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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

1とはずがたり:2008/11/20(木) 23:44:28
関連スレ

農業スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165378/l40
エネルギー綜合スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1042778728/l40
環境スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1053827266/l40
電力スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1081280165/l40
メモ
http://members.at.infoseek.co.jp/tohazugatali/energy/index.html

1340とはずがたり:2014/09/11(木) 08:23:44

「メタンハイドレート開発」で世界の動きを加速させたのは・・・「日本の成果がきっかけ」=中国メディア
2014-07-02 06:36
http://biz.searchina.net/id/1536513?_ga=1.234016797.2073281657.1408298804

 中国メディアの中国経済新聞網はこのほど、日本や米国ではメタンハイドレートの商業利用に向けた研究開発において、健全な法体系のもと中長期の発展計画を制定し、長期的な研究と資金の投入を行っているとし、「中国も日米の動きを参考とすべきだ」と論じた。

 記事は、「メタンハイドレートは埋蔵量が多く、高いエネルギー密度を持つ低炭素の物質」と紹介、世界のエネルギー資源のなかでもっとも「潜在力」のある資源とみなされていると主張した。

 続けて、世界の主要国がメタンハイドレートの採取と利用に向けて戦略や計画を打ち出しているとし、日本や米国のほかインドやロシア、韓国などがメタンハイドレート採取に向けた長期発展計画を制定していると紹介した。

 さらに日本が2013年に海底からメタンハイドレートの採取に成功したことに対し、「近海の海底からメタンハイドレートを採取するうえでの技術をある程度確立できたと言える」とし、日本の“成果”がきっかけとなり、世界のメタンハイドレートを巡る探査や採取といった動きが加速したと論じた。

 世界の主要国が多額の資金を投入してメタンハイドレートの開発を行っている理由について、記事は「金融危機の苦境から脱するという経済的理由のほか、世界のエネルギー問題や気候変動といった環境問題において主導権を握るため」と主張。

 さらに、米国においてメタンハイドレートの研究開発に向けた法律が制定され、また日米などでは国を挙げての発展計画が打ち出されていることなどを挙げ、「わが国も他国を参考とすべきだ」と論じた。(編集担当:村山健二)

海洋資源開発すすめる日本 「技術は世界最高水準だ」=中国メディア
2014-08-13 06:30
http://biz.searchina.net/id/1540375

 日本が近年、海洋資源の開発に力を入れていることについて、中国メディアの中国海洋報はこのほど、「海洋資源の開発における日本の技術は世界最高水準だ」と指摘、海底から鉱物資源を採取するうえで、「日本は世界に先駆けて商業開発に成功する可能性が高い」と論じた。

 記事は、資源に恵まれない日本にとって、近海の海底に眠る豊富な鉱物資源は極めて貴重であることを指摘、「日本は1983年にはすでに深海の調査を開始し、2004年からは年間100億円以上を投じて海洋資源の探査を行っている」と紹介した。

 続けて、長年にわたって行われている調査の結果として、「日本周辺海域には日本の天然ガス消費量の100年分に相当するメタンハイドレートが埋蔵している可能性があることが分かった」と伝える一方、「隣国と海洋資源を巡って争っている日本は管轄海域を拡大するため、2008年に大陸棚限界委員会に対して延長の申請を提出した」と主張した。

 さらに記事は、日本政府が「海洋開発推進計画」や「海洋基本計画」を定めることで、海洋資源の開発を加速させると同時に、国際的な開発競争における競争力を持たせたと指摘。

 政府による後押しのもと、日本は海洋資源の採取に向けた技術や設備の開発で大きな飛躍を遂げたと伝え、日本は世界に先駆けて商業開発に成功する可能性が高いとの見方を示した。(編集担当:村山健二)

1341とはずがたり:2014/09/12(金) 13:25:49

パリ郊外の地下2000メートルに眠る地熱、住宅や学校で利用へ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NB9B9J6JIJV101.html?cmpid=yjp

  9月2日(ブルームバーグ):パリのエッフェル塔とオルリ空港の中ほどに位置する郊外で、作業員たちが昼夜を分かたず地殻の奥深くに眠る地熱を求め掘削に取り組んでいる。
掘削に携わっているのは米シュルンベルジェ など石油サービス会社の従業員たちだ。通常はオマーンの砂漠やブラジル沖の深海で油井の掘削を手掛ける従業員たちが、パリ郊外のビルジュイフで4カ月間にわたって作業に当たる予定だ。高くそびえるリグ(掘削装置)を操作し、低所得者層の住宅地と墓地の間にある区画を地下2000メートルまで掘削する。 
この作業は世界各地で進められている地熱開発の1つで、これらの井戸から近隣の住宅や学校、病院に数十年間にわたって地熱が供給される見通しだ。パリ地域には、アイスランドに次いで世界で2番目に多く低エネルギー地熱発電装置が設置されている。 
自治体が保有するこの地域の公益事業会社にとって新規の地熱井の開発は30年ぶりとなる。フランスでは原子力発電が推進されており、総発電量に占める原子力発電の割合は世界首位となっている。地熱発電装置もエネルギー自立への必要性から設置された。パリ周辺では1980年代初頭に数十カ所に地熱発電装置が設置されたが、その多くは財政難と技術的問題により、その後、操業が停止された。
フランスでは消費エネルギーのうち約14%を再生可能エネルギーが占める。欧州連合(EU)は、この割合を2020年までに20%とすることを目標に掲げている。

原題:A Mile Below Paris Drillers Hit Hot Pools to Warm Houses:Energy(抜粋)

1343とはずがたり:2014/09/27(土) 18:13:12

>水素発電所は世界で初めて商用レベルの設備を建設する。発電規模は90MW(メガワット)を予定している

>年間に利用する水素は6.3億N立方メートルを見込んでいる(N立方メートル=圧力・温度・湿度に左右されないガスの実量を表す単位)

>水素とLNG(液化天然ガス)を混焼させた発電方法も試して、発電量などのデータ収集と燃焼ノウハウの蓄積に取り組む

>水素供給グリッドは大量の水素を輸送・貯蔵する技術を生かして、川崎市臨海部の各種の施設へ水素を供給できるようにする(図2)。年間の水素利用量は発電所を上回る7億N立方メートルを想定

>水素を輸送・貯蔵する方法としては「有機ケミカルハイドライド法」を採用する。ガスの状態にある水素を液体に転換する方法の一種で、トルエンとメチルシクロヘキサン(MCH)という2種類の液体を使う。

で,肝腎の水素はどうやって入手するんだ?石油の副産物かなんかでとれんの??

2013年09月17日 11時00分 更新
世界初の「水素発電所」を東京湾岸に建設、2015年に90MWで商用化へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1309/17/news026.html

次世代のクリーンエネルギーとして注目を集める「水素」の商用プロジェクトが本格的に始まる。川崎市と千代田化工建設が2015年をメドに、東京湾岸に「水素供給グリッド」を構築するのと合わせて、世界で初めて商用レベルの「水素発電所」を建設する構想を打ち出した。
[石田雅也,スマートジャパン]

 川崎市と千代田化工建設は共同で「水素エネルギーフロンティア国家戦略特区」を国に提案した。東京湾岸の川崎市臨海部に大規模な水素エネルギーの供給拠点を構築する計画で、中核になるのは「水素供給グリッド」と「水素発電所」の2つである(図1)。いずれも2年後の2015年に実現を目指す。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/l_kawasaki_suiso2_sj.jpg
図1 「川崎臨海部水素ネットワーク」の展開イメージ。出典:川崎市総合企画局

 水素発電所は世界で初めて商用レベルの設備を建設する。発電規模は90MW(メガワット)を予定している。CO2を排出しない発電設備として、原子力を代替する期待がかかる。年間に利用する水素は6.3億N立方メートルを見込んでいる(N立方メートル=圧力・温度・湿度に左右されないガスの実量を表す単位)。

 さらに水素とLNG(液化天然ガス)を混焼させた発電方法も試して、発電量などのデータ収集と燃焼ノウハウの蓄積に取り組む。混焼発電を実用化できれば、LNGを燃料に使う火力発電所に水素を供給して、CO2排出量の削減を図ることができる。

 一方の水素供給グリッドは大量の水素を輸送・貯蔵する技術を生かして、川崎市臨海部の各種の施設へ水素を供給できるようにする(図2)。年間の水素利用量は発電所を上回る7億N立方メートルを想定している。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/l_kawasaki_suiso1_sj.jpg
図2 大量の水素を輸送・貯蔵する技術。出典:川崎市総合企画局

 水素を輸送・貯蔵する方法としては「有機ケミカルハイドライド法」を採用する。ガスの状態にある水素を液体に転換する方法の一種で、トルエンとメチルシクロヘキサン(MCH)という2種類の液体を使う。

 トルエンと水素を反応させるとMCHになり、MCHの状態で常温・常圧のまま輸送したり貯蔵したりすることが可能になる。水素を利用する場合には逆の反応(脱水素)でMCHからガスにして取り出す。この脱水素には大量の熱が必要になるため、水素発電所の排熱を再利用する計画だ。

 すでに千代田化工建設が有機ケミカルハイドライド法を使った水素の輸送・貯蔵システムの実証試験を進めている。同じ神奈川県内の横浜市にある事業所にデモプラントと貯蔵タンクを建設して、大量輸送や長期貯蔵が可能なことを確認済みである(図3)。

 川崎市と千代田化工建設が提案した国家戦略特区は安倍政権が成長戦略の一環で進めるプロジェクトで、採用されると国の支援を受けながら規制にとらわれない形で事業を進めることができる。第1弾として10月中に数カ所の特区が指定を受けることになっている。

 この特区で水素エネルギーの商用化を大規模に展開しながら、新たな再生可能エネルギーとして固定価格買取制度やグリーン投資減税の対象に水素発電を追加できるようにする狙いだ。合わせて水素ガス関連の規制緩和を求めていく。

1347とはずがたり:2014/09/27(土) 18:22:18
>再生可能エネルギーの電力を使って水素を製造することで初めてCO2フリーになるわけで、秋田県は先行して開発に取り組む。

2014年08月29日 15時00分 更新
水素と再生可能エネルギーで、秋田県がCO2フリーの産業振興へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/29/news024.html

風力発電を中心に再生可能エネルギーを積極的に拡大する秋田県が水素エネルギーの開発にも挑む。水素の貯蔵・輸送技術で先行する千代田化工建設と協定を結び、県内で水素インフラの構築に取り組む構想だ。地域の活性化に向けて新しいエネルギー産業の振興を目指す。
[石田雅也,スマートジャパン]

 秋田県と千代田化工建設が水素に関する連携協定を8月27日に締結した。両者で水素社会の実現に向けた取り組みを進めるために5項目の連携事項を掲げている。第1項は「再生可能エネルギーの開発と利用を踏まえた水素利用に関すること」で、この点に最大の目的がある。風力などの再生可能エネルギーを生かしてCO2フリーの水素を製造することが見込まれる。

 政府は2040年代に「CO2フリーの水素供給システム」を確立する新戦略を6月に発表した。現在のところ水素の大半は化石燃料から製造するためにCO2を排出する。再生可能エネルギーの電力を使って水素を製造することで初めてCO2フリーになるわけで、秋田県は先行して開発に取り組む。

 すでに秋田県は2011年に策定した「秋田県新エネルギー産業戦略」の中で、風力発電や太陽光発電と水素プラントを組み合わせた実証プロジェクトの構想を打ち出していた(図1)。それに先立って2009年から、日本海に面した大潟村で風力と太陽光、さらに蓄電池を組み合わせた実証事業を開始している。水素を加えた実証プロジェクトも大潟村で実施する可能性がある。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/akita_sj.jpg
図1 「スマートグリッド実証」の構想。出典:秋田県産業労働部

 一方で千代田化工建設は神奈川県の横浜市にある事業所の構内に「大規模水素貯蔵・輸送システム」のデモプラントを2013年4月から稼働させている(図2)。気体の水素を常温で液化して貯蔵・輸送する技術を利用して、水素の製造拠点から利用拠点へ安全に供給できるインフラの構築を目指している。

 千代田化工建設は神奈川県の川崎市と共同で、東京湾岸に水素供給インフラと水素発電所を建設するプロジェクトを推進中だ。秋田県では水素の利用面よりも製造面に重点を置いた開発を進めていくものとみられる。両者の連携協定の残り4項目には、「水素インフラの構築」「水素の貯蔵・輸送・エネルギー利用」「水素社会による地域の活性化」「水素社会の実現に資する取り組み」が盛り込まれている。

1348荷主研究者:2014/10/05(日) 19:28:18

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140909_5
2014/09/09 岩手日報
釜石に国内初の物流拠点 中国の太陽光パネル業者
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 世界的な太陽光パネル製造販売企業トリナ・ソーラー社(本社・中国江蘇省)は、釜石市片岸町に同社で国内初となる物流センターを建設する。中国で生産された太陽光パネルを釜石港に陸揚げし東北各地に配送する流通拠点で、2015年上半期の操業開始を目指す。国際コンテナ港の釜石港と復興道路など高速交通網の結節点という流通面での優位性に着目した立地で、同市の産業復興へ貢献する。

 8日開会の市議会9月定例会で野田武則市長が表明した。計画では、中国工場で生産した太陽光パネル年間約48万枚を輸送し、東北各地に発送する。発送するのは1千TEU(1TEUは長さ20フィートのコンテナ1個)分で、同港の年間取り扱い目標3千TEUの3分の1に当たる。

 事業費は3億〜4億円で、5〜10人を雇用。来年1月の着工を予定する。物流センターの整備により港湾だけでなく運輸など関連産業への波及効果が期待され、同市の関末広(すえひろ)企業立地課長は「物流拠点の集積は産業復興の起爆剤となる」と歓迎する。

 トリナ・ソーラーは今後の太陽光パネルの市場として東北地方を有望視。国際コンテナ港を抱え、三陸沿岸道路と東北横断自動車道の結節点となる釜石市を物流拠点に選んだ。

【写真=トリナ・ソーラー社の国内初の物流拠点が建設される予定地=釜石市片岸町】

1349とはずがたり:2014/10/08(水) 07:52:52
揚水発電所を原発と直結するなど原発に併せて送電線造ってるからこういうことになる。
太陽光発電に併せた送電線罔増強せえヽ(`Д´)ノ
既報の九州しか見当たらないけど今日の朝日朝刊だと沖縄・九州・四国・東北・北海道で再生エネの一次買取を中断したとある。

九電、再生エネ買い取り事実上中断へ 太陽光発電急増で
http://www.asahi.com/articles/ASG9N4K71G9NTIPE01D.html?ref=reca
平林大輔2014年9月20日17時06分

 九州電力は、民間業者などが太陽光など再生可能エネルギーで発電した電力の受け入れを一時「保留」として、事実上中断する検討を始めた。九州では太陽光発電が急増し、電力の安定供給に支障が出かねないためだ。九電は7月下旬に一部の離島で受け入れ中断を決めたが、その範囲が九州全域に広がる可能性が出ている。

 民間業者や個人が太陽光や風力などで発電した電力は、国の固定価格買い取り制度(FIT)に基づき電力会社が買い取る。自然エネルギー普及のため買い取り価格は比較的高めで、民間業者が相次いで太陽光発電などを導入している。

 なかでも土地が安く日照時間が長い九州は、太陽光発電が盛んだ。九電管内の太陽光発電の出力は7月末時点で339万キロワット。九電は2020年度に600万キロワットになると見込むが、足もとではそれを上回るペースで増えている。九電のピーク需要は1500万〜1700万キロワット程度で、太陽光発電の割合は今後高まる可能性が高い。

1350とはずがたり:2014/10/08(水) 07:54:36

再生エネ中断なぜ国が検証 電力各社で連携可能
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/economic_confe/list/CK2014100402000144.html
2014年10月4日

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/PK2014100402100074_size0.jpg

 小渕優子経済産業相が3日の衆院予算委員会で、電力会社が相次ぎ手続きを中断している再生可能エネルギーの受け入れについて、検証することを表明した。中断は全国10電力会社のうち東京電力や九州電力など7社。検証する理由と検証方法をまとめた。 (吉田通夫)
 Q なぜ検証が必要か。
 A 電力会社は事業者から申し込まれた再生エネをこれ以上受け入れると、管内の需要を一時的に上回り、送電線の故障で大規模停電を起こす可能性があると主張している。検証は主張通り受け入れる余裕がないのか、電力会社間の連携で問題を回避できないのかを調べるためだ。有識者五人ぐらいの専門部会を月内につくり、年内をめどに結果をまとめる。
 Q 再生エネの発電量はまだ多くないはず。それでも受け入れを中断するのはおかしいのではないか。
 A 太陽光は夜間や雨天では発電しないし、風力も風が吹かなければ発電しない。年間発電量で見ると、二〇一三年度の再生エネは火力なども含めた全体のわずか2・2%だ。それでも電力会社は、昼間の晴天時など好条件がそろった時間帯に電力が多くなりすぎる、と主張している。これは一時的な量にすぎない。
 Q 一時的でも再生エネが増えすぎたら、対応できなくなるのか。
 A 他の電力会社と連携して、再生エネを受け取ってもらえば問題はない。東京電力や中部電力などは、受け入れる余裕がある。複数の電力会社が共同で受け入れる態勢をとれば、もっと再生エネは受け入れられる。「もう無理」と言う電力会社の説明では、他社との調整を考慮しているのかが分からない。
 Q 調べる方法は。
 A 大手電力会社が毎日のように電気をやりとりしている「連系線」という電線がある。その容量と利用実績を照らし合わせ、余裕を計算する手法などが考えられる。余裕がある分だけ、再生エネが一時的に増えても他社に引き取ってもらえるから、受け入れ余地は広がる。
 Q 連系線の容量を増やせば余裕も増えるのでは。
 A それも議論される予定だ。これから電力事業の地域独占がなくなり、いろいろな会社が発電に参入するためには、大手電力の管轄に縛られた従来の送電網では不十分。どれぐらい電線を増やすのか、その費用をだれが負担するのかは、再生エネを含めた電力事業の大きな問題だ。専門部会だけでなく、もっと大きな有識者の会合でも話し合うことになるだろう。

1351とはずがたり:2014/10/08(水) 12:48:58
>36道府県と通信大手ソフトバンクでつくる「自然エネルギー協議会」

再生エネ買い取り中断の解決要望
36道府県の協議会
http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20141007000130

 36道府県と通信大手ソフトバンクでつくる「自然エネルギー協議会」は7日、大手電力による再生可能エネルギー事業者からの電力買い取り契約手続きの中断をめぐり、経済産業省と環境省に迅速な解決を求めた。

 会長を務める徳島県の飯泉嘉門知事ら協議会関係者が、経産省の関芳弘政務官と会談して提言書を手渡した。飯泉知事は「参入した事業者から大きな悲鳴が上がっている」と訴え、手続き再開に向けた解決策を年内に示すよう要求した。

 提言書は政府主導による送電網の増強を要請している。(共同通信)

1352とはずがたり:2014/10/08(水) 15:37:04
余りに一方的なサンケイみたいな記事なんで突っ込み入れてから投下。

太陽光発電バブル崩壊? 再エネ買取制度、見直しへ 相次ぐ電力会社の買取中断も影響か
http://newsphere.jp/politics/20141003-2/
更新日:2014年10月3日

 日本政府は、太陽光など再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」について、抜本改定に着手した。大規模太陽光発電所(メガソーラー)で作った電気の買取価格が決まる時期を、「国の事業認定時」から「事業開始時」に改正するという(読売新聞)。電力会社が、再生可能エネルギーの買取を中断する動きが広がり始めたことも影響しているとみられる。

 海外メディアも、同紙の報道などを基に、この事態に着目している。

【毎年引き下げられる価格】
 買取制度が導入された際、太陽光発電の買取価格はキロワット時42円で、世界的に見ても高額だった(→円安の影響とかはどうなのか?また参入誘導価格としてもどうなのか?)とロイターは指摘している。そのため、政府や電力会社の予想以上に、多くの業者が太陽光発電に参入した。しかしその後は引下げが続き(→この書き方では読み取れないけど最初から徐々に引き下げる予定であった筈)、現在の買取価格はキロワット時32円だ。

 政府は、風力・地熱等の再生可能エネルギーの買取価格は据え置く一方で、太陽光発電の買取価格は毎年引き下げている、とブルームバーグは指摘している。そのため、買取価格が下がる前に認定を受けようと、太陽光発電業者が、年度末、申請に殺到していた。

 ブルームバーグによると、固定価格買取制度の発足以来、72,000メガワットのプロジェクトが認定されてきたが、そのうち96%は太陽光発電である。

【プロジェクト完成に至ったのはわずか15%】
 経済産業省によると、6月の時点で、11,090メガワットの再生可能エネルギーが導入されているが、認定容量の15%に過ぎない。土地取得の難しさや設備人材のコスト高なども原因として挙げられているが、送電網の不足がボトルネックとなっている。

 25日、九州電力が新規買取契約の受付を中断した。北海道電力、東北電力、四国電力、沖縄電力など、主要電力会社10社中7社が再生可能エネルギーの買取を中断している、と『The Diplomat』は報じている(→今朝の朝日新聞の朝刊でもそう報じている)。

 電力各社は最大電力需要を想定して必要な容量の送電網を整備している。容量を超えれば大規模停電を招くリスクがある。また、再生可能エネルギーは天候の影響を受けやすく発電量が安定しないため、容量を拡大すれば安定供給に支障が生じる恐れがある。

【全国の送電網の整備が先決】
 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の改正は、根本的な問題の解決とはならないと指摘する声もある。

 日本政府は、福島第一原発事故以来、再生可能エネルギーの利用を推進している。もし認定された太陽光発電が全て導入されたなら、世界トップであるドイツの35,700メガワット(昨年末)の約2倍となる。(『The Diplomat』)(→経済規模を考えると太陽光が2倍だからどうかというのは一概に言えない。ドイツは風力が強く構成も異なる)。

 今回の制度改正では、全国の送電網の拡充まで対処できていない、と同メディアは結んでいる(→原発時代の送電罔が分散型発電へ対処する為の再構成が必要であると思われる)。

1353とはずがたり:2014/10/08(水) 15:37:20
画像に載ってる箇所の内200kw以上は

●土湯温泉(福島市)
元気アップつちゆ
400kW
2015.7

●別府温泉(別府市)
コスモテック
500kW
2014.10

の2箇所。まだまだ規模が小さい。画像に載ってる箇所全部でも1413kW。原発の1/10基分。10倍は欲しいね〜。

湯けむり地熱発電広がる 温泉地で低資金・安定収入
http://www.asahi.com/articles/ASG8D3WB0G8DULFA007.html
西尾邦明2014年8月26日14時35分

温泉地を望む高台で整備が進むコスモテックの温泉発電所=大分県別府市

全国に拡がる温泉発電
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/AS20140818004391.jpg

 全国の温泉地で、温泉から出る蒸気や熱湯を使う地熱発電が広がり始めた。少ない資金で始められ、安定した収入も見込めるようになったからだ。本格的に電気をつくって売る温泉発電所は昨年まで1カ所だったが、今年中には7カ所以上になろうとしている。

