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界螺旋聖・遠方見聞録

34彗斗:2013/03/03(日) 01:00:16 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
十四乃呪印 天昇の月 〜誓いの盃〜
「……皆起きてるか?」
 メテオは皆が返事をしない事を承知でこう言った。勿論、誰一人として返事を返す者はいなかった。
 まだ月が夜空に高く舞い上がっているような時間帯である。流石にもう探索を諦めたのか、天人族は誰一人として空を飛んでいなかった。
 メテオは寝ていた場所から歩を進め、黒い大空に浮かぶ白々しい光を放つ月が見える縁側にゆっくりと腰かけた。
「ここに初めて来た時、俺は何かの間違いかと思った。いつの間にか記憶の片隅に追いやられていた場所だったからな……」
 そこで言葉を止めたメテオは人の気配を感じて後ろを向いた。そこに立っていたのは……桜だった。
「アンタは幼かった私達の前から忽然と姿を消した……その時、私も爽も何があったかは知らない。でも、アンタはこうしてまた私達の前に現れた」
 そう言った後、メテオの隣りに正座で座り言葉を続けた。
「私はね、二度も同じ事を繰り返したくないの。本当は……」
――貴方を戦場に連れ出す様な事はしたくない……
 それは心の底からそう切に願っている……そんな感じを帯びた言葉だった。
「……それは意外だな。いつもはあんな事を言ってるお前が……」
「…………」
 それっきり二人は黙って黒い大空を見上げた。無数に月の周辺以外の暗い大空に輝く星、そして……
「あっ、流れ星」
「……俺の名前の意味、知ってるか?」
 流れ星を見てかメテオは自分の名前の意味を語りだした。他に話題の糸口が見つからなかったと見えた。
「俺の名前の意味は流星、流星はとにかく儚く拙い。地に落ちるよりも早く、秒単位で燃え尽きる流星だってある……。そんな流星はどこか人の一生に似ている所があるのではないか……それなら人々に頼られ、身近な存在であるように……そう考えた俺の兄貴が考えてくれた名前なんだよ」
「人の一生の様に儚く拙い……か…」
 桜はそれを聞いた後、スクッと立ち上がりメテオの顔を見下ろして優しくこう呟いた。
「人の一生って物は必ずしも、儚いとか拙いとか言う枠にはまらない物なのよ。その生きた一生が拙くもなり、同時に幸せにもなる……その人生の評価を決めつけるのは他人じゃない。自分自身なのよ」
 そう言った後、フラ〜っと何処か奥へと消えていってしまう桜。メテオは慌てて
「お…おい。何処へ行くんだよ?」
 声を掛けたが桜は顔の横で右手を左右に振ってこう答えた。
「もう私は寝るわ。まだちょっと二日酔いが覚めてないから、なかなか寝入る事が出来ないのよ……」
 メテオは内心、見え透いた嘘を……と思ったが口には出さなかった。そして縁側を柔らかく照らす月の光に背を向けメテオの体も桜と同じ様に建物の暗闇の中に消えた。
 だが……
「流れ星 拙く光る 蒼光の 夢見るよりも さらに短く……」
 この様な言葉をメテオの口元が言ったかのように見えたが幻覚なのだろうか……?

35彗斗:2013/03/12(火) 18:44:47 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
十五乃呪印 驚愕! 恐怖の目覚ましドッキリ!?
――夜が明けた
 キラキラと煌めく宝石の様な日差しが、雲の隙間を通り抜けて炎鳳神社の境内に差し込んだ。半分寝ぼけた様子でメテオが障子を開けて一歩踏み出そうとしたが……
「イテッ!?」
 踏み出す前に、何者かがメテオの後頭部を足で蹴り付けた。その為、前に大きく一回転した後、地面に顔面から豪快に着地した……
「……普通なら顔面が血塗れになってる筈なのに……やっぱりアンタ、人間じゃないわよね?」
「俺は元々人間じゃねー!! 炎鳳神社の氏神だって前も言っただろ!?」
 後頭部を蹴り付けた張本人である桜の言葉を聞くなり、立ち上がって負けじと言い返すメテオ。
 だが取り合う様子を欠片も見せずくるりと踵を返した桜は何処からか取り出した大鐘を手に取り……思いっきり打ち鳴らした!!
――ドォォォォォォン!!
 その音にはメテオも思わず耳を塞ぐ。起きているメテオは耳を塞げたが眠っている爽達は……
「ギャァァッ!! 耳がぁぁぁっ!?」
「ヒィィィィ!! いきなり何をするんですかぁぁ!?」
 打ち鳴らしたのとほぼ同時のタイミングで両耳を押さえ、その辺り一帯を二人が転げまわっている……。これはこれである意味、奇妙な画だ……。
 大声で爽がこう問いかける。
「桜ぁぁぁ!? お前一体何をしたんだぁぁぁ!?」
 両耳を押さえて未だにゴロゴロと縦横無尽に転げまわる爽と穹を半ば見下した様な眼で見ながら桜はこう返答した。
「アンタ達が中々起きないから叩き起こしてやったのよ」
「にしてもやり過ぎですよこれぇぇぇ!?」
「……なんだ、騒々しい……」
 ドタバタ騒ぎの中一人呑気に寝入っていた(気絶していた)人物が目を覚ました。
「ふぇ? ひ…響ぃ!!」
「……穹? 一体何をこんな所で……!!」
 縋る様に抱き着いて来た穹をほぼ無視する形で周りをよく見た時、響と呼ばれた少年は血相を変えて立ち上がった。
「お前…ここが何処か分って……!!」
「分ってる。私は慧様から逃げて来てここに落っこちちゃったの」
「……成る程な。それなら慧様を…コイツ等が止めてくれるのか?」
 チラリと桜達に目配せしながら響は言う。だが桜には「仮に立ち向かったとしても実力では足元にも及ばないだろう」と暗示している様にも受け取れた。
「……分ってるわよ。そんな事ぐらい私達じゃ敵いっこない事だって」
 桜は全てを悟った様に静かに呟いた。だが瞳に炎を灯す様な気迫で拳を握りしめてこう続けた。
「その慧とかいう奴の所為で鳥居を潰されたんだもの。きっちり落とし前付けて貰わなくちゃこっちが納得いかないわよ!!」
「よっ、桜! その意気だぜ!!」
 囃し立てる爽を他所に桜は一人大声でこう宣言した。
「たとえ相手が神様だろうと何だろうと、こんな事をしたんなら容赦しないわよ!!」
「あの〜それだったら俺の立場は……」
 気不味そうに自らの話題を切り出した氏神であるメテオに向ってとんでもない言葉を桜は浴びせかけた。
「勿論の事、アンタは立場ナシよ」
 その言葉を聞いた途端、辺り一帯にチーン……と空しげな音が聞こえた気がした……

36彗斗:2013/03/17(日) 01:00:55 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
十六乃呪印 最終奥義『呪印』
「さて……ここから響と穹が誘導してくれる筈の仏界に行く事になるんだけど……準部は良いかしら?」
 そう言った後、面倒臭そうに頭を掻きながら桜は全員を見てから付け足しの言葉を言った
「ここからルートは一つしかないの。だから、途中にどんな敵がやって来たとしても……」
「文字通り正面突破って奴か?」
 爽の言葉に小さく頷いた桜は、もう一つ注意を行った。
「私は穹と響の使える『呪印』は知らないわ。だけど最後になるともう接近戦では無く光線の嵐になってると思うけど……」
 二人が頷いているのを見て頭に「?」が浮かんでいるメテオは隣にいた爽にコソッと尋ねた。
「なぁ、爽。桜の言ってる「呪印」って一体何なんだ?」
「あぁ……アレの事か? アレは……」
 爽が言っている事を纏めると、『呪印』と呼ばれる代物はこの世界に設けられている三つの掟の内の一つ、「個人で最低一つは特別な技を持つ事」に深くかかわっている事柄である。「特別な技」と言うのは文字通り「必殺技」でその中でも一際大きく、絶大な威力を誇る必殺技を『呪印』と呼んでいるのだそうだ。
「因みに、そんな強力な必殺技をバンバン撃たれちゃ撃たれた方も困るし、撃つ方も魔力の消耗が半端じゃないんだ。そこで! ある制限を設けたんだぜ」
 その制限と言うのが所謂「使用可能条件」と呼ばれる条件だ。この条件を一つでも満たさない限り「呪印」の力を使う事は出来ない。その条件は一つだけ呪印が使える能力者全般に関係して言えることだと言う。
 これは種族によって差が無い様にと作られた掟の一つ、「種族に関係なく平等に戦う事」に則って作られている。「感情によって使用可能条件を無視する事が一度限り出来る」という条件があるのだ。
「これ以外は個人によって設けられてるから他の人と同じと思わないようにな?」 
「あぁ……大体は承知した」
「あんたたち〜。何してんの〜?」
 そう言ったとほぼ同時に桜の声が聞こえた。声がした方向に振り向いた時、ある物がメテオの目に入った。
 まだほんのりと赤味を帯びた蒼い空に浮かぶ一つの幼女のシルエット……彪華だ。
「アレ? あいつあんな所で何をして……」
 とメテオが言いかけていたその時!
「――乱迅風 クレイジー・トルナード!」
 いきなり此方に向って暴れ狂う暴風の大砲を撃ち込んで来たのだ!!

