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【エルデンリング】黄金律最終報告リマスター版:投稿者【同人拓也】

1名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/19(月) 00:33:52 ID:h6sxUnPA
このスレはエルデンリングと、無料HPのサービス終了により2013年8月30日をもって閉鎖されたブログにて投稿されていた、KBTITこと拓也氏の怪文書をクロスさせた二次創作スレの加筆修正版です。ちなみに氏の文章は氏自らがフィクションとして扱っていましたので、ジャンルとしては二つの創作物を混ぜ合わせたクロス系になると思います。



本SSを読むにあたっての注意点
・すげー長い
・拓也さん風の文章形式のまま最後まで進むので、台本形式が多用される
・ノムリッシュ 語録も混入されている
・拓也さん風の地の文を再現するため、所々で文章の接続詞や主語の有無などがおかしくなる
・エルデンリングというゲームは登場キャラが多すぎてセリフや描写が混乱しやすいため、セリフの前にキャラクター名を表記

「ウッス!」←本SSでは採用しない

拓也「ウッス!」←本SSで採用する


拓也の設定
・虐待おばさんをはじめとした、メジャーな部類の拓也さんの怪文書に書かれている内容を真として、本SSの拓也は執筆される
・本SSの拓也は家庭が崩壊して両親が離婚後、母親から虐待を受けつつ育ち、学校ではいじめられ、腐女子のお姉さんに仕込まれたりした経験がある拓也である
・バリ島にも行ったことがあり、女にモテモテな社長とプレイしたこともある。外国人に波乗りの腕前を褒められたことも事実として扱う

52名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 08:14:35 ID:iSztpomY


…はずだった。

拓也とラダーンの間に、砂と血に塗れて、義手が外れかかったミリセントが立ちはだかる。
ラダーンは剣をビタリと止めると、目から血走りが嘘みたいに引いていって、澄んだ光を輝かせる。それから両手の大剣を地面に突き刺して、腕を組んで拓也とミリセントを見据えた。
え?マジ?助かった?

なんて思っていると、ミリセントが義手を掴んで自分の肩にハメ直す。それと同時にラダーンからかなりヤバそうな雰囲気が漂い始めて、地面に刺さった大剣がブルブル震えだす。なんだよ!どうして戦うんだよぉ!って拓也の叫びも無視されて、ラダーンは大剣を引き抜いて元の戦いの鬼に戻る。ミリセントも剣を構えて、拓也が見たこともないスピードで走り出した。

ラダーンが大剣を振り下ろす。
振り下ろされた大剣はミリセントの義手を砕いて地面にぶち当たったけど、その大剣はミリセントの足場になった。大剣を蹴って飛び上がったミリセントはラダーンに飛び乗って、その首筋目掛けて剣を振り上げたけど、同時にラダーンも残ったもう片手の大剣をミリセントに振り回す。でもラダーンの剣もミリセントの剣も、お互いの首に触れる前に停止。

何が起きたか分からない拓也は、グラサン越しに眼を全開にして、ミリセントとラダーンを見る。ミリセントは何かに驚いた様子で眼を見開いて、手を震わせている。ラダーンの方は何かを悟ったみたいな顔で、手に持つ大剣を下げたぜ。


ミリセント「そうか…お前……私は…!」


ミリセントが剣を離すと、ミリセントの剣はラダーンの鎧に当たって何度か跳ねてから地面に刺さる。やばいぜ!丸腰のミリセントはまな板の鯉状態で死ぬのを待つしかない。拓也は必死で解決策を考えるけど、今のオレに出来ることなんていくら考えてもあるわけないから、マジでどうしようもなくて冷や汗だけが滝のように噴き出す。

でもラダーンは無防備なミリセントを斬ろうとしないで、ただミリセントが何をするのかを待つかのように見つめるだけだった。やっぱり終わったの?助かった?拓也がまた安心し始めると、ミリセントの頬を涙が伝った。


ミリセント「……すまない…」


わけの分からないことが起こりすぎて、もう何がなんだかわかんねーよ!ミリセントがなんで謝ってるのかも分からないし、ラダーンとミリセントが戦わない理由も分からないし、そのくせ出会った時はなんでバチバチに戦ってたんだってことで、拓也の思考はショート寸前。これから何が起きるのか全く分からなくなったところで、オレの後ろで砂煙が上がった。

ゴドリック「ラダーンよ!今こそ黄金の君主の裁きを受けよ!」

真っ二つになった身体を接ぎ木パワーで繋ぎ直して再生させたゴドリックが、拓也を背後から飛び越えてラダーンに斬りかかる。ラダーンはうおおおお!ってとんでもない大声を張り上げてまた鬼の形相に戻り、斧の刃を鷲掴みにして止めると、思いっきり振りかぶってからゴドリックを地面に叩きつけた。「ぐはぁ!」と叫びながらゴムまりみたいに跳ね上がるゴドリックと一緒に、ミリセントも宙を舞って拓也のすぐ目の前に落ちる。ゴドリックの方は地面に落ちる前にラダーンに足を掴まれて、今度は別の方向に叩きつけられて、またゴムまりみたいに跳ね上がっている。

ミリセント「拓也…私はもう、ラダーンとは戦えない…」

ミリセント「戦いたくないんだ…」

抱き起こしたミリセントの顔は涙でずぶ濡れになってて、そんな顔見たことなかったからオレも「ど、どうしたんだよ!?何があったの!?」って声が荒くなる。そしたら今度は血まみれのネフェリが走って来て、ラダーンの馬に斧を叩き込もうとする。
ラダーンはチョースピードで足を動かして、斧を弾き飛ばしながらネフェリを蹴り飛ばして、続いて向かって来た狼系イケメンに叩きつけてダブルダウンさせる。すると今度は、いつから隠れていたのか分からないけど、いつの間にかアレキサンダーの中に潜んでいた血まみれの侍爺さんが飛び出して、とんでもない勢いで刀から血を飛ばしてラダーンを斬りつける。

刀ビームを何発か食らったラダーンの体から、腐敗が混じった血が噴き出すと、ラダーンはギン目で一気に馬を駆けてアレキサンダーの後ろに周りこみ、爺を徹底的に爺を斬りまくる。血まみれの侍爺さんが粉微塵になって消えたあと、アレキサンダーがようやく復活。ふらふらとラダーンに向かっていき、ゴドリックも鼻と口から血を流しながら起き上がる。
ダウンから復活したネフェリは血だらけ怪我だらけのボロボロ状態でこっちに来て、ミリセントに掴みかかった。

ネフェリ「何故剣を止めた!どうして戦わない!貴様はここを…」

でも掴みかかられたミリセントの顔を見ると、ネフェリは苦虫を噛み潰したような顔で目をつぶって「心を折られたか」って悔しそうな声を漏らす。そんなオレ達に僧侶系地味女が駆け寄ってきて、金色の光でミリセントとネフェリを癒す。その間にゴドリックとアレキサンダーと狼イケメンがラダーンに飛び掛かってたけど、すぐに大剣の嵐をぶち込まれて、枯れ葉みたいに回転しながら宙を舞っていた。

ネフェリ「この戦…私達の負けだ…」

ネフェリ「今の私達では…ラダーンには勝てん…」

ネフェリはそう言うと、拓也とミリセントを両脇に抱えて叫ぶ。

ネフェリ「撤退だ!退け!我らは敗北した!今は命を繋ぐ時だ!」

叫びを聞いた狼イケメンは瀕死のアレキサンダーを抱え上げると、咆哮をあげて力の限り走る。ゴドリックは何故か頑なに負けを認めようとせずにラダーンの前に立ちはだかったけど、ラダーンが大剣に岩をしこたまくっつけたヤバい代物をフン!って振ると、ゴドリックはチョーヤバいスピードで空を飛んで、逃げる俺たちをそのまま飛び越して赤獅子城の塔に突っ込んでから、ピクピクと痙攣を始める。
誰よりも早く撤退してんじゃねーよ!

でもゴドリックのおかげで、拓也達は全員慟哭砂丘に乗り付けた船に乗ることができたから、ゴドリックが復活したら勇者の肉塊を奢ってやっても良いぜ。ただし、生還したオレ達は実のところ全員が疲労困憊で、喋る元気も動く元気もなくて、1時間くらいは全員大の字で砂浜に寝転がってた。見上げた視界に入るのは、赤い空と具合の悪そうな雲と、端っこに見えるゴドリックの痙攣する尻だけだぜ。

ラダーンが追ってこないことが本当にありがたかったな。デミゴッド最強の称号は伊達じゃなかったし、今度戦ったら絶対に死ぬぜ。そもそも戦いにすらなってなかったしラダーンの顔はもう二度と決して絶対に見たくない。今日の夜はうなされて、朝は小便漏らして起きるんだろうな。

53名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 08:15:00 ID:iSztpomY
投稿おわりっ!
続きは夜に

54名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 23:05:47 ID:iSztpomY


円卓会議4回目  投稿者:ビルダー拓也


ラダーン祭りに参加して。
全員ボコボコにぶちのめされて。
みんなの士気が無くなってるところに、あのマネージャーがやってくる。
俺たちは円卓で呑気に座ってられるけど、中身がほとんど出ちゃったアレキサンダーはヨボヨボのシラケた身体で、今はリムグレイブで休憩中。壺の中身って要するに内臓のことだろうけど飯食っただけでなんとかなるとは思えないし、壺自体も割れかけてるしでこれからが心配だよね。ラーヤはおうちに帰ったらしいけど、あの子の家ってどこなんだよ?こんな世の中で女の子が一人で暮らしていける家ってあるのかな?

マネージャー「報告はネフェリから聞いています。…かなり、こっぴどくやられたようですね」

ブライヴ「こっぴどく、どころではない。完敗だ。勝ち目は無かった」

今度の会議のメンツはかなり多くて、オレとネフェリとミリセントと、あとマネージャーの他に、ディアロス、ローデリカ、そして狼系イケメンことブライヴが席についてて、絵面がいかにも悪の秘密結社って感じでやけに面白くて、拓也の心の中で乾いた笑いが起きる。ブライヴはラダーンを倒すまでは探索に協力してくれるらしい。人間じゃないけどやっと強そうな男が来たぜ!って無理矢理元気を出しても、ラダーンに負けた事実は変わらなくて、これからどうしようって途方に暮れる。

マネージャー「仕方がないですよ。相手は病に侵されているとはいえ、あの星砕きのラダーンだったんですからね。エルデに襲来した隕石群をひとりで砕いて、神々の運命さえも止めてしまっているデミゴッドを相手にして、命があるだけ幸運だったと考えましょう」

ラダーンについてはマネージャーから「最強だったけど病気になったデミゴッド」くらいの話しか聞かされて無かった拓也は、衝撃的すぎる新事実に鼻水噴き出してマジ怖気!隕石砕いて時間も止められる化け物なんて、剣や斧でどうにかなるわけねーよ!マネージャーはそのこと知ってたのにオレたちを止めなかったんだから、チョーSなんてレベル超えてるぜ!
これって殺人未遂だよな!って顔を真っ赤にプルプルしていると、ミリセントがやおら立ち上がる。

ミリセント「聞いてくれ…話が…あるんだ」

ミリセントは緊張と不安が混ぜ混ぜになった顔。ネフェリは「話か。いいだろう、聞かせてもらおう」と語気を強めてSが入る。尋問じゃないんだからさー、そういうのやめなよっ、て考えても空気がピリついてて口には出せない。でも実際ネフェリが聞きたがってることは、ここにいる全員も聞きたがってるだろうから仕方ないのかもね。

ミリセント「私は…ラダーンの前に立った時、何かを思い出したんだ」

ネフェリ「何をだ」

ミリセント「いや、思い出したというより、感じた…予感のようなものかも、しれない」

ネフェリ「だから何をだ。何を見た。お前はラダーンの何を知ってる」

ミリセント「違う、ラダーンについてじゃない…私についてだ」

ネフェリ「なに?」

予想外の展開になってきて拓也ももっと気になりだして、姿勢が思わず前屈み。ほかの皆もミリセントの顔をじっと見つめて、息を潜めて答えを待ってる。そしてミリセントは何かを思い切ったみたいに唾を飲み込んで、うつむき気味だった顔を上げた。


ミリセント「私は、遥か昔に、ラダーンと剣を交えたことがある」

ミリセント「私はおそらく、マレニアの分け身なんだ」

55名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 23:13:41 ID:iSztpomY

ミリセントからの答えを聞いて、ネフェリとブライヴが立ち上がって、マネージャーは両手で口を抑える。ディアロスは口をパクパクさせてて、でも俺はマレニアって名前にピンと来なくて、なんで皆が驚いてるのか分からない。そんなに有名人なのかな?オレが知らないだけ?話についていけなくなりかけたから小声でマネージャーに聞くと

「マレニアは神から生まれた英雄です。朱い腐敗を司り、ラダーンにも匹敵する力を持った神格存在らしいです。ケイリッドがああなったのも、彼女の力によるものだとか」

と小声で教えてくれた。有名人どころじゃねーぜ!ってサングラスがずり落ちた拓也は、今までの旅路を思い出す。オレって神様助けたあとに、神様にザーメン掃除とかケツマン処理とかさせちゃったってこと!?あまりにバチあたりな思い出の数々に拓也はひとり地獄行きを覚悟する。

ネフェリ「馬鹿なことを…まったく、何を言い出すかと思えば…」

ブライヴ「そうだ、ありえん。環樹は律の崩壊と共に崩れた。死に生きることもなく、新たな体を得て生き返るなど、レナラ様の力があっても容易くはないはず」

自然な感じで流された単語を拓也は聞き逃さない。黄金律がちゃんと動いてたら、死んでも生き返れるルールがあったってマジヤバ!それってステーキ食ったら、腹の中で牛になって出てくるってことじゃん!どじょうとオレの精子がさ、腹の中で出会ったらどうする?総理大臣の誕生か?

ディアロス「は、ははは…貴公は真面目一辺倒だと思っていたが、案外冗談も言えるのだな…生まれながらの英雄が、ケイリッドで野垂れ死にしかけたなど、ありえんことではないか」

ミリセント「いや…確信があるんだ。私は…」

ネフェリ「いい加減にしないか!お前がマレニアの分け身だと言うのなら、何故ラダーンを斬らなかった!お前の忘れ得ぬ仇ではないのか!」

ミリセント「ローデリカに見てもらったんだ。私の心、魂を」

今度はネフェリ以外のみんなの視線がローデリカに向いて、ローデリカは席から立ち上がった。拓也はさっきまで忘れかけてたけど、ローデリカには霊能力があってオーラの泉みたいなことができる。人の魂を見るとか前世の記憶だとかは信じてなかったけど、ここに来てからはマジであるんだってオレも思えてきてるぜ。

ネフェリ「…見たのか?」

ローデリカ「はい…ですから私は、この会議に出席したのです」

ローデリカ「ミリセント様の魂は、とても強く、眩いものでした…今の私などでは、全てを見通すことなどできないくらいに…」

ローデリカ「あれほどの強い魂は知りません。円卓に来て、遺灰と触れることもありましたが…ミリセント様の輝きは彼らとは比べものにならないのです」

ローデリカ「そう…まるで神の力のような…」

突然ディアロスが立ち上がって椅子が転がった。
それから、どうしたんだって聞く暇も無く捲し立てる。

ディアロス「嘘だ!認めない!生まれながらに英雄の魂を持つ人間など、いてたまるものか!」

ミリセント「違う…私は英雄ではない」

ディアロス「ああそうだ!貴公は英雄ではない!英雄とは試練を乗り越え、戦いと研鑽に鍛えられた者だけが手にする誉だ!ただ生まれ、偶然にも剣の才に恵まれたにもかかわらず、それを生かさず彷徨っていただけの者が英雄などありえない!」

マネージャー「ディアロスさん、落ち着いてください」

ディアロス「これは英雄への冒涜だ!貴公が英雄を名乗り、我が兄ユーノ・ホスローが英雄を名乗れぬなど、そんな道理があってたまるものか!」

ネフェリ「黙れディアロス!星砕きの伝説を前に怖気付き、ラダーンの討伐に加わらなかった貴様が、ミリセントと私の前で英雄のなんたるかを語るな!」

マネージャーがなだめようとしたけど、ネフェリが円卓中に響き渡る怒声をぶち上げてディアロスを一喝。戦いとか戦士の名誉とかの話になるとマジになるネフェリの、敏感な所を踏み抜いたディアロスは、会議から抜けて遠くの部屋に篭る。かなりヤバいことになってきてる気がするけど、オレも会議を抜けるっていうのも変な話で、だいいちディアロスになんて声をかければいいか分からないんだよな。それにミリセントの話の続きが気になりすぎるから、悪いけど今回は無視だぜ。

ブライヴ「なんだあいつは?」

ネフェリ「臆病者の身でありながら、分をわきまえぬ愚か者だ。あのさまでは奴のためにならん」

マネージャー「彼にも色々あるんです。今はそっとしておいてあげてください。ネフェリさんも言い過ぎです」

ネフェリ「少しは拓也のように己の弱さを認めたらどうだ…まったく…あれでは強くなりようが無いぞ」

拓也「う…うす」

マネージャー「ローデリカさん、続きをどうぞ」

ローデリカ「えっ?は、はい」

ディアロスがいなくなった円卓で、再び全員の視線がローデリカに集まる。その中で一番ピリピリな雰囲気なのはネフェリだ。ラダーンを倒せなかったことがずっと引っかかってるんだろうな。普段は良い奴なんだけど、こういう話題だと一気にプロ意識が出て気難しくなるよな。

56名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 23:22:05 ID:iSztpomY

ローデリカ「その…ミリセント様が何故、マレニアの分け身であるのかは、もうひとつ理由があるのです」

ローデリカ「ミリセント様の魂は、純粋すぎるのです」

ネフェリ「純粋?」

ローデリカ「はい。憎しみや、妬みの一切が無い。恐れも、他の霊たちに比べてずっと弱い…」

ローデリカ「ミリセント様にあるのは、他者への思いやりや、道義心、愛…そして朱い腐敗に抗い続ける、とても強い矜持だけなのです」

ローデリカ「私は元々、貴族の生まれですが、教養として破砕戦争ののちに世に伝わった、鮮烈なる朱き翼の伝承も教わっています。伝承の中ではそれらの矜持は、かつてマレニアが持っていたものとされています。それはラダーンに伍するために捨て去られたものだとも、腐敗によって失われてしまったものだとも語られています」

ローデリカ「その伝承を記憶に留めることは、機会さえあれば誰にでもできます。他者から教わればいいのです」

ローデリカ「ですが、その伝承通りの心を、生まれながらに魂に刻みこんでいる者となると、それはすでに、伝承に現れる本人としか言えないのです」

ローデリカの導き出した結論に、ブライヴはドカっと座って「なんてことだ…」って俯き気味で、ネフェリも言葉を無くしてる。そりゃいきなりこんな話されても訳わかんねーし、例え事実でもハイ受けとめて!なんてすぐにはなれない。

ローデリカ「ミリセント様がラダーンを斬らなかった事にも、これで説明がつくはずです」

ローデリカ「マレニアは、良心や、慈愛の心…腐敗に抗う心を持っていては、ラダーンとは戦えなかったのです」

ローデリカ「その戦いがいかなる結果を生み、何を犠牲にし、どのような罪を産み落とすのかを知っていたのです。からこそ、マレニアは破砕戦争で勝利をおさめるため、それらの全てを捨てたのでしょう。故意であれ、あるいは腐敗に負けたのであれ…」

ローデリカ「それならば、マレニアが捨てた道義と良心の化身であるミリセント様が、ラダーンとの戦いを拒むことも、道理の内であるはずです」

ローデリカはひととおり話して席について、ネフェリは立ったままテーブルに手をついて、フーと息をつく。でも席にはつかないでミリセントに「いつ思い出した?」と聞いてくる。もう勘弁してやれよなって思いもしたけど、それをラダーンにぶん殴られたり斬り飛ばされたりしてないオレが言うと、それこそネフェリにぶっ飛ばされると思った拓也はお口チャックで聞き耳を立てるだけだ。

ミリセント「ラダーンの鎧に飛び乗り、彼の首筋に剣を向けた時だ」

ネフェリ「そうか…」

ミリセント「私は…恩人である君たちのために、剣を振るえることが、嬉しかった。それは事実だ」

ミリセント「だがそれでも…ラダーンは斬れなかった…彼を斬りたくなかった」

ミリセント「ケイリッドのあのさまだけではない。伝承の通りなら、マレニアはラダーンから全てを奪い去ってしまっている…彼の忠臣も、彼の友も、彼の民も、愛する者たちさえことごとく漁り、さらい尽くしてしまった…」

ミリセント「そのうえ、彼の心を尊厳ごと砕き散らし…あまつさえ私が、命まで奪うなんて…」

ミリセント「私にはできない…そんなことは、したくないんだ…」

話しながらどんどん目が潤んでくるミリセントを、マネージャーは抱きとめて肩をよしよしする。なんかもう話を聞いてるだけで悲しくなってくるぜ。戦争だったからマレニアとラダーンの揉め事も仕方ないって考え方もできるけど、自分が生まれる前の世代の揉め事にこうやって巻き込まれて、生まれた時から呪われちゃったんなら誰だってそこから抜け出したくなる。

だからオレもグレまくって、隠れてウリなんかやっていた。両親の離婚やお母さんの虐待を忘れたかった。でもミリセントは良いヤツになりすぎて生まれたから、悪い思い出の鬱憤を悪ふざけで晴らすこともできない。ウリなんかで気が晴れる拓也なんかと大違いだぜ。やっぱオレってチョー不良なんだなって罪悪感に胸を強烈に摘み上げられて心臓がキツキツになる。

ネフェリ「…すまない。お前の心を、汲んでやれなかった。恥ずべき行いをしたことを、ここに詫びよう」

ブライヴ「謝ることはないだろう。こんなこと、誰が気付ける?俺の主ぐらいなものだ」

ネフェリ「しかし私が、ミリセントに望まぬ戦いを強いたことは事実だ。例え知らずともな」

ネフェリはミリセントの席にまで歩いていって、ひざまづいて頭を下げる。こういう素直で男らしいところ、オレは好きだぜ!でも望まぬ戦いを俺には強いたよねって拓也はジト目で睨みつけるけど、剣と盾を持って勝手について行ったことが、そもそものオレとネフェリの関係の始まりだったんだよなってエロガタイで思い出してると、自然と乳首を吸ってチンポ摘みたくなったから慌てて思考を切り替える。今はシリアスなモードの拓也だぜ。

ネフェリ「ミリセント、すまなかった。もう二度と、ラダーンとの戦いを強いたりはしない。勇者の誇りと、故郷の嵐に誓おう」

ミリセント「いいんだ、誓いだなんて…これは私だけの痛みだ…君は悪くない」

ミリセント「謝るのは私の方だ。君の期待に、応えられなかった。許してくれ」

ネフェリ「やめてくれ…素直に頭を下げさせてくれないか」

マネージャー「ミリセントさん、これでは会議が進みませんよ。ネフェリさんからの謝罪を受け入れましょう」

ミリセント「え?あ…そうか…そうだな」

ネフェリ「すまなかった」

こういう素直な人間関係っていうのは良いんだよね。だってさ、互いに許しあえるとかラブ&ピースって感じで気持ちいいじゃん。なんて思いながら、拓也はヒッピーな気持ちになって、小鳥のような拍手をする。ブライヴにはうわって感じでオレは見られたけど、そんなこと気にしないぜ。この世界はやたらと殺伐としてるから、さわやかな事もたまには無いと、心のマンコの潤いが続かない。

57名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 23:34:40 ID:iSztpomY
マネージャー「えー…それでは、まぁこの流れで言うのもおかしいかもしれないですけど、今回の議題は二つです」

マネージャー「ひとつは、今後の探索範囲をどこにすべきか。もうひとつは…言いにくいことですが、ラダーンをどうするかです」

マネージャーが話を戻すと、いなくなったディアロス以外の全員が席に座り直して、マネージャーに注目が入る。会議がもう終わったと思っていた拓也は慌ててエロ妄想を打ち消し、半立ちしたチンポから血流を逃すために上腕二頭筋を上げてパンプ。ポーズをとってギン目で聞き耳を起動。

ブライヴ「なにをしてるんだお前?」

マネージャー「私としては、もうそろそろアルター高原まで範囲を広げたいのですが、高原に登るためには、デクタスの大昇降機を動かす必要があります」

拓也「ウッス!パンプアップっす!」

マネージャー「ですが、アレを起動させるための割符が無いので、まずは割符探しから始めたいのですが、みなさんはどうですか?」

ブライヴ「パンプ…なに?今なんて言った?」

ネフェリ「その割符だが、これじゃないか?」

マネージャー「あ、これです!どこで見つけたんですか!?」

拓也「パンプっす!」

ブライヴがオレのエロガタイに興味を示しだした。良いぜ!その好奇心を満たしてやるぜっ!シリアスモードのオレはブライヴというデザートを手に入れるべく、さらに真剣にガタイに力を入れ、腕だけでなくついでに胸筋をパンプ。吸い付きたくなるような乳首を硬く立たせて挑発する。

ネフェリ「片方は、ケイリッドを探索した時に手に入れた。金の針のことを考えるあまり、忘れていたがな。面目ない」

ブライヴ「だから、そのパンプとは何なんだ?」

ネフェリ「もう片方は、ケネスの頼みで砦を攻め落とした時に手に入れた。ケネスから褒美として、短刀とともに譲り受けたんだ」

拓也「筋肉に力入れてガタイを強調するんすよ」

ブライヴ「ガタイ?またわけの分からんことを言う。なんだそれは?」

マネージャー「助かります。これでアルター高原への道が開けました。ありがとうございます」


拓也「ウッス!鍛え上げた激エロボディーっす!」


するとマネージャーが拓也の鼻に布を押し当ててきて、それを吸うと強烈な快感とともに拓也の全身からは瞬時に力が抜けて、テーブルに頭を叩きつける。イエロの瞳をオーバードーズしたオレはそのままガクガクと痙攣しながら乳首立たせて、心臓が一気にフルスピードに加速する。雄鳴きが入る暇もなく呼吸が止まり、幻覚で回りまくる景色に翻弄される。次に吐き気と激烈なオーガズムが同時に襲ってきて、冷や汗が全身から吹き出して顔が燃え上がりケツマンが決壊、イキリ立ったチンポはズボンを突き破ってテーブルに押し当たり、全身の激しすぎる痙攣にあわせてドクドクと射精を繰り返す。

拓也「コ゜ッ!」

ミリセント「たっ、拓也!?」

マネージャー「で、なんでしたっけ?」

ネフェリ「あ…ああ、デクタス大昇降機が動くようになったところからだ」

マネージャー「そこからでしたね。では話の続きです。大昇降機でアルター高原に渡って、そこの祝福を灯せば、探索範囲はぐっと広がります。ただ、エルデンリングを修復するためには、修復するための大ルーンが必要ですし、その大ルーンを手に入れるためには、やはりデミゴッドとの衝突は避けられません」

マネージャー「つまり私たちはどうにかして、あのラダーンから大ルーンを奪うための方法も見つけなくてはならないんです」

マネージャー「なので、アルター高原に登ったあとは、探索チームを二つに分けたいと思います。片方は未探索地域の調査を行い。もう片方は打倒ラダーンのための手掛かりを、探索済みの地域で探します。無茶は承知ですが、探さなければならない物がモノなうえに、探索すべき場所も多すぎるので、致し方ありません」

ネフェリ「うむ…私は、まずは義父上を頼ってみようと思う。我が義父上、百智卿はいずれは我々の王となるお方だ。何か智慧を授けてくれるはず」

マネージャー「分かりました。私も円卓の蔵書を調べてみますね。といっても、蔵書にラダーンを破るヒントがあったなら、とうの昔にラダーンは倒されているはずですので、望み薄ではありますけれど」

今薄くなってるのはオレの命だぜ!激エロな快感が秒刻みで鼠算みたいに増えていく拓也は、歯をゴリゴリに食いしばったまま白眼で吠えて「ヴー!」なんていう聞いたこともない雄鳴きを上げている。涙と鼻水と雄汁と愛液で、水をパンパンに吸ってふやけまくりの脱脂綿みたいになってる拓也に、ブライヴは両手で口を抑えてドン引き、哀れっぽい目を向けてくる。ミリセントも介抱しようと近寄ってくるけど、その手はローデリカに「いけません、今の拓也様の心には狂い火の芽生えがあります」って止められて、それでも構わないって感じで、ミリセントは拓也の肩に触れるけど、その瞬間に拓也が「あぃん!」っていうバカみたいな声を出して海老反りザーメン噴水になったのを見て、どうしようもないなコレって悟ったミリセントは申し訳なさそうな顔で拓也を放置する。

ネフェリ「望み薄か…ならば、アルター高原を攻める隊に、戦力を多く分けた方がいいだろう。探索の漏れを浚うのなら、私一人で十分だ」

マネージャー「そうですか。無理をさせてしまって、申し訳ありません」

ネフェリ「かまわんさ。ラダーンの大嵐が如き剣圧に比べれば、陸蛸や雑兵どもなど、雛鳥のようなものだ」

マネージャー「ありがとうございます。頼りにさせていただきますね」

マネージャー「ですがやはり万が一という事もありますし、ブライヴさんの力を借りられるのもラダーンを倒すまでです。借りられる助力は今のうちに借りたいので、ネフェリさんはブライヴさんと共に探索を行ってください」

ネフェリ「ふむ…まぁ、いいだろう。お前はどうだ?」

ブライヴ「お前とならば構わんぞ。俺はマレニアなどは好かんからな」

ミリセント「…すまない」

ブライヴ「フン、しおらしいな。俺の主がマレニアと反りが合わんのだから、俺も本来ならばお前の敵なのだ」

ブライヴ「だが、その敵のお前が、その実は善意の化身として生まれ、俺よりも剣の腕が立ち、おまけに謙虚ときている。やりづらいにも程がある」

ブライヴ「お前は良い奴ではあるのだろう。良い奴とは敵になれんが、馴れ合うわけにもいかん。そんなお前と組むなど、こそばゆくてたまらんのだ」

涙、鼻水、愛液、そしてザーメンに乗せてイエロの瞳の成分を身体から出し切った拓也は、円卓の床に淫猥な水溜りを作ってそこに大の字で倒れ込む。そうしてる間に、なんだかんだで会議が和んだらしく。ブライヴからのツンデレ発言にミリセントも少しだけ照れ笑いを浮かべてる。やっぱり俺の激エロ雄フェロモンの癒し効果はすげーよ!そしてマネージャーを中心に、オレの激エロ水溜まりを誰が処理するのかを賭けたジャンケン大会が始まった。

58名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 23:42:32 ID:iSztpomY

【たくやの覚せい剤😌】


激エロの水溜まりを処理することに決まったのはブライヴでありながら、ブライヴは臭いに弱かった…
結局ミリセントとローデリカの三人でモップ掛けして掃除は完了。そのあとベッドでダウンしている拓也の部屋にブライヴは入って、ギン目で顔を真っ赤にして俺の顔面にぐちょぐちょに濡れた布を叩きつけて帰っていった。そんなことされたせいで拓也は自分の出汁に感じてマジ狂い!空っぽになった金玉で急速に新しい命が生まれていく感覚に酔いしれ、全身を甘い痺れに犯されながら、金玉に向ける母性愛の行き場を乳首に求めて吸いはじめる。

拓也が会議から運び出されたあとも実は少しだけ話し合いは続いてて、どうやら俺たちがラダーン祭りに行ってる間に、円卓に居候してるケネスハイトって貴族のおっさんが、ミリセントの肩に合う義手がある場所を探し出してくれていたらしい。これですぐに壊れる義手ともお別れして、ミリセントはハイパーバトルサイボーグに昇格だぜ。

「ゴドリックなどという卑しき俗物に頼っては、王の名が堕ちまするぞ!これからはこのケネスをお便りください。役に立ちますぞ」

ってことで、ネフェリに義手のある場所を教えてくれたんだって。
義手はアルター高原を登った先にある、日影城ってところにあるらしく、なんでもそこの城主は貴族社会の中でも有名なマレニア狂いのパキギメ野朗で、マレニアの使っていた義手と同じ型の物を集めまくり、腐敗の代わりに毒沼を城に撒きまくり、家臣を手当たり次第にポジらせて即イキさせまくっていたんだって。マジイカれてるぜ!城を上げての違ドラプレイかよ!

拓也「あー、イク!」

違ドラプレイの快楽をエルデで知ってしまった拓也は、ノックの音も聞き忘れて海老反りになり、「はーっ!」って声とともに丹精込めて育てた子種を早速発射。ドアを開けて部屋に入ってきたミリセントの顔に顔射してしまう。「ヤバっ!」と言う間もなく、しかしオレの子供達はミリセントの顔につくことなく、電光石火の床拭き布にキャッチされて、そのスピードのままゴミ箱に捨てられて一生を終えた。

ミリセント「…まったく、君のそういうところだけは好きになれない。下品だよ」

拓也「うっす…すみませんっす」

ミリセント「とりあえず、ズボンを履いてくれないか。ひとつ聞きたいことがあるんだ」

拓也「はっ、はん、はい、いっ、今はきまっす」

部屋に人が来る時はいつも突然だ。拓也はミリセントに背を向けて、ぴょんぴょん跳ねながらズボンを履くけど、なかなか履けないせいか、俺が跳ねてる最中にミリセントは話を始めた。

ミリセント「君はさっきの会議で、その…おかしくなってる時に、何かを見たか?」

拓也「え?はん、はい?」

ミリセント「ローデリカが言うには、君の中に、狂い火の光が瞬いたように見えたらしいんだ」

拓也「くるっ、はん、狂い火っすか、はああぁん!」

ようやくズボンが入った拓也は、跳ねすぎたせいで勢いづいたズボンが股間にフルスピードで食い込んで、痛気持ちよさに前屈み。ミリセントの顔が見られない。

ミリセント「そ…そうだ。見覚えないか?」

拓也「な、ないっス!多分」

ミリセント「そうか…それなら良いんだ」

拓也「あ!いや、あるかもしれない!」

ミリセント「本当か?」


拓也「イク時に、頭の中にチラチラって光が見えまっす!」


ミリセント「イク…というのは、どんな時なんだ?」

拓也「イクって、そりゃイク時としか言えないっすよ。チンポから汁出してよがってる時とか?」

ミリセント「う…それは、女の私には分からないな…誰かに聞いてみるか…」

拓也「いや、女の子でもセックスとかオナニーとかでイケますよ。経験無いんすか?」

ミリセント「その、セックスというのがまず分からないんだが」

拓也「え!?じゃあオ、オナニーも!?」

ミリセント「あ、ああ、分からない」

拓也「マジかよぉ!ウッソだろお前!」

セックスしたこと無いヤツは探せば見つかるだろうけど、オナニーもしたことないヤツなんているかよ!いきなりの驚愕の事実に、股間の痛みも消えてチョービックリ。拓也の人生でも初遭遇だぜ。処女とかいうレベルじゃねーよ!親はどーいう教育してんだよ!

って思ったけど、世の中がこんな風になってるし、エロい奴もウリの相手もいないどころか、フツーの恋愛だってまず無理そうだもんなって納得。しかもお父さんのゴーリーもあんな激ヤバなポジ狂い地域のボロ小屋に住んでる。恋愛どころか、家族以外の人と会話できる機会すらほぼゼロで、化け物がうろついてる場所で剣を振って大人になっていったのなら、性の喜びなんて知らないよなー。

59名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 23:46:31 ID:iSztpomY


ミリセント「…なにかキミ、私のことを嘲っていないか?」

拓也「してないっす。ちょっと驚いただけダス」

ミリセント「なにか癪にさわるが…まぁ、いいよ、狂い火を見てないのなら、それでいい」

拓也「その狂い火ってなんすか?合ドラなら間に合ってるんで」

ミリセント「私にも詳しくは分からない。ここの本もたまに読んでいるが、人を狂わせる黄色い光としか分からなかった」

ミリセント「…というか、君はまだ合ドラとかいうのをやってるのか?」

拓也「や、やってないっす!今はイエロの瞳っす!」

ミリセント「尚更だめだ!どうせ隠しているんだろう、没収するからな」

拓也「マ、マジ許してください!」

始まった抜き打ちベッドメイクに拓也の心臓が跳ね上がる。マネージャーやネフェリの目を盗んでコツコツ集めてたのに没収とか、マジ勘弁だぜ!でもミリセントは話を聞いてくれなくて、ベッドの裏、テーブルの裏、本の間、床の下、競パンの中、ケツの間と次々にイエロの瞳を探し出していく。拓也は必死でミリセントを止めるけど、ミリセントは剣を振る時の勢いだけで空を飛べるくらいのチョー怪力だから、拓也は片手で優しく制圧されて終了。結局20キロ分のイエロの瞳全部を没収されて、拓也ゎ四つんばいで涙がボロボロ。

ミリセント「こんなに隠し持ってるなんて、君は本当に困った奴だな…もっと自分を大切してくれないか」

拓也「ウッス…ウッス…」

ミリセント「泣いたって駄目だ。これはマネージャーのところに持って行かせてもらうぞ」


ガサ入れをされたあと


ミリセントが出て行って


部屋に静寂がおとずれて


激しい喪失感で


もぅだめっ


寝ちゃうょ…

60名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/22(木) 23:52:42 ID:iSztpomY


【日影城で3P】


円卓で探索に行く準備をしていたら、後ろからディアロスに呼び止められて、どこに行くんだって聞いてくるから「アルターの日影城っす」って答えると、俺も連れてけって急かされる。仕方ないからミリセントとマネージャーに話を通すと、マネージャーは苦笑い、ミリセントは「ああ、よろしく頼む」って昨日のディアロスとの揉め事をすっかり忘れたみたいに快諾。

ディアロスはそれに耐えられなかったみたいで即謝罪を入れるけど、ミリセントから返って来るのは、要約すると「気にしてない」「そういう気持ちになる時もある」「探索では頼りにしているよ、お互いがんばろう!」みたいな感じのチョーポジティブ反応だけで、ディアロスの敏感肌な心にグサグサとチョコレート味のナイフが刺さっていく。結局ディアロスは出発前からショボショボの顔でしらけ気味だ。
女々しすぎる!ネフェリがいたら絶対アイアンクローコースだぜ。

今日はデクタスの大昇降機前の祝福、ベイルム教会から探索開始。
拓也、ディアロス、ミリセントの三人で、アルター高原の北上部の日影城を目指して少し歩くと、いきなりデカい石が目の前にぶち込まれて拓也の心臓マジ狂い!大量の砂煙が噴き上がってるところに心室細動で死にかけていると、ミリセントに手を掴まれてディアロスと一緒に走り出す。またこういうのかよ!ラダーン祭りで嫌と言うほど聞いた爆発音が耳に入って、シェルショックでマジ狂い!嫌な記憶が蘇ってきて心臓に負担かけまくり、息切れまくり、白目剥いて吠えまくりで駆け回っていると、石を飛ばしてきた奴の正体が判明。

ディアロス「とっ、投石機だ!離れすぎると危険だ!一旦退こう!」

正しいんだか矛盾してるんだか分かんねぇ事をディアロスが言うと、ミリセントが拓也とディアロスに「岩の裏に隠れててくれ!私が先行する!」って突撃をかける。やめろ死ぬぞってディアロスは叫んだしオレもそう思ったけど、でもこのままだと俺たちが死ぬからディアロスと一緒の岩場に隠れた。それから爆発音が何度かして、遠くで悲鳴やら物音がちょっとしてから、静かになったあとにミリセントの呼ぶ声が聞こえる。

ミリセント「拓也!ディアロス!もう出てきても大丈夫だ!」

バクバクの心臓がおさまって、投石機以外の理由で死にかけた拓也がディアロスと一緒にミリセントに駆け寄る。周りには兵士の死体やら、チョーデカいロボットの頭みてーなのが転がっててSF映画みたいだぜ。「これ、全て貴公が討ち取ったのか…?」とディアロスが言うと、動きが鈍いから大したことは無かったけど、巨人首のカラクリは硬くて手こずったという答え。それを聞いてディアロスはうつむいてちょっと悔しそうにしてるけど、悔しさを覚える相手じゃねーよコレ。

ミリセント「君が離れては危険だと言ってくれたおかげで、石に狙われずに済んだよ。感謝する」

ディアロス「あ、ああ。まぁ、武名に名高い家の者ならば、攻城兵器への造詣も深くなければな」

俺はそんなミリセントにすげーすげーと連呼しながら、拓也の止まりかけた胸を撫でながらミリセントの埃まみれの背中と肩を払いまくる。それから三人で進んでいくと、大昇降機への期待の波が高まっていく。そして実物を前に一同驚愕。すげーデカイ!マジかよ?ってくらいデカイ!こんなサグラダファミリアみたいなのがオレ達を運ぶのかよ?デカ彫刻に乗ってから、ネフェリからもらった割符をズボンのポケットから取り出すと、二つを組み合わせて、拓也の手が万歳の形で割符を掲げる。すると黄色い光が割符の宝石から出て、デカすぎる昇降機を起動。拓也たちはアルター高原に登っていった。

アルター高原に登りきると、これまたものすげーデカい城の壁っぽい物が見えて、その後ろにはもうデカいとかデカくないとかのレベルじゃない、空いっぱいにまで枝が広がるアホらしいくらいデカい黄金樹が立っていて、あまりの大きさに拓也はむせ返り、鼻水垂らして全身に鳥肌が走る。「すげー…俺たち虫みたいになってるよ!黄金樹ってマジ壮大!」
かっこいい俺はようやく得られた達成感らしい達成感に嬉しそうな、そして勝ち誇ったような笑みを浮かべながら無意識にピストンを始めてしまうが、ミリセントに「またキミは。悪い癖だぞ」と背中を小突かれて、筋肉マンコとしての果てしない快感がおさまる。

ディアロス「あれが王都ローデイルと…大、黄金樹…なんという荘厳な…」

ミリセント「いつかネフェリか、彼女の義父か、それとも拓也とマネージャーか、いずれかの者があの黄金の都に赴くことになる…その時が来れば、黄金律は修復され、世に平穏が訪れる」

ミリセント「だが、少し寂しいよ…君たちとの旅の終わりが、こうして目に見えてしまうのはな」

ミリセントの名残惜しげな微笑みには、普段おちゃらけてる拓也もしんみり。エルデンリングが修復されてもしも拓也とマネージャーが元の世界に帰れたら、多分ネフェリとも、ミリセントとも二度と会えなくなる。アレキサンダーやローデリカ、ディアロスや、円卓のみんなとの関係もそれでおしまいなんだよな。そう考えると寂しいけど、オレはやっぱり新宿に帰りたい。思い出は覚えていればいいけど、実感は実際に感じないと忘れちゃうんだよね。センパイの思い出は覚えていればいいけど、センパイの肌触り、体温、デカマラの感触は実際に触れないと味わえない。水没プレイも続きがある。お母さんのお見舞いもしなくちゃいけない。

ミリセント「だが、今日の私たちの目的地は、王都ではなく日影城だ。行こう」

拓也はポケットに割符を収めて歩調をゆるめず、ケツに力を入れてアルター高原の谷の底を二人と一緒に歩く。生えてる花も片っ端からもぎ取ってポケットに突っ込む。ゴツゴツの岩場に訪れて、祭りの疲労が抜けてない筋肉が痙攣を起こしても、両手の乳首責めでしっかり気を入れて歩く。「どうして乳首を弄ってるんだ?」ってディアロスが聞いてくる。バカヤロー、それで元気が出るからに決まってんじゃん。

谷底を通り抜けた先には、いかにもヤバいって感じの悪臭が立ち込める、一目で死んでると分かる城があった。うわ、ここかよって思ったけど、地獄みたいなケイリッドに比べれば何倍もマシだよなって考えるとすぐに慣れて「酷い匂いだ…鼻が曲がる…」って悶えてるディアロスのことが軟弱だなって思えて来るから、慣れっていうのはこわいぜ。ネズミを狼に変えるんだよな。

61名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/23(金) 00:08:47 ID:XmSqMxm2
今日の投稿はここまで。

62名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/24(土) 02:03:00 ID:1EeinUg6

オレ達は毒沼に囲まれた城の周りをちょっとだけ歩いたあと、登れそうな崩れた壁を発見。一人一人順番にデカナメクジを踏んづけて毒沼を飛び越えて行く。城に入ると今度はゴワゴワのマントを着た浮浪者のおっさんがギン目で飛びかかって来たけど、浮浪者が懐から瓶を取り出した瞬間にミリセントの剣がビュンと振られて、おっさんが瓶の中身を丸かぶりしてからド派手に爆発!その場で黒焦げになって倒れたぜ。すげーグロい!

ディアロス「火薬瓶!?この者らは、主を捨てた堕落の調香師か!?」

拓也「調教師!?マジエロだな!」

ディアロス「調香師だ。かつては多くの調香師が王都には居たらしい。…しかし調教師が何故エロいんだ?獅子を手懐け、兵とする者達だったはずだが…」

拓也「オレのいた世界では、M男を奴隷調教する専属の調教師がいるんすよ!閉じ込めて、ムチとかロウソクで痛ぶって、首輪つけて犬の真似させるんすよ!オレもそれやってました!」

63名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/24(土) 02:07:03 ID:1EeinUg6

楽しかったプレイがバンバン出てきてチョー懐かしい!新宿調教センターの撮影はかなり楽しかったけど膝がちょっと寒かったよね。オレも早く帰りたい。ウリの予定も溜まってそうだけど、マネージャーもこっちに来てるから依頼もかなり無視しちゃってる。常連くんが減りまくってそうで怖いぜ!

