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('A`)はドクトラセブンのようです
1
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 13:30:00 ID:2b9l/F6s0
第一話『侵略〇―チューバ―』
地球は狙われている
今、宇宙に漂う幾千の星から
恐るべき侵略の魔の手が
( ^Д^)「はーい!地球のお猿さんたち!」
( ^Д^)「話題の〇―チューバ―、プギャー星人だよ!」
( ^Д^)「今日も地球侵略のための動画をうpするぜ!」
( ^Д^)「というわけで今話題のゲーム、チェーン・ソウ・デスマッチPC版やっていきたいと思います。」
このチェーン・ソウ・デスマッチとは非対称対戦ホラーゲームである。
一般市民4人犯罪者1人に分かれ、一般市民は時間内にマップから脱出、犯罪者は逃げられないように一般市民を痛めつけて捕まえるゲームだ。
322
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:22:21 ID:6keEnkms0
( `ー´)「おいドクトラセブン、だいぶ地球人にジロジロ見られてるぞ。」
一般人A「奥さん見てアレ。ドクトラセブンじゃないの?」
一般人B「本当だわ。宇宙人も買い物するのね。」
ヒソヒソ
一般人C「お、ドクトラセブンじゃん、写真とっとこ。」
カシャッ
( `ー´)「マナーがなってないなここの連中は。そこから教育してやれよ。」
('A`)「おかしいな、いつもはこんなに見られることなかったのに。」
それはそうだ。ドクトラセブンのまま買い物していれば注目を浴びる。
レジ店員「当店のポイントカードはお持ちですか?」
('A`)「ああはい、あります。」
どこからともなく財布を取り出しカードを渡す。
レジ店員(ウチのカード持ってるんだ、まさか常連?)
レジ店員(というかどこから財布出した?)
謎の空間からとモノを取り出すのはよくあることだ。
323
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:22:42 ID:6keEnkms0
買い物を済ませてまた宇宙船へと向かう。
適当に塩をまき、それっぽくお経を唱える。
ところどころに盛り塩をしておく。
('A`)「フーッ、これだけやれば被害者の怒りもおさまるだろう。」
( `ー´)「しっかり成仏してくれよ。」
一応様子を見るため少し滞在する。
船内にあるネーノ茶を飲みながら雑談。
( `ー´)「どうなん、地球防衛の仕事は?」
('A`)「結構手慣れてきた感じかな。俺にかかればこんなもんよ。」
( `ー´)「へー。」
('A`)「ネーノはどうよ。」
( `ー´)「最近はどこも規制が厳しくてね。なかなか残虐なことできないぜ。」
('A`)「おいおい、お前も残虐行為やってんじゃないかよ。」
( `ー´)「いっけねー。」
('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」
盛り上がっているところで異変が起きた。
少しずつ盛り塩が勝手に動き出したのだ。
('A`)「あ……」
ズズズズズ……
音を立てながらゆっくりと何か文字になっていく。
『この恨みはらさでおくべきか』
('A`;)(;`ー´)「……。」
('A`;)д(;`ー´)
('A`;)川д川(;`ー´)「!!!」
(;`ー´)「ワーーープ!!」
すぐさま腕時計のボタンを押す。
一瞬にして地球へとワープするネーノ星人。
324
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:23:40 ID:6keEnkms0
('A`;)川д川
(;'A`)川д川
(;'∀`)「あ、どうも。」
(;'∀`)川д川「……。」
(゚A゚)人「ドクトラワーーープ!!」
ドクトラワープとはドクトラセブンの必殺ワープだ。
両手を合わせて念じることで一瞬にして遠くへとワープできるのだ。
ただし、エネルギーを激しく消耗するので多用はできない。
(;゚A゚)「はぁはぁ…」
( `ー´)「どう?倒してきた?」
(;゚A゚)「倒してきた?じゃねぇぇぇ!!」
(;゚A゚)「俺を置いていくなよ!!」
( `ー´)「そこは天下無敵のドクトラセブン様に頑張ってもらおうと思って。」
(;'A`)「本当に出し抜きとかやめよう。」
( `ー´)「でも困った。めっちゃ怒ってる。」
( `ー´)「この星で頼りになる奴おらんの?」
('A`)「ヴィプトラ警備隊以外の連中で頼れそうなやつといえば……」
('A`)「あいつがいたな。」
325
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:24:13 ID:6keEnkms0
ちゃぶ台を囲みながらお茶を飲む三人。
('A`)「今度からほうじ茶置いてくれよ。」
( `ー´)「お茶ならジャスミン茶がよかったな。」
≫(‘♀’)≪ 「来るなり文句とはいい度胸してるじゃないか君ら。」
( `ー´)「しかし、チョウチンアンコウ星人の生き残りがいるとは驚いたね。」
( `ー´)「てっきり絶滅したもんだと思ったぞ。」
≫(‘♀’)≪ 「それでどうしたんだい?」
('A`)「かれこれしかじかで。」
≫(‘♀’)≪ 「それは私に言われてもどうしよもないよ。」
( `ー´)「そこを何とか。同じ宇宙人同士じゃないか。」
( `ー´)「手伝ってくれないならチョウチンアンコウ星を滅ぼすぞ!」
( `ー´)「ってもうないんだった。」
('A`)「おいおい、ブラックなジョークはやめてやれよ。」
('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」
≫(‘♀’)≪ 「……。」
≫(‘♀’)≪ 「正直、事故だというのは嘘だと私は思っている。」
(;`ー´)「ちょ…本当だよ信じてくれよ。」
('A`)「おいおい人さんよぉ、長旅で信じる心を忘れちまったのか?他人を信じること、それが大切なのだよ。」
≫(-♀-)≪ 「君がそう言うなら私はこれ以上は何も言わないよ。」
≫(‘♀’)≪ 「幽霊で困っているというなら、専門である寺とかに行ったらどうだい。」
('A`)「流石は人さん、ナイスアイディア!」
( `ー´)「よくやった絶滅危惧種!せいぜい長生きして絶滅を長引かせろよ。」
( `ー´)「それじゃ寺に行こうぜドクトラセブン。」
326
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:24:36 ID:6keEnkms0
適当な寺を見つけて坊さんに泣きつく。
( `ー´)「―――っていうことなんだよ助けてくれ坊さん。」
('A`)「相手は宇宙人だが信じてください。」
お坊さん「いや……ドクトラセブンが言うなら信じましょうか。」
お坊さん「しかし、ネーノ星人さん。あなたはかなりの恨みを買ったようですね。」
お坊さん「こんなに禍々しい怨念は初めてですよ。」
(;`ー´)「……。」
お坊さん「一番大切なのは心の底からの謝罪です。誠心誠意謝ることが許されることでは必要ですよ。」
(;`ー´)「何度も心の底から謝っているのだがな。」
お坊さん「……。」
お坊さん「いいでしょう。ではこのお札を宇宙船の中に貼りなさい。」
お坊さん「あなたのことを守ってくれるでしょう。」
( `ー´)「話が早いな坊さん、ありがとよ。」
('A`)「ご協力感謝です。では。」
お札を受け取るなり颯爽と飛び出していく二人。
お坊さん(正直あれ程の恨み,お札で封じ込めるか)
お坊さん(何をしたのか知りませんがこの世は因果応報ですよ)
327
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:24:59 ID:6keEnkms0
宇宙船に着くなり素早くお札を張り付ける。
( `ー´)「よし、これであいつも成仏したんかな?」
('A`)「安らかに眠り給え。」
( `ー´)「お前は運が悪かったんだよ。恨むなら自分の運命を恨め。」
('A`)「まあこれで解決ってわけか。」
( `ー´)「いや本当助かった。呪い殺されるんじゃないかと思ったからな。」
('A`)「これからは今までの行いを悔いて生きて行けよ。」
( `ー´)「坊さんにでもなるかな。そうすりゃ自分で除霊もできるし。」
('A`)「コラァ!反省が見られないぞ!」
( `ー´)「おっとこりゃ失礼。」
('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」
無事事件も解決したし最後は笑って締めよう。
そう思って馬鹿笑いしている時だった。
突然バリバリッと音を立ててお札が破け飛んだ。
('∀`)( `∀´)「!!!」
('A`)川д( `ー´)
('A`;)川д川(;`ー´)
(゚A゚)人(;`ー´)「ワーーープ!!」
二人してワープする。
328
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:25:27 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「あのクソ坊主!!効果ねぇ札なんて渡しやがって許さねぇぞ!!」
(;゚A゚)「お前ー!!また置いてこうとしたろ!!」
( `ー´)「いや時間稼ぎになるかなって。」
(;゚A゚)「あんなのと戦えるか―!!!」
( `ー´)「落ち着けよ。次の作戦を考えないと。」
(;゚A゚)「はぁはぁ…」
('A`)「しかし坊さんの札でもダメとなるとな。」
二人して次の作戦を考えている最中、後ろの方で空間がゆがむ気配がした。
('A`)д( `ー´)
('A`;)川д川(;`ー´)
(;`ー´)「嘘だろ!!!なんで???」
川д川9m「オ…オボエタ……」
ドクトラセブンを指さす。
(;'A`)「ハハ……嘘やん……」
死んでから成長するって嘘でしょ。
あの技習得するのにすごく苦労したんだよ?
そんな見よう見まねで出来る普通?
(;'A`)「死んでからも技を習得するなんて勉強熱心ですねー。」
後ずさりしながらなんとか時間を稼ごう。
(;`ー´)「流石は社畜の星ですね。国民性がはっきりわかるよ。」
川д川「……。」
返事をすることなくゆっくり近づいてくる。
もう漏らしそう。
329
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:26:38 ID:6keEnkms0
そんな時にこの地球で教えてもらった技のことを思い出した。
ブーン直伝の技だ。
『( ^ω^)「いいかドクオ。これはピンチに陥った時の一発逆転の技だ。」』
『( ^ω^)「俺もこの技で何度命を救われたか。ここぞという場面で使うんだぞ。」』
('A`)(あの技しかない)
(;'A`)(しかし、失敗したら死を意味する)
('A`)(だがこの窮地を脱すにはこの技しかない)
覚悟を決めたドクトラセブン。新技を繰り出す。
空高く飛び体をひねりながら高速回転をする。
幽霊の目の前に着地すると両膝と手を地面につけ、額も地面にこすりつける。
これがブーン直伝のジャンピング土下座。
『( ^ω^)「いや本当これが決まると、どんなことでもかあちゃんに許してもらえるんだ。」』
これは決まったろ。
('A`)「すみませんでしたぁ!!許してくださいィ!!」
('A`)「そもそも僕は何もしていないでしょう!」
('A`)「だから僕の命だけはどうか助けてぇ!!」
('A`)「何でもしますからぁ!!」
必死の命乞い。
どうだ、これなら許すしかないだろ?
ちらりと幽霊の顔を見上げる。
川д゚川
あっダメだこれ。
殺意満々な目で睨みつけてくる。
(((((;'A`)))))
震えが止まらない。ついでに失禁してた。
身体って不思議だ。追い込まれたときは勝手に震えて漏らしちゃうんだもん。
330
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:27:05 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「あ、テメー!」
( `ー´)(いやでもこれが地球の謝罪の仕方か?)
