ξ゚⊿゚)ξ(魔法………!)
-
(; °ω°)「ちょ、下がるお!ショボンッ!」
彼の衣服を引っ張って不死者から遠ざけようとするブーンだが、ショボンはそれに構うことなく
魔術の詠唱を続けている。手が触れるぐらいに近くまで、不死者達が迫っているというのに。
不死者と目線を合わせながらも、一切動揺する事の無い集中力。
(´・ω・`)「【力……容…魔を以って…】」
やがて最後の段を言い終えた彼の手からは、眩い光の束が幾つも発現した。
光が全体を包み込んでいるその両手を、左右へゆらりと掲げた─────
(;^ω^)(これって……あのゴブリンが使った魔法と同じ───)
(´・ω・`)「【彼方まで撃ち貫け────魔法の矢】ッ!!」
ξ;-⊿-)ξ「………きゃっ!?」
(;^ω^)(ちがッ……遥かに、あれ以上────!)
眩しさを伴って無数に飛散する光の矢の雨が、両の指から放射状に繰り出される。
その一本一本が何人もの不死者達を穿ち貫き、それでもその勢いは止まる事がない。
広場に無数に散らばった彼らの身を貫通して、視認出来ない遥か彼方まで、矢は突き進んだ。
-
(%;℃;;#)「ヴォッ……オッ、アッ……」
ショボンの正面に立っていた一人は、一度に数本もの矢をその身に受けて頭の半分が無くなり、
両足がまともじゃなくなった所で、ようやく地面へと崩れ落ちた。
他にも何人か動きを止める事が出来たようだが、それでも、ショボンの魔法をしてそこまでだった。
(´・ω・`)「足止め程度か……もっと威力のある魔法で、粉々に吹き飛ばさなければ」
表情を崩す事も無く物騒な事を口にするショボンの横顔を、ブーンは口をあんぐりと開けて見ていた。
今しがた10以上もの不死者を同時に貫いた魔法よりも、まだ上を持っている口ぶりだ。
(;^ω^)「十分すごい威力だけど、お……きっと、ブーンなら避けられないお」
フォックスの言っていた通り、魔術師であるショボンが味方について良かったと思えた。
だが、魔法で全体の動きを止めたのも束の間─────
その身に光弾を受けて倒れた者は立ち上がり、また、足を失った者は這いずって。
尚も欲求に駆り立てられるように、こちらへと向かってくる。
ξ;゚⊿゚)ξ「一旦退くのよ……教会へ走って!」
-
(;^ω^)「了解したお!」
(´・ω・`)「どうやら、今はそれしかないね」
ツンの言うとおり、この場は退くしかなかった。
どうにかして策を講じなければ、現状では手の打ちようがない。
数もさる事ながら、一度や二度斬ったぐらいではそう簡単に動きを止めないのだ。
(%;℃;;#)「ウゥ……アァァ…」
(;^ω^)「ツン、遅れるなおッ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ええっ!」
ブーンがツンの手を取り、一同は教会へ目掛けて一直線に走る。
既にその先では事態を予見して、フォックスが扉を開け放して招きいれようとしていた。
爪'ー`)「遅ぇぜ……ったくよ!」
転がり込むようにして三人が教会へ入り込んだのを確認すると、
すぐに後ろ手で扉を閉め、施錠の為の閂を門扉の中央へと被せた。
爪'ー`)「……どうだ、入れねぇだろ………!」
(;^ω^)「………」
-
ξ;゚⊿゚)ξ「………」
そのまま背を門扉に預けてしたり顔を浮かべるフォックスの様子を、教会の中の全員が見守った。
爪;'ー`)「おわっ!」
─────が、少し遅れてやってきたのは、恐らく何人もの不死者が扉を叩く音。
それが背中越しに衝撃として伝わったフォックスは、すぐさま飛びのく。
「アァー、ウゥゥ……」
「フゥウ、ウアゥ……」
「ヴァァァァァッ、ウオォ」
爪;'ー`)y-「チッ……びびらせやがって」
そう捨て台詞を吐いて、教会内だというのに煙草に火を着けるフォックスを責める者は、誰もいなかった。
皆がただ、協奏曲のように奏でられる不死者達のうめき声に頭を抱え、塞ぎこむばかりだ。
-
(;^ω^)「………はぁ」
頭を抱えてしまうのも無理はない。こんなものを毎晩聞かされては、
自分でもいずれは気が狂ってしまうかも知れないと、ブーンは思う。
コトばあさんを連れて突然現れたフォックスに、泥塗れのツンの手を引いて現れたブーン達。
死者が彷徨い歩く夕暮れになってからアルバを訪れた3人の来訪者に、ビロード神父が尋ねた。
(;><)「あの、あなた達は一体………」
( ^ω^)「……申し遅れましたお」
すっくと立ち上がったブーンが、彼の前に歩み出る。
( ^ω^)「”失われた楽園亭”から、不死者討伐の依頼でやってきた冒険者ですお」
「おぉ………ッ!」
それを聞いて、教会の中で肩を寄せ合う人々の中からどよめきが上がった。
本当ならば騎士団に直接助けを求めたかったであろう彼らだが、
実際に姿を見せたのは、ブーンら、たった三人の冒険者だけだった。
────それにも関わらず、彼らはこの状況にあって心底明るい表情を浮かべている。
やはり、相当に辛い日々を送って来たのだろう。
-
( ><)「私は、ビロード=ヒルバーグ……この場に居る皆を代表しまして、まずは感謝を」
差し出されたその右手と、ブーンは硬く握手を交わす。
細くしなやかな指だが、その手には力が篭っていた。
