次に、後半について。
これは、適正手続保障が、公共の福祉による制約を受けうる人権か、ということが問題になると思う。
すなわち、きわめて重要な公共の利益をもってすれば、手続の法定なくして不利益処分を課しうる、というように、適正手続保障の、公共の福祉に基づく制約可能性を肯定すれば、君の言うように、行政はさまざまな非常手段をとりうることになる。
だけど、適正手続保障、とりわけその一内容である手続の法定について、法定されているかはall or nothingであるから、この限度までなら制約できるが、これ以上は制約できない、といった、表現の自由などに関する違憲審査基準適用の前提を欠く、というように理解すれば、手続法定に限定して言えば、法定されていれば合憲、法定されていなければ絶対的に違憲、ということになるだろう。
違憲審査基準の適用を全面化する芦部流憲法学に従えば、前者ということになるんだろうけど、僕などは、手続の法定はall or nothingの問題だから、簡単に前者であるとは言えないと考えている。