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国家特別潜入児童心理カウンセラー

24猫目ニボシ:2011/03/24(木) 19:48:52
―正にリトルワールドね―


―107cmの世界―
それが、三雲翔子の新たな“世界”だ……。
そう、彼女の身長は大人の時に比べ、
ゆうに50cm以上縮んでしまい。
以前は、当たり前にしていた日常的な行為も、
新たな“肉体”では苦難を伴うものに早変わりしてしまうのだ。
その、最たる例が“ドア”だろう。



「くっ、何でトイレのドアってこんなに高いのよ」



翔子は尿意を堪えつつ、
背伸びをしながら必死にドアノブを掴もうとしていた。
そう、“大人”の時は、
何気ない行動であったそれは。
“子供”の翔子にとってはストレスを伴うもので。
事実、朝のトイレに行く。
ただ、それだけの行動に、
彼女はかなりの労力を割いていた。



だが、それも無理からぬことだろう。
そう、トイレのドアだけでなく。
日常生活で使用する数多の道具や施設は、
大人が使用することが前提条件になっているので。
子供に戻ってしまった彼女がそれらをスムーズに使用するのは、
土台無理な話なのだ。



「はぁ…これが、今の私の姿か……」



翔子は洗面所に備え付けられた鏡に映る、
ボブカットのあどけない少女を見ながら。
思わずため息をついていた。
そう、彼女は新たな“肉体”が嫌で堪らないのだ。
だが、それも無理からぬことなのやもしれない。



「はぁ…髪も染められないなんて……」



人は皆、“器”と云う名の“肉体”に縛られている。
そう、例え肉体に宿る“精神”が大人でも。
表層から子供だと判断されれば、
子供以外の何者でもなく。
事実、翔子が自分は大人だと主張しても、
夢見がちな少女にありがちな絵空事にしか受け取ってもらえぬのだろう。



そう、大人の様に“化粧”も出来ない。
髪も脱色出来ない。
保護者同伴でないと遠出も出来ない。
それが、翔子のどうすることも出来ぬ現実なのだ……。


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