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【sage】雑談スレッド【マターリ】
215
:
や
:2008/03/07(金) 06:41:15
次に,早大江沢民事件との関係について。早大江沢民事件最判においては,御指摘の通り,問題となった個人識別情報と「本件講演会に参加を申し込んだ学生であること」(政治的信条を推測させるもの)は「秘匿されるべき必要性が必ずしも高いものではない」にもかかわらず,「このような個人情報についても,本人が,自己が欲しない他者にはみだりにこれを開示されたくないと考えることは自然なことであり,そのことへの期待は保護されるべきものであるから,本件個人情報は,上告人らのプライバシーに係る情報として法的保護の対象となる」,とされました。
ここで,一体何が本件判例と早大江沢民事件を分けたかを考えるに,早大江沢民事件最判が,「このようなプライバシーに係る情報は,取扱い方によっては,個人の人格的な権利利益を損なうおそれのあるものであるから,慎重に取り扱われる必要がある」,としているところが重要なのではないかと思われます。すなわち,本件の住基ネットにおいては,「取扱い方」が「個人の人格的な権利利益を損なうおそれ」がないものとされ,他方,早大江沢民事件においては,「取扱い方」が「任意に提供したプライバシーに係る情報の適切な管理についての合理的な期待」を裏切るようなものであって,「個人の人格的な権利利益」=「プライバシー」を侵害したということから,後者では,不法行為責任が認められたということだと思われます。つまり,「取扱い方」がキーポイントであるように思われます。
早大江沢民事件において,情報の「取扱い方」が主に問題とされ,「本件個人情報の秘匿性の程度,開示による具体的な不利益の不存在,開示の目的の正当性と必要性などの事情」は不法行為責任があるという結論を「左右するに足りない」,とされていることと,他方,本件において,住基ネット運用における個人識別情報の「取扱われ方」(関連法令の罰則,制度上の問題点等も含む)が,一応,検討されていることを考えると,情報の「取扱い方」如何,ということが,決定的なポイントであるように思われます。
なお,プライバシー権が民事法上認められていることは,周知の通りですが,憲法上のプライバシー権が「なぜ」認められるのか,については,あまり判示がなされていません。この点,以前の樋口先生と中島先生との対談(樋口陽一=中島徹「あらためて憲法13条裁判を考える―住基ネット訴訟に関連して」法時79巻11号70頁以下)でも指摘されていたように,森林法判決を梯子に人格権としてのプライバシー権を基礎付けることができたように思われます(これを「法制度保障」というのかどうかは要検討ですが)。そして,薬事法判決では,「人格」が強調されていましたし…(参照,石川健治「自分のことは自分で決める」樋口陽一編『ホーンブック憲法〔改訂版〕』(北樹出版,2000)183頁)。
こんなところでしょうか。
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