 国内有数の温泉街として知られる大分県別府市の高台で、温泉の蒸気を使って電気をつくる発電所がつくられている。試験運転を経て、この10月から電気を九州電力などの電力会社に売り始める予定だ。

 500坪(1650平方メートル)ほどの敷地に4台の発電機を置く。そこに近くの温泉から熱い蒸気を引き入れ、沸点が低い「代替フロン」という液体を蒸発させる。この代替フロンの蒸気でタービンを回して発電する仕組みだ。

1354とはずがたり:2014/10/15(水) 19:31:01

太陽光が照ってる時にクーラー需要は増えるのだから太陽光偏重と云いすぎるのも問題があるのだけど。
今迄は夜間の原発で揚水発電に電気貯めとくし夜間の安い電力を供給してたけど,これからは昼のかんかん照りの日の料金を安くして昼間に揚水発電で電気貯めとくべきなのである。其処に手を入れないで太陽光だけ抑圧するのは,太陽光十分に増えたと思ってる俺ではあるが,文句の一つも云いたくなる。

太陽光偏重を是正=国民負担軽減へ見直し−再生エネ購入制度・経産省
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201410/2014101400844&rel=m&g=pol

 太陽光や風力、地熱など再生可能エネルギーでつくる電気の「固定価格買い取り制度」の見直しに向け経済産業省がまとめた論点が14日、明らかになった。「(購入電源の)太陽光偏重を再検討する」ことなどが柱で、電気料金に上乗せされる買い取り価格を抑制し、「国民負担の軽減」を目指す。有識者で構成する新エネルギー小委員会は15日、この論点を基に議論を始め、年内に具体案を決める。
 同制度では、大手電力会社が政府認定の再生エネ発電事業者から電気を全量買い取っている。しかし、買い取り価格が高めに設定されている太陽光の認定事業者が全体の9割超を占める。
 このため、太陽光については、政府による設備認定を停止することの是非を議論。「(気候の変化で発電量が変動する)太陽光だけでない他の再生エネ導入が必要」と指摘し、発電量が安定している地熱などを増やす工夫も検討する。(2014/10/14-19:43)

1355とはずがたり:2014/10/20(月) 12:52:16
FITの導入に意義があったのであり,太陽光発電偏重ややばそうなのは誰にでも判ってたことで制度設計が甘かったと云わざるを得ない。
ただ折角の潤沢な発電能力を十分に活かす形で送電や料金の設定をして行く必要があるだろう。夜間の割安な電力なんてのは九電と関電(高浜・大飯の再開を前提に)のみで後は廃止しても構わないんちゃうか。イオンの屋上に夜間の電力で製氷して昼のピーク時に利用する機械が置いてあるの見たことあるけど,昼間ガンガンに太陽が照ってる時に製氷して夕方のピークに備える等の発想の転換が必要であろう。また送電線罔の分散型への対処と,遠距離送電(北海道→東北→東京や九州→中国・四国→関西・中部←北陸)能力の拡充も優先課題だ。

“太陽光バブル”で政策転換
死屍累々の国内メーカー
週刊ダイヤモンド編集部 【第178回】 2014年10月20日
http://diamond.jp/articles/-/60765

日本の再生可能エネルギー政策が“破綻”を迎えそうだ。各地で膨大な量の導入申請が相次いだことで、送電網がパンクし、電力会社がこれ以上の送電網接続を保留し始めた。国は今後政策の方向性を転換。“太陽光バブル”に乗じて利益を得てきたメーカーも、日本市場の突如の停滞で、事業存続の危機に立たされている。

「再エネ政策を変えるというメッセージですよ」。ある経済産業省関係者が打ち明けるのは、同省が9月30日に公表した一つの試算だ。

 この試算は、国内でこれまで認定を受けた再生可能エネルギーの発電設備が全て運転開始した場合、電気料金への上乗せが2兆7018億円に上るというもの。

 一般的な家庭でいうと、1カ月当たりの電気料金が225円から4倍以上の935円にまで増えるというから影響は甚大だ。

 つまり、経産省は「今の政策で再エネ導入を続けると、途方もない電気料金になる」ということを暗に発信しようとしているのだ。

 だが、再エネといえば、原発事故以降、経産省も普及を猛烈に後押ししてきたエネルギー。なぜ今になって政策を転換するのか。

 それは、再エネの代名詞でもある太陽光発電の急速な導入が、国内の電力事情に異常な“ゆがみ”をもたらしたためだ。

「途方もない“置き土産”だけが残されてしまった」。ある電力会社の幹部は、こう吐き捨てる。

 念頭にあるのは、民主党政権下の2012年に始まった再エネ普及のための全量買い取り制度(FIT)だ。再エネを急速に普及させるため、太陽光で発電した電気を、電力会社に高値で買い取らせることを制度化したものだ。

 だが、これが“太陽光バブル”ともいえる異常な導入ラッシュを引き起こした。

 14年6月までに国に認定された再エネの量は、実に原発70基分に当たる7178万キロワットに上る(うち96%が太陽光発電)。一見、普及も大成功のようだが、実は、実際の発電導入量は、認定した発電量のわずか15%に当たる1109万キロワットにとどまる。

 要するに、発電の認定だけを得ておきながら、実際は発電されていない設備が山ほどあるのだ。

1356とはずがたり:2014/10/20(月) 12:52:41
>>1355-1356
 背景には、建設工事やパネルの調達が間に合わなかったという側面がある。だが、それよりも、FITが高価買い取りを保証している間に、有象無象の業者たちが実際に発電するかどうか分からない案件も含め、膨大な認定申請をしたことの影響がもろに出たのだ。

 実際、経産省も実態調査に乗り出し、8月末までに182万キロワット分の認定を取り消すなど“ゴキブリ退治”に追われている。

 しかも、認定量が膨大に増えたため、送電網を有する電力会社が「このままでは送電網がパンクする」と、接続を保留する事態まで起き始めた。9月以降、九州電力、東北電力など5社が接続を保留する措置を表明している。

 こうした経緯から、経産省では「FITは失敗だった」との烙印が押され始めている。民主党政権で再エネ施策を一手に引き受けてきた幹部を一転“戦犯扱い”し、普及策の見直しに着手し始めた。

シャープの太陽電池、すでに破綻の危機
持続可能な政策を

 政策の“失敗”のツケは、太陽電池メーカーにも及び始めた。

「創エネだけじゃなく、蓄エネがふつうの時代へ」

 女優の吉永小百合氏が、視聴者に呼び掛ける。6月7日から放映されているシャープのテレビCMのキャッチコピーだ。これまで太陽電池を宣伝していたシャープだが、突如として主力事業でもない蓄電池をPRするようになった。

「太陽電池ではもう食えないので周辺機器販売でしのぐのです」と、シャープ関係者は打ち明ける。

 シャープの太陽光パネルは05年ごろまで、世界シェアトップを誇るなどシャープの主要事業の一角を成していたが、いよいよ存続の危機を迎えているのだ。

 10月にかけて、太陽光発電事業を手掛ける米リカレント社の売却の入札をはじめ、現地の電力大手らと組んだイタリアの太陽電池工場からも撤退を表明している。今年度の太陽光事業部門の営業利益予想は、前年度と比べ90%減の30億円にまで落ち込む見通しだ。

 そして、苦境の大きな要因となっているのが、国内での“太陽光バブル”の終焉なのだ。

 実はシャープの太陽光パネル事業は、海外では、すでに価格競争力を失っていたが、「国内のバブルが事業を“延命”させていた」(シャープ関係者)側面がある。だが頼みの綱の国内市場も一気に落ち込み始めたため、経営戦略の抜本変革を迫られているのだ。

 FITは、再エネの導入とともに、国内メーカーの成長も眼目に置かれていたが、それも結果的には“延命策”にとどまった。

 国が本来、取り組むべきことは分かりやすい太陽光発電の爆発的導入ではなく、再エネを持続成長させるため、本命とされる「風力」の環境整備や、そのための地域間送電網の拡充、将来的な電源構成の比率提示など山ほどある。

 まずは、明確な再エネの将来像の提示をすべきだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義、森川 潤)

1357とはずがたり:2014/10/23(木) 23:00:52
2014年02月10日 13時00分 更新
蓄電・発電機器:
電気自動車に搭載した中古の蓄電池、メガソーラーの隣で出力安定に生かす
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1402/10/news018.html

大阪湾の埋立地で稼働中のメガソーラーの隣に、大型の蓄電池システムが設置された。内部のリチウムイオン電池は電気自動車の日産リーフ16台から回収して再生したものだ。10MWのメガソーラーが発電する電力の変動分を吸収して、出力を安定させる試みである。
[石田雅也,スマートジャパン]

 電気自動車に電力を供給する蓄電池の寿命はさほど長くない。充電回数にもよるが、通常は5〜10年で新品と交換する必要がある。そうした性能の劣化した蓄電池を再利用する取り組みが早くも始まっている。

 日産自動車のリーフ16台分の蓄電池を再利用したシステムが、大阪市の夢洲(ゆめしま)で2月初めに稼働した(図1)。環境省による「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」の認定を受けて、住友商事が設置したものである。電気自動車の蓄電池を再利用した大型システムの実用化は世界で初めての試みだ。

 蓄電池システムに隣接する広大な敷地には、2013年11月に運転を開始したばかりの「大阪ひかりの森発電所」が広がっている(図2)。発電能力が10MW(メガワット)に達する大規模なメガソーラーで、年間の発電量は一般家庭で3200世帯分に相当する。

 ただし太陽光発電は天候などの影響で出力が変動するために、電力会社の送配電ネットワークを不安定にする問題が生じる。夢洲に設置した大型の蓄電池システムはメガソーラーからの電力を充電・放電しながら、出力の変動分を吸収することが可能だ。最大0.6MWの電力に対応できる容量がある。10MWのメガソーラーであれば、ピーク時でも6%の変動分まで吸収できる。

 さらに災害時には蓄電池の電力を地域に供給する役割も担う。住友商事は今後3年間の実証事業を通じて、メガソーラーと組み合わせた蓄電池システムの有効性を検証する一方、電気自動車の蓄電池を安全に再利用するための技術を確立していく計画だ。

1358とはずがたり:2014/10/23(木) 23:01:21

離島での自然エネと聞くとテンション上がる俺だけど,薩摩川内市内ってことは本質的には原発の地元対策だよなぁ。。

2014年10月17日 19時00分 更新
蓄電・発電機器:
「電気自動車・蓄電池・太陽光」、離島で作るエネルギーの環
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1410/17/news177.html

鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市と住友商事は、離島に再生可能エネルギーを普及させるための環境整備に共同で乗り出す。九州の南西に浮かぶ上甑島(かみこしきじま)に、電気自動車「リーフ」のリユース蓄電池を大量導入。太陽光発電と合わせて系統に接続する共同実証事業を始める。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市と住友商事は、離島に再生可能エネルギーを普及させるための環境整備に共同で乗り出す。2014年10月10日に両者が協定書を締結した。舞台となるのは九州の南西に浮かぶ離島、上甑島(かみこしきじま)だ。

 薩摩川内市が事業を主導して、蓄電池の設置場所を提供、九州電力の技術的な助言サポートを得る。他の離島にも展開可能な事業を目指す。住友商事は住友商事九州と連携して設備一式を上甑島に構築する(図2)。

 「2015年6月に着工し、同年8月に完成、同年9月に設備を稼働させる予定だ」「設備工事費は数億円程度である。そのうち、3分の2を補助金*1)で、残りの3分の1を薩摩川内市と当社で等分負担する」(同社)。

*1) 2カ所から補助金を受ける。平成26年度 環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(離島の低炭素地域づくり推進事業)」に対して「再生可能エネルギー・省エネルギー等設備導入推進事業」として応募。日本離島センターからも受ける。補助金が対象とする期間は2014年10月から2017年3月末。

(写真略)
図2 上甑島「長目の浜」 砂州地形の一種だ。 出典:住友商事

電力状況が厳しい離島

 離島では電力系統が本土から独立していることが多い。すると、再生可能エネルギーの出力変動を島内だけで吸収しなければならなくなる。本土と比較すると明らかに条件が厳しい。

 実際に九州電力は九州本土と離島で再生可能エネルギーに対して異なる対応を取っている。同社は2014年9月25日に再生可能エネルギーの接続申し込みを数カ月保留することを発表(関連記事)。だが、離島についてはその2カ月前の7月26日に発表しており、期間も1年間と長い(関連記事)。

 系統電力の利用が難しい離島では、小規模であるため本土よりも割高な内燃力発電(火力発電)に電力を頼っている。つまり、再生可能エネルギーを普及させるなら本来は離島からだということもできる。このジレンマを解決できないだろうか。西25kmに浮かぶ甑島列島を抱える薩摩川内市は、このような状況に至る以前から、離島には蓄電池の設置がふさわしいと考えていた。

1359とはずがたり:2014/10/23(木) 23:01:43
>>1358-1359

蓄電池に実績がある住友商事

 同市が住友商事を選んだ理由は、大規模蓄電池について実績があるからだ。同社は日産自動車と共同で共同事業会社フォーアールエナジーを設立。2014年2月には大阪市の湾岸地域にコンテナ型の蓄電池を設置している(関連記事、図3)。

 大阪市で利用した蓄電池は、日産自動車「リーフ」が搭載するリチウムイオン蓄電池のリユース品。リーフ16台分を設置した。システムの規模は出力0.6MW、容量0.4MWhというもの。電気自動車(EV)の蓄電池を再利用した大型システムの実用化として世界初の試みだという。

太陽光発電と組み合わせる

 上甑島の2カ所に蓄電池システムを導入する。「指定避難所隣接地」には、リーフ36台分に相当する大型リユース蓄電池(容量約600kWh)を導入する。出力約100kWの太陽光発電システムとも組み合わせる。

 「老人福祉センター」にはリーフ1台分の約17kWhのリユース蓄電池を導入、併設する太陽光発電システムの出力は約10kWだ。「指定避難所隣接地は規模が大きいため、蓄電池を島内の系統と接続する。老人福祉センターは系統から独立した構成にする」(住友商事)。

 「大型リユース蓄電池の形状は大阪市の事例とほぼ同じで、コンテナ型だ。リユース蓄電池の規模は小さいので、違う形状である」(同社)。運転開始後はフォーアールエナジーが開発した電力マネジメントシステムで常時出力を監視して、動作を制御するという。

 蓄電池の導入によって、甑島の環境はどのように変わるのだろうか。走行距離が短くても済む離島では、島内でエネルギーを自給できるEVが向いているだろう*2)。EVのリユース蓄電池が増えてくれば、再生可能エネルギーをより大量に導入できるようになる。つまり再生可能エネルギーの環が完成するのではないだろうか(図4)

*2) 薩摩川内市(本土側)には原子力発電所が立地するものの、同市は太陽光発電などの再生可能エネルギー導入にも熱心だ。策定した次世代エネルギービジョンに従って再生可能エネルギーのモデルを複数作り上げている(関連記事)。甑島に対してはEVレンタカーや超小型モビリティの導入などを進めている。

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図4 リユース蓄電池の導入が再生可能エネルギーの「環」を作り出す 出典:住友商事

 大型リユース蓄電池の導入によって、島内の他の太陽光発電所の出力変動をどの程度吸収できるのか、今回の共同実証事業を進めていくなかで検証する。なお、大阪市の事例では10MWの太陽光発電所に対して、0.6MWの出力変動分を吸収できるという予測を立てている。

1362とはずがたり:2014/10/23(木) 23:12:37

2013年12月22日 04時30分 更新
「潮の満ち引き」から利益は出るのか?
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1312/22/news007.html

海に親しんでいる方なら、満潮と干潮の差が地域によっては著しいことに気が付いているだろう。1日に2回膨大な海水が流れ込み、流れ去る。適切な囲いを設置すれば、ダム式の水力発電所と同じ仕組みで発電できるはずだ。実際に複数の潮汐発電所が動いている。それでは世界最大の潮汐発電所は、どこにあるのだろうか。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 …潮汐(ちょうせき)発電は、海洋からエネルギーを取り出す発電の1種だ*1)。潮汐による海水の高さの違い(位置エネルギー)を利用する。

 潮汐発電とよく似ているのが、「潮流発電」だ。潮の満ち引きの際には海水が水平方向に流れる。この海水の流れ(運動エネルギー)を利用するのが潮流発電である。ミニ解説では2つの発電方式を紹介していく。

*1) 海洋エネルギーにはこの他に、深海の海水と表面の海水の温度の違いを利用する「海洋温度差発電」や黒潮などの決まった流れを利用する「海流発電」、打ち寄せる波を使う「波力発電」、塩分の濃度差を利用する「塩分濃度差発電」、海中の生物資源を使う「海洋バイオマス発電」、海を立地として使う「洋上風力発電」などがある。

 潮汐発電は潮の満ち引きという分単位で予測可能な周期的な現象に基づいている。気象の影響(低気圧や強風による高潮)はあるものの、基本的には出力を確実に予測でき、急激な出力変動もない。従って、ベース電源として使いやすい。

 潮汐発電所には適地がある。最大の条件は潮汐の規模、すなわち干潮時と満潮時の海面の高さの差(潮位差)が大きいことだ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によれば、平均潮位差が5m以上あると潮汐発電所を実用化できるという。取り出せるエネルギーは潮位差の2乗に比例するため、潮位差が2倍違うと、エネルギーは4倍変化する。

 もう1つの条件は地形だ。入り口が狭く、内部が広い湾に建設することが好ましい。湾であれば小さな堤防を作るだけで大量の海水を利用でき、発電所の建設コスト低減に効いてくる。

 このような条件を満たす立地は多数ある。しかし、大規模な潮汐発電所は現在、世界に2カ所しかない。韓国とフランスだ。2つの発電所の合計出力494MWは、2012年末の全世界の海洋エネルギー発電所の合計出力527Mのうち、93.7%を占めている。つまり、潮汐発電所は現時点では海洋エネルギーの旗手だということだ。

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図1 始華湖潮汐発電所(赤)と珍島潮力発電所(青)、ソウル(黄)の位置

 世界最大の潮汐発電所「始華湖潮汐発電所(Sihwa Lake Tidal Power Station)」は韓国の北西部にあり、黄海に面している(図1)。ソウルの南西に位置する京畿道始興市に作られた人造湖である始華湖を利用した。ソウルからの距離は約40km。

 始華湖は本来、発電のために作られたものではない。当初の計画は海岸に近い2つの島を利用して4つの防潮堤を築き、始華湖(43.8km2)を形成、干拓(1万3345km2)を実現するというものだった。農地と工業用地を得るのが目的だ。防潮堤は1994年に完成し、堤防を締め切って流入河川による淡水化が進んでいった。

 ところが工場排水(重金属)と生活排水(有機物)が流入し、深刻な水質汚染が起こった。韓国の海洋水産部によれば、1990年代後半、始華湖は「死の湖」と呼ばれていたのだという。そこで1997年、開門に踏み切る。まず海水を部分的に導入した。2000年には淡水化を放棄、海水化へと方針を切り替えた。

 始華湖の位置では最大潮位差が10.3m(平均潮位差8.2m)ある。そこで、発電と水質改善を兼ね備えた計画として、1999年に潮汐発電所の検討が始まった。韓国政府の目算では潮汐発電所によって、建設前と比較して6倍の海水(1億6000万トン/日)が動く。水質改善が進むはずだ。2003年には発電所の正式な計画が成立、建設が始まり、2011年8月に一部送電に至った。建設費用は3551億ウォン(約350億円)である。

1363とはずがたり:2014/10/23(木) 23:12:55

 図2(略)には道路と一体になった堤防と、その周辺に建設された施設が描かれている。…タービンの出力は1基25.4MW。これが10基あり、合計出力は最大●254MW(25万4000kW)。国際エネルギー機関(IEA)が発行した「ANNUAL REPORT 2012」によれば、2011年8月1日から2012年9月30日の期間、発電量は39万6210MWh(3億9621万kWh)に達したという。設備がフル稼働した場合の年間発電量は、55万3000MWhだと予想されている。

 なお、韓国は始華湖以外にも黄海側に複数の潮汐発電所の候補地を選定しており、今後、実証実験をへて商用運転に進む計画だ。始華湖のすぐ北、北朝鮮との海上国境に面している江華島(●813MW)や始華湖から南西に50kmほど離れた、忠清南道の瑞山市と泰安郡に挟まれた加露林湾(●520MW)などの巨大な計画が発表されている。

 さらに潮汐以外にも、潮流を利用した発電の実証実験を進めている。韓国の南西部、全羅南道の島、珍島(372.12km2)にある珍島潮力発電所(Uldolmok Tidal Power Station)だ。鳴梁海峡の潮流を利用し、2009年3月に出力1MWで運転を開始した。2011年には出力を0.5MW増設しており、韓国政府は2013年末までに出力を■90MWへ増強する計画を立てている。

フランスでは寿命とコストを実証済み

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図3 ランス潮汐発電所(赤)とパリ(黄)の位置

 潮汐発電所として長い間、世界一の座にあったのが、フランスのランス潮汐発電所(Usine marémotrice de la Rance)だ(図3)。ブリュターニュ半島の北側、ブルターニュ地域圏イルエビレーヌ県の北端でサンマロ湾(イギリス海峡)に流れ込むランス川の河口を利用している。

 図4(略)はランス川上空からほぼ北を向いてランス潮汐発電所を含む河口の堤防を見たところだ。堤防の右端、白い水が見える部分の海面下にタービンが埋め込まれている。図では見にくいが、堤防の左端には垂直軸の周りを回転する水門が2組取り付けられており、水路として解放できる構造を採っている。この水路を年間1万8000隻の船舶が通過している。堤防上には4車線の道路があり、時刻表に従って定期的に跳ね上げ橋を上げている。

 ランス川河口付近では古くから脱穀に潮汐力を利用していた。最大潮位差が13.5m(平均潮位差8.5m)あることが知られており、潮汐発電所に利用しようという案は、既に1923年に生まれていた。第二次世界大戦後の1961年、河口に長さ750mの堤防の建設を開始、続いて1963年に発電所の建設を開始し、1966年に完成している。送電を開始したのは1967年12月、実に47年前のことだ。世界初の商用潮汐発電所であり、40年以上、規模においても最大だった。発電量が多くなるよう、堤防のどちらの海水面が高い場合でも発電ができるよう設計されていた。

 個別のカプラン水車に接続された発電機の出力は10MW、これが24基あり、最大出力は●240MWだ(平均出力は約68MW)。同発電所を運営しているフランス電力(EDF)が公表した「DOCUMENT DE RÉFÉRENCE RAPPORT FINANCIER ANNUEL 2012」によれば、通算の平均発電量は年間50万MWh(5億kWh)、2012年は50万3000MWhだった。これはブルターニュ地域圏全体の年間消費電力量の3.5%に相当するという。

 ランス潮汐発電所の最大の特徴は発電量が大きいことだ。だが、他の発電所にない貴重な経験が得られたことが重要だ。50年近い長期間の運転に問題がないことを実証しており、発電コストが安いことも分かった。このような性質は電力源として大規模な水力発電所とよく似ている。

 ランス潮汐発電所の建設費用は6億2000万フランである。これは2010年の貨幣価値に換算して7億8800万ユーロに相当するという。建設費用は長年の発電で全て回収している。

 再生可能エネルギーに関する国際ネットワークであるREN21(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century)が2013年6月に公開した「RENEWABLES 2013 GLOBAL STATUS REPORT」によれば、潮汐発電の発電コストは出力1〜250MWの場合、21〜28米ドルセント/kWhである。これは発電所の設計、建設から運営、廃止までの全てのコストを、生涯発電量で割った均等化発電原価(LCOE)の値だ。加えて、建設時の資本コストは5290〜5870米ドル/kWだとした。

1364とはずがたり:2014/10/23(木) 23:13:18

 なお、EDFは2008年7月に潮汐ではなく潮流発電に向けた実証実験用のタービンファームを立ち上げる計画を発表、建設地はランス潮汐発電所の隣県であるブルターニュ地域圏のコートダルモール県パンポル市だ。2011年10月から2012年1月までを第1期とし、設置とテストを終えている。2013年9月には4基のタービンから■2MWの出力を得る計画について事業者の入札を開始した。総事業費は4000万ユーロ。入札開始時にはフランスのフランソワ・オランド大統領自ら、自国には全欧州の潮力ポテンシャルのうち、20%が眠っていることを指摘し、2020年までに最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を23%に高める計画に役立つとした。

 韓国の計画とフランスの計画は相互に関係がなく、取り組みを開始した時期や経緯も全く異なる。しかし、大規模な潮汐発電所を立ち上げ、その後、小規模な潮流発電所の導入を試みるという開発の流れはよく似ている。
各国の潮汐発電所の現状と将来は?

