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【個】『門倉姉弟の語り尽くせぬ四方山話』 第二話【ミ】

1『門倉』:2016/01/01(金) 23:29:06

           YES → 【楽しかった?】 ─ YES → じゃあまだ語ろう
         /                  \
【語った?】                        NO → じゃあまだ語ろう
         \
            NO → じゃあ語ろう

(※これは『門倉』関連のイベント・ミッションを行うスレッドです。

前スレ
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1432991359/)

2『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/01(金) 23:49:49
現在、進行中のお話:『ある種の異能は場所に憑く』

<ミッションのあらすじ>
 ・7月末の暑い盛り、いつものように湖畔にいるココロ。そこに湖底より謎の『老小人』が登場。
 ・『レイク爺』と名乗る『老小人』は自らの眷属を『黄金町の様々な場所に住んでいる存在』と紹介し、
  数年に一度、種族の場所ごとの『序列』を決める『場所祭』を行われる事を『ココロ』に伝える。
 ・その『場所祭』において、『種族代表』の小人は、『超能力を持った人間』を1人選び、
  その人間に様々なやり方で『競わせ』、勝敗を決めるという。
 ・小人には『絆のある者のパワーを小さなものに宿らせる』能力があるらしく、
  『小さいもの』に、ココロに好意的な縁があり、
  現在、心に余裕がある者のパワーを与える事が出来るらしい。
 ・『参加』を引き受けた『ココロ』は第一回戦、VS『繁華街』へと挑む事となる。
 ・VS『繁華街』の小人はチャラ男の『ナイトくん』、夜の蝶、妖艶な女性、『艶美』。
  対決内容は『夜の店を作って、相手より評価を得る事』。
 ・様々な『小物』に入った『絆』は、『板踏、エリー、坂下、鈴元、高天原、朱鷺宮、西』の七人分。
 彼らの協力の元、『ココロ』は『湖畔』をテーマにした、
 自らがピアノを提供する『喫茶店』を作る事にした。
・生身の従業員『レミ』と西の能力による『従業員』を獲得したココロは、
 最後の詰め、『パフォーマンス』について『絆』たちと相談。
 その結果、『エリー』の能力で座敷童的な妖怪、『黄金翁』を召喚したのだが―――

(※ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1432991359/264-)

3『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/01(金) 23:54:58
>前スレ993の続き

 『黄金翁』は移動する。『ココロ』はどうする?

4ココロ『RLP』:2016/01/01(金) 23:59:38
>>3(GM)

「そ、そう……同じ建物だけれど……
  この部屋じゃあなくて、別の場所、下の部屋なの。」

             「……」

(だ、大丈夫かしら……
 エリーちゃんにも分からないでしょうし……)

         キョロ

一度辺りを見渡してから。

        「み、みんなもついてきて頂戴!」

絆の面々、そして『木の動物たち』に指示を出し、下の階へ。

相談は打ち切られた形になるが、もうしょうがない。
ついでに下の階の料理軍団を確認して、群衆を店員と入れ替え、着替えてもらえば準備終了だ。

5『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/02(土) 00:34:13
>>4(ココロ)
『ココロ』は『黄金翁』に引きずられるような形で一階に戻る。

 ……… ……… ……… ………

「あ――― 下ごしらえ終わってますよ」

戻ってみると、『料理人』の一人から声をかけられる『ココロ』。
これで『群衆』を次の段階へと移行させられるだろう。

           『フムウ………』

『黄金翁』は『一階』を観察している。
その表情からはいまいち感情を読み取りづらいが、
おそらくは興味を持ってしているのだろうと思われた。
そのような『設定』にしたのは他ならぬ『ココロ』だ。
問題はないはず、だ。

6ココロ『RLP』:2016/01/02(土) 00:49:07
>>5(GM)

「そ、そう。それは良かったわ……!
 貴方たちのおかげで、きっとこのお店は上手くいくわ。
  それじゃあ…………ごめんなさい。みんな、ありがとう。」

            ペコ

頭を下げる。
謝意は口先じゃなく、本当だ。

          ・・・・群衆を、解除する。

「西さん、お疲れ様……さ、最後の群衆だわ。
 お店の……『よるのとばり』の店員さんを、素材にしてちょうだい。」

そして、『西』に、そう指示を送る。
スマホは絆軍団に操作してもらい、送ってもらった写真を表示する。

           ・・・・黄金翁は。

「……ど、どうかしら。
 湖ではないけれど、湖畔のイメージ、で……」

説明してみる。

       「……こ、ここに、いていただける?」

                 ・・・・どうだろう。

7『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/02(土) 01:04:20
>>6(ココロ)
『ココロ』は『黄金翁』に語りかける。

 『ウム……』『ココハ「湖畔」のニオイがする』
  『しばらくは、ココにいよう』

                      納得してくれたようだ。

 ………

「大丈夫ですかねー、がんばりましたけど」

そして、出していた『料理人』たちは労う『ココロ』にそう答える。
彼らはまだ学生。とはいえ、そう難しくもないメニューだった為、
質が劣る事はないはずだ。

 そして―――

                   すうううううッ

『料理人』たちは満足したままその姿を消し、
彼らに変化していた『西のキーホルダー』が再び姿を現す。
『キーホルダー』に疲れの概念があるのかはいまいち分からないが、
彼女たちは続けざまに『最後の仕事』に移る。

     しゅううううううッッ!!

すなわち、『よるのとばり』で獲得した『従業員』への変化だ………。
『リーダー格』の少女に、『占い師』の格好をした女性たち。

 更には、

         ―――

               一緒に写った『ココロ』自身が、そこに姿を現した。


                             → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

8ココロ『RLP』:2016/01/03(日) 00:14:23
>>7(GM)

「あ、ありがとうございます……」

    「い、いろいろ……
      楽しいことも、ありますから。ええ。」

『黄金翁』に、そう声をかける。
この妖怪をいつまで保てるか――それが重要だ。

           ・・・・機嫌を取らなくてはならない。

    そして。
    ついに。


     しゅううううううッッ!!


「…………!!」

     「み、皆さん……それに。」 

                「も、もう一人の……私(ココロ)なのね。」

ココロは――奇妙な感覚を味わっている。
目の前には、寸分たがわずそっくりそのままの、ココロ。

           ・・・・だが、違う。
               別人だと、わかる。

「や、やることは。
 やるべきことは、伝わっているかしら?」

素材が分かっていることだ、群衆にもきっと、分かるだろう。
つまり、なんのために、今ここに呼び出されたのか――というところが。

9『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/03(日) 21:27:11
>>8(ココロ)
「ええと、『喫茶店』の手伝いをするんだよね? 変わった衣装着て」

おずおずと喋り出したのは『少女』だ。

 そして―――

「………わ、わたしはピアノを弾けばいいのよね。
 わかっているわ。ええ、わかっているわよ……」

『セブン・ワールズ・コライド』の『群衆』に『個』の意識はない。
『少女』も、そして今喋ったもう一人の『ココロ』も、
自分が何者か問われても詳しくは答えられないだろう。
つまり、もう一人の『ココロ』が本物の『ココロ』を見ても、
猫が鏡で自身の姿を確認するかのように、
『自分と似た他人』としか思っていないに違いない。

10ココロ『RLP』:2016/01/03(日) 21:47:56
>>9(GM)

「そう、衣装は……二階に用意してます。
 い、今から着替えていただいて……
 ごめんなさい、時間がもう、ほとんどないのだけれど……」

『少女』に、そう答える。
彼女らとは、『約束』がしてあるし――『レミ』もいる。
生徒たちがあくまで先生の指示を聞くように、彼女らには『レミ』との繋がりがある。

          ・・・・それより。

「……」

自分自身と向き合う。

「そ、そうよ。貴方はピアノを弾いてちょうだい。」

      「……貴方ならきっと……出来るわ。ピアノなら。」

それだけ言えば、十分だろう。
自分だから、分かる。ココロはピアノならできる。

11『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/03(日) 22:02:30
>>10(ココロ)
「分かったー」

『少女』と『占い師従業員』たちはぞろぞろと二階へと移動していく。
そして、その後から少しビクビクしたような様子で
もう一人の『ココロ』がついていこうとする。

そんなアナザー『ココロ』に、真の『ココロ』が語りかける。

「……え、ええ、わかったわ。ピアノなら出来る。
  ……もちろん、もちろんよ……」

アナザー『ココロ』は戸惑いながらもそう宣言する。
彼女なら、出来る。真の『ココロ』には確信があった。

 ……… ………

「で、そろそろ始まってしまうが………『準備』の方は完璧かの?」

と、ここで『レイク爺』が口を挟む。
『黄金翁』の登場で強制的にこっちに来てしまったが、
まだ『会議』は途中だった気もする。
もう、覚悟を決めて『開始を待つ』のもいいが―――
サッカーのロスタイムのようなこの時間。
最後の最後の『話し合い』を持つのもいい。

12ココロ『RLP』:2016/01/03(日) 23:28:42
>>11(GM)

「…………」

    (私って……
     私って、あんな感じなのね……)

二階へ歩いていくアナザー『ココロ』の背中。

           ・・・・不思議な感覚だ。
               でもきっと、大丈夫だろう。

「そ、そうね、あとは、そ、そう。
 木の動物たちを並べるくらい……かしら?」

「時間がいくらでもあるなら、また違うでしょうけれど……」

                「皆は……何か、あるかしら?」

『絆』たちに、改めて確認する。
何か、何かあるだろうか? やり残したことや。

                 ・・・・言い残したことは。

(*本格相談を希望します。
  期限は、1/4の23:30まででお願いします。)

13『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2016/01/04(月) 00:44:22
>>12

畜生たちは顔を見合わせた。
顔を見合わせてから、一斉に声をあげた。


      「「「「『スマイル』!」」」」


『楽しんで行こう』――――奏者のために本番前に伝えることと言えば、それぐらいだ。

14『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2016/01/04(月) 00:54:55
>>12 (ココロさん)

「御菓子司の看板上げて、護り続けた京の店。」

「今日は今日の風が吹き、今日日の京を意気揚々。」

ちりんちりんと鈴がなる。
ゆらゆらと尾が揺れる。
子狐が歌うようにいう。

「一口食べれば目ぇ見張る、まるで雀の鈴眼。」

うふふ、と笑う。
満足したのかココロの方へと向き直る。

「水溜さん。胸張りぃ。自分は自分のやることをやったと誇りぃ。」

「自信があれば運も味方をしてくれるんよ。」

「大丈夫。僕らもついとるし、それに天の神さんはきっとあんさんに微笑んでくれはるわ。」

特に具体的なアドバイスは無い。
自身を持て。胸を張れ。ただそれだけだった。
心構えだけであった。

15雪の妖精フィギュア@高天原:2016/01/04(月) 02:37:56
>>12

「いいかホ、ココロちゃん……」

 神妙な面持ちの雪天原。

「同じ小心者として、マジでパニクった時のアドバイスしとくホ……
 こいつらみんな肝っ玉太そうだから、たぶん俺が一番気持ち分かるッホ……」

「……『諦める』ッホ。」


 ドがつくほどのネガティブで、事なかれ主義のチキンだ。
 けれど、時にはそれが功を奏することもある。
 みんながみんな、勇気を持って立ち向かえる強さがあるわけじゃない。


「勝負を捨てるって意味じゃあ無いッホ。『最善』を諦めるッホ。
 目を閉じて、一度頭リセットして、ゆっくーり呼吸するホ。
 そしたら、ちょっと楽になれるッホ。
 それから今できることを順番に、一つずつ探して、『最悪』を回避するんだホ」

「その方が、案外上手いとこに落ち着いたりするんだホ。
 無理しちゃダメだホ? ベストじゃなくて良いんだホ。ベターを狙うホ」

「ヒッホホー!」



 つまるところ、アドバイスに終始する。特にやり残しは思いつかない。

16ココロ『RLP』:2016/01/06(水) 00:43:34
>>13-15(板踏、鈴元、高天原)
>GM

『板踏』は――話すのは今日がはじめてだ。
けれど、彼はココロと同じ、『演奏者』――そのアドバイスは。

『鈴元』は優しい少年だ。奥底に何を秘めていようと。
ココロにとっては、ココロの知ることが全てに違いない。

『高天原』には、以前も助けられた。
ナンパでも、小心者でも、ココロは、彼のことを頼もしく思う。

           ――他の絆達の声も、聞こえた気がした。
               それは幻聴ではなく、きっと、ノイズに混じる声援なのだろう。


「……分かったわ、みんな。
 私はきっとやれる。演リ遂げてみせる……!」

          ♪

               ♪

もはやこの戦いは『舞台』――迷うことはない。
木製の動物たち、そして絆たちの目的は一つ、『勝つ』ことだ。

          ピョン

               ピョン


動物たちを、各自配置していく。

店の中、ピアノの周辺、なるたけ邪魔にならないところに、だ。
机の上と考えていたが、机の上で動くと危険だし、机は『湖』だった。

(もう一人の私が演奏をし始めたら……
 それに合わせて、邪魔にならないくらいで動いてちょうだい……それで十分よ。)

それ以上に出来ることも、もう、思いつかない。
終われば、邪魔にならないよう、二階へ移動する。

              ・・・・そういえばレミはどうしているだろうか?

17『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/06(水) 01:03:23
>>16(ココロ)
『絆』の声。あるいは声にならない声。
その全てが『ココロ』に対する声援。
その声に後押しされつつ、『ココロ』は最後の準備に入る。

木の動物たちは店のそこかしこに配置された。
この空間が『湖』、そして、その周辺の『森』を示しているのなら
動物たちを潜ませる事で、その見立てはますます強固なものになっただろう。
あとはそれを感じ取ってもらえるかどうか……
そして、感じ取った上で、『客』に相手より『いいね』と思ってもらえるかどうか。
それはもう本番でやってみるしかない領域の話なのかもしれない。

『ココロ』は動物たちの配置を終えると、二階へとあがる。
『レミ』は二階に居たままだったはずだ。

 ………

「―――準備は終わった?
  こっちも、さっき上がってきた彼女たちは
   そろそろ着替え終わるだろうけど。

  ………しかし、本当に『写真』から『人』を出せるんだね。
       衝撃的としかいいようがないわ」

『ココロ』が二階にあがると、そこに『レミ』が居た。
他の『群集』たちはおそらく控え室で着替えているのだろう。

「………………で、やっぱり、
 私もその………
  着替える必要があるんだよね?」

『レミ』はまだ、出会った際の普段着のままだ。

18ココロ『RLP』:2016/01/07(木) 01:10:38
>>17

『何もない』のと『不純物がある』のでは後者がだめだ。
感じ取ってもらえないのが前者、机の上で邪魔に思われるのが、後者を意味する。

          ・・・・二階。

「……ええ、思いつく限りのことは。」

ココロはそう言い、頷く。
自信は完璧ではない。それでいい。

「私も、この能力は……今日初めて、見たんです。
 本当に……とても、すごい能力……私がもう一人だなんて……」

        「……」

    スーー

          ハァー

深呼吸。
リラックス。スマイルを。何度でも。

「……ええ、レミさんも、
 お店に出てもらうことになると、思いますから……」

       「お願い、できたら……
         私は、店には出られないから……」

現場の指揮は、ある程度任せるしかない。
エアピアノに集中する以上、他にそれを出来る人員は、いないのだ。

19『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/07(木) 01:24:06
>>18(ココロ)
「―――分かったわ。そういう約束だったものね。
 おとなしくウサギにでもなってくる」

『レミ』はそう言って、『控え室』へと向かった。

 ………

彼女を見送る『ココロ』。

さて―――『そろそろ』だ。
『従業員』の着替えが終わる頃には、いよいよ『開店』の『20:00』を回る頃合だ。
準備万端なら、彼女たちをそのまま待てばいいだろう。

20ココロ『RLP』:2016/01/08(金) 01:04:45
>>19(GM)

「ええ、お願いします……」

(ウサギ……の、残ってる、わよね。
  メニューの用意なんて、もう間に合いようがない……)

       (出来ないことは……あきらめましょう。
         あるいは店が始まってから、作ってもらえばいいのよ……)

『今出来ること』は全てやった。
あとは、この『最善』で、どこまで持って行けるか。


         ・・・・

             ・・・・

「……」

着替えを終えて、『従業員』達が出てくるのを待つ。
今、ココロに出来ることと言えば、それくらいに……違いない。

                    ・・・・それで、いい。

21『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/08(金) 22:16:46
>>20(ココロ)
やるべき事は十分にやった。
あとは、待つだけだ………。

 ………

 「お待たせー」

やがて、出てきたのは『ウサギの着ぐるみ』を着た『レミ』だ。
その後からぞろぞろと、『群衆』たちがそれぞれの『着ぐるみ』を着用してきている。

そして―――最後におずおずと出てきたのは、『ドレス』を纏う『ココロ』。
自分で思うのもなんだが、スラっとしたそのいでたちに『ドレス』はよく似合っているように思えた。

ここからは一階に戻り、彼女たちに『従業員の所作』、
その他を伝える必要があるだろう。
そしておのおの指定の位置につき、『客』の到来を待つ―――

           ここからがついに、本番だ。

(※『伝えたい事』については具体的にレスしなくてかまいません(してかまいません)。
 伝えたい事を大まかに提示してくれればそれを伝えた事とします)。

22ココロ『RLP』:2016/01/09(土) 00:01:24
>>21(GM)

(今は絆の皆は、二階にいてちょうだい……)

         ♪   ♪

絆の能力は現状、使わない。
見た目的にも一階にはそぐわない。

            ・・・・下がっていてもらおう。

「あっ、ど、どうも……」

         キョロ

(わ、私だけドレスなの、やっぱり……
 いえ、そんなこといつまでも考えていてもしょうがないのよ。
 みんな、それでいいって言っているんじゃあないの……)

従業員一同を見渡す。
改めて見ると、やはりなんとなく気恥ずかしいが・・・・

「お客様への、そう、接客は……
 きっと、皆さんの方が、詳しいと思います。」

「その上で……まず、5人くらいは、キッチンに入ってください。
 多いようなら、その分は、接客の方に回ってもらえたら……」

「メニューのメモは、き、キッチンに置いています。
 もし時間があったら、それを書き写してもらえたら助かります……」

             ・・・・店のやり方など分からない。
                 全ては手探りだが、やるべきことをやる。

「……貴女、は……」

そして、『ココロ』へと目を向ける。

「貴女は、貴女のペースで演奏してくれたらいいわ。
 でも、ずっと弾きっぱなしじゃあ、疲れるでしょうし……」

          「た、たまに休憩は入れてちょうだいね。」

ココロ自身、適した演奏時間などは分からない。
その辺りは、演奏する側に任せた方が、都合がいいはずだ。

23『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/09(土) 00:35:10
>>22(ココロ)
今まで存分に活躍してくれた『絆』は二階に居てもらう事にした。
その後、『ココロ』は店の概要を簡単に伝える。
不安はあるが―――『レミ』が『大丈夫よ』と言わんばかりに大きく頷いてくれる。

この程度の説明でもなんとかこなしてもらえるよう、
わざわざ同様の『店』に赴き、『素材』を確保してきたのだ。
彼女たちなら勝手が違う分、戸惑う事はあるかもしれないが、
大きな失態はしない………はずだ。

そして、『ココロ』は、もう一人の『ココロ』に簡素な説明をする。
不安げに頷くもう一人の『ココロ』に対峙していると、
まるで鏡を見ているような奇妙な気分に襲われる。

懸念があるのは、誰も彼も一緒だ。

                  しかし、それでも始めなければならない―――

(※『絆』も二階におり、ここからは『店の対応』を基本的に
   『従業員』だけに任せる形となるだろうと考えられます。
   あとは『動物』の動かすタイミングなどを事前に提示して下されば、
   この後の店の内容はレスが必要な重要な箇所が出ない限りは、
   『オートモード』で進行する事が可能です。

   ただ、この処置では味気ない場合、
   客が来るごとにレスを返し、物陰から眺めるであろう
   『ココロ』が一喜一憂したり、『従業員』が『こういう動きをしたらいいな』と祈る
   『マニュアルモード』で進める事も可能です。
   (当然その分、長引きます)。

                                 ご選択下さい)

24ココロ『RLP』:2016/01/09(土) 23:04:42
>>23(GM)

「…………」

(余計な事は……考えないようにしなくちゃあ……
 今考えていることだって、余計な事かもしれないわ……)

          (……お店に。
           演奏に、全てを……)

懸念は不要だ。アドバイスを思い出す。
最悪にならなければいい。笑顔を。自信を。

     ♪      ♪      ♪

木の動物たちに指示を送る。
『アナザーココロ』の演奏中、曲調に合わせて、邪魔にならないよう動くことを。
動物たちがいくら動こうとも、それはココロの負担にはならない。
必要があれば、そのタイミングで別途指示を切り替えれば良いことだ。

(みんな……後は、任せます。 
 私は……その分、聞こえなくても、一番の演奏をする――!)

