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鈴扇霊 二つ目の物語
1
:
ピーチ
:2013/07/08(月) 11:42:15 HOST:em114-51-173-48.pool.e-mobile.ne.jp
連載(?)してる小説「鈴扇霊」の短編的なもの書こうと思います。
とりあえず生暖かい目で見守ってやってください←
2
:
ピーチ
:2013/07/08(月) 13:29:30 HOST:em114-51-173-48.pool.e-mobile.ne.jp
―――出逢い―――
「あまかみ……?」
「うん、天の神って書いてあまかみって読むんだ。あすかいは?」
「……飛ぶに鳥、井戸のい」
「あ、そっか。“飛ぶ”に“鳥”であすかって読むよね」
どんな才人だよこいつ。
まだ小学校の入学式だってのに、何でそんなこと。
「家で叩き込まれててよかったって、初めて思ったなぁ」
「お前もう俺に話しかけんな!」
こっちが惨めになってくる!
「え? 何で?」
「何ででも! とにかく迷惑だからだよ!」
つーか、普通に俺に話しかける時点で頭おかしい。
大体、天神は能力者だってこと知られてないんだ。わざわざそんなばかなこと……。
「……そ、か」
苦笑気味に笑った天神が、諦めたように息を吐く。
「じゃあしょうがないね。分かった」
そう言って、そのまま席について頬杖をついて。
「みんな居るかなー?」
いつの間にか入ってきた担任が自己紹介を始める。
「―――じゃあ、みんな先生のことは美紀先生って呼んでね」
そう言って無駄に明るい笑みを撒き散らしながら、坂東(さとう)先生……美紀先生がとんでもないことを言った。
「今日はもう時間がないから、みんなには明日自己紹介してもらおうかな」
「はーいっ!」
「―――………は?」
三十八人中、三十六人は元気な返事をした。
ただ、俺と天神は。
「何でお前まで!?」
「俺、自己紹介って嫌いなんだよねぇ…」
苦手、じゃなくて、嫌い。
天神の言葉に両目が見開いたのが、自分で分かった。
「何か、他人に知られるっていうのがね…」
天神と同意見だったけど、とりあえずあっそとだけ答える。
結局、明日は俺から自己紹介する羽目になった。
3
:
ピーチ
:2013/07/08(月) 14:23:57 HOST:em49-252-8-59.pool.e-mobile.ne.jp
「行きたくねぇ………」
「昇っ? ちょっ早くしないと遅れるよ!?」
姉貴が悲鳴じみた声を上げた。
まぁ当然と言えば当然。家の柱にしがみついて梃子でも動かない宣言した俺と一緒に学校行かなきゃいけないから。
「姉貴だけで行っていいよ別に。俺今日だけは行きたくねぇ」
「何でっ!?」
「自己紹介なんか死んだってするかよ畜生」
ごく単純な言葉に、姉貴がぽかんと目を丸くした。
言い忘れてたけど、これは俺の姉貴。名前は文芽。四つ上の五年生。
「もー……昇、いいから行こう? 自己紹介なんて名前言ってよろしくとか言えばいいのよ」
「よろしくしたくねぇし、まず名前なんてわざわざ言う必要ねぇだろ」
「言わないと分からないよねっ?」
どこまでも冷めてる俺に、根気強く諭す姉貴。……このまま姉貴まで遅刻したらさすがにまずいから、仕方なく学校へ向かう。
「……って昇ランドセルは!?」
「いらね。顔出すだけでいい」
「やめてよお願いだから!」
そう言って俺を引っ張って必要なものそれに詰め込んで背負わされて、ようやく再出発。……だりぃ。
「あ、文芽おはよー!」
「あ、おはよ!」
「あれ? その子誰?」
「弟だよ、あたしの」
いきなり知らん顔登場。……姉貴の友達か。
「へぇ、かわいー!」
「でしょ? だってあたしの弟だし?」
「自慢いらないから!」
ふたりで何か言いあった後、姉貴が言った。
「あ、あたし昇を供してまで連れて行くから、先に行ってて?」
「うん、分かった」
そう言って、姉貴が俺に手を伸ばす。
「……別に逃げないし」
「あは、信用できないや。さっきの見た後だから」
手を掴まれて、教室に押し込まれた。
「じゃあ、帰るときは待っててね! あたしが教室に来るから!」
「分かったから叫ぶな!」
俺の言葉に、姉貴が笑ながら元の道を戻っていく。
机に座ってしばらくぼーっと辺りを見回す。
「あ、早いね飛鳥井」
「……………」
いっちばん聞きたくない声が聞こえた。後ろを見ずに答える。
「別に。姉貴が出る時間に出ただけだし」
正確には引っ張り出された。
「へぇ、お姉さんが居るんだ」
楽しそうに笑う天神が、その次に呟く。
「いいな、俺兄さんも姉さんも居ないからな」
「俺は居ない方が羨ましい」
俺の言葉に、天神が目を瞬かせた。
「嫌い、なの?」
「……嫌いじゃないけど。俺のせいで姉貴に迷惑かけるわけにはいかねぇし」
俺の返事に満足したのか、天神がそっかとだけ言って笑った。
4
:
ピーチ
:2013/07/10(水) 05:32:31 HOST:em114-51-2-136.pool.e-mobile.ne.jp
「飛鳥井ってさ」
何の前触れもなく、天神が切り出す。
「あ?」
「家族思いなんだね」
「………は?」
何でいきなり。
「……おまっ、頭大丈夫かっ? なんだって俺が家族思い…!?」
「だってさ、行きたくなくて柱にしがみついてたなら、わざわざ学校までくるわけないじゃん」
「…俺、言ったか?」
「ううん」
無駄にふわふわした笑顔で首を横に振る天神。……ってじゃあ何で!?
「ま、それは色々と?」
そう言ったきり黙り込む天神にわざわざ話しかけるつもりもなく、俺はそのまま頬杖をついて窓の外を見る。
「…あ」
ふとそう呟いた天神が、がたんと音を立てて、血相変えて教室を出て行った。
……忘れ物?
思った直後。
「――――――っ!?」
唐突に広がった、妖気。
その直後に一瞬だけ感じた霊気みたいなものは、絶対。
「天神……!?」
思わずそう言って、俺が教室の外に出た。
「あま……っ」
「双鱗爪闢(そうりんしょうびゃく)、激化影道(げきかえいどう)」
今までとは打って変わって、静かな声音。
あっと呟いて、俺は天神を見る。
それまでの幼さなんかは微塵も感じられず、ただ目の前に居る妖を―――幽鬼を始末しようとしているのが、見て取れた。
「消え失せろ。この地に害を為すものよ」
瞬間的な爆風が吹き荒れ、一瞬にして幽鬼の姿が掻き消える。
やがて完全に瘴気が消えてから、天神が苦笑気味に笑った。
「…やっぱ、異能者じゃ駄目かぁ……」
「え……?」
「ごめん、飛鳥井」
そう言って、俺に小さな笑みを向けて。
「やっぱり危ないって分かった。今後関わらないからさ」
そう言って片手を振った天神の表情が、何でだろう、凄く鬱陶しげで。
「もう、俺に関わらないでくれないかな?」
それだけ言って、俺の返事も聞かずにその場を離れた。
5
:
ピーチ
:2013/07/10(水) 06:00:30 HOST:em114-51-2-136.pool.e-mobile.ne.jp
「はい、じゃあ早速自己紹介始めましょうか! 昇くんからどうぞー!」
出席番号順のせいで俺が最初になる。本気でやりたくねぇ。
「飛鳥井昇です、よろしく」
「ずいぶんと早いねっ!?」
担任が絶句した。
「他に何も考えてないんで」
俺の言葉に、さすがに困ったように視線を彷徨わせ、やがて諦めたように息を吐いて。
「まったく…お友だちとは仲良くしてね?」
何がお友だちだよ冗談じゃねぇよ。
俺の心境なんて知りもしない担任が、次の奴を指定する。
「天神柊一です。……自分の身の安全を考えたら、あんまり近寄らない方がいいと思うので」
言葉少なにそう言って、あまり笑顔なんかも浮かべずに席に座る。
さすがに担任が驚いたように言った。
「し、柊一くん? どういうことかな?」
「……あとで、話します」
苦笑気味に笑った天神がそう言って。
「次が詰まるんじゃないですか?」
天神の言葉に、担任が仕方なく次を促した。
「井上京太(きょうた)です。よろしくお願いします」
結局、どいつもこいつも俺と変わんない自己紹介だった。
「じゃあみんな、これから一年間同じクラスのお友だちだからね。色んな人と仲良くするのよ」
「はーいっ!」
やっぱり三十六人は元気に答えるんだよな。
ただ、俺と天神が答えないだけ。
今までの天神とは打って変わって、そいつの表情は暗く沈んでいた。
「……」
別に、不審者なんかじゃないからな。分かってるよな自分?
