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国家特別潜入児童心理カウンセラー

34猫目ニボシ:2011/03/25(金) 19:25:31
―私…子供なんだな……―


1年1組の教室
帰りのホームルームの最中も、
一年生児童達は落ち着きを保てず。
霧島先生は大きな声で騒ぐ児童を注意していた。
そう、何時もなら恥ずかしくて、
惨めで堪らない屈辱の時間だが。
今の翔子にはどうでもよかった……。



やはり、先程の出来事で自暴自棄になりかけているのだろう。
そう、あれだけ憤慨していたひらがなに彩られた黒板も、
教室中に貼られている動物の切り絵やひらがなの注意書きも、
今日は何故か腹がたたないのだ。



―先生って大きいな―
教室の先頭の席から見上げる霧島先生は、
翔子の目には巨人の様に逞しく映っていた。
そう、ただでさえ今の彼女は小柄なのに、
更に小さな椅子に着席しているために、
大人との体格の差はより顕著になり。
自分がさらに矮小な存在に思えてならないのだ。



―そういえば、私って椅子に足が届いてないよね―



現実を直視し始め、
自分が“幼児”だと云う実感がわいたためだろうか?
翔子は冷静に自身の現状を実感し始めていた。
そう、一年生としては比較的小柄な彼女は、
一年生サイズの椅子でも僅かに足が床につかず。
そこから見上げる教室の風景は、
まるで巨人の国の様に見えるのだ。



―まるで、不思議の国のアリスね―
無論、斯様な想像をしたところで、
気休めにしかなり得ぬのだが。
それでも、児童文学の主人公に自身を重ね合わせるこで、
気持ちは幾分か楽になっていた……。


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