したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

国家特別潜入児童心理カウンセラー

1猫目ニボシ:2011/02/25(金) 00:31:48
思い付いたネタと勢いで書きました。ちなみに堅苦しいタイトルですが、
この話はコメディです。
なので、文体も軽い感じにしました。

2猫目ニボシ:2011/02/25(金) 00:32:27
【国家特別潜入児童心理カウンセラー・東藤明菜】



都内某所のビルの一室、
この場所で今日も東藤明菜にとっての、
悪夢の任務が始まろうとしていた。


「何で、私にばかり潜入任務が回ってくるんですか局長!」
「頼むよ東藤君、ここでは一番の演技派は君なんだ……」
「子供の振りを褒められても、私全然嬉しくないんですけど……」



息巻く女性の名は東藤明菜24歳、
彼女は国家特別潜入児童心理カウンセラーで、
今から約100年前の西暦2010年に、
社会問題化した児童虐待を根絶するため、
国が極秘裏に設立した特務機関だった。



国家特別潜入児童心理カウンセラーの任務は、
大きく分けて二つ、
一つは上からの指示で潜入した中学校や小学校、
それに幼稚園などで子供達と触れ合い、
その悩み解決の助力をすること、
そして、もう一つの任務は虐待を受けている子供達がいないか、
子供達との触れ合いの中で調べることである。


一見すると立派な仕事だが、
東藤明菜はこれを一種の羞恥プレイだと思っている……。


「局長…今度は私を何歳の子供になさるおつもりですか?」
「人聞きの悪いことを言うな…それに今回は幼稚園での任務だ」
「…ふざけないで下さい!小学生に混ざるのだって死ぬほど恥ずかしいんですよ」


そう、教師や保育士の振りをして潜入しても、
子供達は心を開いてくれないので、
国家特別潜入児童心理カウンセラーは、
数年前からナノマシン入りのカプセルを飲み、
子供に若返って潜入することが義務づけられてるのだ。

3猫目ニボシ:2011/02/25(金) 00:33:47
「さぁ…これが今回調合したカプセルだ。効果は一週間は持続する」
「つまり一週間羞恥プレイをしろということですね、でっ何歳まで若返んですか?」
「四歳だ……」
「わっ……分かりました…東藤明菜、特別潜入任務に入ります!」
「よろしく頼むよ東藤君……」


明菜は内心苛立っていたが、
彼女は元々子供好きなので、
子供達と触れ合うことは嫌ではなかった。
無論、自身が園児になるのは嫌なのだが……。



「はぁ…このカプセルを飲んだら一週間は、彼氏と会えないわね……」



そう、明菜とて女盛りの24歳、
子供に戻るということは、
彼氏との愛の営みも一週間はお預けということになり、
それを想像して明菜は暗い気持ちになっていた。



「ふぅ……でも子供達の平和と安全の為に一肌脱がないとね」


ゴクッ……


決心がついたのか明菜はコップの水で、
一気にカプセルを飲み干した。


ピキビキ……しゅ〜



「痛っ……始まったみたいね……」


明菜の言葉通り、確かに彼女の体は変化し始めていた。
既に明菜の手や足は裾に隠れ始め、
Dカップのバストを支えるブラも肩からずり落ちていた。


「はぁ……私の胸が、またペタンコに……」


やはり、女性としては、
胸の発育もまだな子供に戻るのは辛いのだろう。
だが、そんな明菜のセンチメンタルな心を置き去りにして、
尚も無情な変化は続いていた。


ズルッ……


「はぁはぁ……あっ……あぁぁぁぁー」


変化が最終段階に入ったのか、
明菜は子供のような甲高い声を上げ、
ぶかぶかになったスーツと脱げ落ちたスカートの中に埋もれてしまっていた。

4猫目ニボシ:2011/02/25(金) 00:34:55
「は〜い、皆注目して下さい、今日は皆に新しいお友達を紹介します」
「はっ…はじめまして、とうどうあきなです」


都内某所の幼稚園、
東藤明菜はここに園服を着て、
潜入任務に入っていた。


『はっ恥ずかし過ぎる…大体、この先生私より年下じゃない』


そう、明菜の入る『りんごぐみ』の担当の先生は、
彼女より年下の22歳なのだ。


『にしても、小学生と違ってこの体本当に小さいなぁ、先生が巨人みたい……』


そう、4歳児まで若返った明菜の身長は、
97cmしかなく、
大人である幼稚園の教諭の腰ぐらいのサイズしかないため、
今の明菜には先生は巨人に見えるのだ。


「どうしたの明菜ちゃん、顔赤いよ、ポンポン痛いの?」
「だっ、だいじょうぶですせんせ〜、いたくないです」


『私にあまり構わないでよ…大体何でこんな服を着なきゃならないの…』



そう、明菜は園児とお揃いの園服が恥ずかしくて堪らないのだ。
だが、彼女は本来24歳の大人の女性。
それも無理からぬことだろう。
そう、林檎を型どった名札に『とうどうあきな』と書かれぶら下げるなど、
大人の女性である明菜にとっては羞恥プレイにも等しいのだ。


『ブラつけないで外出るなんて、何か落ち着かないな…でも、今は必要ないしな』


明菜は今の自分がブラをしていないのを思い出し、
再び羞恥心で顔が赤くなり始めていた。
そう、4歳児になった明菜には大人の下着はサイズが合わず、
今の彼女は派手なキャラクターが書かれた子供用の下着や、
パンツを履いているのだ。


本来は大人である明菜にとって、
恐らく、今身に付けてる下着やパンツは、
恥ずかしくて堪らないものなのだろう……。

5猫目ニボシ:2011/02/25(金) 00:42:05
猫目ですm(__)m新しい作品書き始めましたが、
『祖父と私の契約書』の続きもしっかり書きます。
ただ、前作は書きたいシーンは全て書き終えてしまいモチベーションが低下してるので、
当分の間、こちらの更新を優先します(._.)_