( ><)「もう……皆が限界に来ていた所なんです。今回来たのは、あなた達三人だけなんです?」
( ^ω^)「それなんだけどお……円卓騎士団は、今は動けないみたいなんですお。
その代わりと言ってはなんだけど、ブーン達三人が全力で依頼に挑ませてもらいますお」
爪'ー`)y-「ま、パーティー結成してから初仕事になるか? ……色々と、危うい面子だけどな」
( ><)「彼女も、あなた達が連れて来たんですか?」
ビロードが視線を外して、そっと地面に横たえられて気を失っていた
コトばあさんの姿を、ちらりと見て尋ねた。
(´・ω・`)「いえ、彼女はそこにいるツンが連れて来たのですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、まぁ……」
ショボンが屈み込んで呼吸を整えている最中の、ツンを指差す。
( ><)「危険を省みず、よく連れてきてくれたんです……ツンちゃん」
ξ*゚⊿゚)ξ「い、いえ……話してみると、とてもいい人だったし……」
-
正確には、ブーン達の助けがなければあの場で不死者達に襲われていただろう。
少しだけ照れるが、今はビロードからの賛辞を素直に受け入れた。
爪'ー`)y-「なぁ……この扉、大丈夫なんだろうな?」
だが、状況はそう楽観していられるものでは無いようだ。
数多の不死者達が叩いている教会の門扉にかけられた閂が、時折反り返る。
木製であれば致し方ない事だが、扉の前に不死者達が群を為して溢れ返っている光景が目に浮かんだ。
(´・ω・`)「まずは、これからの事について話し合わないか?」
中央に皆を集め、対応策について話し合いの音頭を取るショボン。
普通の人間なら塞ぎこんでしまうのが普通にも思われるこの状況にあって、実に毅然としたものだ。
( ^ω^)「全部倒す……というのは、やっぱり駄目そうだおねぇ」
爪'ー`)y-「ショボンの魔法ならあるいは、と思ったがな。遠くから見てて、俺もあれにはびびったぜ」
(´・ω・`)「局所的に膨大な威力をもたらす魔法も、あるにはあるさ。
だが、あれは体内で魔力を練り上げる段階において、致命的な”溜め”が要求される」
ξ゚⊿゚)ξ「あれほどの数がいちゃ、そんな暇は与えてくれそうにないわね……」
いつの間にか、彼らの傍らではツンも話し合いに加わっていた。
-
こちらが対抗する為に持ち合わせる主な武器としては、ブーンの剣と、ショボンの魔法だけだ。
だがそこまで考えた時、彼女は自分のとても身近に見落としていた─────ある事に気付く。
ξ゚⊿゚)ξ(………そう言えば)
( ^ω^)「一か八か、打って出るかお?」
爪'ー`)y-「バカ言え、扉を開けた途端にゾンビ共が雪崩れ込んでくるぜ。それに俺の特技は
対人専用のナイフ術だ……お前らと違って、不死者相手に戦力にはならねぇさ」
(´・ω・`)「………もし仮に全てを倒せたとしても、その元凶を排除しない限りは、
またこの村で同じことが起きる可能性がある」
( ^ω^)「ふぅ……困ったもんだおねぇ」
(´・ω・`)「せめて、不死者達を寄せ付けない結界のような物でも張れればね」
頭を悩ます4人の面々の気付かない所で、より絶望的な状況へ向かおうと、事態は動いていた─────
───────────────
──────────
─────
-
ノノ'_')「………」
無知にして無垢な彼には、解るはずもない。
今この扉一枚隔てた向こうで、何が起きているのかという事など。
雨音と幾重にも折り重なって、この扉を外から大勢の人が叩く音が聞こえてくる。
「ウゥ、ア……ヴィ……ル……」
多数の音にかき消されながらも、父の帰りを今かと待っていた彼だけは、
かすかにその声が耳にまで届いた。
ノノ;'_')「っ!?」
父を亡くしている事にも気付かぬ彼に、気付けるはずもなかった。
その名を呼ぶ声が、もはや生前の記憶の中にある父親のものではない事など。
「ヴィ…ル……あけ……」
ノノ'_')「父さん……?父さんが、帰って来たっ!」
そして、意気揚々と扉の前に走りよっては、教会の外と中とを閉ざしていた閂を、押し上げた。
──────
────────────
──────────────────
-
( ><)「ヴィル……?」
入り口に立っていた彼の姿を見ていたビロードが、不審な様子に気付いた。
扉に掛けられた閂を手に取り、それを外そうとしている────
(;><)「ヴィル────ッ! やめるんですッ!」
ノノ'_')「え………?」
その声に振り向いた少年の前には、次の瞬間、亡者の群れが押し寄せていた。
(%;℃;;#) (%;℃;;#)
(%;℃;;#) 「ヴァァ……ウオォォ……ア、オォォ」 (%;℃;;#)
(%;°∀;#)
ノノ;_ )「あ……わ、わぁぁぁぁぁぁぁッー!!」
お互いに様々な意見述べて対策について話し合っていた4人は、
その出来事に気付くのが、少しだけ遅れてしまった。
既に入り口からは4〜5人の不死者が入り込み、想定しうる最悪の事態になりつつある。
-
(´・ω・`)「な─────」
爪;'ー`)y-「─────んだぁ……?」
ξ;゚⊿゚)ξ(そんなッ……駄目! 今からじゃ……とても間に合わない……!)
