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Tohazugatali Book Review

1小説吉田学校読者:2006/05/29(月) 22:32:07
新スレ誕生。古今東西、森羅万象、硬軟織り交ぜ、新刊・旧刊問わず、読んだ本、読もうとする本、読んでない本、読ませたくない本をああだこうだ言うスレ。

291名無しさん:2015/08/23(日) 15:03:01
>>290

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150718-00000005-ftaiwan-cn
直木賞受賞の「流」、台湾野党トップも注目 「早く中国語版の出版を」
中央社フォーカス台湾 7月18日(土)19時6分配信

(台北 18日 中央社)来年1月の総統選挙に野党・民進党から出馬する蔡英文主席は17日、直木賞に選ばれた台湾出身の作家、東山彰良(本名:王震緒)さんの小説「流」について、自身のフェイスブック上で、「台湾という土地が持つ傷跡や物語を、より多くの台湾人に知ってもらいたい」と語り、1日でも早い中国語版の出版に期待を示した。

「流」は、国共内戦など時代に翻弄される家族にスポットを当てた作品で、1970〜80年代の台湾が主な舞台。ストーリーは東山さんが父・王孝廉さんから聞いた話が基になっており、主人公の少年は父がモデルだという。

蔡氏は、戦後に育った台湾の人々が同書を通じ、戦争を経験した世代の記憶を知ることは、「平和こそが追求すべき精神であると我々に気付かせてくれる」と述べた。

1968年、台北に生まれた東山さんは、16日の記者会見で「台湾は僕の国。この本がもし中国語に翻訳されることがあれば、これに勝る喜びはない」と語っている。

(葉素萍/編集:杉野浩司)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150717-00000010-ftaiwan-cn
直木賞受賞の東山彰良さん「台湾は僕の国」
中央社フォーカス台湾 7月17日(金)18時11分配信

(東京 17日 中央社)直木賞に選ばれた台湾出身の作家、東山彰良(本名:王震緒)さんは16日、東京都内で開かれた記者会見で、「台湾は僕の国。この本がもし中国語に翻訳されることがあれば、これに勝る喜びはない」と笑顔を見せた。

東山さんは1968年、台北生まれ。9歳で福岡に移住したが、その出自から自らのアイデンティティーに悩んだこともあった。会見では「僕にとって、『家族』が自分の確固たるアイデンティティーが持てる場所」だと語り、家族の物語を描いた受賞作「流」もそうした思いで書いたと述べた。

(楊明珠/編集:杉野浩司)

292名無しさん:2015/08/23(日) 15:04:22
>>291

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150717-00010005-nishinp-l40
直木賞に東山さん 「20年に1度の作品」と激賞 台湾生まれ、福岡在住
西日本新聞 7月17日(金)10時21分配信

 第153回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で行われ、芥川賞は人気お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さん(35)=東京都=の「火花」(文学界2月号)と羽田圭介さん(29)=同=の「スクラップ・アンド・ビルド」(文学界3月号)に、直木賞は東山彰良(あきら)さん(46)=福岡県小郡市=の「流(りゅう)」(講談社)に決まった。

 又吉さんは綾部祐二さんとコンビを組み、テレビや舞台で活躍。太宰治好きの「読書芸人」としても知られる。受賞作は若手芸人と先輩芸人の日々を描いた。

 羽田さんは東京都生まれ。高校在学中の2003年に「黒冷水」で文芸賞を受賞しデビューした。受賞作は、求職中の若者が、同居する祖父の介護を通して自分を見つめ直す物語。

 芥川賞選考委員の山田詠美さんは「火花」を「どうしても書かざるを得ない、という切実さを感じた。主人公とカリスマ性のある先輩の火花が散るような関係が描けていた」と評し、「スクラップ-」を「主人公の愚かさが魅力的という不思議さがある」と話した。

 直木賞の東山さんは台湾生まれ。9歳から福岡県に暮らす。西南学院大大学院修了後の2003年にデビューし、09年に「路傍」で大藪春彦賞を受けた。受賞作は、国民党の戒厳令が続く1975年の台湾が舞台。祖父を何者かに殺された主人公の青春の日々を描きつつ、自身のルーツ、祖父の死の真相に迫っていく。

 直木賞選考委員の北方謙三さんは「20年に1度の作品。汗のにおいと血の色がある。欠点のつけようがない青春小説だ」と激賞した。

 贈呈式は8月下旬に東京都内である。賞金は各100万円。

=2015/07/17付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

293名無しさん:2015/08/23(日) 15:04:33
>>292

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150802-00000001-withnews-ent
「20年に1回の直木賞」東山彰良『流』の存在感 大御所・北方謙三が大絶賛 又吉だけじゃない注目作品
withnews 8月2日(日)5時30分配信

 20年に1回の直木賞……先日発表された第153回直木賞を受賞した東山彰良さん「流」は、選考委員にそう激賞されました。芥川賞のピース又吉直樹さんが注目を集めていますが、こちらも見過ごせません。台湾出身の作者が、家族のルーツと向き合った青春小説です。

「歴史的な受賞作」
 芥川・直木賞で受賞作が発表されると、有名作家が名を連ねる選考委員が報道陣に選考の経緯などを説明します。直木賞の選考をした北方謙三さんによると、「流」は満票で選ばれました。
 北方さんはさらにベタ褒めでした。「20年に1回という素晴らしい作品。歴史的な受賞作にもなり得る。大変な商売敵を選んでしまった」

20世紀の台湾庶民史
 大御所にここまで絶賛される「流」は、どんな作品なのでしょう。
 主人公は秋生(チョウシェン)。高校生の1975年、二つの死から物語は始まります。台湾の総統・蒋介石と、何者かに惨殺された祖父。
 秋生は祖父を殺した犯人を捜します。この祖父は、戦中に蒋介石率いる国民党に付き、共産党との内戦に敗れ台湾に渡りました。大陸では住民の大量殺害に関わり、現地には事件の記憶をとどめる石碑が残っています。

 この設定は、家族の実話を膨らませたそうです。

 台北に暮らす秋生の周囲にも、戦争に翻弄された台湾の人々の姿が描かれます。
 祖父ら「外省人」は大陸に戻ることを願い、もともと台湾にいた「本省人」を見下します。日本統治時代を懐かしむ本省人もいて、秋生は彼らとの交流をきっかけに日本に興味を抱きます。
 東山さんは受賞会見で「僕が知っている1960年代後半から70年代の台湾には戦争の影が非常にあった」と語っています。

青春小説、モデルは父
 歴史の悲劇を感じさせますが、痛快なまでの青春小説です。
 けんかに明け暮れ、恋をして、挫折のなかでもがく成長物語。そんな主人公のモデルは東山さんの父親です。

 東山さんは1968年に台湾の台北市で生まれました。9歳で日本に移住し、福岡で育ちました。「母国語は日本語」というほど日本になじんでいます。しかし、日本にも台湾にもよりどころがない不安がありました。

 揺るぎなかったのは家族の存在でした。受賞会見で「家族は確固たるアイデンティティが持てる場所」と語っています。
 
 極上のエンターテインメントでありながら、戦後70年の節目に、歴史や戦争について考えさせる直木賞作品になりました。
 芥川賞の又吉さんフィーバーを逆手にとって、東山さんは「直木賞にも注目してもらえたら丸もうけだ」と会見でおどけました。その言葉の通りに、「20年に1回の直木賞」にふさわしい小説と言えそうです。

294名無しさん:2015/08/23(日) 15:05:25
>>293

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150816-00044592-gendaibiz-bus_all
【『流』直木賞受賞記念対談】伊集院静×東山彰良 人間の「覚悟」と「運命」について語ろうか
現代ビジネス 8月16日(日)6時2分配信

 伊集院氏は言う。「移民の子がことさら不幸と言うつもりはない。ただ何かをする時、人より覚悟が必要なだけだ」。ともに異国をルーツに持つ二人の作家が、人生、家族、そして小説について熱く語り合う。

真実と事実は違う
 伊集院 受賞おめでとう。長く直木賞の選考をしていて、これだけ高い評価を受けた作品はなかなかありません。

 東山 ありがとうございます。まだ身辺が落ち着かない感じです。

 伊集院 私のように韓国にルーツを持つ作家はこれまでいましたが、台湾の人がなかなか出てこないと思っていたら、こういうかたちで読めるとは。一読者として読んでまず感じたのは幸福感。描かれているのは戦争とか、抗争とか、なかなかに大変な世界なんだけれども、読んでいるときの感覚は至福といってもいい……と言うと「そんなに幸せがないのか」と言われそうだけど。

 東山 そんな(笑)。

 伊集院 主人公のモデルは、お父さんですね。

 東山 そうです。それと、祖父と。ずっと疎遠だったんですが、祖父が亡くなったときに親戚たちと話をしていて、若いときにあんなことがあった、こんなこともあった、という話を聞いて興味を持って……。祖父に直接は聞けなかったんですが、当時中国で存命だった祖父の兄弟分の人に話を聞きに行ったりしました。

 伊集院 おじいさんが、日本軍の協力者の住む村を全滅させたことが書かれた碑が建っている、という場面から物語は始まる。

 東山 ええ。僕の父は大陸で生まれて、5歳で台湾に逃れているんですが、どうしても自分のルーツを知りたいと、中国への渡航解禁の前にフランス経由で本土に渡ったんです。山東省で祖父の名の入った碑を見つけたとき、どこからかやってきた爺さんに「お前はこいつの孫か」と言われて怖くなったという話を聞いたので、冒頭に使いました。

 伊集院 あれは象徴的だね。おそらく事実はもっと悲惨で、今でも相当な確執があるんだろうなと。

 たまたま私の父と母も戦前に朝鮮半島から渡ってきた人たちで、私も朝鮮戦争の頃にスパイ容疑をかけられた私の母の弟を、父が助け出しに行く話を書いたんだけど……。

 東山 『お父やんとオジさん』('10年)ですね。あれはやっぱり本当の話だったんですか? 
 伊集院 そう。でも、父親の物語を書こうにも、当時父は密航をしたわけだから、その頃のことを話したがらなかった。

 東山 うちのじいさんも、何も話さなかったです。

 伊集院 そうですか。でも、本人の話を聞いていたら、もしかしたら書けなかったかもしれない。小説を書くということは、「真実」を見つける作業ではあるけれど、「事実」を書くことではない。こうあってほしい、こんな人間がいたら面白いだろうという物語を、作家が作り上げていくわけだ。

 東山 そう思います。

 伊集院 でも、「ああ、これは事実なんだろうな」という強さは、所々で感じましたね。あと、ユーモアも独特。「共産党が国民党の兵士を鍋で煮た」なんて、とても日本人作家には書けない(笑)。

 東山 ハハハ。書いちゃいました。

295名無しさん:2015/08/23(日) 15:05:55
>>294

あなたには書く運命があった
 伊集院 そして、『流』の良さはもう一つ、誰が読んでも物語のエピソードを自分に置き換えられる普遍性を持っていること。自分の若いときを重ねられる箇所がいくつもある。名作の一つの条件だと思う。

 東山 うれしいです。この小説では、以前は怖くて書けなかったことを、開き直ってやった感があります。恋愛だったり、喧嘩だったり、「ベタだな」と思われるかもしれないけど、とにかく一度、思い切り書いてみようと。

 伊集院 それが小説というものだよね。あと、文中に王?という人の詩が出てくるけど……。

 東山 あれは、実は父の筆名で、詩は父の若い頃の作品なんです。

 伊集院 へぇー。〈わたしは水のなかで暮らしているのだから/あなたにはわたしの涙が見えません〉って、すごくいい。

 東山 父のことを書いた作品だから、何か、父のことを絡めようと思って。

 伊集院 つまり親子二代の作品だったんだ。日本へ移住されたのはいつ? 
 東山 5歳です。最初は広島に住んで、2年くらいして父親の仕事が台湾で見つかりそうだということで一度台湾へ戻ったんですが、ダメになって再び父が日本へ行き、福岡に家族を呼び寄せたのが9歳のときでした。

 伊集院 私の周囲にも台湾の人は多かったよ。

 東山 そうなんですか。

 伊集院 私に野球を教えてくれた人がそうだったし、同級生にも。その子と喧嘩するたび、母に「何で移民の子同士が喧嘩するの!」と叱られた。

 東山 今、お話を伺って思い出したんですが、僕も広島にいる頃、隣がやはり韓国からの移民の方でしたね。で、正面がインド人の一家。僕もそこの子たちと遊んでいて、やはり「喧嘩するな」と。

 伊集院 人のルーツにまつわる作品は、必要以上に本人と重ねて想像してしまうところがあるけれども、私が強く感じたのは、人間にはその人を導く運命の糸のようなものがあるんじゃないかということ。

 たとえば、あなたのおじいさんがちょっと違う道を選んでいたら、お父さんもあなたも存在していなかったかもしれない。さらに、その糸が『流』を作り、しかもそれが日本と台湾、中国という、極東アジアの国々で結ばれているダイナミックさ……それが東山さんの作家としての運命だとしたら、素晴らしいことだと思うんです。

296名無しさん:2015/08/23(日) 15:06:33
>>295

祖国とは何か
 東山 「運命の糸」の証拠になるかはわかりませんが、僕は小さい頃から大人たちの話を聞くのが好きだったんです。周りになぜかホラ吹きの大人がたくさんいて……。

 伊集院 ハハハ。いいね。

 東山 彼らは何でもないことを、子どもがドキドキ、ワクワクするような語り方で話す。この小説を書いている間は、そういう人たちに少し近づけたような感覚を味わえて、すごく楽しかったです。

 伊集院 私もあなたも移民の子だよね。だから書く小説に対して「彼らにしか書けない特別なものだ」と言われることがあるけど、それはけっこう面倒くさい。その作家の持っている将来性が、いつもそこへ帰依していってしまうと、作品がだんだん小さくなるんだ。

 東山 そうですよね。

 伊集院 国籍やルーツというのは、背中に貼られたシールのようなもので、剥がすわけにはいかない。だからといって利用するわけでもない。小説を書くときにも、この国に生まれ育った人たちよりも「覚悟」を決めなきゃいけない部分がある。出発が難儀であるぶん、覚悟ができる。そのことはいいことなんじゃないかと。

 東山 はい。僕が中国の大学に留学したとき、校内新聞の取材を受けたことがあるんです。初の台湾籍の大学院生ということでいろいろとお話ししたんですが、結局、アイデンティティーの話になるんです。「自分をどこの国の人間だと思うか」「台湾は中国の一部か」と、モヤモヤしたところを突いてくる。それで結局、「彼が最終的に我々の祖国の意識に目覚めることを期待する」という感じでまとめられていて、すごく違和感がありました。

 伊集院 私も韓国で取材を受けると、必ず「あなたの祖国はどこですか」と訊かれる。それに私は、「私に祖国はない」と答えているんだ。

 東山 おお。

 伊集院 父母の祖国が息子の祖国だとは限らないと。それでもしつこく訊かれると、「俺の祖国はギャンブル場だ!」と言うことにしている。

 東山 ハハハ! 「祖国はない」という感じ、すごくわかります。僕は「台湾で生まれて日本で育った人間」としか言えない。国境で区切られた場所の中に限定できなくて。

 伊集院 そういう人間が日本語で小説を書く意味というのも、私は考えましたね。それは、小説自体がしっかりしたものでないといけないという当たり前のことなんだけれども……。

 でも、書くと覚悟を決めたとして、その背中に乗るものは、私は何でもいいと思っているんです。金がほしいとか、女にモテたいとか、カッコいい人生にしたいとか、むしろ理由がくだらなければくだらないほど、小説家に近づくんじゃないかと。小説はイデオロギーで書けるほど生易しいものじゃないし、やっぱり身体とか、その人が発する熱で書くものだと思うから。

 東山 同感です。

 伊集院 だから、選考委員だけじゃなく、既成の作家たちも『流』にそういうものを感じるんじゃないかと……というと褒め過ぎだけど、まあ、今くらいしか褒めるタイミングがないから(笑)。

 東山 フフフフ。小説を書き始めたときのことはよく覚えているんです。'00年の12月、暮れも押し詰まった晩で、当時、次男が生まれたばかりなのに仕事がなく、博士論文が却下されて学位を取るのも絶望的な状況。にっちもさっちもいかない、これからどうするんだという夜、家族が寝静まってからパソコンを立ち上げて、プロットもなしに書き始めたんです。

 伊集院 ほぉ。

 東山 朝まで書いたら、パソコンがフリーズして全部消えた。嫌になるかと思ったら、推敲しながらもう一度書き始めていた。そのまま3ヵ月くらい書き続けて、最初の小説を仕上げました。

 伊集院 それはすごいな。

 東山 そのときも、書いていてすごく楽しかったんですよね。現実逃避だったと思うんですけど。

297名無しさん:2015/08/23(日) 15:07:20
>>296

楽天的でいいじゃないか
 伊集院 生きるということは、多分にそういうものなんだよ。悪いことをして隠れていたら、そこでたまたま埋蔵金の地図を見つける、ということが往々にしてある(笑)。話を聞いていると、あなたはとても楽天的なのかもしれないな。でも、小説家は楽天的じゃなきゃダメだと、私は思う。

 東山 そうですか。

 伊集院 そうでもなきゃ、にっちもさっちもいかない小説を書いて「もしかしてこれ、ベストセラーになるんじゃないか?」なんて思えないし(笑)。

 東山 たしかに。僕も、悲観的なふりをした楽天家かもしれません。自分の精神が壊れるところなんか、想像できない。

 伊集院 そのくらいでないと、開き直って小説は書けないと思うね。たぶんあなたは、次は全然違うタイプの作品を書くんじゃないかという気がするんだけど……。

 東山 はい。次に考えているのはSFです。

 伊集院 読者はたぶん『流』と同じタイプのものを求めると思うよ。それで「前のものと比べるとちょっと」とか、失礼なことを言うんだ(笑)。

 東山 おぉーっ。

 伊集院 それに対しての私の返し方は「読者は王様ですから」。でも、そこには裸の王様も含まれている(笑)。だから、媚びすぎてもしょうがないんだな。作家は一人で考えて一人で決着をつけていかないといけない仕事だし、小説は常に変化し続ける生き物だから、次に書く作品がいつも一番新しく、厄介なものだと思っておかないといけない。

 東山 そうですね。自分の中で準備ができたらまた、『流』に連なるものを書くつもりです。

 伊集院 それは甘い(笑)。ゆっくり準備してないで、もっと追い込まれて、書き続けてください。

 (構成/大谷道子 写真/熊谷貫)

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いじゅういん・しずか/1950年山口県生まれ。CMディレクターを経て、'81年短編小説『皐月』でデビュー。'92年『受け月』で直木賞を受賞。現在は同賞の選考委員を務める。近著は『無頼のススメ』(新潮社刊)。本誌上にて『それがどうした 男たちの流儀』連載中
ひがしやま・あきら/1968年台湾生まれ。5歳まで台北で過ごし、9歳の時に日本へ。福岡県在住。'02年『タード・オン・ザ・ラン』で第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞。'03年同作を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』でデビュー。『流』で第153回直木賞受賞
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 『流』
著者:東山 彰良 講談社:1600円
1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。大陸から台湾、そして日本へ。歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。台湾生まれ、日本育ち。超弩級の才能が、はじめて己の血を解き放つ! 友情と初恋。流浪と決断。圧倒的物語。

 「週刊現代」2015年8月15日・22日合併号より

週刊現代

298名無しさん:2015/08/30(日) 16:37:45
>>288

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150825-00000021-nkgendai-life
紀伊国屋が村上春樹の新刊買い占め 「独禁法」クリアできるか
日刊ゲンダイ 8月25日(火)9時26分配信

 あの紀伊国屋書店が村上春樹を買い占め――。こんなニュースが注目されている。

 話題の本は村上氏が9月10日に発売するエッセー集「職業としての小説家」。「スイッチ・パブリッシング」が刊行するもので初版は10万部だ。このうち9万部を紀伊国屋が買い取ったのち3万〜4万部を自社で販売。残りをトーハン、日販などの取次会社を通して他の書店に流通させるという。

 目的は「アマゾン」などネット書店への対抗策と報じられている。紀伊国屋が買い取ったあとの残りは1万部。スイッチ社はこのうち5000部を販促イベント用に取り置くため、アマゾンには5000部しか渡らないことになる。買い取りのため紀伊国屋は在庫リスクを抱えるが、店頭への集客につながると判断したようだ。

 ずいぶん大胆な作戦に打って出たものだが、気になるのが「買い占め」だ。9割も仕入れた場合、独占禁止法に抵触しないのか。

「独禁法で処罰される買い占めは企業などが自分の立場を不当に利用して、他社を市場から排除する場合です。下請けに対する地位を生かして買い占めるような行為を指します。紀伊国屋の場合は立場の不当な利用にあたらないため違法ではありません。法理上はお金持ちがお店で爆買いしても法に触れないのと同じです」(元東京地検検事で弁護士の落合洋司氏)

 小売店が人気のゲームソフトや人気女優のAV、多くのファンを抱える「ペヤングソースやきそば」などを買い占めて売っても、立場の不当な利用でなければOKだという。「今回の作戦は紀伊国屋にとってオイシイ商売です」とは都内の中堅出版社社長だ。

「通常、本を売った際の書店の取り分は1割ちょいですが、今回は直接取引。出版元は65%くらいで紀伊国屋に卸しているはずだから紀伊国屋の利幅は35%。通常の2倍以上になります。もともと村上さんの本はバカ売れする上に、買い取りの一件がニュースになって宣伝効果は十分。話題づくりのために仕掛けたんじゃないですか」

 リアル書店vsアマゾンの戦いで神輿に乗った村上氏。何をやっても話題になる人だ。

299とはずがたり:2015/08/30(日) 18:45:15

2015/8/29 15:00
「夜」は古代にどう表現? 言葉の移ろい20年かけ辞典に
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201508/0008347634.shtml

編集に20年を要し「現代語古語類語辞典」を出版した芹生公男さん=加東市上滝野
http://tohazugatali.we b.fc2.com/book/b_08347636.jpg

 元西脇高校長の芹生(せりふ)公男さん(78)=加東市上滝野=が「現代語古語類語辞典」(三省堂)を出版した。約2万1千の現代語が、万葉集のころや江戸時代などに、どのような言葉で表現されていたかを調べられる。その数延べ約32万4千語。芹生さんの辞典を愛用する脚本家の内館牧子さんは「読み物としても、とてつもなく面白い」と絶賛している。(吉岡猛逸)

 長く高校の国語教諭を務めた芹生さんは西脇高の校長だった1995年、現代語から古語を引く「古語類語辞典」を出版し好評を得た。その後20年をかけて新たに編集したのが今回の辞典。「日本語を広く、深く見渡すことができる初めての総合類語辞典。日本語の歴史を知る上でも貴重な資料」と自負する。

 今回は「大辞林」と「福武古語辞典」を基礎資料に用いた。短歌用語辞典や歳時記などの語も加えた数十万語を、データベース化して整理した。

 収録した語は上代(平安時代以前)、中古(平安時代)、中世(鎌倉〜安土桃山時代)、近世(江戸時代)、近代(第2次世界大戦まで)、現代の六つの時代に区分。現代語を見出しとして五十音順に並べ、それぞれの同意語、関連語を収めた。

 例えば「よ(夜)」を引くと、「ばんこく」(近世)▽「よさ」(中世)▽「よさり」(中古)▽「よひ」(上代)-などと、類語を時代別に知ることができる。

 「雨」は357、「風」は498の類語が収められ、最も多いのは「死ぬ」の660語。芹生さんは「類語の多さから日本民族が古来、何に強く興味、関心を持ち続けてきたかを読み取ることもできる」と解説する。

 NHK大河ドラマの脚本も手掛けた内館さんは、芹生さんが前に出した「古語類語辞典」が手放せなかったという。今回の出版にも「ある単語を中古ではどう言ったか、中世では、近代では…と追っていくと、かつての日本人は、こんなにも美しく豊かな日本語を使っていたのかと目がさめる」などと推薦のメッセージを寄せた。

 B6判、2160ページ。6264円。三省堂TEL03・3230・9412(営業)

300とはずがたり:2015/08/30(日) 21:38:23

>再販制は、戦後に薬やガソリンなど生活に必要な商品の多くで採用され、メーカーを保護することで各分野の復興を促しました。しかし、市場の成熟に伴って、メーカーが販売店に定価を強制するのは公正な取引を妨げると、多くの分野では再販制は外れていきました。

リブロ池袋本店は金食い虫? 元店長が閉店理由を分析〈週刊朝日〉
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20150822/asahi_20150822_0003.html
dot. 2015年8月22日 11時39分 (2015年8月23日 12時52分 更新)

 1980年代から90年代にかけて、西武池袋店内のセゾン美術館とともに、「セゾン文化」と称される贅沢(ぜいたく)な空間を作りだしていたリブロ池袋本店が閉店した。リブロが生み、残してきたものから見えてくる戦後の書店の潮流とは何か。リブロ出身で現在はジュンク堂書店池袋本店副店長の田口久美子さんをインタビュアー・木村俊介氏が取材した。
*  *  *
 私がリブロで仕事をしたのは76年から97年まで。93年から97年までは池袋本店の店長を務めました。あの「池袋リブロ」がなくなってしまうのはやはり残念ですよね。

 ただ、西武百貨店にリブロが設立された75年当初から、百貨店の中でリブロはすでに「金食い虫」と言われ、利益の出にくい存在でした。今回の閉店に至るまでの流れにも、他業種に比べての利益率の低さも関係しているかと思います。

 書店業界は、戦後まもなくできた再販制(53年施行)に、ずっと縛られてきているんですよね。出版社は取次を通して新刊を卸す。書店は売れ残れば返品でき、出版社は定価で再出荷できる。販売リスクを減らすこの再販制のおかげで、戦後、小さな書店も含め商売ができ、世界でも出版大国と言われるほどの流通網ができました。ただし、安定した流通を支える取次がマージンを取るため、書店の利益率は小売業でも最低の水準のまま今日まで来ています。

 再販制は、戦後に薬やガソリンなど生活に必要な商品の多くで採用され、メーカーを保護することで各分野の復興を促しました。しかし、市場の成熟に伴って、メーカーが販売店に定価を強制するのは公正な取引を妨げると、多くの分野では再販制は外れていきました。

 最終的には、CDまで再販制は有名無実化し、今では事実上、書籍と雑誌、新聞だけが再販されているわけですよね。書店は低い利益率による経営を大型店化で何とか補い続け、小さな店舗は潰れていきました。でも、それが今では本が売れないのとネット書店の繁栄とで、もはや大規模店も潰れそうになっているんですね。今回のリブロ池袋本店の閉店も、そうした一連の流れの延長線上にあると捉えています。

 創業が70年代半ばと、書店としては後発だったのもあって、池袋リブロには、業界内での、いわゆる「はぐれ者」ばかりが書店員として集まってきていました。置ける本の量では大手にはかなわない。そこで、当時どこでもやってなかった、「自分たちがこの社会を表現する棚を作るんだ」「イベントもやるんだ」という個性を出したのは、その後の書店業界に通じる一つの潮流を生んだとは思います。

301とはずがたり:2015/08/30(日) 21:38:38
>>300-301
 今も特に新興や地方の店舗は、基本的には棚作りとイベントで勝負していますから。その意味では、池袋リブロが閉店するのは残念ですが、魂を受け継ぐ場は残ったと言えるのかもしれません。私を始めリブロ出身者が何人か移って97年に開店したジュンク堂池袋本店にしてもそう。今の若いスタッフも「本の力を生かしたい」という気持ちは持っていて、昔とのつながりを感じますから。

 戦後の書店の大きな変化の一つとしては、女性の活躍も挙げられるかもしれません。今のジュンク堂池袋本店にしても、店内の企画の中心はおおむね30代後半の女性たちが担っています。これは私が働きだした女性に権限のない頃とは、ずいぶん変わりました。

