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素晴らしき膨らみの世界

3幻龍総月:2016/02/14(日) 22:55:59 ID:A.QKTSEI

 放課後、千子は寄り道せずに家に帰った。
「ただいまー」
「お帰りなさい、千子。今日も沢山勧誘来てたわよ」
 そう言って出迎えてくれたのは、母親の千恵梨だった。彼女は膨乳に長けており、今はEカップだが膨らむと胸囲300㎝を超えることができる。
「勧誘って、またチラシが大量に届いたの?」
「そうよ。ほら見て、昔とは違ってこんなに種類があるのね」
 食卓テーブルには大量のチラシが置いてあった。膨乳膨腹の薬、エステ、手術、他にも色々ある。
「それで、どれにするか決めたの?」
「いや、全然決めてない」
「あら、もうそろそろ決めないと国から急かす手紙が来ちゃうわよ」
「そうだけどさあ……」
 規定年齢を超えてまだ膨腹膨乳の施術を受けてない場合、国の方から急かしてくる手紙が来るのだ。これは法律で決められているので、無視したら強制的に施術させられてしまうのだ。
「まあこれからのこともあるし、ゆっくり考えなさい。私もお父さんも急かしたりしないから」
「うん、ありがとうお母さん」
「このチラシはひとまず別の場所に置いときましょうね」
 まとめて持ち上げるが、いくつか零れ落ちてしまった。
「あ、千子。悪いけど落としたチラシ取ってもらえる?」
「いいよ、……あれ?」
 拾い上げたチラシの一つに目が止まった。
「千子? どうしたの?」
「……お母さん、私これがいいかも」
「え?」
 さっきまで悩んでいた娘が急に決断を下したのだ。これを驚かない親はいないだろう。
「ど、どれかしら?」
「ほら、これよ!」
 チラシを千恵梨にグイグイと見せる。
「えっと、『超多胎妊娠膨腹ステーション』?」
「私、膨腹するなら何か意味あるものにしたいの。これなら少子化対策の一環として役に立てるでしょ?」
「ええ、そうね。でも、出産は大変よ。つわりとか、マタニティブルーとか」
「うん、でも私はこれがいいの。お願いお母さん」
 千子の眼差しには今までにない輝きがあった。それははっきりと輝いていると表現できる物だった。
「……そうね、そこまで言うならいいわよ。ただし、途中で弱音を吐かない事、いいわね?」
「うん!」
「それじゃあ早速連絡してみましょうか」
 まだ夕方だったので、次の休みに見学できるかどうか問い合わせてみることにした。
「…………あ、もしもし? 超多胎妊娠膨腹ステーションですか? 私福原千子の母の千恵梨というものなのですが」
 しばらく電話でのやりとりが行われ、場所、日時、概要の日取りを決めた。
「はい、よろしくお願いします。……千子にですか? はい、今変わります」
 千恵梨は千子に受話器を渡した。
「担当の人が千子と直接お話ししたいって」
「私に?」
 受話器に耳をあて、電話に出る。
「はい、ただいま変わりました。千子です」
『千子さん、本日は我がステーションをお選び頂きありがとうございます。私、担当の福留といいます。ご来場して頂いた時には案内役を務めさせて頂きますので、よろしくお願いします』
「は、はい。こちらこそよろしくお願いします」
『内容の方はチラシでご確認を?』
「はい。私、超多胎妊娠膨腹に興味があるんです」
『そうですかあ。当施設でご満足いただけたら幸いです。それで、もしよろしければ敷地内の他施設も見学なさりませんか?』
「えっと、そう言いますと?」
『当施設は複合施設の一つでして、他にも沢山の施設が敷地内に点在しています。もしお時間いただけたらその施設のご紹介もと思っておりまして』
「うーん、じゃあお願いしてもいいですか?」
『ありがとうございます。日時や場所については、先ほどお母様にお伝えした通りになりますので、ご確認下さい』
「はい、分かりました」
『では、ご来場の方よろしくお願いします』
 深々とお礼するような口調で、電話が切れた。
「何か決まったの?」
「他の施設の案内もしてくれるって、日時と住所教えて」
「いいわよ、でもその前にご飯にしましょう」
「分かった!」


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