6名無しなメルモ:2011/02/25(金) 11:19:32
>>5
本来なら自分より年下の保育士に子供扱いされて恥ずかしがるシーンが最高でした

楽しい作品なのでこれからもがんばってくださいね

7猫目ニボシ:2011/02/25(金) 21:46:19
【明菜の潜入報告書その1・局長をセクハラで告訴していいですか?】



――『局長……こんなものは茶番劇だとお思いになりませんか?
無論、これは私の個人的見解でもなければ、
局長への恨みからくる私的な感情でも御座いません』


『ただ、私は今年24歳になる女性なのです。
現に今日も地球は平穏無事に回り、
子供達も平和そうに暮らしております。
ねぇ局長……これは個人的なパワーハラスメントではないですよね?』――



潜入監査三日目にして、
既に東藤明菜の心は折れかけていた。
だが、それも無理からぬことだろう。
何故なら、この場所は大人である彼女にとっては、
羞恥に満ちた宛ら牢獄同然の場所なのだから。



「明菜ちゃん、お尻キチンと拭けてる?大丈夫?」
「だいじょ〜ぶです、だからおねがいみないで!」



そう、この幼稚園教諭の細やかなケアが、
明菜を羞恥の砂丘へと突き落としているのだ。
彼女は今年24歳になるのだ。
生まれて4年の園児達と違い、
己のケツもキチンと拭ける。
無論、これは比喩的な表現ではなく、
ただの厳然たる事実だ。



しかし幼稚園教諭は明菜を表層でしか判断しない、
現実問題、東藤明菜は園児と同じ服を着ており、
あどけない子供にしか見えないのだ。
だから、この幼稚園教諭泉堂裕佳梨は、
極めて職務に忠実な人間なのだろう。

8猫目ニボシ:2011/02/25(金) 21:47:32
『大体…何で私がこんな服を着ないといけないの……』


園内の動物の描かれたファンシーなトイレの中で、
明菜は一人で憤慨していた。
そう、彼女は鏡に映る現在の自分の姿が嫌で堪らないのだ。
だが、それも無理からぬことだろう。



『せっかく伸ばした髪、バッサリ切りやがって局長の野郎……』


そう、体の縮んだ明菜にロングヘアーは危険なので、それを理由に、
彼女の髪はショートカットにされてしまったのだ。



だが、明菜が一番憤りを感じているのは髪のことではないのだ。
そう、彼女が最も恥ずかしいと思ってるのは、
園児とお揃いのこの服なのだ。


『たくっ……何でこの園服、こんなにスカートが短いわけ!?』


明菜は走るとファンシーなパンツが丸見えになる、
この園服に腹が立って仕方がないのだ。
だが、スカートが短いのは生まれて4年で、
最近走ることが出来るようになった子供が、
転ばないように考案された機能美なのだが、
24年間生きており、ハイハイをしたのも忘却の彼方である、
東藤明菜が分からないのも致し方あるまい……。


ペタペタ……


『う……やっぱり平らになってる…あと4日なんて長すぎるよ……』


明菜は女盛りである24歳、
一時的とはいえ思春期以前まで若返り、
平らになった胸や現実を直視するのは辛いのだろう。


――泣きっ面に蜂――



そう、不運や災難は続けて起こるもの……。
この日彼女にとって、
人生最悪の羞恥の悪夢が起こることを、
この時の東藤明菜は知るよしもなかったので……あった。

9猫目ニボシ:2011/02/25(金) 21:48:53
確かに、東藤明菜は潜入監査で心身共に疲弊していたが、
今の体は余程疲れやすいのだろう。
明菜はお昼寝の時間になると、
他の園児と同じように夢の世界に導かれてしまったので…あった。



「……むにゃ……ムニャ……」


楽しい夢を見ているのか明菜は、
リラックスした表情ですやすや眠っていた。
だからこそ、彼女は局長から説明された若返りの注意事項を忘れていたのだろう。


そう、若返りは表層の姿形だけでなく、
自律神経も若返らせているのだ。
今の明菜は確かに大人と同様の知性を保持しているが、
自律神経は未発達なのである。
だから、局長は彼女に再三に渡って注意事項を説明し、
こう付け加えたのだ。



――トイレには小まめに行くようにと――


無論、潜入監査初日、二日は明菜もその点に特に気をつけていた。
そう、他の園児達にはお漏らしやオネショは日常茶飯事だが、
精神が大人である明菜には失禁になるのである。
そんな彼女にとってソレを避けることは、
正に至上命題でもあるのだ。


――百里を行く者は九十を半ばとす――


そう、この言葉通り何事も慣れや油断が一番恐ろしいのである。
本当に昔の先人の方々が残した言葉は真理だ。
その言葉を裏付けるかのように、
この日東藤明菜も油断から羞恥の悪夢を味わうことになるので…あった。


「ふにゃふにゃ……ゆ〜じ〜」


恐らく彼氏の夢を見ているのであろう。
明菜は正に夢見心地と言ったところであった。
だが、そのリラックスは皮肉にも股関部分にも伝わっていた。
やはり、変な意地やプライドに拘らずに、
お昼寝タイムの前に、
他の園児と一緒にトイレに行くべきだったのだろう。

10猫目ニボシ:2011/02/25(金) 21:50:05
明菜が何も気付かずにリラックスして眠る中、
彼女の股関部分からは淡い染みが広がり始めていた。


じわっ……


「はぁはぁ……ふうっ……むにゃ……むにゃ」



だが、そんなことになってるとは露知らず、
明菜は眠り続けていた。
しかし、無常にも彼女のオネショは止まらなかった……。
やはり、一度決壊したダムを再び塞ぐのは不可能なのだろう。


