[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
| |
鈴扇霊 二つ目の物語
26
:
ピーチ
:2013/07/22(月) 06:30:44 HOST:em1-114-73-120.pool.e-mobile.ne.jp
―――記憶―――
ぴく、と唐突に少女が顔を上げた。
「? 神代、どうした?」
担任が問う。
「……いえ」
僅かに感じた異様な気はすぐに失せた。問題はないはずだ。
だが。
「…すみません。何でもありません」
胸の内に溜まる焦燥を誤魔化すように、少女は薄く微笑んだ。
「天音ー! 一緒帰ろー!」
「ごめん今日ちょっと急いでるの」
「へっ?」
言いながらすっと友人の真横を素通りし、そのまま帰路につく。
「天音」
ふと声が聞こえた。正面を見れば、幼馴染二人の姿。
「………嫌な予感が、するの」
少女―――天音の言葉に、二人の表情が険しくなった。
「お父さんたちの霊気が、消えたの……何かあったとしか…」
腰の辺りまで伸びた長く艶のある髪が不安げに揺れる。明らかに動揺していた。
「…俺たちも行こうか?」
天神柊一の問いに、天音が首を横に振る。
「一人で行く。……行けないほど、子供じゃないわよ」
小学生と言うのは明らかに子供扱いされるのだが。
短い制服のスカートを翻し、少女が家へと向かった。
―――そこに、悲劇が待ち受けているとも知らずに。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板