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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1272とはずがたり:2014/07/16(水) 14:11:27

山形県営メガソーラー 降雪期も標準供給量の8割超確保
http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/business/kahoku_K201407150A0EA0XX00004_221650.html
河北新報2014年7月15日(火)06:10

 山形県は昨年12月に稼働した東北初の県営大規模太陽光発電所(メガソーラー)の供給実績をまとめた。降雪期の2〜3月、東北電力に供給した電力量は計約15万キロワット時で、冬季の標準的な供給量の8割超を確保した。山形など豪雪地帯はパネルに雪が積もり、太陽光発電には向かないとも言われるが、県は「雪国でも十分やれる」と結果に自信を深めている。
 県企業局によると、2月の供給量は計5万7252キロワット時、3月は計9万4032キロワット時だった。降雪の影響を考慮せず、最大出力、平均日射量などから算出した同規模メガソーラーの標準的な供給量と比べ、2月は16.8%、3月は14.1%のマイナスにとどまった。
 2〜3月の59日間のうち、34日間(57.6%)はパネル上に積雪があり、発電効率が低下した。パネルが雪で完全に覆われ、全く発電できない日も5日間あった。
 だが、好天に恵まれた日に発電量を伸ばし、1日平均2564キロワット時の供給を確保した。3月24日は2カ月間で最大の7058キロワット時に達し、4月以降の最大7431キロワット時に匹敵する供給量だった。
 冬季に高効率の発電ができた要因の一つは、パネルの角度とみられる。県は一般的な30度に加え、やや急な40度のパネルを設置。1日平均の発電量を比べた結果、40度が30度を12%上回った。
 急角度の方がパネルに積もった雪が落ちやすく、発電効率の低下を抑えられた可能性がある。冬季は太陽が低く差し込むため、日射を受けやすかった面も考えられる。
 降雪期を過ぎた4〜6月の供給実績は計46万3330キロワット時で、標準的な供給量を35%上回った。2〜6月の総供給量も標準を18%上回り、計61万4614キロワット時となった。
 県は2030年までに県内の太陽光発電能力を現在の19倍、約30万キロワットに拡大するエネルギー戦略を推進する。普及には降雪期の発電効率の低下を抑える技術を確立し、民間企業の参入を促すことが課題となっている。
 県企業局は「降雪期で予想以上の供給量を確保でき、雪国の太陽光発電に手応えを感じる。来冬も検証を続け、民間企業が乗り出しやすい環境をつくりたい」と話す。

[山形県営太陽光発電所(メガソーラー)] 吉村美栄子知事が掲げる「卒原発」の一環で整備した東北初の県営メガソーラー。村山市の元県園芸試験場村山圃場に5億円をかけ、3種類4872枚のパネルを設置し、2013年12月に稼働した。最大出力1000キロワット。供給電力量は年間105万キロワット時で、一般家庭310世帯の消費量に相当する。

1273とはずがたり:2014/07/16(水) 15:03:13
●eL・パワー
事業主体:青森ポートリー
出力:1000kW=1MW
年間総発電量:832万2千キロワット時
2015年度に着工、18年度末の電力供給開始を目指す。
県南地方の養鶏業者約10社から年間5万㌧規模の鶏ふんの供給を受け、焼却灰を肥料として利用する

青森県南で鶏ふん活用し発電計画
http://news.goo.ne.jp/article/dtohoku/region/dtohoku-28724283.html
デーリー東北2014年7月9日(水)21:39

 養鶏業の青森ポートリー(階上町)の関連会社「eL・パワー」(同町・青野正太郎社長)が、青森県南地方に鶏ふんを活用するバイオマス発電施設の建設を計画していることが9日、分かった。発電出力は千キロワットで、年間総発電量は832万2千キロワット時を見込む。本年度中に建設地を選定し、2015年度に着工、18年度末の電力供給開始を目指す。
 事業は13年度から進めており、国の「農山漁村活性化再生可能エネルギー事業化推進事業」の補助金を活用する。鶏ふんは主に堆肥化して処理されるが、発電施設で燃料として活用することで、養鶏業の振興、雇用創出を目指す。
 県南地方の養鶏業者約10社から年間5万㌧規模の鶏ふんの供給を受け、焼却灰を肥料として利用する。
 9日には、同社で事業の推進委員会を開催。八戸工業大大学院の熊谷浩二教授や近隣自治体の担当者、養鶏業者ら約20人が出席し、毛利邦彦専務らが事業の進展状況や展望を説明した。
 毛利専務は取材に「発電施設で鶏ふんを焼却すれば、処理費用や悪臭軽減、減量につながる。住民の理解を求めながら、スピード感を持って事業を進めたい」と話した。(上條哲洋)【写真説明】事業について出席者に説明する毛利邦彦専務(左奥)=9日、階上町

1274とはずがたり:2014/07/17(木) 19:56:04
平成 23 年度
離島における再生可能エネルギー
導入に関する基礎調査
報 告 書
(概要)
平成 24 年 3 月
北海道開発局 開発調査課
http://www.hkd.mlit.go.jp/topics/toukei/chousa/h23keikaku/h23_004.pdf

1275とはずがたり:2014/07/17(木) 20:53:16
●霧島木質発電
出資者:九電工10%・鹿児島銀行グループ:47%・地域の企業で構成される霧島商工会議所グループ:43%
出力:5.75kW
着工:2014.7
完成予定:2015.3
総工費:約27億円
年間設備利用率:90.4%

鹿児島で木質バイオマス発電所起工−九電工出資、来年3月竣工へ
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/construction/20140715_01.html
2014/07/15 NEW

九電工が出資する木質バイオマス発電所(鹿児島県霧島市)の起工式が14日に行われた。出力は5750キロワットで、来週本格着工する。設備の完成予定は来年3月となっており、総工費は約27億円。年間の設備利用率は90.4%を見込んでいる。九電工が木質バイオマス発電事業に出資するのは初めて。今回は発電所の工事を担当するほか、保守・メンテナンスにも携わることで、長期間にわたって安定的な収益をあげられる。

SPC(特定目的会社)として設立された霧島木質発電(鹿児島県霧島市、西勇一社長)が事業を実施する。西社長は現在、霧島商工会議所の会頭を務めるなど、地元経済界で活躍している。霧島木質発電の出資比率は、鹿児島銀行グループが47%、地域の企業で構成される霧島商工会議所グループが43%、九電工が10%となっている。(9面)

1276とはずがたり:2014/07/17(木) 20:56:39
●ZEエナジー(バイオマス発電設備製造・販売)
規模:180kW
場所:小矢部市


木質バイオマス発電公開 小矢部でZEエナジー
https://webun.jp/
北日本新聞 (会員登録)-3 時間前共有

バイオマス発電設備製造・販売のZEエナジー(東京港区、松下康平社長)は17日、同社が開発した木質バイオマスガス ... 蒸気でタービンを回すタイプに比べ小型化できるのに加え、発電効率が高く、稼働時に発生するタールを低減できる。

ZEエナジー、林野庁補助事業で、180kWのバイオマス発電システムを開発
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2014/04/ze-9af0.html

 ZEエナジー(東京)は、平成25年度林野庁補助事業「木質バイオマス産業化促進事業」で、180kWのバイオマス発電システムを開発した。同社は、富山県小矢部市研究工場において、特許技術を搭載した木質ペレット・ウッドチップ・農業残さペレットに対応可能な実証機を完成、安定的な発電を確認したということです。
 今後はさらに、もみ殻ペレット・竹チップ・炭ペレットといった様々な燃料でのガス化、発電実験や排熱を利用したバイナリー発電、排熱利用乾燥機を設置し、生チップからの発電実験などが計画されています。

 なお、同実証機は、2014年5月中旬より公開が開始され、見学が可能ということです。

【林野庁補助事業】
特許技術を利用した ZE エナジーの「コンパクトバイオマス」国内初号機
「木質バイオマスガス発電機」施工完了
富山県小矢部市にて 2014 年 5 月中旬より公開開始
〜小規模分散型発電を可能にしエネルギーと廃棄物の地産地消を実現〜
http://www.nikkan.co.jp/newrls/pdf/20140408-01.pdf

1277とはずがたり:2014/07/17(木) 20:58:09
●木材加工販売のトーセン=矢板市山田
場所:光市高柴の元テーマパーク「ウェスタン村」跡地
規模:5MW
総事業費は約40億円。
同社は来春にもプラント建設に着工、2016年春の本格稼働を目指す。

「ウェスタン村」跡地でバイオマス発電計画 矢板のトーセン
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/economics/news/20140711/1651675
7月11日 朝刊

 木材加工販売のトーセン=矢板市山田、東泉清寿社長(61)=が、日光市高柴の元テーマパーク「ウェスタン村」跡地に木質バイオマス発電所の建設を計画していることが10日までに分かった。売電量は一般家庭約1万世帯分を賄える約5千キロワットを予定しており、県によると間伐材や端材を主燃料に利用する発電所としては県内最大規模となる。総事業費は約40億円。同社は来春にもプラント建設に着工、2016年春の本格稼働を目指す。

1278とはずがたり:2014/07/18(金) 12:53:07
>>1277-1278

「ウェスタン村」跡地でバイオマス発電計画 矢板のトーセン
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20140711/1651675
7月11日 朝刊

 木材加工販売のトーセン=矢板市山田、東泉清寿社長(61)=が、日光市高柴の元テーマパーク「ウェスタン村」跡地に木質バイオマス発電所の建設を計画していることが10日までに分かった。売電量は一般家庭約1万世帯分を賄える約5千キロワットを予定しており、県によると間伐材や端材を主燃料に利用する発電所としては県内最大規模となる。総事業費は約40億円。同社は来春にもプラント建設に着工、2016年春の本格稼働を目指す。

 再生可能エネルギーへの関心を高めてもらおうと、同社は観光客や修学旅行生の見学施設にすることなども検討。県産木材を燃料にする資源の有効活用とともに、新たな雇用も創出する地域活性化策として注目されそうだ。

 ウェスタン村跡地は、山間地域周辺で燃料木材の輸送コスト低減が図れるほか、送電線の鉄塔がある点や地下水を利用できることから選定。跡地全体のうち計約2万平方メートルを購入または賃貸契約した。今秋にも木質チップの加工工場建設に着工し、来春完成させる。続いて同工場東側に発電所を建設。木質チップを焼却した際の蒸気でタービンを回し火力発電する。

1279とはずがたり:2014/07/18(金) 14:55:35
バイナリーコンバインドサイクルだね♪
>高温の蒸気を地下から取り出し、まず3基の蒸気タービンに通して発電する(図2)。出力は180MWだ。その後低温となった蒸気をバイナリー発電機に通じて150MWを得る。

2014年07月17日 12時00分 更新
自然エネルギー:
330MWと世界最大級の地熱発電所、主要部品は日本製
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/17/news072.html

東芝は2014年7月、インドネシアに立ち上がる世界最大級の地熱発電所にタービンと発電機を納入すると発表した。東芝の蒸気タービンが排出した低温蒸気は他社のバイナリー発電機で再利用する仕組みだ。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 経済成長と人口増加のために、電力需要が年率6〜8%と急速に拡大しているインドネシア。同国政府は合計1万MW(1000万kW)の発電所を増設する第2次計画を2010年に発表した。もしも全てを原子炉でまかなうなら、10基が必要な規模だ。インドネシア政府は1万MWのうち、40%の4000MWを地熱発電で賄う方針である。さらに2025年までには地熱発電の規模を約1万2000MWまで拡大する。2025年時点では水力と地熱を中心とした再生可能エネルギーで発電量のうち25%を賄う計画だ。

化石燃料にこれ以上依存できない

 インドネシア政府が地熱開発を急ぐ理由は2つある。同国は2011年時点で世界シェア1.3%の産油国であり、石炭(同世界第4位)と天然ガス(同9位)の産出量も多い。このため、2010年時点で電力の85.5%をこれらの火力で賄っている。残りが水力(9.5%)と地熱(5.0%)。インドネシアは産油国であるにもかかわらず、この10年間は原油輸入国となっている。これ以上、化石資源には依存できない。

 世界の地熱資源は地理的に偏って分布しており、環太平洋地帯に主に分布する。資源量が最も多いのが米国(3万MW)、次いでインドネシア(2万7790MW)、日本(2万3470MW)、フィリピン(6000MW)、メキシコ(6000MW)である。インドネシアは地熱資源が世界第2位と多いにもかかわらず、2009年時点でそのうち4.3%しか開発できていない*1)。

*1) 米国は10.3%、日本は2.3%、フィリピンは31.7%、メキシコは16.0%。

1280とはずがたり:2014/07/18(金) 14:55:51
>>1279-1280
世界最大級の地熱発電所を建設

 地熱発電拡大計画の目玉が、北スマトラ州https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A2+%E5%8C%97%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9/@1.8463905,98.7540311,8z/data=!4m2!3m1!1s0x2fd7f95aeb721c87:0xaca73e8109d7cb0bサルーラ地区https://www.google.co.jp/maps/place/Sarulla,+Siopat+Bahal,+Pahae+Jae,+Tapanuli+Utara+22465+%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A2/@1.78925,99.1089779,8z/data=!4m2!3m1!1s0x302e80c9d75c02b3:0xf197e842dc3c87bbに建設を予定するサルーラ地熱発電所だ(図1)。3段階で計画を進め、全てが完成したときには合計出力330MWに達する。これは同国の総発電設備容量の約1%相当だ。同プロジェクトは独立発電事業(IPP)であり、発電した電力はインドネシア国有電力公社(PLN)に30年にわたって売電される。

 サルーラ地熱発電所では高温の蒸気を地下から取り出し、まず3基の蒸気タービンに通して発電する(図2)。出力は180MW(後述のように東芝製60MW*3基の様だ)だ。その後低温となった蒸気をバイナリー発電機に通じて150MWを得る。

日本企業が全面協力

 同プロジェクトの開発事業者はインドネシアSarulla Operations(SOL)。伊藤忠商事と九州電力、インドネシアのPT Medoco Power Indonesia、バイナリー発電技術を持つ米Ormat Internationalが共同で出資した企業だ。国内2社の出資比率は50%。開発資金は8行によるプロジェクトファイナンスで賄う*2)。

*2) プロジェクトファイナンスとは将来のキャッシュフロー(売電収益)を返済原資とする資金調達方式。国際協力銀行とアジア開発銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ソシエテ ジェネラル銀行、アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ、ナショナル オーストラリア銀行が融資に参加した。

 SOLは設計・調達・建設(EPC)を韓国の現代建設に発注、現代建設は東芝から全ての地熱蒸気タービン・発電機を調達する。

 東芝が納入するのは発電設備の主要機器である「60MW地熱蒸気タービン・発電機」だ。3セット納入する。東芝によれば、機器性能と信頼性が評価されたためだという。「受注金額は3基で50〜60億円だ」(東芝)。1号機を2015年7月に出荷、2016年11月に運転を開始する。2号機は2016年6月出荷、2017年10月運転開始、3号機は2016年12月出荷、2018年4月運転開始だ。

 地熱発電市場では日本企業が健闘しており、メーカー別発電容量では東芝、三菱重工業、富士電機の3社で7割近いシェアを占めている。東芝によれば同社のシェアは23%であり、これはメーカー別で世界第1位であるという*3)。

*3) 同社は1966年、国内初の地熱発電所である松川地熱発電所(岩手県)に20MWのタービン・発電機を納入している。その後、北米や東南アジア、アイスランドなど世界に52基を納入し、合計発電容量は約2800MWに達したという。

1282とはずがたり:2014/07/19(土) 01:35:52

●碓氷木質バイオマス発電
トーセン(栃木県矢板市)が主体
安中市松井田町五料地内
林野庁の「森林整備加速化・林業再生基金事業」を活用
加工流通施設は2015年3月、発電施設は16年2月の完成を見込み、同年4月の稼働開始を目指す。
発電規模:2500kW。このうち2000kWは売電する。年間売上高は約5億1000万円を見込み
年間に必要とする燃料用木質チップは5万tと膨大で、林地残材4万5000t、製材工場残材5000tをあてる。

安中市に木質バイオマス発電施設建設
http://www.nikoukei.co.jp/gunma/201402/20140222/kj140222_01.htm?ref=parts

 安中市松井田町五料地内で(仮称)碓氷木質バイオマス発電事業が計画されている。未利用木材の利用促進や再生可能エネルギー導入促進のため、木質バイオマス加工流通施設やバイオマス発電施設を建設する。木材製材などを行うトーセン(栃木県矢板市)が主体で現地法人となる株式会社を設立し、その株式会社が事業を行う。県では2月補正予算案に関連事業費4億円を計上し、加工流通施設整備や木質燃料の安定確保を支援する。
 
 建設地は、一級河川碓氷川を挟んだ碓氷製糸工場の対岸1・1ha。4億円を投入して木質バイオマス加工流通施設を整備するほか、12億円かけて発電施設を建設する。県では、林野庁の「森林整備加速化・林業再生基金事業」を活用して、2月補正予算案で加工流通施設整備費の50%にあたる2億円を補助する。これ以外に、発電施設の稼働初年度から安定的な燃料の供給を実現するため、燃料用チップの事前生産経費などに対して1億9500万円、燃料用チップ原料木材の安定供給などについて検討する協議会の運営経費などに対して500万円をそれぞれ補助する。発電施設はFIT(固定価格買い取り制度)により採算がとれるという考えから、整備費の補助は認められていない。
 (仮称)碓氷木質バイオマス発電事業計画をめぐっては、昨年10月に建設予定地の選定、11月には地権者説明会、ことし1月には用地測量のほか水質や地盤、排水、送電、雪、騒音、交通などの各種調査を実施している。今月に工場用地を取得するとともに現地法人の設立、設備などの協議・設計に着手する。その後、3月に受変電設備の決定や経済産業省へ工事計画書を提出する。4月に経産省からFIT設備認定を受け、東京電力と接続契約を結ぶ。6月から加工流通施設および発電施設に工事着手することとなりそうだ。加工流通施設は2015年3月、発電施設は16年2月の完成を見込み、同年4月の稼働開始を目指す。

 発電規模は一般家庭約4000軒分にあたる2500kW。このうち2000kWは売電する。年間売上高は約5億1000万円を見込み、12人程度を工場で雇用する計画だ。
 年間に必要とする燃料用木質チップは5万tと膨大で、林地残材4万5000t、製材工場残材5000tをあてる。県林業振興課は「5万tもの木質燃料を集めるのは大変。建築資材の不適格材だけではまかないきれない」と話しており、安定調達コスト支援費として1億9500万円を補助、各種手続きや加工流通施設整備と並行して燃料を確保していく。どのように安定して燃料を確保するかを話し合う協議会も設立し運営費500万円を補助する。協議会は森林組合や素材生産業者を中心に構成し、県や周辺市町村がオブザーバーとして参加する見通しだ。毎年5万tの材料調達に向けて協議会で検討を重ねていく。

1284とはずがたり:2014/07/19(土) 02:30:57
ミツウロコの岩国バイオマスはもともとファーストエスコだった。経営不振で手放したようだ。CO2削減や発電効率を考えると混焼率数%の石炭火力の方がいいくらいなのかも。

1285とはずがたり:2014/07/19(土) 09:13:31
会津だけじゃなく,こんなんもあって買い取り価格高めに設定されてたんだな。

09/12/10
(再生可能エネルギーの全量買取に関する資料)
株式会社ファーストエスコ
木質バイオマス発電の現状と課題
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g91210a05j.pdf

ファーストエスコでは、3基の木質バイオマス専焼発電所を運営しております。岩国、白河、日田のそれぞれの地域で「ウッドパワー発電所」として発電事業を行っております。

[ ウッドパワーの特徴 ]
① 100%木質バイオマスによる発電
燃料の全量を木質チップで賄っており、その全量を有価にて購入。
起動時の補助燃料以外、全量バイオマスのため、比率はほぼ 100%。

② 地域の木質材の有効活用
使用する木質チップを、主に地元地域から調達。

③ 電気と RPSの分離販売
電気は、安定した出力が得られるため、小売事業者へ直接販売。
RPS は単体での売買契約を結んでいる。

[ ウッドパワーの問題点 ]
① 大幅赤字
木質チップ燃料価格高騰、および燃料不足による稼働率の低下により売上総利益ベースで赤字が継続。

② 燃料不足
各発電所の年間必要燃料は 11〜12万トンだが、実際の調達量は 70〜80%程度。
このため、設備稼働率は初期計画を大幅に下回る 60〜70%の水準。

③ 燃料費高騰
事業開始時の燃料チップ購入単価はトン平均 1000 円であったが、現在は 3000〜4000円平均の水準となっている。

資料3 [ 燃料問題の原因 ]
① 燃料不足
(需要側)燃料不足の原因は主に需要側の伸びから生じている。特に 07 年以降、製紙、セメント、電力などの企業が、CO2排出低減のために、木質チップを補助燃料とした混焼を拡大した結果、従来の需給バランスが大幅に需要超過の状態となった。
(供給側)木質チップの流通ルートは、廃棄物業者を複数通じた小口陸上流通である。このため、相対での都度取引が主体であり、安定大量流通には適さない。また、市場統計も存在せず、思惑で流通が混乱するケースもある模様。

1286とはずがたり:2014/07/19(土) 09:13:57
>>1285-1286
② 燃料価格高騰
(需給ギャップ)需要の大幅な伸びにより、供給が不足する状態が継続、このため購入価格を引き上げて量を確保する動きが発生し、価格を押し上げる結果となった。
また流通業者も、こうした状況を利用して中間利潤の拡大を図る動きが見られ、排出元にも木質材の価格引き上げを求める動きが現れた。
(輸送費)木質チップの流通ルートは主として陸上輸送であるため、軽油価格の高騰が直接的に輸送費の上昇につながり、受け入れベースでの価格高騰に影響。
特に、必要量確保のため調達範囲を拡大している影響から、輸送費の占める比率は非常に大きい状況となっている。

③ 専焼と混焼
(燃焼効率)ウッドパワーの発電出力は 12000kW 程度だが、微粉炭炊きの発電所は 40万〜100万 kWと、規模には大きな開きがある。またボイラの形式も異なり、ウッドパワーの熱効率 25%程度に対し、大規模発電所は 40%以上を達成している。
このため、ウッドチップ 1トンから得られる電気の量には大きな開きがあり、結果的に単位あたりのウッドチップから得られる、電気・RPSは、ウッドパワーが大きく劣後する結果となっている。この結果、購入するウッドチップの限界単価にも隔たりが生じて、結果的にウッドパワーは粗損の状態を免れずにいる。
(CO2価値)混焼の場合、事業者によっては、その目的は主として CO2の排出削減にある。このため、ウッドチップの購入価格は、必ずしも商業的に採算が合わなくてもよいケースが見受けられる。つまり、CSR的側面、もしくは国内クレジットとの対比など、熱量以外の点でウッドチップを評価している模様である。

[ 採算性向上への課題と見通し ]
① 燃料問題
ウッドチップ燃料の購入価格は、処理業者および輸送業者との交渉により決定されるも
のであり、購入者側の努力では限界がある。また、全国統計の未整備、品質と価格の合
理性の欠如などから、価格裁定が働きにくい状況でもあり、流通価格の下落には時間が
かかる見通しとなっている。

② 電力・RPS価格問題
(電力価格)現在、電力の業者間での取引は、すべて同一条件での取引となっている。つまり排出係数に対するプレミアムは殆ど加味されないのが実情である。
(RPS価格)RPSの取引価格は、現在4〜5円/kWhであり、先高の状況ではない。これは RPS の購入者が少数であること、また義務量水準が高くないことなどに依存しており、早期にトレンドが変わる状況ではない。

[ 全量固定価格買取りの是非 ]
ウッドパワーによる木質バイオマス発電は、これまでに述べた事情から大幅な赤字であり、事業継続に支障をきたす恐れがある。このため、当面の状況が改善されるまでの期間については、「全量固定価格買取り制度」の導入を希望する。
商業用木質バイオマス発電としては、希少な「専焼」であり、また再生可能エネルギーにおいては数少ない「有価燃料」を使用する事業である。このため、事業継続中の燃料価格リスクを負った事業であり、この価格リスクをヘッジする手段が無いことを考慮していただき、事業継続性を担保していただくことが、木質バイオマス発電事業の推進、国内バイオマスの有効利活用のために必要と考えるものである。

以上

1287とはずがたり:2014/07/19(土) 19:46:06
●しまね森林発電

2013年07月12日 11時00分 更新
自然エネルギー:
島根で出力10.8MWのバイオマス発電を立ち上げる、間伐材や林地残材を利用
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1307/12/news030.html

豊田通商の関連会社であるエネ・ビジョンは、島根県に木質バイオマス発電所を立ち上げる。林業が盛んな立地であり、未利用だった間伐材や林地残材など11万8000トンの木質バイオマスを引き受ける。効率良く発電でき、設備投資を2年で回収できる計算だ。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 林業にはさまざまな課題がある。その1つが、森林の手入れである「間伐」がなおざりになりがちなこと。これは手間(コスト)が掛かるからだ。もう1つは伐採後に山林に残る未利用の資源「林地残材」だ。樹木の先端部分など製材に利用できない部分はほとんどが放置されてしまう。

 島根県は林業が盛んだ。県の面積のうち78%を森林が占めている。岐阜県、山梨県に次ぐ森林県だといえる。間伐材や林地残材をバイオマス発電に生かすことができれば、林業の発展に役立ち、地元発の再生可能エネルギーを生むことができるという発想が支持されたのはこのような背景があるからだ。県は「木質バイオマス発電事業化支援」政策を発表、補助金8億円と資金融通18億円の枠を用意し、進出企業を募った*1)。

*1) 島根県の林業振興に役立てるため、可能な限り県産の木質バイオマスを県内の事業者から調達すること、使用する燃料の50%以上を国産由来の木質バイオマスとすることなどを条件としている。

 これに応えたのが、エネ・ビジョンとナカバヤシ(関連記事)だ。

 エネ・ビジョンは豊田通商などの出資によって設立されたコージェネレーションシステムなどに取り組む企業。今回、木質バイオマス発電事業に参入し、2013年7月10日には、木質バイオマス発電の事業会社「合同会社しまね森林発電」を設立したことを発表。設備や土木建築に44億円を投じて、出力10.8MW(送電端、発電端は12.7MW)のバイオマス発電所を建設する。2013年内に着工し、2015年4月の売電開始を予定する。年間発電量は8600万kWhを想定し、固定価格買取制度(FIT)により、売電収入として年間最大24億円を見込む。

 建設予定地は、島根県の中央部に位置する人口2万5000人のまち、江津市(ごうつし)の工業団地だ(図1)。間伐材や林地残材などを島根県素材流通協同組合などから調達する。一部輸入品のパームヤシ殻(PKS)*2)を加え、年間11万8000トンの木質バイオマスを利用する。

 発電所は、さまざまな燃料が利用できる循環流動層ボイラーを備え、蒸気タービン発電機で発電する。

*2) パームヤシにはココヤシやアブラヤシなどが含まれ、いずれも食用部分を取り除いた後の木質の殻が無駄になる。例えばアブラヤシから取れるパーム油の生産量は全世界で年間4500万トンにも及ぶ。アブラヤシの含油率は約5割なので、アブラヤシだけで約4500万トンの殻が余ることになる。全世界のアブラヤシのうち、8割以上がインドネシアとマレーシアの2国で生産されているため、輸入しやすい。

