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Tohazugatali Book Review
295
:
名無しさん
:2015/08/23(日) 15:05:55
>>294
あなたには書く運命があった
伊集院 そして、『流』の良さはもう一つ、誰が読んでも物語のエピソードを自分に置き換えられる普遍性を持っていること。自分の若いときを重ねられる箇所がいくつもある。名作の一つの条件だと思う。
東山 うれしいです。この小説では、以前は怖くて書けなかったことを、開き直ってやった感があります。恋愛だったり、喧嘩だったり、「ベタだな」と思われるかもしれないけど、とにかく一度、思い切り書いてみようと。
伊集院 それが小説というものだよね。あと、文中に王?という人の詩が出てくるけど……。
東山 あれは、実は父の筆名で、詩は父の若い頃の作品なんです。
伊集院 へぇー。〈わたしは水のなかで暮らしているのだから/あなたにはわたしの涙が見えません〉って、すごくいい。
東山 父のことを書いた作品だから、何か、父のことを絡めようと思って。
伊集院 つまり親子二代の作品だったんだ。日本へ移住されたのはいつ?
東山 5歳です。最初は広島に住んで、2年くらいして父親の仕事が台湾で見つかりそうだということで一度台湾へ戻ったんですが、ダメになって再び父が日本へ行き、福岡に家族を呼び寄せたのが9歳のときでした。
伊集院 私の周囲にも台湾の人は多かったよ。
東山 そうなんですか。
伊集院 私に野球を教えてくれた人がそうだったし、同級生にも。その子と喧嘩するたび、母に「何で移民の子同士が喧嘩するの!」と叱られた。
東山 今、お話を伺って思い出したんですが、僕も広島にいる頃、隣がやはり韓国からの移民の方でしたね。で、正面がインド人の一家。僕もそこの子たちと遊んでいて、やはり「喧嘩するな」と。
伊集院 人のルーツにまつわる作品は、必要以上に本人と重ねて想像してしまうところがあるけれども、私が強く感じたのは、人間にはその人を導く運命の糸のようなものがあるんじゃないかということ。
たとえば、あなたのおじいさんがちょっと違う道を選んでいたら、お父さんもあなたも存在していなかったかもしれない。さらに、その糸が『流』を作り、しかもそれが日本と台湾、中国という、極東アジアの国々で結ばれているダイナミックさ……それが東山さんの作家としての運命だとしたら、素晴らしいことだと思うんです。
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