「どう動けば、最善手か」
それを考えて身を竦ませた一同だったが、結局は一つの結果に行き着いた。
──────”不死者達を退け、再び扉を閉じるしかない”
(;`ω´)「────おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーッ!!」
最も早くその答えに行き着いたのは、ブーンだった。
亡者達の波に飲み込まれようとしている少年の元へ疾駆すると、弧状の剣閃で数人を斬り、怯ませる。
追い討ちとばかりにその中の一体に前蹴りをお見舞いすると、勢い良く外に吹き飛んでいった。
その衝撃に巻き込まれて、扉の前で数人の不死者が転倒したのが、機となり得た。
(;`ω´)「……フォーックス!」
まだ中に入り込んだ不死者が居るのだ。
それが村人達に牙を向く前に、どうにかして追い出さなければならない。
背中越しにでも確実に聞こえるだけの大声で、その名を呼んだ。
-
爪;'ー`)「畜生……こちとら、ほとんど生身なんだぜ……」
ブーンと共に自分が行うべき役目はもう理解出来ているらしい。
すぐに教会右側の通路を走り出すと、そこに居た二体の不死者の中央へ突っ込んだ。
(%;℃;;#)「ヴォウッ……」
爪;'ー`)(うへぇ、気色わりぃ!)
二体に挟まれた中央から顔を出して、両側からそれらの身体を押さえ込んで体当たっていく。
爪#'ー`)「おら……出てけッ……よぉぉぉッ!!」
重心を落として、そのまま強引に不死者達の進行を阻止する。
ついには、扉の外にまで不死者を追いやる事に成功した。
(;`ω´)「くっ……おぉぉッ!!」
一方のブーンは、二体をまとめて剣で串刺していた。
ばたばたと手を暴れさせる不死者だが、胸元に差し込んだ剣が幸いしてか、
ブーンに食らいつく事が出来ずにいた。
柄からはずぶり、と拭い去りたくなるような感触が伝わるが、
更にそれを突き出しながら、一歩、また一歩と扉の前にまで進んでゆく。
ブーンもまた扉の前にまで押し出す事は成功したが、ここから先は博打だ。
-
フォックスとブーンが押さえつけている不死者の後ろには、すぐにまた別の数体が控えている。
ここで引き下がってしまえば、また教会内へと雪崩れ込まれて同じ事の繰り返しだ。
(´・ω・`)「……僕達が外に出てから、扉を閉ざす他ないね」
いつの間にやらブーンとフォックスの間に立つショボンが、そう呟いた。
だが、中に居る村人達にとっての最善を考えると。
また、不死者達を押さえつけるにも限度がある自分達の体力を鑑みても、それしか手立ては無い。
爪;'ー`)「ふんが……ぎぃ……そ、そいつぁ笑えねぇ冗談だな……!?」
(;`ω´)「………まだ、中に一匹いるお」
(´・ω・`)「………」
ブーンがそう言って目配せをした先には、村人達の元へ到達していた一人の不死者の姿。
辛うじて青年の一人が手近にあった蜀台を振り回し、抵抗を試みているところだ。
(%;°∀;#)「ア…ウ……ウゥ」
「く、来るな!来るんじゃねぇ化け物ぉッ!」
だが、あえてショボンはそれから振り向いて、厳しい言葉で切って捨てる。
-
(´・ω・`)「……そっちは、そっちで何とかしてもらうとしよう」
(;`ω´)「ショボン!?」
(´・ω・`)「時間が無い。今この三人で外に出る機を逃したら、君ら二人じゃ全滅だ」
爪#'ー`)「ま、しゃあねぇか……!」
(;`ω´)「………くっ!」
(´・ω・`)「───行くよ!」
ショボンの考えは正しくも、やむを得ない判断だった。
このまま二人で押さえ込むのも、もはや限界に近いのだ。
ならば、外へと打って出るしかない。
ブーンが、教会の中に居る全員に届く程の声で叫んだ。
(;`ω´)「ツンッ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン……」
(;`ω´)「ブーン達が外に出たら、それと同時にすぐに扉を閉めるんだおッ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「でも……それじゃあ」
(;^ω^)「必ず戻るお………だから、中での事は頼んだおッ!」
-
ブーンが剣を持つ手に一層力を篭めたと同時に、フォックスは咆哮を挙げて、最後の馬鹿力を引き出した。
(;`ω´)「お……おぉぉぉぉッ!!」
爪#'ー`)「どりゃあぁぁぁぁぁッ!!」
その二人が防衛線を押し上げたのを見計らって、ショボンもまた外へと躍り出る。
これで、中に入ってしまった一体を除いて、全ての不死者を外へと押し出す事が出来た。
ξ;゚⊿゚)ξ(……今だ!)
