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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1356とはずがたり:2014/10/20(月) 12:52:41
>>1355-1356
 背景には、建設工事やパネルの調達が間に合わなかったという側面がある。だが、それよりも、FITが高価買い取りを保証している間に、有象無象の業者たちが実際に発電するかどうか分からない案件も含め、膨大な認定申請をしたことの影響がもろに出たのだ。

 実際、経産省も実態調査に乗り出し、8月末までに182万キロワット分の認定を取り消すなど“ゴキブリ退治”に追われている。

 しかも、認定量が膨大に増えたため、送電網を有する電力会社が「このままでは送電網がパンクする」と、接続を保留する事態まで起き始めた。9月以降、九州電力、東北電力など5社が接続を保留する措置を表明している。

 こうした経緯から、経産省では「FITは失敗だった」との烙印が押され始めている。民主党政権で再エネ施策を一手に引き受けてきた幹部を一転“戦犯扱い”し、普及策の見直しに着手し始めた。

シャープの太陽電池、すでに破綻の危機
持続可能な政策を

 政策の“失敗”のツケは、太陽電池メーカーにも及び始めた。

「創エネだけじゃなく、蓄エネがふつうの時代へ」

 女優の吉永小百合氏が、視聴者に呼び掛ける。6月7日から放映されているシャープのテレビCMのキャッチコピーだ。これまで太陽電池を宣伝していたシャープだが、突如として主力事業でもない蓄電池をPRするようになった。

「太陽電池ではもう食えないので周辺機器販売でしのぐのです」と、シャープ関係者は打ち明ける。

 シャープの太陽光パネルは05年ごろまで、世界シェアトップを誇るなどシャープの主要事業の一角を成していたが、いよいよ存続の危機を迎えているのだ。

 10月にかけて、太陽光発電事業を手掛ける米リカレント社の売却の入札をはじめ、現地の電力大手らと組んだイタリアの太陽電池工場からも撤退を表明している。今年度の太陽光事業部門の営業利益予想は、前年度と比べ90%減の30億円にまで落ち込む見通しだ。

 そして、苦境の大きな要因となっているのが、国内での“太陽光バブル”の終焉なのだ。

 実はシャープの太陽光パネル事業は、海外では、すでに価格競争力を失っていたが、「国内のバブルが事業を“延命”させていた」(シャープ関係者)側面がある。だが頼みの綱の国内市場も一気に落ち込み始めたため、経営戦略の抜本変革を迫られているのだ。

 FITは、再エネの導入とともに、国内メーカーの成長も眼目に置かれていたが、それも結果的には“延命策”にとどまった。

 国が本来、取り組むべきことは分かりやすい太陽光発電の爆発的導入ではなく、再エネを持続成長させるため、本命とされる「風力」の環境整備や、そのための地域間送電網の拡充、将来的な電源構成の比率提示など山ほどある。

 まずは、明確な再エネの将来像の提示をすべきだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義、森川 潤)


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