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鈴扇霊 二つ目の物語

2ピーチ:2013/07/08(月) 13:29:30 HOST:em114-51-173-48.pool.e-mobile.ne.jp
―――出逢い―――






「あまかみ……?」
「うん、天の神って書いてあまかみって読むんだ。あすかいは?」
「……飛ぶに鳥、井戸のい」
「あ、そっか。“飛ぶ”に“鳥”であすかって読むよね」
 どんな才人だよこいつ。
 まだ小学校の入学式だってのに、何でそんなこと。
「家で叩き込まれててよかったって、初めて思ったなぁ」
「お前もう俺に話しかけんな!」
 こっちが惨めになってくる!
「え? 何で?」
「何ででも! とにかく迷惑だからだよ!」
 つーか、普通に俺に話しかける時点で頭おかしい。
 大体、天神は能力者だってこと知られてないんだ。わざわざそんなばかなこと……。
「……そ、か」
 苦笑気味に笑った天神が、諦めたように息を吐く。
「じゃあしょうがないね。分かった」
 そう言って、そのまま席について頬杖をついて。
「みんな居るかなー?」
 いつの間にか入ってきた担任が自己紹介を始める。
「―――じゃあ、みんな先生のことは美紀先生って呼んでね」
 そう言って無駄に明るい笑みを撒き散らしながら、坂東(さとう)先生……美紀先生がとんでもないことを言った。
「今日はもう時間がないから、みんなには明日自己紹介してもらおうかな」
「はーいっ!」
「―――………は?」
 三十八人中、三十六人は元気な返事をした。
 ただ、俺と天神は。
「何でお前まで!?」
「俺、自己紹介って嫌いなんだよねぇ…」
 苦手、じゃなくて、嫌い。
 天神の言葉に両目が見開いたのが、自分で分かった。
「何か、他人に知られるっていうのがね…」
 天神と同意見だったけど、とりあえずあっそとだけ答える。
 結局、明日は俺から自己紹介する羽目になった。


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