 書店員の労働条件は厳しいのですが、「この業界で生きていくと決めた」とはっきり言ってくれるような、店内でも主力の女性たちはみんな、家の中で本に囲まれて育ったようなんですよ。実利以上に本そのものを大事にする、いわゆる「団塊ジュニア」の彼女たちの存在も、ある意味では戦後民主主義が次世代に生んだものではないでしょうか。

 他の変化としては、やっぱりネットやコンピューターの普及かと思います。

 今は、本というのは検索機でお客さん自身が探すものになりました。店の主役は、それこそかつての池袋リブロのようにムダなく作られた「棚」ではなくて、ムダも含めて多めに集めた本から探す「お客さん」になりました。「棚」が書店の主役たりえていた時代が、リブロ的な文化を代表とする流れの最盛期だったとも言えるのかもしれません。

 与えられたものを読むだけではないという意味で、書店は成熟したとも言えるでしょう。だから、ネット書店が伸びる時代だとも理解できます。しかし、多様性がある中から真の意味で新しい本が選ばれているとは、まだ言いがたい。

 受け取れる刺激がわかりきった安易な本が売れがちだという現実には、危機感がありますね。読者が歯ごたえのある本を求めていなければ、奥の深いものを書く人は存在できない。

 その点で、村上春樹さんのように人気と読みやすさを備えながらも、ものすごく複雑な世界を開拓し続ける作家がいるのは、とてもありがたいことなんです。

※週刊朝日 2015年8月28日号

302名無しさん:2015/09/07(月) 22:25:20
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150907-00000037-mai-soci
<太宰治>佐藤春夫に「芥川賞を私に…伏して懇願」手紙4m
毎日新聞 9月7日(月)14時0分配信

 作家、太宰治(1909〜48年)が、当時芥川賞選考委員の一人で師弟関係にあった作家の佐藤春夫(1892〜1964年)に、芥川賞の授賞を懇願していた手紙が見つかった。

 長さ4.1メートルに及ぶ巻紙には、毛筆で<第二回の芥川賞は、私に下さいまするやう、伏して懇願申しあげます><佐藤さん、私を忘れないで下さい。私を見殺しにしないで下さい>などと書かれ、芥川賞を切望しながら受賞できなかった太宰が、佐藤に泣訴する様子が生々しく読み取れる。第一級の資料が約80年間、人目に触れず保存されていたことに、専門家からは驚きの声が上がっている。

 佐藤の遺品を整理していた河野龍也・実践女子大准教授(日本近代文学)が発見、確認した。佐藤は実名小説「芥川賞」(36年)のなかで、この手紙の一文<……伏して懇願……>を引用していた。だが、文面があまりに直接的で手紙の現物が見つかっていなかったため、存在は研究者の間でも疑問視されてきた。一部で佐藤のフィクションとみられていた逸話が、事実として裏付けられた。

 太宰から佐藤へ芥川賞を請うた書簡としてはこれまで、今回の手紙の8日後に出した<芥川賞をもらへば、私は人の情に泣くでせう>と書いたものが広く知られていた。

 この頃の太宰は、文壇デビューを果たしていたものの自殺未遂を起こし、東大も中退。パビナール(鎮痛剤)中毒で借金もかさむ不安定な精神状態にあった。

 手紙は36年1月28日付。当時太宰は26歳。佐藤は43歳にして大家だった。太宰は前年の第1回芥川賞の候補になりながら落選、第2回の選考会が目前に迫っていた。太宰は前年、佐藤に才能を評価されて以降、親密な関係を続けていた。

 河野准教授は手紙の発見を「文学史上、欠けていた重要な部分が埋められた」と位置づけ、「太宰が相当に切羽詰まっていたことがよく分かる。プライドの高い太宰がここまですがるのは、2人の信頼関係の証しとも言える」と話している。また、太宰から佐藤に宛てた別の書簡2通も今回、新たに発見された。

 見つかった書簡の全文は、10月発売の「佐藤春夫読本」(勉誠出版)に掲載される。また11月には佐藤春夫記念館(和歌山県新宮市)での展示が予定されている。【棚部秀行】

303とはずがたり:2015/09/10(木) 05:47:29
電気書籍が嫌いな俺でもちょっと入手したくなるなw

キンドルで売れまくる「電子エロ本」の落とし穴
Kindlerotica
電子書籍端末で読める格安ポルノ小説がアマゾンの評判を貶めかねない
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2010/10/post-1679.php
2010年10月5日(火)17時56分
ジェームズ・レドベター

304とはずがたり:2015/09/10(木) 06:03:39
全然喋れないんだけど英語で文章書くのが俺の仕事の中で一番重要なんだけど英語で文章を書くと云う事は英語の発想法を強いられていることである,とは感じる所。だが二外に中国語を洗濯してしまった俺は独仏語辺りが全く判らなくてその辺が公平に判断出来ているかは判らない。英語ではなく印欧語風の発想法なのかもしれぬ。

英語による覇権は、希望か絶望か
英語は「ニュースピーク」ではないが、その世界言語としての地位は思考枠の均質化を招くかもしれない
http://www.newsweekjapan.jp/stories/movie/2015/09/post-3893_1.php
2015年9月4日(金)16時30分
今井亮一(東京大学大学院人文社会系研究科、2014年度サントリー文化財団鳥井フェロー)

 1つの言語が世界を覆う――この状況に私たちは、希望と絶望を同時に見ることができる。一方のユートピアの極は、言わば「バベルの前」だ。そこでは人々がスムーズにコミュニケーションをとることができ、まさに神をも畏れぬ大事業を企てることもできる。そしてもう一方のディストピアの極は、ジョージ・オーウェルの『1984年』が垣間見せてくれる。

 独裁者「ビッグ・ブラザー」、相矛盾する考えを同時に信じる「二重思考」など独自の用語で知られる『1984年』だが、わざわざ「補遺」まで付けて説明される「ニュースピーク」はこれらに比べ知名度が劣るかもしれない。党が英語に代えて普及を目指す、語彙を削ぎ、文法・発音を徹底的にシンプルにした言語のことだ。普及した暁には、反体制的な思考が原理的に不可能になると言う。言語を変えるだけで思考統制なんてできない、と思えるかもしれない。しかし例えば、「虹が7色に見えるから7色の言葉があるのか、それとも、7色に該当する言葉があるから虹は7色に見えるのか?」という認知言語学の問いを思い出せば、単純な言語では世界も単純に見え、ひいては複雑な思考が不可能になるという思惑もにわかに説得力を持つだろう。

 もちろんこれは極端な例で、今や世界言語たる英語はニュースピークではない。しかし、「文書を英語で作成しなければならない」と言われるとき、そこには「論展開などは英語のフォーマットに従わなければならない」といった含意もある。あるいは文学作品や映画の場合、「英語で流通しなければ意味がない」といった言が一定の説得力を持ってしまい、英訳されるには英語になって(も)楽しめる内容でなければならないという基準が出来てしまうならば、「世界言語としての英語」が思考枠の均質化を招く可能性も否定できないだろう。

 さて、2015年6月16日(火)に国際文化会館にて開かれたサントリー文化財団フォーラムでは、日本文学に携わる二氏を招き、『アステイオン』82号でも特集された「世界言語としての英語」をテーマに講演が行われた。村上春樹や谷崎潤一郎の作品を翻訳しているチェコのトマーシュ・ユルコヴィッチ氏と、上海生まれで現在は明治大学で教鞭をとる張競氏である。ここでの両氏の講演は、上で見たディストピアを逆照射した体験だと言える。2氏ともに外国語を、自国語だけでは見えなかった世界へのパスポートのように捉えていたからだ。

 確かにオーウェルは「東側」をモデルに『1984年』を書いたとされるが、言うまでもなくチェコ語も中国語もニュースピークでは全くない。(それを言えば、メディアに溢れる日本語だけで事足りるように感じられてしまう現在の日本の方が『1984年』に近いだろう。)にも拘わらず、そこに外国語という補助線を得て、さらには翻訳という作業を経ることで視野が広がったという話は、外国語学習が持つコミュニケーション手段の獲得という以上の意義を、改めて鮮やかに示すものであった。

305とはずがたり:2015/09/10(木) 06:03:53
>>304-305
 当たり前のことだが、翻訳は複数言語に精通する必要がある。「世界言語としての英語」を教育問題と絡めて論じる際、英語学習に押されて母語が疎かになる危険性がよく指摘される。いわば母語がニュースピーク化するわけだ。フォーラム当日、やはり日本の英語教育に絡んだ質問を受けた張氏の、「母語以上に外国語が上手くなることはない」という鋭い答えが、その危険を物語っている。母語もまた学ばなければ、その質が落ちていく。翻訳は複数言語に精通する必要があるというのは、外国語学習だけでは不十分だという意味もある。

 文学史を振り返れば、優れた翻訳は言語を豊かにしてきた。明治日本で西洋語の翻訳が日本語の幅を広げたという話は有名だと思われるが、英語もまた、その表現の最高峰にシェイクスピアと並んで必ずや欽定訳聖書が指摘される。しかも批評家として名高いF. O. マシーセンの、その名もズバリ『翻訳』という論文では、ラテンやギリシャの古典の英訳がシェイクスピアをはじめ当時の英語に影響を与えた「イングリッシュ・ルネサンス」が指摘されている。どんなに近い言語間でもその差がゼロということはあり得ない。それどころか講演では、漢字圏同士、アルファベット圏同士だと、つい引きずられて翻訳が上手くいかないという例も挙げられていた。とすれば翻訳とは、原理的には不可能かもしれないその差を埋めながら、実践的に最大限「等価」にすることだろう。だからこそ1言語の中だけでは起こらない変質が起こり、それはマズい場合には忘れられ、優れた場合には後世に残る豊かさを生む。

 と、ここで私たちは、一口に「○○語」と言っても、その中で「豊か/貧しい」「上手/下手」といった区別をしていることに改めて気づく。これはまた、「思索的/実用的」と換言してもよいのかもしれない。もし「世界言語としての英語」がユートピアを目指すとすれば、世界には英語を母語としない人々がたくさんいるのだから、そこでの英語は「下手かもしれぬが実用的な英語」となるほかない。誤解を恐れずに書けば、これがビジネスで言われるグローバル・イングリッシュ(GE)だ。恐らく、ここで問題が生じる。GEはどれくらい「豊かな英語」であり、どれくらいニュースピークなのか?

 英語の覇権が取り沙汰されるとき、そこでは英語話者の優位がほとんど自明視されていると思われる。しかし別の言語が触媒となって言葉が豊かになった例が多いことを思えば、英語だけに染まることは何より英語にとって不利なのかもしれない。確かに現在は、英語が広がるにつれてむしろ様々な英語が各地で生まれ(インドの「インディッシュ」など)、その素朴さがかえって迫力を持ったり、そこから新たな表現が生まれたりする場合も多い。しかし、その覇権の強大さのあまり、実用一辺倒の「英語」だけが溢れる危険性は、意識しなければならない。そのためにできることは、それこそニュースピーク思考並みに単純な話かもしれないが、自戒を込めて書けば、やはりきちんと語学を勉強するということだろう。

『1984年』においてニュースピークへの移行完了は2050年が目処であった。現実の1984年は無事に過ぎたが、ニュースピークとの戦いは文字通り現在進行形なのだ。

※当記事は「アステイオン」ウェブサイトの提供記事です

306とはずがたり:2015/09/17(木) 19:26:23

<赤瀬川原平氏の死に想う「老人力」>若者層がある割合を超えると「戦争」や「革命」が起きる?
http://mediagong.jp/?p=5058
水留章 2014年10月29日(水) 17:31

307名無しさん:2015/09/17(木) 20:19:58
>>288
>>298

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150916-00010001-bjournal-soci
紀伊國屋書店の「慣習破り」に業界から批判殺到!アマゾン対策で村上本を9割買い切り
Business Journal 9月16日(水)12時12分配信

 作家・村上春樹の雑誌連載をまとめた『職業としての小説家』(スイッチ・パブリッシング/以下、村上本)が9月10日に発売された。実店舗を運営する書店が一丸となってインターネット販売のアマゾンに対抗することを目的に、紀伊國屋書店が初版部数の9割を買い切ったとして話題になった本だが、そのやり方に発売前から他の書店が反発しているという。

 日本一の書店チェーンとはいえ、発行部数の9割を買い切るというのはどういうことなのか。そして、村上本の流通ルートはどう変わっただろうか。

 まず、出版社のスイッチ・パブリッシングが初版10万部を製作。そのうちの9割に当たる9万部を紀伊國屋が買い切った。残りの1万部はネット通販のほか、一部リアル書店との直取引分などに振り分けられる。紀伊國屋の9万部は、自社と大日本印刷グループ傘下の丸善やジュンク堂書店などへ卸される分と、出版取次3社(トーハン、日販、大阪屋)や他の書店へ卸される分に分かれる。つまり、「出版社→取次→書店」という従来の流通ルートから、「出版社→紀伊國屋書店(大日本グループ傘下書店)→取次→書店」になったのである。

 さらに、ここでポイントとなるのが、「買い切り」という条件だ。出版界では、一部の出版社を除いて委託取引(期限内であれば、いくらでも返品可能)が通常の取引形態である。買い切りの条件を設定する場合、出版社は書店への卸正味(書籍の仕入値のこと)を下げて、書店の取り分を増やすのが通例となっている。大手チェーン以外の一般書店の卸正味は本体価格の77〜78%で、例えば店頭価格が1000円の場合、書店が得る粗利は220円〜230円となる。買い切りの場合には、卸正味を65%前後に設定するといわれている。

 ただ、それだけ粗利益率がよくなっても買い切りはリスクが高いととらえる書店も多く、65%で仕入れても75%で返品可能な取引を望む声も多いというのが現状だ。

●書店から不満相次ぐ

 今回の村上本の流通をめぐっては、卸正味設定の件で各書店から不満が相次いでいるようだ。

 たとえば、第一報後に取次から今回の仕入れ方法について聞いた都内のある書店の担当者はこう語る。

「取次からの卸正味は78%で、買い切りが条件という通達があった。うちは通常、卸正味が77.5%でもちろん委託取引が前提。 78%は買い切りの卸正味ではないし、委託よりも高いというのもおかしな話。読者から注文があった分だけを仕入れるくらいしか対応しない」

308名無しさん:2015/09/17(木) 20:20:29
>>307

 また、別の書店担当者は語る。

「東京の書店組合に入っている書店は、76%で仕入れることができる。しかし、買い切りの正味としては大きすぎる。返品リスクが高いので発注は抑えた」

 さらに、ある都内の書店担当者はこう反発する。

「紀伊國屋が都内の老舗書店と組織する書店団体『悠々会』経由であれば、70%で仕入れることができると聞いた。買い切りであれば、せめて30%の粗利は欲しいので妥当な卸正味。しかし、一部の書店だけが恩恵を受ける構図は理解できない。そのうえ、仕入れ先が取次以外にもあることが、公になっていないのも納得いかない」

 ほかにも「出版社と直取引で仕入れている書店もあると聞いた。仕入れ先の情報が錯綜していて、取次の担当者もよくわかっていないようだ」など、紀伊國屋のやり方に反発する声が続出しているのである。

 紀伊國屋は、リスクを冒して9万部を買い切り、「リアル書店が一丸となって販売する新しいスキーム」を標榜しているにもかかわらず、他の書店の目は冷たい。ある取次関係者は話す。

「村上本については、日販とトーハンが合計で5万1000部を取り扱うようだ。大阪屋分を除いても、残り3万部以上はある。紀伊國屋書店や丸善、悠々会の書店だけで本当に売り切れるのだろうか」

 今回の紀伊國屋の行動が、果たして今後の出版業界に大きな変化をもたらすことになるのか。村上本の売れ行きに注目が集まる。

文=佐伯雄大

309とはずがたり:2015/09/18(金) 15:45:55
>「出版社→取次→書店」という従来の流通ルートから、「出版社─(紀伊國屋買い切り)→紀伊國屋書店(大日本グループ傘下書店)→取次→書店」になったのである。

>出版界では、委託取引が通常の取引形態である。買い切りの条件を設定する場合、出版社は書店への卸正味を下げて、書店の取り分を増やすのが通例となっている。大手チェーン以外の一般書店の卸正味は本体価格の77〜78%で、例えば店頭価格が1000円の場合、書店が得る粗利は220円〜230円となる。買い切りの場合には、卸正味を65%前後に設定するといわれている。

>取次からの卸正味は78%で、買い切りが条件という通達があった。うちは通常、卸正味が77.5%でもちろん委託取引が前提。 78%は買い切りの卸正味ではないし、委託よりも高いというのもおかしな話。

2015.09.16
紀伊國屋書店の「慣習破り」に業界から批判殺到!アマゾン対策で村上本を9割買い切り
http://biz-journal.jp/2015/09/post_11567.html
文=佐伯雄大

 作家・村上春樹の雑誌連載をまとめた『職業としての小説家』(スイッチ・パブリッシング/以下、村上本)が9月10日に発売された。実店舗を運営する書店が一丸となってインターネット販売のアマゾンに対抗することを目的に、紀伊國屋書店が初版部数の9割を買い切ったとして話題になった本だが、そのやり方に発売前から他の書店が反発しているという。
 日本一の書店チェーンとはいえ、発行部数の9割を買い切るというのはどういうことなのか。そして、村上本の流通ルートはどう変わっただろうか。
 まず、出版社のスイッチ・パブリッシングが初版10万部を製作。そのうちの9割に当たる9万部を紀伊國屋が買い切った。残りの1万部はネット通販のほか、一部リアル書店との直取引分などに振り分けられる。紀伊國屋の9万部は、自社と大日本印刷グループ傘下の丸善やジュンク堂書店などへ卸される分と、出版取次3社(トーハン、日販、大阪屋)や他の書店へ卸される分に分かれる。つまり、「出版社→取次→書店」という従来の流通ルートから、「出版社→紀伊國屋書店(大日本グループ傘下書店)→取次→書店」になったのである。
 さらに、ここでポイントとなるのが、「買い切り」という条件だ。出版界では、一部の出版社を除いて委託取引(期限内であれば、いくらでも返品可能)が通常の取引形態である。買い切りの条件を設定する場合、出版社は書店への卸正味(書籍の仕入値のこと)を下げて、書店の取り分を増やすのが通例となっている。大手チェーン以外の一般書店の卸正味は本体価格の77〜78%で、例えば店頭価格が1000円の場合、書店が得る粗利は220円〜230円となる。買い切りの場合には、卸正味を65%前後に設定するといわれている。
 ただ、それだけ粗利益率がよくなっても買い切りはリスクが高いととらえる書店も多く、65%で仕入れても75%で返品可能な取引を望む声も多いというのが現状だ。

書店から不満相次ぐ

 今回の村上本の流通をめぐっては、卸正味設定の件で各書店から不満が相次いでいるようだ。
 たとえば、第一報後に取次から今回の仕入れ方法について聞いた都内のある書店の担当者はこう語る。
「取次からの卸正味は78%で、買い切りが条件という通達があった。うちは通常、卸正味が77.5%でもちろん委託取引が前提。 78%は買い切りの卸正味ではないし、委託よりも高いというのもおかしな話。読者から注文があった分だけを仕入れるくらいしか対応しない」

310とはずがたり:2015/09/18(金) 15:46:07
>>309-310
 また、別の書店担当者は語る。
「東京の書店組合に入っている書店は、76%で仕入れることができる。しかし、買い切りの正味としては大きすぎる。返品リスクが高いので発注は抑えた」
 さらに、ある都内の書店担当者はこう反発する。
「紀伊國屋が都内の老舗書店と組織する書店団体『悠々会』経由であれば、70%で仕入れることができると聞いた。買い切りであれば、せめて30%の粗利は欲しいので妥当な卸正味。しかし、一部の書店だけが恩恵を受ける構図は理解できない。そのうえ、仕入れ先が取次以外にもあることが、公になっていないのも納得いかない」
 ほかにも「出版社と直取引で仕入れている書店もあると聞いた。仕入れ先の情報が錯綜していて、取次の担当者もよくわかっていないようだ」など、紀伊國屋のやり方に反発する声が続出しているのである。
 紀伊國屋は、リスクを冒して9万部を買い切り、「リアル書店が一丸となって販売する新しいスキーム」を標榜しているにもかかわらず、他の書店の目は冷たい。ある取次関係者は話す。
「村上本については、日販とトーハンが合計で5万1000部を取り扱うようだ。大阪屋分を除いても、残り3万部以上はある。紀伊國屋書店や丸善、悠々会の書店だけで本当に売り切れるのだろうか」
 今回の紀伊國屋の行動が、果たして今後の出版業界に大きな変化をもたらすことになるのか。村上本の売れ行きに注目が集まる。
(文=佐伯雄大)

311とはずがたり:2015/09/18(金) 15:46:32
もろ被ってました…(;´Д`)

312とはずがたり:2015/09/23(水) 19:10:30
>電気が復旧した15日以降、職員と業者で、被害を受けて処分する本のデータの除籍作業を行った。被害に遭った本を早く処分しなければ、泥に混じった細菌が繁殖し、被害のなかった本にまでカビなどの二次被害が及びかねない。
>1点1点確実に、しかし迅速に除籍し、作業は終了。19日には約3万点全てを処分した。
非情な作業が必要なんだなぁ。。

【東日本豪雨】常総市立図書館、被害の3万点処分 「本に申し訳ない…」 郷土史料は復元検討
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/sankei-afr1509230014.html
18:16産経新聞

 本の匂いに包まれた静謐な空間は、豪雨による浸水被害で一変した?。茨城県常総市水海道天満町にある市立図書館では、床上浸水のために書籍やCDなど約15万点のうち約3万点が泥水を被った。この中には貴重な郷土史の資料も含まれている。泥だらけで悪臭漂う環境の中、職員総出で片付けに追われているが、復旧のめどは立っていない。(上村茉由)

 鬼怒川の水位が上がった10日未明、8人の同館職員は市役所石下庁舎に呼び出され、避難所の開設にあたった。次第にひどくなる雨。心配が募った。

 「図書館に一度戻りたい」。そう思うも、鬼怒川の堤防が決壊して避難所周辺は冠水。10日夜には図書館周辺も冠水したため、いよいよ戻れなくなった。

 高山京子館長(59)が惨状を目にしたのは、水が引いた12日。高山館長は当時をこう振り返る。

 「1冊でも避難させることができたのではと思うと、本に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。床に落ちた本を1冊拾うにも、悔しくて悔しくて…」

 市内唯一の図書館である同館は、東日本豪雨で床上30センチまで浸水。書棚の下段にあった本を中心に泥水に漬かった。本は水を吸って膨張し、書架は壊れた。

 被害を受けた本の中には同館にしかない貴重な郷土史の資料もあるが、それらについては国立国会図書館の専門家に相談するなど、修復を検討している。

 電気が復旧した15日以降、職員と業者で、被害を受けて処分する本のデータの除籍作業を行った。被害に遭った本を早く処分しなければ、泥に混じった細菌が繁殖し、被害のなかった本にまでカビなどの二次被害が及びかねない。

 1点1点確実に、しかし迅速に除籍し、作業は終了。19日には約3万点全てを処分した。現在はボランティアと職員で館内の清掃作業を行っている。

 同館は規模こそ小さいが、絵本やCDの品ぞろえの良さが評判で、子供たちも多く利用していた。

 「被災した皆さんに癒やしの場として図書館を提供したかったんですが、年内の復旧は難しそうです。一部分だけでも早く開館できるよう模索します」

 高山館長はそう言って、再び復旧作業に入った。

313とはずがたり:2015/09/23(水) 19:12:25

関連会社から“疑惑”の選書 武雄市TSUTAYA図書館、委託巡り住民訴訟に発展
http://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2015090200084.html
09月03日 07:00dot.