ミリセント「拓也…そんな…君はそんなことを…」

ディアロス「人さらいとはな…」

拓也「あ、冗談っすよ。なんていうか、そういうプレイ?演技みたいなのがあるんですよ。奴隷とご主人ごっこみたいな。ごっこ遊びっすよ」

ミリセント「そ、そうか、遊びか、よかった…一瞬キミを、非道な男だと疑いかけたよ…」

ミリセント「だが次からは、そういう紛らわしい話し方はしないでくれ。正直言うと、さっきの話で少し悲しくなったんだ」

拓也「う、うっす…」

馴染みの話題でついテンション上がって、危うくハメを外しかけてヤバかった。ディアロスは「あ、なーんだ」みたいな感じでサラッと流したけど、ミリセントは拓也のやってる性風俗の世界なんて全く絶対に知らないから、オレが冗談言うだけで全部信じちゃうんだよな。これがオレ好みの男なら拓也色に染め上げて、自分だけのジャニ系イケメンにする野望も出るけど、怪我してて病気も再発するかもしれない20代の女の子にそんなことしたら可哀想だよな。しかも心は神様なんだからマジでバチ当たるよな。

ちょっと拓也が反省しつつ、三人で進みながらミリセントとディアロスがゾンビを倒していく。ディアロスの武器はデカい盾とムチだって判明したけど、このムチがかなりエゲツなくてゾンビが血まみれになってグチャグチャに死んでいくから、拓也もオエって吐きそうになる。こんなヤバい武器持ってるのになんでリエーニエでは逃げ回ってたんだよ?って道中で聞いたけど、意味の無い殺しはしたくないって正論が返ってくる。でも、なんか怪しさを感じたぜ。「英雄でいるよりも、そういう優しさを持つことの方が、より尊いだろう。私はそういう在り方のほうが好きだ」って言ってミリセントは褒めてたけど、まぁディアロスがそれで喜んでるなら良いかって感じで、毒沼飛び越えたりナメクジ踏んづけたりで進んでいく。

ディアロス「貴族の霊だ…あれは危険だと聞いたぞ、引き返そう」

でも順調だと思ってた所で幽霊の集団に遭遇!今までさんざん化け物と遭遇してたけどやっぱり幽霊もいるのかよって拓也は恐怖で足がすくむ。剣が通じるわけねーし、お祓いなんて誰も出来ないから霊能力者のローデリカにいて欲しかったけど、いるわけもないからディアロスと一緒に祝福に帰るための道を確認。するとミリセントが、ゆっくりと幽霊たちに近づいていく。

ディアロス「貴公、まて!無茶だ!」

拓也「マジヤバいって!無理だって!」

ミリセント「いや…何かおかしいんだ。彼らの様子が…」

石壁の影から顔だけ出してる拓也とディアロスは、自由になる首を仰け反らせて左右に振りながら、ミリセントを引き止め続ける。どれだけ時間がたったかわからない…「あぁ、いい!」という声が遠くから聞こえ、「イク、イク!」という雄叫びとともに巨大なゲジゲジみたいな幽霊が出てきて、ビクビクと痙攣して、その痙攣を一瞬激しくさせてから、いきなり雄鳴きを入れながら他の幽霊を次々とボコボコにしはじめた。拓也のマンコが驚愕に打ち震えるのを感じる。ディアロスも全身が震えて鳥肌が立つ。

ミリセント「やはりそうか…ここの幽霊達には…」

ディアロス「そうか!分かったぞ!」

いきなり耳元で叫ばれて、拓也は危うく小便を漏らしかけた。

64名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/24(土) 02:15:51 ID:1EeinUg6

ディアロス「日影の城主たるマレーマレーは、罪人の死刑執行を任されていたが、マレニアへの愛に狂っていたと、我が兄は話していたことがある!」

ディアロス「そしてこの城には、マレーマレーの歪なる統治にさえも付き従い、命令に応えて義手を集め、毒沼を敷いた者達がいる!逃げることもできたが、それでも残った者達がいる!」

ディアロス「つまり派閥があるのだ!マレーマレーに反目し、首を斬られ葬られた者達と、マレーマレーに付き従い、マレニアを愛した者たちとで、幽霊達は別れているのだ!」

ミリセントが駆け出して毒沼を一気に走り切る。それ目掛けて幽霊が黒い球を撃ちまくるけど、球はデカいゲジゲジ霊に打ち消されたり、ミリセントに当たる前にクイっと曲がって変な方向に飛んでったりする。

ディアロス「そしてミリセントの魂は、あのマレニアの分け身!反目した者達からは攻撃されるが、愛した者には守られる!」

黒い球を掻き消し終わったゲジゲジ幽霊は、真っ黒なギン目であたりを睨みつけては、黒い球を撃った霊を手あたり次第にぶっ飛ばしていって、黒い球を撃った霊もわーっと逃げて次々と姿を消していった。好みのウリセンを囲みたがる太客みたいな奴だぜ。

ディアロス「すごい、凄いぞ!我らは勝ったも同然だ!彼女に続こう!」

拓也「う、ウッス!」

敵の敵は味方ってよく言うけど、こんな幸運滅多にないぜ!
モーゼみたいに幽霊の群れを割って毒沼を渡り切ったミリセントの後ろを、拓也とディアロスは走って行く。


ミリセント「待て!だめだ!君たちは彼らに好かれていないだろう!」


ディアロス「え?」

拓也「は?」

ミリセントの声でしまったと思ったオレ達は霊達に囲まれて、気付いた時には帰り道が敵で埋まって消えていた。周りの幽霊達が一斉に飛びかかってくる。ハメられた!またやったな!ディアロス!拓也とディアロスは互いに抱き合って女の子みたいに悲鳴をあげるけど、幽霊は決して絶対に攻撃を止めてくれない。…はずだった。


ミリセント「ふん!」


ミリセントが思いっきりジャンプして、拓也とディアロスの前にスーパーヒーロー着地をキメると、幽霊たちはピタっと止まって、両手を擦り合わせてミリセントに祈りを捧げ始める。

ミリセント「危なかった…君たち、怪我は無いか?」

ディアロス「た…助かった…」

拓也「助かったじゃねーよ!マジムカつくなコイツ〜!」

ミリセント「二人とも、安心するのは早いぞ。私の両手に掴まってくれ。それから進もう」

ミリセントの提案どおりに、ミリセントの右手に拓也、左手にディアロスがしがみついた状態で進む。歌舞伎町でペットはべらせてる金持ちみたいになってるミリセントの今の状態は、女だったら誰もが羨むぜ!片手にはハリウッド系イケメンで、もう片方の手には激エロのモロホストですよ?この破壊力にはミリセントだから耐えられてるんだ。普通の女だったら例えレズでもノンケに転ぶ自信がある。オレはゲイだから期待に応えられなくてその子には気の毒しちゃうけどね(笑)

そのままさらに進んで行くと、腐った犬を三頭?四頭?連れた腐女子系女騎士が目の前現れた。でも拓也は見抜いていたぜ。コイツらはケイリッドの腐敗沼にいたから、オレたちを襲わないって。予想は当たって、腐った犬はミリセントの足元でお座りしたし、腐女子騎士は跪いてどんな命令でも聞きますって感じでいる。

ミリセント「…今まで、苦労をかけたな」

ミリセント「もう休んでいいんだ…君の任を解く」

ミリセント「君は自由だ」

ミリセントがそう言うと、腐った犬達はそのままぐったりして動かなくなった。騎士は顔を上げると最後の力を振り絞るようにして立ち上がり、武器を胸の前でビシッと構えると、その場でグチャっと溶けて、鎧の隙間から泥みたいな物を流して鎧を残して消えた。泥は多分騎士の体なんだろうけど、腐敗が進みすぎてて全然グロさは無かった。

ミリセントは立ったまま動かないから、ディアロスと拓也は騎士が守っていた部屋に入っていって、部屋の宝箱から義手を取る。義手は全面金ピカなのにプラスチック製みたいにめちゃめちゃ軽い。こんなのオレの世界にだってねーよな。部屋から出ると、まだミリセントは崩れた鎧の前で立っていた。

拓也「義手見つけたっすよ!スゲー軽い!」

ディアロス「これがマレニアの…まさに神にのみ許される装具だ…」

ミリセント「あ、ああ、助かるよ。これで、ヒューグも少しは楽ができるな」

拓也「なんかテンション低いっすね。腐敗ヤバいっすか?」

ミリセント「いや、私の腐敗は疼いていないよ。ただ…」

ミリセント「この騎士に、墓のひとつも立ててやれないのがな…」


なんて落ち込んでるから、しかたねーってことで拓也は簡単な墓をこしらえることに。スコップは無いし土も腐ってるせいで、穴掘って墓石立ててっていうのは無理だから、鎧を小さく積み上げた上に兜を置いて、そこにアルター高原でむしった黄色い花を置いた。風で花が飛ぶかもしれないけど、こういうのは弔う気持ちが一番大事なんだよね。

65名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/24(土) 02:32:39 ID:1EeinUg6


ディアロス拉致   投稿者:ビルダー拓也


義手をゲットした拓也たちが、来た道を辿って祝福に戻ると、遠くから「もし…もし…」のささやき。声の出どころに歩いて行くと、居たのは城の外に立っていたラーヤだ。「英雄たるミリセント様、やはり、アルター高原に来て下さったのですね」とにんまり微笑んで、ディアロスの顔はこわばる。またヤバい雰囲気が到来して、拓也の乳首に緊張が走る。

ミリセント「君は円卓に…いや、ラダーン祭りにも居たな。何故、日影城に?」

ラーヤ「この火山には、私の故郷があるのです。日影城は、よく知る庭のようなものですね」

ミリセント「そうだったのか。昨日の円卓で出会えていたのなら、君に案内を頼めたのだがな」

ラーヤ「申し訳ありません。皆様が、星砕きのラダーンから大ルーンを奪おうとしていたことを、火山館に知らせに行っていたのです」

ミリセント「火山館?それは…」

ミリセントが質問をしようとしたところで、ディアロスが割って入って「やはりお前は火山館からの差し金だったか。排律者め」と、ミリセントの前に出る。ミリセントは話が掴めてなくて、排律者ってなんだって拓也に聞いてくるけど、オレもディアロスと仲が悪いってことしか知らない。ラニアっていうディアロスの友達を殺した奴らだって話もあるけど、これはディアロスが勝手に言ってることだから、拓也は証拠も情報も持ってなくて何も言えないなりね。

ミリセント「ディアロス、排律者とはなんだ?」

ディアロス「黄金律に弓引く者だ。我が従者のラニアを殺したのも、おそらくはこの娘…」

ミリセント「…待ってくれ…ラーヤが、人を殺したのか?その証はどこにあるんだ?」

ディアロス「この娘は、このディアロスを招待してきたのだ。同胞たる褪せ人を狩り、その力をもって英雄を目指すという甘言で、私を誘惑したのだ!」

ディアロス「褪せ人であったラニアが殺された、すぐ後にだぞ!これが偶然であるものか!」

ミリセント「だっ…だからと言って、ラーヤが殺したとはならないはずだ。まだ子供で、武器も無いんだ。その火山館の者達に、脅されているだけかもしれないだろう?」

ラーヤ「私はラニア様を殺してはいません。ただ、誰が手を下したのかは知っています」

庇ってくれたミリセントの言葉をラーヤは払って、庇いようが無いストレートな話題を拓也たちに叩きつける。ラーヤが火山館って所の一員だってことが確定してディアロスの肩がググッと震えて、オレとミリセントも信じらんねー!って顔でラーヤをガン見。このままだとディアロスがラーヤを殺しちゃうって思った拓也が、ディアロスの前に出るより先に、物凄い速さでミリセントがラーヤに走って、庇うみたいな格好でラーヤを抱きしめる。

ディアロス「どっ、どいてくれ!邪魔をしないでくれ!」

ミリセント「だめだディアロス…君はそんなことをするな。この子を殺せば、君が排律者になるだけだ」

ディアロス「それがこの娘の望みだろう!?だったら良いじゃないか!私に排律者になれと言うのなら、構わんさ!なってやればいいのだろう!」

マジでヤバいって思った拓也もディアロスを掴んで引っ張るけど、コイツ臆病者なのにデカい盾持ってるだけあって筋肉が半端ねー!地面もドロドロにぬかるんでるから、ビルダーガタイの全力の踏ん張りも、ジリジリと脚が滑っていく。そしてディアロスがまた一歩踏み出した時、ミリセントはディアロスに向かって剣を突きつけた。

ミリセントの目つきは敵に向けるようなギン眼で、そんなのを普段は優しいヅカ系イケメンから初めて向けられた拓也とディアロスは、蛇に睨まれたカエル状態で動けない。唯一自由になってる首から上だけをギギっと動かして、ディアロスはカスカスになった声を絞り出す。

ディアロス「ま…待った…貴公と戦う気はない…」

ミリセント「この剣はただの脅しだ。本当に君を斬ったりはしない。君には一切の傷をつけない」

ミリセント「だが、君の盾を潜りぬけ、その手に持つ鞭を叩き斬ることはできる」

ミリセント「そんなことを、私にやらせないでくれ」

へっぴり腰になった拓也がディアロスと一緒に尻餅をつくと、ミリセントはフーってため息をついて額に汗を浮かべる。そのミリセントの脇を通り抜けて、ラーヤはディアロスに近づいてから手を差し出して、ミリセントと拓也が「あっ」って顔をすると同時に二言。

ラーヤ「ディアロス様には、真実をお知りになる権利があります」

ラーヤ「知りたいのなら、ミリセント様と共に、私の手をお取りください」

これで可哀想なのは、庇った手をまた払われたミリセントだよな。2回も信じたのに2回も裏切られてさ。「ラーヤ…君は本当に…?」って、まだラーヤが排律者であることを認められないみたいだけど、ディアロスの決断は早かった。

ディアロス「…良いだろう。招待に応じてやる」

ディアロス「ホスローは血潮で物語る。それを、お前達に思い知らせてやる」

そう言ってディアロスはオレに肩を掴まれたまま、ミリセントの手を右手で取ってから、ラーヤの手に自分の左手を置いた。

66名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/24(土) 03:26:48 ID:1EeinUg6

拓也「おおおぉっ!うーっす!」

いきなり光に覆われたかと思うと、床も壁も天井も真っ赤の、目が痛くなるような屋敷の中にいる。今度はなんなんだよぉ!?ってガタイで分析しているとミリセントとディアロスも入れた俺たち四人に、ちょっとキツめのお姉様ボイスがかかる。

?「大ルーンを求めし英雄よ。ようこそ、我が火山館へ」

声の方に振り向くと、そこには赤獅子城で見た騎士と、仮面をつけた僧侶みたいな女が立っていた。オレ達が仮面女を見つけたと同時に、坊主頭の兄ちゃんが後ろのドアを閉めて、全身ゴテゴテの鎧を着込んだ奴が祝福のそばに立って光を弱める。ハメられた!と気付いた時には遅かった。出口が無くなったことでオレ達の緊張感がまた最高潮に登り詰める。

ミリセント「君達は誰だ?私達になんの用がある?」

タニス「私はタニス。この館の主人だ」

タニス「ラーヤから話は聞いているよ。大ルーンを二つも奪い、あのラダーンにさえも挑んだ、英雄の道を歩みし者だとな」

タニス「できれば、貴公らの友たる、ネフェリという者も招き入れたかったが、蛮地の勇者は口より先に斧が出ると聞く。まずは貴公らと胸襟を開いておくべきと思ってな」

胸筋というワードに拓也の胸筋が反応する。人殺しといっても、殺人的な筋トレを敢行するプロ級マニア集団の意味かもしれないという可能性を見出した拓也は、自分の乳首をこねくり回して仲間であることを伝えようとするも、おふざけ一切無しのミリセントに腕を掴まれて阻止された。

ミリセント「君達の目的はディアロスか?それとも私か?」

タニス「どちらもだ。英雄たる道を目指す者は、より強く、より多い方が良いのでな」

タニス「さて、率直に貴公らの意志を聞いておこう」

タニス「我が火山館の一員となり、共に戦ってはくれまいか?」

マジ!?こんな状況で、まさかのお誘い!?
筋トレプロ級マニアの線が大当たりしてるかもしれないってまさかの事態に、オレは自分の乳首をビンビンに立たせ、全身にワクワクの鳥肌が立つ。つーかディアロスを勧誘したい奴らがディアロスの仲間を殺すなんておかしいもんな。ラニアの死体の周りにはカエル顔の宇宙人みたいな奴らがたむろしてたし、アイツらの仕業だと思うんだよな。

ディアロス「戦う?…何と戦うと言うんだ。お前たち排律者が敵と定めた黄金律は、既に砕かれ力を失っている!」

ディアロス「それとも望みは大ルーンか!?大ルーンが欲しいのなら、勝手に探していればいいだろう!?何故我らに構う!?」

タニス「惜しいな」

ディアロス「惜しいだと…?」

タニス「我らが怨敵は黄金樹の内にある。我らの望みは律そのものではなく、律を制する者への叛逆」

タニス「女王マリカに…神に反旗を翻すのだ」

また訳の分からない言葉が出てきて、拓也のガタイ考察にまたリセットが入る。マネージャーからは黄金律を治せばいいとしか聞いてなかったけど、なんか黄金律を操作してるマリカって神様がいるらしくて、コイツらはその神に逆らおうって言ってるからマジでヤバい奴らだってことは確定。でも神様から黄金律を奪いたいのは分かったけどさ、神様以外に黄金律なんて扱えるのかよ?

ディアロス「永遠の女王に、不死の神に反逆するだと…?」

ディアロス「世迷いごとも大概にしろ!とんだ夢物語だ!」

ミリセント「そもそも、何故君達は、女王マリカを憎んでいるんだ?円卓の蔵書には、女王マリカは黄金のゴッドウィンが何者かに討たれたのちに、何処かへと隠れたとあった。君達に対しては、何もしていないはずだ」

?「その何もしてないってところが大問題なのさ」

部屋の扉を閉めた坊主頭の兄ちゃんが、ミリセントにグイッと近づいてニヤニヤ顔を向けてくる。そのあとにディアロスを眺めて、拓也を眺めて、オレの頭をポンポンって撫でたあとのシメに亜人の真似をして挑発を入れてきた。あったまきた、もう許さねえからな?

67名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/24(土) 21:02:03 ID:yCm/cZYo
改めて読んでみるとラニ様のドン引き振りに笑ってしまう
永いデミゴットの生でも見たことない生き物だったろうな

68名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/26(月) 09:19:58 ID:HGo3XqCw
ミリセント「君は誰だ?」

パッチ「パッチってんだ。昔はフーテンだったが、今は立派な火山館の物資調達係」

パッチ「で、どこまで話した?あー、マリカがオレ達をほっといてるってところか」

パッチ「あんた、マリカがいなくなる前に、デミゴッドや神の子になんて言ってたか知らないのか?」

ミリセント「なんと言ったんだ?」

ってミリセントが言うと、坊主頭がいきなり腹を抱えて笑い出した。なんだよコイツ、チョーウゼーって拓也はイラついたけど、それはディアロスも同じで下唇を噛んでいた。ミリセントはよく冷静でいられるよな。

パッチ「ウヒャヒャッ!ウヒャヒャヒャ!あんた本当になんにも知らないでここに来たってのかぁ!?ウヒャヒャヒャヒャ!」

パッチ「ラーヤ!お前の選んだ英雄様は大した御教養だなぁ!へっへへへ…」

坊主頭に馬鹿にされたラーヤは膨れっ面のジト目で睨み返すけど、坊主頭はどこ吹く風でこっちをニヤニヤしならがら見てくる。コイツのケツマンにローション抜きの直腸どじょうプレイを仕込みたくてたまらなくなっている拓也は、その妄想だけでチンポの血流が増えていく。

パッチ「じゃあ教養のあるこの俺が、英雄様をひとつ、導いてやろうじゃねえか」

パッチ「我らが主にして、大いなる蛇であるライカード様が、女王マリカから賜った言葉を伝える!」

パッチ「ああ!デミゴッド、我が愛し子たちよ!お前たちはもう何者にもなれる!王であれ!神であれ!」

パッチ「しかし!何者にも成れぬ時、お前たちは…見捨てられる」

パッチ「そして、贄と、なるのだ…」

パッチ「これがどういう事か分かるか?神の娘息子で殺し合いして、強い奴が弱い奴を食って、それで成長できなかった奴らは、みんなお祓い箱ってことさ」

パッチ「つまり俺たちはな、マリカに捨てられてるだけじゃねえんだ。俺たちはみんな餌なんだよ。俺らよりも強い、マリカが本当に望んでる誰かのためのな」

パッチ「この火山館は、そんなくそったれなマリカに弓引くための場所なんだよ」

パッチ「どうだ?分かってくれたか?英雄さんよ」

激エロ妄想で半分くらい聞き逃した拓也は、それでもなんとなく坊主頭の言ってることに察しがついた。けど、こんなスケールのデカい話されたら、なおさら神様抜きで黄金律を動かすなんて無理に思えてくる。そもそも黄金律っていうものがオレには分かんねぇし、誰か実物見たことあんのかよ?

大ルーンっていうのは見たことあるけど、あんなバイオハザードのマークで世の中が良くなるとは思えないんだよね。アレを持ってたゴドリックだってぐちゃぐちゃの化け物じゃん!そんな奴の大ルーンで世界の法則みたいなものを治したら、みんなの見た目がゴドリックになっちゃわないのかな?
親に必要とされない哀しさは分かるけどさ、オレだったら病院に篭りきりになったお母さんを捨ててやるなんて思わないけどな。

ミリセント「だが…女王マリカは、みなに祝福を残したはずだ。大ルーンを集め、黄金律を修復することを、ただ望んでいるだけではないのか?」

タニス「たしかに黄金樹は、女王マリカは、褪せ人に祝福を与えただろう」

タニス「だがそれは、導きの使命に対して、とても小さい…故に褪せ人は力を漁り、争う。そうすることを求められる」

タニス「かつてエルデンリングが砕けたとき、大ルーンの君主たちが求められたように
、我が王ライカードは、それに憤った。分け与えられたものを漁りあう、そんな浅ましい生き方など、受け入れられぬとな」

タニス「貴公らはそれを良しとするのか?良しとするのならば、貴公の同胞たるディアロスは、何故に火山館を憎む?貴公は、その敵意ある眼を、何故我らに向ける?」

鶏が先か卵が先かみたいな話になってきて、拓也の頭はマジ混乱!こっちの思考を縛ってくるいやらしい言葉責めのSプレイが効きまくり感じまくりで、ミリセントの視線も下がってくるしディアロスの拳もプルプル震える。

ディアロス「へ…屁理屈だ…お前たちがラニアを、殺したのが悪いんじゃないか!」

パッチ「殺してねーよ、馬鹿が」

ディアロス「なっ…なに…?」

パッチ「そうだろ?ベルナール」

そしてちゃぶ台が再びひっくり返される。
火山館は拓也達を、徹底的に拓也達を翻弄する。

69名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/26(月) 09:33:14 ID:HGo3XqCw
ベルナール「我らが狙いは、貴様のような腑抜けた雑魚ではない」

ベルナール「貴様を釣り餌として、排律の道を歩むに足る者を探すことが、我らの目的だったのだ」

パッチ「俺たちが欲しかったのはな、てめえの兄貴の方なんだよディアロス。英雄願望の強いお前をダシにして、てめえの兄貴を引き込むつもりだったが…まぁ、奴より強そうな姉ちゃんがこうして来てくれたから、ネタばらしってところだ」

パッチ「ラーヤがやってたことなんて、可愛いもんだぜ?リエーニエのならず者にペンダント持たせて、英雄候補様がペンダントを買い戻すかどうか試すなんてよ。それで何が分かんだ?そもそも英雄様があのエビ釣り野朗に気付かなかったら、それでおしまいじゃねえか。へへへ…」


パッチ「それによぉ…俺はリエーニエでも商売やってたからよ、知ってんだぜ?お前が何をやったのか…」


ディアロス「え…?」

話がさらに怪しい展開になってきて、拓也とミリセントはディアロスに視線を送ると、ディアロスは目を開きまくり汗流しまくり、息乱しまくりの完全焦燥状態に堕ちていた。そして拓也の頭の隅に「エビ茹で屋なんてあったのかよ!」ってノイズが走る。チョー腹減る、エビ食いたい。坊主頭はディアロスに近づいて、肩に手を回してポンポンと叩き始める。マジ?コイツ誘ってる?

ミリセント「ディアロス…君は、何か見たのか?」

パッチ「見たんじゃねえ、コイツはやったんだよ」

ミリセント「なにを…?」

パッチ「なぁディアロス、おお、ディアロスよぉ」


パッチ「お前、ラニアを見捨てて逃げたろ?」


坊主頭の言葉責めが心にクリーンヒットして、ディアロスはその場に崩れ落ちて犬みたいな四つん這いの姿勢に入る。ミリセントは後ろに二歩くらいよろめいたけど、オレは「ああ、やっぱり」って感じでそんなに驚かなかった。なんとなくそんな気がしてたんだよな、だからディアロスに触れづらかったんだな。ちょっと触れたら薄皮一枚が剥がれて、剥き出しの嫌な真実がボロンと出てくる予感があったんだぜ。

ディアロス「ち…違う…」

パッチ「何が?」

ディアロス「なっ、何がって…」

パッチ「何がだよぉ、何が違うか言ってみろよ。な?言いたいことがあるならよ、言って楽になろうぜ?」

ミリセント「やめろ…もういい分かった…ディアロス、君は何も言わなくていい」

パッチ「よくねーよ。コイツのやったことが、女王マリカがいかにクソかってことの証になるんだからよ」

パッチ「な?そうだよな?」

坊主頭に尋問されて、ディアロスは子犬みたいにプルプル震えてる。その様子を見てドキドキするって、ヒーロー陵辱だぜ!予想外の激エロなシチュエーションに拓也のマラは、拓也の罪悪感をも感じ取って即勃起!でもミリセントに軽蔑されたくなかったから、オレはチンポがズボンを盛り上がらせる瞬間に、両足を一瞬開いてチンポを捕獲、そのままケツの方まで持っていって尻尾状態にさせる。ミリセントの視線はディアロスとハゲにしかいってないからセーフだぜ。

パッチ「そうかそうか、君はそういう奴なんだ」

パッチ「分かったよ。言いたくないなら無理には言わせないよ。俺もそれほどの悪党じゃないからな」

パッチ「俺が代わりに言ってやるよ」

ディアロス「やめろーっ!」

ディアロスがいきなり吠えてハゲに殴りかかる。でもハゲはパンチをヒョイとかわして、パンチを外したディアロスの足を払って転ばせる。転んだディアロスは顔を床に打ったらしく、鼻血を出しながらハゲの脚にしがみついていくけど、ハゲはディアロスの顔を蹴ってまた転がす。

ミリセント「よせ!」

パッチ「何がだよ。殴りかかってきたのはコイツだぜ?」

そう言いながらハゲはディアロスに近づいて、腹蹴りの追い討ちを入れていく。ミリセントは拳を握って震えてるけど、ハゲの言葉に一理があると思ってるのか、ハゲを殴らずに言葉で止めようとする。でもハゲは蹴りをやめない。

70名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/26(月) 09:59:19 ID:HGo3XqCw

ミリセント「やめろ!そこまでする事は無いはずだ!」

パッチ「あるね!コイツはライカードが決めた館の約定を破った。不戦の約定をな」

パッチ「俺は約定破りに罰を与えてるだけだぜ。それに俺の蹴りなんざ効いちゃいねえよ。ホスローの家の立派な鎧があるからな」

パッチ「それでもどうしてコイツは立たないと思う?」

鎧に靴が当たるガシャンガシャンって音が響いてる部屋で、丸くなってるディアロスは起き上がらずに蹴られ続けてる。顔は手で隠れてて見えないけど、顔を隠したその手は震えていた。

パッチ「コイツ自身分かってるのさ。自分はこういうことをされて当然の奴だってな」

パッチ「従者の忠告を無視して、レナラの大ルーンを狙う野心的な英雄を気取った阿呆の末路がこれだ。ラニアはしろがね人に斬られて、助けてって叫んでたのによ。そいつを見捨ててコイツは逃げたのさ」

パッチ「俺たちがラニアを殺しただぁ!?馬鹿言えよ!殺したのはディアロス、てめぇじゃねえか」

パッチ「ラーヤからの招待を受けたのも、ラニアを見捨てたてめぇを認めたくねえから、英雄になろうとして俺たちに縋りついただけだ。汚れたてめぇを忘れたかったのさ」

パッチ「戦に出た事なんざ一度も無い、ツルツルおててのおぼっちゃまらしいやり方だよなぁ?」

一際デカい音が鳴って、ハゲは蹴るのをやめて一息つく。
ミリセントは震える自分の手をぎゅっと握ったあと、ディアロスに近付いて肩を貸す。

ミリセント「ディアロス…君ってやつは…」

ディアロス「うっ…うっ…」

起き上がったディアロスは涙出まくり鼻水出まくり、鼻血も出して泣きまくりで、その顔を見た拓也のチンポも罪悪感で一気に激萎え。さっきまでの自分が恐ろしく恥ずかしくなってきて、ディアロスと目を合わせることができない。チョー最低だ、俺って。そしてそんな有り様のディアロスの背中に仮面の女が言葉をかけた。

タニス「ミリセントよ、これで知れたことだろう」

タニス「女王マリカは、弱き者に容赦はしない。その者の従者を斬ったしろがねの者も、黄金律に居場所を奪われ、さまよう人狩りと堕した者達の一人だ」

タニス「女王マリカの黄金律を良しするということは、ラニアを斬ったしろがねや、我らにすがるディアロスのような者を、数限りなく生み、強者の贄とすることを肯定することに繋がる」

ミリセント「だから…だから君たちが、正しいとでも言うのか…?」

タニス「正しさは問題ではない。我らは黄金樹に弓引き、女王マリカの望む生命の宿運を、その毒牙で冒涜する者」

タニス「女王マリカが共喰いを強いるのならば、我らは喰い合いに乗じ、喰い合いを強いる者を討ち破るだろう」

タニス「我らは女王の流儀に添い、女王を喰らうのだ」

堂々と言い放つタニスにミリセントは軽蔑したような睨みで返すと、祝福の前に立っているゴテゴテ鎧の騎士を押して祝福に触れようとする。でもディアロスは、続いてかけられたタニスの言葉に誘われてストップ。ミリセントも足を止めた。

タニス「ディアロスよ、貴公もマリカの流儀に流れるのか?」

ディアロス「私は…私は、もう、どうでもいい」

ディアロス「何も知らん…知らずにいたい…」

タニス「ラニアを取り戻せるとしたら?」


タニスからのいかにも裏がありそうな提案に、ディアロスは背中を少し跳ねさせたあとにタニスの方に向き直る。なんか分からないけどヤベー!って気がして拓也はディアロスの肩を掴むけど、眼を見開いてタニスを見てるディアロスの眼中には入らなくて、手を払いのけられた。絶対ロクでもない話を持ちかけられてるぜ!

78:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/07/04(月) 18:58:20 ID:.GwA2.pM

ディアロス「今…なんと言ったのだ…?」

タニス「環樹の法は、貴公も知るところであろう?」

ディアロス「環樹…」

タニス「我らが黄金律を喰らい、マリカの意志無き律の力を振るえば、ラニアの生命を黄金樹に巡らせることも可能だろう」

タニス「貴公のラニアは、新たな身体を得て、また貴公に微笑むのだ」

ハメられる!
確信があった拓也は慌ててディアロスを引き止めようとするけど、「無粋な真似はすんなよ亜人」ってニヤ顔のハゲに両手を背中に回されて拘束される。ふざけんな!やめろ馬鹿!って拓也の声もディアロスに無視されて、頼みの綱はミリセントだけ。でもミリセントは何かに耐えるかのように拳を固めてギン目で仮面女を睨んでるだけだ。睨んでないでなんかやってくれよ!不戦の約定なんて知らねーよ!

ディアロス「か…帰ってくるのか?…ラニアが、また…?」

タニス「そうだ。奪われたものをマリカから取り戻し、黄金樹から取り戻すのが、我らの歩む英雄の道」

タニス「貴公も望むなら、その道を歩みたまえよ」

ディアロスの目からまた涙が流れる。ヤバいコイツ完全に心が折れちゃってる!
身体をくねらせてからハゲの顔にほぁーって息を吹きかけると「コ゜ッ!」って悶絶を始め、拘束が緩んだ隙に拓也は脱出。でもゴテゴテ騎士に腹筋を鷲掴みにされて止められる。拓也の息をくらえっ!てまた息を吹きかけるけど、ゴテゴテ騎士は怯むどころかビクともしない。その間にもディアロスは仮面女に近づいていく。

ディアロス「本当に…帰ってくるのか?…謀りではないんだな?」

タニス「約束しよう。我が手を取れば、貴公の前に英雄の道が開かれるだろう」

タニス「そして我が王に見え、栄光へと浴するのだ」

ああもうダメだ!やっちまう!叫び出したい拓也は腹筋をガチガチに握られてて全く声がでない!ミリセントなんとかしてくれよ!って願いも無視されてミリセントは動いてくれない。そしてディアロスは暴れる拓也に振り返ることなく、仮面女の手を取った。

71名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/28(水) 04:54:58 ID:xUo3WCY2
相変わらず面白いっすね
本家もdlc、出せるよな?
ウッス!AC6なら来年中に出せまっす!

72名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 08:23:28 ID:eSxl5OGY
生かされず殺されるクリスマス  投稿者:投稿者

やっとハードSすぎる年末最後のひと仕事が終わったぜ。
今はぐっすり寝て、年末休みは投稿頑張るぜ。

73名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 14:18:42 ID:eSxl5OGY


…はずだった。

タニスの掌の上には、ディアロスの手のかわりに、ふやけた花びらが乗っていた。仮面女は眼を見開き、ハゲ頭の男は壁にへたり込んで、拓也の腹を掴んでいた騎士と、仮面女の隣に立つ騎士は緊張した構えで武器なんか構えてる。全員の目線がミリセントに奪われて離れない。そして驚愕の表情を浮かべるラーヤの視線の先からは、桃色の蝶が飛んでいた。


ミリセント「待て」


ミリセントの雰囲気は別人のように一変していて、髪はふわりと浮き上がり、義手の隙間からは何匹もの蝶が飛び立っては部屋を巡りながら形を崩して、炭みたいになって落ちていく。あたりには酸っぱいような甘いような訳わかんねー香りが立ち込めて、拓也はその香りに覚えがあった。
ケイリッドで嫌というほど嗅いだ、あの香りだった。

タニス「なっ…なんだと…」

ミリセントのあまりの変わりようにタニスもディアロスも手を下ろして、ミリセントの方に向き直ってる。ミリセントに武器を構える二人の騎士も肩で息をしているからメチャクチャ緊張してるのが分かるぜ。オレも面食らって動きをピタッと止めて、ディアロスのいる方にも駆け寄れない。

ミリセント「ディアロス…望んで英雄になろうと、英雄に祭り上げられようと…英雄の行き着く先には、勝利も栄光も無い」

ミリセント「あの破砕戦争に…私とラダーンの間に…勝利と栄光が無かったようにな」

圧倒的すぎる説得力を見せつけられて、ディアロスはミリセントの前に膝をついて、力無く床に手をついてうなだれた姿勢になる。タニスはわなわなと立ち上がってミリセントに質問を絞り出す。

タニス「き…貴公、何者だ…?」

タニス「なにゆえ…見てきたように…そのようなことが言える?」

ミリセントの髪が降りて義手からの蝶の羽ばたきも止まると、甘い香りも消える。
ミリセントは浅いため息をついてから言い放つ。


ミリセント「私はエオニア沼のミリセント。朱き翼の騎士、欠け身のマレニアの分け身だ」


誰だって意識がぶっ飛ぶような答えを聞かされて、タニスは腰を抜かして尻餅をつきそうになったところをデカ騎士に支えられる。ハゲは目をガン開きで「マジかよ…夢なら醒めろって…」と呟いて、ゴテゴテの騎士はハーっとため息をついて武器を下ろした。

タニス「マレニア…あのラダーンと相討ったのは、貴公なのか…?」

ミリセント「君達の言い分は分かる。なぜ英雄を求めるのかも。だが…君たちの言う英雄達こそが…」

ミリセント「きっと、私のような英雄達こそが…君たちを虐げ、生命への冒涜を強いる、こんな世界を作ってしまったんだ」

タニスに語りかけるミリセントの声は震えてた。
前世の自分達がやった事のツケを、目の前にいるヤツらが払っていることに心を痛めてるんだろうけど、ミリセントはマレニアじゃないんだから、なんでも背追い込まずに気にしない方が良いと思うんだよね。なんてことは、気にしてる本人には絶対言えないっていうエチケットが拓也の口を塞いでる。下手な慰めをかけられると余計に傷つくし、原爆の父ことオッペンハイマーに、広島長崎の核爆発はお前に責任はないぜって言っても、顔真っ赤にして泣いたり怒ったりするだけだ。

ミリセント「黄金律に反目するのなら、そんな英雄なんかに、どうかならないでほしい。求めないでほしい」

ミリセント「君たちの望みは、奪い合いの連鎖を破ることのはず。連鎖にとって代わることじゃない」

ミリセント「それとも、君たちの望みは、ただ奪う側に回りたかったということなのか?」

火山館の女城主は俯き気味になって、何も言い返さない。
ラーヤはそんなタニスに近付く。

74名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 14:54:09 ID:eSxl5OGY

ラーヤ「タニス様…どうかお答えください…」

ラーヤ「我らが火山館は、世界喰らいのライカード様は、間違っていたというのですか…?」

ラーヤ「お願いです…どうかお教えください…このゾラーヤスを導いてください…」

タニスに近付いたラーヤは手を取って、自分の頬にあてる。その手はラーヤの頬を撫でる。オレはカミングアウト特有の空気にトラウマを刺激されるわ、ミリセントがなんか別人みたいに見えてくるわで頭が混乱してくるし、デカストレスで全身鳥肌立って吐き気を覚えてくる。

タニス「ゾラーヤス…許してくれ」

ラーヤ「!」

タニス「ライカード様は、世界喰らいの蛇となり、歪んでしまった」

タニス「そして私は…そのライカード様を、愛してしまったのだ…」

タニス「たとえライカード様の望みが、今やあまねく者をただ冒涜し、喰らい尽くすことであったとしても…私はあの方から離れることはできぬのだ…」

ラーヤ「ああ、お母様…そんな…」

ラーヤがタニスの胸に顔を埋めて震えると同時に、拓也も罪悪感で胸がキュウキュウ締まってくる。家庭崩壊の瞬間を全て見てしまった拓也の頭に、お父さんとお母さんの喧嘩とそこからの離婚の風景がフラッシュバック。その場に崩れ落ちてハァハァ息乱していく。俺たちがここに来たせいで、今まであったラーヤなりの幸せが音を立てて崩れていくことが申し訳なくなってくる。誘ってきたのはラーヤだけど、本当のことをラーヤは知らなかったんだよ。

タニス「ミリセント…ディアロス…どうやら、見ての通りだ」

タニス「やはり冒涜の行く末は…無様な最期であるらしい…」

タニス「もはや、我らは貴公らを止めぬ……元の旅路に戻るといい…」

タニスからの言葉を聞いて、解散を始めたのはオレたちじゃなくてハゲ頭の男だった。
ハゲは鍵を開けて扉を全開にすると、ゴテゴテ騎士に「どこへ行く?」と言われても旅支度をやめない。

パッチ「元のフーテンに戻るんだよ。タニスは意気を折られちまったし、ライカードが狂ってることまで認めちまいやがったしな。火山館はおしまいさ」

パッチ「しかもエルデ最強の英雄の一人に、英雄になるな、求めるなって言われちゃ、もうどうしようもねえだろ?」

パッチ「ただ奪う側に回りたかった。大層なお題目の中身は、まさしく俺の性根と変わらん有り様だったわけだ。それならこんなくだらねえ最期も、相応ってやつさ」

パッチ「あばよ」

生意気言って去っていくその背中は、妙に力が抜けてて寂しげだ。ミリセントは拓也とディアロスを立たせてから、祝福に触れて祝福をピカっと光らせて使える状態にする。でも円卓に戻らずにラーヤの方へ歩いて行った。

ミリセント「ラーヤ。君には、本当にひどいことをしてしまった」

ミリセントに話しかけられて、ラーヤが泣き顔をミリセントに向けると、ミリセントは一瞬目を伏せて顔をそらしたけど、また向き直る。

ラーヤ「英雄様、私は…」

ミリセント「もう、私の声も聞きたくはないだろうが…」

ミリセント「これでもう会う事も無い…だから今、言わせてくれ」

ミリセント「君がいない円卓は…前より、寂しく思うよ。…すまない…」

それだけを言い残して拓也たちの方に戻るミリセントに、ラーヤは一瞬手を伸ばしかける。
ミリセントの手はそのまま祝福に触れて光を強めるけど、ミリセントが何かに迷ってそうな顔をしてるせいなのか、中々祝福の光が広がらない。ラーヤはタニスから離れてミリセントを見てから、またタニスの方を見る。次の瞬間祝福が光をグッと強めて拓也達を足元から照らし始める。転送の時間だぜ。ラーヤはまたミリセントの方を見ると諦めたみたいに視線を落とした。

そのラーヤの背中をタニスが押した。ラーヤはよろめいてミリセントに抱きとめられて、祝福の光がフッと収まる。意外な展開に拓也とディアロスは驚いたけど、一番驚いたのは多分ラーヤとミリセントだよな。

75名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 14:58:50 ID:eSxl5OGY

ラーヤ「タニス様…!?」

タニス「ゾラーヤス。お前は、私の知らない英雄を見た」

タニス「古い我らが、新しき時代の明星に追いつくには、いささか肥え太りすぎたようだ。私はライカード様とともに、お前を見守っているよ」

ラーヤは驚いた顔でミリセントを見るけど、ミリセントも同じようなリアクションを返すしかない。こんな展開は予想外すぎて拓也も置いてきぼりでもうわけわかんねー!

ミリセント「い…いいのか…?」

タニス「ああ、私のゾラーヤスはそれを望んでいる。私がその子に道標を示せないのなら、私とは異なる者の元で、経験を積むべきだ」

タニス「もっとも、そこのディアロスには不満かもしれぬがな」

ディアロス「え…?」

ミリセントとラーヤの、どうしようって感じの顔がディアロスに向く。
「私は…その子をどうするかなんて事に、口出しはできないよ…」って、まぁそう言うしかないよなって感じのことディアロスは言う。ラニアを殺したのもしろがねの者って奴なんだし、むしろディアロスは前にラーヤにピンタしたことを謝るほうなんだよね。あの時はラニアの死を他人のせいにしたかったんだろうけどね。

タニス「礼を言う。ゾラーヤスのことを頼んだぞ」

ミリセント「わ…わかった。ラーヤの命は、私の命に懸けて護ると誓おう」

ラーヤ「そんな、タニス様…私ひとりでは、心元ありません…」

タニス「案ずることはない。お前の見つけた英雄には、蛇には無い翼がある。翼は我らを超え、王を超え、今やマリカとその呪いたる、漁り合いの定めさえも超えようと羽ばたいている。ゾラーヤス。だからこそ、お前は行くのだ」

タニス「私の可愛い娘よ」

タニスがミリセントに向かって頷くと、ミリセントは一瞬躊躇してから祝福に触れる手に力を入れる。祝福からの光は強まって、火山館の景色を円卓の景色に塗りつぶしていく。そして完全に景色が円卓の物になる前に、タニスは仮面を外してラーヤに微笑んだ。


ラーヤ「は、はい!行って参ります!お母様!」


光が消えて、完全に景色が円卓に変わる。
ラーヤは寂しそうな顔をしていたけど、すぐにミリセントに向き直ってお辞儀をした。

ラーヤ「ご覧の、通りです…私は、火山館を離れました」

ラーヤ「今より私…ラーヤは、英雄様に付き従います」

ラーヤ「良き旅路を、共に歩めますよう…」

緊張するラーヤの挨拶を遮って、ミリセントがラーヤの手を両手で包む。いきなり現れたミリセントがラーヤと握手するものだから、それを見ていたマネージャーが、円卓で見つけてきた果物を落とした。見たこともないマヌケな顔で笑ったぜ!

ミリセント「英雄ではないよ。私のことなら、ミリセントと呼んでくれ」

ラーヤ「英雄様…」

今日はミリセントとラーヤが友達になって終了。
火山館でドカドカに蹴られたディアロスが可哀想だったけど、鎧が堅かったのはマジだったらしくて鼻血以外は完全無傷だったぜ。これで面倒な奴らとの関係も切れてハッピーエンドだよな。ラーヤは二人は主従の関係だって言うけど、ミリセントはこれから苦楽を共にする仲間だって言うから、もう適当になってオレは友達扱いすることにしたぜ。探索行くたびに激ヤバイベントが盛りだくさんだから、エルデの地ってマジにしんどすぎるぜ!女王マリカってチョーSだよな!

76名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 15:07:42 ID:eSxl5OGY


しろがね村最終報告   投稿者:ビルダー拓也


火山館から戻って来て20分以上?30分以下?の時間が経って、拓也が円卓の真ん中でローデリカに霊感占いをしてもらってる頃、円卓の大祝福からバツの悪そうな顔のブライヴと、血まみれガンギレ眼で顔を真っ赤にしながら斧を構えるネフェリが現れた。

ネフェリ「義父上!!」

さっきまで平和だった円卓の空気が一変。ドカドカ早歩きでギデオンの部屋に向かうネフェリを、どうしたんですか!?ってマネージャーは引き止めようとするけど、ネフェリが片手でマネージャーを突き飛ばして転ばせたから、みんなの目の色が緊急事態モードに激変。ローデリカも眼を見開いて、マジかよって感じで両手で口元を覆う。

ミリセント「ネフェリ、待て!何があった!?」

ブライヴ「まず斧を下げろ。円卓では不戦の…」

そこまで言ったブライヴに行手を阻まれたネフェリは、今度は肩でブライヴを押し退ける。
おい!とその肩を掴んだブライヴの鼻先を、血まみれの斧がチョースピードで通過する。

拓也「ヤバっ!」

ミリセント「あぶない!」

ブライヴ「なっ、何をする!」

ブライヴはネフェリから飛んで離れたけど、ミリセントは逆に駆け寄っていってネフェリを追った。でもミリセントが追いつくより先に、ネフェリの斧がギデオンの部屋の扉をぶち破っていた。

ミリセント「ネフェリ!?」

ギデオン「はぁ…騒々しいぞ。たかがしろがね人ではないか」

部屋の中にいたギデオンは、相変わらず何かを知ったふうに、もしくは予想してたみたいな口ぶりでテンションを全く変えずに、顔も向けないままネフェリに話しかける。円卓に帰って来ても面倒ごとが巻き起こって心が休まらないぜ!

ネフェリ「たかが?…あれらは、貴方の救いを待つ民であったはずだろう!?」

ギデオン「しろがねは命ではない。それと似た働きを持つ、意志のある土くれのようなものだ。土を砕いて何故悪いのかね?」

ネフェリ「!!」

ネフェリは眼を見開いたまま、予想外の答えが返ってきたみたいで、何も言わずに斧を持つ手に力を入れたままで止まってる。何が起こってるのか今回も全く分かってない拓也は、立ち尽くすネフェリをマネージャーとミリセントに任せて、鼻が切れてないかを確認しているブライヴに訳を聞きに行った。

拓也「ちょっと、どうしたんすか?なんかヤベーことになってますけど」

ブライヴ「はぁ…あのギデオンという男に、ラダーンから大ルーンを奪う手立てが無いか聞くと、リエーニエのしろがね村というところに行けと言われてな」

ブライヴ「ギデオンが言うには、その村には貴重な物があるはずらしくてな。何者かに襲撃されて壊滅した今も、その貴重な物があるかもしれんという話だったんだ」

ブライヴ「それでだ…実際に行ってみれば、たしかに村は壊滅はしていた。大勢死んでいた。酷い有様というやつだ」

ブライヴ「だが生き延びた者が一人いた。そのしろがね人はアルバスという名の老人で、村の村長をやっていたらしいんだが…」

そこまで言ってから、ブライヴは深く溜め息をついたあと、これから喋る話の結末に心底ウンザリした顔を見せてきた。

ブライヴ「…その老人が言うには、百智卿のしもべ達が、村を襲ったらしいのだ」

拓也「は?」

またしても理解が追いつかなくなった拓也の耳に、ネフェリの叫び声と、ミリセントとマネージャーの大声が入ってくる。ローデリカはいきなりのコトで事態が飲み込めてないラーヤを奥の部屋に連れて行った。

77名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 15:09:54 ID:eSxl5OGY

ミリセント「落ち着くんだネフェリ!暴れるな!もう全て終わってしまったんだ!」

ネフェリ「私は貴方を信じていたのだ!貴方は皆を導き、弱きを助ける王になると誓った!お忘れですか!」

マネージャー「ブライヴさん来てください!ネフェリさんを連れ出してください!」

ブライヴ「ギデオンめ…」

拓也と話していたブライヴは一言呟いてから、ギデオンの部屋に駆けていく。そのあとに呆然としたオレの目の前で、涙で顔をくしゃくしゃにしたネフェリがギデオンの部屋から三人がかりで引きずり出されていく。ギデオンは部屋から出ると、壊れたドアを眺めはじめる。

ギデオン「すまないことをしたな、ネフェリ」

ネフェリ「!」

ギデオンの謝罪を聞いてネフェリは騒ぐのをやめた。ミリセントも、マネージャーもブライヴもその場に固まる。やっぱり何かの手違いだったんだよなって胸を撫で下ろしたかったけど、手違いだったらネフェリにかけた次の言葉が「生存者が居たとは予想外だった」にはならないんだよね。

ギデオン「やはり、あのような者たちなど信じず、初めからお前を騙し、村を襲わせるべきだったのだろうな」

ネフェリ「…義父上…」

ギデオン「おかげで忌み潰しを一人と、いくつかの兵と、どうやらお前も失ってしまったようだ」

ギデオン「円卓のドアは自然と元に戻るが、手駒というのはそうはいかぬ」

ギデオン「ネフェリ。お前は疑いを抱いた。もう用済みという訳だ」

マジかよぉ!コイツチョーSどころじゃねーよ!
謝るのはいいけど、他の対応が最悪なギデオンに拓也が怒りでマジ狂い!村を襲って人を騙してしかも娘を見捨てるとか、コイツ完全に悪党に堕ちたな!長い人生で初めて全身の筋肉が怒りでパンプする拓也に快感なんてまったく訪れない。ネフェリの義父じゃなかったらゴドリックに頼んで、腐敗ゾンビのチンポを二つ用意してからギデオンのクチマンとケツマンに接ぎ木させて、未来永劫腐敗ガン掘りフェラチオ連結プレイをさせてるところだぜ!