1288とはずがたり:2014/07/19(土) 19:48:40
●エネビジョン
中南予
年間8万トンの木質バイオマス燃料を県内調達
県木質バイオマス発電燃料供給協議会(会長・井谷渙郎県森連専務)は20日に会合を開き、燃料供給について協議する

県内に木質バイオマス発電所計画 名古屋の企業2013年12月14日(土)
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20131214/news20131214125.html

 愛媛県内に出力1万キロワット超の大規模木質バイオマス発電所の建設計画が浮上していることが13日分かった。事業主体は大手商社・豊田通商の子会社「エネ・ビジョン」(名古屋市)。関係者によると、建設地は中南予で調整中で、年間8万トンの木質バイオマス燃料を県内調達する方針。
 政府の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度で、未利用材を使ったバイオマス発電の売電価格は1キロワット時33円60銭に設定され、全国的に同発電所の建設計画が相次いでいる。県は、2014年度に間伐主体の原木生産から一定面積を全伐採する主伐への転換を目指す中、増加が予想される低質材の活用策として期待している。
 県森林組合連合会(県森連)と県木材協会が今年7月設立した県木質バイオマス発電燃料供給協議会(会長・井谷渙郎県森連専務)は20日に会合を開き、燃料供給について協議する。県森連は12日の理事会で供給の方針を決め、木材・製材業者が加入する木材協会は役員47人の意見を書面で取りまとめている。

1289とはずがたり:2014/07/19(土) 20:41:32
●ウッドワン(広島県廿日市市)
1号機(仮称) 4.6MW
2号機(仮称) 1.0MW
3号機(2015年新設予定) 5.8MW(送電端:5.8kW)
発電量:2782万kWh(2011年。内1689万kWhを自家消費,1093万kWhを売電)

2013年05月08日 13時00分 更新
出力1万kW超に拡大、広島企業の木質バイオマス発電
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1305/08/news019.html

木材を加工する業種はバイオマス発電導入に向いている。木材には利用できない部分が必ず残り、木質バイオマスは発電に適するからだ。広島県に拠点を置くウッドワンは、これまでも社内で消費する電力の約5割をバイオマス発電でまかなってきた。2015年には発電規模を2倍近くに拡張、出力が1万kW(10MW)を超える予定だ。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 木質建材メーカーのウッドワンは、2013年5月、木質バイオマス発電の規模を拡大し、固定価格買取制度(FIT)を利用した売電を開始する計画を発表した。

 同社は建具や床材、収納家具などを加工・販売する企業。木質建材の製造時に発生する未利用木材はバイオマス発電に向いており、これまでも社内に置いた2カ所の発電所(出力4600kWh、出力1300kWh)でバイオマス発電を行ってきた。自家消費と売電を目的とした発電所である。2011年度は2782万kWhを発電し、そのうち1689万kWhを自家消費し、残りの1093万kWhを売電している。自家発電の比率は総消費電力の48%に達する。電力を得るだけはなく、発電時に発生する蒸気を木質建材製品の製造工程に使用するコージェネレーションも進めてきた。

 ウッドワンは、これまでニュージーランドで植林、木材加工を行っており、事業の拡大に併せて、バイオマス発電所を2015年の春期に新設、売電を開始する形だ。従来の2基と同様、同社が本社を置く広島県廿日市市に建設する(図1)。

 発電能力は5000kW/h(送電端出力、発電端出力は5800kW/h)。トラベリングストーカ方式の炉を設け、2万8600kg/hの蒸気を得る。売電益として年間7億円を見込む。

1290とはずがたり:2014/07/20(日) 16:23:24
2014年07月15日 07時00分 更新
自然エネルギー:
日本最大のバイオマス発電所が愛知県に、チップやヤシ殻を燃料に75MW
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/15/news019.html

2016年の小売全面自由化に備えて、住友商事グループが世界に広がる資材調達ネットワークを生かして電力事業の強化を急ぐ。新たに愛知県の半田市に発電能力が75MWの木質バイオマス発電所を建設する計画だ。木質チップやパームヤシ殻を国内外から調達して、2016年度に運転を開始する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 住友商事は100%子会社のサミットエナジーを通じて電力事業を展開中だ。愛知県の半田市に建設する「半田バイオマス発電所」はサミットエナジーグループで6番目の発電所になり、今後の小売事業に欠かせないベース電源として利用する方針だ。

 知多半島の東側に広がる衣浦港(きぬうらこう)に面した4万3000平方メートルの空き地に建設する(図1)。発電能力は75MW(メガワット)に達する国内最大規模の木質バイオマス発電所になる(図1)。年間の発電量は不明だが、一般家庭で10万世帯分を超える供給量になることは確実だ。

 2014年8月に着工して、2016年度中の運転開始を目指す。総事業費は約200億円を見込んでいる。国内の木質バイオマス発電所では神奈川県で稼働中の「川崎バイオマス発電所」の33MWが最大だが、半田バイオマス発電所では2倍以上の発電規模を想定している。

 燃料になる木質バイオマスは住友商事の生活資材本部が窓口になって国内外から調達する。国内の森林で大量に発生する間伐材などをチップに加工したものや、東南アジアを中心にパームオイルの製造過程で発生するヤシ殻などが対象になる。

 サミットエナジーはグループ全体で3カ所の火力発電所と1カ所の風力発電所を運転中だ(図2)。さらに2014年12月には2つ目の風力発電所が秋田県で運転を開始する予定で、5カ所を合わせると162MWの発電能力になる。半田バイオマス発電所が稼働すると合計で237MWに達して、このうち風力を除く190MWがベース電源として安定した電力を供給することができる。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/summit_energy1_sj.jpg
図2 サミットエナジーグループの電力事業。出典:サミットエナジー

 サミットエナジーは電力小売の自由化が始まった翌年の2001年4月に5社目の新電力(特定規模電気事業者)に登録して、企業や自治体向けの小売事業を展開してきた。2016年に自由化される家庭向けの小売事業にも参入する方針で、5年後の2018年までに小売の契約電力を現在の4倍にあたる150万kW以上に増やす計画だ。

 販売する電力量を確保する必要があることから、住友商事と共同で発電所の建設プロジェクトを加速させていく。中部地域に続いて東日本地域でもバイオマス発電所の建設を検討しているほか、全国各地で太陽光発電と風力発電の開発計画を拡大する。

1291とはずがたり:2014/07/22(火) 11:04:00
>発電所の設計、建設から運営、廃止までの全てのコストを、生涯発電量で割った均等化発電原価(LCOE:Levelized Cost Of Electricity)を比較することが好ましい。

詳細に検討しないとなんとも云えないけど凄いねぇ,ドイツ。日本も太陽光は量的に蓄積率は十分だから後はコストと安定性である。

2014年02月05日 16時40分 更新
自然エネルギー:
天然ガスよりも安い太陽光、2030年には住宅向けでも石炭並みに
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1402/05/news109.html

ドイツFraunhofer研究所は、各種の再生可能エネルギーと化石燃料の発電コストを比較したレポートを発表した。発電所の設計、建設から運営、廃止までの全てのコストを、生涯発電量で割った均等化発電原価(LCOE)を用いた調査研究だ。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 2013年にドイツで建設された一部の大規模太陽光発電所は、コスト面で既に平均的なコンバインドガスタービン発電よりも安価である。最も条件のよい陸上風力発電は最も安価な化石燃料である褐炭のコストに匹敵する。ドイツの研究機関であるFraunhofer研究所の太陽光関連の部署Fraunhofer-Institut für Solare Energiesysteme(Fraunhofer ISE)が発表したレポートの結果だ。

 発電コストは、1kWhの電力量の料金と同じ意味で使われることが多い。例えば、家庭用電気料金が29円10銭(東京電力の第3段階料金)であることを、発電コストが29.1円であるということがある。

 しかし、国や地方自治体、企業がさまざまな再生可能エネルギーを利用した発電を大規模に導入する計画を立てるなら、このようなあやふやな議論ではだめだ。単に初期導入コストや年間発電コストを比較するのでは公平性を欠く。発電所の設計、建設から運営、廃止までの全てのコストを、生涯発電量で割った均等化発電原価(LCOE:Levelized Cost Of Electricity)を比較することが好ましい。今回のFraunhofer ISEの議論は全てLCOEに基づいている。

 Fraunhofer ISEのプロジェクト統括責任者であるChistoph Kost氏は発表資料の中で以下のように指摘する。「各種の再生可能エネルギーや化石燃料を選ぶ際に、発電コストは決定要因ではない。上流と下流のコストも主要な役割を占める。日照の強さや風がどの程度利用できるかなどの環境条件はもちろん、ファイナンシングコストやリスクプレミアムなどさまざまな条件が持続可能性に影響を与える。われわれの研究ではこれらの条件を加味しているため、異なる技術に対しLCOEを通して比較でき、各種の再生可能エネルギーのコスト競争力を示すことができる」。

7種類のエネルギー源を比較

 Fraunhofer ISEは2013年から2030年までのドイツにおけるLCOEを算出した。対象としたエネルギー源は再生可能エネルギーが4種類(太陽光、洋上風力、陸上風力、バイオガス)、化石燃料が3種類(褐炭、無煙炭、天然ガス)だ。これは現時点のドイツでの資源調達を考えたメニューになっている。ドイツは水力資源に乏しく、地熱は利用できない。その代わり、石炭資源は多く、畜産業由来のバイオガスを利用しやすく、風力発電の導入量と潜在導入量が非常に大きい。

 これらのエネルギー源を利用した発電所のLCOEがどのようなものなのか、図1に示す*1)。図1で下に位置するほど、LCOEから見て有利であり、競争力がある。

*1) 図1を算出するに当たって、Fraunhofer ISEはさまざまな仮定を置いている。図1にあるGHI(Global Horizontal Irradiation)は全天日照量を示す。太陽電池モジュールに直接照射する直達日照量と、大気からの散乱日射量を加えた値だ。FLH(Full Load Hours、全負荷時間)は1年の8760時間のうち、どの程度の時間フルパワーで発電できるかを示す。PR(Progress Ratio、進歩率)は経済学的な分析で多用されている係数。累積生産量が2倍になったときにコストがどの程度低下するかという数値であり、値が高いほど単位コストの低下度合いが大きいことを示す。CO2 allowance pricesは、二酸化炭素排出権価格。

1292とはずがたり:2014/07/22(火) 11:05:56
>>1291-1292

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/l_yh20140205Fraunhofer_graph_590px.jpg
図1 各種エネルギーを利用した発電所の均等化発電原価(LCOE) 出典:ドイツFraunhofer ISE

 図1の縦軸は2013年時点のユーロの貨幣価値で表した発電量1kWh当たりのLCOE。1ユーロ=140円で換算すると、縦軸の0.10が14円に相当する。横軸は西暦だ。

 橙色の縦棒がコンバインドガスタービン発電(2013年時点で0.098ユーロ/kWh以下)、紺色の縦棒が無煙炭(同0.08以下)、茶色が褐炭(同0.053以下)を示す。無煙炭は排出物が少ない高品位な石炭、褐炭は安価だが熱量が低く二酸化炭素排出量が多い石炭だ。

 グラフの左下の隅を見ると、LCOEの値(0.08ユーロ/kWh)がコンバインドガスタービン発電と無煙炭の間にある。つまり2013年時点でも条件次第ではこれらを利用した発電所に太陽光発電が追い付くことも可能だ。条件の悪い一般家庭の屋根に設置した太陽光発電システムのLCOEは0.14ユーロ/kWh。これはドイツの平均的な家庭用電力価格(0.29ユーロ/kWh)を大幅に下回っている。これは初期投資費用を投じて屋根に太陽光発電システムを設置すると、発電期間内の電気料金が半額以下になることを意味する。

 2030年になるとどうなるか。黄色い枠の右上を見ると、ガスタービン発電を下回り、平均的な無煙炭よりも安い。これは一般家庭の屋根に設置した場合との比較だ。最も条件のよい太陽光発電では褐炭の下限に等しい。つまり化石燃料に打ち勝つことになる。なお、石油火力は2013年時点で石炭火力よりも高価であり、0.13〜0.17ユーロ/kWhである。つまり平均的な太陽光発電よりも劣る。

陸上風力は既に化石燃料に勝っている

 太陽光発電よりも効果的なのが、陸上風力発電だ。図1では外枠がない青で示されている。陸上風力発電のLCOEは2013年時点で0.05〜0.11ユーロ/kWhであり、条件がよいものは無煙炭やコンバインドガスタービンとも直接競争できる。太陽光発電と比較すると約3分の2程度のLCOEだ。Fraunhofer ISEによれば、陸上風力発電のLCOEはこれ以上下がらないものの、化石燃料側が上がるため、2020年に褐炭と競合できるようになるとした。

 洋上風力発電はどうか。図1では紺色の枠を付けた薄青色で示した。洋上風力発電のLCOEは2013年時点で0.12〜0.19ユーロ/kWhであり、逆に太陽光発電よりも1.5倍程度高価だ。全負荷時間が年間2800〜4000時間と長いにもかかわらず、陸上風力発電とはLCOEで全く競合できない。Fraunhofer ISEによれば洋上風力発電の魅力は技術的にコスト低減の余地が大きいことだ。2030年時点では陸上風力発電の平均的なLCOEになんとか追い付くことができる。それでも太陽光発電よりは高価だ。

太陽光と陸上風力以外のメリットとは

 LCOEを比較すると、太陽光発電や陸上風力以外の選択肢は少ないように見える。洋上風力発電はLCOEの値が大きく、コスト面で不利だ。バイオガス(図1の黄緑色)も0.14〜0.22ユーロ/kWhと高コストであり、LCOEが改善する傾向もない。

 Fraunhofer ISEによれば、洋上風力発電は全負荷時間が長い。つまり、利用できない日が少ないということだ。バイオガスは制御性がよい。これはより大きな出力が必要になったときにすぐに応答できることを意味する。どちらも系統電力の安定性を保つ働きがある。

 以上のようなLCOEの数値はどのような再生可能エネルギーをどの程度利用し、組み合わせていくのか、メニューを作り上げる際に非常に有益だ。日本はドイツよりも全天日射量が2割多い。風力発電の条件は大きく異なる。例えば洋上風力発電の建設コストはドイツよりも一部高価になる。国内でもさまざまな再生可能エネルギーについてLCOEの値を算出し、更新し、比較していく必要がある。

1293とはずがたり:2014/07/24(木) 12:00:35

一時期頑張って調べていたバイオマス発電だけど日本で採れる未利用材の賦存考えると大体飽和してる感が強い。
海外からの輸入とかにまだ余地はあるのかもしれないけど。。

あと割り箸のプラスチック箸化は木材の有効利用という観点から非常に否定的・批判的だった俺だが,今後は割り箸はプラスチック箸に移行して割り箸原料は発電燃料に回すべきかもしれない。

1294とはずがたり:2014/07/24(木) 12:15:19
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1194191152/750
>出力が1万kW以上の大規模な設備の場合には平均して10円程度とガス火力並みだが、1000kW以下の小規模な設備になると20円を超えるケースが多い(図5)。

太陽光は無事増殖してほっといても大丈夫そうだし,バイオマスはどうも木材が制約にかかって来そうで,後は風力と小水力である,風力はこのところ助成金からFITへの変更の端境期で停滞気味みたいだしそもそも賦存の豊かな北海道で連系容量に制約があって北本連系の増強が先でそれが解消してからである。残る小水力は規模の小さい恨みはあるが,それと関連して小規模水力ではコストもそれなりのようだ。

水車メーカーが寡占なんかもしれないけど,規格化と共に一気に普及であとは更新期まで閑古鳥ではなく安定的に導入してけるともっと安価に出来るのでは無いか?ここに計画経済的要素を入れ込むのは難しいのかな?

1295とはずがたり:2014/07/24(木) 12:20:56
もうちょっと大きくならないかぁ。。2MWだと500箇所で大型原発1基分である。10MW位になると随分違う。まずは発電してその後蒸気の状況なんかみて,増強も視野に入ってくるといいんだけど。

2014年07月24日 09時00分 更新
地熱発電所を北海道と青森に建設、オリックスが2MW級
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/24/news017.html

太陽光発電を中心に全国各地で再生可能エネルギーを拡大中のオリックスが地熱発電所の建設に向けて2カ所で調査を開始した。地熱資源が豊富な北海道の函館市と青森県の下北半島で、それぞれ発電能力が2MW程度の小規模な地熱発電所を建設する計画だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 2カ所の候補地のうち、青森県のプロジェクトは下北半島の北端に近い下風呂(しもふろ)温泉で実施する。すでにオリックスは2013年度にJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の助成金を受けて初期の地表調査を完了している(図1)。次のステップとして、地下にある地熱貯蔵層の位置や深度などを調べる物理探査を2015年2月まで実施する予定だ。

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図1 2013年度の地熱資源開発の助成対象地域。出典:JOGMEC

 もう1カ所の函館市のプロジェクトでも2014年度のJOGMECの助成金を受けることが決まっている。候補地の南茅部(みなみかやべ)地域は太平洋沿岸にあって、地域内にある第四紀火山の泣面山(なきつらやま)の周辺で調査を進める。2014年10月まで第1ステップの地表調査を実施した後に、その結果をふまえて青森県のプロジェクトと同様に物理探査に入る見通しだ。

 一般に地熱発電所を建設するまでには、地表調査から始めて掘削調査、調査井の掘削、生産井・還元井の掘削を経て、ようやく発電設備を設置する(図2)。発電能力が30MWを超えるような大規模な地熱発電所を運転開始するまでには10年以上かかる。ただしオリックスの地熱発電所は2MW程度の小規模なものを想定しているため、環境影響評価の必要もなく、早ければ2〜3年で運転を開始することが可能だ。

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図2 地熱発電を開始するまでの標準的なプロセス。出典:資源エネルギー庁

 地熱発電では設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)が70%程度になり、再生可能エネルギーの中でも火力発電並みの高効率を発揮する。2MWの発電能力で一般家庭の電力使用量に換算して約3400世帯分の電力を供給することができる。

 オリックスは岐阜県の奥飛騨温泉郷でも同規模の地熱発電所の建設プロジェクトを東芝と共同で進めている。2013年11月に調査を始めていて、順調にいけば2015年内に運転を開始する。北海道と青森県の地熱発電所も2016年内には運転を開始できる可能性が大きい。

 金融サービス大手のオリックスは新たに環境エネルギー事業を拡大中で、全国各地でメガソーラーの建設を推進している。地熱発電ではグループ企業のオリックス不動産が、大分県の別府市で運営する「杉乃井ホテル」で1.9MWの自家発電設備を運転中だ(図3)。その運営ノウハウを新設の地熱発電所にも生かす。

1296とはずがたり:2014/07/24(木) 14:39:32
>>1270>>1031>>380
木炭自動車推しの俺だけどこちらは天ぷら廃油自動車。廃油はそのまま使い,着火だけ軽油を使う仕組みの様だ。
ブログ主は大学の時のサークルの後輩の知り合いさんみたいである。凄いなぁ。確かに楽しそうである。

地給知足がおもしろい
天ぷら廃油自動車
http://d.hatena.ne.jp/musikusanouen/searchdiary?word=%2A%5B%C5%B7%A4%D7%A4%E9%C7%D1%CC%FD%BC%AB%C6%B0%BC%D6%5D

1297とはずがたり:2014/07/29(火) 12:08:45
2014年07月24日 07時00分 更新
淡路島で潮流発電の実証実験、出力500kW級の発電機を設置へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/24/news010.html

海洋エネルギーの1つとして期待がかかる潮流発電の実証実験が兵庫県の淡路島で始まる。潮の流れが速いことで知られる明石海峡の海底に500kW級の発電機を設置して実用化を目指す。基本計画の策定と環境影響の基礎調査を実施して、2015年度中に実機を使った技術評価を開始する予定だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 潮流発電の実証実験の場所は、淡路島の北端に位置する岩屋地区の沖合である。この地区では2012年度から始まった「あわじ環境未来島構想」の一環で、潮流発電の調査を続けてきた。新たに環境省の「潮流発電技術実用化推進事業」の対象に決まり、2018年度までの5年間をかけて実証実験を進めていく。

 発電設備の詳細は今後の基本計画で確定することになるが、従来の構想では岩屋地区の沖合1キロメートル程度の海底に出力300kWの水車発電機を設置する方法を想定していた(図1)。基本的な設備構成は当初の構想から変えずに、発電機を500kW級にグレードアップして実証実験に着手する見込みだ。

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図1 潮流発電の実証設備イメージ。出典:あわじ環境未来島構想推進協議会

 これまでの調査では岩屋沖の潮流の速さを大潮時と小潮時に流速計で計測して、発電に適した場所の絞り込みを進めてきた。今後さらに海底の地形や海況の実測調査を実施して最終的に発電設備の設置場所を決定する。2015年度中に発電を開始して、2018年度までに潮流発電の技術とメンテナンス手法の確立、さらに環境負荷を低減する漁業協調型の発電事業の実用化を目指す。

 実証事業は発電機メーカーの三菱重工業が主体になって、地元自治体の兵庫県や淡路市のほか、岩屋漁業協同組合が協力して官民一体で推進していく。淡路島の北部地域に電力を供給している関西電力もアドバイザーとして参画して送電実験に協力する。

 「あわじ環境未来島構想」では、2050年までに島内の電力の自給率を100%に高めることを目標に掲げている。建設用地が限られる太陽光や陸上風力に加えて、島の周辺に豊富にある海洋エネルギーを生かした洋上風力や潮流発電を拡大して目標達成に近づける構想だ(図2)。

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図2 「あわじ環境未来島構想」の主な取り組み。出典:あわじ環境未来島構想推進協議会
 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が日本近海の表層部分の流速をもとに推定した結果によると、本州と四国の北東部のあいだにある淡路島周辺の明石海峡に最大の潮流エネルギーが存在する(図3)。岩屋沖の実証実験が成功すれば、明石海峡から膨大な電力を供給できる可能性が広がる。

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図3 潮流エネルギーのポテンシャル分布。出典:NEDO

1298とはずがたり:2014/07/31(木) 12:21:10
内燃力発電には最低出力があるのか。。

2014年07月30日 13時00分 更新
太陽光や風力の接続申し込みを1年間保留、九州の離島に大きな制約
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/30/news018.html

九州電力は長崎県と鹿児島県の離島6島を対象に、太陽光や風力による発電設備の接続申し込みを約1年間にわたって保留することを決めた。島内の主力電源である内燃力発電所の最低出力を確保するためで、離島における再生可能エネルギーの普及に大きなブレーキがかかることは確実だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 対象になる6島は長崎県の壱岐と対馬のほか、鹿児島県の種子島、徳之島、沖永良部島、与論島である。再生可能エネルギーによる発電設備を送配電網に接続するための事前相談・事前検討・接続契約申し込みの回答が、7月26日から約1年間にわたって保留される。住宅用の太陽光発電設備も含む厳しい措置になる。

 6島のうち、すでに種子島では送配電網に接続できる連系可能量を上回る規模の発電設備が稼働している。さらに今後の予定量を加えると連系可能量を3700kWも超過してしまう(図1)。九州電力は種子島をはじめ連系可能量が限界に近づいている6つの島で、既存の発電設備の出力状況と島内の需要変動を検証しながら、今後1年程度をかけて連系可能量の引き上げを検討することにした。

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図1 6つの島における再生可能エネルギーの発電設備規模。出典:九州電力

 種子島を例にとると、主力の電源として島内の2カ所に内燃力発電所が稼働中で、合計出力は最大で4万500kWになる。このうち最低でも9000kWの出力を維持する必要がある。一方で太陽光の発電量が最大になる昼間の電力需要は、最も少ない場合には1万6000kW程度しかない(図2)。

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図2 種子島の電力需要と供給力のバランス。出典:九州電力

 需要と供給のバランスをとるためには、太陽光や風力の出力を7000kW程度に抑える必要があるが、2014年5月末の時点で9000kWを超える発電設備が送配電網に接続されている。実際にはすべての設備が同時に最大の出力を発揮することはなく、九州電力の想定では8500kW程度までならば接続して問題なく運用できる。

 種子島の送配電網には国の実証事業で出力3000kWの蓄電池が設置されていて、天候による太陽光や風力の出力変動を吸収することは可能だ。ただし定常的に余剰電力を調整するには容量が足りない。今のところ九州電力には蓄電池を増強する計画はなく、発電事業者に依存しているのが現状である。

 離島では電力需要が小さいために、石油を燃料にしてディーゼルエンジンで発電する内燃力を採用するのが一般的だ。発電コストが高く、CO2のほかに有害物質の排出量も多いことから、自然環境を保護するうえでも再生可能エネルギーの導入拡大が求められている。

 九州電力が1年間も接続申し込みを保留することは、企業や家庭が再生可能エネルギーを導入する機運を大きく損ねかねない。こうした状態になるまで対策を実施しなかった国の責任も問われる。国民が賛同しない原子力発電所の安全対策に多大な時間とコストをかけるよりも、再生可能エネルギーの導入が必要な地域の送配電網の増強を優先すべきではないか。

1300とはずがたり:2014/08/02(土) 21:38:13
>さらに東京都も「官民連携インフラファンド事業」を通じて4億円の出資を決めている。
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1194191152/975といいF-Powerは都に食い込んでるなぁ。

2013年03月08日 07時00分 更新
新電力が火力発電所を建設、2014年8月に10万kWで運転開始
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1303/08/news014.html

電力市場の自由化が進むなか、新電力のF-Powerがガスを燃料に使う火力発電所を千葉県に建設する。3月中に工事を開始して、2014年8月から商業運転を開始する予定だ。大手の金融機関3社が82億円の資金を提供するほか、東京都もファンドを通じて出資する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 F-Powerは新電力(特定規模電気事業者)の大手で、2006年に関東と関西で電力の小売事業を開始した。現在は東北と中部を加えた4地域へ事業範囲を拡大している。すでに千葉県の袖ヶ浦市で発電能力10万kWの「中袖ガス火力発電所」(図1)を稼働させていて、新たに同じ地区に同規模の火力発電所を建設して電力供給能力を増強する。

 導入する設備にはガスコンバインドサイクル方式を採用して、発電効率を49%まで高める予定だ。ガスコンバインドサイクルは東京電力をはじめ新設の火力発電所で標準的に採用されている発電方式で、ガスタービンと蒸気タービンの両方を使って発電することができる。従来は40%程度だった火力発電の効率を引き上げることができ、燃料費の削減が可能になる。

 この発電所の建設計画には大手リース会社の東京センチュリーリースのほか、新生銀行と横浜銀行が加わり、金融機関3社で約82億円の資金をプロジェクトファイナンスで提供する。さらに東京都も「官民連携インフラファンド事業」を通じて4億円の出資を決めている。

 東京都は2020年に向けて分散型の電力供給を可能にする「スマートシティ構想」を掲げて、火力発電所の建設を推進していく方針だ(図2)。東京都みずからが都内に大規模な火力発電所を建設するのと並行して、新電力からの電力供給を増やすことにしている。

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図2 東京都のスマートシティ構想。出典:東京都知事本局

1301とはずがたり:2014/08/02(土) 22:12:34

2014年07月30日 07時00分 更新
23年ぶりの地熱発電所、工事開始へ環境影響評価が進む
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/30/news016.html

