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鈴扇霊 二つ目の物語

25ピーチ:2013/07/22(月) 05:50:48 HOST:em1-114-73-120.pool.e-mobile.ne.jp







「―――つまり」
 さっきの少女、天音は跡取り同士の神代と天神っていう繋がりがあって協力し合っていると。
「うん、だからあんまり近づけないようにって思ったんだけど」
「いまさらな話よ」
「……だよねぇ」
 天音の言葉に苦笑を返す天神。
 俺の表情が胡乱になったことを、自分で自覚した。
「………飛鳥井さん、ですよね?」
「え? あ、あぁ…」
「なら」
 表情を言うものを知らないかのように、天音が言った。
「これ以上痛い目に遭いたくなければ、以後私たちには関わらないでください」
「……は?」
「それが、貴方のためでもあるんですよ?」
 淡く笑って身を翻した天音を見送るように俺が呆然とし、次に天神を見る。
「どう、いう……」
「ほら、さっきも襲われたんだろ?」
 主語が抜けてるけどそれくらい分かる。……魔獣にだ。
 無言で肯定を示すと、天神が苦笑する。
「もともとの霊力の気もあるんだろうけど、俺たちに関わるとろくなことがない。天音はそう言ってたんだよ」
 いくつかいい例があるだろ? と言われて、言葉に詰まった。
「……そのうち、飛鳥井の家族にまで危害が及ぶかもしれない。それでいいの?」
「…………………………」
「…これで、分かったろ?」
 そう言って小さく笑い。
「じゃあね、飛鳥井」
 その言葉が、最後だった。


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