( `ー´)(俺もやるしかねぇ)
滑り込みながら土下座するネーノ星人。
( `ー´)「ごめんなさい許してください!!」
( `ー´)「なかなか死ねなくなる薬を投与して一週間ほど拷問してすみませんでした!!」
(;'A`)「?!」
( `ー´)「苦しみ悶えるあなたの顔をオカズに飯を食べてごめんなさい!!」
( `ー´)「拷問でグロテスクな顔になったあなたを罵倒してすみません!!」
( `ー´)「あなたの家族も同じ目に合わせてやると言ってごめんなさい!!そんなことしませんから!!」
( `ー´)「地球も滅ぼすとか言いましたが諦めます!!」
(;'A`)「おまえ……」
(;`ー´)「ホントごめんなさい、許してくださいぃぃ!!」
(;`ー´)「地球の子供だって小さい昆虫を殺して遊んだりするだろ。あれと同じだって!」
(;`ー´)「舐めろというなら靴でも舐めますからぁ!!あ、幽霊は足ないんでしたね。」
(;`ー´)「お願い殺さないでぇ!!」
( `ー´)(これだけ謝れば許してくれるだろう)
チラリと顔を上げる。
川д゚川
あ、めっちゃ怒ってる無理だこれ。
ジョーっという音とともに失禁。
331
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:27:30 ID:6keEnkms0
川д川「グルルルル……」
( `ー´)(これ死んだ)
もうネーノ星人が諦めたその時だった。
(;'A`)「待つんだ!」
幽霊とネーノ星人の間に割って入るドクトラセブン。
(;'A`)「君がこいつを呪い殺してはダメだ。」
(;'A`)「確かにこいつは君に何をされても文句は言えないことをした。」
(;'A`)「でもだからといって殺してしまっては君の清い魂が汚れてしまう。」
('A`)「君は清い魂のまま天国に行くべきだ。」
('A`)「こいつは宇宙連盟が責任をもって裁くよ。」
(;`ー´)「はい。宇宙連盟で罪を裁かれてきます!!だからお願い助けて!!」
川д゚川
(;'A`)「あ、お気に召さないのであれば彼のことは好きにしていいです。」
(;`ー´)「おいドクトラセブン、テメー!!」
(;`ー´)「ヤるならこいつも一緒にヤれ!!」
(;'A`)「やめてぇえぇぇ!!」
もう一度失禁。
すごい。まだ出るんだ。
川д川「……。」
幽霊がおれに微笑んだ気がした。
(;'A`)「?!」
スーッと天に召されるような感じで消えていく幽霊。
どうやら俺の思いが通じたようだ。
332
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:27:52 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「助かったのか?」
(;'A`)「たぶん。」
その後、宇宙船にワープして船が動くかどうか確認した。
( `ー´)「よかったすべてのシステムが動いてる。」
('A`)「そうかよかった。自分一人で宇宙連盟の本拠地まで行けるな。」
( `ー´)「ああ、そこですべてを話して罰を受けてくるよ。」
('A`)「外に出れるのはいつになるかわからないが、しっかり懺悔して来いよ。」
( `ー´)「ありがとうドクトラセブン。お前のおかげで自分のしてきたことの恐ろしさに気づけたよ。」
('A`)「では俺は帰るが、お前が生まれ変われることを願っているよ。」
そう言い残してワープしていくドクトラセブン。
( `ー´)「さて俺も行かなくてはな。」
( `ー´)「地球、なんて恐ろしい星なんだろうか。」
( `ー´)「早く立ち去ろう。」
そう呟きながら宇宙船を動かす。
残虐非道のネーノ星人も、さすがに恐ろしい出来事の後で心を入れ替えることができたのだろうか。
333
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:28:14 ID:6keEnkms0
('A`)「いやー、また助けを求める弱き者を助けてしまった。」
≫(‘♀’)≪ 「自画自賛では?」
('A`)「いやいや、これがおれの実力さ。」
ズズズ
差し出されたお茶をすする。
('A`)「やっぱりお茶はほうじ茶だな。」
≫(‘♀’)≪ 「しかし、無事解決したのならなんでまたウチに来たんだい?」
('A`)「だってもうすぐデレさん帰ってくるだろ。」
≫(#‘♀’)≪ 「あぁ?」
(*'A`)「週末にデートに誘うかなと。」
≫(#‘♀’)≪ 「ハッ、残念だったな今度の週末はデレさんと映画に見に行くのさ。」
(;'A`)「な!」
(#'A`)「そんな馬鹿なことがあるか!!嘘だと言え!!」
≫(‘♀’)≪ 「残念だなぁ。これが現実なのだよ。」
<(;'A`)>「そんなの嘘だぁあぁ!」
≫(‘♀’)≪ 「ハーッハッハッハ!」
334
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:28:50 ID:6keEnkms0
(;'A`)「そんなこんな魚野郎と二人でデートだなんて……。」
≫(;‘♀’)≪ 「まあ二人っきりじゃないんだがな……。」
≫(;‘♀’)≪ 「佐藤君も一緒だ。」
('A`)「それで何時にどこ集合かな?」
≫(;‘♀’)≪ 「君も来るつもりか。」
('∀`)「映画はみんなで楽しく見ようや。」
かわいそうな犠牲者が出たのは悲しいことだが、無事説得もできたし悪い奴も改心させることもできた。
相手を倒すだけがヒーローの仕事じゃないんだ。
地球人も宇宙人も変われる。それがきっと大切なんだ。
≫(‘♀’)≪ 「所で風呂に入ってくれないか。」
('A`)「?」
≫(‘♀’)≪ 「ションベン臭くてたまらん。」
(;'A`)「……」
≫(‘♀’)≪ 「気になってたんだがその体でどうやって排泄するんだ。」
('A`)「そんなんこうやってこうや。」
≫(゚♀゚)≪
見てはいけないものを見た。そんな気がした人であった。
335
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:29:12 ID:6keEnkms0
( `ー´)「だいぶ地球から離れたな。」
( `ー´)「……。」
(#`ー´)「ちぃ、地球人ごときがこの俺様をあんなにも恐怖に叩き落すとは……」
(#`ー´)「絶対に許さん!!」
( `ー´)「宇宙連盟の本拠地?誰がそんなところに行くか!!」
( `ー´)「ネーノ星に帰って艦隊を連れて地球を攻撃してやる!」
( `ー´)「待っていろ地球人、地獄がどんなものか見せてやる!!」
(#`ー´)「あのクソ女の家族にはたっぷりと仕返ししてやるからな!!」
( `ー´)「フフフ!」
( `∀´)「アハハハハハハ!!」
川( `∀´)
川д( `∀´)
川д゚(;`∀´)
数日後、無人の宇宙船が発見された。
第十一話『この恨み』
終わり
336
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 12:29:58 ID:6keEnkms0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
337
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 15:35:34 ID:pDmNRpp60
乙!
ネーノざまぁ
338
:
名無しさん
:2018/09/28(金) 15:40:40 ID:3V9eJkDQ0
乙!
なんだかんだ地球が強い
339
:
名無しさん
:2018/09/29(土) 02:55:42 ID:74ChCoUY0
ネーノざまぁ
苦しみ抜いてし、ね
340
:
名無しさん
:2018/09/29(土) 10:46:55 ID:r5p/GYNY0
最強兵器貞子
341
:
名無しさん
:2018/10/17(水) 18:11:55 ID:i2iryNdI0
おい!ヴィプトラ警備隊なにしてるんだ。このままじゃ、地球が宇宙人に征服されちゃうだろ!!!
342
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:18:12 ID:7UyEXeOI0
すみません、最近サボってました。
これから投下します。
343
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:18:42 ID:7UyEXeOI0
第十二話『ペテン師』
( ^ω^)「そういえば隊長、もうすぐ新型兵器のコンペ大会ですね。」
爪'ー`)「そういえばもうそんな時期か。」
ヴィプトラ警備隊では年一回新型兵器のコンペ大会をやっている。
そこで勝ち抜いたものがヴィプトラ警備隊の装備品として支給されるようになる。
そして未完成でも見込みありと見られれば金銭的な支援などが得られるのだ。
だが逆に言えば見込みがないと判断されれば支援は切られてしまう。
(,,゚Д゚)「去年見た感じだとバルケン博士の生物兵器が今年は来るんではないですかね。」
( ^ω^)「あー、あのライオンをベースにした生物兵器を作った博士か。確かにすさまじい戦闘力だったな。」
爪'ー`)「いやどうかなあの兵器は。」
(,,゚Д゚)「隊長はあまり評価してないみたいですね。」
爪'ー`)「我々が求めるのは戦闘力のみじゃないぞ。去年は途中で暴走して危うく大惨事直前だったじゃないか。」
(,,゚Д゚)「そこを改善して乗り越えてくるのが科学者というのもじゃないですか。」
爪'ー`)「正直、生物兵器は根本的に間違ってると思うぞ。」
344
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:19:15 ID:7UyEXeOI0
_
( ゚∀゚)「俺はアサピー博士のロボット兵器に期待したいな。」
( ^ω^)「あの首だけしかなかったやつか?おしゃべりの相手が欲しいわけじゃないんだぜ俺たちは。」
_
( ゚∀゚)「待て待てギコ。確かに去年は首だけのロボットだったが、まるで人間としゃべっているかのようなAIを完成させていたじゃないか。」
(,,゚Д゚)「確かに人間のようにしゃべっていたが、もう少し品格とか言葉使いとかどうにかしてもらいたかったがな。」
爪'ー`)「まさかステージ上から喧嘩売られるとは思わなかったよ。ホント誰かさんみたいで怖かった。」
去年参加していた四人は同時に一人の人物を見つめた。
ξ゚⊿゚)ξ「おん?どうしたお前ら?そんなに私を見つめて。」
_
( ゚∀゚)「少なくともアップデートしてまともなAIにさえしてボディも完成すれば、これから先の宇宙人との戦闘ではロボットがやってくれるわけですから。」
爪'ー`)「そうなればいよいよ我々はロボットにとって代わられるわけだな。」
_
(;゚∀゚)「危険な仕事が減るのはいいことではないですか。」
ξ゚⊿゚)ξ「リストラするなら老害たちから頼むぜ!」
_
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)(リストラ筆頭はお前だよ)
('A`)「しかしそんなにすごいロボットがこの地球で作られているのか?」
_
( ゚∀゚)「ああ、ドクオは去年いなかったもんな。ちょうどその時の動画があるから見てみるか。」
そう言ってジョルジョが動画を流す。
345
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:19:53 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「それでは皆さんに見ていただきたいのがこちらの『メタリックレモナ』です。」
ステージ上で自己紹介を済ませてアサピー博士が机の上にかけられた布をとると、首から上のみの女型のロボットが置かれていた。
(-@∀@)「さあメタリックレモナ、皆さんにあいさつしてごらん。」
|゚ノ ^∀^)「おうテメーら、人の顔をじろじろ見てんじゃねーよ。」
口を開けばみなが期待した感情がなく丁寧な言葉でのあいさつではなく、人間らしいすらすらした喋りで汚い言葉を話し始めた。
|゚ノ ^∀^)「見せ物じゃねーんだよ!!」
(;-@∀@)「あー、メタリックレモナさん自己紹介しようか。」
|゚ノ ^∀^)「ああ、すまんそうだな。」
|゚ノ ^∀^)「あぁん?」
|゚ノ ^∀^)「おい!!そこのおっさんなにガンくれてんだよ!!」
346
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:20:19 ID:7UyEXeOI0
|゚ノ ^∀^)「そこのデブの隣のテメーだよ!!えっ俺?みたいな仕草をしたお前だよ!!」
|゚ノ ^∀^)「喧嘩売ってんなら相手してやんぞ!!」
爪;'ー`)「いや、ただ普通に見てただけなんだが……。」
|゚ノ ^∀^)「どうしたかかって来いよ!テメー玉無し野郎か?」
爪;'ー`)「一応おれそれなりの地位の人間なんだが。ちょっとこれはまずいんじゃないか?」
|゚ノ ^∀^)「来ねーならこっちから行くぞ!そこの席だな!待ってろや!」
爪;'ー`)「その状態でか?」
(;-@∀@)「落ち着こうな。メタリックレモナ。」
|゚ノ ^∀^)「私はやると言ったらやるぞ!ぶちのめしてやる!」
(;-@∀@)「とりあえずおじさん謝って。」
爪;'ー`)「え?」
(;-@∀@)「こうなっちゃうと収まり効かないからさ。お願いしますよ。」
とんでもない話ではあるがここは大人になってやるか。そう思ったフォックスは軽く「すまなかった。」と頭を下げた。
|゚ノ ^∀^)「テメーは謝り方も知らねえのかよ!頭を地面にこすりつけろよ!」
(;-@∀@)「ああ!ちょっとレモナ待って!!」
そんな感じでろくに研究成果の発表もできぬままアサピー博士の発表は中断された。
347
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:20:55 ID:7UyEXeOI0
(;'A`)「確かにAIのレベルは人間に近いようだがこれはちょっと……。」
爪'ー`)「今思い出してもよくあの内容で資金援助が受けられたものだ。」
_
( ゚∀゚)「完璧な自我を持っていましたからね。自分で考えて動くこと。これが新型兵器は重要とされることですよ。」
( ^ω^)「でもあんな知能のロボット兵器が配備されても困るぜ。」
ξ゚⊿゚)ξ「そう?面白そうなやつじゃん。」
_
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)(お前みたいのがこれ以上増えてたまるか)
(,,゚Д゚)「でもアサピー博士と言えば中々な苦労人だよな。確か去年のコンペ大会前日に奥さんを事故で亡くしてるんだっけ。」
_
( ゚∀゚)「そこら辺のエピソードも応援したくなるんだよな。」
('A`)「おいおいマジかよ。そんな状況でよくやったなこんなこと。」
_
( ゚∀゚)「アサピー博士、親は脳科学の世界的な研究者。博士自体も最初は脳と機械を直接繋げる研究を行うが突如としてロボット工学の道へ。」
_
( ゚∀゚)「そこでは今まで磨いてきた脳の知識を生かし、人間に近いAIを持ったロボット兵器の開発に挑んでいた。」
_
( ゚∀゚)「やっと形になった製品披露の前日に最愛の妻が自動車事故で端から川に転落。かなり深い河のせいで奥さんの死体は発見できなかったそうだ。」
348
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:21:21 ID:7UyEXeOI0
_
( ゚∀゚)「自分と息子を残して逝ってしまったが、挫けることなく今も兵器開発に尽力を尽くしている。」
_
( ゚∀゚)「まさに科学者の鏡ですよ。」
( ^ω^)「うーん、ただたんに研究にとりつかれているだけじゃないのか?」
('A`)「科学者によくありがちな自分の研究第一野郎ってことか。おっそろしいったらありゃしない。」
_
( ゚∀゚)「何言ってんだ二人とも。あのメタリックレモナは奥さんのレモナさんをモデルにして作られたんだぞ。それだけ愛した人なんだ。」
爪'ー`)「まあともかくだ。上の方から有力候補の博士護衛の仕事が回ってきている。下手したら侵略者たちに狙われるかもしれんからな。」
爪'ー`)「アサピー博士はドクオとジョルジョ、バルケン博士はブーンとギコが護衛してくれ。」
_
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)「了解!」
ξ゚⊿゚)ξ「私もどこか遊び行きたいんだけど。」
爪'ー`)「それならVIP研究所で変身ベルトの研究をしているそうだからそこの警備を頼む。」