… 環境省が7月28日に「山葵沢(わさびさわ)地熱発電所」の環境影響評価準備書に対して環境大臣の意見を提出した。これにより環境影響評価の第2段階がまもなく終了して、最終段階の評価書の手続きに入る。評価書の審査期間は30日以内と短いことから、計画通り2015年4月に工事を開始できる見通しだ。…

 これまでに第1段階の方法書の手続きが2012年4月に完了した。第2段階の準備書の手続きも環境大臣の意見提出を受けて、経済産業大臣の勧告で終了する。これをもとに事業者の湯沢地熱が最終段階の評価書を提出すれば、審査と公告の後に工事の認可を受けることが可能になる(図3)。

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図3 環境影響評価のプロセス。出典:湯沢地熱

 評価書の審査期間は30日以内と決められている。その後の公告期間も1カ月であり、評価書の提出から認可までは3カ月程度で済むことが想定される。順調に進めば2015年4月に工事を開始して、2019年5月に運転を開始できる(図4)。

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図4 発電所の工事計画。出典:湯沢地熱

 現在のところ国内では主な地熱発電所の開発計画が20カ所で進んでいて、このうち14カ所は環境影響評価の対象になる大規模な発電設備を予定している(図5)。14カ所の中では山葵沢地熱発電所の計画が最も先行しているため、予定通りに運転を開始できるかどうかに注目が集まっている。

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図5 地熱発電の主要な開発プロジェクトの進行状況。出典:資源エネルギー庁

1302とはずがたり:2014/08/04(月) 09:48:50

スカイツリーも地中熱で省エネ!“足元”エネルギーにはポテンシャルいっぱい
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20140803520.html
産経新聞2014年8月3日(日)14:37

 東京スカイツリータウン?とその周辺(東京都墨田区、10.2ヘクタール)において、「地中熱」を利用した大規模な地域冷暖房システムが導入され、話題になりました。日本ではあまり知られていない地中熱ですが、太陽熱由来のエネルギーで、天候に左右されず、昼夜を問わず日本中どこでも利用できます。先日、東京スカイツリータウンのシステムを見学する機会がありました。地中熱の可能性を探ってみたいと思います。

■年間通して大きな省エネ効果

 東京スカイツリータウン・ウエストヤード地下2階のメーンプラントには、ターボ冷凍機2基、インバータターボ冷凍機1基、ヒーティングタワーヒートポンプ3基、水熱源ヒートポンプ1基の熱源設備と、巨大な水蓄熱槽(合計水量7000トン)が導入されています。このほか、地下鉄の躯体内や建物のトレンチ内などに総延長約3.1キロメートルの地域導管と、地中で採放熱を行う熱交換用チューブ(総延長1.2キロメートル)が敷設され、地域冷暖房システムを構成しています。

 東武エネルギーマネジメントの常務取締役、今野真一郎氏にこのシステムを導入した理由をうかがいました。

 「開発にあたり未利用エネルギーを利用したいと考え、河川水や地下鉄のトンネル水などの可能性も検討しました。地中熱利用は日本では事例があまりなく、周辺の地層でどれだけ採放熱できるかシミュレーション解析し、慎重に検討した結果、地中熱利用の可能性が十分あることがわかりました。建物の基礎になる杭(くい)に複数のチューブを取り付ける『基礎杭方式』と、120メートルのボアホール(地中井)を21本掘削した『ボアホール方式』の2方式を採用しています。チューブの中に水を循環させ、地中と熱交換を行うことで効率的な冷暖房ができます」

 地中の温度は、地下10メートル程度より深くなると年間を通してほぼ一定で、15〜18度に保たれています。夏季の地中温度は気温より低く、冬季は気温より高いという温度差を利用し、冬は温熱、夏は冷熱として利用できます。東京スカイツリータウンでは地中熱利用などにより、一次エネルギーの年間消費量44%減、二酸化炭素(CO2)の年間排出量50%減と大きな効果を発揮しています。

 冷暖房システムの機器は電気代の安い夜間に稼働させて蓄熱槽に冷水や温水を作りためておき、日中は停止させます。蓄熱槽の冷水や温水を日中の冷暖房などに利用することにより、契約電力を約4割減の3500キロワットにでき、電力消費が大きい午後1時〜4時の最大使用電力を大幅に減らし、電気料金の削減にもなっています。

 「過密な都市は夏のヒートアイランド現象が問題になっています。地中熱利用ヒートポンプのメリットは冷房排熱を外気に排出せず地中に排熱するため、ヒートアイランド現象を抑制する効果があります。夏は地中に放熱し、冬は地中から熱を採りますが、年間を通して熱バランスが取れます。長い目で見て東京でやる意味があると思っています」

1303とはずがたり:2014/08/04(月) 09:49:13
>>1302-1303
■夏季の省エネ率69%のビル

 都心で初めて地中熱を実用化導入したオフィスビル、一番町笹田ビル(東京都千代田区)では、1階から3階までのテナント用オフィス(各階101平方メートル)で地中熱ヒートポンプシステムによる冷暖房を行っています。ビルのオーナーはNPO法人の地中熱利用促進協会の理事長、笹田政克氏です。かつて産業技術総合研究所で地中熱の研究にも携わっていたことから、2008年に自ら設備を導入し、日本での地中熱利用促進に尽力しています。 一番町笹田ビルでは、敷地内の駐車場の下に深さ75メートルのボアホール8本を掘削し、地中熱を利用しています。ヒートポンプは、エアコンとの切り替えが可能なハイブリッド型の空水冷式で、冷房能力は58キロワット、暖房能力は65キロワットあります。

 笹田氏は2008年以降の運転データと環境データを記録していますが、エアコンを使用していた頃と比べて、電力消費における年間の省エネ率は49%、特に夏季の省エネ率は69%という結果を出しました。地中熱利用が真夏の電力のピークカットに大きく貢献することを実証したのです。

■地中熱利用の可能性は?

 欧米諸国では石油危機以降、石油代替エネルギーとして地中熱ヒートポンプが注目され、1980年前後から導入が始まりました。2000年以降は地球温暖化対策の一つとして注目され、普及が進んでいます。

 世界の地中熱ヒートポンプの設備容量は2010年時点で3500万キロワットに達し、年間約400万キロワットの割合で伸びています。一方、日本では地中熱ヒートポンプシステムの設置件数は2011年時点で累計990件、総設備容量は約6万キロワットとかなり遅れている状況です。なぜ、日本の地中熱利用は遅れているのでしょうか?

 「世間の認知度が低いことやエアコン(空気熱源ヒートポンプ)に比べて初期コストが高いことがまず挙げられます。システム設計から施工まで全体をカバーする事業者の育成、システムの高効率化に向けた技術開発、さらにシステムの設計に必要な地質情報の整備も必要です」(笹田氏)

 日本での地中熱利用の可能性についてはどうお考えですか?

 「地中熱ヒートポンプは冷暖房、給湯、融雪などでさまざまな施設への導入が期待できます。東京スカイツリー以外の最近の導入事例として、東京国際空港の国際線ターミナルビルや東京大学理想の教育棟、東京駅前の商業施設KITTEなどがあります。プールの加温や農業用グリーンハウス、魚の養殖にも利用できます。ただ、地中熱利用の規模が拡大していった場合に、環境負荷に対する配慮が必要になると思います。環境省の『地中熱利用にあたってのガイドライン』が今年見直される予定ですが、今後、規模の大きな施設をつくる場合などは、環境保全を考えてモニタリングも必要でしょう」(同)

 地中熱ヒートポンプは初期コストが高いという課題はありますが、自然界の熱エネルギーを利用するため、ランニングコストは低く抑えることができます。地中のエネルギーは、太陽エネルギーのように肌で感じることはできませんが、誰もが持続的に利用できる大きな可能性を秘めています。(松本真由美)

1305とはずがたり:2014/08/08(金) 14:32:57
太陽光とバイオマスは(俺が)ほっといても良さそう

●日本紙パルプ商事
岩手県野田村
バイオマス発電設備
14MW
間に14万トンにのぼる木質チップを燃料として利用する計画
樹皮やパームヤシ殻も併用
地元の野田村森林組合をはじめ岩手県内の森林事業者が供給元になる
年間の発電量は9648万kWhを見込

●徳島県東部の阿南市に繊維工場があるクラボウ
工場内の遊休地を利用して木質バイオマス発電事業
地元の木材事業者から間伐材などを利用した木質チップの供給
2016年4月に発電を開始予定
発電規模は6.2MW
年間の発電量は4000万kWh見込
クラボウは自社で開発したボイラーに蒸気タービンを組み合わせて発電設備を建設する

2014年08月07日 09時00分 更新
地域密着の木質バイオマス発電所、岩手と徳島で2016年に相次いで運転開始へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/07/news016.html

森林の保護と林業の活性化を両立させる木質バイオマス発電所の建設計画が相次いで始まる。日本紙パルプ商事が岩手県の野田村で、クラボウが徳島県の阿南市で、それぞれ地元の林業から木質バイオマスの供給を受けて発電事業に取り組む。いずれも2016年4月に運転を開始する予定だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 岩手県の北部に位置する野田村は太平洋に面していて、東日本大震災からの復興を進めている地域の1つである。近隣の市町村を含めて森林資源が豊富にあり、地域で発生する間伐材などを利用した再生可能エネルギーの導入は復興にも役立つ。

 日本紙パルプ商事が野田村に建設するバイオマス発電設備は14MW(メガワット)の発電能力で、年間に14万トンにのぼる木質チップを燃料として利用する計画だ。間伐材などの未利用木材に加えて、樹皮やパームヤシ殻も併用する。地元の野田村森林組合をはじめ岩手県内の森林事業者が供給元になる。

 年間の発電量は9648万kWhを見込んでいて、一般家庭で2万6800世帯分の電力を供給することができる。野田村の総世帯数(約1650世帯)の16倍に相当する。発電した電力は全量を売電する予定で、年間の売電収入は約26億円になる見通しだ。2016年4月に運転を開始する。

 全国には木質バイオマスの豊富な地域は多く、大都市圏を除く広い範囲に間伐材など未利用の資源が分布している(図1)。東北では岩手県のほかに青森県や秋田県に森林資源が多く存在する一方、四国では森林の比率が大きい徳島県と高知県が有望な地域である。

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図1 市町村別の木質バイオマス(間伐材)の賦存量。緑色が濃いほど賦存量が大きい。出典:NEDO

 徳島県東部の阿南市に繊維工場があるクラボウは、工場内の遊休地を利用して木質バイオマス発電事業に乗り出す。地元の木材事業者から間伐材などを利用した木質チップの供給を受けて、2016年4月に発電を開始する予定だ。

 発電規模は6.2MWで、年間の発電量は4000万kWhを見込んでいる。一般家庭で1万1000世帯分の電力使用量になり、阿南市の総世帯数(約3万世帯)の3分の1をカバーすることができる。クラボウは自社で開発したボイラーに蒸気タービンを組み合わせて発電設備を建設する。自社の工場で性能を実証して、設備の拡販につなげる狙いもある。

1306とはずがたり:2014/08/08(金) 14:40:31
冷やして洗う,いいかも♪

2014年08月07日 18時00分 更新
太陽電池を水冷式に、色味も改良
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/07/news118.html

クアトロエジャパンは太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」(2014年7月30日〜8月1日、東京ビッグサイト)において「放水冷モジュール」を展示した。温度低下による変換効率向上と、汚れの防止を狙う。青みがめだたない多結晶シリコン品も見せた。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」(2014年7月30日〜8月1日、東京ビッグサイト)では、新たに太陽光関連に参入した企業の展示もあった。太陽電池モジュールを展示したクアトロエジャパンだ。

 同社は2014年4月に設立されたばかりの名古屋に拠点を置く企業。自社ブランド製品の他、中国ソプレイソーラーなど複数の企業の太陽電池モジュールを扱うという。

 展示会では主に3種類の太陽電池モジュールを展示した。「放水冷モジュール」と呼ぶ開発品では、太陽電池モジュールの上部から散水するというアイデアを盛り込んだ(図1)。なぜ散水するのか。2つの効果があるという。1つは温度を下げることによって出力を高く保つ*1)、もう1つは汚れを洗い落とすことだ。

*1) 太陽電池は表面の温度が高いほど出力が下がる。一般に最大出力と表示されている値は、表面温度が25度のときのもの。しかし、夏季には表面温度が50〜60度にも上がる。こうなると出力が下がってしまう。多結晶シリコン太陽電池の出力は一般に1度温度が上がるごとに0.4から0.5%下がる(温度係数)。表面が60度になると、同じ光の量であっても出力が30%も下がってしまう。これを防ぐ仕組みだ。

 太陽電池モジュールの上部に一体化したパイプがあり、そこから散水する形だ(図2)。

結晶シリコン太陽電池を改良

 この他、多結晶シリコン太陽電池モジュールと単結晶シリコン太陽電池モジュールを展示した。

 同社の多結晶シリコン太陽電池モジュール「QE60P 255」の特徴は2つある。まず、結晶のきらつきを抑え、黒っぽい色調とした。「製造手法によって青い色を黒く見せている」(クアトロエ)。図3は従来の青く見えるモジュールと比較した展示だ。

 次に、光触媒防汚処理を施したことで汚れが付きにくくなったのだという。これをセルフクリーンソーラーと呼ぶ。チリやホコリが付きにくく、付着した汚れを浮かせる働きがあるとした。「当社の太陽電池モジュールは標準でセルフクリーンソーラー機能を備えており、2014年10月から量産出荷を開始する」(クアトロエジャパン)。

 図3の左側は60セル構成で出力255Wの製品。72セルで305W出力の製品もある。単結晶シリコン太陽電池モジュールでは60セル構成で出力280W(QE60M 280)、72セル構成で出力325Wだ。

1307とはずがたり:2014/08/08(金) 16:41:09
>>1305

2014年07月31日
木質バイオマス発電事業への進出について
http://www.kurabo.co.jp/news/newsrelease/20140731_1323.html

クラボウ(資本金 220億円、本社 大阪市中央区、社長 藤田晴哉)は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用した木質バイオマス発電事業に進出することを決定いたしました。
具体的には、エンジニアリング部が長年培った流動層焼却技術を発展させた「流動層ボイラ」(注1)と蒸気タービンを組み合わせた間伐材等を燃料とするバイオマス発電所を当社徳島工場(注2)敷地内に建設し、発電・売電事業を行います。
木質バイオマス発電は、現在、社会問題にもなっている電力不足の解消に寄与するとともに、環境保護の観点からも化石燃料による発電に比べ環境負荷を低減させ、また、森林に放置されている間伐材等を有効活用することにより、森林環境の保護、林業の活性化にも貢献できます。
なお、事業開始にあたっては、徳島県、阿南市等関係各所のご指導をいただき、進めてまいります。

1.クラボウ徳島バイオマス発電所(仮称)の概要
(1)事業者:クラボウ エンジニアリング部
(2)事業場所:クラボウ徳島工場敷地内 遊休地(約8,500㎡)
(3)発電規模:6,200kW
(4)年間発電量:4,000万kWh/年(一般家庭 約11,000世帯分の年間使用電力量に相当)
(5)燃料種別:木質チップ(間伐材等)
(6)燃料供給者:株式会社徳信(注3)
(7)投資額:約30億円
(8)着工予定:平成26年12月
(9)営業運転開始予定:平成28年4月

(注1)流動層ボイラ
流動層ボイラは、自社開発の流動層焼却装置とボイラを一体構造としたもので、本事業では蒸気タービンと組み合わせることにより、効率的な発電を行うことができます。

(注2)徳島工場
徳島工場は、繊維事業部の染色・加工における生産・開発の中核工場として平成8年に竣工した工場です。
    所在地:徳島県阿南市
    竣 工:平成8年
    敷 地:約106,000㎡

(注3)株式会社徳信
    所 在 地:徳島県阿南市
    資 本 金:1,000万円
    代 表 者:森 泰章
    事業内容:原木売買、木材市売業、燃料用チップの販売、
    山林土地の売買及び造林保有  (社有林 約2,000ha)

1308とはずがたり:2014/08/09(土) 19:49:48
趣味的には新東京市場駅を豊洲臨港線から延ばして設置してレサで鮮魚運んで欲しいところやけどww

2014年08月01日 07時00分 更新
東京の新しい卸売市場に電力と熱を供給、ガス圧力差発電も導入
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/01/news014.html

東京ガスは2016年に開業予定の「豊洲新市場」を中心にした臨海地域に、電力と熱を供給する「スマートエネルギーネットワーク」を構築する。大型のガスコージェネレーションに加えてガス圧力差発電も導入する計画だ。自営の送電線とガス導管を敷設して、停電時にもエネルギーを供給できる。
[石田雅也,スマートジャパン]

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図1 築地市場から豊洲新市場への移転計画。出典:東京都中央卸売市場

…東京ガスが国土交通省や環境省の補助金を受けながら、最先端のエネルギー供給体制を地区内に展開する(図2)。

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図2 豊洲埠頭地区のエネルギー供給計画。出典:国土交通省

 東京ガスは中核になる「スマートエネルギーセンター」の建設を7月から開始して、2016年5月に完成させる予定だ。このセンターには発電設備として大型のガスエンジンCGS(コージェネレーションシステム)を設置するほか、まだ実例が少ない「ガス圧力差発電」のシステムも導入する(図3)。

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図3 「スマートエネルギーセンター」の設備。出典:東京ガス

 ガスエンジンCGSは発電能力が7MW(メガワット)級の高効率タイプで、新市場が入る区域5・6・7に電力を供給する一方、同時に排出する熱を利用して冷水と温水も各区域に供給することができる。災害などで停電が発生した場合でも、自立起動できる機能を備えている。

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図4 ガス圧力差発電の仕組み。出典:東京ガス

 もう1つの電源になるガス圧力差発電システムは650kWの発電能力があり、未利用エネルギーによる発電方法として今後の導入拡大が期待されている(図4)。ガスも電力と同様に、導管の中を流す圧力を供給基地から順に引き下げていって家庭まで送り届ける。工場やオフィスビルには「中圧」で送るが、その中でも高めの「中圧A」と低めの「中圧B」の2種類がある。

 この中圧Aから中圧Bへ減圧する時のガスの流れを利用して、タービンを回して発電する仕組みだ。さらに発電と同時に冷熱が発生するため、これも利用して冷水を供給することが可能になる。

 東京ガスの試算では、未利用エネルギーを含めて効率的に電力と熱を供給できるスマートエネルギーネットワークを構築することによって、構築しない場合と比べるとCO2排出量が4〜5割も少なくなる見込みだ。地域全体の電力と熱の利用状況はエネルギー管理システムで集約して、センター内の冷凍機の稼働台数などを最適に制御する。

1309とはずがたり:2014/08/12(火) 10:52:05
>>1304

2014年08月11日 09時00分 更新
パームヤシ殻で50MWのバイオマス発電、セメント工場の遊休地を活用
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/08/news071.html

新電力のイ―レックスが2カ所目のバイオマス発電所を大分県に建設する。発電能力は国内のバイオマス発電所では最大級の50MWを予定している。セメント工場の遊休地を利用して、東南アジアから輸入するパームヤシ殻を燃料に使う。発電した電力で小売事業を拡大する計画だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 イ―レックスがバイオマス発電所を建設する場所は、大分県の佐伯市にある太平洋セメントの「大分工場佐伯プラント」の構内にある。プラント内の遊休地に50MW(メガワット)の発電設備を導入して、2016年の秋に運転を開始する計画だ。投資額は約170億円を見込んでいる。

 すでにイ―レックスは太平洋セメントが所有する高知県の土佐工場の構内で、バイオマスを燃料にした「土佐発電所」(発電能力29.5MW)を2013年6月から運転中である(図1)。燃料には東南アジアから輸入するパームヤシ殻を使っている。大分県に新設するバイオマス発電所でも同様にパームヤシ柄を利用する計画だ。

 パームヤシ殻はヤシから油を搾った後の外皮を乾燥させたもので、固定価格買取制度では1kWhあたり24円(税抜き)の買取価格になる木質バイオマスの1種である。イ―レックスはパームヤシ殻の安定供給体制を確保できたことから、2カ所目のバイオマス発電所の建設を決めた。年間の発電量は一般家庭で約10万世帯分に相当する規模になる見込みだ。

 イ―レックスは2001年から電力の小売事業を開始して、製造業の工場向けを中心に販売量を増やしてきた。2004年からはグループ会社を通じて発電事業にも乗り出し、自社電源と他社からの買取を合わせて供給力の増強を進めている。特に最近では再生可能エネルギーによる電力の調達に力を入れて、小売事業の特色の1つにしている(図2)。

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図2 イ―レックスの電力買取・供給サービス。出典:イ―レックス
 バイオマス発電所の用地を提供する太平洋セメントはイ―レックスの株主でもある。2010年に国内のセメント生産体制を見直して、土佐工場と大分工場佐伯プラントを含む3カ所でセメントの生産を中止していた。既存の設備や土地を生かした新規事業を検討する中で、イ―レックスのバイオマス発電事業に協力することを決めた。

1310とはずがたり:2014/08/13(水) 14:47:00
●名称?
場所:福島県塙町
定格最大出力:12MW
年間発電量:約8,000万kWh
利用木質B燃料:約11万2000t/年

2013年03月28日 07時00分 更新
木質バイオマスで12MW、放射性物質を除去できる発電設備を福島県に
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1303/28/news018.html

東日本大震災の被害を大きく受けた福島県では、放射性物質による汚染が林業に深刻な影響を及ぼしている。復興に向けたエネルギー施策のひとつとして木質バイオマスの利用拡大を推進中だ。汚染された木材でも発電用の燃料に使えるように、放射性物質を除去できる設備を導入する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 すでに福島県内では木質バイオマスを利用した大規模な発電所が2か所で稼働していて(と註:G発電会津5.7MWと白河WP11.5MWかと思われる)、新たに3番目の発電所を建設するプロジェクトが始まった。県南部の塙町に発電能力12MW(メガワット)の木質バイオマス発電設備を導入する計画で、2014年度に運転を開始する。完成すれば福島県で最大の木質バイオマス発電所になる。年間の発電量は約8000万kWhを見込み、一般家庭で1万4500世帯分の電力使用量に相当する。

 燃料として利用する木質バイオマスは年間に11万2000トンにのぼる。未利用の間伐材や端材・樹皮、リサイクル木材などが対象になるが、ここで問題になるのが燃焼時に発生する放射性物質だ。福島第一原子力発電所の事故によって県内の木材は高濃度の放射性セシウムを含んでいる可能性があり、焼却した後の灰や排ガスの中に残留することが想定される。

 このため塙町に建設する木質バイオマス発電設備では、焼却灰を敷地内に滞留させずに最終処分場に搬送して埋め立てるほか、高性能なバグフィルターを使って排ガスから放射性セシウムを除去する(図1)。このバグフィルターは99.99%の除去効率が実証されているもので、導入時に試験運転を実施して性能を確認することにしている。

 この発電所のほかにも福島県内の4か所に木質バイオマス発電設備を導入する計画がある。すでに稼働中の2か所と塙町を加えた合計7か所の発電能力は50MWに達し、木質バイオマスの使用量も年間53万トンに拡大する見込みだ。

 福島県は復興に向けた施策の柱として再生可能エネルギーの拡大を掲げ、2015年度までに太陽光・風力・小水力・地熱・バイオマスのすべての導入量を増やす構想を進めている。その中でバイオマス発電は2012年度の79MWから2015年度に100MWへ増強する目標を設定した(図2)。これを木質バイオマス発電所の拡大によって実現する。

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図2 バイオマス発電の導入見込量。出典:福島県企画調整部

1311とはずがたり:2014/08/16(土) 11:22:59
太陽光発電ビジネスに「15年危機説」?価格下落、「恩恵」切れ、実働事業者は5%…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140805-00010001-bjournal-bus_all&pos=1
Business Journal 8月5日(火)3時0分配信

 京セラはオリックスなどと共同で2017年、長崎県五島列島で大規模太陽光発電所(メガソーラー)を稼働させる検討を行うと発表した。出力は43万キロワットと世界最大級で、総投資額は1500億円に達する。国の再生可能エネルギーの推進と共に盛り上がりを見せるソーラービジネスだが、「2015年危機説」が早くも一部では流れている。

 長崎県五島列島のメガソーラーの出力は、これまで国内最大級とされた丸紅が運営する大分県のソーラーの約5倍に相当するという。京セラは五島列島の案件以外でも13年末に鹿児島市に国内最大規模の7万キロワットのメガソーラーを稼働済み。京セラ以外でもソフトバンクなど大手企業の中にはメガソーラー事業に注力する企業が増えている。 

 ただ、証券アナリストの多くは「ソーラー関連事業の先行きは不透明」と指摘する。背景にあるのは太陽光発電事業者向けの「恩恵」が切れる時期が近づいているためだ。12年7月の再生エネルギー固定買い取り価格制度の開始に伴い加熱した太陽光ブームだが、事業者向けの買い取り価格は13年4月には前年度比1割減の36円(税抜き)、14年4月に32円(同)に下がった。「開始時こそ想定以上だったが、その後の下落幅は想定外」との指摘もある。

 15年度以降も採算割れにはならないが、厳しい値付けが予想される。太陽光発電設備の取得価額全額を一括して償却できる税制の特別措置も14年度で終了する。「事業者は、赤字にはならないものの、これまでのような丼勘定ではなく収益の精査が必要になる」(電機担当アナリスト)。

●経産省が対策に本腰

 こうした規制の強化には、経済産業省の思惑が大きく影響している。同省の統計では、13年2月末時点で運転を開始した1000キロワット以上のメガソーラーは69施設。設備の認定件数は1755であることを考えると、実働は5%にも満たない。そのため、13年秋から、設備の認定を受けた事業者に工事の着工か第三者への譲渡、もしくは廃止届を出すかを迫った。設備事業者は、「認定だけ初年度に受ければ、買い取り価格は高値のまま。太陽光発電の設備は急速に値下がりしている。業者が設備の価格下落を待って建設に乗り出すのを防ぐために本腰を入れ始めた」と打ち明ける。

 国が後押しすることで、着工件数が今後も増える可能性が高い。ただ、「太陽光は一定規模の土地が必要で、日照の問題もある。設備認可を受けた業者の中には、買い取り価格の高さだけで動いたものの、土地を用意できない業者も出てきている」(同設備事業者)とブームの尻すぼみを懸念する声もある。

 一部の大手企業が積極展開するソーラービジネスだが、大手以外も続かなければ、ひとつの潮流にはなりえない。とはいえ、潮流を生み出すのは、企業の自助努力では限界がある。「恩恵」が切れた後、国はどう舵取りするのか。ソーラービジネスは、一過性のブームで終わらずに普及するのか。早くも正念場を迎えている。

黒羽米雄/金融ジャーナリスト

1312とはずがたり:2014/08/17(日) 12:19:55
●第2の緊急対策として北海道電力の主要な変電所に大型の蓄電池を設置する。詳細は5月中に決定する予定だが、合計で6万kWhにのぼる容量の蓄電池を配備する計画だ。

●現在は最大で60万kWの電力を北海道−東北間で送受電することが限界で、この能力を早期に90万kWまで増強する必要性が指摘されている。

2013年04月18日 13時00分 更新
北海道のメガソーラーが限界に、緊急対策で大型の蓄電池を296億円の予算で配備
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/18/news053.html

土地が広くて安い北海道で大規模なメガソーラーの建設計画が相次ぎ、今後の送配電に支障をきたす可能性が浮上。経済産業省は緊急対策として、296億円の予算で大型の蓄電池を変電所に設置する一方、発電事業者には北海道以外の地域にメガソーラーを建設するように要請した。
[石田雅也,スマートジャパン]

 経済産業省が4月17日に発表した緊急対策は3つある。第1に電力会社が発電事業者に対して送配電ネットワークへの接続を拒否できる条件を緩和する。現在は太陽光発電などによる電力の供給量が増えた場合には電力会社側で出力を調整することが義務付けられている。今後は北海道では500kW以上の太陽光発電設備の合計量が70万kWに達した時点で、従来の条件を緩和して電力会社が接続を拒否できるようになる。

 2012年7月に始まった固定価格買取制度によって、大規模なメガソーラーの建設計画が北海道内で数多く始まり、すでに12月末時点で56万kWを超える規模の設備が認定されている(図1)。全国の4分の1が北海道に集中する状況で、このペースで増え続けると送配電ネットワークに支障をきたす限界の70万kWに達するのは時間の問題になってきた。

 このため経済産業省は電力会社の接続拒否の条件を緩和すると同時に、発電事業者に対しては北海道以外の地域にメガソーラーを建設するように要請を出した。特に出力が2000kWを超えるメガソーラーの場合には接続拒否の正当な理由になることを強調している。

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図1 固定価格買取制度で認定を受けたメガソーラー(出力1000kW以上)の合計出力(2012年12月末時点)。出典:資源エネルギー庁

 第2の緊急対策として北海道電力の主要な変電所に大型の蓄電池を設置する。詳細は5月中に決定する予定だが、合計で6万kWhにのぼる容量の蓄電池を配備する計画だ。2012年度予算の予備費296億円を使って早急に設置を進めていく。

 天候によって出力が変動する太陽光発電や風力発電からの電力を変電所の蓄電池に充電・放電することによって送配電ネットワークを安定させる目的である。これにより分単位で電力の需給を調整する能力が高まる見込みだ。

 第3の対策は電力システム改革の第1弾として進める全国規模の需給調整機能の強化である。北海道の送配電ネットワークは東北としか接続できないために、地域間で需給を調整できる能力が小さい(図2)。現在は最大で60万kWの電力を北海道−東北間で送受電することが限界で、この能力を早期に90万kWまで増強する必要性が指摘されている。

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図2 全国9地域の需要規模と地域間連系線の送電容量(2012年4月時点)。出典:電力システム改革専門委員会

 ただし今回の緊急対策の中では経済産業省は具体案を示していない。改めて予算を確保したうえで北海道−東北間の連系設備の強化を早急に進めることになる。

 同様の問題は離島を数多く抱える沖縄でも生じる可能性がある。経済産業省は沖縄電力に対策の検討を指示する一方、発電事業者に対しては北海道と同様に沖縄でもメガソーラーの建設計画に注意を喚起する方針だ。

1313とはずがたり:2014/08/17(日) 12:22:39

高コストの離島発電が再生エネ使っていい方向へ向かうといいっすねぇ。高コストの内燃発電だけど太陽光よりは全然安いのかねぇ??