そう言い聞かせながら、俺は天神の後を尾(つ)けていた。
「あれ、柊一くん?」
「あ、こんにちは」
にこにこと笑顔でしばらく通りかかった女の人と話して、その会話が済んだら学校のように無表情に戻る。
…ひょっとして、本気で誰ともかかわらないつもりか……?
と、そこにふわふわとした声が聞こえた。
「お兄ちゃん!」
「へ?」
思わず間抜けた声を出してしまい、慌てて建物の影に隠れる。
「ただいま。変なものに遭わなかったか?」
「また子ども扱いする! 一葉(かずは)だって……」
「ほら。また言った」
一葉と言った女の子がはっと口元を両手で押さえた。
「それに、いくら大人びてるって言っても、俺も一葉もまだ子供。子ども扱いするものされるのも、無理ないんだよ」
「でも……っ」
「大人になったら、きっと誰よりも強いんだろうな。一葉は」
本気でそう思っているように、天神は小さく目を細める。
と、女の子がこっちに視線をくれた。
「……お兄ちゃん」
「うん、分かってるよ。でも、俺は誰を巻き込むつもりもない」
「え?」
小さな笑みを返し、ふっとこっちに首を巡らせて。
「―――え?」
いきなり、周りに黒っぽい膜が張られた。
「ごめん飛鳥井。ちょっと我慢してて」
そう言って、天神が表情を険しくする。
………ちょっと待て、俺気付かれてたの?
いつの間に?
天神が苦笑気味に笑う。それを見た女の子が、不審げに俺を見た。
「お兄ちゃん? あの人……」
「俺のクラスメイト。今年のね」
「……そう」
「うん」
天神が答えた直後、女の子が言った。
「天音お姉ちゃん、呼んだら?」
「え?」
「お兄ちゃんばっかりが攻防やってても勝ち目ないよ。かず……わたしは、まだ不安定すぎるの」
そう言って今にも駆け出さん女の子を、天神が引き留める。
「大丈夫だよ。限界が来たら、飛鳥井を放り出すから」
薄い笑みを浮かべてそう言った天神に、女の子が表情を引き攣らせた。
「お、お兄ちゃんそれ……」
「徒人(ただびと)にそれやるほど、馬鹿なつもりもないよ」
そう言って、天神が黒っぽい“それ”を取り出した。
6
:
ピーチ
:2013/07/10(水) 09:14:31 HOST:zaq31fa5a1a.zaq.ne.jp
【もしピーチさんの祖母がお亡くなりになられたら・・。】
作詞・たっくん
さよならするのはツラいけどの替え歌です。ではお聴き下さい。
ババアが死んだ〜♪ババアが死んだ〜♪
いい死に顔だ〜♪いい死に顔だ〜♪
さよならす〜するのはつら〜いい〜けど〜♪
寿命だよ♪仕方がない
ピーチが逝くまでごきげんよう♪
ババアが死んだ〜♪ ババアが死んだ〜♪
ピーチ
『私もいつかあの世へ旅経ちます。その日までごきげんよう!』
END
7
:
ピーチ
:2013/07/10(水) 09:20:08 HOST:zaq31fa5a1a.zaq.ne.jp
以前、私に『屁理屈ばかりだな』とおっしゃってた方がおりましたが
その方に一言・・・。
頭文字の『へ』は必要ありません。普通に理屈でいいと思います。
屁を付けくわえるとオナラに理屈という意味になってしまう
オナラに理屈はいりません。
8
:
ピーチ
:2013/07/10(水) 09:21:28 HOST:zaq31fa5a1a.zaq.ne.jp
>>1
屁(オナラ)に理屈はいらないんですよピーチさん
分かりましたか?貴方の考え方は間違っています。
9
:
ピーチ
:2013/07/11(木) 04:53:58 HOST:em114-51-3-85.pool.e-mobile.ne.jp
天神が左腕を軽く前に出す。
「―――行け」
直後。
―――天神の腕から、大量の『妖』が出てきたんだ。
「………え?」
「お、お兄ちゃんっ!」
女の子が悲鳴じみた声を上げる。
天神が苦笑した。
「これが一番手っ取り早いと思ってさ。あいつらとは契約済みだし、余計なことすればどうなるか、分かってるはずだから」
「でもっ」
「速やかに、密やかに。だろ?」
少女がぐっと言葉に詰まる。
「一葉」
「え?」
「奥平(おくだいら)さんに聞いてきてくれないか? あの件はどうなってるんですかって」
少女がしばらく記憶を手繰るような動作をし、うんと頷いた。
「なるべく早く頼むな」
「分かった」
言葉少なな会話が終わり、天神の腕から飛び出した妖たちが他の妖を喰らい尽くしたのを見計らって、天神が俺の周りの膜―――っていうか、結界を解く。
そして。
「どうしたの? 用事?」
最初に逢ったときと変わらない笑みを浮かべて、そいつは聞いた。
正直驚きながら、何とか首を横に振る。
「……お前が関わるなって言ったから、どういう意味かと思って」
「あ、それだけ?」
「…あぁ」
何だと呟いて、天神が言った。
「ここは、まぁ見ての通り俺の家だけど……」
そう言って、言葉を濁す。
「一葉が帰ってきたら、俺も行くところあるんだよねぇ」
苦笑気味に笑って。
「よかったら、一緒に来る?」
10
:
たっくん
:2013/07/11(木) 15:50:57 HOST:zaq31fa5a1a.zaq.ne.jp
ババアが死んだ〜♪
ババアが死んだ〜♪
いい死に顔だ〜♪いい死に顔だ〜♪
さよならす〜すの〜は〜ツラ〜いい〜けど〜♪
寿命だよ♪仕方がない
ピーチが死ぬまで
ごきげんよう♪
11
:
たっくん
:2013/07/11(木) 15:53:17 HOST:zaq31fa5a1a.zaq.ne.jp
[さよならするのはツライけど(元)]
ババンババンバンバン♪ババンババンバンバン♪
いいとこだ〜♪いいとこだ〜♪
さよならするのはツライけど
時間だよ♪仕方がない
次の回までごきげんよう!
