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素晴らしき膨らみの世界

1幻龍総月:2016/02/03(水) 00:18:59 ID:BArs9ILM

 遠い未来、世界は『膨らみ』で満ちていた。
 膨腹、膨乳が現実にできるようになった世界は、その価値観を再認識し、より良い物だとされるようになった。
 世界の女性の16歳以上の9割以上が膨腹、膨乳し、爆腹や爆乳、超乳が当たり前になっていた。
 妊娠するときも、同時に10人以上を身ごもっているのが普通になってきていた。
 そんな世界で、初めて膨腹、膨乳に挑戦する1人の少女がいた。

2幻龍総月:2016/02/03(水) 00:46:25 ID:BArs9ILM

 とある学校。そこに、『福原 千子(ふくはら ちこ)』という女生徒がいる。
 彼女は今日、16歳の誕生日を迎えたのだ。
「今日で私も16、何だかあっという間だったなー……」
「何湿気た顔してるのよ、千子」
「そうそう、いつもみたいに明るくなくちゃ」
「あ、美玲ちゃん、京華ちゃん」
 千子の友人、『海原 美玲』。いつも気さくに話しかけてくれる良い子。生まれつきの爆乳で、現在バスト110㎝程度である。
 そしてもう一人、『土門 京華』。物静かで真面目な子。現在膨腹中で、腹囲100㎝手前まで大きくなっている。
 そんな千子の体型は、数字に表すと可哀想なくらいスレンダーである。
「今日で16だから色々家に届いてるだろうな、膨乳膨乳できる薬やら器具やらのチラシで」
「安心して、もう大分前から来てるよ。まあどれもパッとしなかったけどね」
「そうなのか? 私もそろそろ爆乳卒業して超乳になりたいけどね」
「私はこんなだから十分大きく見えるわよ」
「ごめんごめん! そう怒るなって」
 担任の先生が教室に入ってきた。ちなみに先生は女性でバスト200越えの超乳の持ち主。
「皆、席に着いて。午後の授業を始めるわよ」
「それじゃあ千子、また後で」
「うん、あとでね」
 午後の授業に入って、少し集中するも、すぐに集中が切れてしまう。
 自分自身の体型に、コンプレックスと今後の不安があるからだ。

3幻龍総月:2016/02/14(日) 22:55:59 ID:A.QKTSEI

 放課後、千子は寄り道せずに家に帰った。
「ただいまー」
「お帰りなさい、千子。今日も沢山勧誘来てたわよ」
 そう言って出迎えてくれたのは、母親の千恵梨だった。彼女は膨乳に長けており、今はEカップだが膨らむと胸囲300㎝を超えることができる。
「勧誘って、またチラシが大量に届いたの?」
「そうよ。ほら見て、昔とは違ってこんなに種類があるのね」
 食卓テーブルには大量のチラシが置いてあった。膨乳膨腹の薬、エステ、手術、他にも色々ある。
「それで、どれにするか決めたの?」
「いや、全然決めてない」
「あら、もうそろそろ決めないと国から急かす手紙が来ちゃうわよ」
「そうだけどさあ……」
 規定年齢を超えてまだ膨腹膨乳の施術を受けてない場合、国の方から急かしてくる手紙が来るのだ。これは法律で決められているので、無視したら強制的に施術させられてしまうのだ。
「まあこれからのこともあるし、ゆっくり考えなさい。私もお父さんも急かしたりしないから」
「うん、ありがとうお母さん」
「このチラシはひとまず別の場所に置いときましょうね」
 まとめて持ち上げるが、いくつか零れ落ちてしまった。
「あ、千子。悪いけど落としたチラシ取ってもらえる?」
「いいよ、……あれ?」
 拾い上げたチラシの一つに目が止まった。
「千子? どうしたの?」
「……お母さん、私これがいいかも」
「え?」
 さっきまで悩んでいた娘が急に決断を下したのだ。これを驚かない親はいないだろう。
「ど、どれかしら?」
「ほら、これよ!」
 チラシを千恵梨にグイグイと見せる。
「えっと、『超多胎妊娠膨腹ステーション』?」
「私、膨腹するなら何か意味あるものにしたいの。これなら少子化対策の一環として役に立てるでしょ?」
「ええ、そうね。でも、出産は大変よ。つわりとか、マタニティブルーとか」
「うん、でも私はこれがいいの。お願いお母さん」
 千子の眼差しには今までにない輝きがあった。それははっきりと輝いていると表現できる物だった。
「……そうね、そこまで言うならいいわよ。ただし、途中で弱音を吐かない事、いいわね?」
「うん!」
「それじゃあ早速連絡してみましょうか」
 まだ夕方だったので、次の休みに見学できるかどうか問い合わせてみることにした。
「…………あ、もしもし? 超多胎妊娠膨腹ステーションですか? 私福原千子の母の千恵梨というものなのですが」
 しばらく電話でのやりとりが行われ、場所、日時、概要の日取りを決めた。
「はい、よろしくお願いします。……千子にですか? はい、今変わります」
 千恵梨は千子に受話器を渡した。
「担当の人が千子と直接お話ししたいって」
「私に?」
 受話器に耳をあて、電話に出る。
「はい、ただいま変わりました。千子です」
『千子さん、本日は我がステーションをお選び頂きありがとうございます。私、担当の福留といいます。ご来場して頂いた時には案内役を務めさせて頂きますので、よろしくお願いします』
「は、はい。こちらこそよろしくお願いします」
『内容の方はチラシでご確認を?』
「はい。私、超多胎妊娠膨腹に興味があるんです」
『そうですかあ。当施設でご満足いただけたら幸いです。それで、もしよろしければ敷地内の他施設も見学なさりませんか?』
「えっと、そう言いますと?」
『当施設は複合施設の一つでして、他にも沢山の施設が敷地内に点在しています。もしお時間いただけたらその施設のご紹介もと思っておりまして』
「うーん、じゃあお願いしてもいいですか?」
『ありがとうございます。日時や場所については、先ほどお母様にお伝えした通りになりますので、ご確認下さい』
「はい、分かりました」
『では、ご来場の方よろしくお願いします』
 深々とお礼するような口調で、電話が切れた。
「何か決まったの?」
「他の施設の案内もしてくれるって、日時と住所教えて」
「いいわよ、でもその前にご飯にしましょう」
「分かった!」

4幻龍総月:2016/02/21(日) 02:28:38 ID:bgZ9BNc.

 見学当日。千子は列車やバスを使い、予約したステーションに到着した。大きなゲートを目の前にして、施設の大きさを実感する。
「ここがステーションの入り口、結構大きいのね」
 ゲート横にある受付で入場手続きをすることにした。
「すいません、予約していた福原千子と言う者なんですけど……」
「はい、福原様ですね。少々お待ちください」
 受付のお姉さんが対応してくれた。彼女のお腹は臨月並みに大きくなっていた。
「はい、確認取れました。正面のゲートを開けますね」
 ガコン、と大きな音を立ててゲートがゆっくりと開いた。すると、施設の中から一台の軽自動車が近付いてきた。千子の目の前で止まり、一人の女性が降りてきた。
 女性のお腹も膨腹しており、臨月を超えて、小学校低学年の子が入っていてもおかしくない大きさだった。
「こんにちは、福原千子さん。本日は遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。担当の福留です」
「あ、この間電話に出てくれた」
「はい。お電話で対応した者です。本日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
 元気よく挨拶を返し、改めて確認をした。
 