37彗斗:2013/03/17(日) 21:28:11 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
十七乃呪印 吹き荒れる風の精と叢雲少女 〜幻惑に乗せた混沌〜
「桜、穹、響!! 後ろだ危ない!!」
 メテオがそう叫んだ瞬間メテオの横で飛んでも無い大きさの轟音が鳴り響いたと同時に二つの光弾が撃ち放たれた。そして桜達の傍を当たる寸前で横切り……
――見えない風の砲撃と正面から衝突し爆風と轟音を撒き散らした。
「魔衝門・魔撃双砲撃」
 と、隣から静かだが力強い爽の声がした。その群青色の双眸には強い覚悟の意思が灯っている。そして呟きの後、大きく声を出してこう叫んだ。
「……気を付けろ。恐らくこの神社の結界の外に居る者達は全員、奴の手中にあるんだ。コイツを放って来た奴も例外じゃない」
 と言った後、桜達の背後に広がる大空をキッと睨みつけた。爽が睨みつけた先には……
――『吹き荒れる風の精』の二つ名を持った風の妖精、風斬 彪華が立っていたのだ!
「さぁ…一体全体、これはどう言う事かしら? 簡単に説明して貰おうかしらね」
 ゆっくりと爽の睨む方向に振り返った桜は、不敵な笑みを浮かべながら言った。すると、返事の代わりに一陣の風が吹き、爽と彪華を包み込む巨大なドームが出来ていた。
「……彪華、これは俺と遊びたいって事か?」
 静かに札を構えながらボソッと呟いた。彪華はその言葉に呼応するかのように微かに微笑み、こう言った。
「……術式戦、開始……」

38たっくん:2013/03/18(月) 11:30:40 HOST:zaq31fa59a5.zaq.ne.jp
>>1
糞スレばかり立てるなよカス
俺に100円よこすか
ここから消えるか二つに一つ
好きな道を選べ
お前らのような害虫に用はないんんだよ

39たっくん:2013/03/18(月) 11:31:29 HOST:zaq31fa59a5.zaq.ne.jp
とっととサイフから金出して
消えなさない
私は世界平和を願っている
その為には>>1のような害虫を追い払わなくてはならない
私の気持ち分かって下さい。

40彗斗:2013/03/18(月) 14:18:30 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
十八乃呪印 吹き荒れる大空の中で
「――烈風刃 カマイタチ」
「っ! ――黒霧斬慄奏!!」
 対戦開始とほぼ同時、ニ種類の発射物が飛び交う対戦になった。飛び交っている物は、白銀に光るナイフと、ほぼ見えないに等しい風の刃である。互いに一歩も譲らない大接戦……桜はドームの外からジッとその戦いを見ていた。
「爽、アンタそんな戦い方だったかしら? 私と戦う時の勢いは何処へやら……」
「うるせー! 俺には俺なりの考えがあるんだよ! 桜は黙って見てな!!」
 爽は桜の発言を一蹴した後、空中を高速で旋回し始めた。彼女の動きに合わせて彪華も速度を上げ、風の刃を雨霰の如く連続で発射して来る……正直な所、メテオも雨霰の如く発射して来る風の刃を避け切る自身は無かった。寧ろ避け切った方が奇跡と呼ぶに相応しい力を持ってると思うほどの物量だった……
「……ギリギリだろ。絶対当たったら命は無いぞ……」
「そうね、でもまぁ尤もな話だけど……彪華の放つアレに当たれば、人間なら魚みたいな三枚下ろしは確定ね……」
「それこそ恐ろしい話だぞ!? 何でそんな奴の相手を爽にしたんだよ?!」
 桜は至って平静を装っているかの様にメテオの顔を覗きこんだ後、小さい子に説教する様な口調で返答した。
「いい? 私達は人間だけど超能力者よ? そこいら辺りで大量に湧く妖精なんかに負ける程の柔じゃないわよ!!」
 メテオはなるほど……と納得してしまっている自分がいる事を、時間差で自ら悟った。そしてその時……メテオはある事を思い出した!
(それを紫室 爽に……渡して下さい。頼みましたよ……)
 メテオは桜に気付かれないようにそっと懐から取り出し、託されたものをジッと見る。馨と名乗る人物から託されたある物……それは見ての通り、メテオには無意味なものにしか見えなかった。だが彼女が爽を名指しで渡すように言ったのなら何かの意図があるのではないか……そう考えた時、メテオはこう叫んだ。
「爽!! コイツを受け取りなっ!!」
 その後、半透明のドームの中に羅聖印が刻まれた六角柱状のモノを爽に向って投げつけた。それを見て片手で受け止めた爽はある事に気がつく。
――羅聖印が白く点滅している……!!
(コイツはひょっとするとひょっとするかもしれないぜ……!! いっちょ試してみる価値がありそうだぜ…!!)
 その時、彪華が真正面を陣取り、必殺技を仕掛けて来た!
「――激風 バースト・ウインド!」
「甘いぜ!」
 風によって作られた衝撃波を掻い潜り、爽はドームの頂上まで飛んだ。そして彪華が下にいる事を目で確認してから、ある言葉を口にする。
「呪印解放……」
 呪印解放……それは最終奥義である『呪印』を使用する際に行う一種の宣言の様な物である。これを聞いて驚いたのは桜だ。
「呪印解放!? 爽、アンタはまだ使えないんじゃ……!!」
「いいや、ここはアイツに賭けてみよう。ひょっとしたら……出来るかも知れない!」
 メテオはドームの外から爽の行動をすぐに読み解いていた。受け取った時のあの顔、受け取った直後のあの行動……間違い無い。
――爽の呪印は必ず、必ず成功する。
「っ! ……呪印解放……」
 彪華も爽の声を聞いて呪印を解放する宣言を出したが……もうその時には遅かった。
――羅聖印を太陽に掲げていた彼女の掌には白く輝く一枚の札が握られていたのだ……
「『旋風呪印 風神・叢雲』!!」
 爽は呪印の名を叫んだ後に、天に掲げていた一枚の札を地に向って振り下ろした……すると……
――轟音と途轍もない衝撃波を伴った巨大な砲撃が彪華めがけて一直線に放たれた……!!

41彗斗:2013/03/21(木) 22:33:55 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
十九乃呪印 烈風と暴風
――逆転に次ぐ逆転
 この言葉が今の勝負にぴったりだ。今までまともな呪印を放つ事が出来なかった爽は、この勝負を経て呪印を扱えるようになった。
 だが、相手は人間とは違い、魔術や妖術等を扱う事に長けている妖精である。一筋縄ではいかない事も爽の想定している範囲内だ。勿論の事だが―――呪印を使ってくる事も。
「『斬風呪印! 嵐風斬奏!!』」
 彪華も負けじと、切り札である呪印で迎え撃つつもりなのだろうか、呪印を宣言した途端、縹色の双眸を閉じてしまったのだ。だが双眸を閉じたと同時に、彼女の両手に気流が集束を始めた。しかも集まった気流の量は半端な量ではなく、彼女の呪印の威力の絶大さを物語っている……
 爽の放った風の大砲は遠く離れている筈の彪華の元にまで威力を弱めずに突っ込んできている。その状況の中で彪華は閉じていた双眸をカッと見開き両手を思いっ切り叩いた。
――放たれたのはとんでもない程のカマイタチである。
 放たれた切れ味の鋭い風の刃は、四方八方に弾け飛び、無差別に周囲にあるものを切り刻む。
「なっ!? ……へへっ、流石は妖精といったところだな」
 爽はほんの少しだけ微笑を浮かべた後、大砲を放っている手に力を込める。
「勝負だ彪華! お前と俺の……どちらが勝つか!!」
 その言葉を言い終わった後、二つの大技が激突した!!