びちゃっ……


『うっ、嘘でしょ、わっ…私、この歳になってオネショしちゃったの……』


明菜は股関部分の冷たい感触に気付き、
慌てて目を覚ましたが、
時既に遅く、彼女の身に付けているパジャマの股関部分はぐっしょり濡れていたのであった……。


「あ〜あきなちゃんオネショしてる〜」
「だっせ〜よんさいにもなってもらすなんて」
「だいきくん、あきなちゃんがかわいそ〜でしょ」



「皆静かにして、明菜ちゃん…誰にでもあることなんだから…恥ずかしがらないで」
「うっ…ひっぐ…うっ……えっぐ」


――恥ずかしくない――
確かに、4歳児にはよくあることだろう。
だが、明菜の中身は24歳、
立派な大人である。
そう、彼女にしてみれば自分より年下の、
先生や園児の前で失禁してしまったことになるのだ。


「さぁ明菜ちゃん、先生とトイレに言って脱ぎ脱ぎしましょ」
「やぁ!ひとりでできる、わたしおとなだもん!」


22世紀になり、既に幼稚園と保育園は一体化されているので、
幼稚園の教諭は保育士も兼ねているのだ。
なので先生である裕佳梨はこういう事態の対応も、
しっかり心得ているので…あった。

11猫目ニボシ:2011/02/25(金) 21:51:12
――ふわっ――


「やっ、ゆかりせんせいおろしてよ!」
「明菜ちゃん!あんまり我が儘ばかり言うと、ママに言いつけちゃうわよ〜」


そう、裕佳梨先生は、
嫌がる明菜を抱っこして無理矢理トイレに連れていくつもりなのだ。
無論、明菜は大人としての名誉にかけ、
必死に抵抗したが、
今の彼女の体重は16kgしかなく、
その抵抗はあまり意味をなさないので…あった。



「うっ…ひっぐ…うっ」
「明菜ちゃんそんなに泣かないで、もうキレイキレイになったから、ねっ?」


ギュッ!


「うっ…ゆかりせんせい…わたし…ひっぐ……うっ……あぁぁ」


本来自分より年下である裕佳梨先生に、
無理矢理園服を脱がされて、
股関部分を拭かれたことで、
明菜は一時的に赤ちゃん返りしてしまったのだろう。


「ほら、良い子良い子、明菜ちゃん怖くないんだよ〜」


明菜は羞恥心で既に耳まで真っ赤になっていたが、
それでも裕佳梨先生から離れられなかった。
恐らく、不意に訪れた羞恥の事態に、
明菜はパニックになってしまったのだろう。


「明菜ちゃん落ち着いた?」
「……はい……」
「ふふっ、これからはトイレに行きたくなったら、先生に言ってね?」


明菜は結局裕佳梨先生の柔らかい胸の中で、
泣き続けてしまったので、
冷静になり大人としての自覚と矜持が戻ったら、
恥ずかしくて堪らないのだろう。
その事実を裏付けるかのように、
明菜の顔は耳まで真っ赤に染まっていたので…あった。

12猫目ニボシ:2011/02/25(金) 21:58:17
>>6感想ありがとうございます。
たまに暴走してカオスな展開になるかもしれませんが、
基本は楽しいコメディにします。

13名無しなメルモ:2011/02/26(土) 13:04:43
年下の先生にお漏らしして甘える様が良いですね。
園児達と同じ園服で否応なく今の立場を自覚させられるのも良いです。
さらに羞恥体験が続いて明菜も知らず知らずに園児に馴染んで行くんでしょうか…
祖父と私の…と共に無理せず頑張って下さい!

14猫目ニボシ:2011/02/26(土) 19:27:38
>>13そうですね、この話は明菜が色々な年齢に若返り、
名ばかりの潜入監査で羞恥プレイ宛らの恥ずかしい思いをする話なので、
馴染んだりする、本人にとっては羞恥な話が続きます。

15名無しなメルモ:2011/02/26(土) 22:54:41
今回も面白く読ませて頂いてます。

先生が「ママに言いつけちゃうわよ〜」という台詞が出てきましたが、
明菜は任務中には保護者役の人がいるという感じなのでしょうか?

ちょっと気になったと言いますか、そこでまた一つ、読む側の妄想が
膨らむところもありまして・・・。

続きも楽しみにしてます。

16猫目ニボシ:2011/02/26(土) 23:29:55
>>15『祖父と私の契約書』で細かい設定を書きすぎてテンポが悪くなったので、
今回の話では裏設定の説明を省きましたが、
潜入監査では若返る年齢に合わせたサポート要員がいます。
明菜も本来そちらの任務につくことを希望してたのですが、
女優の隠し子である明菜は母親譲りの美貌と演技力があり、
結局、潜入監査人に任命されてしまったという。
無駄に細かい裏設定があります(苦笑)

17とも:2011/02/27(日) 09:06:30
>>猫目ニボシさん
精神も幼児化して先生に甘える明菜が可愛すぎます!
恥ずかしがりながらもだんだん幼児に馴染んでいったら良いな〜と思います(笑)

18猫目ニボシ:2011/02/27(日) 23:04:19
>>17ともさん、いつも感想ありがとうございます(._.)_
そうですね、明菜は潜入任務の度に、
場に流されるキャラクターにしたいですね。

19猫目ニボシ:2011/03/22(火) 18:13:17
「ハハッ、それは災難だったな明菜君」



「笑い事じゃありません局長!本当にセクハラで告訴しますよ?」



「スマン、スマン」



「それより、一週間経ったのに、何で元に戻らないんですか?」



「恐らく、急いで作らせたから誤差が出たのだろう」



――許容範囲――
人間の遺伝子はデリケートな物だし、
ましてや、体細胞の再活性化やテロメアに干渉する“薬”なら
多少の誤差は許容範囲なのやもしれない。



ピキビキ……



「ちょっと、嘘……やだ……」



「どうした明菜君?」




いやはや、何とも空気の読めぬ“薬”だ……。
そう、明菜の肢体は局長の見ている眼前で急成長を始めてしまったのだ。
これには、常日頃
空気は読むものじゃなく吸うものだと屁理屈を云って憚らない明菜も、
まさに、びっくり仰天だろう……。