店のことは全て、任せる。
出る幕はない。一喜一憂してもいられない。
演奏を。最後まで、従業員たちの笑顔が消えないように。


        +.:♭*♪.♪*
       .♪*     +.:♭*♪.♪*
   :♯゚♪。            ♭*♪.♪*
*:.♪.:。.                    *:.♪.:。.*:.♪.:。.*:.♪.:。.
゚                                  +.:♭*♪.♪*

                    ――ココロの戦いが始まる。  
 

(*せっかくではありますが、『オートモード』でお願いします。)

25『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/11(月) 01:32:50
>>24(ココロ)


 ………
          ………
                  ………

「ねーねー、ママァぁ。すごくなーい?」

  その日、『繁華街』の表通りを歩く親子はいかにも
   『雇われバイト』といった風体の青年に声をかけられた。

「タダだってさ、すごいじゃんねェ! しかも二店も。ビックリだよね!」

 親子は母親と、男女それぞれの幼子二人。
  『青年』の話をまとめると、

 『お試しキャンペーン。二つの店を体験!
  どっちの店がよかったかアンケート下されば
  お代は一切いただきません』

 との事だった。怪しいのは怪しいが……

「そォねえ。今日はパパも飲み行っちゃったし」

                        「行ってみますか!」

あまり考えないタイプの母親は行く事を決断した。

『繁華街の店』――おそらく『飲み屋』か、あるいは『キャバクラ』あたりか。
でもまあ、親子連れに『チラシ』をくれるなら、まあ私たちでも大丈夫な店って事だろう。
母親もまたこの『繁華街』の夜の店で働く女性であり、
子供を『そういう』店に連れて行くのにさしたる抵抗はなかった。

三人は和気藹々と青年に教えてもらったビルへと向かう。

26『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/11(月) 01:34:10

20:00を少し過ぎた頃、『親子』はビルの前までやってきた。
二つの店舗は二人ビルを挟んだところにそれぞれ位置しているらしい。

「たくさん居るねェ〜〜みんな誘われて来たのかな?」

 女児の方が目を輝かせる。

「でもなんか……人だかりに差があるような」

 男児が呟く。その言葉に母親は、それぞれのビルを見やる。

 まず一方、右側のビルの外には『ENVY 艶美』と書かれた
  キラキラと光る電光式の看板が表に出ており、
   きわどい格好の女性とスーツの男性が来たお客に対応しているのが分かる。
    どうやら並んでいる客もちらほら居るようだ。

 そしてもう一方、左側のビルには………何の案内もない。
  右側と対比するといかにも寂しく、案の状、閑古鳥が鳴いているようだ。
  両方入らないといけないとはいえ、どちらが入りやすいかは明白だろう。

 なるほど、と母親は思う。
 『先』に入るか、『後』に入るかは重要かもしれない。
 『食事』をとるならお腹がすいている分、
  先の方がおいしく、たくさん食べられるだろう。
  先にたくさん食べさせてしまえば、後の店ではその分食べられないという事もある。

  (もっとも、料理漫画とかだと後だしの方が勝ったりするんだけどね)

「どうする? 賑やかな方に並んでみる?」

母親は二人の子供に訊ねる。二人は少しだけ悩んだ後、

     「ならびたくなーい!」「すいている方いってみよ!」

言葉を重ねる。母親は『はいはい』と二人の頭をなで、
静かなビル―――『左側のビル』の方へと足を向ける。

27『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/11(月) 01:36:21

「ここで………いいのかな?」

客引きの青年にこちら側は『一階』に
店舗があると教えられたが、それらしき案内はない。
少し不安だが………でもまあ入ってみよう。
母親は意を決し、店へと足を踏み入れた。

 ………
       ………

 「いらっしゃいませー!」

入ってみると、そこには意外な光景が広がっていた。

落ち着いた雰囲気の店内。水色のテーブルに緑の椅子。
けばけばしい様子は一切なく、まるで穏やかな森の中のようだ。

『うさぎ』やら『りす』やら動物の格好をした従業員は
『バニーガール』のようなセクシーなものではなく
『ハロウィンパーティー』や『学芸会』のような微笑ましいものだった。

     「おー!」「おおお!」
          「いいじゃん!」「ステキ!」

どうやら『子供受け』はいいようで、子供たちは楽しげに店内を眺めている。

そして、何より目を、いや耳を惹くのが―――


          ♪
                         ♪
                   ♪
                                      ♪

              ♪  音楽 ! ♪

会話や食事の邪魔にならないようBGM程度の優しいピアノの音色。
それはスピーカーからではなく、中央のピアノからの生演奏だった。
そこに鎮座しているのは、ドレスを着込んだ素敵なお嬢さん。
うっすら笑顔を絶やさないのは、プロだからなのか、
それともピアノを演奏するのが本当に楽しいからなのか―――

              「どうぞお席へー!」

笑顔の『うさぎ』は彫りが深く、なんだか本当におとぎの国に迷い込んだ気がしてきた。

28『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/11(月) 01:38:31

店員の『うさぎ』さんが小気味よくメニューの紹介をしてくれる。
メニュー表はないが……そういう趣向なのかもしれない。
話を聞くと、健康志向のカフェのような品目。
夜の店というより昼間のひと時を優雅に過ごせるような、
ランチに最適なお店なのかもしれない。

「わたしはオレンジジュースと『抹茶あんみつ』!」
「ぼくはぶどうのジュースとね、あとはこの『森の恵みサンド』ってやつ!」

子供たちが思い思いの品を頼む。
母親はワインでも嗜もうかとも思ったが、
子供もいるし、そういう雰囲気ではないみたいだし、
『スムージー』と『カレー』を頼む事にした。

 ………

「ねえねえ! ママ、あれ! あれ見てよ!」

注文を済ませてから少しして娘が騒がしくなる。
彼女が指摘するほうを向くと、どういう仕組みかは分からないが、
木の動物がちょこちょこと、まるで音楽にあわせるように動き回っているのが分かる。

  「ねえママ! あのドーブツ、『もしゃ』していい?」

娘が颯爽とカバンからクレヨンと画用紙を取り出す。
母親は軽いため息混じりに許可する。

父親が『漫画家』を目指している事もあって、娘は絵を描くのが大好きだ。
いまのところ父親の漫画は一銭の金も生んでおらず、
母親としては複雑な心境ではあるが………。
若かりしあの頃、夢を追う彼を支えると意気込んで
水商売の世界に入ったのは自分なのだから仕方がない。

              ………

「怪獣がね、炎を吐くのね!バーってね!
 それでアイスの小人を溶かそうとしちゃうの」

あらぬ物思いに耽ってる間には
娘と息子の中で妄想話がエスカレートしているようだ。

「怪獣かよー。じゃあ兵隊が来てバーンとやっつけちゃうよ」
「えー、それはかわいそうじゃない?」
「じゃあどうするんだよー。アイス溶かすんだろー」
 「ええと、ええと、ええとね、お花の妖精が魔法でお花に変えちゃうとか?」
   「ええー、なんだよーそれ」

娘が話に出たものを片っ端から絵にしている。
父親の血をひいているからか、娘の絵は同じ年頃の中でも上手い部類に入るだろう。

  「………でも、『上手い』だけじゃあダメなんだよね」

まるで芽の出ない『漫画』たちの事を思い、母親はため息をつく。
どんなに努力しても、勝たなければ意味がないのだ。

29『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/11(月) 01:42:45

運ばれてきた食べ物は美味しかったし、店の雰囲気によく合っていた。
 ―――が、極上品、というほどではない。

この店のウリはピアノを中心に醸し出される『雰囲気』なのだろう。
そして、それは少なくとも子供たちには大変、好評だったようだ。
子供たち、そして母親もよほどの事がない限り、この店に『投票』するだろう。



   でもたぶん、             ・ ・ ・ ・ ・
             このままじゃあ負けちゃうだろう、とも思う。

『繁華街』の夜の客層において、自分たちのような親子連れは例外的だ。
大抵は『右側のビル』のような店を求めて彷徨っている男たち。
そういう客層にこの『雰囲気』は、
『よほどインパクトのある更なるウリがなければ』、投票には至らないだろう。

もし、『客層』を選べるのだったら話は別だっただろうけど、と母親は思う。
もし『表通りでの勧誘』を事前に知っていたのなら、
女子大生とか親子連れとかをこの時間に来るよう、
『仕込んで』おけば随分と楽だっただろう。
もっとも、始まってしまった今、これはもう無理な話だし、
そもそもこの『ピュア』な店造りを見るに、
ここのオーナーはそういうグレーな行為が嫌いなタイプかもしれない。

そうでなければ、メイン客層である『男たち』にアピールする別口の方法………
『この店が男たちの役に立つ事を明確に伝える』事もいい手かもしれない。
『繁華街』のほかの店にはない『オンリーワン』の雰囲気を持つのは事実なのだ。
これを上手く使えれば………

 ………

                                「ママー、そろそろ行く?」
                       「となりにもいかなきゃ! なんでしょ?」

そんな他愛のない事を想像していたら、子供たちに急かされてしまう。
母親は苦笑して、レジで会計を済ます。

ほかの客はほとんど居ない。
  この分だと、隣のビルを体験し終えた客が
   順々に来て忙しくなるのはこれからか。

この『無料体験』と『投票』がどういう結果をもたらすかは知らないが―――
この店には残ってほしいものだ、と母親は心から思った。


                ―――娘がアイディアを描き連ねた『画用紙』を
                       席においてきたのに気付いたのは、
                             次の店に入った後だった。

                                  まあしょうがない。

30『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/11(月) 01:46:42

『オートモード』を一時停止します。
何かやる事があれば、行動レス願います。
ただ、『本格相談』をしている余裕はあまりないかもしれません。

特になければその旨レス下されば、そのままで『オートモード』を再開します。

31ココロ『RLP』:2016/01/12(火) 23:31:25
>>30(GM)

「…………」

客の反応は、見えている。
動物達の視界で、『画用紙』も目に入る。
内容は、改めて確認しておこう。
子どもの『お絵かき』は、『ラフカディオ』の参考になる。
もっとも黄金翁がいるので、新しい妖怪は出せないが・・・・

    (悪くはない……のかしら。
      こ、子どもたちは喜んでくれていたわ。)

    (けれど……何かしら?
      この……不安な感じ…………)

          (誰かが……私に忠告しているような感じだわ……)

――その上で、『何をする』べきなのだろう。

(怪獣……? 炎? 雪の小人……?
 子供の想像力は凄いわね。けれど、それは湖畔ではないわ。
 もっとも、伝わらなければ、意味が無いのかもしれないけれど……)

      (……炎? 軍人? 花?
       どこかで聞いたような……)

怪獣大決戦は、『落ち着ける店』にそぐわない。
子供向けに焦点を当てても、肝心の子供はそう来まい。

          ・・・・ココロは、頭を悩ませる。

(…………どうしましょう。あんまり大きな変更は、もう無理だわ。
 けれど、このまま何もせずに放っておいて、本当にいいのかしら……?)

店のコンセプトを『崩す』のはいけない。
目先の斬新さで引きつけても、中身が崩れていては意味が無い。

(そうよ、変えられないコンセプトを……
 もっと、上手く伝えられるような方法……)

(今の家族は、良かったけれど……
 大人の男の人に、コンセプトを楽しんでもらう方法……)

この店の重要な点は、湖畔であり、演奏だ。
それが客にもたらすのは何だろう?

      (……癒し?)

             ・・・・この店は心を癒す。

現代、大人の男は疲れている(とココロは聞き及んでいる)
童心に帰り、自然の中で、ピアノの演奏を聞き、自然食的なメニューを楽しむ。

――『リラクゼーション』的な効果が、この店にはあるのではないだろうか。
女性に囲まれおべっかを使われるだけでは得られない、より『落ち着いた』癒し。
・・・・ないとしても、それがあると聞けば何となくある様な感じがするのではないか?

(それを……どうアピールしましょう?
 看板は今さら、作りようがないわ。口頭でお願いする……?)

       (それしかないわよね。
        ……まずはやってみなくちゃあ、いけないわ。)

考え着いたことはやろう。ダメでもともとだ。
もちろん、出来ることなら、だが。これは出来る。

                 ・・・・レミを呼び、その旨を伝えてみよう。

32『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/13(水) 00:07:16
>>31(ココロ)
「………『癒し』?」

『ココロ』は『レミ』を呼び出して、自分の思いを伝える。

「そりゃあ口頭で伝えるのはいいけど―――
 漠然と『ここは癒しの空間です』と伝えるだけじゃあ、
  『はい、そうですか』で終わっちゃうかもね。
  ピアノ、自然食、装飾。
   確かに『癒し』がテーマの一つであるとは思うけど……」

 『レミ』は少し困惑した表情でそう返してくる。

「私の店は『占い』をウリにしてて、実際に私や従業員たちもやれるのね。
 『具体的な行為』があるから、アピールするのにもわかりやすい。

  『癒し』がテーマだというのならそれでもいいけど、
  もう少し何か、具体的にアピールできるものがあった方がいいのかもね。

 ………そこらへん、『超能力』でなんとかならないのかな?」

33ココロ『RLP』:2016/01/16(土) 23:32:22
>>32(GM)

「で、でも、何も言わないよりは……
 けれど、そ、そうですね、具体的に……」

          ♪

演奏しながら、並ぶ絆たちを眺める。
炎、停止、的、花びら、予定操作、妖怪づくり。

           ・・・・いやし。

「…………」

     キョロ  キョロ

(板踏さんは、出せないわよね……ほ、炎は、危ないもの。
 高天原さんや朱鷺宮さんの能力も、癒しには、あまり関係ない事だし……
 坂下さんの能力は……使っても、使われた側には分からないから、アピールには……)

エリーと西の能力は現状使うことも出来ない。
自分の『RLP』も、動かす小物はこれ以上ない。  

           ・・・・さて、どうしたものか。

        チラ

 「……さ、桜の花びらを散らして、
   人の目と心を奪う……能力の人がいます。」

     「それから、『火』の勢いを操れる能力の人も……」

           「癒しになるかは、分からないけれど……」 

この中で一番向いているのは、『ザ・ギャザリング』だろう。
他の絆達と違い、直接の危険なく、かつ湖畔に合致した『目に見える影響』を及ぼせる。
あるいは『ウィズイン・サイレンス』は、他の能力をメインに添え、スパイスとしてなら良い演出を産むか。

               ・・・・どこまで意味があるかは分からないが。

「あとは妖怪とか、物を止めるとか……
 的を設置するとか……人の予定を書き替えるとか……」

        「皆凄い能力ですけれど、お店に使うには、難しくて……
          湖畔っていうコンセプトは、崩すわけにはいきませんし……」

もしそれ以上があるとしても、ココロには思いつきかねる。

34『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/17(日) 00:08:59
>>33(ココロ)
『ココロ』の話を、『レミ』は頷きながら聞いてくれる。

「『湖畔』のイメージにあうかは分からないけど……
  『火』が操れるのね?
   それなら―――『キャンドルセラピー』の
     時間を取り入れてみてもいいかもしれないわね」

『レミ』がそう助言してくれる。

「『たき火』とか見てほっとしたりする事はない?
  『火のゆらぎ』は人を落ち着かせてくれるものよ。
   だから『ろうそくの火』を見て癒されるのが『キャンドルセラピー』。
    これに『アロマ』とか組み合わせると良い感じになるのだけどね。

   あと―――『火に照らされた状態』だと全てが『幻想的』に見える副次効果もあるわね。
   締めに舞い散る『花びら』を見せるとか、綺麗なものを空中で『止めて』みせるとか、
    そういうのはステキだし『癒されたり』しないかしら?」

『レミ』がこんな提案をしてくれる。

「ただ、それを『湖畔』というコンセプトに『組み込める』かどうかは、
 あなたの判断しだいよ。もちろんただの一アイディアだから、
  却下してもらってくれても一向に構わないし」

35ココロ『RLP』:2016/01/17(日) 01:16:45
>>34(GM)

「キャンドル、セラピー……?」

「え、ええと……
 アロマキャンドルなら、何度か……あれは、落ち着きますけれど……」

炎による、『癒し』とは。
ココロの想像の外にあった物だが、言われれば納得出来る。

「そ、そんなことが出来るんですね。
  炎……危なくて、どう使うか、あまり思いついていなかったけれど……」

       「たき火……って考えたら……
        湖畔、というか、自然らしさはあるのかしら……」

             「夜の湖畔、という感じにして……」

迷いどころ、だった。
ココロの知る湖畔に、炎というものはない。
 
            ・・・・しかし。
         
「素敵、だと思います、けど……それをやるとしたら……」

取り入れることは、出来る。
ココロ一人の湖畔では、きっと、勝つことは出来ない。

「炎を、起こすものが必要になります。
 板踏さんの……炎の能力は、勢いを操るだけだから。」

「高天原さん……止める能力は、音が鳴っていないと、止められなくて。
 だから、花びらを止めるのは、何か準備がないと、難しいかもしれませんけれど……」

全て出来るとは限らない。
だが、湖畔から逸脱しすぎないなら、やってみる価値はある。
湖畔に怪獣はいないが、温かい火が灯ることはある。

              「……マッチとか、
               置いていないかしら……?」

地下のバースペースを覗いた時を思い出す。
ああいうところには、備品として置いて在ったりしないだろうか……?

