したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

界螺旋聖・遠方見聞録

50彗斗:2013/06/26(水) 21:32:17 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第二十四乃呪印 別行動

「……メテオさん。大丈夫なんでしょうか?」

 穹は先程からずっと、心配そうに桜と爽に尋ねている。一方の桜と爽は何一つ返事せずに、黙々と気絶している人物達の手当てをしていた。

「ちょっと桜さん、爽さん!? ちゃんと聞いてまs……」

「そう激情する事は無いだろう。桜達はメテオを信じているからこそ、冷静でいられるんだ。お前ももう少し奴を信用したらどうだ。」

 隣からいきなり止めに入った少年――響の一声に、返す言葉を失う穹。尤もな話であり、彼等以外に頼れる者などどこにもいない。穹は、そう言ってる響の言葉に、一理あると感じた。作戦を確認し、メテオのみが囮となり、こちらの戦力を回復させ、一気に周囲を取り囲む……。これがメテオの提示した作戦だった。これでなければ、他に勝てる見込みは無いのだ。

(お願い……どうか無事でいて。メテオ……。)

 と桜がメテオの身を案じている時、その時、彪華が目を覚ました。縹色の瞳をゆっくりと開け、頭を抑えながらムクッと起き上った。

「ってて……。ん? どーして私はこんな所に……? たしかルーズちゃん達と遊んでて……!! ルーズちゃん!? サイスちゃん!? ヘルズちゃん!? みんなどこ行ったの!?」

 彪華は、バッといきなり何かを思い出したかのように起き上った。その後、何かを探すようにキョロキョロとその周辺で何かを探し始めた。その様子を訝しんだ爽が、桜に耳打ちをした。

「おいおい……さっきまで俺を殺す気満々だった奴がこの様子だぜ? 何か裏があると思わないか?」

「……確かにそうね。これもあのケイとかいう奴の仕業なのかしら?」

 不思議そうに首を傾ける桜と爽。彪華の仕草からは、何の悪意も殺気も感じられない。まるで先程の彪華が嘘みたいに消えてしまっているのだ……。流石にこの原因を解明しない訳にはいかない桜は、必死に思考回路を使い、あらゆる憶測をたてていく。

(この仕草は、彪華が猫を被っている様には見えないし、私達を騙そうとしている仕草じゃない……。不気味な話だけど、さっきの彪華とは違って、いつも通りの彪華になってるのよね……。)

 疑いの余地は、幾らでもあるのだが、状況が悪過ぎる。そう考えた桜は彪華に声をかけてみた。

「ねぇ、彪華? 彪華は何処からの記憶が無くなってるの?」

「え? う〜んとねぇ〜……。」

 そう言った後、彪華は暫く沈黙を続け……ふと思い出した様に口を開いた。

「そーだ! 皆でかくれんぼしてる時にフ〜って意識が何処かに飛んで行って……そこからの記憶が無くなってる。」

 その言葉を聞いた時、桜の口元に変化があった。

――口元がニヤッと笑ったのだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板