『なっ……空気ぐらい読んでよ……』



やはり、明菜もそのようなツッコミを入れたいのだろう。
だが、それも無理からぬこと、
何故なら、
彼女の肉体は斯様なことを語っている合間にも大きくなり続けているのだから。そう、こうしている間にも
明菜の手足は延び続けており、
既に短いスカートのゴムや上着からは、
ボタンや生地の軋む音が鳴り響いていた。

20猫目ニボシ:2011/03/22(火) 18:38:59
ミシミシ……



『くっ……もう、ダメ……下着が食い込んで我慢出来ない……』



「ちょっ!明菜君!?」



明菜の肉体は既に小学校高学年レベルまで急成長しており。
明菜の着用していり園服は乳房の急激な成長で、
既にボタンが弾け飛び。
下着も臀部の脂肪の成長で食い込み
痛みを伝えていた。



「局長……いや、セクハラです見ないで!」



「いや、これは経過観察であり、
断じてセクハラではない!そもそも、私には高校生の娘がいるのだから」



「もう黙って、見ないで人でなし!」



「なっ、どさくさに紛れて何て言葉を……」



局長と明菜の漫才中にも無常な変化は止まらず、
明菜の急成長は続き。
彼女の園服は膨らみ続ける乳房や体格をカバー出来ず、
ボタンは全て弾け飛んでしまい。
彼女は丸出しの乳房を必死に手で隠していた。
また、短いスカートのゴムは延びきってしまい、
下着も脱いだ状態の明菜は臀部の艶かしく柔らかな膨らみも丸出しで、
ストリップ嬢の様な際どい格好になっていた。



「良かったじゃないか、無事、元に戻れて……」



「……局長のせいで乙女心喪失の危機ですけどね……」



明菜は所々破けため、
服の様相を呈していない“園服”で、
胸元や臀部を露出させながら、
恨みがましく局長を見つめていた。
いやはや、今後の職場の人間関係が心配になる話だ……。



続く。

21猫目ニボシ:2011/03/24(木) 00:18:14
【番外編・Persona Syndrome】



―…私は今日も欺瞞に満ちた仮面を被ります…―



「はぁ…もう、朝か……
嫌だな、“小学校”に行くの……」




都内某所の高層マンションの一室で、
その少女“三雲翔子”は
爽やかな朝に似合わないため息を吐いていた。
だが、翔子は何故、
こうも、暗雲に彩られた憂鬱な表情をするのだろうか?
そう、一見すると彼女の表情はあまりにも、
“年齢”に不釣り合いな表情なのだ……。



「くそっ、局長の野郎、いつ元に戻れんだよ……」



翔子は姿見に映るあどけない顔をしかめさせ、
局長への鬱憤を吐き出していた。
だが、彼女はどう見ても
“小学校低学年”にしか見えず、
その姿は、些か滑稽な様相を呈していた。
しかし、翔子の鬱憤や不満も無理からぬことだろう。


――三雲翔子・性別女性・年齢“26歳”――



そう、翔子の本来、
正真正銘の大人の女性で、
現在の“子供”の姿は偽りの姿なのだ。
では、何故彼女はこのような貧相な姿になってしまったのか?
無論、これは翔子の意思によるものでは断じてない。
そう、全ては偶発的な事象によるものなのだ。



『もっ、元に戻れない!?って、嘘でしょ局長?』



『スマン、三雲君……
君の接種したナノマシンに異常が発見されたんだ』



ことの始まりは、
今から三ヶ月ほど前まで遡る。
当時の翔子は“東藤明菜”の前任者で、
舞台役者出身の演技力を生かし、
様々な若返り潜入任務をこなすエースだった。
そんな、順風満帆な彼女の人生に一石を投じたのが、
ナノマシンの投薬ミスによる“若返り固定化現象”だった。



そう、薬品部の調合ミスにより、
ナノマシンに細胞の再活性化プログラムを入力し忘れたため、
翔子は元に戻れなくなってしまい、
元の姿を“喪失”してしまったのだ。

22猫目ニボシ:2011/03/24(木) 00:19:21
――“肉体年齢7歳”――


それが、三雲翔子に与えられた無常な現実だった。
そう、局長の話によると翔子はいつ元に戻れるのか、
皆目見当もつかず。
翔子は当面の間、
局長の手配した“戸籍”を使い“小学校”に通うはめになってしまったのだ……。



ぺたっ……



「はぁ…私の自慢の“胸”がこんなに貧相に……」



翔子は“子供用”の下着姿に不釣り合いな、
儚げな表情で自身の胸元を触っていた。
無論、7歳の児童である
今の彼女には柔らかな膨らみなど皆無で、
幾ら触診しても貧相な胸元の感触が伝わり
虚しくなるだけだった。
しかし、客観的にはどれだけ痛々しい行いでも、
翔子は“Dカップ”の乳房を思い出す度、
胸元を触りたくなってしまうのだ。



「……また、膨らみ始めるまで、何年掛かるんだろう……」



翔子は第二次性徴期前の
己の肉体を見つめながら、
再び暗雲に彩られた表情に戻っていた。
だが、それも無理からぬことなのやもしれない。
そう、トドのつまり
このまま、翔子が人生をやり直すとしても、
肉体が女性らしくなるのは当面先で。
それまでは、“化粧”も出来ない子供として過ごすしか、
道はないのだ……。
恐らく、お洒落でキャリアウーマンだった翔子には、
自身の力で出来ることの限られる身の上は、
堪えるものがあるのだろう。



いや……翔子でなくとも
“子供用”のジュニアショーツや下着に身を包み、
一年生児童共にひらがなや算数を、
机を並べて習うなど
屈辱以外の何物でもないのだろう……。

23こじろー:2011/03/24(木) 05:08:28
一歩引いた視点からの構成とシンプルな単語選び。
上品だなーと思います。
この手の上品なサディステイック展開、大好きです。
いつもありがとうです。

