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国家特別潜入児童心理カウンセラー
9
:
猫目ニボシ
:2011/02/25(金) 21:48:53
確かに、東藤明菜は潜入監査で心身共に疲弊していたが、
今の体は余程疲れやすいのだろう。
明菜はお昼寝の時間になると、
他の園児と同じように夢の世界に導かれてしまったので…あった。
「……むにゃ……ムニャ……」
楽しい夢を見ているのか明菜は、
リラックスした表情ですやすや眠っていた。
だからこそ、彼女は局長から説明された若返りの注意事項を忘れていたのだろう。
そう、若返りは表層の姿形だけでなく、
自律神経も若返らせているのだ。
今の明菜は確かに大人と同様の知性を保持しているが、
自律神経は未発達なのである。
だから、局長は彼女に再三に渡って注意事項を説明し、
こう付け加えたのだ。
――トイレには小まめに行くようにと――
無論、潜入監査初日、二日は明菜もその点に特に気をつけていた。
そう、他の園児達にはお漏らしやオネショは日常茶飯事だが、
精神が大人である明菜には失禁になるのである。
そんな彼女にとってソレを避けることは、
正に至上命題でもあるのだ。
――百里を行く者は九十を半ばとす――
そう、この言葉通り何事も慣れや油断が一番恐ろしいのである。
本当に昔の先人の方々が残した言葉は真理だ。
その言葉を裏付けるかのように、
この日東藤明菜も油断から羞恥の悪夢を味わうことになるので…あった。
「ふにゃふにゃ……ゆ〜じ〜」
恐らく彼氏の夢を見ているのであろう。
明菜は正に夢見心地と言ったところであった。
だが、そのリラックスは皮肉にも股関部分にも伝わっていた。
やはり、変な意地やプライドに拘らずに、
お昼寝タイムの前に、
他の園児と一緒にトイレに行くべきだったのだろう。
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