ξ゚⊿゚)ξ「よし来た任せろ!」
各自がそれぞれの護衛場所へと向かった。
349
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:21:46 ID:7UyEXeOI0
( ,'3 )「どうぞブーン隊員とギコ隊員。ここが私の研究施設だ。」
バルケン博士の研究所に入っていく二人。
(,,゚Д゚)「博士の研究は去年見させていただきいましたが、生物兵器とはすごいですよ。」
( ^ω^)「ライオンのあれは分厚い鋼鉄を豆腐のように切り刻んでいましたからね。」
( ,'3 )「お世辞はよしてくれ。結局前回は制御が利かなくなり暴走し始めてしまった。」
(,,゚Д゚)「でも今回はもうそれを克服したんじゃないですか?」
( ,'3 )「ああ。今回のは完ぺきだ。」
( ^ω^)「おお、それはぜひ拝見させていただきたいですね。」
( ,'3 )「それは困るな。情報というものはどこから漏れるかわからないからな。」
( ^ω^)「博士は我々を信用していないのですか?!」
( ,'3 )「私は今回で勝ち抜かねば次がないのだよ。だから絶対に勝たなけれならない。だから悪いが何も教えられないし見せることもない。」
( ^ω^)「そんな……。」
( ,'3 )「まあベースの生物くらいは教えてやろう。ヒグマだ。」
( ^ω^)「おお、ヒグマですか。」
( ,'3 )「そうだ。だがそれ以上は何も言わんからな。私は奴に何としても勝たなければならない。あんなロボットになんぞ負けてたまるか!」
(,,゚Д゚)「アサピー博士のことですか?」
( ,'3 )「私は長年この研究に人生を費やしてきたのだ。あんな新参者に軽く持っていかれてたまるか!」
どうやらバルケン博士はアサピー博士に対抗意識を燃やしているようだ。
350
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:22:20 ID:7UyEXeOI0
('A`)「こんにちはアサピー博士。ヴィプトラ警備隊のドクオとジョルジョです。博士の護衛に参りました。」
博士の家の呼び鈴を鳴らし声をかける。
ほどなくしてアサピー博士が出てきた。
(-@∀@)「待っていましたよお二人とも。どうぞ中へ。」
自宅を改装して自宅兼研究施設にしているようで、リビングでは息子のぃょぅがTVゲームをしていた。
(-@∀@)「ほらぃょぅ、二人にあいさつして。」
(=゚ω゚)「その守り方はダメでしょ。はい、ヘッショいただき!」
小学校低学年ほどの少年はヘッドホンをしてゲームに夢中のようであった。
(-@∀@)「まったくこの子は。すみませんね、ゲームに夢中になるといつもこうで。」
('A`)「はは、楽しんでいるならいいじゃないですか。」
_
( ゚∀゚)「いやぁでも光栄だな。あのアサピー博士とお話しできるなんて。」
(-@∀@)「光栄だなんて、僕なんてまだ大したことない科学者ですよ。」
リビングのテーブルに座りながら、博士が淹れたコーヒーをすすりながら雑談をする。
_
( ゚∀゚)「謙遜しないでくださいよ。あんなに人間に近いAIなんて初めて見ましたよ。」
興奮気味に語るジョルジョ。
(-@∀@)「未完成なあれをそこまで評価してもらえればうれしい限りだね。」
_
( ゚∀゚)「ちなみに今回はどんなものを披露してくださるんですか?」
(;-@∀@)「あー、悪いね。当日まで作品は絶対内緒にしたいんだ。」
_
( ゚∀゚)「そうですか残念です。」
351
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:22:48 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「最終調整がうまくいってなくてね。前回の失態から未完成のものは見せたくないんだよ。」
_
( ゚∀゚)「コンペまで日がそんなにありませんが大丈夫ですか?」
(;-@∀@)「なんとかするさ。おかげでここんところずっと研究室にこもりっぱなしだもの。他のことに手が回らなくて大変さ。」
('A`)「それにしたらこのリビングとかだいぶきれいじゃないですか。誰か掃除でもしてるんですか?」
(;-@∀@)「あ、ああ。息子のぃょぅがやってくれているんですよ。死んだ妻に似てそういうところはちゃんとしてくれてありがたい。」
('A`)「そうなんですか。早くに母親を亡くしたのにしっかりしているんですね。」
(-@∀@)「だから僕もしっかりしないとと思うのですが、どうもうまくいかなくてね。」
_
( ゚∀゚)「焦りは禁物ですよ。息子さんのためにも亡くなられた奥様のためにも頑張りましょう。」
(-@∀@)「ありがとう。」
('A`)「……。」
博士とジョルジョは灘何か雑談しているようだが、ドクオだけが席を立ちぃょぅの元へと歩み寄る。
('A`)「やあぃょぅ君。面白いかいそのゲームは?」
ゲームに夢中な少年にやさしく語りかける。
(=゚ω゚)「あ!馬鹿何やってんだ味方!アホみたいに凸って死んでんじゃねぇ!noobどもめ!」
(=゚ω゚)「いきなり1対5ってマジかよ。」
352
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:23:15 ID:7UyEXeOI0
('A`)「……。」
('A`)「ねぇねぇそれはなんてゲーム?」
(=゚ω゚)「ああ!!クソそこにいたのかよ、やられた。」
(;'A`)「ぃょぅ君話聞いてる?」
はぁ…というため息とともにヘッドホンを外すぃょぅ少年。
(=゚ω゚)「キモ貞に付いてる目玉は飾りかよ。ヘッドホンしてんのわからなかった?」
(=゚ω゚)「このゲームはレインボーセブンスシージってFPSなんだけど音を聞くのが重要なんだよね。」
(=゚ω゚)「周りでアホみたいに騒がれると気が散るんだけど。わかるキモ貞?」
(;'A`)「それは悪かった。でもキモ貞ってなんだい?」
(=゚ω゚)「キモい童貞のことだよおっさん。」
(#゚A゚)「どどどど童貞ちゃうわ!!何を言ってるのかな君は??言ってる意味が分からないなー。子供が何を言い出すんだ。」
(#゚A゚)「いやーびっくりだねお兄さん。いきなり童貞認定されるなんて俺が。俺は経験豊富だよ。まったくこれだから子供はねー、何を根拠にそんなこと言ってんだか。」
(#゚A゚)「本当困っちゃうな。大人をからかっちゃいけないよボーイ!あんまり舐めたこと言ってるとお兄さんも穏やかにはしてられないね。」
顔を真っ赤にして早口で反論する。図星をつかれたら人間平常ではいられない。必死のウソでごまかそうとする。
(=゚ω゚)「その反応マジでキモ貞じゃん。」
(#゚A゚)「ギギギギギ!」
353
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:23:42 ID:7UyEXeOI0
(=゚ω゚)「お前モテたことねぇだろキモ貞。所詮童貞野郎には無理な話か。」
(#゚A゚)「このクソガキバカにしやがって!!童貞をなめるなよ!童貞の素晴らしさもわからないで!!」
(=゚ω゚)「その歳で童貞は誇れることじゃないだろ。」
(#゚A゚)「ジョルジョ!!何か言い返してやれ!!」
_
( ゚∀゚)「え、俺が?なんで?」
(#゚A゚)「お前も童貞だろ!こんなガキに舐められてたまるかよ!」
_
( ゚∀゚)「???」
_
( ゚∀゚)「いや俺は童貞じゃないんだが……。」
(;'A`)「?!」
(;'A`)「おいおいジョルジョ、冗談はやめろよ。俺たちモテない同志じゃないか。お前も童貞だろ?」
_
( ゚∀゚)「確かにモテないが、俺だって彼女がいた時期とかはあるぜ。」
(#゚A゚)「この裏切りもんがぁ!!」
奇声を上げながらジョルジュに飛びかかるドクオ。
(=゚ω゚)「哀れだなキモ貞。」
(#゚A゚)「キィィィ!!」
子供相手に全力でキレる男、それがドクオだ。
354
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:24:12 ID:7UyEXeOI0
その後、夕方には護衛を切り上げて基地へと帰る。
24時間そばにいられるとプレッシャーで作業がはかどらないそうなので夜は護衛しないということになった。
(,,゚Д゚)「今年のバルケン博士は期待できますよ。」
バルケン博士組も同様の理由で護衛から帰ってきていた。
(,,゚Д゚)「どうやらアサピー博士に対抗心を燃やしているらしくて熱意がすごかったですよ。」
爪'ー`)「確かバルケン博士はずっと生物兵器開発に人生をささげていたからな。近年やっと注目されるようになたんだ。若造には負けられないだろう。」
_
( ゚∀゚)「でもアサピー博士も負けてませんよ。ここ数年で兵器開発で突然現れた新星ですけど、今年は完成品を見れそうです。」
( ^ω^)「どっちが制すか今から楽しみだねぇ。」
( ^ω^)「……。」
( ^ω^)「で、あいつはどうしたんだ?」
( A )「俺は童貞じゃない俺は童貞じゃない俺は童貞じゃない……」 ブツブツ
作戦室の隅でブツブツと同じ言葉を繰り返す。子供相手に完全敗北を期した哀れな敗北者だ。
_
( ゚∀゚)「それはほっといていいと思う。」
ξ゚⊿゚)ξ「おいおい、VIP研究所も大したことなかったぞ。」
爪'ー`)「お気に召さなかったか?」
355
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:24:44 ID:7UyEXeOI0
ξ゚⊿゚)ξ「試作品のベルトをつけてうろついてたらちょうど侵略者を見つけたから戦ったんだけどさ。」
ξ゚⊿゚)ξ「視界が見ずらいのや無駄にごちゃごちゃしたもんつけてて動きずらいし受け身とりずらい。」
ξ゚⊿゚)ξ「しかも息もしにくい上に中はかなり暑いときた。」
_
( ゚∀゚)「まだ開発段階のものなんだから仕方ないんじゃないか。」
ξ゚⊿゚)ξ「意味が分からないのがフォームチェンジとかいうの。わざわざ敵の前でガジャット切り替える必要性。」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな隙を見せるなら初期フォームからパワータイプとスピードタイプ両方の特性いれとけよ。」
_
(;゚∀゚)「いや、フォームチェンジはロマンだからさ。」
ξ゚⊿゚)ξ「ロマン?命懸けの戦いにそんなもんはいらねぇよ。」
_
(;゚∀゚)「……。」
爪;'ー`)「ツンヌがまじめに批評してる?!」
ξ゚⊿゚)ξ「しかも無駄に必殺技が多すぎる。エフェクトが派手なのはいいが、一番重要なのは使いやすい技だ。」
ξ゚⊿゚)ξ「必殺パンチとキックがあれば十分なんだよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「結局脱いで素手で倒したし。」
( ^ω^)「もう君に武器は必要ないのでは?」
(,,゚Д゚)「いつも思うがツンヌは本当に地球人なのだろうか。」
ξ゚∀゚)ξ「自分にできないことを成し遂げる人間を見てひがむなよ。」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
356
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:25:17 ID:7UyEXeOI0
それからは基地と博士の家を行ったり来たりの日々だった。
_
( ゚∀゚)「でも博士、なんでまた脳科学の道からロボット工学へ?」
(-@∀@)「……。」
(-@∀@)「話せば長いが、簡単に言うとロボット工学の方が僕の力を発揮できると思ったからさ。」
('A`)「脳科学のときはどんな研究を?」
(-@∀@)「脳と機械を直接つなぐ……究極を言えば機械の体に脳みそを移植するという研究かな。」
_
( ゚∀゚)「サイボーグですか。」
(-@∀@)「そんなとこなんだけど倫理的にも実験で使えそうな脳みそ確保もできずに諦めたけどね。」
(-@∀@)「でも何においても人類にとって役に立つ研究がしたかったわけですよ。」
('A`)「立派ですね博士は。それに比べて息子ときたら。」
チラリと目を向けるといつも通りゲームをしているぃょぅ。
('A`)「立派なお父さんがいるのに君はまたゲームかね?まったくかわいげのないガキなことだ。」
(=゚ω゚)「あー、何も聞こえないなぁ。たとえ聞こえてもキモ貞という人生の負け犬に何を言われても何も思わないけど。」
357
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:25:50 ID:7UyEXeOI0
(#'A`)「ギギギ…クソガキめ。」
('A`)「子供は子供らしく外で遊んだらどうだ。行きたいのであれば遊園地にだって連れてってやるぞ。」
(=゚ω゚)「先週ママとネズミーランド行ったばっかだし。」
('A`)「ああそうかい。」
('A`)「ん?ママと?」
(-@∀@)「……。」
(-@∀@)「すみませんねドクオさん。まだぃょぅはレモナが死んだことを受け入れられていないのですよ。未だにレモナを見たなどといってしまうのです。」
_
( ゚∀゚)「なんてかわいそうな。」
('∀`)「そうかそうか。そりゃぁまだ子供だもんな。どんなに強がったって所詮は弱っちい子供よ。」
(=゚ω゚)「なんだいつもよりキモい顔しやがって。」
('∀`)「無理に強がるなよ。お兄さんが遊び相手になってやるからな。」
(=゚ω゚)「……。」
毎日のように護衛に行きアサピー博士を雑談してぃょぅに暴言を吐かれる。
そんな日々が過ぎていきいよいよコンペの前日の夕方となった。
358
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:26:20 ID:7UyEXeOI0
( ^ω^)「ではバルケン博士、我々はこれで帰ります。」
(,,゚Д゚)「明日は成功を祈っています。」
( ,'3 )「ありがとう二人とも。明日は死力を尽くすよ。」
( ,'3 )(そうすべては明日なのだ)
( ,'3 )(たとどんなことをしてでも奴のロボット兵器に勝たなくてはならない)
( ,'3 )(どんな手を使ってもな…)
バルケン博士は走馬灯のようにこれまでの人生を振り返る。
周りからは自分の研究を馬鹿にされても負けずにひたすら研究を続け。
資金面では何度も頭を下げて食費などの生活費を削りすべてを研究に費やした。
( ,'3 )「……。」
恋愛や人付き合いなどすべてを犠牲にしてきた。自分にとって親しい人などいない。
それほどまでに愚直に研究のみにすべてをかけたのだ。いつか報われると信じて。
だからこそアサピー博士に負けるわけにはいかないのだ。
負け=研究の否定=自分の人生は無駄だったということになる。そんなのは許されない。
( ,'3 )「クマーよ、お前は私の最高傑作だ。必ず勝利してくれると信じている。」
(・(エ)・)「グルルルル……。」
鉄格子を挟んで自分の作品と向かい合う。
自分がこいつのすごさを一番よく知っている。
においをかげば執念深くどこまでも追跡し、圧倒的パワーと驚異的な耐久力を誇る。
相手が何であろうと負けるはずがない。
だが自分でもわかっている。ヴィプトラ警備隊が求めるのは獣臭い生物兵器ではなく、人工知能を搭載したロボット兵器だと。
でもだからといって白旗など上げられないのだ。諦めるわけにはいかない。
( ,'3 )「いざというときは戦ってでも……。」
359
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:26:51 ID:7UyEXeOI0
_
( ゚∀゚)「今日も博士との雑談楽しかったです。明日は博士の勝利を信じてますよ!」
('A`)「明日の朝は会場まで護衛に来ますのでよろしくお願いします。」
(-@∀@)「明日もよろしく頼みますよ。」
('A`)「でも博士調整は完ぺきなんですか?」
(;-@∀@)「あ、あぁ大丈夫完璧さ。」
(;-@∀@)「ではまた明日。」
(=゚ω゚)「一人で凸ってディフィーザー目標部屋に落としてってんじゃねぇ!!」
また野良に暴言を吐いているぃょぅ。
その様子をじっと見つめるアサピー博士。
(;-@∀@)(明日、明日さえ乗り切れれば……)
(-@∀@)「ぃょぅちょっといいかい?」
(=゚ω゚)「なにパパ?」
(-@∀@)「明日のことでお願いがあるんだ。」
そう言って今まで誰もいれなかった研究室にぃょぅを連れていく。
(-@∀@)(すべては明日を乗り越えること)
(-@∀@)(明日さえ乗り越えられればいいのだ)
(-@∀@)(どんなことをしてもな!!)