 ・・・・・

 千子は車に乗せられ、施設内を案内された。
「当施設は敷地だけで東京ドーム20個分あり、大小5つの施設が存在します」
 福留さんは運転しながら施設の内部を説明していく。
「1つは千子さんが希望した『超多胎妊娠膨腹ステーション』。この施設は名前の通り、超多胎妊娠と膨腹の研究と実践を行っている場所です」
 車を走らせていると、大きな施設の群が見えてきた。どの施設も背は高くないが、大きさは大型ショッピングモール並みだと見える。
「2つ目の施設は『母乳型膨乳ステーション』。母乳による膨乳を行っている施設です。抽出した母乳は多角的に利用されています」
 大きな広場に到着し、車を一旦そこで止めて2人は降りた。
「3つ目は『超膨腹ステーション』。超多胎妊娠膨腹ステーションとは違い、あらゆる方面から膨腹の研究に特化した施設です。今は膨腹のギネス記録に挑戦中だそうです」
 広場を歩きながら全施設が見える場所まで案内される。
「4つ目が『全身子宮出産型膨乳膨腹ステーション』。膨乳膨腹後、膨張した部位で出産を行う研究施設です。こちらでは超多胎は行っておりません。5つ目が目の前にある『被験者専用ホテル【ノア】』です。以上が全施設の大まかな説明です」
 一通り喋り終わり、ホテルの応接間にあるソファに腰掛けた。
「いかがでしたか?」
「えっと、色んな施設があった正直驚きました」
「そうでしたか、他に何かお聞きしたいことはありませんか?」
「えーっと、そうですね、今のところは何とも……」
「もし今お決まりになられるのであれば、無料で一つ、選択したステーションでの肉体改造を行うことができますよ」
 無料という言葉に千子は反応した。あくまで膨腹膨乳は義務であり、決してタダでは無い。いくらか負担はしてくれるが、それでもお金がかかってしまうのは義務教育と同じ。そのため、貧富の差が露呈することも珍しくは無い。
「(お父さんやお母さんにはあまり迷惑かけたくないし、お金がかからないならいいよね)」
 自分の事でもあるので、自分で判断して決めることにした。
「分かりました。今決めます」
「ありがとうございます。どの施設で改造なさいますか?」
「そうですね、最初に言った『超多胎妊娠膨腹ステーション』がいいかなって思ってるんですけど」
「こちらですね、早速手続きをしてまいりますので、少々お待ち下さい」
 福留さんは奥の方へ歩いていった。千子はソファに深く腰掛けてしばらく待つこにした。
「(今日から私の肉体改造が始まるんだ。ちょっと怖いけど、頑張らなくちゃ)」

5幻龍総月:2016/02/22(月) 23:42:01 ID:7l1sCvqQ


 数時間後、千子は希望した施設の中を歩いていた。中は沢山の研究室と機械の類が大量に配備されていた。
「中もすごいですね」
「はい、一度に色々な研究を行っているので、大勢の研究員が一度に集まっているんです」
 福留さんに連れられて、施設の中を詳しく見せてもらっていた。
「ここに入って下さい」
 千子はさらに奥の部屋へと案内される。頑丈な鉄の扉が開き、その中へ入った。
「当ステーションへようこそ! お話しはうかがっていますよ。早速ですが、身体測定をさせて貰ってもいいですか?」
 急に白衣の男性に勢いよく話しかけられた。
「所長、福原さん怖がってますよ」
「おっと、すまない。私はここの所長をしている網谷という者だ。よろしく」
「は、はい。福原千子です。よろしくお願いします!」
「いい返事だ。では改めて、身体測定をさせて下さい。体の情報は肉体改造での薬剤投与で最も重要になる情報だからね」
「分かりました。それで、どこで着替えれば?」
「ああ、あそこの部屋です」
 指示された部屋で診察用衣服に着替え、戻ってきた。
「それじゃあ身体測定をお願いします」
 女性の職員が千子の身体を隅々まで調べ上げる。スリーサイズ、体重、身長、血液型、その他もろもろ、手早く診察を進めていった。
「はい、これで診察は終わりです。お疲れ様でした」
 ようやく全ての準備が整い、肉体改造が始まった。
 千子は最初に点滴を付けられた。初めてだったので、ちょっと怖かった。
「この点滴は一体何ですか?」
「その点滴には改造を施すための成分が多数入っているんだ。超浸透タンパク質、電質信号促進細胞、細胞活性化生命物質、他にも沢山の種類が入っているんだ」
「はあ……」
 何を言っているのか今一分からなかったが、すごいお薬が入った点滴ということは分かった。

 ・・・・・

 点滴が全部入った所で、全裸になるよう指示される。
「あ、あの、これって本当に必要なんですか?」
「もちろん、そうしないと局部等に電極を貼れないからね」
 電極シートを胸や股に付けられる。
「それではいきます。痛かったら言って下さい」
「はい」
 機械のスイッチが入れられ、ビリビリと千子の全身に電流が流れる。
「っ……」
 一瞬痛みが来ただけだったが、そこまで騒ぐレベルではなかった。だが、次の瞬間、

 ドクン、ドクン、ドクン……!

「うくっ?!」
 体の奥から熱い何かが溢れてくる。その感覚は肉体にすぐ現れた。

 ムクムクムクムクムク……!

 胸が大きくなり始め、Bカップだった胸が一気にHカップまで膨乳したのだ。それを見た千子はとても感動していた。
「すごい、私の胸がこんなに大きく……」
 今まで足が簡単に見えるほどの貧乳だったが、今では大きな山2つが先に見えるようになった。
「とりあえずは成功ですね。これからもっと大きくなるので、期待していて下さいね」
「はい!」
「その前に子宮の改造もしてしまいましょう」
 お腹に貼ってある電極シートにも同じように電流が流れる感覚が始まる。さっきよりも長い時間をかけて改造されていく。
「……はい、終わりです。お疲れ様でした」
「お疲れ様です……?」
 胸とは違い、特に大きな変化が起きているわけではなかった。摩っても今までとは変わったところが分からない。
「あの、何が変わったんですか?」
「子宮を改造して超多胎可能にしました。卵巣にも改造を施し、一生卵子が生み出せるようにしもしました。身体の疲労度から、短期間での排卵改造は少し先になります」
「そうですか、分かりました」
「今日はここまでにしましょう。急いで改造すれば、身体に多大な悪影響を及ぼすので」
「はい、ありがとうございます。じゃあ今日は帰りますね」
「ああ、その事なのですが。福原千子さん、今日から肉体改造が終了するまで、我が施設のホテルで宿泊して下さい」
「え?」
 こうして、福原千子の肉体改造人生がスタートした。

6幻龍総月:2016/03/01(火) 19:32:53 ID:MD22Jm8E

 改造2日目。千子は先日と同じ施設の部屋にいた。
「おはようございます千子さん。よくお休みになられましたか?」
「急な宿泊だったので、その、ちょっと……」
「そうでしたか、それはとんだ失礼を」
「いえいえ! 別にそこまで酷かったわけではないので!」
「なら良かった。では早速改造を始めましょう」
 白衣を着た研究員が何人も集まり、千子に特殊な器具をつけていく。
「あの、これ昨日とは違うような……?」
「はい。それは先日投与した薬が浸透しきったかを確認する測定器です。特に体に変化は起きないので、じっとしててください」
 すぐに検査が始まった。そして、すぐに終わってしまった。ものの数分で終わったので、逆に怪しく感じてしまう。
「検査が終わりました。問題無かったのでドンドンやっていきましょう」
 一旦全ての器具が外され、別の器具が装着される。今度は長い棒のような機械が用意された。
「これは何ですか?」
「それは精子注入器です。今日から妊娠してもらいます」
「え!?」
 さすがに話が急すぎるので、千子は驚きを隠せなかった。
「何か問題が?」
「い、いえ、まだ母親になる覚悟ができてなくて……」
「ああ、確かに。千子さんくらいの歳の子は皆そうなんですよね」
 頭をかきながら、困った動作を見せる。
「しかし、ここでの改造を決心なされたのなら、分かっていたことでしょ?」
「それは、そうですけど……」
 確かに言われればそうだ。だが、もう少し時間が経ってからだと思っていた。こんなに早いとは、思っていなかったのだ。
「えっと、少し時間を……」
「すいません、あまり時間をかけることは出来ないんです。スケジュールギリギリなので」
「そんな……!」
「大丈夫ですよ、皆さん孕んだら結果的に良かったと言ってくれましたし」
「そう言われましても……」
「うーん、仕方ない」
 手で合図を出して、機械を動かし始める。そして、千子を無理矢理拘束する。
「きゃあ?! な、なにを?!」
「すいませんが強行手段を取らせて頂きます。そのまま注入器を入れて妊娠してもらいますね」
「そんなあ!」
「では始めましょう」
 ヴァギナに注入器があてがられ、スリスリと擦り始める。そして、狙いを定めて一気に挿入する。
「っ!!!」
 処女膜を破られる痛みに襲われる。そう思い、全身に力を入れる。しかし、
「……あれ?」
 痛みは感じられなかった。それどころか、処女膜が破れる感覚がなかった。
「処女膜は昨日の改造の時点で消滅しときました。むしろ気持ちいいと思うのですが」
 膣の中で擦られると、肉体的快感が伝わってきた。その衝撃に体が勝手に反応する。
「んんっ……!」
「では精液を注入します。排卵は複数確認できているので、すぐに妊娠しますから」
 ボタンを押す音が聞こえた。精液が徐々に器具を通って子宮に注入される。
「あんっ!!」
 子宮に生暖かい感触が伝わってくる。波紋が広がるようにしてお腹を満たしていく。
「んああ!! ん、ああん!」
 注入される時に細かい振動がある。それが千子に肉欲の快感となってあえがせる。
「千子さん、大丈夫ですか?」
「んん、い、いきそう……!」
 腰を浮かせて、ピクピクと痙攣させる。女性器から別の液が流れ、感じていることが分かる。
「後もう少しです。頑張ってください」
「い、いくううううううう!!?」

 ビクン! ビクン! ビクン!