 2013年4月に市の図書館運営を全国で初めてTSUTAYAとコラボし、注目を浴びた武雄市図書館(佐賀県)。しかし、そこに並ぶのは「公認会計士第2次試験2001」や、シリーズものだが全巻そろっていない「ラーメンマップ埼玉2」など、出版年度が10年以上前で市場価値が低いものばかり。市民から疑惑の声があがっている。

 これらの選書について、市の教育委員会は「TSUTAYAを運営する『カルチュア・コンビニエンス・クラブ』(CCC)に委託して選書していただき、その後、市が確認しました」と話す。CCCに選書した本の購入先について聞くと、こう説明した。

「ネット中古大手『ネットオフ社』より調達。中古流通からの調達は、事前に武雄市にも承諾を得ています」

 ネットオフの運営会社とは、10年にCCCが株式の30%を取得したCCC傘下のグループ企業で、なんと疑惑の選書は全て“身内の新古書店”から購入したものだったのだ。

 ネットオフに、選書された本の費用や当時の単価について問い合わせたが、期限までに回答がなかった。

 ネットオフのHPから、疑惑がもたれている選書の単価を調べてみると、最低価格の108円で購入できるものが多数。1万冊のうち、本誌記者が各ジャンルから抽出した計100冊の平均価格を出すと、なんと一冊あたり“272円”。

「108円は最低価格なので、簿価としては0に近い。ネットの新古書店で流通し、売れなかった本が多数含まれていることになり、公共図書館の蔵書にふさわしくないことは明らかです」(市立図書館の司書)

 図書館問題に詳しい慶応大学の糸賀雅児(まさる)教授は言う。「選書はどんな本であれ、図書館の『裁量権』の範囲と考えられていますが、税金を使う以上、なぜ購入したのか説明責任がある。蔵書の中身より、“20万冊の蔵書”にこだわり、短期間で書架を埋めてオープンに間に合わせることを優先した結果ではないか」

 CCCに選書基準を尋ねると、「『趣味実用』『料理』『旅行』『ビジネス』等のジャンルを中心に選書を行い、幅広く導入することを意識した」。「公認会計士第2次試験2001」や“Windows98”の本の選書については、「蔵書の増加にあたっては過去のアーカイブも含めて幅広く選定。結果、『幅広く』を意識しすぎた在庫が一部導入されており、更なる改善の余地があったと反省しています」。

 選書が「在庫処分ではないか」という声には、「全くの事実無根」と否定し「初期蔵書入れ替えで導入した1万冊については、開館後に累計8万6500回の貸出実績があり、幅広い読書機会の提供ができていると認識している」と回答。

 市民の疑問や不満の声は、選書だけにとどまらない。改修にあたり、書物や視聴覚資料など合計8760点が除籍、廃棄処分された。

「郷土資料『みを』『温泉博士』などが除籍されましたが、これらは県立図書館にも所蔵がない資料で貴重なものだった。さらに、武雄にしかない蘭学資料が詰まった『武雄蘭学館』は、TSUTAYAのレンタルコーナーに改修されてしまったのです」(「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」の代表世話人・井上一夫氏)

 蘭学館には、国産第1号の大砲など蘭学資料が常設で展示され、昨年8月には2千点もの資料が国の重要文化財に指定された。電気通信大学の佐藤賢一准教授が、こう解説する。

「明治以前の西洋技術導入の歴史をひもとく武雄の蘭学資料は、非常に価値のあるもの。戊辰戦争の際に明治天皇からいただいた“錦旗”の現物も展示され、全国的に注目度は高かった」

 さらに、TSUTAYAのポイントカード「Tカード」が利用でき、自動貸出機を使うと1日1回3円分のポイントがたまるシステムも疑問視されている。

「ポイントがたまって使えるなら、提携している店を自然と利用するようになり、その店を優遇することになる。自治体が設置している図書館だが、結果的に利用者の購買をある特定のお店に誘導しているわけで、公共施設としては公平性を欠いている」(糸賀教授)

 選書をはじめ、図書館運営のずさんさに疑問を持った住民らが、市に対し、樋渡啓祐前市長に1億8千万円の損害賠償を求めるよう、訴えを起こしている。

 CCCが約3億円、市が約4億5千万円、計7億5千万円をかけてリニューアルした図書館。公共施設の中で最も活用される図書館だからこそ、“住民”を第一に考えることが大切ではないか。

(本誌・牧野めぐみ)

※週刊朝日  2015年9月11日号より抜粋

314とはずがたり:2015/09/23(水) 19:13:03
<武雄市>子育てセンター計画 児童図書館中心に6機能 市図書館混雑解消も /佐賀
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi_region/region/mainichi_region-20150923ddlk41040165000c.html
15:08毎日新聞

 武雄市の小松政市長は「子育てセンター」(仮称)の建設計画を明らかにした。樋渡啓祐前市長が武雄市図書館の混雑解消策として打ち出した「児童図書館」構想を基に、自らの公約「子育て支援の強化」を具体化した。【渡部正隆】

 センターは「子育て環境のランクアップ」(小松市長)を目指し(1)子ども図書館(2)遊び場(3)託児所つきの大人のスタディールーム(4)みんなの広場(5)ふれあいテラス(6)レストランカフェ??の6機能を持たせるという。

 同市図書館は一昨年4月の改装以来、予想以上の来館者が詰めかけ、混雑の解消が課題となっている。利用者アンケートでも、子を持つ親からはキッズスペースの拡充、児童生徒からは閲覧席の増設を求める声が多い。

 このため、樋渡前市長は新たに児童図書館の建設構想を明言していた。一方、小松市長は1月の市長選で、子育て支援を公約の柱に掲げていた。小松市長は「センターは図書館を中心に、親と子が一緒に過ごし学べる場」と語り、児童図書館構想を発展させた計画であることを指摘した。

 市図書館は8月10日に累計来館者数が200万人を突破。課題の解決が急がれるが、センターは建設の時期も場所も未定。女性職員を中心に庁内にプロジェクトチームを発足させ「12月議会で詳細を示したい」という。

315とはずがたり:2015/09/23(水) 19:22:20
CCC 武雄市図書館蔵書問題で反省「より精度高い選書すべき」
http://news.goo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-20150911-0082.html
09月11日 11:39スポニチアネックス

 レンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は10日、指定管理者として運営をしている佐賀県武雄市の図書館の蔵書について「より精度の高い選書を行うべき点があったことを反省しております」と増田宗昭代表取締役社長兼CEO名義でコメントを発表した。

 CCCは2013年4月から指定管理者として同図書館の運営を開始。この際に追加納入した蔵書のリストとされる文書が今年8月にインターネット上で公開され、武雄市の図書館では需要が低いと見られる図書が多いと指摘されていた。

 これを受け、CCCは「ご指摘の蔵書は、2013年4月のリニューアル開館前に武雄市から業務委託を受け、初期蔵書の強化として追加納入した蔵書になります。追加納入蔵書数10132冊(当時、CCCが出資するネットオフ等より商品リストを事前に確認の上で購入。※現在は資本関係はございません)、納入金額760万円(装備費、物流費含む)で追加納入した蔵書について、より精度の高い選書を行うべき点があった事を反省しております」と経緯を説明。

 リニューアル開館から約2年半で、追加納入した蔵書のうち1630冊が一度も借りられていないことも明かし、この蔵書と同等の冊数を新たに選書し、寄贈することを発表した。

 今後について「官民一体となった取り組みとなる武雄市図書館については、これまでと変わらず市当局と連携をし、細心の注意をもって今後の運営に注力して参ります」と継続して運営することも明言した。

 CCCが運営をするようになってから、同図書館は年中無休にし開館時間も延長、館内にコーヒーチェーン店・スターバックスを入れるなどの民間企業ならではの施策を実施。13年の新装開館から3カ月間で、11年度の年間総数を上回る来館者を記録するなどの実績を残していた。

316名無しさん:2015/09/23(水) 20:05:30
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150918-00010000-nhonz-life
『殺人鬼ゾディアック 犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実』ミステリーと家族の再生
HONZ 9月18日(金)20時24分配信

アメリカ国内で有名な未解決事件のひとつにゾディアック事件といわれる事件がある。1966年から1974年にかけて複数の男女が白人の男に襲われ、猟奇的な方法で6人が殺害された事件だ。この事件を世間に印象付けた理由はゾディアック自身が犯行後に警察を挑発し嘲笑するような電話や自分の本名が書かれていると主張する暗号文をマスコミに送り付けるなどし、世間に大きく扱われるように、犯人自身がその犯行をプロデュースしていた点だ。

また犯人像にも特徴的な点が多い。例えばオペレッタ作品の「ミカド」のセリフを引用し、高度な暗号のテクニックを駆使するなど、かなり教養があり知的水準が高かったことが窺える。さらに殺した相手を来世で奴隷にできるという思相に強いこだわりを見せているなど、一種、独特の世界観を持っている。また、電話で自らの犯行を通報した際には、イギリス訛りの英語を喋っていた。

多くの特徴と、生存者を含む数多の目撃情報、物的証拠などが揃っていながら、サンフランシスコ市警は犯人を捕まえる事ができずに迷宮入りした事件である。

本書の著者であるゲーリーは素晴らしい養父母の下で恵まれた子供時代を過ごした。しかし、いくら深い愛情の下で育てられようと、実の親を知らないという事で常にアイデンティティクラッシュに悩まされてもいたという。しかし、ある日、実の母親だと名乗る女性から手紙が届く。迷った末に彼は母に会いに行くことを決意する。まさか、それが迷宮への入口であるとも知らずに。

息子を伴いルイジアナからサンフランシスコに飛んだ著者は、ジュディと名乗る女性と出会う。最初はぎこちなかった母と息子だが、時間をかけて二人はお互いの溝を埋めていく。実の父が誰なのかを巡る問題を除いて。だが、著者はあきらめず、粘りづよく時を待ち、母から情報を聞き出す。

本書の構成は少し複雑だ。上記の冒頭部分に続き、中盤の前部が父ヴァンの不幸な生い立ちと青春期、「アイスクリーム・ロマン」としてマスコミに報じられた、27歳のヴァンと14歳の少女だった母ジュディとの愛の逃避行、出産、破局。そして中盤の後部は、ジュディを失ったヴァンがゾディアックとして覚醒していく話を中心据えている。

後半は著者が父ヴァンの足跡をたどるうちに、父がゾディアックではないかと疑い、その仮説を証明するために捜査を進める話に軸は足を置く。同時にヴァンと別れた後、母ジュディが歩んだ人生が並列して語られる。

父、ヴァンは牧師の父と美しく才能に恵まれた母の下に生まれる。幼少期を日本で過ごす。彼はすぐに日本語を憶えたという。長じてはドイツ語とイギリス英語のアクセントも完璧にマスターするに至る。また従軍牧師として第二次大戦に参戦する傍ら、海軍の情報部員でもあった父から暗号の組み立て方を教わり、たちまちその技術を習得した。

夫婦の関係は思わしくなかった。家庭を顧みず教区の人々の救済に駆け回る夫に対し美しい妻は不満を抱いていた。彼女は夫の教会に集まる信者たちと密通を交わすことを繰り返す。

やがて夫婦は破局を迎え、父の強い意向でヴァンは母の下で暮らすことになる。母はヴァンに関心を向ける事も愛情を注ぐこともなかった。多くの男が母を目当てに家に現れて消えていく幼少期をヴァンは送る。またスポーツや外での遊びを嫌い、骨董品やオペラに関心を寄せる変わった少年であったヴァンは従妹の少女たちに苛めを受けながら暮らすことになる。彼は女性に疎外され続ける事になる。

高校ではウィリアムという親友が出来た。彼の証言ではヴァンは「ミカド」を愛し、セリフを暗誦することが出来たという。また、殺した相手を奴隷にすることが出来るという考えに憑つかれてもいたという。彼はイギリス英語を愛し、気取ったアクセントで話すことを好んだ。また悪魔崇拝にのめり込むようになり、後にカルト教団としてアメリカを震撼させることになるチャールズ・マンソンなどとも関係を構築していく。

317名無しさん:2015/09/23(水) 20:05:47
>>316

27歳の時に著者の実母ジュディに一目惚れし、彼女を誘惑して「アイスクリーム・ロマン」とマスコミから騒がれた逃避行は、それ自体がとても興味深く面白い。ヴァンがゾディアックであるかどうかに関わりなく、この話だけでも一冊の本になりそうだ。しかし文字数の関係上ここでは割愛する。

ジュディのいない間にヴァンが子供を捨てたことに、驚愕した彼女は彼の下から去り、それがきっかけでヴァンは警察に逮捕されることになる。彼女は成人後、一回り以上年上のロテアという黒人警官と再婚する。黒人差別が公然と行われていた当時、彼は尋常ではない努力で市警の中に蔓延する黒人差別と闘い、異例の出世を遂げていく。市警の花形であり、白人しかなれなかった殺人課の刑事に、黒人で初めて抜擢されたのも彼だ。さらに彼は政界にも進出し、サンフランシスコの黒人社会で名士としての地位を確立する。

父の手掛かりを探す際に著者とジュディは、今は亡きロテアの部下たちを頼る。市警の幹部になっているロテアの部下たちは、最初こそ犯歴を基にヴァンの足跡を追う事を手伝うと約束するが、すぐに態度を一変させる。ヴァンの捜査から手を引けと圧力かけ始めるのだ。

著者は壁にぶつかる。そんな時、偶然テレビで放送されたゾディアク事件のドキュメンタリーを見た著者は衝撃を受ける。警察が作成したゾディアックの似顔絵とロテアの部下が彼に渡してくれた父の写真が瓜二つだったのだ。さらに、ゾディアックの似顔絵を見た息子は「パパそっくりだ」と著者の顔を見つめる。

ロテアの部下たちの圧力、父そっくりのゾディアクの似顔絵。著者ゲーリーはヴァンがゾディアックではないかと疑いを持つ。サンフランシスコの黒人社会で伝説化しているロテアの妻がゾデイアックの前妻だという事はあまりにも不都合な真実ではないのか?ここから、サンフランシスコ市警との熾烈な駆け引きが始まる事になる。

ゾディアックのDNAデータの一部が市警に残されていることを知り、DNA鑑定を申し出る。著者に好意的に接し、再捜査を約束した殺人課の課長が、裏ではゾディアック事件の捜査を打ち切る事を決定し、一切の再捜査を認めていない張本人であったことがわかるなど、捜査は難航を極める。
誰が味方で誰が敵なのか。彼らはなぜヴァンの経歴を隠そうとするのか。謎が謎を呼ぶ。著者は数々の困難にあいながらも、いくつかの決定的な証拠を手にし、本書を通じて世間に問いかける。この事件では政治がらみの隠ぺいがあったのではないかと。

最初は共通点のない個別の物語のように思える、バラバラな物語が終盤にいたる過程でひとつの真実へと収斂していく手法は、まるでミステリー小説を読んでいるようで、ページをめくる手が止まらなくなる。また、養父母の苦悩や家族のあり方、実母との関係の再構築という点を追えば、家族の再生の物語という側面も本書にはある。まさにミステリーと家族の再生を見事に織り交ぜた極上のノンフィクション作品だ。

鰐部 祥平

318名無しさん:2015/10/03(土) 21:53:15
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151003-00000016-pseven-soci
鎌倉の図書館 命のツイート後に緊急会議し図書館の役割再考
NEWS ポストセブン 10月3日(土)16時6分配信

 JR鎌倉駅から徒歩5分。風光明媚な古都・鎌倉の細い路地を進むと、3階建ての古い建物に突き当たる。入り口付近には子供本のコーナーがあり、本棚にある案内POPの多くはひらがなだ。

 ここは、開館から今年で104年になる鎌倉市中央図書館(神奈川県鎌倉市)だ。すべての始まりは8月26日、同図書館の職員が綴ったこのツイートだった。

《もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね》

 1万8048人。これは、1972年から2013年までの42年間に自殺した18才以下の子供の総数だ。日にち別に見ると、最も自殺者が多かったのは、9月1日の131人。ツイートはこのニュースを受けてのつぶやきだった。

 鎌倉市中央図書館が公式ツイッターを始めたのは3年半ほど前。主に図書館の行事や鎌倉市のイベントについて、中央図書館の司書3名と地域の図書館の司書1名の計4名が自由に投稿してきた。前述したツイートをしたのは同図書館の司書・河合真帆さん。18才以下の自殺者が最も多いのが2学期の始まる9月1日、というニュースを知った河合さんは、米国の図書館が「自殺したくなったら図書館へ」というポスターを作った逸話を思い出し、「自殺する子供を減らせれば」との願いからツイートした。

 実は河合さんは小学生の頃、学校に行くのがつらかった時期がある。今回のツイートに込めた思いを彼女は読売新聞にこうコメントしている。

《私は『行かない』という選択肢も知らず、我慢して登校し続けたけれど、家と学校以外にも居場所があるんだよと伝えたい》

 河合さんがつぶやいたのは8月26日午前9時11分。この日の午後、のどかな街の図書館は喧騒に包まれた。河合さんの投稿のリツイート回数が激増し、取材依頼が殺到したのだ。同図書館の菊池隆館長(53才)はこの時、初めて渦中となっているツイートを読んだという。

「メッセージを読んで、う〜ん…なんていうのかな。ちょっと引っかかったのは事実です。“学校に行かなくてもいい”と図書館の公式ツイッターで発言していいのかと…」(菊池館長、以下「」内同)

 時間が経つにつれ、リツイートは爆発的に増え続けた。新聞8社、テレビ10社から一斉に取材依頼があり、そんなことはもちろん、この静かな図書館では前代未聞の出来事だった。

「図書館は教育委員会内の一組織なので、ツイートや取材依頼について報告しました」

 そのまま教育委員会や図書館の職員10名が招集されると、夕方4時から緊急会議が始まった。ある者はこう言った。「即刻ツイートを削除すべきだ」。公の施設として不登校を助長することになるのは不適切、との考えだった。

 またある者は別の理由から削除を強く主張した。「この投稿は“死ぬ”という言葉を使っている。死を連想させる言葉は影響が大きい」と。

 すると別の者が、はっきりとした口調でこう反論した。

「いや、図書館が苦しむ子供たちの居場所となりうるという積極的な意味合いがあるので、残した方がいい」

「そうだ」と同調する者、「いや、どうだろう?」と首を傾げる者…いろんな意見が激しくぶつかった。

 全国の図書館は、日本図書館協会の『図書館の自由に関する宣言』に沿って、利用者の秘密厳守を旨としている。そのため、来館情報や利用者が何を読んだかを外部に漏らすことはない。図書館は、利用者が「根掘り葉掘り聞かれる場所」ではないのだ。

 それゆえ、もしこのツイートで子供が押し寄せる事態になっても、図書館側は何もできないし、そもそも受け入れ態勢さえ整っていない。そうした背景もあって、このメッセージを削除した場合と残した場合の影響について、徹底的な話し合いが行われたのだ。

 最終的な結論に達した頃、辺りはすっかり暗くなっていた。実に3時間にもわたって議論が繰り広げられていた。

「あのツイートには、“子供たちに自殺してほしくない”“図書館が子供たちの居場所になる”という大切なメッセージが込められていたので、削除せず、そのまま残すことを最終的に決断したのです。同時に、このメッセージがどういう意味なのか、ということをわかりやすく説明したメッセージを2つつぶやくことをみんなで決めました」

319名無しさん:2015/10/03(土) 21:53:26
>>318

 翌27日、それは実行された。以下のツイートだ。

《つらいきもちをかかえているあなたへ 図書館はあなたの居場所になりたいと思っています。心のすみっこに「としょかん」をおいてね。図書館にはいろいろな本があるよ。疲れた心によりそうような本が見つかるかも》

《みんなつながっている。きっとあなたもだれかとつながっている。
厚生労働省メンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」http://kokoro.mhlw.go.jp/
つらいきもちによりそって》

 3時間にわたる緊急会議を経て、菊池館長は改めて図書館の役割についての思いを強くした、と振り返る。

「今回の件で、図書館は悩みを抱える子供たちの居場所となるべきという意識を改めて強くしました。そうした子供が来館した時、秘密保護の観点から図書館は積極的な声かけができません。でも、できるだけ意識して子供を見守ってください、という話を職員にしました」

 緊急会議で決定した事項は他にもある。それは悩みを抱える子供たちに相談場所の情報を提供すること。

「鎌倉市は教育センターの相談室で学校や日常生活の悩み相談をしています。ツイート後、館内にそのパンフレットを置いたり、場所や電話番号を掲示するようにしました」

 ツイートを削除した方がいいという者も、削除しない方がいいという者も、「困っている子供を助けたい」と思う気持ちは一緒だった。ルールに従って「何もできない」のではなく、決められたルールのなかで「何ができるのか」をみんなで必死に考えたのだ。

※女性セブン2015年10月15日号

320名無しさん:2015/10/04(日) 18:13:32
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151004-00000081-san-soci
「ツタヤ」管理の神奈川・海老名図書館 蔵書にタイ歓楽街案内
産経新聞 10月4日(日)7時55分配信

 レンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)を運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」などが指定管理者となって1日にリニューアルオープンした神奈川県海老名市立中央図書館が新規購入した書籍に、タイ・バンコクの歓楽街を紹介するガイド本などが少なくとも3冊含まれていたことが3日、分かった。

 3冊はリニューアルにあたって同図書館が購入した約7200冊に含まれており、バンコクの飲食店や性的サービスを提供する風俗店の紹介のほか、店員とのやりとり事例を示したタイ語会話集などを掲載。貸し出しされていた。

 CCCが携わる図書館としては佐賀県武雄市に次いで2例目だったが、武雄市では住民ニーズが低そうな本を購入していたことが批判され、海老名市はリニューアルオープン前に新規購入リストを市教育委員会の教育長らが確認、選書をやり直していた。市教委は「選定基準内で問題はないと判断した。他自治体での選定実績もある」と話している。

 本を確認した同市の山口良樹市議は「女性を不愉快にさせる内容の本が教育長の承認を経て公立図書館に配架されていることに憤りを感じる」と指摘している。

321名無しさん:2015/10/05(月) 19:49:15
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151005-00000003-jij-pol
「ツタヤ図書館」反対多数=愛知・小牧で住民投票
時事通信 10月5日(月)0時20分配信

 愛知県小牧市で4日、レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に運営委託する新図書館建設の賛否を問う住民投票が行われ、即日開票の結果、反対票が多数を占めた。
 投票結果に法的拘束力はないが、住民投票条例は市長に結果の尊重を求めている。山下史守朗市長は5日未明に記者会見し、「結果を真摯(しんし)に受け止め、何が問題なのか市民を交えて検証し、計画を見直していきたい」と述べた。
 投票は20歳以上の有権者によって行われ、賛成票2万4981、反対票3万2352、投票率は50.38%だった。
 市は図書館建て替えに当たり、佐賀県武雄市などで実績のあるCCCに運営委託する新図書館建設計画を策定。中心市街地活性化の目玉として42億円で名古屋鉄道小牧駅前に建設し、2018年度のオープンを目指していた。
 これに対し、市民グループが「住民の意見を聞かないまま、私企業に図書館を委ねようとしている」と白紙撤回を要求。市議会が9月定例会で住民投票の実施を決めた。

322とはずがたり:2015/10/08(木) 12:31:17
ツタヤ以外も参入して競争を起こさせないと質が担保されないかも。

「ツタヤ図書館」逆風 利用者3・6倍もトップダウンへの反発? 佐賀・武雄市
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%80%8C%E3%83%84%E3%82%BF%E3%83%A4%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%80%8D%E9%80%86%E9%A2%A8-%E5%88%A9%E7%94%A8%E8%80%85%EF%BC%93%E3%83%BB%EF%BC%96%E5%80%8D%E3%82%82%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%8F%8D%E7%99%BA%EF%BC%9F-%E4%BD%90%E8%B3%80%E3%83%BB%E6%AD%A6%E9%9B%84%E5%B8%82/ar-AAfd1dz#page=2
産経新聞 3 時間前

 地方の公立図書館再生のモデルとして期待された「ツタヤ図書館」に逆風が吹いている。第1号の佐賀・武雄市図書館は来館者が3倍以上になった一方で、運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)によるずさんな選書が明らかになった。愛知県小牧市の計画は、住民の“反対”で見直しを迫られている。(九州総局 奥原慎平)

 今月4日、愛知県小牧市で、市とCCCなどが連携して計画を進めている新しい図書館の賛否を問う住民投票が実施された。

 市中心部に30年の開業を目指す計画だが、建設費42億円に「費用が膨らみすぎだ」と住民グループから反対の声が上がっていた。住民投票の結果は、「反対」3万2352票、「賛成」2万4981票となった。山下史守朗(しずお)市長は「一度立ち止まって、現在の計画の問題を市民と検証しながら、より良い計画になるよう進める」と述べた。

 住民投票の直前、今月1日にツタヤ図書館を開業した神奈川県海老名市では、タイの風俗店について記述した本が見つかり、市は貸し出しを中止した。



 ツタヤ図書館は、佐賀県武雄市で産声を上げた。平成25年4月、市はCCCを指定管理者として市立図書館をリニューアルオープンした。

 人気のスターバックスカフェを併設したおしゃれな空間は、全国ニュースとなり、話題を集めた。人口5万人の地方都市でありながら、改装初年度は計92万人が来館した。改装前(23年度)の3・6倍もの数字だった。

 武雄の成功は、公立図書館の立て直しを目指す全国の自治体に波及した。岡山県高梁市や山口県周南市、宮崎県延岡市も、CCCへの運営委託を検討している。

 ところが今年7月、武雄図書館で不備が明らかになった。

 リニューアルに合わせて購入した1万冊の書籍の中に、10年以上前の公認会計士試験の教材や、埼玉県のラーメンマップなど市民にとって利用価値の低い実用本が、多数含まれていた。

 しかも、1万冊は新刊本ではなく、当時CCCと資本関係にあったネット古書大手「ネットオフ」から購入していた。このため、「子会社の在庫処分だ」など、ネットや一部市民の間で批判の声が高まった。廃棄された郷土資料もあった。

 CCC側は9月10日に謝罪し、27年度中に、同数の図書を改めて選び、市に寄贈することを表明した。

 産経新聞の取材に対し、CCC側は、書架の安全性を高めるための追加経費が必要となり、書籍購入費を削ったと釈明した。広報担当者は「幅広く本を選ぶべきだったが、オープンまでの選書期間を短く見積もってしまい、ずさんな結果になった。市側との(書架の)安全対策の打ち合わせも不十分だった。今後、選書の精度を高め、市民の声を反映したものとなるよう努力したい」と語った。

323とはずがたり:2015/10/08(木) 12:31:33
>>322-323
 武雄市におけるツタヤ図書館反対運動の根っこには、当時の市長、樋渡啓祐氏に対する反発がある。樋渡氏は、トップダウン型の政治手法が賛否を巻き起こしていた。

 「住民になんの説明もないまま、CCCありき、しかも東京で図書館の民間委託を打ち出した。図書館運営の実績のない会社を選ぶなんて、独裁的過ぎる。まちづくりの在り方として危機感を抱いた」

 反対運動を主導した「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」代表世話人、井上一夫氏(75)は、こう語った。

 とはいえ、武雄市のツタヤ図書館が、地域のにぎわいづくりに寄与したのは間違いない。

 市はツタヤ図書館がもたらした25年度の経済効果を20億円と弾く。武雄市が「地方創生のロールモデル」(稲田朋美・自民党政調会長)といわれるまでになったきっかけも「ツタヤ図書館」だ。

 観光旅行に武雄を選んだ東京都の会社員、坂田光央氏(26)は「スタバもあって、くつろげる雰囲気です。マニアックな本も多く、読書の切り口が広がる」と書架に手を伸ばした。

 人口減少が本格化する中、地方の公立図書館には役割分担が求められる。専門書などを豊富に備え、その地方の中核となる県立図書館、そして地域のにぎわいの拠点であり、読書の入り口となる市町村立図書館といった具合だ。

 文化庁による「国語に関する世論調査」(平成26年3月)では「1冊も本を読まない」との回答が47・5%に上った。書籍離れが深刻となる中、ツタヤ図書館のように集客力を高めた公立図書館は、市民が書籍に触れるきっかけを生み出す。こうした新たな可能性を秘めているだけに、ずさんな運営で評判を落とした“罪”は重い。

324とはずがたり:2015/10/08(木) 15:42:57

ノーベル文学賞:春樹の街「今年こそ」…東京・千駄ケ谷
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E6%96%87%E5%AD%A6%E8%B3%9E%E6%98%A5%E6%A8%B9%E3%81%AE%E8%A1%97%E3%80%8C%E4%BB%8A%E5%B9%B4%E3%81%93%E3%81%9D%E3%80%8D%E2%80%A6%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%BB%E5%8D%83%E9%A7%84%E3%82%B1%E8%B0%B7/ar-AAfdRW5#page=2
毎日新聞 4 時間前

 相次ぐ日本人受賞に沸く今年のノーベル賞。日本時間の8日夜にはノーベル文学賞の発表がある。有力候補と目される村上春樹氏がデビュー作を書いた街、東京都渋谷区の千駄ケ谷地区では、商店街仲間だった書店「ゆう」の店主、斎藤祐さん(70)らがカウントダウンイベントを企画し、受賞の時を待ちわびている。【柳澤一男】

 ◇デビュー作を書いた街…当時の仲間らがイベント

 村上氏は1977年、夫婦で経営していたジャズ喫茶「ピーターキャット」を東京都国分寺市からこの街に移し、4年間暮らした。ヤクルトファンの村上氏にとって、当地は本拠地・神宮球場のお膝元。観戦中にふと「ぼくにも小説が書けるかもしれない」と思い、78年に執筆したのがデビュー作「風の歌を聴け」だ。

 「ゆう」でも、村上氏の妻がよく料理の本などを買っていたという。斎藤さんは「店では奥さんが調理し、村上さんはせっせと接客していました」と振り返る。サインにあまり応じない村上氏に斎藤さんは一計を案じた。ある日、地元の理髪店に村上氏が座り、前掛けをした瞬間、著書とペンを手渡したのだ。「身動きがとれないのでチャンスだと思いました」と斎藤さん。

 「作家・村上春樹」を生んだ街として外国のガイドブックに紹介され、ここ数年、村上ファンの外国人が目立つようになった。汗だくでかつてのジャズ喫茶を探す観光客も。斎藤さんは「せっかく訪れても、店もなくがっかりさせるだけ。ならば、ゆかりの品を並べてファンが集う場を作ろう」と今夏、書店内に村上氏のコーナーを設けた。村上夫妻がよそへ越した後、残されていたカーテンやジャズ喫茶の店名入りちょうちん、理髪店主が大事にするサイン本などを並べている。

 8日夜には、村上氏の旧宅に近く生活の一部だった鳩森八幡神社に商店街仲間やファンが集う。神社は村上氏の最新エッセー「職業としての小説家」にも登場するファンの「聖地」。受賞者を伝えるノーベル財団の公式ウェブサイトを持参のスクリーンに映し出し、「その瞬間」を待ち受ける計画で、受賞が決まれば手作りの「号外」も配る予定だ。

 斎藤さんは「村上さんがデビュー作を書いた78年には、くしくもヤクルトが日本一になった。リーグ優勝した今年こそ」と期待を膨らませる。

325名無しさん:2015/10/09(金) 22:37:06
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151009-00000011-asahi-soci
ツタヤ図書館、なぜ「ノー」に? 愛知・小牧の住民投票
朝日新聞デジタル 10月9日(金)5時13分配信

