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鈴扇霊 二つ目の物語

46ピーチ:2013/08/14(水) 01:11:00 HOST:em1-114-0-148.pool.e-mobile.ne.jp







「あーまーねー!」
「…………………」
 耳を押さえてげんなりをした表情を浮かべる天音に、あおりが首を傾ける。
「? どしたの?」
「…ううん、何でもないわ。気にしないで?」
「そう、だったらいいけど…?」
「―――朝っぱらから何やってんだお前ら」
 どきんと心臓が跳ねた。
「し、昇!?」
 いつの間に、と狼狽える少女に、青年が呆れたように応える。
「ついさっきからずっと居たんだけどな。柊一と小夜も一緒に」
「あ、あ! 天神さんおはようございます! 小夜もおはよ!」
「…おはよう」
 苦笑気味に返す柊一と呆然とそれを見ていた小夜。
 明らかな慌てように目を白黒させていた小夜が「お、はよ…」とだけ返し、しばらく何かを思案した後。
「………ふーん、なるほどねぇ…」
 意味ありげに笑い、自分よりもずっと長身の彼を見上げた。
「? んだよ?」
「別に?」
 そう言って腰の辺りまである髪を翻し、天音と柊一に向き直る。
「天音、天神さん。二人だけに話があるんです。後で来てもらえますか?」
「え?」
「俺たち?」
 ほぼ同時に返す二人に苦笑しながら、小夜が頷いた。
「二人だけなんで。あおりたちは来ないでよ」
 念を押すように言って、彼女はその場を離れた。






「で? 話って?」
「あの二人のことなんだけど」
 小夜の言葉に、二人が顔を見合わせる。
「あの二人って、」
「昇と小夜のこと?」
「そ。あおりの気持ち、気付いてる?」
「あおりの?」
 胡乱な表情を浮かべる天音の隣で、柊一が思い当ったように問うた。
「ひょっとして、中学の頃からの?」
「そう。それです。なのにあの馬鹿、肝心なあいつが気付かなかったらどうなると思います? 一生一方通行でそのままさようならですよ!」
「……ちょっと待って、どういう意味? あおりの中学の頃の気持ちって」
「…天音、知らなかったの?」
 小夜の、驚いたような声が聞こえる。
「知ってたらこんな真面目に聞くことなんかないわよ。どういうこと?」
 小夜と柊一が顔を見合わせた。
 そして。
「もー……世話が焼ける…」
 ぶつぶつと文句を言いながら、少女が口を開いた。
「あのね―――」


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