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界螺旋聖・遠方見聞録
40
:
彗斗
:2013/03/18(月) 14:18:30 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
十八乃呪印 吹き荒れる大空の中で
「――烈風刃 カマイタチ」
「っ! ――黒霧斬慄奏!!」
対戦開始とほぼ同時、ニ種類の発射物が飛び交う対戦になった。飛び交っている物は、白銀に光るナイフと、ほぼ見えないに等しい風の刃である。互いに一歩も譲らない大接戦……桜はドームの外からジッとその戦いを見ていた。
「爽、アンタそんな戦い方だったかしら? 私と戦う時の勢いは何処へやら……」
「うるせー! 俺には俺なりの考えがあるんだよ! 桜は黙って見てな!!」
爽は桜の発言を一蹴した後、空中を高速で旋回し始めた。彼女の動きに合わせて彪華も速度を上げ、風の刃を雨霰の如く連続で発射して来る……正直な所、メテオも雨霰の如く発射して来る風の刃を避け切る自身は無かった。寧ろ避け切った方が奇跡と呼ぶに相応しい力を持ってると思うほどの物量だった……
「……ギリギリだろ。絶対当たったら命は無いぞ……」
「そうね、でもまぁ尤もな話だけど……彪華の放つアレに当たれば、人間なら魚みたいな三枚下ろしは確定ね……」
「それこそ恐ろしい話だぞ!? 何でそんな奴の相手を爽にしたんだよ?!」
桜は至って平静を装っているかの様にメテオの顔を覗きこんだ後、小さい子に説教する様な口調で返答した。
「いい? 私達は人間だけど超能力者よ? そこいら辺りで大量に湧く妖精なんかに負ける程の柔じゃないわよ!!」
メテオはなるほど……と納得してしまっている自分がいる事を、時間差で自ら悟った。そしてその時……メテオはある事を思い出した!
(それを紫室 爽に……渡して下さい。頼みましたよ……)
メテオは桜に気付かれないようにそっと懐から取り出し、託されたものをジッと見る。馨と名乗る人物から託されたある物……それは見ての通り、メテオには無意味なものにしか見えなかった。だが彼女が爽を名指しで渡すように言ったのなら何かの意図があるのではないか……そう考えた時、メテオはこう叫んだ。
「爽!! コイツを受け取りなっ!!」
その後、半透明のドームの中に羅聖印が刻まれた六角柱状のモノを爽に向って投げつけた。それを見て片手で受け止めた爽はある事に気がつく。
――羅聖印が白く点滅している……!!
(コイツはひょっとするとひょっとするかもしれないぜ……!! いっちょ試してみる価値がありそうだぜ…!!)
その時、彪華が真正面を陣取り、必殺技を仕掛けて来た!
「――激風 バースト・ウインド!」
「甘いぜ!」
風によって作られた衝撃波を掻い潜り、爽はドームの頂上まで飛んだ。そして彪華が下にいる事を目で確認してから、ある言葉を口にする。
「呪印解放……」
呪印解放……それは最終奥義である『呪印』を使用する際に行う一種の宣言の様な物である。これを聞いて驚いたのは桜だ。
「呪印解放!? 爽、アンタはまだ使えないんじゃ……!!」
「いいや、ここはアイツに賭けてみよう。ひょっとしたら……出来るかも知れない!」
メテオはドームの外から爽の行動をすぐに読み解いていた。受け取った時のあの顔、受け取った直後のあの行動……間違い無い。
――爽の呪印は必ず、必ず成功する。
「っ! ……呪印解放……」
彪華も爽の声を聞いて呪印を解放する宣言を出したが……もうその時には遅かった。
――羅聖印を太陽に掲げていた彼女の掌には白く輝く一枚の札が握られていたのだ……
「『旋風呪印 風神・叢雲』!!」
爽は呪印の名を叫んだ後に、天に掲げていた一枚の札を地に向って振り下ろした……すると……
――轟音と途轍もない衝撃波を伴った巨大な砲撃が彪華めがけて一直線に放たれた……!!
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