 全国で開設や計画が相次ぐ「ツタヤ図書館」。書店やカフェもあって利用者が増える、と自治体は説明するが、愛知県小牧市では「反対」の住民の方が多かった。なぜなのか。

■街活性化?市側の皮算用

 反対3万2352票、賛成2万4981票。小牧市で計画されている新図書館建設を巡る4日の住民投票の結果、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携する計画は、一時停止に追い込まれた。

 市は昨年4月に新図書館の計画を発表し、同8月にCCCを連携事業者に選んだ。老朽化し、蔵書スペース不足が目立つ現在の図書館は建て替える必要がある一方、再開発が進まず活気がない中心市街地に「ツタヤ図書館」を建てれば人が集まり活性化する。そんな「1粒で2度おいしい」をもくろんだ計画だった。建設費は約42億円。延べ床面積を約2・6倍、最大収容冊数を2倍強に増やし、書店やカフェを併設。3年後の開設をめざしていた。

 参考にしたのが、佐賀県武雄市が2013年に開設した全国初の「ツタヤ図書館」。CCCが指定管理者として運営している。初年度の訪問者は92万3千人と当初見込みのほぼ倍。市外からの訪問も多く、武雄市は食事や土産など年間の経済効果を約20億円とはじく。

■利益優先?選書に不安も

 小牧市民はなぜ「ツタヤ図書館」に反対したのか。住民に聞くと「税金の無駄づかいでは」(会社員の西田秀樹さん)、「ツタヤのサービスはツタヤで利用すればいい」(パート従業員の島村厚子さん)。高額な建設費に対する批判が目立ったが、「民間企業が本を選ぶと利益優先になる」という懸念も多く出た。

 武雄市図書館では、CCCと出資関係があった古本業者から中古本を購入していたことが発覚。市民から「在庫本の押しつけ」「貴重な郷土資料などが蔵書からなくなる」といった批判や不安が出た。今月1日に神奈川県海老名市が開設した「ツタヤ図書館」では、市が購入本を全て点検したが、海外の風俗店を案内する不適切な本が開設後に見つかった。

朝日新聞社

326とはずがたり:2015/10/17(土) 18:39:52
井上靖さん生原稿展示 光太夫記念館
http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20151013-OYTNT50124.html?from=yartcl_blist
2015年10月14日

 現在の鈴鹿市出身で、江戸時代、ロシアに漂流した船頭大黒屋光太夫(1751〜1828年)を描いた歴史小説「おろしや国酔夢譚こくすいむたん」をテーマにした特別展が24日、同市若松中の大黒屋光太夫記念館で始まる。「井上靖『おろしや国酔夢譚』の世界」と題し、原作者の井上靖さん(1907〜91年)の生原稿などを展示する。

 光太夫は1782年、地元の港から船で江戸へ向かう途中、暴風雨に遭いアリューシャン列島に漂着。シベリアを横断して帝政ロシアの首都サンクトペテルブルクに到着し、10年後に日本へ帰った。光太夫の苦難を描いた同小説は1966年から月刊誌に連載され、68年に単行本として出版。92年には映画化もされた。

 特別展では、井上さんの現地での取材ノートや、単行本にする際に手を入れた原稿など約50点を展示。小説執筆の背景などを紹介する。

 同展は12月13日まで開催(月曜日休館)。入館無料。今月28日と11月14日の午前10時半から学芸員の展示説明会がある。問い合わせは市文化課(059・382・9031)。

2015年10月14日

327名無しさん:2015/10/24(土) 01:34:18
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/241521
小牧市、ツタヤ図書館白紙化
2015年10月21日 08時45分
 愛知県小牧市は20日、市立図書館建設のためレンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と結んでいたアドバイザリー契約を解消すると発表した。4日の住民投票で「ツタヤ図書館」計画への反対が多数だったことを受け、計画を事実上白紙化した。

 市は現在の図書館が老朽化したとして、CCCと、本の納入を手掛ける図書館流通センターによる共同企業体と契約。ツタヤ運営方式を前提に、約42億円かけて名鉄小牧駅近くに新設する計画を進めていた。山下史守朗市長は「計画の検証に当たり、現在の契約を解消するのが適切だと判断した」とコメントを発表。市は既に基本設計案を作っていたが、設計業者とも近く解約する。違約金は業者側と協議する。CCCは「市と協議して契約解消を決めた。今後のことは全く未定」と話している。計画に反対する市民団体の代表渡辺育代さん(65)は「市民の声を尊重した」と評価した。

328とはずがたり:2015/10/27(火) 13:28:45
ツタヤとの関係、TRC解消へ 「図書館の考え方違う」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%84%E3%82%BF%E3%83%A4%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%80%81%EF%BD%94%EF%BD%92%EF%BD%83%E8%A7%A3%E6%B6%88%E3%81%B8-%E3%80%8C%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9%E9%81%95%E3%81%86%E3%80%8D/ar-BBmsOpC
朝日新聞デジタル
1時間前

 400館以上の公共図書館の運営を手がける民間企業、図書館流通センター(TRC)が、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に、図書館事業で今後新たに組むことはないと5日に申し入れていたことがわかった。図書館に対する考え方の違いが原因で、共同運営する神奈川県海老名市の図書館事業も見直す意向という。

 TRCとCCCは共同事業体として海老名市から図書館運営を任され、1日に同市の中央図書館を改装オープン。愛知県小牧市でも新しい図書館計画の契約を交わしていたが、住民投票で建設計画が反対多数となり、契約解消を決めた。

 TRC広報部は「CCCの独自の図書分類は司書が本を探すのも非常に困難。図書館のあり方として、考え方に折り合いがつかなかった。海老名については、市も含め3者で今後協議していく」としている。一方、CCCは「申し入れがあったのは事実だが、始まったばかりの海老名の運営は共同で行う認識だった」とコメントした。海老名市教育委員会の担当者は「まだ聞いていない」としている。(竹内誠人)

329とはずがたり:2015/10/29(木) 19:11:53
PG13
https://ja.wikipedia.org/wiki/PG-13%E6%8C%87%E5%AE%9A%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB%E4%B8%80%E8%A6%A7
PG-13指定(13歳未満の鑑賞には、保護者の強い同意が必要)

2015.10.18 SUN
プラットフォームが支配する時代の「ヌードなき『PLAYBOY』」
http://wired.jp/2015/10/18/no-nude-playboy/

米雑誌『PLAYBOY』の「ヌード」からの撤退という決断が意味するのは何か。それは、Facebook、Twitterのようなソーシャルメディアというプラットフォーム全盛の時代における、メディアの生き残り方を模索した結果なのかもしれない。

TEXT BY JULIA GREENBERG

これで「職場閲覧」も安心だ。
かつてはアダルト雑誌の筆頭であった『PLAYBOY』(プレイボーイ)が、「ヌードを取りやめる」(ただし「PG13」は維持される)。この事実を最初に伝えた「ニューヨーク・タイムズ」によれば、同誌は、誌面の企画を見直し、2016年3月に発行される号からフルヌード写真を掲載しなくなるという。「1953年に創始者ヒュー・ヘフナーがこの雑誌を創刊して以来、モデル、有名人、そしてもちろん、プレイメイトの裸体が掲載されないのは初めてのこと」だと、同社は語る。
これは思い切った転換である。ヘフナーは、ヌードを打ち出した雑誌を生み出したが、「彼がPLAYBOYをつくったとき、彼は、痛々しいほどに保守的であった当時のアメリカにおいて、個人の、そして性的な自由を守ろうと手を打ったのです」と、プレイボーイ社は説明する。
しかしながら、時代は変わった。ヌードやポルノは、インターネット上でいくらでも見ることができる。多くの人が、雑誌を購買するよりもむしろオンラインでの閲覧を選択している。一方で、従来の読者は、Facebook、Twitter、Pinterestなどのプラットフォームで、ストーリーを読んでいる。そしてこれらのプラットフォームはそれぞれ独自のルールを設け、ヌードを禁止、あるいは制限している。
プラットフォーム・ドリヴンの現代においてPLAYBOYが生き残るためには、こうしたルールを遵守しなければならないというプレッシャーはとてつもなく大きい。ゆえに彼らは、自らのアイデンティティの柱に見切りをつけるわけである。

「プレイ」への適合
とはいえ、PLAYBOYがこうした転向を試みるのは初めてというわけではない。
プレイボーイ社は15年に「職場でも安全に読めるもの」として「Playboy.com」を再始動し、かなりの成功を収めている。「毎月、何千万人もの読者が、美しい女性のグラビアのみならず、ユーモア、セックス、文化、スタイル、ナイトライフ、娯楽、そしてヴィデオゲームについての記事やヴィデオを求めて、わたしたちのヌード以外のコンテンツに接しています」と、彼らは言っている。

330とはずがたり:2015/10/29(木) 19:12:04
>>329-330
同社CEO、スコット・フランダースは、「タイムズ」誌に対して、コンテンツのいくつかを「Facebook、Instagram、そしてTwitterのようなソーシャルメディアプラットフォームに掲載できるように」した、とタイムズ誌に語っている。またタイムズ誌は、ウェブサイト移行後、ひと月あたりのウェブサイト訪問者数がおよそ400万人から1,600万人に増加、読者の平均年齢が47歳から30歳代全般に下がったという。つまり人口統計学からみて「自宅でソーシャルメディアを利用する読者」へと移行した、と伝えている。
多くのソーシャルメディア・プラットフォームでは、セックスなどの「露骨なコンテンツ」を禁止している。そうしたコミュニティー基準はずっと変わっていない。それこそ、53年にヘフナーがマリリン・モンローのヌードを雑誌に「折込み」として発行したときから。

プレイボーイ社は、「Facebookでは、ヌード写真の掲出が禁じられているが、それはグローバルで見たときに、この種のコンテンツに対して過敏なユーザーがいる場合があるからだ」と述べている。Twitterは、ヌードのようなセンシティヴなコンテンツについて、アラートを出して隠せるよう求めている。一方で、セレブや活動家たちが「乳首を自由に」Instagramに掲載するというキャンペーンを行っているが、成功はしていない。アップル社のApp Storeのガイドラインは、「ポルノの資料を含むアプリは拒絶されます」との警告を出している。
このような事態に直面したとき、PLAYBOYのように、コンテンツディストリビューションの観点からプラットフォームに依存している雑誌において、戦略の再検討が必要になるのも無理はない。
雑誌の発行人は、何をすべきだろうか。コンテンツを雑誌のみに掲載するという方針では、企業は必ずしも成長しない。雑誌で見ることのできるものは、オンラインにも掲載されるものだ。プレイボーイ社はブランドの再構築を決断した、ということだ。

PLAYBOYの決断は、コンテンツディストリビューション・モデルが、コンテンツ制作に対していかに「指図をするか」ということについて、完璧な例となるかもしれない。
しかし、ことはこれだけではない。発行人は、彼らの作品が読者/視聴者によってソーシャルメディア上で発見され、共有されるということで、自らの事業が成り立っていることを理解している。「シェア」が、編集者の意思決定の要素となっているが、しかしそれは言うほどにうまくいっているわけでもない。
雑誌というかたちで出版すれば売れる作品が、必ずしもウェブ上でうまくいくとは限らない。ラジオで成功する作品がテレビで報道された場合に、うまくくいくとは限らない。すべてのメディアには独自のルールがある。この違いは、ことコンテンツを考慮なければならないとき、発行人側ではルールを決められない。彼らはただフォローするのみ、なのだ。

331名無しさん:2015/10/31(土) 13:33:41
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151028-00010001-agora-pol
“ツタヤ図書館”の住民投票が問いかけた本当のこと --- 長坂 尚登
アゴラ 10月28日(水)15時20分配信

2015年10月4日、愛知県小牧市で「現在の新図書館建設計画に関する住民投票」が行われました。結果は、賛成24,981票、反対32,352票。私の地元、愛知県豊橋市でも、2020年の完成を目指し、現在、新しい図書館の計画づくりが行われています。それもあり、この住民投票はとても注目していました。

図書館のあり方を問いかけた住民投票
この小牧市の新図書館建設計画は、一年以上前から注目されていました。それは、連携民間事業者に、CCC・TRC共同事業体が選定されたからです。CCCは、TSUTAYAを運営する会社で、佐賀の武雄市図書館の実績から、今、図書館界隈で非常に注目されています。TRC(株式会社図書館流通センター)は、図書館の指定管理最大手。同時期、豊橋まちなかの新しい図書館の整備基本計画も、委託事業者が選定されましたが、その結果は業界紙など一部報道に留まりました。一方、小牧市のCCC・TRC連携事業体の選定は、大きく報道されました。私も新聞で知り、そして注目度の高さをうらやましく思いました。

当時、私は「豊橋に日本一の図書館をつくろうプロジェクト」という活動をしていました。しかし、豊橋のまちなかに新しい図書館ができることへの認知度は低く、5%あるかないか、という体感値でした。それは今でも大きくは変化はしていないと感じています。それに比べると、今回「住民投票」という地方自治において最も大きな動きのひとつにつながった小牧市には、羨望の気持ちさえあります。それが、反対運動が起点でも、市民の半数という非常に多くの人が図書館のことについて、ちょっとでも時間を割いて考えたという事実はとても大きいです。

今回の住民投票が、なぜこれほど大きなことになったのか。投票率とその争点について、少し調べ考えました。まず投票率の高さはすぐに説明がつきました。住民投票は、小牧市の市議会議員選挙と同時に行われていました。では、各市議候補は、大きな争点である図書館について、どう対応したのか。選挙公報を見ると、32人の候補のうち、新図書館についての言及があったのは5人、全員が反対。内訳は共産党が3名、無所属が2名、そして、全員が50億円(または42億円)という金額を明記しています。しかし、住民投票の結果とは逆に、無所属の2人は落選。この結果は非常に興味深いです。まず、32人中、言及がたった5人というのは、この住民投票が非常に機微なテーマであったということです。そして「反対」の姿勢を明確にしても、票に繋がっていない。更に、最も訴えやすいポイントはその金額であったのです。

332名無しさん:2015/10/31(土) 13:34:00
>>331

CCCの図書館参入は“企業誘致”
10年前、私は母校で教育実習をしました。そのとき当時の女子高生に「豊橋に何がほしいか」聞きました。その答えは、スターバックス・マツモトキヨシ・HMV。また、私は昨年度まで商店街マネージャーという仕事で、商店街活性化に関わっていました。ある日、ある商店の娘さんが喜々とした顔で「今日となり町のイオンモールに行ってきた!」と自慢気に話をして来たとき、複雑な気分になりました。しかし、これが現実です。

昨今のCCCによる図書館参入は、指定管理か自治体直営かという課題とは、質が異なると感じています。どちらかと言えば、企業誘致に近い。そして、住民がほしいものは、TSUTAYAではなくスターバックスです。なぜなら、TSUTAYAはもうある。都会の人にはわからないかもしれないが、それだけスターバックスは憧れの存在です。

よく地方に「独自性」が求められますが、それは、外の人の意見です。住んでる人は「みんなが持っているものが私もほしい」のです。だから、女子高生がスターバックスに憧れたり、若い子が豊橋にもイオンがほしいと言うことを否定できない。それは素直な気持ちであり、それだけ、それらの施設は洗練されており、魅力的なのです。都会人が普段、スターバックスやイオンに行きながら、地方に行くと「郊外はどこも同じ」と言うのは横柄です。

2つの役割で揺れる現在の図書館
さて、あなたは自分のまちの図書館が自治体直営か業務委託か指定管理か、ご存知ですか?残念ながら、多くの利用者は、そこに注意を払っていないでしょう。先の連携事業体に与するTRCは国内で400を超える公共図書館に関わっています。もちろん、他の事業者もある。だから、あなたのまちの図書館に民間事業者が関わっている可能性は大いにあります。

今、図書館は大きく2つの役割の間で揺れています。
一つはこれまで図書館が担ってきた「知のセーフティネット」として情報的な役割、THE図書館。もう一つは、最近求められつつある新しい「居場所」や「にぎわいの創出」という空間的な役割、ニュータイプな図書館。THE図書館については、これまでの積み上げもあり、専門家・専門機関にその強みがある。一方、ニュータイプな役割については、必ずしもそうではない。これまで通りのTHE図書館を指向するのは、図書館で働いている方や、THE図書館の愛好家な方々。多くの人は変化を迫られることを恐れます。一方、ニュータイプが指向しているのは、これまで図書館に来なかったような人たちです。

333名無しさん:2015/10/31(土) 13:34:45
>>332

図書館は今、過渡期だ
最近、私がこわいと感じているのは、THE図書館な方々の団結力と排他性です。

私自身ブログで豊橋市の新しい図書館について度々記しているのですが、それについて、否定的な取り上げ方をされるのは、ほとんどが市外の方々。一方で、好意的な反応は、市内の方々から感じます。しかし、情報的な役割と空間的な役割は、全く両立可能だと考えています。例えば、豊橋の新しい図書館は、中央館ではなく地域図書館です。これまで通りのTHE図書館的な役割は引き続き、中央館が担います。だからこそ、新しい図書館では、よりチャレンジングな取り組みがしやすい環境であると考えます。

今、図書館は過渡期です。変化に衝突や試行錯誤はつきものです。それを恐れない地域からきっと魅力的な新しい図書館は生まれます。そして、それは図書館に留まらず、そういう地域が「生き残る地域」となるでしょう。


長坂尚登 愛知県豊橋市議会議員(無所属)、内閣官房地域活性化伝道師
公式サイト(http://nagasakanaoto.com/

編集部より:この記事は、愛知県豊橋市議会議員、内閣官房地域活性化伝道師の長坂尚登氏に依頼し、全国的な話題になった小牧市の新図書館建設問題に関する論評を寄稿いただきました。長坂氏に心より感謝いたします。

長坂 尚登

334名無しさん:2015/11/04(水) 22:02:23
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151104-00000005-sasahi-soci
ネット“炎上”でフェア中断 ジュンク堂の「民主主義」って?〈週刊朝日〉
dot. 11月4日(水)11時33分配信

 大手書店チェーンMARUZEN&ジュンク堂書店の渋谷店が、インターネットで“炎上”にさらされている。

 きっかけは、安保法に反対する若者団体「SEALDs(シールズ)」の本などを集めた販促フェア「自由と民主主義のための必読書50」。9月下旬からレジ正面で実施していた。ところが、書店員が10月19日、ツイッターで「参院選まではうちも闘うと決めました」「一緒に闘ってください」などとつぶやき、「偏向している」と、集中砲火を浴びたのだ。

 炎上騒ぎを重くみた本社は、書店員がツイートに使っていた非公式アカウントを削除。一連のツイートは書店員の私的な見解で、「弊社の公式な意思・見解とは異なる」と釈明した。ツイート発信の経緯を調べ、「コンプライアンス違反が認められた場合は社内の規定に則り適切に対処する」という。

 ここまでは従業員による社内規定違反への対応として理解できる。だが、同社は「本来のフェアタイトルの趣旨にそぐわない選書内容であったため、現在その内容について精査し選書を見直して再開する」との見解も示し、21日にフェアを中断してしまった。

 その結果、今度は「書店の方針で本を選んでも何の問題もない。ネトウヨの思うつぼ」「『さすがジュンク堂!』と思ったのにあっさり退散。残念すぎます」と、同社の姿勢を疑問視する声がネット上に続々と書き込まれた。

 業界関係者によると、ジュンク堂は、売り場づくりを各店舗の現場に一任する自由な店として知られている。ネットで批判されても店の姿勢を貫く姿勢が「さすがジュンク堂」と称賛されることさえあった。

 実際、5月下旬には、難波店が中国バッシングやヘイトスピーチを批判する「反ヘイト本」の売り場を特設し、ネット上で「反日書店」と批判を浴びたが、断固としてフェアを継続していた。そもそも池袋本店では「民主主義を取り返せッ!!」と題し、渋谷店と同様のフェアを9月末まで開催していた。

 今回の本社の対応は、現場にも影を落とした。系列店のある幹部は言う。

「人が選ぶ以上、選書は本質的に偏ったもの。フェアを中断するのが正しい選択だったのだろうか」

 同社の「民主主義」が問われている。

(本誌・藤村かおり、牧野めぐみ、松岡かすみ、西岡千史/今西憲之、黒田朔、桐島瞬)

※週刊朝日 2015年11月13日号

335とはずがたり:2015/11/10(火) 18:35:34
意義深そうだ。

100年分/約8,000冊の科学技術本を蔵書する「夢の図書館」が資金調達中
(2015/11/10 12:18)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/20151110_729721.html

 100年分、約8,000冊の科学技術関連書籍を蔵書する「夢の図書館」が、現在国内のクラウドファンディング「READYFOR」で資金調達を募っている。

 これは、1970年代に月刊アスキーの編集長を務め、現在技術少年出版の代表を務める吉崎武氏が立ち上げたプロジェクト。同氏は「子供の科学」(誠文堂新光社)といった科学技術雑誌(1924年10月1日発刊分から計778冊)から、「ラジオの製作」(電波新聞社)のようなラジオ・無線系雑誌(1960年6月1日発刊分から計235冊)、「アスキー」(アスキー出版)といったコンピュータ系雑誌、そして船舶、鉄道、航空、漫画、SF/映画、デザインなど約8,000冊を蔵書する。最古の蔵書は「少年工藝文庫」(博文館)で、1902年(明治35年)4月3日に遡る。

 一般的な公立図書館は、保管スペースの関係で一定期間が経過すると本が破棄されてしまう。吉崎氏は「子供時代わくわくしながら読んだ夢に見るほど懐かしい雑誌に再会したり、歴史でしか知らない時代の雑誌を読んで時間旅行をしてもらう」ために開設したという。

 現在、高尾山の隣にある丘の頂上で小規模な読書室としてプレオープンしている。東日本大震災でもほとんど揺るがなかった地盤に加えて、200mの高台という安全性の高い場所で保管している。建物は閉店した元書店で、現在は広いフロアに蔵書を入れたコンテナを積み上げ、湿度を維持している状態。今後、綺麗な内装を行ない図書館としてオープンする。

 なお資金調達を行なうのは、この図書館の開設にかかる費用ではない。雑誌記事のコピーサービス、および蔵書貸出サービスをインターネットで利用できるようにするための記事単位の検索/読者記事評価システムのシステム構築費の一部である100万円、および蔵書を整理して収納するための本棚制作費用の一部である100万円。12月14日午後11時までに200万円集まった場合、プロジェクト成立となる。

 プロジェクトへの参加は3,000円からで、1年間有効(年会費3,000円相当)な夢の図書館会員証、および1日利用券1枚が送られる。

336名無しさん:2015/11/21(土) 16:33:06
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151120-00010000-shincho-pol
「平和な時代が続くと青年の意見は無視されるようになる」三島由紀夫の言葉(2) 政治編
デイリー新潮 11月20日(金)7時31分配信

 三島由紀夫というと、その最期から「自決した何となく軍人っぽい怖い作家」といったイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし、当然のことながら三島の思想はそんな簡単に片づけられるようなものではない。

 前回の記事では、三島由紀夫の名言から「男と女」に関するものをご紹介した。今回は、「政治」に関連した言葉をご紹介しよう(いずれも『三島由紀夫の言葉 人間の性(さが)』(佐藤秀明・編)より)

 ***

「胃痛のときにはじめて胃の存在が意識されると同様に、政治なんてものは、立派に動いていれば、存在を意識されるはずのものではなく、まして食卓の話題なんかになるべきものではない。政治家がちゃんと政治をしていれば、カジ屋はちゃんとカジ屋の仕事に専念していられるのである。現在、政治は民衆の胃痛になり、民衆の皮膚はアレルギーの症状を示し、異常に敏感なその皮膚は、何事もまず皮膚で感受しようとする。こういう状態こそ政治的危機である」

「日本はふしぎに近代史を見ても、青年の意見がおそれられるのは動乱の時代であり、しばらく平和な時代が続くと青年の意見は無視されるようになる。[…]近代史において、青年の意見がそのまま国の根幹をゆるがし、かつ国の形成に役立ったのは、明治維新をおいてほかにはない」

「もともと戦争が美化されたのは、それを醜いと知っていても、戦争が必要だったから、美化せざるをえなかった点もあるでしょう。今では戦争は必要でないから、美化されるおそれがないかといえば、ろうそくの必要がなくなっても、われわれはろうそくの光りでディナーをとることを好むのです」

「すべての戦争は自衛の戦争の形態をとり、帝国主義戦争、領土侵略戦争、植民地戦争という外観はできるだけ避けられるようになった。自衛の戦争という観念自体に、『やむを得ず』という観念が含まれる。『いやいやながら』という考えが含まれる。いやいやながらという気持ちは複雑であって、その気の進まなさには、一面好奇心や欲望が隠されている。われわれは気の進まない行動をするときに、どこまでほんとうに気が進まないのか疑問なのである」

「あの戦争についての書物は沢山書かれているが、証人は次第に減り、しかも特異な体験だけが耳目に触れるから、今の若い人たちは戦時中の生活について、暗い固定観念の虜(とりこ)になりがちである。そこにも平凡な人間の生活があり、平凡な悲喜哀歓があり、日常性があり、静けさがあり、夢さえあったということは忘れられがちである。たとえば私がクラヴサンの音色を、戦争中の演奏会におけるほど美しく聴いたことは、後にも先にもないのである」

 ***

 どこか最近の政治関連のニュースを想起させる言葉も多く、今の時代にも十分通用する言葉が多いと感じた方もいることだろう。『三島由紀夫の言葉 人間の性』には、厳選された名言309が収録されている。

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337とはずがたり:2015/12/04(金) 10:12:42

2015.12.02
あの取次最大手、本業赤字転落が激震!出版業界、ついに本格的崩壊開始の予兆
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12686.html
文=佐伯雄大

「なんじゃ、こりゃあ」
 刑事ドラマの名作『太陽にほえろ!』のジーパン刑事こと、故松田優作ばりの叫び声を思わずあげてしまったのは、11月25日、出版卸業(取次)最大手の日本出版販売(日販)が2015年上半期中間決算(4〜9月)を発表した日の夜だった。
 筆者がその夜、目にしたのは、日販の「事業別損益内訳」という表で、そこには同社単体の上半期業績の数字が並べられていた。
・売上高:2399億1800万円(前年比171億5200万円減)
・営業損益:3億300万円の赤字(同4億4800万円減)
・経常損益:1億3300万円の赤字(同4億6400万円減)
 なんと、日販の本業である「出版取次事業」が営業損益ベースで赤字になっていたのだ。しかも、本業が赤字になったのは、どうやら初めてというのだ。
 2000年に京都の老舗書店・駸々堂書店の自己破産時に、創業以来初の最終赤字の決算(00年3月期)となったが、そのときですら営業損益ベースは黒字だった。というのも当然で、当時は出版取次業で得た利益を、取引先の倒産による膨大な特別損失が上回ったことによる赤字だった。ただ、不良債権化した書店などの取引先や業績の悪い関連会社の始末に追われていたのも事実で、日販の財務体質が2大取次のもう一方の雄・トーハンよりも脆弱になったのは、その処理に不動産等の「資金」を投入したためともいわれている。
 日販の15年上半期の業績が厳しいものになると聞いてはいたが、まさか赤字とはわが目を疑った。業界紙や同社ホームページで発表された単体の決算は以下のとおりで、決して誉められた数字ではないが、見事黒字になっているからだ。
・売上高:2431億2300万円(対前年比171億6700万円減)
・営業利益:2億8600万円(同3億2500万円減)
・経常利益:7億5000万円(同2億8500万円減)

 前述した事業別損益内訳との乖離が生じている理由は、出版取次事業と「その他(不動産・PPT他)」事業を合算すると、上記のように黒字になるためだ。ちなみに「その他」の業績は以下のとおり。
・売上高:32億400万円(対前年比1500万円減)
・営業利益:5億8900万円(同1億2300万円減)
・経常利益:8億8400万円(同1億7800万円減)
 不動産等のその他事業の売り上げは、本業の1.3%にしかすぎない。たまたま今回は黒字になっただけだろう。(とは註:今回の出版取次事業の赤字を消すべく色々化粧はしたんでわ?たまたまってことはあるまい。)