 潮汐発電所は歴史は長いものの、小規模な施設が多く、出力が1MWを超える発電所は5つしかない。

 「アンナポリス発電所(Annapolis Royal Generating Station)」(1984年完成、出力●20MW)はカナダの大西洋岸、ノバスコシア半島のファンディ湾に位置している。湾の向う側は米国のメーン州だ。最大潮位差が16.4mと世界で最も大きいという地の利を生かした発電所である。

 中国には上海の南、東シナ海に面する「江厦潮汐発電所(Jiangxia Tidal Power Station)」(1980年完成、出力3.2MW、●3.9MWまで増強予定)がある。フィンランド国境に近い北極圏のコラ半島に位置するロシアの「キスラヤ潮汐発電所(Kislaya Guba Tidal Power Station)」(1968年完成、出力●1.7MW)は、不凍港で有名なムルマンスク都市圏に属し、世界で2番目に古い潮汐発電所でもある。

 出力が1MWを超える今後の計画は2つある。1つは大都市のど真ん中に立ち上げる計画だ。米国ニューヨーク州ニューヨーク市を流れるイースト川沿いを予定する出力●1MWの「ルーズルト島潮汐発電所(Roosevelt Island Tidal Energy)」である。ルーズベルト島はマンハッタン島とロングアイランド島に挟まれた長さ約3kmの非常に細長い島。

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図5 セバーン川(赤三角)とブリストル海峡をまたぐ堤防(赤丸)、MeyGen tidal stream project(青)の位置

 もう1つは発電所として非常に巨大なプロジェクトだ。英国でウェールズとイングランドの間を分かつブリストル海峡に流れ込む英国最長(354km)の川「セバーン川」を利用する(図5)。ブリストル海峡では潮汐差がランス川と同程度あるため、英国のどの地域よりも潮汐発電に向いた立地なのだという。

 セバーン川の河口から少し下った地点に位置するウェールズの首都カーディフと対岸の間は多少幅が狭くなっているため、ここに長さ18kmの堤防を築く。すると、出力●6.5GW(6500MW=650万kW)の潮汐発電所を設置できる。出力の大きさは世界最大の原子力発電所である「柏崎刈羽原子力発電所」の8割にも相当する計算だ。セバーン川のプロジェクトが完成すれば、英国の年間消費電力量の5%をまかなえる規模になる。

 ただし、このプロジェクトには問題が2つあるという。1つは大規模な自然破壊につながるのではないかという問題、もう1つは経済的な問題だ。大規模な工事が必要になるため、建設費用が300億ポンド(約5兆円、1ポンド170円換算)を超えてしまうのだ。

 なお、英国スコットランドには潮汐ではなく潮流を利用した「MeyGen tidal stream project」がある。図5の上端に示したスコットランド本土の最北部とオークニー諸島の間にあるペントランド海峡は強い潮流で知られており、さまざまなボートレースが開催されている。この海底に潮流を利用するタービン(出力1MW)を多数設置する。2015年にまず9MW、2020年までに86MW、開始後25年で■398MW規模にまで持って行く計画だ。MeyGenとは投資会社と発電機メーカーが共同設立したコンソーシアムの名称だ。

1365とはずがたり:2014/10/23(木) 23:13:44
>>1362-1365
日本は潮汐発電に無関心

 ここまで日本の状況については一切触れていなかった。日本には潮汐発電所がないためだ。過去には計画があったものの、実現性は薄い。なぜなら、国内で最も潮汐差が大きい有明海でも十分な出力が期待できないからだ。潮汐差が大きいことで有名な佐賀県太良町の最大潮汐差は4.9mだ。さらに太良町の海岸は直線状であり、立地として適していない。有明海の長崎県側には干拓のために湾の一部を閉じた大規模な堤防があるものの、開門について政治的に解決しにくい状況にあり、現状では潮汐発電所の可能性は見えていない。

 海洋を利用した再生可能エネルギーについて、日本政府は波力、潮流、海洋温度差、海流の4分野と洋上風力発電に重点を置いている。現在はこの5分野について順次実証実験を進めているところだ(関連記事)。潮汐については計画がない。大学などの研究機関や、潮汐プラントの建設・輸出に関心がある企業に任された形だ。

なぜ潮の満ち引きが起こるのか

 干満は太陽と月の引力が原因となって生じる現象だ。月の影響(起潮力)を1とすると太陽の影響は0.46といくぶん小さい。理解のために月と地球だけの関係を考えると、月に向いた海水が膨らむ理由は納得できる。しかし、実際には月と反対側の海水もほぼ同量、膨らむ。

 なぜ反対側が膨らむのか。それは、地球と月の重心が、地球の中心ではなく、中心から約4600km離れた地中(地下1800km)にあるためだ。地球と月の関係だけを考えると、地球はこの地点の周囲を回っている。このため、地表の位置によって働く遠心力の強さが変わる。最も遠心力が強いのは月と反対側の地点。月からの引力は月との距離によって変わる。最も引力が強いのは月に面した地点だ。この2つの力を同時に受けるため、月に面した側と正反対の側の海水が同時に膨らむ。

 1日にほぼ2回の潮汐が起こる理由は、引力とは無関係だ。地球が1日に1回、自転しているためである。

 地球の全表面が均一な深さの海で覆われていたとしたら、話はここでおしまいになる。実際には、海の形状や深さは均一ではない。潮位差が場所によって大きく異なる理由は、複雑な地形と「共鳴」で説明できる。

 満潮から次の満潮までの周期は12.42時間。大規模な「波」が海面上を伝わり、これが地形と共鳴した場合には干満の差が大きくなり、逆の場合は小さくなる。水平に置いた薄板の表面に砂を薄くかぶせ、裏側にスピーカーを付けて鳴らす科学実験の実演を科学館などで見学したことはあるだろうか。実験結果はこうだ。薄板に振幅が最大となる「腹」と振幅が0となる「節」ができ、節の部分に砂がたまって線状の対称図形が現れる。スピーカーからでる音の周波数を変えるたびに模様が変化して面白い。

 潮汐はこの実験と似た現象だといえる。海面の形状は一様ではないため、海にできる「腹」や「節」の位置は複雑な分布になる。

 潮汐で「節」とは何だろうか。干満の差が0で潮汐が起こらない場所だ。「無潮点」と呼ばれ、はっきりと識別できる大規模なものは世界の海に約40カ所ある。半島マレーシア(タイランド湾)からインドネシア、ニューギニアにかけては9カ所認められ、「油を流したような静かな海」と呼ばれるゆえんだ。

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図6 世界の潮位差。赤いほど差が大きい。出典:IEA-OES「International Vision for Ocean Energy」

 図6に全世界の海洋の潮位差(半日周期:M2)を示した。色が青いほど差が小さく、赤いほど大きい。赤は「腹」の部分だ。アジアでは黄海や東シナ海が有望であり、南北アメリカ大陸ではカナダ周辺や中米の太平洋岸、アマゾン川河口付近、パタゴニア沖が適している。ヨーロッパ大陸の大西洋岸も適地だ。アフリカ大陸の東海岸やオセアニアにもよい場所がある。

 図6を見れば潮汐発電で1位の韓国と2位のフランス、3位のカナダ、4位の中国、5位のロシアがいずれも潮位差の大きな海岸をうまく利用していることが読み取れる。

1366とはずがたり:2014/10/23(木) 23:17:55
2011年11月29日 10時38分 更新
日本には「黒潮」がある、海流発電の研究をIHIや東芝が着手
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1111/29/news007.html

日本列島に沿って南側を流れる黒潮。他のさまざまな海洋エネルギープロジェクトと共に、この黒潮の海流エネルギーを取り出す研究開発が始まった。直径40mのタービンを2つ取り付けた長さ100mの浮体物を海底にケーブルで係留するという壮大なプロジェクトだ。商業化の暁には出力800MWという巨大な海中発電所が完成する。
[畑陽一郎,@IT MONOist]

日本には「黒潮」がある、海流発電の研究をIHIや東芝が着手

 地球表面の約7割を覆う海洋。海洋には巨大なエネルギーが秘められている。海洋エネルギーの源は太陽光と、地球に働く太陽や月の引力の差によって生じる潮汐力だ。2種類のエネルギーは、海水に吸収されて波、潮の満ち引き(潮流)、海流、海洋温度差などの海洋エネルギーに姿を変える。

 海洋エネルギーを何とか取り出せないか、古くから研究が続いている。例えば、波力発電は、1799年にパリのムッシュー・ジラール(Monsieur Girard)とその息子によって特許が申請されている。しかし、長い間実用にはならなかった。1910年に至ってようやくボショー・プラティーク(Bochaux-Praceique)氏がフランスのボルドーに近いロワイヤンの海岸に出力1kWの波力発電機を据え付けた。さらに長い停滞期を経て、1970年代に入ると英国やノルウェーで研究が盛んになり、1990年代からは当時のECによる国際研究が始まった。

 比較的難易度が高そうに見える海洋温度差発電にも歴史がある。海洋温度差発電は水面と深海の海水の温度差を利用して発電する手法だ。第一次世界大戦後の1930年代にキューバのマタンサス湾で、ジョルジュ・クロード(Georges Claude)氏により開発が始まった*1)。当時の出力は20kWだ。

*1) 同氏はフランスの化学者、1898年に発見されたばかりの不活性ガスNe(ネオン)を使ったネオン管を1910年に発明。その後、ネオンサインを製造する世界初の企業を立ち上げて多額の資金を得る。多彩な発明家でもあり、「フランスのエジソン」とも呼ばれる。

 キューバにおける海洋温度差発電プロジェクトを扱った「Popular Mechanics誌」(1930年12月号)の内容は、Google booksで閲覧できる。この号の巻頭記事 "Power from the Sea" では、史上初の海洋温度差発電がどのようなものであったのか、図解入りで紹介されている。深海(600m)と地上をパイプで結び、現在でいう真空式温水ヒーターと組み合わせて発電した。

ほとんど進んでいない海洋エネルギー利用

 海洋エネルギーの潜在量は大きいものの、風力や太陽光などの他の再生可能エネルギーと比べて研究開発が遅れている。歴史はあるものの、ほそぼそとした研究が続いているという状態だ。2050年に至っても海洋エネルギーによる発電量は最大7EJにとどまるという予測もある。これは2050年時点の太陽光や太陽熱の予測値の1割以下だ(関連記事:世界のエネルギーの77%を太陽光や風力で供給可能、IPCCが発表)。

 海洋エネルギーの実用化はなぜ難しいのだろうか。まず、他の再生可能エネルギーと比べて動作環境が厳しい。金属を腐食(塩害)する海水に機械の可動部が触れる他、フジツボや藻類など海洋生物の付着も著しい。

 海洋エネルギーは風力などと比べて単位面積当たりのエネルギー密度が高い。これは長所だが、短所にもなる。装置が海水から大きな変形力を受けるからだ。海岸線が波により大きく浸食を受けることを考えれば、海洋エネルギー発電システムには風力などとは比べものにならないほどの耐久性が求められることが分かる。故障率が高くなることが考えられるため、メンテナンス性も高くなくてはならない。

 海洋エネルギーの実用化にはさまざまな技術開発が必要になるが、欧米に比べて日本の研究開発は必ずしも進んでいるとは言えない。どのようにして遅れを取り戻すのだろうか。

日本は遅れを取り戻すことができるか

 日本は周囲全てを海洋に囲まれ、排他的経済水域*2)の面積では世界6位に位置する(国の面積では62位)。この立地条件を生かした海洋エネルギーの利用を目指すべきだ。

*2) 排他的経済水域とは、領海の外側、沿岸から200カイリ(約370km)の範囲内の水域であり、全ての資源の探査と開発、保存、管理、経済活動に関する排他的な管轄権を主張できる。国連海洋法条約に基づく。

1367とはずがたり:2014/10/23(木) 23:18:17

 さまざまな再生可能エネルギーの開発が強く望まれる中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2011年度から2015年度の5年間で、さまざまな海洋エネルギーの開発を進め、商用利用への下地づくりを始める「風力等自然エネルギー技術研究開発 海洋エネルギー技術研究開発」の委託を開始した。

 委託研究の内容は3種類に分かれている*3)。

*3) 3つのうちの1つが「海洋エネルギー発電技術共通基盤研究」である。発電システムを建造するのではなく、情報収集・分析や性能試験方法などを研究する。

 「海洋エネルギー発電システム実証研究」では比較的商業化が近い研究に取り組む。実証研究を重ねることで、2015年に発電コスト40円/kWh以下を実現するシステムを作るのが目的だ。プロジェクトが実現可能かどうか、実施することに妥当性があるかを検討後、想定海域で実証研究に入る。研究対象は潮流・海流発電と波力発電だ。

 潮流・海流発電では、川崎重工業の実証研究が採択された(図1)。2011年10月19日に同社が発表した内容によれば、潮流発電に力点があり、沖縄電力や沖縄新エネ開発と協力して沖縄海域での実証実験の可能性を探る他、英スコットランドの実証フィールド欧州海洋エネルギーセンターEMEC(European Marine Energy Center)での試験を予定している。

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図1 潮流発電システムのイメージ図 図では海底にタービンが固定されている。出典:川崎重工業

 波力発電は三菱重工鉄構エンジニアリングと東亜建設工業の実証研究が採択された*4)。2011年11月15日の発表資料によれば、波の振動を空気の流れに変換し、空気によってタービンを動かす「振動水柱型空気タービン方式」を採用している(図2)。

*4) NEDOが2011年10月19日に発表した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に係る実施体制の決定について、によればこの他、ジャイロダイナミクスと日立造船のグループと、三井造船が波力発電の実証研究の採択を受ける予定である。

 この方式では水面の上下運動を空気圧の変化に変えて発電する。両社は効率よく水面が上下するように空気室の前面に間仕切り壁(プロジェクティングウォール)を設置することで発電効率を向上させる。実用性を高めるため、発電装置を後付けユニット構造システムとして設計する。こうすることで、既存のインフラ構造物上に設置できるという。

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図2 振動水柱型空気タービン方式の波力発電所 波によって海面が上下し、空気室の圧力が変化する。これによって、往復する空気流が生まれ、タービン発電機が動く。出典:三菱重工鉄構エンジニアリング

 NEDOの委託研究には、この他、実用化に10年を要するような研究開発も含まれている。海流発電と、海洋温度差発電だ。時間はかかるものの、発電コストは安く、大規模な発電が可能になる見込みがある。

IHIや東芝が海流発電に取り組む

 NEDOが委託する「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」では、まだ商業化の段階に至っていない先進的な研究に取り組む。2020年に発電コスト20円/kWh以下を実現するための要素技術を研究開発対象とする。これは先ほどの実証研究が目標とするコストの半分の数字だ。高効率化の他、耐久性やメンテナンス性の向上を狙い、試験を実施する。研究対象は海流発電と海洋温度差発電*5)だ。

*5) 海洋温度差発電は、佐賀大学と神戸製鋼所のグループが採択を受ける予定だ。

 IHIと東芝、東京大学、三井物産戦略研究所は2011年11月28日、共同で海洋エネルギー発電の研究開発に取り組むことを発表した。「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択されたためだ。

 日本周辺は黒潮(暖流)や親潮(寒流)など海流に恵まれている。特に黒潮は高い潜在エネルギーを秘めており、今回の研究開発では黒潮のみを対象とする(図3)。

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図3 黒潮の流速分布例 ある特定の季節の流速を示した。色が赤いほど流速が高く、立地条件がよい。四国の南や、紀伊半島沖などが好適地であることが分かる。出典:東芝

1368とはずがたり:2014/10/23(木) 23:18:35
>>1366-1368
 研究開発では海中に水中タービンを係留し、海流を利用して発電する「水中浮体方式の海流発電システム」に必要な要素技術を開発する。さらに事業性評価を実施して、将来の海流発電の実用化を目指す。

 2011年度から2015年度までの5年間を予定し、2年間で設計課題を解決しつつ、各種の調査を終え、中間報告を提出する。目標到達が可能だとNEDOが判断した場合、引き続き3年をかけて小型の実機を使った海洋での実験に進む。

なぜ海底に固定しないのか

 水中浮体方式の海流発電システムには4つの特長があるという。

安定した発電が可能で、発電電力量も大きい
コスト競争力に優れる(図4)
効率的な発電が可能
メンテナンスや修理が容易

 (1)の理由は、海流が太陽の動きや天候に依存しないためだ。昼夜や季節による流れの速さや向きの変動が少なく、海流が欠けることもない。このため、風力や太陽光とは違い、連続的で安定した発電が可能になる。

 (2)が成り立つのは、発電装置を海底に固定するのではなく、ケーブルを使って係留するためだ。設置が容易になる他、波浪の影響を受けない安定した水深(50〜100m)での運用が可能になり、船舶の航行にも影響を及ぼさない。

 (3)は選択した水中タービンの構造に由来する。1つの浮体の左右に逆回転する(対向回転する)水中タービンを採用することで、タービンの回転に伴う回転トルクを相殺でき、海中で安定した姿勢を保持できる。

 (4)も水中浮体方式を採ったことで成立する。タービンの向きと浮力を調整することで、必要に応じて海上に浮上させることができるからだ。

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図4 水中浮体方式の海流発電システム 水中タービン(回転部)などを海底に固定するのではなく、海底から係留する。海底に大規模な構造物を設置する必要がないため、コスト面で有利だと考えられている。出典:東芝。

IHIが構造物を設計、建造

 4法人の役割はこうだ。IHIが浮体全体と係留設備、タービン構造を設計し、建造する。東芝はタービン性能を検証し、発電と変圧、送電を実証する。

 三井物産戦略研究所はモノづくりには関与しない。まず、どの程度のコストに抑えれば商業ベースに乗るのか、コスト分析を進める。例えば、大型のタービンがよいのか、小型のタービンを多数設置するのがよいかなどを分析する。次に設置場所の選定を行う。海洋環境への影響を分析する他、漁業権などとの調整に関する調査を進める。最後に、海外展開の可能性を探るという。「研究開発が成功したとしても、商業ベースに乗って広く普及しなければ意味がない」(三井物産戦略研究所)。

 東京大学は、大学院新領域創成科学研究科の教授である高木健氏を中心に海流エネルギー研究に取り組む。高木氏は海洋エネルギーを専門としており、「この分野の第一人者である」(IHI)。

直径40mのタービンを狙う

 海流発電に最も適したタービンとはどのようなものなのか、実用化前であるため、確定した解はない。IHIは、商業化した際の規模を2000kW(2MW)と見込む。「直径40mの水中タービンを2つ備えた幅100mの浮体物を想定している」(IHI)。実験では40分の1スケール、すなわち直径1mのタービンを使う予定だ。

 コストの見積もりはどうなっているのだろうか。2000kWという規模を前提とするなら「1基を10億円以内で製造する必要があるだろう」(プロジェクト関係者)。

 商業化したときの「発電所」の規模はどの程度なのだろうか。2000kW規模のタービンを「400基置く」(プロジェクト関係者)という案もあるようだ。

1369とはずがたり:2014/10/23(木) 23:22:07
2013年04月25日 11時00分 更新
海洋温度差で10MWの発電所、年間1億3000万ドルの石油を削減
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/25/news039.html

海洋には膨大なエネルギーが隠れているものの、発電所の実用化は遅れている。米ロッキードマーチンは中国企業と共同で「海洋温度差発電」に取り組む。年間の石油コストを1億3000万ドル削減可能だという。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 再生可能エネルギーのうち、最も開発が遅れているのが海洋エネルギーだ。海洋エネルギーには、潮汐、波力、海流、海洋温度差などさまざまなものが含まれている。潮汐では200MWクラスの発電所が運用されており、波力は小規模な発電に多用されている。海流と海洋温度差はいまだ実験段階だ。

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図1 海洋温度差発電所。以下の図の出典:Lockheed Martin

 2013年4月、海洋温度差発電(OTEC:Ocean Thermal Energy Conversion)が、実用化に向けて一歩を踏み出した。米国の航空宇宙企業であるLockheed Martin(ロッキードマーチン)は、中国の不動産開発業者であるReignwood Groupと海洋温度差発電所建設に関する契約に調印、出力10MWの試験プラントの建設が2014年に始まるからだ。現時点では世界最大規模の海洋温度差発電所になる見込みだ(図1)。今後5年間をかけて両社はさらに大型の発電所に取り組むとした。

 今回の建設予定地は中国南部の海上。「海洋温度差」という名前の通り、海面と深海の間で海水温に差が大きな地域に適する発電方式だ。中国南部はこの立地条件に適合しているという(図2)。図2で黄色は温度差が18〜20℃、オレンジは20〜22℃、赤は22〜24℃、濃い赤は24℃以上の領域を示している。世界80カ国に適用可能であり、東南アジアや中米に適していることが読み取れる。日本も九州以南であれば建設が可能だ。

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図2 海洋温度差発電の適地

ベース電源に向く

 海洋温度差発電の発電量は、季節や天気、時刻などに依存しない。従ってピーク電源というより、ベース電源に向いている。発電量に変動がほとんどないため、石炭火力発電所と似たような使い方になるだろう。Lockheed Martinによれば、系統に接続しにくい島しょや、送電ケーブルの敷設に課題がある海岸沿いに向くという。

