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国家特別潜入児童心理カウンセラー

31猫目ニボシ:2011/03/25(金) 19:22:03
―私は、私は…違うの―



この“現実”は全て虚構の産物に過ぎない。
翔子はそのように自己に暗示をかけ、
押し潰されそうになる心を必死に留めていた。
無論、これまでのことは全て無常な現実でしかなく。


六年生の様に体育用具を持ち上げることの出来ない華奢で小さな手も、
柔らかな膨らみを喪失して縮こまった胸元も、
括れを失いぽっこりと膨らんだお腹も、
脂肪が薄くなりのっぺりしてしまった臀部も、
喪失した“体毛”も、
これら事象は全て翔子の肉体に生じたことなのだ。



そう、今の彼女は“26歳”の大人の女性などではなく。
年端もいかない“7歳児”。
それ以上でも、それ以下でもなかった。



「翔子ちゃんは、一年生なのにしっかりしていてお利口さんだね」



―私は大人だからね―



―そう、私は大人なの…―


翔子は無力で矮小な自身の新たな肉体を否定したかった。
これは、全て絵空事……
取るに足らないやんごとなき事象でしかない。
認めたくなどなかった。
六年生の少女に頭を撫でられたことも、
薬品の副作用により肉体に精神が“同化”し始め、
その行為を心地よく思ってしまうなど認めたくなどなかった。



だが、実際問題、
翔子の精神が退行の兆候を見せ始めているのは、
否定しようもない事実だった。
確かに、彼女の主観的視点では、
変化の幅は少ない様に見受けられるが。
彼女はこの瞬間も精神が緩やかに退行しており。
事実、それを裏付けるかのように。
翔子は自分より、
約頭二つ分は背丈の高い六年生に、
頼りがいを感じ始めていた。
その少女は自分より生きた年数は短いのに、
頼りがいのあるお姉さんに思えてしまうのだ。
あるいは、これも肉体の差違から生じる変化なのかもしれない……。


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