不死者の脇を抜け、横の通路側から入り口へと回り込む。
扉の前に立った時、外で激しく不死者達に対し抗うブーン達の背中が瞳に映りこんだが、
躊躇せずに扉を閉じると、傍らに転がり落ちていた閂を再び扉にはめ込んだ。
あとは────中に入り込んだ一体を、どうにかするだけだ。
ξ;゚⊿゚)ξ(はぁ……はぁ……)
「くそっ、来るなッ!……このぉッ」
不死者と対峙する青年は必死に蜀台を振り回しているが、その程度では進行を阻止するぐらいにしかならない。
この状況────先ほど考え付いたばかりのツンの策が、実行に移されるべき時だった。
-
───────────────
──────────
─────
外では、まさにいつ終わるとも知れない三人の戦いが始まった。
右と左を見渡し、どこから亡者の手が伸びてくるのか注視しながら、それを防ぐのがやっと。
そんな防戦ばかりが、下手をすれば夜が明けるまでの間強いられ続ける事になる。
爪;'ー`)「ホント……冗談キッツイぜ!」
言いながら、片手で三本のナイフを投擲した。
そのうちの二本が不死者の眼窩へと収まり、白濁した眼球へと突き立った。
たったそれだけでは動きは止まらないが、それでも一体の動きを乱す事により、
全体の動きに多少なりとも影響を及ぼす事は出来る。
(;`ω´)「ふおぉぉぉ……らぁぁぁーッ!!」
不死者を刺し貫いていた剣を抜くや、付近にいた不死者達の首をまとめて飛ばした。
威力を発揮するに十分な間合いを保つには足りず、がむしゃらに振り回した剣だが、
数打ちゃ当たるとばかりに、その都度何かしらの肉片を地面に落としていった。
突き立て、蹴飛ばしては、横薙ぐ。
斬り上げ、殴りつけては、突き刺した。
だが、数が減っている手ごたえは一向に掴めない。
-
(%;℃;;#)「…ヴォ、ワ…ォェゥ……」
爪;'ー`)「こりゃラチがあかんね……一丁頼むぜ、ショボン」
(´・ω・`)「今始めようと思っていた所さ。くれぐれも……近づけないでくれ」
(;`ω´)「心配はご無用だおッ!」
フォックスが高らかと顎を蹴り上げた不死者がたたらを踏んだ所に、ブーンがその身を両断した。
ブーンが剣を穿って動きを止めた一匹の首へ、フォックスが足を挟み込み、身をよじってへし折る。
───そうしてブーン達が奮戦する中、ショボンは精神を全集中して詠唱を始めた。
(´・ω・`)「【 我が声に耳を傾け 我が望みを聞き入れよ 】」
(%;℃;;#)「ア、アー……ヴオォエェ……」
(;`ω´)「……らぁッ!!」
ショボンへと迫っていた一体の背後、その胸元へと剣を突き上げた。
そのまま無理やりに持ち上げると、後ろに振り返ると同時に背負い投げた。
(´・ω・`)「【 盟約に従いて 其の抱きし業火は 我と共に在れ 】」
放り投げられて吹き飛んだ一体が、落下した先で5〜6体を巻き込んで倒れ込む。
-
爪;'ー`)「くそったれッ!ブーン、こっち頼むぜッ」
(; °ω°)「ハァッ…! ……悪いけど、手一杯だおッ!」
(%;℃;;#)「……ヴァー……」
爪;'ー`)「やらせる……かよぉッ!」
投擲用のナイフを掴んで大きく振りかぶると、
それをそのまま不死者の足の甲を目掛けて、地面まで貫通させた。
足を前に出してもがくが、そう簡単に抜けはしない。
爪;'ー`)「これでちったぁ堰き止めになんだろ……」
フォックスの持てるナイフは、その一本で底を尽きた。
徒手空拳では、たとえ一時的にせよどうにかなるような相手ではない。
ブーンはなおも不死者達の身を切り裂き奮戦しているが、
このままではショボンが魔法の詠唱を終えるまでに、完全に包囲を狭められてしまう。
(´・ω・`)「【 そして我が身 我が前に立ち塞がる一切を 灰燼へと帰せ 】」
(;`ω´)(まずいお……間に合ってくれるかどうか……)
-
ちらりと背中越しにのぞき込むショボンは、少しばかり苦しい表情を浮かべている。
彼もまたブーンと同様の心中なのだろう。
かと言って、ここで詠唱を止めてはこれまでの奮戦が水泡に帰す。
一つ派手にかます事さえ出来れば、最悪、夜明けまでを凌ぐ事も出来る。
爪;'ー`)「どうするよ?」
素手でショボンの前に立ち、四方八方へと目を光らせるフォックス。
一応は身構えているが、並の拳撃が不死者に通用するなどと、露ほども思っていなかった。
そのフォックスの更に前に立ち前方へと剣を突き出すブーンも、もはや肩で息をしていた。
矢継ぎ早に群がってくる不死者達を堰き止めるのも、限界だった。
(; °ω°)「……フゥッ! ……フゥッ!」
右方から伸びた手に、もはやまともに取れていない型で斬りかかる。
斬って落としたかと思えば、続く左方から出てきた一体には、すぐには近寄る事が出来ない。
そのまま、ブーンの見せた隙を縫って、数体の群れはフォックスの元へと近づいた。
武器を持たぬ彼にその状況を打破しろというのは、あまりにも酷だ。
(; °ω°)「! ……フォ……フォック───」
-
爪;'ー`)「………くそったれ」
(;´・ω・`)「………ッ!」
不死者の群れに取り囲まれたフォックスは、覚悟を決めたか───そう吐き捨てる。
ブーンが鉛のように重い手足を動かしてその彼の元に駆け出そうにも、追いつかない。
とうとう、足がもつれてその場に膝を着いてしまった。
(; ω )「──────く、くッそおぉぉぉぉッ!!」
ブーンの血を吐き出すような叫びだけが、夜空へと響き────霧散してゆく。
地に手も足も着けてうな垂れていた彼に限っては気付かなかっただろうが、
その瞬間だけは、確かにその場に居た全員共が見えていた。
夜空から雲間を突き抜けこの地へと差し込んだのは───たった一筋の光。