 今回建設する海洋温度差発電所は、Reignwood Groupが計画するグリーンリゾートの電力を100%まかなう計画だ。年間で130万バレルの石油を節約できる。1バレル100米ドルという石油価格を仮定すると、年間1億3000万ドルの燃料費が節約できる計算になる。加えて、CO2の排出量を年間50万トン削減できる。

 Lockheed Martinは、1970年代から海洋温度差発電の開発を進めており、米国で出力50kWの実験施設を3カ月間運用した実績もある。2009年以降、米海軍から1250万米ドルの研究資金を得て、基幹部品の開発とパイロットプラントの設計を進めてきた。今回の契約は、これらの研究開発が実を結んだ形だ。

 海洋温度差発電の仕組みを図3に示す。蒸気タービンを利用する原子力発電所といくぶん似た仕組みだ(放射線は全く発生しない)。まず図下の紫色のパイプでは沸点の低い作動液体がポンプによって、左上に運ばれる。水面から取り込んだ海水(オレンジ色)と円筒形の熱交換機で接触し、作動液体が蒸発、タービンを回して発電する。その後、深海の冷たい水(水色)で熱を奪われて再び液体に戻るというサイクルを繰り返す。

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図3 海洋温度差発電の仕組み

1370荷主研究者:2014/10/26(日) 16:46:20

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140920_42023.html
2014年09月20日土曜日 河北新報
男鹿線沿線に太陽光発電 14年度末稼働

 JR東日本秋田支社は19日、潟上市天王地区のJR男鹿線追分−出戸浜駅間の沿線2カ所に、出力計3100キロワットの太陽光発電設備を設置すると発表した。JR東日本が2013年度から進める北東北の再生エネルギー基地化事業の一環で、秋田支社管内で太陽光発電設備を設置するのは初めて。

 設置場所は、吹雪などの自然災害から線路を守る同社所有の鉄道林内で、面積は計7万1000平方メートル。太陽光パネルを約1万7500枚設置する。年間発電量は約400万キロワット時で、一般家庭約1100世帯の年間消費電力量に相当する。

 国の固定価格買い取り制度に基づき、全量を東北電力に売電する。

 3日に秋田県から開発の許可を受けた。9月下旬に同社グループの日本電設工業(東京)が工事に着手し、本年度末の稼働を予定する。

 秋田支社総務部は「今後も社有地で、太陽光発電設備の設置拡大を検討していく」と話している。

1371荷主研究者:2014/10/26(日) 17:02:22

http://www.minyu-net.com/news/news/0919/news4.html
2014年9月19日 福島民友ニュース
アンモニア発電成功 世界初、郡山で産総研と東北大

 産業技術総合研究所(産総研)は18日、アンモニアを直接燃焼させるガスタービン発電に成功した、と発表した。

 東北大と連携して郡山市の福島再生可能エネルギー研究所で取り組んでいる実証試験で、灯油にアンモニア30%を混ぜてガスタービンで燃焼し、21キロワットを発電した。産総研によると、世界初の試みという。

 アンモニアは燃焼で二酸化炭素が発生しないなど、燃料として優れた性質を持つ水素を高い割合で含む物質の一つで、発電用燃料としての利用に期待が高まっている。一方、一般の燃料より着火しにくく燃焼速度が遅いことなどから、これまでガスタービン発電の燃料には使用されていなかった。

 産総研などは、灯油とアンモニアを安定して混焼させることができる小型のガスタービン発電装置を開発。実証試験では、灯油だけでタービンを起動して安定的に発電した後、アンモニアの燃焼を開始。徐々にアンモニアの比率を上げ、灯油を30%削減した状態で21キロワットの発電出力を維持した。また、燃焼で生成される窒素酸化物を除去するための「脱硝装置」を併せて使用した。

1373とはずがたり:2014/11/23(日) 22:06:22
九電め,矢張りサボっていやがったんだな。

揚水発電活用を 世田谷で再生エネシンポ
東京新聞2014年10月31日(金)08:10
http://news.goo.ne.jp/article/tokyo/region/tokyo-CK2014103102000146.html

 再生可能エネルギー(再エネ)について学ぶシンポジウムが、世田谷区の世田谷産業プラザで開かれた。九州電力などが再生エネルギーの固定価格買い取り制度の受け入れ手続きを中断する問題について、エネルギー事情に詳しい富士通総研の高橋洋主任研究員は「九州電力管内の蓄電設備の利用率は低い。活用すれば、すべてとは言わないが、受け入れは可能」と指摘した。 (石井紀代美)

 問題の背景には、再エネが送電線に殺到すると、周波数が乱れ、停電を引き起こす恐れがある。高橋さんはこれを「発電量が増えすぎて困るという話」と分かりやすく説明した。

 その解決策として、余剰電力を利用して水を高い場所にくみ上げ、電力需要が大きくなる時間帯に水を落下させて発電する揚水発電の活用を提案する。

 「天然の蓄電池といえる。しかし、九州電力管内では二百三十万キロワット発電できる揚水発電設備があるが、利用率は2%未満にとどまっている」と明かし、10%以上ある米国やドイツより少ないことを報告した。

 大手電力会社が互いに電気をやりとりする「連系線」という電線についても、「(九電は)電気を受ける方の利用は東日本大震災以降、増えているが、(本州の電力会社に向けて)送電する方はほとんど使っていない」と解説した。

 シンポジウムは、再エネの利用に関心が高い区民らでつくる市民団体「世田谷新電力研究会」が二十八日夜に開き、約百三十人が集まった。

 経産省の職員や燃料電池車の開発に取り組む自動車メーカー社員も参加し、水素エネルギーの活用についても語り合った。

1374とはずがたり:2014/11/23(日) 22:08:33
こんなのもとっとと切れよなぁ。制度設計した官僚はわざと制度に不信感持たれるようにしとんちゃうか┐('〜`;)┌

「空押さえ」解消を 再生エネ事業、国や東北電に提言方針
http://news.goo.ne.jp/article/fminyu/region/fminyu-14819342.html
福島民友2014年11月11日(火)09:50

 東北電力の再生可能エネルギーの買い取り契約中断を受けた対応策をめぐり、県は10日、東北電の送電網に接続を予約した県内の161万キロワットに対し、接続費用の支払い契約を結ぶなどしたのは1割強にとどまるとして、再生エネの事業者が送電網への接続を予約しながらも発電を始めない「空押さえ」の解消を国、東北電に緊急提言として求める方針を固めた。
 県によると、県内の再生エネ事業で東北電と接続費用の支払い契約を結ぶなど実現性の高い事業は約24万キロワット(7日現在)で、予約電力量全体の15%程度にとどまる。接続の予約だけを済ませ、再生エネの設備価格が値下がりするまで発電を始めない事業者がいるとみられる。用地取得のめどが立っていない事業も多く含まれている。

1375とはずがたり:2014/11/23(日) 22:47:18
確かに磐城双相地域→東京に莫大な電力量を送る送電線があってそれが全く利用されてない筈だな。

東電の送電網利用を 再生エネ契約中断で提言案
http://news.goo.ne.jp/article/fminyu/region/fminyu-14828680.html
福島民友2014年11月19日(水)10:30

 東北電力の再生可能エネルギーの買い取り契約中断を受けた対応策をめぐり、県は18日、都内で専門家会合を開き、東京電力福島第1原発事故後に使っていない東電の送電網の利用を含め、再生エネ導入拡大に向けた特別措置を国に求める提言案をまとめた。25日にも内堀雅雄知事に提言案を提出し、その後、知事が国と東北電に要望する。
 契約中断の理由について、東北電は送電網の容量限界を挙げる。県は、廃炉が決まっている福島第1原発などの電力を受け入れていた送電網を利用することで「容量不足の課題は解決する」としている。送電網の利用は東電の承諾が必要となるため、国に協力を求める。
 このほか提言案では、再生エネの事業者が送電網への接続を予約しながらも発電を始めない「空押さえ」の解消や、避難地域での導入に向けた財政措置も提案。地域で発電した電力を地域で消費する仕組みづくりや、地域単位で電気を供給管理できる新たなエネルギーネットワーク構築への支援も求めた。
 会議では、委員から「福島からの提言は他の都道府県に大きな影響を与える」との意見も上がった。

1376とはずがたり:2014/11/23(日) 22:49:23
>>1374
>買い取り決定後も長時間稼働していない再生エネ設備の認定取り消しや
空押さえ解消だけで行けるんだな。

大手電力5社、再生エネ買い取り再開へ 九電、早ければ年内に表明も
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/industry/snk20141123539.html?fr=rk
産経新聞2014年11月23日(日)17:17

 大手電力5社が、停止している再生可能エネルギーの買い取り手続きを再開する検討を始めたことが23日、分かった。認定後も長く発電を開始しない事業者を排除するなど供給制限策を整える条件で、九州電力が早ければ年内にも再開を表明する見通し。

 太陽光発電設備は天候により出力が変動するうえ、送電網の受け入れ容量を超える電力の購入は困難として、大手電力は新たな買い取りを見あわせている。

 このため経済産業省は、買い取り決定後も長時間稼働していない再生エネ設備の認定取り消しや、太陽光発電からの送電を中断する制度の拡大など、供給制限策を検討している。制限策の導入が決まれば、九電のほか北海道、東北、四国、沖縄の4電力も受け入れ再開を検討する方針だ。

1377とはずがたり:2014/11/23(日) 22:49:41

大規模風力発電所が完成 広川、日高川の町境
AGARA 紀伊民報2014年11月21日(金)17:00
http://news.goo.ne.jp/article/agara/region/agara-284470.html

 コスモ石油グループの「エコ・パワー」(本社・東京都、荻原宏彦社長)が和歌山県の広川町と日高川町にまたがる白馬山脈の尾根に建設していた大規模風力発電所「広川・日高川ウィンドファーム」が完成し、21日、現地で操業安全祈願祭が行われた。同社が県内に風力発電施設を設置するのは初めて。同施設の総出力は2万キロワットで、県内では2番目に大きい規模という。

 発電所は標高400〜500メートルある白馬山脈の尾根伝いに2キロにわたり、40メートルのブレード(羽根)が3枚付いた高さ約120メートルの風車(定格出力2千キロワット)を10基設置。後ろから風を受ける「ダウンウィンド方式」の風車で、吹き上げる風を効率的にとらえられるのが特徴。年間発電量は約1万1千世帯分の年間使用量に相当する。総建設費用は約60億円という。

 2012年11月に着工し、今年11月1日から稼働して関西電力に売電している。同施設から最寄りの民家までは約1・3キロ離れており、同社は「音による住環境への影響は最小限に抑えられると考えている。後は実際に回して、声を聞きながらできるだけの対処はしたい」としている。

 操業安全祈願祭では神事を行い、荻原社長があいさつ。地元の西岡利記広川町長と市木久雄日高川町長も加わり、テープカットをして完成を祝った。

 県産業技術政策課によると、県内にある総出力600キロワット以上の風力発電施設は「広川・日高川ウィンドファーム」で9カ所目。同施設の総出力は、近くにある広川町の「白馬ウインドファーム」(3万キロワット)に次いで大きいという。

1378とはずがたり:2014/11/23(日) 22:50:03

海流発電の実証実験、大手2社が検討 串本町潮岬沖
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=280910

 和歌山県が海洋エネルギーの活用を目指す串本町潮岬沖の海域で、大手発電機開発メーカー2社が、海流発電の実証実験を検討していることが18日、分かった。黒潮が流れる潮岬沖は強いエネルギーが得られるとして県が議論を進めてきた。海流発電技術はまだ開発中のため、潮岬沖が世界初の実証実験場になる可能性もある。

 18日の県議会一般質問で、片桐章浩議員(改新クラブ)が海流発電の見通しについて聞き、藤本陽司・県商工観光労働部長が「複数の重工系メーカーが海域での実証実験を検討している」と明らかにした。仁坂吉伸知事は「さらに推進していきたい。地元自治体とも連携して支援をし、実証実験海域として決めてもらえるよう働き掛けていきたい」と話した。

 県によると、2社は「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の補助を受けて、海流発電機の開発を進めている。実証実験の開始時期などは未定だが、県は「数年のうちに開始されるのでは」と期待している。

 県はメーカーの実証実験を受け入れる態勢づくりのため、串本町や新宮市などと「実証フィールド運営協議会」を設置するよう準備を進めている。また、実験に先立ち、メーカーが海流の速さや向き、漁業への影響など、海域の環境調査をする場合、データを提供するなど協力していくという。

 国は昨年4月、海洋エネルギーの発電技術開発を目指し「海洋基本計画」を閣議決定。それを受け、県は潮岬海域の海洋エネルギーの有用性について、大学教授や電力会社、漁業関係者らでつくる「県海洋再生可能エネルギー検討委員会」で発電への活用に向けて議論。今年2月、国が実験海域として認定する「実証フィールド」に申請したが、選ばれなかった。実験する企業が確定していないことなどが理由だが、要件を満たしたと確認されれば選定されるという。

 県は10月18日、地元住民にも事業を知ってもらおうと、串本町の串本ロイヤルホテルで「県海洋再生可能エネルギーシンポジウム」(串本町、新宮市共催)を開く。東京大の高木健教授や内閣官房総合海洋政策本部の吉田栄内閣参事官、NEDOの土屋宗彦理事らが登壇する。

(2014年09月19日更新)

1379とはずがたり:2014/11/23(日) 22:50:23
>>1378-1379

潮岬沖で海流発電を 串本でシンポジウム 和歌山県
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=282603

 和歌山県串本町潮岬沖に海流発電の開発企業を誘致し、世界初の実証実験を目指している県は18日、同町サンゴ台の串本ロイヤルホテルで「海洋再生可能エネルギーシンポジウム」(串本町、新宮市共催)を開いた。東京大学大学院・新領域創成科学研究科の郄木健教授が、世界や国内における海洋再生可能エネルギー開発の動向について講演。国内の海流発電の大きなエネルギー資源である黒潮のうちでも、潮岬沖は蛇行が少なくエネルギーが安定して得られる海域だと説明した。

 県は強いエネルギーが得られる潮岬沖の黒潮を活用した海流発電を計画しており、開発企業の誘致を進めている。シンポジウムは地元の関心を高めようと県内で初めて開き、地元高校生を含む地域住民ら約200人が来場した。

 国は2013年4月、海洋再生可能エネルギーの発電技術を開発するために「海洋基本計画」を閣議決定。これを受け、県は同年8月に大学教授や電力会社、漁業関係者らでつくる検討委員会を発足させた。

 今年2月、県は潮岬沖を「実証フィールド」として国に申請したが、実験する企業が確定していないことを理由に認定されなかった。企業が決まり次第、認定される。県によると、潮岬沖での実証実験にはIHIと三菱重工の2企業が関心を示しているという。

 シンポジウムでは、県の検討委員会で委員長を務めている郄木教授が「海洋再生可能エネルギーの動向」と題して講演。洋上風力発電や潮流・波力発電、海流発電について説明し、この分野で先行している欧州と比較して日本の現状を述べた。

 海洋再生可能エネルギーの開発事業について「もうかる事業ではないが、二酸化炭素を減らすためにみんなで頑張ってやらないといけないと考えてほしい」と話した。

 海流発電に関し、黒潮は国内の大きなエネルギー資源で蛇行による変動が問題だが、潮岬沖は蛇行が少なく、安定してエネルギーが得られる海域の一つだと説明した。

 講演後、専門家らによる「海洋再生可能エネルギーと和歌山県の地域活性化」と題したパネルディスカッションが開かれた。

 郄木教授や内閣官房総合海洋政策本部事務局の吉田栄内閣参事官、新エネルギー・産業技術総合開発機構の土屋宗彦理事、海洋産業研究会の中原裕幸常務理事、田嶋勝正串本町長、田岡実千年新宮市長、県企業政策局の出口博之局長が意見を交換した。

(2014年10月21日更新)

1380とはずがたり:2014/11/24(月) 00:01:45
福島県沖の浮体式洋上風力 7000キロワット発電8月開始 風車土台が小名浜港到着
http://news.goo.ne.jp/article/fminpo/region/fminpo-30066428.html
福島民報2014年11月11日(火)09:45

 経済産業省などが本県沖で取り組んでいる浮体式洋上風力発電の実証運転で、風車1基(出力7000キロワット)の土台となる浮体が10日、いわき市の小名浜港に到着した。来年6月にも風車を取り付けて楢葉町の沖合に係留させ、8月中旬をめどに発電を開始する予定。
 浮体は上空から見ると一辺の長さが106メートルのL字型。長崎県の長崎港で建造され、10月30日に小名浜港に向けて出港した。今後は風車を搭載するための大型クレーンを小名浜港で組み立てる。クレーンを使って風車を載せ、来年7月1日をめどに小名浜港を出港する。楢葉町の沖合約20キロに係留させる。
 実証運転では既に出力2000キロワットの風車1基が楢葉町の沖合で稼働している。今回の1基に加え、出力7000キロワットの1基の計2基を平成27年度中に稼働させる。計1万6000キロワットの出力は浮体式としては世界最大規模となる。
 経済産業省が総事業費約500億円を投じて、企業や大学でつくる「福島洋上風力コンソーシアム」に事業運営を委託している。

「洋上風力発電の土台」小名浜入港 風車部分組み立てへ
http://news.goo.ne.jp/article/fminyu/region/fminyu-14819344.html
福島民友2014年11月11日(火)09:50

 経済産業省などが楢葉沖で行っている浮体式洋上風力発電の実証研究で、出力7メガワット風車の「土台」部分となる浮体が10日、いわき市の小名浜港に入港し、報道陣に公開された。今後、港内で風力発電設備の組み立てに着手し、来年6月の完成を目指す。
 公開されたのは、計画されている浮体式では世界初となる7メガワットの発電設備2基のうちの一つで、1基で約6000世帯の1年分の電力を生む。浮体は上から見るとL字形の構造物で1辺の長さは約106メートル、長崎県で建造された。組み立て後の高さは最大185メートルになり、建設には高さ200メートルの大型クレーンを使う。完成後の7月から設置作業が始まり、8月中旬の発電開始を目指す。経産省の委託を受けた「福島洋上風力コンソーシアム」に参加している丸紅の福田知史国内電力プロジェクト部長は「小名浜で設備を建設することで、福島で事業が可能だということを周知したい」と話した。

1381とはずがたり:2014/11/24(月) 00:01:57


発電へ風車完成 若松・背あぶり山、15年度から営業運転
http://news.goo.ne.jp/article/fminyu/region/fminyu-30191005.html
福島民友2014年11月22日(土)10:40

 エコ・パワー(東京)が会津若松市の背あぶり山で進めている風力発電事業「会津若松ウインドファーム」で、風車8基が21日までに完成した。室井照平市長が同日、現地を視察した。
 山の尾根に並ぶ風車の高さはブレード(羽根)を含め約118メートル。発電容量は1基2千キロワットで、冬季の試験運転を経て来年度から営業運転を始める。
 室井市長は「風量発電の稼働でエネルギーの地産地消が前進する」と話した。

一戸・高森高原は「適地」 風力発電で県評価委
岩手日報2014年11月12日(水)11:26
http://news.goo.ne.jp/article/iwate/region/iwate-30080907.html

 県大規模事業評価専門委(委員長・倉島栄一岩手大農学部教授、委員8人)は11日、一戸町の高森高原に建設が予定されている風力発電所などの現地調査を行った。
 委員7人が参加し、県の担当者が風況調査の結果などを説明した。倉島委員長は「審議で自然への影響が心配されたが、ここは遮る物がなく風力発電に適している。エネルギー政策は積極的に進めてほしい」と話した。
 同発電所は鳥海牧野農業協同組合(工藤正代表理事)が所有する牧草地に最大出力2300キロワットの風車11基を整備する計画で、総事業費は約115億円。2016年度着工、17年度の運転開始を目指す。年間発電量は一般家庭約1万6千世帯に相当する約5300万キロワット時を見込み、東北電力に売電する。

1382とはずがたり:2014/11/24(月) 00:25:24

宮崎・鹿児島から北九州・博多の需要地に持ってくのが隘路やねんな〜。

<再生可能エネルギー>九州電253万キロワット分設備不足
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20141118k0000m020130000c.html
毎日新聞2014年11月17日(月)23:13

 再生可能エネルギー事業者が9月末までに九州電力に接続の検討を申し込み、送変電設備の増強が必要だと判断されたケースが2650件、出力規模で計約253万キロワットに達していたことが、九電への取材で分かった。再生エネの受け入れを現在停止している九電は、運用による受け入れ枠の拡大策を検討中だが、送電設備の容量不足というハード面での課題は重くのしかかりそうだ。

 九電が設備増強を求めたケースは、福岡や長崎など九州北部は数十件にとどまる一方、大分や宮崎、鹿児島では700〜1000件近くに上っている。主に太陽光発電で、これらの地域は電力需要が少なく、九電の大規模発電所も少ないため、送電網が細く、受け入れ余力が少ない。既存の送電網の増強には、多額の工事費がかかり、現行制度は再生エネ事業者にコスト負担を求めている。

 再生エネの発電量が消費電力量を上回る可能性が出てきた九電は9月下旬、受け入れを一時停止し、導入余力の拡大策を精査中だが、自社の揚水発電の運転時間を見直すなど運用面の対策が中心になるとみられている。また、経済産業省も、再生エネの買い取りを大手電力会社に義務づけた「固定価格買い取り制度」の見直しを進めている。

 ただし、電気料金の大幅な上乗せにつながりかねない送変電設備の増強には、政府も九電も様子見の状態で、再生エネのさらなる普及は、大分や九州南部ではしばらく停滞する可能性が高い。【遠山和宏、寺田剛】

1383とはずがたり:2014/11/24(月) 00:28:18
ネットワークに余裕があるはずの東電管内でなにしてけつかんねんヽ(`Д´)ノ

太陽光エネなど固定価格受け付け 買い取り制限継続 東電栃木が方針
http://news.goo.ne.jp/article/tokyo/region/tokyo-CK2014111502000156.html
東京新聞2014年11月15日(土)08:10

 太陽光などの再生可能エネルギーを固定価格で買い取る新規契約の受け付けが県内で制限されている問題で、東京電力栃木支店は、この秋に予定していた対策の発表を延期し、当面は制限を続けることを決めた。国や電力業界全体の動向を見守る必要があると判断したためで、再生エネ発電を計画する事業者にとっては、いつ事業が始められるか不透明な情勢となった。 (大野暢子)

 宇都宮市の県総合文化センターで十四日開かれた県主催の「県再生可能エネルギーセミナー」で、講師の一人として出席した東電栃木支店の青木文夫設備・地域担当部長が、講演の中で明らかにした。

 青木部長は、県内の広域で七月以降、最大出力五十キロワット以上の再生エネ発電に関し、売電の受け付けを中断していると報告。固定価格買い取り制度が始まった二〇一二年以降、県内でも太陽光発電施設が急増し、送電設備の容量が不足していることが原因と説明した。再生エネ発電の機運が高まる中での売電の中断に、「ご迷惑をおかけしている」と陳謝した。