24猫目ニボシ:2011/03/24(木) 19:48:52
―正にリトルワールドね―


―107cmの世界―
それが、三雲翔子の新たな“世界”だ……。
そう、彼女の身長は大人の時に比べ、
ゆうに50cm以上縮んでしまい。
以前は、当たり前にしていた日常的な行為も、
新たな“肉体”では苦難を伴うものに早変わりしてしまうのだ。
その、最たる例が“ドア”だろう。



「くっ、何でトイレのドアってこんなに高いのよ」



翔子は尿意を堪えつつ、
背伸びをしながら必死にドアノブを掴もうとしていた。
そう、“大人”の時は、
何気ない行動であったそれは。
“子供”の翔子にとってはストレスを伴うもので。
事実、朝のトイレに行く。
ただ、それだけの行動に、
彼女はかなりの労力を割いていた。



だが、それも無理からぬことだろう。
そう、トイレのドアだけでなく。
日常生活で使用する数多の道具や施設は、
大人が使用することが前提条件になっているので。
子供に戻ってしまった彼女がそれらをスムーズに使用するのは、
土台無理な話なのだ。



「はぁ…これが、今の私の姿か……」



翔子は洗面所に備え付けられた鏡に映る、
ボブカットのあどけない少女を見ながら。
思わずため息をついていた。
そう、彼女は新たな“肉体”が嫌で堪らないのだ。
だが、それも無理からぬことなのやもしれない。



「はぁ…髪も染められないなんて……」



人は皆、“器”と云う名の“肉体”に縛られている。
そう、例え肉体に宿る“精神”が大人でも。
表層から子供だと判断されれば、
子供以外の何者でもなく。
事実、翔子が自分は大人だと主張しても、
夢見がちな少女にありがちな絵空事にしか受け取ってもらえぬのだろう。



そう、大人の様に“化粧”も出来ない。
髪も脱色出来ない。
保護者同伴でないと遠出も出来ない。
それが、翔子のどうすることも出来ぬ現実なのだ……。

25猫目ニボシ:2011/03/24(木) 19:49:55
「先輩、おはようございます。ご飯出来てますよ」



「…ありがとう、理代子」


翔子に親しげに話かける女性の名は、
久川理代子と云う。
理代子は潜入監査に当たるメンバーの為のサポート要員で。
彼女はその演技力を生かし。
求められば“保護者”から“教諭”まで、
そつなくこなす正に“役者”だった。



そう、お察しの通り。
肉体年齢“7歳”まで退行した翔子には、
独り暮らしは困難で。
理代子はそんな彼女を危険から守る為に、
局長の命令で。
翔子と共に暮らしているのだ。



「それにしても、先輩、朝方人間なんですね。
私なんか、毎朝、起きるのがしんどくてしんどくて」


「……子供の方が血圧高いから目覚めがいいのよ。学校で習わなかったの理代子?」



「ははっ、子供に戻っても辛辣な物言いですね…先輩」



無論、翔子とて理代子が嫌いな訳ではない。
だが、チャイルドチェアに座りながら朝食を食べるのも。
退行して敏感になった鋤鼻器官をくすぐる、
理代子の甘い体臭や化粧から漂うフェロモンが、
翔子に自身の“肉体”や“立場”を嫌でも実感させ。
たまらなく憂鬱な気持ちにさせるのだ。




―ランドセルって重い―
幼少時代は当たり前に背負い。
屈託のない笑顔を共にしてきたランドセルだが、
この真新しいランドセルと云う名のキャンバスは、
暖色系ではなく寒色系の色合いを刻むことになりそうだと翔子は思っていた。
無論、それは物理的な重さからくる、
肉体の負担ゆえではないのだ。
確かに、小柄な翔子の肉体にはそれの重さは堪えるが。
それは、微々たる問題でしかなく。
本当に憂慮すべき問題は――



―はぁ…私は大人なのに―


そう、本来は大人である翔子にとって、
ランドセルを背負い。
ひらがなで書かれた《1ねん1くみ・みくもしょうこ》と云う名札を付けるなど。
屈辱以外の何物でもなく。
姿見に映しだされたあどけない“児童”を見るたび、
激しい屈辱や恥辱感に苛まれるのだ……。

26猫目ニボシ:2011/03/24(木) 19:51:33
―都内某所の小学校―



「は〜い、皆さん2−1はいくつですか?」



『1〜!!』



―引き算って残酷ね…―
以前は当たり前に享受していた“大人”としての日常。
翔子はそれが無性に恋しかった。
引き算は残酷な“魔法”……
そう、暗鬱に呑まれた彼女は、
算数の授業をそのように感じてしまうのだ。



以前なら、他愛のない事象に過ぎなかった“引き算”。
だが、今の翔子にはそれが重くのし掛かっていた。
無論、それは授業の難しさゆえではない。
そう、彼女を苦悩させているのは――



―喪失した年齢か…―
そう、翔子は引き算に自分の境遇を重ねてしまったのだ……。
だが、それも無理からぬことなのやもしれない。



「どう?分かる三雲さん?」



「……はい、分かります。先生……」



―ねぇ?先生…私が貴女より歳上だって信じられる―


翔子は担任の霧島真弓教諭の用意した台に乗り。
黒板に算数の答えを刻みながら、
やりきれない想いに襲われていた。
何故なら、霧島先生は、
教員免許を取得したばかりの新米教師で。
年齢も翔子の方が三歳上なのだ……。
だからこそ、翔子はやりきれない気持ちが込み上げるのだろう。



そう、自分より年下の先生に、
“一年生”の“算数”を教わり。
真弓の腹部程度の身長で、
巨人の様な先生や、
巨大な教室を見渡すのも。
本来は大人である彼女にとっては、
赤面するほど恥ずかしいことなのだから……。

27猫目ニボシ:2011/03/24(木) 20:01:49
>>23
単語や言い回しには、
色々、神経を磨り減らしています。
正直、読み返す度に、書き直したくなるので。
ある程度書いたら、勢いで投下してます。
視点も、昔、先生に説明文だと揶揄されたので、
色々、文体を研鑽しているのですが……。
中々、尊敬してる作家さんのように、
耳に残る言い回しにするのは難しいですね。