36『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/17(日) 01:47:04
>>35(ココロ)
『ココロ』は思い返す。『バー』には確かにマッチがあった。
『ろうそく』についてはこの『フロア』の引き出しでも見かけた気がする。
(誕生日ケーキあたりに使うのかもしれない)。

「なんか必要なものがあれば持って来ようかの?」

『レイク爺』が『ココロ』に声をかけてくる。

37ココロ『RLP』:2016/01/17(日) 02:48:27
>>36(GM)

「あっ、レイク爺……
 お願いしてもいいかしら?」

「ろうそくと、地下に置いてあるマッチを取ってきて欲しいのだけれど……」

      ♪

必要な物を、レイク爺にお願いする。
彼は仲間なのだ。湖畔を背負って立つ仲間。

          ・・・・その間に、『狐鈴元』を引き寄せる。

(花びらの材料は……
 どうしましょうかしら、危ないものはよくないわよね。)

飲食店だ。
あまり汚いものや、散らばるもの、危ない物を撒くのは良くない。
誤飲の可能性は常にある。安全かつ、見た目にきれいなものが最善だ。

      「……それこそ、蝋なら安全かしら……?」

ろうそくの量次第としか言えない。
まずはレイク爺が帰ってくるのを待ってみよう。
一応、室内に何か……色の綺麗なプラスチック製品がないかなど、見ておく。

38『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/17(日) 02:59:28
>>37(ココロ)
「ろうそくと、マッチじゃな! まかせとけェェい!」

『レイク爺』は意気揚々と地下へと進んでいく。
それと入れ違いに『狐鈴元』を『友達』として呼ぶ。

プラスチック―――そういえばここに、
カラフルなコップや皿が揃えられていたのを思い出した。
『メイド喫茶』の性質上、ポップな感じの食器を用いていたのだろう。

『レミ』と相談してから、
ここまでほとんど時間は経っていない。

まだ客の多くは『ココロ』の店を訪れていない。
今から迅速に何かを準備すれば、
多くの客に『それ』を提供する事が出来るだろう。

39ココロ『RLP』:2016/01/17(日) 23:24:42
>>38(GM)

「……ええ、お願いするわレイク爺。」

           コク

レイク爺に頷く。

   チラ

そして、来てくれた『狐鈴元』に視線を向ける。
室内にはポップな食器がある。

「……鈴元君、任されてくれるかしら?
 あの食器を使って、花びらを作れたらいいな、と思っているの。」

      「もちろん他に良い素材があれば……
       それも、良いとは思うのだけれど……」

まあでも、とりあえずやってみるものだ、こういうのは。
狐鈴元にお願いして、食器類を花びらにしてもらおう。

(あ……そ、そうだわ、どうせなら。)

その前に、可能なら食器類を友達にして、こちらに招いておく。

40『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/18(月) 00:52:41
>>39(ココロ)
『ココロ』の依頼どおり、『レイク爺』と『狐鈴元』は動いてくれる。
カワイイ『食器類』も十分に操作可能だ。

                      サ ァ ァ ァ

そして―――『狐鈴元』が『カラフル食器』の『花びら』を作成する。
プラスティック片のようなカラフルな破片のそれは、
『花びら』というより『紙吹雪』のようにも見える。

 ………

 「ほれほれほれ! 急いでもってきたぞい!」

まもなく『レイク爺』もマッチとろうそくを抱えてやってきた。
双方ともそれなりの量があるようだ。

41ココロ『RLP』:2016/01/18(月) 21:29:36
>>40(GM)

目を細めて花びらを見るココロ。

(あまり……こう、情緒が無いわね……)

どうにもこうにも、安っぽい。
いやまあ、しょうがないのだが……

   (ガラスとかの方がいいかしら?
     い、いえ、ダメよね……危ないわ。)

客の安全や、細かすぎる場合の食品への混入。
こういった要素は、この、仮にも食べ物を扱う場には向いていまい。

             ・・・・あるもので挑むしかない。

「あ、ありがとうレイク爺……
 けっこうな量だわ、これなら、ろうそくでも……」

    チラ
  
        「……鈴元君、お願いね。」

援軍のろうそくを少しだけ取って、花びらにしてみよう。
これはどうだろうか? 花びらっぽいかはともかく、儚い感じはしそうだ。

42『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/18(月) 23:27:47
>>41(ココロ)
『花びら』の材質に悩む『ココロ』。
プラスティックの花びらは少々安っぽくみえるかもしれない。
 そこで………

                        シャァ ァ  ぁ

『鈴元狐』に頼み、今度はろうそくを花びらにしてみた。
『蝋細工』でできたような『花びら』は、先ほどより高級そうに見える。

43ココロ『RLP』:2016/01/19(火) 00:01:17
>>42(GM)

「あ……こっちの方が、良いわね、ええ。」

       ♪

そういうわけで、ろうそくで作ろう。
火を灯さない側から、真ん中くらいまでを花びらにする。

「花びらは……ええ、ろうそくにしましょう。
 す、少し短くなるけれど、それくらいなら平気よ。」

            ♪

この方法でそれなりの量の花びらが作れるだろう。
ろうそくに関しては、短くしてもそれなりの時間は灯る。

(平気だし……むしろ、その方がいいかもしれないわ。 
 この長さなら、問題なく『RLP』で友達になってもらえるもの……!)

                ♪

            ・・・・短くなったろうそくを、『友達』にしておく。

44『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/19(火) 00:18:32
>>43(ココロ)
『ココロ』はろうそくで『花びら』を作る事に決めた。
『鈴元狐』がいそいそと、ろうそくの『花びら』を作成していく。
ろうそくは短くはなるが………それにより『友達化』が出来る。

「よォし! 『ココロちゃん』!
  たくさん『花びら』が出来たぞい!

    ………で、これでいったいどうするんじゃの?」

『レイク爺』が無邪気に問いかけてくる。

         操作できる『炎』をもつ『ろうそく』。
          目を奪う舞い散る『花びら』。

この『湖畔』を見立てた空間で、これらを具体的にどういう流れで、見せるのか?
整合性のある調和した世界を作る事が出来れば、
『客』は自然とそこに入り込み、より深く『癒し』の効果を得る事が出来るように思えるが―――

もちろん更にほかの物品や能力を用いてもいいだろう。

45ココロ『RLP』:2016/01/19(火) 23:08:49
>>44(GM)

「これ、を……ええ、そうね。
 花びらなんて、常に撒いておくわけには行かないし……」

ろうそくは特に有限だ。
常に火を灯していては、すぐに切れる。

     「演奏と演奏の合間……
       そうでなくても、どこかのタイミングで……」

湖畔とは黄金町の『自然』だ。
そこに不自然を混ぜ込むわけにはいかない。

         ・・・・自然。

「……『夜の時間』を用意する、とか……?
 もう一人の私には、説明しなくちゃあいけないけれど……」

     「彼女の休憩時間を、夜の時間にする……
       ろうそくの火は、蛍とか、妖精のイメージよ。
        湖畔にも夜は来るし……蛍も、妖精も、いてもおかしくはないわ。」

            「そこで、ろうそくを動かして・……
              もちろん、怖い感じにはしないわ。優しい感じに……」
 
つまり、やや照明を落とすという事だ。
照明を落とせば演奏はしづらくなるので、その間は休憩になる。
あるいは『ココロ』なら、多少見えづらくても演奏は出来るかもしれない。
そうでなくとも、彼女は――ココロは、プラスになる提案を蹴ったりはしない。

ともかく照明は落とさなければ、ろうそくの揺らぎはあまり意味をなさない気がする。

「あとは、他のみんなの能力も、使えたら便利だけれど……」

            チラ

「……」

(坂下さんの能力は……何かに使えそうよね。
 照明を落とすのには、少なくとも使えるわけだし……)

    (高天原さんや朱鷺宮さんの能力は、やっぱり思いつかない……
      エリーちゃんの能力も、これ以上妖怪を考えている時間はないし……)

最も強力で、使えそうな能力を持つのは『腕時計坂下』だろう。
停止や的の設置は、戦力としては大きいが、こういう場面では主力にしづらい(気がする)

46『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/20(水) 01:43:37
>>45(ココロ)
材料はそろった。あとは『ココロ』がこれをどう使うか………。

『湖畔』。ココロが安らげる空間。
ここに『不自然』を組み込むわけにはいかない。

                 そこで『ココロ』が出した案は―――

「いいんじゃあないかの! 『夜の湖畔』もとても幻想的じゃぞい!
 そして『夜』に『火』は映える! 十分に『目玉』になるんじゃあないかの!」

『夜の湖畔の世界』の再現というアイディアに『レイク爺』は声をあげる。

『アナザーココロ』も『店に協力する』目的をもつ『群衆』。
『照明』を落とすのに反対などしないだろう。
ただ、もし『ブレーメン板踏』の『炎操作』を用いるなら、
それには音楽が必要だ。それを担う意味でも、
癒しのムードを保つ意味でも、ココロのピアノはあった方がいいのかもしれない。

『暗闇』の中でも『ピアノ』が弾けるか?

 それはこれまでピアノに打ち込み続けてきた
       ココロ自身が一番よく分かっているはずだ。

あとは坂下の能力を用いるか………
あるいは『ココロ自身』の能力も演出には使えるかもしれない。

「分かりやすくナレーションとか入れちゃうのもいいのかもしれんの!
 もちろん、テーマを感じ取ってもらうのもいいんじゃが………ニブいやつっておるからの!」

  もう少し、煮詰める余裕があるのかもしれない。

47ココロ『RLP』:2016/01/20(水) 23:45:27
>>46(GM)

暗闇とはいえ、食事の、そして公の場だ。
多少なりとも視界が確保できるなら・・・・演奏は出来るだろう。

ココロの『RLP』でろうそくを動かせば、必要な手が減る。
板踏の『ウィズイン・サイレンス』なら、ろうそくの火を保てる。

「そ、そう? そうよね、幻想的よね!
 あとは……そう、ナレーションも……少し考えてみましょうかしら……」

      「ええ、意味が分かってもらえないと、
        新しい事をしてもあまり効果がないでしょうし……
         それに、照明を落とすんだもの、黙ってするのは危ないわ。」

ナレーションの内容が重要だ。
ココロはあまり言葉の達者な方ではないが――

「……とりあえず、何が起こっているのかは言うべきよね。
 このお店が湖畔のイメージで、夜の時間が訪れるってことを……」

    「あとは……あっ、そ、そうだわ。
      癒し効果があることも言わなくちゃあね。」

必要な事を整理することは、多分、出来る。
その結果が最善でなくてもいいのならば、なおさら。

        「……他に、何か気の利いたことも言うべきかしら? 
         わ、私あまり、ポエミーなことを言うのは得意じゃあないのだけれど。」

まだ少し詰める余裕はありそうだし、レイク爺やレミの意見も聞いてみよう。

48『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/21(木) 00:42:19
>>47(ココロ)
「そおねえ」

おそらく『レミ』には『レイク爺』の姿は確認できていないしその声も聞こえていない。
ただ、『ココロ』が『不思議な事』を起こせるのは知っているので、
『レミ』にとっては独り相撲に見える『ココロ』と『レイク爺』のやり取りも、
違和感なく受け入れているようだ。

「別に気取った話なんてしなくても、
 あなたがお客さんたちに伝えたい事を伝えればいいと思う。
 きちんとココロを籠めて伝えるなら、伝わる人には伝わるはず」

「『湖畔』の凄さと愛をアピールするのがいいんじゃあないかの!」

『レミ』の抽象的なアドバイスと、『レイク爺』の直球なコメント。
いずれにせよ、『レミ』や従業員に任せるより、
『ココロ自身』が喋った方が、客たちに『伝わる』だろうと思われた。

49ココロ『RLP』:2016/01/21(木) 22:20:49
>>48(GM)

「心を、籠めて…………そう、ですよね、
 心を籠めるのが、演奏でも……ええ、ナレーションでも。」

「伝えたいことを、まっすぐ……心を籠めて伝えるのが、一番……!」

            コク

大きく頷くココロ。
誰かに任せては、ココロの理想は表現できない。

        とはいえ、問題があるとすれば――

   「……」

          「二階からナレーションするのは無理よね。
            一階のどこかに隠れながら……かしら……」

エアピアノをしているのはまだしも。
ピアニストと全く同じ顔の女が出てきたら驚かれるだろう。

            ・・・・双子とでも言えばいいか?
                それも、なんだか微妙な気がする。

「私、あまり声は大きくないし……
 どこか、良い場所は……ないかしら……?」

一階の間取りを思い出してみよう。
ナレーションにちょうど良さそうな隠れ場所はないだろうか。

            ・・・・あるいは、放送機材でもあれば早いが。

50『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/21(木) 22:39:49
>>49(ココロ)
『ココロ』は一階の間取りを考える。
隠れるといえばやはり『控え室』、あるいは『キッチン』だろうか。

「のう、ココロちゃん。
  ワシに名案があるのじゃがッ!」

と、ここで『レイク爺』が万歳をするかのように挙手する。

「まず、確か一階にマイクがあったぞい。
 たぶんメイドさんたちの『ショー』の時に使う用じゃろう。
  そして、じゃ! 隠れる必要なぞないんじゃないかの?」

『レイク爺』が指差しているのは………『着ぶくれ』で借りた『貸衣装』の残りだ。

「かわいい動物のココロちゃんが『案内』してくれるなら、
 それだけでみんなメロメロじゃあッ! じゃろ!?」

51ココロ『RLP』:2016/01/21(木) 23:32:07
>>50(GM)

「わっ、私が――私が、案内を……
  で、でも……それじゃあ、『RLP』が維持できないし……」

          チラ

衣装に視線を向ける。
まだまだ動物の衣装はあるし、ココロが出るなら手っ取り早い。

「でも、説明をするなら、ええ……そうよね。
 私が舞台に……前に出てするのが、一番分かりやすいわよね……」

そして、魅力的に違いない。ココロは、『黄金小町』だから。

・・・・障害はある。
つまり、『RLP』をいかにして保つ?

(着替えるのも一苦労でしょうし……
 それに、マイクだって持てないし、お客様の前でも……)

          (何か……方法があれば、いいのだけれど。)

小物の視界で『アナザーココロ』の様子でも見てみよう。

         ♪

ついでに、その『一階のマイク』がどの辺りにあるかも確認してみる。
……固定されたマイクではなく、ワイヤレスマイクでよかっただろうか?

52『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/22(金) 00:28:10
>>51(ココロ)
『レイク爺』の無鉄砲な提案について考察する『ココロ』。
『着替え』と『マイク確保』に、手の動きが止まってしまう恐れがあるのが問題だが………

  ……… ………

『アナザーココロ』はそんな『ココロ』の悩みなど露知らず、
平常どおりピアノを弾いていた。わずかに疲れが見える気もするが、
この舞台の中、演奏を楽しんでいるように思える。

マイクは『控え室』にあるのが確認できた。
『オペレーター』がつけるような被るタイプのものだ。
これをつけてパフォーマンスをする、というものなのかもしれない。
ピンク色なのは、メイド喫茶のイメージにあわせているのか?

53ココロ『RLP』:2016/01/22(金) 22:38:33
>>52(GM)

(あ……マイクって、ハンディじゃなくてああいう感じなのね。
 あれなら別に、手が塞がる心配もないわ……私ったらよく確認もせずに焦っちゃって……)

マイクを確認したココロ。
装着はやや手間だが、まあ最悪手伝ってもらえばいい。
アナザーココロは問題なさそうか。疲労は休憩時間でなんとかしてもらう。

      ・・・・問題は。

(……この、『衣装』よね。
 流石に、手を使わずに着替えるなんて無茶だわ……)

演奏を止めれば早いが……
演奏を止めてから着替え終わるまでに客が入らないとは限らない。

かといって、演奏しながら着替える方法も思いつかないが。

「どうしましょう……」

衣装を確認する。
何が残っている?

(着るのもちょっと、恥ずかしいけれど、それよりそもそも、着られないなんてことは良くないわ……)

そして、どう着る?
服を着せる能力は絆にはない。今なら演奏を止めても大事には至らない、か……?

54『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/23(土) 00:54:17
>>53(ココロ)
マイクを使うのはとりあえず何とかなりそうか。
あと考えるべきは―――衣装。

うさぎ・クマ・リス・イノシシ・ネズミ・たぬき・イタチ
五着ずつ用意した甲斐あって、それらはすべて残っている。
しかし問題はどうやって着るか。
いや………そもそも着る必要はあるのか。

「着替えなら、ワシがばっちり手伝ってやるぞい!」

レイク爺が小躍りしながらそう告げてくる。
その心に他意はない………のか?

55ココロ『RLP』:2016/01/23(土) 22:54:56
>>54(GM)

(……色合い的に、ウサギかしらね……)

着るなら、の話だが。
しかし着る手段が――

「えっ…………!?」

(れ、レイク爺が……そ、それって。それってどうなのかしら……)

レイク爺は素直だ。
爺というよりは、童と言えるくらいには。

……しかし、女遊びをする程度の『欲』らしき要素はあるらしいのも事実。

「…………」

(さ、流石に、信頼とかそういう問題じゃあない気がするわ。
 いくら信頼しているからって、高天原さんに着替えの手伝いなんてしてもらえる? そ、そんなの無理よ。)

(レイク爺は……それは、人間基準とは違うでしょうけれど……けれど…………けれど着替えるなら、手伝ってもらうしか……?)

