プーチン政権にとって、旅客機爆破事件より都合の悪いニュースが持ち上がっていたからだ。ドイツのテレビ局が暴いた、ロシアの陸上競技界を挙げたドーピング問題が、蜂の巣をつついたような騒ぎになり出した。最大の金メダルを誇るアジアのスポーツ大国はどうか、といった疑問はさて置き、スポーツを国威発揚の手段としていたプーチン政権にとっては、「Stab in the back」の事態だった。
ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシ(Tbilisi)にあるトビリシ国立大学(Tbilisi State University)で国際関係論を専門とするセルギ・カパナーゼ(Sergi Kapanadze)教授によると、「ナゴルノカラバフの紛争は地政学上大きな影響を与える」という。
カパナーゼ教授は今回の戦闘激化により、「欧州がロシアへのエネルギー依存を下げるため、カスピ海(Caspian Sea)の石油や天然ガスをロシアを迂回して欧州に送る輸送ルートに位置する、戦略的に重要な同地域の安定が脅かされる」と指摘している。(c)AFP/Karen MINASIAN with Emil GULIYEV in Baku and Mariam HARUTYUNYAN in Yerevan
① カスピ海シャハ・デニーズ(Shah Deniz)海洋鉱区第2段階プロジェクト:
?シャハ・デニーズ海洋鉱区では、2006年末に天然ガス生産を開始。第1段階の天然ガスは南コーカサスP/L(SCP)にて、ジョージアとトルコに輸出されている。同海洋鉱区第2段階に関して、コンソーシアムは2013年12月17日、最終投資決定(FID)を発表した。