 大きく体を仰け反らせ、痙攣も大きく、跳ねるように体が反応する。
「ああ、あはあん、んん……」
「お疲れ様です。ではすぐに膨腹させますね」
「え?」
 注入器から別の液体が注ぎ込まれる。
「あの、何を……?」
「超浸透タンパク質液と急成長薬を同時投与し、一気に膨腹させます。破裂はしないので大丈夫です」
 直後、お腹が急に膨らみ始めた。ものすごい勢いで膨らんでいき、既にお腹の大きさは臨月を超えていた。数値にすれば、腹囲は約100㎝といったところだ。
「うう?!」
「成功ですね、ではもう少し成長させましょう」

7幻龍総月:2016/03/17(木) 09:58:39 ID:tCsPoTqQ

 注入器から追加で液体が流し込まれる。お腹もそれに合わせて風船のように大きくなっていく。
「はあ、はあ、はあ……!」
 息が苦しくなりつつも、腹囲はあっという間に200㎝近くまで大きくなっていた。それでも膨腹が止まる気配が無い。
「順調に大きくなっていますね、後もう少しで終わりますよ」
 膨腹する勢いが徐々に弱まっていき、数分後、膨腹は完全に止まった。
「お疲れ様でした。終わりましたよ」
「は、はい……。ありがとうございました」
 起き上がると、お腹にずっしりとした重みを感じた。千子は腹囲280㎝まで大きくなったお腹を見る。
「この中に、赤ちゃんが……」
「お腹の中には6人の赤ちゃんがいます。初めての妊娠、おめでとうございます」
 周りから盛大な拍手が起こった。あちらこちらから、おめでとう、と祝福の言葉も贈られた。
「最初の出産が済むまで施設にいてもらう事になります。出産予定日は3日後なので、それまでは体を休ませてください」
「分かりました」
「本日は本当にお疲れ様でした。お気を付けて」

 ・・・・・

 千子はホテルの一室のベッドで寝転んでいた。体が重くてあまり動けないでいたのだ。
「なんか、あっという間だったな」
 まるで嵐の様な出来事だった。時間もそんなに経っていない様に感じたが、結構な時間が掛かっていた。
「……本当にお母さんになったんだ。私」
 大きくなったお腹を摩りながら、赤ん坊の存在を確認する。何となく動いているのを感じた。
「もう少しで会えるからね」
 無理矢理とはいえ、出来た赤ん坊を無下に扱うことなどできない。できた以上は、責任を持って育てていきたいと千子は思った。
「うっ」
 ただ、つわりだけはどうにかして欲しかったと思った。

8幻龍総月:2016/04/11(月) 21:48:58 ID:Z6Khmm.g

 あれから3日後、出産予定日になった。
 あの日からお腹の大きさはさらに大きくなり、腹囲380㎝になっていた。朝から陣痛が始まり、すぐに医務室に運ばれた。
 両親も大急ぎで駆けつけて千子の出産を応援する。そして、数時間後、千子の出産は無事に終わった。
 千子が目を覚ますと、施設の一室にいた。両親に福留さん、網谷さん、施設の関係者、そして、6人の赤ちゃんが待っていてくれた。
「出産おめでとう」
 皆が褒めてくれた。絶えない拍手、祝福の言葉、千子にとって人生で一番褒められた気がした。

 ・・・

 数日後、千子は両親に相談を持ち掛けていた。父親は仕事のため来れなかったため、宿泊施設のエントランスで2人が集まった。
「どうしたの千子?」
「お母さん、私、ここにある施設でもっと子供を作りたいの」
「!」
 その発言に驚きを隠せなかった。今までそんなことに一切興味が無かった自分の娘が、真剣な顔でそう言ったからだ。
「千子、あなた……」
「多少お金はかかるかもしれないけど、どうしてもここで赤ちゃんを作りたいの! 生んだ赤ちゃんの世話もちゃんとする。だからお願い」
「……分かったは、お父さんには私から話しておくわ。言ったからには、ちゃんと守るのよ」
「! ありがとうお母さん!」

9幻龍総月:2016/04/13(水) 09:05:30 ID:Zj1c446o

 そして、一ヶ月が経った。学校では友人の2人が千子の帰りを待っていた。
「もう一ヶ月経つね」
「うん、どうしたんだろうね、千子」
 一応2人のところにも千子の行先は伝えてあった。しかし、一ヶ月も改造し続けていることに不安を隠せなかった。
「もしかして悪徳施設とかに入れられてひどい目にあってるとか……」
「やめろよ縁起でもない! 千子なら絶対戻ってくるよ」
「だといいんだけど」
 教室に担任の先生が入って来た。2人は慌てて席に戻る。
「皆さんおはようございます。今日は皆さんにいいお知らせがあります」
 クラスの一部がざわついた。
「はい静かに。そのお知らせとは、無事に福原さんが肉体改造を終えて、今日から授業に復帰することになりました」
「千子が?」
「それじゃあ福原さん、入って」
 教室のドアからゆっくりと入って来た。しかしその姿にクラス全員が驚いた。
 千子のお腹は腹囲350㎝近いボテ腹で、胸もお腹と同じくらいの大きさの超乳に育っていた。さらに尻や足もムチムチと肉が付いていやらしく変化していた。以前の面影はほとんどなかった。
「福原千子、ただいま戻りました!」
「千子!?」
「すっごい体になってる……?!」
 さすがの変化に美鈴と京華も動揺していた。
「福原さんは先日まで肉体改造を受けていました。その結果、乳房、お腹、尻で子供を妊娠できる体になりました。現在も全身に19人の赤ちゃんを妊娠中です」
「じゅ、じゅうきゅうって」
「お腹に11人、胸に3人ずつ、お尻に2人、出産予定日は4日後くらいだよ」
「う、羨ましい。そんなに妊娠できるなんて」
 京華はちょっと険しい顔をしながら羨ましがった。
「この妊娠数は本校では初めてです。なので、福原さんには後日表彰状が贈られることが決まりました」
 おおー、と、クラスの全員が賞賛した。
「では皆さん、福原さんに拍手を」
 パチパチと手を叩いて、彼女の功績を称えたのだった。

 ・・・

「いやあ、すごいね千子。まさかこんなナイスバディになるなんて」
「ああ、これじゃあ勝てっこないね」
「えへへ、私結構頑張ったよ」
 自慢げに2人にピースサインを出す。
「でも1ケ月でよくここまで改造出来たね。普通ならもっとかかるんじゃない?」
「そう思ったけど、私の体順応性が高かったみたいですんなり改造が進んだんだ」
「へー、便利な体だな」
「うん。お母さんもお父さんも大喜びだったよ」
「でもその体、勉強しづらくない?」
 千子は席に座っているのだが、一目で見ると太っているように見える体型になったため、腹と胸で机との距離が大分空いている状態になっている。
「あー、うん、そこが一番の問題だよね」
「私達もそうだけど、手が届きづらいよね」
「まあ無事で何よりだよ。良かった良かった」
 3人は談笑しながら休み時間をつぶしていった。

10幻龍総月:2016/04/20(水) 08:26:49 ID:J7/PPADQ

 放課後。3人は久し振りに一緒に帰宅していた。
「久し振りにどこか寄ってかない? カラオケとか」
「いいね! 行こう行こう!」
「行く行く! パーッと楽しんじゃおう!」
 そんな盛り上がっている3人の前に一台の車が止まった。その車から1人の男が現れた。サングラスに黒スーツ、スキンヘッドで大柄でいかにも怪しい人物だった。
「土門京華さんですか?」
「え、えっと、そうですけど、何か?」
 3人は不審に思い、男から3歩程距離を離した。もしかしたら誘拐目的かもしれない。そんな風に思えたからだ。いざとなったら人を呼んだり、逃げる準備の構えを取る。
「失礼しました。私こういう者です」
 懐から一枚の名刺を取り出し、3人に見えるように差し出した。その名刺をのぞき込むと、
『ギガインフレーションアイドル事務所 プロデューサー 間戸部大吉』
「アイドル事務所……?」
「って、ギガインフレーションアイドル事務所?! 超有名なアイドル事務所じゃん!?」
「え、本当?!」
 3人は名刺の内容に驚きを隠せなかった。
 それもそのはず、ギガインフレーションアイドルとは、今流行りの人気アイドルを輩出している有名事務所だからだ。
「あの、お話し聞いていただけませんか?」
「あ、は、はい! いいですよ!」
「ここではなんですし、そこの喫茶店でゆっくりお話ししましょう」