(せ、せっかくの厚意だもの……レミさんに手伝って貰うほうがいい気がするけれど、レイク爺を無視してレミさんに頼むなんて、人としてどうなの……?)

「……」

    「…………」

           「………………」

思い悩むココロ・・・・
単純に戦略的にはレイク爺、あるいはレミにお願いするべきだろうが、色々な感情がそれを拒む。

しかし、決断せねばならない。
どちらにせよ誰かが苦しむのだ……

「…………」

      スー    ハー

「……わ、分かったわ、お願いするわ」

「レイク爺……それに、レミさんにも。
 わ……わ、私の着替えるのを、手伝ってもらっていい……ですか?」

ココロは決断した……果たしてこれが、吉とでるか? それとも。

         (……大丈夫、レイク爺は仲間、味方……これは必要なこと……)

56『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/24(日) 21:25:14
>>55(ココロ)
「うっひょひょい! もちろん任せとけいィ!」

『ココロ』の申し出に『レイク爺』は小躍りする。
その姿はなんというか、どうも、怪しい。

そこへレミが、

「あのさ、手伝うのはかまわないんだけど、
 ―――その『レイクじい』? 私はその姿が『見えない』のよね。
  そういう存在と二人がかりで着替えさせるのはロスが多いし、
  ちゃっちゃと私だけで手伝ってあげるよ?」

そう進言してくれる。彼女はいろいろ手馴れているし、
うまい具合にサポートしてくれれば、『エアピアノ』を
続けながらも、着替える事が出来るように思えた。

57ココロ『RLP』:2016/01/25(月) 00:02:03
>>56(GM)

「あっ…………」

「で、でも……本人は、やりたがっているみたいで……」

レミに下されたもっともな理由。
今は時間が、あまりないのだ。
そもそもレイク爺は小さい……着替えの役に立つか?

        ・・・・

          ・・・・チラ

レイク爺に視線を向ける。

「レイク爺……」

    「…………」

ココロは逡巡する――『情を取る』か?
それとも、現実的なことを、つまり『実益』を取るか?

「……レイク爺には、出来ることを任せます。
 着付けなんかは、レミさんにしか、できないことだけれど……」

レイク爺に頷く。
そういえば、近くに椅子はあるだろうか?

「耳を着けたり、マイクを着けたり、靴を替えたり……そういう、細かいところなら。
 はじめから『手伝う場所』が決まっていたら、レミさんにも邪魔にはならないはずですし……」

        「…………」

つまり、ココロは『どちらも』を取る。
もちろんレミ一人で事足りる作業ではある。

絆がすべてに優先されることはない。
が、絆を少しでも選べるなら、選ばないのは気が引ける。
『時間のロス』と同じくらい、『絆のロス』も重いに違いないから。

          ・・・・レイク爺の反応はどうだろう?

58『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/26(火) 21:43:02
>>57(ココロ)
『レミ』と『レイク爺』、二人の協力者の間で図らずも板挟みになってしまった。
しかし『レイク爺』はそもそも試合開始当初からの仲だ(昨日会ったばかりではあるが)。
彼との『絆』を蔑ろにしてはいけないだろう。

「分かった。あなたが言うならそれに従うよ」

『レミ』は『ココロ』の提案に素直に従う。
一方、『レイク爺』は………

「う、うおおおっ! ありがとのッ! うれしいのォッ!
 『ココロ』ちゃんからの信頼をヒッシヒシと感じたぞい!」

クルクル回ってピョンピョン跳ねる。
昨日から見ていてなんとなく察したが
おそらくこれが『湖畔の小人』の喜びの表現なのだろう。
なにはともあれ、ご満悦のようで何よりだ。

ウサギの着ぐるみで問題ないのなら、
このまま二人の連携に任せれば、
そのまま着替える事が出来るだろう、と思われた。

59ココロ『RLP』:2016/01/26(火) 22:51:29
>>58(GM)

「ごめんなさい……
 けれど……ありがとうございます。」

『レミ』には無茶ぶりかもしれない――
が、レイク爺の喜ぶ姿。

  「う、うふふ……
   それって、喜びの舞い……でしょう?」

         「よろしくお願いね、レイク爺……」

絆。信頼。目に見えない力。
積み重なればきっと、それは実像になる。

           ・・・・二人の仲間による着せ替えの完了を待とう。

60『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/26(火) 23:23:37
>>59(ココロ)
『ココロ』は『レイク爺』の舞いを好意的に見守る。
『レミ』は『ココロ』の手が止まらないよう
細心の注意を払って着替えさせてくれる。
おそらくはつけづらい『占い師』の衣装を
従業員につけてあげていたのかもしれない。ひどく手際がいい。

そして―――

                  「完成じゃあ!」

      今ここに!
              『うさぎココロ』が生誕したッ!

61ココロ『RLP』:2016/01/26(火) 23:31:36
>>60(GM)

ココロは演奏を最大限緩め、小さくする。
レミは驚くほど確かに、ココロを着飾らせる。

(そういえば、このウサギ衣装は……
 レイク爺が、選んだんだったかしら……ね。)
 
     (……そろそろみたい。
       レミさん、手馴れているわね……凄いわ。)

             ・・・・そして。

    ハッ

「……あっ、で、出来た?
 鏡はどこかに……いえ、小物でもいいけれど……」

          キョロ

             キョロ

自分の姿を、改めて確認したい。

鏡があればそれでいい。
あるいは、絆の視界を借り、それで自分を見てもいい。

 (へ、変じゃあないかしらね……?
   ちゃんと、私、似合って……いるかしら……?)

         (いえ、似合っていなくてもいいのだけれど…… 
           けれど、お客様の前に出るんだもの、どうせなら……)

                         ・・・・どうだろうか?

62『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/26(火) 23:50:46
>>61
「鏡なら、ほら」

『レミ』が指差す方に大鏡があったので、
『ココロ』はそれで自分の姿を確認する。

 ………  ………

似合っているかどうか、それは『ココロ』自身の判断だ。
ただ―――

  「いいじゃない。すごく似合っているわよ」
    「ひょほほッ 結果的にじゃが『ドレス』も『うさぎ』も両方見れるとはの!
      眼福! 眼福じゃああッ! いいぞい! じつにいッ!」

二人は褒めてくれて、その言葉に嘘などみられないような気がした。

63ココロ『RLP』:2016/01/27(水) 00:00:52
>>62(GM)

「あ……は、はい。」

     クル


  ・・・・

          ・・・・


ココロは――鏡に映る己の姿を認めた。

「………………」

    ウサッ

     (……こ、これ……
       似合っているのかしら?)

一瞬コメントに困ったが――

「……!」

そこに、二人の、きっと心からの褒め言葉。

「あ……ありがとう……
 ありがとうございます、に、似合っているなら……」

    ♪

        「……ええ、似合っているなら、良かった。」

            ♪

演奏と共に、『うさぎココロ』がその場で一回転。
まごうことなきうさぎ姿に、ココロは、得心したように頷く。

  (これで……衣装は、大丈夫ね。)

あとはもろもろの指示や、ナレーションだ。
ナレーションも……そう飾ったことは言うつもりではない。

64『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/27(水) 00:08:49
>>63(ココロ)
ウサウサしたこの格好………
自分ひとりでは自信が持てなかったが、
二人に褒められた事で『納得』出来た。

暗がりの中、この格好でなら『ピアノのココロ』と
同一人物だという事が隠せるように思われた。

あとは『ナレーション』や細かい支持か?
それさえ決まれば、『ココロ』の店を
更なる高みと押し上げる事が出来るはずだ。

(もう始まってしまってはいるとはいえ)
 真の『店の完成』まで、あともう少しだ。

65ココロ『RLP』:2016/01/27(水) 18:52:19
>>64(GM)

細かい指示とは言えど、状況次第の部分も多い。

店員たちには『夜の時間』のことを伝える、というくらいか。
その間の動き方も、客の要望次第のところが多すぎる。
とはいえ、開始のタイミングは全体で共有しておかねば混乱を生む。

(……時間配分は、どうしましょう?
 もう一人の私と相談するのがいいかしら……?)

    (演奏を止めはしないにせよ……電気を消すし、
     ナレーションを入れるタイミングも……打ち合わせがいるわよね。)

         (夜……まあ、ご飯も食べづらいし……
          いえ、最低限の明かりは残すけれど……
          けれど、回数は少なく、時間も長くなくていいわよね……)

ココロとしては30分に一度くらい――と考えている。
少なすぎる気もするが、照明が落ちると飲食には支障だ。
あまり暗いばかりでは、そもそもの店のコンセプトが伝わらない。

「……少し、下の階に行ってきますね。
 夜の時間のこと、ちゃんと伝えておかなくちゃあ……」

店員たち――いやまず、『アナザーココロ』にそのことを伝えに行こう。
彼女に意向があるなら、それは聞いてみたい。演奏者の立場からの望みが。
行けば演奏を途切れさせることにはなるが、休憩になるのは、マイナスではない。

              ・・・・夢中になって限界が来た、では困る。

(そ、それにしても……
 この格好で出ていったら、ビックリするかしら……?)

     (ふざけているとは、思われないわよね。
       私だって本気だもの……ええ、この衣装だって。)

                 (……ちゃんと、似合っている。)

66『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/27(水) 23:08:42
>>65(ココロ)
「いってらっしゃい。
 いや、というか私も行かなくちゃね」

『レミ』はフロアを取り仕切る役がある。
あまりにも場を空けすぎては不味いだろう。

『レミ』と共にフロアへと赴く『ココロ』。
まず向かったのは『アナザーココロ』のところだ。

『アナザーココロ』は演奏に集中している。
もうすでにかなりの時間、演奏しているのに
ほとんど疲れた様子を見せないのは、
さすが『ココロ』、といったところか―――

声をかけるのがほんの少し憚られるが、
話さなければ始まらない。

67ココロ『RLP』:2016/01/28(木) 23:00:12
>>66(GM)

「あっ……そ、そうですね。
 じゃあレミさん、一緒に降りましょう……」

        ・・・

               ・・・

フロアに降りた。
そして――

「…………」

(こ、声が……掛けづらいわね……
 いえ、しょうがないのよ、お互いに……)

演奏中の近寄りがたさも、声をかける必然性も。
しょうがないことだ。

「あの……み、水溜……さん。」

            「少しいいかしら……
             お話したいことがあるのだけれど……」

自分を自分で名指しで呼ぶのに妙な違和感を感じる。
まあ、それもしょうがない事だ……

「お店の演出を追加しようと思うのだけれど……
 ぴ、ピアノを弾く貴女にも……か、確認しようかと思って……」

とりあえず時間もあまりない、本題を持ちかけよう。
群衆である以上、店に協力する意志よりも何かを優先することはない……はず。

68『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/29(金) 01:52:09
>>67(ココロ)

『ココロ』は階下におり、『アナザーココロ』に声をかける。
これからの行動は速やかに、効率的にやる必要あるだろう。

 「……なっ、なんでしょうか……。」

声をかけてから気付いたのは、
『群衆』には自らの『固有名詞』の記憶がないという話だった。
つまり『水溜』という名は彼女にとって『初耳』だったはず。
それなのに特に何も言わないのは、
おそらく相手の気分を害さないように思いを飲み込んだのだろう。

「………追加? い、いったいどんな演出を……?」

69ココロ『RLP』:2016/01/29(金) 23:07:01
>>68

反応に訝しがるココロ。
だが、すぐに気づけた。

(あっ……そ、そういえばそうだったわ。
 それにしても、自分の名前までないなんて……)

       (……別に不便でもないのよね。
         彼女には……わ、私が呼べないだけで……)

ともかく、気を取りなおして。

   スーー
 
            ハーー

頭の中で、考えていることを整理する。

「え、ええ追加なの、ごめんなさい。
 それというのはね、このお店のコンセプトは、湖畔なのだけれど――」

夜の湖畔のことを説明する。
すなわち――

・どこかのタイミングで照明を落とす
・ろうそくを使って蛍(妖精)を表現する

という二つの点だ。
ろうそくは『セラピー』の一種であることも補足しておこう。

           ・・・・
                 ・・・・

「――そういうわけで、夜の湖畔を表現しようと思うの。
 貴女の演奏にも影響が出そうだし、言っておこうと思って……」
  
      チラ

時計を見てみよう。
今、何時ごろだっただろうか?

「照明を落とすタイミングは、30分に一度くらいを考えているわ。
 ……貴女の都合の良いタイミングがあれば、それに合わせるけれど。」

ココロは視線に強くない。
話すときはなるべく、『アナザーココロ』を見つめすぎないように話そう。

70『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/31(日) 01:22:06
>>69(ココロ)
「湖畔……妖精……
 なんだか、とてもステキですね………」

『アナザーココロ』はショーの案を大変気に入ったらしい。
まあ、当然ではある。アナザーとはいえ、彼女は『ココロ』なのだから。

「タイミングは、5分くらい前に合図くれれば………
  それにあわせて演奏を終わりにもっていきます」

視線を合わせない『ココロ』の配慮が功を奏したのか、
落ち着いた感じで『アナザーココロ』は返答してくれる。

今は9:00を少し過ぎた頃か。
そろそろ本格的に向こうからの客が押し寄せてくるだろう。

71ココロ『RLP』:2016/01/31(日) 01:35:26
>>70(GM)

「ええ……ええ、そうよね、素敵よね。
 ありがとう、5分前には……そ、そうね……」

          チラ

   ♪
          ♪

『木製動物』の一匹を『アナザーココロ』付近に呼び寄せる。
なるべくなら、彼女の陰になるような位置が良い。

「その子が飛び跳ねるから……
 それを、合図だと思ってちょうだいね。」

            「それまでは、じっとさせておくから……」

            ♪

『動物』には、静止を指示。
『アナザーココロ』は超能力にはそれほど驚かないはずだ。あの場にいたのだし。

(……あとは、他のみんなかしら。
 それはレミさんがもう説明してくれている……?)

               チラ

本体の視界、および何体かの小物の視界で見渡す。
従業員たちは今どこで何をしている様子だろうか?

まだ説明を受けてはいなさそうならば、説明しに行こう。

72『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/31(日) 01:50:04
>>71
「はい……わかりました。
 ……あ、あの………
                私、精一杯がんばりますから……」

『アナザーココロ』は『ココロ』にこう述べる。
『群衆』は個別の心は持たないはずだが………
彼女なりに何か思うところがあるのかもしれない。

当然のことだが、改めてみると『アナザーココロ』は、
鏡を見るように『ココロ』そっくりだ。
双子がいたのなら、こんな感じなのかもしれない。

『従業員』はチラホラ流れてくる客の対応に追われている。
『レミ』がその合間合間を縫って、何か耳打ちをしているのが見えた。
おそらく、『夜の湖畔』について説明してくれているのだと思われた。

73ココロ『RLP』:2016/01/31(日) 01:59:56
>>72

「ええ……よろしくお願いするわ。」

      コク

その言葉に、頷くココロ。
もう一人の自分と同じように、いやそれ以上に、頑張ろう。

           ・・・・最悪には、ならないように。
               少しでも上の選択を、出来るように。

(とりあえず……皆は問題なさそうね。
 私は……お客が来るまで、待機していましょう。)

      ソソクサ

そういうわけで、一旦引っ込む。
一階の様子は、小物の視界で常時観察しておこう。

               ・・・・これでまた、あとはやるだけだ。

74『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/31(日) 02:31:54
>>73(ココロ)
決意を新たに『ココロ』は、『夜の湖畔』の演出の大まかな準備を終えた。
あとは本番………ほどよく人が集まった時に、『始める』だけだ。


 ……… ……… ……… ……… ……… ………

(※今回も『マニュアルモード』と『オートモード』の二種の方法を提示致します。
  『マニュアルモード』は一回目の『夜の湖畔演出』をGMレスとそちらのレスの
  やりとりを通して作り上げていくやり方です。それが終われば、
  これを複数回繰り返した事として、その後に『最終結果寸前』に進みます。
  『オートモード』は、ナレーション含む、『夜の湖畔』の流れ全てを
  最初に提示して頂く事で、それを元にGMが数レスに渡って、
  『夜の湖畔など描写』、その後、『最終結果寸前』まで一気に進めるモードです。

  好きな方をご選択ください)。

75ココロ『RLP』:2016/01/31(日) 22:59:27
>>74(GM)

一階の様子は小物の視界と聴覚で確認している。
客が……4組ほど入り、落ち着いた状況になったなら。

       ♪

              ♪

            ♪

『アナザーココロ』につけた『木製動物』を、ジャンプさせる。

マイクの電源は入っているか?
アナザーココロは合図に気づいたか?

