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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

2338とはずがたり:2016/08/26(金) 13:00:41
インドと日本は「似ている」

 ここまで紹介したインドの電力事情は日本とは大きく異なる。しかし、総発電量や太陽光発電の目標量などを比較すると両国はよく似ている。

 世界各国の年間発電量を上位から分類すると、中国(5.4億kWh)、米国(4.3億kWh)というトップグループに続いて、インド、ロシア、日本(それぞれ約1億kWh)、その後5000〜6000万kWh程度の国が5カ国並ぶ。

 インドは石炭に頼り切っているものの、発電量に占める化石燃料の比率は日本の方が高い(図5)。石炭の輸入量が多い世界上位4カ国は、中国、インド、日本、韓国だ。いずれも年間1億トンを超えている。

 再生可能エネルギーの導入量は日本よりもインドの方が多い*6)。現時点では、インドは風力、日本は太陽光に強みがある。2030年の太陽光発電導入量は両国とも100GWを目標値としている。

*6) 2015年12月末時点で、インドの電力に占める再生可能エネルギーの比率は13%。これは日本の水準を超えている。日本は2014年度の電力のうち、水力9.0%、地熱・新エネルギーで3.2%を得ている。

さらなるエネルギー危機を恐れるインド

 だが、日本とインドが似ているのはここまでだ。今後エネルギー需要が減少する日本とは異なり、インドが今後必要とするエネルギーの規模は膨大だ。世界全体のエネルギー消費量に占めるインドの比率は現在6%、これが2040年には世界の4分の1まで増える。2040年には、2014年と比較して、石油換算(Mtoe)にして年間10億トン以上のエネルギーが余分に必要になる(図6)。それでも1人当たりのエネルギー消費量は世界平均よりも40%少ないという。

 化石燃料だけに頼った政策を続けた場合、何が起こるかは明白だろう。そこで、化石燃料の増加を太陽光などで抑制する。

 図7は、2014年と2040年の世界のエネルギー需要の変化を図示したものだ。インド(赤色)を見ると、石炭の増加分は約8億トン(Mtce)、石油は約600万バレル/日(mb/d)。これはエネルギー需要だけでなく、製鉄などの工業需要も増えるためだ。

 太陽光発電は270TWh(2700億kWh)。太陽光発電だけで、現在の日本の年間発電料の3分の1近い量をまかなうことになる。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160513ITRPV_India3energy_590px.png
図7 インドが頼る3種類のエネルギー 出典:IEA(World Energy Outlook 2015)

先進国では家庭用電力を自力でまかなう

 インドの事例は電力が不足し、需要が拡大し続ける中、既存の発電方式とは異なる電力源を求める試みだ。化石燃料を輸入に頼る多数の途上国でもインドと似た取り組みが進んでいる。

 IEA(国際エネルギー機関)の統計によれば、今後、途上国(非OECD諸国)は石炭と再生可能エネルギーで電力需要の増加をまかなう傾向にあるという。

 先進国(OECD諸国)では事情が異なる。IEAによれば、2009年までの長年にわたり、全OECD諸国の発電量の合計値は右肩上がりの成長を続けた。それが2010年に止まる。現在に至るまでほぼ横ばいか、わずかに発電量が下がる傾向にある(図8)。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20160516ITRPV_OECD_590px.png
図8 先進国と途上国の電力需要の傾向 出典:IEA

 発電量が横ばいなら発電所の増設は必要ないのだろうか。OECD諸国にとって太陽光発電はどのような意味を持つのか。

 確かに増設は必要ない。だが、既存の電力源の置き換えが必要だ。国ごとに政策目標が異なるものの、最終的には化石燃料を一切使わない、100%再生可能エネルギーを目指す方向に進んでいる。


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