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国家特別潜入児童心理カウンセラー

33猫目ニボシ:2011/03/25(金) 19:24:32
「三雲さん泣き止んだ?」


「はい、着替えたら落ち着いたみたいです」



「そう、良かった。
それにしても皆川さんさすが“六年生”ね。しっかりしてるわ」



「いえ、私は幼稚園の妹が居るんで慣れてるだけです」



―全部、聞こえてるのよ―


薬品の匂いが鼻をくすぐる保健室のベッドの隅で、
翔子は狸寝入りをしながら、
無常な現実から目をそらそうとしていた。



―私…お漏らししちゃったんだ……―
それは、翔子にとってあまりにも辛く重い現実だった。
そう、いくら“7歳児”に見えても、
彼女は立派な大人で。
事実、翔子の同級生には“小学校”の子を持つ親もいるのだ。
そんな、自分の子供でもおかしくない児童に、
失禁姿を見られたのだ。
恥辱や屈辱を感じるなと云う方が、
土台無理な話ではないか。


「……ありがとう……お姉ちゃん……」



「翔子ちゃん、あんまり気にしちゃダメよ。誰にでもあることなんだから」



「……はい……」



―違う、違う…私は…―



翔子は自分が惨めで惨めで、
堪らなかった……。
そう、皆川雪子と云う名の六年生児童は、
翔子に“目線”を合わせるため屈んで、
優しく彼女に話しかけてくるのだ。
そんな少女の何気ない優しさや気遣いが、
より一層翔子の心を締め付けていた。



―あぁ…私、子供なんだ―


保健室の鏡に映る自身と少女の差違は一目瞭然だった。
第二次性徴が訪れ始め、
女性らしい肉体になり始めている少女と異なり。
鏡に映る翔子は子供用の短いスカートに身を包み。
フリルの装飾の施されたスカイブルーのブラウスやスカートは、
どこから見ても“幼児”そのものなのだから。


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