スタジオジブリ最新作で、宮崎監督によるアニメーション映画『風立ちぬ』は、第70回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、公式上映の翌朝にはイタリア各紙が大絶賛。イタリアの老舗全国紙「CORRIERE DELLA SERA」(コリエーレ・デッラ・セーラ)では、宮崎監督の顔写真と場面カットが一面を飾り「ベネチアに夢を見せてくれる平和主義なおとぎ話。創造性、夢、愛への讃歌歌った作品だ。映画の中で『才能は10年だ』という言葉があるが、彼の場合は例外であろう」と評した。また、各誌の"星取り"でも現時点でのコンペティション部門上映作品に比べて軒並み高評価を獲得し、アニメーションとしては史上初となる「金獅子賞」への期待が高まっている。
街の書店でベストセラーを買えないのはなぜか。棚に並ぶことなく出版社に返品される本はなぜ発生するのか。硬直していると言われる本の再販制度が守られているのはなぜか――これらの問題を考えるのに避けて通れないのが、日販とトーハンの2大取次だ。出版不況が止まらないのはなぜか? 本記事ではそれを、流通から考えていく。
[長浜淳之介,Business Media 誠]