2014年08月14日 07時00分 更新
サムスンと組んで国内を制覇か、太陽光発電所+大容量蓄電池
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/14/news031.html

エジソンパワーは太陽光発電所向けに出力2MWのリチウムイオン蓄電池を納入すると発表した。事業用向けの太陽光発電所への導入では国内初の事例だという。なぜ導入するのか、売電収益と投資効率を第一に考える事業用発電所で受け入れられるのだろうか。徳之島の事例を紹介する。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 「大型のリチウムイオン蓄電池を設置した事業用太陽光発電所としては国内初の事例だと考えている」(エジソンパワー)。同社が蓄電池を納入するのは、御船ホールディングスが鹿児島県天城町(徳之島)に立ち上げる出力1.99MWの大規模太陽光発電所「御船徳之島太陽光発電所」。2014年8月に着工し、2017年3月に運転を開始する予定だ。

 徳之島の太陽光発電所は決して実験的なものではない。御船ホールディングスは、既に3カ所で自社グループの太陽光発電所を運営している。御船群馬太陽光発電所(群馬県安中市、出力1.95MW)、御船鹿児島第1太陽光発電所(鹿児島県曽於郡、出力1.83MW)と同第2太陽光発電所(出力2.0MW)だ。

 引き続き2014年内には5カ所で、2015年内には徳之島を含む4カ所で太陽光発電所の運転を開始する*1)。売電事業を目的として出力2MW未満の高圧で系統に接続する太陽光発電設備を次々と増やしている形だ。

*1) 2014年に運転を開始するのは、御船宇都宮太陽光発電所(1.94MW)、御船茨城桜川第1太陽光発電所(1.99MW)、御船茨城神栖第1太陽光発電所(1.99MW)、御船千葉長生第1太陽光発電所(1.99MW)、御船千葉茂原太陽光発電所(1.99MW)。2017年に運転を開始するのは、御船茨城神栖第2太陽光発電所(1.99MW)と御船徳之島太陽光発電所、御船千葉勝浦太陽光発電所(1.99MW)、御船千葉長生第2太陽光発電所(1.99MW)。この他、着工・完成時期が未定の発電所が1つある。御船茨城桜川第2太陽光発電所(1.99MW)だ。

なぜ蓄電池が必要なのか

 各地で大規模太陽光発電所の設置件数が増えていく中、系統に太陽光発電所を接続する余裕がなくなってきた。連系線の容量が不足している場合は、設備投資によって接続が可能になる。

 だが、解決が困難な理由がもう1つある。太陽光発電所は日中にのみ発電量が増加し、内燃力機(火力発電)の出力を最低限に絞っても、一部地域では余剰電力が発生してしまうことだ。「下げ代」がないのだ。小規模な離島のように系統が閉じている立地で発生しやすい問題であり、何も手を打たないと系統の電圧が上昇して異常が発生する。

1314とはずがたり:2014/08/17(日) 12:22:55

 大規模な問題が表面化したのはまず北海道電力だ。経済産業省は2013年4月、「北海道における大規模太陽光発電の接続についての対応」を発表(>>1312)。北海道に集中している風力資源を生かすために、太陽光発電設備の導入を制限する政策を明らかにした。この中には「大型蓄電池の変電所への世界初導入による再エネ受け入れ枠の拡大」という施策もあり、北海道内の変電所に296億円を投じて、合計60MWh程度の蓄電池を設置する。

 「北海道電力の対応を受けて、当社でも北海道に立地する案件に対して、太陽光発電所と発電所内に設置する大容量蓄電池を組み合わせる検討を続けてきた。しかし、蓄電池を導入したとしても計画した立地では(系統が受け入れられないため)売電できない日が年間100〜130日あることが分かった。これでは事業性が非常に厳しくなる」(エジソンパワー)。

 九州電力管内の離島でも似たような状況が起こっている。九州電力は2014年7月に「離島の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答保留について」と題する文書を発表した(>>1298)。徳之島を含む6つの離島(壱岐、対馬、種子島、徳之島、沖永良部島、与論島)では、再生可能エネルギーの系統連系について事前相談や事前検討、接続契約申込みに対する回答を、1年程度保留するという内容だ。徳之島は既に約2MWが連系されていて、年間30日の出力抑制を施したとしても現在の運用では累計4.4MWまでしか連系できない。

 理由は図2の通りだ。徳之島の場合、太陽光発電システムが現状規模であれば、内燃力機(合計10台中3台)の調整で島内需要との差を吸収できる(図2左)。ところが太陽光発電の規模が約7MWに達すると、昼間の約6時間、内燃機力の出力を最低限に絞っても供給が過剰になる(図2右で赤く塗った部分)。徳之島には蓄電設備がないため、太陽光発電所の出力を約6時間抑制しなければ調整できない。

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図2 徳之島の電力需要と太陽光発電所の関係 出典:九州電力が公開した資料を一部強調

 「九州電力に売電する場合は、出力変動を抑えるための蓄電池を導入すれば、電力会社が要求する電力の品質を満たすことができ、全量買い取ってもらえる。接続拒否は起こらないことが分かった」(同社)。

 蓄電池を導入しないと、これ以上、離島で太陽光発電所を増やすことができない理由は分かった。だが、大容量蓄電池は一般に高額であり、これまでの導入事例の大半は、補助金を利用した実証実験や、蓄電池を製造する企業の自社導入だった。御船徳之島太陽光発電所ではどのようなコスト計算が成り立つのだろうか。

蓄電池を導入して発電事業が成り立つのか

 多くの大規模太陽光発電所の初期コストは、1MW当たりおよそ3億円だ。1日当たり4kWh/m2という日照条件であれば、変換効率15%の多結晶シリコン太陽電池モジュールを利用すると、年間3500万円程度の売電収入が得られる。従って、初期コストが1億円増えると、投資回収期間がおよそ3年延びてしまう。

 「当社は徳之島で出力2MWの太陽光発電所と容量1MWhの大容量リチウムイオン蓄電池を組み合わせて7億円規模で構築する*2)。実は7億円規模で抑えないと顧客の期待するIRR(内部利益率)を出すことができない」(エジソンパワー)。

1315とはずがたり:2014/08/17(日) 12:23:31
>>1313-1315
 「低価格」に抑えることができた理由として、同社は2つの理由を挙げた。1つは徳之島の事例では同社が設計・調達・建設(EPC)事業者として取り組むことだ。導入期間全体にわたってコストを管理しやすい。もう1つは韓国サムスンSDI(Samsung SDI)と合意書を取り交わしていることだ。

*2) 一般的なメガソーラーの初期コストから計算すると、1kWh当たり10万円で大容量リチウムイオン蓄電池を導入できる計算になる。

サムスンと組んで全国を制覇

 合意書は日本市場で大型リチウムイオン蓄電池を大規模に普及させる業務に関するもの。「電池の供給に関する合意書だ。主に出力1MWや2MWという大型の蓄電池を対象としているものの、数kWのものも一部対象となる」(同社)。

 サムスンSDIとの合意書にはもう1つの意味があるのだという。長期間の保証だ。「大規模太陽光発電所は(固定価格買取制度を利用できる)20年という長期間にわたって運転が続く。当然、蓄電池も20年間利用できなければならない。事業者はもちろん、資金を融資する金融機関が20年という蓄電池の利用期間を求めてくる。しかし、これまで大容量蓄電池においては10年を大きく超える期間を保証した事例はほとんどない。今回は20年の保証をはっきりうたった初の事例ではないか」(エジソンパワー)。

 「電池は設置してからが勝負だと考えている。当社が蓄電池を監視し、メンテナンスを施していく。特に温度管理や過充電・過放電の監視が重要だ。不具合が生じた場合は、セル単位の交換はもちろん、複数のセルをまとめたラック単位の交換を施すことで性能を維持する」(同社)。これは電池の供給元であるサムスンSDIの協力がなければ継続が難しい事業だ。

 エジソンパワーはEPCと合意書という強みを今後も生かしていくという。徳之島の事例のように、大容量リチウムイオン蓄電池と組み合わせた大規模太陽光発電所を今後5年間に全国で20カ所建設する計画だ。このような規模の計画を国内で打ち出した企業は、これまでにない。

どのような蓄電池なのか

 エジソンパワーが徳之島に納入するのは出力2MW、容量1MWhという大型のリチウムイオン蓄電池。コンテナに蓄電池システム一式を収めてあり、設置しやすく、用途に応じて出力や容量、構成を調整しやすい …  徳之島に納入する蓄電池でも20フィートコンテナを使うことを検討している」(エジソンパワー)。木更津工場の蓄電池(100kW、84kWh)は工場の屋根に設置した太陽電池モジュール(100kW)から得た電力を蓄えるためのもの。その後、工場の隣接地に出力2MWの太陽光発電所を設置し、2014年7月には売電事業を開始している。

 同社が納入する蓄電池の工夫は2つあるという。1つはリチウムイオン蓄電池セルを並列接続することで容量を拡大しやすくしていること。…サムスンSDIの…蓄電池の寿命は6000サイクル。

 もう1つは50kW出力の双方向パワーコンディショナー(直流交流変換器)をコンテナ内に組み込んだことだという。…

1316とはずがたり:2014/08/18(月) 10:30:10
これは酷い・・。
>国内20カ所の地熱発電所のうち、発電機当たりの出力が最も大きいのは東北電力の柳津西山地熱発電所だ。1995年に運用を開始し、認可出力は6万5000kW。ところが、「出力が2万5000kWまで落ちることがある」。「2011年度の設備利用率は43〜45%だった」。

>地熱発電所の出力が低下していくことが長年月の運用によって分かっていたのに、なぜ対策が進んでいないのか。「地熱発電研究に対する国の予算措置は、昭和の中ごろから始まったが、ここ10年間が止まっていた。理由は複数ある。多額の資金を投資したのにもかかわらず、地熱発電所を数カ所(5カ所)しか新設できなかったことが1つ。もう1つは約10年前に政策上、原子力に開発資金を投入することが決まり、地熱への資金がなくなったことだ。

2013年10月22日 13時00分 更新
経産省が対策に乗り出す「怪現象」、地熱発電の出力が下がってしまう
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1310/22/news082.html

地熱発電は安定した出力が取り出せるという意味で、再生可能エネルギーの優等生のはずだ。ところが出力が変動してしまう。それも下がる方向への変動だ。これを抑える技術を5年間で開発する。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 経済産業省が、地熱発電の技術開発が不十分であることを認めた。技術開発が必要なのは建設後、運用に入った地熱発電だ。2013年10月に発表した資料では「我が国の地熱発電所では、必要な量の蒸気・熱水を安定的に採取できず、発電出力が変動しているケースが見られます」という抑えた表現にとどまっているが、実際には違う。

 国内20カ所の地熱発電所のうち、発電機当たりの出力が最も大きいのは東北電力の柳津西山地熱発電所(福島県柳津町)だ。1995年に運用を開始し、認可出力は6万5000kW。

 ところが、「出力が2万5000kWまで落ちることがある」(経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部政策課・燃料政策企画室)。「2011年度の設備利用率は43〜45%だった」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC))。設備利用率とは発電設備の最大出力に対して、実際に発電した発電量の比率を表す指標だ。

 地熱発電は太陽光発電や風力発電とは違い、設備のメンテナンス期間を除き、24時間365日安定して発電可能なことが特徴だったのではないのか。

 状況はさらにまずい。柳津西山地熱発電所の例が、機器の故障などによるものではないからだ。さらに同じ現象が国内の広い範囲で、長期的に起きている。「国内の多くの地熱発電所の出力は年々右肩下がりで減っている」(JOGMEC)。

なぜ減るのか

 実は地熱発電所は注意深い計画、運用を進めていかないと出力が減少してしまうことが古くから知られていた。原因は複数ある。

 単純な原因は「スケール」(水あか)だ。地中の熱水にはさまざまな鉱物が溶け込んでおり、これが井戸(鉱井)や発電所の配管、タービンなどの表面に付着していく。例えば配管の内径がスケールによって狭くなると蒸気の動きが妨げられてしまう。

 もう一つの原因が本質的だ。地熱を再生可能エネルギーとして使うには限界を見極める必要がある。あまりにも大量の蒸気・熱水を一度に取り出すと枯渇してしまうのだ。そもそも地熱発電に使う蒸気・熱水の元は地表からしみこんだ雨水だと考えられている。従って、補給されてくる水の量を超えて利用すると、熱水・蒸気の圧力が徐々に下がっていき、発電所の出力低下に至る。

どうすれば防ぐことができるのか

 枯渇を防ぐには3つ方法がある。第1は発電所の出力を適切な規模にとどめておくことだ。第2は取り出した蒸気・熱水のうち、発電に利用しない熱水を再び地中に戻すこと、第3は人工的に水を注入することだ(図2)。

 図2には水(青)と熱水(赤)の動きを示した。この図には地熱発電がなりたつ3つの条件も記されている。図左で雨水が地中にしみこんでいる。マグマだまりの上に水を通さない地層(キャップロック)が被さっている地熱貯留層と呼ばれる構造が中央に描かれている。この地熱貯留層に地表からの水が到達し、熱水・蒸気に変わる。これを生産井経由で取り出し、発電、使わなかった熱水を還元井で戻す。人工的に水を注入する井戸を涵養(かんよう)井と呼ぶ。

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図2 地熱発電所と地下の水や熱水の動き。出典:経済産業省資源エネルギー庁

1317とはずがたり:2014/08/18(月) 10:31:00
>>1316-1317
なぜ問題が放置されてきたのか

 地熱発電所の出力が低下していくことが長年月の運用によって分かっていたのに、なぜ対策が進んでいないのか。「地熱発電研究に対する国の予算措置は、昭和の中ごろから始まったが、ここ10年間が止まっていた。理由は複数ある。多額の資金を投資したのにもかかわらず、地熱発電所を数カ所(5カ所)しか新設できなかったことが1つ。もう1つは約10年前に政策上、原子力に開発資金を投入することが決まり、地熱への資金がなくなったことだ。ただし、311の後、原子力のような危険なエネルギーよりも地熱などの方が好ましいということになり、足元を固める今回の予算措置に至った」(資源エネルギー庁)。

 今回の予算措置というのは、新規に予算措置が取られた2013年度の「地熱発電技術研究開発事業」の9億5000万円だ。開発事業は3つあり、そのうち、今回の「地熱貯留層評価・管理・活用技術開発」に約3億円を割り当てる*1)。

*1) このほか地熱貯留層探査技術開発に2億円、高機能地熱発電システム技術実証開発に4億5000万円を使う。

どのような技術を開発するのか

 今回の予算では、図2のうち、涵養井を使った出力低下抑制技術を開発する。図2にある還元井は国内では1カ所を除く全ての地熱発電所で実施中だ。取り出した熱水をほぼ全て地中に戻しており、これ以上拡大する余地がない*2)。

 実施するのは、今回の事業の公募に応じた冒頭の柳津西山地熱発電所。

 JOGMECは、3つの団体に技術開発を委託する。柳津西山地熱発電所で蒸気供給を担当している地熱技術開発は、全体計画・設計と貯留層挙動予測を担う。全体計画には地質調査によって、涵養井の位置を決める役割が含まれており、貯留層挙動予測として数値シミュレーションを実行する。奥会津地熱は建設・工事を担当する。試験設備の設計・工事の他、人工涵養試験を進める。涵養井を1本掘り、そこに河川水を流し込む。河川水にはトレーサーを混ぜ込む。注入してから生産井に到達するまでの時間や規模などを計測するためだ。産業技術総合研究所は地質調査とモニタリングを実行する。蒸気の圧力や重力を測定する。地熱貯留層に含まれる水の比率が変化すると、重力の値がごくわずかに変化する。これを検出して見えない地中を見通す。

 2013年度と2014年度に試験設備の設置を終え、2015〜2017年度に実証試験を進める。5年間の技術開発だ。

*2) 熱水にはさまざまな鉱物、化学物質が溶け込んでいる。このため、熱水の温度を下げたとしても排水が環境基準をクリアすることができないという理由もある。

実は出発点が違うのでは

 地熱資源の枯渇を防ぐ方法として、先ほど3つの方法を紹介した。発電所の出力規模の計画、熱水の還元、人工的な水の涵養だ。今回の技術開発ではどうすればうまく水を涵養できるかを調べる。

 しかし、発電所のそもそもの出力規模の計画にずれがあると、還元・涵養を進めたとしても、期待した出力に至らない可能性がある。

 新しい地熱発電所を計画する際には一般的に以下のような手順を経る。地表調査を終えた後、約4年をかけて坑井調査、噴気試験、総合解析を進める。坑井調査では調査井の他、生産井や還元井も掘る。噴気試験では熱水・蒸気の量を測定する。

 最も難しいのが総合解析だ。まず、坑井調査や噴気試験で得た蒸気・熱水や熱の推定値を取り入れ、貯留層の数値モデルを作る。その後、地中をある大きさの3次元メッシュで区切り、初期条件と境界条件を与えて発電所を建設する前の熱水・蒸気の定常状態を求める。その後、生産井から取り出し可能な熱水・蒸気量を割り出す。

 ほぼ全ての地熱発電所がこのような手順を経て建設に至っている。問題は地中の様子が十分には分からないことだ。特に問題なのが熱水・蒸気を取り出した後、周囲から補給される水の量(速度)の推定値に幅があることだ。ここでもし、推定値の上限値を採用してしまうと、生産量を過大に見積もる結果に至る。「柳津西山地熱発電所は補給される水の量が不十分だろう」(資源エネルギー庁)。

 このような曖昧さを少なくする地熱発電所の開発手段もある。「九州大学教授の江原幸夫氏が提唱する『小さく産んで大きく育てる』という手法を採れば、予測の曖昧さを小さくできる。小規模な生産井で運用を始めると、(この値を使って水の補給量の見積もりを正確にできるため)、今後の地熱発電所の出力規模が適正になるだろう」(資源エネルギー庁)。

1318とはずがたり:2014/08/21(木) 13:48:37
なんでエナリスはこんな場所に休眠発電所なんてもってるんだ?

2014年08月20日 13時00分 更新
休眠状態の発電所をバイオ燃料で復活、エナリスが茨城県で開始
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/20/news021.html

再生可能エネルギーによる電源の開発を進めるエナリスが自社で保有する発電所の改造に乗り出した。茨城県で休眠状態にある発電設備をバイオ燃料で稼働するように改造して、8月中に運転を開始する予定だ。2015年末までにバイオ燃料による発電事業を300MWの規模に拡大する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 エナリスがバイオ燃料向けに改造する発電所は、茨城県で休眠中の「北茨城発電所」である。ディーゼル発電による1〜3号機のうち、1号機から改造に着手した。8月中に運転を開始する予定で、今後さらに2号機と3号機の改造も進める見込みだ。3基を合わせると発電規模は15MW(メガワット)になる。

 バイオ燃料にはインドネシアなどから輸入するパームアシッドオイルを主に利用する。パームアシッドオイルはアブラヤシの実からパーム油を搾った後のカスで作る非食用の油で、価格変動のリスクが小さいためにバイオ燃料として広く使われている。固定価格買取制度では「一般廃棄物・その他のバイオマス」の区分に入り、発電した電力は1kWhあたり17円(税抜き)の買取価格を適用することができる(図1)。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/biomas_kaitori_sj.jpg
図1 バイオマス発電の原材料の種類と買取価格。出典:資源エネルギー庁

 エナリスはパームアシッドオイルなどの原料を現地の企業から調達したうえで、燃料の精製から供給までを一貫して手がけることによってエネルギー流通のトレーサビリティ(追跡可能性)を確保する方針だ。固定価格買取制度ではバイオマスの原材料の出所を証明する必要がある一方、環境保全の観点からも資源のトレーサビリティが求められている。

 エナリスはバイオ燃料を使った発電事業を新規の建設と既設の改造の2つの方法で拡大していく。2015年末までに新規で161MW、既設で139MW、合わせて300MWの発電設備を増強する計画で、北茨城発電所の1号機は既設を改造する第1弾になる。発電した電力は新電力(PPS)などに供給する。

1319とはずがたり:2014/08/21(木) 14:03:30
2014年08月15日 15時00分 更新
東北の大地を空から探る、地熱資源はどこ?
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/15/news061.html

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は2014年8月から東北地方の八幡平(はちまんたい)で「地熱資源ポテンシャル調査」を開始する。対象地域は秋田県と岩手県にまたがる1050km2もの山岳地帯。全域をわずか2カ月で調査するという。素早く正確な調査ができる理由は?
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 日本は世界第3位の地熱資源国だ。だが、地熱資源は地下に「埋まって」おり、正確な場所や規模が分からないと開発できない。

 現在主流の地熱発電技術では、火山やマグマから直接熱を取ることはない。発電で使う蒸気のもとは、地中に染み込んだ雨水だ。雨水がマグマだまりで加熱を受けて熱水となり、地中を移動して「地熱貯留層」とよぶ地下の構造にたまる。地熱貯留層の上には水を通さない地層(帽岩)が帽子のように被さっており、熱水を逃さない。この熱水を地上から掘り下げた井戸で取り出す。

 このため、地熱探査ではいかに素早く正確に地熱貯留層を見つけ出せるかが最初の関門になる。国内には地熱資源が存在することが分かっていながら、調査が進んでいない地域が多い。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が狙うのはそのような地域の調査だ。

「八幡平」をヘリで調査

 2014年8月には東北地方の八幡平(はちまんたい)で「地熱資源ポテンシャル調査」を開始*1)。対象地域は秋田県と岩手県にまたがる1050km2もの山岳地帯。全域をわずか2カ月で調査するという。調査を実行するのはオランダFugroの日本法人であるフグロジャパン。

*1) 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は全国の地熱資源の調査を1985年から開始。八幡平は後ほど紹介する霧島やくじゅうと並んで有望であることが分かっていた。

 山地の地下を素早く調べる秘密は、東北地方初のヘリコプターによる探査だ。重力と電気抵抗、磁場の変化を上空から一気に調べる(図2)。測定するたびに停止する必要がなく、精度も高いという。

重力の測定は難しくない

 3種類の探査手法のうち、比較的容易なのが空中重力偏差法探査だ。ヘリコプターの機内に、図3のような計測装置を搭載し、上空約150mを飛行する(図3)。機体後部にはそれぞれ1対(2個)のレーダー高度計とレーザースキャナーが取り付けてあり、高度・地形情報を取得する。

 これで、微小な重力の変化が分かる。重力の変化は、地下の岩石密度の分布を反映しているため、広い範囲の地質構造を地図にできる。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20140815JOGMEC_gravity_330px.jpg
図3 空中重力偏差法の探査用機器 出典:JOGMEC

1320とはずがたり:2014/08/21(木) 14:03:50
>>1319-1320
地中にある熱水やマグマの位置を探る

 残る2つの探査は機材が複雑だ。国内には測定できる機材がなかったほどだ。約100mの高度を時速70kmで飛行するヘリコプターからループ状のアンテナを地上50mの高さにつり下げて測定する(図4)。実際の測定風景は図2の通りだ。

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図4 ヘリや測定機器と地表の位置関係 出典:JOGMEC

 時間領域空中電磁探査では、岩石の電気抵抗の分布を調べる。地熱貯留層上部の帽岩の位置を確認することが目的だ。「粘土や水、硫化物の1種である黄鉄鉱などは電気抵抗が低い」(JOGMEC)。高温の熱水や蒸気を間接的に検出できる。「条件のよい場所では地下500mまで計測できる。垂直方向の位置情報も取得できる。地表に近い部分の電気抵抗が低いと、いくぶん測定しにくいものの、それでも100〜200mまで分かるのではと期待している」(JOGMEC)。

 空中磁気探査では磁束密度の変化を調べる。「地中の岩石は磁場を帯びているが、マグマに接触して高温になるとキュリー点を超えて磁気を失う*2)。従って、間接的にマグマの位置が分かる。もう1つ、鉄鉱物が熱水によって変質を受けると磁気的な性質が変化する。これも上空から分かる」(JOGMEC)。測定精度は0.01nT(ナノテスラ)。これは地磁気の強さの500万分の1という小さな値だ。

*2) 例えば磁鉄鉱のキュリー点は約580度。

日本全国を探査するのか

 JOGMECは地熱資源ポテンシャル調査を2013年10月に開始している。これが今回のようなヘリコプターを用いる3種類の探査手法を導入した国内初の事例だ。最初の対象地域は九州の2カ所。面積約550km2の「くじゅう」(大分県、熊本県)と約280km2の「霧島」(鹿児島県、宮崎県)だ。

 当初の計画では2013年10月中に、東北と同様3種類の調査を終える予定だったが、時間領域空中電磁探査用の装置が海外品であるため、利用の許認可に手間取ってしまう。結局、時間領域空中電磁探査を開始できたのは2014年7月であり、2014年8月中に探査を終える予定だ。

 「空中重力探査では(250m間隔にとった)測線上の5m間隔で測定した。測定点は70万点以上に及び、測定データの総合解析は2014年度いっぱいかかりそうだ。東北の測定が順調に進めば、あわせて2014年内に解析結果を公表したい」(JOGMEC)。

 2015年度以降も、九州、東北に続き、有望な地点のヘリコプター探査をさらに進めていく計画だ。北海道の調査などが期待できそうだ。

1321とはずがたり:2014/08/21(木) 14:04:58
効率って環境視点でか?