───────────────
──────────
─────
-
( <●><●>)(もがきなさい、冒険者達)
黒の外套の魔術師は、山の高みからずっとその光景を見ていた。
最初に抱いていた印象を覆し、真っ先に死ぬかと思われたが、そうではなかった。
意外にも奮戦し、彼らの中にはそこそこに優秀であろう魔術師が居る事もわかった。
教会に篭城したはいいが、そこからわざわざ内から扉を開いたのだけが解せなかったが、
大方、呼びかける死者達の声に応えてしまったというところであろう。
( <●><●>)(貴方達の死が、私にとっての道となる……)
強度も、効用も日増しに高まっている。
自らの調合したたった一握りの粉末が、今まさに一つの村を滅ぼしかねない勢いだ。
不死者がこうして彷徨い歩く光景を見るたび、自分の中に秘められた才能が
我ながら恐ろしいものだ、ととても良い気分になるのだ。
何も”わかっていない”他の魔術師は、やれ倫理だ何だと正義感を振りかざし、
生と死すらを超越しようとする自分達の存在を、ただ非難するばかりだが。
-
( <●><●>)(そう遠くはないんですよ。私には、それがわかっています────
遍く亡者達を従えた、我が理想郷の完成がね……あぁ、心浮き立ちます)
死者達の楽園は、生者達にとっては地獄となるのであろうか。
そんな下らない事を考えては含み笑いをしていた折に、突然その表情は固まった。
─────とても不可解な、ある現象が起きたからだ。
( <●><●>)(………何事です?)
魔術師である彼のあらゆる知識を総動員しても、全く理解が及ばぬ出来事だった。
黒く染め上げられた天高くから、アルバの村の教会の屋根へと降り注ぐ光の正体。
それは信心の無い死霊使いなどに分かろうはずもない、紛れも無い”神の奇跡”だった。
─────
──────────
───────────────
-
─────【アルバの村 教会内】─────
ブーン達が出て行った後、たった一匹残された不死者の存在に全員の心はかき乱されていた。
うわごとのように言葉を呟きながら、こちらへ歩み寄ろうとしている。
そして生前の朽ちたその記憶が、人肌の温かみを、そして血肉を求めるのだ。
ξ;゚⊿゚)ξ(ブーン達を方法はある───だけど、まずこの不死者を何とかしなきゃ!)
「ひっ、この……野郎っ!」
青年が先ほどから何度も蜀台をその身に叩きつけるが、一度身を仰け反らせても、すぐにまた歩き出す。
この教会の中には、他に武器となりえるものも何も無いのだ。
「くそ、くそぉッ!」
(%;°∀;#)「ア…ヴィ……ウゥ」
青年が不死者へ向けて叩きつける銅製の蜀台、もう何十回目になるか。
今一度振り上げようとしたその時、持つ手から伝わる重量が、やけに軽い事に気付いた。
ξ゚⊿゚)ξ「!」
いつの間にやら蜀台の中ほどからが消失している───折れたのだ。
「あっ、うぅぐ……!」
-
逃げ場はどこにもないというのに、唯一の武器を失った村人達は後退を余儀なくされる。
やがて彼らが壁を背にした時、不死者はそちらではなく、傍らで尻餅を付いていた少年へと向いた。
(%;°∀;#)
ノノ;'_')「あ……あ、あぁっ……!」
(;><)「……ヴィルッ!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ビロード神父、逃げてッ!」
不死者の進路上にて、恐怖のあまり動けなかった少年を庇い、ビロードは誰よりも早く駆け出した。
その身を抱きかかえたまま、キッと、もはや光の宿っていないその窪んだ眼窩を睨みつける。
(%;°∀;#)「ア……ウ……」
(;><)「………?」
すると、目の前の不死者は少しだけ不可解な反応を示した。
少年を背へと押しやりながら、すっくと立ち上がったビロード。
その自分へ反応を示さない事から、どうやら不死者の興味は少年へと向いているようだった。
(%;°∀;#)「ヴィ……ル……」
そして、酷くくぐもった声で、辛うじて聞き取れる程度にそう発音した事から、何人かが気付いたのだ。
-
(;><)「もしや、あなた」
「お……おい、まさかこいつ………」
ビロードだけでなく、その場に居合わせた青年らがいち早く気付いた。
その瞬間に、さっき彼らから聞かされたヴィルという少年の父親の名が、ツンの頭を過ぎる。
ξ゚⊿゚)ξ「……そんな、残酷な事って……」
あまりにも、惨たらしい。
再会を求めた少年にとっては、これ以上ないという程に無慈悲な仕打ち。
神ではない────これこそが悪魔の所業だと思わされた。
「そうだよ、よくよく見てみれば……確かにロイじゃねぇかよ……畜生!」
青年の一人が声を上げ、やがて確信にまで至ったようだ。
(%;°∀;#)「ヴェ……ヴィ……ル」
(;><)「ヴィルに会いに来た……そうなんですね? ロイ」
少年の目の前に居る不死者は、紛れも無く二日前に消息を絶ったはずの、彼の父親だった。
ノノ;'_')「……とう、さん?」
-
いっそ気付いてしまわなければ良かったのに───と、思うツン同様に、
恐らく周りの人間の心中を、やりきれない気持ちばかりが覆った事だろう。
不死者となってしまったロイは、それでも尚、息子の名を口にしているのだから。
(%;°∀;#)「ヴィィッ……」
( ><)「………」
変わり果てた姿となったロイが、再び息子のヴィルへと手を伸ばそうとした時、
その手を遮るようにして、ビロードが立ちふさがった。
眼前に不死者が居るというのに、表情には一切の怯えなど見せず、佇む。
( ><)「ロイ……良く聞いて欲しいんです」
(%;°∀;#)「アヴァ……ウォ…」