出版流通の危機的状況

 中堅老舗出版社の取締役は語る。
「●今年6月に民事再生を申請した栗田出版販売の救済に手を上げた日販の子会社・出版共同流通が、最終的に提示された再生案から外れていた。大阪屋1社がスポンサーになるという案に変わっていたのは、今思えば、赤字のせいで栗田救済の数億円をねん出できなかったからだろう」
 また、ある出版社の営業幹部は語る。
「●日販は、返品を減らして売り上げを上げた結果、得られた利益を書店にも還元するというビジネスモデルを出版社と書店に提案した最初の取次。売上面でも最大手だったトーハンを抜いて、出版業界のリーディングカンパニーとして、他取次との返品業務の協業化など流通改善を進めてきた。とくに40%近くもある返品率は業界3者(出版社、取次、書店)にとって共通の“克服課題”。書籍25%、全体で30%などに書店の返品率を抑えるため、PARTNERS契約を結んで返品抑制に努めてきた。ライバルのトーハンと比べて、日販の返品率は低いのはそのためだ。だが、そこまでやっている最大手の取次が営業赤字になったというのは、出版流通の破たんを意味しているのではないか」
 出版社で40年業界経験のある幹部は語る。
「昨年は大阪屋、今年は栗田と、業界3位と4位の取次が事実上、経営破たんした。●大阪屋は楽天が筆頭株主となり、出版社などが出資をして救済。栗田はその大阪屋に吸収合併するという民事再生案が今年のクリスマスイブに諮られる。それ以下の取次では、●一時は400億円以上もあった売り上げが半減以下の177億円になり、赤字を垂れ流し続けている太洋社もいい話は聞かない。●協和出版販売はトーハンに吸収合併されたし、●一昔前は業界3位だった中央社も今やトーハンの傘下。●日教販も日販と資本業務提携している。出版取次の名だたる8社の現状は、こんなにもひどい状況になってしまった」

338とはずがたり:2015/12/04(金) 10:15:29
>>337-338
書店の廃業も加速

 市場が縮小する中では、大手と中小企業の合併・提携によるグループ化が進むか、グループに入れない企業は廃業するしかない。ライバルのトーハンとは別に、大阪屋や栗田などと組む日販陣営は返品業務の協業化を進めてきている。
 それでも赤字になったのは、市場縮小のスピードに業界の改革が追い付かないからだ。それは日販の単体の営業利益の推移をみれば一目瞭然。
・11年度中間決算:16億2900万円
・12年度同:12億6800万円
・13年度同:12億400万円
・14年度同:6億1100万円
・15年度同:2億8600万円
 きれいに右肩下がりが続いているうえに、8%に消費税が上がった14年度は前年に比べて半減、15年度も半減以下と非常に厳しい状況に置かれている。

 14年度を境に業績の落ち込みがひどくなったのは、書店の転・廃業に原因がある。消費増税を機に書店の廃業が前年よりも増えている中、日販の取引書店の坪数増減は14年度中間がマイナス2933坪、15年度中間が同3519坪と2年連続で増床坪数よりも減少坪数のほうが上回ってしまった。これは日販帳合の書店の売り場が2年連続で急激に減ったことを意味している。
 その一方で改革の一端をみてみよう。
 10年にスタートしたPARTNERS契約は、15年中間期において書籍の返品率は38%、雑誌は36.7%。書籍25%の返品を目指して達成できた書店法人はたった2法人。出版社との契約社は97社(前年比8社増、シェア56.2%)という程度に留まっている。返品率は5年かけても30%台後半、出版社との契約もシェアでみて半分、社数では100社未満という少なさだ。誉められた数字とはいいがたい。
 ある取次の幹部は語る。
「日販は、縮小する市場の中でもシェアさえ確保していれば利益は保たれると考えていたのだろう。2大取次としては当然の発想かもしれないが、今回の中間決算で社員数など現在の企業規模を維持するだけの収益をもう上げられないことが判明した。これまで彼らは返品を抑制するために書籍・雑誌の送品を絞り続けた。返品を多少下げたものの、劇的には下がらなかった。さらに、送品減で市場全体を縮小させるようコントロールしてきた。
 だが、いくら送品を減らしても、返品を減らしても、返品物流を協業化しても赤字に陥ってしまった。それは低迷し続ける雑誌という媒体の流通=多頻度・大量流通を前提に書籍などの商品を送り込む中で、個別商品の返品を抑制・削減するという手段では、その効果は限定的にしか発揮されないからではないだろうか。言いかえれば、雑誌はどうあがいても縮小していくし、雑誌の実売数や媒体数が減れば減るほど、取次の利益率は悪化していく。
 であればもはや発想を変えるときだ。この多頻度・大量流通に依存しない送返品のシステムを構築していく必要がある。そのためには、出版ビジネスの根幹である書店の書籍仕入値、正味に手をつけなくてはならないだろう」
 取次幹部の指摘はもっともだろう。すでに大量消費の時代は終わっているし、雑誌を前提とした販売方法を捨て去らなくてはいけない時代に突入している。出版流通システムだけがその考えを維持していても、生じる齟齬がどんどん大きくなるだけだ。赤字になった今だからこそ、新しい流通システムを提案できるのではないか。

正味戦争

 雑誌流通に依存しない書籍の流通を考えると、まずは書籍版元の正味の大幅引き下げの要請が起きてくるだろう。まさしく、一昔前に起こった“正味戦争”が勃発するだろう。正味交渉次第で、出版社は当然、本の定価を上げざる得なくなる。そうなれば、もっと読者は遠ざかり、真の読書好きしか、本を購入しなくなる。それが負のスパイラルとなって、出版社の経営を苦しめる。今以上の人員整理など企業規模の縮小を余儀なくされるだろう。当然、取次も書店も同じだ。ますます縮小するが、雑誌の滅亡とともに、その衰退も落ち着いてくるだろう。
「出版界の将来の市場規模は、1兆円くらいではないか。私が入社した頃がそれくらいだった。まだまだ書店が潰れ、取次が潰れ、出版社が潰れていく。今の半分くらいの出版点数とプレイヤーになれば、市場は下げ止まるのではないか」
 40年以上も出版業界に携わり、すでに引退している取次幹部の独り言が現実味を帯びてきた。
(文=佐伯雄大)

339とはずがたり:2015/12/07(月) 22:51:34
別役がどっかでイギリス人は男たるもの息子の一人は育てないとと(可成りうろ覚え,勿論,ほんとうにそんな諺があると云うよりは別役一流の諧謔だった筈だけど,個人的には大いに影響受けた)書いてたかすかな記憶があるけど本人は一人娘っての含めたネタ振りだったのかw

また丸損を女房と致すようなもの,みたいな表現もあった(これまた可成りうろ覚え。無論,これにも俺は大いに影響を受けているw)だけど奥さんは劇団の美人女優である。

1年前の演目は別役氏病気で変更になったらしい。もう80過ぎみたいだけどご健筆をお祈りしたい。
あとこれは日本芸術院を調べてて別役氏が載ってたのを見てのレス。

別役実の一人娘,べつやくれい嬢らしい。
http://portal.nifty.com/2008/09/20/a/2.htm
http://asiamoth.com/mt/archives/2008-08/16_2352.php

因みに奥さん,楠有子
https://www.google.co.jp/search?q=%E6%A5%A0%E4%BE%91%E5%AD%90&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwiE0KfY78nJAhVHupQKHZDTA_0QsAQIGw&biw=1366&bih=643

2014/10/31
別役実が病気療養のため12月上演の演目が変更に
http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2014/10/31_05.php

340とはずがたり:2015/12/10(木) 12:54:02

当選者1万2千人、半分の名前でっちあげ 懸賞付き雑誌
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E5%BD%93%E9%81%B8%E8%80%85%EF%BC%91%E4%B8%87%EF%BC%92%E5%8D%83%E4%BA%BA%E3%80%81%E5%8D%8A%E5%88%86%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%89%8D%E3%81%A7%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%81%82%E3%81%92-%E6%87%B8%E8%B3%9E%E4%BB%98%E3%81%8D%E9%9B%91%E8%AA%8C/ar-AAg9S7g
朝日新聞デジタル
1日前

 懸賞付き雑誌で「高額賞金ザックザク」などとうたいながら、読者プレゼントの当選者数を実際より多く表示していたとして、消費者庁は8日、雑誌を出版するアイア(東京都渋谷区)に、景品表示法違反(有利誤認)に基づき、再発防止などを求める措置命令を出した。

 アイアは婦人服を中心としたアパレル会社で、出版部門が懸賞付きパズル雑誌を出している。不当表示が確認されたのは、「クロスワードパクロス」など、昨年に定期刊行した全6誌と増刊号など計41雑誌(総発行部数189万部)。いずれも懸賞付きであることをセールスポイントにしていた。

 全問正解すると現金やロボット掃除機といった高額電化製品などが当たるとしていた。だが、誌面で発表していた当選者数は約1万2千人だったのに対し、実際は約半数しかおらず、掲載された当選者名の半分はでっちあげだった。目玉にしていた現金10万円の当選者は1人もいなかった。

 アイアは「予算が足りず、必要な商品を用意できなかった。現在はすべて景品は出している。指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めたい」としている。(重政紀元)

341とはずがたり:2015/12/10(木) 19:11:28
「火垂るの墓」作家の野坂昭如さん死去
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151210/k10010335981000.html
12月10日 11時13分

戦争体験をもとにした小説、「火垂るの墓」で直木賞を受賞し、歌手としても活躍した作家の野坂昭如さんが、9日夜10時半、東京都内の病院で、心不全のため亡くなりました。85歳でした。
野坂さんは神奈川県鎌倉市生まれで、早稲田大学在学中にCMソングの歌詞やテレビの台本などを書き始め、昭和38年に「おもちゃのチャチャチャ」で日本レコード大賞童謡賞を受賞しました。この年、作家としてもデビューし、昭和43年、「アメリカひじき」と、のちにスタジオジブリのアニメになった「火垂るの墓」の2つの短編で直木賞を受賞しました。
その後も「戦争童話集」など、空襲や飢えなどの戦争体験をもとに、多くの小説や童話を書き続け、みずから「焼跡闇市派」と名乗りました。
編集長を務めていた雑誌に掲載した小説「四畳半襖の下張」を巡る裁判では、わいせつの概念について最高裁判所まで争い、話題になりました。
昭和58年には参議院議員に当選しましたが、田中元総理大臣の政治資金の問題を巡り、金権政治を批判して辞職し、その年行われた衆議院選挙に田中元総理大臣と同じ、当時の新潟3区から立候補して落選しました。
また、歌手として「黒の舟唄」などのヒットを飛ばし、ウイスキーのコマーシャルでは「ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか。みんな悩んで大きくなった」というフレーズを流行させました。さらにテレビ番組や雑誌などで辛口のコメントを積極的に発言するなど幅広い分野で活躍しました。
野坂さんは平成15年に脳梗塞で倒れてリハビリを続け、平成21年にはリハビリを兼ねて句集を出版していました。そして最近まで口述筆記でエッセーなどを書いていたということですが、9日夜、自宅のベッドで意識がない状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されたということです。死因は心不全でした。
野末陳平さん「とても優しい人物」
野坂昭如さんと若いころから親交があった元参議院議員で放送作家としても知られる野末陳平さんは「若いときは一緒に多くの仕事をしましたが、とても優しい人物でした。亡くなったことは、けさ、知人を通じて、知りましたが、長い間、会っていなかったので会っていればよかったといまになって思います」と話しています。
元編集者「戦争中の妹の死が根本にあった」
野坂さんの自宅を訪れた中央公論社の元編集者で、最初に野坂さんを担当したという水口義朗さんは「奥さんからは『2か月ぐらい前に誤嚥性(ごえんせい)の肺炎で容体が悪化し、もうだめかと思ったが、医師が驚くほど回復した』と聞いていた。よく頑張った、よくもったなという感じで、覚悟はしていたが残念だ。戦争中に空襲に遭い、1歳4か月の妹が腕の中で餓死したことが彼の中に根本的にずっとあったと思う」と話していました。

342とはずがたり:2015/12/21(月) 20:33:36

2015.12.21 19:32
ツタヤの図書館問題 住民投票求める9000人分署名提出へ
http://www.sankei.com/west/news/151221/wst1512210083-n1.html

 レンタル大手のTSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と山口県周南市が計画する市立図書館新設をめぐり、是非を問う住民投票を求め署名活動をしている反対派の住民団体は21日、約9千人分の署名が集まったと明らかにした。22日に市選挙管理委員会に提出する。

 有効署名が有権者の50分の1(2425人)以上あれば、住民団体が市長へ直接請求し、議会が住民投票実施の条例案を審議することになる。

 署名活動は11月18日〜12月17日に「県オンブズマン市民会議」が実施。沖田秀仁代表(67)は「住民の関心は非常に高い。議会は重みを受け止めてほしい」と話した。同会議は、来年3月の市議会で条例制定し、同5月の市議選と同日の住民投票実施を目指す。

 市は、平成30年度の開館を目標に図書館を核とする駅ビルの新設を計画。図書館の企画・アドバイスでCCCと連携している。一方、佐賀県武雄市などのCCCが関わる図書館で選書が問題化したことなどを受け、同会議が計画に反対している。

343とはずがたり:2016/01/31(日) 19:37:41
今読んでる。なかなか興味深い。宇宙・薬理・数学と多岐に亘る無の科学。

「無」の科学 単行本 ? 2014/7/22
ジェレミー・ウェッブ (著), 水谷 淳 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E7%84%A1%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%A7%91%E5%AD%A6-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%96/dp/4797377011

344名無しさん:2016/02/02(火) 22:49:24
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_0128.html
“かもしれない”の想像力
1月28日 15時37分

「りんごが本当はりんごじゃないかもしれない」
1個のりんごを巡って次々と紡ぎ出されるアイデアを描き、27万部という異例のヒットを記録している絵本『りんごかもしれない』。出版社には、絵本に触発された読者が自分で思いついたりんごを巡るアイデアを描いたイラストが3000点以上寄せられているほか、教材として教育現場でも活用されるなど、広がりを見せています。豊かな発想をいざなう「かもしれない」ということば。その絵本の魅力を取材しました。(ネット報道部 野町かずみ)

345とはずがたり:2016/02/03(水) 11:11:56

解読不能で返本、136万返還要求…国会図書館
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E8%A7%A3%E8%AA%AD%E4%B8%8D%E8%83%BD%E3%81%A7%E8%BF%94%E6%9C%AC%E3%80%81%EF%BC%91%EF%BC%93%EF%BC%96%E4%B8%87%E8%BF%94%E9%82%84%E8%A6%81%E6%B1%82%E2%80%A6%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8/ar-BBp1sSY
読売新聞
11 時間前

国立国会図書館は2日、東京墨田区の出版社「りすの書房」から納本された書籍「亞書」(1巻〜78巻、各6万円)について、出版社に78冊を返本した上で、代償金として支払った約136万円の返還を求めた、と発表した。

国立国会図書館法は、国内で出版された出版物を同図書館に納入することを義務づけており、同図書館は通常、定価の5割と送料を代償金として出版社に支払っている。同書は昨年3月から順次納本され、すでに42冊分の約136万円が支払われているが、ギリシャ文字をランダムに配した解読不能の本であったことなどから、同図書館は「納入義務の対象にはあたらない」と判断した。

346とはずがたり:2016/02/23(火) 20:18:11
2016.02.20
アマゾンと出版社、容赦ない取次「外し」加速…問われる取次の存在意義、存亡の危機か
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13887.html
文=佐伯雄大

 アマゾンジャパンは1月28日、東京・目黒の目黒雅叙園に販売契約協力している出版社などを集めて、2016年の方針説明会を開催した。

「説明会では、『YES 直取』という合言葉を掲げて直取引の説明をしていましたが、直取引の拡大が最大のテーマでした。なんと現在より直取引出版社数を2倍にしたいというから驚きです」(出席した出版社社員)
 アマゾンが直取引の拡大をテーマに掲げていることは知られているが、日本に上陸してから間もなく、「e託販売サービス」というシステムを導入して、出版社との直取引を始めていった。当時のバイスプレジデント、ローレン川崎氏が慣れない日本語で「ちょく、とーりひーきー」と出版社を前に挨拶したのも懐かしい話だ。導入から約10年近くが経った今になって、アマゾンはまた「直取引の拡大」を大声で叫び始めた。
「昨秋頃に、アマゾンはベンダーセントラル(出版社への販売支援システム)に登録する出版社などを集めて、『和書ストア売り伸ばしセミナー』を開催していましたが、結局は直取引の勧誘でした。セミナー出席社に限定して、1カ月以内に申し込めば、通常60%である出版社からアマゾンへの卸率(編注:1000円の書籍であれば600円でアマゾンに卸すという意味)を66%にするというのです」(出版社社員)
 この話に「ぐらっときた」と別の出版社社員はこう明かす。
「うちの取次への正味(卸率)は67%です。しかも新刊は5%の歩戻しが取られますので、実質正味は62%です。また、支払いがアマゾンは月末締めの翌々月末払いとかなり早いですが、取次の場合は6カ月以上かかります。1月に書籍を出してお金が入ってくるのは7月とか8月になってしまうので、アマゾンの提案に気持ちがぐらつくのも当然です」
 この勧誘は、出版業界でちょっとした話題となった。というのも、アマゾンが実施するポイントサービスが再販違反に当たるとして、アマゾンへの出荷を見合わせるなどした日本出版者協議会が、「アマゾンによる出版社直取引(e託取引)の勧誘に対する声明」と題した異例の文書を発表したからだ。
 詳細は同協議会のホームページに掲載されているが、アマゾンが出版社との直取引を拡大すれば、定価販売と委託販売とで成り立っている出版社・取次店・書店を軸にした、いわゆる正常ルートは破壊され、書店・取次店の廃業が続き、ついに出版社もアマゾンのいいなりにならざるを得ないことを懸念している。また、甘い条件は単年度のもので、契約更新時に結局は60%に戻されてしまう懸念もつきまとう。

 この声明が異例なのは、一書店の仕入れ方法を出版社の団体が牽制したことだ。アマゾンと出版社は個々に契約して直取引を行っている。それ自体、ビジネス上はまったく問題がない。それを事業者団体が楔(くさび)を打ち込むかのような行為に出ること自体が珍しい。アマゾンへの脅威が、彼らの背中を押したのかもしれない。
アマゾンの攻勢


 話を冒頭の1月28日の説明会に戻そう。その席でアマゾンは、昨年4月にKADOKAWAがアマゾンと直取引を開始した話を持ち出した。具体的な数字は明らかにはしなかったが、KADOKAWAの出荷売上は大幅に伸長し、在庫あり率は8%改善、搬入リードタイム(注文からアマゾンの倉庫に書籍が届けられるまでの期間)は4日に短縮したそうだ。さらに、全体の出荷金額をベースとした直取引比率が昨年12月は31.2%と単月としては過去最高を記録したとも付け加えた。
 アマゾンは年末年始から異常な状況が続いているとして、1月下旬頃に「緊急事態」と称するメールを特定の出版社に通知した。書店から卸会社・日本出版販売や大阪屋への注文に対し、どれだけ在庫があるのかを示す割合のことを「在庫引当率」というが、これが1月に平時の60%を大きく下回り30%を切ってしまい、1月の売上高に多大な影響を及ぼしているというのだ。
 そのため、出版社には取次から発注が来たら迅速に出荷してほしいなどとする「お願い項目」を3つも並べたて、「過去最悪の欠品率を連日記録している緊急事態につき、是非とも出版社様の多大な御協力を頂きたく存じます」としている。

347とはずがたり:2016/02/23(火) 20:18:28
>>346-347
「このメールが来たときは、何事かと思いました。調べてみると、出荷量は減っていませんし、アマゾンの勘違いじゃないかと担当者と話していました。これはまさに取次批判で、出版社へ直取引を促すものです。そのメールには『既に日次で取次様に引当率の改善を申し入れておりますが、残念ながら短期的な解決に至っておりません』と書いていました。さらに、28日には出版社を集めた方針説明会が予定されていました。『取次はダメだから、出版社にとっても直取引のほうがいいし売上も上がる』とアマゾンがアピールしているようにしか聞こえませんでした」(出版社社員)
 説明会に出席した別の出版社社員は語る。
「このメールの件については、説明会の最後にアマゾンから話がありました。アマゾンの想定を超える注文が入り、日販(日本出版販売)も予定外の注文が来たために、取り寄せ処理が追いつかず、雪だるま式に注文がたまっていった結果、こんな事態になったと言っていました。直取引なら対応できたかもしれないと言いたかったのでしょう」

アマゾンに傾く出版各社

 では、これほどアマゾンが直取引をアピールする理由はなんなのか。それは、相次ぐ取次の破たんである。
 一昨年に、大手出版社と大日本印刷、楽天の出資により、債務超過を解消した大阪屋。昨年に民事再生を申請して今年4月に大阪屋と合併して、大阪屋栗田となる栗田出版販売。そして、今年2月に自主廃業を発表した太洋社。2014年から毎年中堅の総合取次が破綻しているのである。
 昨年にアマゾンの勧誘セミナーに参加した出版社社員は話す。
「セミナーでアマゾンのスタッフは、契約出版社数が右肩上がりのグラフを見せながら、栗田が民事再生を申請した6月26日以降に直取引の契約を結ぶ出版社が一気に増えたと言っていました。現在も契約出版社数は増えていると思います。卸率66%という条件は、出版社が扱う全商品を直取引の対象とした場合だけです。これまで、様子見や戦略で一部商品しか直取引の対象にしていなかった出版社も巻き込もうとしているようです」
 また、別の出版社社員もこう明かす。
「アマゾンのシェアは高まる一方です。太洋社が自主廃業を発表して、太洋社と取引をしていた書店が別の取次との取引に切り替えていますが、出版社側にしてみれば、その書店に納めていた書籍の初回搬入数は新たな取次が部決する数に反映されない。こうして縮小する書店分の売り上げを補てんするために、出版社が思い切ってアマゾンと直取引しようと考えるのもうなづけます。キャッシュフローもよくなるわけですし」
 どうやら相次ぐ取次の破綻が、出版社とアマゾンとの直取引拡大の追い風になっているようだ。裏を返せば、取次という緩衝材の弱体化により、アマゾンの出版社に対する支配力が増しているともいえる。
 ある出版社社員は言う。
「取次の対応が遅いので、アマゾンと直取引をしようかと思い始めています。ですが、周りの人からアマゾンの辛辣な話をたくさん聞きます。好条件で契約してもすぐに卸率を下げられるのではないか、という心配もあります。ただ、これだけ本が売れない時代に、売れる本だけは、その売り上げを最大化したいという切羽詰まった考えもあります。書店と取次の力が落ちていけばいくほど、出版社はアマゾンに寄りかかっていかざるを得ないという状況になっているのです。それが出版業界を破壊するとしても、業界が新しく生まれ変わるきっかけだと信じて、その道を行くしか選択肢はありません」
(文=佐伯雄大)

348とはずがたり:2016/02/25(木) 23:43:53
>平成17年6月期に売上高が487億円あったが…平成27年6月期には売上高が171億円にまで激減した
10年で半減以下ではやっていけないねぇ。。

2016.02.15
企業・業界 企業・業界
また出版取次が破綻!日販・トーハンの冷酷すぎる「首絞め」、雪崩的に取引奪われる
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13805.html
文=佐伯雄大

 独立系の出版取次、太洋社が2月8日、取引する出版社と書店に対して自主廃業することを正式に発表した。同社はこれから事業清算に向けて、不動産や有価証券などの資産を現金化すると共に、取引書店を他の取次会社に移行する「帳合変更」を進めていく。同時に取引書店に対する売掛金の回収を進め、資産の売却益も足して出版社への弁済原資を確保していくという。

 実は太洋社が自主廃業する可能性は、1年以上前から出版業界では囁かれていた。そのため、業界4位の栗田出版販売が昨年6月26日に民事再生法適用を申請し、太洋社よりも先に破綻したことのほうが、業界を驚かせた。
 太洋社破綻が噂されていた理由として、「帳合変更」が挙げられる。これは、取次会社が優良書店を自社の帳合(=取引)にしようと、書店にとって利のいい条件などを提示して、すでに取引している取次会社から自社の帳合へ変更させる行為である。

 出版界では、取次があの手この手で優良書店を奪い合ってきた。20世紀までは売り上げ拡大がその大きな目的だったが、21世紀に入って出版市場の縮小と書店廃業の進行により、売り上げの維持・確保のために帳合変更をめぐる争いはますます苛烈になっていった。ある出版社の営業幹部は言う。
「トーハンの子会社になった文真堂書店が2008年頃に太洋社から離れた。ほかにも、ジュンク堂書店創業者の親族が経営する喜久屋書店がトーハンに、さらに東武ブックスは段階的に日販に帳合を変えた。その後も、トーハンや日販に帳合変更する書店が相次いだ」

 別の中堅出版社の営業担当者は話す。
「最近では、太洋社の取引先書店の集まりである太洋会会長を務めたブックスタマがトーハンに変更した。あまり知られていないが、滋賀県のレンタルも併設する書店、ハイパーブックスも優良顧客だったが、そこも変更した。そのほか、コミックに強いといわれていたゲーマーズやメロンブックスもアニメイトがグループ化するなかで、帳合を変更していった。また、大口だった図書館流通センターが太洋社との取引をやめ、レンタルチェーン、ゲオの一部店舗もトーハンに変更した」
 太洋社の並みいる大口取引先書店が、他の取次に変更していったのである。

生命線を失う

 8日の自主廃業説明会で國弘晴睦社長は、「平成17年6月期に売上高が487億円あったが、出版市場の縮小に伴う競争激化、帳合変更により、複数の主要取引先を失い、平成27年6月期には売上高が171億円にまで激減した」と明かした。

349とはずがたり:2016/02/25(木) 23:44:07
>>348-349
 太洋社は、トーハンと日販が生き残るための草刈り場となってしまったのだ。2大巨頭といえども、縮小する出版市場のなかでは売り上げがどんどん下がってしまう。それを補填するには、書籍や雑誌を送品する先である書店を増やすしかない。つまり、大手書店チェーンが、既存店の売上高が毎年前年割れを続けているので、新規出店しない限り売り上げは増えないという構図と、同じなのである。
 しかし、書店側も新規に出店する余裕もなくなってきているなかで、取次が手っ取り早く取引先書店を増やすのは帳合変更が一番。その絶好の狩り場となったのが、太洋社だった。
 取次にとって帳合書店は生命線である。この取次を通してしか、出版社は有名書店に商品を入れることはできない。だからこそ出版社は取次と取引をするのだ。老舗や大手書店は別として、1書店1取次が基本だからでもある。よって、トーハンや日販に優良顧客を奪われていった後の太洋社には、出版社もどんどん魅力を感じなくなっていった。

 ある老舗出版社の幹部は語る。
「取引書店の減少と共に太洋社への商品搬入数は落ちて、毎月の入金額もどんどん減っていた。太洋社は優良書店がどんどん減ってしまって、出版社から見ると取引する価値が減ってしまった」

