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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ
1367
:
とはずがたり
:2014/10/23(木) 23:18:17
さまざまな再生可能エネルギーの開発が強く望まれる中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2011年度から2015年度の5年間で、さまざまな海洋エネルギーの開発を進め、商用利用への下地づくりを始める「風力等自然エネルギー技術研究開発 海洋エネルギー技術研究開発」の委託を開始した。
委託研究の内容は3種類に分かれている*3)。
*3) 3つのうちの1つが「海洋エネルギー発電技術共通基盤研究」である。発電システムを建造するのではなく、情報収集・分析や性能試験方法などを研究する。
「海洋エネルギー発電システム実証研究」では比較的商業化が近い研究に取り組む。実証研究を重ねることで、2015年に発電コスト40円/kWh以下を実現するシステムを作るのが目的だ。プロジェクトが実現可能かどうか、実施することに妥当性があるかを検討後、想定海域で実証研究に入る。研究対象は潮流・海流発電と波力発電だ。
潮流・海流発電では、川崎重工業の実証研究が採択された(図1)。2011年10月19日に同社が発表した内容によれば、潮流発電に力点があり、沖縄電力や沖縄新エネ開発と協力して沖縄海域での実証実験の可能性を探る他、英スコットランドの実証フィールド欧州海洋エネルギーセンターEMEC(European Marine Energy Center)での試験を予定している。
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/20111128current_300px.jpg
図1 潮流発電システムのイメージ図 図では海底にタービンが固定されている。出典:川崎重工業
波力発電は三菱重工鉄構エンジニアリングと東亜建設工業の実証研究が採択された*4)。2011年11月15日の発表資料によれば、波の振動を空気の流れに変換し、空気によってタービンを動かす「振動水柱型空気タービン方式」を採用している(図2)。
*4) NEDOが2011年10月19日に発表した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に係る実施体制の決定について、によればこの他、ジャイロダイナミクスと日立造船のグループと、三井造船が波力発電の実証研究の採択を受ける予定である。
この方式では水面の上下運動を空気圧の変化に変えて発電する。両社は効率よく水面が上下するように空気室の前面に間仕切り壁(プロジェクティングウォール)を設置することで発電効率を向上させる。実用性を高めるため、発電装置を後付けユニット構造システムとして設計する。こうすることで、既存のインフラ構造物上に設置できるという。
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/20111128current_wave_590px.jpg
図2 振動水柱型空気タービン方式の波力発電所 波によって海面が上下し、空気室の圧力が変化する。これによって、往復する空気流が生まれ、タービン発電機が動く。出典:三菱重工鉄構エンジニアリング
NEDOの委託研究には、この他、実用化に10年を要するような研究開発も含まれている。海流発電と、海洋温度差発電だ。時間はかかるものの、発電コストは安く、大規模な発電が可能になる見込みがある。
IHIや東芝が海流発電に取り組む
NEDOが委託する「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」では、まだ商業化の段階に至っていない先進的な研究に取り組む。2020年に発電コスト20円/kWh以下を実現するための要素技術を研究開発対象とする。これは先ほどの実証研究が目標とするコストの半分の数字だ。高効率化の他、耐久性やメンテナンス性の向上を狙い、試験を実施する。研究対象は海流発電と海洋温度差発電*5)だ。
*5) 海洋温度差発電は、佐賀大学と神戸製鋼所のグループが採択を受ける予定だ。
IHIと東芝、東京大学、三井物産戦略研究所は2011年11月28日、共同で海洋エネルギー発電の研究開発に取り組むことを発表した。「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択されたためだ。
日本周辺は黒潮(暖流)や親潮(寒流)など海流に恵まれている。特に黒潮は高い潜在エネルギーを秘めており、今回の研究開発では黒潮のみを対象とする(図3)。
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/20111129current_kuroshio_590px.jpg
図3 黒潮の流速分布例 ある特定の季節の流速を示した。色が赤いほど流速が高く、立地条件がよい。四国の南や、紀伊半島沖などが好適地であることが分かる。出典:東芝
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