ブライヴ「お前…」

マネージャー「あなた…あなた何言ってるんですか!?頭おかしいんじゃないですか!?」

ギデオン「くだらん」

マネージャー「くだっ…!?」

ギデオン「凡愚の意志など、忌み者の角にも劣る害悪だろうに」

ネフェリ「凡、愚…?」

ミリセント「やめろ!自分の娘だぞ!しろがね人を殺戮し、娘を捨ててまで何を得るつもりだ!」

ギデオン「智識以外に得るものがあるのかね?」

ミリセント「他にもあるだろう。あなたが大切にすべきものは…」

ギデオン「無い」

初めて見るミリセントのブチ切れた顔に拓也はおどろいた。火山館でも思ったけど少しづつ感情的になってきてる気がするなりね。でももっと驚くしかない言葉がギデオンのクチマンから聞こえてきたせいで、拓也の思考はローディング状態に入る。会話はできても話が通じない相手に、ミリセントとオレも含めて、ギデオンの目の前にいる全員が無力になった。

ギデオン「識るべき智識に勝るものなど、この世のどこにあるというのかね?」

ギデオン「そのような物は私は識らぬ。私が識らず、識りたいとも思わぬ物ということは、それはこの世に存在しない物だろう」

ブライヴ「…お前、何を言っているのか分かっているのか?」

ギデオン「私は事実しか話さんよ。例えばマネージャー、君に聞こう。君は私からの智識もなく、この円卓の現状を作り得たかね?」

チョームカつくやり口をいきなり展開するギデオンに、拓也の怒りは爆発寸前だぜ!そんなのわざわざ答えさせなくたって、マネージャーがどう思ってるかなんてお前もう分かってるじゃねーか!怒りのギン目で拓也はギデオンを睨みつけるけど案の定無視される。無視されるのには慣れてるけど、今のコイツにだけは無視されたくねー!

78名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 15:21:58 ID:eSxl5OGY

マネージャー「…無理でしたね」

ブライヴ「おい!」

ギデオン「その通りだ。私からの智識が無ければ、君たちはいまだにゴドリックから奪った大ルーンに、どのように力を呼び戻すかで右往左往していただろう。智識無き偶然がもたらしたものにしては、それでも多大な成果であると言えるがね」

ギデオン「ブライヴ、君がこの円卓に居座るのも、今よりずっと先になったのではないかね?」

ギデオン「ミリセント、君にいたっては、ケイリッドで死んでいたはずだ。金の針は円卓の奥深くに埋もれ、君を刺すことも無かっただろう」

ミリセント「…その言い分は、卑劣じゃないか…」

ギデオン「何を基準にかね?」

ミリセント「そうやって、いつまでも私達を値踏みしているがいい…あなたは何物をも識るかもしれないが、皆はあなたを識ろうとは思わない」

ギデオン「何を言うのかね。値踏みの必要は無い。価値ならすでに決まっているし、君たちの価値は限りなく無いに等しい」

ミリセント「なっ…」

そこまで言われると、怒りを通り越して拓也はもう飽きれるモードに入ってる。
あまりにも話が通じなさすぎると上手くいかないオナニーをしたチンポみたいに、怒りも最高潮を迎えながら維持が出来なくて萎えていく。今までネフェリはどうやってこんな頭イっちゃってる奴と付き合えてたのか、無性に気になってくる。

ギデオン「命とは智識の器であり、この円卓は接ぎ木であり、この私は幹であり、君たちは単なる接ぎ枝にすぎない」

ギデオン「智識が入るのであれば、智識あるものが亜人であろうと卑人であろうと、混種や褪せ人、しろがねだろうと構わん。しかし転ずれば、智識を持たぬそれらには価値など微塵も無い。しかるに智識の無い者は、皆等しく価値が無い。生きようが死のうが私にとってはどうでもいいことだ」

ギデオン「そしてこの円卓では、英雄と呼ばれる者が現れては消えていく。君達もそれらのひとつに過ぎぬ。それとも今この時、この人員で形作られる円卓こそが特別だとでも、本当に思っていたのかね?」

ギデオン「そんなものはくだらぬまやかしだ。君達より優れた英雄はいくらでもいた。彼らも私の智識を求め、功をなし、死んでいった。残るのは智識を保有するこの私だけであり、そこにまた君達が現れ、私の智識のもとに功をなした」

ギデオン「そして次に君達が死のうと、それは私の識るとおり、私には関係の無いこととなるだろう。私は次に来る接ぎ枝に智識を与え、それが亜人だの混種だのであろうと、有効に使い切るのみ」

ギデオン「君達で言うのなら、例えばマレニアの分け身はミリセントだけではない。ミリセントが私に協力しないのであれば、他の分け身を連れてくればいい。ネフェリが使えなくなったのであれば、他のホーラ・ルーの直系を連れてくればいい。蛮地の王は子を多く成したのだからな」

ギデオン「ローデリカが死ねば私が霊を視よう。鍛治師が死ねば私が英雄に武器を与えよう。祈祷が欲しくば私が祈り、魔術が欲しくば私が伝授し、使命のために影従が欲しくば、二本指から授かる術を私が探してやろう」

ギデオン「つまりこの円卓において、価値ある者は私ひとりだけなのだ」


ギデオンは一息に言い切ると、部屋に戻って、また本を読み漁り始める。
そしてギデオンの言う通り、ギデオンの部屋のドアは勝手に元に戻っていって、奥に見えるネフェリが散らかした本も元の位置に映画の逆再生みたいに戻っていく。ギデオンが空中に手を差し出すと、その手に本が移動してくるくらい、ギデオンは物の戻り方を全て知っていた。

ギデオン「マネージャー君、茶をもらえるかね」

そしてギデオンは毎日繰り返しているように、マネージャーにお茶を要求。
「従者を愛さぬ主など、主ではないな」呆れたブライヴはそう吐き捨ててから奧の部屋に歩いていく。ネフェリはその場に崩れ落ちてから、円卓にいる誰もが聞いたことが無かった嗚咽を漏らし始めて、ミリセントはネフェリの背中を抱いて、せめて痛みは共有したいと願っているみたいだった。

マネージャー「茶ぐらい自分でくめ!このっ…!」

マネージャーはガニ股で靴を脱いで

マネージャー「バカ!」

ギデオンの部屋のドアに思い切り投げつける。
拓也はそんなみんなの様子を、ネフェリが親に捨てられるのを、黙って眺めていることしかできなかった。

79名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 15:26:37 ID:eSxl5OGY


【狭間の地・円卓・酒・ネフェリの再出発】


胸糞が悪い昨日が明けて、今日はダルな体で昼から円卓行って、マネージャーはどこ?ってトープスに聞くと奥の食糧庫に行って昨日から飲んでるらしい。あー、これ、今日は探索は無しかなって思いながら向かう。そしたらギデオンに捨てられて一晩中ずっと泣いて、泣き疲れて壁際でぐったりしているネフェリに遭遇。

拓也「う…ウッスウッス…」

ネフェリ「…ああ、拓也か」

ネフェリ「…情けないことだが…まだ心が乱れているんだ…」

ネフェリ「…本当に、情けない…ディアロスに、弱さを受け入れろと言った私が、このざまだ…」

ネフェリの疲れ切った顔には涙の跡が残ってて、痛々しくて眼を逸らすと、奥の酒樽の壁の裏から裸足のマネージャーが登場。だすだすと音を立てて乱暴に歩いて、酒樽の前に立ってからコップに酒を注いでそれを一気に飲む。そのあと拓也を赤ら顔のジト目で一回見ると、また酒をくんでコップで一気にやる。話しかける雰囲気じゃねーなって思った拓也が引き返そうとすると、背中にマネージャーの声がかかる。

マネージャー「ちょっと、拓也…用があるから来たんですよね?なにか言いなさいよ」

拓也「う…うっす。今日は探索はしないって事で良いのかなって…」

マネージャー「ああ?探索?知らないよ、そんなの」

そう言ってから、マネージャーは床のカーペットの上に寝っ転がって、床に転がってる酒瓶を掴んで飲み始める。ヨレヨレの口からは酒がこぼれてて、これ相当キてるなって見たままで分析。ネフェリに「…また吐くぞ…そんな飲み方すると」って言われると、糸で無理矢理起こした人形みたいにフニャフニャで立ち上がる。

マネージャー「あなた、他人の心配なんてしてる場合?あなた完全に被害者なんだから、被害者は被害者らしく、こういうことされて嫌だったとかムカついたとか、言ってりゃいいんですよ」

マネージャー「ねー?拓也?」

フラッと寄りかかってくるマネージャーに絡まれて、拓也は反射的に「うっす」と返事。オレにこんな絡み方するとか立派なアルハラだよな。マネージャーのボロボロになってるヤケ酒エンジンにはまたスロットルが回って、マネージャーは完全に酒ウケモードに入る。

マネージャー「第一おかしいでしょ?なぁにが百智卿よ。あんたが何もかも知ってるなんて誰が証明すんの?全部知ってるなら、あんたが読んでるその本はなんなの?えーっ?」

拓也「そ…そうっすよ!アイツはマネージャーの本名だって知らねーくせによ!」


マネージャー「知ってるよ」


今日一発目の衝撃の事実に、拓也もネフェリも一発で視線奪われてマネージャーに釘付けになる。
マネージャーの愚痴スイッチは完全に押し込まれて、エンジンがフルスロットルで周りだす。

80名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 15:31:52 ID:eSxl5OGY

マネージャー「あいつ、私と拓也がここに来た日の夜に、私のバッグ漁って携帯見てたんですよ。パスワードもどうやって開けたんだかね。多分財布とかも見られたでしょうね」

拓也「マジすか…」

マネージャー「だからアイツ、私の本名、年齢、性別、住所、郵便番号、全部知ってるし、多分だけど、私の友達の番号も全部知ってる。アプリも全部見られたと思う」

マネージャー「漁ってるところを見た時は、ああ、ケータイが珍しいんだなーって思って、そのまま寝たけど、次の日の朝に本名で呼ばれて、日本では君をなんと呼ぶのかね、葦の国と日本の違いを教えてもらえないかねとか言われたんだよね」

マネージャー「それだけならただの変態で済むけどね、記録するためにやったんでしょうけど、アプリとか死にデータとか、ゴミ箱まで全部整理されてたんだよね。おかげで今の携帯、めちゃくちゃ使いやすいの」

天才なのは分かるけどこの気持ち悪さはなに!?マジで倫理を損ねてます!現代日本では一生牢屋から出しちゃいけないタイプのギデオンに、拓也もあらためて引きまくり。「義父上ならやるだろう…特別な祈祷さえも、半刻あれば使いこなせるのだからな…」なんてネフェリは慣れちゃってるけど、ギデオンってこういう奴だから円卓にいるんじゃなくて、こういう奴だから二本指が円卓に隔離してる気がしてきた。

マネージャー「はぁー…アイツの異常っぷりをその時に警戒しとくべきでした。協力してもらえれば元の世界に早く帰れるかもとか、思わなきゃよかったですよ」

ネフェリ「…だが、義父の助力が無ければ、私達は…」

マネージャー「ここまで出来なかったって言うんでしょ?あなたのそれ、ストックホルム症候群なんじゃないの?酷い目に遭わされたのになんで庇うの?」

ストックホルム症候群なんて言っても分かんねーよって思ったけど、ネフェリは察しがついたみたいで「私は病気なのか?」って聞いてくるから、マネージャーがさらに盛り上がって口が止まらなくなっていく。こんなにキレてるマネージャーは初めて見るけど、初めて見るレベルの極悪人を見たからだって理由がすぐに思いつく。昨日のアレは酷すぎるぜ。

マネージャー「そーです病気です。病気じゃないってんなら、ギデオンにやられて嫌だったこと言いなさいよ。あるでしょ沢山。昨日は一人でずっと泣いてたんでしょ?ずっと泣いてるのに嫌なことが無いなんておかしいでしょ。言いなさいよ」

そう言いながらマネージャーは椅子とテーブルを引きずってきて、ネフェリを椅子に座らせる。
マネージャーの椅子は四つん這いの拓也だ。

ネフェリ「…欺かれた」

マネージャー「それから?」

ネフェリ「…私を、凡愚と言った…」

マネージャー「酷い話だよね。ずっと心の中で見下してたくせに、良い顔して操ってたんだ。最低だよ」

ネフェリ「私達を、手駒と言った…」

マネージャー「それ本当ムカついた。自分は智識の手駒でしょーが」

ネフェリ「人を…人を大勢、殺していた…」

ネフェリが涙目になって語るその事実によっぽどマネージャーは頭に来たのか、オレのケツマンに勢いよく空のコップを捩じ込んでから、ケツ筋を両手で思いっきり押して肛門の中のコップからピシッと音を出し、たまらず拓也も雄鳴きが入る。

拓也「うぉあっす!」

ネフェリ「義父上はずっと…ずっと殺していた…私に、大勢を殺させたのだ…」

ネフェリ「あの言い方で分かったんだ…今までも、私を騙し、何の罪科も無い者を、智識のために、私に…」

話してる途中で我慢できなくなったネフェリは、喋れなくなって両手で目元を覆う。肛門から腹の中にかけてとんでもない緊張感に苛まれてる拓也は、ネフェリとは違う意味で喋れなくなっていて、本物の椅子並みに硬直した全身からは大量の脂汗が流れ落ちる。マネージャーは用意していたもうひとつのコップに酒を注ぐと、ネフェリに差し出す。

マネージャー「飲んでも忘れられないけど、飲んだら吐き出せますよ」

ネフェリは涙と鼻水でくしゃくしゃになった顔でコップを受け取って、ぎゅっと眼を閉じて一気に飲んだ。

81名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 15:58:06 ID:eSxl5OGY

マネージャー「よいしょっと」

ネフェリに酒を飲ませたマネージャーはオレの座り心地が悪いらしく、オレの背中の上でケツをグリグリと動かしてベストポジションを探す。その振動で肛門の中のコップから、ピシッ、ピキッとヤバい音が立て続けに鳴り、肛門の開きがほんの少し狭くなった感覚に拓也は「はぁっ!」と焦ったように息を飲んで静かにマジ狂い!ヤバいこのままだと割られる!と全身から流れるストレス性の脂汗は滝のようになっており、拓也は恐怖と緊張で指一本動かすことも許されないまま、絶対に崩れない人間高級椅子と化していく。

拓也「ほ……ほぁ……ほほ…!」

マネージャー「あなた、ギデオンに拘ってるけど、アレとどう知り合ったの?義父ってことは、あなたの実の父親じゃないんでしょ?」

ネフェリ「…そうだ…私が今よりも幼き頃に、拾われたんだ…今より優れた、良き治世の王となると言われ、私はそれを信じたのだろうな」

ネフェリ「その結果がこうなるとは知らずに…とんだ愚か者だ…」

マネージャー「こんな酷いことされるなんて、普通は分からないですよ。もうメチャクチャ運が悪かったって、思うしかないくらいの話ですよ?」

ネフェリ「私は…これからどうしたらいいんだ?…何を信じていけば…」

マネージャー「うーん…」

しばらくマネージャーが考え込んでいる間にも、拓也のケツマンに挿れられたコップが少しづつ脆くなっていると考えると、拓也はもう気が気じゃない。ネフェリを慰めるのは分かるけど、今俺にこんなことをする意味はわかんねーよ!俺も何を信じたらいいんだよ!

マネージャー「そうだなぁ…ギデオンのほかに、あなたが信じられる何かってありますか?」

ネフェリ「それは…昔の私は、自分の強さを信じていた。だが今は、もう無理だよ…」

マネージャー「それじゃあ、今のあなたが信じたいものは何?」

ネフェリ「それは…」

ネフェリが考え込んでいる間にも、固まった腹筋が少しづつ拓也から酸素を奪っていく。
呼吸が浅くなってきて手足が冷えてきた。意識がちょっとずつ削れていく感覚がさらに拓也を焦らせる。

ネフェリ「…私は…お前たちを信じたい…」

マネージャー「こんなことしてるのに?」

拓也「んぐーっ、ふーっ!」

恐怖で歯をガチガチ鳴らしながら顔を赤らめている拓也に、マネージャーから軽いケツピンタが一発入る。なんでオレにこんなことするんですか!って言葉もケツマンの痛みと硬直するビルダーガタイに塞がれて、全身に鳥肌を立てながらひたすらに悶えることもできずに苦しむ拓也。ギリギリで動く首を必死の形相で動かして、自分のケツマンの被害状況を確認。ケツマンが咥え込んでるコップはヒビだらけで、割れる寸前で踏みとどまっている。

ネフェリ「そ…それは…」

マネージャー「私はただの性風俗業のマネージャーですし、拓也はただの男娼ですよ?そんなのを、大ルーンを二つも集めた英雄様が信じちゃダメですよ」

ネフェリ「…そう…だな…」

泣き腫らしたあとの顔に「そりゃそうか」っていう残念な顔と、「それでも信じたい」っていう顔が混ざったような複雑顔になって、ネフェリは俯き気味になる。できれば俺のことを信じてほしいし俺もネフェリを信じたい。けど今こんな感じになってる俺を信じろとは決して絶対に言えない。四つん這いのまま手を使わずにケツマンを広げ続けるのにももう限界が来ている。オレを早く助けてくれ!ネフェリ!マネージャーを止めてくれ!

82名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 16:12:48 ID:eSxl5OGY

マネージャー「私達は、あなたの信頼に足る人にはなれません」

マネージャー「ですが、あなたの信頼に足るだけの物を、一緒に見つけるための協力はできます」

マネージャーからの答えを聞いて、ネフェリの顔が少しだけ和らぐ。それは良かったけど、拓也はもう体力の限界みたいで目の前が真っ暗になってきた。

マネージャー「どう?そちらにとっても、悪い話ではないと思いますが?」

拓也「うぉ…う…う…う…!」

マネージャー「あら拓也、抜いて欲しいんですか?」

拓也「う…うす…う…」

マネージャー「この前ミリセントさんから、拓也がイエロの瞳に依存していると聞きましたので、あなたのケツにペナルティを仕込みました。これは私のストレス解消のためでもあります。もう吸わないでくださいね」

そう言ってマネージャーがゴム手袋を装着すると、拓也のケツマンからヒビだらけのコップを抜いて、ポッカリと空いた穴に、自分が持ってる酒を流し込んでくる。

拓也「うおおおおぉぉううぅす!!」

酒を入れられた瞬間に全身が燃えるように熱くなり、Mウケガタイを弓なりにそらせてマネージャーを上下させながらガクガクと痙攣して泡を吹く拓也。壊れていく俺の様子が少しツボに入ったらしく、ネフェリが困ったような半笑いで拓也を見て、マネージャーとの会話を続ける。

ネフェリ「お、おいおい…大丈夫なのか…?」

マネージャー「これからすぐに昏倒するでしょうね。お尻の穴に毒の苔薬を詰めれば、命には関わりません。このまま丸一日放置したら死にますね」

そう言って狂いまくりの俺のケツマンに、マネージャーは苔薬を2つ落とし込む。俺は四つん這いを維持できずにその場にベチっと潰れて、ガクガクと痙攣を始めながら意識がぶっ飛んでいく感覚に飲まれていく。マネージャーにやられた!

ネフェリ「ふふっ…ひどい奴だな、お前は…」

マネージャー「ええ、そりゃもう酷いですよ。酔ってますし、拓也には振り回されてばかりですから、たまにはやり返したくなるんですよ」

マネージャー「さ、今日は一日、ギデオンの悪口を言い合いましょうか。世の中の全てを知りたい人には、私達の愚痴も全部知ってもらいましょう。メモも用意してあります」


ケツにアルコールを吸わされて狂い、意識を無くした拓也は激しい痙攣とともに起床する。気付けばいつもの部屋のベッドだぜ。良かった生きてたって安心して、拓也はまたベッドで大の字に寝転がり乳首を摘む。感覚も生きていることが分かり、更にケツマンやチンポの確認作業に移ろうとした時、ドアのノックに気付いて慌てて布団を被る。またミリセントの顔にかけちゃまずいせ。

ブライヴ「おい拓也、お前生きてたか」

拓也「おおおぉ!うーっす!」

部屋に入ってきたのは上半身裸のブライヴだ!引き締まったボディに、うっすらと湿って光る毛並みが揃っててマジエロっ!胸筋と腹筋、肩の筋肉のカットラインは毛で隠れて見にくいけど、よく眼をこらすと細めの高身長フィジーク選手みたいなギリシャ彫刻ガタイだ。あまりにも長すぎる男日照りに性癖のOKラインが拡がった拓也は、布団の中で即射精!布団から顔だけ出したお饅頭状態でビクビクと痙攣を始める。

ブライヴ「な、なんだよお前…気色の悪い…」

拓也「なん、あん、なんで裸なんすかあぁん」

ブライヴ「ああ、これか。俺の鎧は寒さをよく遮るが、円卓は火が炊かれているだろう?長く居座るなら、着たままというわけにはいかんのでな」

ブライヴ「…それで、体の方はどうなんだ?もう動けるのか?」

拓也「うっすぅん!イケまっす!イクッ!」

ブライヴがさりげなく取った「両手を上げて、髪を後頭部にかき上げる仕草」に拓也の性癖マジ狂い!激しい腰のピストンで布団の中を精子まみれにしながら、奉仕するかのように舌を突き出しておねだりしつつ、激しすぎるピストンでカエル飛びのようにブライヴに近づいてしまう。

ブライヴ「うわあああぁっ!馬鹿!やめろ!」

ブライヴが部屋から出てドアを閉めた直後に、拓也はドアに激突し、ナメクジのようにドアにヌメヌメを残しながらずり落ちる。「ふざけるな馬鹿!変態め!」というブライヴの声に、絶妙に加虐心をくすぐられてオレの口がニヤついてしまう。

ミリセント「拓也はどうだった?」

ブライヴ「元気なもんだよ…本当に気色の悪い奴だ。たまにおかしくなったりしなければ、悪い奴ではないのだがな」

ドアの外から聞こえる会話に、ニヤつきの口角があがって全身にゾクゾクが走る。背徳感と高揚感と罪悪感と悪戯心が同時に襲ってきて、拓也は脳がプカプカ浮いてるような感覚に酔いしれた。自分で作る脳内麻薬が最高の目覚ましだぜ。

83名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 16:21:51 ID:eSxl5OGY


アルター高原で刺客が増えるよね  投稿者:ビルダー拓也


ブライヴから素敵すぎるモーニングコールを受けた拓也はシャワーも浴びずに早速着替えると、円卓に待機して隣にいる鎧を着たブライヴをグラサン越しにギン目で挑発。「なんで隣に座るんだよ、あっちに行け」の声にもめげずに熱視線を送り続けると、ミリセント、ラーヤ、ローデリカの順番で円卓の席が埋まっていく。最後に水をがぶ飲みしてるマネージャーが青い顔でやってきたけど、いつもの頼りになる奴の姿が見えなくて、埋まっているはずの空席に誰もが眼を移してしまう。

マネージャー「あいててて…いやー痛い、頭痛い」

ブライヴ「ははっ、昨日は相当飲んだそうだな」

マネージャー「飲まなきゃやってられなかったんですよ。あーいたいっ」

ミリセント「…あまり無理はするものではないよ」

マネージャー「わかってますよ。明日までには、なんとかしますよ」

っていう言葉を最後に、会話がブツっと途切れて気まずい沈黙が続く。ネフェリはどうしてるかな。ちゃんとメシを食って、ちょっとは体力回復したかな。なんて考えてる拓也がその話を振る前に「ネフェリ様は、大丈夫なのでしょうか…」というラーヤの声が耳に入る。
そこから会話が再開。

拓也「マネージャー、どうなんすか?」

マネージャー「ああ…彼女なら、今はリエーニエにいます。しろがね村の生き残りを探すそうです」

拓也「マジ?」

ミリセント「行かせたのか?まともに戦える状態じゃないだろう。連れ戻してくる」

マネージャー「その方が良いと思ったからです。この円卓にはギデオンがいます。同じ場所に二人を押し込めても、ネフェリさんが弱っていくだけです」

立ち上がって祝福に触ろうとしたミリセントは、マネージャーの言葉に一瞬何か反論しようとしたけど結局席に座る。気持ちは分かるけどさ。マネージャーは水をもう一度飲んだあとに、深くため息をついて椅子の背もたれに寄りかかる。

マネージャー「今日の探索目標はありません。予定もチーム分けも無しです。ここでの話も会議ではありません」

マネージャー「理由は二つ。まずひとつは、コンディションの悪さです。私は二日酔いで頭が回らないですし、ネフェリさんは傷心中。拓也も実質的に二日酔いの状態です。あとブライヴさん、あなたも本調子じゃないですよね?」

ブライヴ「チッ…」

拓也「え?マジ?調子悪いんすか?」

ブライヴ「まぁ、色々とな」

マネージャー「そうなると、今の事故率の低い組み合わせは、ミリセントさんとディアロスさんのペアになりますが…正直言うと、前の探索でのことをミリセントさんから聞く限り、それでも嫌な予感しかしないので、二人だけでは行かせたくありません」

ミリセント「…もう少し、ディアロスのことも信用してあげられないのか?」

マネージャー「信用はしたいです。…ですが今までの実績を考えても、緊急事態への対応力が拓也より低いので難しいですね。拓也は合ドラをキメながら新テクを開発とか言って、よく馬鹿なことをしていたせいか、妙な解決策を思いつくことは意外とあるんです。空回りすることも多いですけど」

ミリセント「それは…確かにそうかもしれない…」

褒められてるのに貶されてるとしか思えない拓也は、せめてもの抵抗で、開き直るかのように胸筋をパンプ。そこから両乳首をこねくり回しながらマネージャーに舌を出してチロチロと威嚇する。「不気味ですね…」というラーヤの声にブライヴが吹き出して、ミリセントがラーヤに同意すると、マネージャーがもうひとつの理由を突き出してくる。

マネージャー「もうひとつの理由は、まぁ皆さんも大体分かってるでしょう。これが最大の理由です。私の二日酔いはただの言い訳です」

マネージャー「もうひとつの理由は、私がギデオンと話したくないからです!」

その理由には、円卓一同で「ああやっぱり」「そうですよね」みたいな空気で一致。誰も理由は聞かないし、昨日の飲み会の最後がどうだったのかも知らない拓也でも一発で納得できたぜ。

84名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 16:36:45 ID:eSxl5OGY

マネージャー「探索するには色々準備が必要ですが、私はその準備の多くをギデオンの書斎で行っていましたし、必要な情報はギデオンから教えてもらっていました」

マネージャー「ですがネフェリさんの件があって、まぁ感情的だって思われても仕方がないことですが、ともかく私はしばらくはあの人の顔も見たくはありませんし、声も聞きたくありません。少なくともネフェリさんが元気になるまでは無理ですし、彼女が元気になったところで、ギデオンの非道ぶりは絶対に変わらないので、前よりはぎこちない関係になるでしょう」

マネージャー「そんな理由で?と思っている人が万が一いるかもしれないので言いますが、信頼性というのは大事なんです。自分の娘に隠れて大量虐殺を行い、娘を騙してそれに加担させたことも何度かあって、事態が露呈すると娘を含めた関係者全員を見捨てて、全てを無かったことにする…こんな人とは私は働きたくないの。そういうことです」

ミリセント「そんな理由でとは思わないさ。私も彼とは関わりたくない」

ブライヴ「しろがねの村も元には戻らんからな。あのような男は、人を率いる器ではない」

マネージャー「ということで話は終わりです。今日はお休みです。みなさんは自由に過ごしてください。私は寝ます」

そう言い残して、マネージャーは早々と自分の部屋に引っ込んでドアを閉めた。予定がガッポリ空いた拓也は、やる事がなくて一日中ケツマンほじくり返すかなって考えていると、ブライヴがミリセントとラーヤと拓也に招集をかける。「何もしないままというのも、暇を持て余しすぎる。俺はアルター高原を攻める。付き合わないか?」っていうお誘いに、ミリセントが訳を聞く。

ブライヴ「理由か…まぁ、俺は二本指とは馬が合わなくてな」

ミリセント「何かあったのか?」

拓也「狼なのに馬が合わないって面白いっすね(笑)」

ブライヴ「昔の話だ。向こうはそうは思っていないようだがな」

ミリセント「…本調子では無いというのも、それが理由か?」

ブライヴ「そんなところだ」

拓也のダジャレが無かったことのように無視されたあと、ブライヴの体調もあるしとりあえずアルター高原の祝福に出ようということになり、日影城に行く途中で見つけたルクスの廃墟の祝福に出る。そしたらラーヤまでついて来ちゃってミリセントが驚きの声を上げる。

ミリセント「ラーヤ!?来てはだめだ、戻らないと…」

ラーヤ「私なら平気です。私は招き手でしたので、アルター高原は歩き慣れています、英雄様」

ブライヴ「いいのか?何か起きても、護れるという約束はできないぞ」

ラーヤ「ご心配には及びません。いざとなれば身も隠せます」

?「ラーヤ殿のことならば、この私に任せていただきたい」

聞き覚えのない渋い声がいきなり背中にかかって、拓也はとっさにケツマンを手で塞いで防御の姿勢に入り、ミリセントとブライヴが剣を抜いて声の方に身構える。声は光る祝福から聞こえて、そいつは姿を現した。

ミリセント「あなたは…!」

ブライヴ「これは意外だ。円卓での隠居は終わったようだな」

現れたのはイレーナの父親、エドガーだった。
銀色のガチガチ鎧に、長い槍?斧?を持った姿はすごいけど、股間にある銀のデカマラが拓也の視線を掴んで離さない!デカい!チョーデカ!硬い鎧を変形させるほどの圧倒的デカマラに気圧された拓也は、プライドを徹底的に打ち砕かれて、男として不遜だったことを恥ながら地に伏せる。

エドガー「貴公、どうしたっ?」

拓也「ウッス!拓也をセンパイのペットにしてください!」

エドガー「ペット…?」

ブライヴ「また病気が始まったか…いつものことだ。気にするな」

ミリセント「イエロの瞳と業ドラとかいうものに惑わされて、時折気が触れてしまうんだ。あまり気にしないであげてほしい」

エドガー「そうだったか…やはり、大ルーンを追う旅ともなれば、相応に過酷なのだろうな」

エドガー「しかし、このエドガーは娘ともども、ネフェリ殿に助けられた身。ネフェリ殿には同行を硬く断られたが、ならばせめてもと思い、こうしてネフェリ殿の友たる貴公らに合流した次第。過酷な旅は覚悟している」

ミリセント「なぜネフェリは、あなたを拒んだのだろう。ネフェリは私には、恩義に報いることを許したはずだが…」

エドガー「それは、ネフェリ殿が仁徳を重んじ、我が主のゴドリック様が仁徳を枝の如く扱ったからだろう。致し方のないことだ。主君の意志は、この身では選べぬのだからな」

ブライヴ「あのゴドリックに仕えるとは、お前も不運な奴だ、フフッ」

85名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 17:25:58 ID:eSxl5OGY

ブライヴ、ミリセント、エドガー、ラーヤ、拓也の五人で急遽パーティーを組むことになり、ついたばかりの祝福で早速ラーヤが地図を広げてから目的地を確認。まずは王都の外壁を越えようってことで、ブライヴはアルター街道の三叉路を通って一直線に城壁を抜ける道を提案。それはラーヤに危険すぎるってことで否定されて、夜に迂回路を通ろうという話に。

ラーヤ「ここは夜陰に乗じて敵陣をすり抜けつつ、アルター街道の三叉路を北に向かい、森渡りの大橋の転送門で橋を渡ったのちに、外壁へ向かいましょう。夜陰を行くのですから、投石機も使えないはずです」

ラーヤ「正門には多くの兵と、二体のツリーガードが陣を張っています。その付近には星呼びの者たちも隠れ潜んでいます。英雄たる皆様がたでも、苦戦は必至かと」

ブライヴ「ツリーガードに、星呼び共となると、運が悪ければ星の獣とも鉢合わせか…これは確かに、正面は無理筋だな」

ミリセント「ラーヤ、すごいじゃないか!君は本当に詳しいんだな。ありがとう」

ラーヤ「ありがとうだなんて、そんな…英雄様にそう言っていただけるだなんて…私、恥ずかしいです…」

拓也「ツリーガードってなんすか?」

ブライヴ「黄金の鎧を纏った騎士だ。巨大な盾を持ち、重厚なハルバードを縦横に振るう、馬術にも長けた強敵だ。兵どもに加え、そんな者を二騎も相手にしてられん」

その説明で大体検討がついたぜ。初めてここに来た辺りで見かけたあの全身凶器系騎士だ。あれを二体も相手にしたらいくら拓也の頑丈なタフマンでもマジ逝きは避けられない。そんな激ヤバな奴らがひしめく道を回避することになってよかったぜ。それから拓也は探索仲間と共に夜を待つ。

そして作戦開始の時が来た。
先頭を夜目が効くブライヴが歩いて、その後ろをネフェリとラーヤが続いて、拓也とエドガーは三番手って感じで列になって歩き、敵兵の目を潜り抜けながら面白いくらいスムーズに進んでいく。敵兵がテントの前で居眠りしている間に、三叉路まで到着した5人は地図を確認。ラーヤに道を指してもらうと、棘のついた鉄球がラーヤの頭目掛けて飛んできた。

ミリセント「伏せて!」

ラーヤ「きゃっ!」

ミリセントがラーヤを片手で突き飛ばすと同時に、鉄球を剣で弾き返す。エルデでの旅路は相変わらず激しい!襲ってきたのは全身黒ずくめの殺し屋系騎士だ。転んだラーヤをエドガーがガッチリガードして騎士のハンマーをまた防ぐと、今度はブライヴが大剣で騎士の馬を突き上げて、騎士はどんどん戦いに狂っていく。

騎士が仰け反って鎖で繋がれたハンマーを振り回すたびに「ガン!ガン!ガン!」とブライヴの大剣が金属音で雄鳴き。「こんな夜にも襲って来るのかよ!??」もうオレも雄鳴きすることしかできない。

ブライヴ「好き勝手打ちやがる!お前はラーヤを連れてここを離れろ!たくや!」

「あん、あん、あん、うっす!・・いいです!」拓也も汗たらしながらラーヤの手を掴んで戦場からの脱出を試みる。「ほら、お前の相手は俺だ」ハーハー息切らして調子が悪そうなブライヴに超デカハンマーが突き刺さる寸前「あーっ、だめです!」というラーヤの声と同時に、ミリセントのガタイが弓なりになって硬直すると、そのまま弾けるように跳ねて騎士の胴体にジャンプ。ブライヴに向けて振り上げられた騎士のハンマーを剣で弾いてから、騎士の肩に強烈な一太刀をお見舞いする。

ミリセントに騎士が斬られて怯んでる隙に、エドガーが騎士の手から武器を払い飛ばして、ブライヴが全力で騎士の横っ腹に大剣をぶち込み、動きを止めさせて言葉責め。「誰がお前のご主人様なんだ?え?」「あー、い・・言えぬ・・・」「忘れてるだけかもな。思い出させてやらないとな」「う・・っぐ!ぅあーーっ!」騎士の内臓が破れるほどの剣のガン掘り。こうなるともう悲鳴も出ねぇよ。血がドロドロ流れて騎士の全身の筋肉という筋肉が脱力していく。決着がついたと確信した拓也は、ラーヤと一緒に脚を止めた。

「あー、マ・・マルギット様・・お許し・・下さい!」という騎士のギブアップ&ダウンのサインに、ブライヴは武器にかける力を抜く。騎士はしばし開放されて死にゆきながら「貴様のことは忘れぬぞ…」と言って、ブライヴに「いや、忘れるぜ。馬にまたがり、歩いたままな」と返されてる途中に、馬の上でうつ伏せになってブライヴの凶器が突き刺さった箇所から血をまた流して、息絶えたと同時に馬と一緒に夜の闇に消えていった。
ラーヤと一緒にブライヴと合流した拓也に、ブライヴが聞いてくる。

ブライヴ「マルギットという名に聞き覚えはあるか?」

拓也「え?えっと、何処かで聞いたっす。たしか…」

聞いたことのあるような無いような名前を思い出すために、拓也が右手で乳首を摘むとミリセントから「見てはだめ」という声が聞こえてラーヤが目を塞ぐ。ガタイで分析しないと思い出せないんだからしょうがないじゃん!そのまま左手で金玉を揉みしだいて拓也の脳は高速回転を始め、すぐに答えをドピュッと口から弾き出した。

拓也「思い出したぜ!ストームヴィル城の前で戦った、頭からちん毛みたいなツノ生やしたヤツ!」

エドガー「なんと下品な男だ…」

ブライヴ「もっとマシな例え無かったのかよ…巻き枝のようなツノを頭から生やした者と言えば、祖霊の民か、忌み者だな」

エドガー「忌み者であるなら、名は聞き覚えがある。伝承によれば、長きに渡りリムグレイブの辺境には、英雄や褪せ人を狩って回るマルギットという忌み鬼がいるらしい」

エドガー「しかし騎士を従える忌み者など、聞いたことがない。忌み者は剣に呪いをかけられ、騎士に連れ回されるものだ」

ブライヴ「結局、誰が主かは分からずじまいか…」

拓也の推理はエドガーからの印象が少し悪くなって終了。なんだよ、せっかく思い出したのにさってグレはじめると、戦いの音を聞きつけた兵士が松明片手にゾロゾロ集まってくる。「逃げるぞ!」ってブライヴの一声で、全員が三叉路から北に向かって駆けていく。

86名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 17:31:05 ID:eSxl5OGY

?「ああ!良いところに来てくださいました!私も連れて行ってください!」

その途中で目を隠したお坊さんみたいな人に話しかけられた。あれ?この人誰だっけ?って思う間に「余裕がない!来たければ勝手に来い!」とブライヴが叫ぶと、列の後ろでラーヤの短い悲鳴が聞こえた。振り返るとスカートがもつれて転けたラーヤに、兵士が三人も剣を持って走って来ていて、その後ろからも6人くらいの追加が入ってる。

ブライヴ「クソっ!ここで迎え討つ!」

ミリセント「ラーヤ!」

ラーヤを斬ろうとする兵士をエドガーが長い武器で一発殴ってる間に、ミリセントはスゲー勢いで跳ぶと、兵士の顔面に跳び回し蹴りをぶち込んで兵士は派手に一回転。そのままラーヤを抱き上げて逃げてくると、ミリセントと入れ替わるように兵士に殺到したブライヴはギン目で大剣振り回して、三人の兵士をグルンと叩き斬る。

エドガー「離れていろ!」

エドガーの言葉にブライヴは敏感に反応。ブライヴがバックステップして、周りに一瞬人がいなくなったエドガーが、デカ武器を振り回して風を巻き起こしながら人間洗濯機状態に入る。目の前の兵士を次々と薙ぎ倒して血の竜巻を作り出し、あっという間に全滅させた。スゲー!ネフェリのあの技にソックリだぜ!

ミリセント「ラーヤ、大丈夫だったか?怪我はないか?」

ラーヤ「ええ、怪我はありません…ありがとうございます」

今のところ辛うじて全員無傷で済んでるけど、いつ負傷者が出てもおかしくない状況に拓也の乳首も一層硬くなる。ところであのお坊さんは誰?って思っていると

?「一時はどうなることかと…これも黄金律のお導きでしょうか…感謝いたします」

コリン「あなた方にも、感謝します。私はコリン、聖職者の身です」

ブライヴ「ああ、これは丁寧なこと…いや、待て」

ブライヴ「お前、円卓にいたんじゃないか?確か祝福が見えるかと聞いてきた…」

ミリセント「ああ、私も聞かれたよ。君だったのか」

マジ?俺聞かれてねーよ!ラーヤとエドガーも聞かれたことがあるっていうし、なんで俺だけ無視されたんだ?学校で無視されたり虐められたりの毎日が頭の中に蘇り、オレのトラウマを刺激してくる。そこに白いお面の「テク無し」「亜人の貴方」発言とか、事あるごとに亜人扱いされてきた事が合わさり結論を導き出す。俺がDに殴られてた時もコイツはいて、俺が褪せ人ですらなくて黄金律と全然関係無いから、俺はコイツに無視されたんだって。そう悟った俺は一人誰にも知られずグレまくって、コリンに無視を決め込む。

ミリセント「気付けなくて、申し訳なかった。祈祷というのが、私にはまだ分からなくてな」

コリン「いえ、あなた方を責めるつもりはありません。今や祝福の導きは見え難いもの。そしてそれを信じ、語る私も、小さき者に他なりません」

コリン「その小さき私が、見え難き祝福の導きを、か細い祈祷で語っても、その声はごく小さく、気に留めるのは難しいものです」

コリン「だからこそ、この試練の時に、あなた方に救っていただけたことには、心より感謝したいのです。この再会も尊き黄金律の導きでございましょう」

ミリセント「あ、ああ…確かに、導かれているのかもしれないな」

ブライヴ「導かれているつもりは無いがな」

87名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/29(木) 17:50:44 ID:eSxl5OGY
加筆修正した文章にも細かいミスや気になる部分があってマジ狂い!
加筆修正に加筆修正を加えたりなんかしてるから、拓也ゎ眠れない。
マンコを種マンにされた投稿者。お前のその淫乱な加筆欲が乾く時がねぇな。

88名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/30(金) 06:18:53 ID:Aag01f7Y

いじめっ子のコリンと合流すると、ミリセントの提案で安全な祝福を見つけるまで行動を共にすることに。なんだよそれって不服に思った拓也はシラケの顔で歩いていると、そのコリンから「金仮面卿を探しているのですがどなたか知りませんか」的な質問がベラベラ出てくる。知らねーよ、そんなの。でもラーヤが「どなたかは存じませんが、それらしき金の面を被ったお方は、橋の向こうに見かけたことがあります」と答える。すげーよこの子、マジでアルター高原博士だよな!火山館のハゲ頭がラーヤは英雄候補を探してたって言ってたけど、女の子ひとりに探させすぎだよな。あのゴツい騎士も護衛につけてやれよな。

そのあとコリンはラーヤにえらく感謝しながら祈祷を教えたいって言ったけど、ラーヤはそれを丁重にお断り。ラーヤが信じてるのは黄金樹じゃなくてミリセントだ。俺だってセンパイと樹のどっちを信じたい?って聞かれたら、樹なんかより憧れのセンパイを信じたいからな。敵からの襲撃はひとまずおさまって、足音と風の音だけが聞こえる静かな時間が続いている。その静けさに声を溶かしたのもラーヤだった。

ラーヤ「…申し訳ありません、英雄様…みなさま方…」

ラーヤ「大丈夫と言っておきながら、私、先ほどの戦いで足を引っ張ってしまって…」

ミリセント「いいんだ。今は王都の外壁に着くことを考えよう。それに、こうして話をしながら歩けているのも、君が安全な道を示してくれたからだ」

拓也「そうっすよ。正面から行ってたら、俺とか真っ先に死んでますよ」

ミリセント「皆、君には感謝している。ありがとう」

ラーヤ「…お礼を言うのは、私の方です…英雄様」

下心なんて全く無いと思うけど、ミリセントってかなりのタラシだよな。良い事されたら即感謝で、他人を気づかえて義理堅くてって感じで嫌味が無い。拓也が学生だったころ、こういう友達欲しかったんだよな。ミリセントが男で学生時代の同級生だったら、一緒にプールで泳いで帰りにアイスを買って食べ歩きとかして、最高の青春を送れたに違いないぜ。

ブライヴ「ミリセント、お前はよくもそんな歯の浮くようなことを言えるな。俺には真似出来んよ」

エドガー「それこそが、英雄たる者の器なのだろう。確かに、ネフェリ殿が同胞と言うだけはある」

ブライヴ「英雄の器か。それなら、俺の性に合わんのも納得だ」

ミリセント「そう言うな。君も、私とは組みたくないと言っても、こうして旅をしてくれているじゃないか。君にも、感謝しているよ」

ブライヴ「はぁ…つくづく、お前という奴は…」

静かな夜を歩いていると、焚き火と商人の姿が見えてきて、マジでSFなテレポートmachineも発見。さらに円卓で会った目の無いお婆さんのそっくりさんと遭遇する拓也たち。双子なのかな?ミリセントが「指を読ませておくれよ」と頼まれて、躊躇もなくお婆さんに手を見せる。

指読み婆「おう…おおう…東には、壊れた黄金…西には、蛇の冒涜…」

指読み婆「しかし…おおぉ……あんたは西の蛇の根城で、おのが宿運に目覚めた」

指読み婆「どこへ行っても、ろくでもないが…卑小な者が、あんたを導くのなら…」

指読み婆「呪いもあるいは、福となるやもな…」

ミリセント「呪いが、福に?その呪いというのは、私に巣食う腐敗のことか?」

指読み婆「ひっひっひ…それは、あんたが決めることさね」

意味深なことを言われて、心なしかミリセントの顔が引き締まる。
ラーヤは商人から紙の束を受け取る代わりに、金色のコックリングを手渡した。

拓也「マジかよぉ!それコックリングじゃん!なんで持ってるの!?」

ラーヤ「えっ?コ、コックリング?これはルーンですけど…」

拓也「あっ!」

やっちまったぜ!一瞬だけラーヤが浮浪者を館に誘って、排律的エロテクに堕とし込むプロ級の姦遊娘だと勘違いした拓也は、魔女のレオ?ラニ?の言葉を思い出してミスに気付く。ここでの通貨はアレが普通なんだよな。「拓也?お前また変なこと言ったのか?」とブライヴに問われ、ウッス!今回は事故っす!と言うと「は?」みたいな顔でスルーされる。ちょっとずつブライヴの態度が冷たくなってきてる気がするなりね。

89名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/30(金) 06:28:46 ID:Aag01f7Y

ラーヤが買い物を済ませたあと、探索メンバーはコリンと一緒にmachineにダイブ。瞬きする暇もなく橋の向こうまで到着だぜ。すげー便利!橋を渡った拓也は早速ズボンの股間部分に手を突っ込み、競パンから遠眼鏡を取り出して周りを見渡す。

エドガー「貴公、今どこからそれを…」

ラーヤ「なぜ拓也様は、ズボンのポケットに小物類をしまわないのですか?」

オーディエンスがザワめいて拓也の股間に全員の視線が集中する。ウリも無ければタチセックスも無く、キメものもすぐに取り上げられるから、チンポが寂しくて何かに触れさせていないと落ち着かないから、しょうがないぜ!その場でぐるぐる回りながらあたりの景色を確認し、コリンの彼氏を発見。ガリなくせに身体をこれ見よがしに露出して、なのに顔だけは隠してる不健康そうな仮面男だ。

拓也「いました!アレじゃないすか?」

コリン「おお!あのお方こそ金仮面卿です!」

コリン「おお、偉大なる黄金律よ、この私と共にあることに感謝いたします。そして、彼らを導き、私と引き合わせてくれたことに、感謝いたします」

コリン「あなた方にも、黄金律の祝福がありますよう、心から祈っています」

コリンはそう言ってガリな男に走って行ったけど、彼氏との待ち合わせに利用されたような気がして拓也の心はささくれて、見るとブライヴも「やっと終わったか」みたいな疲れ顔でコリンの背中を見ている。やっぱりブライヴは俺に気があるんだよな。同じことを考えてるし、俺をいやらしい体で挑発したことは忘れてないぜ!お預けを喰らい続ける苛立ちをぶつけるようにブライヴの横顔を見つめていると、気付けば拓也は自分の腹筋と胸筋を撫で回していた。

エドガー「貴公、寒いのか?」

拓也「寒くはないっすけど、温めてはもらいたいっす」

エドガーは何のことやらって感じだけど、ミリセントは「ほんとにもー」みたいな呆れ顔を向けてくれる。ネフェリが男だったらって考えたことは何度もあるけど、妄想で男化したミリセントも捨てがたいから、頭の中でふたりを男にしてからバトルセックスさせて、勝った方を彼氏にして甘えたい。そんな欲望をヤベー!と思って振り払う理性は残ってて罪悪感に苦しむ。俺と一緒に旅してる仲間でこんな妄想しちゃうとか、いよいよ俺もヤバいな。

ラーヤ「橋を渡りましたので、あとは道に沿って風車村の前を通り、そのまま行くと壊れた外壁に着くはずです」

地図を確認していたラーヤから次のルート情報が入り、また移動を開始。このまま行ければいいんだけどな。さすがに腹減ったんで、隠し持っていたイエロの瞳を噛もうとした瞬間、ミリセントにイエロをスパッと奪われてビリビリに破かれる。チョーSだよな!パンパンと音がなるミリセントの手から、風に乗って消えていく違ドラを横目で見てると、風車村の前を通り過ぎて、お祭り騒ぎみたいな笑い声が聞こえてくる。

拓也「あ、ここ人いますよ。腹減りましたし、何か分けて貰いましょうよ」

ラーヤ「ここは駄目です。ここはもう、人の村ではありません」

探索仲間はラーヤの一言に全てを察したようにまた歩き始める。一人だけ分かってなかった拓也も郷に従うようにみんなの後をついていく。すると手前の方から聞いたことのある爆発音がまた響いた。また投石機かよ!夜なのに飛ばしてくるなよ!って思っていると、ラーヤもそう思っていたらしくて「投石機が動いてる…!? 今は夜のはず…」と焦り顔。

ブライヴ「正気を無くそうが、それでも王都の兵ということか」

ミリセント「私とブライヴが先に行く!君たちは隠れていてくれ!」

エドガー「こちらだ!」

エドガーに連れられてラーヤと拓也が岩の影に隠れる。ブライヴとミリセントは崖側の岩場を跳ねるように進んで、飛んで来る石を木と岩で防ぎながら投石機に到着。剣を抜いて兵士を次々と倒していく。

エドガー「それにしても、ミリセント殿の剣技は凄まじい…リムグレイブにてゴドリック様を破った、マレニアの水鳥乱舞によく似ている。まさかとは思いもしたが、円卓で聞いたあの話はまことだったか…」

拓也「マジっすか?ゴドリックってマレニアに負けてたんですか?」

エドガー「うむ。それも散々とな。私は運良く、マレニアの剣の餌食になることなく済んだが、遥か遠目に見るだけでも、あの剣筋には震えが起きたものだ」

エドガー「ゴドリック様は一方的に打ちのめされ、マレニアの足元に平伏し、どうにか命は長らえた。だがその時より力に狂い、敵を平伏させることにこだわり始めた」

エドガー「暗君と呼ぶ者もいよう。ネフェリ殿も、あの所業を嫌悪している。だが私はやはり、ゴドリック様を完全には見限れん。あのお方がマレニアの足を舐め、リムグレイブは腐敗より逃れたのだからな」

エドガーからゴドリックの醜聞を聞いてる間に、二人が駆けていった方からの物音が収まる。終わったかなって思ってまた遠眼鏡を覗くと、レンズの先には外壁の中に入って警戒している二人の姿が見えた。流石に強いぜ!拓也は遠眼鏡を見ながら立ち上がって二人からの安全確保のサインを待つ。でも二人は剣を下ろすことは無かった。

拓也「あ!おいマジかよ!」

ラーヤ「どうしましたっ?」

拓也の覗くレンズの先に見えたのは、ミリセントとブライヴを後ろから奇襲する、マルギットの姿だ。

90名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/30(金) 06:48:06 ID:Aag01f7Y

拓也「ヤベーよ!マルギットだぜ!」

エドガー「なにっ!?」

ラーヤ「先程エドガー様とブライヴ様の仰っていた、あの鬼のことですかっ!?」

エドガー「確かか!?拓也殿!」

拓也「間違いねーっす!あのちん毛ツノ、間違いないっす!」

ならば急ぐぞ!という声と共に、エドガーと拓也がラーヤをその場に待たせてから駆け出すと、段々と空が白み始める。夜明けが近くなってきていて、それがオレにメンバーの疲労を予感させる。走りながら遠眼鏡を競パンにしまいこみ、背負っていた剣と盾を手に持って、オレはマルギットのいる戦場に突っ込んだ。

ミリセント「拓也か!気をつけてくれ!手強いぞ!」

ブライヴ「ぐわっ!」

ミリセントが華麗なバク宙でマルギットの棍棒をかわすと、次に振られたチョーデカいゴールデンハンマーがブライヴを叩き、地面に転がす。直後にマルギットは10メートルくらい後ろにジャンプして、空中から金のナイフを発射、拓也の剣と盾を弾き飛ばして何処かにやった。マジかよぉ!一瞬で丸腰になった拓也の隣をエドガーは駆けていき、倒れたブライヴを起こす。

マルギット「見つけたぞ、ネフェリ・ルーのしもべども…愚かな野心に焼かれる、略奪者どもよ」

マルギット「何人たりとも、黄金樹に近づくことは許さぬ」

エドガー「この者がマルギット…この巨躯、ただの忌み者ではないな」

ブライヴ「いつの間にか現れていた…わけがわからん」

ミリセント「大丈夫かブライヴ!」

ブライヴ「ああ、今はな」

ブライヴを中心にミリセントとエドガーが構えを取って、俺はそこに合流。でも武器が無いからそこらへんに落ちてた折れた剣を手に取ったけど、握った瞬間に持ち手から刃が抜け落ちて、やっぱり拓也は丸腰のままだった。ざけんなよ!ボロボロの戦場跡にまともな武器なんて落ちてねーよ!