42彗斗:2013/03/23(土) 18:58:46 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
二十乃呪印 逆巻く双風
「もう爽のところは片付いたも同然よ。さて問題は?」
「俺達の方って事だよなっ!!」
 その場から飛び退き二方向に別れた直後、先程のカマイタチよりも更に速い何かが、桜達のいた場所を通り過ぎた。
「新手のご登場……と言った所かしら?」
 その言葉を見えない相手に向かって言い放った桜は、悠然と余裕を持って札を構えた。とその時、攻撃を仕掛けてきた者が姿を現した。
「穹に響……君達はいつの間に慧様を裏切ったんだい?」
「それとも……貴方達は慧様に嫌気がさしたのかしら?」
――双子だ、性別は違っていても顔は驚く程によく似ている。齢は大体、十七辺りに見える双子だ。
 背中合わせにして立っている二人はそれぞれ、普通の人間ならあり得ない目を持っていた。少年の深緑に輝く左目の瞳孔が、針のように細くなっており、一方で少女の方も、深青色に輝く右目の瞳孔が同じ様になっていた。
「これは絆の双眸と呼ばれている」
「色は違っていても私達を繋ぐこの絆は千切れないわよ!」
 そういった直後、二人の絆の双眸が光だし、周囲を瞬く間に取り囲んでしまった!
「チッ! やっぱりこうなるのかよ!」
「仕方ないわね……やるしかないわよ」
 苦々しく吐き捨てる様な発言をするメテオと、仕方なしに闘う姿勢を見せる桜は突如現れた「絆の双眸」を持つ二人組に戦いを挑む……!!

43彗斗:2013/03/29(金) 18:02:56 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
二十一乃呪印 タッグマッチ! 〜試される過去の絆〜
「私達はカマイタチよりも速く動く事が出来る……同じ能力者でもない限り、私達を捉える事は不可能に等しいわよ!!」
 鸞が高速で動きながら言っている為、その言葉があらゆる方向から同じタイミングで聞こえてくる……。その声に被せるようにして、鷯の声も聞こえてきた。
「この戦いはタッグマッチ。二人一組で戦い、どちらかのペアが倒れたら負けになるという仕組みだ! さて…俺達のコンビネーションを掻い潜って攻撃が当てられるかな!」
 肉眼で彼らの姿を追う事は、高速移動能力を持っていない桜にとって、不可能な事だ。その上相手は二人、桜の攻撃を当てられる可能性は、無いも同然だ。するとドームの外から響きの声がした。














































































































































































































































+


気を付けろ! 奴等は死にはしないが先頭不能にできる毒を仕込む技を持っている! それを体に仕込まれたら負けが確定するぞ!!」
「っ!」
 響の注意を聞いていて終わった直後、何かの直感が働き、桜は頭を後ろに引いた。と、その次の瞬間先程まで頭のあった場所になんと! 鷹の爪の様に鋭く、見るからに毒々しい紫色の爪が桜の急所を切り裂くように振り下ろさせていたのだ!
「余所見って言葉を知ってるよね? この勝負は違う所を見た瞬間、負けが確定するよ?」
「アンタに言われるほど馬鹿じゃないわよ!!」
 そう言った後に、札を鷯に投げつけようとしたが……投げようとした手を掴まれてしまった。
「二人ってこういう時に便利よね〜。一人が気を引いている時に……もう一人が隙を見て攻撃!」
 そう言っている鸞の掴んでいない片手には、燻った紫色の塊が握られていた。恐らくこれを零距離で当てるつもりなのだろう。
 明らかに桜は劣勢、前後に敵が居て、それぞれが攻撃できる態勢になっている――万事休すと言った所か……。と悟ったその時!!
――いきなり鸞が前に倒れこんだのだ!!
「らっ…鸞!? 大丈夫か!?」
 その場を慌てて離れる桜と、鸞の元に慌てて駆け寄る鷯。その瞬間――眩いばかりの蒼い光の柱が天から降り注いだ。
「二人組ってのは逆手に取れば合流させて一網打尽にしやすい……っていう短所もあるだろ?」
 空から降り注いだ光の柱は猛禽二人組を包み込み、そのまま地に深々と突き刺さった。消えてしまった後には、ボロボロになった二人だけが残っていた……そして事が起こってから全てを察した桜は、指示もしていない作戦を実行した人物の元へと飛んでいき、こう言った。
「アンタ……最初から私を囮に使ったでしょ!? どうなのよ!!」
 桜を囮に使った張本人――メテオは、彼女の突然の剣幕にたじろいだ。
「わ…悪かった! だから許してくれーっ!!」
「もう許さないんだから……覚悟しなさい!!」
 素直に謝っても許してもらえる訳も無く、桜は全身から炎を吹き上げさせる。そして逃げ出したメテオを、執拗に追い回し始めた……

44彗斗:2013/03/29(金) 23:37:45 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
文章がき……消えてるっ!?

何か変な操作をしてしまったみたいですのでそこの所はスルーでお願いします!

45彗斗:2013/04/08(月) 12:32:43 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第二十二乃呪印 突然の襲撃
「やれやれってところだな。しかし妙だぜ?」
「――操られてるとしか考えられないところがか?」
 メテオ達はまず、戦闘不能になった彪華達三人を回収して、木陰などに寝かせておいた。三人を運び終えたのと同じ時、パタパタと手を叩いた桜は、ジーっと上を見たまま動かなくなった。
「ちょ…おい、桜? どうしたんだよボーっとして……」
「不味いっ!! この場所から全員逃げて!!」
「「は!?」」
 いきなり逃げてと言われても、何な何かのかさっぱり分からない。一向に動かない二人を見て地団駄を踏んでいる桜は、大きな声を出した。
「木端微塵にされたくないなら早く逃げなさい!!」
 その声にはじかれた様に走り出したメテオと爽、彼等の肩には先程倒した彪華や鸞、鷯が担がれていた。
「早く! あと十秒もしたら……!!」
「したらどうなるんだよ! 早く言えよ!」
「煩いわね! ギャーギャーやっても始まらないから早く逃げなくちゃいけないでしょ!!」
 桜に一蹴された爽は黙って走り続けた……とこの時、メテオの頭上で電球がピカリと光った!
「そうだ! 俺にはあの能力があった! 桜に爽! 俺の近くで走ってろ!」
「は?! いきなりあんた何を言って……」
「粉微塵にはされたくないぜ! 俺はメテオの言う事を信じるっ!」
 桜もブツブツ文句を言いながらだが、メテオの近くに寄ってきた。その頃合いを見計らったメテオがパチンと指を鳴らすと……六人の姿が一瞬で消えてしまった……。

46名無しさん:2013/04/17(水) 13:33:31 HOST:zaq31fa5058.zaq.ne.jp
超サイヤ人VSフリーザのサイト
また張り付けておきました。

私のスレはドラゴンボール、対戦格闘ゲー、白人女性、のいずれかです。
その他の話題は一切持ち出しません。予めご了承下さい。
この3つのうちのどれかでお願いします。
では


そうそう最後に一言・・
あんまりクソスレ立てるなよ

47名無しさん:2013/04/17(水) 13:37:32 HOST:zaq31fa5058.zaq.ne.jp
ドラゴンボール以外なら
対戦格闘ゲーム、外国人女性の話題でも構いません。

そういえば30年代〜50年代辺り(?)の洋楽、詳しい方おられないでしょうか?
かつて大阪後楽園ホテルのCMで流れていた曲
戦隊シリーズのCMで流れていました。

欲しいのですが曲名が分からないので買いようがない
困ったもんです。

48彗斗:2013/06/22(土) 23:41:56 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第二十三乃呪印 破壊低周波との闘い