エネルギー効率、ドイツが世界一
2014年07月29日 12:00 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3021659

【7月29日 AFP】米国エネルギー効率経済協議会(American Council for an Energy-Efficient Economy、ACEEE)はこのほど、世界のエネルギー効率についての調査報告を発表し、効率がもっとも良い国はドイツだと評価した。また、中国も急速に独自の取り組みを強化しているという。

 同協議会が世界の主な経済国家16か国のエネルギー消費率について調査した結果、最低評価となったのはメキシコだった。また、米国とオーストラリアについては、取り組みのペースについて懸念の声が上がった。

 もっとも評価が高かったドイツについては、住宅や商業ビルに課される規定のほか、エネルギー消費量を2008年から2020年までに20%削減するという目標に向けた取り組みを行っていることが評価された。

 エネルギー効率が2番目に良かったのはイタリアで、輸送部門の効率性が評価された。また3位が欧州連合全体、4位が中国とフランスで、英国と日本が6位だった。

 報告では、1平方フィート当たりのエネルギー消費量では、建物に課された規定の順守が常に厳格ではないものの、中国が最も少ないことが分かった。

 ACEEEのスティーブン・ネイデル(Steven Nadel)会長は、「中国にできることはまだたくさんある。多くのエネルギーを無駄にはしているが、かなり前進している」と語っている。

 報告では、オーストラリアが「傾向から明らかに後退」していることも明らかになった。トニー・アボット(Tony Abbott)豪首相は、気候変動に関する科学的証明に懐疑的とされ、17日には論争の的となった炭素税の廃止が上院で可決された。

 ランキングでは10位となったオーストラリアは、建物建設や製造についての取り組みが評価されたものの、輸送部門のエネルギー効率は対象国の中で最低だった。

 また世界最大の経済大国である米国は13位で、前進はしているものの、国レベルではまだ「大量の」エネルギーを無駄にしていると指摘されている。(c)AFP

1323とはずがたり:2014/08/23(土) 17:27:04
今朝の朝日新聞に載ってた
面白いねぇ。まだ70kW程度のものらしいけど。

風力・太陽熱・バイオマスを組み合わせたバイナリー発電に関する技術開発に着手
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2012_09/pr_j1102.htm
環境省公募の地球温暖化対策技術開発・実証研究事業に採択
2012年09月11日
株式会社 東芝
株式会社 神戸製鋼所
慶應義塾大学

株式会社東芝(以下 東芝)、株式会社神戸製鋼所(以下 神戸製鋼)と慶應義塾大学(以下 慶大)は、環境省が今年5月に公募した「平成24年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業(補助事業)」に関して、「風車・太陽熱・バイオマスボイラを組み合わせたバイナリー発電に関する技術開発」の補助事業先に採択されました。

 今回開発するシステムでは、再生可能エネルギーである風力・太陽熱・バイオマスを熱エネルギー源として組み合わせ、沸点の低い媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回すバイナリー発電を行うことにより、自然条件の変化にかかわらず、安定した電力に加え、温水の供給を可能とすることを目指します。なお、本システムの総工費は約6億8000万円で、その約半分を補助金として環境省から交付を受ける予定です。

 風力・太陽熱などの再生可能エネルギーは、気象条件等によって発電出力の変動が大きく、送電網への影響が大きいことが課題となっています。
 今回の技術開発では、東芝は太陽熱集熱装置、および発電システム全体を制御するシステム制御開発に加え、本開発の全体の取りまとめを行います。慶大は東芝と共同で、風力発電の変動を抑えるソフトウエアを開発し、不安定な風力発電の出力を平準化する制御技術開発を行うとともに、風力発電による電力の変動分を太陽熱集熱装置の出力に加算するシステムを開発します。また、神戸製鋼は太陽熱集熱装置と木質バイオマスを熱源とするバイナリー発電システムの開発を行います。
 3者によるこれら技術開発により、自然条件の変化にかかわらず、安定した電力と温水の供給を可能とするシステムの開発を目指します。

 本システムは、兵庫県、洲本市、南あわじ市及び淡路市が推進する地域活性化総合特区「あわじ環境未来島特区」事業の一環として、南あわじ市に建設します。今年度は土地の整地などを行い、2013年度春から順次システムを据付稼働し、2014年度末まで実証試験を行います。風力発電設備は、1.5MWの既存の風力発電設備の出力を流用し、新たな風車建設は行いません。
 なお、地元自治体である兵庫県および南あわじ市から、本研究開発に関する協力を得る予定です。

今回の事業概要について

1.研究期間   :2012年9月(予定)〜2014年度末まで

2.サイトの建設地:兵庫県南あわじ市阿万西町1062−1

3.各者の役割

東芝    :太陽熱集熱装置、および発電システム全体を制御するシステム制御開発に加え、
本開発の全体の取りまとめ
神戸製鋼 :太陽熱と木質バイオマスを熱源とするバイナリー発電システムの開発
慶大(理工学部物理情報工学科教授足立修一、助教小野雅裕):不安定な風力発電の出力を平準化する制御技術開発

今回の技術開発のイメージ
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/zu.JPG

1324とはずがたり:2014/08/25(月) 10:35:13
隠岐の島の形を始めて認識した気がする。。
島前・島後は「どうぜん・どうご」と読むらしい。

2014年08月22日 19時30分 更新
「隠岐の島」大型電池役立つか、空港跡にメガソーラー
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/22/news127.html

隠岐の島町は運用を停止した滑走路を太陽光発電所の用地として貸し出す。2015年9月には出力1.5MWの発電所が2つ完成する予定だ。中国電力は島の電力ネットワークが不安定化しないよう、新発電所の完成と同時に6.2MWと大型の蓄電池の実証事業を開始。出力変動の抑制効果を確かめる。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 離島では大規模な電力ネットワークから孤立している場合がある。発電、送電、配電が島内で完結しているのだ。このような島に太陽光発電所や風力発電所を導入する際には工夫がいる。

 太陽光発電所の規模が小さいときには、火力の運用でカバーする。太陽光の出力が上がったときには、火力の出力を下げ、下がったときには上げる。だが、太陽光の規模が大きく、火力を最小限に絞っても太陽光の出力が余る場合はどうするか。

 幾つかの手法がある。そもそも太陽光の導入を認めないことが1つ(接続拒否)。導入を認めるものの、あふれそうな場合は太陽光側に送電を停止してもらう対応もある。大規模な蓄電池を導入してあふれをカバーする手法もある(関連記事)。中国電力はこの3番目の手法を中心に、隠岐諸島で実証事業を進める。

電力ネットワークが閉じた隠岐諸島

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図1 島根県隠岐の島町(島後)と後ほど紹介する太陽光発電所の位置

 隠岐諸島は4つの大きな島と多数の小さな島からなる。1番大きな島が図1の上右にある丸い「島後」(隠岐の島町)。「島前」は3つの島からなる。北側の西ノ島(西ノ島町)と東側の中ノ島(海士町)、南側の知夫里島(知夫村)だ。島根県の出雲半島から島前までの距離は約45km、島後までは65km、島前島後間は約10km離れている。

 出雲半島まで距離が離れているため、中国電力が管理している隠岐諸島内の電力ネットワークは島内で独立している。諸島内に中国電力の発電所は4つある。最大のものが西郷火力発電所(隠岐の島町、2万5320kW)だ*1)。西郷火力発電所からは島前に向けて22kWの系統線が引かれている。

*1) この他、後ほど登場する黒木火力発電所(西ノ島町、7380kW)、油井水力発電所(隠岐の島町、200kW)、南谷水力発電所(隠岐の島町、100kW)がある。

 「現在は島根県企業局が運営する出力1.8kWの風力発電所が動いている。今後、隠岐の島町が公募を開始した出力3MWの太陽光発電所や、別の事業者が計画する2MWの太陽光発電所が加わり、住宅への太陽光発電システムの導入量も増えていく」(中国電力)。このような状況に備えて、中国電力は2014年4月、合計出力6.2MWの大規模蓄電池を導入する計画「ハイブリッド蓄電池システムによる技術実証事業」を発表している*2)。

*2) 環境省が公募した「2014年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業」に採択された。出力4.2MWのNAS蓄電池(関連記事)と2MWのリチウムイオン蓄電池を設置する。

実証事業には負担もある

1325とはずがたり:2014/08/25(月) 10:35:36
>>1324-1325
 2014年8月には、技術実証事業の協力申込みの受け付けを開始。太陽光発電事業者(合計3.0MW)と風力発電事業者(2.0MW)を募集する*3)。接続拒否を避けるため、本来は事業者側が用意しなければならない蓄電池を中国電力が用意する。

*3) 「募集した受付量が蓄電池の合計出力6.2MWよりも小さいのは、今後、再生可能エネルギーを用いた発電事業者が増える見込みがあるからだ」(中国電力)。

 ただし、発電事業者には別の負担が生じる。まず、蓄電池システムが停止した場合に備えて、太陽光や風力の発電設備を停止するための転送遮断装置や通信回線を事業者側で用意しなければならない。加えて太陽光発電の場合、年間69日間、発電を停止しなければならない可能性がある。停止時の補償はなく、事業者側の収益性が悪くなる可能性がある*4)。

*4) 69日の内訳は以下の通り。点検・修理などによる蓄電池システム停止時の運用協力(年間1日程度)、電力系統や発電機の作業や事故時の運用協力(年間13日程度)、発雷・発雷想定時の運用協力(年間55日程度、太陽光のみ)だ。「発雷などの運用協力が発生する日は、そもそも太陽光発電に適した天候ではない。そのため、丸々55日分の電力が無駄になるわけではない」(中国電力)。なお、再生可能エネルギー特別措置法で定める出力抑制(無補償)が年間30日あるとした。これは69日には含まれていない。

町が遊休地を太陽光で活用

 中国電力の技術実証事業のうち、太陽光発電(3.0MW)の対象は「決まっている」。隠岐の島町が2014年8月に発表した「隠岐の島町メガソーラー発電事業」(隠岐の島町岬町田垣)の公募に採択される事業を対象とするからだ。

 隠岐の島町が太陽光発電事業を公募した狙いは、賃貸料と固定資産税が得られること、加えて非常用電源としての活用だ。エネルギーの地産地消にも役立つとした。

 島前の南端には隠岐諸島唯一の隠岐空港がある。1965年に開港後、2006年には新滑走路が完成したため、従来の滑走路は廃止された。図2の北側が従来の滑走路、南側が新滑走路だ。

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図2 建設予定地周辺の地図(クリックで拡大) 出典:隠岐の島町

 発電所の予定地(工区)は赤い四角形の部分だ。1つの大きさは350m×60m(2万1000m2)。2工区ある。町が1工区当たり年額75万6000円で貸し付け、発電期間として20年間を予定する。

 旧滑走路の長さは1500mあり、舗装がそのまま残っている。なぜそのうちの一部しか発電に使わないのだろうか。「中国電力によれば、これ以上発電量を増やしても受け入れができないからだ」(隠岐の島町役場定住対策課ブランド推進係)。図2をよく見ると、どちらの工区も中央に幅5mのすき間がある。これはなぜだろうか。「元滑走路は県有地であり、町が周辺の土地を無償で牛の牧草地として貸し出していた。太陽光発電所建設後も牧草地として使うため、放牧の管理者から(通路としての)要望があったからだ」「企画提案では空港に隣接した立地に適した設計を望む」(同係)。

 2014年9月に企画提案書を受け付け、審査を経て2014年10月に選定結果を公表する。その後、設備認定協議や接続検討、系統連系申し込みを経て、町が事業者と協定や契約を結ぶ。着工時期は2015年4月を予定し、2015年9月から発電を開始する。

 中国電力の実証事業が本格的に動き出すのは2015年9月末の運転開始を待ってからだ(風力発電は2016年度末から)。「現時点ではNAS蓄電池、リチウムイオン蓄電池ともメーカーが決まっておらず、容量(Wh)など出力以外の仕様は未定だ」「設置方法は決まっている。再生エネルギー発電所ごとに設置するのではなく、大型の装置を西の島町の黒木発電所の近隣にまとめて設置したい。これは蓄電池の目的が系統ネットワークの安定化にあるためだ」(中国電力)。

1326とはずがたり:2014/08/29(金) 11:55:26
電力と石油の自給が夢でない国,日本
私たちの未来を変える木質原料ガス化複合発電+FT法とは
藤原 秀樹
2014.01.29木
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39784

これまで6回にわたり、木質燃料ガス化による国産燃料製造の可能性について述べた。この中でガス化後の発電と液化については、話が専門的になりすぎると思い、詳しい話はしなかった。ここで改めて補足しておきたい(これまでの連載はこちらから)。

クリーンで安定的に得られる国産のエネルギー

 20世紀のエネルギーとは石油であったと言える。今後は、多様なエネルギー源の中から取捨選択が行われるであろう。中東の石油産出国でさえ、中東の石油の枯渇を見据えて原発の設置を考えている。

 米国のシェールガスが注目されているが、しょせん中東が米国に代わっただけで、本質的な変化ではない。過多に肩入れすると、国防どころかエネルギーも米国依存になる。

 一方、メタンハイドレートは日本近海で採取できれば、国産燃料として注目されるだろう。しかし、現段階ではコスト試算も難しい。太陽光や風力は一定した出力が得られない。夜、太陽光は役に立たない。風力は文字通り風まかせである。

 日本の国土で安定して得られ、かつクリーンなエネルギー源で、コスト計算が可能なもの(コストが割高になるとしても計算が可能なもの)は、地熱発電と木質原料であろう。特に木質原料は電気にも液体燃料にも変換可能である。

 昨今、石炭利用が石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle )により見直されてきたが、国外依存であることには変わりない。

 この石炭を国内の木質原料に置き換えたのが、これまでの連載で論じた木質原料のガス化である。

 ガス化してガスタービンを回せば発電が可能であるし、ガス化後にフィッシャー・トロプシュ法(以下、FT法)を組み合わせることにより、ガソリンだけでなくディーゼル燃料や航空燃料を製造可能である(FT法の概念については「バイオ燃料で世界から取り残され始めた日本」参照)。

 国土の68%をも占める森林の木質資源(国土に占める森林面積の割合はフィンランド、スウェーデンに次ぐ)を本格的に活用するには、運搬用の道路を造り、専用のトラックや本格的刈取り機を導入するなど、大きな資本を伴う林業の再編も必要となる(「世界有数の森林資源を利用していない日本」参照)。

 しかし、国産燃料が実現可能であるなら、外材との価格差を考慮してもなお、実行すべき課題であると考える。

石炭ガス化複合発電とFT法による液化技術の組み合わせ

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図1 従来の発電

 従来、発電には蒸気タービンが用いられてきた。化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)をボイラーで燃焼させ、発生した蒸気の力でタービンを回して電力を発生させる(図1)。

 この原理は原発でも同様で、核反応の熱で水を沸騰させ蒸気タービンを回す。

 エネルギー源が何であれ、いわば大きなやかんを利用している。化石燃料の燃焼か核分裂によるものかは異なるが、発生する熱を利用して蒸気タービン(と接続された発電機)を回すことに違いはない。

1327とはずがたり:2014/08/29(金) 11:55:48
>>1326-1327
 近年、導入されつつあるものに、ガスタービンによる発電がある。ガスタービンのみでも発電可能であるが、ガスの燃焼熱を利用して蒸気タービンも同時に回すことができる。

 すなわち、ガスタービン複合発電(GTCC:Gas Turbine Combined Cycle)である(図2)。今ふうに言うとハイブリッド発電で、発電効率がアップした。この技術と石炭のガス化を組み合わせたのが、石炭ガス化複合発電(IGCC)である(図3)。

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図2 ガスタービン複合発電

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図3 石炭ガス化複合発電

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図4 石炭ガス化複合発電+FT法

 石炭ガス化複合発電技術の開発により、低品位の石炭が利用でき、かつ排ガスも抑制された。この技術を利用した発電設備は、すでに商用発電の段階に達している。

 そして、石炭ガス化複合発電技術とFT法による液化技術を組み合わせると図4のようになる。

 すなわち、石炭ガス化複合発電+FT法である。FT法はガスを液体に変換するプロセスであるので、原料として天然ガスを使用することもできる。

 実際、カタールでは天然ガスを原料としたプラントが実働している(参考:Fischer–Tropsch process, Wikipedia )。

木質原料のガス化と液化が持つ意味

 図5のように、FT法の原理はCO(一酸化炭素)とH2(水素)より、触媒を介して炭化水素を合成するものである(参考:Fischer-Tropsch-Synthese, Wikipedia)。

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図5 FT法の原理

 この石炭を、より環境負荷が低く、しかも国産の樹木に置き換えようというのが、筆者の主張である(図6)。

 木質原料のガス化はそれ自体で技術進歩している。しかし、ガスタービン発電が石炭ガス化と組み合わされるなら、木質原料のガス化も可能であろう。

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図6 木質原料ガス化複合発電+FT法

 石炭を原料にしてそれを液化するのは現状ではコスト以外では意味は薄い。しかし、木質原料と組み合わさるならば、別の意味を持つ。

 国産の原料を使うことにより、大規模林業の先駆けとなり得る。そして純国産の電気と燃料が得られる。しかも、化石燃料よりも、ずっとクリーンである。

 このように、ガス化複合発電との組み合わせで、コストダウンを図れないか検討する価値は大いにある。

 森林大国である日本の林業を活性化させ、国産資源である木材を使用した国産燃料を得ると同時に、ガスタービン複合発電も行う。

 国産材による燃料と電気の供給は現状の技術で可能なのだ。

1329とはずがたり:2014/08/30(土) 09:14:24
●サツマイモ発電
霧島酒造(宮崎県都城市・本社工場)
最大出力:1,905kW(発電施設計3基・建設済)
発電量:400万kWh/年
原料:最大800t/日発生するサツマイモの繊維や皮などを含んだ焼酎かす(残渣)
総事業費:13億5000万円
売電収入:年間約1億5000万円見込

「黒霧島」の霧島酒造、焼酎粕を使って発電
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140828-00000522-san-bus_all
産経新聞 8月28日(木)14時2分配信

 芋焼酎「黒霧島」で知られる大手酒造メーカーの霧島酒造(宮崎県都城市)は28日、芋焼酎の製造過程で発生する粕などを活用したバイオマス発電事業を県内で9月から開始すると発表した。年間で、一般家庭約1千世帯の使用量に相当する約400万キロワット時を発電し、九州電力にすべて売電。年間1億5千万円の収入を見込む。

 サツマイモを活用した発電事業は国内初で、発電量も焼酎メーカーとして最大規模だという。

 霧島酒造はすでに、1日最大800トン発生する焼酎粕をメタン発酵させ、回収したバイオガスエネルギーを工場内の燃料として活用している。焼酎の製造に利用できるバイオガスは総発生量の約4割にとどまっていたため、余ったガスのほぼすべてを発電事業に有効活用することとした。

焼酎かすで発電、霧島酒造が事業化へ
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20140829-OYS1T50007.html
2014年08月29日

 「黒霧島」などのブランドで知られる焼酎メーカー、霧島酒造(宮崎県都城市)は28日、芋焼酎の製造過程で発生する焼酎かすを使ったバイオマス発電に9月から参入すると発表した。一般家庭の約1000世帯に相当する年間400万キロ・ワット時を発電し、固定価格買い取り制度に基づいて全量を九州電力に売電する。霧島酒造によると、焼酎かすを再利用した発電事業は全国で初めて。

 主力の「黒霧島」などを製造する際にサツマイモの繊維や皮などを含んだ焼酎かす(残渣ざんさ)が1日最大800トン発生する。この焼酎かすをメタン発酵によってメタンガスに変え、発電に利用する。

 総事業費は13億5000万円。都城市の本社工場に発電施設計3基(最大出力1905キロ・ワット)を建設済みで、年間約1億5000万円の売電収入を見込んでいる。江夏順行よりゆき社長は「環境に対する取り組みは業界一と自負している。これからも、環境と共生する企業としてまい進したい」と話している。

2014年08月29日

1333とはずがたり:2014/09/02(火) 20:40:36
もともと水力がある分,やっとこさ先進国並みだけど新エネとしてはお寒い限りだなぁ。。

>むしろ当面の課題は石油火力の比率だ。2013年度でも14.9%を占めていて、先進国の中では圧倒的に高い
もうほんとバカかとアホかと。。
オイルショックの反省は何処へ行ったのか。原発偏重のなれの果てがこの惨状である。。

2014年06月23日 13時00分 更新
再エネ比率が2013年度に10.7%へ上昇、欧米の先進国に一歩近づく
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/23/news018.html

太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電量が2013年度に大幅に伸びたことで、国内の総発電量に占める割合は前年度の1.6%から2.2%へ急上昇した。従来からの大規模な水力発電を加えると10.7%になり、アメリカやイギリスと同等の水準になってきた。
[石田雅也,スマートジャパン]

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/saiene2013_1_sj.jpg
図1 再生可能エネルギーによる発電量の比率。出典:資源エネルギー庁(電気事業連合会のデータをもとに作成)

 資源エネルギー庁が固定価格買取制度の運転状況などをもとに集計したところ、2013年度の再生可能エネルギーの比率は国内の総発電量に対して10.7%になった(図1)。大規模な水力発電が8.5%で前年度から0.1ポイント増える一方、水力以外の太陽光などが0.6ポイントも伸びて2.2%まで拡大した。

 この結果、世界の先進国にわずかながら近づいてきた。以前から再生可能エネルギーの導入に積極的なドイツやスペインには遠く及ばないものの、イギリスやアメリカとは肩を並べるレベルになっている(図2)。現在のペースで再生可能エネルギーの比率が上昇していけば、2020年には15%に達して、フランスに追いつくことも不可能ではない。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/saiene2013_2_sj.jpg
図2 再生可能エネルギーの各国比較。出典:資源エネルギー庁(IEAなどのデータをもとに作成)

 日本全体で節電が進み、電力需要が年々減る中で、再生可能エネルギーの導入量は固定価格買取制度によって急拡大している(図3)。発電能力は2012年度から2013年度にかけて32%も増加して、さらに2014年度に加速する勢いを見せている。発電量の点では太陽光や風力の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)が低いために伸び率はさほどでもないが、今後は設備利用率が高い中小水力・地熱・バイオマスの増加も期待できる。

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図3 再生可能エネルギーによる発電能力(大規模な水力発電を除く。)。出典:資源エネルギー庁(NEDOなどのデータをもとに作成)

 再生可能エネルギーが着実に拡大する一方で、むしろ当面の課題は石油火力の比率だ。2013年度でも14.9%を占めていて、先進国の中では圧倒的に高い。米国でさえ7.4%しかなく、日本は2倍も多い状況にある。燃料費の高い石油を使い続けている日本の電力会社の問題点が改めて浮き彫りになった。他国の状況を見ても、燃料費の安い石炭をさらに増やすことが急務になる。

1334とはずがたり:2014/09/05(金) 13:19:50
>政府は2014年度から住宅用の補助金を廃止する代わりに、固定価格買取制度の買取価格を1円の減額にとどめた。非住宅用の買取価格が4円も引き下げられたのと比べれば有利な状況にある

2014年05月23日 09時00分 更新
住宅用の太陽光発電で国の補助金が終了、2013年度の交付は4%増加
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1405/23/news014.html

2008年度から6年間にわたって続いてきた住宅用の太陽光発電システムに対する国の補助金制度が2013年度で終了した。固定価格買取制度の開始に伴う措置で、最終の2013年度は交付件数が全国で約29万件になり、前年度から4%の増加だった。都道府県別では東京都が12%も減少した。
[石田雅也,スマートジャパン]

 国の補助金制度は住宅に設置する太陽光発電システムに対して、出力1kWあたり1万5000円〜2万円を支給してきた。直近のシステム価格は1kWあたり40万円前後で、補助率は4〜5%程度になる。最終年度になる2013年度は全国で28万8117件の住宅が交付を受けて太陽光発電システムを設置した(図1)。

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図1 「住宅用太陽光発電補助金」の交付決定件数。平均出力の単位はkW

 都道府県別では愛知県が圧倒的に多くて2万件を超えた。前年度から10%の増加である。続いて第2位は埼玉県で8%の増加、第3位は神奈川県で9%の増加だった。いずれの県も太陽光発電の導入を積極的に推進している。

 一方で補助金の交付件数が大きく落ち込んだのは東京都である。前年度から12%も減少して、全国のランキングでは第3位から第9位へ急落した。新築住宅では60%伸びたものの、既築住宅の交付件数が40%も減ってしまった。

 こうした傾向は全国的にも見られる。新築住宅に対する補助金の交付件数は47%の増加で、一方の既築住宅は13%の減少だった。その理由の1つは太陽光発電システムの設置コストにある。

 2013年度に補助金の交付を受けたシステムの平均価格を見ると、新築では出力1kWあたり39万1000円に対して、既築の場合は43万2000円で1割以上も高くなっている。固定価格買取制度の買取価格は新築・既築を問わずに同額であるうえに、新築のほうが電力使用量は少なくなる傾向にあるため、売電できる余剰電力が多くなる。

 政府は2014年度から住宅用の補助金を廃止する代わりに、固定価格買取制度の買取価格を1円の減額にとどめた。非住宅用の買取価格が4円も引き下げられたのと比べれば有利な状況にある。今後もシステム価格が低下していけば、新築住宅を中心に太陽光発電の拡大が期待できる。

1335とはずがたり:2014/09/05(金) 17:04:00

2014年01月28日 16時50分 更新
中国企業の快進撃が続く、日本の太陽電池市場は強く抵抗
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1401/28/news116.html

米国の調査会社であるIHSは世界の主要市場における太陽電池モジュールの出荷量をまとめ、市場全体の伸びは2014年も続くと結論付けた。4大市場のうち、中国、米国、ドイツではYingli Green Energyなど中国企業が2013年にシェアを大幅に拡大した。しかし、日本市場だけは例外的に国内企業が強い。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 2014年の太陽電池市場はどうなるのだろうか。米IHSは、全世界の市場規模が10%以上成長すると予測した。ただし、中国市場と日本市場の伸び率は2013年と比較していくぶん低下するという。