↑こちらが本来の詩です
12
:
たっくん
:2013/07/11(木) 15:58:40 HOST:zaq31fa5a1a.zaq.ne.jp
次回は、嘉門達夫さんという方の名曲『替え歌メドレー』をベースにして
アレンジしたバージョンをお送りします
御期待下さい。
13
:
日陰
:2013/07/13(土) 16:39:16 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチ>>
っおぉ! これは、過去編的な?
私も自己紹介とか嫌いだよー(笑)
だって、言う事無いもん←
ん? ってことは何か?
私はみんなと気が合うのか!?←ドアホ
14
:
ピーチ
:2013/07/13(土) 20:42:21 HOST:em114-51-40-197.pool.e-mobile.ne.jp
日陰>>
イエス! 過去形中心でやってるよー!
分かるそれ! 中一のとき自己紹介しなさいって言われて「は?」って思ったもん!←
そーだよ! あたし含めみんな日陰と気が合うんだよ!
15
:
日陰
:2013/07/13(土) 21:23:16 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチ>>
そうだよねー 特に入学頃の自己紹介が面倒臭い……←
全教科で一々、一々、一々、一々自己紹介しなきゃいけない理由がわからなかった←
第一、先生は皆に自己紹介させながら覚えてんのか? って、思ってた←
16
:
ピーチ
:2013/07/14(日) 06:26:58 HOST:em114-51-10-247.pool.e-mobile.ne.jp
日陰>>
そう入学式! テキトーに名前聞いて行けばいいのにわざわざ自己紹介とか必要かっての、みたいなw
だよね! 担任が言えばいいのにね!((おい
……それが一番の疑問かも←
17
:
ピーチ
:2013/07/14(日) 07:21:53 HOST:em114-51-10-247.pool.e-mobile.ne.jp
「行くところ……?」
「うん、ちょっとね」
言いながら、天神がどこか遠い目をして。
「……ただ、強制じゃないから。行きたくなければそれでいいから。俺は別に、無理強いはしないよ?」
…なに言ってんだこいつ。
「お前なに言ってんの?」
「うん、何でもない」
「明らかに文脈繋がってねぇ!?」
……まさかじゃなくてももしかしなくても。
―――こいつ、絶対天然だ…!
「あ、飛鳥井? どうしたの?」
いきなり頭抱えてうずくまった俺を心配してか、天神の困ったような声が聞こえる。
「…いや別に。うんそうだよな。きっと心のどこかで予想はしてたんだよ俺」
「は?」
「とにかく、行くとこあるんだろ? さっさと行って来いよ」
俺は帰る、と天神に背を向けて、俺は来た道を戻って行った。
「……っそだろ…」
突然目の前に現れた、たぶん水妖(すいよう)の大群。
ひとつ言っておく俺は異能者だでもそれとこれとはまったく話が別物。
―――ニンゲン……イタ…
にぃと嗤ってじりじりと距離を詰めるそいつらと距離を置こうと、無意識に後退る。。
足だけで後ろに下がっていると、何かが触れた。
「え……?」
俺は、踏んだそれを見て。
「は……?」
なんで?
俺が踏んだもの。それは。
木刀、だった。
「……なんかこれさぁ、巧く出来過ぎてねぇ?」
とはいえ、このまま攻防なく負う追われるってだけもごめんだ。
落ちていた木刀を拾い上げ、両手で持って構えて。
―――ニンゲン……霊力ノ高イ者…
いきなり飛びかかってきた水妖たちに、俺は迷わず剣を叩きつけた。
その勢いを殺さないままに、遠心力を利用して他の水妖たちを風で祓う。
終わった、と思った。でも―――
「っ……んだよ、こいつら…!?」
湧いて出てくる害虫みたいに、こいつらは底をつかず出てくる。
「なんで…」
思いはしたが、考えている暇はない。とにかくそのまま、薙ぎ払うことしかできない。
「―――っ、は……」
そろそろ、呼吸が整わなくなってきた。
それだけじゃない。今まで散々使った腕だって、そろそろ限界を迎える。
いや、たぶん限界はとうの昔に超えてたんだ。
それを無理矢理使ったから、今動かないだけで。
―――ニンゲン……喰ッテシマエ………
―――肉ノ一欠片モ残サズ…
水妖たちが、笑いながらこっちへ向かってくる。
最後の抵抗になのかは自分でも分からない。でも、確かに腕が僅かに動いた。
ただ、疲れ切った腕はそう簡単には上がってくれなくて。
「…………っ」
とにかく、もう逃げようと思った、瞬間。
りん―――。
唐突に響いた、鈴の音。
「え?」
「迷い無く御魂を捨てた者。……貴様らに、人間を喰う資格はない」
さっきまでは愛らしかったことを容易に想像させる声が一段低くなった。
そして。
「八百万(やおよろず)の神々よ。神々しき陽の光を放ち、悪を殺したまえ」
少女が唱えた直後、辺りが一瞬暗くなり、そのまま眩しい白に輝き出す。
水妖たちが慌てて逃げようとした。でも、白い光に捕縛された妖たちが簡単に抜け出せるわけがない。
完全に全てが終わってから。
「大丈夫ですか!?」
どこか慌てたような声が聞こえ、淡い桜色の着物の裾が翻った。
「あ…、確か……」
「一葉です。柊一の妹の」
あぁ、だから見たことあったんだ。
「怪我していませんか? もししてたら……」
「いや、大丈夫だよ」
そう言って手を振りかけて―――ずきっとした痛みに顔を歪めた。
「やっぱり…!」
そう言って怒ったように頬を膨らませた少女―――一葉、ちゃんが、無理のない程度に俺の手を引っ張る。
「来てください! 一葉じゃできないけど、天音お姉ちゃんなら治せますから!」
結局、彼女に引きずられてその“天音”と言う人のところへいく羽目になった。
18
:
日陰
:2013/07/14(日) 20:17:44 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチ>>
まぁ、私は人の名前と顔覚えられないから言われてもどうしようもないんだけどねー(笑)←
でも、担任の先生が漫画の主人公と苗字が一緒だったからすぐ覚えた(笑)←
天音ちゃん登場だねー!
テンション上がった!
「うやっほぉおおおい!」ってなった!←キモ
19
:
ピーチ
:2013/07/15(月) 06:23:29 HOST:em49-252-96-248.pool.e-mobile.ne.jp
日陰>>
まぁさすがに何年も一緒の人は憶えてないとおかしいけどねw
うちの担任は名前がアニメのキャラと一緒だったからすぐ覚えた((
天音登場だよー!
小さい頃から毒舌なんです天音は! っていうの証明して見せよう!←
20
:
ピーチ
:2013/07/15(月) 11:05:27 HOST:em49-252-96-248.pool.e-mobile.ne.jp
「天音お姉ちゃん居る!?」
「わ、ちょっ引っ張るな……うわっ!?」
神社らしい建物に一目散にかけていく彼女に引っ張られて、俺が体勢を崩した。
そして。
「……飛鳥井?」
「へ?」
今の、声は。
「何でお前が居んの!?」
「いやそれこっちの台詞なんだけど」
肩よりも長い髪一括りにした天神が、着物を着てさっきの鈴を持っていた。
「ま、さか……行くところって、ここ?」
「あー…うん、まぁ」
曖昧な返事をして苦笑気味に笑い、天神が何かを言おうとした直後。
「何やってるの?」
唐突に聞こえた、少女らしい声。
無意識に俺を引っ張ってきた少女―――一葉、ちゃんを見る。彼女が嬉しそうに瞳を躍らせた。
「天音お姉ちゃん!」
「あら、いらっしゃい。一葉ちゃん」
そう言って微笑んだ少女が、天神を見て冴え冴えと言い放った。
「遅い。いつまで待たせるのよ」
「いや、ごめんって……来る途中で、雑鬼相手にしちゃってさ」
苦笑気味に笑う天神。
………いや待て。これどっからどー見てもこっちの方が上だよな? 何で天神が謝んの?