「あ〜あ。どっかに逃げちゃったよ?」

「おかしいですね……迷わずこっちに突っ込んでくると思ったんですけど……」

「まぁ、良いじゃない。私達はまだ見失ったわけじゃないんだから!」

 此処は、メテオ達が逃げ出した場所を見下ろせる上空。その上空には三人の少女の姿があった。
 三人はそれぞれの考えを口にしていたように、てんでイマイチ統率力に欠ける三人組だという印象が強い。そのリーダー格の少女はある事を口にした。

「私は炎鳳神社にやって来たって言われてる氏神や鳳神の巫女達と闘いたいのよ。私達三人なら負ける確率は万に一つもないでしょう?」

「……まぁ、考えてみればそうですね。私達にはあれがありますし!」

「あれさえあれば絶対に負けないよね!」

 彼女達の言っている「あれ」とは一体何なのか……よく分からないが、メテオ達三人と敵対する事だけは明確である。だが、今の現状を見て顔をしかめたのは、リーダ格の少女の隣にいた丁寧に話す少女だった。

「でも、あの氏神の瞬時に消えてしまう能力は厄介な事この上ないです。まず周囲の者達も巻き込めるとなると……」

「後の二人も一緒に、どこかに逃げちゃうかもしれないよ!」

 丁寧な口調で話す少女の言葉を、明るい雰囲気を持っている少女が続けた。だが彼女等が口走った事はある人物に聞かれていた……。

「お前等か……今さっきの攻撃をしてきた奴は!!」

「「「えっ……?!」」」

 三人がほぼ同時に一点に振り向いた時、そこには蒼い炎を揺らめかせ、怒りを露わにした氏神が立っていたのだ……!
 そして彼はこう言った。

「陰湿な事をする性質の悪い奴もいるもんだ。お目当ての片方はここにいるが、生憎の事だが鳳炎の巫女は戦線離脱だ。覚悟しときな!!」

49名無しさん:2013/06/23(日) 00:55:11 HOST:zaq31fa50e8.zaq.ne.jp
彗斗さんの歌

彗斗さんのアソコは臭ってる♪
パンパパンパン♪中の中まで濡れている♪

彗斗さんのアソコに毛が一本♪
小さな小さなクリちゃん♪

彗斗さんがイーすりゃ歯が③本♪
彗斗さんのパンツからケガ4本♪
パンパパパンパン♪

彗斗さんのアソコは腐ってる♪
パンパパンパン♪


コミュニケーションの第一歩だと思って下さい。

50彗斗:2013/06/26(水) 21:32:17 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第二十四乃呪印 別行動

「……メテオさん。大丈夫なんでしょうか?」

 穹は先程からずっと、心配そうに桜と爽に尋ねている。一方の桜と爽は何一つ返事せずに、黙々と気絶している人物達の手当てをしていた。

「ちょっと桜さん、爽さん!? ちゃんと聞いてまs……」

「そう激情する事は無いだろう。桜達はメテオを信じているからこそ、冷静でいられるんだ。お前ももう少し奴を信用したらどうだ。」

 隣からいきなり止めに入った少年――響の一声に、返す言葉を失う穹。尤もな話であり、彼等以外に頼れる者などどこにもいない。穹は、そう言ってる響の言葉に、一理あると感じた。作戦を確認し、メテオのみが囮となり、こちらの戦力を回復させ、一気に周囲を取り囲む……。これがメテオの提示した作戦だった。これでなければ、他に勝てる見込みは無いのだ。

(お願い……どうか無事でいて。メテオ……。)

 と桜がメテオの身を案じている時、その時、彪華が目を覚ました。縹色の瞳をゆっくりと開け、頭を抑えながらムクッと起き上った。

「ってて……。ん? どーして私はこんな所に……? たしかルーズちゃん達と遊んでて……!! ルーズちゃん!? サイスちゃん!? ヘルズちゃん!? みんなどこ行ったの!?」

 彪華は、バッといきなり何かを思い出したかのように起き上った。その後、何かを探すようにキョロキョロとその周辺で何かを探し始めた。その様子を訝しんだ爽が、桜に耳打ちをした。

「おいおい……さっきまで俺を殺す気満々だった奴がこの様子だぜ? 何か裏があると思わないか?」

「……確かにそうね。これもあのケイとかいう奴の仕業なのかしら?」

 不思議そうに首を傾ける桜と爽。彪華の仕草からは、何の悪意も殺気も感じられない。まるで先程の彪華が嘘みたいに消えてしまっているのだ……。流石にこの原因を解明しない訳にはいかない桜は、必死に思考回路を使い、あらゆる憶測をたてていく。

(この仕草は、彪華が猫を被っている様には見えないし、私達を騙そうとしている仕草じゃない……。不気味な話だけど、さっきの彪華とは違って、いつも通りの彪華になってるのよね……。)

 疑いの余地は、幾らでもあるのだが、状況が悪過ぎる。そう考えた桜は彪華に声をかけてみた。

「ねぇ、彪華? 彪華は何処からの記憶が無くなってるの?」

「え? う〜んとねぇ〜……。」

 そう言った後、彪華は暫く沈黙を続け……ふと思い出した様に口を開いた。

「そーだ! 皆でかくれんぼしてる時にフ〜って意識が何処かに飛んで行って……そこからの記憶が無くなってる。」

 その言葉を聞いた時、桜の口元に変化があった。

――口元がニヤッと笑ったのだ。

51彗斗:2013/07/05(金) 16:25:51 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第二十五乃呪印 包囲網

 静まり返った上空、しかしこの大空で戦いはすでに始まっていた。

「どこ狙ってんだよ。俺はこっちだってのに。」

 そう呟いた直後にメテオの姿が消え、爆風がその辺りに沸き起こる。その反対方面に三人の少女が頬を膨らませ不満げに立っていた。そして、三人の頭上に黒い波の様な物が集中し始めた。そして……。

「幾ら神速を誇るその足でも……音の波は避けきれないわよね?」

「「「『壊音凱旋 デスチェロイド・メロディアーカ』!!」」」

 死を具現化した黒い音波が辺りの空気、木々を砕きながら神速を捉えようとする。しかし……音はメテオに聞こえていない。何故ならメテオは光速を超える神速。一方音の速度は、文字通り音速である。その速さの格差は、火を見るより明らかだ。しかも音は光と違い、一定距離を過ぎると消えてしまう性質がある。

――だが、この青年は音が消えるまで待てなかった。

「そこまで遅いんじゃ俺の攻撃スピードには太刀打ちできないぜ! 『閃星砲 スターダスト・ミーティア』!!」

 振り向き様に、黒い音の波に蒼い光線を打ち込んだメテオは、その直後耳を塞ぐ。そして当然の事だが、メテオの放った光線は、音の波とぶつかり爆音を轟かせた。しかし爆音を轟かせた後、黒い音の波は綺麗さっぱり消えてしまったのだ。

「……おっ? ラッキー!! 成功した!」

「「「えっ!?」」」

 いきなり自分達のコンビネーション技が、たった一人の光線に打ち消されてしまったのだ。三人がまさかの事態に唖然としていた時、得意げにメテオは人差し指を立て、説明をした。

「簡単な話さ。光は音よりも運動エネルギーが桁違いに違う。その二つをぶつけりゃ……もう結果は知れたものさ。」

「……姉さん。流石にあの技を使う訳には……。」

「良いじゃないの! こんな力を持ってる神様なら何とか持ち応えてくれるわ。――何たって不死身なんだから。」

 不気味を通り越して、狂気じみた妖精らしくない笑みを浮かべる妖精。そして妹達にある指示をした。

「あの力を今こそ見せる! そうすれば私達の限界が見えてくる! そうでしょう!?」
 
 その姉の言葉にコクリと覚悟を決めて頷いた妹達は、姉を信じて最後の技を出す。その力は、両手に集中し、増幅され具現化した。

「『デストロイド・ロスト・メロディ』!」

「『サディクション・ロスト・メロディ』!」

 そして……一番上の姉が最後にして最高の音を掛け合わせ、彼女達の最高にして最強の破壊高周波が生まれる。

「これで終わりよ……!! 『ダークネス・ロスト・メロディ』!!」

「「「合体心術!! 『奏寂呪印 ロストライ・ナイト・メロディ』!!」

 その三体の妖精が繰り出した能力(ちから)の塊は……

――静かに忍び寄る、音無き音だった……!!