( ><)「貴方は、もう我々には手の届かない……遠くへ行ってしまったはずなんです」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
毅然としてかつての住民、ロイを説き伏せようとするビロードの姿を、
その場に居た全員が、固唾を呑んで見守っていた。
自分達と彼らは、もはや話して通じ合える立場にはないというのに。
-
きっついな……支援
-
( ><)「だけど”ヴィルにもう一目だけでも遭いたかった”……きっとあなたは、だからここへ来たんです」
(%;°∀;#)「オ……ォ……」
ξ゚⊿゚)ξ(……もしかして……)
( ><)「貴方は、確かに村の為を思って勇気ある行動をしてくれた、かけがえの無い存在なんです」
そこでツンがふと、先ほどまでとは違う不死者の様子に気付いた。
ビロードが説法を始めてから────明らかにロイはその動きを止めたのだ。
さながら、許しを請うかの様に両腕を前へと投げ出し、歩き出そうとする身体を、
自らの意思でその場に繋ぎ止めているかのように見えた。
ξ゚⊿゚)ξ(今しかないわね────)
ビロードが時間を稼いでくれている今が、ツンの策を実行する好機だった。
策と言っても、その内容だけを他者が聞けば、あまりに陳腐なものだが。
ただ、”願うだけ”
簡単な事だった───真摯に、実直に。
ただ、自らが願う、ありのままの言葉を祈り届ければ良い。
-
その場に膝をついて両手を組み合わせると、そっと瞳を閉じた。
自らの想いを、沢山の人達の願いを───自分の中で形作ってゆく。
ξ-⊿-)ξ「【 我らが主よ ヤルオ=ダパートよ 】」
聖ラウンジ神の使者であるこの”ツン=デ=レイン”には、
そうした奇跡を起こせるだけの力が、あるのだから─────
ξ-⊿-)ξ「【 どうか我が声に耳を傾けて 心からの祈りをお聞き入れ下さい 】」
( ><)「ですが貴方という人物は───道半ばで死んでしまったんです!それにも気付かず、
最愛の息子であったはずのヴィルを、自らが手に掛けるおつもりなんですかッ!?」
────耳に届くのは、不死者に対しても何ら物怖じする事の無い、ビロード神父の声。
ξ-⊿-)ξ「【 どうか今この地を覆う 不浄な存在を封じ込め賜わんことを 】」
そうだ、彼らの想いも───まとめて届けよう。
慈悲深いヤルオ=ダパートの事だ、きっとその願いも聞き届けてくれるはず。
ツンの身体から、薄ぼんやりと乳白色の光が発せられていた事に気付く者はまだ居ない。
また、それは祈りを捧げる事に一心な、彼女自身もそうだった。
-
( ><)「出来る事ならば、せめて貴方の最後の遺志を伝えてやって欲しいんです……
今こうして貴方の前で悲しみ、恐怖するヴィルに向けて────ただ一言」
ξ-⊿-)ξ「【 どうか今この地で死者の身を縛る 悪しき存在のみを取り去り賜わん事を 】」
(%;°∀;#)「オ……ォォ……」
( ><)「たった一言だけでも────いいんです」
”切なる祈りは、確かな力となる”
あの夢うつつの世界の中で対面した、ヤルオ神の言葉だった。
神の告げたその言葉の通り、ツンの祈りには何度でも奇跡を起こす力が秘められていた。
───一度に三つもの願い事をして、欲張り過ぎだと思われやしないかだけが、心配だったが。
──────────────────
────────────
──────
-
───【アルバの村 教会前広場】───
(;^ω^)「………?」
ショボンが詠唱を終える前に、自分とフォックスによる防衛網は破られた。
心が折れかけ、背後には多数の亡者達が群がり、あとはその餌食となるだけだった────
一度は地べたへと伏したブーンだったが、周囲あまりの静寂に思わず顔を上げた。
爪;'ー`)「何だい……こりゃ」
(´・ω・`)(………これは)
教会の屋根を貫くようにして降り注ぐ巨大な光の帯が、天高くへと聳えているようだ。
それだけの現象を起こせる人物に関して心当たりのあったショボンは、にやりと口元だけ笑みを浮かべる。
( ^ω^)「不死者達が……立ち止まってるお」
(%;℃;;#)「…………」
あれほど執拗に腕を伸ばし、何度その身を切り裂こうとも立ち向かってきた不死者の群れが、
その光の帯を見上げながら、ぼうっと立ちつくしていた。
ただの一人の例外もなく、その全てが天を仰いで。
-
爪'ー`)「! ………っとぉ、どうやら、お待ちかねの真打登場みたいだぜ?」
( ^ω^)「もう随分と長年待ち侘びた気がするお……かましてくれお、ショボン!」
手で左右へ大きく開いたショボンの両の掌は、まるで紅蓮のように赤熱を帯びていた。
その彼の前に立っていた二人は、これから魔力の注ぎ込まれる方向から、即座に対比した。
これほど勿体をつけたのだ。相当にド派手なものでなければ、納得しない。
(´・ω・`)「ここまで時間を稼いでくれた二人に、感謝するよ」
──────「そして、これで終わりさ」
「そして、これが最後よ」──────
-
その日、その瞬間に───────祈りと魔術は、交差した。
(´・ω・`)「【其の名は”エフリート”】」
ξ-⊿-)ξ 「【 どうか行き場を失った哀れな魂に 再び道を指し示し賜わん事を 】」
(´・ω・`)「【 其は炎帝の抱擁にて 我に勝利を約束する者也 】」
ξ-⊿-)ξ 「【 どうか届いて……私や、皆の願い 】」
(´・ω・`)「【 故に今 其の力借り受ける─────”爆炎の法”】」
ξ゚⊿゚)ξ 「【 ──封印── 浄化 ──そして───”開放”を】」
───────────────
──────────
─────
-
先が気になる
-
ショボーンの呪い解けてたのか
-
良いところで切りやがった...