囁かれていたXデー

 こうした帳合変更を背景に、出版業界では太洋社の破綻が噂されるようになった。2011年からは営業損失を計上し続け、昨年には前述の通り栗田が民事再生を申請した。太洋社の破綻へのカウントダウンは、栗田の民事再生申請と同時にスタートしたのかもしれない。ある出版社の社長は言う。
「栗田の民事再生申請と同時に、太洋社への出荷を止めた出版社があると聞いた。当時は『それはいくらなんでも乱暴だろう』と思ったが、余波が太洋社に向かっていったのも事実だろう」
 別の出版社の取締役も語る。
「栗田のような民事再生申請は、太洋社には無理だろうといわれていた。大阪屋や栗田を救った大手出版社が、太洋社の再建にはかかわっていない様子だったからだ。日販に送返品の物流業務を委託した頃から、太洋社も長くないという話が頻繁に出て、同時に売り上げが減っていく中、新刊配本を減数したりするなど出荷を絞っている出版社も出始めた」

 また、ある出版社の営業担当者は言う。
「具体的に自主廃業の話が広がったのは昨年10月頃だった。その後も今年1月20日頃には『なんらかの情報開示があるのでは』という憶測が飛び交った。そのたびに太洋社への出荷を調整する版元が増えていったようです。1月中旬には大洋図書の店舗がいきなり日販に帳合変更となった。この頃から、Xデーは近いのではないかと囁かれ始めた」

 こうした情報を受けて、出版社の営業担当者も情報収集に躍起になった。さらに2月に入ると、大きな異変が起こった。太洋社の取引先で老舗書店の芳林堂書店高田馬場店において、2月3〜7日まで配送倉庫のトラブルで商品入荷ができないという旨の張り紙が出された。芳林堂によると、太洋社への支払いが滞っため、送品を止められたというのだ。
 そして、2月5日午後3時頃、取引出版社に対してファックスが届いた。「お取引先出版社様御中『書籍・雑誌等の供給継続のお願い』」。自主廃業を伝える通知だった。
(文=佐伯雄大)

350とはずがたり:2016/02/26(金) 13:13:39

ツタヤ連携図書館 周南市長「計画進める」
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160223-OYS1T50009.html
2016年02月23日
 レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」の企画会社と山口県周南市が連携して進める新図書館建設計画を巡り、市議会は22日の本会議で、計画の是非を問う住民投票条例案を否決した。採決結果は賛成3、反対26だった。この結果、住民投票は行われないことが決まった。

 否決後、木村市長は記者団に「計画を着々と進めたい」と話した。

351とはずがたり:2016/02/26(金) 18:05:00
芳林堂書店の破産にショック受ける人続々「学生時代お世話になった」
Excite Bit コネタ 2016年2月26日 16時20分
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1456471004201.html

帝国データバンクによると、東京・高田馬場など首都圏で書店を展開する芳林堂書店が2016年2月26日、東京地裁に自己破産を申請し、破産手続きを開始した。負債は約20億円で、書泉(東京都千代田区)に事業譲渡することで同意しているという。この報道にTwitter上では動揺が広がっている。

問屋変更で「棚がスッカスカ」に

芳林堂は都内4店舗のほか、埼玉県、神奈川県でも店舗を運営していた。特に早稲田大学が近くにある高田馬場店は専門書の取扱いの豊富で、学生や教員の利用者も多かった。「高田馬場店は学生時代お世話になったな。ショックだわ」「芳林堂、倒産なのか…学生の頃とても通ってたよ…悲しい」と悲しむツイートが次々に投稿されている。

また、池袋にあるコミックプラザを訪れる漫画ファンも多く、「池袋のコミックプラザはコミケのカタログとかシティのパンフとかよく買ってたし、職場が池袋だった頃ほぼ毎日寄ってたんじゃないかな…」といった発言がTwitter上にあふれている。

芳林堂のウェブサイトには、自己破産の前から「現在、問屋変更にともなうトラブルの為、各店とも雑誌、書籍とも新刊・既刊の入荷が止まっており、店舗、ホームページでのご注文がお受けできない状態になっております」とお知らせが出ていた。店舗にも同様に入荷がストップしていることを伝える貼り紙があり、2月に入ってから「棚がスッカスカ」とネット上で話題になっていた。

出版取次の太洋社が自主廃業に向けた準備を発表後、友朋堂書店、ひょうたんが書店など、書店の閉店や事業撤退が相次いでいる。

352とはずがたり:2016/03/01(火) 15:07:57
ワラw
好きでしたビアスの悪魔の辞典と筒井康隆の乱調文学大辞典♪

現代版「悪魔の金融辞典」
http://jp.reuters.com/article/column-war-on-cash-idJPKCN0VZ0RB?sp=true

Economist
エコノミスト。世界金融危機を予測できなかった人。大抵は普通の数学者で、金融の理解に乏しい。Bernanke, Benを参照。
Bernanke, Ben
ベン・バーナンキ。前FRB議長。住宅バブルの崩壊前にその発生を発見できず、2007年にサブプライムローン問題は「封じ込め」られたと主張した。リーマン・ショック後は、グリーンスパン元FRB議長のスーパーバブルを再び膨らませることに成功。FRB議長を退任後間もなくして、ヘッジファンド大手シタデルに職を得たが、市場に関する洞察力を買われてのことでは恐らくないだろう。Revolving doorを参照。
Revolving door
回転ドア。元政府当局者がウォール街からもうかる仕事を提供され、「くら替え」すること(ルービン元米財務長官はシティグループ、グリーンスパン元FRB議長は米ヘッジファンドのポールソン&カンパニー、バーナンキ前FRB議長はシタデル)。日本では「天下り」として知られる。

353とはずがたり:2016/03/01(火) 19:42:03
なんとw

筒井版 悪魔の辞典〈完全補注〉上 (講談社+α文庫) 文庫 ? 2009/1/20
アンブローズ・ビアス (著), 筒井 康隆 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/%E7%AD%92%E4%BA%95%E7%89%88-%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E8%BE%9E%E5%85%B8%E3%80%88%E5%AE%8C%E5%85%A8%E8%A3%9C%E6%B3%A8%E3%80%89%E4%B8%8A-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE-%CE%B1%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%A2%E3%82%B9/dp/4062812525/ref=pd_ecc_rvi_2

354とはずがたり:2016/03/03(木) 14:08:55

(本屋のない街) 新刊巡り図書館と対立
http://www.asahi.com/articles/CMTW1603012800001.html
2016年3月1日14時39分

 「図書館に行けば、本も雑誌もタダで読める。これは本屋さんや作家にとって大変なことなんです」

 昨年10月、大阪市西区の市立中央図書館であった講演会の終盤、直木賞作家、朝井まかてさんは一瞬の沈黙の後、意を決したように切り出した。「本が売れないと食べていけない。図書館はせめて半年(新刊本の貸し出しを)待っていただけないでしょうか」

   ■    ・    ■

 本屋さんで本が売れない。要因としてネット書店や新古書店などの台頭に加え、公立図書館が利用者を増やすため新刊本などの貸し出しに力を入れるようになった影響との見方が出版関係者には根強くある。

 同じ月に東京都内であった全国図書館大会の「出版と図書館」分科会。新潮社の佐藤隆信社長は一部の新刊本について貸し出しを一定期間猶予するよう図書館側に求める考えを示した。

 相次ぐ発言の背景には出版不況がある。出版科学研究所によると、書籍と雑誌を合わせた「紙の出版物」の推定販売額は1996年をピークに下落。昨年は1兆5千億円と前年比5・3%減で統計を取り始めた50年以降で最大の落ち込みとなった…

355とはずがたり:2016/03/21(月) 19:35:50
おお,ご冥福をお祈りします。
てか苗字出光というのかと思って記事を読んでたら旦那は新出光(出光興産以外の各社製品を取り扱う燃料商社)の会長だとわ!!!!
殆どエネルギースレに投下しようと思ったけどこちらに投入。

作家の夏樹静子さん死去…「Wの悲劇」「蒸発」
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20160321-OYT1T50019.html?from=y10
2016年03月21日 09時54分

 社会派推理小説の名手で、原作映画やドラマも人気を集めた作家の夏樹静子さん(なつき・しずこ=本名・出光静子=いでみつ・しずこ)さんが19日午前3時10分、心不全のため福岡市内の病院で死去していたことが分かった。


 77歳だった。通夜は24日午後6時から、告別式は25日正午から、いずれも同市中央区古小烏町70の1ユウベル積善社福岡斎場で。自宅は同市南区大池2の6の1。喪主は夫で新出光会長の芳秀さん。

 東京都生まれで、慶応大学卒。63年に結婚し、福岡市に移住。69年に母性をテーマにした「天使が消えていく」が江戸川乱歩賞候補となり、本格的な執筆活動に入った。

 73年に「蒸発」で日本推理作家協会賞を受賞。89年には「第三の女」がフランス犯罪小説大賞(ロマン・アバンチュール賞)を受賞した。

 82年の「Wの悲劇」は、薬師丸ひろ子主演で映画化された。原作を手掛けたテレビドラマ「弁護士朝吹里矢子」「検事霞夕子」も人気を博した。裁判に関心が高く、日本司法支援センター(法テラス)顧問も務めた。

356名無しさん:2016/03/26(土) 14:41:44
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160324/k10010454801000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_039
国会図書館に初の女性館長 羽入佐和子氏が就任へ
3月24日 16時31分
国立国会図書館の新しい館長に、お茶の水女子大学の元学長で理化学研究所の理事を務める羽入佐和子氏が、来月、女性としては初めて就任することになりました。
国立国会図書館の新しい館長に就任する羽入佐和子氏は67歳。お茶の水女子大学の元学長で、現在は理化学研究所の理事を務めています。
羽入氏は、24日の衆議院本会議で就任の人事が全会一致で承認されたのを受け、大島衆議院議長のもとを訪れました。そして「大変な重責だが、誠心誠意、務めさせてもらいたい」と話し、大島議長も「初めての女性館長で、多くの女性も期待していると思う」と激励しました。
羽入氏の人事は、来週、参議院本会議でも承認される見通しで、来月1日に正式に就任することになっています。
羽入氏は記者団に対し「男性も女性も利用しやすい図書館の環境作りに取り組みたい。激しい情報のデジタル化の動きに対応できるよう、職員の能力向上に努めていきたい」と抱負を語りました。

357名無しさん:2016/03/26(土) 17:33:12
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date4&k=2016032300296
国会図書館長に羽入氏=初の女性

 衆参両院は23日、議院運営委員会理事会をそれぞれ開き、国立国会図書館長に羽入佐和子理化学研究所理事を起用する人事を内定した。両院本会議の承認を経て、4月1日付で発令される。同館長に女性が就くのは1948年の開館以来初めて。任期は定められていない。
 現館長の大滝則忠氏は3月末で辞任する。(2016/03/23-11:24)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2016032400845
羽入氏「利用しやすい図書館に」

 大島理森衆院議長は24日、国立国会図書館長に来月就任する羽入佐和子氏と会い、「国民に愛され、開かれた図書館となるよう期待する」と激励した。女性初の館長となる羽入氏は「大変な重責だが、誠心誠意努めていく」と抱負を述べた。この後、羽入氏は記者団に「男性も女性も働きやすい、利用しやすい図書館でありたい」と語った。(2016/03/24-19:16)

358とはずがたり:2016/04/04(月) 16:23:21
岩波書店「文学」、年内で休刊…「部数減少」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160403-00050101-yom-ent
読売新聞 4月4日(月)9時22分配信

 岩波書店の文学雑誌「文学」が、今年11月末刊の11・12月号で休刊することが分かった。

 戦中の休刊を挟んで80年以上の歴史を持ち、最新の文学研究の成果を一般読者に紹介する雑誌として親しまれてきたが、同社は「大学での文学研究に逆風が吹いている状況や出版不況により、部数が減少した」としている。

 同誌は、岩波書店が創業20年を迎えた1933年(昭和8年)、「純正なる文学理論の建設」などを掲げて創刊された。多くの研究者が論文を発表したほか、三島由紀夫をはじめ、著名な作家も執筆した。「思想」「科学」と並び、同社を特色づける雑誌の一つだった。90年から季刊、2000年から隔月刊。

 日本文学関連の雑誌では、「国文学」(学燈社)が2009年、「国文学 解釈と鑑賞」(ぎょうせい)が11年にそれぞれ休刊している。

359とはずがたり:2016/04/06(水) 14:59:53

ツタヤ図書館、小中学校で実質的なTカード勧誘活動を展開…教師は説明受けず憤慨
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%84%E3%82%BF%E3%83%A4%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%80%81%E5%B0%8F%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%A7%E5%AE%9F%E8%B3%AA%E7%9A%84%E3%81%AAt%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E5%8B%A7%E8%AA%98%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%82%92%E5%B1%95%E9%96%8B%E2%80%A6%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AF%E8%AA%AC%E6%98%8E%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%9A%E6%86%A4%E6%85%A8/ar-BBrp1T0#page=2
ビジネスジャーナル
株式会社サイゾー
7 時間前

「事前の説明なんか何もないですよ。卒業式前日の3月17日お昼頃でした。突然、『職員室に取りにきてください』と校内放送があって、バタバタと生徒に配っただけです。生徒には1枚の案内がついていましたが、担任の教師にはそれすら渡されませんでした」

 そう憤慨するのは、宮城県・多賀城市内にある小学校の女性教師である。生徒に配布されたのは、「読書通帳」なるシロモノ。最近各地の公共図書館で導入され始めている読書推進ツールなのだが、“ツタヤ図書館”で配布されたとなると、話は少しややこしくなってくる。

 それにしても、小学校の教室で生徒全員に配布されるのに、担任の教師がその内容について一切知らされないということがあっていいのか――。

●読書通帳で子供の読書習慣向上に寄与

 レンタル店「TSUTAYA」を全国展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する公共図書館、通称・ツタヤ図書館。宮城県多賀城市立図書館は、そのツタヤ図書館の全国3番目の事例として3月21日に多賀城駅前の新しいビルに移転、リニューアルオープンした。同館が、先にできた2館にはなかった新しいサービスの目玉として打ち出したのが、読書通帳である。

 読書通帳とは、図書館が発行する預金通帳スタイルの記録簿のことで、館内に設置されたATM(現金自動預け払い機)に似た機械にこの通帳を入れると、借りた本が随時記録される。

 図書館の利用者が「借りて読んだ本の一覧」を毎回記録することで、まるで貯金が増えるかのように目に見えるかたちで読書記録がつけられる。読書の動機づけや励みにするのが目的だ。とりわけ子供たちの読書推進に効果的なツールと関係者の評価も高い。

 開発販売しているのは、事務機で有名な情報商社の内田洋行だ。担当者は、こう話す。

「2月末現在、読書通帳は12の自治体で導入されています。だいたいどこでも小学生以下の希望者には無料配布していて、大人は実費負担です。特に、子供の読書推進に効果を上げていて、これによって大幅に子供の読書量が増えたところも多いです」

 その典型例が、2014年にリニューアルした大阪府の八尾市立・八尾図書館だ。新図書館への移転と同時に読書通帳を導入したところ、目覚ましい効果が出たという。

「児童書分野の貸出点数を見ますと、前年の13年度が17万4794だったのが、導入した14年度は32万3480と、2倍弱まで伸びています。施設が新しくなって全体の来館者が大幅に増えましたので、純粋に読書通帳だけの成果とはいえないですが、読書通帳導入によって児童の読書習慣の底上げ効果があったのは確かだと思います」(八尾図書館広報担当者)

 もともと、利用者が図書館で借りて読んだ本を手書きで記入する手づくりの読書手帳は全国各地であったが、手書きでは不便なため、図書館システムと連携して自動で印字できるように製品化したのが内田洋行の読書通帳だった。

 本を借りた際、カウンター横に設置されている読書通帳機に事前登録した自分の通帳を入れると、貸出日や本のタイトルが印字される。通帳1冊につき216冊のタイトルが記録可能だ。

360とはずがたり:2016/04/06(水) 15:00:04

●システム導入費用は600万円

 多賀城市が導入したのも同社製の通帳で、前述のように市内の小学生には学校を通して全員に無料配布されたほか、中学生及び未就学児童には、図書館窓口で希望者に無料配布中だ。大人は、実費相当の300円で購入できる。

 子供たちの通帳発行費用については、通帳広告欄に企業名が掲載されるスポンサーを募集して調達するのが一般的で、多賀城市の場合も地元の配電機器メーカーがスポンサーとなって、市内の小中学生7000人分の通帳発行費用210万円をまかなっている。

 気になるのは、読書通帳システムの導入費用だ。いったい、いくらかかったのだろうか。

c Business Journal 提供
 同市教育委員会に問い合わせたところ、卓上型の廉価版を2台設置し、その税別の見積額は276万2900円。ほかにサーバー管理用端末及びそれらの設置費用、システム構築費用が本体よりも高い281万610円(税別見積額)もかかっている。税込みトータルで、およそ600万円である。

 内田洋行によれば、標準タイプの場合、システム費用込みの価格は1台500万円程度で2台目以降はその半額となるのが通常だという。つまり、卓上タイプを導入することで少し導入コストを抑えたのは確かだが、それでも、決して安いとはいえない。

 新図書館への移転にあたって3万5000冊の蔵書を追加購入したが、そのうち1万冊超は新刊ではなく中古本にして経費を削っていた。そんな節約志向の多賀城市とツタヤ図書館が、子供たちの読書推進効果が期待できるとはいえ、600万円もの費用をかけて新システムを導入するのは矛盾するように思えてならない。600万円あれば、1冊平均2000円の新刊を300冊も仕入れられる。新刊を購入せず、読書通帳を導入した意図はどこにあるのか。

●読書通帳配布の狙いはTカード会員の勧誘?

 図書館関係者は、読書通帳の問題点を次のように指摘する。

「図書館を訪れた利用者のうち、読書通帳を希望する人に配布することは特に問題ないと思いますが、学校単位で児童全員に配布するのはやりすぎです。全国初のツタヤ図書館である武雄市図書館では、Tカード機能付きなどの図書館利用カードを学校単位で市内全小学生に一括で申し込みさせたところ、『教育現場で子供たちにTカード会員の勧誘をするのは何事か』と激しい批判を浴びました。そこで多賀城市では、図書館利用カードの勧誘を学校では行わず、代わりに読書通帳を配布したのでしょう」

 ほかのツタヤ図書館同様、多賀城市立図書館でも図書館利用カードはTカード機能がついたタイプを選ぶ人が圧倒的に多い。読書通帳を配布された子供たちが図書館を訪れ、そこでTカード会員となる可能性は高い。

 市教委は、読書通帳を配布する狙いを次のように明かしている。

「読書通帳は、そのままでは使えないので、まずは図書館利用カードを作成してもらいます。読書通帳を利用者IDに紐づけ登録することによって初めて使用できます。読書通帳配布は、図書館の利用カード作成を促すということもひとつの狙いとしてあります」

 つまり、読書通帳を配布することで図書利用カードを作成させたいというのが本音なのだ。読書通帳という“エサ”を撒かれ、子供たちはそれを持って図書館に足を運ぶ。そこでは、ほとんどの子供たちがTカード機能付きの図書利用カードを選択する。事実、現時点までの図書利用カード作成者のうち、約9割はTカード機能付きを選択している。小学校で児童全員に通帳を配布することは、取りも直さず小学生にTカードを勧誘しているのに等しい。

 ツタヤ図書館で図書館利用カードに付加しているTカードについては、4月1日付当サイト記事『Tカード、ツタヤ図書館利用し会員拡大&個人情報収集…加盟店には多額負担強制の実態』をはじめとして何度か取り上げているように、加盟店で商品やサービスを購入してTカードを提示すると、購入額に応じてポイントを付与される代わりに買い物履歴がCCCに把握される。

361とはずがたり:2016/04/06(水) 15:00:18
>>359-361
 CCCは、その情報を自社のマーケティング戦略立案や会員への生活提案に使用するだけで、ほかの目的には一切使用しないとしているが、個人情報や行動履歴が筒抜けになっており、いつどこで漏洩するかわからないという漠然とした不安は、多くの人が抱くのではないだろうか。

 Tカードがそのような危うさをはらんでいるのに加え、ツタヤ図書館において読書通帳の情報まで紐付けられれば、新たな個人情報流出リスクを背負うことになるため、読書通帳について否定的な意見も出始めている。

●読書通帳で個人情報流出の危険がさらに高まるおそれ

 そもそも、読書通帳の「貸出履歴印字機能」は、図書館が堅持するべき「利用者の個人情報保護」という基本方針とは根本的に相いれないものだ。

 貸出履歴は、「他人に知られたくない個人情報」として、厳密に管理されることが求められる。その保証があってこそ、市民は安心して公共図書館を利用できる。しかし、その履歴が収集保存されてTカードと紐付けられることは、たとえCCCに情報が伝わらないとの規約があるにせよ、情報流出のリスクと比較考量して公共図書館の基本原則から大きく逸脱するのではないか。

 内田洋行の担当者は、履歴は保存されないと強調する。

「図書館システムに連携している読書通帳は、本を借りた直後から返却するまでのみ印字できる仕組みで、返却後はデータが削除されるため印字できません。利用者の皆さんは、借りた後すぐに通帳機で記帳されます」

 しかし、前出の図書館関係者は、それでも危険がないわけではないと指摘する。

「すでに、読書通帳の危険性はインターネット上でも話題になっています。結局、読書通帳専用のサーバーに一度は個人情報を送らないといけないため、その運用がずさんになされるとTカード機能付き図書館利用カードと同じく、その貸出データが流出するおそれはあります」

 このように、読書通帳導入によってTカード機能付きカードも含めて二重の個人情報漏洩リスクにさらされることになるのだ。ましてや、子供たちの個人情報については、極めて慎重な対応が求められる。それにもかかわらず、冒頭の教師が憤慨するように、なんの説明もなく生徒に無造作に教育現場で配布するという市教委の対応は、あまりにも配慮に欠けた行為で、批判されてしかるべきといえる。

 前出の教師はこう嘆く。

「子供たちに通帳と一緒に配布された案内書を見たところ、Tカード機能付きと普通のカードから選択できると書いてありましたが、そういうことも含め事前に説明はありませんでした。私たち教師も、Tカードについては何も知らないのです」

 もちろん、子供が図書館利用者カードを作成するには、保護者の同意が必要とされてはいるものの、学校で配布する以上、教師にも情報提供が必要だったのではないか。

 次回は、読書通帳を導入した自治体で起きた、とんでもない不正行為事件を紹介したい。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)

362名無しさん:2016/04/16(土) 16:02:00
「デブ男性誌」、好調を支えるしたたかな戦略
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160414-00113637-toyo-bus_all

363名無しさん:2016/04/30(土) 09:56:48
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160428-00000050-jij-n_ame
米アマゾンに返金命令=子供の無断購入で―連邦地裁
時事通信 4月28日(木)10時51分配信

 【シリコンバレー時事】子供が親に無断で携帯端末用ゲームのアイテムなどを購入し、高額請求された問題をめぐり、米連邦取引委員会(FTC)が米アマゾン・ドット・コムに返金を求めた訴訟で、ワシントン州の連邦地裁はアマゾンに返金を命じた。

 FTCが27日発表した。

 FTCによると、アマゾンのサービスでは、一度パスワードを入力すると一定時間は再入力の必要がなく、子供が親のアカウントを使い、勝手にアイテムなどを購入するケースが相次いでいる。1600人近くが返金を求めているとされ、連邦地裁が数カ月以内に返金額を決定する。

364とはずがたり:2016/05/16(月) 19:50:59

書籍にまつわる都市伝説の真相--委託販売、再販制度は日本だけなのか
http://japan.cnet.com/sp/ebook/35029694/?tag=cleaf_relstory_manual(1)
http://japan.cnet.com/sp/ebook/35029762/?tag=cleaf_relstory_manual(2)
http://japan.cnet.com/sp/ebook/35029912/?tag=cleaf_relstory_manual(3)
林 智彦(朝日新聞社デジタル本部)
2013/03/19 14:22(1) 03/21 15:21(2) 03/26 10:15(3)

海外の(電子)書籍をめぐる2つの「都市伝説」

 電子書籍について語る解説や評論には、くりかえし目にする「通説」がいくつかある。その中でも最もよく聞かれるのが、次の2つである。

 「日本の書籍流通のあり方は、世界の中で特殊であり、本の売り上げ不振の原因となっている。それがまた、電子書籍普及の障害にもなっている」。「米国、欧州とも電子書籍の価格を出版社が決める『エイジェンシー・モデル』は違法ということになった」。

 この2つの通説は、さまざまな形に姿を変えながら、日本の電子書籍に関する議論の前提となってしまっている。政府・民間の各種報告書でも、話の「枕」的に使われることが多い。

 しかし、実はこの2つとも、事実に反するのだ。今回は、誰もが事実だと思っているこの2つの「都市伝説」について、真実を明らかにしてみたい。

「委託販売」と「再販制度」

 議論の前提として、日本の書籍市場について簡単に説明しよう。日本の書籍市場については、2つのキータームで説明されることが多い。「委託販売」と「再販制度」だ。

 書籍の委託販売とは、小売店がメーカー(この場合は出版社)の代理となって商品を販売する契約のことで、小売店は売れ残りを一定期間後に返品できる。返品の期限によって、「新刊委託」(約100日後〜1年後など)、「長期委託」(4〜6カ月まで返品可能)、「常備寄託」(1年後まで返品可能)などがある。括弧内の条件は取次会社と出版社が交わす契約によって異なる。

 委託販売の対義語は「買切販売」で、日本でも岩波書店など一部の出版社は買い切りを原則にしており、通常の本は委託で出している出版社も、図鑑など、一部の商品を買い切りにすることもある。

 再販(売価格維持)制度とは、「メーカーが最終小売価格(再販価格=定価)を指定していい」とする制度のことだ。一般に、メーカーが小売価格を指定することは、独占禁止法違反とみなされるが、独禁法には適用を除外されている品目がいくつかあり、書籍もそれに含まれている。

 つまり日本ではメーカー(出版社)が定価を決めていい、とされているわけだ(ちなみに「定価を定めないのは違法」という誤解をよく目にするが、再販制度は「定価を定めた契約をしてよい」というもので、定価を定めない契約をしてももちろん合法である)。

 なお、委託販売は1908年に始まり、再販制度は1915年、岩波書店が業界内協定(紳士協定)として始めたのがルーツとされる。1952年には独占禁止法で正式に法制化された(以上は『日本雑誌協会 日本書籍出版協会50年史』Web版より)。

… ともあれ、筆者は2009年頃にこの件が話題となって以降、「パブリッシャーズ・ウィークリー」などの専門紙から、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど一般紙に至るまで、関連記事についてはそれなりの注意を持って観察してきた。それだけでなく、米国の出版界について書かれた書籍については、ここ数年内に刊行されたものに関しては、入手が容易なものはかなりの数、目を通したつもりだ。日本語の文献でこの件に触れたものは非常に少ないが、それについても目に付く範囲で読んだ。

これまでのところ、その中に「米国の書籍流通は買い切りである」と書かれたものをいっこうに発見できないでいる。それどころか、逆のことを示唆するものばかりが目につくのだ。

「書店は一般書仕入れにあたって、さまざまな条件付き(中略)にもせよ、出版社の発送伝票の日付けを基準にして四か月以降から一か年以内の範囲であれば、売れ残った本を出版社へ返品することは自由にできる」(金平聖之助『アメリカの出版・書店』44ページ)

365とはずがたり:2016/05/16(月) 19:51:32

「出版界にとって最大の悩み、難問のひとつである返本の対策として、一九八一年からハーコート・ブレス&ジョーバノヴィッチ(HBJ)社は、自社発行のハードカバーの卸について(中略)完全買切制への以降に踏み切り、出版界に大小さまざまな波紋を投げかけたのであった(中略)HBJ社の買切制導入以前の段階においても、二〇〇社余りの小規模の専門書出版社は、完全買切制を実施していたが、主要一般書出版社としては、HBJ社が第一号と言える(中略)だがHBJ社につづいて買切制を導入する出版社は皆無に近いまま、HBJ社も早々にして買切制を打ち切らざるを得なくなった」(同書48-49ページ)
 同書は1992年刊行なので、情報が古い可能性も考えられるが、最近の英語の文献をあたっても、次のような記述が見られるばかりだ。