 栃木支店は当初、十月末までの対策の公表を目指していたが、全国で同様の問題が相次ぎ、経済産業省が検証に乗り出したことを受け、対策を引き続き協議することにした。新規の申し込みを検討していた県内の事業者には、既に今回の方針を通知したという。

 青木部長は、同じく送電設備が不足している群馬県で、設備の増強工事を行うために導入している入札制度を紹介。売電を希望する各事業者に工事負担金の額を示してもらい、東電側が売電できる業者を決める仕組み。ただ、群馬での導入は試験的なもので、栃木で実施するかは未定という。

 電気の買い取り価格は国が毎年変えている。将来、県内で売電が再開された場合、東電はどの時点の価格で買い取るのかという点には、国の方針が未定だとして明言しなかった。

 セミナーには、県内の発電事業者ら約二百五十人が参加。質疑では、「発電量の増加は想定外だったのか」との声や、事業者の負担増を懸念する意見が挙がった。青木部長は「ここまでの急増は予測しづらかった」と釈明し、「送電設備が不足すれば増強工事をし、発電事業者にも負担していただくのが原則だ」と理解を求めた。

1384とはずがたり:2014/11/26(水) 11:17:20

今は太陽光の参入促進するカネあったら送電罔の増強に回すべきやしね。

再生エネ買い取り制度見直し 揺れる県内
http://news.goo.ne.jp/article/chuplus/region/chuplus-CK2014103102000093.html
中日新聞プラス2014年10月31日(金)05:00

◆磐田市、補助打ち切り 静岡県、参入減を警戒
 太陽光発電に力を入れてきた自治体や事業者にじわじわと波紋が広がっている。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を導入し、普及を後押ししてきた政府が、制度開始からわずか二年で大幅な見直しに着手したためだ。中部電力は買い取りを続ける姿勢を示しているが、磐田市は太陽光発電の支援事業を打ち切った。浜松市など県内の各自治体も国の動向を注視している。
 「今後どうなるか分からない制度。新しい設備を導入しようとする中小企業や市民に、市として対応できかねる」。太陽光発電設備(十キロワット以上)の導入を支援する市の独自事業を打ち切った磐田市の担当者は、国の制度の不透明さを打ち切りの理由に挙げた。磐田市の事業は昨年度、補正も含め計九千万円の予算で計百五十一件を補助。本年度は計一億円の予算で百八十三件を支援していた。
 国の制度は二〇一二年に導入され、参入しやすい太陽光に人気が集中。天候に左右されやすいため送電網の能力アップが必要となり、九州電力などが今年九月、家庭用を除き相次いで契約手続きを中断した。高めに設定された買い取り価格が、国民の負担増につながる不安も膨らみ、経済産業省は十五日、抜本的な制度改革の議論を本格化させた。そのタイミングに合わせるかのように、磐田市は支援事業を打ち切った。
 日照時間が日本一長い浜松市は、太陽光発電に力を入れ、市エネルギービジョンにも「導入日本一を目指す」と明記。経済産業省の今年七月のまとめでは、主に事業者が対象となる出力十キロワット以上の導入件数が二千二百三十五件で全国トップ。導入規模の九万五千四百キロワットも大分市に次ぐ二位に食い込んでいる。
 浜松市の鈴木康友市長は二十九日の記者会見で「再生可能エネルギーの導入目標を達成していきたい」と今後も導入を進める考えを強調した。ただ、「エネルギー政策は国の方向性と密接不可分。大きな状況の変化があれば見直しを図ることもあるかもしれない」と、国の動向を見守る考えも示した。
 静岡市には大、小合わせて一万一千六百九十六件、計六万六百キロワットが売電目的で設置されている。市が公共施設の屋根を無償で貸し、民間が太陽光パネルを設置する共同事業もあり、容量は計二百三十二キロワット。大規模太陽光発電は浜松市などに比べて進んでいないこともあり、静岡市環境総務課の担当者は「現時点では不安視はしていない」と話す。
 県エネルギー政策課によると県内の太陽光発電能力は、ことし三月末現在で五十四万キロワット。県は二〇一七年度中に百万キロワット達成を目標に掲げる。同課の高畑英治課長は「日照環境に恵まれた静岡県が推進の旗を降ろすわけにいかない」と強調。九月末から県立高校など七施設の屋根で太陽光発電する事業者の公募も始めている。一方で「買い取り価格が下がれば、参入事業者が減り、拡大がスピードダウンするおそれがある」と警戒する。
 中電は「当社では制限を設けず従来通りに買い取りの申し込みを受け付けているが、制度見直し議論の動向は注視したい」(広報)とコメントしている。
 <再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度> 太陽光や風力、地熱といった再生可能エネルギーでつくられた電気の買い取りを大手電力会社に義務付ける制度。買い取り費用は電気料金に上乗せされている。東京電力福島第1原発事故を教訓に、再生エネの普及を目指して2012年7月に導入された。

 買い取り価格は発電コストを考慮し、政府が毎年度、改定する。14年度の1キロワット時当たりの買い取り価格(税抜き)は太陽光の一般住宅(出力10キロワット未満)が37円、太陽光の事業者(同10キロワット以上)が32円、洋上風力が36円、地熱(同1.5万キロワット以上)が26円など。

1385荷主研究者:2014/11/29(土) 15:58:49

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1120141028aaau.html
2014年10月28日 日刊工業新聞
JR東日本、来年度にも青森・八甲田地熱発電所の試掘開始−必要条件満たす場所特定

 JR東日本は川崎重工業、大林組と連携して進めている青森県・八甲田地域の地熱の発電所建設について、2015年度にも試掘を始める。十和田八幡平国立公園の敷地内で長さ約2キロメートルにわたり掘削。掘削の費用は4億円程度を見込んでおり、石油天然ガス・金属鉱物資源機構が5割を補助する。試掘で地形、水量、水温などを調査し、出力5000キロワット程度で数年以内の稼働を目指す。

 JR東日本、川崎重工、大林組の3社は13年7月に「八甲田地域地熱発電研究会」を設立し、青森県などと連携して八甲田地域の発電事業を進めてきた。14年は地下構造を詳細に把握するための地表調査を終え、必要条件を満たしていると想定される場所をほぼ特定した。15年度からは掘削作業をはじめ、地質構造や温度、水流などの状況について調べる。発電が可能であれば、発電所の建設に着手。発電した電力は東北電力に売電する。

 JR東日本はグループで火力発電所や水力発電所を運営しており、発電した電力の処理や送電のノウハウを提供する。川崎重工はボイラやタービンなど発電設備にかかわる技術を提供する。また、大林組は掘削における土木工事のノウハウの提供や発電所の建設などを手がける。

1386とはずがたり:2014/12/05(金) 08:35:59
独最大手、原発を分離 再生可能エネルギーに特化
共同通信 2014年12月1日 08時38分 (2014年12月1日 08時39分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20141201/Kyodo_BR_MN2014120101001165.html

 【ベルリン共同】ドイツのエネルギー最大手エーオンは11月30日、原子力発電と火力発電の事業を本体から完全に分離し、独立した会社にすると発表した。原発などを分離した後の本体の発電事業は、再生可能エネルギーに特化する。
 ドイツは東京電力福島第1原発事故後、2022年末までの「脱原発」を決めた。エーオンは原発の停止を余儀なくされ、代替の火力発電の収益性が低いため、業績が悪化していた。
 再生可能エネルギーは、欧州での風力発電に重点を置く。送電事業も継続する。分離する会社の株式公開に向けた準備を15年に始め、16年の完了を目指す。

1388とはずがたり:2014/12/07(日) 18:46:09
>>692
●苫小牧バイオマス発電(株)
出力:5MW(送電端)
調達元:三井物産の森・道内に約35,000ha

北海道苫小牧市での木質バイオマス発電事業会社へ出資参画
https://www.mitsui.com/jp/ja/release/2014/1203461_5704.html
2014年10月24日

三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:飯島彰己、以下「三井物産」)は、株式会社イワクラ(本社:北海道苫小牧市、社長:後藤英夫)、住友林業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:市川晃)、北海道ガス株式会社(本社:北海道札幌市、社長:大槻博)との共同出資により、北海道苫小牧市に苫小牧バイオマス発電株式会社(以下「新会社」)を設立し、木質バイオマス発電事業(以下「本事業」)を行うことについて本日、株主間協定書を締結しました。

本事業は、新会社が苫小牧市晴海町に発電規模約5.8MWの発電設備を建設し、再生可能エネルギー固定価格買取制度(※1)を利用し発電事業を行うもので、2015年5月に着工、2016年12月の稼働を予定しています。
燃料となる木質チップには、北海道における林地の未利用木材(※2)を100%利用する計画であり、本事業の開始に伴い、新たに年間約6万トンの木材需要が発生する見込みです。これにより森林環境の整備が促進され、北海道における林業振興にも大きく貢献するほか、雇用の創出により地域の活性化にも寄与するなど、社会的な意義を幅広く有する事業となります。

三井物産は日本全国に社有林「三井物産の森」を約44,000ヘクタール保有しており、「社会全体に役立つ公益性の高い資産」として、長い年月をかけ林業を通じた保全活動を続けてきました。そのうちの約8割にあたる約35,000ヘクタールが北海道内に位置しており、本事業開始に伴い「三井物産の森」からも林地の未利用木材を新会社に供給する予定です。(略)

※1 再生可能エネルギー固定買取制度: 再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度。
※2 林地の未利用木材: 間伐材や林地残材等の未利用資源(未利用の木材)

苫小牧バイオマス発電株式会社
概要
所在地 北海道苫小牧市晴海町40番4
資本金 499百万円
出資比率 三井物産株式会社40%・株式会社イワクラ20%・住友林業株式会社20%・北海道ガス株式会社20%
事業内容 木質バイオマス発電
使用燃料 林地の未利用木材 年間約6万トン
主要設備 流動層ボイラー、蒸気タービン発電機
発電規模 発電端出力:約5.8MW(送電端出力:5MW)
年間発電量 約40百万kWh(一般家庭約10,000世帯分の年間使用電力量に相当)
設備稼働予定 2016年12月

2014年10月24日
北海道苫小牧市での木質バイオマス発電事業会社へ出資参画
http://sfc.jp/information/news/2014/2014-10-24-01.html
(略)
住友林業グループは、2008年5月にインドネシアで同国初の木質バイオマス発電を開始し、日本国内では、2011年2月より神奈川県川崎市で建築廃材を主燃料とした、発電規模33MWの都市型バイオマス発電所(川崎バイオマス発電(株)※3)の営業運転を開始しております。また北海道では、紋別市で間伐材など林地の未利用木材を主燃料とする発電規模50MWの森林型バイオマス発電所(紋別バイオマス発電(株)※4)の建設を2016年12月の営業運転を目指して着手しており、今回の苫小牧市での事業参画は、当社グループにおいて国内3番目の発電事業となります。(略)

※3 住友共同電力(株)53%、住友林業(株)34%、フルハシEPO(株)13%の出資比率による共同運営会社
※4 住友林業(株)51%、住友共同電力(株)49%の出資比率による共同運営会社

1389とはずがたり:2014/12/07(日) 18:48:00
>>1388(苫小牧)>>752>>933(紋別)
●八戸バイオマス発電(JR東日本・住友林業・住友大阪セメント)
出力:12MW
年間計画発電量:8,500万kWh/年(8万5千GWh/Y)
燃料調達:三八上北の鉄道林の間伐材+輸入パーム椰子殻
焼却灰:住友大阪セメントで利用

2014年12月03日 09時00分 更新
バイオマスにも乗り出すJR東日本、青森県に12MWの発電所を建設
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/03/news045.html

北東北エリアで「再生可能エネルギー基地化」を推進するJR東日本が新たにバイオマス発電事業を開始する。住友グループの2社と共同で青森県の八戸市に発電所を建設する計画だ。青森県内の森林や沿線の鉄道林から出る間伐材などを利用して、2万3000世帯分の電力を供給する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 JR東日本は八戸市(はちのへし)の八戸港に近い工業用地に、木質バイオマスを燃料に利用する発電所を建設する(図1)。住友林業と住友大阪セメントを加えた3社共同の発電事業会社「八戸バイオマス発電」を設立済みで、2015年6月に着工する予定だ。運転開始は2017年12月を目指す。

 発電能力は12MW(メガワット)と大きく、年間の発電量は8500万kWhに達する見込みだ。一般家庭で2万3000世帯分の電力使用量に相当する規模で、八戸市の総世帯数(10万6000世帯)の2割以上をカバーすることができる。

 燃料には青森県の南部で森林が多い「三八・上北・下北(さんぱち・かみきた・しもきた)地域」から発生する間伐材や製材端材のほか、JRの鉄道沿線に広がる「鉄道林」の間伐材を主に利用する。八戸港に近い立地を生かして、東南アジアから輸入するパームヤシ殻も併用する方針だ。

 JR東日本は震災後に策定した「グループ経営構想V(ファイブ)」の中で、青森・岩手・秋田の北東北3県を対象に「再生可能エネルギー基地化」を推進している。秋田県では沿線の空き地2カ所にメガソーラーを建設する一方、鉄道林の中で風力発電の事業化調査を2014年3月に開始した。

 さらに青森県の八甲田(はっこうだ)北西地域では地熱資源の開発プロジェクトに参画している。新たに青森県内でバイオマス発電にも取り組むことで、4種類の再生可能エネルギーを北東北エリアで展開することになる(図2・地熱は八甲田北西地域)。

 パートナーになる住友林業は木質バイオマスで日本最大の「川崎バイオマス発電所」(発電能力33MW)を2011年から神奈川県で運転している実績がある。現在は北海道の苫小牧市や紋別市で木質バイオマス発電所を建設中だ。

 住友大阪セメントも栃木県の自社工場で木質バイオマス発電設備を運営している。八戸市のバイオマス発電所が稼働したら、発電後の焼却灰を八戸市内にあるグループ会社のセメント工場で原料として利用する。

1390とはずがたり:2014/12/07(日) 18:52:57
>>1389-1390

住友林業・JR東日本など、青森県で木質バイオマス発電 一部PKSも使用
http://www.kankyo-business.jp/news/009299.php
2014年12月 4日掲載

住友林業および住友大阪セメント、JR東日本は、2日、未利用の林地残材や間伐材等を利用したバイオマス発電会社を合弁にて設立し、青森県八戸市において木質バイオマス発電事業を実施すると発表した。

本事業は、新会社が八戸港付近の工業用地に、発電規模約12MWの木質バイオマス発電施設を建設し、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用した発電事業を行うもの。年間予想発電量は約8万5,000MWh(一般家庭約1万7,000世帯分の年間使用電力量に相当)。

発電施設は2015年6月に着工、2017年10月に竣工、同12月に営業運転を開始する予定。

燃料の木質チップは年間約13万トンの使用を見込む。主に青森県三八・上北・下北地域の間伐材や製材端材、周辺鉄道沿線の鉄道林の間伐材などを地元関係者の協力を得ながら集荷する他に、一部パームヤシ殻も使用する予定。

新会社の名称は「八戸バイオマス発電」。設立は2014年10月28日。資本金は300百万円。出資比率は、住友林業が52%、住友大阪セメントが30%、JR東日本が18%。

本事業を通じ、環境にやさしいエネルギーの創出が図られるとともに、該当地域の森林環境の整備が促進されるなど、林業振興にも大きく貢献するほか、雇用の創出にも寄与することなど地域への貢献が期待される。

住友林業グループは、2008年5月にインドネシアで同国初の木質バイオマス発電を開始し、日本国内では、2011年2月より神奈川県川崎市で発電規模33MWの都市型バイオマス発電所の営業運転を開始している。また、北海道では、紋別市で発電規模50MWの森林型バイオマス発電所、苫小牧市で発電規模5.8MWの木質バイオマス発電所の開発に参画する。八戸市での本事業は、同社グループにおいて国内4番目の木質バイオマス事業となる。

住友大阪セメントグループは、セメント製造用電力の安定化のため、セメント工場に自家発電設備を導入し、電力の自給率向上に努めている。また、栃木工場の自家発電設備は、木質チップ等バイオマス資源を主燃料として利用するバイオマス発電設備である。赤穂、高知工場でも石炭の補助燃料としてバイオマス燃料を積極的に活用している。

八戸市での本事業は、セメント工場敷地以外で他社とのパートナーシップのもと発電事業を行うという点で、住友大阪セメントグループとして初めての事業となる。バイオマス発電設備から発生する燃料の焼却灰を、グループ会社の八戸セメント(青森県八戸市)でセメント製造用原料として再利用する資源循環システムにより、グループとしてのシナジー効果も発揮できると説明する。

JR東日本は、「グループ経営構想V(ファイブ)〜限りなき前進〜(2012年10月発表)」において再生可能エネルギーの導入を積極的に推進しており、北東北エリアの「再生可能エネルギー基地」化を目標に様々な取り組みを行っている。今回、本事業に参画し、環境にやさしいエネルギーの創出(CO2削減)、地域への貢献(地域の活性化)に積極的に取り組んでいく考えだ。

1391とはずがたり:2014/12/07(日) 18:55:24
>>849>>1139-1140
>この発電所では、1日400トン、年間12万6000トンの鶏糞を使い、毎時6250キロワットを発電し、このうち4800キロワットを売電する計画である。
やっと着工なんか。

2014年12月07日(日)
バイオマス発電所の安全祈願祭を実施 十文字チキンカンパニー
http://www.keimei.ne.jp/article/20141205n1.html
2014.12.05発行

 (株)十文字チキンカンパニー(十文字保雄社長―本社・岩手県二戸市石切所字火行塚25)は11月13日、岩手県九戸郡軽米町の晴山地区に建設するバイオマス発電所の安全祈願祭を催し、関係者ら約60人が出席して工事期間中の安全を祈った。
 同発電所の完成は平成28年4月、営業運転開始は同7月の予定。用地面積は5.6ヘクタール、建物は鉄骨4階建て、延床面積は6799平方メートル(1階部分4150平方メートル)で、発電能力は毎時6250キロワット(3125キロワット×2系列)。
 安全祈願祭の終了後は、町内の旅館「瀧村屋」で直会(なおらい)を実施。
 施主としてあいさつした十文字社長は、多数の出席者と、安全祈願が無事に終わったことに謝意を表し、「人の健康、動物の健康、環境の健康の最高のバランスを目指す、との企業メッセージを掲げ、地元の岩手県北を中心に若鶏肉の生産事業を展開し、現在は年間5000万羽を生産して法人別で業界3位、国内生産のシェアは7%となったが、同時に鶏糞が年間約15万トン発生している。
 これまで、発酵肥料や炭化肥料として東日本全域の農家さんに安価で提供し、農業分野に貢献してきた自負はあるものの、畜糞は国内で供給過多にあるとされる中で、鶏糞の有効利用を模索してきた。
 この発電所では、1日400トン、年間12万6000トンの鶏糞を使い、毎時6250キロワットを発電し、このうち4800キロワットを売電する計画である。家庭で言えば1万1000世帯分に相当し、軽米町と洋野町、九戸村を足した3町村分に相当する。
 昨今、原子力発電の是非の議論から新エネルギーの重要性が増してきているが、ブロイラー鶏糞には飼料のカロリーの70%が残り、おがくずも混ざっているため、絶好の燃焼素材と言える。しかも太陽光や風力と違って、定時定量の発電ができる。
 また、当社の農場が22か所ある軽米町に建設することで、鶏糞の移動も最小限となり、新たな地域循環型エネルギーとして、地元の誇りとなり得るのではないか。資源リサイクルの観点からも、畜糞の供給過剰の軽減につながり、良いことずくめではないかと感じている。
 当社にとって過去最大の投資であり、これまでとは全く異なる分野の事業でもある。しかし、この岩手県北を、国内最大のブロイラー供給基地に育て上げるための、大きなステップになりうると考えている。
 引き続き、雇用を中心に地元に貢献しながら、地元とともに当社も歩んでいきたいと思っているため、今後とも皆様のご支援と、ご協力をお願い申し上げる」と述べた。
 来賓の鈴木俊一衆院議員、岩手県県北広域振興局の藤川敏彦副局長、岩手県議会の千葉伝議長が祝辞を述べ、施工者を代表して倉敷紡績(株)(クラボウ)の北川晴夫代表取締役専務執行役員があいさつ。山本賢一軽米町長の発声で乾杯し、終始なごやかに歓談。農林中央金庫仙台支店の山田秀顕支店長の中締めで散会した。

1392とはずがたり:2014/12/07(日) 18:58:07
ほんとその通り
>木質バイオマス 発電より熱利用を 利用効率に大差

>発電優先ともいえる現状に専門家や林業関係者が疑問を呈し、ボイラーやストーブの燃料とする熱利用を主軸にした仕組みへの転換を求める声が大勢を占めた。

>NPO法人バイオマス産業社会ネットワークの泊みゆき理事長は「発電は利用効率(投入分と出力分のエネルギー比)が20%台と低く、これは貴重な木材資源の7割超を捨ててしまうということ」と説明。

九州森林フォーラム 木質バイオマス 発電より熱利用を 専門家が提言 利用効率に大差
http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/128031
2014年11月19日(最終更新 2014年11月19日 14時04分)

 木材を自然エネルギー源としてとらえる木質バイオマス。再生可能エネルギー電力の拡大を目指す固定価格買い取り制度(FIT)が2012年に始まり、木質バイオマス発電の計画も相次ぐ。福岡市で10月にあった九州森林フォーラム(NPO法人九州森林ネットワーク主催)では、発電優先ともいえる現状に専門家や林業関係者が疑問を呈し、ボイラーやストーブの燃料とする熱利用を主軸にした仕組みへの転換を求める声が大勢を占めた。林産業の復興やエネルギー利用効率を考慮した論議から、木質バイオマスの特徴や課題も浮かび上がった。
 発電に偏重した状況を危ぶむ第1の理由は、新設される多くの発電所を稼働させる大量の木材を、継続的に調達できるのかという点。
 木質バイオマス発電は、ほとんどが未利用の林地残材などを燃料に想定。採算ベースとされる5千キロワットの発電所で年間約10万立方メートルの木材消費を見込む。
 福島第1原発の事故後、電力不足の懸念から国はFITを導入。太陽光発電のほか、木質バイオマス発電計画も全国で60カ所を超え、九州でも19カ所を数える。県内で少なくとも4カ所が来春にも稼働する宮崎県諸塚村の林業、梅田義輝さんは「急な需要増に山側が対応するのは厳しい。一般の市場に出荷される通常の分もあり、木材資源の奪い合いの様相だ」と混乱する現場の不安を語った。

 利用効率の悪さも挙がった。NPO法人バイオマス産業社会ネットワークの泊みゆき理事長は「発電は利用効率(投入分と出力分のエネルギー比)が20%台と低く、これは貴重な木材資源の7割超を捨ててしまうということ」と説明。電力のほぼ半分が空調や給湯などの熱に使われている実態を示し、「熱利用なら60〜93%の効率。資源の有効活用、持続可能性からも熱利用を優先すべきだ」と話した。