 ・・・

 ジャンクフードのチェーン店に入り、3人は話を聞いていた。
「えっと、要は京華にアイドルのスカウトに来たってことですか?」
 さっきまで間戸部が話していたことを、千子が話の全体をまとめた。
「はい、そうなります。土門さんには膨腹の資質ありと断定されましたので」
「じゃあ今日から京華はアイドルってこと?」
「お返事さえもらえれば」
「わ、私なんかでいいんでしょうか?」
 急な話に戸惑いを隠せず、緊張している。
「ちょ、京華緊張しすぎ!? まだ始まってもないよ?!」
「皆さん同じ様な反応をされます。当然と言えば当然ですが」
「あのー、テレビで見る限りだと膨腹状態で歌ったり踊ったりする感じですよね?」
「はい、間違いありません」
「私運動音痴何ですけど……」
「その点も考慮済みです。土門さんには新たに結成するアイドルグループに入ってもらうので」
「え?」
「百聞は一見にしかずです。実際に見に来てもらえますか?」

 ・・・

 3人は間戸部の言われるがままに事務所に移動した。
 テレビで見たことのある本物の事務所を見て、胸の中にあった疑惑は完全になくなった。
「こちらです」
 そのまま事務所に入って行き、ダンススタジオらしき部屋に連れて来られた。
 そこでは、先に来ていたと思われる女子が膨腹させるトレーニングをしていた。膨らむ大きさはそれぞれだが、一番大きくて腹囲120㎝程といったところだった。
「ここにいるみなさんが新しく結成されるアイドルグループ、『バルーンシンデレラ』です」
「バルーンシンデレラ……」
「このグループの特徴は膨腹パフォーマンスです。今までの膨腹アイドルとは違い、ステージ上で膨腹しながら歌ったり踊ったりして頂きます」
 今までの膨腹アイドルは、事前に膨らませてからステージに上がっていた。バルーンシンデレラはステージ上で膨腹していくというのだ。
「膨腹パフォーマンスには動きよりも膨らませる方がメインになります。激しい踊りや走ったりするという行為は殆んどありません。なので、土門さんに白羽の矢がたったわけです」
「なるほど、それなら私にもできるかも」
「いかがでしょうか?」
 京華はうーんと、悩み始めた。
「ねえ京華、やってみたらどう?」
「え?」
 美玲が京華に声をかけた。
「すごい事務所にスカウトされてるんだしさ、経験しといたほうがいいって思う。私にはできそうにないし」
「美玲……」
「私もそう思う。無理強いはしないけど、京華にはすごい才能があるんだよ、きっと」
「千子……」
 心の中で思いが固まった。それを言葉にした。
「間戸部さん、私アイドルやりたい」
「……その言葉を待っていました」
 その風体から想像も出来なかった爽やかな微笑みで答えた。
 こうして、京華は新ユニット『バルーンシンデレラ』の一員になった。

11幻龍総月:2016/04/30(土) 00:22:27 ID:Wj.Zu/GY

 数日後、京華はバルーンシンデレラとして収集を掛けられた。そこにはこれから一緒に活動していくメンバーの姿もあった。
「(うわあ、結構人数いるんだ)」
 見る限りでは歳の近い女子が10人近くいる。微量ではあるが、すでに膨腹している子もいるのが分かる。
「皆さんお集まりですね?」
 入室してきた間戸部が全員いるかを確認する。すぐに全員が返事をして、間戸部の周りに集まった。
「本日から新ユニット発表のデビューライブに向けての練習をして頂きます。その前に、膨腹の許容範囲のチェックもやらせて頂きます」
 説明を淡々と進めていく。
「今回のライブは膨腹できる許容範囲が一番大きい方をセンターにしたいと考えています。ので、今回ダメだったからといってセンターの座を一生取れなくなるわけでは無いのでご安心下さい」
 説明が終わると、次々と部屋に機材が運び込まれる。どれも膨腹させていくための物だ。
「では一人ずつチェックしますので並んで下さい」
 一列に並んで膨腹の検査を待つ。京華は一番最後に並んだ。
 チェック方法はいたってシンプル。お尻と女性器に空気入れ機械のプラグを差し込んで膨らませ、こまめにお腹の圧をチェックして最大許容量を測るという方法だ。
 最初の子は京華より年下の『カナン』。結果は平均の2倍の腹囲220㎝。
「結構大きくなるんだ……」
 感心しながら測定されていく子達を見ていく。やはり選ばれただけあって、かなりの大きさまで膨らんでいく。
「では次の人、どうぞ」
「はい!」
 京華の3人分前にいる金髪のロングヘアー女子『マルル』が測定に入る。
「じゃあ入れますね」
 二穴同時にプラグが差し込まれドンドン膨らんでいく。ものの数秒で300㎝を超えた。
「ん、んん!」
 快楽を感じているのか、甘い声が漏れていく。大きくなるにつれて、顔が赤らんでいく。
「すごい、まだ大きくなる!」
「もう400超えてるよ!」
 測定を終えたメンバーからも驚きの声が出る。
「うん、くう」
 徐々に膨らむ速度が遅くなり、完全に止まる。だが、その大きさはとんでもない数字だった。
「えっと、520㎝?!」
 他のメンバーがどよめいた。マルルは大きくなったお腹を揺らしながら微笑んで、
「皆さん、私マルルは今回のセンターは譲りません。いえ、これからもです。以後、よろしく」
 余裕たっぷりの表情で堂々と宣言した。プラグを抜いて空気が抜けるのを待っている。
「うう、さすがに私にはあそこまでわ……」
 気を落としている京華をよそに順番が回る。はずだった。
「あれ? すいません、機材の調子がおかしいので一旦休憩お願いします」
 機材から異常な熱が出て、スタッフだけのため復旧に時間が掛かるようだ。京華はその間に化粧室に行く。

12幻龍総月:2016/05/15(日) 10:09:06 ID:6hAbTEew

「お待たせしました! 修理完了です! 次の方どうぞ」
 残りのメンバーの測定が始まる。大きく膨腹するも、マルルと比べると程遠い大きさで終わった。
「では最後の人、どうぞ」
「はい!」
 とうとう京華の順番が来た。両穴にプラグを差してもらい、膨腹を始めていく。
「うくぅ……」
 ゆっくりと膨腹していき、順調に大きくしていく。
「はあ、はあ」
 内臓が徐々に圧迫されていき、呼吸が少し苦しくなる。それでも膨腹は止まらない。
「(まだ、まだ大きくなる……! 絶対に諦めない……!)」
 心を強く保ちながら膨腹を続ける。そして腹囲は300㎝を超えた。
「ねえ、まだ大きくなるよ」
「もしかして最高記録更新……!」
「…………」
 周囲が少し騒がしくなる。だが今の京華には聞こえない。膨腹が限界に近付いていたからだ。それに気付いた間戸部がスタッフに指示を出す。
「……そろそろですね。すいません、止めて下さい」
「わかりました。では……」
 そう言って、スイッチを切る。しかし、
「あれ?」
「どうしましたか?」
「不味い! 機材がいう事を聞かない!」
「何だって?!」
 何度もスイッチをオフにするが、全く止まる気配が無い。それどころか勢いが増している。
 ボコォ! と内蔵への負荷が一気に大きくなり肺の空気が押し出される。
「んぐう?!」
「コンセントは無いんですか?!」
「バッテリー式なのでコンセントは充電用しかついてません!」
「この機材の主電源スイッチは?!」
「中に入っていて簡単には止められないんです! ホースはかなり頑丈に作られているみたいで、特殊な工具が無いと切れません!」
「ではホースを抜けば……!」
「圧が高すぎて抜けません!」
「まずい、このままでは……!」
 そうこうしている間に、京華のお腹は大きくなる。もうすぐ500㎝を超える。
「(私、まだ、大きくなれるんだ。なら、頑張らないと……!)」
 京華には周囲の状態が聞こえていなかった。自分の状態が最悪の事態になっていることにすら気付かなかったのだ。
「ダメです! 止まりません!」
「最終手段です! 機材を破壊して強制的に止めましょう!」
「ハンマー持ってきます!」
 間戸部とスタッフが大急ぎで止めにかかる。その危機的状態にメンバーが不安がる。
「ねえ、これまずくない?」
「もしかしたら破裂するかも」
「嫌だ、そんなの見たくない!」
「京華さん……」
 膨腹は進み、腹囲は600㎝を超えた。その時点で、京華はある事に気付いた。
「はあ、ああ、あん、ああ……!」
 何と、性的に興奮していたのだ。女性器が濡れ始め、クリトリスも勃起している。何より嬌声が嫌でも出てしまう。
「もっと、もっと膨腹したい! ああん! 気持ちいい!!」
 それに答えるかのように機械からの空気注入がさらに勢いを増す。その勢いで700㎝を超えた。
「破裂してもいいからあ! もっと膨腹させてえええ!!」
 既に限界と思われていた膨腹は、まだ余裕があるかのように続いていく。既に限界と感じていたのが嘘のようだった。
「持ってきました!」
「貸して下さい!」
 間戸部がすぐさま機械に殴りかかる。バキン、と金属が見事にひしゃげる音を立てたと同時に、変形してできた隙間から大量の空気が噴出する。その時点で、膨腹が止まった。

13幻龍総月:2016/05/20(金) 21:30:35 ID:6n0yjna.