「で、一葉ちゃんはどうしたの?」
「この人、怪我しちゃったみたいなんです。だから…」
「分かったわ。……来てください」
深藍の着物の背を流れる漆黒の髪が僅かに揺れた。その直後、彼女の左手が異様に光った。
「汝、光の導(しるべ)の赴くままに進め。その光の先に在るものを、汝が手で得たれよと」
少女の髪が大きく唸る。
「汝が光を導となし、その路を進みたまえ」
ごぉっと突風が吹き荒れ、その中心に居た少女の目が開かれた。
黒曜の瞳が異様な光を宿す。
「………はい、これで終わり」
そう言って、彼女が俺の腕を離した。
「たぶん、もう大丈夫です。何か違和感があったら言ってください」
「…あ、うん……」
呆然としながら、自分の腕を軽く押さえてみる。
―――痛みが、ない……?
21
:
たっくん
:2013/07/15(月) 11:09:05 HOST:zaq31fa5a6f.zaq.ne.jp
パーンツ♪パーンツ♪パーンツ♪
遠くで抜いてる臭いがする〜♪
き〜て〜よ〜パーンツ♪
私のアソコへ♪
心伝える〜合言葉
パーンツ♪パーンツ♪パーンツ♪
ぬ〜くよ〜待ってて〜♪
ホモだ〜ちになろお〜♪
ピーチのチンポとチンポ繋げてみんなでシコろう〜♪
あ〜の空で
パーンツ♪パーンツ♪パーンツー♪
22
:
たっくん
:2013/07/15(月) 11:09:33 HOST:zaq31fa5a6f.zaq.ne.jp
ピーチさんは臭いので
すぐに分かります。
23
:
日陰
:2013/07/21(日) 15:41:53 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチ>>
天音ちゃんは昔から大人びてたんだねー!
見習わないと……←
24
:
ピーチ
:2013/07/21(日) 18:34:23 HOST:em49-252-192-63.pool.e-mobile.ne.jp
日陰>>
天音は小さい頃から色々とありすぎてね……
そろそろ昇と柊一の出会い編終わらせるつもりですw
25
:
ピーチ
:2013/07/22(月) 05:50:48 HOST:em1-114-73-120.pool.e-mobile.ne.jp
「―――つまり」
さっきの少女、天音は跡取り同士の神代と天神っていう繋がりがあって協力し合っていると。
「うん、だからあんまり近づけないようにって思ったんだけど」
「いまさらな話よ」
「……だよねぇ」
天音の言葉に苦笑を返す天神。
俺の表情が胡乱になったことを、自分で自覚した。
「………飛鳥井さん、ですよね?」
「え? あ、あぁ…」
「なら」
表情を言うものを知らないかのように、天音が言った。
「これ以上痛い目に遭いたくなければ、以後私たちには関わらないでください」
「……は?」
「それが、貴方のためでもあるんですよ?」
淡く笑って身を翻した天音を見送るように俺が呆然とし、次に天神を見る。
「どう、いう……」
「ほら、さっきも襲われたんだろ?」
主語が抜けてるけどそれくらい分かる。……魔獣にだ。
無言で肯定を示すと、天神が苦笑する。
「もともとの霊力の気もあるんだろうけど、俺たちに関わるとろくなことがない。天音はそう言ってたんだよ」
いくつかいい例があるだろ? と言われて、言葉に詰まった。
「……そのうち、飛鳥井の家族にまで危害が及ぶかもしれない。それでいいの?」
「…………………………」
「…これで、分かったろ?」
そう言って小さく笑い。
「じゃあね、飛鳥井」
その言葉が、最後だった。
26
:
ピーチ
:2013/07/22(月) 06:30:44 HOST:em1-114-73-120.pool.e-mobile.ne.jp
―――記憶―――
ぴく、と唐突に少女が顔を上げた。
「? 神代、どうした?」
担任が問う。
「……いえ」
僅かに感じた異様な気はすぐに失せた。問題はないはずだ。
だが。
「…すみません。何でもありません」
胸の内に溜まる焦燥を誤魔化すように、少女は薄く微笑んだ。
「天音ー! 一緒帰ろー!」
「ごめん今日ちょっと急いでるの」
「へっ?」
言いながらすっと友人の真横を素通りし、そのまま帰路につく。
「天音」
ふと声が聞こえた。正面を見れば、幼馴染二人の姿。
「………嫌な予感が、するの」
少女―――天音の言葉に、二人の表情が険しくなった。
「お父さんたちの霊気が、消えたの……何かあったとしか…」
腰の辺りまで伸びた長く艶のある髪が不安げに揺れる。明らかに動揺していた。
「…俺たちも行こうか?」
天神柊一の問いに、天音が首を横に振る。
「一人で行く。……行けないほど、子供じゃないわよ」
小学生と言うのは明らかに子供扱いされるのだが。
短い制服のスカートを翻し、少女が家へと向かった。
―――そこに、悲劇が待ち受けているとも知らずに。
27
:
たっくん
:2013/07/22(月) 11:21:02 HOST:zaq31fa59cb.zaq.ne.jp
またクソスレですか・・相変わらずですね〜貴方達も
あきれ果てて言葉も出ませんよ。
28
:
ピーチ
:2013/07/23(火) 08:42:28 HOST:em49-252-87-183.pool.e-mobile.ne.jp
家の前についた瞬間、鉄の臭(にお)いがした。
「…………え?」
いくら探ってみても、両親の霊力が微塵も感じられない。
ゆっくりと、家に足を踏み入れる。
「…お父さん、お母さん? 居るでしょ?」
重い本堂の扉を開け放った、刹那。
「――――――っ……!?」
重なるようにして倒れ伏した、二つの物体。
否。―――両親の、死体。
「………っ、お父さん!?」
はっと我に返った天音が二人に駆け寄る。母の身体に触れた途端、左手に紅いものがべっとりとこびり付いた。
「え………」
呆然と呟き、少女が己の手を凝視する。そして。
「…あ……………」
この、霊気は。
「飛鳥井……」
同じ学年に居た。飛鳥井小夜。
「―――………い、や…」
この両親が殺される意味などない。あるわけがないのだ。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
うずくまって頭を抱え、混乱に呑まれないよう自分を保つのが精一杯だった。
呑まれれば、欲のままに動くことになる。
でも。
「飛鳥井………っ」
本当に死ぬべきは、どちらだと。
そう問われれば、彼女は即座に答えるだろう。
飛鳥井に決まっている。
「……殺し…て…」
殺してやる。
澄んだ黒曜の瞳に昏い光が灯った、刹那。
―――お止めください。
唐突に聞こえた声に、少女がぴたりと止まった。
「な………っ」
―――貴方様の行動で、哀しまれる方がいらっしゃるのですよ……?