何か長々と申し訳ありません。
自分の文才のなさに軽くへこんでいるので、
愚痴みたいになってしまいました。
とりあえず、少しでも楽しめる話を書いていきます……。

28猫目ニボシ:2011/03/24(木) 21:00:00
―子供って無邪気ね…―



―1年1組の教室―
子供達の喧騒に包まれた教室。
そこで、翔子は着替えを進めながら。
抑えきれない想いや、
やりきれない気持ちがこみ上げていた……。



「どうしたの三雲さん?
お腹痛いの?どこか調子悪いなら先生に言ってね」



「大丈夫です先生……」



―大人って大きいな…―
霧島先生を見上げながら、
翔子はそんな当たり前のことを、
改めて実感していた。
そう、今の彼女の身長は107cmしかなく。
160cm前後はあると推察出来る霧島先生を見上げる度に。
現在の自分の“矮小”さを突き付けられ。
気が滅入るのだ。



「あはは、やだ〜加藤くんったら」



「ちょっ、ちょっと加藤駄目でしょ!しまいなさい!」



―先生には、あの子も、私も、“同じ”子供なんだよね……―



“女子”に、
“男子”の“象徴”を見せながら笑う生徒を見つめながら。
翔子はふと思った。
あぁ、先生には“彼”も“私”も、
広義的な意味では、
同じカテゴリーに属す人間なんだ。
そう…手のかかって、無邪気な子供なんだと。



―私は、私は…本当は“あの人”より歳上なのに―



そう、翔子は本来なら、
霧島教諭より三年早く生まれた人生の“先輩”で。
ついこないだまで、
幼稚園や保育園に通っていた児童と、
一緒にされたくないのだ……。



だが、そんな翔子の想いも虚しく。
霧島教諭の視点には、
子供用の体操着に着替えた彼女は、
他の“児童”と同じ子供に見えるのだろう。



そう、彼女の目には翔子も生まれて6〜7年の、
あどけない、子供にしか映らないのだ……。

29猫目ニボシ:2011/03/25(金) 00:40:49
「は〜い、皆さん。今日の体育の授業は、
六年生のお兄さん、お姉さんと一緒に。レクリエーションの時間になります」



『は〜い!』




―私から見れば、六年生も“子供”だけどね…―



確かに、精神年齢“26歳”の翔子からすれば、
六年生の児童はまだまだ子供で。
事実、彼らはあどけない表情を見せていた。
だが、それも無理からぬこと。
何故なら、彼らは翔子より“14歳”も年下の子供なのだから。



―でも…今の私よりは、彼らの方が“大人”に近いのよね…―



無論、それは翔子も認めたくなどなかったが。
“彼ら”が翔子より、
大人に近いのは否定しようがない事実だった。



「翔子ちゃんもお出で」



―完全に子供扱いね…―



だが、実際問題。
翔子に声を掛けた少女の方が、
“肉体的”に大人に近いのは否定しようがない事実だ。
そう、翔子の手を握る少女は、
身長や体格も翔子から見れば大きく。
また、第二次性徴による発育の様子が顕著に表れ始め。
胸元は微かに膨らみ始めていた。



―あっ…この娘……ブラしてるのね…―



無論、他の“一年生”はブラの知識など皆無で。
翔子以外にその事に気付いた“同級生”はおるまい……。
だが、元“大人”である彼女は。
三ヶ月前まで、
綺麗な乳房を保護する為のブラを着けており。
事実、スポーツブラに包まれているとおぼしき少女の胸元より。
翔子の胸元の方が、
かつては、綺麗で美しかったのだ。
だが、全ては過去の記憶の断片に過ぎない。



―そう…今の私は、“この娘”より子供なんだ―



翔子は自身の平らになった胸元や、
キャラクターの描かれたジュニアショーツを思い出し。
やりきれない想いに駈られていた。
そう、翔子は少女と自身の肉体の差違に苦悩しているのだ。
だが、それも無理からぬことなのやもしれない。
何故なら、翔子のひらがなで名前が書かれた体操着と異なり。
少女の体操着の名前は漢字で書かれていたし。
彼女は来年は中学生になるのだ。
そんな、少女と自分の現状を比較してしまうのは、
致し方ないではないか。
その時の翔子は、
そんなどうすることも出来ないジレンマを抱えていたのだ。

30名無しなメルモ:2011/03/25(金) 02:10:33
翔子が大人の記憶を残しつつも精神的知能的に退行してしまっている場面も読んでみたいです。
もっとも知能的には大人のままなのでしょうか?

31猫目ニボシ:2011/03/25(金) 19:22:03
―私は、私は…違うの―



この“現実”は全て虚構の産物に過ぎない。
翔子はそのように自己に暗示をかけ、
押し潰されそうになる心を必死に留めていた。
無論、これまでのことは全て無常な現実でしかなく。


六年生の様に体育用具を持ち上げることの出来ない華奢で小さな手も、
柔らかな膨らみを喪失して縮こまった胸元も、
括れを失いぽっこりと膨らんだお腹も、
脂肪が薄くなりのっぺりしてしまった臀部も、
喪失した“体毛”も、
これら事象は全て翔子の肉体に生じたことなのだ。



そう、今の彼女は“26歳”の大人の女性などではなく。
年端もいかない“7歳児”。
それ以上でも、それ以下でもなかった。



「翔子ちゃんは、一年生なのにしっかりしていてお利口さんだね」



―私は大人だからね―



―そう、私は大人なの…―


翔子は無力で矮小な自身の新たな肉体を否定したかった。
これは、全て絵空事……
取るに足らないやんごとなき事象でしかない。
認めたくなどなかった。
六年生の少女に頭を撫でられたことも、
薬品の副作用により肉体に精神が“同化”し始め、
その行為を心地よく思ってしまうなど認めたくなどなかった。