「他のほとんどの産業と違って、出版産業は小売や卸売からの無制限の返品を受け付ける。実質的に、あらゆる本は委託で販売されているのだ。(Unlike most other industries, publishing allows unlimited returns from its retail and wholesale customers. In essence, every book sold is on consignment.)」
「出荷された月末から30日以内の支払いを約束するNet 30が、ほとんどの出版社の契約条件となっている。だが書籍では、実際の支払いは90日-120日後にしか実行されない。(Net 30, or payment within thirty days of the end of the month in which a book is shipped, is the norm that most publishers stipulate as their terms. In the book industry, though, most accounts actually pay in 90-120 days.)」 (以上は"Publishing for Profit" by Thomas Woll, 2010 AP通信は同書を「出版産業のバイブル」と称賛したとのこと)
「書籍は1930年代以降、返品可で販売されている。大恐慌のまっただ中、一部の出版社が書店に冒険するインセンティブを与えようと決意したのが始まりだ。われわれは、以来このイノベーションの影響下に置かれたままだ。 (Books have been sold on a returnable basis since the 1930s when, in the depths of the Depression, some of the major publishers decided to offer accounts an incentive to take greater up front risks. We have been living with the aftermath of this innovation ever since.」) 『"The Book Publisher's Handbook" by Eric Kampmann, 2007』
「書籍産業は返品という伝統において少し奇妙な業界だ。書店や取次は、売れなかった本を出版社に戻せば返金を受けられる。この慣習は、米国では19世紀半ばに導入されて以来、1930年代まで断続的に用いられ、サイモンシュスターが1943年、「ワン・ワールド」という本で完全返金保証をしたときに概ね制度化された。(The book industry is somewhat unique in its tradition of returns. Retailers and wholesalers are generally allowed to return unsold books to publishers for credit. )『"Reluctant Capitalist" by Laura J. Miller, 2012』
 関連文献で見る限り、この点では英国の出版界も基本的には同じ仕組みを採用している。主に英国の観点から出版界の基本を説いた『" Professional Guide to Publishing" by Gill Davies and Richard Balkwill, 2011』は、こう言う。

「出版における返品可の取引実態を初めて知ると、多くの人は驚く。出版社は小売業界のプライベート銀行のようだが、本当の銀行と違って、すばらしく儲けているわけではない」
 これなどは、方向性は異なるが、第1話でも触れたジャーナリストの佐々木俊尚氏のいう「ニセ金化」を彷彿とさせる表現である。

 少し前になるが、ブルームバーグによると、2008年、大手出版インプリントのハイペリオンの創設者が、やはり大手のハーパーコリンズに移り、買切制度を導入しようとした、という報道もある。しかし、同記事の中で、業界誌パブリッシャーズウィークリーの記者は、うまくいく望みは薄い、と示唆している。

 この記事で注目すべきは、以下の件であろう。

2005年の返本は4億6500万部、31%にものぼった(中略)(返品を許す販売の仕組みは)エネルギーの無駄遣いでしかないし、もっと悪いことに、本の作りすぎを促進する。結局その大部分は、ゴミ箱行きになる。

366とはずがたり:2016/05/16(月) 19:51:57
 「同じ委託販売といっても、米国のそれは短期、日本は長期、という違いがあるのではないか」とも考えられるが、各種資料を読むと、米国においても返品期限は契約によって異なり、かなり弾力的に運用されているらしい。

 例えば、2002年、コストコの平均陳列期間は6週間だった。(中略)モール内の書店の(中略)1990年代の典型的な陳列期間は3カ月から6カ月だった。スーパーストア(筆者注;1990年代に広まった郊外型の大型店舗)の同期間の平均値は6カ月から12カ月だった。独立系書店の陳列期間は当然、店によって大きく異なる。手っ取り早く売り上げを上げたい書店は短く、おすすめの本を細々と売りたい書店は何年も陳列する『Reluctant Caplitalists by Laura J. Miller』

通念に反して、米国やイギリスの書籍市場は、一種の「委託制度」を採用していることは間違いなさそうだ。

… ちなみに、返本率について述べておくと、年によって、書籍の種類によって違うが、日本ではすべての本の平均が約4割、米国ではハードカバーの返本率は約4割とされており、この点でも大きな違いはなさそうだ(米国の返品率は"Merchants of Culture" by John B. Thompson)。

「定価」も多数の国が採用

 「再販制度」や「定価」についてはどうだろうか?

 日本の出版業界の批判者の多くが、再販制度や定価に批判的であるが、前出のOECDのレポートは、次のような表を紹介している。

http://tohazugatali.we b.fc2.com/book/hayashi_oecd.png

この表は、OECD加盟国(50カ国)の全部をカバーしたものではない。しかし、対象の26カ国のうち実に18カ国が、なんらかの形で定価(Fixed Book Price)制度を採用している。OECDのレポートは、次のように説明している。

定価制度は、世界中の多数の先進国で、書籍産業が発達するのと並行して(普及した)。マスマーケットに向けた、より人気のある「ブロックバスター」を扱う書店や出版社が、高品質の、より文化的に価値のある本を脅かすのを防ぐため、書店団体と出版社団体の間で結ばれた業界協定によって、最低小売価格または「底値」が固定されたのが始まりである(46ページ)。

 ここにも見られるように、同じ「本の価格を固定する」制度といっても、すべての国が日本と同じような制度を導入しているわけではない。

 日本の再販制度は、法制化されたものだが、法律上の手当をせず(戦前の日本のように)業界内の協定で取り決めている国もある。また価格固定についても、売り出す価格そのものではなく、割引は許容しながらもその最低価格を定めたり、定価販売の期限を切る(時限再販)など、数値や時間に幅を持たせている場合がある。法制化されている場合でも、日本のようにそれ以外の契約ができる(つまり罰則はない)国と、フランスのように、違反者には罰金刑が課される国がある。

 しかし、いずれにしろ、本に「定価」を定めている国は、世界的にみて少ないわけではない、ということだけは言える。


これまで見てきたように、米国(そして英国)も、一種の委託販売制度を採用している。返本期限の長短などの違いはあるが、英米ともに返本の山に悩まされる関係者がいる。「商業主義の本ばかり売れる」「書店がどんどんつぶれている」などという悩みも、ほとんど同じである。参考書籍の中には、注文した書籍の支払いを遅らせる、日本でいう“延べ勘”や、そもそも支払いをしないで、全品を返本する書店の例などが挙げられていた。

 また「定価」についても、日本と同様に、固定価格制度を導入している国は多数あるのだ。



367とはずがたり:2016/05/16(月) 19:52:22
>>364-367

参考文献
Davies, Gill, and Richard Balkwill. The Professionals' Guide to Publishing : a Practical Introduction to Working in the Publishing Industry, Philadelphia : Kogan Page Limited, 2011.
Department of Justice. “USDOJ: Antitrust Division U.S. v. Apple, Inc., Hachette Book Group, Inc., Et Al..” Department of Justice. Accessed March 17, 2013.
Epstein, Jason. Book Business, W. W. Norton & Company, 2002.European Commission. “Case Search ? Competition - European Commission.” European Commission. Accessed March 17, 2013.
European Commission. “Case Search ? Competition - European Commission.” European Commission. Accessed March 17, 2013.
Greco, Albert N. The Book Publishing Industry, Boston : Allyn & Bacon, 1997.
Kampmann, Eric M. The Book Publisher's Handbook, Beaufort Books, 2007.
OECD. E-Books: Developments and Policy Considerations. Vol. 208, OECD, October 29, 2012. doi:10.1787/5k912zxg5svh-en.
Randall, Linda M. Reluctant Capitalists, Routledge, 2012.
Thompson, John B. Merchants of Culture, Polity, 2010.
Wilson, Britanie, and Jeremy Lucyk. A Very Brief History of the Book-Publishing Industry, Centennial College Press, 2012.
Woll, Thomas, and Dominique Raccah. Publishing for Profit : Successful Bottom-Line Management for Book Publishers, Chicago, Ill. : Chicago Review Press, 2010.
佐々木俊尚『電子書籍の衝撃』, ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2010.
公正取引委員会. “書籍・雑誌の流通・取引慣行の現状.” 公正取引委員会, June 19, 2008.
山田順『出版・新聞絶望未来』, 東洋経済, 2012
岸博幸『アマゾン、アップルが日本を蝕む 電子書籍とネット帝国主義』Php研究所, 2011
服部有希“【フランス】 電子書籍の価格規制に関する法律.” 外国の立法, January 1, 2012.
服部有希 “フランスにおける電子書籍の価格規制―電子書籍と再販制度について―.” 外国の立法 no. 2012 (May 31, 2012): 1-11.
梶善登 “諸外国の書籍再販制度.” レファレンス (April 15, 2009): 1-25.

368とはずがたり:2016/05/18(水) 10:33:41
「出版不況」は本当か?--書籍まわりのニュースは嘘が多すぎる
http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35053097/
林 智彦(朝日新聞社デジタル本部) 2014/09/02 08:00

369とはずがたり:2016/05/27(金) 09:15:45
アマゾン直取引&「取次外し」で出版社が大幅売上増…取次、無用の長物化で存亡の危機
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20160527/Bizjournal_mixi201605_post-6667.html
ビジネスジャーナル 2016年5月27日 06時13分 (2016年5月27日 08時10分 更新)

 アマゾンジャパン(以下、アマゾン)は昨秋から今春にかけて、中小零細出版社を対象に「和書ストア売り伸ばしセミナー」「和書ストア販売促進セミナー」などとうたった催しを開催している。このセミナーの実態は、アマゾンの直取引システム「e託販売サービス」に出版社を勧誘するものであることは、当サイトでもこれまで伝えてきた通りだ。しかも、アマゾンは昨今の出版取次の破綻を追い風に、こうしたセミナーを活用して出版社との直取引契約を増やしてもいる。

 では、なぜ出版社はアマゾンの勧誘に乗ってしまうのか。その実態を探るために、セミナーに出席した複数の出版社の出席者に話を聞いた。彼らの証言から、巧みな言葉を使って版元を勧誘するセミナーの実態が明らかになった。

 今回は5月13日付当サイト記事『アマゾン、驚愕の取次中抜き&直取引勧誘セミナーの全貌!公然と取次の限界を指摘』に引き続き、詳細にメモをとっていた3氏の話を軸にし、このセミナーの実態を暴露する。

●e託利用で売上アップ?

B氏 開始から30分が経過し、ここからが本番でした。まず、e託販売サービスを実施している出版社としていない出版社の年間売上アップ率のグラフが掲示されました。年間5000万〜8000万円をアマゾンで売り上げている出版社で14年と15年の数値を比べたところ、「未利用」は5.9%アップ、「利用」は11.1%アップしているというのです。

 最初に利用するとこれだけ伸びると印象付けてから、e託のアカウント数(2015年、個人も含む)は3500と12年に比べて15.5%増加し、登録タイトル数も33万5000点(15年)と12年に比べ31.9%増と説明。…

取次業者の栗田出版販売や太洋社の破綻の後にアカウント登録数が伸びていると明かし、利用出版社が増えていることを強調しました。

A氏 利用者が増えているのは、(1)すぐに在庫できる(取寄せ発注がなくなるので、搬入リードタイムが速くなり、機会損失を最小限に留められる)、(2)カートを維持できる(e託セントラルという専用ポータルサイトで在庫ステータスを変更できる。出版社には在庫があるのにアマゾンに在庫がないという状況を極力減らすことができる)――というのが理由だそうです。

 このe託セントラルに直取引する商品を登録すると、翌日もしくは翌々日から注文が飛んでくるそうです。この注文は週3〜5回あるようです。基本的には営業担当者が専用のポータルサイト上で注文に回答するそうですが、契約する出版倉庫会社に発注権限を渡して倉庫側に出荷を任せるという方法もあるそうです。

 また、大村紙業と京葉流通倉庫はアマゾンと直接電子情報をやり取りしているそうです。両社はそれを活用してe託プロという仕組みを出版社に提供しているのですが、「この2社以外の倉庫会社と契約している場合は倉庫の移転を検討しては?」とまで言いだしたのです。さすがにこれは言いすぎです。アマゾン1社のために、倉庫を移転しろと言っているようなものです。何様なんでしょうか。

C氏 怒涛のようなe託プッシュはまだ続きます。仕組みの次は条件の話です。「歩戻しなし」「ジャンル別掛け率なし」「地方格差是正金なし」「在庫保管費なし」「「納入手数料なし」と取次と出版社における取引条件のなかで出版社が支払っている項目を次々に挙げて、それらをアマゾンは一切頂きません、と条件の良さを訴えるのです。

 そして、「正味は60%(出版社の取り分が販売金額の60%)で、年会費9000円だけお支払いください」と言うのです。しかし、支払いスパンは60日と短く、有料の販売分析レポートも無料で提供すると一気呵成にまくしたてるのです。

●怒涛の勧誘

B氏 次に、テレビショッピングのような話になりました。「在庫ステータスを変更できる」「搬入リードタイムが速くなる」「支払は60日後」「返品率は下がる」「販売データは無料」などとメリットとなる項目を整理し提示して、「これだけではありません。なんと、今日来てもらったお客様にだけ、特別な条件を用意しました。全商品を登録していただければ、特別正味66%にさせていただきます。だいぶがんばらせていただきました」と勧誘するのです。

370とはずがたり:2016/05/27(金) 09:16:51

C氏 私が出たセミナーでは、特別正味に加えて、今回e託を登録した出版社に対して「マニュアル発注対応依頼窓口」のモニターになってほしいという説明もありました。アマゾンは注文を自動化し、著者のテレビ出演などによる急な書籍の需要増にもシステムで十分対応できると言っていましたが、おそらく対応できていないのでしょう。アマゾンはそうした事態に対応するため、事前に出版社からパブリシティ情報を受け付ける窓口を設けるそうです。そのためのモニターを今回契約した出版社に頼んだのです。しかも、モニターに参加できることがあたかも出版社には特典であるかのように話していました。

A氏 私が出たセミナーでは、その話は出ませんでした。特別正味の紹介後は、e託を利用している出版社のアンケートが紹介されただけです。アマゾンに都合のいい話ばかりが発表されていました。

 たとえば、「取次経由だと売れる新刊も歩戻しを取られる。入金もかなり先」というX社や、「支払いサイトが短くてありがたい」というY社の話がありました。確かに新刊委託時には歩戻しが取られますが、注文扱いの商品は歩戻しが付きません。さらに、アマゾンは入金が早い(60日後)という話も、通常であれば新刊委託の場合は7〜8カ月目の支払いとなる点はその通りです。ただ、注文扱いの商品は取次から60日後には支払われます(30%の支払い保留などがある場合は70%分だけ)。注文扱いの商品は、アマゾンの条件と比べてそれほど悪いものではないのです。

 アマゾンが言いたいのは「新刊委託の条件は取次よりも良いので、新刊から取次を通さずに全商品を直取引でやりましょう」ということなのです。取寄せ注文で販売機会をロスしているとか、アマゾン経由の注文が取次のキャパシティを超えたとか、取次よりも取引条件が良いという一連の話は、すべて既存の取次流通の不備・限界を指摘したものです。「今の出版流通の状況はひどい」「これではどんどん売上が下がってしまう」と出版社の危機感を煽るのです。

 その一方で、アマゾンは取次の条件よりもちょっと上の数字を提示し、直取引で売上が伸びる事例をいくつも紹介し、最後にはアマゾンの直取引は有効と出版社に思わせる、それがこのセミナーの巧妙なところなのです。
知り合いの小零細出版社は迷いもなく、アマゾンと直取引を開始しました。「1年後は正味が66%から60%になるかもしれない、それでもいいのか」と聞くと、「小零細出版社にとって、このタイミングを逃すと66%という話はもうこないだろう。確かに、1年後にそうなるおそれもあるが、書店での売上が落ちていく以上、ネット書店の売上を上げるしか選択肢はないのではないか」と話していました。

●取次への不満

B氏 私も出版社アンケートの紹介を聞きました。本当かどうかはわかりませんが、直取引の条件よりも、返品や在庫管理など販売面でメリットを感じる出版社が多かったと思います。それは、現在の出版流通に抱く不満の裏返しと捉えることができます。以下はその声の一例です。

「在庫ステータスを素早く変更できる。在庫状況をリアルで確認できる」
「無駄な返品がない。販売状況が『見える化』されている。取次のあやふやな在庫管理には閉口していた」
「注文状況がタイムリーにわかって在庫を補充してもらっている。取次経由だと新刊を入れてもアマゾンでの販売が1カ月以上かかったこともあった」
「取次経由だと販売機会を逃すことが多い。e託を活用すると、取次や書店に頼らない営業戦略を構築できる。規模も小さく、書店への営業力も小さい場合はネット書店での販売は生命線。e託の利用は将来の生き残りに大きく寄与する」

 これが本当に出版社の声かどうかはわかりませんが、返品率の低さとタイムリーな在庫補充が出版社にとって魅力になっているようです。

371とはずがたり:2016/05/27(金) 09:16:58
>>369-371
●「三方よし」になるのか

 以上がアマゾンセミナーの大まかな話の流れである。昨年と今年開いたセミナーで、内容が多少異なっているようだが、e託サービスに関してはほぼ同じ説明で、質疑応答で会を締めたという。

 アマゾンは本セミナーの初めに「三方よし」という話を持ち出していた。つまり、e託が「出版社よし」の施策だというのだ。もし、本当にそう考えているのであれば、1年後に66%から60%に下げるようなことはしないだろう。もし、下げた場合は、この「三方よし」の話は嘘で、単なる客引きの口上だったと判断できる。注目すべきは、昨秋のセミナーで直取引を開始した出版社だ。今秋に1年を迎えるタイミングでアマゾンはどう交渉してくるのだろうか。

 セミナーの質疑応答で「今回は66%だが、1年後には60%に戻されるのか」と質問した出版社があった。アマゾンの担当者の回答は「必ず戻さないとは言えない。物価等の変動がある。だが、必ず説明はする」と言葉を濁していたそうだ。1年でそれほど物価は変動しないだろう。「三方よし」というのなら、1年後くらいは保証してほしいものだ。
(文=佐伯雄大)

372とはずがたり:2016/05/27(金) 09:42:30
2016.05.19
紀伊國屋書店、売上減地獄か…ジュンク堂、赤字常態化でも異常な大型店出店連発の危うさ
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15142.html
文=佐伯雄大

 東京では5本の指に入る大型書店、紀伊國屋書店の新宿南店(1245坪)が事実上閉店する。7月末をめどに1〜6階の売り場のうち、6階の洋書売り場を残してすべて閉店するという。5月13日付朝日新聞が報じた。

 筆者が新宿南店閉店の話を聞いたのは、昨年11月。ある出版社幹部が「確かな筋からの話。理由は家賃が高くて契約を更新できないから」と耳打ちした。
「確かに、2012年3月末にジュンク堂書店新宿店が撤退したことで、専門書の需要が南店で高まっていました。ちょうどその年の2月下旬くらいに紀伊國屋は出版社を集めて、新宿本店と南店のリニューアルを発表しました。南店は3階にタリーズコーヒー(20坪)を設置するのと同時に、イベントスペース『ふらっとすぽっと』を設けました。ほかにも2階や6階にイベントのフリースペースを設けて、出会いの場としての書店を演出していました。3階や6階のイベントスペースなどではとてもお世話になったのですが、ジュンク堂書店が撤退しても店舗経営は芳しくなかったようですね。黒字になった年はあまりなかったそうです。特に家賃が高く、近年は売上も落ちていたようですから、相当厳しい状況だったと思われます」
 別の出版社の営業担当者も語る。
「20年の東京オリンピック開催が決まったのが13年9月。翌年、新宿南店は和書と洋書を販売していた6階を、14年5月にすべて洋書売り場にすると発表しました。東京オリンピックに向けて、海外からの訪日客が増えることを見越しての施策だと言っていました。その意味合いから、6階の売り場は残したのでしょう。もともと新宿には新宿本店という紀伊國屋の本丸があります。1996年にオープンした時、なぜこんな近距離で大型店を出店するのか、新宿本店と食い合うのではないか、と出版社は疑問に思っていました。おそらく本丸がある『新宿』で、他の大手書店に大型店は出店させないという陣取り合戦だったように思います。その翌年、97年にはジュンク堂書店が池袋に1000坪で大型店を出店しました。2000年以降は紀伊國屋やジュンク堂書店、TSUTAYAなどが競って大型店を出店し始めたと思います」

総売り場面積拡大でも売上減

 また、ほかの出版社幹部は、紀伊國屋の厳しい経営環境について次のように明かす。

「南店の事実上の撤退を決断したのは、ビルオーナーである東神開発との契約がまとまらなかったためですが、売上の減少が相当堪えていたようです。紀伊國屋の高井昌史社長が14年の講演会で、驚くべき数字を発表しています。紀伊國屋の店舗売上です。96年は37店(1万1009坪)で年間584億円でしたが、13年は64店(3万89坪)で年間579億円に減少したのです。店舗数は1.7倍以上、総売り場面積に至っては2.7倍以上に増えているにもかかわらず、売上が落ちてしまった。
 新宿地区でも、1996年は新宿本店1店(1030坪)で119億円を売り上げていたのが、2013年は南店を含む2店(2813坪)で107億円と、店舗も売り場面積も倍増しているのに売上は減少しています。同じ売上を上げるのに、単純計算で倍以上の経費がかかっているのです。約20年経って売上がどんどん落ちるなか、黒字どころか大きな赤字が出ていたことは想像に難くないでしょう」
 冒頭の出版社幹部は、「南店は8月までに撤退するそうです。そのあとには、家具大手ニトリが入る方向で調整に入っているようです」とも明かす。ニトリといえば、昨年に東京・銀座、今年には池袋と、都市部への出店を加速させている企業。南店の売り場面積はまさにうってつけのように思える。

373とはずがたり:2016/05/27(金) 09:42:46
 ただ、南店が出店した1996年は出版界の推定市場規模がピークを迎えた年である。それ以降、市場は下降トレンドを今も続けている。翻って、書店はその頃から大型化がどんどん進んでいった。今や1000坪の書店も珍しくない。その急先鋒が、ジュンク堂書店(現・丸善ジュンク堂書店)である。
「ジュンク堂は97年に池袋本店、99年に大阪本店、2001年に福岡店出店のほか、池袋本店の売り場を倍増させるなど、次々に大型店を出店していました。どこにそんなお金があるのかと思っていたら、池袋本店を増床したころに財務状況が悪化してその年だけ、社員にボーナスを支払うことができなかったのです。ただ、ジュンク堂の工藤恭孝社長はキクヤ図書販売の創業家の次男で、長男の俊彰氏はキクヤ図書販売やブックローンの社長です。図書の月賦販売で大儲けしたブックローンの資金がメインバンクにたまっているそうで、キクヤ図書販売から独立して創業したジュンク堂書店を創業した恭孝氏も、無利子に近い待遇で融資を得ていたそうです」(出版社社員)

体力を失う取次

 また、ある取次関係者は書店の大型化について、こう指摘する。

「書店のような小零細企業に、出店費用を工面できるほどの資本力はありません。出版市場が右肩上がりの頃は取次が率先して付き合いの古い地元書店に多店舗化をもちかけ、新規開店費用のうち、初期在庫の支払いを優遇する措置を施していました。つまり、売り場面積によって変わりますが、数億円もの初期在庫を1〜2年は棚上げにして、その後に12回などの分割で支払ってもらう、というやり方です。取次の売上もどんどん上がるのだから、そうした支援は惜しみません。
 まさに出版バブルですが、ジュンク堂の場合は市場のピークを過ぎていました。それでも、新規出店の支払いで、メイン取次である大阪屋に相当優遇してもらっていたと聞きました。取次という支援者がいるからこそ大型出店が可能なのです」
 この話は出版業界では有名な話である。初期在庫の支払いを2〜3年棚上げし、その後も24回払いなどの分割で支払うという出店の方法だ。
 しかし、その資金をバックアップしていた取次の大阪屋、さらには栗田出版販売や太洋社も破たんしている(大阪屋と栗田は合併し大阪屋栗田に)。この出店策が経営にどれだけ影響したかは別として、今の取次にそれだけ書店の面倒をみる体力がなくなってきていることは明らかだろう。
 資金力のあるトーハンは例外かもしれない。書店を子会社化するという将来を見越した投資を行っている。日本出版販売もトーハンに比べて資金力は見劣りするが、同様に書店を子会社化している。それでも、これらの子会社の書店は不採算店を整理こそすれ、積極的な出店策を取るようなことはしていない。昨年に創業の地・池袋から撤退を余儀なくされたリブロも、次の候補地を見つけられていないようだ。

ジュンク堂、大型店舗を次々出店

 一方で、ジュンク堂はこの情勢とは真逆の方向に舵を切っている。なんといっても09年に大日本印刷に買収してもらい、潤沢な資本力を得たのが要因だろう。丸善CHIグループの傘下に入った後、リアル書店部門である丸善書店とジュンク堂書店のトップには工藤氏が就任した。MARUZENや丸善、MARUZEN&ジュンク堂書店、ジュンク堂書店などの屋号で出店してはいるものの、実質は工藤氏の采配による出店だ。それに、売り場を見ればまさにジュンク堂のつくりであり、工藤イズムがそこに体現されている。

 振り返ってみると、12年1月期は仙台本店(949坪)、甲府店(780坪)など、13年1月期には新潟店を1615坪にリニューアルしたほか、1220坪のMARUZEN広島店、15年1月期には滋賀草津店(658坪)や那覇店(2003坪)をリニューアル、16年1月期にはMARUZEN名古屋本店(1474坪)、丸善京都本店(1000坪)、高松店(1100坪)、名古屋栄店(600坪)など数多くの大型店を出店した。14年1月期、15年1月期は小休止したものの、16年1月期は出店ラッシュとなったうえ、17年1月期の今期も東京・立川の高島屋に出店したほか、わかっているだけで千葉や明石などでの出店も予定されているようだ。

374とはずがたり:2016/05/27(金) 09:43:08
>>372-374
 書店勤務経験のある出版社営業幹部は言う。
「丸善書店とジュンク堂書店が合併する際に発表された決算では、ジュンク堂書店は9500万円の営業赤字。一方の丸善書店は3億7200万円の営業黒字でした。また、連結対象となった丸善CHIグループの店舗事業をみると、12年1月期は7億3400万円の営業赤字、13年1月期も2億6300万円の営業赤字、15年1月期も6400万円の営業赤字、16年1月期も3億3500万円の営業赤字。8500万円の営業黒字を出した14年1月期は出店を控えめにしていたのが要因でしょう。大型店を出せば、あっという間に赤字になる金額です。
 これだけ赤字を出し続けるのですから、もはや1000坪もの大型書店は商売として成立していないのかもしれません。現に紀伊國屋は3年前のグランフロント大阪店を最後に、1000坪を超える店は出していません。南店もいい引き際だったのではないでしょうか。市場が縮小するなか、大規模書店を出しても、もはや利益は出ないことをわかっているのかもしれません」

書店の大倒産時代到来も

 売り場規模別に日本のトップ5の書店をみると、次のようにジュンク堂の名前が並ぶ。
・1位:MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店
・2位:ジュンク堂書店福岡店
・3位:ジュンク堂書店那覇店
・4位:ジュンク堂書店池袋本店
・5位:MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店
 それも、ほとんどが2000坪超もしくはそれに近い坪数である。
 さらに丸善ジュンク堂書店の大型店は次の通りだ。
ジュンク堂書店新潟店(1615坪)、丸善丸の内本店(1599坪)、ジュンク堂書店三宮店(1500坪)、同大阪本店(1480坪)、MARUZEN名古屋本店(1474坪)、ジュンク堂書店難波店(1400坪)、MARUZEN広島店(1220坪)、ジュンク堂書店仙台本店(1200坪)ジュンク堂書店ロフト名古屋店(1200坪)、ジュンク堂書店多摩センター店(1140坪)、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店(1100坪)、ジュンク堂書店吉祥寺店(1100坪)、ジュンク堂書店高松店(1100坪)、ジュンク堂書店旭川店(1041坪、フランチャイズ)、MARUZEN松本店(1050坪)、丸善京都本店(1000坪)