52彗斗:2013/07/05(金) 22:31:47 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第二十六乃呪印 仏界の頂より見下し者

「人の叡智など、たかが知れている。仏界の力の欠片で、人界の叡智を超えることが出来る。そう、あの巫女の力も知れたものだ。」

 嘲笑気味に下の世界を、見下している白月色の髪を持った少年は、片手を掲げた。すると……辺りが忽ちにして闇に包まれ、月が夜空に浮かんでいた。

「仙人の叡智は、巫女の力など遥かに上回る。勿論、知人に二人力を合わせたところで、どうにかなるものではないだろう?」

――『月幻郷 イリュージョン・ホール』

 それは仙術の一種で、一定範囲内に入り込んだ者に、幻覚の様な現象を引き起こす技だ。この力は大変強力で、月を見た者は例え仙人である自身であっても、自身の幻覚に囚われてしまうと言う欠点も併せ持つ。だが大体の者は、幻覚に倒れてしまう事が大半だ。

「限界が知れた力など、恐れるに足りない。そろそろ戻って来い響、穹」

 そう呟いた少年は、閉じていた目を開き、紅い目で地上を見た。それと同時に、彼の背後に佇む月も紅く輝きだした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 それと時を同じくして、座っていた穹が何かにピクリと怯えたように反応した。その様子を隣で見た響は彼女の頭に手を優しく置き、宥める様に撫で始めた。

「……ありがと、少し落ち着いた。」

「……何か気配を感じた。コイツ等とは違う別の気配だ。」

 おもむろに立ち上がり、周囲を警戒する響。遅れて立ち上がった穹も警戒を始めた。周囲には、樹木が鬱葱と生い茂っていて、見通しが悪い。だが彼等の背後に巨大な何かがいきなり現れた!! その飛び出してきたものは――巨大な蛇だった。

53たっくん:2013/07/06(土) 13:53:03 HOST:zaq31fa4955.zaq.ne.jp
     【昔の古いVHSをピーチさんに売りつけるスレ】

平成元年のビデオ販売です。
89年、90年に撮影したVHSの販売です。
お求めの方は【YES】と、ご記入下さい。

価格=100円 送料290円〜320円


1990年5月〜現在に至るまでの新幹線映像です。

【1990年 8ミリビデオ撮影】
この時点ではまだ300系はデビューしていません。
当時の花形は100系、グランドひかりでした。
16両編成の0系新幹線、100系共食堂車ビュッフェを連結してました。
山陽新幹線こだまの一部に6両編成、東海道新幹線こだまの一部に12両編成がありました。


【1994年】

94年になると、300系のぞみがデビューしてます。
当時の主な新幹線は、0系ひかり、100系グランドひかり、300系のぞみ

【1996年】
新大阪〜京都間で高速走行シーンが鑑賞できる、阪急京都線との供走区間。
新幹線と阪急の中間フェンスが、現在とは異なり若干低いのが分かります。

96年当時の新幹線
0系こだま、0系ひかり、100系グランドひかり、300系のぞみ


ちなみにVHSというのはビデオテープの事です。
それとこれは余談ですが・・私は0系および100系が好きです。
生まれた頃それが主流でした。

ではまた

54たっくん:2013/07/06(土) 13:54:09 HOST:zaq31fa4955.zaq.ne.jp
ピーチさん
おこづかい、つかい果たしも構わないから
購入しなさいよ

55たっくん:2013/07/06(土) 13:55:39 HOST:zaq31fa4955.zaq.ne.jp
まあVHS代は無料でも構いませんが、
せめて送料(290円〜320円)だけでも支払って下さいね。

56たっくん:2013/07/06(土) 13:56:31 HOST:zaq31fa4955.zaq.ne.jp
以前ピーチさん
昔の古いVHS探してるって言ってましたよね?

57彗斗:2013/07/06(土) 23:37:20 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第二十七乃呪印 大蛇と天狼と天女

「…………」

「…………」

「…………」

 飛び出してきた事に気が付いた二人は、巨大な蛇に向き直り相手の様子を見る。だが蛇の方も、ジッと相手の様子を見ているのか、手を出してこない。蛇が手を出してこないのはこちらが動かないからだと思うが、二人が動けないのにはちゃんとした訳があった。

――二人とも人界に降りてきて、人間以外の動物を見るのは初めてなのである。

(こ、これが人界に住むと聞いていた蛇とか言う生物か……! 本の中とは違い、本物はやけにデカいな……!!)

(え、えぇ〜〜!? こんなにデカい生物だなんて聞いてないわよ〜!? もっとこう……紐みたいな生物だって聞いたのに……!?)

 確かに穹の言う通り、『普通の』蛇はここまで巨大な訳が無い。正体こそ不明ではあるが、これは何か蛇ではない別物である。だが、『蛇』と言う物を見た事の無い彼等、仏界の住人はこの化物を『蛇』と認識してしまったようだ……。

「……確か、蛇ってのは大半の場合こちらから仕掛けなければ、まず襲ってくる事は無い……と呼んだことがあるが?」

「いやいや……こんなのに襲われたら確実にお終いだから?!」

「……貴方達は一体……?」

「「ギャアァアアァァァ!? シャベッタァァアァァアアァアッ!?!」」

 いきなり喋りもしない筈の、文字通りの『大蛇』に話しかけられた二人は、悲鳴を上げてその場で腰を抜かした。その大声に驚いた『大蛇』は周囲を気にして、慌てて静かにするように言った。

「しぃぃっ!! そんな大声出さないで下さい!」

「だ、だってぇ……!」

「…………こ、この世界には俺達、天人の知らない未知なる物が沢山あるな……。蛇が喋るなどとは、本には書かれていなかった……。」

 蛇の姿を見て、己の顔面を蒼白に染める響。最早逃げる力も失ったのか、その場でへたり込み、べそをかいている穹。その両者を見て、『大蛇』は呆れて声も出せない有様だった。

「ちょっと……私の話を聞いてます? ……そうだ。この姿なら……」

 そう言うと『大蛇』は蜷局を巻き、自身を光の中に埋めた。そして光が止んだ時には……。『大蛇』は『少女』に変じていたのだ。

「「…………」」

 その姿を見た響と穹は、ただ茫然と目の前で起こった出来事を目を丸くして見つめていた。そして響が一言。

「……変化も出来る蛇とは……。全く、人界には驚くべき物がまだ隠されているようだな……。」

「だから……私は人界の者ではありません。『甓瀧 響』さんと、『鷸谷 穹』さんですね?」

 そう言った後、黒い瘴気を纏い、少女はゆっくりと立ち上がる。そして顔を上げた時、無慈悲な笑みを見せこう言った。

「――月代 慧様からの命令です。『奴等、神と巫女を抹殺しろ』と……。」

――その直後、響と穹の周囲を、黒い瘴気が取り巻いた。

58彗斗:2013/07/07(日) 12:38:33 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第二十八乃呪印 魔法の盲点

「だから遅いって……音を消した音だって速さが変わらないんじゃ意味が無いだろ?」

 ヒョイヒョイと容易にかつ、身軽に避けきって見せるメテオ。だが彼女達は、顔色一つ変えない。その様子を訝しんだメテオは、その瞬間ある事に気が付いた。

――音の無くなった音は『音』ではなく、『魔法の塊』と化している事に……。

「フフッ。ようやく気が付いたの? 魔力を集中させれば速度は、音の特徴が無くなった『音』だから、無限に加速していく……どう? 勝てる気がすると言うの?」

 その声を聞いた時、メテオは自分の周囲に、無数の魔力の塊がある事に気が付いた。そしてそれは、全て爆ぜ、衝撃波と共に大気を押し退け、メテオを包み込み爆発した。

「全く……手がかかる神様っているモノなのね。」

「面目丸潰れ。そうとしか言いようがないな。なぁ、メテオ?」

 最早万事休すと思われ矢先、予想もしていない者達が乱入した。――巫女と魔女だ。彼女達はそれぞれ炎の壁、魔法壁を瞬時に発生させ魔法の塊からメテオを護り切った。そして爽と桜は、メテオにある提案をした。