拓也「ウッス!すみません!武器なくしました!」

ブライヴ「ああ!?」

ミリセント「そういうこともある!ラーヤは…!?」

拓也「置いてきました!」

ミリセント「そうか、それなら全力で戦える。来るぞ!」

ミリセントの声が速いか遅いか、マルギットがバカみたいな高さまで飛び上がってゴールデンハンマーを打ち下ろしてくる。俺たちはそれを散り散りになってかわすと、さっきまで俺たちが立ってた場所で大爆発が起きて土が舞い上がる。あんなの食らったら一発アウトだぜ!拓也の全身に死への恐怖とともに激烈な緊張が走り、鳥肌が総立ちになる。頭の中でラダーン戦を生き残った俺なら大丈夫と何度も唱えながら、マルギットとの戦いが始まった。

91名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/30(金) 06:54:17 ID:Aag01f7Y


マルギットは執念深い   投稿者:ビルダー拓也


ブライヴ「ほら、もっと下がれよ!」

拓也「もう、ダメっす!何か武器をください!お願いです!」

ブライヴ「駄目だ!オマエは武器持ってたって元から弱いんだから、これ以上戦うなよ!」

マルギットに武器を取られてから、拓也はそこらへんにある壊れた武器をがちゃがちゃ投げながら、容赦無いマルギットの注意を引き付ける。始まってから60秒、調子の悪いブライヴと、強いけどミリセントやブライヴほどじゃないエドガーを無視して、マルギットはミリセントに速攻を仕掛けたんだ。ひたすらに黄金投げナイフと4回転攻撃と、黄金ナイフによる素早いカウンター斬撃でミリセントをガン責めしまくって、ブライヴやエドガーに多少は斬られても構わないみたいな執拗さだったぜ。最後にはミリセントの腹にデカ棍棒を貫通させて犯しまくり、血まみれにしてダウンさせていた。

だから拓也はミリセントに死んでほしくなくて、今は勇気だけを奮い起こして、囮として自らを差し出している。地面をズドンと殴られて上半身をひねった状態で拓也は転倒。手に持っていた武器を踏まれて「これならば当たるだろう?」と、黄金の剣で斬られ、血を流しながら衝撃でビクビクと飛び跳ねる拓也のガタイも、デカい手で地面に固定されて動けなくなり、遠くで倒れているミリセントがゆっくりと眼を閉じていくのを見ながら、恐怖と絶望に狂って絶叫をあげる。

拓也「うおおおおお!!」

マルギット「祝福も無く、褪せ人ですらない身で、抗うな」

黄金の剣がオレの首筋に振り下ろされる瞬間、ブライヴが四つんばいになって弾丸みてーに飛び出し、オレの肩のあたりに降りてきて、マルギットの片手に一撃入れて怯んだところに拓也を連れて脱出する。胸筋を斬られた拓也を、ミリセントが倒れてる地面の窪みに投げ入れると、まるでブライヴは4本の手足で檻を破った獣の状態に移行。眼を赤く輝かせてマルギットの足元に飛びかかり、下から上へジャンプ斬りして、反応が遅れたマルギットは右脇腹から右胸までを大剣に犯される。

上反りになったマルギットの左腕が空中に飛び出してるブライヴをつかもうとすると「ようやく捉えたぞ!」とエドガーの突撃攻撃がマルギットの背中をガン掘り。でもエドガーの武器だけで倒そうとしても、マルギットを少し止めるだけで精一杯だ。デカい尻尾がエドガーのカチカチ鎧を弾き飛ばす音が響き渡る。拓也は胸筋から血を流しながらミリセントのところまで這いずって土でドロドロになっていく。ブライヴの氷の剣が、オレからは見えないどこかで炸裂する。ブライヴとエドガーはずっと戦っている。合ドラもイエロの瞳も完全に抜けているピュアな拓也の脳に、激痛という危険信号を発しながら胸筋の流血も止まらない。その胸筋を押さえながら仲間を失う恐怖に完全トランスで、馬鹿力体力が発揮されてガタイの運動も止まることを知らない。

「ほら、飲めよ!」死にかけてるミリセントに休む間もなく覆いかぶさり、ズボンのポケットにしまっていたオレが食べる分しかない生肉団子を二つとも取り出す。「口開けろ!息をしろ!」ミリセントの顎を上げて肩を揺すると、ゴホッと言って血を吐きながらオレを見て、無理矢理喋ろうとする。

ミリセント「に…逃げ…て…」

オレはミリミリと歯を軋ませてミリセントの言葉を無視し、無理矢理生肉団子を二つ同時に口に押し込んで、ミリセントの顎を動かして強引に噛ませる。その噛む力も弱くなってきて、焦燥感で突き上げる心臓の高速ピストンに絶叫する。この戦いはマジきつすぎるぜ。こんなの初めてだ。心に穴がぽっかり開いていく感覚になって、ミリセントの腹には真っ赤なローズが咲いたまま。俺たち殺されるって、ミリセントの横にぐったりと腹這いになって息絶え絶えに喘いでいるガタイに、またマルギットの声が当てられる。

マルギット「ようやく死を受け入れたな。これまでだ。暴れぬ方が身のためだぞ!」

オレはぐったりしたまま、鬼の形相のラダーンを前にした感覚を思い出して、脱力する。

その瞬間ミリセントの瞳孔がカッと開き、首が上反りになる。
そのまま爆発するかのように跳ね上がって、迫ってきつつあったマルギットに飛んでいって、空飛ぶミキサー攻撃こと、かつてマレニアがゴドリックをボコボコにした例の連続斬りを放っていく。いきなり復活したミリセントに、マルギットは必死で首だけは斬られないようにしていると、腰に緩急自在のエドガーの攻撃が吸いついて斬りまくり、そのままエドガーは風を巻き起こす回転攻撃に入る。上からは氷の剣を叩きつけるようにしてジャンプしてくるブライヴが迫る。

避け場が無くなったかと思われたマルギットは、その場で伏せてエドガーからの回転攻撃を何度かもらいつつも、空中で突進してくるミリセントの下をくぐって、そのまま距離を取ろうとする。しかしここでブライヴが新テクを開発!落下中に武器から氷を解除してそのまま着地して、大剣の腹をミリセントに向ける。そしてミリセントの両足が剣の腹に着いたと同時に、渾身の力で大剣を振り回した。

ミリセントは強引な大剣のフルスイングに合わせて自分からもジャンプして、バットから打ち出されたホームランボールのように飛翔。距離を取られたはずのマルギットにもう一度空中ミキサー攻撃を叩きつけ、マルギットの全身から血を噴き出させてダウンさせた。3人でマルギットを斬り倒したあとの血まみれミキサーマシーンミリセントは、剣をしまってオレに駆け寄る。

ミリセント「大丈夫か拓也!しっかりしてくれ!死んでは駄目だ!」

ラダーンと戦ったあとみたいな涙目顔で、拓也のビルダーガタイを揺すってくるミリセントの肩に、走ってきたエドガーが手を掛けてオレの様子を観察。そのあとフッと息をついた。

エドガー「無闇に厚い胸筋が幸いしたな。深く斬られてはいるが、骨も肺腑も無傷のようだ。円卓で治療を受ければ、大事には至らぬだろう」

ミリセント「ああ、拓也…よかった…」

安心したミリセントに抱きしめられて、温もりが伝わって来るとミリセントが生きてる実感も伝わってきて、マンコも久しく種マンになってない拓也の心マンコにも、ああ、俺は仲間を守れたんだなぁ、と暖かい気持ちがブクブクと湧き上がってくる。後から来たブライヴには「聖杯瓶も飲めねえ癖に、無茶な奴だよお前は…」と呆れ笑いを向けられた。

92名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/30(金) 07:05:05 ID:Aag01f7Y

思えば今までは自分のことを考えるだけでよかった。ネフェリがゴドリックを倒した時も、初めてディアロスとリエーニエに行った時も、ケイリッドでもそうだ。とりあえず必死に逃げ回ってたらなんとかなったし、戦いも嫌いだった。自分のことを考えるだけで精一杯だったし、ドラに頼ると少し楽になれて、そのおかげもあってここまで来れた。

でもネフェリが傷心旅行中で、ブライヴもエドガーもマルギットに無視されて、ミリセントが徹底的にミリセントがイジメみたいにボコボコにされて、オレしか疲れてない奴がいなくて、急に思ったんだ。今までオレの代わりに戦って、オレをかばって傷ついていた人が、オレのせいで死んじゃうなんて嫌だって。だから今まで戦ってくれた分、おかえししなきゃねって。

ブライヴ「近くに祝福を見つけた。そこから戻るぞ」

拓也「う、うっす!」

ミリセント「あっ、急に動いてはだめだ!私が肩を貸すから、腕に力を入れないでくれ」

ミリセント「エドガー、すまないが貴方は、ラーヤを連れてきてくれないか?」

エドガー「その前に貴公だ。顔色が悪い。毒を盛られたか?」

ミリセント「これは生肉団子によるものだ。祝福に触れれば、すぐに治る」

お返ししたせいで拓也は胸をザックリやられちゃってめちゃくちゃ痛いけど、良いぜ!助けた相手に介抱されるのも悪くないぜ!遠くからはラーヤが両手でスカートを持ち上げて走ってくる。今日の旅もきつかったな、明日はベッドから一歩も出ないな、この眠気は緊張が切れたことによる疲労だなと、疲れ切ったガタイで分析。

エドガー「ぐおぉぅ!」

なんてしてたら、いきなりエドガーの脇腹からデカ棍棒の先端が突き出てきた。マジかよぉ!アイツまだ生きてんのかよ!?エドガーが腹を押さえて倒れると同時に全員が一斉に振り返る。そこには血まみれの忌み鬼が立っていた。マルギットは執念深い。マジで俺たちに恨みでもあるのかよ?

ミリセント「エドガー!?」

ブライヴ「野朗!まだ息が…」

マルギット「まずは一人目…」

ミリセントが剣を抜くけど、生肉団子がまだ効いてて顔色が悪いし、ブライヴも体力切れって感じでフラフラだ。拓也とエドガーも動けないし、戦えるのはミリセントだけ。満身創痍のマルギットの巨大な影が拓也達を覆っていく。

?「えいっ!」

その影に向かって、オレの激エロガタイよりも太くて立派な蛇が伸びてきて、マルギットの首筋に噛みついて毒を流し込む。ぐああああ!と悶絶する声が響く中、いきなり出てきた激デカスネークにミリセントもブライヴも眼と口をポカンと開けて、何がなんだかわかんねーよって感じでいる。しかもその蛇は、みんなにも見覚えがある服を羽織っていた。

緑色の煙が漂うくらいの濃厚な猛毒で急速にポジるマルギットは、喉を押さえて何度か咳をしたあとにダウン、そのまま光の粒になって消えた。今度こそ倒したよな?って思っているところに、デカい蛇の頭がスルスルと縮んでいって、別の地面のデカい窪みに隠れていく。

事態を飲み込めずにいるミリセントとブライヴと拓也が、好奇心以外ほぼ何も考えてないみたいな感じで、窪みに躊躇なく近づいていくと

ラーヤ「あっ…み、見ないでください…!」

ラーヤ「ああ、なんてこと…私ったらなんてことを…」

窪みの真ん中には、服で身体を隠して顔を真っ赤にした、全裸のラーヤが立っていた。

93名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/30(金) 07:11:40 ID:Aag01f7Y

ミリセント「ラ…ラーヤ!?い、今のはまさか、君なのかっ?」

ブライヴ「こいつは驚いた。今の見たか拓也?」

拓也「うっす…これ、ラーヤがさっきの蛇だったってことすかね?」

ブライヴ「にわかには信じられんが…まぁ、こうもはっきりと見てしまっては、認めざるを得んだろうな」

オレとブライヴがまじまじとラーヤを見ていると、ミリセントは窪みにズザザっと入っていく。

ミリセント「さっきの大蛇は…やはり…君なのか…?」

ラーヤ「は…はい…あの…えっと…」

ラーヤ「その…拓也様とブライヴ様に、見ないように言っていただけないでしょうか…?」

ミリセントに振り返られて「おっとしまった」といった感じに、オレとブライヴは後ろを向いて、ブライヴはエドガーを介抱しに行く。オレはゲイだから女の身体にはノンケよりもエロスを感じないけど、見られる側は恥ずかしいよな。紳士な拓也はこういうエチケットも弁えてるぜ。

ミリセント「驚いたよ…今見せた姿が、君の母にゾラーヤスと名付けられた、君の本当の姿なのだな」

ラーヤ「すみません…蛇の姿というのは、やはり、奇異ですよね…ですぎたことをしました…」

ミリセント「そんなことはないよ。たしかに、驚きはした。でも、君を恐れているわけではない」

ミリセント「それに、君はまた助けてくれたじゃないか。私を助けたゾラーヤスを、私が、出過ぎたものだと言うと、君は思っていたのか?」

ミリセント「君がラーヤでも、あるいはゾラーヤスでも、私にとっては同じ友だ」

ラーヤ「英雄様…!」

ミリセント「さぁ、早く服を着ないといけないよ。ここは戦場跡のようだし、丸腰では怪我をしてしまう」


祝福で休んでいるブライヴとエドガーに、拓也とミリセントとラーヤが合流。そのまま円卓に帰還して休憩に入る。マルギットから受けた傷は祝福で治ってエドガーは助かったけど、エドガーの聖杯瓶はマルギットの攻撃で砕かれて、元に戻らなくなったらしい。ラーヤに包帯でぐるぐる巻きにされながら拓也はエドガーに聞いてみた。

拓也「聖杯ってなんすか?」

エドガー「かつては恵みの雫を受領した黄金瓶だ。黄金に祝された者も、黄金より追われた者も、その多くが、黄金律によりこの聖杯を持つことを許されている」

エドガー「聖杯から垂れる雫は傷を癒すが、他の者の聖杯で、己の傷を癒すことはできぬ。己の聖杯で他の者を癒すことも、同じくできぬ」

拓也「え!?じゃあマズイじゃないすか!」

エドガー「然り…私はここらが潮時というわけだ」

ブライヴ「マルギットの奴め、死に際にとんだ置き土産をしたものだ」

ミリセント「残念だ…貴方の矛はまだ力強いというのに…」

エドガー「構わぬさ。城も護れぬ城主にしては、良くやった方ではあろう」

エドガー「それでは、老兵は先に失礼させてもらう。私はすでに隠居の身だ。貴公らの旅に、僥倖があることを祈っているぞ」

別れの惜しさを隠すみたいに、エドガーは渋い笑みをメンバーに向けて一礼すると、円卓奧の部屋に引っ込んでいった。水泳部のセンパイが卒業していくみたいなしんみりムードで、拓也もショボショボのテンションで溜め息。円卓にはまだネフェリはいないし、マネージャーも出てこない。円卓の隅には座って本を読んでいるトープスが一人いるだけだ。そしてブライヴは話をむしかえした。

94名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 11:52:13 ID:y8126aAk

ブライヴ「…しかし、驚いたぞラーヤ。あの姿は、蛇の王となったライカードに似たのか?」

ミリセント「待てブライヴ。ラーヤは蛇の姿を気にしているんだ。そう明け透けに聞かないでくれないか」

ラーヤ「英雄様、私は気にしてはいません。…ただ、蛇の姿を目にすれば、誰も話を聞いてはくれないと思い、まことの姿を隠していたにすぎません」

ラーヤ「私は、偉大な王の恩寵を受け、生まれたのです。だからこそ蛇の姿は、母の喜びであり、私の誇りなのです」

ラーヤ「ただ…人の姿のまま、衆目に裸を晒すのは、恥ずかしいことだとも母から教わりました。なのでその…ブライヴ様と拓也様に裸を見られてしまい、その…」

ミリセント「はぁ…ブライヴ、拓也、もうしないと約束してくれ。恥ずかしがっているんだからな」

ブライヴ「わかったよ」

拓也「ウッス!」

ラーヤ「あ、動かないでください、包帯がずれます」

ズレた包帯を戻すために、ラーヤは包帯を少し戻してまた巻き直す。前より少しだけ締め付けがキツくなり、傷薬が傷に染み込んでたまらず「おうぅーっす」と雄鳴きをすると、ブライヴに「前から思っていたが、その妙な掛け声はなんなんだ?」と言われる。雄鳴きだと答えると「じゃあ雌鳴きもあるのか?」だって。やっぱりコイツはオレのこと狙ってるぜ。そんなに拓也を雌にしたいんだな。良いぜ!オレはいつでも歓迎だぜ!

ギデオン「ほう、やはりライカードの眷族だったのかね」

なんて拓也が妄想に耽ろうとしたところを、ネフェリ虐待おじさんの登場。場の空気が一気にシラケて、次の瞬間には針の山みたいに刺々しくなり、円卓の隅に座ってたトープスが本を抱えて急ぎ足で退散していく。なんなんだよ、人が気持ちよくなろうとしてた時に水を差すなよな!

ミリセント「…何か、私たちに用でもあるのか?」

ギデオン「君自身には無い。だがそこの蛇人と、君たちの行い自体に、いささか興味があるのでね」

ブライヴ「ならば興味を抱くだけにしておけ。お前の蒐集に付き合うつもりは無い」

いきなり現れたギデオンにブライヴとミリセントがギン眼を向ける。ミリセントはローデリカに「人を憎む気持ちが無い」みたいなこと言われてたけど、憎みはしなくても怒りを覚えるくらいは、ギデオンが情け容赦無さすぎるってことなのかな?

ギデオン「ラーヤ、君は真に、ライカードの恩寵の申し子なのかね?」

ラーヤ「…ええ、タニス様からは、そう聞いています。そのことについて何か、貴方に不都合があるのですか?」

ギデオン「ふむ。そうか…まぁいい」

ギデオン「では、なにゆえに誇るべき父が、大ルーンを所有するデミゴッド、破片の君主であることを皆に伝えないのかね?破砕戦争については、ミリセントはマレニアに関わるものしか知らず、拓也は破砕戦争についてはほとんど何も知らぬと言うのに。マネージャーについても然りだ。デミゴッドの人数も、名も、私は全ては教えておらぬのだからな」

ギデオンの真っ暗な兜の奥から、またとんでもない事実が告げられる。ミリセントは両目を見開いてラーヤに顔を向けて、それはオレも同じだったぜ。ラーヤは辛そうにミリセントから顔を背ける。でもブライヴは冷静で何事も無かったみたいな態度でいる。拓也の頭の中によくねー妄想が浮かんできて咄嗟にそれを掻き消し、ネフェリがゴドリックを殺さなかったことを思い出す。そしてギデオンに何を言われても、きっとラーヤのお父さんと戦わなくてもいい道があるって信じ続けるために、オレはギデオンがこれから言うことを何があっても無視することに決めたぜ。
ミリセントはラーヤからギデオンに視線を戻す。

95名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 11:56:43 ID:y8126aAk

ミリセント「な…何を馬鹿なことを!ラーヤの父が破片の君主であるなら、なぜ大ルーンを探る私達に、ラーヤが近づくというんだ!敵に情を移すためとでも!?」

ギデオンは激昂するミリセントを無視して、今度はブライヴに語りかける。
ブライヴは表情ひとつ変えなかったけどね。

ギデオン「ブライヴ。君は月の魔女のラニに仕える者だ。ここの大半の者よりも生き永らえ、ライカードの数々の逸話も知っていよう」

ブライヴ「はぁ…」

拓也「ま、魔女ラニっすか!?」

ミリセント「どういうことだ…何を言っている…」

ギデオン「その君が、何故ライカードについて沈黙を貫いていたのかね?大ルーンを求める円卓に助力するということは、ライカードから大ルーンを奪うことに同意を示したということになるが、ならば何故にライカードがデミゴッドであることを、みなに語らなかったのだね?」

ブライヴは眼を閉じて首を傾げて、肩をコキっと鳴らす。
それからギデオンを横目で睨んで、口にかすかな笑みを浮かべる。

ブライヴ「ラニの計画に、ライカードを殺すことが含まれていれば、俺はライカードを斬っただろうな」

拓也「は?」

ラーヤ「ブ…ブライヴ様…?」

ミリセント「ブライヴ、君は…!」

ギデオン「ほほう。つまりその計画とやらに含まれていたならば、語りもしたし、剣を向けることもあり得たというのかね?」

ブライヴ「あり得ただろう。現に俺は、ラダーンから大ルーンを奪うまで同行すると、円卓の連中に語ったのだ。ラダーンを打ち破らなければ、ラニの計画が進まんのだからな」

ミリセント「何故だブライヴ…なぜ黙っていたんだ?君は私達を、初めから騙していたのか!?」

ブライヴ「すまんな、ミリセント。俺には仕えるべき主がいる。だから言っただろう、お前とは組めんとな」

やばいぜ!ギデオンの策略で、今まで築き上げてきた仲間との信頼がボロボロになっていくのを肌で感じながら、拓也は事態を解決できないか状況をガタイで整理する。ラーヤのお父さんは大ルーン持ちのデミゴッドで、俺がいる円卓の探索メンバーは、デミゴッドから大ルーンを奪ってエルデンリングを治すのが目的。ブライヴは魔女ラニの謎の計画のために、円卓の探索メンバーに協力してるけど、ブライヴはラーヤのお父さんを殺す気が無い。

ブライヴと探索メンバーの関係は、嘘をつかれてたって部分さえなんとかできればいいけど、ラーヤのお父さん関係は、このままいくと探索メンバーVSライカードの図式が成立して殺し合いだ。そうなったらラーヤも含めて全員ただでは済まねーし、下手したら探索メンバーの勝利=ラーヤとライカードが死ぬってことになっちまうぜ!拓也はその道を全力で回避すべく、みんなに背を向けて乳首を捏ねくりまわしガタイによる分析を開始する。しかし答えは浮かんでこなくて、拓也の額、首筋、背中から冷汗が流れ始める。

ブライヴ「だがなミリセント。少なくとも俺はライカードを殺さないが、お前はライカードと戦うことになるぞ?円卓で大ルーンを求めるのならばな」

ミリセント「…私に、ラーヤの父を生かして円卓を抜けるか、大ルーンを求めてラーヤの父を斬るか、選べというのか…」

ブライヴ「俺がそう強いたわけではない。ただ、そうなっているというだけだ」

ミリセント「分かっている…しかし私には、ラーヤの父は斬れない…斬れば、ラーヤは家族を失ってしまう…」

ラーヤ「…英雄様…わたしは…まさかこんなことになるなんて…」

ミリセント「大丈夫だラーヤ。私は、君の父を斬らない。この円卓を去るよ…」

ラーヤ「英雄様…! そんなことをしては、あなた様が新たなる英雄への道を見失ってしまいます…!  私も、私の母のタニスも、あなた様のことを信じているのです…!」

ミリセント「友の肉親を斬り、己の旅の糧とするなど、それは古い、破砕戦争の英雄の所業だ…私は、君の期待に応えられないようだ…」

ギデオン「なぜそのように考える」

またギデオンが何かろくでもないことを話しだす。俺はそれどころじゃねーよ!いくら考えても全部の大ルーンを集めるためには、全てのデミゴッドから大ルーンを奪わなきゃいけないっていう答えに行き着いてマジ狂い!火山館にいたタニスが言うには、ライカードは食べることしか考えてない化け物みたいだし、そんなのと話し合いなんてできない。ネフェリとゴドリックの間に起きたミラクルもまず起こらない。なんでギデオンがこんな面倒くさい話を振ってきたのか訳わかんねー!でもギデオンは、拓也のその疑問にまたイっちゃってる答えを叩きつける。

96名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 12:32:02 ID:y8126aAk

ギデオン「私が君たちに求めるのは、智識の共有と、大ルーンの回収だけだ」

ギデオン「互いの秘め事による葛藤や、下らぬ意地の張り合いなど、児戯の如きものだと何故気付かない?」

ギデオン「私が全ての智識と大ルーンを蒐集し、黄金律を復活させ、手中に収めたならば、その過程で失われた命などいくらでも取り返せる」

ミリセント「なっ…何を言っているんだ!だからラーヤの父を殺しても構わないとでも…」

ギデオン「環樹によって、欲望が満たされるだけ取り戻せばよいではないか。多少、黄金樹より戻りし者の本質は変わるだろうが、生命などというものは常に変質を繰り返すものだ。肉体や自我の変化など、恐るるに足らん。新たな生命への智識の継承が正しく行えるのならばな」

ギデオン「エルデンリングが修復されたならば、その智識の継承は私が行おう。今の君たちはただ、互いに智識を共有し、くだらぬ秘密や葛藤、意地の類いを乗り越え、私に智識を運び、大ルーンを手にするだけでよいのだよ」

ギデオン「ただそうするだけで、君たちの思想や自我、その生命までもが私の智識の元で形を保つのだ」

ギデオン「多くを識り、多くを手にする過程で、多くを失うことをなぜためらう?どうせすぐに生き返る」

こいつマジイッちゃってる!記憶とか知識とかの引き継ぎができて、生まれ変わりができればいくら死んでも殺しても構わないとかマジヤバっ!その時、拓也の脳裏に現れたのは、あのターミネーター!

ターミネーター「拓也、お前の考えは古いな。俺を見ろ!絶対死なないぞ!」

うるせーよ!極小の石が俺の記憶と心のコピーを持ってたからって、石は俺って言えるのかよ。それに記憶と心を引き継ぐってことは、死んだ時の心と記憶も引き継ぐってことだよな?それじゃあ誰かに殺された人とかも、その記憶と心を持って新しく生まれてくることになって、恨み辛みと殺し殺されの連鎖が加速していくじゃん!

ガタイによる分析書が最悪の答えを導き出してマジ狂い!でもこんなこと言ってるギデオンが、俺の考えに気付いていないはずはないんだよな。てことはやっぱり、ギデオンは全てを識ることができる世界が本当に良いと思ってるってことだよな。ついていけねえぜ、そんな世界が幸せなのかよ。俺は知りたくないことは知らないままでいたいんだよね。


「待ってください」


ギデオンの激ヤバ発言にミリセントとラーヤが何も言えなくなってると、拓也たちの前に現れたのは、あのマネージャー!マネージャーは本を片手に俺たちの方へツカツカ歩いてくると、テーブルに本を置いた。反撃開始だぜ!

マネージャー「隠していることがありますね?ギデオン?」

ギデオン「ほう…何をかね」

マネージャー「あなたの部屋にある、デミゴッドに関して貴方が集めた本や、記した書物は、持ち出すことができません。持ち出した本は時間が経つと全て元の場所に戻ってしまいますし、部屋の前に立つエンシャが常に見張っていますからね」

拓也「あのマネキンすか?アレって置物じゃないんすか?」

マネージャー「あの人はギデオンの忠実なしもべの一人です。暴れるネフェリさんとギデオンの間に立ちはだかった時以外に、動いているところを見たことはありませんけれどね」

マネージャー「話を戻しますが、それらの理由で狭間の地にいる人は、円卓にあるギデオンの部屋からは本を持ち出すことができません」

マネージャー「では、狭間の地の外から来た、私の携帯の写真はどうでしょう?」

マネージャーは服のポケットから携帯を取り出して、指でタッチしてから、ギデオンと俺たちに見せる。ギデオンはそれを見て何も話さなかった。あのお喋りが静かになった。他のみんなは初めて見る超高画質の写真に驚いて、声も出ない感じになってまっす!

マネージャー「この写真は、貴方が普段読み漁っている本のひとつの、内容を撮影したものです」

マネージャー「私は、あなたと私の関係が険悪になる前に、あなたの部屋を頻繁に出入りしていましたが、その時に、あなたがよく読んでいる本の山を全て調べ上げ、大事そうなページを一通りカメラで撮影していたんです」

マネージャー「あなたは私の携帯も調べて、カメラの機能にも気付いていたのでしょうけれど、あなたはカメラの機能を識るだけで満足して、実際にカメラを使って実験をしなかった」

マネージャー「だから、携帯の写真が円卓の影響を受けないことに気付かなかったんです。円卓の本が元の場所に戻っても、写真は携帯に記録されたままなんですよ」

ハメた!
説明を聞いたギデオンはひとつため息をついて、兜の顎の下あたりを指で撫でる。
マネージャーは携帯を閉じて、服にしまってシメに入る。

マネージャー「そして、私は撮影した写真資料を何度も見返して、わかったんです」

マネージャー「エルデンリングを修復するために、全ての大ルーンが必ずしも必要にはならないということを」

マネージャーからのちゃぶ台返しの衝撃は拓也達の方にも飛んできて、オレのガタイ考察がまたしても狂った!大ルーンで出来てたはずのエルデンリングを修復するのに、全ての大ルーンが必要なわけでは無いって、どういうことなんだよ?パーツが足りないじゃん!?ラーヤとミリセントも驚愕の表情でマネージャーの導き出した答えをぶつけられている。ラーヤのお父さんと戦う可能性はこれで減ったけど、今度は探索の目的がブレてるみたいに思えてきて拓也は混乱する。

97名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 13:15:41 ID:y8126aAk

ミリセント「大ルーンが、必要ない…?」

マネージャー「もちろん、ひとつも必要ないというわけではありませんよ?私が思うに、最低でも二つの大ルーンが必要になるでしょう」

そしてマネージャーは、そのオレの心を見透かすようなもうひとつの答えを用意していた。


マネージャー「私はそこに、プラスアルファさえ組み込む事ができれば、現状のエルデンリングを修復できるという答えに至ったんです」

マネージャー「あなたはそのことを、ずっと隠していたんですね?ギデオン?」


マジかよぉ!マネージャーの言うことが本当だったら、大ルーンの代わりなんかになるエルデンリング級のチョーヤベー代物が、狭間の地にあるってことになるじゃん!でもそんなモノがあるんだったら、なんで破砕戦争なんか起きたんだってことになって拓也の考察がまた狂う!作っては壊し作っては壊しの連続でもう何が本当のことなんだかわかんねーよ!

マネージャー「あなたは私たちに全てのデミゴッドを倒させ、あるいは無力化させたあとに、デミゴッドの力を識る計画でいたんでしょう」

マネージャー「ですが、その計画はこれで破れました。私たちはラーヤの父親であるライカードも、最強のデミゴッドである星砕きのラダーンも倒すことなく、エルデンリングを補完するプラスアルファを探すことにします。狭間の地の王になりたいのでしたら、私たちの力抜きで、自力で玉座を勝ち取ってください」

答えを全て聞いたギデオンは「終わりかね?」とマネージャーに一言。なんだよ、負け惜しみか?と拓也の想像に反して、マネージャーがハイと言う前に俺たちに背中を向けて、ギデオンは自分の部屋に歩いていく。そのあと姿が見えなくなったところから「ならばせいぜい奮闘したまえ、見い出すことができるのであればな」という声が小さくなりながら聞こえてから、ドアが閉まる音が静かに響いた。

ミリセント「マネージャー…君が今言ったことは…本当、なのか?」

マネージャー「ええ、そのようです。ギデオンの資料をまとめた私の結論としては、そのプラスアルファは、黄金樹の祝福を受けた者の内に生じるそうです」

マネージャー「黄金の祝福を受けた者が、探求の末に求めるものを自分の中に見出した時に、自分の中にある望みと、自分の中にある祝福が合わさり、新たな律へと形を変えるそうです」

ミリセント「それでは、その新たな律というのは…」

マネージャー「そうです。黄金樹からの祝福を受けていて、自分の望むものを見出そうとする、探求者の中に宿る可能性が非常に高い。つまり私たちは、デミゴッドではなく探求者を探せばいいんです。それも、探し出すべき探求者はたった一人でいい。勝ち筋の見えない最強のデミゴッドを相手に戦いを挑み続けるよりは、少しだけ希望が見えてくるはずです」

98名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 13:22:43 ID:y8126aAk

ギデオンで調子狂ったあと   投稿者:ビルダー拓也


マネージャーからの変化球はいつも突然だ。俺じゃあ逆立ち腕立て水中責めでも思いつかないような奇策だぜ。孔明の天下三分の計並みの逆転の発想に、感心のあまり俺がビルダーガタイを震わせていると、マネージャーは更に話を詰めていく。

マネージャー「ですが、その探求者を探し出す前に、やっておく事があるはずです。そうですよね?」

ミリセント「…ああ、そうだな」

ミリセント「マネージャー、少し時間をくれないか」

マネージャー「構いません。私は情報を精査する必要がありますから、時間はいくらあっても大丈夫です。終わったら、声をかけてください」

マネージャーの言うとおり、ギデオンとの会話のせいで、話し合わなきゃいけないことがブワッと増えてマジヤバ!ラーヤは俯いてミリセントと眼を合わせられなくなってるし、ブライヴは初めて出会った時の、壁を作ってる感じの雰囲気に戻ってる。せっかく良い雰囲気のメンバーだったのに余計な言葉でその雰囲気を挫くなよな。本当余計なことしてくれたよな。ギデオンにはブラック企業の社長になる素質があると思う。マネージャーが遠くのテーブルに移動して座ると、ミリセントがラーヤの両肩に手を置いた。

ラーヤ「英雄様…私は…」

ミリセント「気にしていないと言えば、嘘になる…でも私は、君の痛みを分かってあげられると思う」

ミリセント「だから、話してくれないか」

ミリセントにやさしく詰められて、ラーヤは俯き気味のまま打ち明け始める。

ラーヤ「私は、火山館を離れました…タニス様に、離れることを許されました…」

ラーヤ「そして私は…英雄様に甘えたのです…」

ラーヤ「接ぎ木のゴドリックを殺し、その骸から大ルーンを奪えたはずなのに、ネフェリ様はゴドリックを生かした…英雄様は、そのような寛大な方を、友とした…」

ラーヤ「ですから私は…王の持つ大ルーンのことも、きっと隠し通せると、画策したのです…」

そこまで言って、ラーヤは堪えきれなくなったみたいに顔を上げて、涙目でミリセントを見つめる。拓也が両親にカミングアウトする時は泣いてなかったけど、俺は「あー、俺の時もこんな感じだったなぁ」って懐かしくなると同時に、当時の痛みが蘇ってきて心臓がチクッと痛くなり、センチメンタルな気分になる。

ラーヤ「私は貴方様の優しさに、ずっとつけ入って、不実を働いていました…」

ラーヤ「…いつも優しく、そして厳しい方だと、分かっていたはずなのに…」

ラーヤ「…ですから…私は…貴方様の元から、去るべきなのです…ですから、どうか…」

ラーヤ「…手を、離してください…」

言い終えたラーヤはまた俯いて、肩を震わせて覚悟を決める。
でもミリセントは、というかやっぱりって感じで、ラーヤの肩に置いた手をそのまま背中に回して抱きとめる。ラーヤは突然のことで顔を耳まで赤くして、ミリセントの脇腹あたりで手をパタパタさせたあとに固まった。ミリセントは本当に底抜けで良い奴なんだけど、ここまで良い奴だとちょっと危なっかしいよな。借金抱えた友達がいなくてよかったよな。ウリやってたらポジうつされたり、無茶な注文まで全ウケして早死にするタイプだ。でもよかったぜ。会ったことないけどオレだってラーヤのお父さんと殺し合いなんてやりたくねーからな。

ラーヤ「えっ、英雄様、何をっ」

ミリセント「良いんだ、君は打ち明けてくれた」

ミリセント「父と、母を、君は護りたかったんだ。私はそのことを責めたりしない」

ミリセント「マネージャーが新たな方法を見いださなければ、本当に私たちは、君の王と戦っていたかもしれないのだから」

ミリセント「私は、その道を避けられたことが嬉しい。君から家族を奪ってしまわずに済んだことが…嬉しいんだ」

ラーヤ「英雄様…ああ…貴方様はどうして…ここまで優しいのですか…」

ミリセントからのハグに、ラーヤもミリセントの脇の下から手を伸ばして、ミリセントの背中を抱く。ラーヤは頬を赤らめて目を閉じた幸せ顔で、一方拓也は嫉妬に狂っていく。チクショー、俺も何でも許してくれるヅカ系イケメンが欲しいよ!きっとミリセントは、例え自分が心を許した相手に裏切られて殺されても「それでも、君には、感謝している」とか言いながら死んでいくに違いないんだよな。

そう思った途端ラーヤとミリセントが俺にイチャイチャぶりを見せつけてるように見えてきてマジ狂い!下唇を噛んで青筋立てながら、二人の間に割って入ってメチャクチャにしたい衝動に耐えていると、鎧がガチャっと動く音がしてブライヴが去っていく。

拓也「あっ、ちょっと、どこ行くんすか?」

拓也の呼びかける声でミリセントとラーヤも気付いて、ブライヴの方を見る。
それでもハグを続行なんてしちゃってる。良いご身分だよな。

ミリセント「ブライヴ、どこに行くんだ?」

ブライヴ「水を注してはまずいと思ってな」

ミリセント「待て、ブライヴ。話がある」

ミリセントがラーヤを離してブライヴに向き直る。呼び止められたブライヴは吐き捨てるみたいなため息をついて止まったけど、背中を向けたまま横顔だけをこっちに見せてくる。

99名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 13:32:25 ID:y8126aAk


ブライヴ「お前のことだ。事情を汲み、どうせ俺を許すのだろう?」

ブライヴ「ならば、わざわざ話すことなどないはずだ」

ミリセント「それは事情によるだろう。話してくれ。…拓也?マネージャーを呼んできてくれないか?」

拓也「ウッス!」

ミリセント「それに、君が行こうとしていた方向には、祝福が無い。大祝福に触れないと、円卓からは出られないぞ」

ブライヴがミリセントに捕まってる間に、俺はマネージャーを呼ぶ。

マネージャー「話は終わりましたか?拓也?」

拓也「まだっす。終わらせてほしいっす」

たった一言で「そういうことですか」って全てを察してくれたマネージャーは、ブライヴの方へ歩いていって拓也も続く。こういう話し合いで強いから、俺はウリなんかをやれている。マネージャーがダメだと客の質も悪くなって、最悪ヤクザに買われてメチャクチャなペット生活で行方不明になる可能性もあるなりね。

マネージャー「ブライヴさん?貴方も本当は分かっているはず。そうですよね?」

ブライヴ「…何がだ?」

マネージャー「貴方が隠したかった情報の根幹は、すでにギデオンが喋ってしまいました。ここで貴方が口をつぐんでも、私はいずれ貴方と、貴方が仕えているラニという魔女の目的を掴むでしょう。試しに、そのラニさんと面識のある人を探してみましょうか」

マネージャー「拓也?貴方は魔女のラニについて知っていることはありますか?」

俺の名前を聞いた瞬間に、ブライヴは俺たちの方に向き直る。
いかにも「マジかよ!」って感じの顔だ。やっとお前を振り向かせてやったぜ。
お前はラニから話を聞いてるけど、俺もラニのことは少しは知ってるんだぜ。

拓也「ウッス!知ってまっす!あの人のルーンのおかげで遠眼鏡が買えました。あとは色々よく分かんねーこと聞かれましたけど、よく覚えてないっすね」

マネージャー「そうですか。ではミリセントさん、あなたは魔女のラニについて、何か知っていますか?」

ミリセント「ああ、リエーニエ湖近くの城を抜け、その先に建つ塔のような館で出会った。私を信用できないという理由で、計画についてはほとんど教えてはくれなかったが、私については興味があるらしい」

ミリセント「そのラニが言うには、私は嫌悪している女の気配がして信用しきれなかったが、私がラダーンを倒して運命を動かしたなら、信用してやらんでもない…ということらしいぞ」

マネージャー「という訳です。これらの情報は、私たちがラダーン祭りに参加する前に…つまり、貴方がこの円卓に来る前には、私の耳に入っていました」

ブライヴは深く息を吸ったあと、息を吐いてから円卓の椅子にドカっと座って、片肘をついて頭を抱える。その仕草にドキドキするって、やっぱり俺ってブライヴにエロスを見てるんだなぁ。ウリの客に「犬になれ」って言われたら、ブライヴのこと思い出して別の意味で感じまくるかもな。

ブライヴ「ああ、ラニ…昔からお喋りだったな…」

ブライヴ「まさかお前たちとも、関わりがあるとは…どうやら、俺一人が抗ったところで、もはやどうにもならんらしい」

ブライヴ「良いだろう。全てとはいかんが、話してやろう」

観念して、ブライヴは静かに語り始める。

ブライヴ「俺はラニの義弟でな。ラニの母、レナラ様のもとで、本当の姉弟のように育った」

ブライヴ「あの頃は良かった。…俺もあいつも、何も知らずにいられたからな…」

話しながら、ブライヴは両肘をテーブルについて、手を胸の前で重ねる。
目は祝福に向いていて、夜の焚き火を眺めているみたいな遠い視線だった。

ブライヴ「だが、レナラ様の夫となったラダゴンが、病に伏せったレナラ様を見捨て、女王マリカの王配となった時、全ては変わった」

ブライヴ「レナラ様は正気を失い、封印されていた死のルーンは何者かに奪われ…黄金のゴッドウィンは殺された。ラニは黄金律を見限り、大ルーンとともに肉体を棄てた」

ブライヴ「エルデンリングは砕け散り、マリカは黄金樹に隠れた」

ブライヴ「そして今にいたり、俺は臣下として、ラニに仕えている」

ブライヴ「俺はラニが黄金律から自由になり、神人としての暗い道を歩くための、手助けをしているというわけだ」

100名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 14:51:45 ID:y8126aAk


ブライヴが語り終えた時、俺の中でのブライヴのイメージがガラリと変わって、そこには激エロの狼人間ではなくデミゴッド並みの神話の登場人物が現れていた。ミリセントとラーヤがブライヴを見る目つきも変わってて、ラーヤは少し緊張してる感じだけどミリセントは同情的な目線。お前も大変だなぁって思ってるのかな。マネージャーもさすがに驚いたみたいで腕を組んで考え込んでいる。思えばブライヴみたいな神話の住人とウリセンボーイにすぎない俺が今まで会話出来たことが不思議だけど、ネフェリは王の血筋だし、ミリセントなんてデミゴッドの心だから、俺も慣れちゃってて今考えるとおかしいぜ。

マネージャー「…驚くべき真実、と言えるものなのでしょうけれど…ブライヴさん、貴方は今の話で嘘をつきましたね?」

ブライヴ「嘘は話していない。ただ、言ったはずだ。全ては語れんとな」

マネージャー「では、何故語れないところがあるのでしょう?」

マネージャーの詰めに、ブライヴは無言を返す。
でもこの流れはさっき見たぜ。と思っていると、ミリセントもそれに気付いていた。

ミリセント「護るべき人に…君の場合は、魔女ラニに、危険が及ぶことを恐れてのことか?」

ブライヴ「フッ…そんなところだ。円卓にはギデオンがいるうえに、奴の目や耳も狭間の地に隠れ潜んでいる。これ以上は語るべきではない」

ミリセント「…そうか…」

マネージャー「分かりました。それなら、この話はここでおしまいにしましょう」

ブライヴ「どうした?やけに素直に手を引くのだな」

マネージャー「ギデオンが信用できないのは私たちも同じですからね。それに貴方の姉であるラニさんの真意も掴めない以上、話を深掘りして貴方のウィークポイントを突くのも、リスクが高いと思いましたので」

マネージャー「それに、ラニさんの計画の全容がギデオンにバレてない可能性も考えると、私が円卓を出てラニさんと直接話す、というのも、選択肢としてはアリだと思えるんです」

マネージャーからの提案に驚いたのはブライヴだけじゃなかった。ミリセントはラニのいる場所に行って帰ってきたんだから祝福を経由して一発で行ける。でもなんだかんだで、俺たちは一度もラニのいる祝福に行ってない。やる事が多くて寄ってる場合じゃないっていうのもあるけど、ラダーンを倒してないからラニと会っても信用されないと思うし、なんかラニ自身も怪しいんだよな。悪い奴って感じはしねえんだけどな。

ブライヴ「大胆だな。罠だったならどうするんだ?」

マネージャー「罠だったら、ギデオンに暴露されるまで隠したりしませんよね?」

ブライヴ「だな…やはり、言葉での差し合いは苦手だ」

マネージャー「ただ、今日いきなりラニさんに会いに行くということはしません。ラダーンを倒すという手土産を持っていない私たちには、選べない選択肢ですので。なのでここは、いつもの様に二手に別れるというのはどうでしょう?」