「土門さん! 大丈夫ですか?!」
 間戸部が無事の確認をする。
「あ、はい……。大丈夫、です」
 膨腹が止まって我に返った京華はさっきまで自分の嬌声を聞かれてないか不安だった。
「しかし、これはまた随分と大きくなりましたね」
「はい、自分もびっくりです」
 既に800㎝近い大きさまで膨らんでいる自分のお腹を見て感心していた。人間頑張ればできるものだと。
「もしかして、さっき飲んだ栄養ドリンクのおかげ……?」
「栄養ドリンクですか?」
「はい。私の鞄に空になったのが入っているんですが」
「失礼します」
 中を確認すると、確かに栄養ドリンクがあった。しかし、
「……ただの栄養ドリンクですね。この2つは私もよく飲んでます」
「あ、そうですか」
「計測でました!」
 一応膨腹の限界を確認する検査なので、計測をしていた。
「腹囲798㎝です!」
 周囲から驚きと感心の声が上がった。
「まあ、仕方ないわね」
 マルルはその記録に賞賛の意を込めて、拍手をする。それにつられて、周りのメンバーからも拍手が送られた。
「おめでとうございます、土門さん。ファーストライブのセンターはあなたです」
「あ、ありがとうございます!」
 こうして、土門京華はバルーンシンデレラのセンターに任命されたのだった。

14幻龍総月:2016/05/29(日) 07:39:07 ID:pupsm.HM

 デビューが決まって数週間後、遂にファーストライブが始まった。会場は小さいライブハウスだったが、それなりに人が集まっていた。
 センターには京華がいた。明るく楽しく歌っている。お腹をパンパンにしながら。
「いいぞー京華!」
「すっごくアイドルだよー!」
 目の前には友人2人が応援してくれている。
「(千子、美玲、ありがとう。私すっごく輝けてる!)」
 小型の空気注入機が女性器とお尻に挿入されており、時間が経つに連れドンドン膨腹していく。
「うおおおお! すっげえ膨腹!」
「はあはあ、興奮してきた!」
 観客から熱い視線が注がれる。その感覚に京華はゾクゾクとする高揚感を覚えた。
「(あ、やばい。何か、私も濡れてきちゃう)」
 緩くなる表情を抑えながら、歌い続ける。しかし、股間、女性器から愛液が流れ出し、グチョグチョになっていた。
「それじゃあ最後に行くよー!!」
 歌が終盤を迎えると同時に、センターを中心に中央に集合する。
「「「イエーイ!!」」」
 決めポーズを取った瞬間、一気に膨腹が進みあっという間にステージがボテ腹風船に埋め尽くされた。
「あひい!!」
 京華はその衝撃に快感を感じ、少量だが潮を吹いてしまった。それでも何とか正気を保ちライブを成功させた。

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16幻龍総月:2016/06/20(月) 21:21:26 ID:Iv5BGQmM

 ライブが終わり、軽い反省会をした後、いつもの3人で帰路についていた。
「ライブすっごく良かったよ! 何て言うか、輝いてた!」
「うんうん、私も感動した。あんな風にアイドルやれるなんて憧れちゃうよ」
「そう言われると照れるなあ」
 2人の言葉を照れくさそうに返答する京華。初のライブで沢山褒められているためか、どこか恥ずかしそうにも見える。
「(良かった。2人共私のアヘ顔に気付いていないみたい)」
 実の所、ライブの最後の最後で快楽に負けて、アヘ顔になっていたのだ。もちろん自分では最初気付いていなかったが、他のメンバーに言われてやっと気付いたのだ。
「それじゃあ私こっちだから」
「うん、じゃあね」
「気を付けてなー」
 千子を見送りながら2人もそれぞれの家に帰る。
「じゃ、また明日」
「うん、また明日」

17幻龍総月:2016/07/02(土) 11:39:11 ID:jcdr51Ro

「はあ、どうするかなあ」
 いつも一緒にいる2人はそれぞれ用事があって休んでいた。
「……何か寂しい」
 自分一人が取り残された気分だった。いつも一緒にいたから1人になるなんてことを考えたことがなかったからなのか、いざ1人になると寂しい気持ちになった。
「今日はこのまま帰るかな……うん?」
 とある電器屋の前で足を止めた。大型の液晶テレビに映っていた番組が目に入ったからだ。
『今人気のグラビアアイドル、TiTiさんは妊娠8ヶ月! しかも八つ子とあって見事な臨月ボテ腹です! 近年稀に見る妊娠ブームが到来しています! そんな私も三つ子を妊娠中です!』
「妊娠ブームね」
 最近では妊娠ブームが到来し、連日ニュースで紹介されている。
「まあ千子が頑張ってるし、私には関係無いか」

・・・

 数日後、美玲達が通う学校でも妊娠ブームが起こっていた。
「おはよう海原さん」
「うっす、管崎。管崎も妊娠?」
「そうなの、まだ日数はそんなに経ってないけどね」
「そっか、頑張れよ」
 クラスの女子の大半が妊娠していた。方法はそれぞれだがお腹がそこそこに大きくなっている。
「(何か、私が浮いてる感じになってる)」
 疎外感を感じながら、退屈な授業を受けるのだった。

・・・

 帰り道。美玲はまた一人で街を歩いていた。
「何だか付き合い悪くなっちゃったなー」
 2人が忙しいのは承知の上だが、やはり寂しい感情があった。
「私も何か始めようかな」
 うろうろしていると、横道から男が飛び出してきた。すぐに気付けたが、避けることができずぶつかってしまった。
「うお?!」
「うわあ?!」
 その勢いでお互いにその場で転んでしまった。
「痛たたた……」
「気を付けろよなもう……」
 ぶつかってきた男はスーツを着込んで小太りだった。何か大きな荷物を抱えている。
「お、お嬢さん! 怪我は無いかい?」
「え? いや、私は別に」
「お詫びと言っては何だが、これをあげよう」
 男は持っていた荷物を美玲に押し付けた。
「え、ちょっと」
「それじゃあ私はここで!」
 返事を待たずにその場を走り去ってしまった。すぐに姿が見えなくなり、追いかけることはできなかった。
「なんなんだ、あのおっさん」

18幻龍総月:2016/07/17(日) 08:01:06 ID:t.cjiBEg

 家に帰った後、夕飯と風呂を済ませて自室に戻っていた。押し付けられた荷物はとりあえず自分の部屋に持ち込んだ。
「これ中身なんだろ?」
 荷物である大きなボストンバックを開けてみる。中には液体が入った大量の小瓶と細いチューブが付いた注射器、説明書の紙、電極パッドが付いた機械が複数入っていた。
「……なんだこれ?」
 とりあえず説明書に目を通す。
『商品名:超簡単膨腹妊娠セット
 この商品は誰でもお手軽に妊娠できる超便利グッズです。
 使用方法: 
 1.小瓶に入っている液体を注射器で子宮に注入してください。
 2.しばらくしたら、電極パッドをお腹に貼って機械を作動させて下さい。
 3.数分もすれば、立派な妊婦に!』
 大体の内容を読み取り、説明書を置く。
「うーん、うさんくさい」
 そう言いつつもこのセットに興味があった。周りのみんなは妊娠ブームで妊娠し、友人たちはそれぞれやりたいことを見つけたからだ。自分だけ何も無いことにどこか疎外感を感じていた。
「……物は試しだ。やってみよ」
 早速小瓶の液体を注射器で吸い上げる。
「何か足りないな」
 1つ入れてみたが、注射器の3分の1にも満たなかった。量が足りていないと思い、小瓶をさらに4つ使って満タンにする。
「これでいいかな?」
 細いチューブをセットし、自分の女性器にチューブの先端を挿入する。ぬるぬると入っていき、子宮に到達する。
「うう、冷たい! ちょっと温めてから入れればよかった」
 文句を言いながらも、慎重に子宮内へ入れる。注射器に入れた液体を子宮内に注入する。
「うひゃあ!?」
 液体も冷えたままだったので、入れた瞬間びっくりしてしまったのだ。
「うう、またやっちゃった」
 注入を完全に終え、お腹がタプタプになったのを確認する。そして、電極パッドを付けて機械の電源を入れる。
「さて、どれくらいで大きくなるかな?」
 ワクワクしながらお腹が大きくなるのを待つ。
 