「アイツ等の力が合体して発現するなら……」

「私達の技を合体させればいいのよ!」

「……!! 成程……! その手があったか……!」

 その提案を受け入れたメテオは、また周囲に魔力の塊を察知。瞬時に二人を抱き寄せ、垂直に光速魔法で飛び上がった。そして二人を抱き寄せていた腕を放し、自身の必殺技の構成を編み、発射できる状態にした。もちろん他の二人も、同じ状態になっていた。

「『閃星砲 スターダスト・ミーティア』!」

「『魔衝壁 ・魔撃双砲撃』!」

「『皆紅 塵雪双牙』!」

 三方向から放たれた各々の技が、衝突し、膨大な魔力を秘めた物体が浮き上がった。そしてメテオを中心に、左右から爽と桜が寄って来た。そしてお互いの顔を見て頷き合い、最後に溜めていた魔力を注ぎ込み、一気に三姉妹に向かって放った。

「「「閃紅衝壁 ダブル・ウエポン・スターダスト!!」」」

 その直後、抵抗した三姉妹の魔法とメテオ達の魔法が衝突し、即座にその辺りが消し飛ぶ大惨事になった事は言うまでもないだろう……。

59彗斗:2013/07/09(火) 04:06:55 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第二十九乃呪印 幻惑する月の使徒、煉獄紅蓮の翼、来襲

「……響、穹に鸞、鷯。お前達のする事は分かっていた。残念だったな……」

 少々見下した様な口調で、呟く白月色の髪を持った少年。彼――月代 慧は、ジッと離れた場所から爆発を眺めていた。穹や響、鷯、鸞の瞳は輝きを失い、その身動きからも動物的なものは感じられない。

「……羽岸 焔(はぎし ほむら)。此方に来い。」

「慧様……一体何用でございましょうか?」

 音も無く隣に現れた紅い長髪の少女『羽岸 焔』は、慧に指示された内容を聞き、少し驚いた顔をした。

「何と……!? 私に彼等の始末を……!?」

「今頼れる奴はお前の他は居ない。確かに、お前は戦闘には不向きなのは知っている。『戦炎の翼』の能力は実を言うと使ってほしくなかったが……許してくれ。」

 戦炎の翼…それは天人一族のほんの一部の種族にのみ、宿るとされている仙人も知る事の無い能力。しかし、この能力が、同じ能力者よりも強く現れている彼女は、自らまた慧からも戦う事を禁じられていた。だが慧は危険を承知で、彼女に賭けてみる事にしたのだ。

「……分かりました。慧様の期待に必ず、応えてみます。」

「……すまない。」

 短くそう言ったきり、慧は目を伏せて押し黙ってしまった。後ろめたそうに焔は飛び去ってしまった。彼女の意思は望んでいない。だが、仕方が無かった……そう言い聞かせたが、やはり割り切れなかった。その時、ある事を思いついた。

「……鷯、鸞。お前達も加勢して戦え。」

 操られている人形の様に、コクリと頷いた二人は、焔の後を追って飛び立っていった。

「……『煉獄紅蓮の翼』。戦う事に不向きな焔にはどうしてそのような二つ名が……?」

 この時、彼女も彼もまだ知らなかった。『戦炎の翼』の本当の能力を……。

60たっくん:2013/07/09(火) 11:45:44 HOST:zaq31fa5a1a.zaq.ne.jp
     【ピーチの水筒にジャイアントババ】

最終的にピーチさんは
この直径30cmの太い便を
口にしてしまうのです。
一般人の約3倍
高さはフランクフルトを超え、そして、横幅は焼きイモより太い


文字通り、ジャイアント・ババです。

貴方達のおっしゃってる事は全く逆です。
全然違っています。はい。

61たっくん:2013/07/09(火) 11:46:17 HOST:zaq31fa5a1a.zaq.ne.jp
貴方達がおっしゃる事は全く反対です。
全然違っています。はい

62【下平】:2013/07/10(水) 13:43:45 HOST:ntfkok293007.fkok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
【けいと、そいつ荒らしだから、シカトしろ。
おい、荒らし、ぶちころすぞ。
かかってこいよ、おい、>>60(モブキャラ)、来いよ。】

63彗斗:2013/07/13(土) 01:26:30 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第三十乃呪印 全ては主の為に…… 〜煉獄紅蓮の翼、猛襲!〜

「痛てて……みんな大丈夫か?」

「あ、あぁ……何とかな。」

「えぇ、私も平気よ。」

 爽の声でやっと意識を取り戻した二人は、周囲を改めて見渡してみた。周囲は凄まじいどころの話ではなく、当たりの地形が全て一変してしまっていたのだ。だが、時は待つことを知らない。ほどなくして新たな刺客を送り込んできたのだ。

「…………」

 何の前触れもなく現れた少女、年齢は桜達よりは少し年上だと思える、大人びた印象の強い紅い長髪の少女だった。だが、この少女には、先程戦った鷯や、鸞の様な翼が生えていた。尤も翼の柄や生え方は、火の鳥『朱雀』を彷彿とさせる神々しい翼だったが……。

「連戦は少々キツイわね……。」

「でもコイツやる気だろ? それなら潰すしかないんじゃないか?」

「……だな。コイツは他の連中とは違い過ぎる……!!」

――『紅燕 スワロー・アークス』

 メテオの言葉を遮る様に、紅い瞳を覗かせ技を仕掛けてきた。両手を何気なく交差させ、紅い線を創り出した途端、その箇所から紅い燕の様な燃え盛る鳥が、桜達目掛けて飛来してきた。

 しかし桜達も疲弊しているとは言え、疲れの欠片も見せない素早い身のこなしを見せ、その場から飛び退いた。

「……いきなりやってくれるな。見た目に合わず冷酷な事してくれるぜ……」

「綺麗な薔薇には棘がある……正にこの事ね。」

 変な冷や汗をかきながら呟く桜と爽。それに対しメテオは紅い髪の少女に、ある紅髪の少年の姿を重ねていた。

(まさかとは思うが……アイツもそういや紅髪だったな……。こりゃ、ひょっとするとひょっとするかも……な。)

 そう考え、身構えた瞬間、瞬く間に少女の姿が消えてしまった。直感を信じたメテオは、即座に身を翻し、反射的に自分の背後に回し蹴りを打ち込んだ。そうすると、片手でメテオの蹴りを受け止めた無表情の少女が居た。

「やっぱりか……お前、魔法じゃないみたいだが、『音速移動』が可能なんだな。」

「……!! は、速いっ!?」

「おいおい……いったい何をどうすりゃ、そんな事が出来るんだよ?」

 桜と爽は半分驚き、半分呆然とでも言いたげな態度をとった。だが、この少女は……

「――貴方達をここで……止めて見せます。」

 その時、彼等の背後に二つの影が差した……。

64彗斗:2013/07/13(土) 23:33:54 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第三十一乃呪印 トライアングル・バトル!

 桜と爽は自分に伸びる影を見て、後ろを振り返った。するとそこには、先程倒した筈である鷯と鸞の二人が上から見下ろしていた。

「お前達をどうしてでも……」

「慧様に合わせる訳にはいかない。」

 そう言った二人は瞬時に消え、桜の隣に鷯、爽の隣に鸞が立っていた。

「俺と桜で、コイツ等とダブルバトルかよ……っ!!」

 そう言った直後、背後から紅い燕が襲い掛かって来た。その群れを辛くも回避した桜達に向かって、先程襲って来た彼女が呟く。

「私もいるわよ? と言う事は……トライアングル・バトルね?」

 トライアングル・バトル……それは文字通り三人一組で布陣を組み、戦闘を行う形式の事だ。布陣の形は自由で、相手を殺さない程度ならば、何をしても良いと言う問答無用のルールである。勿論、三人一組の戦いなのでチームワークが一番だが、『ダブルバトル』よりもより緻密で、より戦略的な戦いを求められる事になるのだ。

 だが、相手は人間一人で、自分の思い通りに動かせる人形二人の様なものだが……。

――『連携妙技 コンビネーション・ウイング』!!