 直近の太陽電池モジュール市場の傾向はこうだ。まず2012年に主に欧州の市場が調整局面に入り世界市場の規模が縮小した。その後、2013年の上期は成長が続き、勢いは下期にもつながった。アジア市場の強い需要は新規設置量にも表れている。全世界の新規設置量は第2四半期時点で8.7GW。これが第3四半期には9.2GWに増加し、第4四半期には四半期として初めて10GWを超え、10.6GWとなった。出荷量でも第4四半期は10.3GWに至った。

 世界市場を規模別で見ると、中国、日本、米国、ドイツの順になる。ドイツ市場は政府が計画した太陽電池の導入目標を既に達成しているため、1位だった過去と比較すると次第に比重が下がっている。2013年の太陽光電池市場の需要はこの4カ国で全世界の3分の2を占めた。

Yingliが太陽電池首位に

 このような市場の成長にうまく追従したのが中国企業だ。中国Yingli(英利)Green Energy(以下、Yingli)は、2013年、2年連続で太陽電池モジュールの供給量が首位となった。2013年の同社の世界シェアは、2012年の7.4%から8.3%へ伸び、2013年の総出荷量は3GWを超えている。

 Yingliは太陽電池の材料であるシリコンインゴットの製造から、太陽電池セル、太陽電池モジュールまで垂直統合した太陽電池専業のメーカーだ。

 図1は太陽電池モジュールの出荷量(MW換算)に基づいた市場別の企業ランキングだ。集計期間は2013年の第1四半期から第3四半期。図1には世界4大市場ごとに第3位までのメーカー名を示した。上から中国市場(黄色)、日本市場(緑色)、米国市場(空色)、ドイツ市場(藍色)だ。

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図1 世界の主要4市場における太陽電池メーカーのランキング 出典:米IHS

日本市場は例外的

 中国企業の存在感は4つの市場でそれぞれ異なる。中国市場では、Yingliは第1四半期から第3四半期までの期間に625.3MWを出荷した。同じく中国企業であるTrina SolarやJinko Solarを大きく上回る結果だ。

 ドイツ市場でもYingliが首位にある。同社の出荷量は583.9MWであり、2位のTrina Solarの2倍以上の出荷量に当たる。米国とドイツを含む欧州は2013年に中国企業に対してダンピング関税適用を巡って動いた*1)。それにもかかわらず、ドイツ市場でシェア10位までの企業のうち、中国企業が5社を占めた。ドイツの企業はSolarWorldとConergyの2社だけだった。

*1) EUは2013年7月に、中国の太陽電池メーカーに対する反ダンピング課税の適用を条件付きで見送っている。条件とは出力1W当たりの最低販売価格の締結だ。

 米国市場は成長が著しく、2013年には対前年比で50%以上規模が拡大したほどだ。ここではYingliは米企業であるFirst Solarに次いでシェア第2位となった。同社の出荷量は479.8MWであり、First Solarとはちょうど70MWの差が付いた。

 日本市場は特異だといえる。Yingliのシェアがふるわない。9位である。日本市場は外国の企業にとって参入障壁が高いとはいえ、中国ほどには高くないというのがIHSの評価だ。

1336とはずがたり:2014/09/05(金) 17:06:15

2014年09月05日 07時00分 更新
これぞ破竹の中国企業、太陽光の世界市場を独占か
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1409/05/news045.html

調査会社である米NPD Solarbuzzは、全世界の太陽電池モジュールの出荷量に関する調査結果を発表した。2014年第1四半期(1月〜3月)に世界シェア1位だったシャープが、同第2四半期では半減。中国企業は着実に伸び得ており、世界の上位20社を独占する勢いがあるという。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 太陽光発電に関する調査会社である米NPD Solarbuzzは、中国の太陽電池モジュールメーカーに注目した調査結果を発表した。

 同社が中国企業に注目する理由の1つは、世界のモジュールメーカー上位20社を独占する勢いがあることだ。中国企業の出荷量は順調に伸びている。2014年第1四半期(2014年1月〜3月)の出荷量は5.2GW。これが同第2四半期には26%成長した。同社の調査によれば、第2四半期のモジュール出荷量の71%が上位20社によるものだという。

 中国企業は第2四半期の出荷量上位6社を独占した。そのうち4社は第2四半期に四半期ごとの出荷量で過去最高を記録した模様だという。4社とはTrina SolarとCanadian Solar、Jinko Solar、JA Solarだ。残る2社はYingli Green EnergyとRenesolaである。

 同社はこのような中国企業の状況を日本のモジュールメーカーと比較して見せた。日本市場は第1四半期に好調であったが、第2四半期には急速に冷え込んだ(http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1409/03/news099.html)*1)。第1四半期のシャープの出荷量は730MW以上。これは世界第1位だ。ところが第2四半期は50%以上も出荷量が減ってしまったという。

*1) NPD Solarbuzzは暦年で四半期を表現している一方、関連記事で取り上げた太陽光発電協会の調査は会計年度で四半期を数えているため、四半期の数字が1つずれている。国内メーカーの出荷先はほぼ日本市場に閉じており、日本市場が低迷すると「自動的に」数量が減少する構造下にある。

中国市場が最大、米・日・欧へ均等に

 NPD Solarbuzzは中国企業が世界のどの地域に太陽電池モジュールを出荷しているのか調査している(図1)。まず、成長が著しい中国市場に約3割(http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1403/12/news037.html)が集まっている。中国市場ではYingli Green EnergyとTrina Solar、Jinko Solarが強く、その後ろをHareon Solar、Suntech、JA Solarが追っているという。NPD Solarbuzzは、中国市場が2014年下半期に10GWを超える規模まで成長すると予測した。

1337とはずがたり:2014/09/05(金) 17:06:37
>>1336-1337

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20140905Solarbuzz_graph_434px.jpg
図1 中国企業は世界のどの地域に太陽電池モジュールを出荷しているのか(2014年第2四半期)。出典:NPD Solarbuzz

 興味深いのは図1で出荷先として米国、日本、欧州がほぼ2割ずつを占めており、特定の市場に依存していないことだ。これには理由がある。大きなきっかけとなったのは2011年10月の出来事だ(http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1110/21/news015.html)。米国内の太陽電池メーカー7社が中国製の太陽光発電システムが不当廉売(ダンピング)状態にあり、米国の雇用を脅かしているとして米商務省と国際貿易委員会(ITC)に提訴。2012年11月には反ダンピング・反補助金関税が決定。税率は31〜250%という高額なものだ。

 中国企業は関税の壁を迂回する方法を見つけ出した。NPD SolarbuzzはRenesolarの戦略を例として取り上げている。Renesolarはモジュール生産量の約半分をOEMメーカーに外部委託しているという。米国市場だけではなく、欧州、オーストラリア、インドの市場でも外部委託戦略で成功したと分析している。

 Renesolarと幾分似た戦略を採る企業もある。Canadian Solarは、カナダの製造拠点を拡張し、例えば日本市場に向けた出荷量を増やしている。このような動きは他の中国企業にも見られる。

 中国企業のこのような戦略は成功している。2014年第2四半期には米国市場向けの出荷量が1GWを突破。特にTrina Solarが強い。2014年6月までの1年間の同社の出荷量は、米国企業として一人勝ち状態にあるFirst Solarとほぼ同レベルだという。Trina Solarに続くのがSunPower。以上がNPD Solarbuzzの調査と分析だ。

市場のガードを高める米国政府

 米国政府は中国製品の締め出しを全く諦めていない。米商務省は2014年7月に太陽電池モジュールに対する新しい反ダンピング課税の仮決定内容を発表している*2)。税率は26〜165%と高く、企業別に税率が定められている。特徴は2012年の課税の「穴」をふさぐ形になる可能性があること。例えば太陽電池モジュールに組み込むセルについて2012年の課税では中国製のみを対象としていたが、今回の課税案では中国製のセルに加えて中国製のモジュール、さらには台湾製のセルとモジュールをも対象とした。

 商務省は2014年12月に最終決定結果を発表する。中国企業の戦略は新しい反ダンピング課税の内容を受けてさらに変化していくことだろう。

*2) 米商務省国際貿易局(ITA)が公開した7ページのプレスリリース(PDF)http://enforcement.trade.gov/download/factsheets/factsheet-multiple-solar-products-ad-prelim-072514.pdfには税率や対象となる企業などが詳細に記述されている。

1339荷主研究者:2014/09/06(土) 22:07:51
>>1136
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/549389.html
2014年07/05 07:00 北海道新聞
北海道・苫小牧と清水のバイオ燃料工場、補助中止 農水省方針、事業継続困難に

補助金が本年度で打ち切られる方向になり、事業継続が難しくなったオエノンHDのバイオエタノール工場=昨年10月、苫小牧市

 農林水産省は4日、苫小牧市と十勝管内清水町で2007年度から行われてきたバイオエタノール生産事業への補助金を本年度限りで打ち切る方向で関係者との調整に入った。原料とする政府輸入のミニマムアクセス米などの価格高騰で、黒字化のめどが立たないため。運営費の半分以上を占める補助金がなくなれば、事業継続は難しくなる。新たなエネルギー政策として国が推進してきた国産バイオエタノール生産構想の見直しは避けられない。

 補助金を打ち切るのは、酒造大手のオエノンホールディングス(HD、東京)が苫小牧で、ホクレンなどが設立した北海道バイオエタノール(札幌)が清水町で、それぞれ行っている事業。原油価格高騰で穀物を原料とするバイオ燃料が注目された07年度に、両社は工場を建設し、09年度からガソリンに混合する自動車燃料として生産、販売してきた。13年度の生産量はいずれも約9千キロリットルだった。<北海道新聞7月5日朝刊掲載>

1340とはずがたり:2014/09/11(木) 08:23:44

「メタンハイドレート開発」で世界の動きを加速させたのは・・・「日本の成果がきっかけ」=中国メディア
2014-07-02 06:36
http://biz.searchina.net/id/1536513?_ga=1.234016797.2073281657.1408298804

 中国メディアの中国経済新聞網はこのほど、日本や米国ではメタンハイドレートの商業利用に向けた研究開発において、健全な法体系のもと中長期の発展計画を制定し、長期的な研究と資金の投入を行っているとし、「中国も日米の動きを参考とすべきだ」と論じた。

 記事は、「メタンハイドレートは埋蔵量が多く、高いエネルギー密度を持つ低炭素の物質」と紹介、世界のエネルギー資源のなかでもっとも「潜在力」のある資源とみなされていると主張した。

 続けて、世界の主要国がメタンハイドレートの採取と利用に向けて戦略や計画を打ち出しているとし、日本や米国のほかインドやロシア、韓国などがメタンハイドレート採取に向けた長期発展計画を制定していると紹介した。

 さらに日本が2013年に海底からメタンハイドレートの採取に成功したことに対し、「近海の海底からメタンハイドレートを採取するうえでの技術をある程度確立できたと言える」とし、日本の“成果”がきっかけとなり、世界のメタンハイドレートを巡る探査や採取といった動きが加速したと論じた。

 世界の主要国が多額の資金を投入してメタンハイドレートの開発を行っている理由について、記事は「金融危機の苦境から脱するという経済的理由のほか、世界のエネルギー問題や気候変動といった環境問題において主導権を握るため」と主張。

 さらに、米国においてメタンハイドレートの研究開発に向けた法律が制定され、また日米などでは国を挙げての発展計画が打ち出されていることなどを挙げ、「わが国も他国を参考とすべきだ」と論じた。(編集担当:村山健二)

海洋資源開発すすめる日本 「技術は世界最高水準だ」=中国メディア
2014-08-13 06:30
http://biz.searchina.net/id/1540375

 日本が近年、海洋資源の開発に力を入れていることについて、中国メディアの中国海洋報はこのほど、「海洋資源の開発における日本の技術は世界最高水準だ」と指摘、海底から鉱物資源を採取するうえで、「日本は世界に先駆けて商業開発に成功する可能性が高い」と論じた。

 記事は、資源に恵まれない日本にとって、近海の海底に眠る豊富な鉱物資源は極めて貴重であることを指摘、「日本は1983年にはすでに深海の調査を開始し、2004年からは年間100億円以上を投じて海洋資源の探査を行っている」と紹介した。

 続けて、長年にわたって行われている調査の結果として、「日本周辺海域には日本の天然ガス消費量の100年分に相当するメタンハイドレートが埋蔵している可能性があることが分かった」と伝える一方、「隣国と海洋資源を巡って争っている日本は管轄海域を拡大するため、2008年に大陸棚限界委員会に対して延長の申請を提出した」と主張した。

 さらに記事は、日本政府が「海洋開発推進計画」や「海洋基本計画」を定めることで、海洋資源の開発を加速させると同時に、国際的な開発競争における競争力を持たせたと指摘。

 政府による後押しのもと、日本は海洋資源の採取に向けた技術や設備の開発で大きな飛躍を遂げたと伝え、日本は世界に先駆けて商業開発に成功する可能性が高いとの見方を示した。(編集担当:村山健二)

1341とはずがたり:2014/09/12(金) 13:25:49

パリ郊外の地下2000メートルに眠る地熱、住宅や学校で利用へ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NB9B9J6JIJV101.html?cmpid=yjp

  9月2日(ブルームバーグ):パリのエッフェル塔とオルリ空港の中ほどに位置する郊外で、作業員たちが昼夜を分かたず地殻の奥深くに眠る地熱を求め掘削に取り組んでいる。
掘削に携わっているのは米シュルンベルジェ など石油サービス会社の従業員たちだ。通常はオマーンの砂漠やブラジル沖の深海で油井の掘削を手掛ける従業員たちが、パリ郊外のビルジュイフで4カ月間にわたって作業に当たる予定だ。高くそびえるリグ(掘削装置)を操作し、低所得者層の住宅地と墓地の間にある区画を地下2000メートルまで掘削する。 
この作業は世界各地で進められている地熱開発の1つで、これらの井戸から近隣の住宅や学校、病院に数十年間にわたって地熱が供給される見通しだ。パリ地域には、アイスランドに次いで世界で2番目に多く低エネルギー地熱発電装置が設置されている。 
自治体が保有するこの地域の公益事業会社にとって新規の地熱井の開発は30年ぶりとなる。フランスでは原子力発電が推進されており、総発電量に占める原子力発電の割合は世界首位となっている。地熱発電装置もエネルギー自立への必要性から設置された。パリ周辺では1980年代初頭に数十カ所に地熱発電装置が設置されたが、その多くは財政難と技術的問題により、その後、操業が停止された。
フランスでは消費エネルギーのうち約14%を再生可能エネルギーが占める。欧州連合(EU)は、この割合を2020年までに20%とすることを目標に掲げている。

原題:A Mile Below Paris Drillers Hit Hot Pools to Warm Houses:Energy(抜粋)

1343とはずがたり:2014/09/27(土) 18:13:12

>水素発電所は世界で初めて商用レベルの設備を建設する。発電規模は90MW(メガワット)を予定している

>年間に利用する水素は6.3億N立方メートルを見込んでいる(N立方メートル=圧力・温度・湿度に左右されないガスの実量を表す単位)

>水素とLNG(液化天然ガス)を混焼させた発電方法も試して、発電量などのデータ収集と燃焼ノウハウの蓄積に取り組む

>水素供給グリッドは大量の水素を輸送・貯蔵する技術を生かして、川崎市臨海部の各種の施設へ水素を供給できるようにする(図2)。年間の水素利用量は発電所を上回る7億N立方メートルを想定

>水素を輸送・貯蔵する方法としては「有機ケミカルハイドライド法」を採用する。ガスの状態にある水素を液体に転換する方法の一種で、トルエンとメチルシクロヘキサン(MCH)という2種類の液体を使う。

で,肝腎の水素はどうやって入手するんだ?石油の副産物かなんかでとれんの??

2013年09月17日 11時00分 更新
世界初の「水素発電所」を東京湾岸に建設、2015年に90MWで商用化へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1309/17/news026.html

次世代のクリーンエネルギーとして注目を集める「水素」の商用プロジェクトが本格的に始まる。川崎市と千代田化工建設が2015年をメドに、東京湾岸に「水素供給グリッド」を構築するのと合わせて、世界で初めて商用レベルの「水素発電所」を建設する構想を打ち出した。
[石田雅也,スマートジャパン]

 川崎市と千代田化工建設は共同で「水素エネルギーフロンティア国家戦略特区」を国に提案した。東京湾岸の川崎市臨海部に大規模な水素エネルギーの供給拠点を構築する計画で、中核になるのは「水素供給グリッド」と「水素発電所」の2つである(図1)。いずれも2年後の2015年に実現を目指す。

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図1 「川崎臨海部水素ネットワーク」の展開イメージ。出典:川崎市総合企画局

 水素発電所は世界で初めて商用レベルの設備を建設する。発電規模は90MW(メガワット)を予定している。CO2を排出しない発電設備として、原子力を代替する期待がかかる。年間に利用する水素は6.3億N立方メートルを見込んでいる(N立方メートル=圧力・温度・湿度に左右されないガスの実量を表す単位)。

 さらに水素とLNG(液化天然ガス)を混焼させた発電方法も試して、発電量などのデータ収集と燃焼ノウハウの蓄積に取り組む。混焼発電を実用化できれば、LNGを燃料に使う火力発電所に水素を供給して、CO2排出量の削減を図ることができる。

 一方の水素供給グリッドは大量の水素を輸送・貯蔵する技術を生かして、川崎市臨海部の各種の施設へ水素を供給できるようにする(図2)。年間の水素利用量は発電所を上回る7億N立方メートルを想定している。

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図2 大量の水素を輸送・貯蔵する技術。出典:川崎市総合企画局

 水素を輸送・貯蔵する方法としては「有機ケミカルハイドライド法」を採用する。ガスの状態にある水素を液体に転換する方法の一種で、トルエンとメチルシクロヘキサン(MCH)という2種類の液体を使う。

 トルエンと水素を反応させるとMCHになり、MCHの状態で常温・常圧のまま輸送したり貯蔵したりすることが可能になる。水素を利用する場合には逆の反応(脱水素)でMCHからガスにして取り出す。この脱水素には大量の熱が必要になるため、水素発電所の排熱を再利用する計画だ。

 すでに千代田化工建設が有機ケミカルハイドライド法を使った水素の輸送・貯蔵システムの実証試験を進めている。同じ神奈川県内の横浜市にある事業所にデモプラントと貯蔵タンクを建設して、大量輸送や長期貯蔵が可能なことを確認済みである(図3)。

 川崎市と千代田化工建設が提案した国家戦略特区は安倍政権が成長戦略の一環で進めるプロジェクトで、採用されると国の支援を受けながら規制にとらわれない形で事業を進めることができる。第1弾として10月中に数カ所の特区が指定を受けることになっている。

 この特区で水素エネルギーの商用化を大規模に展開しながら、新たな再生可能エネルギーとして固定価格買取制度やグリーン投資減税の対象に水素発電を追加できるようにする狙いだ。合わせて水素ガス関連の規制緩和を求めていく。

1347とはずがたり:2014/09/27(土) 18:22:18
>再生可能エネルギーの電力を使って水素を製造することで初めてCO2フリーになるわけで、秋田県は先行して開発に取り組む。

2014年08月29日 15時00分 更新
水素と再生可能エネルギーで、秋田県がCO2フリーの産業振興へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/29/news024.html

風力発電を中心に再生可能エネルギーを積極的に拡大する秋田県が水素エネルギーの開発にも挑む。水素の貯蔵・輸送技術で先行する千代田化工建設と協定を結び、県内で水素インフラの構築に取り組む構想だ。地域の活性化に向けて新しいエネルギー産業の振興を目指す。
[石田雅也,スマートジャパン]

 秋田県と千代田化工建設が水素に関する連携協定を8月27日に締結した。両者で水素社会の実現に向けた取り組みを進めるために5項目の連携事項を掲げている。第1項は「再生可能エネルギーの開発と利用を踏まえた水素利用に関すること」で、この点に最大の目的がある。風力などの再生可能エネルギーを生かしてCO2フリーの水素を製造することが見込まれる。

 政府は2040年代に「CO2フリーの水素供給システム」を確立する新戦略を6月に発表した。現在のところ水素の大半は化石燃料から製造するためにCO2を排出する。再生可能エネルギーの電力を使って水素を製造することで初めてCO2フリーになるわけで、秋田県は先行して開発に取り組む。

 すでに秋田県は2011年に策定した「秋田県新エネルギー産業戦略」の中で、風力発電や太陽光発電と水素プラントを組み合わせた実証プロジェクトの構想を打ち出していた(図1)。それに先立って2009年から、日本海に面した大潟村で風力と太陽光、さらに蓄電池を組み合わせた実証事業を開始している。水素を加えた実証プロジェクトも大潟村で実施する可能性がある。

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図1 「スマートグリッド実証」の構想。出典:秋田県産業労働部

 一方で千代田化工建設は神奈川県の横浜市にある事業所の構内に「大規模水素貯蔵・輸送システム」のデモプラントを2013年4月から稼働させている(図2)。気体の水素を常温で液化して貯蔵・輸送する技術を利用して、水素の製造拠点から利用拠点へ安全に供給できるインフラの構築を目指している。

 千代田化工建設は神奈川県の川崎市と共同で、東京湾岸に水素供給インフラと水素発電所を建設するプロジェクトを推進中だ。秋田県では水素の利用面よりも製造面に重点を置いた開発を進めていくものとみられる。両者の連携協定の残り4項目には、「水素インフラの構築」「水素の貯蔵・輸送・エネルギー利用」「水素社会による地域の活性化」「水素社会の実現に資する取り組み」が盛り込まれている。

1348荷主研究者:2014/10/05(日) 19:28:18

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140909_5
2014/09/09 岩手日報
釜石に国内初の物流拠点 中国の太陽光パネル業者
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 世界的な太陽光パネル製造販売企業トリナ・ソーラー社(本社・中国江蘇省)は、釜石市片岸町に同社で国内初となる物流センターを建設する。中国で生産された太陽光パネルを釜石港に陸揚げし東北各地に配送する流通拠点で、2015年上半期の操業開始を目指す。国際コンテナ港の釜石港と復興道路など高速交通網の結節点という流通面での優位性に着目した立地で、同市の産業復興へ貢献する。

 8日開会の市議会9月定例会で野田武則市長が表明した。計画では、中国工場で生産した太陽光パネル年間約48万枚を輸送し、東北各地に発送する。発送するのは1千TEU(1TEUは長さ20フィートのコンテナ1個)分で、同港の年間取り扱い目標3千TEUの3分の1に当たる。

 事業費は3億〜4億円で、5〜10人を雇用。来年1月の着工を予定する。物流センターの整備により港湾だけでなく運輸など関連産業への波及効果が期待され、同市の関末広(すえひろ)企業立地課長は「物流拠点の集積は産業復興の起爆剤となる」と歓迎する。

 トリナ・ソーラーは今後の太陽光パネルの市場として東北地方を有望視。国際コンテナ港を抱え、三陸沿岸道路と東北横断自動車道の結節点となる釜石市を物流拠点に選んだ。

【写真=トリナ・ソーラー社の国内初の物流拠点が建設される予定地=釜石市片岸町】

1349とはずがたり:2014/10/08(水) 07:52:52
揚水発電所を原発と直結するなど原発に併せて送電線造ってるからこういうことになる。
太陽光発電に併せた送電線罔増強せえヽ(`Д´)ノ
既報の九州しか見当たらないけど今日の朝日朝刊だと沖縄・九州・四国・東北・北海道で再生エネの一次買取を中断したとある。

九電、再生エネ買い取り事実上中断へ 太陽光発電急増で
http://www.asahi.com/articles/ASG9N4K71G9NTIPE01D.html?ref=reca
平林大輔2014年9月20日17時06分

 九州電力は、民間業者などが太陽光など再生可能エネルギーで発電した電力の受け入れを一時「保留」として、事実上中断する検討を始めた。九州では太陽光発電が急増し、電力の安定供給に支障が出かねないためだ。九電は7月下旬に一部の離島で受け入れ中断を決めたが、その範囲が九州全域に広がる可能性が出ている。

 民間業者や個人が太陽光や風力などで発電した電力は、国の固定価格買い取り制度(FIT)に基づき電力会社が買い取る。自然エネルギー普及のため買い取り価格は比較的高めで、民間業者が相次いで太陽光発電などを導入している。

 なかでも土地が安く日照時間が長い九州は、太陽光発電が盛んだ。九電管内の太陽光発電の出力は7月末時点で339万キロワット。九電は2020年度に600万キロワットになると見込むが、足もとではそれを上回るペースで増えている。九電のピーク需要は1500万〜1700万キロワット程度で、太陽光発電の割合は今後高まる可能性が高い。

1350とはずがたり:2014/10/08(水) 07:54:36

再生エネ中断なぜ国が検証 電力各社で連携可能
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/economic_confe/list/CK2014100402000144.html
2014年10月4日

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/PK2014100402100074_size0.jpg

 小渕優子経済産業相が3日の衆院予算委員会で、電力会社が相次ぎ手続きを中断している再生可能エネルギーの受け入れについて、検証することを表明した。中断は全国10電力会社のうち東京電力や九州電力など7社。検証する理由と検証方法をまとめた。 (吉田通夫)
 Q なぜ検証が必要か。
 A 電力会社は事業者から申し込まれた再生エネをこれ以上受け入れると、管内の需要を一時的に上回り、送電線の故障で大規模停電を起こす可能性があると主張している。検証は主張通り受け入れる余裕がないのか、電力会社間の連携で問題を回避できないのかを調べるためだ。有識者五人ぐらいの専門部会を月内につくり、年内をめどに結果をまとめる。
 Q 再生エネの発電量はまだ多くないはず。それでも受け入れを中断するのはおかしいのではないか。
 A 太陽光は夜間や雨天では発電しないし、風力も風が吹かなければ発電しない。年間発電量で見ると、二〇一三年度の再生エネは火力なども含めた全体のわずか2・2%だ。それでも電力会社は、昼間の晴天時など好条件がそろった時間帯に電力が多くなりすぎる、と主張している。これは一時的な量にすぎない。
 Q 一時的でも再生エネが増えすぎたら、対応できなくなるのか。
 A 他の電力会社と連携して、再生エネを受け取ってもらえば問題はない。東京電力や中部電力などは、受け入れる余裕がある。複数の電力会社が共同で受け入れる態勢をとれば、もっと再生エネは受け入れられる。「もう無理」と言う電力会社の説明では、他社との調整を考慮しているのかが分からない。
 Q 調べる方法は。
 A 大手電力会社が毎日のように電気をやりとりしている「連系線」という電線がある。その容量と利用実績を照らし合わせ、余裕を計算する手法などが考えられる。余裕がある分だけ、再生エネが一時的に増えても他社に引き取ってもらえるから、受け入れ余地は広がる。
 Q 連系線の容量を増やせば余裕も増えるのでは。
 A それも議論される予定だ。これから電力事業の地域独占がなくなり、いろいろな会社が発電に参入するためには、大手電力の管轄に縛られた従来の送電網では不十分。どれぐらい電線を増やすのか、その費用をだれが負担するのかは、再生エネを含めた電力事業の大きな問題だ。専門部会だけでなく、もっと大きな有識者の会合でも話し合うことになるだろう。