マネージャー「リムグレイブには丁度いいことに、療養中のアレキサンダーさんもいます。ラダーンを倒す手段を探すのはアレキサンダーさんとブライヴさん、探求者を探しに王都を探るのはミリセントさんと拓也と誰かで分けるのはどうでしょう?」

マネージャー「これなら、私たちやギデオンが、貴方を必要以上に探ってしまうことも無いですし、ミリセントさんもラダーンと戦わずに済みます。王都という新しい場所への探索も出来ますし、アレキサンダーさんの回復も今より効率よく進むはずです。更に言うなら、ラダーンに関係する探索は全て貴方主導になるわけですから、貴方が何かを気にしながら戦う必要性もグッと無くなるはずです」

マネージャ「提案は以上です。貴方にとっても、悪い話ではないと思いますが?」

相変わらずマネージャーのプレゼン力はすげーよ。よくこんなに色々思いつくよな。ブライヴも参ったって感じの呆れ笑いだし、ミリセントとラーヤも納得してくれてる。俺もつきあうぜ!雄膣に隠し持っているイエロの瞳はまだ残ってる。でもラダーンと戦わないってことは、ブライヴを引き止めている理由も薄くなる。そのままブライヴとアレキサンダーがラダーンを倒して、二度と俺たちに会わない可能性だってある。

ブライヴ「ハハ…負けたよ…そのやり方で構わない。こうも先読みされては、文句も言いようがない」

マネージャー「そうですか。それでは、これからもよろしくお願いしますね」

ブライヴ「フッ、どうだかな」

曖昧に答えながら、大祝福に触ってテレポートしようとするブライヴ。あーあ、マジでもうお別れかぁとガッカリする拓也。下手したらこれでマジの最後の別れってこともあり得るんだよなってしんみりしてると、ミリセントがブライヴを呼び止める。

ミリセント「…ブライヴ」

ブライヴ「なんだ?まだ何かあるのか?」

ミリセント「君に何か、文句があるわけではないよ。ただ、別れる前に言っておきたいんだ」

ミリセント「私は、君とともに剣を振るい、苦楽をともに出来たことを、忘れることはないだろう」

ミリセント「だから…私は、例え君と求めるものを違えても、君とまた会いたい」

ラーヤ「私もです…貴方様の旅路が良きものとなり、壊れかけた律から貴方様の主が脱することができますよう、私の王に祈ります」

拓也「お、俺もまた会いたいっす!全身パンプして待ち構えるんで、お願いしまっす!」

ブライヴは別れの言葉を聞き終えると、口の片端をちょっとだけ上げてから祝福の光に消えていった。
絶対忘れんじゃねーぞ!次会う時までに仕込み頑張るぜ。

101名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 15:45:11 ID:y8126aAk


ブライヴと別れた後   投稿者:ビルダー拓也


昨日はずっと戦いまくりでマルギットはチョー強いし、ミリセントは死にかけるしエドガーは引退したし、ブライヴとラーヤの秘密がバレるしでメチャクチャ。ギデオンが余計なことしたせいでブライヴとは別れるハメになって、疲れは取れないしで大変だったぜ。朝起きた後にマネージャーから亀の首漬けもらって今はギリ元気だけど、胸筋はまだ痛いし怪我も1割くらい残ってる。ラーヤの治療は効き目抜群だけどね。
それで今は、マネージャーと拓也とミリセントとラーヤの4人で、円卓の椅子に座ってる。

マネージャー「さて、昨日は確か、欠けた黄金律にプラスアルファを埋め込むことが可能な探求者を探す…ということが決まった所で、話が終わっていましたね。私としては早速行動に移したいのですが、みなさんはどうですか?」

ミリセント「大丈夫だ」

ラーヤ「私も大丈夫です。ですが拓也様の傷は分かりません。大丈夫ですか?」

拓也「ウッス!まだヒリヒリしますけど、行けまっす!」

ラーヤのキメものってスゲー効くから、どうやって作ったか聞いたら、毒の苔薬と生肉団子を混ぜたものを傷口に塗ったらしい。回復に一晩掛かる代わりに毒性も無いキメモノで、こんな便利なものがあるなら毎日探索しまくりの最高の探索machineになれるけど、あんまり量が多くないから使いすぎ禁止だって。まぁそう都合よくはいかねーよな。

マネージャー「そうですか。それなら良いです。ではさっそく聞きますが、黄金樹からの祝福を受けていて、自分の望むものを自分の中に見出そうとしている人に、みなさんは心当たりはありませんか?」

拓也「この前の探索で会った、金仮面って奴なんてどうすか?卿ってついてるんで、そこそこ偉いんじゃないすか?」

マネージャー「金仮面?」

ラーヤ「金仮面卿のことですね。…たしかに、あの方は何か異様な感じでした。黄金樹を指差して、何かを指で奏でていました」

ラーヤ「黄金樹を信奉するコリン様に、危険を承知した旅をさせるほどの何かが、あの方にはあるのかもしれません」

マネージャー「金仮面卿ですか…他にはどうです?」

ラーヤ「私は、英雄様を…ミリセント様を推したいです」

マネージャー「へ?」

ミリセント「何を言うんだ…私はそんな…」

ラーヤ「ミリセント様は、神人としての神性という、最も強き黄金の祝福を受けていますし、自らの在り方を探究しています。マレニアの行いを償うことと、みなさんに力を貸すことによってです。十分に、考慮の内に入るお方かと」

ミリセント「ラ…ラーヤ…」

レズカップルのノロケみたいだけど実際にはレズでもカップルでもないし、ラーヤの言ってることにもかなり納得いったぜ。確かにミリセントは自分がマレニアの分け身だってことをかなり気にしてる。目の色も金色で魂も神様だから、これで黄金樹に祝福されてないなんてことも絶対無い。でもラーヤってどんどんミリセントにハマっていってるよな。憧れのセンパイを追いかけてる時がウリやってる時よりも楽しかったりするから、それと同じだよな。今は友達以上恋人未満かもしれないけど、このままいくと本当にレズカップルになっちゃうかもね(笑)

マネージャー「うーん…確かにそう考えますと、ミリセントさんにも多少の可能性を感じてしまいますね」

マネージャー「良いでしょう。とりあえずはミリセントさんと金仮面卿をマークしましょうか」

ミリセント「えっ? それは困るよ…落ち着かない…」

マネージャー「調査の対象が二人だけで、その内の一人が私たちの仲間なんですから、調査の難易度も抑えられますからね」

ミリセント「それは、分かるが…」

マネージャー「安心してください。ずっとあなたに見張りをつけるだとか、あなたに何かの実験をするだとかはありません。大切なのは、あなたが自分を探求すること。つまり、あなたの心次第なのですから」

ミリセント「そういうものだろうか…確かに、予感めいたものはいつも感じてはいるが…」

今日やることが決まったところで行動開始だぜ。まずは金仮面卿がいた方の橋に拓也とミリセントのペアで向かうもハズレ。金仮面は影も形もいなくて、しかたねーなってことでワープして、祝福がある方の橋の近くにいる、指読みが趣味のおばあちゃんに聞いてもヒヒヒヒ笑うだけでろくな答えが返って来ない。ミリセントも商人にアタックしたけど収穫無しだ。人探しなんだし最初はこんなもんだよな。

円卓に帰ってこのことを伝えると、マネージャーから新提案。
「金仮面卿の居場所が分からないので、とりあえず王都を攻略して黄金樹への道を開いて、いつでもプラスアルファを黄金樹にセットできる状態にしておきましょう」
だってさ。とりあえず王都を攻略って言うけどこんなのサラッと伝える事じゃないぜ!今まで何度もヤバい敵と戦ったけど、そいつらの首都を俺たちだけで落とすなんて無理。こういう重労働は、ヤる前にイエロの瞳でキメてからリングマラ装着してビルダータンク着るぐらいやらないとツラい。狭間の地は拓也のビルダーガタイを補うものが少なくてキツいぜ。黄金律って言うくらいなら俺のことも愛してくれよ!

102名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 15:56:46 ID:y8126aAk


王都の前で5P!   投稿者:ビルダー拓也


王都に入るのに二人だけは心細いから、マネージャーが希望者を募ったらディアロスが参加してきた。大丈夫かなぁ?とは思ったけどディアロスは前よりもシュッとしてて、なんだかヤル気。マネージャーにそのことを尋ねられると

ディアロス「英雄になろうとは、もう思わない。私は、自分を見つめ直したくなったのだ」

ディアロス「私にその道を示したのは、ミリセント、貴公だ。私は貴公の役に立ちたい」

だってさ。最初の頃はかなり頼りなさそうだったのに、コイツも成長したよな。今は心身ともにハリウッド系イケメンなのかな?ミリセントは嬉しそうに握手を求めて、ディアロスがそれに応じる。日影城を進んだメンバーで決まった所で、この前戦った戦場跡の祝福から探索開始だぜ。

祝福に出ると、昨日見たデコボコの地面に電信柱みたいなモノが突き刺さってる光景が広がる。昨日は戦いに必死で気付かなかったけど、よく見るとそこらじゅう死体だらけでチョーグロい!やっぱ戦争はいけないよなって胸筋で感じていると、ミリセントが階段を発見したんでついていくことに。そしたら地面から出てきた骨に拓也の足が引っかかって転倒。その拍子にいつの間にか勃起していたチンポに刺激が入って、俺が悶絶しながら射精を耐えていると、地面から伸びた手骨はそのままズルズルと全身を現して泥だらけのガイコツ姿をさらけだす。

拓也「あ、あ、ヤバ、マジヤバい。なんか出てきたっす!」

ディアロス「死に生きる者達だ!二度倒さなければ蘇ってしまう!」

ミリセント「厄介だな…その間にも囲まれてしまうか…」

ミリセント「ここは死者達に構わず、走り抜けよう。道を遮る者だけを倒すんだ」

プランが決まって、三人でミリセントを先頭にして走りだす。ミリセントの前にガイコツが出てくると、ミリセントはその骨を一瞬でバラバラにしてから、ガイコツの武器を拾って拓也の足元に投げ渡す。助かるけど剣を投げるなよな!俺が武器を拾って盾を手にハメてる間に、ディアロスもデカ盾で骨を弾き飛ばしている。ムチ使ってる時よりもそっちの方が強くて笑ったぜ。

武器も揃ってガイコツ地帯を抜け出ると、次は遠くに二体の巨大ロボットが見えてきた。マジかよぉ!流石にあんなのとは戦えねーよ!って拓也が怯んでる間にも、遠くの後ろからガイコツ達の足音が聞こえ始める。早くもヤバい状況になってきてディアロスと拓也の視線がミリセントに集まる。

ミリセント「あの巨像達が手に持っているのは…片方は長斧だが、もう片方は…」

拓也「やべーよ!後ろから来てるっ!」

ディアロス「斧槍のゴーレムと、大弓のゴーレムが二体だ!どうする!?」

ミリセント「…よし、左側の崖ぎわを走ろう。木々を盾にするんだ。行くぞ!」

合図と一緒に飛び出した俺たちは、そのまま崖っぷちを決死のダッシュ!俺たちを追ってきたガイコツ達は電柱みたいな極太の矢で粉砕。木がどんどん爆発していって木屑と煙が飛び散る中を、俺たちは振動でもつれそうな足をバタつかせて走りまくる。探索始めていきなりこれかよ!マジ死んじまうぜ!どうにかゴーレムの射撃地帯を抜け出すと、今度は城の門の前に、あの全身凶器系の騎士が陣取っていた。

ディアロス「はぁ、はぁ、竜のツリーガードまでいるのか…一旦退かないか?」

ミリセント「ここまで来て退くのは、かえって危険だ。戦うしかない」

ディアロス「クソっ…やはりそうか…」

拓也「おうぅーっす!」

ミリセント「いきなり叫んでどうした?拓也?」

足元に金色の文字がピカッと浮かび上がってきて、思わず拓也も女の子みたいに飛び跳ねる。ミリセントも首を傾げて金色の文字を見ていると、ディアロスは何かを思い出したようにハッと顔を上げた。

ディアロス「これは…黄金のサインだ!もしかしたら、勝てるかもしれないぞ!」

拓也「サイン?有名人のっすか?」

ディアロス「ある意味そうさ。これは大角のトラゴスのサインだ。サインに触れて協力を願えば、遠方から彼が召喚されるはずだ」

ミリセント「協力者とはありがたい。…しかし、ラーヤも物知りだったが、君は敵を知ることに長けていたんだな。頼もしい限りだ」

ディアロス「名門の生まれたる者、教養を高めよと、昔から言われていてな」

ディアロス「おかげで色々とやらされたが、どれも身にならなかった。その錆びついた知識が家を追い出されてから役立つとは、皮肉なものだ」

ディアロスが金のサインに触ると、サインが消えると同時に金色の光の柱が立って、そこから見覚えのある奴が出てくる。ラダーン祭りで一緒に戦った、デカハンマーを担いだ金ピカのデカ乳首ナイトだ。

拓也「トラゴスってお前かよ!久しぶりじゃん!」

ミリセント「おお、君がトラゴスだったのか。協力、感謝する」

トラゴスは気さくな感じで手を振ると、俺たち三人に握手をする。4対1ならなんとかなるぜ。

ミリセント「それでは、行こうか。気を引き締めてかかろう」

103名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 16:09:04 ID:y8126aAk

ミリセントは剣を抜いてツリーガードに歩きだす。ディアロスも盾を構えて、トラゴスも片手のボウガンに矢を仕込む。でも俺が持ってるのってガイコツから取ってきたボロボロの剣と盾だから、やっぱり3対1な気がしてきて俺の全身にじっとりと汗が流れてくる。最近はほとんどキメものを摂取してなくて、冷静な頭がダイレクトに恐怖や緊張を伝えてきて腰が引きがちになる。でも俺も頑張らないと、マルギットと戦った時みたいな状況がいつ出てきてもおかしくないぜ。

俺たち4人がツリーガードの前に立つと、ツリーガードはデカい山菜みたいなハンマーを持ち上げて威嚇。それから「来るぞ!」というミリセントの声の直後に、馬ごと俺たちに飛び込んでハンマーを振り下ろしてきた。

全員で散ってハンマーをかわすと、ハンマーがデカ衝撃と共に地面に大穴を開ける。またこういう拓也を一撃死させられる奴の登場で、この先こんなのばっかりかよって怯んでいる暇もなく、ディアロスに向けて馬の口から火の玉が飛ばされる。ディアロスが慌てて大盾に身をかがめて防ぐと、その大盾をミリセントが蹴ってフィギュアスケート選手みたいに回転しながらツリーガードに飛んでいき、勢いのまま剣を浴びせようとする。ツリーガードが盾で剣を防ぐと、ミリセントは着地ぎわに今度は馬の脚を斬った。

ブルンと怯んだ馬に体の勢いを持ってかれて、ツリーガードはよろめく。そのよろめいた先にいたトラゴスは既にデカハンマーを振る体制に入っていて、ツリーガードを盾の上から思いっきりブン殴る。派手な火花が散ってツリーガードが反対側によろめくって、こいつチョー強いぜ!相手がラダーンだったからマズかっただけで、ツリーガード相手には使えるタチだ。トラゴスは怯んだツリーガードにもう一発追撃を浴びせかけてダウンを取る。そこにミリセントのミキサー攻撃とディアロスの鞭が飛んで、ツリーガードの鎧がみるみるうちに傷だらけになっていく。

ミリセント「力は強いが動きは鈍い!武器を振らせるな!」

ミリセントとディアロスの連撃喰らいまくり怯みまくりのツリーガードに、トラゴスと一緒に俺も盾を構えて突っ込んでいく。トドメは俺が刺すぜって勢いで俺が剣を振り上げると、その剣に赤い雷がぶち当たってマジ狂い!強烈な衝撃に全身の機能を犯し尽くされた拓也は、そのまま意識がぶっ飛び射精。全身の筋肉を硬直させてあらゆる体液を撒き散らしながら倒れ込む。

ミリセント「なんだ!?」

ディアロス「竜雷だ!竜のツリーガードは雷を操るんだ!」

地面に仰向けで倒れた拓也の激硬チンポは、雷の力で強制的にフルパワーを出させられてて噴水のような射精を開始。「うわっ!汚い!」と叫んだディアロスは、ツリーガードの足元で全身バイブ状態に堕ちている俺から、トラゴスと一緒に距離を取る。誰か助けてくれって心の中で悲鳴をあげる俺に向かって、ツリーガードが赤く光るハンマーを振り上げる。このまま脳みそ潰されて全身ぶっ飛び射精して死ぬんだって覚悟した時

ミリセント「拓也!」

飛び込んできたのはミリセントだった!
ミリセントは俺のザーメン噴水に頭から突っ込んで、顔と頭を真っ白くドロドロにしながらも俺の痙攣バイブガタイを抱きしめて、転がるようにツリーガードの足元から脱出。直後に赤い爆発が起きたけどミリセントと俺は潰されずに生還する。全身精子まみれの俺はガクガクと痙攣したまま白目で射精しながら、ミリセントに抱えられた状態でトラゴスとディアロスに合流する。

ディアロス「弧゜ッ!」

ミリセント「ディアロス!拓也を頼む!運んでくれ!」

ディアロス「え、えぇ!?コレをかぁ!?」

ミリセント「ためらってる場合じゃない!木陰に運ぶだけでかまわない!私は戦わなければ!」

ディアロス「断る!汚らしい!」

ミリセントとディアロスが拓也でパスを失敗させている間に、トラゴスがツリーガードと一騎討ち!ディアロスはどうしても俺を受け取りたくないらしく、ミリセントに押し付けられても大盾で俺を防いでくる。バイキンみたいな扱いされた拓也が心の中で泣いていると、ツリーガードがまた地面に赤い雷を落として、その余波が拓也のチンポに落ちてまたしても意識がぶっ飛び射精。ディアロスの紅白色の盾を白一色に染めながら、二度目のぶっ飛びがAEDみたいに作用した拓也は意識を完全に取り戻して、芋虫みたいにガタイを動かしてミリセントの手から抜け落ちる。

ミリセント「拓也!?もういいのか!?」

拓也「ウッス!俺のことはいいっす!トラゴスがヤバいっす!」

俺たちがザーメンにまみれてる間に、トラゴスは血まみれになっていた。

ミリセント「行くぞディアロス!トラゴスがやられてしまう!」

ディアロス「私の、大事な盾が…畜生!やってやる!やればいいんだろう!」

俺の金玉が空になるほどの射精を受けて、盾だけ白いディアロスと全身白いミリセントが駆けていく。ツリーガードは盾に赤い雷を纏わせてから、グッと力を込めて辺りに雷を降らせる。ディアロスは歯を食いしばって雷を盾で防いで、ミリセントは華麗にジャンプして、全身に浴びたオレのザーメンを白いドレスみたいになびかせて回避。地面に落ちた雷は地面を伝わって周りに散りながら、寝そべってる拓也のガタイにも微弱な電流を通していく。全身のGスポットに強烈な快感を叩き込まれた俺はまたも意識が振り切れて、よがりまくり狂いまくり白目剥いて吠えまくりの、ドライオーガズムの全身イキ地獄状態に堕ちていく。

ツリーガードのハンマーでボコボコに殴られていたトラゴスは聖杯瓶を一発キメると、ツリーガードの頭にボウガンを一発撃つ。矢は兜に弾かれて、ツリーガードの意識はトラゴスに向く。その隙にミリセントは馬の首の真下にスライディング、そこで一気にミキシングして、馬の頭を斬り飛ばす。バランスを崩したツリーガードが倒れ込もうとした時、トラゴスのデカハンマーはすぐそばまで迫っていた。

投石機からぶっ飛んだ石が地面にぶつかるような音がして、ツリーガードは倒れこみ、白い煙になって消えていく。「どうだ!やったぞ!」と跳ねて喜ぶディアロスと、フーと息をついて胸を撫で下ろすミリセントに、トラゴスは手を振りながら消えていった。

ミリセント「あ、トラゴっ…消えてしまったか」

ディアロス「どうなる事かと思ったが、やれるものだな!」

ミリセント「ああ、幸いにも、目立った手傷も無い。しかし拓也が心配だ」

ディアロス「心配なのは貴公の方だぞ…臭くないのか?私は今すぐにでも、この盾を洗いたいよ…」

ミリセント「え?」

ディアロスの言葉で、ミリセントは自分の手や顔にかかったネバネバをすくって、指で少し捏ねたりしている。「なんだこれは…?」って言ってから、試しにと嗅いでから

ミリセント「弧゜ッ!」

わさびを嗅いだ時の俺みたいに、鼻周りと眉間をしかめてえずいた。
ウリの相手やセンパイとのプレイの一環でならいいけど、そういう関係じゃない奴に顔射するなんて恥ずかしさと罪悪感で胸がいっぱいになる。普通に考えて犯罪だぜ。マネージャーに顔射したってきっと申し訳ない気持ちでいっぱいになるだけし、俺は心の中でミリセントに何度もごめんなさいを繰り返したけど、金玉が空になるほどの快楽のせいで全身に強烈な甘い痺れが走ってるから、だんだんと罪悪感が背徳的な快感に変わっていく。
こんな刺激をもう一回なんて食らったら,今度こそ俺マジに壊れるな。

104名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 16:35:46 ID:y8126aAk


【新作AV撮影終了!】


「身体を洗える場所が円卓にあるといいんだよね。だってさぁ、全身ザーメンまみれになっても洗えなくてかわいそうじゃん!」なんて言いながら、オレの探索仲間の裸がやっぱり気になる。「呑気なことを!誰のせいでこんなことをしてると思ってるんだ!」って、ディアロスは今は許してくれなさそう。だから俺は反省しながら、石鹸代わりのキノコなんかで全身をこすってる。

俺たち3人が外壁近くの水辺についたのは数分前のこと。3人で悪臭にヒィヒィ喘ぎながら、急いで服脱いで水にバシャバシャ入っていった。その間にも女の子だからって、ディアロスと拓也にもミリセントの裸は見ちゃいけないってエチケットがあった。だから3人で大きな三角形を作って、お互いに背中を向けながらしゃがみ込み、今は身体を洗ってる。水辺にいる蟹には今は拓也のザーメンだけが栄養だぜ!

ミリセント「ここの水、冷たいな…はぁ寒いっ…!」

背後から聞こえる声と一緒に水が跳ねる音がして、あ、今震えたなって気配が分かる。こっそり隣を見ると、ディアロスは黙って身体を洗ってるけど、眉間にシワをよせて耳と頬が赤い。なんだディアロスの奴、俺の隣で裸になってるのが恥ずかしいのかな?って拓也の心臓が高鳴るけど、散々イキまくったあとだからそれほど登り詰めることもなくて、互いに無言で身体を洗い続ける。

ミリセント「んっ…はぁっ……あっ…」

ミリセント「傷に、沁みるな…君たちは大丈夫か?…」

拓也「ウッス!大丈夫っす!」

ミリセント「そうか…んっ…ふうっ…ディアロス、君はどうだ?」

その間にもミリセントが身体を洗いながら話しかけてきて、俺は平気だけど、ディアロスは黙ったまま答えないから、色々察してニヤついちゃうぜ。ディアロスはノンケだから、耳と頬が赤いのもそういうことだよな?って気配を分析。そしたらミリセントのいる方から「んあぁっ!」って喘ぎ声が聞こえてまた水音。頭を洗ってるディアロスの肩がビクッと跳ねる。

ミリセント「はぁ、はぁ、だ、ダメだっ、腕に、沁みるっ…!」

ミリセント「はぁ…ディアロス、悪いが背中を流してくれないか?…片手だけでは、うまく洗えないんだ…」

これでミリセントに自覚が無いんだから、もうノンケくんにはたまらない。ディアロスは立ち上がってから裸のまま遠くにバシャバシャ歩いていって、腰に両手を当てて深呼吸。振り切れそうな正気を必死にこらえてるな、妄想を消そうとしてるなって、俺はエスパーみたいにディアロスの心が手に取るように分かる。「ディアロス?どうかしたか?」って追い討ちまでかけるから、ミリセントの純粋さに面白くなってきて、俺が呼んできまっす!って言うとまさかのオーダーが入る。

ミリセント「拓也、君でもいいよ。頼む」

俺がゲイだからいいけどさぁ、こんな無防備さらしちゃダメだぜ!こんなんじゃ世のノンケの食い物にされそうで、エルデンリングが直ったあとが心配になってきた拓也は、うーっすってミリセントの背中にガタイ向けてキノコ泡を手でシャカシャカ立ててから、ゆっくりめのストロークでミリセントの背中をこすっていく。

ミリセント「ああ…なんか…はぁ、気持ちがいいな…上手いな君…」

拓也「ウッス!ウリの前とか、終わった後とかに、流し合いしたがる客が結構いるんすよ」

ミリセント「はは、なるほどな…それでか…そういえば、ウリってどういう意味だったかな?」

しゃがみ込んでるミリセントは、さらさらと背中洗われて目を閉じたウットリ顔を上げてくる。自分で背中を洗うのはそうでも無いのに、他人に洗われてるとスゲー気持ちいいんだよね。ミリセントの背中には、義手がついてる所にはゴツゴツと硬くなったところがあるけど、そこ以外はきめ細かい皮膚が白く引き締まってて、肩を少し動かすとうっすら筋肉が盛り上がって健康美を見せつける。腰から背中にかけては一本の縦ラインも通っててスポーティー。まるで女の子みたいなシルエットをしたジャニ系な男の背中みたいだ、なんて思ってると不覚にもチンポに熱を感じてきてヤベー!ゲイの俺にも効いてくるなんて、神様の血が通ってるだけはあるぜ。

105名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 16:52:15 ID:y8126aAk

ミリセント「あんっ、そこはだめだっ!義手の周りは、沁みるんだ…」

ミリセントの細身ガタイがブルっと震える。雑念が入ると良くないよな。俺好みの女の子系スポーティー男子ボディが艶かしくて、つい力入って義手の接着部分に泡が入った。これがセンパイの背中だったら押し倒されて即喉マンコースだなって考えてると、怖いもの見たさと悪戯心が刺激されて、義手の隙間に入った泡を洗い流す時に、ちょっとだけ力を込めてみる。

ミリセント「あはぁっ!ちょっ、拓也っ、待って!君、今わざとやったか!?」

すっげ!チョーおもしれー!少し傷口を洗うだけで身体がビクンビクン跳ねてマジエロッ!ここからだとミリセントの胸も女マンコも見えないから立派なヅカ系イケメン男子にしか見えない。そんな極上の上玉を転がしてる気分が出てきて全身に鳥肌が立ち、あきらかにチンポが勃起してきて、その感覚でハッと正気に戻る。ヤバい!俺何考えてんだって慌てて頭を振るったあとに、足元の水を顔にかけてクールダウン。マジ危なかったぜ。

ミリセント「ディアロス、やはり君に頼むよ。拓也がふざけてくるんだ」

これ以上続けるハメになったら俺がどうなるか分かんなかったから助かったぜ!なんて思ってると、バシャバシャ音立てて歩いてくるディアロスの目がどう見てもイッちゃってて激ヤバ!ミリセントの泡まみれな尻からうなじまでをギン目で舐め回すように見つめてるし、こいつ完全にマジになっちゃってる!「もうそろそろ服着よーぜ、さみいよ」ってそれとなく終了を宣言するけどディアロスは絶対に聞く耳を持ってない。ディアロスはミリセントの背後にしゃがみ込むと、荒めな手つきでミリセントの肩を掴む。

ミリセント「え?」

急に手つきが変わったことにミリセントが驚いた直後に、拓也の不安が的中。
ディアロスが猛攻を開始!

ミリセント「んあっ!まっ、待って!はんっ!痛いっ!」

デリケートそうな義手の接着部分を指でこすって、白い角質みたいな部分をこそぎ落としていくディアロス。血は出てないけどアレは普通に痛そうだぜ。「おい待てって、ストップ!」って拓也の言葉も無視して、身体をくねらせて抵抗するミリセントを責めまくる。

ミリセント「あっ、あんっ!はっ!やっ!やめっ、ディアロスっ!君っ、変だぞ!」

ディアロス「侮るなよ…私も男なんだ…!」

ディアロス「忍耐にも限界がある!クソっ!」

鬱憤を晴らすかのようにミリセントの背中と傷口を洗いまくるディアロスに、傷口からはどんどん腐敗の角質みたいなのが無くなって綺麗になっていく。俺はディアロスの肩を引っ張って引き剥がそうとするけど、やっぱ力じゃ太刀打ち出来なくて汗ばかりが流れてくる。

ミリセント「んあぁ!いはぁ!はぁっ!しびっ、れるぅ!やめっ!ディアロスぅ!」

やべーよ!これじゃただのノンケ向けAVだ!って焦りまくっていると、水辺の端っこから声がした。


ならず者「そろそろ蟹釣っていいか?」


鍋いっぱいに蟹を茹でながらこっちを見てる奴からの声で、あんなに盛り上がっていたミリセントとディアロスも、氷水かけられたみたいにピタっと停止。固い動きで顔だけを蟹茹で男に向ける。

ミリセント「き…君…確かリエーニエに…」

ならず者「よぉ、蟹を食いに来たのかと思ったけどよ、いきなりおっぱじめたんで、つい見ちまったぜ」

ディアロス「ば…馬鹿な!違うぞ、これは!ただ汚れを落とそうとしただけだ!多少苛つきはしたが、それだけだ!」

ならず者「分かったからよ、終わったらさっさと服も洗ってくれ。長くやられると蟹が弱っちまう」

蟹茹で男の言葉でそそくさと退散した後、俺たちはミリセントと離れておこうって事になって、2人と1人で別れて防具を洗った。前にエビ茹で屋っていう奴がいるって話は聞いたけど、蟹茹でってことは兄弟なのかな?水浴びでスッキリしたあとに蟹を食うのもいいかもな。

106名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 17:05:08 ID:.WAZ5gtk
こういう時に拓也さんなら男の気持ちも乙女の気持ちもわからんもんかと思うけど全然役に立たねえな

107名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 17:05:14 ID:y8126aAk

身体を洗った後に服と防具も洗いはしたけど、すぐに乾く訳ないから仕方なく下着姿のままの3人で、蟹の入った鍋の火を囲む。蟹茹で屋に金のコックリングを払って、もらった蟹を食べると冷えたガタイに蟹肉の熱さとウマみが染み渡って気持ちが良くなる。ミリセントは蟹茹で屋の知り合いみたいで、ちょっと頼むと少し離れたところに火を起こしてくれたから、濡れた服とかはそっちで乾燥待ちだ。

ならず者「リエーニエでのあんたは、もう少し立派というかな、ハメを外さない奴だと思ってたんだが」

ならず者「それが中々どうして、やることはやっていたんだな。ククク…」

ミリセント「なんの話をしているんだ。私は身体の汚れを流してもらっていただけだぞ」

ミリセント「拓也、ディアロス、君たちも悪ふざけが過ぎる。やめて欲しいと言われたなら、素直にやめてくれないか。汚れも落ちて、腐敗の薄片も取ってくれたのは嬉しかったが、痛くてたまらなかったんだからな」

拓也「うす…」

ディアロス「すまない。つい苛立ちをぶつけてしまった。二度としない」

ミリセントに真面目な顔で説教されてる拓也は、でも下着姿のまま3人並んで座って蟹食ってるんだから、これじゃ蟹茹で屋も心の中で笑ってるんだろうなって想像にふけていく。でも食ってる蟹は美味いけど、これからコイツが釣る蟹には拓也の精子が入ってると思うと、蟹茹で屋にチンポしゃぶらせてる想像が出てきて笑えるぜ。

ならず者「蟹はなんでも食っちまうが、茹でる前に腹の中の物全部出させりゃ、何食ってたって味は同じだ」

ならず者「だが、あのキノコの泡は駄目だ。あれは蟹自体を弱らせちまう。腹の中を出させても、肉の味が落ちちまう」

ならず者「次からは気をつけてくれ。蟹好きには良い奴しかいねえと思って、こっちは頼んでんだからよ」

そんな俺の考えを見透かしたような答え。スゲーよコイツ、俺の精子を食った蟹を食うことを自然と受け入れてる。ウリさえ出来れば誰でも良くなってる極限状態の俺でも、相手の精子が入ってる食い物を常日頃から食べようとは思わないぜ。プレイの一環ですらない食ザーの男気に感じ入って、俺もミリセントにならって正座でかしこまって蟹の足をむさぼる。蟹を食い始めてから妙に全身がパンプ気味になってるけど、俺のビルダー筋肉も蟹に喜んでるんだろうな。俺のザーメンが水辺に流される前の蟹だから、拓也じゃなくても食える優しい栄養源だぜ。

ミリセント「しかし、こんなところで君に会えるとは思わなかった。君から蟹を分けてもらえれば、王都を進むのも楽になるよ」

ならず者「なんだよ、王都に入る気か?やめとけよ、ろくなことにはならない。それともまさか、本気でエルデの王になる気なのか?」

ミリセント「そのことだが、私にも分からないんだ」

ミリセント「この世の乱れを止めたいとは思う。円卓の探索者として、みなのために剣を振るうのも、私の喜びだ。そして私の内にある宿運が何を導き出すのかも、私は知りたい」

ミリセント「だが、私には王など務まらないはずだ。友に背中をあずけ、戦うことはできても、私に人を率いる器はないのだから」

ならず者「たしかにな。お前は人が良すぎる。エルデの王なんぞ、恐れられてなんぼだからなぁ」

エルデの王様の親戚がネフェリとゴドリックなんだから、王様ってのは力こそ全てって感じのヤバいパキギメ野朗なんだろうなって想像はつく。でもそんな王様も追放されてエルデンリングも壊れたんだから、今はそういうの時代遅れなんじゃねーの?俺だったらゴドリックよりもネフェリやミリセントの方が融通効かせてくれそうでいいな。でもイエロの瞳が違法になっちゃうからネフェリが一番良いけど、戦争になったら俺みたいなのも平気で徴兵しそうで怖いし、結局はマネージャーに落ち着くんだよね。そう思った直後に疑問が湧いてきた。


拓也「聞きたいんすけど、エルデンリング直した人って王様になっちゃうんすか?」


ミリセント「なるのか?」

ならず者「そりゃあ、なるんじゃねぇの?」

ディアロス「なるだろうな」

拓也「王様になっちゃった人って、例えば外の世界から来た人とかは、元の世界に帰れるんすかね?」

ならず者「無理だろ。そう容易く代わりが利くなら、こんな世の中になっちゃいねえ」

ディアロス「これは一般教養だが、永遠の女王マリカが、稀人であったことは事実だ」

ディアロス「しかし指読みの老婆が言うには、そのマリカも今は黄金樹に閉じ込められていると聞く」

ディアロス「神たるマリカさえも閉じ込めておけるのだから、王を引き止めるなど、黄金樹にはわけないだろう」

今までやってきた事の全ての意味さえ変わりうる衝撃的な可能性に、拓也もムラムラとした焦りを感じて、ついに競パンにしまいこんでいた携帯を手に取ってしまう。スピーカーももちろんONに設定。携帯の充電ができないから滅多な事では使えないけど、エルデンリングを直しても直せなくてもこの世界から出られない可能性は、今すぐにでも伝えないとヤバいぜ!

108名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 17:09:35 ID:y8126aAk

マネージャー「どうしました?拓也?」

拓也「ウッス!エルデンリングを直しちゃうとエルデの王にされちゃって、この世界から出られなくなる可能性ってありますか!?」

マネージャー「……」


マネージャー「…それは考えてませんでした」


マジかよぉ!多分あと少しでこの激しすぎる長旅も終わるぜって時に、まさかのトラブルで計画そのものがマジ狂い!エルデンリングを直してもここから出られないなら、じゃあどうすれば出られるんだよ!?

マネージャー「この世界のルールを修復するほどの力を持てれば、その力を使って私たち自身をルールの外に出すことで、元の世界に戻れると踏んだのですが… 修復した者がエルデの王にされてしまうということは、エルデンリングを修復した者はそのルールの一部として取り込まれてしまうのかもしれませんね」

マネージャー「分かりました。どうやらギデオンと争っている余裕は無くなってしまったようですね。私もこちらで色々と調べてみますので、拓也もミリセントさんとディアロスさんとともに、まずは黄金樹へのアクセスルートを開いておいてください。何をするにしても、まずはそこまでしないと始まらないと思いますので」

拓也「ウッス、了解っす」

マネージャーとの会話が終わると、急に疲れがドッと出てきて全身が重くなった感覚に陥る。蟹茹で屋とディアロスに携帯について聞かれたけど、遠くの人と話せるカラクリですって適当に返事してネムネムの顔でシラケ気味。携帯の中に卑人なんて入ってねーよ!食欲も失せてきて蟹のおかわりもやめた。

ミリセント「君達は…王にならないのか…?」

拓也「う、うっす…なったら帰れないかもしれないんで」

ミリセント「それなら誰が王になるんだ?ネフェリか?」

拓也「わかんないっす…」

ならず者「だから言ったじゃねえか、ろくなことにならねえとよ」

ならず者「だいたい、俺みてえな小悪党まで狭間の地に来ちまってるんだ。導きには、俺たちの事情なんてものは関係無いのさ」

ならず者「もう、とっくにおかしくなってるんじゃないのかね、あの黄金樹ってやつは」

3人で蟹を食い終わったあとの消沈ネムネムマシーン拓也の隣で、ミリセントも蟹を食い終わって立ち上がる。「いい蟹だった。ルーンは多く余っているから、いくつかくれないか?」「いくつかでいいのか?茹で蟹は多くても損はねえ」「それなら、蟹のハサミを60個ほどもらいたい」っていう築地めいた会話を終わらせてから、蟹茹で屋が麻袋に蟹を入れてると、ミリセントは俺たちに向き直った。

ミリセント「なにをするにしても、マネージャーの言う通りだ。まずは、黄金樹にたどり着かなければならない」

ミリセント「それに、私達は新たな律を見出す、探求者も探すことになっているはずだ。拓也、君や私が王とならないのなら、その探求者に王を勤めさせるというのも、打つ手のひとつとしてあるだろう」

ミリセント「私でも、これぐらいは考えが及ぶんだ。マネージャーなら、何か思いつくさ」

励ましてくれるのは嬉しいけど、下着姿で蟹買ってるのに、そんなこと言ってもサマになるのはズルいぜ。拓也はイケメンだけどそれ以上のイケメンはお得だよな。「お待ちかねの蟹だ。ルーンよこしな」「ありがとう。少し足しておいた。使ってくれ」「お、気が効くじゃねえか。やっぱり蟹好きには良い奴しかいねえ」って会話が完全に海の家だし。あーあ、天気の良い日は海に行きたいな。エルデの地には太陽の代わりみたいに黄金樹が光ってるから日焼けできるかわかんねーよ。

109名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 18:42:40 ID:y8126aAk


敵も味方も戦いに浸るだけさ!  投稿者:ビルダー拓也


蟹茹で屋から大量の蟹をもらって進むと、3人で王都攻略が始まった。
焚き火にあててたから服はほとんど乾ききったし、ザーメンの臭いもさっぱり取れてスッキリした全身に、落ち込んでいた気分も少し↑が入った。思えば雨シャワー以外でガタイを洗った覚えがないし、円卓にもシャワーが無い。みんなよく平気だよな。褪せ人は汗かかないのかな?暇な時に一回、探索仲間に聞いたことがあるけど

ネフェリ「身体を洗わなかったからといって、戦に負けるわけではないだろう。蛮地では数年洗ってない者もいる。匂いには慣れている」

ミリセント「ケイリッドで育ったせいか、その手の匂いには慣れてしまったよ。それに、最も忌むべき不浄が私の内に巣食っているんだ。いくら身体を洗っても、取れるものではないよ」

ブライヴ「平気なわけないだろう。鼻が効くのも考えものだ。お前と話す時は息を止めるようにしているんだ。お前以外は大して臭わんが、お前の口は臭すぎる」

ラーヤ「はしたないかもしれませんが、生き物の臭いが強いと、食欲を感じてしまうのです。何故なのでしょう?」

なんて答えばっかりだから、やっぱり円卓にも風呂があるといいんだよね。だってシャワーを抜くのが好きな客だけじゃないみたいにさ、今のままだとブライヴが可哀想じゃん。アイツにくさいって言われて俺本気で傷ついたしな。拓也が回想に耽っていると、王都の最初の祝福に到着。とりあえず灯して休憩を入れるなりね。


メリナ「拓也、ありがとう」

拓也「は?」

ディアロス「うわぁっ!?」

ミリセント「なんだ君は!?何処から出てきたんだ!?」

するとチョー久しぶりって感じで、昔会ったクール系地味女が出現。こんな子いたなそういえばって思ったけど、さすがにそんなこと言ったら傷つくだろうから言わないようにした。でも名前が思い出せないめりね。

メリナ「はじめまして、私はメリナ。貴方たちとは、初めて話す」

メリナ「私は使命を探して、拓也と共に旅をしていた。拓也は黄金樹との繋がりが全く無いから、私のことには気付かなかったけれど」

メリナ「それでも、貴方たちと力を合わせて、私を黄金樹の麓に連れてきてくれた」

メリナ「だから貴方たちにも、礼を言いたい。ありがとう」

とりあえず敵じゃないってことは分かったみたいで、ミリセントとディアロスは武器を構えないでいてくれてる。まぁ見た目は普通の女の子だし、これで襲っちゃったら犯罪だよな。

ディアロス「…出てきていきなり、そう言われてもな…」

ミリセント「君に礼を言われるようなことは、あまりしてやれなかった気もするが、礼を伝えられたなら、受け取っておくよ」

メリナ「拓也、ここなら、私も自由に動ける」

メリナ「…だから、私は、私の使命を確かめに行く。貴方達とは、もうお別れ」

拓也「お別れって言っても、俺たち会ったばっかりじゃん」

メリナ「貴方から見れば、確かにそうかもしれない。でも確かに、私たちは旅をした」

そう言うとメリナは立ち上がって、身体から青い光の粒を出しはじめる。
え?もう帰るの?何しに来たんだよ?メリナの身体は少しづつ薄くなってきた。

メリナ「貴方達が、使命を成就できるように、拓也にも、円卓に戻れる力ぐらいは、残してあげられる」

メリナ「貴方達はきっと、王を見出せる。エルデンリングを掲げる、エルデの王を」

ディアロス「待ってくれ、貴公は確か、拓也とずっと共にいたと言ったな?」

メリナ「?  ええ、そうよ」

ディアロス「ははは、それは大変だったろう?」

ディアロスが笑うと、メリナの身体が急に元に戻って青い光も消える。
それからまた座って、ジトッとした眼を向けてくる。

110名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 18:44:56 ID:y8126aAk


メリナ「……ええ、まぁ」

ディアロス「色々と妙なことをするからな、拓也は。たまにはうんざりする時もあったんじゃないか?」

メリナ「……あった」

拓也「なんなんすか!やめてくださいよ!これセクハラじゃないっすか!」

メリナ「正直に言う…あなたには優しさがあるけれど、浅はかで、下品で、汚すぎる。マネージャーにお尻にお酒を入れられたり、イエロの瞳を吸わされたりしても仕方がない」

ヤバいぜこの子、エンジンが入ってきた。
吊し上げられる前になんとか話題を変えたい拓也だけど、新しい話題が思いつかない。
そんなのすぐ出てこねーよ。

ミリセント「日頃の行いが悪いからだぞ、拓也。…ただ、今の話もそうだが、マネージャーにも良くないところはあると思う」

メリナ「すぐに叫び声を上げるし、乳首をいつもいじってるし、何かあったらすぐ撒き散らすし、みんなも何度か、貴方のせいで死にかけた」

メリナ「もうしないでほしい。反省してほしい。もっと真面目にやってほしい」

拓也「真面目にやってやってんだよこっちは!」

ミリセント「すまない拓也…少なからず、私も同じ意見だ…」

ディアロス「ツリーガードとの戦いであんなことをしておいて、よく真面目などと言えたな」

おかげで蟹が買えたじゃんって反論もしてみたけど、そんなの偶然だろってあっさり斬られる。なんだよ、結局俺を批判するのが目的なんだよな。今までの旅でも単なる「変なペット」感覚として付き合ってくれていただけだって言って拗ねたら「そこまで言うつもりじゃなかったんだ、すまない」ってミリセントは謝ってくれたけど「そんなこと言ったら付け上がる。勝手に盛り上がってまた変なことをする」ってメリナが釘を刺してくる。少しは俺のこと信じてくれてもいいのにさ。結局そのまま言われたい放題の10分間が続き、メリナは満足して消えていった。アイツ何しに来たんだよ?

111名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 18:50:46 ID:y8126aAk

俺への弾劾が終わってようやく休憩も終わり、王都探索をスタート。
部屋から出て少し階段を下ると、すぐに冗談みたいな光景が見えて「マジか!」と叫び声を上げる。視界の隅まで金色の屋根の建物が建ち並んでて、水路や大通りには黄色い葉をつけた木が植えられてる。奥にはローマのコロッセオみたいなのが見えて、左の方にはチョーでかい城と、城よりもバカデカい黄金樹が立ってるし、その黄金樹をギン目で睨みつけたままのドラゴンが、ゴジラみたいに街を踏んづけて固まってる。バリ島はきれいだったけど、王都は綺麗なんてもんじゃねえぜ!

拓也「うわ…すぅっげ…やべーなコレ!」

ミリセント「これが、王都ローデイル…」

ディアロス「あれはグランサクスか…王都に槍を突き立てた伝承は、本当だったのか…」

激ヤバのモロファンタジーな空気に気圧されそうになっていると、ミリセントが剣を掌でクルクル回して、なにか確認を終えたみたいに「よし…行こうか」って拓也とディアロスに振り返る。ここまで来て引き返すのは無しだぜ。意を決した俺も、ディアロスとミリセントの3人で、城壁沿いの階段を進んでいく。

すると現れたのは、マシュマロを縦に並べたようなラッパ吹きだ。いきなり出たなって感じで武器を構えるけど、ミリセントが手振りで待ったをかける。よく見るとマシュマロは、ラッパを吹きまくってるだけで襲ってこない。「なんで襲ってこないんすかね?」「こちらに気付いていないだけかもしれない」とヒソヒソ話してると、ミリセントがマシュマロにゆっくり近づいていって、後ろから頭にポンと手を乗せた。

信託使者「パッ!」

振り返ったマシュマロは、ミリセントを見てラッパからヒドイ音を破裂させたあとに、ラッパを落として口元に手を当てて震え始める。

ミリセント「あっ、すまなかった、驚かせるつもりはなかったんだ」

拓也「ゲロ吐きそうなんすかね?」

ディアロス「どうだかな。毒を吐くのかも…」

震え続けるマシュマロが、今度はミリセントの手をとって両手で包んでから、ラッパを拾ってチョー綺麗な、そんな音どうやって出してんの?ってくらい綺麗な音を出すと、遠くからはデカいマシュマロや小さいマシュマロがクルクル回りながら近づいてくる。「増援を呼んだんだ!罠だ!」ってディアロスの声に、ミリセントも剣を構えていつでもミキサー攻撃を打てる姿勢に入る。

でもマシュマロはミリセントの前で、一斉にラッパを床に置いて祈り始める。これどっかで見たよな?って、乳首をこねくり回したい衝動を必死に我慢しながら思い出してると、ディアロスが先に思い出した。

ディアロス「日影城だ!あの時と同じことが起こっている!」

ミリセント「あの時か…それでは、彼らもマレニアの信奉者なのか?」

ディアロス「祈りを捧げているということは、そういうことなのだろう」

始まって早々ついてるぜ!マシュマロ達はミリセントに祈り終えると、ラッパを抱えて一斉に散っていって、そこら中にラッパを吹くと中から金色のシャボン玉が出て、奧に転がってる石像をシャボン玉で粉々にしていく。そのまま城壁の上から街に向かって一斉にシャボン玉をばら撒きまくって、騎士、兵士、小さい石像を次々に爆撃。頭上からのシャボン玉レイプに下の奴らがなす術もなくガン掘りを強要されていく。すげー強いけど何考えてこんなことやってるのか分からなくて、うわー、て感じのディアロスとミリセントの隣で、拓也の背筋にも寒気が走る。絶対それ楽器じゃねえよ!