だが、実際問題、
翔子の精神が退行の兆候を見せ始めているのは、
否定しようもない事実だった。
確かに、彼女の主観的視点では、
変化の幅は少ない様に見受けられるが。
彼女はこの瞬間も精神が緩やかに退行しており。
事実、それを裏付けるかのように。
翔子は自分より、
約頭二つ分は背丈の高い六年生に、
頼りがいを感じ始めていた。
その少女は自分より生きた年数は短いのに、
頼りがいのあるお姉さんに思えてしまうのだ。
あるいは、これも肉体の差違から生じる変化なのかもしれない……。

32猫目ニボシ:2011/03/25(金) 19:23:18
―注意一秒。怪我一生。―


―転ばぬ先の杖。―



昔から、様々なことわざに記載される通り。
何事も用心するに越したことはない。
そう、物事は起こってからでは遅いのだ。
何故なら、あらかじめ予測出来ねば、
全ては後の祭りになってしまうのだから。



―…トイレに行きたい…―


六年生とのレクリエーションの最中、
翔子は急激な尿意に襲われていた。
だが、それも無理からぬことだろう。
何故なら、彼女は先生の忠告を無視して、
授業の前に用を足してないのだから。
無論、これには彼女なりの言い分がある。



―私は子供じゃないの―
自分は断じて子供などではない。
だから、“尿意”は“何時間”も我慢出来るし、
いちいちトイレに行く必要などないのだ。
翔子は霧島先生が授業後にトイレを促す度に、
内心そのように憤慨していた。
やはり、翔子には大人としてのプライドがあるのだろう。
あるいは、自身も“教員免許”を所持しているのだと云う、
意地もあるのかもしれないが。



「せっ、先生!わっ、私、トイレに……」



じわっ……



―…えっ!?…―



「ちょっ、ちょっとやだ、止まってよ……」



だが、時既に遅く。
翔子の願いも虚しく決壊したダムは放水を続けていた。



「やっ、イヤァー」



無論、翔子も股関部分を手で押さえ、
決死の抵抗を試みたが。
決壊したダムを止める術などあるはずもなく……。
彼女が身に付けているジュニアショーツやハーフパンツには、
みるみる淡い染みが広がり始め。
生々しい濡れた感触と体温が、
彼女の股関にまとわりついていた。


びちゃっ……



「うっ、私……ひっぐ……うっ、ぐすっ……」



翔子は恥も外聞もなく。
その場に泣き崩れていた……。
―此は全て夢よ……―
だが、そんな彼女の願いも虚しく、
ハーフパンツからは自身の漏らした尿の臭いが立ち込め。
彼女に無常な現実を突きつけていた……。

33猫目ニボシ:2011/03/25(金) 19:24:32
「三雲さん泣き止んだ?」


「はい、着替えたら落ち着いたみたいです」



「そう、良かった。
それにしても皆川さんさすが“六年生”ね。しっかりしてるわ」



「いえ、私は幼稚園の妹が居るんで慣れてるだけです」



―全部、聞こえてるのよ―


薬品の匂いが鼻をくすぐる保健室のベッドの隅で、
翔子は狸寝入りをしながら、
無常な現実から目をそらそうとしていた。



―私…お漏らししちゃったんだ……―
それは、翔子にとってあまりにも辛く重い現実だった。
そう、いくら“7歳児”に見えても、
彼女は立派な大人で。
事実、翔子の同級生には“小学校”の子を持つ親もいるのだ。
そんな、自分の子供でもおかしくない児童に、
失禁姿を見られたのだ。
恥辱や屈辱を感じるなと云う方が、
土台無理な話ではないか。


「……ありがとう……お姉ちゃん……」



「翔子ちゃん、あんまり気にしちゃダメよ。誰にでもあることなんだから」



「……はい……」



―違う、違う…私は…―



翔子は自分が惨めで惨めで、
堪らなかった……。
そう、皆川雪子と云う名の六年生児童は、
翔子に“目線”を合わせるため屈んで、
優しく彼女に話しかけてくるのだ。
そんな少女の何気ない優しさや気遣いが、
より一層翔子の心を締め付けていた。



―あぁ…私、子供なんだ―


保健室の鏡に映る自身と少女の差違は一目瞭然だった。
第二次性徴が訪れ始め、
女性らしい肉体になり始めている少女と異なり。
鏡に映る翔子は子供用の短いスカートに身を包み。
フリルの装飾の施されたスカイブルーのブラウスやスカートは、
どこから見ても“幼児”そのものなのだから。

34猫目ニボシ:2011/03/25(金) 19:25:31
―私…子供なんだな……―


1年1組の教室
帰りのホームルームの最中も、
一年生児童達は落ち着きを保てず。
霧島先生は大きな声で騒ぐ児童を注意していた。
そう、何時もなら恥ずかしくて、
惨めで堪らない屈辱の時間だが。
今の翔子にはどうでもよかった……。



やはり、先程の出来事で自暴自棄になりかけているのだろう。
そう、あれだけ憤慨していたひらがなに彩られた黒板も、
教室中に貼られている動物の切り絵やひらがなの注意書きも、
今日は何故か腹がたたないのだ。



―先生って大きいな―
教室の先頭の席から見上げる霧島先生は、
翔子の目には巨人の様に逞しく映っていた。
そう、ただでさえ今の彼女は小柄なのに、
更に小さな椅子に着席しているために、
大人との体格の差はより顕著になり。
自分がさらに矮小な存在に思えてならないのだ。



―そういえば、私って椅子に足が届いてないよね―



現実を直視し始め、
自分が“幼児”だと云う実感がわいたためだろうか?
翔子は冷静に自身の現状を実感し始めていた。
そう、一年生としては比較的小柄な彼女は、
一年生サイズの椅子でも僅かに足が床につかず。
そこから見上げる教室の風景は、
まるで巨人の国の様に見えるのだ。