1351とはずがたり:2014/10/08(水) 12:48:58
>36道府県と通信大手ソフトバンクでつくる「自然エネルギー協議会」

再生エネ買い取り中断の解決要望
36道府県の協議会
http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20141007000130

 36道府県と通信大手ソフトバンクでつくる「自然エネルギー協議会」は7日、大手電力による再生可能エネルギー事業者からの電力買い取り契約手続きの中断をめぐり、経済産業省と環境省に迅速な解決を求めた。

 会長を務める徳島県の飯泉嘉門知事ら協議会関係者が、経産省の関芳弘政務官と会談して提言書を手渡した。飯泉知事は「参入した事業者から大きな悲鳴が上がっている」と訴え、手続き再開に向けた解決策を年内に示すよう要求した。

 提言書は政府主導による送電網の増強を要請している。(共同通信)

1352とはずがたり:2014/10/08(水) 15:37:04
余りに一方的なサンケイみたいな記事なんで突っ込み入れてから投下。

太陽光発電バブル崩壊? 再エネ買取制度、見直しへ 相次ぐ電力会社の買取中断も影響か
http://newsphere.jp/politics/20141003-2/
更新日:2014年10月3日

 日本政府は、太陽光など再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」について、抜本改定に着手した。大規模太陽光発電所(メガソーラー)で作った電気の買取価格が決まる時期を、「国の事業認定時」から「事業開始時」に改正するという(読売新聞)。電力会社が、再生可能エネルギーの買取を中断する動きが広がり始めたことも影響しているとみられる。

 海外メディアも、同紙の報道などを基に、この事態に着目している。

【毎年引き下げられる価格】
 買取制度が導入された際、太陽光発電の買取価格はキロワット時42円で、世界的に見ても高額だった(→円安の影響とかはどうなのか?また参入誘導価格としてもどうなのか?)とロイターは指摘している。そのため、政府や電力会社の予想以上に、多くの業者が太陽光発電に参入した。しかしその後は引下げが続き(→この書き方では読み取れないけど最初から徐々に引き下げる予定であった筈)、現在の買取価格はキロワット時32円だ。

 政府は、風力・地熱等の再生可能エネルギーの買取価格は据え置く一方で、太陽光発電の買取価格は毎年引き下げている、とブルームバーグは指摘している。そのため、買取価格が下がる前に認定を受けようと、太陽光発電業者が、年度末、申請に殺到していた。

 ブルームバーグによると、固定価格買取制度の発足以来、72,000メガワットのプロジェクトが認定されてきたが、そのうち96%は太陽光発電である。

【プロジェクト完成に至ったのはわずか15%】
 経済産業省によると、6月の時点で、11,090メガワットの再生可能エネルギーが導入されているが、認定容量の15%に過ぎない。土地取得の難しさや設備人材のコスト高なども原因として挙げられているが、送電網の不足がボトルネックとなっている。

 25日、九州電力が新規買取契約の受付を中断した。北海道電力、東北電力、四国電力、沖縄電力など、主要電力会社10社中7社が再生可能エネルギーの買取を中断している、と『The Diplomat』は報じている(→今朝の朝日新聞の朝刊でもそう報じている)。

 電力各社は最大電力需要を想定して必要な容量の送電網を整備している。容量を超えれば大規模停電を招くリスクがある。また、再生可能エネルギーは天候の影響を受けやすく発電量が安定しないため、容量を拡大すれば安定供給に支障が生じる恐れがある。

【全国の送電網の整備が先決】
 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の改正は、根本的な問題の解決とはならないと指摘する声もある。

 日本政府は、福島第一原発事故以来、再生可能エネルギーの利用を推進している。もし認定された太陽光発電が全て導入されたなら、世界トップであるドイツの35,700メガワット(昨年末)の約2倍となる。(『The Diplomat』)(→経済規模を考えると太陽光が2倍だからどうかというのは一概に言えない。ドイツは風力が強く構成も異なる)。

 今回の制度改正では、全国の送電網の拡充まで対処できていない、と同メディアは結んでいる(→原発時代の送電罔が分散型発電へ対処する為の再構成が必要であると思われる)。

1353とはずがたり:2014/10/08(水) 15:37:20
画像に載ってる箇所の内200kw以上は

●土湯温泉(福島市)
元気アップつちゆ
400kW
2015.7

●別府温泉(別府市)
コスモテック
500kW
2014.10

の2箇所。まだまだ規模が小さい。画像に載ってる箇所全部でも1413kW。原発の1/10基分。10倍は欲しいね〜。

湯けむり地熱発電広がる 温泉地で低資金・安定収入
http://www.asahi.com/articles/ASG8D3WB0G8DULFA007.html
西尾邦明2014年8月26日14時35分

温泉地を望む高台で整備が進むコスモテックの温泉発電所=大分県別府市

全国に拡がる温泉発電
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/AS20140818004391.jpg

 全国の温泉地で、温泉から出る蒸気や熱湯を使う地熱発電が広がり始めた。少ない資金で始められ、安定した収入も見込めるようになったからだ。本格的に電気をつくって売る温泉発電所は昨年まで1カ所だったが、今年中には7カ所以上になろうとしている。

 国内有数の温泉街として知られる大分県別府市の高台で、温泉の蒸気を使って電気をつくる発電所がつくられている。試験運転を経て、この10月から電気を九州電力などの電力会社に売り始める予定だ。

 500坪(1650平方メートル)ほどの敷地に4台の発電機を置く。そこに近くの温泉から熱い蒸気を引き入れ、沸点が低い「代替フロン」という液体を蒸発させる。この代替フロンの蒸気でタービンを回して発電する仕組みだ。

1354とはずがたり:2014/10/15(水) 19:31:01

太陽光が照ってる時にクーラー需要は増えるのだから太陽光偏重と云いすぎるのも問題があるのだけど。
今迄は夜間の原発で揚水発電に電気貯めとくし夜間の安い電力を供給してたけど,これからは昼のかんかん照りの日の料金を安くして昼間に揚水発電で電気貯めとくべきなのである。其処に手を入れないで太陽光だけ抑圧するのは,太陽光十分に増えたと思ってる俺ではあるが,文句の一つも云いたくなる。

太陽光偏重を是正=国民負担軽減へ見直し−再生エネ購入制度・経産省
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201410/2014101400844&rel=m&g=pol

 太陽光や風力、地熱など再生可能エネルギーでつくる電気の「固定価格買い取り制度」の見直しに向け経済産業省がまとめた論点が14日、明らかになった。「(購入電源の)太陽光偏重を再検討する」ことなどが柱で、電気料金に上乗せされる買い取り価格を抑制し、「国民負担の軽減」を目指す。有識者で構成する新エネルギー小委員会は15日、この論点を基に議論を始め、年内に具体案を決める。
 同制度では、大手電力会社が政府認定の再生エネ発電事業者から電気を全量買い取っている。しかし、買い取り価格が高めに設定されている太陽光の認定事業者が全体の9割超を占める。
 このため、太陽光については、政府による設備認定を停止することの是非を議論。「(気候の変化で発電量が変動する)太陽光だけでない他の再生エネ導入が必要」と指摘し、発電量が安定している地熱などを増やす工夫も検討する。(2014/10/14-19:43)

1355とはずがたり:2014/10/20(月) 12:52:16
FITの導入に意義があったのであり,太陽光発電偏重ややばそうなのは誰にでも判ってたことで制度設計が甘かったと云わざるを得ない。
ただ折角の潤沢な発電能力を十分に活かす形で送電や料金の設定をして行く必要があるだろう。夜間の割安な電力なんてのは九電と関電(高浜・大飯の再開を前提に)のみで後は廃止しても構わないんちゃうか。イオンの屋上に夜間の電力で製氷して昼のピーク時に利用する機械が置いてあるの見たことあるけど,昼間ガンガンに太陽が照ってる時に製氷して夕方のピークに備える等の発想の転換が必要であろう。また送電線罔の分散型への対処と,遠距離送電(北海道→東北→東京や九州→中国・四国→関西・中部←北陸)能力の拡充も優先課題だ。

“太陽光バブル”で政策転換
死屍累々の国内メーカー
週刊ダイヤモンド編集部 【第178回】 2014年10月20日
http://diamond.jp/articles/-/60765

日本の再生可能エネルギー政策が“破綻”を迎えそうだ。各地で膨大な量の導入申請が相次いだことで、送電網がパンクし、電力会社がこれ以上の送電網接続を保留し始めた。国は今後政策の方向性を転換。“太陽光バブル”に乗じて利益を得てきたメーカーも、日本市場の突如の停滞で、事業存続の危機に立たされている。

「再エネ政策を変えるというメッセージですよ」。ある経済産業省関係者が打ち明けるのは、同省が9月30日に公表した一つの試算だ。

 この試算は、国内でこれまで認定を受けた再生可能エネルギーの発電設備が全て運転開始した場合、電気料金への上乗せが2兆7018億円に上るというもの。

 一般的な家庭でいうと、1カ月当たりの電気料金が225円から4倍以上の935円にまで増えるというから影響は甚大だ。

 つまり、経産省は「今の政策で再エネ導入を続けると、途方もない電気料金になる」ということを暗に発信しようとしているのだ。

 だが、再エネといえば、原発事故以降、経産省も普及を猛烈に後押ししてきたエネルギー。なぜ今になって政策を転換するのか。

 それは、再エネの代名詞でもある太陽光発電の急速な導入が、国内の電力事情に異常な“ゆがみ”をもたらしたためだ。

「途方もない“置き土産”だけが残されてしまった」。ある電力会社の幹部は、こう吐き捨てる。

 念頭にあるのは、民主党政権下の2012年に始まった再エネ普及のための全量買い取り制度(FIT)だ。再エネを急速に普及させるため、太陽光で発電した電気を、電力会社に高値で買い取らせることを制度化したものだ。

 だが、これが“太陽光バブル”ともいえる異常な導入ラッシュを引き起こした。

 14年6月までに国に認定された再エネの量は、実に原発70基分に当たる7178万キロワットに上る(うち96%が太陽光発電)。一見、普及も大成功のようだが、実は、実際の発電導入量は、認定した発電量のわずか15%に当たる1109万キロワットにとどまる。

 要するに、発電の認定だけを得ておきながら、実際は発電されていない設備が山ほどあるのだ。

1356とはずがたり:2014/10/20(月) 12:52:41
>>1355-1356
 背景には、建設工事やパネルの調達が間に合わなかったという側面がある。だが、それよりも、FITが高価買い取りを保証している間に、有象無象の業者たちが実際に発電するかどうか分からない案件も含め、膨大な認定申請をしたことの影響がもろに出たのだ。

 実際、経産省も実態調査に乗り出し、8月末までに182万キロワット分の認定を取り消すなど“ゴキブリ退治”に追われている。

 しかも、認定量が膨大に増えたため、送電網を有する電力会社が「このままでは送電網がパンクする」と、接続を保留する事態まで起き始めた。9月以降、九州電力、東北電力など5社が接続を保留する措置を表明している。

 こうした経緯から、経産省では「FITは失敗だった」との烙印が押され始めている。民主党政権で再エネ施策を一手に引き受けてきた幹部を一転“戦犯扱い”し、普及策の見直しに着手し始めた。

シャープの太陽電池、すでに破綻の危機
持続可能な政策を

 政策の“失敗”のツケは、太陽電池メーカーにも及び始めた。

「創エネだけじゃなく、蓄エネがふつうの時代へ」

 女優の吉永小百合氏が、視聴者に呼び掛ける。6月7日から放映されているシャープのテレビCMのキャッチコピーだ。これまで太陽電池を宣伝していたシャープだが、突如として主力事業でもない蓄電池をPRするようになった。

「太陽電池ではもう食えないので周辺機器販売でしのぐのです」と、シャープ関係者は打ち明ける。

 シャープの太陽光パネルは05年ごろまで、世界シェアトップを誇るなどシャープの主要事業の一角を成していたが、いよいよ存続の危機を迎えているのだ。

 10月にかけて、太陽光発電事業を手掛ける米リカレント社の売却の入札をはじめ、現地の電力大手らと組んだイタリアの太陽電池工場からも撤退を表明している。今年度の太陽光事業部門の営業利益予想は、前年度と比べ90%減の30億円にまで落ち込む見通しだ。

 そして、苦境の大きな要因となっているのが、国内での“太陽光バブル”の終焉なのだ。

 実はシャープの太陽光パネル事業は、海外では、すでに価格競争力を失っていたが、「国内のバブルが事業を“延命”させていた」(シャープ関係者)側面がある。だが頼みの綱の国内市場も一気に落ち込み始めたため、経営戦略の抜本変革を迫られているのだ。

 FITは、再エネの導入とともに、国内メーカーの成長も眼目に置かれていたが、それも結果的には“延命策”にとどまった。

 国が本来、取り組むべきことは分かりやすい太陽光発電の爆発的導入ではなく、再エネを持続成長させるため、本命とされる「風力」の環境整備や、そのための地域間送電網の拡充、将来的な電源構成の比率提示など山ほどある。

 まずは、明確な再エネの将来像の提示をすべきだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義、森川 潤)

1357とはずがたり:2014/10/23(木) 23:00:52
2014年02月10日 13時00分 更新
蓄電・発電機器:
電気自動車に搭載した中古の蓄電池、メガソーラーの隣で出力安定に生かす
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1402/10/news018.html

大阪湾の埋立地で稼働中のメガソーラーの隣に、大型の蓄電池システムが設置された。内部のリチウムイオン電池は電気自動車の日産リーフ16台から回収して再生したものだ。10MWのメガソーラーが発電する電力の変動分を吸収して、出力を安定させる試みである。
[石田雅也,スマートジャパン]

 電気自動車に電力を供給する蓄電池の寿命はさほど長くない。充電回数にもよるが、通常は5〜10年で新品と交換する必要がある。そうした性能の劣化した蓄電池を再利用する取り組みが早くも始まっている。

 日産自動車のリーフ16台分の蓄電池を再利用したシステムが、大阪市の夢洲(ゆめしま)で2月初めに稼働した(図1)。環境省による「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」の認定を受けて、住友商事が設置したものである。電気自動車の蓄電池を再利用した大型システムの実用化は世界で初めての試みだ。

 蓄電池システムに隣接する広大な敷地には、2013年11月に運転を開始したばかりの「大阪ひかりの森発電所」が広がっている(図2)。発電能力が10MW(メガワット)に達する大規模なメガソーラーで、年間の発電量は一般家庭で3200世帯分に相当する。

 ただし太陽光発電は天候などの影響で出力が変動するために、電力会社の送配電ネットワークを不安定にする問題が生じる。夢洲に設置した大型の蓄電池システムはメガソーラーからの電力を充電・放電しながら、出力の変動分を吸収することが可能だ。最大0.6MWの電力に対応できる容量がある。10MWのメガソーラーであれば、ピーク時でも6%の変動分まで吸収できる。

 さらに災害時には蓄電池の電力を地域に供給する役割も担う。住友商事は今後3年間の実証事業を通じて、メガソーラーと組み合わせた蓄電池システムの有効性を検証する一方、電気自動車の蓄電池を安全に再利用するための技術を確立していく計画だ。

1358とはずがたり:2014/10/23(木) 23:01:21

離島での自然エネと聞くとテンション上がる俺だけど,薩摩川内市内ってことは本質的には原発の地元対策だよなぁ。。

2014年10月17日 19時00分 更新
蓄電・発電機器:
「電気自動車・蓄電池・太陽光」、離島で作るエネルギーの環
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1410/17/news177.html

鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市と住友商事は、離島に再生可能エネルギーを普及させるための環境整備に共同で乗り出す。九州の南西に浮かぶ上甑島(かみこしきじま)に、電気自動車「リーフ」のリユース蓄電池を大量導入。太陽光発電と合わせて系統に接続する共同実証事業を始める。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市と住友商事は、離島に再生可能エネルギーを普及させるための環境整備に共同で乗り出す。2014年10月10日に両者が協定書を締結した。舞台となるのは九州の南西に浮かぶ離島、上甑島(かみこしきじま)だ。

 薩摩川内市が事業を主導して、蓄電池の設置場所を提供、九州電力の技術的な助言サポートを得る。他の離島にも展開可能な事業を目指す。住友商事は住友商事九州と連携して設備一式を上甑島に構築する(図2)。

 「2015年6月に着工し、同年8月に完成、同年9月に設備を稼働させる予定だ」「設備工事費は数億円程度である。そのうち、3分の2を補助金*1)で、残りの3分の1を薩摩川内市と当社で等分負担する」(同社)。

*1) 2カ所から補助金を受ける。平成26年度 環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(離島の低炭素地域づくり推進事業)」に対して「再生可能エネルギー・省エネルギー等設備導入推進事業」として応募。日本離島センターからも受ける。補助金が対象とする期間は2014年10月から2017年3月末。

(写真略)
図2 上甑島「長目の浜」 砂州地形の一種だ。 出典:住友商事

電力状況が厳しい離島

 離島では電力系統が本土から独立していることが多い。すると、再生可能エネルギーの出力変動を島内だけで吸収しなければならなくなる。本土と比較すると明らかに条件が厳しい。

 実際に九州電力は九州本土と離島で再生可能エネルギーに対して異なる対応を取っている。同社は2014年9月25日に再生可能エネルギーの接続申し込みを数カ月保留することを発表(関連記事)。だが、離島についてはその2カ月前の7月26日に発表しており、期間も1年間と長い(関連記事)。

 系統電力の利用が難しい離島では、小規模であるため本土よりも割高な内燃力発電(火力発電)に電力を頼っている。つまり、再生可能エネルギーを普及させるなら本来は離島からだということもできる。このジレンマを解決できないだろうか。西25kmに浮かぶ甑島列島を抱える薩摩川内市は、このような状況に至る以前から、離島には蓄電池の設置がふさわしいと考えていた。

1359とはずがたり:2014/10/23(木) 23:01:43
>>1358-1359

蓄電池に実績がある住友商事

 同市が住友商事を選んだ理由は、大規模蓄電池について実績があるからだ。同社は日産自動車と共同で共同事業会社フォーアールエナジーを設立。2014年2月には大阪市の湾岸地域にコンテナ型の蓄電池を設置している(関連記事、図3)。

 大阪市で利用した蓄電池は、日産自動車「リーフ」が搭載するリチウムイオン蓄電池のリユース品。リーフ16台分を設置した。システムの規模は出力0.6MW、容量0.4MWhというもの。電気自動車(EV)の蓄電池を再利用した大型システムの実用化として世界初の試みだという。

太陽光発電と組み合わせる

 上甑島の2カ所に蓄電池システムを導入する。「指定避難所隣接地」には、リーフ36台分に相当する大型リユース蓄電池(容量約600kWh)を導入する。出力約100kWの太陽光発電システムとも組み合わせる。

 「老人福祉センター」にはリーフ1台分の約17kWhのリユース蓄電池を導入、併設する太陽光発電システムの出力は約10kWだ。「指定避難所隣接地は規模が大きいため、蓄電池を島内の系統と接続する。老人福祉センターは系統から独立した構成にする」(住友商事)。

 「大型リユース蓄電池の形状は大阪市の事例とほぼ同じで、コンテナ型だ。リユース蓄電池の規模は小さいので、違う形状である」(同社)。運転開始後はフォーアールエナジーが開発した電力マネジメントシステムで常時出力を監視して、動作を制御するという。

 蓄電池の導入によって、甑島の環境はどのように変わるのだろうか。走行距離が短くても済む離島では、島内でエネルギーを自給できるEVが向いているだろう*2)。EVのリユース蓄電池が増えてくれば、再生可能エネルギーをより大量に導入できるようになる。つまり再生可能エネルギーの環が完成するのではないだろうか(図4)

*2) 薩摩川内市(本土側)には原子力発電所が立地するものの、同市は太陽光発電などの再生可能エネルギー導入にも熱心だ。策定した次世代エネルギービジョンに従って再生可能エネルギーのモデルを複数作り上げている(関連記事)。甑島に対してはEVレンタカーや超小型モビリティの導入などを進めている。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20141017Sumitomo_concept_590px.jpg
図4 リユース蓄電池の導入が再生可能エネルギーの「環」を作り出す 出典:住友商事

 大型リユース蓄電池の導入によって、島内の他の太陽光発電所の出力変動をどの程度吸収できるのか、今回の共同実証事業を進めていくなかで検証する。なお、大阪市の事例では10MWの太陽光発電所に対して、0.6MWの出力変動分を吸収できるという予測を立てている。

1362とはずがたり:2014/10/23(木) 23:12:37

2013年12月22日 04時30分 更新
「潮の満ち引き」から利益は出るのか?
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1312/22/news007.html

海に親しんでいる方なら、満潮と干潮の差が地域によっては著しいことに気が付いているだろう。1日に2回膨大な海水が流れ込み、流れ去る。適切な囲いを設置すれば、ダム式の水力発電所と同じ仕組みで発電できるはずだ。実際に複数の潮汐発電所が動いている。それでは世界最大の潮汐発電所は、どこにあるのだろうか。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 …潮汐(ちょうせき)発電は、海洋からエネルギーを取り出す発電の1種だ*1)。潮汐による海水の高さの違い(位置エネルギー)を利用する。

 潮汐発電とよく似ているのが、「潮流発電」だ。潮の満ち引きの際には海水が水平方向に流れる。この海水の流れ(運動エネルギー)を利用するのが潮流発電である。ミニ解説では2つの発電方式を紹介していく。

*1) 海洋エネルギーにはこの他に、深海の海水と表面の海水の温度の違いを利用する「海洋温度差発電」や黒潮などの決まった流れを利用する「海流発電」、打ち寄せる波を使う「波力発電」、塩分の濃度差を利用する「塩分濃度差発電」、海中の生物資源を使う「海洋バイオマス発電」、海を立地として使う「洋上風力発電」などがある。

 潮汐発電は潮の満ち引きという分単位で予測可能な周期的な現象に基づいている。気象の影響(低気圧や強風による高潮)はあるものの、基本的には出力を確実に予測でき、急激な出力変動もない。従って、ベース電源として使いやすい。

 潮汐発電所には適地がある。最大の条件は潮汐の規模、すなわち干潮時と満潮時の海面の高さの差(潮位差)が大きいことだ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によれば、平均潮位差が5m以上あると潮汐発電所を実用化できるという。取り出せるエネルギーは潮位差の2乗に比例するため、潮位差が2倍違うと、エネルギーは4倍変化する。

 もう1つの条件は地形だ。入り口が狭く、内部が広い湾に建設することが好ましい。湾であれば小さな堤防を作るだけで大量の海水を利用でき、発電所の建設コスト低減に効いてくる。

 このような条件を満たす立地は多数ある。しかし、大規模な潮汐発電所は現在、世界に2カ所しかない。韓国とフランスだ。2つの発電所の合計出力494MWは、2012年末の全世界の海洋エネルギー発電所の合計出力527Mのうち、93.7%を占めている。つまり、潮汐発電所は現時点では海洋エネルギーの旗手だということだ。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20131221QUIZ_SouthKorea_map_250px.jpg
図1 始華湖潮汐発電所(赤)と珍島潮力発電所(青)、ソウル(黄)の位置

 世界最大の潮汐発電所「始華湖潮汐発電所(Sihwa Lake Tidal Power Station)」は韓国の北西部にあり、黄海に面している(図1)。ソウルの南西に位置する京畿道始興市に作られた人造湖である始華湖を利用した。ソウルからの距離は約40km。

 始華湖は本来、発電のために作られたものではない。当初の計画は海岸に近い2つの島を利用して4つの防潮堤を築き、始華湖(43.8km2)を形成、干拓(1万3345km2)を実現するというものだった。農地と工業用地を得るのが目的だ。防潮堤は1994年に完成し、堤防を締め切って流入河川による淡水化が進んでいった。

 ところが工場排水(重金属)と生活排水(有機物)が流入し、深刻な水質汚染が起こった。韓国の海洋水産部によれば、1990年代後半、始華湖は「死の湖」と呼ばれていたのだという。そこで1997年、開門に踏み切る。まず海水を部分的に導入した。2000年には淡水化を放棄、海水化へと方針を切り替えた。

 始華湖の位置では最大潮位差が10.3m(平均潮位差8.2m)ある。そこで、発電と水質改善を兼ね備えた計画として、1999年に潮汐発電所の検討が始まった。韓国政府の目算では潮汐発電所によって、建設前と比較して6倍の海水(1億6000万トン/日)が動く。水質改善が進むはずだ。2003年には発電所の正式な計画が成立、建設が始まり、2011年8月に一部送電に至った。建設費用は3551億ウォン(約350億円)である。

1363とはずがたり:2014/10/23(木) 23:12:55

 図2(略)には道路と一体になった堤防と、その周辺に建設された施設が描かれている。…タービンの出力は1基25.4MW。これが10基あり、合計出力は最大●254MW(25万4000kW)。国際エネルギー機関(IEA)が発行した「ANNUAL REPORT 2012」によれば、2011年8月1日から2012年9月30日の期間、発電量は39万6210MWh(3億9621万kWh)に達したという。設備がフル稼働した場合の年間発電量は、55万3000MWhだと予想されている。

 なお、韓国は始華湖以外にも黄海側に複数の潮汐発電所の候補地を選定しており、今後、実証実験をへて商用運転に進む計画だ。始華湖のすぐ北、北朝鮮との海上国境に面している江華島(●813MW)や始華湖から南西に50kmほど離れた、忠清南道の瑞山市と泰安郡に挟まれた加露林湾(●520MW)などの巨大な計画が発表されている。

 さらに潮汐以外にも、潮流を利用した発電の実証実験を進めている。韓国の南西部、全羅南道の島、珍島(372.12km2)にある珍島潮力発電所(Uldolmok Tidal Power Station)だ。鳴梁海峡の潮流を利用し、2009年3月に出力1MWで運転を開始した。2011年には出力を0.5MW増設しており、韓国政府は2013年末までに出力を■90MWへ増強する計画を立てている。

フランスでは寿命とコストを実証済み

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図3 ランス潮汐発電所(赤)とパリ(黄)の位置

 潮汐発電所として長い間、世界一の座にあったのが、フランスのランス潮汐発電所(Usine marémotrice de la Rance)だ(図3)。ブリュターニュ半島の北側、ブルターニュ地域圏イルエビレーヌ県の北端でサンマロ湾(イギリス海峡)に流れ込むランス川の河口を利用している。

 図4(略)はランス川上空からほぼ北を向いてランス潮汐発電所を含む河口の堤防を見たところだ。堤防の右端、白い水が見える部分の海面下にタービンが埋め込まれている。図では見にくいが、堤防の左端には垂直軸の周りを回転する水門が2組取り付けられており、水路として解放できる構造を採っている。この水路を年間1万8000隻の船舶が通過している。堤防上には4車線の道路があり、時刻表に従って定期的に跳ね上げ橋を上げている。

 ランス川河口付近では古くから脱穀に潮汐力を利用していた。最大潮位差が13.5m(平均潮位差8.5m)あることが知られており、潮汐発電所に利用しようという案は、既に1923年に生まれていた。第二次世界大戦後の1961年、河口に長さ750mの堤防の建設を開始、続いて1963年に発電所の建設を開始し、1966年に完成している。送電を開始したのは1967年12月、実に47年前のことだ。世界初の商用潮汐発電所であり、40年以上、規模においても最大だった。発電量が多くなるよう、堤防のどちらの海水面が高い場合でも発電ができるよう設計されていた。

 個別のカプラン水車に接続された発電機の出力は10MW、これが24基あり、最大出力は●240MWだ(平均出力は約68MW)。同発電所を運営しているフランス電力(EDF)が公表した「DOCUMENT DE RÉFÉRENCE RAPPORT FINANCIER ANNUEL 2012」によれば、通算の平均発電量は年間50万MWh(5億kWh)、2012年は50万3000MWhだった。これはブルターニュ地域圏全体の年間消費電力量の3.5%に相当するという。

 ランス潮汐発電所の最大の特徴は発電量が大きいことだ。だが、他の発電所にない貴重な経験が得られたことが重要だ。50年近い長期間の運転に問題がないことを実証しており、発電コストが安いことも分かった。このような性質は電力源として大規模な水力発電所とよく似ている。

 ランス潮汐発電所の建設費用は6億2000万フランである。これは2010年の貨幣価値に換算して7億8800万ユーロに相当するという。建設費用は長年の発電で全て回収している。

 再生可能エネルギーに関する国際ネットワークであるREN21(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century)が2013年6月に公開した「RENEWABLES 2013 GLOBAL STATUS REPORT」によれば、潮汐発電の発電コストは出力1〜250MWの場合、21〜28米ドルセント/kWhである。これは発電所の設計、建設から運営、廃止までの全てのコストを、生涯発電量で割った均等化発電原価(LCOE)の値だ。加えて、建設時の資本コストは5290〜5870米ドル/kWだとした。

1364とはずがたり:2014/10/23(木) 23:13:18

 なお、EDFは2008年7月に潮汐ではなく潮流発電に向けた実証実験用のタービンファームを立ち上げる計画を発表、建設地はランス潮汐発電所の隣県であるブルターニュ地域圏のコートダルモール県パンポル市だ。2011年10月から2012年1月までを第1期とし、設置とテストを終えている。2013年9月には4基のタービンから■2MWの出力を得る計画について事業者の入札を開始した。総事業費は4000万ユーロ。入札開始時にはフランスのフランソワ・オランド大統領自ら、自国には全欧州の潮力ポテンシャルのうち、20%が眠っていることを指摘し、2020年までに最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を23%に高める計画に役立つとした。

 韓国の計画とフランスの計画は相互に関係がなく、取り組みを開始した時期や経緯も全く異なる。しかし、大規模な潮汐発電所を立ち上げ、その後、小規模な潮流発電所の導入を試みるという開発の流れはよく似ている。
各国の潮汐発電所の現状と将来は?