・・・

 30分経過。
「中々大きくならないなあ」
 美玲のお腹はまだ大きくならず、平坦なままだった。
「まあ個人差もあるだろうし、もうちょっと待つか」

・・・

 1時間後。
「……全然大きくならない」
 お腹は以前として大きくならず、前兆のようなものも起きない。
「もう少し待とう。もう少し」

・・・

 2時間後。
 お腹はうんともすんとも言わず、大きくならなかった。
「ちくしょー! インチキじゃねーか!」
 さすがの美玲も腹を立てた。
「あーもう寝る! もう遅いから寝る!」
 なんだかバカバカしくなってしまい、そのままベッドに横になる。
「はあ、期待した私が馬鹿だったよ」
 文句をいいながらそのまま眠りに付いた。

・・・

 そして、一夜明けて。
「う、ん……?」
 太陽の光で美玲は目を覚ました。
「もう朝か、ふああ……」
 起き上がろうとすると、身体が重かった。
「あれ? もしかして」
 視線を落とすと、そこには立派なまでに大きくなった自分のお腹があった。腹囲は既に100㎝超えている。
「やった! ボテ腹になってる!」
 大きくなった副作用なのか、胸も一回り大きくなっている。
「へへへ、これで私も妊婦の仲間入りだ」

19幻龍総月:2016/08/07(日) 14:00:12 ID:l7lkSHqw

 念のため簡易検査をし、妊娠が確実なものになった。両親も拍手と涙で喜んでくれた。
 その後すぐに登校し、クラスのみんなとの浮いてる感じを払拭した。なにより嬉しかったのは、仲が良い2人と会えたからだ。実に4日振りだった。
「妊娠おめでとう美玲!」
「いやいや、千子と比べたら足元にも及ばないよ」
「そう謙遜しなくてもいいよ。ところで何人孕んだの?」
「医者が言うには3人だって。出産は一ヶ月先だけど」
「そっかー、私は一旦身体を休ませないといけないからしばらく妊娠できないんだよね」
「私は膨腹トレーニングを現在進行形でやってるよ。ほら」
 京華はスカートをめくりあげ、穿いているパンティーを見せる。女性器には大量の機械が付いている。
「これでいつでも子宮の膨腹トレーニングができるの」
「へー、すごいね。私でも使えるの?」
「残念だけどこれは私専用。他の人が使うと危険だよ」
「それもそうか、ははははう?!」
 美玲が突然嘔吐するようなモーションになった。
「美玲大丈夫?! つわり?」
「あ、ああ。多分それかも、ちょっとトイレ行ってくる」
「私達も付いてくよ」
 2人に支えられながら、膨腹中専用のトイレに入って行く。なんとか便器に座らせて落ち着かせる。
「大丈夫だよ、さすってあげるから」
「何か飲み物買ってくる」
 京華は飲み物を買いに外へ出た。千子は美玲の背中をさすりながら声を掛ける。
「大丈夫だよ、私が付いているから」
「うん、ありがとう。うっ」
 吐きそうになりながらも少しこらえる。その時、この苦しさが吐き気ではない事が分かった。
「あれ?」
「どうしたの美玲?」
「つわりってさ、気持ち悪くなって吐くんだよな?」
「うん、そうだけど。それがどうかしたの?」
「いや、何か胃が圧迫されている気がして」
 美玲は気持ち悪くではなく、圧迫されて苦しいことに気付いたのだ。
「何だろ、お腹の中で何かが……」
 お腹をさすった瞬間、ボンッ! と、体内で爆弾でも爆発したのかと思うくらい勢い良く膨腹したのだ。その大きさは腹囲150㎝は超えていた。
「う、げ」
「!?」
 突然起きた異常事態に2人は困惑した。このような現象に遭遇するのは彼女達の今まで生きた中で一度も見たり聞いたり、体験したことがない。
「な、何だよこれ?」
「これって、急成長? でもこの大きさだと」
 千子はスマホを取り出し、ある人物に連絡する。数回コールした後、電話がつながった。
「『はい、福留です』」
「福留さん、今いいですか? 緊急事態なんです。急いで網谷さんにつないでくれませんか?」
「『わ、分かりました。少々お待ちください』」
 電話が切り替わり、網谷につながる。
「『網谷だ。どうかしたのか?』」
「実は------」
 千子は事細かく現状を報告した。美玲が急に膨腹したこと、現在の状態も話した。
「『なるほど、事情は分かった。それはおそらく赤子の大人化だ』」
「大人化?」
「『そうだ。何かしらの薬品で急成長したのだろうな、しかし産めないということは無い。その子を出産させるんだ』」
「ええ?! 私出産したことはありますけど手伝ったことはないですよ!」
「『急がなければ破裂する可能性がある。私もすぐにそちらに向かう。それまで出産準備をしてくれ』」
「え、ちょっと?!」
 まだ話そうとしたが、向こうから切られてしまった。
「や、やるしかないよね」
 千子が振り返ると、美玲のお腹は既に200㎝を超えている。その急な変化に美玲自身が追いついていない。相当な負担になっている。
「美玲、とりあえず息を整えよう。今から私のやり方を真似して」
「う、うん」
 痛みを少しでも和らげるために、ラマーズ法で呼吸を整えさせる。
「ヒッ、ヒッ、フー。ヒッ、ヒッ、フー」
「いい感じだよ、そのまま呼吸を続けて」
「持ってきたよってうわ?!」
 戻ってきた京華は今の状況を見て驚いた。千子はすぐに説明をして納得してもらった。
「そんなことが……」
「今は少しでも痛みを軽減させないといけないの。できれば出産もさせたいんだけど」
「なら私にまかせて」
 京華は腕まくりし、出産準備に取り掛かる。
「この間アイドル活動の一環で出産講義を受けてきたの、なんとかできるかもしれない」
「きょ、京華」
「安心して、ちゃんと出産させるから」

20幻龍総月:2016/10/07(金) 18:47:37 ID:VFKvPK7.

 網谷はタクシーを走らせ、千子達の学校に到着する。急いで校内のどこにいるかを電話で聞く。
「網谷だ。校内のどこにいる?」
「『網谷さん大変なの! 早く来て下さい!』」
「何があった?!」
「『1人出産できたのは良かったんですけど、後2人がさらに大きくなっちゃって』」
「何?」
 
・・・・・

 指示された場所に向かうと、そこには驚きの光景があった。
 美玲のお腹は腹囲400㎝を軽く超えていた。
「何だこれは?」
「網谷さん!」
「取り出した1人目は?」
「は、はい。あそこに」
 生まれた1人目は成人女性とほぼ同じ体格だった。その上巨乳で美人だ。
「これで残りが2人なのか? どうみてもそれ以上だぞ」
 触診で美玲のお腹の状態を確認する。耳を当てて動きも確認する。
「……おいおい、どう聞いてもおかしいだろ」
「何が分かったんですか?」
「とんだヤブ医者に引っかかったな。お腹にはまだ4人以上いるぞ」