マシュマロの爆撃が終わったあとは、家具壊れまくり焼けまくり、白目剥いて人死にまくりの中を歩いていく。デカい盾を持った騎士とかも濡れ雑巾みたいに伸びてて、これと戦わなくて良かったと思う反面、ミリセントがいなかったらマシュマロも敵に回ってマジヤバかったと首筋に鳥肌が立つ。でもシャボン玉の爆撃の範囲は意外と狭くて、蟹を歩き食いしながら大通りに出ると、そこから先は手がつけられていない王都が広がる。

そのまま進むと、空から家くらいはある大木が降ってきて道を塞いでくる。どこから落ちてきたんだって疑問に思ってると、大木には手と脚が生えてて、ラダーンの大剣よりちょっと小さいくらいのデカハンマーを持っていた。どいつもデカい武器持ちやがってさぁ、殺すの好きな客だぜ。

112名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 16:59:48 ID:HS5rc7F.

ミリセント「これは、小黄金樹?…動いて、武器まで持ってる…君は何か知らないか?」

ディアロス「小黄金樹から生じる化身である以外には、何も知らないな…しかし、こうして実物を見ることになるとは…」

拓也「やっぱヤバい奴なんすか?強い?」

ディアロス「この分だと、強いなんてものでは無さそうだ…可能なことなら戦いたくはないが、こうも道を塞がれては、やるしかないか…」

とうの黄金樹からはまだまだの距離だけど、たぶんしばらくは強敵と連戦しまくりだぜ。と思いながら、あー、さっき食った蟹が気持ちいい。木の化身は両手に持ったハンマーを揺らして樹液の匂いをムンムンに溢れさせながら俺たちに向かってくる。そしてディアロスが盾を構えた瞬間に、盾に向かってハンマーをぶん回して、ディアロスが防ぎつつ後ろにスライド。無言で機械的に襲ってくるのが一番怖い敵だと分かったぜ。

「まともに受けるのは危険だ!壁に追い詰められるぞ!」って言ってるミリセントは木の化身の脚を蹴ってから壁を蹴って、化身の肩あたりにくっついた。すっげー!スーパー・マリオの壁キックじゃん!そのまま剣で斬りつけるけど、この木めちゃくちゃ硬いぜ!ミリセントの剣がまともに通らないって相当だな。「剣が刺さらない!?」ってミリセントも焦ってるし、いつものようにピンチな展開だ。

ディアロス「植物が相手なら火が効くはずだが…火なんて持っていないぞ…!」

ミリセントが木の肩あたりで剣をカンカン打ち付けてる間に、ディアロスも脚にムチを飛ばすけど、ミリセントが斬りまくってるせいか完全に無視されてる。ミリセントの方はというと払い除けようとする手を避けながら斬ってるから早くも息があがってて限界が近い。オレもどうすればいいのかを乳首つねって捻り出そうとするけど、良いアイディアはこんな時に限って全然全く来てくれない。木の化身はイライラが頂点に達したみたいで、ハンマーから金色の粉を舞わせて振り上げる。ヤバいと思った時にはすでに振り下ろされてて、ディアロスは転がって避けたけどミリセントが金色の爆発に巻き込まれた。

地面に落ちたミリセントに今度は光の雨が降り注ぎまくってそこらじゅうピカピカ光りまくりだし、化身の図体も邪魔だし、もうどこにミリセントがいるのかわかんねー!「やべえよ!撃たれまくってる」って俺の言葉も無視してディアロスが化身のケツをムチで責めると、ケツマンは敏感だったみたいですぐに振り返ってハンマーを落としてくる。そのハンマーをまともに防いだディアロスはぶっ飛びダウン。壁に背中を打ち付けて動きが鈍くなる。使える戦力はまた拓也だけ。

そんな状況でも乳首をつねるのをやめなかった俺にまたしても運命の女神が微笑んで、ついに俺は新テクを開発!倒れたミリセントの方に振り向こうとしてる化身をギン目で挑発したあと、その場でズボンと競パンを脱いでチンポ丸出しなり、走って近づくと腹に力入れて思いっきり化身の脚に小便をぶっぱなした。その瞬間に化身くんも感覚がぶっ飛んだらしく、その場でガクガクと痙攣をはじめて動けなくなっていく。

ディアロス「なっ…なんだ拓也…貴公は何をした?」

ミリセントが起きる前に急いで競パンとズボンを履いてると、ディアロスがふらつきながら聞いてくる。

拓也「俺の小便には何十種類ものキメものが混ざってるんすよ。キメションを根っこにかけて吸わせてやったぜ!」

拓也「あ、キメものっていうのはドラっす!薬物のことっす!」

俺がタネを明かしてる間に、化身くんも種を吹き出したみたいで、その場でガクガク痙攣しながら全身の色んなところから花を咲かせて花粉まみれにしている。気持ちよさそうにイキ狂ってるぜ!植物ってマジ淫乱!

ディアロス「馬鹿な…貴公がやっていた薬はイエロの瞳のはず…そんなものでここまで…」

ディアロス「…いや、そういうことか!貴公はこの世の外から来た者。つまり貴公の小便もまた、この世ならざる物なのか」

ディアロス「全身に回った異物から、自らの種子を守ろうと抵抗しているのだ!」

マジ?化身くんにとっては、俺が違ドラってこと?そうと分かれば容赦はしない拓也は、ミリセントが起きる前にまたチンポを露出させると小便の残り汁をかけて、今度は全身をリラックスさせた状態から喉に手を入れて刺激を入れ、根っこにゲロをぶち撒ける。化身の痙攣が一層激しくなってついにハンマーを保持出来なくなって落とし、身体を倒れ込ませる。こいつ効きまくりだぜ!ミリセントはもう少し奥に倒れてるから、潰される心配も無いし、これで全力を出せる!拓也にケツを向けてダウンしたのが運の尽きだぜ!

俺はグチュグチュになった化身のマンコに近付いて、指ですっと撫でるとビクンという痙攣とともに、寒天みたいなドロドロが大量に粘りついてくる。脚もピーンと伸びきって、こいつもうトロトロじゃん!淫乱に受け入れ体制が整っている化身のマンコは、あんなに硬かった樹皮をグニャってふやけさせている。ここまで整ってるんだから挿れてやらないと可哀想だよなって思いながら、俺は思い切りチンポぶち込んで腰をつかい始めた。

ディアロス「え…おい…何やってるんだ…?」

拓也「見て分かること聞くんじゃねーよ!セックスだよ、セックス!」

ディアロス「き…貴公、既に狂っているぞ…」

113名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:01:06 ID:HS5rc7F.

蟹を食って元気が出てるせいか、いつもよりチンポがギンギンに硬くなってて、ふやけてグズグズの化身の雄膣はいとも簡単にガン掘りされ、樹液くさい愛液と一緒に木屑を噴き出していく。「おら!もっと鳴いてみろよ!」って拓也にSが入って腰のグラインドを激しくすると、バキバキといって化身のマンコが崩壊、ガバガバになっていく。「ふざけんじゃねーよ!締め付けろよ!」調子が出てきた時に圧力が無くなってチンポの血流が一瞬緩む。化身のキツマンはもうスカスカであっという間に開発が終わった。しょうがないから今度は頭を突っ込んでサメみたいに回転してやろうと考えてると…

ディアロス「ミリセント!大丈夫か!?」

ミリセント「う…かなり撃たれたようだ…手を貸してくれないか…」

ミリセントの意識が戻って、ディアロスに介抱されていた。俺の目的は化身くんを湿地帯の木造小屋マンコに改造することじゃなくて、倒すことだったんだって正気に戻る。こうしちゃいられないから急いで濡れまくりのチンポを化身の脚に擦り付けて拭くと、化身の開発済み雄膣に俺のケツマンを密着させ、思い切り力んで糞を叩き込むと化身に雄鳴きが入る。

黄金樹の化身「ンオオォ〜!あおぉぉーっ!おーっ!」

ミリセント「これは…泣いている、のか?」

ディアロス「拓也が今、筆舌に尽くしがたい冒涜を、奴に行っているところだ…」

ミリセント「冒涜…? まさか…」

懇願するような雄鳴きを上げながら俺のクソでマジ狂い!植物なだけあってスカトロ趣味なんだなって感心しながら、また追加で小便をかける。うつ伏せの大の字でブルブルと振動しながら、全身から愛液を流しまくって感じまくりイキまくりの淫乱大樹野朗に堕ちたところで、身体中から湿ってグジュグジュになった木片を垂れ流し始めて、全身が崩壊を始める。

ミリセント「哀れだ。ひと思いに、楽にしてやろう」

化身くんには、人間だったら頭があるはずの所にデケー穴があったけど、ミリセントはそこに入っていって、グズグズの木の中でミキサー攻撃をぶちかます。全身雄膣になってるところを体内から掻き回されて、化身くんは一際大きく鳴くと粉々に砕け散った。ミリセントは猛烈な剣の勢いで化身くんの愛液を弾いていたから全然濡れていない。一方俺は全身愛液まみれで、化身くんの快楽を自分のものであるかのように妄想して胸筋を撫で回し、乳首を吸っていた。ギリギリで競パンとズボンは履き終えてたけど、そのチンポは勃起していた。

ミリセント「…君…なにやったんだ? …その様子だと、また変なことをしていたのだろうけど…」

拓也「うおーっす!うーっす!うぉ…あ、すいません!」

拓也「あいつキメションが弱点だったんで、小便とか糞とかとにかくぶち込んだらイケると思ったんで、やってみたんすよ」

ミリセント「糞…!?」

ディアロス「糞までか…」

ミリセント「なっ、なんてことをするんだ!中に入って斬ってしまったじゃないか!体についてないだろうな…」

拓也「全然服とか汚れてないんで、大丈夫じゃないすか?」

黄金樹の化身をレイプし尽くした拓也達は、まだ探索の途中だったんで進行を再開。ミリセントは自分の服とか腕とかをクンクン嗅いでる。俺のザーメン被った時は平気な感じだったのに今はやたら気にしてるから、きっと興奮してる時は細かいことを気にしなくなるんだろうな。ネフェリが今ここにいたら、敵の名誉を汚しすぎだとかでお説教コースだ。

114名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:05:28 ID:HS5rc7F.

大通りを歩いていくと正面に兵士と騎士の3人組が見えてきて、その奧にデカい扉が見えるけど、どうみても開きそうにないから3人組を無視して手前の階段を登る。でもさぁ、登った先が行き止まりだったらどうなんだよぉ?不安は外れたけど、フル装備の騎士と兵士が10人以上?20人以下?も歩き回ってて、いきなり見つかったから先制攻撃でミリセントが二人くらい瞬殺したら一斉に襲いかかってきた。デカい矢はディアロスが盾で弾いてるけど
、俺はデカ剣を振り回してる騎士に追いかけられてマジ斬られるなって時に、ミリセントが割って入って斬りまくり。敵が多すぎて対処できねーよって逃げまくってるところに、またしても新テクを開発!

ローデイル騎士「弧゜ッ!」

ミリセントを二人がかりで追い詰めてる騎士の一人の後ろから忍びよって、兜の口の部分にイエロの瞳をねじ込んで食わせたら騎士がマジ狂い!ミリセントや俺に剣を振り回したあとに、味方の騎士の腹を大剣で犯してから味方の兵士に突っ込んで斬りまくる。敵も味方も戦いに浸るだけさ!イエロの瞳をキメた騎士は兵士全員を5人くらい斬り殺してから、血まみれでディアロスに襲いかかって行ったけど、足元がフラフラなところを首に鞭責めを食らってマジ逝き!その場に倒れ込んでピクピク痙攣したまま動かなくなる。

集団を撃破した後に周りを調べると、奥に壊れかけの石像と兵士が何人か居ただけで行き止まりだったし、反対側にはブレードライガーがいてマジやべーよ!街中に猛獣を放つなよな!このまま戦っても余計な深傷を負うかもって、一旦撤退して元来た階段を戻る。そしたら階段のとなりに横道があって先に進めることが判明。無駄な殺生したぜ。

横道の入口前で待機してる兵士をミリセントが剣で首ファックすると、道の奥の騎士がデカ弓矢を撃って挑発してくる。こっちが大盾を構えたディアロスを先頭にして近づいていくと、騎士のやつらは剣を構え始めて、その隙にディアロスの大盾タックルが炸裂!バランスを崩したところにミキサー攻撃をぶち込んで、となりにいた白い服きた奴と一緒に瞬殺。だいぶコンビネーションもサマになってきてて、アメリカの特殊部隊な気分になってくる。

特殊部隊と化した3人は梯子を降りて下水道を通過。真っ直ぐ行くと、チョーデカいドラゴンの翼の影になってる区画に出る。そのまま降りると、両手に角栓のついた鼻パックみたいなデカ棍棒を持ったムキムキガタイの男が立っていた。

またヤバそうなヤツが出てきたなって思う暇もなく、男は両手のデカ棍棒でディアロスを盾ごと弾きとばして、ミリセントに炎を吐いてくる。でも盾で攻撃を防ぎきっていたディアロスからのムチに背中を犯されて大量出血。その隙をミリセントに突かれて腹と首を斬られてダウンした。ディアロスが聖杯瓶を一杯あおると、建物の中に祝福を発見。みんなで囲ってからひと休みだぜ。

ディアロス「難敵ばかりだ…このままでは保たないぞ…」

ミリセント「ああ、覚悟はしていたが、これほどの連戦は流石に堪える。…ともかく、黄金樹への道を見つけるまでは、進むしかないが…」

拓也「ウッス!頑張ろうぜ!」

ディアロス「ははは、貴公は気楽でいいな…」

115名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:15:17 ID:HS5rc7F.

休憩中に3人で蟹をしゃぶり、殻を捨てて探索再開だぜ!
今度は祝福を出た先にある梯子を降りてみると、また地下道に出る。壁に手の形の化け物が張り付いていたけど、そいつは無視して大部屋に入る。部屋の中の騎士が立ち上がるとディアロスとの盾のぶつけ合いが始まって、後ろに回り込んだミリセントが騎士の首を掻き切って終了。外に出たら直後に地面が爆発して、皮を剥いた腐ったトカゲを大きくしたみたいな奴が出てきた。チョーグロ!バイオハザードじゃん!

ディアロス「今度はなんだ!?」

ミリセント「ここでは狭すぎる!走り抜けるぞ!」

ミリセントの提案に即座に乗った俺達は、ゾンビがうろつく家々を通り抜けながら、後ろから迫ってくる腐れトカゲを蒔こうとするけど、アイツ建物壊しながらゾンビも潰して血だらけで襲ってくるからマジ怖い!一瞬食い殺されることを覚悟したけど、なんとか倉庫みたいな場所に入って九死に一生を得る。

と思ったら部屋には兵士がたむろしていて一斉に壺を投げてきた!地面や盾に当たった壺からは電気がバリバリ流れまくって、そこら中光りまくりで前が見えねーよ!九死に一生が十死になるかと思ったけど、ミリセントがミキサー攻撃で特攻を掛けて四人くらい斬り倒すと状況が一変。壺攻撃が素早いミリセントに集中して外れまくってる間に、ディアロスがムチで兵士を調教。一人ずつ出血イキさせて全滅させた。次から次に激戦しまくりで、王都は戦力が尽きることがねーな!

部屋から伸びてる梯子を登って上に出ると分岐点。右のドアの奥には騎士が弓矢を持ってギン目で警戒している。見て分かるとおりの罠にウンザリしてると、左の階段を登っていたミリセントが祝福を発見。マジ助かるぜ。このまま休まず進んでたらマジで身がもたねーよな。

ミリセント「はぁ…」

ディアロス「…提案なんだが、今日はもうやめにしないか?体の疲れは祝福で取れるが、それでも疲れてきたぞ…」

ミリセント「いや、やはりこのまま行く方がいいだろう。私達は、いわば不意を打ってここまで来てるんだ。今引いてしまえば、私達を退かせるための備えが、整ってしまうかもしれない」

ミリセント「そうなれば、次は入ることすら出来なくなるかもしれない…それは避けたいんだ」

ディアロス「そうか…」

拓也「ウッス!俺はまだいけまっす!」

ディアロス「なにがウッス!だ…何にウッスって言ったんだ…」

ミリセント「フッ、君はまだ元気そうだな。これからも、そんな君であってくれ」

目に見えて疲れが出てきたけど、もうちょっと頑張るぜ!
実は俺も空元気なところがあったけど、蟹をつまみながらミリセントのちょっと疲れた微笑と、加虐心をくすぐってくるディアロスの疲れ顔を見ているうちに本当の元気がまわってきて、これから出会う王都のたくさんの強いペットたちにムラムラ闘志を感じる。

休憩を終えたあと、罠としか思えないドアを潜るとデカ矢が飛んできてディアロスの盾に弾かれる。そのままディアロスの後ろに隠れて進むと、弓矢を構えてた騎士を含めて3人も騎士が攻撃してきて、ディアロスの盾がついに限界を迎えてぐらついて来る。でも騎士がディアロスの盾を斬りまくってる間に、ミリセントはディアロスの背中を踏み台にして、騎士たちの真上にジャンプしていた。

それからは頭上からのミキサー攻撃で一人の騎士が即逝きしたけど、残りの二人は盾で防いでいたみたいで、一人がミリセントの義手に剣を叩きつける。ミキサー攻撃が中断されてヤバい!ってなってるとディアロスが一人の騎士の脚にムチを絡ませて、そのまま引き倒してダウン。2対1からタイマンになったミリセントは、騎士の盾に隠れるようにして騎士の視界から姿を消し、相手の背後に回り込んで背中をひと突き。一方ディアロスは起きあがろうとする別の騎士の頭に、何度もデカ盾の尖ってるところを叩きつけまくってKOしていた。

騎士達を倒してさぁ奥の門を開けるぜってなったけど、ガチガチに固められててビクともせず断念。しょうがないから動かないままになってるデカい竜の翼を伝って上に登っていく。これ途中で動いたりしないよな?って不安に反して、翼は途中で折れていた。「コイツやっぱ死んでるんだな」って言いながら、翼から降りた先にある瓦礫に着地。そのあとまた梯子を登って、黄昏ている騎士をディアロスがタックルで突き落とす。壁に隠れてた兵士の不意打ちもミリセントに見透かされて、外れた直後にミキシングされて死んだ。一人相手にマジエゲツないぜ。

116名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:21:47 ID:HS5rc7F.

また祝福についたけど、蟹はさっき食べたばっかりだから5分くらい3人で川の字にk寝転がって休憩。終わったらまた進んだけど、早くも目の前に、さっきの化身くんと同じくらいデカい石像が武器を構えて止まっている。またとんでもねーのが出てきたなぁっていい加減慣れてきた拓也の隣で、ミリセントが前を指差した。

ミリセント「あれは…最初に会った笛吹き達じゃないか?」

ディアロス「おお、彼らか!ありがたい。助力を頼めないか?」

ミリセント「やってみよう。何か投げるものは無いか?」

ミリセントに言われて、俺は床に這ってある木の根を折ってミリセントに渡す。ミリセントが木の根を投げると、3人組のマシュマロのひとりの頭にボヨンと当たって、3人が振り向く。その3人にミリセントがおいでおいでってジェスチャーをすると、3人で両手をあげてなんか喜び始めた。嬉しいのは分かるけどさぁ、早く来てくれよなっ!て俺の焦りが伝わったのか、3人組はクルクル周りながらミリセントに近づいてくる。雪だるまみたいなのが近づいてきたから、シュールだったぜ。

ミリセント「来てくれて礼を言うよ。君達に頼みが…」

ミリセント「いや、はは、分かったから、話を聞いてくれないか」

マシュマロ3人組は、有名人の追っかけみたいにミリセントに両手の握手を求めたり、笛を吹いて祈ったりを始める。まぁミリセントも、コイツらにとっては神様なんだからしょうがないよな。イエス・キリストが、地上に舞ぃ降りたら、みんな仲良くなって、平和が来るのかもね(笑)

どうにか3人組をおさめてから、さぁ石像をどうするかってガタイ考察を始めようとしたら、3人組の1人が石像の真後ろを通過する。そんなことしていいのかよ?って心配をよそに、他の二人のマシュマロも続いていく。「あのガーゴイル像、まさか、背後は警戒していないのか?」ってディアロスが呟くけど、試しにミリセントも3人組に続いてみたら本当にセーフだった。ミリセントが👍サインを出してから、俺とディアロスも続く。敵かと思ったけどただの置物みたいで楽勝だな。

でも通過した先には、黄金樹とは関係ない方向に続く道と、黄金樹のある方向には伸びてるけど、道ですらない木の根が生えている。その根っこの上を3人組が渡って行くんだからたまんねー!こんな木の根を街の交通網にするんじゃねーよ!って愚痴が喉まで出かかる。

木の根の上には花を背負って眠ってる奴らがいたけど、そいつらをマシュマロは片っ端からシャボン玉で爆撃レイプして、根っこの上から突き落としていく。敵意があるかも分からない奴らにさえ全く容赦が無いからマシュマロのことが怖くなった。ミリセントはかわいい者たちじゃないかって母性をくすぐられてるけど、ディアロスと俺の意見は不気味で一致してるんだよな。

117名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:28:11 ID:HS5rc7F.

木の根を上がり切ると神殿みたいな建物に到着。黄金樹がすぐ目の前まで迫ってて、激光りの威圧感を放ってくる。やっとここまで来たぜって想いと同時に、仕事も終わったから早く祝福で休みたいって気分になり、早く建物に入ろうぜってミリセントに言う。マシュマロ3人組も建物にクルクル入って行った。でもミリセントは黙ったまま、黄金樹を見上げていた。

ミリセント「…ついに、ここまで来たんだな」

ディアロス「ああ、かなり大変な道のりだったが…ともかく、生きているだけで私には十分だ」

ミリセント「十分か…黄金樹への道を開いた後も、やらなければならない事はあるが、たしかにそうかもしれないな」

ミリセント「今日は特に長い一日だった。黄金樹についたら、円卓に帰ろう」

ミリセントの微笑みに俺とディアロスも綻んで、なんか良い雰囲気になってくる。ウリ仲間との筆休めキャンプを思い出すけど、あの時よりも気分の↑も高くて、やっぱ休憩の一番のスパイスは激しすぎる肉体労働なんだよな。俺も早く帰ってイエロの瞳の仕込み作業に入りたいぜって、思わず乳首を弄りつつ建物に入ると、金色の煙がもと来た道を塞いできた。

ミリセント「え?」

ディアロス「霧が!?」

拓也「マジかよぉ!」

ハメられた!入口にバリアを張ったな!
気付くと部屋の真ん中から光りが迸ってるし、3人組もラッパを構えて戦闘体制に入る。
こりゃやるしかねーなって気力振り絞って腹をくくり、拓也もミリセントとディアロスと一緒に武器を構える。そして目の前の光から現れた超絶ガタイの金ピカ男を見て、ディアロスが両膝をついた。

ディアロス「ば…馬鹿な…こんなことが…」

ミリセント「どうした?敵が現れたんだ、早く立ってくれ」

ディアロス「無理だ…勝てない…」

ミリセント「どうしてそんなことを…それとも君は、あれが何か知っているのか?」

ミリセントが指指す先にいる金ピカビルダーは、バカデカい斧を持ち上げると、ゆっくりと歩いてくる。
ディアロスはそんなビルダーに屈服した眼を向けていた。


ディアロス「あ…あれは戦王…」

ディアロス「…最初の王、ゴッドフレイだ…」


予想外すぎる急展開にいきなり希望を打ち砕かれて、拓也のメンタルマジ狂い!ミリセントも額から、目に見えて分かるくらいの汗を噴き出して、金ピカビルダーに驚愕の顔を向ける。目の前にいる3メートル超えの男は、ネフェリとゴドリックに父祖って呼ばれてるあの最初の王だ。円卓でイエロの瞳の栽培に戻る夢はゴッドフレイに踏み躙られ、王都ローデイルは俺達を、徹底的に俺達をしごきあげる。

118名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:36:24 ID:HS5rc7F.


【今日は3死合】


王都を登りきったあと、突然現れたゴッドフレイにハードな調教を受けることに。ディアロスがガンガン斧を叩きつけられてる最中に、ミリセントがマシュマロ3人組に協力要請。今度はマシュマロのシャボン玉攻撃にドバドバ爆撃されたゴッドフレイは、足踏みを一発キメるだけで床をめくり上げて、シャボン玉を破片で掻き消してくる。そのあとガッツリ踏み込んで斧をぶん回してマシュマロの一人を即逝き!そのあと、上下から飛びかかってくるミリセントとディアロスを斧の腹で弾き返してまた足踏みを挟む。マジ近づけねぇっす!

今日はただでさえ戦いまくり走りまくりで、パンパンに全身パンプさせてついでに臀筋も乳酸でプリケツになってるのに、おまけにこんな奴まで出てくるとかマジでイカれた街だぜ!非常識なくらい強い足踏みで床がグチャグチャになるなかで、振動を避けるために柱にしがみついてセミ拓也ができあがる頃、マネージャーからの着信。出てみると無言でワン切りされる。間違えて電話かけてきやがったな!

ミリセント「だめだ!近づけない!挟み討ちにするんだ!」

ミリセントからプランが飛んで、ディアロスは盾を構えてゴッドフレイの背後に、ミリセントは前方に移動して、すでに戦闘体制の身体に茹で蟹を補いカニギメ状態に到達。その蟹ってただのメシだけど、戦ってる最中に食って腹壊さないのかな?でも緊迫した雰囲気で一飲みにしてたから、俺も一応食っておいた。

ミリセント「来い!」

とミリセントが言ってる間に、俺のガタイもパンパンに張っていく。蟹の効力がビルダーガタイを補うための筋肉増強剤だってことが分かったぜ!ミリセントの作戦が蟹パンプして自分のガタイをエロくすることで、テンションに↑を入れることだったのは分かったけど、ミリセントはゴッドフレイに突撃するも突き出した剣を斧に阻まれて、押し返されながら頭突きでぶっ飛ばされる。それだけで一気にゴッドフレイはガン責めモード突入だ。突撃には突撃を、突きを出したら突きをやり返され、激デカ斧で壁に追い詰められるミリセント。

後ろから責めようとするディアロスには、ドカドカと足踏みの床爆発が入りこみ、全く近づけない。二人のマシュマロがゴッドフレイを爆撃すると、奴もチョーデカい二の腕にギン盛りの血管をこれ以上モッコリできないくらいに浮き出させ、そのまま斧をぶん回してマシュマロの一人を真っ二つにする。その一瞬の隙に、ミリセントが全てを叩き込むかのような猛烈なミキサー攻撃を仕掛け、ゴッドフレイの金色のガタイを削っていく。

ディアロス「今だ!」

ミキサーアタックで一瞬怯んだゴッドフレイの背中にムチ責めを入れて、そこに最後の一人になったマシュマロのシャボン玉が合わさって、トライアングルで責めまくる形が完成。このままイケるぜ!って思った拓也は甘かった。

ゴッドフレイがミリセントの頭に縦振りの斧ファックを仕掛けると、ミリセントはそれを回避。でもゴッドフレイは構わずにミリセントに向かってまた斧を縦振りする、はずだった!ミリセントに向かった斧はグルンと180度向きを変えて真後ろのディアロスに直撃。胸をザックリいかれたディアロスは、大量に血を噴いてから倒れてうずくまる。

拓也「やべー!」

ミリセント「そんな…! ディアロス!」

焦ったミリセントがディアロスに駆け寄ろうとするも、デカ斧の横振りに行く手を阻まれる。「君!ディアロスを頼む!死なせないでくれ!」って言葉を、マシュマロは聞き逃さなかった。ミリセントの言う通りにディアロスを背負って、そのままクルクルと部屋の隅に逃げるマシュマロを目で追いながら、俺も戦わなきゃいけないと思いつつも、ゴッドフレイの3メートル級の超絶ビルダーガタイに気圧されて拓也は勇気が出ない。苦し紛れに「俺達ネフェリの知り合いなんすよ!やめましょうよ!」って言っても完全に無視される。

119名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:46:59 ID:HS5rc7F.


ミリセント「貴方の敵は私だ!」

そしてついにミリセントとゴッドフレイの一騎討ちが始まってしまう。シュワちゃん以上?ロニーコールマン以上?の圧倒的ガタイの前には、細身のヅカ系ミリセントが更に小さく見えて、俺の不安をさらに掻き立てていく。ゴッドフレイからのタックルをまずはかわしたミリセントが、反撃に出ようとしたところを足踏みの衝撃で転倒。そこに斧の追い討ちが入って、ミリセントは咄嗟に義手で防いだけどそのまま叩き潰される。ミリセントを義手ごと押さえつけるデカ斧に更に太腕が叩き込まれて、ミリセントは顔を真っ赤にしながら目も口もギュッて閉じて耐えてるけど、どんどん押し潰されて胸に斧の刃が触れた。瞬間、飛び降りた拓也の剣が、ゴッドフレイの頭に当たった。

全然効かねー!ビルの壁を木の棒で思いっきり殴ったくらいのヤバい感触と一緒に、とんでもない痺れに襲われて剣を落とした拓也に、ゴッドフレイのピンタが飛ぶ。拓也の顔面3個分はデカい手に脇腹を殴られた拓也は、そのまま8回転くらいしながら部屋の隅に飛んでいく。一瞬負担が軽くなったミリセントが抜け出そうとしたけど、再び斧に太腕が掛かって拘束される。ディアロスも壁際でダウンで、俺の意識も朦朧としてるところで、シャボン玉がゴッドフレイの背中で爆発した。

使える戦力はマシュマロだけ!
最後の一人になったマシュマロがゴッドフレイの背中に次々とシャボン玉をぶつけていくと、ミリセントが解放されて、代わりにターゲットがマシュマロに向けられる。ゴッドフレイはデカ斧を構えて一気にジャンプ。着地と同時にマシュマロの片腕を斬り飛ばす。片腕を落とされて転けたマシュマロはそれでもラッパを吹き鳴らして、近づいてくるゴッドフレイの顔にシャボン玉を当てていく。そしてデカ斧がマシュマロの胴体を押し潰した瞬間に、背後からのムチ責めがゴッドフレイの首に決まった。

復活したディアロスに首を斬られたゴッドフレイは、ビルダーのトレみたいに斧を持ち上げたあとに、ようやく力尽きてダウン。そのまま光の粒になって消えていく。ディアロスの傷は綺麗に塞がっていて、片手には空っぽの聖杯瓶が握られていた。

ディアロス「はぁ…はぁ…倒したぞ…この私が、あの戦王を…!」

ディアロス「見ましたか…兄上…私はやりましたぞ…」

肩で息をするディアロスがその場にへたり込むと同時に、ミリセントがヨロヨロと起き上がってその様子を見たあと、俺の方に駆け寄ってきて名前を呼んでくるから「うっす、生きてまっす」と答える。ミリセントは安心したような顔に一瞬なって、それからマシュマロが倒れている方へ駆けていく。俺は猛スピードのトラックに撥ねられたみたいにぶっ飛んだ割には軽症で、全身打撲と肋骨が一本いかれたぐらいで済んでいた。蟹でエロ筋肉を全身パンプしておいてよかったぜ。

ミリセント「…すまない…私が不甲斐ないばかりに、お前たちをこんな目に…」

キツすぎる戦いを追えた後の拓也とディアロスが、マシュマロの様子を見に行くと、片腕と下半身が無くなってるマシュマロからはあの白い光が出ていて、もう先が長くないことが俺でも分かった。

信託の使者「ほら、マレニア様、笑って…」

それだけを言い残して、最後のマシュマロもすぐに消えた。
あとにはラッパだけが残って、ミリセントはそのラッパを手に持って肩を震わせる。
ミリセントは優しい奴だけど、エルデの地は優しい奴に優しくない。環樹っていうのがちゃんと動いてたら、マシュマロくんも天国に行けるのかなぁ。

120名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:54:08 ID:HS5rc7F.

ディアロス「その笛は、そこに置いていこう。それはあの使者のものだ」

ミリセント「…そう…だな…」

手で顔を拭いてから、ミリセントはフラッと立ち上がって振り向く。
疲れが溜まって顔色も悪いけど、まだまだイケるって自分に言い聞かせてる顔だ。よく体力持つよな。

ミリセント「感謝する、ディアロス。君のおかげで命拾いした」

ディアロス「はは、そうだろう?名門ホスローの名に恥じない活躍をしたと、自らを讃えたいところだ」

ディアロス「…とは言うが…運によるところが大きいのだろうな。真の功労は、あの使者に譲るさ」

ゴッドフレイを倒した後、部屋に祝福が出てきたから3人で休憩を入れる。俺は全身アザだらけで脇腹も痛い。けど蟹バワーがまだ効いてるからぶっ倒れるほど弱ってはいないぜ。

ミリセント「拓也?君は円卓に戻らなくていいのか?酷い怪我に見えるが…」

拓也「ウッス!ここまで来て、黄金樹も触らないで帰るなんてないっすよ!」

ミリセント「あまり無茶はしないでくれ。君の体は、祝福に癒されないのだからな」

拓也「分かってますよ。心配ないダス」

本当はマジで痛いけど、ここに来てからめちゃくちゃ痛い目に遭ってるせいで、段々と慣れてきて麻痺してきてる。元の世界に帰ってハードM調教プレイをやった時に何も感じなくなってたらヤバいぜ!死活問題に感じてマラが少し浮き上がってきて、俺は慌てて話題を変える。

拓也「ゴッドフレイのことなんすけど、マジで倒して良かったんすかね?ネフェリの親戚じゃないですか」

ミリセント「それは、私も不安には思っているが…ただ、襲ってきたのは向こうでもあるし…」

ディアロス「そのことなのだが、あのゴッドフレイは強かったが、戦王と呼ばれる程には無かったと思えるのだ。黄金色に透けた体躯といい、恐らくは霊体…もしくは分身だったのだろう」

ミリセント「分身?…あの強さでか…?」

拓也「あっ!アレじゃないすか?レナラって魔法使いと戦った時も、違うレナラが出てきたじゃないですか。アレと同じじゃないっすか?」

ミリセント「ああ、そうか…なるほど…」

祝福でしばらく喋りながら、また蟹を食って英気を養う。今日だけでも一年分の蟹を食ったような気がして贅沢だなぁって思ったけど、脇腹の痛みですぐに引き戻される。やっぱり何の邪魔も入らずに食える食事が一番良いんだよね。帰りたいって言ってたディアロスも、ここまで来たら最後まで付き合うって言ってくれたし、あとは3人揃って黄金樹前で記念撮影するだけだぜ!

でも黄金樹へのルート開通まであと少しってところで、まさかのトラブル。木の根を登ってさらに上の階に出て進んだ先に、黒ずくめの忍者系女騎士が座っていて、今度はそいつとバトルだぜ!もう少しで黄金樹なんだから邪魔するなよな!

ディアロス「はっ、速い!」

ミリセント「油断するな拓也!そっちに行ったぞ!」

女騎士はまずは敵の数を減らそうってことらしくて、一番弱い俺を徹底的に追いかけ回して来る。ジャニ系イケメンに追われるなら良いけど女の殺し屋は勘弁だぜ!素早い手つきで拓也を後ろからキャッチした女騎士は、俺をダンスに誘う紳士みたいに抱き寄せながら顔を近づけて、ナイフを振り上げる。いきなりの事でうわぁっ!って間抜けな声が出て、嘘?俺死ぬの?って思ったら

黒き刃の刺客「弧゜ッ!」

俺の激エロ雄フェロモンにあてられて、身体をビクンと痙攣させて動きが一瞬止まった。なんだよ、お前も欲求不満だったんだな。確かに狭間の地はエロが少ないからツラいよな。それでも俺を離さないし、手に持ったナイフも離さないんだから大したもんだよな。エロより仕事を取る仕事人の鑑だぜ。いよいよ俺も永遠の眠りにつく時、ぜ…

ミリセント「はーっ!」

覚悟を決めた瞬間、ミリセントの飛び回し蹴りが女騎士のテンプルにモロ当たり!俺は解放されて、女騎士は手すりを飛び越えて真っ逆さまに落ちて、そのまま見えなくなった。

ディアロス「…なんだったんだ?今のは。盗賊か?」

ミリセント「ああいうのが盗賊なのか?」

拓也「あんな立派なカッコしてる盗賊っているんすかね?」

ディアロス「さぁ…?」

結局何だったのか分からないまま、俺達は広い部屋の祝福を灯す。そこから目の前の黄金樹に向かおうって時に、また呼び止める声がした。焦らされまくりでだんだんプレイの一環に思えてきたから、チンポが半勃ちになって乳首に手が伸びそうになる。

メリナ「待って。少し聞いてほしいことがあるの」

呼び止めてきたのはメリナだった。

121名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 18:07:23 ID:HS5rc7F.

ディアロス「断る」

メリナ「えっ?」

ディアロス「目の前に黄金樹があるんだ。今更止めないでくれよ」

ミリセント「私は聞きたいな。教えてくれないか?」

ディアロス「おい、良いだろう別に…」

ミリセント「無視をするのも可哀想じゃないか。黄金樹はあそこにあり続ける。少しくらいなら、待ってくれるだろう」

ディアロス「はぁ…」

ミリセント「それで、何を聞いてほしいんだ?」


俺達を呼び止めたメリナは「ここにはマリカの言霊が残ってる。黄金樹に触れる前に、聞いてほしい」と言ってから、一呼吸おいた。


メリナ「マリカからの言霊を伝える」

メリナ「おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ」

メリナ「お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない」

メリナ「さぁ、共に砕けようぞ!我が半身よ」

メリナ「……」


メリナ「…これで終わり」

ミリセント「終わり?」

メリナ「終わり」

拓也「終わり?」

メリナ「終わり」

マジかよぉ!ただの時間の無駄だ!
マリカがなんなのかよく分かってないのに、ラダゴンとかいきなり言われてもわかんねーよ!黄金律の犬なんて言っても、黄金律を信じてるのはコリンとか二本指とか、盲目の婆さんとかいるし、半身とか言ってもレナラが二人居たみたいに、ただのコピー?クローン?みたいなものなんじゃねえの?ってガタイ考察も空回り。俺たちにマリカの言葉を伝える意味も分からねーし、そういうことはマネージャーに言ってくれよな!

ミリセント「…本当に終わり?」

ディアロス「何がなんだか全く分からないな。ラダゴンがマリカの半身?伝承が歪んでるぞ。ラダゴンはマリカの王配だ。半身などでは無いだろう」

ミリセント「その言葉は…本当にマリカが言ったのか?」

メリナ「マリカの言霊を、私はそのまま伝えただけ。嘘を話しても仕方がない」

メリナ「今は分からなくてもいい。よく考えておいて」

言うだけ言って、それからメリナは姿を消した。マジなんなんだよぉ?黄金樹に触れる前に言ってくるのも分かんねーよ。ていうか出てこられるならゴッドフレイと戦ってる時に出て来いよな!そしたら例のマシュマロ3人組も死ななくて良かったかもしれないじゃん!言うだけ言って説明もしないで帰るって、女の悪いとこ出てるぜ。ミリセントみたいな爽やかイケメンと一緒にいると、こういうウゼー女との接し方を忘れていくから、これもこれで困るよな。今分からなくてもいいなら、分かっても良い時に話しに来てくれよ!

122名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/07(土) 16:40:39 ID:bKgCeriA


わけわかんねー話を聞かされたあと、気を取り直して黄金樹が見える方向に進む。階段を登った先にはデケー広場があって、そこから黄金樹にパックリ開いたマンコ状の入り口に続く階段が伸びていた。でも気になるのが広場に置かれてる透明な椅子。これも何かの分身なのかな?なんてガタイで不思議に思っていると、ディアロスが広場の入り口にサインを発見。

ディアロス「おい来てくれ、メリナのサインがあるぞ」

ミリセント「メリナ?先程に会ったばかりじゃないか。サインを貼るぐらいなら、そのまま出てきていれば良いだろうに」

拓也「なんか構って欲しいんじゃないすか?」

ディアロス「年頃の娘なのだろうしなぁ。まぁ、このような壊れかけた世に青春を喰われてしまうのなら、拗れても仕方がないか」

ミリセント「そうか…呼んであげよう」

可哀想な犬を見るみたいな目つきでミリセントがサインに触れると、サインが消えると同時に黄金の光が発生。そこから全身金色の豪華仕様になってるメリナが出てきた。昔ガチャガチャには特別品とか言って、透明な奴とか金色の奴とか入ってたけど、あれいらねーよ。普通のヤツが欲しい時に出てくるとチョームカつくぜ!

メリナ「……」

出てきたゴールデンメリナくんは何も喋らない。マジでなんなんだよぉ!?
用があるのかないのか、喋るのか喋らないのかはっきりしてくれよ!
乙女心は複雑だけどさぁ、そういう駆け引きするようなことなんて今は無いじゃん!

拓也「何がしたいんすかね?この子。全然喋んねーし」

ディアロス「わからん…霊体の多くは、口を利けないという。それと関係があるのかもしれない。ローデリカがいれば分かることもあるだろうが…」

ミリセント「ともかく、共に居たいのだろう。居させてあげよう」

メリナを呼び出してから広場に入ると、もう黄金樹は目の前。真上を見ると金色の葉っぱで埋め尽くされて光りまくり。
激闘のモロ探索を終えて、やっとゴールだぜ!

拓也「うぉーっす!うーっす!ゴール!」

ディアロス「やっと着いたか…険しい道のりだったが、それだけの価値はある景色だ」

ミリセント「これで黄金樹への道が開けたな。マネージャーに報せに、円卓に帰ろう」

拓也「あっ!ちょっと待ってくださいよ、写真撮りましょうよ!」

ミリセント「写真?」

ディアロス「それはなんだ?」

拓也「携帯の機能っすよ。ほら集まってくださいよ。撮りますよ?」

携帯構えて、後ろに黄金樹を映しながら4人集まって、俺は観光で↑を入れてる感覚でピースサインを出す。右後ろにミリセント、左後ろにディアロス、俺の真下にはメリナが並んで気分は大学サークルだ。

ミリセント「こ、こうか?」

拓也「ピースサインしましょうよ!ほら、ピース!」✌️

ミリセント「ピース…?」✌️

ディアロス「二本指教徒か?」✌️

メリナ「……」✌️✌️

拓也「ウッス!撮りました!もうOKっす!」

電池の消耗が激しいから、こういう記念撮影は素早くやらないとダメだぜ。ここではたまにしか使ってないからまだ保ってるけど、それでも残量が69%だから、気温によってはもうそろそろ危険域だ。拓也は69という数字に興奮して股間に熱を感じながら、撮れた写真を三人に見せる。

拓也「ほら、見てくださいよ。良いでしょコレ」

ディアロス「凄いなこれは…あの一瞬でこれほど精巧な絵が描けるのか…」

ミリセント「…拓也の頭、なにかえぐれてないか?顔もかなり大きいような…」

拓也「こういう髪型なんすよ!顔デカいのもカメラが近いからっす!」

ミリセント「いやしかし、やはり大きいな。下のメリナと比べるとかなり大きい」

メリナ「……」

ディアロス「おい、後ろに何かいるぞ。拓也の真上、私とミリセントの間だ。ほらこれ」

ミリセント「なんだこれは…驚いたな…」

拓也「マジ?心霊写真じゃないすか!やっぱ黄金樹レベルになるとこういうの出るのかよ!」

ミリセント「いや待て…これマルギットじゃないか?」

拓也「は?」


マルギット「祝福なき稀人よ」


またお前かよぉ!チョーしつこいよな!
黄金樹のパックリマンコから歩いてくるチン毛頭には、嫌なくらい見覚えがあってマジ狂い!ミリセントとディアロスの顔からもサッと血の気が引いて、すぐに振り返ると戦闘体勢に入る。さっきの祝福のおかげで二人は万全の状態だけど、俺は戦う前から負傷に犯されまくりの全身種マン状態だ。メリナがサイン貼ってたのってそういうことかよ!それならさっき出てきた時に教えといてくれよな!

123名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/07(土) 16:50:02 ID:bKgCeriA

マルギット「ああ…黄金のゴッドウィン…天賦の双子、ミケラとマレニア…」

マルギット「将軍ラダーン…法務官ライカード…」

マルギット「月の王女、ラニ…」

マルギット「まつろわぬ、裏切り者共…お前たちは、みな、同じ」

並んでる椅子をギン眼で威嚇しながら、マルギットが階段から降りてくる。裏切り者って言ってるけど火山館のハゲやタニス、ラーヤの言ってたことが本当なら、むしろみんなマリカの言う通りにしてただけじゃねーのってビルダーガタイが告げてくる。

マルギット「野心の火に焼かれた、略奪者よ」

広場に立ったマルギットがデカ棍棒を思いきり握ると、デカ棍棒がバキバキに砕けて、中から油が固まったみたいな虹色の剣が出てくる。コイツ今まで手加減してたのかって思うと同時に、殺す気だったのになんで手加減してたのかって疑問もガタイの中でうずきだす。俺達が黄金樹を目指さなかったら俺達のことは放置プレイで済ませてたのかな。

マルギット「…愚かな墓標に刻むがよい」

モーゴット「最後の王、モーゴットの名を」

聞き覚えの無い名前がいきなり出てきて、じゃあ誰なんだよ?と思うけど、双子だとか分身だとか、王様だから身分を隠してただとか理由が色々思いついてくる。アルター高原で俺達を襲った暗殺者系騎士もマルギットだかなんだか言ってたぜ。じゃあやっぱり、コイツがあの騎士を差し向けたんだってガタイ考察を広げてると、モーゴットが光るデカ槍を構えた。

ミリセント「有無を言わさずか。武器を取れ!襲ってくるぞ!」

拓也「え?あ、う、ウッス!」

ディアロス「モーゴット…戦王の次は祝福王か…!」

ディアロスが盾を構えた直後に、その盾に向かって光の槍が叩き込まれてディアロスが後ろにスライド。ミリセントが右に駆けて行って、メリナが左に駆けて行く。俺は武器を構えたは良いけど、どこに行けばいいのか分かんないからとりあえずディアロスの後ろに隠れたぜ。

最初にモーゴットに攻撃を当てたのはメリナだった。空中に飛んだあとに剣からビール飲んだあとの小便みてーなビームを飛ばして、モーゴットに当てていく姿に、俺もディアロスも仰天したぜ。お前そんなこと出来たのかよ!って変な笑いが出てきたけど、メリナのビーム攻撃に合わせてミリセントも斬りかかる。

モーゴットはミリセントのー剣をデカ剣で受けてから、黄金ナイフのカウンターをミリセントに振るけど、ミリセントの奴は素早いからカウンターをギリでかわして距離を置いて、そこにメリナのビームがもう一発飛ぶ。

ミリセント「なっ…!?」

でもモーゴットは、今までのアイツとは明らかに段違いなスピードでビームを避けると、メリナに向かって急接近。剣を限界ギリギリまで溜めてから横に振る嫌らしい剣法で、メリナに一撃食らわせた。横っ腹を浅く斬られたメリナはそれでも元気で、モーゴットから離れた後に地面に光を当てて、モーゴットのいる場所から何本ものビームを発射!スゲーよコイツ、ウルトラマンメリナだぜ!