殺すなど考えるな。
呑まれるな。
言外に告げられている気がして、少女が小刻みに震え出す。
「じゃあ……お父さんたちを殺した人間を野放しにするの………?」
そんな危険なこと。
―――貴方様が、力で打ち負かせればよいのです。
今はまだ不安定なそれを、確実なものに変えて。
少女の瞳から零れた滴が、紅く染まった床に落ちる。
そのまま、天音が小さく呟いた。
29
:
ピーチ
:2013/07/25(木) 15:38:59 HOST:em114-51-41-26.pool.e-mobile.ne.jp
「力…か……」
ひっそりと呟いた言葉を聞き止めた少年が振り返った。
「あ? 何か言ったか?」
「別に」
冷たい氷を思わせる少女の面(おもて)がそ知らぬ方を見やる。
それを見た飛鳥井昇が苦く笑った。
「んだよそれ。……そろそろ柊一も来ると思うぞ」
「…そうね」
学校の記念碑に腰を下ろす天音に、昇がぼそりと呟く。
「……記念碑に座るのはどうかと思うぞ」
神や仏はこの上なく大切にすると言うのに、学校の記念碑にはこの態度か。この少女は。
と、そこに幼馴染の姿を認めた天音が立ち上がった。
「ごめん、遅くなって」
「いいわよ別に。……一葉(かずは)ちゃんは?」
「え? 先に天音たちの所に行ってるとだけ言ってそのまま出て行ったよ?」
二人の表情が強張る。
「来て………ない、わよね?」
「……あぁ…」
柊一がじゃあと呟いた。
「友だちと、先に帰ったかな」
そう言って携帯を取り出し、妹の番号にかける。
「あ、もしもし一葉? 今どこに居る?」
『あ! 天音お姉ちゃんたちに言うの忘れてた! ごめん先に帰ってる』
「分かった。そう言っとくよ」
苦笑気味に笑い、少年が通話を切った。そのまま二人に苦い笑みを向ける。
「やっぱり、先に帰ってた」
「なら良かった」
昇の言葉に被せるように、どこからか元気な少女の声が聞こえた。
「神代さん天神さん昇ーっ!」
「え?」
三人の声が重なる。
「や、やっと追いついた……っ! もう天神さん! 仕事済んだなら呼んでくださいよ! あたしだって一緒に帰ろうと思ってたのに!」
「え、そうなの? あ、ごめんね?」
どうやらずっと天音を追いかけていたらしい。
「あれ? 一葉ちゃんは?」
「先に帰ったわよ」
「えーっ!」
「……随分とつまんなさそうだな」
昇の言葉に、少女―――飛湘あおりがぴしっと人差し指を突き立てて。
「あったりまえじゃない! だって一葉ちゃんとにかく可愛いんだもん!」
「…それは言えてるけど」
小学生と中学生で時間差が生じるのは致し方のないことだと思う天音である。
「とりあえず……話すなら、歩きながらにしてもらえる?」
ぴくりと額に青筋を立てた少女の言葉にあ、と返し、あおりが歩き出す。
「そう言えば、天神さんはどこの高校行くとか決めたんですか?」
「ん? 俺?」
あおりの問いに少年が振り返り、しばらく考えてからいいかと言うような表情で頷いた。
「とりあえず、北宮かな」
「は? あの学校滑り止めとか言ってなかったかお前」
「き………っ!?」
北宮。県内一レベルの高い公立高校。それを滑り止めだと。
「うん。そのつもりだったんだけど、よく考えたら県外に出るつもりないからさ」
さらりと言ってのける彼に、あおりが絶句する。
「き、ききき北宮って県内一ですよ!? 本気でそこに……っ」
「昇も第一志望じゃなかったっけ?」
「あぁ」
さらに唖然とする彼女に、天音が励ますように言った。
「二人とも成績優秀なこと、忘れてた?」
「………自分の頭の悪さを忘れてた」
あおりの言葉に、昇がえ、と呟いて。
「お前、成績上位だろ?」
「そんなのまぐれだもんっ」
天音に敵うわけがない! と喚く彼女に、天音が顔をしかめた。
「ちょっと、私だってそんなに成績よくない……」
「よく一位取るくせに?」
くすりと笑む柊一に、天音が嫌そうに首を振りながら。
「飛湘さんの言葉を借りるならまぐれよ。よっぽど他の人が勉強してなかったんでしょうね」
「いやそれありえねぇから」
即答する昇にあおりが便乗。
「そーだよ! 大体あたしは元々頭良くないんだからね! 天音とか天神さんたちと脳の作りが同じわけじゃないんだからね!」
「いや、それもどうかと思うけど……」
柊一が苦笑しながら呟く。
「二人が北宮なら、私もそうしようかしら」
「ええぇぇぇっ!?」
天音の言葉に、あおりがさらに絶叫した。
30
:
ピーチ
:2013/07/25(木) 21:29:04 HOST:em1-114-139-120.pool.e-mobile.ne.jp
「じ、じゃああたしも北宮狙う!」
来年のことなのに随分と意気込み出したあおりに、天音が苦笑する。
「別に、柊たちが絶対受かるわけじゃないと思うけど」
彼らとて、受験日に体調を崩して落ちる可能性もなくはないのだ。
「私は二人が行く高校ならどこでもいいし」
仕事がしやすいからね、と言う少女に、あおりが呆然と。
「……自分が行きたい高校、ないの?」
「特に。今の学力じゃ北宮は無理だろうけど」
「あんたで行けなかったら誰もいけない!」
悲鳴じみた声で宣言したあおりに、天音が問うた。
「私より成績いいひとなんて、山ほどいるわよ?」
「怖い! このひと怖いっ!」
ふたりの歩きながらの会話に、昇と柊一が揃って苦笑した。
「そう言えばさ」
朝、教室についた柊一の耳に、クラスメイトの声が聞こえた。
「お前ら、付属校行かないんだって?」
わざわざ私立の付属中学に通っているくせに、そのままではなく県内一の高校を受験しようと言っていると噂になっているらしかった。
「あぁ、うん。幼馴染とそっちに行こうかって言っててさ」
「はぁ?」
柊一が苦笑を零す。確かに、わざわざ幼馴染と同じ高校に行く約束などするわけがないだろう。
「まぁ、俺らは俺らの考えがあるってことさ」
「そろそろ、本格的に考えていかないとねぇ……」
呟いた柊一の言葉に、昇が頷く。
「北宮っつったら推薦もあんまり通んねぇみたいだしな」
「あら、二人なら通れるんじゃない?」
「へ?」
唐突に聞こえた声に、二人が振り返った。
「み、三岡?」
「なんなら、願書出してみれば? 成績優秀で運動神経抜群。生活態度もいいし、友だちも多い。ちょっと欠席があったのを除けば通ると思うわよ」
彼女の言葉に二人が顔を見合わせる。そして、どちらからともなく笑みを浮かべた。
「出してみる?」
「そっちの方が、楽かもな」
結果、楽かどうかだけで願書を出す結論に至った。
31
:
ピーチ
:2013/07/26(金) 07:12:47 HOST:em114-51-160-184.pool.e-mobile.ne.jp
「神代さん……」
「用がないなら近寄らないで」
天音の眼前に居る少女―――飛鳥井小夜(あすかいさよ)が困惑したように口を閉ざした。
「あれ? 天音、小夜? どしたの?」
「何でもないわ」
あおりの言葉に即座に返した天音がその場を離れる。苦笑したあおりが小夜に問うた。
「どうしたの? 何かあった?」
「………分からない、の」
「……え?」
「何で避けられるようになったのか、分からない」
小夜の言葉に、あおりが困ったように眉根を寄せる。小夜に分からないものを自分にどうしろと言うのだろう。
「…えーと。あたしが聞いとこうか?」
天音なら冷たくあしらって終わりだろうが、生憎あおりはそんな性格の下に生まれついていない。
「……ごめん、お願い」
そう言って小さく笑った彼女にうんと返し、後でねと言い残してその場を離れた。
「―――え………」
ここまで衝撃的な事実が存在するんだなと、驚いた頭の片隅で思った。
「小夜の、両親が?」
「……だからって、飛鳥井さんを恨むのは筋違いよ。それくらい分かってる」
でも、そうでもしないと自分を保てないのだ。
誰かが傷つくのを考えると、本当はすぐに止めなければならないが。
「………結局、私も自分が可愛いだけなのね」
そう言って小さく息を吐き、天音はそのまま教室へと戻った。
「……お父さんたちが?」
「…神代さんの両親を、殺したって」
「でもっ」
二人は既に、この世に居ない。
「本人も言ってたよ。死んだ人恨んだりあんたに怒りの矛先向けるのも間違ってることくらい分かってるって」
自分を保つためには、誰かを恨む以外にないのだろうか。
「…………でも、」
「そう言えば」
にっと笑って、あおりが言った。
「確か―――……」
32
:
たっくん
:2013/07/26(金) 10:37:37 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
またクソスレか
ゴミピーチさん・・?