(……大丈夫よ。
 あの舞台よりはずっと、緊張しないわ……)

        演奏が止みそうなタイミングで――『一階』へと、降りていく。
            彼女の弾く曲なら、自分にも、だいたいの流れは分かる。

76『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/31(日) 23:20:16
>>75(ココロ)
『ココロ』はタイミングを見計らい………そしてついにその時を決める。
『木製動物』はぴょんぴょんと跳ね、『アナザーココロ』はしっかりと合図に気付いたようだ。
五分後にはしっかりピアノを終わりと導いてくれるはず。

マイクの電源は確実に入っている様子だ。
開始当初は『ココロ自身』が舞台に駆り出される予定はなかったが、
これも何かの『運命』だろう。

ピアノの終わりを察知し、『ココロ』は『一階』へと降りていく。
それが『夜の湖畔』の幕開けの合図となるだろう。

77ココロ『RLP』:2016/01/31(日) 23:47:51
>>76(GM)

思えば――この対決は総力戦なのだ。
ココロ本人が出ずして、『総力』はなしえない。

              ・・・・運命か。
               それとも選択の結果か。


「……」

    スーー

          ハーー

客の様子は確認できている。
ゆっくりと、落ち着いて、舞台へと上がろう。

客はどんな様子だろうか。
従業員たちは問題ないか。
アナザーココロはどうだろうか。

      ♪

           ――――――雑念は打ち止める。

78『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/01(月) 00:07:12
>>77(ココロ)
客は四組居た。
サラリーマンと思しき男性が『四人』。カップルが『二組』。
そして………明らかに暴力を仕事にしていそうなスーツの男が『二人』。
全部で『10名』。やはり、男性が多い。
彼らに果たして、『癒し』というコンセプトがどこまで通じるのか………

       しかし、今は、もう、やるしかない。

  ♪
                ♪

                           …………シーン

そして、『アナザーココロ』の演奏は終わった。
それと同時に舞台に上がる『ウサギ姿のココロ』に人々の視線は、集まる。

従業員も『アナザーココロ』も特に問題はないだろう。
今一番、問題を抱えているのはほかならぬ『ココロ』自身かもしれない。

79ココロ『RLP』:2016/02/01(月) 00:19:55
>>78(GM)

                 ♪

木製動物たちの動きを、少しだけ大きくする。
また、二階のろうそくたち、マッチを『友達化』し、着火を始める。

客層は――お世辞にも良いとは言えない。
むしろ、このお店には、それほど合致していないのかもしれない。

だが。

       ス ― 

          ハ ―

ここは舞台。
舞台で一番大事なことは……観衆を意識しすぎないこと。
聞いている人を忘れるのではなく――演奏に、意識を混ぜないこと。

≪ ……本日は、ご来店、まことにありがとうございます。 ≫

使うのがピアノか。

≪ 突然ですが、当店のコンセプトは、『湖畔』――――そして、『癒し』です。
   湖のほとりの、水音、風のしらべ、動物たちに、人々の笑い声……
   それを少しでも、このお店の中で、みなさんにお届けできれば…… ≫

                     ≪ そう考えています…… ≫

己の声か。
強い声はいらない。届ける、清く通る声を。

≪ これより、当店は――湖畔は、夜の時間を迎えます。
   陽が沈み、昼とは全く違った姿を見せる湖畔――――
   人は、動物たちは寝静まり……自然の音色と、星の光に満たされます。 ≫

いつかのミスコンでは――
観衆はそれこそ、男の群れだった。
女性の魅力を求める男達が相手だった。
それこそ適材であろうアイドルや、大人の女性。
超人的な能力や技術、発送で沸かせるものもいた。

だがココロは勝った。
ピアノの演奏で、勝ったのだ。

≪ ……どうか、この時間が。
  少しでも、皆さんの癒しになれれば……嬉しいです。 ≫

それを今、ここで、出来ない道理などない。
それに、ピアノはもう一人の私弾いてくれる。

                  ≪ それでは……ごゆっくり、どうぞ。 ≫

80『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/01(月) 00:36:13
>>79(ココロ)

     かたかた  かたかた

『木製動物』たちの動きが活発になっていくのに『客』たちは気付く。
もちろん『ラジコン』か何かだと思っては居るのだろうが、
それでも少し興味深そうにそれらを眺める者も居た。

 そして―――

 いよいよ『ココロ』のナレーションが始まる。
  コンセプトが『湖畔』と『癒し』である事の紹介し、
  これから店内で、『夜の湖畔』を模す事を伝える。

 その声は淀みなく、はっきりと店内に響く。

  『絆』が、『勝利』が、『ピアノ』が、
   今までの全てが『ココロ』の力となり、
     自信をもって発声する事が出来たのだ。

   ここまでは、完璧。
    あとは実際の『ショー』の内容が受け入れられるかどうか。

       『マッチ』はすでにスタンバイ出来ていた。

81ココロ『RLP』:2016/02/01(月) 23:00:39
>>80(GM)

    コツ
        コツ

ココロは一礼し、舞台を降りる。
照明は店員か、レミに任せたい。エアピアノとの両立は困難。
レミは少なくとも、そこは察しているはずだ。

       ♪

動物たちの動きを緩めつつ、物陰へと移動させる。
夜になれば、動物たちは、己の寝床へと帰っていく。

            ・・・・そして。

   ♪
         ♪

『マッチ』にお願いし、『ろうそく』たちに順々に着火してもらう。
もちろんだが、全部のろうそくにではない。一部で良い。
『ろうそく』たちにも、着火に協力するような『指示』をしておく。

そして。

           ♪    ♪   ♪

(もう一人の私には、ちゃんと鍵盤が見えるかしら……
 見えなくても、ある程度は弾けるでしょうし、そこまで真っ暗にはしないはずだけれど……)

着火出来たろうそくから、入店していってもらおう。
これは照明がそれなりに落ちてから、だ。花びらは、ろうそくのあとに着いて来させる。
もちろんだが、客の足元には気をつける。燃え移りでもしたら大惨事極まりない。
着火が済んだ後のマッチは『板踏』に頼み、『完全燃焼』させて火を消してもらう。
これももちろんだが、コンクリであろう階段など、人が来ずかつ周囲に可燃物が無いところで行う。

                ・・・・これで準備は整うはずだ。

82『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/02(火) 02:37:25
>>81(ココロ)
『ココロ』は堂々と一礼を終え、舞台を降りる。
照明には『レミ』が回ってくれたようだ。

動物が物陰まで移動するさまを皆、興味深そうに見守る。
『客』はこれを『ラジコン』のようなものだと捉えているだろうが。
それでもこの量を同時にここまで動かすのには、驚嘆の声が上がっていた。
ゆっくりと『照明』は落ちていき―――

            そして、ついに『夜』が始まる。

『ろうそく』は着火し、少しずつ入店をはじめる。その後からは『花びら』。
『火』の制御は『ブレーメン板踏』にお願いしてある。
彼の本業は『音楽用語』を羅列する事ではなく、『火のエキスパート』。
『ピアノ』の演奏にあわせ、彼の能力は存分に発揮されている。滅多な事は起こらないはずだ。

『ろうそく』の入店に気付いた『客』は、それに目を奪われている。
さあ、『いよいよ』だ―――

83ココロ『RLP』:2016/02/02(火) 23:13:34
>>82(GM)

      ――夜の湖。

ココロはミスコンでも、それを題材に選んだ。
実際にココロが夜の湖畔に行くことは少ない。
・・・・門限があるからだ。

だからこそ、夜の湖畔は。ココロにとって――『幻想的』だ。
リアルに囚われず、理想のままに、ココロは『夜』を表現する。

湖は巨大な鏡。
月と星空が踊るステージ――
                           . . : :♪
.                         . : ∮ :
           . . . .          . : : : :
         . . : : : : :|ヽ: . .     . : : :#: :
       . : : r‐┐ : C|: : : : . . . :c/⌒: : :
     . : : : d d : : :   : :♭: : : :
   . :c/⌒: : : :        : : :
. : :♪: : : :


二人のココロが奏でる『幻想の音』と『現実の音』が、重なり合う。
ろうそくが客から少し離れたところを踊り、花びらはひらひらと舞う。
ろうそくの配置はある程度ランダムだが、全ての客に均等に見えるように。
彼ら自身の『視覚』を借りれば、位置関係の整理は容易だ。

          ♪

             ♪

(……大丈夫。
 あの時より、もっと。)

    (上手くなっているもの、私の演奏は――)

          (それに……みんながいるもの。)

客への危険を考え、必要以上の派手な動きはさせない。
これはパフォーマンスだが……ワクワクより、癒しを与えるもの。
心を沈め、苛立ちも怒りも、音色よりも小さく。

             ♪

不規則に陣形を変えながら、踊るろうそくの揺れる炎。
その揺らめきで目を奪いながら、夜の中を――店中を漂う。

       ♪   

それに追従するように、時々舞い上がりはらはらと散る、白く儚い、蝋の花弁。
そして、『ココロ』の。他ならぬ『湖畔の代表』の演奏があれば。

                ・・・・それだけでいい。

84『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/03(水) 01:58:07
>>83(ココロ)

 そして―――

   『ココロ』と、


                             もうひとりの『ココロ』の、

                           . . : :♪
.                         . : ∮ :
           . . . .          . : : : :
         . . : : : : :|ヽ: . .     . : : :#: :
       . : : r‐┐ : C|: : : : . . . :c/⌒: : :
     . : : : d d : : :   : :♭: : : :
   . :c/⌒: : : :        : : :
. : :♪: : : :

              『音楽』が交差する!

『湖』は虚を映し、『ココロ』は虚を奏でる。
『空』は実であり、『ココロ』は実を奏でる。

『灯』の光は『星空』であり、『蛍』であり、『妖精』であり―――
その正体は見る者が『感じとって』くれればいい。
『白い花弁』もそうだ。『湖畔』というテーマの元、
多重な意味合いにとれるし、各人がそれぞれ思うままに解釈してくれればいい。

      そして、この幻想的な風景を支える『演奏』。
     二人の『ココロ』が、二人の『ココロ』だからこそ、
         同時に奏でられる奇跡の『二重奏』。

本物の『ココロ』の演奏は『客』には聞こえない。
だが、通常聞こえない音域の『超高音』が実は人間の脳波に影響を与えているように、
その場に『ココロ』の演奏が存在する事が、この空間に深みを与えているように思えた。

『ココロ』は、今ここに、今日積み上げてきたもの全てが結実したように思えた。

         そう、今、この場所に『湖畔がある』。

85ココロ『RLP』:2016/02/03(水) 23:11:49
>>84(GM)

あとは、湖畔を――『客たち』が感じてくれればいい。
これ以上の『仕掛け』はない。ココロは全てを経て――ここに行きついた。

「…………!」

      (これが……)

              (私の……!)


ココロは――――

演奏を続ける。それが湖畔に――私の命を吹き込むから。
もう一人の私が演奏を続ける。幻の存在が。現の音を。

  (  『演奏』  )
               (  『RLP』  )
                              (  『絆』  )

演奏を。
今ここに、全てを心から指先に――夢と現の鍵盤に! 

         (  私の ・・・・・・ 『湖畔』  )

              ♪
           ♭
       ♪  

湧き上がる音は。
水面に、水底まで響き渡る心は。

           「…………ありがとう。」

                          ・・・・ココロは笑う。
                              そして、時とともに夜は明ける。

86『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/06(土) 20:45:00
>>85(ココロ)
そして、『ココロ』が全てを籠めた『夜の湖畔』の初演は厳かに終わりを告げた。
『ろうそく』は退場し、明かりが灯り、全てが元に戻る。

 その後、わずかな間をおいて―――

    パチ  ぱちぱち
                パチパチ
                           ぱち パチ

      パチパチ   ぱちぱち    パチパチ

                       パチパチパチパチ


『拍手』。それも真っ先に始めたのは、

「よかった! よかったよォ!
   美しく、幻想的な湖畔の風景が視えた!
    不自然な現代の疲れに自然の恵みは最高のサプリッ!

     すンばらしィ〜〜〜
                   『拳百発』ッ!
                             ブラボォ―――!」

こわもての『スーツ姿』の二人だ。
それにつられるかのように他の客も一斉に拍手を始める。

「あ! あの人たち、『武闘派芸術家』の『シメルとボコル』じゃあない?
  ローカルTVで番組持ってる人たち!」

『レミ』が小声で呟く。周りの『客』にも知っている者がいるらしく、
『彼らが絶賛するような芸術的な演出』だと思われたらしい。
『拳百発はテレビでの最高点よ』と『レミ』が教えてくれたが、何の事かはいまいち不明だ。

とにかく、『客』は、実はそう悪くなかったのかもしれない。
初回に『良い客』を引いた『幸運』。
この『成功体験』は今後の『ココロ』たちの自信に大いに繋がるだろう。

  ちらりと目に入った『黄金爺』が笑っているように思えた。

87『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/06(土) 20:47:24
………

    ………
          ………
                ………

「いい感じッスね!」

『ナイトくん』は『艶美』にこう語りかける。実際、『店』はいつも通り盛況していた。
『高級キャバレークラブ』。ザ・夜の店といった定番のスタイル。

「トキエちゃんもサユリちゃんとかもいーい感じに接客出来てるし。
 さすが『NO1』ッ! いや、他の娘だってそうか!
 全員、『ナンバーワン』の店なんてここでしか味わえないッスよ!」

それはそうよ、と『艶美』は不敵に笑う。しかもただの『NO1』ではない。
『全員がそれそれ黄金の夜の街でのNO1』。
こんな『オールスター』は、ここでしか味わえない。

「あ、そろそろ『SHOW』の時間ッスね! オレも準備するっス」

『ナイトくん』がピョンピョンと跳ねて見晴らしの良い場所まで移動していく。
『艶美』もまた、中央舞台に立ち、マイクを手に取る。
周囲が少しずつ暗くなり、照明の調整により、『艶美』にスポットライトが浴びせられる。

「みなさま! お楽しみ頂いておりますか?
 このクラブのママ、『艶美』でございます。
 これより、皆様に他では絶対に味わえない
   『光のSHOW』をお見せしたいと思います。

                      それでは、皆様、ごゆるりと、ご堪能を―――」


 『盛大な拍手』と共に、店内は完全に暗くなる。

  そして―――



   チカ         チカ チカ チカ
       チカチカチカチカ チカチカチカ
              チカチカチカチカチカチカ チカチカチカチカチカ チカチカチカ
      チカチカチカチカ チカチカチカ
                   チカチカチカチカ チカチカチカ
           チカチカチカチカ  チカチカチカチカチカチカチカ チカチカ  カチカチカチカチカ チカチカチカ
                  チカチカチカチカ チカチカチカ


  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
  チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ

88『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/06(土) 20:49:24

 次の瞬間、『床』が一斉に輝きだす! 『光の絨毯』とはまさにこの事だろう。
   赤・青・黄………『輝き』は変幻自在にその色を変え、
    『ネオン街』を店内に持ち込んだかのような華やかさだ!

   強いて言えば『LEDランプ』を用いた『イルミネーションショー』に近いが、
   それとは『精度』が圧倒的に違う! 『豆電球』より更に
    小さな細かな『粒』がそれぞれ光っているような圧倒的な『滑らかさ』!

    『ゲーム機』が数世代先に飛んだような、
      『ブラウン管』から『液晶』に変わったような、
            革命的『イルミネーションショー』ッ!
              それがこの店、『ENVY』の秘密兵器だッ!


「フフフ―――そんじょそこらのショーとは『解像度』がダンチッ!
 オレの『能力』と艶美ちゃんの『能力』の奇跡のコラボレーションッス!
 なかなか見れるものじゃあないですよ〜〜〜これは」

  この光景を前に、『ナイトくん』は独りほくそ笑む。

  『繁華街の小人』の能力は、実にささやかだ。
  それは『小さなものを輝かせる事』。
  ただ、その『精密動作性』は、『小人』の能力の中でもピカ1だ。
  無数のものを別々に色や輝度を変える事もお手の物。
  それを『艶美』の『グラマラス・ライフ』が部屋中に撒いた
  『燐粉』に持ちいる事で、この豪華な空間を作り出していた。

 『スタンド物質』である『燐粉』である事には大きな意味がある。
 ただの粉だと『客』や『従業員』が動くたびに『粉』が動いたり、
 付着してしまうという弱点があるのだ。
 『透過』する『スタンド物質』だと、それがない。

 問題は『スタンド物質』だと『一般人』には見えないという事だったが………

 『グラマラス・ライフ』の『燐粉』は、その能力の特性上、
 『一般人にも見える』ようにする事が可能な稀有な性質を持っていた。

                         その特性とは―――

89『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/06(土) 20:51:34

「上手く行っていますね。艶美さん」

『SHOW』を眺める『艶美』に、『サユリ』という名のキャバ嬢が声をかけてくる。
見た目は二十代前半といったところだろうか?
その美貌には『NO1』という称号も頷ける。

「ええ、サユリさん。あなたもよくやってくれているわ。
 『現役を退いた』なんて到底思えない『話術』。

           さすが―――二十年前の『NO1』ね」
                    ・ ・ ・

『艶美』の言葉に『サユリ』は照れたように笑う。

「この世界は世代交代激しいですからね。
 そして誰も『老い』には勝てない。

 でも時々『艶美』さんに呼ばれて、あの頃の自分になれるのには、
   本当に感謝しているんですよ。

     『艶美』さんの『魔法のメイク術』………本当に凄い」

『艶美』のスタンド、『グラマラス・ライフ』はあらゆる
『メイク用品』に変化する『蝶』のスタンドである。
そしてそれを用いた『メイク術』は『美しく』なる方向ならば、『老い』すらも超越する。
露出部分は全て化粧済みである為、手なども十分に美しくなっている。
『燐粉』は『化粧パウダー』であるがゆえに、その性質上、
スタンドながらも一般人に見える性質を有する事が可能となっているのだ。

「本来、多少の『老い』程度で仕事を追われるのは誰だって本意じゃないわよねェ。
 その『老い』を克服する手段を、私なら提供してあげられる。
  皆、その魅力にとりつかれて、手伝ってくれるわ。
   かつては世代を争い、『ライバル』だった人たちだってね。

  『各世代のNO1たち』が現役状態の、無敵の『オールスターゲーム』。

  スポーツあたりなら、そんな妄想をするファンも多いだろうけど………
  少なくとも、今、この『ENVY』ではそのドリームチームが見れるってわけねェ」

『世代ごとのナンバーワン』の『夢の布陣』と、『超高画質のイルミネーションショー』。

         元からの『キャバクラ運営』の手腕に加え、

        各々の能力を存分に駆使した二つの『ウリ』が、

   『艶美』と『ナイトくん』による『繁華街コンビ』の必勝の一手である。

90『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/06(土) 20:56:41

『SHOW』も終わりに近付いた頃、『艶美』は、ふと『対戦相手』を思い出す。
『あんな若い娘』相手に真面目にやりすぎちゃったかしら?
ちょっと大人気なかったかもね、などと考える。

しかし―――『若さ』だけに甘えた世間知らずのお嬢様には、
全力を持って『世間の厳しさ』を教えてやるのも、大人の義務だ。

『イルミネーションショー』は本物さながらの無数の『蝶の舞』を映し出している。
いよいよ『ラストの演出』だ。煌びやかでド派手な、ギラギラした『夜の華』。

圧倒的で妖艶な『輝き』に、酔いしれさせる事が『夜の店』の責務だ。
あの若造の多少の小細工では、到底達する事の出来ない『境地』。

                        負けるはずは―――微塵も無い。


「よかったな! ハデな演出!」
    「すごいね〜〜!」
      「トキエちゃんも知ってたの? これ」
                 「こんなのあるなんてなァ」

『SHOW』が終わると、『客』たちの賞賛の声が聴こえてくる。
当然だ。現代技術の最先端以上の光景を見せられて、
感動しないものなど居るはずはない。


 「でもさー」

                ………?

「あっちも素朴で良かったよなあ。ピアノも上手かったし」
  「あ、俺も思った。派手なのばっかりだとヘトヘトになるっつうか?」
    「バブル期じゃないんだし、会社終わりで更に盛り上がる! てのもなァ」
     「コスチュームもなんかほのぼの系つうか? 癒し系なんだよなあ」

まだ社会に出てそう日も経っていないだろう若いサラリーマンたちが喋っている。
その内容………あっち? あの小娘の『店』の話か?