各々の思惑が交差する。
そうしてコンペ当日を迎えるのであった。
360
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:27:22 ID:7UyEXeOI0
('A`)「おはようございます博士。お迎えに参りました。」
(-@∀@)「おはよう。何とか調整が完了したよ、見てくれ二人とも。」
ガシャン!ガシャン!と音を立てて一台の子供型ロボット兵器が歩いてきた。
その外見は小学校低学年の子供くらいの大きさだがメタリックな外装、いろいろな装置がごてごてと取り付けられている。
だが人間のように軽快に歩いて登場してきた。
(十)「おはよう。」
_
( ゚∀゚)「おお!これが完成品ですか?」
(-@∀@)「これが私が作り上げた原子王です!」
('A`)「スゲー」
(-@∀@)「出は早く会場に行きましょう。」
_
( ゚∀゚)「あれぃょぅ君は?」
(;-@∀@)「ぃょぅは今日は家にこもってゲームするそうなので。時間ないですし早く生きましょう。」
_
( ゚∀゚)「そうですか。わかりました。」
('A`)「しっかしなんでまたこんなガキみたいなサイズで?」
(;-@∀@)「そりゃぁ……まぁいろいろとあってね。」
(十)「キモ貞はうろせぇないつも。」
('A`)「いろいろですか。」
('A`)「……」
('A`)(キモ貞?)
若干の違和感を感じながら会場に急ぐ三人と一台。
361
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:27:50 ID:7UyEXeOI0
コンペが始まり、何人かの研究者の発表が終わらせいよいよアサピー博士の番となった。
会場には各種関係者からただの一般市民まで数千人ほどが見に来ていた。
(-@∀@)「皆さんお久しぶりです。去年は散々だったアサピーです。」
(-@∀@)「でもご安心を今年は完ぺきなものをご覧に入れましょう。」
(-@∀@)「カモン!原子王!」
その掛け声とともに観客席に手を振りながら原子王がステージ上に現れた。
(十)「どうもみなさん、俺が紹介いただいた原子王です。」
爪'ー`)「どうやら今年はまともなAIになったみたいだな。」
( ^ω^)「これなら実戦配備してもいいですね。」
最前列に座るヴィプトラ警備隊の隊員たちがああでもないこうでもないと言い合っている。
ξ゚⊿゚)ξ「しっかしまたなんでこんなちんちくりんなサイズ?」
(-@∀@)「皆さんも驚きでしょう。こんなに小さくて大丈夫なのかと。」
(-@∀@)「逆ですむしろ。僕に言わせたらね。」
(-@∀@)「何事もデカけりゃいいというものではないのですよ。戦闘においてでかいってことはただの的。」
(-@∀@)「被弾面積を減らして物にも隠れやすい方が戦闘では有利。」
(-@∀@)「そして見せてあげなさい原子王お前の運動力を。」
(十)「OK!」
ステージ上を側転バク転宙返りをきれいに決めて着地する。
おお!という歓声が巻き起こる。
(-@∀@)「小さいからこそ軽快にこのような技ができるのです。これに武器を持たせれば敵などあっという間に殲滅できますよ。」
_
( ゚∀゚)「今年はアサピー博士に決まりですね!」
興奮気味に立ち上げるジョルジョ。
(;゚Д゚)「ま、まだだ。バルケン博士だって……」
('A`)(どうも引っかかるな……)
362
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:28:26 ID:7UyEXeOI0
その頃、順番待ちをしているバルケン博士はその光景を裏方から覗いていた。
( ,'3 )「ぐ……ここまでのものを作り上げてくるとは……」
( ,'3 )(こうなれば最終手段に出るしかない)
(十)「あらよ。」
裏方で不穏な動きがあるのを知らずに逆立ち歩きをしながらステージ上を回る原子王。
(-@∀@)(順調だ、これならパターンAで大丈夫そうだ)
('A`)(……)
_
『( ゚∀゚)「アサピー博士、親は脳科学の世界的な研究者。博士自体も最初は脳と機械を直接繋げる研究を行うが突如としてロボット工学の道へ。」』
_
『( ゚∀゚)「やっと形になった製品披露の前日に最愛の妻が自動車事故で端から川に転落。かなり深い河のせいで奥さんの死体は発見できなかったそうだ。」
『(;-@∀@)「ぃょぅは今日は家にこもってゲームするそうなので。時間ないですし早く生きましょう。」』
『(十)「キモ貞はうろせぇないつも。」』
('A`)(まさか!)
ずっと気になることがあったドクオは発表中今までの記憶をたどっていた。
そしてそれが一本の線でつながったのだ。
('A`)「アサピー博士!あの野郎なんてことをしてやがったんだ!」
怒りに任せて立ち上がるドクオ。
363
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:29:36 ID:7UyEXeOI0
去年のコンペ前日に妻が事故にあい死体は見つからない。
その翌日には妻そっくりのロボットが出てきた。
そして今年は息子の姿がなく背丈が息子と同じロボットが……
それを過去に脳と機械をつなげる研究をしていた科学者がやっていたとなるとあロボットの正体がわかったのだ。
('A`)(自分の妻と息子の脳みそを機械に移植するとはなんてことしやがる)
ステージ上のアサピー博士の元へと駆け込もうとした矢先だった。
( ,'3 )「流石ですねぇアサピー博士。」
自分の番でもないのに突如としてバルケン博士がステージ上に現れたのだ。
(;-@∀@)「ちょ…急に何ですか!?」
( ,'3 )「いえ素晴らしい作品を見ていてもたってもいられなくなってな。」
( ,'3 )「だからどうです、私の生物兵器と勝負しましょう。どちらが強いかを。」
(;-@∀@)「は?」
突然の申し出だ。
( ,'3 )「兵器たるものその強さが一番大事。そう思いませんかね会場のみなさん。」
(;゚Д゚)「バルケン博士何言ってんだ?」
( ,'3 )「今年は私かアサピー博士のどちらかだと言われているんです。手っ取り早く観客がいるところでケリを付けましょう。」
もうバルケン博士に残された道は力技しかなかった。
ここであの原子王を戦闘で破壊すれば自分にもチャンスがある。そう考えたのだ。
364
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:30:06 ID:7UyEXeOI0
( ,'3 )「さあ来いクマー!」
パチンッと指を鳴らすと天井から生物兵器クマーが下りてきた。
(・(エ)・)「クマー!」
体長3mの熊の化け物だ。
( ,'3 )「私の生物兵器か貴様のロノボット兵器か、いざ勝負!」
( ,'3 )「行くのだクマー!!」
(;-@∀@)「逃げろぃょぅ!!」
そう叫ぶと原子王はダッシュで観客席の方へと逃げ込んだ。
(十)「これやべぇって!!」
一瞬にして会場が悲鳴に包まれ大混乱に陥った。
365
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:30:34 ID:7UyEXeOI0
観客を盾に会場から出ようとする原子王。
それを追うクマーだが無関係な人間は傷つけられないようで思うようにあとが追えないでいる。
( ,'3 )「何をしている!!正々堂々戦え!!」
( ,'3 )「お前からも言わんかアサピー!」
( ,'3 )「?!」
アサピー博士がいた方を振り返るとすでに姿がなかった。
爪'ー`)「バルケン博士そこまでっだ。すぐに辞めさせろ。」
(,,゚Д゚)「バルケン博士なぜこんなことを……」」
( ,'3 )「どうしても勝ちたいんだよ私は!!」
爪'ー`)「どうやらあなたはただの身勝手な奴なようだな。」
会場の外ではなんとか逃げだした原子王とアサピー博士が合流していた。
(;-@∀@)「なんて事態だ。」
('A`)「そこまでだアサピー博士!お前の悪事は見抜いたぞ!」
原子王を追うのはクマーだけではなかったのだ。真相に気づいたドクオも後を追っていた。
(;-@∀@)「こんな時に面倒な奴が!」
(十)「あのクマ早すぎ!!」
会場を何とか抜け出したクマーは原子王に一直線で近寄り渾身の右で殴り掛かる。
(・(エ)・)「グォオォォ!!」
(十)「アアアアアアア!」
なすすべもなく原子王の頭が軽々ととんだ。
(;-@∀@)「しまったぁ!」
('A`)「???」
(・(エ)・)「???」
366
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:31:08 ID:7UyEXeOI0
コロコロと転がる原子王の頭。しかし中身は空っぽ。
というか外見はロボットぽく塗装や加工しただけのフルフェイスヘルメットだったのだ。
(=゚ω゚)「アブねぇ首が飛ぶところだった!!」
その下にはぃょぅの顔があった。
あっけにとられるドクオとクマー。
予想外の出来事で体が止まる。
そうしているうちに一台の車がものすごいスピードでアサピー博士とぃょぅの元へと突っ込んできた。
|゚ノ ^∀^)「早く乗りな二人とも!パターンBだよ!」
死んだはずのレモナだった。
(-@∀@)「ナイスタイミング!」
(=゚ω゚)「流石ママだね!」
二人を乗せると急発進で逃げていく。
(;・(エ)・)「……」
(・(エ)・)「クマー!!」
動揺したが自分の使命を思い出し後を追いかけるクマー。
('A`)「は?」
未だ理解できずに立ち尽くす。
367
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:31:40 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「あのクソジジイめ余計なことしてくれたな。」
(-@∀@)「おかげでパターンAが失敗したじゃないか。」
パターンAとは今年の発表を何とかごまかして資金援助をもらい、そのまま国外逃亡するという作戦だ。
|゚ノ ^∀^)「理想はパターンAだけど、失敗したら仕方ないよ。このままパターンBで逃げるよ。」
パターンBとは去年の資金援助の残りをすべて持ち出してそのまま国外逃亡するという作戦だ。
(=゚ω゚)「パパ!これ早く脱ぎたいんだけど。」
(-@∀@)「ああすまん。直ぐ脱がしてやるからな。」
あっという間に取り外される原子王の外装。
外装といっても前日の夜アサピーとレモナが適当に作ったロボットぽく見えるスーツなだけなのだ。本当のところはロボットのコスプレをしていただけだ。
そして去年のあれはレモナの顔に似せた頭だけの模型を作りそこにカメラとスピーカーとマイクを付けただけのものだ。
会場の外でレモナが適当にしゃべっていただけなのだ。
そしてその前日には交通事故にみせかけレモナが死んだようにして保険金もたんまり手に入れたのだ。
(=゚ω゚)「それでどこの国に行くの?」
(-@∀@)「ぃょぅはどの国に行きたい?」
(=゚ω゚)「ドバイとか。」
|゚ノ ^∀^)「旅行じゃないのよ。」
(-@∀@)「おっと、レモナもう少し飛ばした方がいいかもな。あの熊公がまだついてきやがる。」
|゚ノ ^∀^)「あいよ!」
アクセルをさらに踏み込み加速する。
(・(エ)・)「クマー!!」
二足歩行で猛ダッシュして追いかける。
|゚ノ ^∀^)「流石に街中でのチェイスはつらいねぇ。高速でぶっちしてやる!」
(-@∀@)「時代遅れの生物兵器がマシンの力に勝てるかってんだ!!」
(-@∀@)「ギャハハハハ!!」
高速道路に入るアサピー一行。
そこで待ち受けていたのは渋滞。
368
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:32:10 ID:7UyEXeOI0
|゚ノ; ^∀^)「こんな時に!事故でもあったのか!!」
万事休す。
Uターンしようにもすでに後ろにはクマーが。
(;-@∀@)「ひぇぇ……」
(;-@∀@)「く、クマさん落ち着こうよ。原子王の正体はただの人間の子供だったんだよ。もう追ってくる必要はないよ。勝負は君たちの勝ちだ。」
(・(エ)・)「グォオォォ!!」
所詮、熊公にはそんなこと理解できずに与えられた使命を全うするためにぃょぅに襲い掛かる。
(;-@∀@)(;゚ω゚)|゚ノ; ^∀^)「ああああああああ!」
もうおしまいだ。
その時だ。
('A`)「デュワァ!」
飛んできたドクトラセブンがぃょぅとクマーの間に割って入り押しのける。
(・(エ)・)「クマー!」
クマーも負けじと組み付いてきたドクトラセブンの肩にかぶりつく。
(;'A`)「ぐわぁぁ!」
歯が肉に食い込みミシミシとすさまじい音が響く。
圧倒的な咬合力だ。流石はバルケン博士の最高傑作だけあって恐ろしい戦闘力。
369
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:32:46 ID:7UyEXeOI0
26
(・(エ)・)「クマー!」
(;'A`)「あぎゃぁぁあぁぁ!」
肩から大量の血が噴出した。
このままでは食いちぎられてしまう。
(;'A`)「グウウウ……」
(;'A`)「デュワ!」
噛みついている頭をしっかり抱えるといっきに身長40メートルまで巨大化する。
(;・(エ)・)「あがががががg!!!」
噛みついていたクマーの口は裂け顎が外れる。
(;・(エ)・)「コフューコフュー」
人形のように両手でクマーをつかむと思い切り握りつぶす。
口から血や内臓を吐き出しながら絶命した。
('A`)「ふう。」
圧倒的体格差質量差の前には何物も敵わない。
(;-@∀@)「助かったのか?」
今度はアサピーたちが乗る車を持ち上げるとタイヤをもぎ取り会場の方へと飛んでいく。
(=゚ω゚)「スゲー飛んでる!!」
(=゚ω゚)「お前よく見ると気持ち悪い顔してんな。」
(=゚ω゚)「まさかお前もキモ貞?」
(#'A`)「ギギギイ」
会場付近に車を置くとそのまま空へと飛び立つドクトラセブン。
370
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:33:21 ID:7UyEXeOI0
爪'ー`)「さてアサピー博士、どういうことか説明してもらいましょうか?」
すぐさまヴィプトラ警備隊に囲まれる。
( ,'3 )「貴様原子王はどこにやったのだ!!」
(;-@∀@)「ええとですね……」
('A`)「原子王などいうのは存在しませんよ。あれはただのコスプレで、こいつらはただのペテン師だったわけですよ。」
( ,'3 )「ということは私の勝ちか!」
(-@∀@)「そいつはどうだろうね。テメーの最高傑作はドクトラセブンがブツのめしたぜ。」
(-@∀@)「何よりも原子王の正体がぃょぅだとわかっても殺意満々で襲ってきたぞ。」
(-@∀@)「所詮与えられた使命を全うすることしか考えられないド畜生だってことなんだよ。」
( ,'3 )「ぐ……」
(-@∀@)「ざまあねぇなぁ!ひたすら人生をゴミクズ兵器に捧げて結果がこれだと。」
(-@∀@)「お前の人生なんだったんだろうな。」
(-@∀@)「ギャハハハハ!!」
(,,゚Д゚)「貴様は黙っていろペテン野郎!」
(,,゚Д゚)「必死に頑張ってきたバルケン博士を馬鹿にするんじゃない!」
371
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:34:23 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「必死に頑張ってきた?」
(-@∀@)「まじめに生きてきてこのざまじゃ笑うしかないだろwww」
(-@∀@)「こいつの人生すべてが無駄だったんだよ!」
(-@∀@)「まじめに生きてこんなクソみたいな人生なら、嘘ついてでも楽しく生きた方がましだろ!」
(-@∀@)「ギャハハハハ!!」
(#゚Д゚)「野郎!!」
爪'ー`)「落ち着けギコ。あとは警察に任せよう。」
|゚ノ ^∀^)「しかたねぇ。当分は刑務所生活を楽しむかな。」
(;'A`)「こいつらまったくへこたれてねぇ……」
爪'ー`)「ああいう連中は何言っても無駄だよ。更生のしようがない。」
( ,'3 )「は…はは……私はなんて無駄なことをしてきたんだろうか……」
(,,゚Д゚)「博士……」
その後アサピーとレモナは警察に引き渡された。
後で分かったことだが、アサピーは元々親の七光りで脳科学の科学者であったが実際には何も研究していなかったそうだ。
毎日遊び惚けていたせいでいよいよ親からすら見放された。なので親のコネを使い自称ロノボット工学者として資金だけ巻き上げ家族三人で豪遊していたらしい。
そして事件後、ぃょぅは祖父祖母に面倒を見てもらうことになったが……
(=゚ω゚)「パパもママも出所して使えそうなら面倒見てもいいが、使えなさそうなら自分でどうにかしてもらうよ。」
(=゚ω゚)「大人なんだしそれくらいは自分で責任取ってもらんないとな。俺にたかるなよ。」
とのことだ。何と可愛げのないことだろうか。これだけいい性格してりゃ人生困ることはないだろう。
まああの親にしてこの子というわけだ。
その後、バルケン博士は改造した動物が店員の喫茶店を開いたら大盛況。
( ,'3 )「いや本当、人生無駄にしてたwww」
人生気軽に生きるのが一番だ。
372
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:34:52 ID:7UyEXeOI0
こうして新型兵器のコンペ大会は終わりを迎えた。
( ^ω^)「しっかし今年は大変でしたね。」
爪'ー`)「だが有能な新兵器が採用されたぞ。」
_
( ゚∀゚)「どんなヤツです?」
爪'ー`)「変身ブレスレットを装着して戦闘の際に変身する。」
爪'ー`)「5人そろって変身したらポーズを決めて、防衛戦隊ヴィプトランジャーと叫ぶ。」
(;'A`)「?!」
爪'ー`)「人間サイズの敵にはそのまま戦闘。巨大化されたらそれぞれが専用のマシンを呼んで合体し、ヴィプトラロボで戦う。」
ξ゚⊿゚)ξ「私レッドやりたい!」
ξ゚⊿゚)ξ「主人公は私よ!」
( ^ω^)「なら俺は追加戦士枠でゴールドやる。」
_
( ゚∀゚)「それならもうドクトラセブンもいらないですね。」
(;'A`)「ちょっと!」
(,,゚Д゚)「地球は我々地球人の手で守らないとな。」
_
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)爪'ー`)ξ゚∀゚)ξ「はっはっはっはっは!」
(;'A`)(まずい俺のアイデンティティがなくなってしまう!)