でもモーゴットはそのビームをとんでもないジグザグ走法でほとんど回避して、またメリナに斬りかかるけど、そこにミリセントのミキサー攻撃が炸裂。大剣と剣が高速でぶつかりまくって物凄い派手な火花が散りまくる。「なんて速さだ…まるで着いていけないぞ…」ってディアロスは言うけど、俺も完全に置いてきぼりを食らってるから親近感。やっぱ俺にはディアロスなんだよな。

ミリセントの剣を防ぎきったモーゴットは、片手にハンマーを出してからの両手武器回転攻撃でミリセントを弾き飛ばして、光のハンマーで、また放たれたメリナのビームも弾き返す。するとメリナはビームを撃つのをやめてナイフを持って駆け出した。あんな化け物と斬り合いかよ!って心配もよそに、超低空スライディングからモーゴットの脚を斬って、腕を斬って、胸を斬っての高速コンボを決めるメリナ。ディアロスやミリセントよりも強いじゃねーか!一人で旅できただろっ、てツッコミも入れる暇は無くて、見てるだけじゃダメだよなって思ったのか、ディアロスが盾を構えて突っ込んで行った。俺は一人呆然として取り残される。

ディアロスが今度はムチを振るうけど、そのムチはモーゴットの剣に絡め取られてメリナのいる方へそらされる。慌ててディアロスは身を引いてメリナもバックステップしたけど、モーゴットの懐から抜け出したのがまずかった。モーゴットがまた突っ込んできたミリセントに黄金ナイフを素早く飛ばして動きを止めると、今度はディアロスに向かって高速接近。反応が遅れたディアロスの足を掴んでメリナに投げ込み、二人をぶつけてダウンさせてから大ジャンプ。空中からのハンマー攻撃をディアロスとメリナの二人めがけて繰り出してくる。俺が「あっ!」と言った瞬間

ミリセント「ふん!」

ミリセントの走り飛び回し蹴りがディアロスとメリナに炸裂。
3人同じ方向にぶっ飛んで、ゴールデンハンマーの叩きつけを回避した。

124名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/07(土) 16:57:14 ID:bKgCeriA
ディアロス「ごほっ、あ、危なかった、すまない」

ミリセント「礼はあとだ!また来るぞ!」

めちゃくちゃ敵意を向けてくるモーゴットは、決して絶対に攻撃の手を緩めてなんかくれない。
片手に虹色剣、片手に黄金の剣を持ってから、3人に向かってとにかく武器を振りまくるモーゴットから、ミリセントとメリナはまた避け切れたけど、ディアロスが攻撃を全部ガードして盾を弾かれ、最後の一発を鎧に貰う。血は出てないけど、あんなスピードで武器振り回されたらカスっただけでもチョー痛いぜ。ダウンしたディアロスに追い討ちをキメようとしたモーゴットに、ミリセントとメリナのタッグミキサー攻撃がぶち込まれて背中犯しまくり!これで決まるぜ!と思いきや、モーゴットは二人に何発か斬られながらも振り向いて、咄嗟に作ったデカハンマーを二人に叩き込んだ。

ぶっ飛ばされたミリセントとメリナはダウンから即座に立ち上がったけど、ミリセントは口から血が流れてるし、メリナは脇腹の傷がひどくなってるしでダメージが溜まってる。俺も戦いたいけど、突っ込んで剣を振り上げた瞬間に、全身をバラバラにされる妄想に頭犯されて一歩も動けない。

一発もらったディアロスがよろめきながら復活すると、メリナとミリセントがお互いから離れて、モーゴットを中心としたトライアングルの陣形が完成。三角形になって3人でしゃぶり尽くす作戦だぜ。ミリセントがメリナに目配せをすると、メリナが剣からビームを三連続で発射する。モーゴットがそのビームをよけると、避けた先にはミリセントのミキサー攻撃が待っていて、モーゴットは咄嗟に右手で防ぐも右手が血まみれになる。その隙にディアロスが尻尾にムチを入れ、尻尾のツノを何本が斬り落とす。

モーゴット「ぬぅ!」

モーゴットはうめき声を上げながら、尻尾をぶん回すことでムチを弾いて、回転した勢いのまま大ジャンプ。空中から三本の黄金ナイフを投げてメリナとミリセントを牽制したあと、無防備な俺に突っ込んで来た。

ミリセント「あっ!」

メリナ「!」

ディアロス「逃げろ!」

拓也「ウッス!」

ディアロスからの声で弾かれたように体の硬直が溶けて、脱兎の如く走り出す拓也。一番弱い俺を殴って全員に隙を作ったあと、その隙をついてミリセントやディアロスをダウンさせる作戦なんだって、高速ガタイ分析が答えを弾き出していた。俺は震える両脚に活力を与えるために、必死に両手で乳首捏ねくり回しながら舌をペロペロさせて、性的興奮で恐怖を押さえ込みながら走りまくる。

背後からの足音がそれでもどんどん大きくなって、拓也の興奮をいやでも抑えに掛かる。
ここで俺が捕まるわけにはいかねえぜ!ここで俺は新テクを開発!センパイとの愛のあるセックスという激エロ妄想で恐怖心を完全に吹き飛ばすと同時に、血流を下半身に集めて両脚を強化。チンポの勃起とともに高速機動モードの拓也の完成だ。

ミリセント「メリナ!」

なんてやっていると、遠くからミリセントの声が聞こえて、俺は振り返ってから止まった。
モーゴットは俺を追うのを早いうちからやめていて、自分を追ってきたメリナに振り向きざまの黄金ナイフを投げていた。黄金ナイフに胸を貫かれたメリナは倒れて、光る小さな黄金樹をその場に生やしながら光の粒に変わっていく。

拓也「ウッソだろお前…」

俺たちに隙を作るのに、俺を殴る必要は無かったんだ。ただ俺を殴るふりを一瞬するだけでよかったんだ。メリナの姿は全て光の粒になり、初めから詰んでいたんだと気付いた時には消えていた。メリナがいなくなったという事実は、モーゴットとまともに戦える奴がミリセントだけになったことを意味した。

125名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/07(土) 17:03:23 ID:bKgCeriA

ミリセント「…いけない…」

モーゴットはディアロスに向かって飛び出して、盾の上からメチャクチャに殴りまくる。ディアロスはどんどん体力削られて、盾と一緒に広場の床に押し潰されていく。そんなディアロスを放置することなんて出来ないからミリセントはモーゴットに斬りかかるしかない。

ディアロス「駄目だ!来るな!」

ディアロスはそう言ってるけど、ミリセントにも、俺にだって罠だって分かるのに、罠を避ける方法が無いからミリセントは突っ込むしかねーぜ!走るミリセントがミキサー攻撃の構えを取ると、モーゴットはディアロスを蹴り飛ばしてからゴールデンハンマーを手に呼び出して横振りする。

ミリセント「ぐうっ!」

でもミリセントは構えを解いて、振り回されるハンマーを蹴ってモーゴットの頭上に飛ぶ。ハンマーを蹴った片足が折れてヤベー方向に向いたけど、これならイケるぜ!ミリセントは落下しながら両手で剣を持ち替えて、そのままドカって音と一緒に、剣を根元までモーゴットの首筋にぶち込んだ。

噴水みたいな血がミリセントの顔に掛かって、モーゴットが両膝をつく。
床でへばってるディアロスも疲労困憊って感じだけどなんとか生きてる。
ミリセントが剣を捻ってから引き抜くと、また噴水みたいな血が出てミリセントの全身を血まみれにする。
それと同時に、モーゴットの剣がミリセントの腹を貫いた。

拓也「うーっす!?」

血のシャワーをかけられたミリセントの動きが一瞬鈍くなるのを、モーゴットは待っていたんだ。ミリセントを貫いた虹色の剣はそのまま彼女を持ち上げて、腹や口から噴き出された血で赤黒く染まっていく。

ミリセント「や…やはり…罠…」

モーゴット「愚か者は、その愚かしさにこそ、焼かれるのだ」

モーゴット「焼かれよ」

モーゴットはミリセントを貫いた剣を思いっきり振りかぶると、両手で剣を握って、全身の力を使って振り回す。ミリセントは強烈な遠心力でぶっ飛び、血と内臓をあたりにぶち撒けながら広場の壁に叩きつけられる。

拓也「は…?」

頭、目、口、そして腹から血を噴き出してミリセントはダウン。痙攣することも無く動かない。ミリセントの血を頭から被った拓也の肩には、腐敗した腸が垂れていた。でも何が起きたかはすぐには分からなかった拓也は、俺の肩に掛かったコレってなんだろうって空っぽの頭で分析。ディアロスが盾ごと蹴り飛ばされて転がってくのを見て、これって内臓なんだなって答えに辿り着いて、じゃあ誰のなんだよ?って疑問がまた湧いてくる。

ミリセントは死んだから、この内臓が誰のなのか分からなくて、今とは関係無い奴の名前が頭の中を回り出す。ネフェリはどこかに行ったんだよな、ブライヴとは別行動だよな、ミリセントもいないしってところで、空回りしてる頭の歯車がカチッと噛み合った。

拓也「マジ?これってミリセントの…?」

そうオレが呟いたところで、モーゴットが殺意丸出しの顔で剣を構えて走って来る。ディアロスは血まみれダウンした状態で聖杯瓶を飲もうとしてるけど、手の指が逆向きに折れてて瓶を掴めない。「ミリセントどうした?」って俺が言うと、拓也の腹に虹色の剣が突き刺さる。

126名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/08(日) 10:04:16 ID:NfWcYMC6
マルギットくんが王都周辺に2度目の出没するの最近知りました(池沼)
このシリーズの彼は常に強キャラで良いですね。ええ。まぁ、(これまでに討ち取った簒奪者の首は)120ぐらいじゃないすか?

127ミラン本田★:<削除>
<削除>

128名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:10:37 ID:pzPzsPLc

…はずだった。



「待て」


前にも一回だけ聞いたことがある言葉が聞こえて、誰だっけ?って思ってると、目の前のモーゴットが忌々しいものを見てるみたいな顔で、ミリセントがぶっ飛んだ方を見ている。ディアロスも瓶を手繰り寄せるのを忘れて、這いつくばった体勢のまま目線釘づけで動かない。なに見てんだろ?って気になった拓也も、同じ方を見て固まり、頭が正常に動きだす。

俺の肩に掛かった内臓が蝶に変わって羽ばたいていく。俺の顔にかかった血も、地面に落ちて広がった血も、朱い煙になって集まっていく。集まった煙は蝶の群れと合流して、立ち上がったミリセントの傷口に吸い込まれる。赤と白の粘り気がミリセントの腹を塞いでいくと、折れた脚も元に戻っていった。その姿に拓也の脳裏に現れたのはあのターミネーターだったけど、出てきたのはシュワちゃんの方じゃなくてT-1000の方だった。

拓也「い…生きてる…」

拓也「マジかよ…生きてるよ…!」

火山館で見たことがあるあの景色は、合ドラとかイエロをキメてたから見てたわけじゃなかったんだよな。ミリセントの義手の隙間からは朱い蝶が羽ばたきまくってるし、あの時嗅いだ甘い香りが、こんな広い広場でも分かるくらいに漂っている。そしてミリセントが顔を上げた時、義手の肩が割れて、隙間から朱い花びらが散り始めた。

モーゴット「…何者だ」

ミリセント「…今は誰か、分からない」

ミリセント「…でも、感じるんだ…」


ミリセントをギン眼で睨みつけるモーゴットの手が、ギリギリいって剣の持ち手を締め付ける。


ミリセント「私は、二度咲いたんだ」


ミリセントの言葉で眼を見開いたモーゴットは、黄金の剣でミリセントに斬りかかった。
飛んできた黄金の剣に、ミリセントは剣を構えて突っ込む。それで俺が「えっ?」と思う暇も無く、ミリセントの肩に虹色の剣が深くめり込む。でも同時にミリセントの剣もモーゴットの脇腹を突いていて、たまらない様子でモーゴットがミリセントを蹴り飛ばす。

血を流しながらお互いに後ろにスライドするミリセントとモーゴット。ミリセントはまた重傷を負ったのに全然怯まずに立ち上がるし、俺とディアロスはそんなミリセントを見てビビっちまって、言葉が全然出てこない。モーゴットに斬られた肩はあっという間に塞がって、血が出た跡さえ残らなかった。

モーゴット「貴様…そのさまはやはり…」

ミリセントがまたジャンプして、モーゴットにミキサー攻撃を放つ。
その剣筋は朱く光ってて、速さも段違いだった。


モーゴット「マレニア!」


叫びを掻き消すような、嵐みたいな朱い竜巻にモーゴットが巻き込まれて、あっという間に全身血まみれになっていく。頭のツノは猛烈な勢いで斬り飛ばされていって、尻尾の先も千切れて飛んでいく。「おおおおお!」って叫びながら剣を振り回してモーゴットも抵抗するけど、その抵抗がミリセントの脚を折ろうが、片目を潰そうが、ミリセントがモーゴットを斬ると、斬った分だけミリセントの傷もすぐに塞がっていく。

129名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:16:49 ID:pzPzsPLc

拓也「すっ、すっげ…」

ディアロス「何が…起こってるんだ?…あれは本当に、ミリセントなのか…?」

ミキサー攻撃からバックステップで抜け出たモーゴットは、ミリセントに向かって黄金ナイフをまた投げる。飛んだナイフはミリセントの頬と両目にザックリ刺さったけどミリセントはそのままジャンプ。モーゴットの顔に空中回転蹴りを叩き込むと、ミリセントの顔に刺さったナイフが飛ぶように消えて両目と頬が瞬時に再生。モーゴットは大きくよろめいて倒れそうになる。

ミリセントはその隙に素早くモーゴットの足元に着地して、懐で剣を3回振り抜いて斬りつける。モーゴットは黄金剣で反撃するも、回避されたと同時に後ろに回り込まれて、流れるようにまた一発斬られた。

モーゴット「うおーっ!」

苦し紛れのゴールデンハンマーの横振りはバックステップで回避されて、直後にミリセントの信じられないくらい速い突きがモーゴットの胸にぶっ刺さる。3メートル超えの巨体が物凄い勢いでぶっ飛び、地面に当たってバウンドする。完全に正気を取り戻していた拓也は、ミリセントがモーゴットをボコボコにしてる間にディアロスに近づいて、聖杯瓶を飲ませた。

ディアロス「はぁ、はぁ、助かった…」

ディアロス「しかし、ミリセントに何が起きたんだ?…あまりに強い…強すぎる…」

拓也「いや、強いっすけど、なんかヤバくないすか…?」

ディアロス「…それは…」

拓也「あれって、マジでミリセントなんすかね…?」


ぶっ倒れたモーゴットの顔にサッカーボールキックを叩き込んで無理矢理立たせたあとに、ミリセントがもう一度朱いミキサー攻撃を叩き込む。息も絶え絶えのモーゴットはそれを血だらけの腕で防いで、さらに深傷を負っていく。手からはもう骨が見え始めてる。ミリセントはミキサー攻撃を中断すると回転蹴りをモーゴットの脚に叩き込んでまた転倒させて、今度は馬乗りになって、ガードの姿勢になったモーゴットを腕だろうが肩だろうが関係無く刺しまくり。ミリセントは目玉に指を突っ込まれても、目の前の敵を斬ると傷が塞がるから、むしろモーゴットの片手が防御に使えなくなった所をチャンスとばかりに斬撃しまくる。モーゴットの口に剣を突っ込んで掻き回し、モーゴットは自分の血をしゃぶらされて溺死寸前でいる。


拓也「あれって、本当はマレニアなんじゃないすか…?」

ディアロス「そんな…彼女はミリセントだろう…?」


ディアロスが俺からまたミリセントに目線を戻すと、モーゴットが絶叫を上げながら、目玉に指を突っ込んだままミリセントを放り投げるところだった。でもミリセントは投げられようとしてる時も身体を回転させて、手を離れる瞬間にモーゴットの指を何本か斬り飛ばしてから着地。身体の傷は全部治ってるのに、ミリセントは全身が血まみれで、ボサボサになった髪で目元は見えない。


ディアロス「いや、貴公はもう…」

ディアロス「マレニア、なのか…?」


ミリセントがまたミキサー攻撃の構えを取ると、モーゴットから物凄い大爆発が起こって、あたり一面に光る泥みたいなものが波を打ってぶち撒けられた。

130名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:22:49 ID:pzPzsPLc

拓也「うぉーっす!」

ディアロス「こっ、今度は何が起きた!」

そこら中で光る泥が爆発しまくりでモーゴットは吠えまくり。抑え込んできた何かが解放されたみたいに、モーゴットの剣がさらに怪しく輝きはじめる。ミリセントの剣を握る手には力が入って、ボサボサ髪は浮き上がる。目は見えないけど、口は真一文字でとじていた。

モーゴット「…王の座を、呪いで穢すなど…耐えがたい恥よ…」

モーゴット「…許さんぞ、お前だけは…」

満身創痍のモーゴットの剣に赤い光が瞬いて、ミリセントはまたモーゴットに突撃。三連斬りを繰り出した瞬間、三撃目をモーゴットの剣に防がれた。そして直後に虹色の剣から爆発が起きて、ミリセントは後ろにふっ飛ばされるもケンケンしてから着地。それからモーゴットからの縦振り攻撃を肩に食らって、地面に叩きつけられる。でも直後の光景に、ディアロスも「うわっ…」ってマジ引きの声を出した。

ミリセントは鎖骨と肩甲骨にめり込んだ剣を、電車のレールみたいに使って四つん這いでジャンプ。レールに沿ったまま勢いをつけてモーゴットの胸に剣をブッ刺した。その過程で自分の鎖骨が真っ二つになって、片腕がほぼ皮だけで繋がってる状態になっても気にしてる様子は全然ないから拓也なんか戦慄してる。もう痛みを感じてるのかどうかも怪しく思えてきたぜ。そしてモーゴットは、その傷でも死なずにミリセントにタックルを決めて、そのまま壁側まで進んで叩きつける。猛烈なタックルを食らったミリセントは即反撃して、モーゴットの頭に強烈な頭突きをみまって、怯ませた瞬間に腕を再生。剣を振り上げた。

でもミリセントが剣を振り下ろす前に、モーゴットの虹色剣がミリセントの腹に突き立てられて、ミリセントは壁に固定される。その上で、モーゴットはミリセントが振り上げた剣を避けようともしないで肩に食らった。でも短い悶絶声をあげたのはミリセントの方だった。

ディアロス「わざと斬らせたのか!?」

モーゴットの肩を斬ったミリセントの傷は一瞬で塞がったけど、その塞がる締め付けが腹に突き刺さってる虹色剣をガッチリ咥え込んで、ミリセントは蛾の標本みたいに壁に縫い止められる。やられたぜ!パキギメ状態になってるミリセントの体質を利用したな!全身血まみれのモーゴットは、動けないミリセントの首筋に向けて黄金の剣を構えたあと、一気に振り上げてからぶん回す。

ディアロス「おお!」

でも黄金の剣は、空から飛んできた透明の鷹に弾かれて、ミリセントの頭上を通過。
モーゴットはいきなり乱入してきた鷹に警戒して大ジャンプ。ミリセントから距離を置く。
空を飛ぶ鷹は広場を猛スピードでぐるっと一周してから、広場入り口に立っていた飼い主の手に止まった。


「貴様の相手は私だ、マルギット」


鷹を左手に乗せて、右手の斧に雷を纏わせながら、俺が良く知る色黒マッチョなイケメンが、モーゴットに向かって歩いていく。その姿を見て顔を上げたミリセントの表情は、いつもの感じに戻っていた。


ミリセント「ネフェリ!」


鷹を手に乗せたネフェリは、モーゴットが警戒して近付いて来ない間に、鷹をミリセントに向かわせて、虹色の剣からミリセントを引き抜く。ミリセントの腹の傷はずっと再生中だったみたいで、剣から抜けると同時に一瞬で塞がった。

ネフェリ「しばらく見ぬ間に、変わったな、ミリセント」

鷹を放したネフェリは、左手の方にも斧を持つ。飛び立った鷹の方は拓也とディアロスに向かって飛んできて、俺の前に舞い降りたあとにギン目でモーゴットを威嚇。

ミリセント「変わったのは、君も同じだろう。…よく来てくれた」

ミリセントの言葉に、ネフェリが口の端を少しあげて応える。その間にモーゴットは血まみれの手を上げて、空にいくつもの光の粒を浮かべる。まだ隠しダネがあんのかよって俺とディアロスは唖然としたけど、ミリセントは怯んだ様子もなくジャンプして、ネフェリの隣に着地する。

ネフェリ「いけるか、ミリセント」

ミリセント「力を尽くそう」

光の粒はひとつひとつが剣のような形になっていき、広場の上を埋めていく。俺とディアロスは嫌な予感がしてふたりで大盾の下に隠れた。キスできるくらいの距離にいるディアロスが「弧゜ッ!」って俺のフェロモンに感じまくってるけど、今はそんな場合じゃねーよ!俺たちを守るはずの鷹も盾の下に隠れてるし、狭くってしかたがないから拓也も息がハアハアで切れまくり。


鷹「弧゜ッ!」


そして鷹が拓也の激エロな雄フェロモンに狂った声を合図にして、決戦の時がきた。

131名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:42:18 ID:Ym53jzPI
タクヤの激エロフェロモンだけで笑える

132名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:50:37 ID:cgB2C4k6
こんなくさい子。とよく旅を続けていられるなと思う

133名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:12:00 ID:pzPzsPLc

モーゴットは手を振り下ろして光の剣の雨を降らせまくる。

拓也「すっげ!マジかよ!」

ディアロス「弧゜ッ!」

鷹「弧゜ッ!」

でも光の剣の雨は、ミリセントの朱いミキサー攻撃に次々弾き飛ばされて、その後ろをネフェリが駆けていく。アクション映画ばりの激ヤバ剣撃アクションに俺が鳥肌立てていると、ミリセントが接近しきったところでモーゴットが剣の雨を止めて大ジャンプ。ミリセントを縫い付けていた壁に脚をつけてから、虹色剣を握って壁を蹴る。そしてそのまま二人の居る方へ突っ込みながら、虹色剣に炎を纏わせて回転攻撃を開始。いくつ技あるんだよ!お前マジシャンみてぇだな!

モーゴットの炎回転斬りが迫る中、ネフェリは地面に飛び込んで、ミリセントは空中に飛び上がって回避。モーゴットはそのまま空振りしてから勢いのままスライディングしつつ方向転換。ネフェリとミリセントを遠くに見据えてから突きの姿勢に入る。

ネフェリ「掴まれ!」

そうミリセントに言いながら、ネフェリは斧に雷を纏わせる。
ミリセントはネフェリのやりたいことを瞬時に神人分析して、バチバチ光る斧に脚を掛けて、ネフェリに振り回され始めた。

拓也「あっ!」

ディアロス「弧゜ッ!」

鷹「弧゜ッ!」

その光景には見覚えがあるぜ!リエーニエの湖にある、レアルカリア学院の中で、ネフェリが俺にやった「ケツマン斧責めお仕置き人間洗濯機プレイ」だ。あの時にネフェリは新テクを開発していたんだ!でもミリセントに流れる風と電気は、俺の時よりも断然やばくて、ミリセントの身体からも少し炎が上がり始める。
そしてモーゴットが虹色剣に光を纏わせた時、二人の回転速度も最高潮に達した。

ネフェリ「今だ!」

モーゴットが今までで最速の突きを繰り出したと同時に、ネフェリからもミリセントがぶっ飛び発射。
雷と嵐を剣に纏わせた、電光石火のミリセントの突きがモーゴットの剣にぶつかると、鼓膜と視力がぶっ飛ぶくらいの音と光が飛び出して、気付いた時には、モーゴットの背後にミリセントが立っていた。

そして、ネフェリに届くはずだった虹色の剣は、粉々に砕けてあたりに散らばっていた。
二人の完全勝利だぜ!

ネフェリ「勝負あったな、マルギット」

ネフェリ「勝者の情けだ。せめて負け惜しみは聞いてやる」

全身傷だらけの血だらけで、武器もバラバラになって戦える状態じゃなくなったモーゴットの前に立って、ネフェリはゴドリックに言ったような最期の言葉をかける。本当に正々堂々戦うのが好きだよな。モーゴットは息を切らしながらネフェリに応えた。

モーゴット「…このモーゴットが…最後の王が…」

モーゴット「…ゴドリックの如くに…屈すると思うか…」

ネフェリ「ならばどうする、モーゴット」

モーゴット「…戦うまでよ」

モーゴットが両手に黄金の剣と黄金の槍を構えた瞬間に、ネフェリの両手斧がモーゴットの腹を裂いた。両膝を地につけたモーゴットは腹から血と内臓を流して、脱力したように後ろに倒れ込み、白いルーンを全身から爆発させる。白い爆発は辺りを一瞬包み込んでから、どこかに吸い込まれるようにしてすぐに晴れて、あとにはツノもガタイも無い、ガリに痩せた老人のようなモーゴットの倒れた姿があった。
ネフェリはモーゴットを一瞥すると、斧をしまった。

134名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:18:35 ID:pzPzsPLc

ネフェリ「ミリセント、これはお前たちの戦いだったな」

ネフェリ「介錯はお前に譲ろう」

大盾に隠れてた鷹はネフェリのいる方へ飛んで行って消失。オレの激エロフェロモンに侵されながらもイかずに主人の元に戻れるなんてスゲーぜ。ミリセントはモーゴットの剣をバラバラにするくらい斬りまくったんで全身の傷が再生。俺とディアロスも盾から出て、力が抜けて立ち尽くす。ぶっ倒れて今にも逝きそうになってるモーゴットの枕元に立ったのは、あのミリセントだった。

モーゴット「その力…腐敗に抗う、その身は…」

モーゴット「…やはり…マレニアなのだな…」

ミリセントはモーゴットのすぐ横に屈み込む。
ネフェリも、敵の最期を見送る為なのか分からないけど、ミリセントのすぐ横に立った。

ミリセント「そうだ…この私は、マレニアの分け身として生まれた」

ミリセント「あなたの憎む、まつろわぬ裏切り者が捨てた、心の化身…それが私だ…」

ミリセントからの告白に、モーゴットの唇が震える。
怒ってるのか、哀しんでるのか、訴えたいことがあるのか、拓也にはわからない。

モーゴット「マレ…ニア…お前は、愚かだ…」

モーゴット「お前たちが、破砕戦争を起こし…今や黄金樹は、すべてを、拒んでいる…」

モーゴット「我らは…見捨てられたのだ…」

モーゴット「…もう誰も、エルデの王にはなれぬのだ…」

そう言い終えて、モーゴットの目が閉じていく。でもミリセントは少し躊躇した感じで自分も眼を閉じたあとに、すぐに開いてモーゴットの手を両手で握った。突然のことでネフェリも一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐにミリセントの考えてることが分かって、浅くため息。俺とディアロスにもなんとなく察しはついていた。

ミリセント「約束する…モーゴット…私は、皆を見捨てない」

ミリセント「マレニアの犯した罪も、過ちも、私が全て背負おう。そして必ず、王となるべき者を見い出してみせる」

ミリセント「黄金樹の祝福が、また皆に満ちるように」

ネフェリ「…この、蛮地の勇者ネフェリ・ルーも、誓おう」

ネフェリ「王たるものを探し出し、再び黄金の地へ連れ帰ることを」

ミリセントの優しさに、ネフェリも言葉を足した。ネフェリにはあんな事があったから、多分モーゴットにも同情したんだろうな。信じた人達に裏切られて、愛した人に捨てられるなんて、それより哀しいことなんてないよな。モーゴットはまた少しだけ目を開くと、声を途切れ途切れに小さな笑みを浮かべる。意識があるかどうか、目が見えてるかも、シリアスビルダーになっている拓也には分からない。

モーゴット「おお…ゴッドフレイ王よ…」

モーゴット「王たる者達が…黄金を…継ぐ者達が…ようやく…」

モーゴット「…我らの…もとに…」


モーゴットはそのまま事切れた。
ミリセントはモーゴットの顔に手を伸ばすと、虚空を見つめる眼を伏せさせた。


ネフェリ「この王は、安らかに逝けただろうか」

ミリセント「…わからない…」

ミリセント「…だが、そう信じたい」


最後の王のモーゴットが死ぬと、広場の真ん中に祝福が灯った。
モーゴットがばら撒いた黄金色の泥も色褪せて、気付いた時には消えていた。

135名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:32:21 ID:pzPzsPLc


狭間の地は奥深い  投稿者:ビルダー拓也


祝福が灯って、黄金樹への道が開かれて、やっと終わったぜ!って帰る気でいた拓也をネフェリが引き止める。「おい拓也。黄金樹に本当に入れないのかどうか、まだ試していないだろう」だって。どうせ大ルーンが全部揃わないとダメだとか、マネージャーが言ってる「新しい律」が無いとムリだとかの話なんだろってガタイで予想をつけたところで、黄金樹のパックリマンコから出てきたミリセントが「だめだ、入れない」と言ってくる。

ミリセント「黄金樹の奥は、棘が硬く閉ざしている。手詰まりになってしまった」

拓也「棘くらいならミキサー攻撃でなんとかならないんすか?」

ミリセント「試してはみたが、無理筋のようだ。…ミキサー攻撃?」

拓也「アレっすよ、こう、ババババッて斬りまくるやつっすよ」

ミリセント「フッ、妙な呼び名だな」

ミリセントの雰囲気は、もうモーゴットと戦ってた時からいつもの感じに戻ってた。一瞬マジで別人かと思って焦ったぜ。でもディアロスは、そんなミリセントの前でショボショボの顔でシラケ気味。落ち込んでる理由をミリセントが聞くと

ディアロス「私はついぞ、何も出来なかった…貴公が追い詰められ、望んでいない力を振るってしまうのを、指を咥えて見ているだけだった」

ディアロス「貴公と共に旅をして、なにかを得た気になっていたが…それは幻想だったのだ…」

ディアロス「…情けない限りだ…」

なんてことを言ってくる。そんなこと言ったら俺なんて最初から最後まで見てただけだぜ!?って拓也が言っても、それは話が違うって聞かない。ミリセントは「君は十分、よくやったじゃないか」って言うけど、こういうヤツにはむしろ逆効果なんだぜ。だから結局ネフェリの言葉が一番ディアロスを慰めた。

ネフェリ「実力が足りぬと言えるようになっただけ、お前は器を上げたんだ。己を不甲斐ないと言うのなら、また鍛えればいい。その時は、私も力を貸そう」

「ああ、そうだな…すまない」ってディアロスの表情は少し緩んで、ネフェリなりに昔辛く当たったことも気にかけてるんだなぁって拓也も感心。上から目線でネフェリを評価しながら祝福に触る。円卓に帰ったら、マネージャーと一緒に話しておきたいことが沢山ある。ひとつは黄金樹がとんだ処女ケツ野朗で、キツマンを全然緩めないから入れないこと。もうひとつはメリナの言ってたマリカの言霊とかいうやつ。ネフェリがどうやって立ち直ったのかも気になるし、四つ目は、ミリセントの変化についてだぜ。これは前にも一度マネージャーに話す機会はあったけど、あの時は火山館で見たことが何なのか分からなかったし、ネフェリとギデオンの件で色々ぶっ飛んで、結局話す暇がなかったんだよな。

でもミリセントに起こったことを何て言えば良いんだろうって心で分析していると、祝福からまた「少し、話をさせて欲しい」ってメリナが出てきてた。モーゴットにやられたんじゃないのかよ!?

ネフェリ「何者だ!」

祝福からいきなり出てきたものだから、ネフェリが咄嗟に斧を構えたところを俺が慌てて制止する。そういえばこの二人、初対面だったんだよなって思い出して、拓也の説明がネフェリに補われる。俺にもメリナのことなんてほとんど分からないから説明もふわふわだったけど、敵じゃないことは分かってくれてネフェリは斧をしまった。また戦いにならなくてよかったぜ。

メリナ「…黄金樹の内に、入れなかったのでしょう?」

メリナ「棘の覆いが、貴方達を拒んだ。 …それは、拒絶の刺。黄金樹が外の全てを拒む、自我の殻」

また訳わかんねーこと言い出すのかと思ったら、結構すぐに役に立ちそうな話をしてくれそうで、拓也も聞き耳を立てる。ネフェリ、ディアロス、ミリセントの3人も、キリ目でメリナの話に集中している。

メリナ「エルデンリングに見え、玉座にエルデの王を戴くためには、その刺を超えなければならない」

メリナ「…私の使命は、そのためのものだった。だから、また私と旅をしてほしい」

拓也「また一緒に旅をしてよって言われてもさ、今までだって実感無かったし、ついて来たいなら来ればいいじゃん」

ネフェリ「旅をしろとは、何処へだ」

軽く無視された拓也がちょっと傷付いてる間に、ネフェリがメリナに地図を渡す。その地図にはラーヤの名前が入っていて、ネフェリがここに来れた理由もこれで判明。メリナは受け取った地図を開くと、目的の場所を指差した。

ネフェリ「…ここは…」

メリナ「遥か雲の上、雪深い巨人たちの山嶺。その頂きにある、滅びの火まで」

ディアロス「滅びの火?…本当にまだ残っていたのか…火の僧侶たちの迷信と思っていたが…」

メリナ「そうしたら、黄金樹を焼くことができる」

ディアロス「え?」

さらりととんでもないワードが出て、俺も含めて全員が自分の耳を疑ったと思うぜ。ネフェリとディアロスは互いに見遣って、俺もドラのやり過ぎて頭がおかしくなった可能性を考えてると、ミリセントが焦りを口にする。

ミリセント「焼くなんて…君は何を考えているんだ? 私はモーゴットに、黄金樹へ王を導くことを約束したんだ…」

ミリセント「それを君は…焼くだなんて…」

ネフェリ「私も反対だ。黄金樹を燃やしてしまえば、例え王を見出したとしても、座する玉座が無くなる。黄金律も失われ、終わらぬ荒廃が続くだけだ」

メリナ「心配はいらない。黄金樹は、エルデンリングさえ修復されたなら、律と共に再び力を強め、黄金の力を取り戻す」

ディアロス「そのようなことを言うが、証拠はあるのか!?」

メリナ「無いわ。ただ私は、知っているだけ」

メリナ「これが私の使命。焼けた体となってまで、私が在ることを許される理由なのだから」

メリナはそう言ってから姿を消した。またとんでもないことを言うだけ言って消えていったけど、今回は事情が違って超重要な話題だ。黄金樹に入れないまま、新しい律を持つ王様候補を見つけるか、黄金樹を焼いて入れるようにしたあとにするか。二つにひとつを選ばなきゃならないシチュエーションだとわかったぜ。こういう時はマネージャーに相談だ。

早速帰るぜってことでみんなで祝福に触れると、瞬間移動が始まる前にミリセントが拓也のズボンを弄る。え!何するの!?って乙女みたいにドキっとすると、ミリセントはズボンのポケットから、黄色い花を取り出してモーゴットの倒れてる方へ走っていく。それからモーゴットの胸の上に花を置いて、すぐに戻ってきた。ミリセントに聞くと「円卓の本で読んだんだ」って答えだけでよく分からない。
アルタスの花なんて置いてどうするのかなぁ?

136名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:37:22 ID:pzPzsPLc


円卓会議5回目   投稿者:ビルダー拓也


円卓に戻ると、早速マネージャーが席に座って、隣にラーヤも座らせた会議モード。オレ脇腹折れてますって言うと、俺が怪我してたのを見越してたみたいで生肉団子と毒消しのコンボを提供される。ちょっと臭いけどユッケみたいで美味いぜ。ネフェリが最初に席に着くとディアロスとミリセントも座って、最後は拓也の順番だ。あの便利な団子ってなんの肉なんだろうな?

ミリセント「ネフェリ、君はもういいのか?しろがね村の生き残りを探しに行ったと聞いたが」


ネフェリ「ああ、用は済んだ。ロボという狼とラティナというしろがね人を救ったが、他は既に手遅れだった」

ミリセント「そうか…」

ネフェリ「だが、四鐘に導かれた先に、故郷を想わせる鷹の王を見出して、私は悟ったのだ」

ネフェリ「義父のギデオンを王とせずとも、私が新たに、王を見出せば良いと」

椅子を引いてネフェリが立ち上がる。
全員から視線受けながら、少し間を置いて

ネフェリ「皆が大変な時に、手前勝手に抜けて、すまなかった」

ネフェリ「私も、お前たちの王を探す旅に加わりたい。許してくれるか」

とか、妙にかしこまった態度で謝罪を入れてくる。
ギデオンとのことならネフェリは悪くないし、最初っから責めてないんだけどな。

ミリセント「ああ、加わってくれ。君が共に居てくれると、心強いよ」

ディアロス「許すと言っても、そもそも私は責めた覚えは無いのだが…」

拓也「ウッス!よろしくお願いしまっス!」

マネージャー「というわけです。みなさんからの許可も降りたことですし、加わってくれますね?ちなみに私も、あなたが悪いことをしたなんて欠片も思っていませんからね」

ネフェリ「そ、そうか…それでは、よろしく頼む」

王探しの旅に加わって、ネフェリは唇を締めてちょっとソワソワ気味。この先どうなるんだろうってところに見知った顔が戻ってきてくれて、拓也の緊張もケツマンと共に緩む。でもマネージャーがその緩んだ緊張を戻すかのような話題を振ってくる。

137名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:42:13 ID:pzPzsPLc

マネージャー「さて、ネフェリさんが戻ってきた事ですし、話しておかなければならないことを話し合いましょうか。拓也?何か報告はありますか?」

拓也「あっ、はっ、はい。あっ、ありまっす」

拓也「えーと、まずは黄金樹に入れないから、滅びの火って奴で焼かなきゃいけないのと…」

マネージャー「焼く!?…ああ、いえいえ…続けてください」

拓也「うす。もう一個はメリナが言ってたマリカとラダゴンの話で、最後は…」

マネージャー「…最後は、なんです?」

そこまで言って言葉に詰まる拓也は、首筋に冷やっとした感覚を覚える。俺が言っても言わなくても多分ネフェリが話すし、ネフェリが話さなくてもミリセントが自分で話しちゃうんだろうなって思っても、中々口にできないぜ。ミリセントが少しづつ、ケイリッドをガン掘りの腐敗タネマン状態に堕とし込んだ、あのマレニアに近付いているなんてさ。でも俺の予感は案の定的中して、ミリセントが全てを話してしまう。

ミリセント「…私が、マレニアと同じく、腐敗として咲きつつあることだ…」

マネージャー「え!?」

ミリセント「モーゴットとの戦いも含め、今まで二度咲いた。もう…後が無いのだと思う…」

ラーヤ「後が無いとは、どういうことですか?…英雄様は腐敗を使うお方のはず…その言いようでは、まるで…」

マネージャー「ちょ…ちょっと待ってください!どういうことですか!?後が無いって…」

拓也「ウッス!すいませんマネージャー!申し訳ないす!」

ディアロス「話すか否か…話すとしていつ話すべきかを逸してしまったんだ…」

ディアロスも言ってるけど、マジで話せるタイミング無かったなりね。火山館での出来事は現実感無くて何が起こったかあの時は分からなかったし、ディアロスは精神ボコボコにパンチ喰らって自分のことで一杯一杯。しかも帰ってきたらギデオンの虐待と犯罪行為が発覚してネフェリが泣いちゃってそれどころじゃないって空気になってさ、あの後に話を放り込むなんて無理だぜ!今となってはこういう言葉も言い訳に早変わりだから、拓也はとにかく謝るしかない。

マネージャー「待ってください!今はミリセントさん優先で話します!」

拓也「うす…」

マネージャー「それでは…ミリセントさん、もう後が無いというのはどういう意味ですか?」

ミリセント「それは…感じるんだ…」

マネージャー「何をです…?」

ミリセント「腐敗が進み、私の中で花開くごとに…感覚があるんだ…腐敗の力と、その力に抗う意志というか…」

ミリセント「…ともかくそれが、私の中で強まり、私を突き動かしていくのが分かるんだ。…次、再び花が咲けば、私はそれに飲まれるだろう…」

マネージャー「飲まれてしまうと…どうなるんですか?」

マネージャーに聞かれて、ミリセントは一度黙る。それから、分かってるけど言いたくないことをどうしても言う時みたいに、誰にも目線をあわせないまま応える。


ミリセント「…おそらく私は…腐敗の花となるか…伝承にあるような、腐敗を撒く朱き翼…マレニアの同類となる…」

ミリセント「どちらになっても…私は君たちを…ひどく傷つけ、その命をも脅かしてしまうだろう…」

ミリセント「…すまない…」


ミリセントが言い終えると、マネージャーは背もたれにもたれかかって天井を仰いでから、テーブルに両肘をついて頭を抱える。口を半開きにしてミリセントを見つめるラーヤは、少し呼吸が乱れてるのが服の上下する様子で分かる。ネフェリは腕を組んだまま一言も喋らないし、ディアロスと俺はやらかした!って感じで居心地がチョー悪くなって、俺は罪悪感で背中と首筋に熱を感じる。

138名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:49:35 ID:pzPzsPLc

ミリセント「…もっと早くに…マレニアの分け身であると知った時に、全てに気付けていれば良かった…」

ミリセント「だが…私は失敗した…己に巣食う業を忘れ、君達との旅に、安らいでしまった…」

ミリセント「やはり私は…去るべきだった…」

自分を疫病神みたいに言ってるミリセントに、頭を抱えたままのマネージャーが言う。
「あなたは悪くないです」のその一言はそれでもミリセントを傷付けるだろうけど、これは事実だしそう言うしかねーよ。

マネージャー「…自分の病気が、周り全てを巻き込む時限式の核爆弾だなんて、普通は気付けないですよ。例え気付けたとしても、周りに言えるわけがありません。言えば隔離されるか、排除されるか、殺されるに決まってます。私がいた世界でも同じです」

マネージャー「私があなたでも言いませんね。それにあなたはマレニアの善性の全てを受け継いだだけであって、自分に宿る腐敗の特性は、そもそも知らなかったんです。知らない人に対して、教えてもいない身で『気付いておくべきだった』と言うのは、無責任な結果論にすぎません」

ラーヤ「核爆弾…?」

マネージャー「私と拓也の世界で言うところの、朱い腐敗のようなものです。その例えは無視してください」

マネージャーがマイバッグを開けると、中から携帯と、携帯に繋がれた持ち運び充電器が出てくる。マネージャーは携帯から充電器を外すと、携帯を起動してメモ帳を開く。

マネージャー「さて、それではミリセントさんの腐敗をどうやって無力化するかの話をしましょうか」

沈んでたミリセントがその言葉に顔をビクッと上げて、何を聞いたか分からないって目線を俺に向けてくるけど、俺にだってわかんねえよ。腐敗が治せるならとっくの昔にミリセントのお父さんのゴリ?が治してるはずだし、少しの努力で治るなら、マレニアの分け身だっていう大層な事実はどうなるんだよぉ?ミリセントから向けられる驚愕の視線を気にしてないみたいに、マネージャーは携帯片手に会議でメモを取る気マンマンだ。

ミリセント「無力化なんて…君は何を言ってるのか分かってるのか…?」

マネージャー「分かっています。だからあなたから情報を聞き出そうとしてるんです。狭間の地には腐敗を抑え、あるいは取り除く手段は多く存在しますが、女神の腐敗ほどのものを癒す手段はありません。今まで調べた土地に、そのような物が無い以上、ヒントはあなたに求めるしかありません」

ミリセント「む…無理だ…私の腐敗は、決して癒えることはない…ラダーンでさえも逃れられぬ悪病なんだ…」

マネージャー「それでは、あなたの腐敗を抑えた金の針は、一体誰が作ったんです?マレニアの義手は、何故腐敗に犯されて腐り落ちないんですか?」

ミリセント「それは…」

マネージャー「腐敗に抗う手段はまだあるはずです。少なくとも、その方法を確立した人物はどこかにいるはずなんですよ。その人になら、三度目の開花を防ぐ方法も見出せるかもしれません」

ネフェリ「観念しろミリセント。無駄だと断じることなど、それこそ無駄だ」

ネフェリ「嫌とは言わせんぞ」

マネージャーの押し付けまくりなトークとネフェリの鋭い眼付きに気圧されて、ミリセントは言い返せなくなる。ディアロスと俺も無言でうなずいてなんか責めてるみたいだけど、コレも愛のムチだぜ。今までミリセントには何度も助けられたんだから、助けられた分のお返しは終わっちゃいないからな。

ミリセント「本当にすまない…君達には…本当に…なんと言ったらいいか…」

両手で顔を抑えて嗚咽するミリセントに、ラーヤが駆け寄って肩を抱いてあげる。この感じだとやっぱりミリセントはオレ達から離れてからどこか遠くで死ぬつもりだったんだ。でもなんか話がいい方向に進んで良かったぜって、拓也も胸筋をなで回す…はずだった。マネージャーはいきなりギン眼で拓也とディアロスを威嚇。ネフェリからの視線もチョー冷たくてキツいぜ!

マネージャー「なんとか言うべきは貴方達です。言うことありますか?」

拓也「ないダス…」

ディアロス「…申し訳ない…」

マネージャー「遅かれ早かれ、ミリセントさんの腐敗の宿痾はいずれは進行していたでしょうけれど、その事態が手遅れ一歩手前まで伏せられていた事については、貴方達のせいでもありますからね。これからしばらくは馬車馬の如くこき使うと思いますので、そのつもりで」

マネージャー「分かりましたね?二人とも?」

拓也「ウッス!」

ディアロス「ウッス!」

マネージャーの奴隷になる俺たち。

139名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 21:02:08 ID:pzPzsPLc

ミリセントが落ち着いてから、マネージャーはインタビューを開始。
ミリセントが気になっていたものを全部聞き出そうってんで、メモを走らせる。

それで分かったんだけど、ミリセントはメリナが話していた巨人たちの山嶺ってところを超えた先にある、エブレフェールの聖樹ってところに、ずっと呼ばれてる感覚があるらしい。そこにいる誰かに渡さなきゃいけないものがあるってさ。そこまで言われたらもう行くしかないって、早速マネージャーがメモに記入。どうやって行くのか分かりますか?ってミリセントに質問を投げる。でもミリセントにも分からなくて、じゃあどうしようって時に、拓也は競パンの中の違和感に気付いた。

拓也「ウッス!これなんかどうすか!?」

競パンに入っていたのは暗い色をした割符だった。メリナはあの時、俺のズボンの中の競パンにコイツを忍ばせてたんだぜ。普通に渡せよな!マネージャーは早速ゴム手袋を装着。ホカホカの拓也湯気に包まれた割符を受け取って写真を撮り、携帯に集めた資料と照合を開始。結果はすぐに出た。

マネージャー「早速お手柄ですね、拓也。これは巨人たちの山嶺へと続く、禁域への大昇降機を動かす割符です。どこで手に入れたんですか?」

拓也「ウッス!多分メリナって子に競パンに突っ込まれたんすよ!」

マネージャー「メリナ…その名前は先程も聞きましたね。あとで詳しく聞かせてもらいますね」

ミリセント「普通に手渡しでは駄目だったのだろうか…」

ネフェリ「子供のやることは分からん」

巨人たちの山嶺への行き方が分かって、会議は次の問題にズブリと入る。
「ミリセントさんのことでインパクトが薄れましたけど、これも相当困った問題ですよ?」ってマネージャーが言ってる通りで、このことについてはメリナを信じるしかない。黄金樹を燃やしても良いのかどうかなんて、俺たちには分からないなりね。マネージャーに聞いても「私が知る限りでは前例が無い」「というか前例があれば今の黄金樹にも痕跡があるはず」っていう、俺でも思いつく返事が返ってくる。

マネージャー「私はそのメリナという子に会ったこともないんですが、あなたが言うことが正しければ、今も私たちの周りにいるという事ですよね?」

拓也「ウッス!そうらしいっすよ」

マネージャー「そうなると、覗かれているような気がして良い気にはなりませんね。意思疎通が円滑にできていれば、ギデオンへの監視を任せられたのでしょうけれど…」

拓也「俺が黄金律と全然繋がってないから、簡単には出てこれないみたいっす。俺以外のヤツについて行けばいいと思うんすけどね」

ネフェリ「繋がりのある褪せ人を選び、しかし使命を果たせなかったからこそ、拓也に白羽の矢を立てたのではないか?」

マネージャー「それはあり得そうです!旅の途中で消息を絶った褪せ人の記録は、円卓に山ほどありますからね。納得です。ただいずれにしても、黄金樹を燃やすことに関しては情報が全くありませんし、ここは思い切って二本指を頼るのも手かもしれませんね。あとで聞いてみることにします」

マネージャー「さて、それではメリナさんが言っていたこと、マリカとラダゴンについての話を聞きましょうか」

あの時メリナがなんて言ってたのか、俺はほとんど覚えてなかったから代わりにディアロスが話した。ラダゴンが黄金律の犬で、ラダゴンはまだマリカではなくて、マリカとラダゴンは一緒に砕けた?死んだ?って話。でもマリカは黄金樹に閉じ込められてるとか、隠れてるとかの話もあって、やっぱ俺にはわけわかんねーよ。どれが本当のことなんだっていくら乳首をこねくり回しても真実は見えてこない。

マネージャー「マリカがラダゴン…ですか」

マネージャー「途切れ途切れの文献を集めたうえで、今分かっていることだけを見ても、両者が同一人物とは考えにくいですね」

マネージャーが携帯を操作してメモ帳を閉まったあと、写真を表示して皆に見せて、次々にページをめくっていく。俺は機械の扱いにも慣れてるけどさぁ、こんなに情報をドンドン見せられても、訳わかんないだけだと思うんだよね。俺の読みは当たって、俺以外のみんなは何を見せられてんだよって顔で、眼で写真を追うので精一杯って感じになっている。

マネージャー「マリカは群雄割拠の戦国時代をゴッドフレイと共に統一し、黄金時代の基礎を作り上げた神。いわゆる創世記の神です」

マネージャー「そしてラダゴンは、巨人戦争で功を上げて勢力を増したあとに、カーリア王家と争いました。彼はその後にカーリア王家と和解し、レナラと結ばれて何人かの子をもうけましたが、さらなる力を求めてレナラを捨て、マリカの王配にまで登り詰めました。野心的英雄ですね」

マネージャー「どちらも性格としては似通ったところがありますが、二人が同一人物となると、かなりの量の矛盾が生じてしまいます」

マネージャー「例えば、王配ラダゴンの時代における捧闘の文化の衰退などが、分かりやすい例です。私が調べた限り、マリカは極めて好戦的かつ独善的な神に思えますが、そんな彼女がラダゴンと同一の存在であるとするなら、彼女は神である自分に捧げられる闘いの祭事を、自らの手で破壊したことになります。長年かけて作り上げた自分の権威を自分で壊すようなものです」

マネージャー「このような矛盾が、二人に関する歴史の各所で発生する以上、二人が同一人物である可能性はかなり低いように思います。二人の神格の伝説が、情報の消失や不正確な伝聞を繰り返すうちに、ひとつに統合されたという見方でもしない限りは、これらの矛盾は解消できません」

140名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:20:49 ID:6w5.gtmw

マネージャーは写真を閉じて鼻からフーって息を出すけど、俺達は情報が多くて圧倒されただけで、納得できたかどうかは微妙。やっぱりよくわかんねーよ。俺たちよりもメリナの方が長く狭間の地にいるし、実際に割符もくれたし、俺たちに嘘をつく理由が分からないなりね。そのこともマネージャーはわかってると思うけど、目が開き気味で、得意げに自分の調査の成果を誰かに見せたくなってる気がするんだよね。気持ちは分かるけどさー

マネージャー「えー…とにかくですね…マリカとラダゴンについては、正直まだ情報が足りません。悔しいことですが、この件はギデオンとも話をしなければならないと思います」

拓也「は?え、ヤバくないすかそれ?危なくないですか?」

ネフェリ「そうだ。何を画策しているか、知れたものではないだろう」

マネージャー「心配いりません。ギデオンは大ルーンを集めることと、智識を得ること以外には興味がありません。私はかつて彼に協力しないと言いましたが、彼はそのことを気にも留めていないでしょう。私が恥をしのんでギデオンの書斎に入り、気まずさを我慢すれば済むだけのことです。大ルーン探しのヒントくらいは提供することになるかもしれませんが」

ミリセント「しかし、それではラーヤの父が危ない。ギデオンの手下は、しろがねの村を滅ぼしてしまったのだろう?」

ネフェリ「丸腰の者共を襲い、なお幾人かのしろがね人を取り逃すような者共に、デミゴッドを狩れるとは思えんがな。ラーヤ、お前の父は忌み潰しや犬どもに屈するか?」

ラーヤ「あり得ません。ライカード様は生命を冒涜し、神をも喰らわんとしたお方です。たとえ英雄様であっても、あのお方を弑することは出来ないでしょう」

ミリセント「…君がそこまで言うのなら、信じてはみるが…」

考えてみると俺はライカードと会ったことがない。ブライヴが蛇とか言ってた気がするから蛇の形してるんだろうな。ラダーンとかゴドリックとか、他のデミゴッドの事を考えるとライカードっていうのも相当なパキギメガタイの持ち主に違いないぜ。娘のラーヤも蛇の姿になったら拓也の激エロビルダーガタイの胸囲よりも太い首になったしね。大ルーンを手に入れるとガタイが全身パンプして強くなるなら、今は普通のネフェリもゴドリックみたいになるのかな?