…………

   やはり、未熟な感性では未熟なものしか理解できない、そういう事か?
   『艶美』はこの僅かな綻びに、一抹の不安のようなものを感じていた。

「『艶美ちゃァん』! ちょっと眉間に皺よっちゃってますよ! スマイル! スマイルぅ!
  ひな鳥がピーピー鳴いたところで、大勢にエイキョーなし! ドォンと構えてたら良くないッスか?」

その『不安』を『ナイトくん』が一蹴してくれる。
そうだ、『艶美』がこの小人に協力しているのは彼のこんな底抜けの明るさを気にいったからだ。
そんな彼が、『艶美』が輝く『一夜』を用意してくれる………『艶美』はこれに『応える』必要がある。

        もう客はほとんど捌いたはずだ。もうすぐ『決着』―――

 『繁華街』が自フィールドの時、私たちは『負けた事がない』。

   少なくともあんな『小娘』に打ち破れるような、ヤワな『店』ではないはずだ。

91『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/06(土) 21:01:15

………

    ………
          ………
                ………

            「ありがとうございました〜〜」

 そして今―――

  『ココロ』の店で、『レミ』が最後の『お客』を送り出した。

 「お! おお……これで! これでようやく終了じゃあッ!」

『接客的』な事に関しては何をしたわけでもない『レイク爺』が終了の雄たけびを放つ。
それにあわせ『ココロ』も肩の荷が降りたような気持ちになる。

初演から、『ココロ』たちは何度かの『夜の湖畔』を提供した。
その度に、店中がシンクロするような感覚を味わい、
『ココロ』からみれば、『店』は大成功だったように思えた。

ただ、もちろん、ここまではまだ『過程』。
そして『店』を選ぶのは、『客』。
今日一日の最終的な『結果』が出るのは、ここからだ。

『よるのとばり経由の従業員』が、
そして、『アナザーココロ』が、ほっと一息ついている。
彼女たちは『能力』が作り出した『群衆』。
いつかは消える運命をもつ者たちだが、
もちろん、『結果発表』まで残しておいても問題はないだろう。

いつのまにか、『絆』たちが『ココロ』の周りにやってきていた。
彼ら、彼女らもやはり『結果』が気になるのだろう。

『黄金爺』はまだ鎮座している………ちょっと怖い。

 ……… ……… ……… ……… ……… ………

「現在、『集計中』だ。結果はほどなく外で行う事とする。
 準備が出来次第、声をかける」

『黒子の小人』が淡々とそう告げる。
今のうちにやる事があれば、それをなせばいいし、
何も無いのなら、ただ『待てば』いい。

92ココロ『RLP』:2016/02/06(土) 23:07:30
>>91(GM)

「………」

      「………」

            「………」

                    「………」

最後の客が退店する。
レイク爺の声が――実感させる。


「お」

     「終わっ……たぁぁ……」

                  ハァァァァ ・ ・ ・

安堵と疲労の混じった息を吐き出す。
もちろん、エアピアノは継続しながらだ。

「レミさん……従業員のみなさんも、ピアニストさんも、絆の皆も。」

              「一先ず……お疲れ様、ね。」

とはいえ、結果はこれからだ。
本格的な安心にはまだまだ早い――

(お客様も……黄金翁も……
  楽しんでくれていたみたいで、良かったわ……本当に。)

           (あとは……)

まだ、実感も薄い。
大成功の感覚は心に刻まれたけれど。

          ・・・・まだ、解放の時ではない。

「…………ええ、分かったわ。ありがとう。」

黒子の小人に答える。
黄金翁含め、この店の仲間は、まだここにいるべきだろう。

    ♪   ♪   ♪

            今ココロに出来ることは……待つだけだ。

93『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/06(土) 23:26:38
>>92(ココロ)
一息ついた『ココロ』。しかし、まだその演奏は止めない。
結果発表の時まで、『彼ら』は存在させておく事にした。

  そして―――

「集計が終わった。外に来てくれ」

20分とかからず、『黒子の小人』が声をかけてくる。
外に出るのは………おそらく対戦相手と
対峙しつつの結果発表なのだろう。

94ココロ『RLP』:2016/02/06(土) 23:35:29
>>93(GM)

「……ええ。」

       「……ええ、今、行くわ。」

          スー

      ハー

深呼吸をしっかりとして。
『エアピアノ』――『RLP』を継続しながら、店の外へ。

      (……どんな結果でも。)

           (今なら、分かるわ。
             最悪じゃない、だけじゃあない。)

   (あのお店が……
    私が。私達が出来る……
     最高の、お店だったって。)

             ・・・・思い残しはない。
                  後は、どちらが勝つか。

                           (……大丈夫。)

95『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/07(日) 00:05:27
>>94(ココロ)
『ココロ』は深呼吸しながら、ゆっくりと店の外へと向かう。

 「ワシも行くぞいッ!」

そう言ってついてきたのは、他ならぬ『レイク爺』だった。
二人、はじまりの二人だ。

 ……… ……… ……… ……… ………

そうして外に出ると、眼前にいたのは向こうも二人。

「おひさしッスね? いや〜〜そうでもないか。
 見学来た時会いましたモンね!」

  『ナイトくん』。

「―――いい『店』は作れたのかしら?
  でも、現実はいつだって厳しいものよ?」

                      『艶美』。

ちょうど最初に会った時と双方が同じ布陣。
ここでいよいよ『最終結果』が発表されるという事か。

中央に陣取った『黒子の小人』はじっと二組の様子を見守っている。
お喋りが終われば、次の瞬間にもう『発表』という事かもしれない。

96ココロ『RLP』:2016/02/07(日) 00:22:36
>>95(GM)

「……ええ、着いてきて、レイク爺。」

         コク

     頷いて答える。

 ……… ……… ……… ……… ………

そして、店の外。
二人の『対戦相手』と、向き合う。

「貴方は……
 ええ、少しぶり……かしらね。」

      「あの時はありがとう……」

ナイトくんに会うのも、数時間ぶりか。
今日という日はココロにとって、とても長い……充実した日だ。

        ・・・・そして。

「ええ……いい店が。すごく、良い店が出来たわ。」

そう答える。
数時間前の動揺はもう、ココロにはなかった。

あるいはこの戦いが終われば。
いつものココロなのかもしれないけれど――

       「……だからきっと、大丈夫。
         現実が厳しくても、私たちは。」

今、この勝負は。全てを乗せた『店』は。ココロにとって。

         「大丈夫なのよ。」

              ニコッ  ・ ・ ・

                      ――演奏並に、尊いものだ。

97『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/07(日) 00:48:36
>>96(ココロ)
「………そう、それはよかった」

平静を装う『艶美』の顔色がわずかながら曇る。
たった数時間で挙動不審レベルの『ココロ』の怯えが
一切なくなっているのを感じ取ったのだ。

「ほッほッほ! オヌシらにも見せてやりたかったワイ!
 ウチの『湖畔』の店は最高じゃったゾイ!」

『レイク爺』が誇らしげに二人に言い放つ。
今はこの無闇な元気も、『ココロ』の力になってくれるだろう。

 ………
        ………
                     ………


         「それでは、発表する」

四人の言葉が途絶えて数秒後、『黒子の小人』が口を開く。

   「総投票:50票、無効票:1票 有効票:49票」

       結果を読み上げていく『黒子』。

時が捻じ曲がったかのように、それはゆっくりと感じられる。

 そして、

   「24票」

        結果は、
               「対」
                    とても僅差で、

                              「26票」

「以上の得票結果から」

               でも確実に、

                          「26票を得た」



                決まる!

          「湖畔代表の、勝利とする」

                                   .

98ココロ『RLP』:2016/02/07(日) 01:07:08
>>97(GM)

人間の性根はそう簡単に変わるものではない。
だけれど、大きな体験は、『きっかけ』をくれる。
ほんの少しの間でも、それは『勇気』になる。

ココロは――それだけの、『最高のお店』を、奏で上げたに、違いない。

 ………
        ………
                     ………

         ゴクリ


(……大丈夫よ、大丈夫。
 余計な事を考えるものじゃあないわ。)

            (大丈夫……)

流石に、心乱される。
けれどもそれを、外には出さないように。

勝っても。
負けても。

「…………………」

      勝っても……

            「…………」

                    ブル ・・・・

            (い……今さら怖気づいてどうするのよ!
              ……大丈夫、全部やったもの、私たちは。)

       (私達は――最高だった。
        そうよ……それは、間違いないじゃない。)

    (…………)

エアピアノの響きだけを残して、心を凪がせる。

            ――そして。

                   そして。

「あっ……」

(決まるんだわ……そ、そうよ決まるのは当たり前。
 だけれど……24対、26……これで、勝負が、終わって――)

              (私達は――)

       (あ)

              (湖畔)

       (私達――)

    「私達」

             「あ」

       「あっ!」

             「ああああああっ」

「……私たちだわっ!
  こ、湖畔代表って、そうよ、……私達……!」

   スー ハー

          スー ハー

                 「勝った……」

    「勝ったんだわ……
     レイク爺ッ! わ、私達……みんなでッ!」

                      「勝てた……勝てたのよ……」

       ヘ 
          タ

思わず、その場にへたり込むココロ―――
レイク爺と、視線が合う。どうしたらいいのか、喜びすぎて。

    「うれしい」
 
           分からない……         
                              「本当に」

        「……うれしくて、わ、私……」

                 「ど、どうしたら、良いのかしら
                      ……ねえ、ほ、本当に…っ!!」
 
  ♪       ♪
      ♪         ♪

    感情が逆流するかのように。
    エアピアノの音色だけを響かせ、ココロはへたり込んだまま。

99『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/07(日) 01:20:45
>>98
「ウッヒョヒョォ!  ウッヒョヒョ――イッ!!!」

『レイク爺』も感極まって感激の雄たけびを上げている。
勝利者たちはそれぞれの感情を爆発させ、勝利を全身で味わっていた。

と、その余韻を切り裂くような『声』。

「………な、な、なんでッ
      ………なんでなのよォ―――――ッ!

  なんで私の! この『ENVY』の店がこんな小娘の店に!
   『イカサマ』?  それともかわいい顔して
    『精神』を操るようなコスッずるい能力とか持ってるの!?

  そうでもなきゃ、この結果はおかしいじゃないッ!

       集計! 集計ちゃんとできてんの黒子ォ――――!」


それは、眼前の『艶美』のものだった。
さきほどの余裕は一切無く、目が血走り、表情が一変している。

    シュウゥ……
               シュウゥ……
                          シュウゥ………

そして、『ココロ』は奇妙な事に気づいた。
『艶美』の怒りにあわせ、彼女の『髪』、大きく盛られた『髪』が、
『蝶』と化し、次第に『消えていって』いるのだ。

 それと共に、『艶美』の顔から粉のようなものが『崩れ落ちて』いくのが分かる………

100ココロ『RLP』:2016/02/07(日) 01:37:50
>>99(GM)

眼の前ではしゃぎだす『レイク爺』に、思わず笑うココロ。

「う……うふ、ふふふふ……
 は、はしゃぎすぎだわ! レイク爺ったら……」

         「でも、私だって…… 
           私だって、そ、それくらい――」

  その時。


「ひ、ひぃっ……!?」

               ビクッ ・・・ 

切り裂くような怒声。
突然のことに、思わず、すくみ上るココロ。

(な、な……い、いきなり叫ばないでよ……
 いえ、でも、負けたのが……くやしいのは、分かるけれど……)

        (けれど!)

   ムカッ

    「い、イカサマだなんて……」

               「私は、私達はッ」

    シュウゥ……
               シュウゥ……
                          シュウゥ………

「……えっ?」

「え……えっ、あ、貴女、ど、どうしたの……?
 な……何が、何が起こって――」

        (あ……ちょ、蝶。
          この女の、スタンドの――)

               「こ、れって―――」

    ゴクリ

ぎゃふんとは言わせたかった。
しかし、ここまで。
ここまで取り乱すとは。

          フイ

(そ、そんな……勝ったからって、な、何も。
  何もそんな、この人に、惨めな思いをさせたいとかじゃあ……)

          (ぎゃふんとは、言わせたかったけれど……)

ココロは――しかし、なにも出来ることはない。
『艶美』からやや目を逸らしつつ……事の成り行きを、見守るしかない。

101『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/07(日) 01:54:57
>>100(ココロ)
『ココロ』は『艶美』の突然の変化に戸惑う。
あの『蝶』には見覚えがある。おそらく『艶美のスタンド』。
それが精神の動揺により、『能力が保てなくなっている』。
―――そう見るのが妥当か?

『髪』が『蝶』に変わってすぐに消滅していく。
もしかすると、あの盛り髪は『ウィッグ』のようなものとして、
『蝶』が化けていたものなのかもしれない。

『蝶』はやがて、全て消滅する。『髪』も驚くほど少なく、やせ細っているように思える。

「こんな……こんな若いだけが取り柄の女にィ。
             私がァ、この艶子がァ――――ッ!」

『精神』の動揺は激しく、『怒り』の感情だけが
暴走しているような感じを受ける。

 そして―――

「な、なんじゃあ、コイツ!
   ば……ババアじゃ! 中からババアがでてきおったッ!」

『レイク爺』が驚愕の声を放つ。
その言葉に『ココロ』が確認すると………
『艶美』の肌は確かにシワシワ。
顔も著しくたるんでおり、当初の美貌は見る影も無い。

『精神の動揺』だけでここまでの老化が起こるわけはない。
つまりはなんらかの『能力』が働いていた、という事なのだろう。

「はいはいはい! もうそのへんにしておこうか、ツヤコちゃん」

 ここで間に入ってきたのは『ナイトくん』だ。

「いや、すみませんッス。お見苦しいところをみせちゃいましたね。

 あと『完敗』ッス。まさかウチがホームで負けるとはねェ〜〜。
 正直ナメてたッス。すげーッス、マジで」

まずは『艶美』に、そして今度は『ココロ』たちに向かって語りかける。

102ココロ『RLP』:2016/02/07(日) 02:27:08
>>101(GM)

「えっ……」

            「あ……え!?」

   「そ……そんな……」

『化粧』は女を化けさせる。
ココロもそれは、十分承知のつもりではいたが――

        これは。


「ほ……本当だわ……こ、こんなことって。
 これが……これが、す、スタンド能力だったのね……」

       「……わ、私、ご……
          ごめんなさい、どうしたらいいか……」

もはや憎まれ口に怒りすら覚えない。
ひたすら驚愕。
そして困惑。             

しかし勝ったのは事実で、それを放棄する気など、ココロにはない。

「な……ナイトくん……」

視線をそちらに向ける。
ツヤコ。艶美の『本名』なのだろう――

「いえ、いえ……私達二人だけの力じゃあ、ないもの。
 私達だけだったら、きっと……いえ。
 違うわよね。……ありがとう。次も、必ず……勝ち進んでみせる。」

頷く。それは勝った者の務めなのかもしれない。
ココロは不思議と、そんな気がしていた。

       「…………」

そして。

        チラ

(この人は…………
  きっと、私が何か言える人じゃ、ないわよね……)

       ・・・・『ツヤコ』はどうするのだろう?

103『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/07(日) 02:48:08
>>102(ココロ)
敗北してなおも罵倒してくる相手。
当然勝った『ココロ』は怒ってしかるべきなのだろうが……
その正体の凄まじさに困惑してしまう。

『艶美』……『ツヤコ』はもう老婆といえるくらいの年齢になっていた。
これが、『スタンド』という魔法を失った彼女の『本来の姿』という事なのだろうか。
『ナイトくん』にたしなめられ、ようやく少し落ち着いたのか、口を閉ざしている。

「いや、マジでいけるかもですね、勝ち進んで、ユーショーくらいまで。
 万年最下位の今までの『湖畔』とはオーラがゼンゼンちがいますもん」

  『ナイトくん』はお世辞を言っている様子ではない。
  そして負けたのにも関わらず、飄々としている。

「じゃ、このへんでウチらは帰りましょうかね。
  悔しいのは悔しいッスけど―――
    別にこれで終わりってわけじゃあないですしね、『祭り』」

そう言うと『ナイトくん』は『艶子』を連れてどこかへと去ろうとしている。
何か聞きたい事や話したい事があれば、心残りのないよう、伝えておくべきだろう。

104ココロ『RLP』:2016/02/07(日) 03:00:35
>>103(GM)

「…………・ありがとう。
 きっと……貴女たちにだって、勝てたんだもの。」

ナイトくんの言葉は、素直に耳に届く。

            「この先も……
             ええ、やってみせるわ。」

     コク


頷いて返す。
老婆と化した――いや、『戻った』ツヤコには。

  「…………ええ。
   さようなら……ナイトくん。」

         (何も……言えないわよ。
           私が、勝った私が何を言ったって……)

               (イヤミに、なってしまうわ……彼女には。)

勝者はただ、黙って――見送ればいいのかもしれない。
憐れむのでもなく、蔑むのでもなく。
謝るのも、お礼を言うのも、違うだろう。

ただ、敬意を払って。
そうまでしてこの戦いに来た彼女を。

「さようなら…………艶子さん。」

余計な言葉はなく。

        ペコ

          粛々と。
                  舞台でするように。
                  頭を下げて。背中を見送る。

105『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/07(日) 03:13:39
>>104(ココロ)
『ココロ』は二人に余計な言葉をかけない。
だから彼らもまた、これ以上の言葉は紡がなかった。

そうして『ナイトくん』と『艶美』は去っていく。
『艶美』の豹変ぶりには驚かされたが、彼女は彼女なりの美学で戦っていたのだろう。
その思いを乗り越え、『ココロ』達は前に進まなくてはならない。

「それじゃあ、ワシらの方は皆のものに勝利の報告といこうかの!」

『レイク爺』が気を取り直し、『ココロ』にそう告げた。
そうだ、『絆』や『従業員』はまだ発現させてままだったし、
そうでなくても『レミ』が居る。
『店』に戻り、彼らに報告する必要はあるだろう。

106ココロ『RLP』:2016/02/07(日) 23:06:03
>>105(GM)

人には、ほっといてほしい時というのがある。
特に、自分より優位に立つ相手に対しては。

彼女には――慕ってくれる『夜の蝶』達がいるのだろう。
あるいは、ナイトくんが。慰めは、他ならぬ彼女の仲間――彼らがやること。

           ・・・・まして厳しい言葉など。
               ココロは最後まで、無言で。

「………………」

   ――♪
           ――♪

エアピアノの音。
レイク爺の声。

「あっ……」

「え、ええ。そうね。
 皆、結果を待っているはずだし……」

      クル

気を、取りなおそう。勝利の時間はこれからだ。
それに――優勝するなら、あと何度だって、勝って誰かを負けさせる。

     「……私だって。そうよ。
      私……絆の皆にも、報告しなくちゃあ……!」

        「あっ……黒子の皆さんも、お疲れ様……
           何というのかしら……これから先も、よろしくお願いね。」

       ペコ

ここまで世話になった『黒子の小人』達にも声を掛けて頭を下げる。
 
                            ・・・・建物の中へ戻ろう。

107『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/07(日) 23:19:02
>>106(ココロ)
『ナイトくん』と『艶美』には彼ら、彼女らの『仲間』が居る。
後の事はその『仲間』に任せればいいだろう。