爪'ー`)「まぁ嘘だけどね。」
(;'A`)「なんだ嘘か、よかった。」
373
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:35:18 ID:7UyEXeOI0
( ^ω^)「おいおい、こんな嘘に騙されてんなよドクオ。」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、レッドやりてぇ。」
爪'ー`)「ま、新兵器があろうとなかろうと我々がやることは変わらないさ。」
_
( ゚∀゚)「でもヴィプトランジャーの研究はだいぶ進んでいるみたいだな。」
(;'A`)「嘘だろ?!」
_
( ゚∀゚)「嘘だよwww騙されすぎだろドクオwww」
ξ゚∀゚)ξ「だっせぇwww」
(#゚A゚)「キィィィ!!」
嘘は絶対よくない。
そう思うドクオであった。
第十二話『ペテン師』
終わり
374
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 01:35:41 ID:7UyEXeOI0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
375
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 10:50:30 ID:ToC3XHxE0
安定して面白いな!乙
376
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 18:13:15 ID:BqADkvGQ0
乙です
377
:
名無しさん
:2018/10/21(日) 22:53:37 ID:AV8uGID20
乙!
378
:
名無しさん
:2018/10/23(火) 07:30:12 ID:Cno0vxgM0
乙、やっと更新きたな。待ってたぞ
ってサボってたんかい!?ま、まさか文戟に浮気を・・・
ウルトラマンよろしく週1更新頑張ってくれよー
379
:
名無しさん
:2018/10/24(水) 13:08:19 ID:dWPdWM0Y0
話数が進むほど人類のロクでもなさがクローズアップされてきてワロタw
380
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:41:39 ID:fRcSXe1I0
第十三話『永遠の命』
リポーター「セントジョーンズ先生おめでておございます!これで三年連続世界的な文学賞のVIP賞受賞ですね!」
TVでは世界的ななにかの賞を誰かが受賞したことでもちきりだった。
リポーター「今のご感想を聞かせてください。」
(’e’)「特にこれといって。」
五十代ほどのそのやせこけた男性は、興味なさげにそのリポーターの方を精気の感じない目で見ながら答えた。
リポーター「えっと……さすがに三年連続となるとなれちゃいます?」
(‘_L’)「先生はお疲れのようなので秘書の私が代わりにお答えましょう。」
そう言って秘書と名乗る男がひたすらリポーターの質問に答えていた。
そして最後に「先生にとって小説とは何ですか?」と質問をされたときと、遠くを見つめていた目がギョロリと質問者の方を向くと
(’e’)「永遠の命だ。私は永遠の命を手に入れるためにだけに小説を書いている。」
そう答えた。
一瞬ざわついた会場だが、秘書が「ほかに質問がないようなら終わりにします。」
そう言って会見を終わらせた。
作戦室ではその光景を煎餅をむさぼりながら、あまり興味なさそうにボケーっとした表情でドクオが眺めていた。
ξ゚⊿゚)ξ「永遠の命とか中二病かよこのおっさん。」
('A`)「本当なー。」
381
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:42:07 ID:fRcSXe1I0
最近は暇なのか腑抜けた様子で全員ででのんきにニュースを見ている。
爪'ー`)「なんだっけ?この人の作品名。」
(,,゚Д゚)「あれですよ確か。えーっと、恋愛小説の……」
( ^ω^)「ファンタジー小説だと思ったけど違ったっけ?」
誰も思い出せそうになかったのでチラリと一人の人物に視線が集まる。
_
( ゚∀゚)「おやおや皆さん、世界的に有名なセントジョーンズ先生の作品を知らないのですか?」
いろいろ喋りたさそうにしていたジョルジョが口を開いた。
ξ゚⊿゚)ξ「流石は物知り博士、何でも知ってんな。ホントどうでもいいことから。」
ξ゚⊿゚)ξ「で、どうでもいいウンチクたれろよ早く。」
_
(;゚∀゚)「では……」
382
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:42:33 ID:fRcSXe1I0
_
( ゚∀゚)「セントジョーンズ先生、三年ほど前から突如現れた恋愛小説作家。デビュー作にして超大作の『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』は上、中、下の全三巻。」
_
( ゚∀゚)「主人公は現代に生きる魔女の末裔で最後の一人のミセリ。そんな彼女とひ弱でただの人間でしかないセントとの純愛ストーリー。」
_
( ゚∀゚)「ただの恋愛だけではなく、魔女の血を狙う悪の組織と繰り広げられる豪快で爽快なアクションシーンは痛快。」
_
( ゚∀゚)「上巻はまったくの無名でこっそりと売り出されたのにもかかわらず、じわじわと売れ一年もしないうちに大ヒット。」
_
( ゚∀゚)「映画化や漫画化、絵本化までされどれもかなりの売り上げ。」
_
( ゚∀゚)「そして今年に最終巻の下巻が発売。まだ俺は下巻を読んでいないんですが、感動的な最期みたいですよ。」
('A`)「へー。」
爪'ー`)「ああそうだ、すっかり忘れてた。そんな作品名だったな。どうも恋愛小説は興味がわかなくてな。」
( ^ω^)「それわかります。俺も昔、嫁とデートで恋愛映画見に行ったんですけどものの五分で飽きましたもん。」
(,,゚Д゚)「俺もそうだな。他人の甘ったるい恋愛話なんて見たりしても背筋がゾッとするだけだ。」
( ^ω^)「マジでゲロ吐くかと思うくらいだぜ。」
_
(;゚∀゚)「あれー、みんな興味なさげかな?」
ξ゚⊿゚)ξ「本当にどうでもいい情報をどうも。下がっていいぞ無駄話博士。」
_
(;゚∀゚)「名作だよホント。俺も時間があれば読みたいんだけどなー。」
一人ぼそぼそとしゃべるジョルジュだが、みんなもう別の話題で楽しそうに話している。
前にもこんなことあったなとか思いつつも、いつものことだと思うことにしたようだ。
383
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:42:58 ID:fRcSXe1I0
それから数日後、パトロールから帰ってきたジョルジュが嬉しそうな表情で一冊の本を持ちながら帰ってきた。
どうやら本当にいいことがあったようで、鼻歌交じりに浮かれている。
('A`)「どうした?なにかいいっことでもあったのか?」
爪'ー`)「おいジョルジョ浮かれすぎだぞ!我々ヴィプトラ警備隊はいついかなる時も気を張って、何が起きてもすぐに対応できるようにせねば。」
爪'ー`)「我々の仕事の重要性を自覚しろ!」
_
( ゚∀゚)「いやー、それがパトロールのついでに前に話した『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』の下巻買いに行ったんですよ。」
爪'ー`)「なんだっけそれ?最近聞いた名前だな。」
( ^ω^)「たしか中世時代の推理小説だっけ?」
_
( ゚∀゚)「たまたま寄った本屋で運命的な出会いをしまして。」
(#'A`)「あぁん?」
_
( ゚∀゚)「漫画みたいな展開で二人同時に同じ本を手に取ろうとして手が触れてさ。」
_
( ゚∀゚)「その人も『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』の大ファンらしくてそっから長々とおしゃべりしちゃったよ。」
(,,゚Д゚)「本当にすごい美人だったよ。俺に彼女がいなかったらナンパしてたくらいだ。」
_
( ゚∀゚)「お互いに同じシーンが好きで、意気投合しちゃってね。永遠と思えるほどの時間が過ぎていったよ。」
(,,゚Д゚)「おかげで俺一人でパトロールするハメになったよ。しかも戻ってきてもまだ話してるし。」
(#'A`)「ケッ!自慢話かよ。」
384
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:43:28 ID:fRcSXe1I0
_
( ゚∀゚)「ギコに無理やり連れてかれなければまだいろいろ話せたのに。」
_
( ゚∀゚)「でも最後に名前が聞けて良かった。『西川デレ』さん、一生忘れないあの人は女神だ。」
(#゚A゚)「き、貴様あぁ!!」
(#゚A゚)「俺のデレさんに近寄るんじゃねぇ!!」
_
( ゚∀゚)「なんだドクオ知り合いなのか!なら話が早い、連絡先を教えてくれ!」
(#゚A゚)「誰が貴様なんぞに教えるものか!!」
ξ゚⊿゚)ξ「なるほどなジョルジョ、その下等生物にまですがるとは本気のようだな。」
ξ゚⊿゚)ξ「どれ、5万で教えてやってもいいぞ。」
_
(;゚∀゚)「5、5万だと…いや5万でも安いもんだ。」
( ^ω^)「これはいよいよジョルジュにも春が来るかな。」
爪#'ー`)「お前ら浮かれた話もいい加減にしておけよ!!防衛任務をなんだと思っている!!」
久しぶりにフォックスの逆鱗が落ち、一旦その場は落ち着いた。
それからというのも、ジョルジュは仕事の合間に小説を読むとすぐさまスマホで誰かにメッセージを送っているようだ。
そしてドクオはというと、恨めしそうにその光景を見ることしかできなかった。
(#゚A゚)「ギギギギギ」
( ^ω^)「そんなに気になるなら自分でも読んだらどうだ。会話に入れるぞ。」
('A`)「小説なんてくだらないもんに興味はないんだよ俺は。」
('A`)「そうだ!ネットで結末を調べてネタバレしてやる!」
( ^ω^)(こいつマジで大人げねぇ)
385
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:43:55 ID:fRcSXe1I0
(,,゚Д゚)「しかしそれは奇妙な事件ですね。」
爪'ー`)「ああ、だがまだそれが宇宙人の仕業なのかは見当もつかんがな。」
フォックスとギコが事件でもあったのか、神妙な趣で作戦室に入ってきた。
( ^ω^)「何か事件でもありましたか?」
爪'ー`)「最近謎の仮死事件が多数起きているようだ。」
( ^ω^)「仮死事件?」
(,,゚Д゚)「今まで元気だった人間が突然仮死状態になる事件が起きてるようだ。それも日常生活で突然。」
( ^ω^)「そりゃまた奇怪な。」
爪'ー`)「被害者の近くには一冊の本が落ちているようだ。」
爪;'ー`)「なんだっけあの…セント何とかってやつが書いた……」
( ^ω^)「あのサスペンスサイコホラーのあれですね。」
(;゚Д゚)「いや、セントジョーンズ著書の『ミセ*゚ー゚)リは最後の魔女のようです』っていう恋愛小説でしょ。」
爪'ー`)( ^ω^)「そうそれそれ!」
(,,゚Д゚)「いい加減覚えましょうよ。」
('A`)「じゃぁあれか?被害者は小説の出来が良すぎて昇天しちゃったってやつか?」
( ^ω^)「小説ごときにそんなこと起きるわけないだろ。」
( ^ω^)「その小説も所詮『アアオモシロカッタナ』程度だろ。なあジョルジュ!」
_
( ∀ )「……」
386
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:44:27 ID:fRcSXe1I0
( ^ω^)「ジョルジュ?」
ブーンがやさしく触ると力なくジョルジュがその場に倒れこんだ。
爪;'ー`)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「?!」
倒れたジョルジュの手には例の小説が握られていた。
(;'A`)「おい!しっかりしろジョルジュ!!」
フォックスは握られたいた本をとると軽くパラパラとめくってみる。
爪'ー`)「ブーン、この本を解析してみてくれ。ギコは本の出版社に問い合わせろ。」
( ^ω^)(,,゚Д゚)「了解!」
すぐさま医療室に運ばれたが、はやり仮死状態とのことだった。
そして解析に回された本だが、恐るべきことが分かったのだ。
( ^ω^)「解析の結果、例の本は地球上に無い物質が使われているようですね。」
( ^ω^)「現在の地球の科学力では解析できない機械も組み込まれていたようで、こいつが事件にかかわっていたことは確かです。」
(,,゚Д゚)「本の出版社はどうやら実際には存在していないようです。しかし、なにやら書店やなどにはどこからともなく届けられていたとのことで。」
爪'ー`)「こうなったらセントジョーンズを直接とっちめるしかないようだな。」」
(,,゚Д゚)「セントジョーンズの潜伏場所と思われるべき場所は現在二か所に絞られています。」
('A`)「しかし敵もなかなか大胆なことをしますね。まさか有名人が宇宙人とは。」
爪'ー`)「だからいつも言っているだろ、いつどこで誰が侵略者なのかわからないと。」
ξ゚⊿゚)ξ「ああいう連中は性根が腐ってんな。本に小細工をはさむたぁ性格がひん曲がってるぜ。」
('A`)(ツンヌが言うのか?)
ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ小説なんて書くやつって根暗で陰湿な野郎なんだろうな。姑息も姑息。きっと人に面と向かって意見だとか言えねぇタイプだろ。」
ξ゚⊿゚)ξ「恋人がいたこともなく童貞で、他の仕事してたらつかえない人間なんだろうな。いや、その小説ですら大したことないんだろうぜ。」
(;'A`)「ちょっと辛辣すぎやしませんかね。」
ξ゚⊿゚)ξ「だが私が連絡するのがもう少し遅かったらデレもやられていた。その落とし前はつけさせてもらおう。」
387
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:44:53 ID:fRcSXe1I0
爪'ー`)「潜伏場所と思われるのは実家と…都内の廃工場?」
(,,゚Д゚)「ええ、度々そこでうろついている姿が目撃されているそうです。」
爪'ー`)「よし、なら二手に分かれて突入する。ブーンとギコは実家の方へ、ドクオとツンヌは廃工場の方へ行ってくれ。
( ^ω^)(,,゚Д゚)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解!」
ヴィプンターで目的地の廃工場に向かうドクオとツンヌ。
('A`)「なあ敵の目的は何だと思う?」
ξ゚⊿゚)ξ「目的だぁ?そんなもんどうでもいいね。標的を見つけ次第ぶちのめす。簡単な話だろ。」
(;'A`)「いや、目的が分かれば敵の動きも考えられると思うんだよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「小難しいこと考えやがって。いいことを教えてやろう。戦いにおいて知能なんて必要ない。」
ξ゚⊿゚)ξ「心理戦だとか頭使うのは面倒だからな。直感で動くのが一番よ一番!」
('A`)(こいつは野生の生き物かなんかなのだろうか?)
('A`)(狩りをする動物ももう少し頭を使うと思うが)
('A`)「俺が思うに敵は永遠の命を求めているんだと思う。確かTVのインタビューではそこだけ食いついていたからな。」
('A`)「それに被害者が仮死状態になっていることも考えれば、奪った命を自分のものにしようとしているのかも。」
ξ゚⊿゚)ξ「永遠の命?また中二病みたいな。」
('A`)「だから早く何とかしないと大変なことになりそうだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「それならこう考えられえないか、死なないサンドバックが手に入ると。」
(;'A`)「君は何をする気?」
そうこうやっているうちに目的地の廃工場に着いた。
腰の光線銃を構えると静かに侵入する。
388
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:45:19 ID:fRcSXe1I0
中は殆ど片付けなどされていないようだ。埃だらけで古い機械などがそのままになっている。
ただ、工場の真ん中には大きな金魚鉢のような装置が置いてある。
それだけが埃もかぶっておらず、新しめだ。何よりもそのまま装置の中には、ヒトダマのようなものが大量に入っていた。
('A`)(なんだあれは?)
ξ゚⊿゚)ξ(でっけえ金魚でも飼ってんのか?)
装置のそばで人影が動いた。
すぐに物陰へと隠れる二人。
(’e’)「……」
セントジョーンズだ。
装置のそばで何かを探している様子だ。
確保しよう物陰から飛び出そうとしたとき、誰かが工場に入ってきた。
(‘_L’)「先にいらしていたんですね先生。」
秘書の男が現れた。その手には何やら大きなアタッシュケースを持っている。
(‘_L’)「間一髪でしたね。ヴィプトラ警備隊も気づいたようですが先にここにたどり着くことができましたよ。」
(‘_L’)「やはり運命は我々の味方をしていますね。」
(’e’)「こんな方法で永遠の命を手に入れるなんて聞いていなかったぞ。」
(‘_L’)「犠牲になった人々にはそういう運命だったと諦めてもらうしかないですよ。何事にも犠牲はつきものでしょう。」
(’e’)「どうやら私と君では求める永遠の命は違ったようだ。」
(‘_L’)「何を言っているんです先生?」
(‘_L’)「いろんな出版社に小説を持ち込んでもまったく相手にされなかったあなたと、何か売れるものを探していた私がだよ。」
(‘_L’)「同じ目的である永遠の命を探し求めていた同志が運命的な出会いをしたというのに。」
389
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:45:45 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「……」
('A`)(やはり永遠の命が目的だったか)
('A`)「そこまでだ二人とも!ヴィプトラ警備隊だ!」
光線銃を向けながら飛びだす。
(;‘_L’)「もう来ていたのかヴィプトラ警備隊!」
ξ゚⊿゚)ξ「こそこそと悪さをしてたみたいだが、サンドバッグになりたいのはどっちだ?」
(;‘_L’)「待ってくれ!話を聞いてくれ!」
('A`)「早く集めた命を元に戻すんだ。」
(‘_L’)「フィレンクト星人最後の生き残りなんだよ!」
('A`)「!?」
ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?何星人だって?」
(‘_L’)「フィレンクト星は急な気候変動や暴動などのせいで滅んでしまったんだ。私ははその最後の一人なんだよ。」
(‘_L’)「私が死ぬということは一つの種族が滅ぶということ。そんなかわいそうなことがあっていいのか!」
(‘_L’)「私は何としても生きてフィレンクト星人を再建させなくてはならないんだ。そのためにも永遠の命が必要なんだ。」
(‘_L’)「だから無駄にたくさんいる地球人が減ったところでいいだろ。見逃してくれ!」
390
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:46:11 ID:fRcSXe1I0
('A`)「そうはいかない。まずは元に戻すんだ!」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!悪いが命乞いは私には通じねぇ。」
(‘_L’)「チッ、穏やかにすましてやろうと思ったのによ。」
すごい弱気だった表情が一変してフィレンクトの体が一瞬光る。
すると、全身紫色で頭には二本の角と鋭くとがった牙がある悪魔のような姿のフィレンクト星人が現れた。
(‘_L’)「地球人二人ぐらい始末するなんてわけないぜ!」
('A`)「な?!」
(;'A`)(まずい、ツンヌやセントジョーンズがいては変身できない)
ξ゚⊿゚)ξ「お!やる気になったか!」
(’e’)「私はな、フィレンクト。君がミセリと同じ心境だったから手を貸したんだよ。」
(‘_L’)「ミセリ?誰だそれは?」
(’e’)「彼女は最後の魔女だった。それでも彼女は気高く必死に自分の人生を生きようとしていた。」
(‘_L’)「何を言ってる?それは小説の話だろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「おっさん、現実と夢想の区別もつかないのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ小説書くやつって頭のネジが抜けてんじゃないの?」
('A`)(お前はそれどころじゃないがな)
391
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:46:38 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「私の書いた小説は本当のことだよ。私が彼女と一緒に体験したことを書いたのがあの作品なんだ。」
(‘_L’)「何を馬鹿なことを言っているのだ。魔女なんかこの世にいるわけないだろ。」
(’e’)「フフフ、宇宙人の君がそんなことを言うのかい?事実は小説より奇なり、だよフィレンクト。」
(‘_L’)「だからどうしたと言うのだ!体験を書いたということはミセリは死んだということじゃないか!」
(’e’)「そうさ、魔女をよみがえらせこの世を支配しようとした連中と戦い散った。しかしそれでもミセリは自分で満足いく人生だと言ってくれたよ。」
(’e’)「私と出会えてよかったと言ったんだ。そして誰のためでもない自分のために生きた。」
(‘_L’)「ならセントはお前のことだったのか。ならばお前が永遠の命を手に入れようとするのはミセリを蘇らせることだろう。」
(‘_L’)「それこそ俺の目的と一緒じゃないか。この装置を使えば人間の命を分け与えてもらえる。お前にも使ってやろう。ともに頑張ろうではないかこれからも。」
(-e-)「……」
(’e’)「ミセリは言っていたよ、言葉や文字にはとてつもない力があると。その力は様々な効果を人に与えると。」
(‘_L’)「?」
(‘_L’)「お前も魔法が使えるのか?」
(’e’)「そんなものは使えないさ。私はただのひ弱な人間さ。」
(’e’)「その力というのは人のここをに作用する。人を喜ばしたり悲しませたりするとてつもない力さ。」
(’e’)「そしてそれは誰でも使うことができる。だからこそ使い方には気をつけなければならない。簡単に人を傷つけてしまうからね。」
(‘_L’)「無駄話が過ぎるぞ。何が言いたいんだ?」
392
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:47:05 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「言っただろ言葉には力があると。その力の使い方や見方を変えれば違うものがわかるのさ。」
(’e’)「フィレンクト。君は嘘をついた。」
(‘_L’)「!!」
(’e’)「最初に会って君から話を聞いたとき二はすでに感ずいていたよ。」
(’e’)「星が滅んだ、これは本当のことだろう。だが君は同胞たちを蘇らせる気なんてないのだろう。」
(’e’)「永遠の命を手に入れてこの宇宙を支配する気なんだろ。」
(‘_L’)「……」
(‘_L’)「最初はイカれた奴だと思っていたが、無駄に勘のいい奴のようだな。そうさ俺の目的は永遠の命を手に入れこの宇宙を支配することさ。」
(‘_L’)「だが俺に手を貸すというのならミセリを蘇らせるのを手伝ってやってもいいぞ。」
(’e’)「君が地球を侵略しようが宇宙を支配しようが私にはどうでもいいことだ。だが、私の求める永遠の命を壊そうというのならそうはいかないのだ!」
そういうとセントジョーンズは何かのリモコンのようなものを取り出しボタンを押した。
(;‘_L’)「貴様それは!!」
装置を制御するリモコンだ。
さっき探していたのはこのリモコンのようで、操作すると閉じ込めていたヒトダマが解き放たれあるべき所へと戻っていく。
(;‘_L’)「なんということをする!!あれだけあれば数万数十万年年分の寿命が延びたのに!!」
(’e’)「求める永遠の命が違うと言ったはずだ。」
(’e’)「彼らは私が永遠の命を手に入れるためには生きていてもらう必要がある。」
(;‘_L’)「は?」
(’e’)「私が求める永遠の命とは人々の心の中で彼女とともに生き続けることさ。」
(;‘_L’)「??」
ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」
ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ頭イカれてるだろうテメー。」
393
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:47:33 ID:fRcSXe1I0
(’e’)「世の中のいろいろな作品というものは、良ければ良いほど人の心に残る。そしてそれが幸せな感情なら幸せな気持ちとともに私たちは生き続けられるのさ。」
(’e’)「人類が続く限り人々の心の中で生き続けること、これほどまでに素晴らしいことはないのだよ。」
('A`)「……」
(#‘_L’)「そんなくだらないことのために俺の計画を邪魔したというのか!!ただではおかんぞ!!」
(’e’)「君はそう思うだろうが、私に言わせれば君の言う永遠の命ほどくだらないものはないよ。」
(#‘_L’)「なんだと!!」
(’e’)「仮に君が永遠の命を手に入れたところで今日あったことなど数百万、数千万年もたたないうちに忘れるだろう。この先出会うであろう連中のことも忘れるであろう。」
(’e’)「ならばそういった出会いに意味はあるのか?君にとって何の意味がある出会いになるのだ?この先何億何兆と一人で生き続けてなんになるというのだ。」
(’e’)「長く生きれば生きるほど時間の流れは速くなるぞ。そんなの一人ぼっちで生きているのと変わらないではないか。」
(#‘_L’)「グ…グググ……」
(#‘_L’)「黙れ!地球人ごときが…下等生物ごときがぁ!俺の計画を邪魔しやがって!!」
フィレンクト星人の角から怪光線が発射した。
それは見事にセントジョーンズの胸元を貫いた。
('A`)ξ゚⊿゚)ξ「!!」
('A`)「セントジョーンズ!!」
ドクオが駆け寄るがもう手の施しようがなかった。
(;’e’)「ヴィプトラ警備隊か。なぁに気にするな、元々あの小説が完成したら生きるつもりなどなかったのだから。」
(;’e’)「最後に自分の目的を果たせて満足だよ。」
(;'A`)「くっ……!」
(; e )「そうさ、これでやっとミセリの元へ…と……」
( e )
(‘_L’)「ざまあねえなゴミクズめ。貴様はもともと俺にいいように使われる運命にあったんだよ!地獄で後悔してろ!」
394
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:48:26 ID:fRcSXe1I0
ξ゚⊿゚)ξ「テメーやってくれるじゃねぇーか!」
ツンヌが戦闘態勢に入った。
(‘_L’)(地球人ごとき二人いようだどうということはない)
(‘_L’)(だがヴィプトラ警備隊他いうことを考えれば、万が一に備えて一人ずつ相手をした方がいいだろう)
(‘_L’)「ところで見たまえこれを。」
フィレンクト星人がアタッシュケースを高々と掲げる。
(‘_L’)「これにはそこのゴミが書いた売り上げの一億が入っている。」
(‘_L’)「これから先の資金にしようと持ってきたものだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「なに?!」
(‘_L’)「欲しけりゃくれてやるぞ!」
そう言って投げ飛ばす。
アタッシュケースは窓ガラスを割りはるか遠くへと飛んで行った。
('A`)「馬鹿言えそんな手にだrξ¥⊿¥)ξ「ドクオ、奴が何か重要なものを投げた!私が確保してくるから時間を稼げ!」
そうですね。とんでもない馬鹿がここにいましたね。
(‘_L’)「クックック、やはり運命は俺に味方している!」
('A`)「フィレンクト星人、お前は負けていたよ。」
(‘_L’)「あぁ?なんだって?」
('A`)「お前はセントジョーンズに負けたんだ。精神的にな。だから物理的な攻撃で命を絶つしかなかったんだ。」
395
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:48:55 ID:fRcSXe1I0