21幻龍総月:2016/10/08(土) 10:13:09 ID:iR0jPVRY

 それから間もなく救急車が到着した。その救急車の中で、網谷の協力のおかげもあり無事に全ての出産が終わった。生まれた子は合計で6人。全員成人女性と同じ位の大きさだった。
 病院に搬送された美玲はすぐに入院。精密検査を受けることになった。千子達と網谷は病院の待合ホールで待機していた。
「美玲、大丈夫かな」
「あれだけの出産を帝王切開無しで行ったんだ。しばらくは動けないだろう」
「でもどうして赤ちゃんがあんな大きさに急成長したんだろう? 私も沢山産んできたけど、あんな風にはならなかったよ」
「それはここの医者に結果を聞くしかあるまい。出来れば私も調べたいが、大人の事情で全くもって動けん」
 1時間後。1人の医者が3人に駆け寄ってきた。
「海原美玲さんのご友人方でお間違い無いですか?」
「はい、間違いありません」
「美玲は、美玲はどうなったんですか?」
「大丈夫です。今は安静にしていますので、明日には退院できるかと」
「そうですか……」
「ところで、何で私達に声を掛けたんだ?」
「そうでした。実は彼女に異常な変化が見られたんです」
「異常な変化?」
「はい。ここで話すのもあれですし、こちらへ」
 案内されたのは診察室だった。中に入ると担当医と思われる白衣を着た男性がいた。
「皆さんお集りですね。私は担当医の塩川です。この事はご家族にもお話ししますが、先に皆さんに聞いておかなくてはならないことなのでお呼びしました」
「聞きたいこと、ですか?」
「ええ、彼女、最近何か怪しい薬を服用したりしていましたか?」
「いえ、全く」
「私も知りません」
 千子と京華は首を横に振る。
「そうですか……。それなら本人に聞くしかなさそうですね」
「それで、異常な変化というのは?」
「ああ、そうですね。まずはこれを見て下さい」
 パソコンのディスプレイに何枚かのレントゲン写真を表示した。
「卵巣辺りを見て下さい。異常なまで肥大化しているのが分かりますか?」
 そこには子宮と同じ位大きくなった卵巣が映っていた。さらに、
「そしてその下に見えているもの、これはおそらく精巣です」
「精巣だと?! あの子の内臓にそんなものが出来ているのか!?」
 思わず網谷が声を荒げる。
「落ち着いてください。確かに驚くべき変化ではありますが、改造を施しているなら普通のことです」
「でも美玲は……」
「はい、こちらでも調べましたが、そのような経歴は一切ありませんでした。手術痕も見当たりませんでした」
「という事は」
「この短期間の内に何らかの薬を服用して肉体が変化したといえるでしょう」
「それで、美玲の体はどんな風に変わったんですか?」
「まだ推測の域を脱しませんが、おそらく一定のタイミングで排卵、受精、急成長が起こる体になったと考えられます」
「ようは個人で自動妊娠できる体になったわけか」
「美玲は、どうなるんですか?」
「それに関しては彼女から事情を聴いて判断します。詳細が分かり次第、皆さんにご連絡します」
「……なぜ私達に言ったんだ? この程度の事なら話す必要性は無いだろう」
 網谷は医者に疑問をぶつける。
「ええ、おっしゃる通りです。問題はここから何です」
「と、言いますと?」
「実は彼女の生んだ子供、福原さんと土門さんの名前を発しているんです」
「え?」

22幻龍総月:2016/10/30(日) 20:59:37 ID:ScnjaC9o

 医者が言うには、大人になって生まれてきた子供は知能も発達しており、会話できるレベルに達しているという。その会話で2人の名前が出てきたという。
「何か心当たりはありませんか?」
 そう聞かれても何のことかさっぱりだった。
 その後、3人は面会を求めたが、断られてしまい致し方無く病院を後にした。
「美玲、大丈夫かな?」
「問題ないだろう。あの医者は信用に値する経歴の持ち主だ。今は任せておけばいい」
「はい……」

・・・・・

 数日後
「うっす! おはよう!」
 海原美玲は何事もなかったかのように登校してきた。
「美玲! もう体は大丈夫なの?」
「ああ、この通りピンピンしてるよ」
「よかった、退院できて。連絡取れなかったから心配したよ」
「ごめんごめん、色々と忙しくて」
「ていうか、そのお腹……」
 視線を落とすと、美玲の大きいお腹が目立っていた。腹囲はおそらく200㎝弱だと思われる。
「ああ、何か勝手に妊娠するみたいでさ。こればっかりは治せないらしいんで前向き付き合っていくさ」
「美玲らしい」
「へへへ、ありがとう」
「褒めてないよーもー」
 体の形は変わったが、それぞれの性格まで変わったわけではないのだ。
 こうして、3人にまた笑顔が戻って来た。

23幻龍総月:2016/10/30(日) 21:01:00 ID:ScnjaC9o

【お知らせ】

次回より、新章突入。

乞うご期待下さい。

24幻龍総月:2016/12/04(日) 23:39:03 ID:sZ2ZZbaI

 あれからしばらく経ち、季節は夏になった。千子は今日も全身妊娠するためステーションに向かっていた。
 千子の身体はほとんどの場所に妊娠できるよう改造が進んでいた。以前は子宮、胸、尻だけだったが、今では膀胱、小腸、大腸でも妊娠できるようになった。今度は胃でも妊娠できるよう改造してもらうことになっている。
「皆妊娠出産で頑張ってるし、私ももっと頑張らないと」
 今は一切妊娠していない一般的な体型で行動している。なので最寄り駅からステーションまで徒歩で移動している。
 ちなみに現在の出産数は84人。ちゃんと全員の世話もこなしている。
「さてもうそろそろ着くはずなんだけど……、ん?」
 どこからか声が聞こえた。しかし周りを見ても誰もいない。
「空耳、かな? いやでも……」
「そ……、ど……!」
「もしかして、上?」
 見上げてみると、
「どいてどいてーーー!!」
 空から女の子が降って来ている。
「え、え?!」
 右往左往したせいで、すぐに避けるという動作が遅れてしまった。
「きゃあ!?」
 ギリギリでかわして直撃を免れた。降って来た女の子は地面に刺さるような形で落下、着陸した。
 凄まじい威力だったためか、ちょっとしたクレーターが完成し、ゲームキャラが敗北したかの様な態勢で倒れていた。
「し、死んでないよね?」
 恐る恐る近付き、状態を確認する。身体には目立った外傷は見当たらず、気絶しているかのように見える。
「も、もしもし?」
 生きているか声を掛けてみる。しかし返事はない。試しに突っついてみるが、反応はない。
「これはもう、死んじゃってるのかな?」
 一人どうしようもない状況に追いやられた千子は急いでスマホを取り出す。
「救急車? それとも警察? えっと、えっと」
「ああ、大丈夫です。生きてますから」
 のそのそと起き上がり、身体を起こした。
「いやはや、失礼しました。お怪我はありませんか?」
「私は大丈夫ですけど、貴方の方は……?」
「この通りピンピンしてますよ! ほら」
 身体のあちこちを動かしながら無傷なのをアピールしてくる。
「ね? 大丈夫でしょ?」
「ええ、まあ……」
「おっと、紹介が遅れました。私『カルマ』と申します」
「福原千子です。よろしくです」
 とりあえずお互いにあいさつを済ませ、歩道の影がある場所に座る。
「あの、いきなりなんですけど、何で上から落ちてきたんですか?」
「えっとですね、ある組織から逃げ出そうと飛行機から脱出を試みたんですが、うっかり落ちてしまいまして」
「はあ……」
「ああ、そうだ。もし良かったらこれあげます」
 懐から小瓶を取り出した。中には飴玉のような物がたくさん入っている。
「これは?」
「ただの飴です。心配してくれたお礼というか」
「じゃあお言葉に甘えて」
 小瓶から一つ取り出して口に運ぶ。味はごく普通の苺味だ。
「うん、おいしい」
「でしょ? よければもう一個どうぞ」
 進められるままに飴を食べていく。小さい飴だったので、いくつも食べてしまった。
「あ、ごめんなさい。あなたの飴なのにこんな……」
「お気になさらず。ところで、身体に変化はありませんか?」
「え? 特にないけど……」
 お腹を触った瞬間、異変に気付いた。
 内臓に触れる感覚がしたのだ。それも一つではない。いくつもあるのだ。
「こ、これって」
「ふふ、どうやらお姉さんには適性があるみたいだね」
 カルマは立ち上がり、千子の前に立つ。
「お姉さんが食べた飴、実は薬だったんだ」
「薬?」
「そう、『進化薬』っていうね」
 楽しそうに笑みを浮かべながら千子の身体に触れる。

25幻龍総月:2016/12/04(日) 23:39:50 ID:sZ2ZZbaI

「お姉さんの体、かなり改造されてるでしょ? それだと限界が来るだろうね。でも安心して、進化すればお姉さんはそんな制限はなくなる」
「私の体はどうなるの?」
「お姉さんの意思しだいだよ。生かすも殺すもね」
「それってどういうこと」
「お姉さんの意思で身体が進化するんだ。変化を拒むならこのままで進化はしない。でも受け入れるのなら、お姉さんには無限の可能性を秘めた進化し続ける肉体になる」
 まるでSFのような話だった。しかし、嘘を言っている雰囲気でもない。脅かすにはあまりにも緊張感のある空気だからだ。
「さあどうする?」
 カルマへの返答に迷う。それは恐れからくるものだと分かる。このままでも十分なのだが、もしこれを超えることが容易になるというのなら、と思うと自分の欲望が胸中で膨らみ始めてしまう。それが恐ろしいと感じたのだ。
「わ、私は……」
「もしお姉さんが嫌ならこの話は無かったことになる。そしてこのチャンスは二度と来なくなる。永遠にね」
「っ!」
 その一言で吹っ切れた。自分の恐怖や迷いは無くなり、カルマに返答する。
「する。私進化する! だから方法を教えて!」
 答えは出た。カルマは不敵な笑みを浮かべて千子に応じる。
「その言葉を待っていたよ」
 表情から嬉しさが溢れだしていた。
「じゃあ早速始めようか」
「その前に場所を変えない? ここだと人が通るだろうし」
 近くにはカルマが作った大きなクレーターが残っている。しかも道端で車が何台も通る可能性が高い車道がある。
「そうだね、お姉さんいい場所知らない?」
「そうね、だったら……」