そして、『ココロ』にも『仲間』がいる。
彼らに『勝利』を伝えて、今日のところは終わりとしよう。

『黒子』は『ココロ』の労いに無言で返す。
彼にとってはあくまで『職務』。労いなど必要ない、という事なのかもしれない。

 ……… ……… ……… ……… ………

そして、『ココロ』達は建物、『湖畔の店』へと帰っていく。

  「ん………どうだった?」

店に入ると、すぐさま『レミ』が声をかけてくる。
そして視線。『従業員』と、そして『絆』たちの視線が
一斉に『ココロ』に集まってくるのが分かる。

108ココロ『RLP』:2016/02/07(日) 23:29:14
>>107(GM)

「…………」

    キョロ   キョロ

仲間たちを――絆、よるのとばりの面々、黄金翁、そしてもう一人の自分。
彼らを見回すココロの顔は、喜色を隠しきれていない。

            ・・・・そして。


「……か、勝てました。」

その喜色は氷山の一角。
溢れ出す。

「私達……湖畔チームの、勝ち……!」

満面の笑み。
達成感。充足感。数え切れない。

言葉では表しきれない。
けれど、少しは整理できた。
だからこそ感情のままに――

     「皆のおかげで」

               「湖畔の勝ちだったわっ!!」

                            ・・・・ココロは喜ぶ。

109『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/07(日) 23:46:35
>>108(ココロ)
堂々たる『ココロ』の『勝利宣言』。

       ワアアアアァァァァ――――ッ

その言葉に場は一気に沸き立つ。

「よかったね。本当にね。
 まあ、この店なら、勝てると思っていたよ」

『レミ』は微笑む。

「……す、すごい……です……
  でも、この店、本当に、いいところ………」

  『アナザーココロ』も笑う。

「凄いじゃろッ 凄いじゃろッ!
 ワシらの店が一番じゃああ!!!」

    『レイク爺』が、改めて飛び跳ねる。

『……………よき、バショ、ジャ!』

         『黄金爺』の、厳かなコメント。

110『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2016/02/09(火) 03:05:19
>>108-109

           ニッ

……勝利の報を聞いて『ブレーメンの音楽隊』は、揃って笑った。
ロバがいななき、それを号令にして四匹が整列する。
そしてロバが大きく息を吸い……

     「『おお友よ、このような旋律ではない!』」

……節をつけて、叫ぶ。
ダメだし? いや、『この旋律は』。

     「『もっと心地よいものを歌おうではないか』」

     「『もっと喜びに満ち溢れるものを』」

ロバが低く唸るようなバスボイスで独唱する。
その独唱に続くように、残りの三匹が息を吸う。

     歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
   「『Freude, schoner Gotterfunken,』」

                天上楽園の乙女よ
              「『Tochter aus Elysium』」

  我々は火のように酔いしれて
 「『Wir betreten feuertrunken.』」

                  崇高な汝(歓喜)の聖所に入る
                 「『Himmlische, dein Heiligtum!』」

ロバがバス。
犬がテノール。
猫がアルト。
鶏がソプラノ。
四匹の動物によるアカペラ。四人の音楽隊によるオーケストラ。それで歌われる、この歌は。

      汝が魔力は再び結び合わせる
     「『Deine Zauber binden wieder,』」

                     時流が強く切り離したものを
                   「『Was die Mode streng geteilt;』」

      すべての人々は兄弟となる
   「『Alle Menschen werden Bruder,』」

                  汝の柔らかな翼が留まる所で
                 「『Wo dein sanfter Flugel weilt.』」

誰でも知ってる、有名な曲。
『ベートーヴェン交響曲第九番第四楽章』。その名を――――

    ひとりの友の友となるという
  「『Wem der grose Wurf gelungen,』」

                  大きな成功を勝ち取った者
               「『Eines Freundes Freund zu sein,』」

        心優しき妻を得た者は
    「『Wer ein holdes Weib errungen,』」

                    彼の歓声に声を合わせよ
                   「『Mische seinen Jubel ein!』」


――――――――『歓喜の歌』。

111『鈴付き小狐ストラップ』@鈴元涼:2016/02/09(火) 23:54:18
>>108-109

「うふふ。」

「うふふふふふふ。」

「えへへへへへへ。」

「あっはっはっはっはっは!」

子狐が笑う。高らかに。
ちりちりと鈴を鳴らしながら。
天高く笑う。

「咲いた咲いた。」

「花が咲いて思いが実った。」

「うふふ。あはは。」

愉快に笑う。
ただそれだけだった。

「おめでとう。」

112『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2016/02/09(火) 23:57:27
>>108-109
「…流石です、やりましたね!ココロさん!!」
大きな拍手をしながら、軍人フィギュアは嬉しそうに答える。

「これはみんなのおかげ…
 そして貴女自身の思いの力です。」

「だから、誇りとしてください。」

「私が望むとしたら…
 最高の思い出になればと」

「……そう思います!」

113ココロ『RLP』:2016/02/11(木) 02:46:41
>>109(GM)

「レミさん……皆さん。ありがとうございます。
  貴女たちが来てくれたから、お店が回った……
   私のお願いを聴いてくれて、本当に、ありがとうございました。」

短くなった髪。
いずれまた、元の長さに戻るけれど――
 
          ・・・・それでも今日のことは忘れない。

「……ありがとう。
 良いところになったのは貴女のピアノの……お陰だわ。」

        「素敵な、……素敵な演奏だった。」

もう一人の自分。
夢と現の――鏡写しの演奏会。

           ・・・・ココロは自信を持って讃えられる。

「レイク爺、私も……嬉しいわ。
  ……うふふ、同じことばかりでごめんなさい。」
 
          「黄金翁も……ありがとうございます。
            気に入ってもらえて……本当に、良かった。」

湖畔に憑いた存在と。
湖畔を愛する妖怪と。

彼らが誇るこの店はきっと、本当に――『良い場所』に違いないのだ。

            ――――そして。

114ココロ『RLP』:2016/02/11(木) 02:48:54

「よるのとばりのみなさん……
 それに、……ピアニストさん。」

     「本当に、ありがとうございました。
       ……いつか、お店に行ったら。よろしくお願いします。」

『西の能力』を、群衆たちを解除してもらう――なぜなら。
  
     それで、全員そろう。
     ココロの『絆』たち。

7人そろった絆の面々へと、向き直る。
彼らは本人じゃあないけれど――来てくれた心は、本物だ。
感謝の気持ちは……伝えきれないほど、大きいけれど、それを、少しでも。

>>110(板踏)

       ・・・ニコ

「……ありがとう。板踏さん。
 貴方が来てくれて、本当に驚いたけれど。」

     「今は。貴方が、貴方達が……いてくれることが。」

笑み返す。
彼らの賛辞への返答は――言葉だけではないべきだろう。

          _,.、.-―-.、., ♪
       、-''´       `'-.、,_
―--:‐''^ ´   ♪
                             ♪                 _,.、.-―-.、.,
                                            、-''´       `'-.、,_
                                       ―--:‐''^ ´

                 ――『伴奏』

音楽で報いてくれた彼らには。
ココロは音楽を以って、返礼する。

                       ――本当に、嬉しい。

>>111(鈴元)

音楽が終われば――次に、『鈴元』に、目を向けて。

「…………鈴元くん。
 ありがとう、私、貴方みたいに、上手に笑えないけれど――」

「けれど。」

   「……う、うふふ。
      あ、あは、あははは」

             「とっても、笑いたい気分よ。
               ふふ……ありがとう、ありがとうね。」

                   「……ふふ。」

さくらのように、美しく、儚くは……今はなれなくても。
ココロは――この戦いで、鈴元といっしょに、花を咲かせたのだ。

                  ・・・・そこには歓喜と感謝しかない。

115ココロ『RLP』:2016/02/11(木) 02:50:40
>>112(朱鷺宮)

笑いが、引いてきて。
寄せてくるのは拍手の音。

そして――『朱鷺宮』の拍手に、振り返る。
戦いの能力ゆえに、この勝負では雑用ばかり任せることになった。

            けれど。

「……ありがとう、朱鷺宮さん。
  心配しないで、私、絶対に忘れないわ。今日の事……」

      「どこへ行っても」

           「いつになっても……
             ずっと、素敵な思い出だわ。」


「……それに! 想い出だけじゃあない。これからだって。
  ……朱鷺宮さん、貴女の力は、この先でも借りることになるわ、きっと。」

          「……よろしく、お願いね。」

想いの量は、決して、変りはしない。
そして――戦いはこれからも続く。二回戦以降は、彼女の力も重要だろう。

               ・・・・改めて、絆を紡ぎ合おう。

そして――今は動かない、四人の絆。
ノイズで届かないとしても、それを掻き分けて、届く音でありたい。

>西

「西さん……貴女の能力が、なかったなら。
 そもそも勝負にもなっていなかったかもしれないわ。」

一番初めに、であった絆。
一番長い時間を過ごした絆。

「……ありがとう。
 西さん、貴女の『群衆』は――本当に、素敵な能力だわ。」

     「そんな能力を持つ、貴女も。」

前にあったときは、その恩恵を、拒絶したけれど。
今日分かった。群衆は冷たい力だけれど、こんなに今は、温かい。

『やさしいスタンドだったら、その人の心のどこか一つは、絶対にやさしいんだって』

>エリー

――いつかそう言ってくれた『絆』に、視線を向ける。

「ありがとう、エリー隊長……
 貴女が助けに来てくれて、凄く嬉しかった。
 貴女がいてくれると、私、勇気が湧いて来るの……
     だから……今は、ゆっくり休んでいてちょうだい。」

      (それに……貴女がいなければ。
        私、今みたいに、『RLP』に自信が持てなかった。)

黄金翁を呼び出した、エリーの能力。
幸運を引き寄せる妖怪が――あの『一票』を呼び寄せたならば。

       ・・・・そして。

>高天原

「高天原さん。」

勝利への立役者といえば――彼もその一人だろう。
能力ではなく、『料理』という道で。

「また会いたいって、思っていて……
 こんな形で会うとは、思わなかった、けれど……
 今日はありがとう。貴方はいつも、私に色んなことを、教えてくれる……」

「私も、教えるって、約束していたわよね。
 オススメの曲……後で、演奏するわ。
 あの時の約束……本当の貴方には、また、今度。」

最後に残った絆は。他の絆とは、場所が違う。

116ココロ『RLP』:2016/02/11(木) 02:53:43
>坂下

「坂下さん……」

ずっとこの戦いで、彼女はココロの腕に着けられたまま。
だからそこに、視線を向けて。

「今日は……本当に、ありがとう。
 貴女にも、凄く、助けれられて……
 いえ……そう、そうよね。お話は……また、今度。」

        「これは――『きっかけ』だものね。
           ……きっとまた会って、お話させて欲しい。」
 
      「けれど。」

彼女との物語は――
今ここにある、『腕時計の坂下との物語』は――――

「貴女に……腕時計の貴女に、
 ……小物として来てくれた、貴女に、ありがとう。」

        「……そうも、伝えたいわ。
          この先の勝負でも、よろしくね。」

>『絆』全員

そして絆全員に、向き直る。

「坂下さんだけじゃあないわ……
 皆、本当の、今どこかにいるみんなだけじゃないの。」

           「……今日の皆に、ありがとう。
               きっと。きっと、絶対、忘れない。」

             「そして……この先も。
                      最後の最後まで、よろしくお願いね。」


                           . . : :♪
.                         . : ∮ :
           . . . .          . : : : :
         . . : : : : :|ヽ: . .     . : : :#: :
       . : : r‐┐ : C|: : : : . . . :c/⌒: : :
     . : : : d d : : :   : :♭: : : :
   . :c/⌒: : : :        : : :
. : :♪: : : :
 : : :

                      ――この『演奏』を。
                          ココロの一番好きな曲を、絆へと捧ぐ。  

                            一回戦程度で、おおげさか?
                             それでもいい。それがココロの、気持ちだから。

117『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/12(金) 23:37:17
>>113-116(ココロ)
『ココロ』は本日、手助けしてくれた者に感謝の演奏を送る。
とりわけ感謝したいのは『絆』たちだろう。

『ブレーメン板踏』の炎調整、『鈴元狐』の花弁、
『朱鷺宮フィギュア』の助力に、『西キーホルダー』の群衆たち、
『高天原妖精』のメニュー、『エリーペン』の黄金爺
そして『坂下時計』の時刻表変更………

わずか『一票』という差を考えると、
どれが欠けても今日の『勝利』は成り立たなかった。
もちろんそれは、協力してくれた全ての者(絆)に言える事だろう。

「ふィ〜〜〜、ずいぶん長いコトかかった気がするのォ」

 『レイク爺』がピョンピョン跳ねる。

「じゃがあと二戦勝てば、もう『優勝』ッ!
  今回の『ココロちゃん』の手腕を見ればチョチョイのチョイじゃわいッ!」

実際にはそう容易い事ではないだろうが………
とりあえず明日に向けて今日は休んだ方がいいだろう。

      「チョチョイのチョイじゃわいッ!」

勝利に舞い上がる『レイク爺』と共に、『ココロ』は帰路に着く。

  こうして、ココロの『場所祭』第一日は幕を閉じた―――


                        → TO BE CONTINUED
                       (そして、『エピローグ』へ………)

118『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/12(金) 23:39:09
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
        グラマラス・ライフ
  最期まで芳醇な人生でいられる、ってあたし自身が信じなきゃ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
蝶の形をした『群体スタンド』。
『化粧品』や『美容道具』など様々な『美容用品』に擬態し、
対象にあわせて『着飾らせる』のが能力。

この蝶が対象の周囲を舞う事で、魔法のように『着飾らせる』事が出来る。
顔だけでなく露出している肌全てに『メイク』を行う事も可能な為、
『手の皴』なども十分に隠せる。

通常は『実体化』していないが、能力上、多くの者に見てもらう為、
『一般人に視認出来るかどうか』は、本体の任意にON・OFF可能である。

『グラマラス・ライフ』
破壊力:E スピード:B 射程距離:A
持続力:A 精密動作性:C(メイクはA) 成長性:完成

※『蝶』は普段は『ウィッグ』に『擬態』しており、薄くなった本体の髪を隠している。

<><><><><><><><><><><><><><><><><><><>

また、『繁華街』の小人の能力は、
『小さきもの』を『ゴージャス』に『輝かせる』事。
様々な色や輝度で、高精密に輝かせる事が出来る。

その能力に『実』は一切なく、ただただ見栄えばかりの『コケおどし』。
しかし、虚構に浸かった夜の街においては、
このような『虚栄』が『ピストル』よりも役に立つ事があるのだ。

119『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/12(金) 23:40:50
【艶美について】
 『小場艶子(おば つやこ)』は、今年で御年78歳であり、
 戦後まもなくから黄金で『水商売』をしていた。
 どうにも冴えない顔立ちと、生来の陰気な性格から
 仲間内から『お通夜』などと揶揄され、パッとしない毎日を送っていた。
 だが、ある日、艶子は『神通力』に目覚め、
 それを用いる事で華やかな『夜の蝶』へと文字通り変貌する。
 そのまま彼女はNO1となり、『黄金町』で店を持つほどの存在となった。
 ただ、自分が能力に頼った『偽者』であるという意識はずっと消えず、
 年をとるほどに余計にその意識は強くなっていった。
 特に飾り気の無い『若い綺麗な娘』に対しては強い『嫉妬心(ENVY)』を抱き続けていた。

【繁華街チームの基本戦略】
基本は『キャバクラ』のイメージ。
美しく話術は巧みだったが年齢により『NO1』を退いた
『熟練の女性』たちを集め、『グラマラス・ライフ』の『メイク技術』によって若く見せる事で、
『各世代のNO1の最盛期』を集めたような『ドリームチーム』を作っていた。
また、『グラマラス・ライフ』の『鱗粉』をまんべんなくフロアに散りばめておき、
その『鱗粉』に『ナイトくん』の能力を使用する事で、
『プロジェクトマッピング』のように床に『光で絵を描く』ような演出も行う。
(※『鱗粉』はスタンド物質であり、一般人には『干渉出来ない』というのがポイント。
  これにより客が歩いても『鱗粉』は留まったままで床に残り、
  『ディスプレイ』の役割をする『鱗粉』が崩れる事はなかった)。

以上、『グラマラス・ライフ』による『ドリーム・チーム』と、
    『繁華街の小人の能力』と『グラマラス・ライフ』の併せ技による、
    『フロア』の光の演出の二本柱が『繁華街チーム』の必勝法だった。

120『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/12(金) 23:43:16

……………………

………………

…………

……



そして、『湖畔』―――

佇む『ココロ』は『第一試合』の事をぼんやりと思い返していた。
『夜の店』を作る為に悪戦苦闘したあの『思い出』。


       そして、更に続いた『試合』たちの事………

121『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/12(金) 23:45:40
  <〜〜 『第二戦』 〜〜>

『倉庫街』にある無人の『闘技場』に、『ココロ』と『レイク爺』は招かれていた。
おそらく試合をやっていない時に『無断』で使わせてもらうという算段なのだろう。
(あるいは、賄賂的なものを『黒子』あたりが払っているのかもしれない)

 そして―――

『ココロ』達を待ち受けていたのは、
目だけが不相応にギラつくガリガリの男と、
サングラスをかけたこわもての『小人』だ。

     「…………」

先日の『ナイトくん』と打って変わって、
今回の『小人』はじっとこちらを見据えたまま、喋らない。
正直言って、怖い。このサイズなのに相当の威圧感を感じる。

「ヒヒ………ボクの名は、
   『逸母 路夢(いつも ろむ)』………
               『闘技場』の常連だよ………

   常連っていっても…ボクは『戦う』方じゃあなくて……
        『見る方』……だけどね……
            『観戦フリーク』………ってヤツだ。

       こっちは………『アウトさん』……っていうんだって………」

それなりの間が空いた後、
ガリガリの男が『小人』も含めて自己紹介をし始める。

『ロム』と名乗るこの男………
『代表』にはてっきり『闘技者』が出てくるのかと思ったが、『観戦者』。
しかもとうてい、『強そう』には見えない。
この『場所』のイメージのまま、『戦い』が今回の対戦方法ならば、
もしかすると、そう手強い相手ではないのかもしれない。


