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鈴扇霊 二つ目の物語
31
:
ピーチ
:2013/07/26(金) 07:12:47 HOST:em114-51-160-184.pool.e-mobile.ne.jp
「神代さん……」
「用がないなら近寄らないで」
天音の眼前に居る少女―――飛鳥井小夜(あすかいさよ)が困惑したように口を閉ざした。
「あれ? 天音、小夜? どしたの?」
「何でもないわ」
あおりの言葉に即座に返した天音がその場を離れる。苦笑したあおりが小夜に問うた。
「どうしたの? 何かあった?」
「………分からない、の」
「……え?」
「何で避けられるようになったのか、分からない」
小夜の言葉に、あおりが困ったように眉根を寄せる。小夜に分からないものを自分にどうしろと言うのだろう。
「…えーと。あたしが聞いとこうか?」
天音なら冷たくあしらって終わりだろうが、生憎あおりはそんな性格の下に生まれついていない。
「……ごめん、お願い」
そう言って小さく笑った彼女にうんと返し、後でねと言い残してその場を離れた。
「―――え………」
ここまで衝撃的な事実が存在するんだなと、驚いた頭の片隅で思った。
「小夜の、両親が?」
「……だからって、飛鳥井さんを恨むのは筋違いよ。それくらい分かってる」
でも、そうでもしないと自分を保てないのだ。
誰かが傷つくのを考えると、本当はすぐに止めなければならないが。
「………結局、私も自分が可愛いだけなのね」
そう言って小さく息を吐き、天音はそのまま教室へと戻った。
「……お父さんたちが?」
「…神代さんの両親を、殺したって」
「でもっ」
二人は既に、この世に居ない。
「本人も言ってたよ。死んだ人恨んだりあんたに怒りの矛先向けるのも間違ってることくらい分かってるって」
自分を保つためには、誰かを恨む以外にないのだろうか。
「…………でも、」
「そう言えば」
にっと笑って、あおりが言った。
「確か―――……」
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