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Tohazugatali Book Review

300とはずがたり:2015/08/30(日) 21:38:23

>再販制は、戦後に薬やガソリンなど生活に必要な商品の多くで採用され、メーカーを保護することで各分野の復興を促しました。しかし、市場の成熟に伴って、メーカーが販売店に定価を強制するのは公正な取引を妨げると、多くの分野では再販制は外れていきました。

リブロ池袋本店は金食い虫? 元店長が閉店理由を分析〈週刊朝日〉
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20150822/asahi_20150822_0003.html
dot. 2015年8月22日 11時39分 (2015年8月23日 12時52分 更新)

 1980年代から90年代にかけて、西武池袋店内のセゾン美術館とともに、「セゾン文化」と称される贅沢(ぜいたく)な空間を作りだしていたリブロ池袋本店が閉店した。リブロが生み、残してきたものから見えてくる戦後の書店の潮流とは何か。リブロ出身で現在はジュンク堂書店池袋本店副店長の田口久美子さんをインタビュアー・木村俊介氏が取材した。
*  *  *
 私がリブロで仕事をしたのは76年から97年まで。93年から97年までは池袋本店の店長を務めました。あの「池袋リブロ」がなくなってしまうのはやはり残念ですよね。

 ただ、西武百貨店にリブロが設立された75年当初から、百貨店の中でリブロはすでに「金食い虫」と言われ、利益の出にくい存在でした。今回の閉店に至るまでの流れにも、他業種に比べての利益率の低さも関係しているかと思います。

 書店業界は、戦後まもなくできた再販制(53年施行)に、ずっと縛られてきているんですよね。出版社は取次を通して新刊を卸す。書店は売れ残れば返品でき、出版社は定価で再出荷できる。販売リスクを減らすこの再販制のおかげで、戦後、小さな書店も含め商売ができ、世界でも出版大国と言われるほどの流通網ができました。ただし、安定した流通を支える取次がマージンを取るため、書店の利益率は小売業でも最低の水準のまま今日まで来ています。

 再販制は、戦後に薬やガソリンなど生活に必要な商品の多くで採用され、メーカーを保護することで各分野の復興を促しました。しかし、市場の成熟に伴って、メーカーが販売店に定価を強制するのは公正な取引を妨げると、多くの分野では再販制は外れていきました。

 最終的には、CDまで再販制は有名無実化し、今では事実上、書籍と雑誌、新聞だけが再販されているわけですよね。書店は低い利益率による経営を大型店化で何とか補い続け、小さな店舗は潰れていきました。でも、それが今では本が売れないのとネット書店の繁栄とで、もはや大規模店も潰れそうになっているんですね。今回のリブロ池袋本店の閉店も、そうした一連の流れの延長線上にあると捉えています。

 創業が70年代半ばと、書店としては後発だったのもあって、池袋リブロには、業界内での、いわゆる「はぐれ者」ばかりが書店員として集まってきていました。置ける本の量では大手にはかなわない。そこで、当時どこでもやってなかった、「自分たちがこの社会を表現する棚を作るんだ」「イベントもやるんだ」という個性を出したのは、その後の書店業界に通じる一つの潮流を生んだとは思います。


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