*3) 国際エネルギー機関(IEA)が発表した「2015 Key World Energy Statistics」による数値。
*4) 同国は電力源の種類ごとの目標は定めていない。さらに州ごとに2020年時点の目標が異なる。ビクトリア州(人口560万人)は20%、サウスオーストラリア州(人口170万人)は50%、北海道より一回り小さな島からなるタスマニア州(人口50万人)は100%だ。
2014年までに立ち上がった太陽光発電の規模は約3GW(図3)。これを2022年までに100GWまで伸ばす。いわゆる大規模太陽光発電所で60GW、住宅の屋根などで40GWだ。これらの太陽光発電設備がインドの気象条件下で稼働した場合、インドの全発電量の10.5%(約1000億kWh)を担う計算になるという。インドの大手太陽光発電企業であるVikram Solaraが発表したIndia solar handbook 2015によれば、今後3年でインドを世界最大の太陽光市場の1つに育てる目標があるのだという。
*1) 政府系の地域送電会社Tantransco(Tamil Nadu Transmission)の40万ボルト送電ラインと接続した。
*2) 複数段階の計画により、完成後に規模を拡大した太陽光発電所を含めた場合、最も出力が大きいのは中国青海省海南チベット族自治州貴南県に位置する龍羊峡ダム太陽光発電所(Longyangxia Dam Solar Park)だ。第一期の出力320MWと2015年末に完成した第二期の出力530MWを合計すると850MWとなる。黄河にかかる水力発電ダムから得た電力と、太陽光発電から得た電力を組み合わせて出力の安定性を高めるという特徴がある。
China 18.0(GW)
USA 16.0
Japan 10.0
India 5.4
UK 1.4
Germany 1.4
…
図2 2016年における国別太陽光発電導入量(推定値) 出典:INDIA SOLAR HANDBOOK 2016
具体的な太陽光発電の導入計画は、インド中央政府ではなく各州が主導権をもって組み立てている。
このような州政府の計画に複数の企業が追従している。例えばAdani Green Energyを擁するAdani Groupだ。Adani Groupは2015年6月、今回の太陽光発電所についてタミルナードゥ州と契約を締結、同時に今後の計画を発表している。2022年までに10GWの太陽光発電所を完成させることが目標だ。
計画発表時には、インド国内で最も太陽光発電に積極的なインド北西部のラジャスターン州内での事業計画も明らかにした。同州と折半出資で合弁企業Adani Renewable Energy Park Rajasthanを形成、合計5GWの太陽光発電所を立ち上げる。
全エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合を定めた。2009年10月、インド首相を中心とする委員会National Action Plan on Climate Changeは、2010年までに再生可能エネルギーの比率を5%に高め、その後10年間、毎年1ポイントずつ比率を上げていくという目標を打ち出した。
2010年1月には、2008年のJawaharlal Nehru National Solar Mission計画を修正した政策も打ち出した。累計量が20GWに達する期限を2年遅らせて第13次5カ年計画(2017〜2022年)と合わせた他、2022年までを3つのフェーズ(2010〜2013年、2013〜2017年、2017〜2022年)に区分して、3種類の太陽光発電の方式ごとに目標を定めた。3種類の方式とは、集光型太陽光発電と系統独立型、系統に連携した住宅の屋根置き型とメガソーラーである。