 木質バイオマスの先進地、ドイツなど欧州の事情に詳しい富士通総研経済研究所の上席主任研究員、梶山恵司氏は、導入に向けた課題を「残材をどうやって使うかに尽きる」と強調した。建築材としての利用が大前提とした上で、国内の林地の未利用材や加工残材は計2500万〜3千万立方メートルに上り、石油に換算して55億〜66億リットル、小売価格で5千億〜6千億円に相当すると説明。これを生かすため林道の整備や、熱利用を優先する仕組みに業界を誘導する制度づくりを訴えた。
 新たな地域経済を生み出す側面を紹介したのは、熊本県阿蘇市のNPO法人九州バイオマスフォーラムの中坊真事務局長。まきを生産しており「仮に阿蘇でまきストーブが5%普及すれば1500万円の市場が生まれる。その分、灯油代として海外に流れていたお金が地域に循環する」と指摘。「熱利用は地産地消の典型」と表現した。
 こうした利点や欧州の先進例があるにもかかわらず、なぜ発電偏重の形になったのだろうか。「背景に日本にはエネルギー=電力という思い込みがある」というのが関係者の見方だ。コーディネーターを務めた九州大の佐藤宣子教授(森林政策)は「木質燃料は重要な熱源となるエネルギー。そうした意識を育てるため、市民も関心を持ってほしい」と話している。

 ●病院やハウス栽培… 国が補助制度
 バイオマス(生物資源)は家畜のし尿、生ごみなども含まれ、肥料や飼料への利用もある。林地残材や製材工場の残材を活用する木質バイオマスもその一つ。
 バイオマスは地球温暖化を招く二酸化炭素(CO2)を燃焼によって出すが、植物が光合成によって発生量を大気から吸収する。その分を差し引いてゼロと計算するのが「カーボンニュートラル」の考え方。国はこれに基づき2002年、「バイオマス・ニッポン総合戦略」を策定。多様なエネルギーや製品として利活用することを目標としている。本年度は農林水産省、経済産業省、環境省が温浴・介護施設や病院、ハウス栽培用の木質バイオマスボイラーの導入などを想定した各種の補助制度を用意している。

=2014/11/19付 西日本新聞朝刊=

1398とはずがたり:2014/12/07(日) 19:31:30
>>1397
エネルギー効率の悪さ,(輸入材利用による)地元林業との関連の薄さなどを欠点を解消する劃期的な試みだヽ(゚∀゚)ノ

●エナリス・佐伯バイオマス発電所(?)
定格出力:2.5MW
2106.4開始想定
年間推定発電量:1700万kWh(1万7千GWh/Y)

2014年07月28日 09時00分 更新
木質チップの製造からウナギの養殖まで、バイオマス発電を農林漁業に生かす
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/28/news018.html

地域の農業・林業・漁業と再生可能エネルギーを組み合わせた新しい事業モデルが大分県の佐伯市で始まる。エネルギー管理サービスなどを手がけるエナリスが森林組合などの協力を得て実施するプロジェクトで、バイオマスを中核に太陽光や小水力発電をウナギの養殖や花の栽培などに利用する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 大分県の最南端に位置する佐伯市(さいきし)は太平洋に面していて、農業・林業・漁業のすべてが盛んな場所である。この地域に潜在する豊富な再生可能エネルギーを生かした地産地消型のプロジェクトが2016年4月に向けて動き出す。

 太陽光やバイオマスを中心に再生可能エネルギーの開発に取り組むエナリスが、佐伯市内にバイオマス発電所を建設する。燃料になる木質チップの製造や、発電の余熱を利用したウナギの養殖まで、地域の資源をフルに活用した事業モデルを展開する計画だ。

 バイオマス発電所は発電能力が2.5MW(メガワット)で、2016年4月に運転開始を想定している。電力小売の全面自由化に合わせて電力の供給を開始して、佐伯市の公共施設や他の都市の家庭にも供給できるようにする(図2)。バイオマス発電の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)を80%で計算すると、年間の発電量は1700万kWhに達して、一般家庭で約5000世帯分の電力使用量に相当する規模になる。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/saiki1_sj.jpg
図2 農林漁業と再生可能エネルギーを組み合わせた「佐伯モデル」。出典:エナリス

 燃料の木質チップは市内の森林で発生する間伐材や林地残材のほか、製材工場が排出する端材を利用して製造する。発電した電力の買取価格が高い間伐材などの未利用木材(1kWhあたり32円)と一般木材(同24円)だけを利用してチップを作り、買取価格が安い建築廃材(同13円)は使わない。木質チップの製造は地元の佐伯広域森林組合と提携して、佐伯市の関連企業が主体になって実施する予定である。

 さらに発電で生じる高温の蒸気の余熱を再利用して、発電所の近くを流れる川の水を加温できるようにする。温水を使ってウナギの養殖まで手がけることで、漁業従事者との連携を図る狙いだ。川の水流を生かした小水力発電も並行して実施する。

 このほかに近隣の農業従事者とは営農型の太陽光発電を計画している。バイオマス発電の焼却灰を花の栽培にも利用して、電力だけではなく熱や灰などの副生物を含めて循環型の地産地消モデルを構築する。エナリスは「佐伯モデル」として、全国各地の農山漁村に展開することを目指す。

1399とはずがたり:2014/12/07(日) 19:36:13
>>1318

2014年05月14日 11時00分 更新
国内最大のバイオディーゼル発電所、東南アジアのパーム油を燃料に
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1405/14/news022.html

電力小売サービスやエネルギー管理システムを手がけるエナリスが、バイオマスを活用した大規模な発電所の建設を決めた。食用に使わないパーム油を東南アジアから輸入して燃料に利用する。2年間でバイオ燃料による発電事業に200億円を投資する計画だ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 エナリスは2014年に入ってからバイオマス発電プロジェクトを加速させている。1月に木質バイオマスの発電事業会社を岩手県に設立したのに続いて、5月12日には臨時取締役会を開いて大規模なバイオディーゼル発電所の建設を決定した。

 現時点で建設予定地は明らかになっていないが、燃料にはインドネシアなど東南アジアから輸入するパーム油を利用する。パーム油はアブラヤシの果肉から作る植物油で、全世界の生産量の約2割は食用以外の用途に使われている。エナリスはインドネシアにあるバイオ燃料開発会社に出資してパーム油の安定確保を図る方針だ。

 新設する発電所は2014年12月に稼働する予定で、国内のバイオディーゼル発電所では最大の規模になる見込み。このほかにもバイオ燃料による発電事業を拡大して、2015年末までに総額200億円を投資する。発電規模は合計161MW(メガワット)を想定している。

 エナリスはエネルギー管理と電力供給の2本柱で事業を展開していて、電力供給事業ではバイオマスや太陽光による再生可能エネルギーの開発に注力している(図1)。これから電力小売の全面自由化に向けて、発電事業と小売事業を拡大する余地が広がることから、積極的な投資を通じて事業基盤の強化を進める。

バイオ燃料によるディーゼル発電所の稼働開始に関するお知らせ
http://www.eneres.co.jp/pr/20140808.html
2014年08月08日
株式会社エナリス
株式会社エナリス(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:池田元英 以下「当社」)は、平成26年5月12日付「バイオ燃料によるディーゼル発電所新設計画に関するお知らせ」にてお知らせしましたバイオディーゼル発電所の新規建設に先立ち、バイオ燃料を使用した既存設備によるディーゼル発電を開始することになりましたので、下記のとおりお知らせいたします。



当社はこれまで電源開発事業にて、太陽光発電の構築に加えてバイオマス・バイオガス発電の構築に積極的に取り組んでまいりましたが、新たにバイオ燃料を使用したディーゼル発電事業を推進しており、平成27年12月期までに出力計161MWの新規発電所の建設を計画しております。
一方、未稼働の発電設備(休眠設備)についても有効活用すべく、バイオ燃料向けにディーゼル発電所の改造を進めており、このたび8月下旬より当社北茨城発電所※にて1号機で運転開始の運びとなりました。自社発電所にて手掛ける初のバイオ燃料による発電事業となります。
今後につきましても、新規の発電所建設と既存設備の改造を並行して推し進め、電力代理購入サービスや新電力(PPS)への電力安定供給を目指してまいります。

※【北茨城発電所(1号〜3号機)概要】
設置場所:茨城県北茨城市
発電規模:15MW
発電方式:ディーゼル方式

1400とはずがたり:2014/12/07(日) 19:42:42
●宮崎森林発電所
(中核出資:くにうみAM,融資:宮崎県・金融機関,補助金交付:川南町)
発電力:5.75MW
開始:早ければ2015年度

2014年11月12日 09時00分 更新
全国に広がる木質バイオマス発電、35億円のプロジェクトが宮崎県で進む
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1411/12/news022.html

地域の林業振興を兼ねた木質バイオマス発電所の建設プロジェクトが全国各地で相次いでいる。面積の76%を森林が占める宮崎県では、間伐材など未利用木材を活用する発電所の建設計画が中部の川南町で始まった。発電能力は5.75MWで、2015年内にも運転を開始する見通しだ。
[石田雅也,スマートジャパン]

 川南町(かわみなみちょう)の木質バイオマス発電プロジェクトは11月7日に、環境省が推進する「地域低炭素投資促進ファンド事業」の出資案件に選ばれた。出資事業の執行団体であるグリーンファイナンス推進機構が3億円を出資して、発電プロジェクトに必要な総事業費の35億円が集まった。推進機構が木質バイオマス発電事業に出資する初めてのケースになる。

 発電事業を運営するのは特別目的会社(SPC)の「宮崎森林発電所」である。宮崎県や金融機関が24億6000万円を融資するほか、地元の川南町が3億5000万円の補助金を交付する(図1)。さらに岡山県の瀬戸内市で日本最大の231MW(メガワット)のメガソーラーを建設するプロジェクトに参画している「くにうみアセットマネジメント」が中核の出資者に加わっている。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/miyazaki_biomas1_sj.jpg
図1 「宮崎森林発電所」の事業スキーム。出典:グリーンファイナンス推進機構

 発電設備の能力は5.75MWで、燃料には地域の森林から派生する間伐材を中心に利用する計画だ。地元の森林組合などから未利用木材の供給を受ける。運転開始の予定時期は公表していないが、早ければ2015年内にも発電を開始する見通しである。

 宮崎県では2010年に「木質バイオマス活用普及指針」を策定して、森林に放置された林地残材などをエネルギー源として活用する取り組みを推進してきた。県内では5つの大きな川の流域を中心に未利用木材が大量に発生していて、川南町は中部の「一ツ瀬川流域」に属する(図2)。新たに発電所の建設に合わせて、流域の森林から未利用木材を搬出する物流体制も整備する計画だ。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/miyazaki_biomas2_sj.jpg
図2 宮崎県内の未利用木質資源の発生量(2010年時点)。出典:宮崎県環境森林部

1401とはずがたり:2014/12/07(日) 19:45:05
俺としてはその内,発電単独では無く,熱利用との併用で採算が合う程度の買取金額に引き下げるべきであると考えている。

山の救世主?期待外れ? バイオマス発電次々 /宮崎
http://natulogy.com/cat19/3842/
2014年1月14日
朝日新聞DIGITAL

 木材を燃料にする木質バイオマス発電施設が、今年から来年にかけて県内で次々と稼働する。材価の低迷に苦しむ林業関係者は新たな販売先として期待するが、買い取り価格や輸送方法という課題も残る。「スギ生産量日本一」の豊富な林業資源を背景にした動きは山を救えるか。

県内で進むバイオマス発電計画は5施設。燃料に使う木材は合わせて約59万トンにもなる。宮崎市にある企業など6社が立ち上げた「グリーンバイオマスファクトリー」(都農町)は「木材をどれだけ安定的に供給してもらえるかがカギになる」と話す。

原料に予定しているのは、住宅用には向かないC材と呼ばれる曲がりや節の多い丸太や、間伐や伐採後に放置された林地残材だ。

村面積の95%を山林が占める諸塚村。尾根伝いの道を車で走ると、伐採後の斜面や道路端に短い丸太や枝が山積みになっている。

「これが林地残材の集材土場(どば)です」と、50ヘクタールの山林をもつ奈須高光さん(64)。搬出費がかかるため、山の中で朽ちるのを待っているのだ。だが「林地残材があると数年間は造林ができないし、山の一部が崩壊する危険もある」と複雑な心境を明かしてくれた。

東臼杵郡と日向市が管内の耳川広域森林組合によると、木材1立方メートル当たりの平均単価は、1970年代の2万6千円台がピーク。その後は安い外材に押され、2012年度には8千円台にまで下落。いまは消費税率引き上げ前の住宅需要の増加で1万2千円程度にまで回復している。

山主はバイオマス発電に期待するが、問題は価格だ。王子製紙の敷地内で稼働予定の「王子グリーンエナジー日南」(日南市)は、1立方メートル当たり6千円を提示。他事業者もほぼ同じ価格になるとみられる。

そのうえ山から施設までの輸送費をどうするのか、課題もある。「宮崎森林発電所」(川南町)は現地に出向いてチップを作る移動破砕機を準備している。しかし、ほかの事業者は山からの搬出は山主などに負担してもらう考えだという。諸塚村で木材を積み込み、日向市まで運ぶと1立方メートル当たり2千円以上がかかる。山中での伐採などの費用はさらに高い。ある山主は「C材なら7500円で買い取ってもらわないと採算が合わない」と不満をもらす。

森林組合や素材生産事業組合、山主らは昨年11月、「県北木質バイオマス供給協議会」を発足。輸送費を減らすために林地残材の集積場を自治体ごとに設置することや、協議会が価格交渉することを検討している。

耳川広域森林組合の甲斐若佐組合長(58)は「いまは、まず発電ありきで進んでいる。山主や山を守るにはどうすればいいのかも考えていくべきだ」と話す。(大畠正吾)

〈木質バイオマス発電〉 木材を砕いたチップを燃やし、蒸気でタービンを回して発電する。2012年に始まった再生可能エネルギー固定価格買い取り制度で、電力会社には間伐材などが燃料の場合、1キロワット時当たり33・6円での購入が義務づけられた。林野庁によると、間伐材などの未利用材を利用する発電施設は、申請中のものも含め全国で約40カ所ある。

1402とはずがたり:2014/12/07(日) 19:54:06
>>1194-1195n
●岐阜バイオマスパワー(発電)+バイオマスエナジー東海(チップ供給)
発電能力は6.25MW(メガワット)で、年間の発電量は4100万kWhを見込

2014年12月01日 11時00分 更新
曲がった木や根元の部分でバイオマス発電、1万1000世帯分の電力に
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/01/news027.html

「生きた森林づくり」に取り組む岐阜県で、地域の未利用木材を活用したバイオマス発電プラントが本日12月1日に運転を開始した。森林に放置されている曲がり材などを集約して燃料に利用する。発電能力は6.25MWあり、年間に1万1000世帯分の電力を供給することができる。
[石田雅也,スマートジャパン]

 総事業費28億円をかけた木質バイオマス発電プラントが岐阜県の瑞穂市(みずほし)で運転を開始した。創業71年を誇る地元の染色加工会社が中心になって設立した「岐阜バイオマスパワー」が運営する。さらに同じ瑞穂市内に設立した「バイオマスエナジー東海」が燃料の木材を供給する体制だ。

 発電能力は6.25MW(メガワット)で、年間の発電量は4100万kWhを見込んでいる。一般家庭で約1万1000世帯分の電力使用量に相当する。瑞穂市の総世帯数(約2万世帯)の半分以上をカバーできる発電量になる。

 燃料に利用する木材は2種類ある。1つは間伐などによって森林に放置されている木材で、曲がった木や根元の部分など製品に使えない「未利用木材」だ(図2)。林業では「C材」「D材」と呼んでいる。もう1つは道路の建設工事などの支障になるために伐採する「工事支障木」で、固定価格買取制度では「一般木材」に分類する。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/gifu1_sj.jpg
図2 森林資源の活用ルート。出典:岐阜県林政部

 岐阜バイオマスパワーでは年間に未利用木材を約6万立方メートル、一般木材を約3万立方メートル、合計で9万立方メートルを燃料に利用する計画だ。固定価格買取制度による電力の買取価格は未利用木材が1kWhあたり32円(税抜き)、一般木材が24円(同)に設定されている。これをもとに売電収入を計算すると年間に約12億円になる。

 発電プラントの総事業費は28億5000万円である。そのうち約半分の14億5000万円は国と県が運用する「森林整備加速化・林業再生基金」を活用した。基金からの資金融通が12億1000万円で、補助金が2億4000万円である。このほかに銀行からの融資が12億円、自己負担分が2億円になる。

 岐阜バイオマスパワーとバイオマスエナジー東海の2社で新規に15人程度を雇用する予定だ。燃料に利用する木材は地域の森林事業者にとって新たな収入になり、間伐などを通じて森林の健全な育成に生かすことができる。

1403とはずがたり:2014/12/07(日) 19:59:41
●グリーンエナジー津
年間の発電量は1億5800万kWh
電力の売却先はJFEエンジニアリングの100%子会社で新電力の「アーバンエナジー」

2014年09月24日 11時00分 更新
総額90億円の木質バイオマス発電計画、4万4000世帯分の電力を供給
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1409/24/news044.html

JFEエンジニアリングが三重県の事業所の構内にバイオマス発電所を新設する。自治体と協定を結んで地域の間伐材などを燃料に利用する計画だ。発電能力は20MWでバイオマス発電所としては規模が大きい。2016年7月に運転を開始して、発電した電力は子会社の新電力に供給する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 三重県は面積の3分の2を森林が占めていて、昔から林業が盛んなところだ。地域で大量に発生する間伐材を利用したバイオマス発電所の建設工事が11月から始まる。伊勢湾に面したJFEエンジニアリングの津製作所の構内に、発電能力が20MW(メガワット)の木質バイオマス発電所を新設する計画だ(図1)。運転開始は2016年7月を予定している。

http://link.maps.goo.ne.jp/map.php?MAP=E136.33.31.144N34.40.1.391&ZM=10
図1 バイオマス発電所の建設予定地。出典:goomap

 年間の発電量は1億5800万kWhを見込んでいて、一般家庭で4万4000世帯分の電力使用量に相当する規模になる。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は実に90%に達する。ほぼフル稼働を想定している。バイオマス発電の燃料には地域の間伐材に加えて、マレーシアやインドネシアから輸入するパームヤシ殻も併用する予定だ。

 JFEエンジニアリングは木質バイオマスや廃棄物などを利用して高効率の発電が可能な「循環流動層ボイラー」の実績が豊富で、これまでに全国各地のごみ焼却処理施設などで発電プラントを建設してきた。新設する木質バイオマス発電所にも循環流動層ボイラーを採用する。

 発電した電力は固定価格買取制度を通じて売電する。間伐材などの未利用木材の買取価格は1kWhあたり32円(税抜き)で、パームヤシ殻を含む一般木材は24円(同)である。燃料の比率によって売電収入は変わるが、最低でも年間に38億円になる。電力の売却先はJFEエンジニアリングの100%子会社で新電力の「アーバンエナジー」を中心にする方針だ。

 発電所の建設・運営資金として約90億円の調達も確定した。JFEエンジニアリングは日本政策投資銀行などと共同で出資する発電事業会社の「グリーンエナジー津」を通じて、プロジェクトファイナンス方式で複数の銀行から融資を受ける(図3)。返済にあてる原資は売電収入に限定した形になる。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/jfe3_sj.jpg
図3 発電事業のスキーム(JFEE:JFEエンジニアリング、DBJ:日本政策投資銀行)。出典:日本政策投資銀行

 発電所を建設する地元の津市は、政府が指定する「バイオマス産業都市」の16地域の1つに選ばれている。JFEエンジニアリングと包括連携協定を締結して木質バイオマス発電から推進していく。さらに食品系廃棄物を利用したバイオガス発電のほか、木質バイオマスや下水汚泥の固形燃料化にも取り組む計画だ。今後さらにJFEエンジニアリングとの協業を拡大する可能性がある。

1405とはずがたり:2014/12/07(日) 20:08:59
う〜ん。。

ヤシ油の為に奪われるオランウータンの命。ヤシ殻バイオマス発電をする日本。バイオマス発電の意味を問う。http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/c9ba313eff7afb9e2e5e75ff86b1d139
2014-09-13 | 木質バイオマスは危険

1406とはずがたり:2014/12/07(日) 20:14:16
2014/01/22
バイオマス発電/熱利用なしは時代遅れだ
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201401/0006653886.shtml

 山に放置されている間伐材などを燃料にする木質バイオマス発電を導入する動きが目立ってきた。

 日本は世界有数の森林国だが、木を利用する取り組みは先進国の中で極端に遅れている。その結果、多くの森で木が過密化し、災害を引き起こす要因になっている。

 日々増え続けるこの膨大な未利用資源をエネルギーに生かしていくことが大きな課題だ。

 兵庫でも、朝来市で官民連携による計画が進んでいる。燃料のチップ製造までを県森林組合連合会と兵庫みどり公社が担い、関西電力のグループ会社が発電を手掛ける。

 出力は約5千キロワットで、約1万世帯の電力を賄えるといい、2016年3月の運転開始を目指している。

 ただ、気掛かりな点がある。計画は発電だけで、熱の利用を十分に考えていないことだ。

 バイオマス発電の効率は10〜30%程度で、廃熱を利用しなければ、木の燃焼によるエネルギーをほとんど捨ててしまうことになる。

 熱をそのまま温水の供給や冷暖房などに使った方がエネルギーを無駄にしなくていい。そうした地産地消の発想から、欧州では熱利用を中心に据えて発電も併用するコージェネが主流となっている。

 日本に多い発電のみの事業スタイルは無駄が多く、時代遅れとなっている。「焼却炉」や「ガラパゴス化」とやゆされている。

 「兵庫モデル」として進めるのなら、熱の有効利用は必須だろう。

 資源を地元で有効に生かし、エネルギー効率の高い競争力のあるモデルを実現する。それに不可欠なのがまちづくりの視点だ。

 廃熱を、工場や家庭、園芸ハウスの冷暖房、温泉などに使う。電力会社や団体任せの事業にせず、自分たちで地域の課題を解決し、里山を資本とした新しいインフラを築く。それが本当の地域力となる。

 燃料の供給源となる森林管理も欠かせない。山の斜面を皆伐して防災対策が必要なはげ山を増やしてしまっては本末転倒だ。良質な木は建材などに使い、利用価値がない残材を集めて燃料にする。そんなきめ細かな仕組みをつくる必要がある。

 上手に使えば地域の自立につながるが、自然破壊を引き起こす恐れもある。地域の知恵が問われる事業であることを認識したい。

1407とはずがたり:2014/12/08(月) 09:03:10

全胆チップの八鹿ttp://butsuryu.web.fc2.com/tipyuso.htmlを思い出すが八鹿は朝来では無くて養父だ。。

2014/11/18 08:00
燃料安定供給協を設立 兵庫県森林組合連合会
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201411/0007512157.shtml

 兵庫県森林組合連合会(県森連、神戸市中央区)は、2016年9月に朝来市で稼働予定の木質バイオマス発電所に燃料を安定供給するため、県内の11森林組合などと「県be(バイオマスエネルギー)材等供給協議会」を設立した。発電に必要な燃料チップなど年間約6万2500トンの木材を、協議会の会員が供給する。(西井由比子)