 開始早々、桜と爽にいきなり大竜巻で仕掛けてきた鷯と鸞は、メテオと引き離す目的でいるようだ。しかし、彼等より数枚上手だったのはメテオだけではない。

「私達を誰だと思ってそんな真似してるのかしら?」

「……あぁ、誰かってこの世界の巫女と……魔法使いだからな!!」

 その瞬間、紅い炎と白い閃光が竜巻を突き破り、風の塔とも呼べる竜巻を崩した。桜は片手に陰陽印の札を持ち、爽は片手に羅聖印が刻まれた物を片手に持ち、戦闘に備える。

――この瞬間、戦いの火蓋は切って落とされた。

65彗斗:2013/07/20(土) 22:47:50 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第三十二乃呪印 地下に立ち込める暗雲

 此処は、全く陽の光が差す事の無い場所。陽の光が差さないのなら当然の事だが、陽の光に当たる者が訪れる訳も無い。だがこのような辺鄙過ぎる場所にも、それなりに立派で豪勢な屋敷が佇んでいた。そして、その来客も無い筈の屋敷の玄関の前で、一生懸命に箒を振るっている朽葉色の長い髪をした少女が一人いた。

「……最近地上が騒がしいと思えば急に静かになって……何が起こってるのやら。」

「おい紅葉。これだけ騒がしかったら姫様達が起きる。お前も手伝ってくれ。」

 一人呟いた事など知った事ではないかのように、門の中から音も無く『紅葉』と呼ばれた彼女の背後に現れた少年は彼等にしか理解できない事を言った。その言葉を聞き、思い出した様に口を小さく開けた少女は、応答の言葉を返した。

「あ、それもそうね。それじゃ鏈士、後から行くから先に行っておいて。」

 適当な事を言って『鏈士』と呼ばれた少年の手堅い追及をかわし、遠くに追いやった後、門の片隅に凭れた。
 
 その時、妙に熱を帯びた風が吹き、少女はその方に透き通った朽葉色の瞳を向けた。

「『天昇明鳥 朱雀』……貴方もここにいたのね」

「当たり前だ。私はお前の召喚獣だぞ? それにこの地下から出ることは出来ない。それは鏈士の召喚獣、『閃轟地獣 白虎』も同じだ。」

 その声を聞くなり、彼女はうんざりとした表情で前に歩を進め、門の壁に留まっている朱雀に向き直った。

「……で、アンタは私達の主が怖いの?」

「そりゃあ、こんな風貌(なり)をしていても怖い物は怖い。何たって彼女達は俺達『四召喚獣」を封印した人間……いや、地帝人なんだからな。」

 地帝人……それは遥か昔に潰(つい)えた種族と認知されている。彼等は高い戦闘術式を有し、知能戦でも地上の人間よりも勝っていたと伝えられている。だが自閉的で、積極的に他の種族と関わろうとはしない。性格も非常に温厚で、争いを起こしたりもしないと言った特徴があるが……彼女達の言っている『姫様達』と呼ばれる地帝人は違った。

 『耀金姫(ようきんひ)』と『煌銀姫(こうぎんひ)』。彼女達はそう呼ばれている。地帝人最後の生き残りで、地帝人の力の全てを集めた程の力を有する姉妹だ。強すぎる力がこの世界に影響を与える事を恐れ、彼女達は自らの意思で永い眠りについた。そして幾万年、幾億年経ったか分からない現在、その耀金姫と煌銀姫が目覚めようとしていた……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 此処は巨大な屋敷の中庭。ここに先程鏈士と呼ばれた少年が立っていた。

「……呪界解放。」

 そう言った途端、紫の炎を纏った拳の一撃で地面を砕き宙を舞わせた。そして、クルリと一回だけ回った後、放物線の様な起動で足を振り上げた。

――『暗面刀 雫疾』

 よく見ると静かに持ち上げられた少年の足の裏に、鋭利な刃物が飛び出していた。

「……そろそろ目を覚ましてください。いい加減にしないと……切り刻みますよ?」

「怖い怖い。それなら早く起きましょうかね。」

「そんな物騒な事を口走らなくても、私は起きるつもりだったのですが……。」

 何もうつさない黒い空間から、ゆったりと降りてきた二人の少女。上辺だけで感情の籠っていない物の言い方をしている金髪の少女は何処か不満げに少年を見た。一方で素直で従順そうな少女は優しげに少年に語り掛けた。

「ご苦労さまでした。色々苦労を掛けてしまったようですね。」

「そのような事はありません。今しばらくお待ちいただければ紅葉も姿を現す筈でございます。」

「私ならもういるわよ。」

 いきなり気配の無かったはずの場所から、紅葉と呼ばれた先程の少女が顔を出した。その顔を見て、妹は胸を撫で下ろすような溜息を一つ吐いた。

「いるのなら早く言えばいいのに……どうしたんですか?」

「いやぁ……ちょっと準備に手間取っちゃいまして……」

 しどろもどろに呟く紅葉を見て、呆れた様にため息を吐く姉。そして呆れかえった表情を浮かべ、口を開いた。

「それならもうちょっと早く準備しておきなさい。まぁ準備する量が多いから仕方ないけど。」

「まぁ……紅葉もわざとではありません。そこまで咎めないでやってください。」

 庇うような言い方をして、主の注意を逸らした鏈士は、別の話題を切り出した。

「それで……巫女が何やら地上で騒いでいる様ですが……」

「あぁ、まだ放っておいていいんじゃない? 今は天人族のお相手に忙しいみたいだし」

 適当である事が見え見えな回答をした後、ニヤッと笑った。

「……でも、彼女を休ませる気はないし、本気で潰す気もないわ。」

66彗斗:2013/07/23(火) 23:30:11 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第三十二乃呪印 流星VS炎鳥!

――『炎舞 ヘルブレイズ・ムーヴ』

 少女は自分の顔の前で、両手を交差させ、高く掲げた後、紅く揺らめく炎を両手に灯した。そして拳を形作り、メテオにそれを向けた。

「……私を止める者は何もない。戦う事が私であるなら……私は慧の想いに報いる!!」

 そして猪突猛進の勢いで直進し、メテオの顔面に一撃を叩きこもうとした。しかし、メテオもそこまで反応が遅れるような者ではない。片手で拳を受け止め、両手の攻撃を捌いていく。

「……ん? こ、コイツは……!?」

 そして何十発もの拳を受け止めていた時、メテオの手に異変が起こっていた。先程まで何ともなかった筈の受け止めた手から、紅い液体が滴り落ちてきたのだ。だが、その液体が血と気が付く前に両手を引き、手を見てみた。

――そこには赤く焼け爛れ、血が滲んでいる両手があった。

 愕然としているメテオを見て、クスクスと小さい笑い声を上げている少女は言った。

「フフッ。私の能力は『音速移動』と『煉炎の魂』。私は炎を操る能力ではないの……本当は『炎』じゃなく『感情の波』を炎にして具現化させているだけなの。だから水では消えないわ。」

「おいおい……広い世界には奇妙な能力を持ってる奴もいる物だな。……ま、俺が言えた義理じゃねぇな。」

 メテオは噴き出した冷や汗を拭い去った後、両手に蒼い炎を灯し、その炎を消す要領で、思いっ切り交差させながら振り下ろした。すると蒼い炎は消え、その両手は焼け爛れる前の姿に戻っていたのだ。

「俺も同じような力も使えない事も無いしな。」

「あら、初めてこの能力を見た人は、大体驚くわよ? 面白くないわね。」

 つまらなさそうにそう言った少女は、全身に炎を纏い衝撃波を発生させた。すると彼女の背中には、炎のみで形成された羽が六枚も生えていた。

「生憎私は『鳳凰』や『朱雀』とは違うわ。私は私の中にある動物を住まわせてる……」

 そう言った時、彼女は胸の前で三角形の隙間になる様に指を合わせた。そしてその隙間は彼女の服の色ではなく黒い空間だった。

――『炎輝心物 カゲロウ』

 筋骨隆々とした強靭な四肢に、王者の風格を漂わせる勇壮な鬣。そして凶悪さを感じさせるまでに、鋭く頑丈に伸びた鋭牙と剛爪。そう、誰がどう見ても間違いなく彼女が呼び出した心物と呼ばれる想像の産物は……『化物』そのものを指す存在だった。

67はじめてのネット:2013/07/27(土) 20:55:04 HOST:zaq31fa4ab4.zaq.ne.jp
      【先週パソコン購入しました。】


はじめまして(^−^)ネット初心者です
新参者では御座いますが何卒宜しくお願い致します
この文打ち込むのに一時間近くかかりました(*^_^*)☆☆
先週、あ、い、う、え、お、さえもろくに打ち込めない状態でしたが
家族に教わってやっとこさできたって感じです