円卓での会議が終わってから日にちを跨いで、次の日の朝から禁域に向けて出発。
ミリセントは例の腐敗の事があるから円卓で待機するはずだったけど、戦わないにしても何かやりたいって事で、マネージャーから「金仮面卿は探求者です。彼を探してください」って頼まれた。今は俺たちとは別行動だけど、金仮面について行ったコリンが黄金樹狂いのマジ信者ってことが分かってたから、ミリセントは黄金樹の周りを探してみることにしたらしい。

よく体力あるよな。毎日闘いづくめのハードスケジュールの中で、戦えないオレはまだ楽でいいけど、他の皆は毎日ジムでガタイいじめ抜いてる以上のストレス職場だぜ。だからみんなもちゃんと休みとってくれよな。そうじゃないとオレも休めないからな。特にオレは祝福にあたっても体力戻らないんだから、最近はガタイも栄養が不足して少しづつ縮んでる気がする。身体いじめるなら栄養も補いたいぜ。

なんて考えながら、オレは禁域への道を求めて今日も王都を駆け抜ける。ディアロスとネフェリを入れた三人のメンツで、適当にぶらついて見つけた門を開けると、奥から翼の生えたブサイク顔がナタを持って襲ってくる。そいつは一瞬でネフェリに叩き殺されたけど、顔が人間なのに尻尾が生えてて脚の形もなんかおかしいしでチョーグロ!ディアロスが言うには、コイツらは混種っていう奴ららしいけど、ここまで混ざってると元がどういう生き物なのかもわかんねーぜ。

でも今まで見たことが無いやつが居る所には何かがあるって、オレの歴戦のビルダーガタイが問いかけてくる。オレも伊達にエルデを回ってるわけじゃない。こっちの方が怪しいっていうオレの意見にはネフェリとディアロスも賛成で、三人でそのまま進んでいくと、いきなり敵の集団に襲われる。さっきの混種の仲間が次々飛んできて、奥からは赤獅子城で見た赤毛のデカ獣人がギン眼剥いて吠えまくり。ディアロスが混種を一人ムチでしばき上げてる間に、ネフェリは雷と風の人間洗濯機コンボで混種三人を一気にガン掘り。デカ獣人が剣を持って飛び掛かってくる頃には、残る敵はそいつだけ。

と思いきや、さらに白衣を着た奴が奥から二人出てきて、体にバリアを張って警戒してくる。デカ獣人はネフェリとの一騎討ちでこっちに来る感じは無いけど、コイツらの行動が読めなくて俺たちは警戒を解かないまま、ヒソヒソ声で作戦会議に入る。

141名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:27:43 ID:6w5.gtmw

拓也「なんなんすかねアレ?」

ディアロス「彼らは調香師だ。香を嗅ぎ分け、調合の技を振るう。火の粉に気をつけろ」

ディアロスはチョー警戒してるけど、白衣の二人は目の前で右往左往で、襲ってくる気配が無い。
そこでホスロー家の分析が入って、白衣の奴らの弱点が判明する。

ディアロス「…そうか、香りか」

ディアロス「調香師は香りを嗅ぎ分け、薬効を判断する…その香りに、貴公からの異臭が混じっているのだ…」

ディアロス「嗅いだことの無い異臭には、火薬もぶつけられまい…ぶつけて大爆発でも起こせば、敵との心中となるのだからな。フフ…」

拓也「マジ?これってチャンス?」

俺の激エロな雄フェロモンには、イエロの瞳含めていくつものキメ物が入ってるし、ここに来てから一度も歯を磨いてない(歯ブラシがないから)拓也は、こいつらにとっては全身から淫乱な匂いを発散する一匹の野獣だ。この溜まりに溜まったエロバワーを、こいつらに向けて一気に解放するぜ!

オレは王者のように大股開きで歩きながら近づいて、怯んでる調香師の調教を開始。金色のバリアが貼ってあるけど、黄金樹とは何の関係も無いオレの手はバリアを素通りして調香師のマスクを取り去り、オレの唇が調香師の唇を奪う。

調香師A「弧゜ッ!!!」

コイツは相当溜まってたみたいでキスされただけで白目剥いてマジイキをキメ込む。ピンと張った手足と背中はガチガチに固まって痙攣を始めて、オレが前掛けを剥がしてズボンに手を突っ込むと、その股間もグジュグジュに濡れててマジエロっ!コイツ相当欲していたんだな!って高潔なボランティア精神が湧き上がり、口に突っ込んだ舌を調香師の震える舌に絡ませて、歯の裏を舐め回すと白目から涙が滝のように流れてきて、顔も耳も真っ赤で汗も俺の鼻にまで垂れてくる。

調香師B「あ…あ…あ…」

ディアロス「すまない、本当に同情するよ」

調香師B「うわぁーっ!」

久しぶりに男の唇を吸ったオレは完全に淫乱なモードにギアが入って、キスで責め倒した方を投げ捨てると、逃げようとするヤツを背後から押し倒す。そしてそのまま暴れるそいつを腕力で制しながら、こいつのチンポを強く握りしめてローションも無しに拳でケツマンをファック!一息に手首まで突っ込まれた衝撃で、相手は一気に抵抗をやめて白目剥いて海老反りに入り、階段を小便で濡らしていく。「まだ行くんじゃねーぞ!」とオレにもSが入り、深々と刺さったフィストをぶち抜くと、両手で相手の顔をホールドしてから容赦なくキス強要。

調香師B「弧゜ッッ!!!!」

猛烈な快楽の濁流に飲まれた相手は、一瞬で意識がぶっ飛び射精!白目剥いて真っ赤の顔には青筋が浮き上がって、激エロ興奮のし過ぎで鼻血が出始めてる。ここまで感じてくれると逆に怖くなってきて、激しく痙攣しながら脱糞を繰り返すそいつを放置してプレイ終了。オレは不完全燃焼だったけど、客は満足のしすぎで今にも死にそうだからやめとくぜ。

ディアロス「洗練させた嗅覚が仇となったな…哀れなことだ…」

拓也が二人をヤリ潰した後にネフェリを見ると、そっちもどうやら終わりそうで、血まみれの獣人がギン眼のネフェリに斬られまくって吠えまくり。前よりも全然強くなってるからか、ネフェリには擦り傷のひとつもついてない。最後にネフェリが雷の斧で獣人の脳天を犯してフィニッシュ。脳みそを射精みたいに飛び散らせて獣人はダウンした。

ネフェリ「王都の兵なだけはある。見事な戦士だった。お前たちも終わったか?」

拓也「ウッス!」

ディアロス「問題はない」

ネフェリ「ならば進むぞ。しかし糞臭いな、どこから臭ってるんだ?」

142名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:34:00 ID:LkVimkT.
調香師かわいそう(ミランダパウダーを回収しながら)

143名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:36:39 ID:6w5.gtmw

敵の群れを抜けた後にはデカい扉があって、開けると奥には何十人も乗れそうな木造エレベーターを発見。狭間の地はなんでもデカいけど、さっきの二人はデカマラってわけでも無かったな。なんて考えながらエレベーターで上に登ると、長い石橋に出る。天気が一気に悪くなって雨の中、橋の上には兵士が三人と騎士が二人いて、騎士の片方は馬に乗っている。さっそくネフェリが兵士三人に突っ込んで斬りまくると、騎士も騒ぎに気付いて二人同時に向かってくる。

ネフェリの斧が盾を持ってる騎士の盾にぶち当たると同時に、馬に乗った騎士がオレに向かって槍を構えて、逃げるオレのケツを追いかけ始める。そんなのでケツマン抉られたら死ぬぜ!ってガチ逃げしてると、ディアロスのムチが馬の前脚に絡みついて、ディアロスが転けると同時に馬も転けたところを、オレは剣で斬りつける。でも全然効かねー!鎧が硬すぎてどこ斬れば良いんだよって拓也はひとりパニック。

そうしてる間に、ネフェリは両手の斧を使って盾持ち騎士から盾を弾き飛ばして、首に斧を叩き込んでいた。オレは起き上がった騎士から逃げてディアロスに合流。ディアロスを立たせて「ウッス!お願いしまっす!」と他力本願モードでおねだりする。ディアロスが嫌々盾を構えたところで、ネフェリがこっちの騎士も後ろからガン掘りして撃破。「相変わらずだな、拓也」と余裕を見せつけられて、懐かしさで照れ笑いが出てくる。

進んだ先にあったコロセウムみたいな建物に入るとエレベーターがあって、割符をどこに使うんだって周りを探したけど、それっぽい物も無かった。どこのエレベーターに使うんだよ?って疑問に答えが無いまま、三人でエレベーターに乗ると、着いた先で気温が一気に下がってマジ狂い!息が白くなって、そよ風だけでも刺すような寒さがオレとネフェリを襲う。でもディアロスだけ平気そうで羨ましいぜ。その鎧オレにもくれよ!

拓也「うぉあ寒っみーなオイ!マジかよぉ!」

ネフェリ「すーっ!寒いっ!なんだいきなり…!?」

ディアロス「この寒さ…外では雪でも降ってるのか?」

拓也「あーっ!寒い!」

拓也「あっ!?」

自分の肩を抱いて内股になりながらプルプルで震えていると、ネフェリがいきなり抱きついてきて、俺のムチムチした胸筋に胸を押し付けてくる。だからオレにはそういう趣味ねーよ!って身を捩って脱出しようとするけど、ネフェリのゴリラみたいな腕力で締め上げられて上半身の骨が全部軋み、動きが封じられる。でも窒息イキする前に力を緩めてくれてどうにか意識は繋いだ。マジなんなんだよぉ!?

拓也「ネフェリさん!?なにするんですか!?やめてくださいよ!」

ネフェリ「恥ずかしがっている場合か!熱が消えれば凍え死ぬぞ!」

ネフェリ「ディアロス!ここに長居するのは危険だ!一度退くぞ!」

ディアロス「ああ、そうしよう…ここの寒さは私の鎧にも沁みる…」

元きた道を逃げ帰って急いで王都まで戻ると、寒さに強い服を着て行こうという事になって、探求者を探すはずが服を探すことに。そこでディアロスが「王都で倒した二人の調香師から服を奪おう」って提案。ネフェリが死者からはあまり奪いたくないって言って拒否して、オレも拒否した。汚したのはオレだけどさぁ、アイツら糞と小便まみれで汚いじゃん。

だから結局円卓まで帰って、双子の婆さんから防寒具になりそうな物を買おうとしたけど、金属鎧しか売ってなかった。もう仕方がないってネフェリも嫌々な顔で、三人でストームヴィルのゴドリックに話をつけにいった。

ゴドリック「ハッハッハーハハ!寒さを凌ぐ武具など、我が城には掃いて捨てるほどありますぞ!お好きにお選びくだされ」

そのゴドリックが恩を売りつけるなら今だってばかりに、鎧をズラッと並べてくる。どれも手入れがされてて、コイツ本気で取り入ろうとしてるなって感じがビンビンだぜ。これが神様だっていうんだから、世界がマトモになってもリムグレイブの人は何を信じたらいいのか分からなくなりそうだよな。えんじ色の布がグルグルに巻かれた鎧をネフェリは二つ選ぶと、黙ってそのまま持ち去って行こうとするから、ディアロスが流石に礼くらいは言ってやってもいいじゃん?って説得。

ネフェリ「…感謝はするが、ゴドリック、貴様の下心が気に食わん。貴様の首が繋がっていることが、貴様に対する私の礼と思うんだな」

でもネフェリは礼と言うにはあんまり過ぎる礼を返して、金のコックリングも払わずに去っていく。こんなので良いのかよ!?ってゴドリックを見ると、悟り顔のままコイツはコイツで納得してそうだった。すっかり中間管理職みたいな空気が板についてきたぜ。偉そうだったコイツは怖くて好きじゃなかったけど、偉さのカケラも無いのもどうかと思うんだよな。

ゴドリックからホカホカな鎧をもらって王都に帰ると、禁域探索が始まった。
やっぱり首に布が巻いてあるのは良いよな。

144名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:40:48 ID:6w5.gtmw

続きだぜ!
元のチョー寒い降りのエレベーターに戻ってから外に出ると、辺り一面が真っ白の雪景色に変わって、しかも全体的に薄暗くて前は見づらいし鼻は冷たいしでマジヤバい!とりあえず近くに祝福は見つけたけど、こんなところ進むのかよって拓也は早くも意気消沈気味。それでもネフェリは「行くぞ」って言って進み始める。こんな状況でもやる気が萎えないんだから流石だ。

ネフェリ「止まれ」

ネフェリがいきなりそう言うと、口元に指を当てるジェスチャーをしたから咄嗟にオレとディアロスも口を抑える。そしてそのまま岩場に歩いて行って三人で身を隠すと、少しづつ馬の足音みたいなのが聞こえてきて、音はさらにデカくなっていく。音の出どころは何かと思って、オレが顔の上半分だけを岩場から出して確認すると、相手は例のマルギットに仕えてた、あの殺し屋系の黒ずくめナイトだった。

こんな状況でアレと戦うのかよって思ってると、まさかの携帯からの着信!
凍りついた雰囲気の中、能天気なパラオナボーイが真冬の禁域にこだまして、俺は探索に出る前に円卓で交わした会話を思い出す。

マネージャー「ミリセントさんに何かあった時のために、彼女には私のマイ携帯を渡しておきます。拓也?あなたが私と電話したい時は、いつもの仕事用携帯にかけてください」

ミリセント「ケイタイって…こんなもの、私には使えないぞ」

マネージャー「使い方は私が教えます。いきなりメールはハードルが高いので、電話機能の使い方だけを教えますね」

ミリセント「よろしく頼む…」

やられたぜ!ミリセントが間違えて電話してきたな!殺し屋系ナイトは携帯の着信音に敏感に反応。馬を操ってこっちにダッシュをかけてくる。「馬鹿!何のつもりだ拓也!」って携帯の仕組みを知らないネフェリに頭を叩かれつつも、オレはネフェリと一緒に岩場を飛び出した。

145名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:49:23 ID:6w5.gtmw

「待ってくれ!」と叫んだのはディアロスだった。装備が重いから咄嗟には逃げられなくて、ネフェリの後ろを走るオレよりもちょっと離れた距離を追いかけて来る。そのディアロスに向かって殺し屋騎士が武器を振り回して追いつこうとして来たところに、「伏せろ!」って声と同時に、ネフェリが急ブレーキをかけて反転してから騎士に飛びかかる。

ネフェリの両手斧に両肩ファックされて騎士はたまらず雄鳴き。その間にディアロスはオレと合流。
仕方ないから戦うかって感じで武器を抜くと、近くの岩陰や足元から、ノコギリを持った小人が何人も出てきた。

ディアロス「卑人だ!多いぞ!6人はいる!」

その声にネフェリはハッと顔を上げると、騎士が武器を振り回してネフェリを投げ飛ばし、遠くに馬を走らせながら弧を描いて向かって来る。投げられたネフェリは空中で体操選手みたいに回転して、ディアロスの隣に着地。足元の小人の股間に斧を叩きつけて悶絶させて叫ぶ。

ネフェリ「この場は不利だ!駆け抜けろ!」

拓也「ウッス!」

今度はちゃんと合図も間に合って、三人揃って駆け出して走りまくり。後ろからは小人がノコギリを振り回す音や、馬の蹄が雪を打つ音が聞こえてきて、寒さも相まって全身に鳥肌が立つ。「崖だ!跳べ!」ネフェリの掛け声がまた響いて俺たちは同時にジャンプ。でも着地した先で毒霧が爆発して違ドラに全身を犯されてマジ狂い!ハメられた!通り道に罠を仕掛けたな!

拓也「うぉあーっす!うーっす!」

ディアロス「ネフェリ!拓也の様子が…」

ネフェリ「私が背負う!治癒はあとにしろ!走れ!」

ケツマンに毒を仕込まれてポジ狂いする拓也を背負ってネフェリが走り、その隣をディアロスが走る。鼻水も凍る極寒の中に違ドラ仕込まれて生命の危機を感じてる拓也のチンポは、オレの意志に逆らって自動的に勃起。ドクドクと射精して種を残そうとし、ネフェリの鎧の背中に一本の白線を描き出す。まったくよー、こんな寒いところでタネ残したってすぐに凍っちゃうだろ!本能ってマジ頭悪いよな。

ディアロス「この臭い…! またやったな!拓也!」

ネフェリ「構うな走れ!追いつかれるぞ!」

小人からは逃げ切ったけど、殺し屋騎士はむしろどんどん迫って来ていて、馬の走る振動がネフェリの走る振動と合わさって、オレの違ドラチンポに激エロな刺激を送り込む。ほとんど床オナ状態になってる拓也はアンアン喘ぎが入って、ポジも相まって狂い方が加速していく。飛びそうな意識の中、このままじゃ逃げ切る前に出し切っちゃうぜって思った瞬間

ネフェリ「伏せろっ!」

ディアロス「うわっ!」

前の方からチョーデカい色黒ガタイを誇る石像が飛んできて、俺たちの頭上を通り過ぎてから殺し屋系騎士と正面衝突。デカい翼を振り回しながら武器に赤い煙を纏わせて、地面に転がった殺し屋系騎士を一方的に叩きのめし始める。

ディアロス「ははっ!いいぞ!そのまま相討て!」

ネフェリ「調子付くな!走れ!」

石像に救われた拓也は、それでも思った通りに金玉を空にするほどの射精をネフェリの背中に撒き散らして、ビクビク痙攣を始める。その様子を横目で見てるディアロスは明らかに青ざめてる。きっとネフェリはスゲー怒ってるんだろうなって、全身の甘い痺れに飲まれかかってる頭でオレは考えた。ネフェリは暗くてデカいエレベーターについた後に、オレを下ろしてから割符を取り出して、エレベーターに向ける。すると割符の宝石がピカッと光って、エレベーターが動き始めた。大昇降機ってこれだったのかぁ。

ネフェリ「はぁ…」

ネフェリは軽く溜息をついてから、オレの右頬にピンタを一発キメる。本人は軽くやったつもりだろうけど、オレはすさまじい打撃に一瞬で皮膚感覚がぶっ飛び、意識混濁がチョー気持ちよくて死ぬぜ!右頬だけ2倍に膨らんだ拓也の頬は、この寒さの中でも火に焼かれたみたいに熱いし、口の中は血まみれになって鉄の味が鼻をついて、オレの意識を無理矢理引き戻してくる。背中をザーメン塗れにされてもきっとミリセントならぷんぷん怒るだけで許してくれたけど、ネフェリは実際に手が出てくるから怖いぜ。

146名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:57:59 ID:6w5.gtmw

ネフェリ「毒を盛られるだけで動けなくなるとはな」

拓也「うっしゅ!王都でちょっと気持ちよくなりしゅぎて、ギャタイが敏感になってましたっしゅ!」

ネフェリ「敏感であろうと、毒のひと盛りで腰が抜けて放精するなど、情けないとは思わないのか?私が走り抜けるという判断を下さなければ、お前は死んでいただろう。多少は性欲に抗ったらどうなんだ」

拓也「申し訳なしゅ…」

大昇降機の上で正座させられて本気の説教を喰らう拓也に、ディアロスも「話したところで、今更だとは思うが…」ってフォローを入れてくれて、ささやかな優しさを味わう。説教を終えたネフェリは、口がパンパンで喋れなくなってるオレに生肉団子の欠片と毒苔薬を提供してくれた。オレはネフェリの鎧のデカ布をカピカピにしちゃったのにね(笑)

大昇降機が上がり切ると、俺たちは雲より高い山に立っていた。後ろを見るとめちゃくちゃデカい黄金樹がそびえて、前には雲海の水平線が広がる。俺たちが立っている山にも雪が積もりまくってて、冷たい空気が肺の中の入ってくる。

拓也「スゲー!なにここ!富士山みたいじゃん!」

ディアロス「雪しか見えないな…本当にここに滅びの火などあるのか…?」

ネフェリ「どれ、地図によると…なるほど、禁域は既に過ぎたようだ」

ディアロス「過ぎたというと…ここが巨人の山嶺…?」

ネフェリ「そのようだ。ひとまず山嶺は見出した。一度円卓に…」

突然、ネフェリの言葉を遮るように、またしても携帯に着信が入る。
またミリセントが間違えたのかなって携帯を開くと、電話の相手はマネージャーだった。

マネージャー「拓也?禁域にはつきましたか?」

拓也「ウッス!禁域はもう過ぎちゃいまして、今は巨人の山嶺ってとこにいます!すげー眺めっすよ!」

マネージャー「あら、もうそこまで見つけたんですか?意外と早かったですね。お見事です」

マネージャー「こちらにも少し進展がありましたので、情報が新鮮な内に報告しておきますね。拓也?スピーカーをONにしてください」

マネージャーの言う通りにスピーカーをONにすると、携帯から大音量のマネージャーの声が流れて、ネフェリとディアロスの肩がすこしピクつく。「電池をあまり使いたくないので簡潔に話しますね」って前置きをしてから、マネージャーは喋りだす。


マネージャー「ミリセントさんが王都ローデイルにて、金仮面卿を発見しました。彼にメリナさんからの言葉である、マリカとラダゴンの話を伝えたところ何か閃いたらしく、コリンさんを連れて巨人たちの山嶺に向かったそうです。そちらに金仮面卿はいませんか?」


拓也「マジすか?見ましたっけ?」

ネフェリ「いや、見ていないな」

拓也とネフェリの視線がディアロスに移って、ディアロスが首を横に振ったと同時に、大昇降機が動きだした。突然の振動に雄膣揺すられて感じるあまり転びそうになりながら、オレは会話を続ける。

拓也「あん!」

マネージャー「どうしました?今の音はなんですか?」

ディアロス「ロルドの大昇降機が動きだした!」

マネージャー「動き…待って、どういうことですか!?」

ディアロス「分からない!誰かが仕掛けを…!」

ネフェリ「馬鹿な…割符は私が持っている…誰かが割符も無しに動かしたと言うのかっ?」

拓也「そんなこと出来るんすか!?」

ネフェリ「知らん…だが現に、この仕掛けは動いている」

拓也「なんかヤバそうなんで一旦切りまっす!すいません!」

マネージャー「拓也!?」

何が起きてるのか誰にも分からないまま、大昇降機は降りていった。

147名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 15:07:32 ID:6w5.gtmw


全てを知っていたかのように5人で探索   投稿者:ビルダー拓也


大昇降機が降りるがままに任せるしかない俺たちは、大昇降機が止まった瞬間に襲われることを警戒して武器を構える。下に降りていくごとに気温があったかくなって助かるぜ。寒い場所で斬ったり斬られたりなんてやってらんねーよ。大昇降機はそのまま降り切って、仕掛けを動かした謎の相手を乗せる。その姿には見覚えがあったぜ。

コリン「おお、やはり貴方がたも来たのですね」

大昇降機を降ろしたのはコリンと、長身のガリこと金仮面卿だった。
「貴方がたの同志、ミリセントに導かれ、先生の思索は巨人たちの地へと向きました」なんて言ってるけど、こっちはどうやって大昇降機を動かしたんだって疑問が先に来るから、ネフェリが先にそれをぶつける。金仮面は手に網なんか持ってるけど、中身は空っぽだ。

ネフェリ「お前たち、どうやって大昇降機を動かした?」

コリン「私は何もしていませんよ。ただ、先生の示す通りのことを、私の手足が行ったにすぎません」

コリンはそう言いながら大昇降機の石像に登り、盾の裏に手を突っ込む。
すると石像が回転して、大昇降機が動き始めた。

ネフェリ「な、何をした!?」

ディアロス「本当に、割符も無く動いている…」

コリン「先生は言われました。神の望む世においては、回帰性の求められるところに、因果性も必ず求められると」

コリン「神代の創造物である、この大昇降機にも、因果と回帰は巡ります」

コリン「時が経てば衰え、風雨に晒されれば脆くなることは因果が定めています。作り手が去れば、万物は無へと回帰しようと綻びを生じます。先生はそれを予期し、ただ私に語り伝えたにすぎません」

色々言ってるけど、要するにピッキングってことでオレはガッカリの顔でシラケ気味。たしかにいつどうやって大昇降機が壊れるかを言い当てるのは凄いけどさぁ、そんなのウリやってればオレにも出来るんだよね。オレのケツマン鑑定団にキメモノを差し出せば、妙に眩しいのはバイアグラだな、この動悸はイカ王だな、このエロさは3だなとかガタイによる分析書の作成は朝飯前だ。オレは今まで、シックスナインで回帰と因果を表現してきたんだぜ。

拓也「色々言ってますけど、ただの予測でしょ?数打ち当たるってヤツっすよね?」

ネフェリ「…ただの勘で、ここまでの事が出来るとは思えんがな…」

コリン「分からないのも無理はありません。先生の思索は奥深く、私も筆記することがやっとなのですから」

胡散臭い奴らと一緒に昇降機が登っていく。なんか面倒臭いことになったな〜ってダルダルな疲労を抱えて、合計5人で山嶺を進むことに。コリンはオレのこと無視してたヤツだし、なんでこんな奴らと一緒に旅しなきゃいけないんだよ。なんて思っても、ネフェリとディアロスのやる気にも関わるからそんな事は決して絶対に言えない。金仮面卿も戦えるとは思えないし、マジでネフェリとディアロスだけが戦力だぜ。

148名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 15:39:02 ID:6w5.gtmw

円卓に帰るはずが緊急のミッションが入ったんで、このまま山嶺探索頑張るぜ!
と言っても大昇降機を降りてすぐ見えるのは、なんか変な編笠被ったおっさんと、ボロボロの廃墟だけ。いきなり不穏な空気が漂ってて早くも緊張感が高まるけど、金仮面卿は近所の公園を散歩するみてーに躊躇なく進み始めて、慌てて俺たちもついていく。

編笠の男が「ようやくお会いできましたね、王となるべき者…」とか言ってくるけど、誰に言ってるのか分からないし金仮面が完全なシカトを決め込んで歩いていくから、皆なんとなくコイツを無視して歩いていく。いきなり話しかけて来て気味が悪いから、関わらないのが吉だぜ。

「おや、知らぬ存ぜぬですか?この体の元の主も、死んでしまったというのに」

なんて言われて関われるわけねーよ!構ってほしいならそれ相応の話を振れよな。
ネフェリとディアロスもオレに同意見みたいで、黙って金仮面についていく。

「残念ですね!貴方たちは釜に友を投げ込もうとしている!今ならまだ間に合いますよ!」

俺たちはそのまま、街の中でマジ狂いしてるヤツと不幸にも遭遇したってテンションで、編笠男から離れて廃墟の中を歩いていった。すると目の前を、ガリガリの騎士みたいなヤツが歩いてくる。ネフェリとディアロスは武器を構えるけど、金仮面は脚を止める。

コリン「先生が止まりました。武器を下げて、先生にならってください」

ネフェリ「なに?戦うなということか?」

ディアロス「そんな場合では…」

コリン「心配いりません。先生はこの山嶺に登る前に、すでに旅を終えているのです」

ネフェリ「なに?」

ネフェリから疑問の声が上がると同時に、近づいて来ていた騎士が曲がり角を曲がって、俺たちの前からいなくなる。それと完全に同時に金仮面はまた歩き始めて、ネフェリは言葉を失ったし、オレもあまりにも自然に起きた事がなんなのか分からない。「おい、今のはなんだ!何をした!?」ってネフェリの声に、コリンが「何もしていません。先生は知っているだけなのです」と煙にまいてくる答え。勿体ぶってないで教えてくれよって考えながらも金仮面の後ろをついていくと、あっさり廃墟を抜けて長い橋に出る。

拓也「は?」

ネフェリ「あっ!?」

ディアロス「ばっ、何をしているんだ!敵に気付かれる!」

その橋の入り口辺りには三人くらいの長い松明を持った赤い服のヤツと、頭に火鉢を乗せた力士系のガチムチデブが一人いたけど、金仮面はそいつらにも構わずに同じペースで歩いていく。当然だけど全員に一瞬で気付かれて、ネフェリとディアロスが慌てて金仮面を守ろうとするけど、金仮面は止まらずに歩いていくだけだった。

でも赤い服の三人組の一人が、金仮面の足跡に脚を取られてバランスを崩し、隣の奴を焼く。その焼かれた二人目に驚いた三人目が、橋の入り口手前から転げ落ちて崖下に転落。橋の上に陣取ったデブが頭の火鉢を爆発させて炎の雨を降らせるけど、ゆっくり歩く金仮面には一発は愚か、火の粉のひとつも当たることはない。デブは無言で近づいて来る金仮面に怯む。

その金仮面の背中に向かって、残った赤服の松明が押し付けられようとした時、ネフェリは反射的に飛び出して、赤い服を着たヤツを叩き斬る。斬られたそいつは倒れ込む瞬間に松明を放り投げ、投げられた松明はデブの顔面に直撃。

顔面に火がついたデブはパニックを起こして、視界も無くなってるのに奇跡的に橋から落ちずにもがき回り始める。そのデブ目がけて何処かから電柱みたいな矢が飛んでくる。デブの動きが不規則すぎるのか、それとも金仮面を狙ってるのか分からないけど、狙いが定まらない矢は奇跡的にデブから外れながら崖下に吸い込まれていく。遠くから矢を射っていたのはゴーレムだった。

そして次の瞬間、崖の側の同じ場所で射ちすぎたせいか、重い体重のせいかは知らないけど、ゴーレムが崖崩れと同時に落ちていく。その振動に脚を取られたデブも橋から転げ落ちて、後には橋を渡る金仮面だけが残っていた。

拓也「マジ?これって偶然?」

ネフェリ「何が起こった…? 今のはなんだ!?」

ディアロス「何かの輝石魔術か!?いや、祈祷なのか!?」

コリン「いいえ、そのどちらでもありません。先生はただ思索し、そして知っているのです」

コリン「黄金樹の恵み、ルーンは万物に流れています。驚くべきことですが、先生は黄金樹から流れるルーンを知り、ついにルーンを内に持つ万物をも読み切ったのです」

コリン「ですが万物の完全なる理解は、先生が歩む思索の道程にすぎません。先生はその万物をも律する黄金律こそを知ろうとしているのですから。さぁ、先生の後に続きましょう」

胡散臭いどころの話じゃねーよ!素粒子だか分子だかの動きを全部理解できたら、未来予知もできるとかってトンデモ話は聞いたことあるけど、金仮面はマジで未来予知めいた事ができるようになったプロ級大学者だ!少し前のオレはよくこんなのと張り合える気になってたよな。シックスナインでなんとかするなんて恥ずかしすぎて今は絶対に書けないぜ。というか俺たちの事をほとんど知らないのに、ネフェリの行動まで全部読めてるのがやべーよ。前に会った時の少しの時間で、どこまで俺たちを把握したのかは想像もつかない。

149名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:02:11 ID:6w5.gtmw

コリン「ラダゴンとは、マリカである…あなた方の同志、ミリセントがもたらした答えに、先生の指は再び旋律を奏で始め、今の思索にまで至りました」

コリン「しかし、悲しいかな…私には、それが何を示すのかよく理解出来ぬのです。あるいはあなた方には、真実は見えているのでしょうか?」

ネフェリ「いいや、生憎だが、私たちにとっても謎だ。解いたところで、何の役に立つかも分からない」

一緒に話しながら橋を渡り切ると、今度は凍った川に出る。金仮面は川を左に進んでいくからそのままついていくと、オレの視線の先にコウモリの集団が見えてくる。でもコウモリの群れは何処かからか出てきた小さい獣人?みたいな奴らと小競り合いを始めて、金仮面を無視して戦い始める。その戦いを眺めながらも真横を素通りしていく感覚が、透明人間にでもなった気に思わせる。川の端につくと小さな小屋が見えて、金仮面の脚は止まった。

ディアロス「あ…」

小屋の前には、ディアロスの着ている鎧と同じものを着た奴がいて、焚き火にあたって座っている。「先生?あの方に何か用ですか?」と言うコリンに「シッ、黙って見てろ」って言ってくれたのは、ネフェリなりの優しさなのかな。ディアロスは俺たちから離れていって、遠くの小屋に近づいていく。コウモリと獣人たちの戦いも終わったみたいで、あたりの物音も全部雪に吸われて、不思議なくらい静かになる。

ディアロス「兄上…なのですか…?」

ディアロスに兄って呼ばれたそいつは、舞踏会風の兜を取って、渋さの強いハリウッドイケメンフェイスを晒す。ディアロスからの「まさか、このような場所で会えるとは…」って言葉にも、自嘲したような、それでいて落ち着いてるみたいな微笑みを返してくる。こんないかにも大物って風格の奴が兄貴なら、オレだったらむしろ距離感が近すぎてムラムラジェラシーを感じてダメなんだろうけどね。

ユーノ「久しいな、弟よ」

ディアロス「あ、ああ…兄上も元気そうで何よりです。何故このような、封じられた土地に?」

ユーノ「大層な話ではない。使命に挫け、俺の戦いは終わったのだ」

ユーノ「今は、指巫女と共に、この地に眠る時を待つ身だ」

兄貴の言葉に「巫女ってどこだ?」ってオレは小屋の中に目線をやる。そしてぐったりしたままで動かない、顔が真っ白いオンナを見て乳首が全てを察した。「指巫女が死んだのか」ってネフェリも静かに納得。雪が積もる音さえ聞こえてきそうな静寂の中で、二人は会話を続ける。

ディアロス「…指の巫女を、亡くしてしまったのですか…心中、察します…」

ディアロス「ですが、兄上ほどの英傑が、この地に埋もれていくなど…」

悔しそうに頭を下げるディアロスとは対照的に、兄貴の方は別に気にしてる感じもなくて、焚き火に座ったまま火を眺めてる。
するとディアロスは何かを思いついたらしくて、頭を上げた。

ディアロス「そ、そうだ!兄上も我らに加わっていただければ、まさに敵無しのはず!」

ディアロス「今、円卓には、ゴッドフレイ王の血を引くネフェリ・ルーや、あのマレニアの分け身たる剣士のミリセントが、ともに剣を並べているのです。他にも多くの友や、腕の立つ者が集っています。調霊に長けた者もおります。兄上の巫女も丁重に送り出すことができましょう」

ディアロス「どうでしょう、兄上…円卓に加わってはいただけませんか…?」

ディアロスの捲し立てるような話を聞いて、兄貴は座ったまま白い空を見上げたあと、目線を火に戻して、今度は小屋の中の巫女を見る。それからまた火に目線をやって、そのイケメンな顔で静かに笑った。

ユーノ「…俺の後ろを、ついて歩くだけだったお前が、伝説と肩を並べるようになったか」

ユーノ「なってしまったか」

呟いてから、肩にうっすら積もった雪を払って、兄貴は立ち上がる。
期待に胸とチンポを膨らませたのは俺だけじゃなかったはずだぜ。そして兄貴は弟に応えた。

ユーノ「ディアロス、俺は円卓には行かん」

ディアロス「そんな……何故ですか…?」

ユーノ「俺の戦いは、巫女の死と共に終わったのではない。巫女とこの地に根付き、終わったのだ」

ユーノ「使命を棄て、小さな小屋で、その命尽きようとも共に過ごすと誓った、その時にな」

兄貴は腰に下げていた、鎖の束のようなものをディアロスに差し出す。
それはディアロスが戦いに使っていた、金属の花を繋げたような、あのムチだった。

ディアロス「兄上…」

ユーノ「俺には、ふたつもいらぬ物だ。持っていけ」

ディアロス「…兄上、私には双鞭など扱えません…」

ユーノ「できるさ。誰もお前に、振るわせようとしてこなかっただけだ」

ディアロスはしばらく黙ったけど、それでも兄貴からムチを受け取る。
それから諦めたように、もしくは決心したように贈り物を腰に下げた。

ディアロス「…しかし…兄上はどうするのですか…?」

ユーノ「言ったはずだ。俺はここに骨を埋める。見ろ」

兄貴がこっちを指差してきて、ディアロスが振り返る。拓也はこういう展開に弱くて、手を後ろで組んで「うす、うす」って軽く会釈する。ネフェリは何か感慨深そうに腕組みで眺めてるし、やっぱこういうところに育ったお国柄って出るよな。

ユーノ「お前の同志が待っている」

ユーノ「お前は俺から解き放たれたのだ。もう戻ることはない」

ユーノ「振り返ってくれるなよ」

言い終えた兄貴は、また座って焚き火を眺める。ディアロスはまた黙った。そして20秒以上?30秒以下?の時間が経って、金仮面が一歩下がると同時に

ディアロス「兄上。私はホスローの家に生まれたことを、誇りに思います。名家の子だからではなく、あなたの弟であることに」

ディアロス「ゆえに、ホスローは血潮で物語るのです。敵のではなく、自らの熱き血潮で」

ディアロス「さようなら、兄さん」

ディアロスは兄貴に背を向けて歩いてくる。「気は澄んだか?」とネフェリに聞かれて、ああって答えたディアロスの瞳は潤んでいたけど、表情は前より凛々しくなって男前だ。こんなひと時を演出するなんて金仮面にも粋なところあるよな!金仮面にオレとセンパイのデートプラン組んでもらって、同性婚OKな台湾で14時間とか遊び歩いて告白されたいっ!

150名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:12:12 ID:6w5.gtmw

ディアロスが男として成長した後は、今度は川を右に進む。すると凍った川の真ん中にゴーレムが立っていて、さすがにコレは何が起きるか分かったぜ。金仮面が川のど真ん中を歩いていくと、ゴーレムが動きだす。と思ったらビクともしなくて「アレ?」なんて思ってる間にも、金仮面はドンドン進むしオレ達も歩いていく。結局ゴーレムは、背後を俺たちが通過しても気付くことなく、そのまま棒立ちのままだった。

川を渡り終えると凍った湖に出たぜ。湖の上には透明な鹿が歩いてて、いかにもディズニーって感じでいてくれる。このチョー寒い山に来てから戦いらしい戦いを経験してないから、のどかだなぁーってオレは観光気分。思えばこんなにじっくり外を歩いたことがなかったな。ここは晴れてるけど気温は高くないから、現実だったらスケート日和だなって頭で分析しつつ、オレたちは湖を左に登って、坂に雑に立てられまくった墓を歩ききることに。

墓からは前に見たようなガイコツが湧き出しまくるけど、みんなで墓の裏を経由しながら歩くと、ここには誰も来てないって感じでオレ達に気付かない。墓からガイコツが出てくる方向や、そのあとどこを歩くかも金仮面は知ってるらしく、墓をジグザグに歩いているだけで、マジでびびるくらいに全員に無視されて、すんなり進んでいける。ディズニーランドのホラー系の乗り物ってあるけど、あれの車両を目一杯遅くして周りをジロジロ見てる感じでなんだか観光気分。

ネフェリ「むっ!?」

拓也「あ!」

コリン「先生!?」

金仮面の奇行はいつも突然だ!いきなり俺たちを置いて走り出して、全員がスタートを出遅れる。しかも金仮面のヤツは長い手足を計算され尽くしたフォームで動かして走るからスゲー速い!陸上短距離ガタイかってくらい速い!コリンが置いていかれ気味だけど、俺たちはどうにか金仮面を見失わないまま走る。

拓也「うおぉーっす!」

ディアロス「なんだ!?」

すると突然に、チョー巨大なガイコツ野朗に遭遇!ガイコツは顔面から黒いビームを出して、俺たちが元々いた場所を墓ごと木端微塵にする。あぶねー!あんなの食らってたら即逝きしてたぜ!オレは突然走りだした金仮面に感謝しながら走りきり、今度は突然止まった金仮面の周りでゼェゼェハァハァ息を切らせた。コリンもギリ間に合ったみたいで、金仮面の後ろで「弧゜ッ!」ってエロを感じながら青息吐息だぜ。

ネフェリ「あの大きさはトロルでは無いな…だとすると、巨人の霊か」

ディアロス「巨人たちの山嶺と言うだけはあるな…危なかった…」

遠くに見える巨大ガイコツが墓に引っ込むと、金仮面は手に持ってる網をコリンに渡す。
コリンは息を整えてから「分かりました」と一言。それからオレ達に向き直る。

コリン「これからあなた方には、聖水壺と聖律壺を作っていただきます」

拓也「聖水壺?キメション入り雄膣っすか?」

ディアロス「死に生きる物を正しく殺す壺だ。…まさか、さきほどの巨人と戦うのか?」

コリン「それを言うことは、先生に許されていません。知らずに作ることが、あるいは重要なのでしょう」

ネフェリ「はぁ…こういう事は不得手だが、仕方ない。拓也?材料はあるか?」

拓也「ウッス!草とかキノコとかは、歩きながらちぎってポケットにしまってるんで、多分ありまっす!」

こんな雪原の中でいきなり工作の時間だぜ。オレは壺をひとつしか持ってなかったけど、みんなはそこそこ持ってて、ディアロスなんか一人で20個も持ってて笑ったぜ。「小壺作りは趣味でやっていたんだ。他にも木彫りの馬や、小鳥も作ってことがあるぞ」なんてディアロスは得意気だけど、騎士の家系でそういう趣味になったらたしかに色々大変かもな。フランスあたりに錠前作りが趣味な王様とかもいた気がするけど思い出せない。そいつも大変な目にあってた気がするんだよね。

151名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:16:30 ID:6w5.gtmw

壺が揃ったら俺は鎧についてるポケットから、道中むしってきた物を取り出して壺に入れていく。作り方を知ってるディアロスからアドバイスをもらってから、あとは全員で材料が入った壺を手当たり次第に振りまくってシェイク完了。聖水壺と聖律壺の山が出来上がる。

コリン「それではこの壺を、あなたに網で包んでもらいたいのですが」

ネフェリ「ん?ああ、構わないが」

さらにネフェリが壺の山を網で包んで縛り上げると、ただの積荷にしか見えない塊が完成。
こんなの何に使うんだよ?って拓也の頭にハテナが回ってるところに、ネフェリがまた頼まれる。

コリン「これなら大丈夫でしょう。ではこの壺入りの網を、向こうの崖に向かって力の限りに投げてください」

ネフェリ「…投げる?投げたら割れるだろう?台無しじゃないか」

コリン「ええ、割れますね。おそらく、割るのが目的なのです」

また訳のわかんねー展開になってきて、オレだけじゃなくてディアロスとネフェリも互いの顔を見やる。「どういうことだ?」と言われてもさ、オレもディアロスも分からないって言うしかない。ネフェリが「投げるのはいいが、いつ投げるんだ?」って聞いても、コリンは「いつでも構わないそうです」っていう更に訳が分からなくなる答えを返してくるし、金仮面は何も言わない。というかその格好寒くないのかよ?見てるだけでも震えが来るぜ。

ネフェリ「はぁ…とにかく、これを崖にぶつければいいんだな?」

コリン「はい。いつ投げるかは任せます」

ネフェリ「…何をやらされているんだ、私は…」

シラケ気味のネフェリだけど、頼まれた事はキッチリやるところに根の真面目さが出てるよね。
ネフェリは足元の雪ガンガン踏んで固めてから、壺でパンパンの網を室伏広治の要領でグルグル振り回して投げる。

ネフェリ「フン!!」

死儀礼の鳥「コ゜ーーッ!!!」

ネフェリ「は?」

ネフェリがぶん投げた壺の塊は、突然飛んできたガイコツ鳥の顔面に叩き込まれて大爆発!マジ狂いの悲鳴を上げながら金色のキノコ雲を立ち上らせて雪に落ちるガイコツ鳥は、壺の威力でガタイがボロボロになっていたらしく、墜落と同時に全身の骨が砕けてピザみたいに伸びる。それでも若干息があったところを、金色に光る液体に全身を隙間なく犯されて全身黄金状態に堕ちる。最後は溶けかけの口から金色の液体を、飲みきれなかったザーメンみたいに垂れ流して終了。そのままピクピクと痙攣してから消えていった。

そんな景色を見せられたものだからオレたちの思考はぶっ飛びマジ停止!チョー衝撃的な展開に言葉が出なくなり、一瞬息をするのも忘れる。さっきまで男らしかったディアロスの顔が金仮面に掻き回されて、気付いた時には元のディアロスに戻っていた。ネフェリも首だけを動かして金仮面に問いかける。

ネフェリ「…お前…」

ネフェリ「いや、あなたは…何者なんだ…?」

そうしてる間にも金仮面はゆっくりと歩いて進んで行く。その様子は、まるでさっき起こったことをまるっきり知らない人のようで、オレはマジで思索がイっちゃってる金仮面卿に戦慄。ゴドリックよりもよっぽど神の風格があるぜ。こんなヤベーパキギメ大学教授に手相占いなんてされたら、今日の運勢とか昨日何食べたとかも即バレちゃうし、明日のプレイや今やってる合ドラは何かとかも全部当てられちゃうんだろうな。やっぱりイエロの瞳は隠し場所を変えた方がいいかな…


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