-
生殺しなう
-
いつの間にか死んでました。
後は蛇足だけど、日付変わる前ぐらいに続き投下出来ればいいなー
-
待ってるよー
-
待ち
-
申し訳ない、急用でした。
あともう少しだけ続きます。ちょいちょい投下するのもあれなので、
しっかり全文を書き終えった段階で時間を見つけて投下します
-
待ってるよー
-
全角→(´・ω・`)←半角
-
続き待ってますので
書けるように祈ってます
-
いいところで…
急用ならしかたない待たせていただきます
-
それから────教会の屋根には光り輝く巨大な白き十字架が顕現し、全てに救いをもたらした。
───【アルバの村 教会内】───
( ><)「これは……一体」
ξ゚⊿゚)ξ(良かった……ちゃんと、届いた)
ビロードをはじめとした全員が全員、宙にたゆたう暖かで優しい粒状の光を、目の当たりにしていた。
その奇跡の力に触れ───ビロードと対峙していた不死者ロイの姿も、消え去りつつある。
( %;∀;#)「オ───ア───アァ────」
( ><)「ロイ!!」
.:;°∀;#)「ヴィ………ル……」
ノノ;'_')「やっぱり、父さん……なの?」
光の中へ溶け込むようにして、少しずつ身体はその形を崩していく。
自らを縛る楔から”開放”された魂が、”浄化”された事により、その奇跡を可能にした。
-
ξ-⊿-)ξ(───これはロイさん……そして、ビロード神父が望んだ奇跡───)
意思など持たぬ不死者であったはずの彼だが、最後の最期、消え行く瞬間にだけ、
人に戻ることを─────息子に最期の言葉を投げかける事が、ヤルオ=ダパートによって許されたのだ。
.:;°∀#;.「お前は……父さ……んの……」
ノノ ;_;)「父さん……行かないで? 行っちゃ……やだよ……」
.:;°;.「さ、い───あいの────息子だった」
ノノ ;_;)「待ってよ……父さぁんっ!」
もはや形を留めないロイは、それでも最期まで遺志を息子に残そうとしていた。
───ビロード神父に説かれた、言い付け通りに。
もっとも、それは最初から彼自身が伝えたかった言葉なのかも知れないが。
( ><)「────ロイ……」
.:; . (強く……生きて……)
ノノ ;_;)「やっと会えたのに! こんなのひどいやッ!」
-
光に包まれながら、やがて完全な塵芥と成り果てた父の遺骸。
それを小さな手にたった一握り掴み取ると───その手を胸元で抱えて、ヴィルは咽び泣いた。
ξ゚⊿゚)ξ(大丈夫。君は───また元気に歩き出せる)
ξ-⊿-)ξ(今より大きくなった時……きっと、彼の言葉の意味が解るから───)
───────────────
──────────
─────
-
その奇跡の一方で───広場の前で激しく吹き荒れる燃え盛る赤き熱風は全てを焦がし尽くし、消し飛ばした。
(#´-ω-`)「いいかい───絶対に、目を、開けちゃならないッ!」
広場に溢れ返っていた不死者を一匹残らず巻き上げてゆく炎の竜巻を御しながら、ショボンは叫んだ。
その言いつけを固く守っていなければ、今頃熱風に目が焼け爛れていた所だろう。
(; ω )「アヂィッ!アヅヅッ、アヂヂヂヂヂヂヂィーッ!」
爪;ー )「あちゃっ!おわちゃぁぁぁぁぁぁぁーッ!?」
.:;℃#; 「────────ッ」
(#´-ω-`)
その最中僅かに視界の端に映ったのは、炎の渦が不死者達を焦がし尽くしていく光景。
二人にとっては謎深き魔術の更なる深淵の一端を垣間見た────それほどの印象を受ける業だった。
-
後に残るのは、もう人か何かすらわからなくなってしまった消し炭ばかりだ。
広場の中心では地面が溶けて抉れ返り、村の至る所にその強大過ぎる業火の傷跡を残した。
悪夢に見舞われていたはずの村の広場が今では、すっかり静寂を取り戻している。
───────────────
──────────
─────
-
( ^ω^)「なんとか………凌ぎきれたおね」
爪;'ー`)y-「ったく、一時はどうなる事かと思ったぜ」
こ村から一時の脅威が取り除かれた事を、素直に喜び合っていた。
全てが灰燼に帰した広場を後にしようと教会へ足を向け、ブーンが呟く。
( ^ω^)「でも、あの不死者達に罪が無かったと考えると……」
爪'ー`)y-「……気にすんなよ。火葬してやったんだ、寧ろ有難く思ってもらわなくちゃな」
(´・ω・`)「諸手を上げて賛成は出来ないが、一部フォックスの考え方に同意するよ」
( ^ω^)「?」
先ほどの魔法を唱え終わってから、頭を抑えて眩暈に苛まれていたショボンだったが、もう大丈夫そうだ。
やはりあれだけの魔法を唱えれば、精神力の疲労で後遺症的に起こる一時的なものだという。