26幻龍総月:2017/02/14(火) 11:16:13 ID:ArIoW3gc

 しばらく歩いて移動していると、森林が見えてきた。その中に小屋が不自然に存在していた。
「あれは?」
「休憩小屋よ。と言っても、監理していた林業の会社が数年前に破産しちゃって、これだけが残されちゃったの。近所の人達はあまり近付かないのだけど、森林浴ができるから時々来てるの」
「なるほど、それは丁度いい場所ですね」
 2人は中に入り、早速進化について話し始めることにした。
「それじゃあお姉さん、これを飲んでくれる?」
 差し出されたのはさっきとは別の色をした飴玉だった。
「これを飲めば進化がしやすくなる。ただし時間は1時間という制限付きだから」
「分かったわ」
 その飴玉を受け取り一気に飲み込む。
「これで進化するのはかなり簡単になったはずだよ。試しに自分の体に何か付け加えるイメージをしてみて」
 千子は目を閉じてイメージする。せっかくなので、胸を大きくするイメージをしてみた。すると、胸が急激に大きくなる。
「きゃあ?!」
 あまりに急な事だったので、驚いてしまった。おそらく3サイズ程大きくなったと思われる。
「イメージだけでこんなに肉体が変化するんだ。じゃあ次はもっと細かいところを進化させてみようか」
 そう言われて、千子はイメージを働かせる。
 ますは子宮。ここで沢山の赤ちゃんを受け入れるのだが、やはり限界がある。そのために体のあちこちでも妊娠できるようにしたのだ。
「(なら、もっと産めるようにするにはどうしたらいいのかしら……?)」
 そう考えていると、ふといいアイデアを思いついた。
「(そうだ、子宮が複数あればいいんじゃないかな。そうすればもっと多くの赤ちゃんを産める!)」
 イメージを働かせて一気に子宮を進化させる。
 入るための穴は一つだが、ボルチオで枝分かれするように子宮を増やしていく。
「よし、子宮の進化完了。次は……」

27管理者権限削除:管理者権限削除
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28幻龍総月:2017/07/17(月) 14:46:35 ID:tabX/Z0g

 1時間後。彼女の体は大幅に進化を遂げた。
「はあはあ、意外と時間内で進化させるのって難しいのね」
「お疲れ様お姉さん。それじゃあどんなふうに進化したのか教えてよ」
「ええ、良いわよ」
 千子の身体はくまなく進化を遂げていた。
「子宮は5個に増やしてさらに妊娠できるようにしたわ。おっぱいの中にも子宮を3つずつ新たに作ったの」
「これで妊娠できる子宮が大幅に増えたわけだね。でもそれだけじゃあないんでしょ?」
「ええ、おっぱいとお尻は前より3倍以上大きくできるようにしたの、これでさらに複数の子供が創れるようになったわ」
 嬉しそうに答える千子。まるでサンタクロースからプレゼントを貰った子供ようだった。
「おっぱいには乳腺のそれぞれに子宮を造って、お尻には内臓が無いからそのまま子宮を増やしたわ」
「なるほどなるほど」
「後、これが一番大変だったけど消化器系の内臓の殆どが精子を吸収して妊娠できる疑似子宮にしたの。それぞれの機能を残したまま子宮として使えるの」
「凄いよお姉さん、僕の予想を超えてくる進化をするなんて」
「ありがとう、でもよかったの? こんな貴重な薬私が使って」
「いいんだよ、お姉さんには才能があるからね」
「才能?」
「まあ気にしないでってこと、あんまり深い理由があるわけでもないからね」
 千子は彼が何か隠しているように思えたが、思い違いだと思いそれ以上は掘り下げないことにした。
「……おっと、そうだ」
 千子を呼び止め両手をしっかりと包むようにして握る。
「何?」
「僕からお姉さんへのお返し。えい」
 強く握った瞬間、千子の身体の内側が変形を始めた。
「え、な?!」
「大丈夫、特に問題はないよ。僕が新たに進化させたんだ」
「進化、を?」
「うん。ここまで内蔵を進化させたんだからさ、もういっそ骨も進化させちゃおうかって」
 骨がメキメキと音をたてながら変形していく。外からでは特に変わりがないが、確実に体内で変形が起こっている。
「僕自身もあの薬と同じ能力を持っているんだ。だからお姉さんの体を進化させるなんて朝飯前なんだ」
 変形で動けない千子に淡々と説明していく。
「そんな能力をもっているせいで化け物だの宇宙人だの言われ続けてきたんだ。でもお姉さんは違った。目の前で人間じゃないのを目撃しているにも関わらず優しく接してくれた。だから確信したんだ、お姉さんなら僕と同じになってくれるって」
「あなたと、同じ?」
「そうさ、僕と同じ進化し続ける化け物になってくれるって!」
 その表情は狂気に満ち溢れていた。ただただ喜びを表しているのだと思われるが、それをはるかに超える狂気があった。
「さあもう少しでお姉さんの改造は完了するよ。気分はどう?」
「ええ、悪くないわ。でもね」
 千子はゆっくりと立ち上がり、カルマの肩に手を掛ける。
「自分を化け物なんて言わないで、それじゃあ本当にあなたが化け物になってしまうから」
「っ……」
 予想外の反応に戸惑いを隠せなかった。あれだけ狂気に満ちた言葉を聞いてもなお彼女は優しかった。決してぶれなかった。
「……はは、すごいよお姉さん。僕の事をまだそんな風に言ってくれるなんて」
「そうかな?」
「うん、本当に凄いよ、本当に……」
 俯きながら千子に心を少しだけ開ける。開けていいと思えた。
「それでお姉さん、身体の方はどんな感じ?」
「え? えっと、変わったのは分かったけど、あんまり大きくは変わってない気が……」
「それもそうか、じゃあ僕から解説するね。お姉さんの骨は内蔵に生まれ変わったんだ」
「……え?」
「あー、うん。何言ってるのか分からないって顔してるね、簡単に言うと骨の中に全ての内臓機能を融合させたんだ。骨の中に内蔵が詰まっているんだ」
「え、じゃあ元々内臓があった場所には何が……?」
 千子は自分の言葉でハッと気付いた。
「もしかして、全部子宮になったってこと?」
「大正解! これでお姉さんが望んでいた全身妊娠が可能になったんだ。まあでも、腕や足は避けたけどね」
「ほ、本当に出来たんだ。私の体」
 全てを受け入れ切れてないが、大体の事は理解できた。
「じゃあ早速妊娠してくる?」

29幻龍総月:2018/02/14(水) 23:32:41 ID:ExcWAm2A

 それから数日後。千子の身体は驚くべき姿に変わっていた。
 全身がまるで水風船の如く膨らんで垂れ下がっているのだ。通常の妊娠によるボテ腹とは全く異なる膨らみ方をしている。しかも腹や胸、お尻の部位に関しては、自身の体よりも大きく膨らんでおり、地面スレスレの状態を保っている。ここ数日は子供の世話ということで休みを貰っており、着れる服は殆んど無くなってしまったため、隠せるところを何とか隠した半裸状態で過ごしている。あまりにも大きくなり過ぎて若干生活に支障が出ている。
「お姉さんの子供ってこんなにいたんだ。でもすぐに限界くるんじゃない?」
 カルマは身を隠すため、千子の子供を育てている別荘に身を隠している。その代わりに子供達の面倒を見ているのだ。
「うん、実を言うとベビーシッターを頼もうかなって考えてたの。自分で言い切ったのに何だか情けないな」
「そうでもないよ、だって100人近い子供をちゃんと育ててきたんだから頑張ったほうだよ」
「……ありがとうカルマ。これからも色々とよろしくね」
「もちろん、よろしくね」
 カルマと軽い握手を交わし、千子は微笑んで次の進化のための準備をするのだった。

30幻龍総月:2019/03/05(火) 23:52:53 ID:Txm55.8I

お久し振りです。幻龍総月です。
とりあえずこれで一旦区切りまして、新しいストーリーを書けたらなと思っています。
改めてよろしくお願いします。

31名無しさん:2019/03/09(土) 13:43:45 ID:ZByGj.wM
>>30
なるべくなら他の小説の奴にも協力してほしいです
バルーン相撲とか膨腹体質とか


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