 ここに挙げただけでも3万坪にも上る。1000坪に100万冊という丸善京都本店の蔵書数を参考に単純計算すれば、3000万冊もの出版物の在庫が丸善ジュンク堂書店にある。
 果たして、丸善ジュンク堂書店の戦略は今後も続けられるのだろうか。同社の売上高は800億円弱、大日本印刷グループの文教堂を含めれば約1000億円になる。出版市場は1兆5000億円、同グループの書店売上はその15分の1以下で7%弱にすぎない。それを考えれば、自社の占有率を高めるのがまずは先という考えなのだろうか。
 
 営業赤字体質のビジネスモデルを拡大し続けても平気とは考えにくい。大型店というビジネスモデルがすでに破たんしているのであれば、書店の大倒産時代が到来することも考えられる。
 1650坪のジュンク堂書店新宿店が閉店した時、大量の返品が小零細出版社を襲った。1245坪の紀伊國屋書店新宿南店が閉店する時も、同様の影響が予想される。そして、大型店の大閉鎖の波が襲来すれば、数多くの小零細出版社が連鎖倒産するのは間違いない。紀伊國屋書店新宿南店の撤退は、その予兆といえるのではないか。
(文=佐伯雄大)

375名無しさん:2016/05/28(土) 19:51:08
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1605/27/news116.html
2016年05月27日 15時43分 更新
電子コミック「11円」セールで売り上げ3億円超 トップ作家に印税1億3000万円 「常識打ち破る数字」
佐藤秀峰さんによると、電子コミック131冊を各11円で販売するセールの効果で、1カ月の売り上げが3億円を超えたという。「この結果がすべての漫画家にとって希望となることを願っています」。
[ITmedia]

 電子コミック販売サイト「漫画onWeb」や電子書籍取次サービス「電書バト」などを運営する漫画家の佐藤秀峰さんは、2月に伝書バトが実施した、電子コミック131冊を各11円で販売するセールの効果で、2月の売り上げ総額が3億円を超えたことを明らかにした。売り上げトップだった佐藤さん本人には、1億3000万円以上の印税が入ったという。

 出版不況の中、この結果が「すべての漫画家の希望となることを願っている」としている。

 セールは、「楽天Kobo電子書籍ストア」で2月2日から1カ月間実施。「海猿」(佐藤秀峰作)、「禍々しき獣の逝く果ては」(楠本弘樹作)、「あいこのまーちゃん」(やまもとありさ作)など42タイトル・合計131冊を各11円で販売した。

 2月の売り上げ総額は3億円を超え、各作家が受け取るロイヤリティ額は、トップの佐藤さんが1億3388万円、2位が佐藤智美さんが1896万円、3位が716万円(匿名作家)、4位が595万円(同)、5位の楠本弘樹さんが230万円――にのぼったという。

 佐藤さんは、1億3388万円という額について「1カ月間のロイヤリティ金額としては、控えめに言っても、これまでの電子書籍の常識を打ち破る数字」とみている。紙の書籍の印税で同額を稼ぐには、単行本を約300万部を売り上げる必要があるという。

 販売したタイトルは新作ではなかったが、「大幅な値引きを行なった上で、取り扱い全作品を一気にセールに投入する」という作戦が奏功し、大きな売り上げにつながったとみている。

 参加した作家からは「紙の本ではほとんど利益を産まなかった作品が、電子書籍として売り上げを計上したことは新鮮な驚きでした。読みたい、買いたいと思っている読者に正規に届けられた、ということに電子書籍の役割、可能性を大いに感じています」と感想が寄せられたという。

 佐藤さんは「この結果がすべての漫画家にとって希望となることを願っています」とコメントしている。

 電書バトは、簡単なクオリティチェックを通ればプロ・アマ問わず電子書籍を販売できる取次サービスで、2014年にスタート。国内主要電子書籍ストア約50店舗に対応しているという。

376とはずがたり:2016/05/30(月) 10:34:44
トーハン,日販,楽天,アマゾンの4Gに再編って感じか?

<出版取次大手8社再編> >>337

トーハン(1)
日販(2)
大阪屋(3)→楽天
栗田出版販売(4)→大阪屋
太洋社(5)→破綻
協和出版販売→トーハン
中央社→トーハン
日教販→日販と資本業務提携

<アマゾン> >>346-347 >>369-371 直取引の拡大

<紀伊國屋> >>309 村上本を買い占め

<ジュンク堂・丸善> >>372-374 巨大化

377とはずがたり:2016/06/13(月) 19:51:00
ちくま新書の永井均の『ヴィトゲンシュタイン入門』を読む。
少なくとも永井の何故自分は他ならぬ自分なのかという問いはまさしく自分の幼稚園くらい以来の哲学的問いであるけど,ヴィトゲンシュタインがその様な事を論じているとは知らなかった。。
それにしてもヴィトゲンシュタインはラッセルやケインズとも関係が有ったようだ。
1/3ぐらい読み進めたけど訳判らん(;´Д`)訳解らんなりに読むのが哲学だとは思うが。。

378とはずがたり:2016/06/17(金) 21:21:37

周南市の図書館管理者に「ツタヤ」応募 山口
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/ASJ6J4J0CJ6JTZNB00D.html
06月16日 22:06朝日新聞

 新徳山駅ビル図書館の指定管理者を募集していた山口県周南市は16日、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)1社から応募があったと発表した。「ツタヤ図書館」をめぐっては同市内でも反対署名活動に発展した経緯があり、9月の決定までに議論が再燃する可能性もある。

 同市は2018年3月の開業を目指し、新たな駅ビルを建設し、その中核施設として民間活力を導入した図書館を計画。CCCは企画立案について連携してきたが、今年2月に解消。4月から今月15日まで指定管理者を公募していた。問い合わせは数件あったが、応募はCCCだけだった。

 指定管理者について木村健一郎市長は「CCCは有力な事業者の一つ」と述べていた。計画に反対してきた県オンブズマン市民会議の沖田秀仁・元代表は「市はこれまでCCCには決めていないと言ってきたが、想定通りで残念。多大なお金を投下して、街のにぎわいにつながるのか」と批判。市の担当者は「できれば幅広く提案を受けたかった。今後よく審査して決めていきたい」と話している。

 市は6月下旬に書類審査、7月25日に2次審査として公開プレゼンテーションを開催する予定。市議会の議決を経て、9月下旬には指定管理者を指定したいとしている。(伊藤稔)

379とはずがたり:2016/06/29(水) 18:53:01
ねぞほ【寝相】 hの音を会得したのか!?笑

380とはずがたり:2016/06/30(木) 03:33:02
2016年06月26日(日) 現代ビジネス編集部
三菱自動車、歪んだ「エリート意識」の末路?10年前に書かれた池井戸潤『空飛ぶタイヤ』の洞察力がスゴい
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48965

フィクションだけど、図星

「『空飛ぶタイヤ』? ええ、知ってますよ。迷惑してるんですよね、ああいうの――。本書の出版当時、某自動車会社の役員が、わたしの友人に吐き捨てたセリフである。本書の舞台は、“罪罰系”自動車会社、ホープ自動車だ」(池井戸潤氏)

作家の池井戸潤氏が小説『空飛ぶタイヤ』を刊行したのは2006年。小説のモチーフは"罪罰"系の自動車会社でもちろんフィクションだ。ところが某自動車会社の役員は、池井戸氏の友人に愚痴とも思える言い掛かりをつけ小説を非難していたのである。

三菱自動車本社の中枢にいる幹部社員が、本社に立ち入り調査が入った直後、うつろな表情でこう語った。

「今度の事件後、同僚から『読んでみろよ』と渡されたのが『空飛ぶタイヤ』でした。自分の会社が起こした事件がテーマだということは聞いていましたが、読むうちに“当時の事件”を思い出し、読み終わるころにはうちの組織や体質が真実のまま書かれていることに納得するほかありませんでした。

今回の事件は三菱自動車の企業風土を改めて思い知らせてくれた。これはまさに小説に書かれたホープ自動車の企業体質そのものです」

小説『空飛ぶタイヤ』の売れ行きは、三菱自動車の燃費データ捏造事件が発覚後、週間の売り上げがそれまでの2倍以上に伸び、100万部を超える勢いだ。事件を契機に改めて注目されてきた『空飛ぶタイヤ』を手に取ると、そこに社会常識から大きく乖離した財閥系自動車会社の紛うことのない姿が見えてくる。

(中略)

さて、現実に戻ろう。

三菱自動車は燃費データの偽装発覚後の2016年5月12日、ライバルの日産自動車による2300億円超の出資を受け入れ、事実上、その傘下に入ることが発表された。三菱自動車の管理部門の幹部が苦渋の表情で言う。

「小説では社内にT会議という秘密会議が設けられ、そこでリコール隠蔽工作が謀られています。今回のうちの事件でも開発や製造といった生産の重要なセクションは、自分のところだけですべて話を収めていました。リコール隠しの原点はまったく同じです。

改革は口ばかりで、もっとも大事なことは隠蔽したまま、まったく手が付けられていなかったということです。

自分たちは別格だとグループ内しか見ずに、都合の悪いことは隠蔽する体質はそのままに、そこから抜け切らせることが出来なかったのが今回の事件の元凶だと思います」

三菱自動車の軽自動車の生産拠点水島製作所の下請け会社の社長がこう怒りを表す。

「『いくらでも作っていい、頼むから助けてくれ』と言われて新しい機械を導入し下請けに入りました。しかし、これまでもいきなり仕事が引き上げられることは度々でした。

大きな赤字を抱えたため、本社の担当者に相談に行きましたが会ってもくれません。やっと30分の約束で会っても『うちとは関係がない』と話にも乗ってくれません。

リコール隠しの後、コンプライアンスの徹底と企業風土改革を推進するCSR推進本部を新設し、三菱自動車のどこの支社・関連会社に行っても社内には“誠意を持って対応し、お客さんに満足度を得られるように。協力会社にも同様に”などと書かれたペーパーが張ってありました。

しかし、?ばっかり言うなよと言いたい。三菱自動車の企業体質は、『空飛ぶタイヤ』そのまま、すべて小説の通りになってるじゃないですか」

最後に、著者の池井戸氏はこう述べている。

「反省もなければ、後悔もない。あるのはただ、歪んだエリート意識のみ。かくして、人を殺し、客を騙す――これほどまで、怒りに駆られて書いた小説はない。迷惑しているのは、世の中の方だ」

381とはずがたり:2016/07/21(木) 07:38:20
>八重洲ブックセンターが出版卸大手トーハンからの出資(49%)を受け、新体制が発足した。…それまでの親会社はゼネコンの鹿島。

>もともと大学図書館に強みを持つ丸善と、公立図書館に強い図書館流通センターが統合し、図書館運営受託では現状トップ。

>紀伊国屋書店も書店部門の採算は、「ほぼトントン」(高井昌史会長兼社長)。2015年8月期に営業利益を稼いだのは、大学や研究機関、製薬会社向けの学術誌だった。

>「今は出版不況と言う人がいるが、雑誌不況と言ったほうが的を射ている」と、ある書店幹部は打ち明ける。

>神奈川県川崎市に本社がある文教堂グループHDは、…現在注力する「その他」(売上)とは、文教堂ホビーで扱うプラモデルや模型、ミニカーなどだ。アニメガ店ではアニメグッズも展開。

書店「存亡の危機」、また本屋が消えていく
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160716-00127461-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 7月16日(土)9時0分配信

 7月1日。東京駅八重洲口にある、八重洲ブックセンターが出版卸大手トーハンからの出資(49%)を受け、新体制が発足した。同社はトーハンの子会社となり社長もトーハン出身。1978年に当時国内最大の書店として開業、8階建てビルに約150万冊を抱える老舗だ。

 それまでの親会社はゼネコンの鹿島。自社ビルということもあり、財務状況は極めてよく、2016年3月期の自己資本比率は80.8%と高い。が、本業不振で2012年3月期以来、5期連続の最終赤字で、2016年3月期も1.3億円の赤字になっていた。八重洲ブックセンターのある八重洲2丁目は大規模バスターミナルを含む再開発計画が浮上。2018年度にも建物の解体に着手する見通しだ。

 スマホの普及もあり、書店業界を取り巻く環境は、年々厳しさを増す。全国の書店は2015年で約1万3400店。2000年に比べ約8000店も減った(アルメディア調べ)。大手書店の再編は止まらない。2008年に丸善が、2009年にはジュンク堂書店が、大日本印刷の子会社になった(2015年2月に合併)。トーハンは2013年に阪急電鉄系のブックファーストも子会社化。2015年には文化の発信地だったリブロの池袋本店が閉店し、今年2月には芳林堂書店が負債約20億円で自己破産した。

■ 稼ぐのは図書館と学術書部門

 書店が低迷する中、屋台骨を支えているのは、実は店頭で売る本ではない。

 丸善ジュンク堂書店の親会社である丸善CHIホールディングス(HD)の部門別利益を見ると(2016年1月期)、書店を含む店舗・ネット販売は3.3億円の営業赤字だった。最も利益を上げた事業は図書館サポートだ。

 もともと大学図書館に強みを持つ丸善と、公立図書館に強い図書館流通センターが統合し、図書館運営受託では現状トップ。受託する図書館数は前期末で1091館ある(前々期末比213館増)。部門利益は21億円で5年前の2.6倍に増加。背景には、図書館への指定管理者制度の導入で運営費抑制を図る、自治体の思惑が見逃せない。

 図書館サポートだけではない。丸善CHIは大学や研究機関向けに洋書・学術書を販売する文教市場販売でも前期は部門利益18億円を稼いだ。いまや「図書館サポートと文教市場販売が収益柱になっている」(中川清貴社長)。

382とはずがたり:2016/07/21(木) 07:38:43

 一方、紀伊国屋書店も書店部門の採算は、「ほぼトントン」(高井昌史会長兼社長)。2015年8月期に営業利益を稼いだのは、大学や研究機関、製薬会社向けの学術誌だった。科学誌『ネイチャー』や医学誌『ランセット』をはじめ、高価な海外有力誌を幅広く手掛けるのも同社の特長だ。

 大手チェーンの紀伊国屋だが、賃料高騰を理由に、都心一等地にある新宿南店のうち、1〜5階の和書売り場を8月7日までで閉鎖。6階の洋書売り場のみを残す。跡には家具チェーンのニトリHDの入居が決まっている。本業への危機感は強い。

 紀伊国屋は2015年4月、大日本印刷と出版流通の合弁会社を設立。すでに大日本印刷系列にある丸善CHIとは将来の仕入れ共同化すら視野に入れている。効率化を進めてアマゾンジャパンなどネット書店に対抗するのが狙いだ。
 もっと体力のない中堅中小書店は、存続を懸け、差別化するのに必死である。

■ 20年前より4割減、実は雑誌不況

 「今は出版不況と言う人がいるが、雑誌不況と言ったほうが的を射ている」と、ある書店幹部は打ち明ける。

 書籍・雑誌の販売金額は、1996年の2兆6564億円をピークに、2015年には1兆5220億円と4割超も落ち込んだ。中でも雑誌はこの20年間で半減。卸最大手の日本出版販売(日販)の2016年3月期決算では、雑誌の売上高が32年ぶりに書籍を下回った。同じ書店でも、紀伊国屋のような大型店は書籍比率が約8割を占める反面、中堅中小の書店ほど雑誌比率が高く、経営を圧迫している。

 神奈川県川崎市に本社がある文教堂グループHDは、住宅地など比較的中小の店舗が多い。2015年8月期は自己資本比率がわずか2.8%に低下。売上高構成比は書籍38%に対し、雑誌35%、その他27%だった。

 現在注力する「その他」とは、文教堂ホビーで扱うプラモデルや模型、ミニカーなどだ。アニメガ店ではアニメグッズも展開。本社にグッズ開発を専門で行う部署も新設した。今後は従来以上に趣味性の高い分野をそろえる。

 愛知県名古屋市など中部地方で郊外型店舗を繰り広げる三洋堂HD。同社も売上高が2011年3月期を頂点に右肩下がりが続いている。

 同社では文具・雑貨のセレクトショップ「style F」を売り場に導入。雑誌・書籍以外にも、文具や雑貨、玩具、古本など、多様な商材を扱うブックバラエティストアを展開中だ。ほかにも、シニア向けPC教室や児童向け英会話教室といったカルチャーセンターを運営し、本業に次ぐ柱の育成に余念がない。

 これから書店はどうすべきか。

 先の見えない出版不況であえて雑誌に的を絞り、独自色を発揮する企業も存在する。富士山マガジンサービスだ。主力は雑誌の定期購読を斡旋するビジネス。出版社の割引料金で雑誌を購読でき、利用者が増えている。一般に返本率が約40%の業界で、同社は在庫を原則持たない。

■ 客の属性をとらえて掘り起こす

 西野伸一郎社長は「書店で雑誌を3号連続で買った人が1年後にどうなったかを調べたら、約1割しか継続していない。定期購読を自動更新にすれば、やめる人は少なくなる。実際に7割以上の人が継続している」と胸を張る。

383とはずがたり:2016/07/21(木) 07:38:53
>>381-383
 定期購読の解約を抑えるため読者が喜びそうな仕組みも用意。育児中の母親が対象の雑誌なら、動物の絵柄がついた弁当容器を開発、購読継続を呼びかける。美術系雑誌なら、人気イラストレーターの絵柄が入ったトートバッグをプレゼント、という具合だ。

 こうした販促が可能なのは購読者の趣味嗜好を把握できているから。何をすれば響くか、わかっている顧客であれば、販促策を立てやすい。要はビッグデータの活用だ。雑誌の定期購読者は、ファッションやスポーツ、旅行、自動車などの趣味を持つ消費者でもある。効果的なターゲティング広告も出せる。

 リアルかネットか、大小かを問わず、今後はこれまで以上に、売り手側から買い手への仕掛けが増えていくだろう。しかも売るのは雑誌・書籍に限らない。いかにして属性の見える客に向け、最適のタイミングで欲しいものを提供するか。それが可能な書店こそ、消費者から選ばれ、生き残ることができる。

■ 新宿ではむしろ本店を充実させる

 紀伊国屋書店会長兼社長/高井昌史

 新宿南店では、1階から5階までの和書コーナーを閉鎖し、6階にある洋書売り場だけを残す。できれば、家賃を値引きしてもらい継続したかったが、残念だ。その代わりに新宿本店の書籍売り場を増床する予定。新宿本店では、毎日のようにさまざまなイベントをやり、出版社もトークショーやサイン会に協力してくれる。

 書店事業は今まで損益トントンくらいだった。新宿南店の家賃が軽減される分、これから採算はよくなってくる。今年は埼玉・川口、千葉・柏に出店したが、ほかの地域からも出店要請があり、新店を出す可能性も出てきた。

 2015年4月には大日本印刷と共同で、出版流通イノベーションジャパン(PMIJ)を設立した。関係者とうまく調整し、出版社との直取引を増やしたい。現在、直取引の比率は1割くらいだが、将来的に2割程度まで高めていく。同時に、出版卸を通す流通ルートも維持・継承しながら、取次会社とは緊張感のある関係を作っていきたい。

■ 書店事業にも適切な投資が必要だ

 丸善CHIホールディングス社長/中川清貴

 2015年には名古屋や京都、高松などに大型店を出店した。新規出店に伴う初期負担が多かったため、店舗・ネット販売事業は前期、3億円強の営業赤字。ただ今期は出店した店が利益貢献をしてくれる。書店事業を縮小させないように、適切な投資は必要だと考えている。

 丸善CHIにも文教堂にも大日本印刷は出資している。これは印刷の仕事を請け負うだけでなく、書店事業に関与して出版市場全体に貢献するのが狙いだ。同社グループで展開するハイブリッド型総合書店「honto」は会員数が約345万人。この販売データを活用すれば、さまざまな改善や活性化ができる。

 出版流通が抱える大きな問題は返本率の上昇だ。販売データと、大日本印刷が持つ小ロット印刷技術のプリント・オン・デマンドを組み合わせれば、本の初版を少なめに抑えて、売れ行きがよければきめ細かく増刷することも可能。印刷から販売まで一貫した効率的な取引を、出版社に提案できるようになる。

広瀬 泰之

384とはずがたり:2016/08/06(土) 23:12:34
うずらはマジで飼ってみたい(;´Д`)

うずらの卵パックを買ったら、飼ってみよう
その道のプロに聞く「生きものの飼いかた」
http://toyokeizai.net/articles/-/130542
塩田 春香 :HONZ

385とはずがたり:2016/08/22(月) 13:38:40
何が不味かったのかね??

西原理恵子さんと高須克弥さんの共著、小学館が回収決定
http://www.asahi.com/articles/ASJ6145KVJ61UCVL00F.html?iref=recob
2016年6月1日13時56分

 小学館は、5月25日に発売した漫画家の西原理恵子さんと美容外科医の高須克弥さんの共著「ダーリンは70歳 高須帝国の逆襲」の回収を決め、同31日に全国の書店に要請した。同社は「編集上の不備があったため」としている。

 同書は高須さんのエッセーや西原さんのマンガなどで構成され、2人の交際の様子が描かれている。同社によると初版3万部で、予約が多かったことから発売前に1万部を重版したが、全て廃棄処分するという。

 高須さんは5月30日、自身のブログに、小学館側から回収や書き直しを求められたことを明らかにした上で、「断固拒否。絶版にする!」と書き込んでいた。

386名無しさん:2016/09/05(月) 23:28:55
ブックオフ、止まらぬ「中古本離れ」でピンチ
東洋経済オンライン 8月30日(火)5時0分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160830-00133519-toyo-bus_all

387とはずがたり:2016/09/15(木) 08:00:43
今日,朝日新聞の朝刊の「こち亀」連載40年 愛され続けた訳はの記事内で,なんと辻真先がコメントしてた。84才になられているようだ。ご健在なによりだけど肩書きが漫画評論家になってる。。ミステリ作家が代表的肩書きちゃうのか?!今は漫画評論家として鋭意活躍中??ポテトとキリコの活躍亦読みたいなぁ。。

388とはずがたり:2016/09/15(木) 08:15:38

「蟻巣」閉店 長年のご愛顧、ありがとうございました 辻真先『残照 アリスの国の墓誌』発売中[2016年6月]
http://www.webmysteries.jp/topic/1606-03.html

残照 アリスの国の墓誌
書籍の詳細を見る  いまから35年前の1981年に刊行された『アリスの国の殺人』、翌82年に第35回日本推理作家協会賞を受賞した傑作ミステリです。そのシリーズ最終刊にあたるのが、『残照 アリスの国の墓誌』となります。
 舞台となる「蟻巣」が店を構えるのは、新宿のゴールデン街。およそ2000坪に200軒以上の飲食店がつらなっている飲食街として知られ、夜な夜な飲み歩く著名人の姿も少なくないとか。
「蟻巣」のママをつとめるのは、声優として活躍する近江由布子、さらに看板猫にチェシャ。映像関係者や出版関係者、とりわけミステリ好きの客が集まり、実際の事件やらミステリ作品について議論を重ねることも多い。『アリスの国の殺人』や『ピーターパンの殺人』など、主立った舞台となるだけでなく、可能キリコ(スーパー)も一時期店をお手伝いしたりと、各シリーズに織を触れて登場する、辻作品には欠かせない店だといえます。

 そんな「蟻巣」もいよいよ閉店(ママの由布子が夫の介護をするため)がきまり、大家に鍵を返却するまでの最後の数時間が今作品のお話しです。店に集まった、可能克郎、新谷知久などの常連客は、数日前から姿を消していたチェシャの姿と、チェシャを可愛がっていたマンガ家の故・那珂一兵を思い出していた――。これまで語られてこなかった、那珂一兵がかかわった二つの事件の謎を、酒の肴がわりに議論し始めた面々。完全に店を閉めるまでのあいだ、その謎を解くことができるのか? 熟練の名手が手掛けた、シリーズ最終巻をぜひお楽しみ下さい。

389とはずがたり:2016/09/15(木) 08:18:47

戯作・誕生殺人事件
辻真先
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4488027237?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4488027237

390とはずがたり:2016/09/15(木) 19:42:06
>>386
有り難うございます。転載します。

ブックオフ、止まらぬ「中古本離れ」でピンチ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160830-00133519-toyo-bus_all&p=1
東洋経済オンライン 8月30日(火)5時0分配信

ブックオフ、止まらぬ「中古本離れ」でピンチ
店頭で「家電お売りください!!」とアピールするも、中古家電の買い取りは進んでいない(写真:記者撮影)
 前2016年3月期に上場以来初の赤字に転落したブックオフコーポレーション。「総合リユース業」への転換に向けて再スタートの年となった今2017年3月期第1四半期(2016年4〜6月)は、売上高198億円と前年同期と比べて12%増収となった反面、営業利益は4.6億円の赤字(前年同期は0.8億円の黒字)と厳しい出足となった。

 もっとも、今期は前期に実施したパートやアルバイトの大量増員による人件費負担や、「ヤフオク!」への出品にともなう配送費、中古家電買い取りのための査定システム費が期初からコストとしてかかるため、第1四半期と第2四半期は赤字の計画だった。

■ オンライン販売は増収増益

 「第3四半期に黒字転換を果たし、第4四半期に利益を伸ばして通期営業利益8億円を達成するシナリオ。ほぼ想定線どおりのスタートになった」(堀内康隆取締役執行役員)。しかし、決算の内容を詳細に見ると、必ずしも計画通りとは言えないのが実情だ。中古家電の買い取り強化という課題に加え、中核の中古本の立て直しという新たな課題も浮かび上がる形となっている。

 セグメント別では、オンライン事業は、部門売上高16.2億円、部門営業利益1.3億円(前年同期は12.3億円、営業利益0.5億円)と増収増益を実現した。前期から導入したリユース店に陳列後、3カ月を経過しても売れなかった中古本をオンライン用の倉庫に配送する施策を進めた結果、商品在庫が充実。販売面では自社サイトや楽天に加えて、2016年1月から開始した「ヤフオク!」への出品が期初から貢献、計画を上回る上々の滑り出しになった。

 総合買い取りのハグオール事業も、売上高4.5億円、営業損失1.0億円(前年同期は1.2億円、1.3億円の赤字)とほぼ計画どおりの業績を上げることができた。買い取りでは日本橋三越など百貨店内での「総合買取ご相談窓口」の開設や出張買い取りに加え、今年から始めたオークションでのブランドバッグなどの購入などが貢献。販売面では、EC通販やBtoB(卸販売)のほか、催事販売が増収に寄与した。

主力の中古本が前年割れ
 一方、計画未達に終わったのが、リユース事業だ。新規出店は総合業態の「BOOKOFF SUPER BAZAAR」を中心として6店の出店と計画どおりに進んだ。しかし、既存店売上高が前年同期に比べて2.4%増と想定を下回ったため、売上高174億円、営業利益0.6億円(前年同期は159億円、6.66億円)と厳しい出足となってしまった。

 リユース既存店の売上高が計画を下回る結果となった大きな原因は、中古本の不振だ。商材別に見ると、アパレルやスポーツ用品、DVDなど映像ソフトが順調に推移。携帯電話や薄型テレビなど中古家電はまだ規模は小さいとはいえ、前年同期に比べて二倍増と増収に寄与した。


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