 潮汐発電所は歴史は長いものの、小規模な施設が多く、出力が1MWを超える発電所は5つしかない。

 「アンナポリス発電所(Annapolis Royal Generating Station)」(1984年完成、出力●20MW)はカナダの大西洋岸、ノバスコシア半島のファンディ湾に位置している。湾の向う側は米国のメーン州だ。最大潮位差が16.4mと世界で最も大きいという地の利を生かした発電所である。

 中国には上海の南、東シナ海に面する「江厦潮汐発電所(Jiangxia Tidal Power Station)」(1980年完成、出力3.2MW、●3.9MWまで増強予定)がある。フィンランド国境に近い北極圏のコラ半島に位置するロシアの「キスラヤ潮汐発電所(Kislaya Guba Tidal Power Station)」(1968年完成、出力●1.7MW)は、不凍港で有名なムルマンスク都市圏に属し、世界で2番目に古い潮汐発電所でもある。

 出力が1MWを超える今後の計画は2つある。1つは大都市のど真ん中に立ち上げる計画だ。米国ニューヨーク州ニューヨーク市を流れるイースト川沿いを予定する出力●1MWの「ルーズルト島潮汐発電所(Roosevelt Island Tidal Energy)」である。ルーズベルト島はマンハッタン島とロングアイランド島に挟まれた長さ約3kmの非常に細長い島。

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図5 セバーン川(赤三角)とブリストル海峡をまたぐ堤防(赤丸)、MeyGen tidal stream project(青)の位置

 もう1つは発電所として非常に巨大なプロジェクトだ。英国でウェールズとイングランドの間を分かつブリストル海峡に流れ込む英国最長(354km)の川「セバーン川」を利用する(図5)。ブリストル海峡では潮汐差がランス川と同程度あるため、英国のどの地域よりも潮汐発電に向いた立地なのだという。

 セバーン川の河口から少し下った地点に位置するウェールズの首都カーディフと対岸の間は多少幅が狭くなっているため、ここに長さ18kmの堤防を築く。すると、出力●6.5GW(6500MW=650万kW)の潮汐発電所を設置できる。出力の大きさは世界最大の原子力発電所である「柏崎刈羽原子力発電所」の8割にも相当する計算だ。セバーン川のプロジェクトが完成すれば、英国の年間消費電力量の5%をまかなえる規模になる。

 ただし、このプロジェクトには問題が2つあるという。1つは大規模な自然破壊につながるのではないかという問題、もう1つは経済的な問題だ。大規模な工事が必要になるため、建設費用が300億ポンド(約5兆円、1ポンド170円換算)を超えてしまうのだ。

 なお、英国スコットランドには潮汐ではなく潮流を利用した「MeyGen tidal stream project」がある。図5の上端に示したスコットランド本土の最北部とオークニー諸島の間にあるペントランド海峡は強い潮流で知られており、さまざまなボートレースが開催されている。この海底に潮流を利用するタービン(出力1MW)を多数設置する。2015年にまず9MW、2020年までに86MW、開始後25年で■398MW規模にまで持って行く計画だ。MeyGenとは投資会社と発電機メーカーが共同設立したコンソーシアムの名称だ。

1365とはずがたり:2014/10/23(木) 23:13:44
>>1362-1365
日本は潮汐発電に無関心

 ここまで日本の状況については一切触れていなかった。日本には潮汐発電所がないためだ。過去には計画があったものの、実現性は薄い。なぜなら、国内で最も潮汐差が大きい有明海でも十分な出力が期待できないからだ。潮汐差が大きいことで有名な佐賀県太良町の最大潮汐差は4.9mだ。さらに太良町の海岸は直線状であり、立地として適していない。有明海の長崎県側には干拓のために湾の一部を閉じた大規模な堤防があるものの、開門について政治的に解決しにくい状況にあり、現状では潮汐発電所の可能性は見えていない。

 海洋を利用した再生可能エネルギーについて、日本政府は波力、潮流、海洋温度差、海流の4分野と洋上風力発電に重点を置いている。現在はこの5分野について順次実証実験を進めているところだ(関連記事)。潮汐については計画がない。大学などの研究機関や、潮汐プラントの建設・輸出に関心がある企業に任された形だ。

なぜ潮の満ち引きが起こるのか

 干満は太陽と月の引力が原因となって生じる現象だ。月の影響(起潮力)を1とすると太陽の影響は0.46といくぶん小さい。理解のために月と地球だけの関係を考えると、月に向いた海水が膨らむ理由は納得できる。しかし、実際には月と反対側の海水もほぼ同量、膨らむ。

 なぜ反対側が膨らむのか。それは、地球と月の重心が、地球の中心ではなく、中心から約4600km離れた地中(地下1800km)にあるためだ。地球と月の関係だけを考えると、地球はこの地点の周囲を回っている。このため、地表の位置によって働く遠心力の強さが変わる。最も遠心力が強いのは月と反対側の地点。月からの引力は月との距離によって変わる。最も引力が強いのは月に面した地点だ。この2つの力を同時に受けるため、月に面した側と正反対の側の海水が同時に膨らむ。

 1日にほぼ2回の潮汐が起こる理由は、引力とは無関係だ。地球が1日に1回、自転しているためである。

 地球の全表面が均一な深さの海で覆われていたとしたら、話はここでおしまいになる。実際には、海の形状や深さは均一ではない。潮位差が場所によって大きく異なる理由は、複雑な地形と「共鳴」で説明できる。

 満潮から次の満潮までの周期は12.42時間。大規模な「波」が海面上を伝わり、これが地形と共鳴した場合には干満の差が大きくなり、逆の場合は小さくなる。水平に置いた薄板の表面に砂を薄くかぶせ、裏側にスピーカーを付けて鳴らす科学実験の実演を科学館などで見学したことはあるだろうか。実験結果はこうだ。薄板に振幅が最大となる「腹」と振幅が0となる「節」ができ、節の部分に砂がたまって線状の対称図形が現れる。スピーカーからでる音の周波数を変えるたびに模様が変化して面白い。

 潮汐はこの実験と似た現象だといえる。海面の形状は一様ではないため、海にできる「腹」や「節」の位置は複雑な分布になる。

 潮汐で「節」とは何だろうか。干満の差が0で潮汐が起こらない場所だ。「無潮点」と呼ばれ、はっきりと識別できる大規模なものは世界の海に約40カ所ある。半島マレーシア(タイランド湾)からインドネシア、ニューギニアにかけては9カ所認められ、「油を流したような静かな海」と呼ばれるゆえんだ。

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図6 世界の潮位差。赤いほど差が大きい。出典:IEA-OES「International Vision for Ocean Energy」

 図6に全世界の海洋の潮位差(半日周期:M2)を示した。色が青いほど差が小さく、赤いほど大きい。赤は「腹」の部分だ。アジアでは黄海や東シナ海が有望であり、南北アメリカ大陸ではカナダ周辺や中米の太平洋岸、アマゾン川河口付近、パタゴニア沖が適している。ヨーロッパ大陸の大西洋岸も適地だ。アフリカ大陸の東海岸やオセアニアにもよい場所がある。

 図6を見れば潮汐発電で1位の韓国と2位のフランス、3位のカナダ、4位の中国、5位のロシアがいずれも潮位差の大きな海岸をうまく利用していることが読み取れる。

1366とはずがたり:2014/10/23(木) 23:17:55
2011年11月29日 10時38分 更新
日本には「黒潮」がある、海流発電の研究をIHIや東芝が着手
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1111/29/news007.html

日本列島に沿って南側を流れる黒潮。他のさまざまな海洋エネルギープロジェクトと共に、この黒潮の海流エネルギーを取り出す研究開発が始まった。直径40mのタービンを2つ取り付けた長さ100mの浮体物を海底にケーブルで係留するという壮大なプロジェクトだ。商業化の暁には出力800MWという巨大な海中発電所が完成する。
[畑陽一郎,@IT MONOist]

日本には「黒潮」がある、海流発電の研究をIHIや東芝が着手

 地球表面の約7割を覆う海洋。海洋には巨大なエネルギーが秘められている。海洋エネルギーの源は太陽光と、地球に働く太陽や月の引力の差によって生じる潮汐力だ。2種類のエネルギーは、海水に吸収されて波、潮の満ち引き(潮流)、海流、海洋温度差などの海洋エネルギーに姿を変える。

 海洋エネルギーを何とか取り出せないか、古くから研究が続いている。例えば、波力発電は、1799年にパリのムッシュー・ジラール(Monsieur Girard)とその息子によって特許が申請されている。しかし、長い間実用にはならなかった。1910年に至ってようやくボショー・プラティーク(Bochaux-Praceique)氏がフランスのボルドーに近いロワイヤンの海岸に出力1kWの波力発電機を据え付けた。さらに長い停滞期を経て、1970年代に入ると英国やノルウェーで研究が盛んになり、1990年代からは当時のECによる国際研究が始まった。

 比較的難易度が高そうに見える海洋温度差発電にも歴史がある。海洋温度差発電は水面と深海の海水の温度差を利用して発電する手法だ。第一次世界大戦後の1930年代にキューバのマタンサス湾で、ジョルジュ・クロード(Georges Claude)氏により開発が始まった*1)。当時の出力は20kWだ。

*1) 同氏はフランスの化学者、1898年に発見されたばかりの不活性ガスNe(ネオン)を使ったネオン管を1910年に発明。その後、ネオンサインを製造する世界初の企業を立ち上げて多額の資金を得る。多彩な発明家でもあり、「フランスのエジソン」とも呼ばれる。

 キューバにおける海洋温度差発電プロジェクトを扱った「Popular Mechanics誌」(1930年12月号)の内容は、Google booksで閲覧できる。この号の巻頭記事 "Power from the Sea" では、史上初の海洋温度差発電がどのようなものであったのか、図解入りで紹介されている。深海(600m)と地上をパイプで結び、現在でいう真空式温水ヒーターと組み合わせて発電した。

ほとんど進んでいない海洋エネルギー利用

 海洋エネルギーの潜在量は大きいものの、風力や太陽光などの他の再生可能エネルギーと比べて研究開発が遅れている。歴史はあるものの、ほそぼそとした研究が続いているという状態だ。2050年に至っても海洋エネルギーによる発電量は最大7EJにとどまるという予測もある。これは2050年時点の太陽光や太陽熱の予測値の1割以下だ(関連記事:世界のエネルギーの77%を太陽光や風力で供給可能、IPCCが発表)。

 海洋エネルギーの実用化はなぜ難しいのだろうか。まず、他の再生可能エネルギーと比べて動作環境が厳しい。金属を腐食(塩害)する海水に機械の可動部が触れる他、フジツボや藻類など海洋生物の付着も著しい。

 海洋エネルギーは風力などと比べて単位面積当たりのエネルギー密度が高い。これは長所だが、短所にもなる。装置が海水から大きな変形力を受けるからだ。海岸線が波により大きく浸食を受けることを考えれば、海洋エネルギー発電システムには風力などとは比べものにならないほどの耐久性が求められることが分かる。故障率が高くなることが考えられるため、メンテナンス性も高くなくてはならない。

 海洋エネルギーの実用化にはさまざまな技術開発が必要になるが、欧米に比べて日本の研究開発は必ずしも進んでいるとは言えない。どのようにして遅れを取り戻すのだろうか。

日本は遅れを取り戻すことができるか

 日本は周囲全てを海洋に囲まれ、排他的経済水域*2)の面積では世界6位に位置する(国の面積では62位)。この立地条件を生かした海洋エネルギーの利用を目指すべきだ。

*2) 排他的経済水域とは、領海の外側、沿岸から200カイリ(約370km)の範囲内の水域であり、全ての資源の探査と開発、保存、管理、経済活動に関する排他的な管轄権を主張できる。国連海洋法条約に基づく。

1367とはずがたり:2014/10/23(木) 23:18:17

 さまざまな再生可能エネルギーの開発が強く望まれる中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2011年度から2015年度の5年間で、さまざまな海洋エネルギーの開発を進め、商用利用への下地づくりを始める「風力等自然エネルギー技術研究開発 海洋エネルギー技術研究開発」の委託を開始した。

 委託研究の内容は3種類に分かれている*3)。

*3) 3つのうちの1つが「海洋エネルギー発電技術共通基盤研究」である。発電システムを建造するのではなく、情報収集・分析や性能試験方法などを研究する。

 「海洋エネルギー発電システム実証研究」では比較的商業化が近い研究に取り組む。実証研究を重ねることで、2015年に発電コスト40円/kWh以下を実現するシステムを作るのが目的だ。プロジェクトが実現可能かどうか、実施することに妥当性があるかを検討後、想定海域で実証研究に入る。研究対象は潮流・海流発電と波力発電だ。

 潮流・海流発電では、川崎重工業の実証研究が採択された(図1)。2011年10月19日に同社が発表した内容によれば、潮流発電に力点があり、沖縄電力や沖縄新エネ開発と協力して沖縄海域での実証実験の可能性を探る他、英スコットランドの実証フィールド欧州海洋エネルギーセンターEMEC(European Marine Energy Center)での試験を予定している。

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図1 潮流発電システムのイメージ図 図では海底にタービンが固定されている。出典:川崎重工業

 波力発電は三菱重工鉄構エンジニアリングと東亜建設工業の実証研究が採択された*4)。2011年11月15日の発表資料によれば、波の振動を空気の流れに変換し、空気によってタービンを動かす「振動水柱型空気タービン方式」を採用している(図2)。

*4) NEDOが2011年10月19日に発表した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に係る実施体制の決定について、によればこの他、ジャイロダイナミクスと日立造船のグループと、三井造船が波力発電の実証研究の採択を受ける予定である。

 この方式では水面の上下運動を空気圧の変化に変えて発電する。両社は効率よく水面が上下するように空気室の前面に間仕切り壁(プロジェクティングウォール)を設置することで発電効率を向上させる。実用性を高めるため、発電装置を後付けユニット構造システムとして設計する。こうすることで、既存のインフラ構造物上に設置できるという。

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図2 振動水柱型空気タービン方式の波力発電所 波によって海面が上下し、空気室の圧力が変化する。これによって、往復する空気流が生まれ、タービン発電機が動く。出典:三菱重工鉄構エンジニアリング

 NEDOの委託研究には、この他、実用化に10年を要するような研究開発も含まれている。海流発電と、海洋温度差発電だ。時間はかかるものの、発電コストは安く、大規模な発電が可能になる見込みがある。

IHIや東芝が海流発電に取り組む

 NEDOが委託する「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」では、まだ商業化の段階に至っていない先進的な研究に取り組む。2020年に発電コスト20円/kWh以下を実現するための要素技術を研究開発対象とする。これは先ほどの実証研究が目標とするコストの半分の数字だ。高効率化の他、耐久性やメンテナンス性の向上を狙い、試験を実施する。研究対象は海流発電と海洋温度差発電*5)だ。

*5) 海洋温度差発電は、佐賀大学と神戸製鋼所のグループが採択を受ける予定だ。

 IHIと東芝、東京大学、三井物産戦略研究所は2011年11月28日、共同で海洋エネルギー発電の研究開発に取り組むことを発表した。「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択されたためだ。

 日本周辺は黒潮(暖流)や親潮(寒流)など海流に恵まれている。特に黒潮は高い潜在エネルギーを秘めており、今回の研究開発では黒潮のみを対象とする(図3)。

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図3 黒潮の流速分布例 ある特定の季節の流速を示した。色が赤いほど流速が高く、立地条件がよい。四国の南や、紀伊半島沖などが好適地であることが分かる。出典:東芝

1368とはずがたり:2014/10/23(木) 23:18:35
>>1366-1368
 研究開発では海中に水中タービンを係留し、海流を利用して発電する「水中浮体方式の海流発電システム」に必要な要素技術を開発する。さらに事業性評価を実施して、将来の海流発電の実用化を目指す。

 2011年度から2015年度までの5年間を予定し、2年間で設計課題を解決しつつ、各種の調査を終え、中間報告を提出する。目標到達が可能だとNEDOが判断した場合、引き続き3年をかけて小型の実機を使った海洋での実験に進む。

なぜ海底に固定しないのか

 水中浮体方式の海流発電システムには4つの特長があるという。

安定した発電が可能で、発電電力量も大きい
コスト競争力に優れる(図4)
効率的な発電が可能
メンテナンスや修理が容易

 (1)の理由は、海流が太陽の動きや天候に依存しないためだ。昼夜や季節による流れの速さや向きの変動が少なく、海流が欠けることもない。このため、風力や太陽光とは違い、連続的で安定した発電が可能になる。

 (2)が成り立つのは、発電装置を海底に固定するのではなく、ケーブルを使って係留するためだ。設置が容易になる他、波浪の影響を受けない安定した水深(50〜100m)での運用が可能になり、船舶の航行にも影響を及ぼさない。

 (3)は選択した水中タービンの構造に由来する。1つの浮体の左右に逆回転する(対向回転する)水中タービンを採用することで、タービンの回転に伴う回転トルクを相殺でき、海中で安定した姿勢を保持できる。

 (4)も水中浮体方式を採ったことで成立する。タービンの向きと浮力を調整することで、必要に応じて海上に浮上させることができるからだ。

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図4 水中浮体方式の海流発電システム 水中タービン(回転部)などを海底に固定するのではなく、海底から係留する。海底に大規模な構造物を設置する必要がないため、コスト面で有利だと考えられている。出典:東芝。

IHIが構造物を設計、建造

 4法人の役割はこうだ。IHIが浮体全体と係留設備、タービン構造を設計し、建造する。東芝はタービン性能を検証し、発電と変圧、送電を実証する。

 三井物産戦略研究所はモノづくりには関与しない。まず、どの程度のコストに抑えれば商業ベースに乗るのか、コスト分析を進める。例えば、大型のタービンがよいのか、小型のタービンを多数設置するのがよいかなどを分析する。次に設置場所の選定を行う。海洋環境への影響を分析する他、漁業権などとの調整に関する調査を進める。最後に、海外展開の可能性を探るという。「研究開発が成功したとしても、商業ベースに乗って広く普及しなければ意味がない」(三井物産戦略研究所)。

 東京大学は、大学院新領域創成科学研究科の教授である高木健氏を中心に海流エネルギー研究に取り組む。高木氏は海洋エネルギーを専門としており、「この分野の第一人者である」(IHI)。

直径40mのタービンを狙う

 海流発電に最も適したタービンとはどのようなものなのか、実用化前であるため、確定した解はない。IHIは、商業化した際の規模を2000kW(2MW)と見込む。「直径40mの水中タービンを2つ備えた幅100mの浮体物を想定している」(IHI)。実験では40分の1スケール、すなわち直径1mのタービンを使う予定だ。

 コストの見積もりはどうなっているのだろうか。2000kWという規模を前提とするなら「1基を10億円以内で製造する必要があるだろう」(プロジェクト関係者)。

 商業化したときの「発電所」の規模はどの程度なのだろうか。2000kW規模のタービンを「400基置く」(プロジェクト関係者)という案もあるようだ。

1369とはずがたり:2014/10/23(木) 23:22:07
2013年04月25日 11時00分 更新
海洋温度差で10MWの発電所、年間1億3000万ドルの石油を削減
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/25/news039.html

海洋には膨大なエネルギーが隠れているものの、発電所の実用化は遅れている。米ロッキードマーチンは中国企業と共同で「海洋温度差発電」に取り組む。年間の石油コストを1億3000万ドル削減可能だという。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 再生可能エネルギーのうち、最も開発が遅れているのが海洋エネルギーだ。海洋エネルギーには、潮汐、波力、海流、海洋温度差などさまざまなものが含まれている。潮汐では200MWクラスの発電所が運用されており、波力は小規模な発電に多用されている。海流と海洋温度差はいまだ実験段階だ。

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図1 海洋温度差発電所。以下の図の出典:Lockheed Martin

 2013年4月、海洋温度差発電(OTEC:Ocean Thermal Energy Conversion)が、実用化に向けて一歩を踏み出した。米国の航空宇宙企業であるLockheed Martin(ロッキードマーチン)は、中国の不動産開発業者であるReignwood Groupと海洋温度差発電所建設に関する契約に調印、出力10MWの試験プラントの建設が2014年に始まるからだ。現時点では世界最大規模の海洋温度差発電所になる見込みだ(図1)。今後5年間をかけて両社はさらに大型の発電所に取り組むとした。

 今回の建設予定地は中国南部の海上。「海洋温度差」という名前の通り、海面と深海の間で海水温に差が大きな地域に適する発電方式だ。中国南部はこの立地条件に適合しているという(図2)。図2で黄色は温度差が18〜20℃、オレンジは20〜22℃、赤は22〜24℃、濃い赤は24℃以上の領域を示している。世界80カ国に適用可能であり、東南アジアや中米に適していることが読み取れる。日本も九州以南であれば建設が可能だ。

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図2 海洋温度差発電の適地

ベース電源に向く

 海洋温度差発電の発電量は、季節や天気、時刻などに依存しない。従ってピーク電源というより、ベース電源に向いている。発電量に変動がほとんどないため、石炭火力発電所と似たような使い方になるだろう。Lockheed Martinによれば、系統に接続しにくい島しょや、送電ケーブルの敷設に課題がある海岸沿いに向くという。

 今回建設する海洋温度差発電所は、Reignwood Groupが計画するグリーンリゾートの電力を100%まかなう計画だ。年間で130万バレルの石油を節約できる。1バレル100米ドルという石油価格を仮定すると、年間1億3000万ドルの燃料費が節約できる計算になる。加えて、CO2の排出量を年間50万トン削減できる。

 Lockheed Martinは、1970年代から海洋温度差発電の開発を進めており、米国で出力50kWの実験施設を3カ月間運用した実績もある。2009年以降、米海軍から1250万米ドルの研究資金を得て、基幹部品の開発とパイロットプラントの設計を進めてきた。今回の契約は、これらの研究開発が実を結んだ形だ。

 海洋温度差発電の仕組みを図3に示す。蒸気タービンを利用する原子力発電所といくぶん似た仕組みだ(放射線は全く発生しない)。まず図下の紫色のパイプでは沸点の低い作動液体がポンプによって、左上に運ばれる。水面から取り込んだ海水(オレンジ色)と円筒形の熱交換機で接触し、作動液体が蒸発、タービンを回して発電する。その後、深海の冷たい水(水色)で熱を奪われて再び液体に戻るというサイクルを繰り返す。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20130425OTEC_mechanism_400px.jpg
図3 海洋温度差発電の仕組み

1370荷主研究者:2014/10/26(日) 16:46:20

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140920_42023.html
2014年09月20日土曜日 河北新報
男鹿線沿線に太陽光発電 14年度末稼働

 JR東日本秋田支社は19日、潟上市天王地区のJR男鹿線追分−出戸浜駅間の沿線2カ所に、出力計3100キロワットの太陽光発電設備を設置すると発表した。JR東日本が2013年度から進める北東北の再生エネルギー基地化事業の一環で、秋田支社管内で太陽光発電設備を設置するのは初めて。

 設置場所は、吹雪などの自然災害から線路を守る同社所有の鉄道林内で、面積は計7万1000平方メートル。太陽光パネルを約1万7500枚設置する。年間発電量は約400万キロワット時で、一般家庭約1100世帯の年間消費電力量に相当する。

 国の固定価格買い取り制度に基づき、全量を東北電力に売電する。

 3日に秋田県から開発の許可を受けた。9月下旬に同社グループの日本電設工業(東京)が工事に着手し、本年度末の稼働を予定する。

 秋田支社総務部は「今後も社有地で、太陽光発電設備の設置拡大を検討していく」と話している。

1371荷主研究者:2014/10/26(日) 17:02:22

http://www.minyu-net.com/news/news/0919/news4.html
2014年9月19日 福島民友ニュース
アンモニア発電成功 世界初、郡山で産総研と東北大

 産業技術総合研究所(産総研)は18日、アンモニアを直接燃焼させるガスタービン発電に成功した、と発表した。

 東北大と連携して郡山市の福島再生可能エネルギー研究所で取り組んでいる実証試験で、灯油にアンモニア30%を混ぜてガスタービンで燃焼し、21キロワットを発電した。産総研によると、世界初の試みという。

 アンモニアは燃焼で二酸化炭素が発生しないなど、燃料として優れた性質を持つ水素を高い割合で含む物質の一つで、発電用燃料としての利用に期待が高まっている。一方、一般の燃料より着火しにくく燃焼速度が遅いことなどから、これまでガスタービン発電の燃料には使用されていなかった。

 産総研などは、灯油とアンモニアを安定して混焼させることができる小型のガスタービン発電装置を開発。実証試験では、灯油だけでタービンを起動して安定的に発電した後、アンモニアの燃焼を開始。徐々にアンモニアの比率を上げ、灯油を30%削減した状態で21キロワットの発電出力を維持した。また、燃焼で生成される窒素酸化物を除去するための「脱硝装置」を併せて使用した。


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