「ほっほっほ、今回の『倉庫街』は『ハズレ』かもしれんのォ〜〜」

 『レイク爺』が大きな声で『ココロ』に耳打ちする。

「大きな声では言えんが、『倉庫街』の小人らは
 世間からハグれたようなヤツとか、戦闘バカしかおらんのじゃよ!
  元々悪いヤツと闘技者が主に集まる場所じゃから当然とも言えるが………
   なにかっちゅうと暴力で解決! 会話とか説得がニガテなヤツが多くてのォ〜〜〜
    じゃから『説得』が上手くいかんで、とりあえず居ないよりマシって感じの
    よわっちいヤツが『代表』になる事も多いのじゃよ!」

つまり、眼前の男は倉庫街の小人にとっての『ハズレ』、
『レイク爺』の言う『よわっちいヤツ』、という事か。

「ヒヒ………聴こえてるよォ。
 まァ………いいけどね。ナメてくれる分にはさァ」

『ロム』が不気味に笑い、『アウトさん』のグラサンが光る。
その光景に『レイク爺』は慌てて『ココロ』の後ろに隠れた。

「………でもいいかい? ロムの経験上、
  闘技場では『相手をナメたヤツは大抵やられる』。
   ………今夜、噛ませ犬になるのは、キミかァ、ボクかァ」

『ロム』は『スマホ』を弄る。サイズの大きいそれには、
何かの『データ』がズラッと書いてあるように思えた。
それにプラスしているのは、おそらく『ココロ』のデータではないだろうか。

         「………ヒヒ、愉しみだなァ………」

『ロム』の不敵な笑みに、『ココロ』の背筋に冷たいものが走る。

確かにこの男自体は貧弱そうだが、ほぼ確実に『スタンド使い』。
そして、この自信―――何かおそるべき能力を秘めている可能性もある。
(申し訳ないが)『レイク爺』の言う事を鵜呑みにするわけにはいかないだろう。

122『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/12(金) 23:49:12
  <〜〜 『最終戦』 〜〜>

「言い忘れておったが、
  『絆』が動かないのは、『絆』の相手が忙しい以外に、
       もう一つ! 理由があるのじゃあぁああッ!」

                             『レイク爺』が叫ぶ。

『鈴元の狐』と『朱鷺宮の軍人』が動かない理由―――
『対戦相手』の姿を見た瞬間、『ココロ』はその理由に思い至る。

「あら! ココロさん!
      その節はどうもありがとうございます」

ゆるくカールがかった『長髪』。目は勝気な『つり目』。
学園の『ブレザー』を膝丈のワンピース風に改造していて、
『白いレース』の長手袋をしている。

『ココロ』には『彼女』と面識があった―――。
『彼女』が………『学園の代表』、決勝戦の対戦相手ッ!!

『絆が動かない』もう一つの理由とは、
 おそらくは『ココロより絆の深い相手と対峙した時』だろう。

「このたび、わたくしがこの『学園』の代表として
 試合をさせて頂くことになりましたの。どうぞお手柔らかに」

眼前に居るのはまごう事なく『彼女』に見える。
………しかし、どこか、『違和感』を感じる。


 すた すた
         すた すた すた

          「私が『教育』してあげたのですよッ!」


         バァーz________ ン !


と、そこに物陰から颯爽と現れたのは眼鏡をかけた一人の小人だ。

「私は『スコラ』。『スコラ先生』と呼んで頂いて構いません!」

 突然出現した『スコラ先生』と名乗る小人が堂々と宣言する。

「『教育』の成果はてき面ッ!
 部長を勤める彼女はもうすっかり私好みの『優等生』となりました!」

『スコラ先生』のその言葉に心酔しているかのように、『彼女』は深く頷く。
その様子も明らかに、おかしい。


    プルプル
               ブルブル

 ………気付くと、二つの『絆』が震えている。
    それが『困惑』なのか『怒り』なのかは分からないが―――
      『彼女』と近しい二つの『絆』が、現状をよしとしていないのは確かだ。

  二つの『絆』に助けられてきた『ココロ』には
   その震えを止めてやる義務があるだろう。
     すなわち、眼前の『対戦相手』に正々堂々打ち克ち、
         『彼女』の心を下らない『教育』から開放してやるのだ!

123『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/12(金) 23:51:08


  ………
         ………
                ………
                      ………

今思い返してみても、あの強豪たちにどうやって勝ったのか。
無我夢中で戦い抜いた記憶は、
泥のような眠りの中の一かけらの『夢』のようで、どこか『曖昧』だった。

 『勝った』―――
  しかし、とにかく『ココロ』は『勝った』のだ。

                それは紛れもない事実。


 今日は試合終了後の『翌日』。
  『レイク爺』がお礼を言いたいという事で『湖畔』に出向いてきたのだった。
  時刻は………夜。いつもなら『ココロ』が出歩く時間ではないのだが、
  『レイク爺』の強引な指定に、否応なく付き合わせられる形となった。

   ゴ ォ  ォ ォ ォ
                ぉ ぉぉ  ぉ ぉ


  そして―――『あの日』のように『レイク爺』は『湖』から這い出てきた。

      「待たせたのぉッ! 『レイク爺』じゃァ―――ッ!」

124ココロ『RLP』:2016/02/13(土) 00:01:27
>>123(GM)

  ………
         ………
                ………
                      ………

       湖面を眺める。

あの日と違い、時間は夜で。
ココロは――

  ゴ ォ  ォ ォ ォ
                ぉ ぉぉ  ぉ ぉ


             「――!」

レイク爺の、目を向ける。
湖から離れる事はない。『彼』が来るのを、待つ。

「いいえ、レイク爺……今来たところだわ。
 ……う、うふふ……あの時と、同じ。派手な登場ね。」

         「……」

              「……ありがとう、レイク爺。
                私も…貴方に、お礼を言いたいから。」

125『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/13(土) 00:09:33
>>124(ココロ)

「おお、そうかい!
  『ココロちゃん』。『水溜ココロちゃん!』」

昨日会ったばかりだというのに、『レイク爺』は再会に感激しているようだ。
おそらく昨日からの『祭り』の余韻がまだ身体に残っているのだろう。

「『湖畔』の為にがんばってくれてありがとのォ。
 おかげで一等賞になれた。『感無量』とはまさにこの事!
 出来たら、ずっとずっとここに遊びに来て欲しいとワシは思っちょる!」

  『レイク爺』はぴょんぴょんと跳ねる。

126ココロ『RLP』:2016/02/13(土) 00:18:36
>>125(GM)

「こちらこそ……貴女のおかげで、素敵な経験が出来た。
 私……今までより、少しだけ……自分に、自信が持てる気がする。」

         ニコ ・ ・ ・

ココロは穏やかに、微笑む。

  初めは、半ば乗せられての参加だった。

     ・・・今は違う。あの『場所祭り』は、とても尊い。


――そして。
湖畔。湖に映る月、星。草の匂い、風の音、虫の声。

  「うふふ……」

            「ええ、そのつもりよ。
             言われなくたって、私は。」

「湖畔が……この町の、この場所が、一番……大好きだから。」

『水溜 ココロ』は湖畔を愛する。
湖畔も、ココロを愛してくれている。

     (……ここで会った人には、いい人がたくさんいる。
       それに……これからは。ずっと。あの祭りのことを、思い出せる。)

                   (……私の一番、特別な場所。)

127『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/13(土) 00:36:42
>>126(ココロ)
『ココロ』は改めて『湖畔』への思いを吐露する。
夜の『湖畔』は昼間とはまた違う雰囲気だったが、
その存在、その全てが『場所祭り』での勝利を祝福しているように思えた。

「そうかそうか! ならよかったのォ!」

  『レイク爺』は『ココロ』の返答にぴょんぴょん喜ぶ。
   しかし、ふと何かを思いついてしまったようにその表情が曇り―――

 「ただのォ〜〜〜………
    オヌシのようなキレイで儚げなオナゴは、
   ちょっとした拍子にどこか遠いトコロに行っちゃう気もしとるのじゃよ、ワシは。
   ある日、突然会えなくなる。
    そんな日が急に訪れてしまう『不吉』な予感じゃァ………」

 『レイク爺』はしょんぼり肩を落とす。
   不思議な存在の不思議な『第六感』、という事だろうか。

  「ここで生まれたワシは『湖畔』のみならず、この『黄金町』の全てを愛しとる。
   それは『ココロちゃん』、オヌシもそうじゃろう。

   しかし、ニンゲン、『ぬきさきならない状況』に巻き込まれる事もある。じゃろ?」

そんな事が起こりえるのだろうか?
もしかすると『レイク爺』のただの取り越し苦労なのかもしれないが―――

128ココロ『RLP』:2016/02/13(土) 00:52:41
>>127(GM)

「…………あ、会えなく……なる?
 わ、私は……そんなことは、ないと思うわ……
 私はこの湖が……それに、ええ。皆がいる、黄金町が好き。」

          「…………だけれど。」

ココロはまだ――子供だ。
そうでなくても、世界という『海』の中で、全てを決められるわけではない。

「レイク爺、私は……そう、ね。
 もしかすると、親が引っ越すかもしれない。
 もしかすると、想像もつかないことが、あるかもしれない……」

           「………」

                ・・・ココロは湖面を眺める。

湖に映る夜空は――きっとどこから見ても、同じものだろう。
そう思うけれど、いつかこの町を離れる時が来たとしたら。

          「…………」

「……レイク爺、その時は。もし私がどこかに行ってしまったら。
  貴方が……皆が……ねえ、私のことを探して、追いかけてくれるかしら……?」

ココロは……湖面の星空を見ながら、笑う。
世の中、何があるかなんて、分からない。

スタンドを得たこと。
テレビと急流下り。
哀しい人形のスタンド。
得難い友を得たこと。
テロに巻き込まれたこと。
ミスコンで優勝したこと。
敵と戦ったこと。

     ・・・そして、昨日までのこと。

       「……う、うふふ、なんて。これが私の我儘。
          でも、もしそうじゃなくても……私、忘れないわ。」

               「どんなことがあっても、レイク爺。
                場所祭りの事、この町で、湖畔で過ごした時間。」

                                  「…………絶対に、忘れないもの。」

129『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/13(土) 01:07:26
>>128(ココロ)
「ふゥむ………」

『追いかけてきてくれるか』との問いに『レイク爺』の表情は曇る。

「ワシはここで生まれた『存在』じゃし、
 『湖畔』を、そして今はほかの『場所』の小人の代表である『場所長』じゃあ。
 残念ながらここを離れる事はできんかもしれんのォ。

  じゃが、『絆』は―――『ココロちゃん』といつでも繋がっておる!」

 そう言いながら『レイク爺』が差し出して来たのは、

  『腕時計』『狐のぬいぐるみ』『軍人のフィギュア』『群衆のキーホルダー』
  『パンダのボールペン』『音楽隊のぬいぐるみ』『雪の精霊人形』。

   いずれも『場所祭り』中、『ココロ』を支えてくれた大切な『絆』たちだ。

「『こやつら』だってそうじゃ!
  これから『こやつら』とは違う道を歩むかもしれん。
   しかしあの『祭』のさなか、『こやつら』とオヌシには『絆』があって、
    力をあわせてみんなで危機を乗り切った! それは紛れもない事実じゃ!

   ええか? 『絆』じゃよ!
    ココロちゃんのピアノだって『聴いてもらえる人』が居るからこそ輝くのじゃ。

     楽しい『演奏会』が始まってしまえば、誰が偉いなんて事はない。
             ただただ、『みんなで楽しむだけ』じゃ!

     どこに行っても、どんなに年を重ねても、その事だけは忘れんで欲しいのォぉ!」

  『レイク爺』は熱心に『ココロ』に訴えかけてくる。

    老人は『説教』が好きだ。それに『湖畔』が一位になった事で
     気分が高揚し、逆に情緒不安定になっているのかもしれない。

130ココロ『RLP』:2016/02/13(土) 01:17:50
>>129(GM)

「……そう、そうよね。いえ、いいの、わがままだもの――」

レイク爺と同じように、曇る表情。
だけれど、続く言葉に。
差し出された絆達に。

           ・・・暗い表情は、していられない。

      「絆……」

「楽しむ、だけ………………」

思うに――ココロは今まで、一人じゃあなかった。
一人きりでいられる生き物では無かった。

              ――『RLP』。

『友達が欲しい』と願って目覚めた力。
それがココロのはじまり。


「……ええ、忘れない。
 レイク爺、それに絆の皆も――いいえ。」

         「……これまでに出会った皆のこと。
           ……これまでに、私が見てきた物。」

ココロはこれから先、どんな道を歩んでいくのか――それは分からない。
ましてや、絆の面々や、レイク爺は。

       けれど。

「全部、私の大切な物として、心の中に残っている。
 ……いつまでも。いつまでも。だから私は……忘れない。」
 
           「これから、私がどう変わっても……
             ……心の中の皆が、好きでいてくれた私を、なくしたくない。」

                           ・・・ココロは、そう、強く頷く。

131『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/13(土) 01:28:59
>>130(ココロ)
「ウム……」

『ココロ』の言葉に、『レイク爺』は賛同するように、深く頷く。

「そうじゃ! これらは持っていくといいぞい。
 ワシが居ない以上、もちろん『能力』などは使えんが………
 それより『大事なもの』が詰まっているはずじゃの!」

 そんな言葉とともに『ココロ』は『絆たち』をプレゼントされる。
 他の者が見ればガラクタにしか思えないそれらだが、
 『ココロ』にとってはまったく違った価値を持っている事だろう。

  「なんだか湿っぽくなっちゃったが………
            見てみい、今宵は『星』が綺麗じゃ!
         難しい事はおいておいて、
                今夜くらいはともに見ようぞォ!」

        『第一試合』で『ココロ』が表現した『湖畔の星』。
             新たな道を照らすかのように、
            まるで『黄金』のように瞬いていた。

132ココロ『RLP』:2016/02/13(土) 01:35:02
>>131(GM)

「…………ありがとう。」

「ええ。能力なんて……関係ないわ。
 それより大事なことって、いくらでもある……」

            (……ありがとう。みんな。
              ……ありがとう、レイク爺。)

       ギュ

『絆』の小物たちを受け取るココロ。
これから何があろうとも。

     ・・・それを失う日は、きっと来ない。
         ココロは、そんな風に、生きていきたい。


「! ……ええ、そうよ、そうよね。
 せ、せっかく……家を、抜け出してきたんだもの。」

           ・・・
                 ・・・

       「うふふ……ねえ、レイク爺。
         この町って……素敵よね。
          あのお星さまにも、負けないくらいに。」

                       「……………私、やっぱり。
                         ねえ、レイク爺……私、ここが好き。」

                                       「きっと、ずっと――」

133『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/13(土) 01:51:33
>>132(ココロ)
星を見ながらも、『黄金町』への最大限の愛情を語る『ココロ』。
ここで生まれ育った彼女ならば、当たり前の事だろう。
この場所に憑く『レイク爺』にも、当然その気持ちはあるはずだ。

      本当にこの町には、『感謝』しかない。

   ………
           ………
                      ―――と、ここで。


「お!
           おおお!
                          おおおおおッ!

  で
      で

              で

                  で、で、でおった! でおったぞォ!

                  『エジャチシュヌシさま』じゃあああああ!」


    唐突に、『レイク爺』の叫び声が湖畔を響かせる。

           『エジャチシュヌシさま』。

確か、『第一試合』の際に『レイク爺』が口走っていた謎の単語だ。
流れ的におそらくは『湖畔の主』や『神様』的な意味ではないかと推察されるが………
 地にひれ伏す『レイク爺』を横目に、『ココロ』はその『エジャチシュヌシさま』とやらを観察する。


      『?』
                                   『!』


                  『 ! ? 』

 『あの影』
           『あの形』

                    恐竜みたいな『あのフォルム』は………

    『いた』
                       本当に、『いた』!


  そして、

               ( ぱ ち く り )


                  ―――『ココロ』と『それ』とで、目があった。


  ……… ………  ……… ………  ……… ……… ……… ………


      日本有数の汽水湖『H湖』は、北側は深く、南は遠浅。

         ウナギ、カキ、スッポンの養殖が盛んな他、

             マリンスポーツのメッカでもある。

       『湖畔』は、『H湖県立自然公園』にも指定されている。

       そして現在、『場所祭ランキング』―――『第一位』。



                                   『ある種の異能は場所に憑く』→『了』

134『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/13(土) 01:57:55
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
             ライト・プレイス   ライト・タイム
          ああ、『この町』! 輝かしき日々よ―――

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
どこからか綿毛にのってやってくる
『完全自立型』の無数の小人のスタンド。

憑依した『場所』ごとに『コミュニティ』を造り、
それぞれの『場所』独自の、『小さきもの』に作用する能力を持つ。

定着すると次第に『文化』のようなものを持ち始め、
各々の『場所同士』で交流したり、張り合ったりもし始める。
普段は無用な諍いを避ける為、
まず人目にはつかないところに棲息している(例外もある)。

『ライト・プレイス・ライト・タイム』
破壊力:D スピード:C 射程距離:町
持続力:A 精密動作性:C 成長性:A

本体は不明だが、町に愛着を持って死んだ者か、
あるいは『場所』そのものなのかもしれない。
いずれにせよ、今現在、彼らは誰かに操られる事なく『完全自立』している。

当ミッションで開かれた『場所祭ランキング』はあくまで
この『小人たち』が勝手に行っている『格付け』である。
いうなれば『野良猫』たちが『猫会議』でそれぞれの住処のランキングを決めたようなもので、
このランクが人間世界や環境に影響を及ぼす事は一切ない事をここに宣言しておく。

135『ある種の異能は場所に憑く』:2016/02/13(土) 02:06:51
『ココロ』の元に『中古のピアノ』を買い戻したいとの話が来たのは、
『第一試合後』すぐだった。なんでも『ピアノ教室をやっていた祖母の形見』とかで、
孫が気づかないうちに売られてしまったのだという。
孫は『資産家』で、金に糸目をつけずに『ピアノ』を再購入してくれた。

そんなわけで『ココロ』は結果的に当初より少し『お金持ち』になれた。

ニヤニヤと事の顛末を見ていた『黄金爺』は
この後ほどなくして、『エリーペン』の解除と共にオサラバとなった。

                    →最終的に元々の所持金+『20万円GET!』
                   そして、『数え切れないほどの絆もまた、GET!』


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