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界螺旋聖・遠方見聞録

66彗斗:2013/07/23(火) 23:30:11 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第三十二乃呪印 流星VS炎鳥!

――『炎舞 ヘルブレイズ・ムーヴ』

 少女は自分の顔の前で、両手を交差させ、高く掲げた後、紅く揺らめく炎を両手に灯した。そして拳を形作り、メテオにそれを向けた。

「……私を止める者は何もない。戦う事が私であるなら……私は慧の想いに報いる!!」

 そして猪突猛進の勢いで直進し、メテオの顔面に一撃を叩きこもうとした。しかし、メテオもそこまで反応が遅れるような者ではない。片手で拳を受け止め、両手の攻撃を捌いていく。

「……ん? こ、コイツは……!?」

 そして何十発もの拳を受け止めていた時、メテオの手に異変が起こっていた。先程まで何ともなかった筈の受け止めた手から、紅い液体が滴り落ちてきたのだ。だが、その液体が血と気が付く前に両手を引き、手を見てみた。

――そこには赤く焼け爛れ、血が滲んでいる両手があった。

 愕然としているメテオを見て、クスクスと小さい笑い声を上げている少女は言った。

「フフッ。私の能力は『音速移動』と『煉炎の魂』。私は炎を操る能力ではないの……本当は『炎』じゃなく『感情の波』を炎にして具現化させているだけなの。だから水では消えないわ。」

「おいおい……広い世界には奇妙な能力を持ってる奴もいる物だな。……ま、俺が言えた義理じゃねぇな。」

 メテオは噴き出した冷や汗を拭い去った後、両手に蒼い炎を灯し、その炎を消す要領で、思いっ切り交差させながら振り下ろした。すると蒼い炎は消え、その両手は焼け爛れる前の姿に戻っていたのだ。

「俺も同じような力も使えない事も無いしな。」

「あら、初めてこの能力を見た人は、大体驚くわよ? 面白くないわね。」

 つまらなさそうにそう言った少女は、全身に炎を纏い衝撃波を発生させた。すると彼女の背中には、炎のみで形成された羽が六枚も生えていた。

「生憎私は『鳳凰』や『朱雀』とは違うわ。私は私の中にある動物を住まわせてる……」

 そう言った時、彼女は胸の前で三角形の隙間になる様に指を合わせた。そしてその隙間は彼女の服の色ではなく黒い空間だった。

――『炎輝心物 カゲロウ』

 筋骨隆々とした強靭な四肢に、王者の風格を漂わせる勇壮な鬣。そして凶悪さを感じさせるまでに、鋭く頑丈に伸びた鋭牙と剛爪。そう、誰がどう見ても間違いなく彼女が呼び出した心物と呼ばれる想像の産物は……『化物』そのものを指す存在だった。


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