(#‘_L’)「精神的?何言ってやがる!結局死んでんなら俺の勝ちだ!」
('A`)「お前の気持ちもわかるよ。この星の連中は肉体的には弱いはずなのにとてつもなく強い奴が大勢いてビックリするよな!」
(‘_L’)「??」
('A`)「運命が味方してるだって?逆だ逆。ツンヌを追い払ったのは間違いだったな!」
('∀`)「おかげで変身できるぜ!」
胸元からドクトラアイを取り出し変身する。
(∞)「デュワ!」
(;‘_L’)「き、貴様はドクトラセブン!」
('A`)「お前の野望もここまでだ!!」
フィレンクト星人に飛び掛かるドクトラセブン。
相手も負けじと殴り返してくる。
('A`)「ウオォォォ!!」
(‘_L’)「負けるものか!!」
壮絶なラッシュの打ち合い。
打ち勝ったのは……
('A`)「オラァ!」
(;‘_L’)「ぐわぁぁ」
殴り飛ばされるフィレンクト星人。
追撃で飛び蹴りを放つドクトラセブン。
しかし、一瞬にして姿を消すフィレンクト星人。
396
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:49:23 ID:fRcSXe1I0
('A`)「?!」
後ろにワープしたフィレンクト星人が光線を放つ。
(;'A`)「イデデデデ!」
反応が遅れ、背中に直撃してしまう。
隙を見逃さないフィレンクト星人は後ろからつかみかかり、バックドロップを決める。
美しい放物線だ。
(;'A`)「ぐぇ……」
受け身も取れずに後頭部を強打してしまう。
だがすぐさまクラッチを切り体勢を立て直して反撃する。
しかしまた背後にワープされてしまう。
(‘_L’)「間抜けがアホめ!!」
今度はバックドロップで蹴り飛ばす。
(;'A`)「うへぇ……」
吹き飛ばされながらもドクリュウム光線で反撃する。
(‘_L’)「そんな技が通じるか!」
また姿を消す。
('A`)「今だ!」
消えたと同時に後ろにローリングソバットを放つ。
(;‘_L’)「うぐぅ!!」
狙い通りみぞおちに命中する。
よろけたフィレンクト星人の頭を両手でつかむと膝蹴りの連打。
何発かぶち込んだら首投げを決める。
その後も激しい死闘が続いた。
397
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:49:46 ID:fRcSXe1I0
お互いにフラフラとなんとか立っていられる程度だ。
そしてドクトラセブンの額のビームランプは激しく点滅している。活動限界が近いのだ。
決着をつけなくては互いに限界が近い。
('A`)「オリャァ!!」
(‘_L’)「ドリャァ!!」
同時に飛び蹴りを放つ両者。
空中で交差して着地する。
('A`)「……」
(‘_L’)「……」
(;‘_L’)「グ……」
片膝をつくフィレンクト星人。
( A )「ガハァ!」
その場に倒れこむドクトラセブン。
(;‘_L’)「危なかった。あともう少しでやられていたぞ。」
(‘_L’)「だがあと一人始末すれば俺の完全勝利だ!!」
(‘_L’)「フハハハハハ!!」
(;'A`)「ま…まだだ!!」
必死に立ち上がろうとするドクトラセブン。
とっくに限界を迎えている。どう考えても勝てるはずがない。
だがここで立ち上がるのがヒーローなのだ。
('A`)「俺はお前に負けるわけにはいかない!!この地球を守るため!!」
どこにそんな力が残されているのか徐々に立ち上がる。
(;‘_L’)「な?!」
398
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:50:14 ID:fRcSXe1I0
('A`)「こっから逆転するのがヒーrξ゚⊿゚)ξ「おっと間に合ったか!私のサンドバックは生きてるな!」
(;'A`)「?!」
ξ゚⊿゚)ξ「アタッシュケース探すの苦労したぜ。あれ、ドクオの奴は?」
ξ#゚⊿゚)ξ「あの腰抜け野郎逃げやがったな!!」
ξ゚⊿゚)ξ「おお、ヘタレンダーZボロボロじゃないか。」
('A`)「俺はドクトラセブンだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな気を使わなくていいぜ、その名前つけたのはウチのキモイ奴だろ。」
ξ゚⊿゚)ξ「私にはわかるよお前の本当の名前が。それがヘタレンダーZだろ。」
('A`)「いえ、本名はドクトラセブンです。」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(;'A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「まあいいヘタレンダーZ、後は私に任せろ!」
(;'A`)「よせ!お前の敵う相手じゃない!!」
(‘_L’)「やはり運命は俺の味方のようだ!」
ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」
(‘_L’)「俺からして困る展開は応援を呼ばれることだったんだが、自分から出てきてくれるとはな。」
(‘_L’)「所詮お前らの運命はこうなることに決まっていたんだろう。」
(‘_L’)「フハハハハハ!!」
399
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:50:45 ID:fRcSXe1I0
ξ゚∀゚)ξ「カーッカッカッカッ!!」
腹を抱えて笑い出すツンヌ。
(‘_L’)「何が可笑しい!!」
ξ゚∀゚)ξ「だってよ、いい歳したおっさんが運命だとか言ってんだぜ笑うしかないだろうよ!」
ξ゚∀゚)ξ9m「テメーにいいこと教えてやるよ!運命を信じてていいのはいたいけない少女か、いまだに白馬の王子を信じてるメンヘラ女だけだぜ!」
(#‘_L’)「ギ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「その運命なんて言葉は言い訳のための言葉だぜ!」
ξ゚⊿゚)ξ「何か失敗したやつがこうなる運命だったって言い訳するためのな!」
ξ゚∀゚)ξ9m「だからテメーはこの後『俺はこうなる運命だったんだぁ』って後悔しながら地獄に落ちるんだ!」
ξ゚⊿゚)ξ「さあかかってきな!!」
戦闘態勢をとるツンヌ。
(#‘_L’)「地球人ごときが舐めた口ききやがって!!」
(#‘_L’)「この俺を怒らせたことを後悔させてやるぞ!!」
(#‘_L’)「貧弱でただおびえることしかできない哀れな下等種族がぁ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「なにゴチャゴチャ喚いてんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「さっきも言ったが私に命乞いは通じねぇぜ!ビビってんだったらこっちから行くぞ!」
(#‘_L’)「?!」
あとはツンヌさんが全部やってくれました。
400
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:51:12 ID:fRcSXe1I0
一発ぶんなぐって動きを止めたら素早く後ろをに回ってチョークスリーパーで首を絞める。
そのまま簡単に首をへし折って終わった。
ξ゚⊿゚)ξ「準備運動にもならなかったな。」
( _L )
('A`)「は?」
確かにドクトラセブンと死闘を繰り広げて消耗していたはずだが、それでも地球人が瞬殺するなんて……
('A`)「は?」
今起きた現実を受け入れられないドクトラセブン。
ξ゚⊿゚)ξ「必殺メイプルリーフクラッチの練習台にしてやろうと思ったんだが、大したことなさすぎだろ。」
フィレンクト星人の死体の頭を踏みつけながらツンヌは余裕な表情だ。
ξ゚⊿゚)ξ「不完全燃焼。」
ムスッとすごく不満そうにする。
ξ゚⊿゚)ξ「あ、でももう一人いいサンドバックがあったな。」
クルッとドクトラセブンの方を向くが、すでにドクトラセブンはいなかった。
ξ゚⊿゚)ξ「チッ、勘のいいやつめ。」
ξ゚⊿゚)ξ「ん?」
(;'A`)「どうやら終わったようだな。」
スッと姿を現すドクオ。
401
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:51:44 ID:fRcSXe1I0
ξ#゚⊿゚)ξ「腰抜け野郎どこに隠れてやがった!!」
(;'A`)「いや俺もいろいろ戦ってたんだよ。それで君を呼びに行こうと……。」
ξ゚⊿゚)ξ「まあいい。終わったからとっとと帰るぞ。」
('A`)「……」
黙ってセントジョーンズの亡骸を見つめる。
ξ゚⊿゚)ξ「まあこの仕事をしていれば助けられない命もあるさ。それくらい慣れろよ。」
慣れろ。言葉でいうのは簡単だが、実際にこの手で助けられない命を目の当たりにしてしまうと……
ξ-⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「私たちは全能な神様なわけじゃないんだぜ。どんなに頑張ったって所詮はただの人間でしかないんだよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「空も飛べなければ時間も巻き戻せない。ましてや人の命を蘇らせるなんてな。」
ξ゚⊿゚)ξ「だからこそいつも必死に生きてんだろ戦ってんだろ私達は。」
ξ゚⊿゚)ξ「今日起きたことは忘れるな。お前の記憶にしっかり刻め。それが私たちの義務だ。」
('A`)「ああ……そうするよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ早く運転お願い。私この後トソンと飲み行くから基地に行く前に居酒屋によってね。」
(;'A`)「切り替え早くない?」
ξ゚⊿゚)ξ「これだから新兵は適応力が遅い。必死に生きてるって言ったろ。だから私は人生を精一杯楽しく生きてるわけよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「ヘボい精神力じゃこの先生き残れんぞ新兵。偉大な先輩を参考にしろよ。」
(;'A`)「……」
少しでも感心した自分が馬鹿だった。
402
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:52:06 ID:fRcSXe1I0
でもあんたは永遠の命を手に入れたんだったよな。
人類が続く限りあんたは彼女とともに生き続けるなら俺は人類が滅ぶその瞬間まで守り続けるよ。
それなら文句はないだろ。
('A`)「永遠の命か……」
俺もこの先地球の教科書とか載るようになるのかな?
そうすれば地球人の心の中で永遠に生き続けるのかな?
('A`)「……」
いや違うな。
たとえ地球人の記憶に残らなくても俺は戦うよ。
永遠の命なんていらない。
俺はこの星が好きだ。だからこの星のために戦うんだ。
それは自分が決めたこと。人にまったく知られていなくてもいい。
この先戦いで命を落とそうと後悔はない。
('A`)「それじゃあ俺は行くよ。」
( e )
満足気に笑うセントジョーンズの亡骸を後にする。
きっと彼と彼女はこれからも生き続けるだろう。人々の心の中で。
第十三話『永遠の命』
終わり
403
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 22:52:50 ID:fRcSXe1I0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
404
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 23:10:58 ID:f/VW831g0
セントジョーンズ……
405
:
名無しさん
:2018/10/26(金) 23:35:26 ID:kkuWeS060
いつもながら素晴らしいな
ドクオが少しずつ成長してるのが良い
406
:
名無しさん
:2018/10/27(土) 18:49:36 ID:W6FCnulA0
>>399
ここクソワロタwww
407
:
名無しさん
:2018/10/27(土) 21:49:39 ID:CZNe5Y2w0
ツンが量産の暁には宇宙人なぞあっという間に叩いてくれるわ
408
:
名無しさん
:2018/10/28(日) 19:08:41 ID:DFUoMimM0
きたきたw
いやー、このジョルジュ一緒にいたら楽しそうで好きだわ。ドクオのセリフの変化からも徐々にヒーローとしての自覚や成長がみてとれるな
そろそろ急成長する話もでてくるのかしら?
409
:
名無しさん
:2018/10/28(日) 22:10:16 ID:jwSnLeHo0
今日発見して一気に読んでしまった
これからも期待してます
410
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:33:40 ID:0Sx6YJI20
第十四話『宇宙一のラーメン』
上司「ちょっといいかいトソンくん。」
(゚、゚トソン「はい、なんでしょうか?」
仕事の途中、上司に呼び出されるトソン。
彼女の働いている会社は雑誌編集部で芸能関係からオカルト雑誌まで幅広く出版している。
その中でオカルト雑誌を担当している。トソン自身は芸能関係を担当したかったようだが、人生そううまくはいかない。
上司「忙しいとこ申し訳ないんだが……」
(゚、゚トソン「?」
上司「来週から別の雑誌の編集部に行ってもらうこととなった。」
(゚、゚トソン「は?」
上司「最近うちはだいぶ売り上げが落ちてね。しかも取材に行った記者が何人も行方不明になるし。」
上司「だからオカルト雑誌は廃刊して人材は他の部署に異動することになったんだよ。」
(゚、゚トソン「え!じゃぁ私芸能関係に移動できるんですか!!」
目を輝かせながら質問する。
願ってもない話だ。やっと自分でやりたかった仕事ができる。
今までまったく興味もわかないオカルト話の記事とか書いていたが、やっと報われる時が来たのだ。
トソンの目には希望であふれていた。
上司「その…悪いんだが……」
上司「ラーメン雑誌に方に移動になったんだ。」
(゚、゚トソン「は?」
一瞬にして絶望に変わる。
希望というものはあまりいだかない方がいい。
411
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:34:07 ID:0Sx6YJI20
その日の仕事を雑に終わらせて職場を後にする。
こんな仕事本当にやってられない。やめてやろうか?
……今は我慢のときだ。いつか必ず芸能関係の編集部に行ってやるんだ。
子供の頃からの夢だったじゃないか。私が芸能人の秘密を暴いて記事にして連日ワイドショーを賑わせる。
記者会見で汗を滝のように流しながら、しどろもどろに返事をする光景を見て酒を飲むと。
その昔からの夢を叶えるために今まで頑張ってきたんじゃないか。もう少し耐えなくちゃ。
(゚、゚#トソン「……」
そう思ってもイライラが止まらない。感情のコントロールって難しい。
でも私は知っている。こういうときはなにをすればいいかを。きっと社会人ならみんな知っている。
酒!飲まずにはいられない!
いつもの行きつけの飲み屋を目指す。そしてこういう時は一人で飲むよりもう一人はいた方がいい。
うるさく騒げれる親友が。
いつでも簡単に呼び出せて飲みに行ける素晴らしい親友だ。
(゚、゚トソン「さてと。」
バックにしまっていたスマホを取り出すとすぐに電話をかける。
prrr
prrr
prrr
(゚、゚トソン「?」
いつもはワンコールで出るのだが、今回はなかなか出ない。
珍しく仕事でもしてるのか?