ピーチさんとはまさにゴミピットのような存在である
33
:
たっくん
:2013/07/26(金) 10:39:35 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
ピーチさんのクソスレの数々・・
あきれ果てて言葉も出ません
34
:
たっくん
:2013/07/26(金) 10:42:00 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
クソスレばっかり立てるなピーチ
頼むからまともになって下さいよ
皆が迷惑する
35
:
たっくん
:2013/07/26(金) 10:42:28 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
ピーチのスレは
まともじゃないです
36
:
たっくん
:2013/07/26(金) 10:48:12 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
ピーチさん
私と一緒に病院行きましょうよ
1人で行くのが不安ならついてってあげますから
ね
付き添い必要でしょう?
37
:
ピーチ
:2013/07/26(金) 11:00:34 HOST:em114-51-172-105.pool.e-mobile.ne.jp
「―――昇?」
手紙を読んで、彼でないと思い込んでいた天音が思わず呟いた。
呼ばれた少年が振り返り、にやっと意地の悪い笑みを浮かべる。
「よ。小夜だと思ったか?」
「えぇ。貴方なら、名字では書かないと思ってたから」
それともう一つ。筆跡が明らかに女のそれだったから。
「あぁ、そりゃ当然だ」
うんうんと頷いて、昇が言った。
「だってあれ、小夜に書いてもらったし」
やっぱりか。
そう思った直後。
「なぁ、小夜?」
振り返らず後方に向かって問うた彼に呼応するように、少女が姿を現した。
「………っ…!?」
さすがに予想していなかった展開に絶句する天音の傍から、さらに二人。
「ごめん天音。この入れ知恵、あたしのなんだ」
あおりが顔の前で両手合わせているのを認め、天音が胡乱げに眉をひそめた。
「どういうこと? 場合によっては、これ以後一切―――」
「天音」
柊一に遮られ、不本意そうにしながらも天音が彼の方を見る。
少年が穏やかに笑った。
「凪沙(なぎさ)さんたちが亡くなった本当の原因。聞いてみない?」
幼馴染の言葉に、天音が目を見開いた。
「……準備、いいな?」
「…えぇ」
天音の返事を聞いて頷いた昇が、神社に植えてあった桜の前に立ち、両手を胸の前で組み合わせる。
「―――御礼(ぎょれい)。神代龍弥、凪沙。我、汝らがこの桜に依り真(まこと)の意思を継がんとするもの」
厳かな声が、辺りに木霊した。
「神へと昇(のぼ)る御身へ今願い申す。我が眼前、桜へと依り給え」
刹那。
ごぉっと、桜を軸に眩い純白の光が放たれた。
呆然とそれを見届けていた天音がはっと我に返る。
「お父さん……」
もう、七年も前に失った父の声が、少女の耳に忍び込んだ。
―――久しぶりだね、天音。
「………………っ…!」
応えようとして、声が出ないことに気付いた。
怖いのだ。本人たちの口から、真実を聞くことが。
―――天音。私たちはね、長くこの姿を保つことはできない。
凪沙の言葉に、天音がはっと顔を上げる。
―――だからよく聞いて。私たちは、確かに飛鳥井に殺されたのかもしれない。
「じゃあ………っ」
―――でも、それは本人たちの意思じゃない。だって、私たちが仲間割れする理由なんてなかったもの。
「……え?」
思わずと言ったように問い返した天音に、龍弥が頷く。
―――そうだよ。……二人は、呑まれたんだ。
妖に、呑まれた。
―――だから、二人とも悪くない。それに気付けなかった……………
言いかけたところで、二人の姿に歪みが生じた。
「お父さん、お母さん!?」
―――ごめんね、昇くん。
凪沙が彼を労(いた)わるような仕草をする。昇が小さく笑った。
「大丈夫です。………少しでも持たせますから」
言っている傍から大量の脂汗を流す彼を見て、二人が顔を見合わせ。
―――いいや、もう充分ですよ。
そう言って、微笑んだ。
―――最後に、天音。
呼ばれて、無意識に背筋が伸びる。
―――小夜ちゃんも彼女のご両親も、何も悪くない。
断言した直後、二人の姿がふっと消え失せた。
「あ………」
天音が呟いたと同時、どさっと誰かが倒れる音が聞こえる。
「昇!?」
「悪い……俺、限界だな……」
そう言ってそのまま気を失った彼はあおりが何とかするだろう。問題は。
「………………………………」
「小夜ちゃん、今日は帰ろう?」
柊一の言葉に、小夜と天音が顔を上げる。
「二人とも、ゆっくり考える時間が必要だと思うから」
38
:
たっくん
:2013/07/26(金) 11:04:15 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
ピーチさんは
自信過剰なのが欠点ですね
プライドが高過ぎて困る
39
:
たっくん
:2013/07/26(金) 11:24:26 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
ピーチさん
精神病院行きましょうよ
他の方もそうおっしゃってるじゃないですか
40
:
たっくん
:2013/07/26(金) 11:25:26 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
他にもおっしゃる方いましたよ
御検討下さい。ではまた後ほど
41
:
たっくん
:2013/07/26(金) 11:26:36 HOST:zaq31fa590d.zaq.ne.jp
それとこれは余談ですが、
昨夜まこちゃんとメール交換してました。
まこちゃんというのは以前御話した私の愛人です
では
42
:
ピーチ
:2013/07/29(月) 21:54:53 HOST:em114-51-149-36.pool.e-mobile.ne.jp
「天音ー! おっはよー!」
「おはよう」
後ろから走ってきた友人、漲紗湟(みなぎさほり)に応えた直後、小夜の姿が視界に入った。
向こうも気が付いたのだろう。天音を見るなり立ち止まり、悪戯をしたあとの子供のように縮こまる。
天音は努めてゆったりした足取りで、そんな彼女に歩み寄った。
そして、
「今日の放課後、神社に来てくれる?」
その言葉に驚いたのか、黒曜の瞳が大きく見開かれる。小夜がこくんと頷いたのを認めて、再び友人の後ろを歩き出した。
「天音? 小夜と仲悪くなかった?」
紗湟が驚いたように彼女に問う。
そんな少女に、天音が大人びた微笑を浮かべた。
「そうね。でも、私が一方的に誤解してただけだって分かったわ」
「………はぁ?」
胡乱げな声を発する友人をそのままに、少女は教室まで足を運んだ。
「あら」
深藍の着物が、微かな衣擦れの音を発した。
「早かったわね。……ま、いいか」
困ったような微苦笑が小夜に向けられる。天音以上の特別な能力など持ってはいないが、それでも正装で来るのは。
「やっぱり貴女も、飛鳥井の人間……ね」
そう言って彼女を本堂へと招き入れ、自分は中央より少し右側に腰を下ろす。
「ここ、ね。……お父さんたちの、最後の場所なの」
最後の。
言葉だけでも容易に想像できる光景を、まだ幼かった彼女は目の当たりにしたのか。
