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石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=

2234とはずがたり:2016/12/13(火) 20:10:08
ロシア帝国は、日本企業によるサハリン2での開発事業を横取りしたのですか?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1147858201

書籍:知らないと恥をかく世界の大問題
著者:池上 彰

P66 〜 67

サハリン2とは、サハリン島(樺太)近辺の原油や天然ガスなどの天然資源プロジェクトの総称で、本来はロシア政府が権益を独占するはずの事業でした。
ところが、総事業費を賄うことは、当時のロシア政府には困難でした。そこで、ヨーロッパのロイヤル・ダッチ・シェルと日本の三井物産、三菱商事が権益を落札し、プロジェクトは順調に進んでいたのです。しかし、06年9月、ロシア政府は突然サハリン2での開発に対する中止命令を出しました。
経済発展により潤沢な資金を手にすると、なんとか権益を取り戻したい。資源価格がさらに高騰する中、自国で算出するエネルギー資源を自国で押さえたいと、国際的な批判を呼ぶことは覚悟のうえで、外貨が開発した資源を横取りしたのです。
ロシアはガスプロムという半国営の企業を使って、ここがすべての資源を支配するような権力構造を築いています。

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cider_kondoさん 編集あり2010/9/3011:35:25
>Q1 ロシア帝国は、日本企業によるサハリン2での開発事業を横取りしたのですか?

そこまで簡単な話ではありません。池上氏の解説は事態を必要以上に単純化しすぎたもので「ロシアはやっぱり卑怯だ」と言って納得したい人に向けての飴玉としては適切かもしれませんが、現実の様相を見失わせる効果も無視できないぐらい大きなものです。

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%...が小説の形態を取っているものの、経緯を詳しく追っており、興味深いものです(なぜだか今でも日経ビジネスオンラインで全文読めたりするのが愉快ですが)。

現在のロシアの行動規範を分析した中公新書の「ロシアの論理 復活した大国は何を目指すか」(武田善憲著)を読んでもらうのがわかりやすいですが、この事件は人によって解釈が大きく変わります。

実際に起きたことは、100%外国企業の権益となっていたプロジェクトが、環境問題とか物価上昇とかいろんな要因で開発コストが倍増(契約の形態上、ロシアに入る金がその分減ることを意味し、普通なら契約の見直しに発展する方が自然なぐらいの大問題)&環境保護に関する法令違反が表面化し、ガスプロムがプロジェクトの50%+1株を握ることで決着した、という流れです。

要するに資源以外にめぼしい産業の乏しい発展途上国が、自国に押しつけられていた不平等な条約を是正して「外国企業の関与は認めるが相応の取り分を資源国側にも認めろ」と言っただけの話であって、この程度のイベントでロシアが帝国とか日本が恥をかいたとかなんとか言って騒いでいる人はとりあえずタイムマシンで1970年代に戻って、「資源ナショナリズム」という単語を一から勉強し直すべきでしょう(もちろん、前掲書にあるように、プーチン政権が今後のロシアにおけるルールをわかりやすく示すために見せしめとして利用された側面もあるでしょうけれども)。

その程度の話であって、特に難しく考える話ではありません。


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