 同発電事業は、木質バイオマス燃料を使った初の官民協働事業。森林に放置された未利用の木材などの活用を目指しており、県森連と県の外郭団体兵庫みどり公社(神戸市中央区)、県、朝来市、関西電力グループ−の5者が参加している。

 発電規模は一般家庭約1万世帯分に相当する約5600キロワット。発電所や燃料チップ製造施設、貯蔵施設などを、朝来市内の生野工業団地に整備し、関電エネルギーソリューション(大阪市)が発電・売電、県森連がチップ製造を担当する。

 県be材等供給協議会は今月11日に設立。木材を集める県内各地の森林組合や大規模な森林を所有する住友林業(東京)、日本土地山林(同)、兵庫みどり公社など29社・団体が参加している。

 同協議会会長の石堂則本・県森連会長は「未利用材の利用は災害に強い森づくりのためにも重要。地域経済の発展とともに、しっかり進めていきたい」と話した。

1410とはずがたり:2014/12/08(月) 10:29:00
●福井グリーンパワー
(神鋼環境S・地元森林組合・林野庁・福井県)
立地:福井県大野市
発電規模:6MW
燃料調達:県内間伐材7〜8万トン/年

2014/4/23 20:25
間伐材活用、福井にバイオマス発電所建設 神鋼環境
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201404/0006892283.shtml

 環境装置メーカー、神鋼環境ソリューション(神戸市中央区)は23日、福井県大野市で山間部から出る間伐材を活用した木質バイオマス発電所を建設すると発表した。これまで一般廃棄物を使った発電事業を行ってきたが、再生可能エネルギーの幅を広げようと、木材を使った発電に乗り出す。発電規模は6千キロワット程度で総事業費は約40億円。2016年4月の事業開始を目指す。

 林野庁や福井県などから補助金を受け、約3万1千平方メートルの敷地に燃焼炉を建設。同社が出資する特別目的会社「福井グリーンパワー」が運営する。地元森林組合も参画する予定。

 福井県内の間伐材を年間7万〜8万トン購入。固定価格での買い取りを義務づける「再生可能エネルギー固定価格買取制度」を活用し、売電する。

 同社は23日、地元の大野市と立地に関する協定書を取り交わした。同社は「地域の林業活性化や雇用拡大に役立つ施設にしたい」としている。(黒田耕司)

1411とはずがたり:2014/12/08(月) 10:35:35
2014/7/26 06:52
エネルギーを地域で有効利用 神河町で9月に調査へ
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201407/0007178239.shtml

 兵庫県の外郭団体ひょうご環境創造協会(神戸市須磨区)やエネルギー関連ベンチャーの洸陽電機(同市東灘区)など4団体が9月、エネルギーを地域で有効に利用する「スマートコミュニティー」の実現を目指し、神河町の越知谷地区で調査に乗り出す。

 農村部におけるエネルギーの地産地消の在り方を探り、売電など事業化の可能性についても検討する。調査には学校法人関西学院(西宮市)とコンサルタント業の「地域計画建築研究所(アルパック)」(京都市)が加わる。

 神河町は今年3月、再生可能エネルギー基本計画を策定。約45年前に廃止された越知川中流の小水力発電の復元も検討している。

 環境創造協会などが想定するスマートコミュニティーは、越知川の小水力発電をベースに、太陽光発電、木質チップを活用したバイオマス発電などの再生可能エネルギーを組み合わせ、蓄電池を活用。電源を分散して災害への備えに役立てる。発電や売電を事業化する際は地域住民に関わってもらう。

 9月に始めるのは事前調査で、住民への説明会やアンケートや聞き取りも行う。洸陽電機の担当者は「地域資源の有効利用を住民と共に考えたい」と話す。(鎌田倫子)

1412とはずがたり:2014/12/09(火) 13:32:33

“シェールつぶし”は仮の姿? 原油価格4年ぶり安値の背景
ダイヤモンド・オンライン 2014年12月9日 09時00分 (2014年12月9日 13時26分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20141209/Diamond_63409.html

 原油価格の急落が続いている。国際的な指標である北海ブレント原油は本稿執筆の3日時点で1バレル当たり70ドルを割り込み、4年ぶりの安値に落ち込んでいる。今年6月と比べると、下落幅は38%となった。
 特に、石油輸出国機構(OPEC)が11月末の総会で、減産を見送ったことが原油安を加速させた。ベネズエラなどOPEC加盟国の一部はさらなる値崩れを防ぐため、減産を主張していたが、最大産油国であるサウジアラビアが静観の構えを崩さなかったのだ。
 だが、なぜ、サウジは減産を拒むことにしたのか。背景には「“シェールつぶし”の狙いがある」(石油業界関係者)との見方で関係者は一致している。
 シェールとは、特に北米で生産が急速に増えている非在来型の石油やガスのことだ。地中深くから石油・ガスを取り出す技術の向上により、米国の平均原油生産量は今年日量864万バレルに達し、4年前から40%近く増加した。
 国際エネルギー機関(IEA)によると、米国などOPEC非加盟国の生産シェアは2020年に60%にまで上昇するという。一方、OPEC加盟国の支配力は徐々に低下する傾向にある。
 そこで、サウジは「原油価格を低下させておくことで、シェール開発に打撃を与える狙い」(同)とみられているのだ。サウジは、外貨準備が潤沢で、一橋大学の橘川武郎教授によると、「現地の国営企業に聞いたところ、実際は国家予算も1バレル60ドル台でも黒字を維持できるようだ」という。
 とはいえ、国際通貨基金(IMF)によると、OPEC加盟国でも、オマーンが財政を黒字化するには1バレル102ドルが必要。イラン、イラクも同様に、価格低下に悲鳴を上げ始めている。
 つまり、今回の原油安で露呈したのは、世界の原油供給の約3分の1を担い、原油価格の高値維持で協調してきたOPECが、その価格調整機能を果たせなくなりつつあるという実情である。

対ロシアのけん制も?
 だが、原油価格の動向には複雑な要素が絡み合っているのも事実だ。別の石油業界関係者は「シェールつぶしは表向きの狙いにすぎない」と指摘している。
 米国のシェール開発のコストも低下していることから、「米国とサウジで協調して原油安を維持することで、高値を維持したいロシアへの経済的打撃を狙っている」との見方などもある。
 いずれにせよ、今回の減産見送りによって、原油安はしばらく続くとの見方もあるのだ。
 原油安は、資源輸入国の日本からすれば、大きな恩恵があるのは間違いない。日本は、これまで原油高に円安が加わり、高値での原材料調達を余儀なくされてきた。
 今後の価格動向を見守りながらも、資源調達の多様化を進めることが必要だろう。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 森川 潤)

1413とはずがたり:2014/12/09(火) 14:53:29

2014年08月15日 07時00分 更新
海洋立国の実力は? 「波力発電」の勝者は誰なのか
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/15/news032.html

日本は国土の面積が世界62位でありながら、海岸の長さでは世界6位。海洋エネルギーの確保に向いた立地だといえよう。研究開発や実用化では他国と比較してどのような位置にあるのだろうか。波の力を直接利用する「波力発電」について、国内と海外の状況を紹介する。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 他の再生可能エネルギーと比較した波力発電の利点は、出力の変動が比較的少なく、24時間365日の稼働が期待できること。単位面積当たりのエネルギー密度が高いこと、高度な半導体技術や希少元素を用いた材料が不要であることだ。…しかし…欠点もある。立地、コスト、運用のいずれにも問題があり…トレードオフの関係にある。

 海洋は漁業や船舶の運航に使われており、観光の対象でもある。海洋生物の生息の場でもある。陸上と違ってはっきりした環境アセスメントの手続きが定まってない場合もあり、計画が立てにくい。「当初から漁業者の意見をくみ取りながら実証実験に入ろうとしている。海洋エネルギーの立地を決め、普及させるには漁業者の理解が必要だ」(新潟県労働観光部産業振興課)。これは海洋再生可能エネルギーの実証フィールドとして選定された6つの候補海域のうち、唯一波力発電も対象とする粟島浦村沖(新潟県、図1)に関する発言だ*2)。

*2) 日本政府は海洋再生可能エネルギーの実証試験を続けており、2014年7月には粟島浦村沖(新潟県)が波力の実証フィールドに選定されている。波力に限定しておらず、日本大学理工学部と協力して海流(潮流)や浮体式洋上風力の実証機を設置する>>1017

トレードオフに苦しむ

 「沿岸から離れた洋上に浮体式の波力発電所を立ち上げると、大規模工事が必要になり、経済性が落ちる。さらに日本の沿岸は船舶の往来が比較的多く、航行の安全性を保たなければならない。いずれにしても洋上は避けたい」(大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻教授の重松孝昌氏、関連記事)。

 ところが、大量のエネルギーを確保しようとすると、沿岸近くは効率が良くない*3)。波のエネルギーは海の深さ(沿岸からの距離)に従って急速に増える。後ほど紹介するオーストラリアCarnegie Wave Energyの調査では、波打ち際ではほとんどエネルギーを確保できない。水深100mの地点では波のエネルギーは幅1m当たり30〜50kW。水深が1000mを超え、沿岸から500kmほど離れると90kWまで高まる。

 沿岸部はシステムを低コストで構築でき、運用コストも低いが、エネルギー密度に難がある。装置を大型化して設置台数を増やすことになる。外洋はエネルギー密度が高いものの構築コスト、運用コストとも高まる。最初の一歩を踏み出すことが難しい。

*3) 重松氏の採った手法は、沿岸部の既設構造物(スリット式防波堤)を利用するというもの。耐用年数を過ぎた構造物を更新するタイミングで、周囲に小型波力発電機を組み込んでいく。エネルギー密度の低さを、設置コストを抑え、設置台数の量で稼ぐという考え方だ。

日本よりも海外が強い

 波力発電は日本に限らず、世界的に実証研究の段階にある。特に欧州諸国が熱心だ。図2は内閣府による欧州の海洋エネルギー実証フィールドの主な一覧。全ての実証フィールドが波力を含んでいることが分かる。国内では6つの実証フィールドのうち、1カ所だけが波力を対象としていることと、対照的だ。

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図2 欧州における海洋エネルギー研究の主な実証拠点と研究対象 出典:内閣府

 中でも実用化に近いのは英国スコットランドの企業Pelamis Wave Powerの装置「Pelamis」だろう。図2の左下に小さく写っているのが最新のPelamisだ。

 同社は1998年にPelamisの開発を開始、2004年に実物大モデルを試作し、2006年にはポルトガル海岸に第2世代のプロトタイプモデルを据え付けて試験運転を開始した。最新の実証実験はスコットランド北部のオークニー諸島にあるテストサイト「EMEC(欧州海洋エネルギーセンター)」で継続中だ。

 2基の「Pelamis P2」波力発電装置は、オークニー諸島メインランド島の沖合2kmに設置されており、2014年6月に系統への接続時間が1万時間を超えた。装置の最大出力は0.75MW(×2)、テストサイトでは30分平均値で0.28MWという出力を得ている。1万時間の売電量は200MWhだ。

 同社が波力発電に熱心な理由の1つは、英国が海洋エネルギーに恵まれているからだ。同社が公表した資料によれば、欧州の海洋エネルギーの総量は年平均で167GWという規模。そのうち、18%をスコットランドが占めているという*4)。

1414とはずがたり:2014/12/09(火) 14:53:49
>>1413-1414
 Pelamis P2は4本の円筒形のシリンダを「ヒンジ(蝶番って云えば良いのに。。)」で一直線につないだ形をしている(図3)。全長180m、直径4m、1350トンというかなり大きな装置だ。一番端に錨が付いていて、全体が海面上に浮かんでいる。波を受けるとシリンダ同士の角度が変わり、ヒンジが曲がる。これを油圧に変えて発電機を回転させる仕組みだ。このような仕組みを採ったため、さまざまな強さの波に対応でき、水深50m以上というテストサイトの条件下で年間90%の時間稼働でき、100年に1度の大波にも耐えられるという。Pelamisは船に緩くつないだ状態でも動作する。海に浮かぶデータセンターなどが実現できるという。

*4) 以下、アイルランド(18%)、ノルウェー(17%)、スペイン(12%)、ポルトガル(9%)、フランス(9%)を合計すると8割を超える。

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図3 2基の「Pelamis P2」波力発電システム 出典:Pelamis Wave Power

オーストラリアでは海中発電を進める

 オーストラリアCarnegie Wave Energyの考える波力発電装置「CETO」は日本国内のプロジェクトや、Pelamis Wave Powerの装置とは大きく異なっている。基本的な考え方は海底にアンカーを打ち込み、そこからテザー(ひも)を伸ばして、海中に直径20mのブイを保持、ブイの上下運動でポンプを駆動し、蓄圧器から高圧の海水を得るというもの(図4)。ブイというものの、海面上に飛び出している部分はない。発電機は陸上にあり、高圧水を利用して電力を生み出す。

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図4 波力発電システム「CETO 6」 出典:Carnegie Wave Energy

*5) 「CETO 6」以降はシステム内部に発電機などを搭載した構成の開発も始めている。他企業にライセンス販売することを考えると、システム自体を海底に留めるだけで発電が可能な構成の方が、市場に受け入れられやすいからだ。

10年間に1億ドルを費やす

 同社のプロジェクトは第5世代機「CETO 5」を用いた実験を終え、第6世代機「CETO 6」に切り替わるところだ。CETO 6プロジェクトの事業費は3100万ドルと大きい。オーストラリア再生可能エネルギー局(Australian Renewable Energy Agency)の支援を受けており、政府から合計1100万ドルの補助金を受ける予定だ。2014年8月には最初の5万ドルを確保。この他、オーストラリアクリーンエネルギー金融公庫から2000万ドルの貸付を受ける。これらの資金を投じて、CETO 6プロジェクトの資本コスト(約2500万ドル)を賄う。

 CETO 6プロジェクトでは、最大出力1MWの波力発電機を2016年内に3基設置し、系統に接続する。CETO 5と比較するとCETO 6の出力は4倍に伸びた。これはブイの直径を11mから20mに大型化した効果だという。大型化によるコストアップと出力増加によるコストダウンの効果を足し合わせると、1MW当たりの発電コストを3分の1に低減できた形だ。

 同社のManaging DirectorであるMichael Ottaviano博士によれば、同社はCETOの研究開発に約10年という時間と約1億ドルを費やしたという。なぜこれほど時間と費用が掛かったのか。

 同社はCETO 6の開発手法について説明している。CETO 5とCETO 6の最大の違いはブイの大きさだ。ブイを大型化すると、水中での挙動が変化する可能性がある。同社は数値流体力学モデルを用いた分析を2年間継続した。ほぼ同時期に海中に設置したCETO 5に500個以上のセンサーを取付け、各部に加わる水圧や水流をリアルタイムに測定、1日当たり5Gバイトの測定データを取得した。

 その解析結果を数値モデルに反映し、2013年からCETO 6の設計を開始している。2014年内にCETO 6の実物大モデルをスコットランドの首都エジンバラにある実験センターに持ち込んで最終確認を行う予定だ。

世界初の商用波力発電所を目指す

 完成したCETO 6を設置するのはインド洋に面するウェスタンオーストラリア州ガーデン島沖だ。州都パースの南西約30km地点である。ガーデン島は面積13km2の島。長さが10kmある南北に細長い島だ。オーストラリア国防省は同国最大の海軍基地HMAS Stirlingをガーデン島の南端に置いている。CETO 6プロジェクトでは、発電した電力を電力購入契約(PPA)に従って同海軍基地へ売電する予定だ。

 その後はどうなるのだろうか。波力発電所の商業化だ。Michael Ottaviano氏によれば、2016年以降、CETO 6システム自体を他国のパートナー企業にライセンス販売する予定だ。

 同社は2020年までに出力1000MWの波力発電所を立ち上げる計画を明らかにしている。CETO 6の性能をさらに2倍に高めることができれば、500台の装置を設置することで実現可能になる計算だ。

1415とはずがたり:2014/12/09(火) 15:08:19
>太陽光発電や風力発電と比較して、天候や季節の影響を受けにくいため、設備の稼働率が高い。このため、「年間発電量=出力×稼働率」という式に従うと、年間発電量が多くなる。さらに越波式波力発電装置の耐久年数は35年以上と長いため、初期コストを回収しやすい。

2014年09月10日 07時00分 更新
打ち上げる「波が下って」電気生む、20本で25kW
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1409/10/news052.html

協立電機はヨシコンと資本業務提携を結び、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証研究に役立てる。出力25kWの波力発電設備を御前崎に設置する。35年利用でき、40円/kWhの発電が可能な装置を作り上げる。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 ファクトリーオートメーションなどに強みを持つ協立電機は、マンション建設販売やコンクリート事業を手掛けるヨシコンと資本業務提携を結ぶと発表した。2014年9月19日を期して相互に株を持ち合う。

 この発表は一見、エネルギー関連とは無関係に見えるが、そうではない。「当社は約5年半前から東海大学海洋学部海洋建設工学科で教授を務める田中博通氏の波力発電プロジェクトに参加してきた。当初は装置の開発などには加わっていなかったが、2012年9月からは、いであ、市川土木と共に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証研究を進めている*1)。われわれが開発する設備は幅20mのもので、25kWの出力が得られる。商用ベースではこれを10基並べて設置したい(図1)」(協立電機で執行役員経営企画室長を務める中木照雄氏)。

 ヨシコンはコンクリート構造物の製造、施工、研究に強みがあるため、協立電機が参加するNEDOのプロジェクトへ、途中から参加を目指すという。

*1) いであは波浪と海洋環境の調査研究を担当する。実証海域の波浪調査の他、海洋環境と生物調査、海域の水質調査、海域のアセスメント、越波式波力発電実証試験推進委員会の取りまとめを行う。市川土木の担当は波力発電装置躯体の研究開発。波力発電躯体の検討と設計条件の他、波圧と揚圧力の検討、杭式と重力式の設計と安全性の検討、杭式と重力式の施工方法の検討を進める。協立電機は発電装置電気機械部門の研究開発を進める。内容は波力発電装置用のタービンの開発、波力発電装置用の発電機の開発、パワーコンディショナーの開発、最適制御アルゴリズムの構築だ。東海大学は市川土木から再委託を受け、波力発電の越波量のアルゴリズム研究開発を担当する。内容は波特性の研究と波エネルギー賦存量の算定、越波量の総合的な理論的・実験的検討、多段水槽の越波量の実験的検討、波圧と揚圧力の実験、越波量のアルゴリズムとシミュレーションの開発だ。

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図1 波力発電設備を10基設置した設置予想図 出典:協立電機

 NEDOの「海洋エネルギー発電システム実証研究」(2011年度〜2015年度)の採択テーマ「越波(えっぱ)式波力発電」は、田中氏が研究を続けてきた技術に基づく。3企業と1大学はNEDOの実証研究の前半(2011年度〜2013年度)で、実現可能性の検討を終えている。不規則波を生成可能な東海大学の大型水槽を利用し、10分の1スケールの装置を使って検討した。発電効率40%を達成できたという。

 2014年度と2015年度は、実スケール装置の詳細設計と実海域への建設・設置、発電実験、メンテナンス試験、データ解析を全て網羅する予定だ。

 「実現可能性の検討では静岡県牧之原市の相良平田港と、同御前崎市の御前崎港を検討対象とした(図2)。研究の結果、御前崎港の方が波や漁業との関係で条件が良いことが分かった。既に漁業関係者とも打ち合わせており、今後、建設や実験について了解を得る必要がある」(中木氏)。御前崎港は相模湾に面する。

1416とはずがたり:2014/12/09(火) 15:08:41

波力発電の実力は

 「波力発電は24時間365日稼働することが強みだ。現在開発中の装置は、50年に1度の波に耐える。台風の波でも大丈夫だ。離島にも向いているだろう」(中木氏)。

 太陽光発電や風力発電と比較して、天候や季節の影響を受けにくいため、設備の稼働率が高い。このため、「年間発電量=出力×稼働率」という式に従うと、年間発電量が多くなる。さらに越波式波力発電装置の耐久年数は35年以上と長いため、初期コストを回収しやすい。

 NEDOが実証研究で目指す最終目的は、発電コスト40円/kWh以下を実現する発電システムの確立だ。「2013年度までに経済性と安全性は検証できており、概念設計が完了している。開発中の波力発電設備は、波を導くコンクリート製の躯体と、そこに取り付ける発電部分からなる。躯体として杭式と重力式を検討した結果、重力式が有利であることも分かった」(中木氏)。躯体自体は既設の防波堤(消波ブロック)の正面に後施工できる構造だという。これは、発電設備のためのスペースを用意しやすいことを意味する。

波が越えるとはどういうこと?