小さく息を吐いた天音が、柔らかく笑む。
「今までずっと、貴女の両親のせいだって思ってた。でも違ったの」
この前、彼が降ろした両親の言葉では。
「貴女の両親も、利用されただけだって分かった………」
そう言って、小夜に向かって。
「―――ごめんなさい」
「……え?」
「知らなかったとはいえ、今まで酷いことばかりしてた。ごめんなさい」
頭を下げた彼女が言い訳をする気配はない。それが、逆に小夜に違和感を抱かせた。
「…なんで、言いわけしないの?」
「え?」
「だって普通、ああだったからこういうことしてたとか、そういう言いわけしない?」
小夜の問いに、天音が目を瞬かせる。
混乱の渦が過ぎ去った後、彼女が薄く笑った。
「言いわけしても、事実は変わらないから」
「………?」
「どんなに上手い言いわけがあっても、事実は覆せないから」
それに、言霊を汚すつもりなど、天音には毛頭ない。
それを聞いた小夜が、小さく呟く。
「それだけ…?」
呟いて、その後で笑みを浮かべて。
「ま、いいや」
そう言った。
「神代さん、あのさ。……友だち、なれるかな?」
小夜の言葉に、天音が驚いたように彼女を凝視した。そして。
「本気………?」
あれだけ酷いことをしたのに、それを赦すのか、この少女は。
「うん。ずっと思ってたんだ」
答えながら、笑う。
それにつられるように、天音が小さく笑みを浮かべ。
「じゃ、これからよろしくね。天音!」
差し出された小夜の手に、天音が自分のそれを重ねた。
43
:
ピーチ
:2013/07/29(月) 22:15:17 HOST:em114-51-149-36.pool.e-mobile.ne.jp
―――絶対的な―――
『ちょっ、やめ……!』
見ず知らずの高校生らしき男に声をかけられ、あろうことか逃げようとした矢先に腕を掴まれる始末。
友人とは先ほど離れた。完全に一人になった彼女に、男はなおも続ける。
『いいじゃん、ちょっとくらい遊ぼうよ』
『あたし、用事あるんです!』
『いいから、さ』
そう言った男が、そのまま少女の腕を引き寄せた。
『や………っ!』
『―――なにやってんの?』
突如聞こえた、冷徹な声音。
はっと、男が顔を上げた。
『明らかに嫌がってるよな、その人』
『な、に言って……』
『警察、行きてぇの?』
男がうっと言葉に詰まった。そのまましばらく押し黙り、何も言わずにその場を離れる。
男の姿が完全に消えてから、少年が小さく息を吐いた。
『大丈夫か?』
『え? あ、はい……』
そう答えるものの、みっともなく身体は震えていた。それを認めた少年が彼女の手を握る。
『……あ、の…?』
『初対面の男にこんなことされんの、嫌かもしれないけどさ。余計な力は抜いたほうがいい』
そのためには、誰かが握った方がいいだろ?
そう言って笑う少年が、震えの止まった手を見て満足そうに言った。
『止まったじゃん』
言って、そのまま少女の腕を引いて。
『あ、あの……?』
助けてくれたとはいえ、やはり彼もさっきの男と変わらないのか。
そう思ったとき、少年の声が聞こえた。
『家、どこ?』
『え?』
『近くまで送る』
また悪い虫が近寄らないように、と言って、少年が振り向く。
『教えたくないなら、別に言わなくてもいいけどさ。同じ方向だったら途中までは送れるぜ?』
『…………ありがとう、ございます』
呆けたように礼を述べた彼女に、少年は笑って答えた。
『どういたしまして』
きらきらした、眩しいほどの笑顔。
―――それが、初恋だった。
44
:
ピーチ
:2013/07/29(月) 22:39:06 HOST:em114-51-149-36.pool.e-mobile.ne.jp
『……どうしたの?』
どうにも集中力というものをどこかに置き忘れてきたように錯覚させる友人に、少女が問うた。
『…ねぇ、神代さん』
呼ばれた少女、神代天音が視線を投げる。
『………この学校、かっこいいひと居ないよね』
『―――は?』
『なんでもないっ』
慌てて言った少女に、天音が胡乱げな視線を向けて。
『どうしたの? いつもの秀才ぶりはどこに置き忘れてきたのよ?』
『秀才じゃないし』
苦笑した彼女―――飛湘あおりに、天音はあ、と言って。
『今日、紹介したい人が居るの』
そのとき、あおりはまだ予想していなかった。
彼女の紹介したい人、と言う人物像を。
開いた口が塞がらないという慣用句は、まさにこのためにあるのだろうと、あおりは初めて思った。
『天神柊一さんと、飛鳥井昇さん』
『うっわお前にさん付けられるとすげぇ違和感ある………あれ?』
昇と言われた方が大袈裟に言ったあと、あおりに視線を向けて呟く。
『ひょっとして、昨日の?』
やはり、昨日助けてくれた彼だった。
『あ、き、昨日はありがとうございましたっ』
明らかな動揺を見てとり、天音が昇に視線を投げた。
『知ってたの?』
『いや、名前までは知らねぇよ。昨日悪い虫が寄ってたのを払っただけだけど?』
『はぁ?』
天音の言葉に被せるように、柊一と呼ばれた少年があぁと呟いた。
『そういえば、昨日変な男に言い寄られてた女の子助けたって言ってたね』
『別に、助けたわけじゃねぇよ』
苦笑気味に答える彼。そんな彼が、あおりに向かって笑いかける。
『次は変なのに近寄られないようになー』
『は、い……』
二人の会話を聞いていた天音が、
『…じゃあ、今日は二人で帰ったら? 私は柊と帰るし。どうせ私の家だしね』
『また護衛かよ』
苦笑しながらもあおりの傍に一歩近寄った昇を見て、天音が念を押すように。
『柊のことも、色々と教えててね。闇夜に入ったって言ってるから』
『闇夜!?』
『だから言ってるんじゃない。よろしくね』
それだけ言い残し、天音と柊一がさっさと歩き去った。
『え、えと……闇夜ってほんと?』
『え? え、えぇ…』
昇からだからどうしたと言うわけでもないが、何となく聞いてしまう昇である。
『…え、っと。これから、よろしくお願いします』
ぺこんっと頭を下げた彼女に、昇がしばらくうーんと唸って。
『やっぱ駄目だな…』
『え?』
『よし決めた』
一人でぶつぶつと呟いて、彼は言った。
『今日から、俺のことは呼び捨てで。ついでに敬語もなし』
さらりと言ってのけた彼に、あおりは数秒間たっぷり固まって。
『………はぁぁっ!? ちょ、何考えてっ』
『嫌なんだったら先輩命令』
何が嫌なんだったらなのか分からないが、それを言われるとうっと言葉に詰まる。
『返事は?』
『……分かりました』
『はいー? 今なんつったかー?』
『分かった!』
開き直ったように答えると、昇が満足げに笑った。
『それでよし。それと、俺のことはこれから昇ね』
そう言って笑い、彼女を家の前まで送り。
『じゃ、明日な』
そう言って去ろうとした彼の言葉に引っ掛かりを覚え、少女が問い返す。
『え?』
『あいつのことだから、たぶん俺と柊一の交代で送ることになるよ。嫌ならそれで構わねぇけどさ』
それだけ言い残し、少年がすっと踵を返した。
45
:
たっくん
:2013/08/13(火) 15:09:08 HOST:zaq31fa533d.zaq.ne.jp
【ピーチさんが田代まさしさんを救うスレッド】
ピーチさん・・もし貴方が本当に人間としての心を持つ者
あるいは人の気持ちを理解できる人間なら、
私の頼みを聞いて下さい。
依頼内容は『田代まさしさんを救う』です。
ピーチさんにお願いがあります。
田代さんのYせつ行為に耐えてあげて下さい。
田代さんが芸能界に復帰する方法はただ一つ・・
少女に思う存分イタズラをさせてあげる事。これ一点に尽きる!