それでは早速本題に入らせて頂きます♪♪
インターネットというのは凄いものですね〜正直感動です♪


(^−^)
現在の私の心境・・清水の舞台から飛び降りた気分です♪☆☆はい
ま、今回は清水の舞台でしたので、次回は吉本の舞台から飛び降りようと思います♪
これはほんの軽いジョークです(*^_^*)






鉄拳のお話ですか・・?いいですね〜

というわけで早速ですが、現在好評稼働中の鉄拳TAG2(タッグトーナメント基礎講座)
をお送り致します。文に一部誤りが御座いますがご了承下さい。
あまり慣れていないので上手く話せるかどうか分かりません。

       【格ゲーの魅力を語るスレ】

何の対戦格闘ゲームでもいえる事ですが、
2択攻め、3択攻めという戦法があります。
コンボ(攻め)、様子見、ガード、投げ、返し技、などの何選かで迫ります。
基本は3択ですが、つかみ技、および、当て身投げを加えると5択になります。
ワンパターンだと相手に見切られてしまいます。
相手がどう出るかによって行うべき行動が変わってきます。
対戦中は、どれが来るか分からない状態です。

だからこそ格ゲーは伝統となり、今現在でも奥が深いと言われています。
技のバリエーションが豊富、選択肢が豊富、
バリエーションが乏しいゲームと比べると、格ゲーは非常にバリエーションが豊富であります。




私の戦法
個人的な戦法です。事前に複数のパターンを考えておきます。

・相手が様子見をしていた場合いは、こちらも様子見をする
・相手があまりにガードばかりしてて攻撃してこないようだったら投げ技、つかみ技を仕掛ける事もある


昔とは異なり、技のバリエーションが乏しいゲームよりも
バリエーションが豊富な格ゲーをやりたい
近年はそういったゲーマーが増えてきてるらしいですね

68はじめてのネット:2013/07/27(土) 21:05:56 HOST:zaq31fa4ab4.zaq.ne.jp
以前、SVSカオス『SNK VS CAPCOM』というのがありました
投げ技時に空振りモーションが発生するとゲージ1レベル分が無駄になってしまうという
恐ろしいシステムがありました

技のゲージというのがあって
通常技および必殺技を繰り出す事によって下のゲージがどんどん溜まっていきます
技が溜まると必殺技を更に凌駕した超必殺が使用可能となります

何とSVCカオスでは、このゲージが減ってしまうというシステムがありました。
通常の投げ技を繰り出す際に、成功すれば投げモーションへと移行していきますが
ミスると空振って終わりになるだけでなく
ゲージが少しずつ減少していってしまうのであります

だいたい4回くらい1ゲージ減少するので
せっかくゲージが溜まっていても全部なくなってしまいます
だから空振りは極力、避けたかったです

というわけで、恐ろしかったです。

69はじめてのネット:2013/07/27(土) 21:07:29 HOST:zaq31fa4ab4.zaq.ne.jp
新参者ですみませんね〜

70彗斗:2013/07/28(日) 05:25:26 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第三十三乃呪印 狼獅と流星と炎鳥と……

 その狼とも獅子とも似つかない化物は、メテオを眼中に捉えた瞬間、口を大きく開き、細く紅い閃光を放った。その速度はかなりのもので、メテオの移動スピードの二倍は軽く超えているかもしれないと思えるスピードだった。

 それでもメテオは何とか避けきり、紅い光線が地に消えた着弾地点を見た。すると……。

――緑に覆われていた地が紅く、そして熱を持った炎に焼き尽くされていた。

「……ほぉ、威力とスピードは一級品って訳か。」

「フフッ、流石ね。そうこなくっちゃ面白くないわ。」

――『炎技 エリオーネ・ディ・テンペスタ』

 その呪文を唱えた直後、紅い魔法陣が出現し、彼女はその中に飛び込んだ。すると彼女の両手足に、炎の鎧が纏わりついていた。と、ここで思い出したかの様に彼女は口を開く。

「そう言えば私はまだ名乗ってなかったわね。私は『羽岸 焔』。貴方の名前は?」

「俺の名前は『ブルメテウス=メテオ』! お前程度のスピードじゃ、時空を飛び越える俺のスピードには追いつけないぜ!!」

 そう言って大胆不敵に笑ったメテオは、焔を指さし付け足してこう言った。

「お前に走ってる俺の姿が見えるか? 流星の本気、見せてやる!」

71彗斗:2013/08/01(木) 01:54:16 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第三十四乃呪印 その翼は闇を切り裂き……

 彼女に悔いなど無かった。彼の為に全てを捧げる覚悟で、これまで彼に仕えてきたのだから。キット今の彼女であれば、彼を護るその為だけに――自らの命すらも投げ売ってしまうだろう。陽の落ちない世界で出会った彼女の主は、陽の光を嫌った。何もかもを焼き尽くかの様に、広い広いこの大地に光を投げかける。そして……彼女の主は陽の落ちない世界に『夜』を作った。

『落ちない陽などあるものか。陽が落ちないのなら、こちらから落としにかかる気勢ぐらいなくてはならないだろう?』

 あぁ確かにそうだ。仮に目の前にいる物が、自分より遥かに大きな力を持つ神や仏だとしても、それを倒す勢いが無ければ勝てる勝負も勝てはしない。それについては、焔自身がよく熟知していた。

――彼を倒さなければ全てが水の泡である。

 その事が、唯々彼女の心に重く圧し掛かっていた。仙人族である慧は、天人族である焔達を手足の様に操る事が出来る。それこそが、天人族の一つ上を行く、彼の一番の強みだった。

「私は……私は……」

「甘いぜ! そんなモンじゃ俺を捉える事はおろか、見ることだって出来ねぇぜ!!」

 まるで風と同体化しているかの様に、メテオの声が四方から聞こえてくる。だが、圧倒的なスピードを前にしても、決して彼女は動かない。付け入る隙を伺い、彼の行動パターンを頭に入れていた。

(彼の行動パターンは……右、上、左、下のローテーション式。そして……)

 そんなパターンを読んでいるなど露も知らないメテオは、改心の笑みを浮かべて真正面に現れた。その時ある事を考えつく。

(攻撃する時のみは……相手の真正面を取る癖がある!!)

 メテオが魔法陣を組み、展開する前に、もう焔はカゲロウに光線を発射させる指令を下していた。そして……

――彼の会心の笑みは恐怖に歪んだ顔へと変貌し、それを包み込み爆ぜた。

72心愛:2013/08/01(木) 12:44:58 HOST:zaq31fa484c.zaq.ne.jp
    [ピーチでギャンブルしませんか。]

ところでピーチさんゲームしませんか。
ギャンブルです。

当方は博打専門です。
と言っても、一般的な賭け事は致しません。

皆さん動物園は御存じですよね〜。
もしピーチさんが肉食動物(主に虎など)と一夜を共にしたらどうなるか・・
という実験を行いたいんです。
もしピーチさんをオリの中に入れたらどうなるでしょう・・?

ピーチさんは食われるか、それとも食われずに済むか・・?
二つに一つです。

今回はそれを賭けのテーマにしようと思います

『食われるに決まってるだろう』とおっしゃる方もおられると思いますが、
必ずしもそうなるとは限りません。確かに野生ならそれも考えられます。
しかし動物園の動物は野生ではありません。

ちゃんと、しつけ、教育をされてる動物なので
善、悪の区別はちゃんとついてると思います。

難しいところです。

私は、食われないほうに200円 賭けます。
皆さんは『食われない』ほうに賭けて下さい。

もしピーチさんが肉食動物に食べられるような事があったら
私も潔く負けを認め、200円を投げだします。

ただし、食べられずに済んだら
貴方達から200円を頂戴致しますのでご了承下さい。

ピーチさんのアソコのお肉を御堪能下さいませ

73心愛:2013/08/01(木) 13:05:03 HOST:zaq31fa484c.zaq.ne.jp
ピーチさんと
さよならするのはツライけど
寿命なので仕方ないです。

次回は『負け犬ピーチ』をお送り致します。

74名無しさん:2015/09/09(水) 21:25:19 HOST:google-proxy-66-249-82-170.google.com[ai126249011086.22.access-internet.ne.jp]
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