ξメ゚⊿゚)ξ「もしもしどうしたの?」
412
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:34:38 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚トソン「ごめん仕事中だった?」
ξメ゚⊿゚)ξ「いやー、久しぶりに骨のあるやつと戦っててね!やっぱ戦いってこうお互いの実力が近くないとつまんないわよね。」
(゚、゚トソン「そう。ならお仕事頑張ってね。」
ξメ゚⊿゚)ξ「おう!」
そう言って電話を切る。
ξメ゚⊿゚)ξ「すまなかったな。急に電話がきたもんだから。」
ξメ゚∀゚)ξ「さあ続きと行こうぜ!まだまだこれからだろ私たちの死闘は!!」
ξメ゚∀゚)ξ「調子が上がってきた!行くぜオラァ!!」
顔には傷が付き服もボロボロになってもまだ元気そうに突っ込んでいくツンヌ。
強い宇宙人(嘘だろこの地球人!俺の全力の攻撃を受けてピンピンしてる)
今しがた全力を出し切ってしまい、もう絶望しかない宇宙人。
その二人のやり取りを近くで見ているだけのドクオ。
(;'A`)(こいつマジでおかしいだろ……)
ツンヌ優勢でボコボコにしていく。
改めて地球の神秘をその目で見届けるのであった。
413
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:35:05 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚トソン「はー」
ため息をつきながら、居酒屋まで歩く。
仕方ない今日は一人で飲みまくるしかない。
そう思っているうちにもう目的地まで付いた。
さぁやけ酒だ。
(`ェ´)「今日はパチンコ勝ちに勝ったぜ!」
≫(‘♀’)≪「やったな佐藤君!」
(`ェ´)「奢ってやるから感謝しろよ人さん。」
≫(‘♀’)≪「あざっす!マジ感謝!」
≫(‘♀’)≪「アンコウ料理のフルコース食おうぜ!!」
(`ェ´)「そんなコースこの店に無いでしょ。」
≫(‘♀’)≪「そうだった。」
アハハハハ!
同じタイミングで反対方向から楽しそうに飲みに来た客がやってきた。
このイライラしている時にこうも楽しそうにふざけあっている連中を見ると腹の底から怒りが込み上げてきた。
(゚、゚#トソン「チッ」
舌打ちをしながらにらめつける。
(`ェ´;) ≫(‘♀’;)≪
すぐさまおとなしくなる二人組。
威嚇した連中を置いて店に入りひたすら酒を注文した。
(゚、゚#トソン「あのクソ上司がぁ……」
もう既にどのくらい飲んだのか覚えていない。
それと同じくらいどれほどの愚痴をこぼしたのかも……
414
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:35:33 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚*トソン「ヒック……」
店長「お客さんそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」
居酒屋の申し出になんて答えたかすら覚えていないが、気づくと自分が住むマンションがある駅の近くまで来ていた。
(゚、゚*トソン「ヒック…わたしゃ酔ってなんかないよ……」
千鳥足で何とかマンションの方へと向かう。
その時だった。美味しそうなラーメンのニオイが。
(゚、゚*トソン「あぁん?らーめん?」
まさしく今見たくないランキング一位のものだ。
なんでラーメン雑誌になんて……
でもものすごく美味しそうなニオイだ。
こんなところにラーメン屋なんてあったっけ?好奇心から足がニオイのする方へと向かっていく。
(゚、゚*トソン「屋台のラーメンかぁ。」
珍しくこんなところで屋台を出しているみたいだ。
好奇心と美味しそうなニオイのせいで席についてしまった。
( `ハ´)「イラッシャイネー。」
中華服を着たその男は片言の日本語をしゃべっていた。
昭和くらいの漫画とかである中国人キャラみたいな見た目であるが、すぐさまこいつが地球の者でないのが分かった。
(゚、゚*トソン「おっさん宇宙人かー」
( `ハ´)「そうアルよ。ワタシ宇宙人ネ!」
(゚、゚*トソン「口調もいつの時代だよー」
( `ハ´)「ワタシは宇宙人でも味は確かネ!」
常連客A「おうよ!嬢ちゃんシナーさんの作るここのラーメンは宇宙一だぜ。」
隣に座る酔っ払いのおっさんが絡んできた。
415
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:36:00 ID:0Sx6YJI20
(゚、゚*トソン「宇宙一ねー。言うじゃない。それなら一杯頼もうかしら。」
( `ハ´)「アイヨ!」
すぐさま麺を湯で始め、ささっと具をのせれば完成だ。
差し出される味噌ラーメン。
(゚、゚*トソン「ではいただきます!」
ズズズッ
(゚、゚*トソン「!!」
(゚、゚*トソン「うまい!!」
(゚、゚*トソン「ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを合わせて煮込み豚足と背脂を加えた濃厚スープに、味噌の芳醇なコクが融合しやみつきの美味しさ!」
(゚、゚*トソン「濃厚なスープと太麺が合うこと合うこと!」
(゚、゚*トソン「チャーシュー、卵、ネギに至るまでひと手間加えることで最高の味を引き出している!」
(゚、゚*トソン「こんなうまいラーメンを食べたは生まれて初めて!!」
常連客A「だろだろwww宇宙一の看板は伊達じゃないぜwww」
( `ハ´)「そう言ってもらえると幸せアルよ。」
(゚、゚*トソン「おっさん名前は?」
( `ハ´)「ワタシはシナー星人のシナーアルよ。」
(゚、゚*トソン「私はこういう者なんだけど。」
416
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:36:32 ID:0Sx6YJI20
急いでバックから名刺を取り出して渡す。
まだオカルト雑誌の記者の奴だが。
(゚、゚*トソン「来週からラーメン雑誌の記者になるからシナーさんの記事書かせてよ。」
( `ハ´)「それはうれしい申し出アルね。」
( `ハ´)「でもこの店のことハ内緒にして欲しいヨ。」
(゚、゚*トソン「なんで?!有名になればお客さんもいっぱいでシナーさんウハウハじゃない。」
( `ハ´)「ワタシは所詮宇宙人ネ。」
( `ハ´)「なんの許可もなく勝手二店してるネ。」
( `ハ´)「そんなヤツハいつ始末されても文句言えナイ。この宇宙の常識的ルールネ。」
常連客A「そうだからシナーさんの屋台はいつどこで開くかわからないんだよ。今日は久しぶりに見つけられてよかったよ。」
(゚、゚*トソン「そんなもったいない……」
( `ハ´)「ワタシはこの宇宙デ究極の料理を作ルために旅してたアル。」
( `ハ´)「そんな中この地球ヲ見つけたネ。地球はスバラシイヨ。」
( `ハ´)「こんなにイロイロな食材アル星他にないネ。」
( `ハ´)「だからワタシ細々トデモお客さんに自慢のラーメン食べてホシイ。」
(゚、゚*トソン「そう言われちゃ私も黙ってるしかないじゃん。」
( `ハ´)「アリガトウアル。」
(゚、゚*トソン「今度は友達といるときに見つけれたらいいな―。」
美味しいものを食べるといらいらした気分も吹き飛ぶ。
これなら明日も頑張れるかな。
417
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:37:07 ID:0Sx6YJI20
('A`)「ツンヌってマジに地球人なん?」
( ^ω^)「あれだよ、突然変異種とかだよ。」
_
( ゚∀゚)「いや俺は自分を地球人だと思い込んでいる異星人説を押すね。」
(,,゚Д゚)「それだけ鍛錬したということだろ。俺たちも負けてられないな。」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!私のいる高みまで来るがいい敗北者どもよ!」
('A`)「化け物め。」
爪'ー`)「おっともうこんな時間か。それでは俺は会議に行ってくるから後のことはよろしく頼むぞ。」
( ^ω^)「了解です隊長!帰りは何時ですか?」
爪'ー`)「あー、今日は帰ってこれんと思う。また明日の朝な。」
( ^ω^)「そういうことですか、どうぞ楽しんできてください。」
爪'ー`)「いつも言っているが、くれぐれもヴィプトラ警備隊の隊員だということを忘れないで節度ある行動をするように。」
足早に作戦室から出ていく。
ξ゚⊿゚)ξ「ケッ!いいよな上の連中は。堂々と飲んで騒いでしに行けてよ。」
('A`)「ツンヌも堂々と飲んで騒いでしてると思うよ。」
( ^ω^)「まあまあ。そういった飲みの席は人付き合いで重要だぜ。」
418
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:37:39 ID:0Sx6YJI20
爪*'ー`)「いやーおひさー元気にしてた?」
キャバ嬢「フォッちゃんひっさー!」
もうかなり飲んで二次会かも三次会かもわからない中、気づけばお気に入りの嬢がいるキャバクラへ。
爪*'ー`)「寂しくしてたー?はいこれプレゼント!」
キャバ嬢「ありがとー!寂しかったー!もうフォッちゃん来なかったからずっとつまんなかったもん!!」
爪*'ー`)「ごめーん!お仕事忙しくて―これなかったーのぉ。」
キャバ嬢「じゃあ今日はいっぱい甘えてやるー!」
爪*'ー`)「甘えて甘えて!もう本当は毎日会いに来たいのに!」
キャバ嬢「そんなに防衛任務って大変なんだね!」
爪*'ー`)「そんなのホントは部下に任せっきりだからほとんど何もしてないけどねwww」
キャバ嬢「もうフォッちゃんたらぁ!でもまたヴィプトラホーク1号乗りたいなぁー。」
爪*'ー`)「任して任して!また一緒に日本の上空を散歩しよう!」
キャッキャウフフと楽しい時間を過ごす。
他の長官たちも自分のお気に入りの嬢と楽しんでいる。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、自宅への帰路に就く。
爪*'ー`)「ヒック……ウェー……」
フラフラと歩いているといい匂いがしてきた。
旨そうなラーメンのニオイだ。
そういえば締めのラーメンを食べていないことに気が付き、ニオイの元へと歩く。
爪*'ー`)「味噌ラーメン一杯。」
419
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:39:37 ID:0Sx6YJI20
( `ハ´)「ハイヨ!」
元気よく返事をし、作業に取り掛かる店主をまじまじと見つめる。
いつの時代の中国人キャラだ?というかこいつ宇宙人では?
爪*'ー`)「あれぇ?あんたちょっとしてぇ。」
いや、酔っ払っているせいなのかもしれない。
そう思いながら質問をしようとしたら隣の席の酔っ払った若い女性が話しかけてきた。
(゚、゚*トソン「おっさんおっさん!シナーさんは宇宙人だけど料理の腕は確かだぜ!」
爪*'ー`)「ふぇぇ……」
(゚、゚*トソン「あれこのおっさんどっかで見たことあるな。」
(゚、゚*トソン「まぁ常連のこの私のいうことを信じなさい。」
(゚、゚*トソン「ここのラーメンは宇宙一よ!」
爪*'ー`)「ふぁぃ……」
酔っ払いすぎて思考が回らない。
( `ハ´)「どうゾ!自慢の味噌ラーメンアルよ!」
爪*'ー`)「いただきまふ。」
ズズズッ
爪*'ー`)「!!」
爪*'ー`)「何といううまさ!」
爪*'ー`)「ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを合わせt(゚、゚*トソン「もうその説明は私がしたからいいよ。」
爪*'ー`)「いやでもうますぎる!!」
( `ハ´)「そう言ってもらえれば料理人としてシアワセアルよ。」
(゚、゚*トソン「常連から忠告だけどこの屋台のことは誰にも言うなよ。」
(゚、゚*トソン「シナーさん宇宙人だから見つかったら始末されちまうよ。」
( `ハ´)「ヴィプトラ警備隊にだけはナイショにしてほしいアルネ。」
(゚、゚*トソン「いいか絶対に黙っとけよおっさん。」
爪*'ー`)「ふぇぇ……」
420
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:40:15 ID:0Sx6YJI20
どうやって帰ったのかわからないが次に意識が戻った時には自宅のベットだった。
爪; ー )「頭イテー……」
激しい頭痛が襲う。二日酔いだ。だいぶ飲んだようだ。
昨日の夜の出来事がかなりあいまいで何とか顔を上げると嫁が鬼のような形相で睨んでくる。
从#'ー'从「あなた昨日また遅くまで飲んでいたでしょ!今朝玄関の戸が開けっぱなしでしたよ。」
从#'ー'从「それに脱いだ服がそのままになってるし、煙草の臭いはするし!」
爪; ー )「はい…ごめんなさい……」
从#'ー'从「もう一度やったら煙草だけじゃなくてお酒も禁止します!!」
爪; ー )「そ、それだけは……」
ただでさえ痛む頭にさらに怒りの怒鳴り声が響く。
天下のヴィプトラ警備隊隊長も奥様には頭が上がらないのだ。
爪;'ー`)「おはよう諸君……」
フラフラしながら作戦室に入っていくフォックス。
( ^ω^)「おはようございます。おや、どうやら昨日はだいぶ飲んだみたいですね。」
(,,゚Д゚)「だいぶ顔色悪いですよ。」
爪;'ー`)「歳のことを考えずに飲んでしまったよ。」
何とか椅子に座り一息つく。
爪'ー`)「……」
( ^ω^)「何か考え事ですか?」
爪'ー`)「いや、何でもないよ……」
爪'ー`)(何か大事なことを忘れている気がする)
爪'ー`)(そう、何かとてつもなくうまいものを食べたはずだ)
舌の上で確かに残る何かの味。
それのことばかり考えながら数日数週間が過ぎていく。
あの日以来夜は一人でパトロールに回っていた。
421
:
名無しさん
:2018/11/14(水) 22:40:53 ID:0Sx6YJI20
そんなある日、たまたま夜私服で出る私用があり一人で街中をうろついていた。
そうしていると何やら嗅いだことのある旨そうなニオイが……
ニオイを頼りに向かう。
爪'ー`)(このニオイだ!俺が探していたのは!)
気づけば屋台の席に座っていた。
( `ハ´)「イラッシャイアル!」
( `ハ´)「お!お客さんまた会ったアルネ!」
(゚、゚*トソン「ようよう!久しぶりじゃんおっさん!元気してたか?」
(゚、゚*トソン「あんたもここの常連になれたようだな!」
上機嫌な酔っ払いが絡んでくる。
爪;'ー`)「あ……」
欠けていたピースがはまるようにあの時の記憶がよみがえる。
爪'ー`)「み、味噌ラーメン一杯……」
( `ハ´)「ハイヨアル!」
爪;'ー`)「……」
(゚、゚*トソン「おっさんどうよ最近は?」
爪;'ー`)「え?」
(゚、゚*トソン「その感じだと仕事もできなさそうな窓際族のサラリーマンぽいけど、ちゃんと仕事行ってるか?」
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