問題なのは、誰にやらさせるかです。
自ら希望する少女はまずいないでしょうし・・・。
そこで思い出したのがピーチさんです!
こうなったらピーチさんがソッセンしてやらせてあげるしかないと思います。
ピーチさんの身体を田代まさしさんに授けてみてはいかがでしょうか。
貴方を犠牲にする事で田代まさしさんが救われるなら安いもんです。
というわけで宜しくお願いします。
不正行為を認める他ないです。
そうでもしなければ彼のストレスは積もる一方
【意外にもピーチさんが田代まさしさんを救ってしまうスレ】
ただしピーチさん、これだけは約束して下さい。
田代まさしさんに何をされても、田代さんがどんな行為に出ても
我慢して耐え抜いて下さい。
どうか彼を訴えるのだけはカンベンしてあげて下さい。
もし訴えたらピーチさん、一生恨みますからね。
もしピーチさんが訴えたら
フリダシに戻ってしまって、
私のせっかくの計画が全てパァ!になってしまうので
宜しく!
あんたらもとっとと
田代まさしさんを救う方法考えろよ
たまには人の役立つ事をしてくれ
46
:
ピーチ
:2013/08/14(水) 01:11:00 HOST:em1-114-0-148.pool.e-mobile.ne.jp
「あーまーねー!」
「…………………」
耳を押さえてげんなりをした表情を浮かべる天音に、あおりが首を傾ける。
「? どしたの?」
「…ううん、何でもないわ。気にしないで?」
「そう、だったらいいけど…?」
「―――朝っぱらから何やってんだお前ら」
どきんと心臓が跳ねた。
「し、昇!?」
いつの間に、と狼狽える少女に、青年が呆れたように応える。
「ついさっきからずっと居たんだけどな。柊一と小夜も一緒に」
「あ、あ! 天神さんおはようございます! 小夜もおはよ!」
「…おはよう」
苦笑気味に返す柊一と呆然とそれを見ていた小夜。
明らかな慌てように目を白黒させていた小夜が「お、はよ…」とだけ返し、しばらく何かを思案した後。
「………ふーん、なるほどねぇ…」
意味ありげに笑い、自分よりもずっと長身の彼を見上げた。
「? んだよ?」
「別に?」
そう言って腰の辺りまである髪を翻し、天音と柊一に向き直る。
「天音、天神さん。二人だけに話があるんです。後で来てもらえますか?」
「え?」
「俺たち?」
ほぼ同時に返す二人に苦笑しながら、小夜が頷いた。
「二人だけなんで。あおりたちは来ないでよ」
念を押すように言って、彼女はその場を離れた。
「で? 話って?」
「あの二人のことなんだけど」
小夜の言葉に、二人が顔を見合わせる。
「あの二人って、」
「昇と小夜のこと?」
「そ。あおりの気持ち、気付いてる?」
「あおりの?」
胡乱な表情を浮かべる天音の隣で、柊一が思い当ったように問うた。
「ひょっとして、中学の頃からの?」
「そう。それです。なのにあの馬鹿、肝心なあいつが気付かなかったらどうなると思います? 一生一方通行でそのままさようならですよ!」
「……ちょっと待って、どういう意味? あおりの中学の頃の気持ちって」
「…天音、知らなかったの?」
小夜の、驚いたような声が聞こえる。
「知ってたらこんな真面目に聞くことなんかないわよ。どういうこと?」
小夜と柊一が顔を見合わせた。
そして。
「もー……世話が焼ける…」
ぶつぶつと文句を言いながら、少女が口を開いた。
「あのね―――」
47
:
ピーチ
:2013/08/19(月) 22:26:17 HOST:em1-114-111-160.pool.e-mobile.ne.jp
「……で、どうしたの?」
ぶすっと明らかに不機嫌丸出しの状態の友人の隣に腰を下ろし、柊一が苦笑気味に問うた。
「あおりが何言ってんのかさっぱりわかんねぇ」
「は?」
聞いてみれば、些細なことで言い争いになり、そのまま喧嘩別れをしたという。
「……うーん…」
実行するのなら今なのだろうが、天音も小夜も居ないこの状態で自分だけで何とかなるのか。
やらなかったら二人がうるさいだろう。というよりも、小夜が。
しばらく考え込んだのち、諦めたように息を吐き。
「…前から思ってたんだけどさ。昇ってあおりちゃんのこと、どう思ってるの?」
「へ?」
「俺から見たら、凄く魅力的な子だと思うよ? なのに、昇はどこか不満があるみたいな言い方ばっかだよね」
突然の友人の言葉の意味をしばらく理解できず、ただ目を見開いていた昇が。
「…………っ、はぁ!? なに言ってんのお前!?」
「え? ただ思ったことを言っただけだよ?」
薄い微笑を乗せた青年の一括りにされた髪が一房、はらりと肩を滑る。
「天音とか小夜ちゃんと同じくらい綺麗だし、あおりちゃん自身、まだ好きな人とかも居ないだろうし」
柊一の言葉を聞いていた昇が、呆れたように問う。
「……じゃあ何? お前があいつのこと好きだとでも言いたいわけ?」
昇の言葉を受けた柊一がうっと言葉に詰まった。今言ったことは嘘ではないが、恋愛感情があるかといえば否だ。
なのだが。
「…さぁ? どうだと思う?」
柊一の返答を聞いた昇がすっと立ち上がる。
「もーいいや。お前に聞いた俺が馬鹿だった。じゃな」
「あとでね」
ぱたんと玄関が閉まり、青年の気配が完全に消えてから恐る恐る携帯を取り出す。
そして。
「―――あー、もしもし。小夜ちゃん?」
48
:
たっくん
:2013/08/22(木) 14:54:34 HOST:zaq31fa5b2f.zaq.ne.jp
お前の話なんかどうでもいいんじゃアホ
くだらん書き込みすんな
49
:
たっくん
:2013/08/22(木) 14:56:57 HOST:zaq31fa5b2f.zaq.ne.jp
>>1
お前の話なんかどうでもええねんアホ
くだらんスレ立てんなカスのピーチ
ピーチは一度死んだほうがええ
50
:
たっくん
:2013/08/22(木) 14:57:26 HOST:zaq31fa5b2f.zaq.ne.jp
とっとと消えろ
カスピーチ
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