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界螺旋聖・遠方見聞録
59
:
彗斗
:2013/07/09(火) 04:06:55 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第二十九乃呪印 幻惑する月の使徒、煉獄紅蓮の翼、来襲
「……響、穹に鸞、鷯。お前達のする事は分かっていた。残念だったな……」
少々見下した様な口調で、呟く白月色の髪を持った少年。彼――月代 慧は、ジッと離れた場所から爆発を眺めていた。穹や響、鷯、鸞の瞳は輝きを失い、その身動きからも動物的なものは感じられない。
「……羽岸 焔(はぎし ほむら)。此方に来い。」
「慧様……一体何用でございましょうか?」
音も無く隣に現れた紅い長髪の少女『羽岸 焔』は、慧に指示された内容を聞き、少し驚いた顔をした。
「何と……!? 私に彼等の始末を……!?」
「今頼れる奴はお前の他は居ない。確かに、お前は戦闘には不向きなのは知っている。『戦炎の翼』の能力は実を言うと使ってほしくなかったが……許してくれ。」
戦炎の翼…それは天人一族のほんの一部の種族にのみ、宿るとされている仙人も知る事の無い能力。しかし、この能力が、同じ能力者よりも強く現れている彼女は、自らまた慧からも戦う事を禁じられていた。だが慧は危険を承知で、彼女に賭けてみる事にしたのだ。
「……分かりました。慧様の期待に必ず、応えてみます。」
「……すまない。」
短くそう言ったきり、慧は目を伏せて押し黙ってしまった。後ろめたそうに焔は飛び去ってしまった。彼女の意思は望んでいない。だが、仕方が無かった……そう言い聞かせたが、やはり割り切れなかった。その時、ある事を思いついた。
「……鷯、鸞。お前達も加勢して戦え。」
操られている人形の様に、コクリと頷いた二人は、焔の後を追って飛び立っていった。
「……『煉獄紅蓮の翼』。戦う事に不向きな焔にはどうしてそのような二つ名が……?」
この時、彼女も彼もまだ知らなかった。『戦炎の翼』の本当の能力を……。
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