荒ぶる炎を御す彼の姿は、正しく炎帝の名を借り受けるに相応しい姿だった。
頼もしい仲間がパーティーに加入したものだという事は、今では二人共が思っている。
-
なんだ?こんな時間にやるのか
元気だな
-
>>700
や・す・み。ちと資料作りながらなんで投下は遅れます
-
なんつー時間にwwwwww
-
(´・ω・`)「生ける屍となった彼らを退けるには、ああでもするしか他に方法はなかった……それに」
爪'ー`)y-「……それに?」
(´・ω・`)「あながち、彼らは救われなかったという訳でもなさそうだよ?」
教会の夜空に聳え立っていたはずの、巨大な光の十字。
今では影も形もなくなっているが、先ほどまで聳え立っていたはずの場所を見上げた。
ショボンにはなぜだか、行き場を失っていた者達の魂が、そこに吸い込まれていった様に思えたのだ。
(´・ω・`)「───真の立役者、ツンの力によってね」
爪'ー`)y-「もしかして……いっとき不死者どもが動き止めてた時の……あれか?」
(;^ω^)「へ!? まっさかー、うっそでー……だお?」
と────小さく背後に聞こえた足音に、一同は帰路に着くはずだったその動きを止めた。
( )「……ぜ……ぜ……」
-
爪'ー`)「おっと───どうやら……」
教会から漏れる微かな明かりに照らされたのは、黒の装束の男。
(#<●><●>)「何故、なんです………何故……お前達冒険者ごときにッ!」
振り返ってみると、途方も無く青白い顔色の男は、唇をわなわなと震わせていた。
暗闇に映える印象的なその瞳が、ブーン達三人に対し遺恨を抱えている事を目で告げている。
不死者と同じぐらい、まるで生気の感じられない男だった。
爪'ー`)y-「チッ……なんだよ、どんなのが出てくるかと思えば……典型的小物じゃねーか」
フォックスが吸い終えた煙草を、男の方へと指で弾き飛ばす。
(#<●><●>)「だ……貴様……誰が、小物なんですか……もう一度、言え、いッ」
爪'ー`)「大物ぶるならよ、もうちっとこう……デーンと構えてさ」
(´・ω・`)「そうだね。台詞は”よくぞ我がしもべを打ち破った”……なんて出だしが良いかも」
( ^ω^)「それは、笑えるお」
-
あっけらかんと笑う三人を余所に、男は怒りに拳を打ち震わせていた。
今にも倒れてしまうのではないかという程に、目を剥いてブーン達を見据えている。
そして、怒髪が天を突いて叫びだすかと思われたその時、はっと気付いたように顔を抑え込み、俯いた。
再び顔を上げたそこには、何事もなかったかのように平静さを保っていたのが、不気味に思える。
( <●><●>)「ふぅ………柄にもなく、取り乱してしまいましたね」
(;^ω^)(気色悪い奴だお……)
別人のように先ほどと打って変わった丁寧な話し口調の様子から、二面性を持つ男なのだという事が分かる。
(´・ω・`)「一つだけ───この村で起きていた事は、全て君が仕組んだものかい?」
爪'ー`)(ま、聞くまでもねぇ問いだと思うけどな)
( <●><●>)「えぇ、如何にも────今回は貴方達に阻止されてしまいましたが、この村は
私の調合した強力なゾンビパウダーの投与、その経過を観察する、実験の場でした」
(;^ω^)(こいつ、今なんて……”実験の場”と抜かしたかお?)
-
( <●><●>)「どんな手品を使ったのかは存じませんが、私の従順な子供達がああもあっさり葬られるとは。
ですが、改良の余地もある。まぁ……それはわかっていた所でもあるのですが、ね」
爪'ー`)「おめぇ、腐ってやがんぞ」
沢山の死者の身を弄び、それを利用して村人まで襲わせた。
挙句、それをこの男は───実験だ、観察だなどと抜かしたのか。
( °ω°)「………」
何の落ち度もなかった、何の罪も無かったアルバの村人達。
彼らを殺し、また、彼らから大切な家族をも奪い去ったのだ。
それらは全て───この、目の前に立つ誇大妄想に取り付かれた男の所業によって。
こんな人間もこの世にいたのかと、驚きと共に湧き上がる殺意を禁じえない。
鞘から長剣を抜き出して向かって行こうとした折、その前にショボンが腕を広げて、制止した。
(;`ω´)「止めるなおッ、ショボン!!」
(´・ω・`)「───いや。こんな虫けら以下の価値程も無い男に、手を汚す必要は無いよ、ブーン」
言って、ショボンが一歩を歩み出して、男と対峙した。
ショボンの言葉の端に一寸不快感を覚えて目尻を吊り上げた様子だったが、気にしない振りをしているのか。
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板