9日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅反落。先週の米在庫が17年ぶりの大幅減少となったのは熱帯暴風雨のために輸入と海底油田での生産に障害が生じたためであり、影響は一時的なものとみなされた。株安とドル高も売りを誘い、週間での上げ幅は3.2%に縮小した。
コンサルティング会社ショーク・グループ(ペンシルベニア州ヴィラノヴァ)のスティーブン・ショーク社長は、「暴風雨に関連した一度限りの現象だとは知っていたが、きのうはこれを無視できた。ドライブシーズンが終わった現在もなお膨大な量の在庫があるという現実に、市場の関心が移った」と説明した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比1.74ドル(3.65%)安い1バレル=45.88ドルで終了。8月1日以来で最大の値下がりとなった。ロンドンICEのブレント11月限は1.98ドル(4%)下げて48.01ドル。
原題:Oil Tumbles Most in Month as U.S. Supply Plunge Seen as One-Off(抜粋)
・オバマ大統領が提案している(US Clean Power Planと呼ばれる)発電所からの温暖化ガスの排出を抑える政策を破棄する(なお、米EIAが8月に発表した最新「年次エネルギー展望2016―2040年までの予測」はオバマ政策を前提としている)。
・これらの政策は石炭火力を支持するものだが、安価なシェールガスに基づくガス火力との競争があり、限界があるだろう。[石炭主要産地であるウエストバージニアで最大の投票差を得たことは驚くに値しない。石炭業者は、2030年までに発電所からの排出ガスを3分の1削減させることを目したUS Clean Power Planの立法化を遅延させている]