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鈴扇霊 二つ目の物語

47ピーチ:2013/08/19(月) 22:26:17 HOST:em1-114-111-160.pool.e-mobile.ne.jp







「……で、どうしたの?」
 ぶすっと明らかに不機嫌丸出しの状態の友人の隣に腰を下ろし、柊一が苦笑気味に問うた。
「あおりが何言ってんのかさっぱりわかんねぇ」
「は?」
 聞いてみれば、些細なことで言い争いになり、そのまま喧嘩別れをしたという。
「……うーん…」
 実行するのなら今なのだろうが、天音も小夜も居ないこの状態で自分だけで何とかなるのか。
 やらなかったら二人がうるさいだろう。というよりも、小夜が。
 しばらく考え込んだのち、諦めたように息を吐き。
「…前から思ってたんだけどさ。昇ってあおりちゃんのこと、どう思ってるの?」
「へ?」
「俺から見たら、凄く魅力的な子だと思うよ? なのに、昇はどこか不満があるみたいな言い方ばっかだよね」
 突然の友人の言葉の意味をしばらく理解できず、ただ目を見開いていた昇が。
「…………っ、はぁ!? なに言ってんのお前!?」
「え? ただ思ったことを言っただけだよ?」
 薄い微笑を乗せた青年の一括りにされた髪が一房、はらりと肩を滑る。
「天音とか小夜ちゃんと同じくらい綺麗だし、あおりちゃん自身、まだ好きな人とかも居ないだろうし」
 柊一の言葉を聞いていた昇が、呆れたように問う。
「……じゃあ何? お前があいつのこと好きだとでも言いたいわけ?」
 昇の言葉を受けた柊一がうっと言葉に詰まった。今言ったことは嘘ではないが、恋愛感情があるかといえば否だ。
 なのだが。
「…さぁ? どうだと思う?」
 柊一の返答を聞いた昇がすっと立ち上がる。
「もーいいや。お前に聞いた俺が馬鹿だった。じゃな」
「あとでね」
 ぱたんと玄関が閉まり、青年の気配が完全に消えてから恐る恐る携帯を取り出す。
 そして。
「―――あー、もしもし。小夜ちゃん?」


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