―まるで、不思議の国のアリスね―
無論、斯様な想像をしたところで、
気休めにしかなり得ぬのだが。
それでも、児童文学の主人公に自身を重ね合わせるこで、
気持ちは幾分か楽になっていた……。

35猫目ニボシ:2011/03/25(金) 19:28:33
>>30
ご意見ありがとうございます。
ご期待にそえたか分かりかねますが、
一応、精神の退行も取り入れてみました。

36名無しなメルモ:2011/03/25(金) 19:54:37
猫目ニボシさんいつも萌えな作品をありがとうございます!
元に戻れなくなって小学生からやり直しなんてまさにホールドアップキッズみたいで興奮しました!
あの漫画もキャラが女の子3人組とかだったらさらに凄い展開になったでしょうね。
ホールドアップキッズで一番好きなシーンは2巻の舞ちゃん大変身で、
幼児まで戻った舞を見た敵のボスが「オムツのとれたばかりのガキを拾ってきたのか」
と言ったセリフが一番興奮しました、そういや舞の状態はつい2〜3年前まで赤ちゃんだった事になってるんだなぁと。
言い換えればこの世に生まれて2〜3年しか経っていない身体になっちゃってると考えると更に興奮しました。
明菜も翔子も森永舞みたいに興奮する度に年齢が変わったりしたら面白いでしょうね。

37猫目ニボシ:2011/03/25(金) 21:06:20
>>36
私もホールドアップキッズを拝読した時、
そのセリフにドキドキしました。


楽しんで戴けたようで何よりです。
正直、私の文体の癖は、
萌え小説やフェチ小説を書くのにはむいてないんですよね……。


もう少しライトノベルにも目を通した方がいいのかもしれません。
書店や古書店に立ち寄る度に、
ミステリー小説や純文学を購入してしまうので……。

長々と私事を語ってすみません。
感想ありがとうございます。
励みになります。

38猫目ニボシ:2011/03/26(土) 00:22:12
どうも猫目です。
自分がこの掲示板で書いた小説を読み返しましたが、
支離滅裂な内容ですね……。
自分でも、文化的な語りを挿入し過ぎだと思うのですが、
癖なのか、すぐそういう方向になってしまうのです。
あるいは、
純文学や官能小説が書きたいフラストレーションが溜まってるのかもしれません。
若返り描写に特化した作品を書くため、
暫くの間、文体を研鑽して修行してきます。

本当に私事で恐縮ですが。
重ね重ね勝手な作者ですみません。

39feelfine:2011/03/26(土) 01:03:18
いつも楽しく読ませて頂いております。
立派な大人の女性が小学生からやり直しとはこの作品も素敵な設定ですね。
本来の自分より年下の先生そして6年生に子供として扱われて、着ている物や名札など細かい所でその差異に傷つく心理描写がうまく描かれていると思いました。
この先戻れるのか?そのまま2度目の小学校卒業…中学校入学をして周りの本来年下の子供たちに馴染みつつ羞恥の日々を送るのか…展開が気になります。また知能退行の場面希望の方がいらっしゃいましたが本人のミスもしくは副作用でそれまで小学校で成績トップが当たり前だったのがある日テストで負けて…小学生にも劣る羞恥を味わうなんて思い浮かびました。すみません長々と失礼しました。

40猫目ニボシ:2011/03/26(土) 01:16:14
>>39
feelfineさん、
お久しぶりです。
某所での感想など、いつも小説を書く励みになってます。
薬の副作用で小学生に負けるのはいいアイデアですね。
採用して差し支えなければ使いたいアイデアです。
私はドSなのか、そういう優秀な女性が落ちぶれたり、
変身する描写は凄く萌えます。


ただ、某所での小説など、
書きかけの小説の続きのアイデアや構想も出てきたので、
フラストレーションが色々溜まってます。
個人的には顔面交換ネタを短編で書きたいのですが、
いやはや、そういうジャンルは何処で書けばいいのやら。
何か、長々とすみません。
感想ありがとうございました。
今後もご一読戴けたら幸いです。

41名無しなメルモ:2011/03/26(土) 02:14:15
>>35
希望を叶えて下さって本当にありがとうございました
リリカルで甘く切ないシチュエーションがとてもよかったです

42feelfine:2011/03/26(土) 02:45:20
>>40
私なんかのアイデアでも使って頂けるのでしたら嬉しい限りです。
優秀な女性の転落・堕落や美女が美点を失って周りの環境がガラッと変わったりするお話は私も大好きです。顔面交換も興味深いです。各所に作品がおありかと思いますが無理せずお続けください。

43名無しなメルモ:2011/03/26(土) 20:39:36
ホールドアップキッズのオムツのとれたばかりのガキ・・
というセリフはほんとに名台詞ですよね
3巻のパワーシューズを履いた幼児の舞がジャンプした際に
可愛らしい割れ目が描かれてるのはご存知でしょうか?
そのシーンもかなりの衝撃が走りました。
22の女盛り・・のはずの舞のアソコがあんな可愛らしい
ピッタリ閉じた割れ目にまで逆戻りしてしまうなんて・・
身近な22歳くらいの女性に置き換えて想像するとさらに興奮しますよねw

44猫目ニボシ:2011/03/28(月) 02:13:40
皆さん、いつも感想ありがとうございます。
私は移り気な人間なので、モチベーション維持のエネルギーになっています。
懲りもせず、小説が書きかけのなか、
また、短編を書いてしまいました。
書きたいシーンを書き終えると燃え尽きてしまう気まぐれな作者ですが、
感想を原動力に他の小説の続きも追々書くので、
ご一読戴けたら幸いです。

45名無しなメルモ:2011/05/15(日) 20:39:45
猫目さんお久しぶりです、最近疲れが溜まってきましたのでまた名作ホールドアップキッズと
どっきんロリポップを読み返しました、すっかり充電が完了しましたよ。
森永舞ちゃんの名セリフの「あたしのかやだもとにもどしてよお」はいつ見ても良いものです
猫目さんも充電いかがでしょうか?

46<削除>:<削除>
<削除>


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板