 越波式波力発電装置がどのように動作するのかを解説する。図3は重力式躯体の断面図だ。図3には3つ半の躯体が描かれている。1つの躯体の幅は20m、奥行き・高さともに5mある。

 図3の右側が外海、左側は海岸線側の海面だ*2)。躯体の断面は海底に置いた三角形のような形状を採る。このため、沖合から来る波は躯体を「駆け上り」、海水面より高い位置に達する。図3は波が遡上(そじょう)している途中の様子だ。その後、躯体に設けたスリットから、貯水槽に貯まる。貯水槽の底部の穴からプロペラを経由して海水が流れ下る。

 波の運動エネルギーをいったん位置エネルギーに変え、これをプロペラの運動エネルギーに変換することで発電する*3)。スリットは上下2段に分かれており、合計20のスリットを用意する。落差が少なく流量が大きくなるという特徴がある。

*2) 背後の海面は静穏域となり、新たな漁場として役立てる。越波式発電装置は、躯体下部から海水を吐出する。底層に表層の海水が混ざるため、水質環境改善効果を見込むことができるという。
*3) 海が荒れて発電に向かない強い波が起こると、躯体を駆け上って大部分が背面から静穏域に落下する。波の全エネルギーを受け止める装置よりも、低コストで効率良く電力を取り出すことができる。

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図3 重力式躯体の断面図 出典:協立電機

カートリッジ構成で保守コストを引き下げる

 発電機とプロペラの部分を図4に示す。図4左側の直方体の構造の上方から海水が流れ下り、装置最下部のプロペラを回す。

 「研究開発中の波力発電設備は35年の運用を前提にしている。当然、途中で部品を交換したり修理したりする必要が出てくるだろう。躯体と発電機やプロペラを一体化してしまうと、このような作業に多額の費用が掛かる。急激な海水の流れがある所でダイバーが作業すると危険でもある。そこで、図4のユニットを丸ごと上方に引き出すことができるカートリッジ構成を採った。故障したカートリッジを引き上げて、新しいカートリッジを設置する。故障したカートリッジは故障原因を突き止めて再利用できる」(中木氏)。

1417とはずがたり:2014/12/09(火) 15:09:00
>>1415-1417

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図4 波力発電用の発電機とプロペラの組み合わせ 出典:協立電機

 越波式波力発電では、協立電機の持つファクトリーオートメーション技術(制御技術)も役に立つのだという。「波力発電設備では発電機をなるべく一定の出力で安定して常時動かしたい。ところが、スリットから流入する海水の量はさまざまな条件によって変わる。そこで、カートリッジ内の発電機に負荷を掛けて回転数を制御する。すると、貯水槽部分の水の抜け方を最適制御できる」(中木氏)。工場での制御と比較すると、緻密な制御はできないことが分かったものの、「制御しない場合よりも性能が向上する」(同氏)。

政府はどのように研究開発を支援しているのか

 冒頭で紹介したNEDOの研究開発は、3種類の研究から成り立っている(図5)。越波式波力発電は6つある海洋エネルギー関連の実証研究の1つだ。

 図5の(2)に要素技術開発とあるのは実証研究よりもさらに将来に役立つことを考えた海洋エネルギー技術の研究だ。実証研究とは異なり、実海洋試験は行わず、実物の数分の1〜数十分の1のモデル(スケールモデル)を用いる。目的は発電コスト20円/kWh以下を実現可能な装置を設計することだ。(3)にある共通基盤研究は、以上の2つの研究の性能試験や評価方法に関する検討をする。実機は用いない。

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図5 NEDOの海洋エネルギー技術研究開発 出典:NEDO

 国が関与する海洋エネルギー開発の取り組みは、経済産業省・NEDOの他にもう1つある。内閣官房の総合海洋政策本部だ。技術開発に力点を置くNEDOとは異なり、総合海洋政策本部は立地の整備を重視している。

 海洋エネルギー利用で先行する欧州諸国は、実証実験のために自由に利用できる海域を複数確保している(>>1413-1414)*4)。例えばスコットランド北部の欧州海洋エネルギーセンター(EMEC)だ。

 日本ではこのような海域がなかった。大学や企業などが実海域で実証実験を進める場合は、その都度、海運関係者や漁業関係者と個別に交渉を行う必要がある。東京大学大学院新領域創成科学研究科海洋技術環境学専攻で教授を務める高木健氏によれば、自ら地元の漁業関係者と交渉し、調整を進めなければならず、研究よりも交渉に時間がかかることがしばしばだという。同氏はNEDOのプロジェクト(水中浮遊式海流発電)に参加している。

 これでは研究開発がなかなか進まない。そこで、総合海洋政策本部は2014年7月、新潟県と佐賀県、長崎県、沖縄県の6海域を10年間以上占用できる実証フィールドとして選定、同時に岩手県と和歌山県、鹿児島県、沖縄県の5海域を次候補として選び出している。なお、静岡県はいずれの海域にも選出されなかった。

*4) NEDOによれば欧州の研究開発は5つのステージからなる。最初の2ステージは陸上試験、その後の3つのステージは実海域試験だ。多くの研究開発はステージ4や5に達し、一部は商用運転に入ろうとしている。日本は陸上試験の段階にとどまっており、今後実海域試験に入る形だ。

1421とはずがたり:2014/12/10(水) 20:06:01
>風力発電市場は2013年に踊り場を迎えた。初めて全世界の市場規模が縮小したからだ。3種類の調査結果によれば、縮小は米国市場に原因がある一時的なものだ。

>米風力エネルギー協会(AWEA:American Wind Energy Association)によれば、2012年末に米国の連邦税額控除が期限切れを迎えたため、2013年の下期に向かうにつれて新規導入量が激減したのだ。米国のエネルギー政策は風力発電に対して一貫性がなく、これまでも急速な落ち込みや回復をくり返している。

>中国の新規導入量(暫定値)が突出した(図3)。全世界の45.4%を占める16.1GWである。

>日本は上位10カ国に現れていない。新規導入量がわずか50MWにすぎないからだ。

>2014年の新規導入量は、これまでのどの年の新規導入量よりも大きくなる(見込みである)。2013年の落ち込みは一時的だということだ。米国とブラジルで完成後に系統と接続されていなかった設備が接続されるため

>風力発電は化石燃料を利用した発電所よりも安価で競争力がある。これは発電所の建設から廃止までを含んだコストの比較だ。

>風力発電システムに対する受注量の変化だ。2013年の受注量は2012年比で45%も増加しており、堅調だ。2013年に市場規模が大幅に縮小した米国が、2013年第4四半期の全世界の受注量のうち23%を占めている。

2014年03月20日 07時00分 更新
陰りが見えた風力、2014年は盛り返すか?
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1403/20/news037.html

風力発電市場は2013年に踊り場を迎えた。初めて全世界の市場規模が縮小したからだ。3種類の調査結果によれば、縮小は米国市場に原因がある一時的なものだ。今後は新興国の旺盛な需要によって、規模が拡大していく。太陽電池市場で見られたように、中国の国内市場と中国企業がカギになりつつある。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 風力発電は再生可能エネルギーの旗手ともいえる。伝統的な大規模水力発電を除くと、再生可能エネルギーによる電力のうち、半分以上を風力発電がまかなっているからだ。全世界の合計はもちろん、EUやBRICSという地域単位でも成り立つ話だ。

 それでは風力発電市場はどのように成長しているのだろうか。2013年の状況をまとめた調査結果を基に概観してみよう。その後、2014年以降の予測に入る。

実は落ち込んでいた2013年

 70カ国以上の学術団体や企業が加盟する世界風力会議(GWEC:Global Wind Energy Council)は2013年2月に「Global Wind Statistics 2013」を発表(PDF)している。

 発表内容によれば、2013年の新規導入量は1996年以降、初めて減少した(図1)。35.467GWという数字は2012年比で21.5%も減少したことになる。2009年以前の水準に戻ってしまった。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20140319WP_years_590px.jpg
図1 全世界における新規導入量の推移 出典:GWEC(表示期間と配色を編集)

 原因は北米市場が失速したことだ。GWECは世界を6つの地域に分けて新規導入量の推移を示している。欧州、北米、アジア、南米、アフリカ・中東、太平洋地域*1)だ。このうち新規導入量の大きな3つの地域を図2に示す。

 図2を見ると、図中央にある北米の落ち込みが著しいことが分かる。2012年には15GW近くあった導入量が、3.3GWに激減している。これだけで、全世界の減少が説明できてしまう。

*1) GWECによれば、各地域の上位3カ国は以下の通り。欧州:ドイツ、英国、ポーランド(894MW)、北米:米国、カナダ、メキシコ(623MW)、アジア:中国、インド、タイ(111MW)、南米:ブラジル(948MW)、チリ(130MW)、アルゼンチン(76MW)、アフリカ・中近東:エチオピア(90MW)のみ、太平洋地域:オーストラリア(655MW)のみ。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20140319WP_regions_590px.jpg
図2 地域別新規導入量の推移 出典:GWEC(一部の地域を削除)

1422とはずがたり:2014/12/10(水) 20:06:28
>>1421-1422
 北米市場の落ち込みについて、GWECは直接理由を言及してはいないものの、説明を付けることはできる。米国連邦エネルギー規制委員会(FERC:Federal Energy Regulatory Commission)によれば、2013年1月〜4月の新規導入量は958MWと多かった(関連記事)。ところがその後が悪い。米風力エネルギー協会(AWEA:American Wind Energy Association)によれば、2012年末に米国の連邦税額控除が期限切れを迎えたため、2013年の下期に向かうにつれて新規導入量が激減したのだ。米国のエネルギー政策は風力発電に対して一貫性がなく、これまでも急速な落ち込みや回復をくり返している。

実に巨大な中国市場

 GWECは国別の集計値も公表している。図2のアジア地域の数量からも分かるように、中国の新規導入量(暫定値)が突出した(図3)。全世界の45.4%を占める16.1GWである。9.1%のドイツ(3238MW)、5.3%の英国(1883MW)、4.9%のインド(1729MW)、4.5%のカナダ(1599MW)、3.1%の米国(1084MW)が続く。以上、新規導入量が1GWを超える国だ。日本は上位10カ国に現れていない。新規導入量がわずか50MWにすぎないからだ。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20140319WP_countries_445px.jpg
図3 国別の新規導入量(2013年) 出典:GWEC(数値表示を追加)

中国は風車市場にも食い込む

 風力発電に欠かせない風車。エネルギー関連とヘルスケアに特化した米国の調査会社であるGlobalDataは、2014年3月、世界市場における風車メーカーの新規導入量ランキングを発表した(図4)。

 首位がデンマークVestas Wind Systems、2位がドイツEnerconになったことも重要だが、注目すべきなのは2012年に上位5社に含まれていなかった中国企業、インド企業が、2013年に1社ずつランクインしていることだ。第3位の中国Xinjiang Goldwind Science&Technology(Goldwind)は2012年に第7位だった企業。大幅にシェアを伸ばした。第5位のインドSuzlon Groupは、2012年の6位から浮上している。

 中国とインドは勢いがあるアジア市場の中でも、新規導入量1位と2位の国。Goldwindのシェアが拡大した理由として、GlobalDataは中国国内市場向けの数量増が主な要因だと分析した。Suzlon Groupはインド国内の数量増よりも、カナダやドイツ、ポーランド市場向けの増加が著しいという。

 なお、2012年に第1位だった米General Electronics(GE Power&Water部門)は、前年比で−80%という大幅な縮小を被り、第6位に落ちた。導入量は980.2MWにとどまる。同じく第5位だったスペインGamesa Corporación Tecnológica は第7位にシェアを下げている。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20140319WP_makers_590px.jpg
図4 風車メーカーの世界ランキング 出典:米GlobalDataの公表値に基づき作成

2014年以降は再び市場規模が拡大する

 2014年以降の世界市場の動向については、デンマークの調査会社であるMake Consultingが2014年3月に発表した有償のレポート「Q1/2014 Global Wind Power Market Outlook Update」が参考になる。同社は風力発電分野に特化した調査会社だ。

 レポートの概要は3点ある。第1に、2013年から2023年まで10年間にわたり、世界市場が成長し続けることだ。年平均成長率(CAGR)は7.1%と大きい。2014年から2017年までは比較的ゆっくりとしたペースで成長し、その後、2023年まで急成長する。結果として2023年までに581GWもの風力発電設備が新規導入されると予測した。これはGWECが集計した2013年末までの世界累積導入量318GWと比べて1.8倍に相当する数字だ。

 このような成長を引っ張るのは、アジア太平洋や中東、アフリカなどの新興市場だ。風力発電は均等化発電原価(LCOE:Levelized Cost Of Electricity)が低いためだという。関連記事で紹介したドイツFraunhofer研究所の分析によれば、既に風力発電は化石燃料を利用した発電所よりも安価で競争力がある。これは発電所の建設から廃止までを含んだコストの比較だ。

 第2に2014年の新規導入量は、これまでのどの年の新規導入量よりも大きくなる。2013年の落ち込みは一時的だということだ。米国とブラジルで完成後に系統と接続されていなかった設備が接続されるためだという。2013年比で40%も成長し、新規導入量が48GWに達すると予想した。

 第3に同社が注目するのは風力発電システムに対する受注量の変化だ。2013年の受注量は2012年比で45%も増加しており、堅調だ。2013年に市場規模が大幅に縮小した米国が、2013年第4四半期の全世界の受注量のうち23%を占めている。2014年から2016年の市場の成長は、受注残によっても促されると予測した。

1423とはずがたり:2014/12/12(金) 14:38:26
2014年12月08日 07時00分 更新
気球ならぬ「浮遊風車」、2015年に1基200kWを目指す
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/08/news038.html

米Altaeros Energiesはヘリウムの浮力を利用して空中に浮かべる形の風力発電を開発中だ。出力が増え、設置コストが低いという。ソフトバンクは2014年12月5日、同技術の開発と商用化支援を目的として、同社に700万米ドル(約8億4000万円)を出資すると発表した。携帯電話の通信基地局を兼ねた空中発電所が実現しそうだ。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 空中に風車を浮かべ、発電するとともに通信基地局機能も持たせる。このような新技術が1年以内に商用化しそうだ(図1)。「空中浮遊式風力発電(BAT:Buoyant Airborne Turbine)」技術と呼ぶ。

 同技術を開発しているのは、2010年にマサチューセッツ工科大学(MIT)で設立された米Altaeros Energies。航空宇宙科学分野で確立された技術を利用して空中での発電を実現する。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/yh20141208AE_BAT_concept_590px.jpg
図1 空中浮遊式風力発電装置 出典:米Altaeros Energies/Valentin Angerer

ソフトバンクが電力と通信の融合を狙う

 同技術の開発と商用化支援を目的として、2014年12月5日、ソフトバンクが同社に700万米ドル(約8億4000万円)を出資すると発表した。「既に契約を締結済みであり、12月中に出資を実行する。Altaeros Energies社外の出資者として最大となる」(ソフトバンク)。

 「当社としてはこの1年で技術を実用化したい。商用化第1号の発電機では出力200kWを狙う。その後、大型化していくだろう」(同社)。

 ソフトバンクがAltaeros Energiesに出資する理由はこうだ。「新規事業の創出を狙う。当社の本業である通信事業と、現在力を入れている発電事業。これらとの親和性が高い新事業が生まれると考えたからだ。Altaeros Energiesのような技術を商用化している企業は世界に1つもない。商用化後には量産、通信とのシナジーへと進んでいくだろう。国内では空中で発電するとともに通信機器を搭載し、(携帯電話の)通信基地局として運用するといった実用化の可能性があると考えている」(同社)*1)。災害に強く、即時展開が可能な基地局が登場しそうだ。

 ソフトバンクグループは既に地上設置型や洋上設置型の風力発電事業に参入している。「地上や洋上の風力発電と、空中浮遊式風力発電は、利用分野が全く異なるため、両方を同時に進めていく」(同社)。

*1) Altaeros Energiesは、農村部(農業)や島しょの他、鉱山や石油・ガスの基地、緊急時対応や災害救援、軍事施設、洋上などの用途を想定している。

どのような発電技術なのか

 空中浮遊式風力発電技術では、4種類の部材を利用する。機材を上空に持ち上げるためにヘリウムを充填したドーナツ型の「シェル」、シェル内に固定した水平軸3枚羽根のタービン、シェルを制御して電力変換などを行う地上局、地上局とシェルをつなぐテザー(綱)だ。

 シェルを展開する高度は100〜600m。地上と比較して上空は一般に風の流れが強く、安定している。Altaeros Energiesによれば高度600mでは同規模の従来のタワー型風力発電機と比較して、約2倍の電力を得られるという。

 装置全体を標準的な輸送コンテナで運搬可能(図2)であり、建築機材や基礎工事が不要であるため、従来のタワー型の風力発電に対してコスト面で優位性があるとした。発電コストは3.3〜5.3セント/kWh。なお、地上からシェルを展開するのに必要な時間は24時間以内だという。

1424とはずがたり:2014/12/12(金) 14:46:59
計画>>133が頓挫した>>315グリーンパワーインベストメントの計画が再開された>>462がそれに三井物産とSBが買収(GPIは撤退)した形。

県の風力発電は騒音公害もあるようだ>>296が。。

●ウインドファーム浜田
(三井物産+SBエナジー)
約48MWの出力を得る。年間発電量は約8500万kWhだ。
2015年予

2013年06月11日 15時00分 更新
48MWの風力発電所を島根に、三井物産とSBエナジーが共同で
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1306/11/news079.html

陸上風車29基からなる大規模風力発電所が島根県に立ち上がる。三井物産とSBエナジーが出資し、2015年度にも運転を開始する予定だ。既に事前手続きを全て終え、2013年6月から建設を開始する。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 島根県は風力発電所に適している。例えば、日本最大の風力発電所「新出雲ウインドファーム」(出力78MW)が代表例だ。これに次ぐ大規模風力発電所が2015年度にも続く。「ウインドファーム浜田」(島根県浜田市)だ。出力1.67MWの風車を29基、山の稜線に並べ、約48MWの出力を得る。年間発電量は約8500万kWhだ。

 風車はフランスのアルストム(Alstom)から導入する。高さ70mのタワーに直径34mのローターを据え付ける。

 ウインドファーム浜田は、風力発電開発を事業目的とする企業、グリーンパワーインベストメントが計画していた風力発電所。同社が設立した事業会社を三井物産とSBエナジーが買収、計画を受け継いだ形だ。

 既に環境影響評価を終え、再生可能エネルギー発電設備認定申請の認定通知を経済産業省から受け取り、中国電力から受電側接続検討申込書に対して回答を得ており、2013年6月に着工する。2015年度中の運転開始を目指す。

 ウインドファーム浜田の建設予定値は私有地であり、事業期間20年間にわたって賃借を受ける。事業費は非開示だが、100〜200億円とみられる。風力発電所の設計・調達・建設(EPC)は三井造船が受け持つ。設備の所有権は事業会社にあり、同社が風力発電所を運営して、中国電力に売電する。

 三井物産の風力発電の事例としてウインドファーム浜田は3件目となり、最大の計画だ。2003年に「●響灘風力発電所」(北九州市若松区、出力15MW)に10%の出資をした後、「●たはらソーラー・ウインド共同事業」(愛知県田原市、風力の出力6MW)に15%出資している。SBエナジーは今回が初の風力発電事業参加である。

1425とはずがたり:2014/12/12(金) 14:52:51
>発電能力が50kWの設備を導入して自家消費と電気自動車の充電源に利用する。年間の発電量は28万kWhを見込んでいる。

規模ちいせえ。。

>さらに発電に使った高温水を温泉に再利用する。有珠山が噴火して以来、ホテルや旅館に供給する温泉の温度が低下してしまい、共同組合がヒートポンプで高温に沸かしてから配湯している。発電後の高温水を利用できるとヒートポンプの運転を停止できて、年間に376万kWhの電力を使わずに済む。
寧ろこれがでかいか。熱効率も100%♪
発電の10倍以上の電力を節約できるので実質的に500kW級か♪

2014年12月11日 07時00分 更新
地熱資源が洞爺湖温泉の「宝の山」に、99.8度の高温水でバイナリー発電
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/11/news022.html

2013年度から地熱資源の開発を進めてきた北海道の洞爺湖町がバイナリー発電の導入プロジェクトを開始する。国の助成金を使って掘削した調査井から99.8度の高温水が大量に湧き出ることを確認した。発電能力が50kWの設備を導入して自家消費と電気自動車の充電源に利用する。
[石田雅也,スマートジャパン]

 洞爺湖町(とうやこちょう)は2000年に噴火した有珠山(うすざん)のふもとにある。観光と農業に大きな被害を受けて復興を進めている中で、2013年度に地熱資源開発の助成金の対象に選ばれた。有珠山の中腹に調査井(ちょうさせい)を掘ったところ、予想以上に大量の高温水が湧き出てきた。これを「宝の山」に位置づけて、新たな地域再生計画を開始する。

 調査井からは99.8度の高温水が毎分505リットルも湧き出る。この高温水を利用できるバイナリー発電設備を導入して、最大50kWの電力を地域に供給する計画だ。40kWを洞爺湖温泉利用共同組合が自家消費するほか、余剰の10kWで電気自動車の充電を可能にする。年間の発電量は28万kWhを見込んでいる。

 さらに発電に使った高温水を温泉に再利用する。有珠山が噴火して以来、ホテルや旅館に供給する温泉の温度が低下してしまい、共同組合がヒートポンプで高温に沸かしてから配湯している。発電後の高温水を利用できるとヒートポンプの運転を停止できて、年間に376万kWhの電力を使わずに済む。発電と温水利用による電力の削減量を合わせると、一般家庭で1100世帯分に相当する。

 洞爺湖町は「洞爺湖温泉『宝の山』プロジェクト」と名づけた地域再生計画を国に提出して、2014年11月28日に認可を受けた。地元の観光協会や温泉利用共同組合などと協議会を立ち上げて、地熱発電事業と温泉供給事業を推進していく。電気自動車用の充電器の設置を含めて、2017年度までに計画を完了する予定だ。

 「宝の山」を発見するきっかけになった地熱資源開発の助成金は1億6350万円にのぼる。国がJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)を通じて2013年度に交付した20件のうちの1つである(図2)。

 この助成金は調査以外の目的に利用できないことになっているため、調査井を発電に転用する場合には返納する必要があった。ただし洞爺湖町が地域再生計画として国の認可を受けたことにより、無償で調査井を発電に使うことが認められた。地熱資源開発の助成金で掘削した調査井を発電に利用する初めてのケースになる。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/l_touyako2_sj.jpg
図2 2013年度の「地熱資源開発調査事業費助成金」の対象になったプロジェクト。出典:JOGMEC

1426とはずがたり:2014/12/12(金) 15:25:20
>>735

(株)ジャネックス(福岡市)/東芝へ風力発電事業を譲渡
http://n-seikei.jp/2013/09/post-17951.html

九州地区を中心に風力発電事業を手掛ける(株)ジャネックス(設立:平成15年9月、資本金:3億750万円、本社:福岡市中央区渡辺通4丁目8番28号 F.Tビル5階、代表:川上繁幸)社は、風力発電事業を会社分割して、同事業を東芝へ譲渡する。

東芝は、新会社シグマパワージャネックス(株)を設立して、分割事業を受け入れ、再生可能エネルギー事業の体制強化と拡大に向け、風力発電事業に参入する。
買収完了は11月を予定している。

東芝は、ジャネックスの風力事業部門を有する風力発電事業に関する開発・運営ノウハウを活用して事業を展開していく。
新会社は、ジャネックス社が保有する●長島黒ノ瀬戸風力発電所(鹿児島県)および●新上五島ホエールズウィンドシステム(長崎県)の2ヶ所の発電所の運営を継承し、風力発電事業を行う。
現在、●新長島(鹿児島県)にも発電所を建設準備中で2014年度に運転開始を予定しているほか、将来的には東北>>519・中国(山口県>>735)・四国(愛媛県>>735)地区などで4ヶ所のウィンドファームの開発を計画している。

国内の風力発電事業は、再生可能エネルギーの一つとして、環境アセスメントなど立地面での課題があるものの、FIT(固定価格買取制度)価格の確定により、今後の事業性の向上が期待されている。
ジャネックス社は、風力発電について韓国ユニスン社と資本提携し、これまで風車設備の開発、製造および販売を中心とした事業を進めてきた。

今般、新事業会社に出資し、当社グループとして風力発電事業を推進することで、再生可能エネルギーの普及に貢献するとともに、発電会社の運営を通じて得た知見を東芝の風車設備事業にフィードバックしていくことで、風車機器事業の更なる拡大を図っていくとしている。
東芝は総合発電機メーカーとして、風力発電事業会社が欲かったのだろう。

 <シグマパワージャネックス(株)の概要(予)>
 1.資 本 金 490百万円(東芝100%出資)
 2.所 在 地 福岡市中央区
 3.代 表 者 石井八弥(現・(株)東芝 電力システム社 火力・水力事業部 事業部長附)
 4.事業内容 風力発電プラントに関するプロジェクト開発、電力販売、O&M

<ジャネックス社の稼動中の案件>
新上五島ホエールズウィンドシステムは、風車4基稼動(8基計画)、総出力1万6千Kw計画。
鹿児島県阿久根市の長島黒ノ瀬戸風力発電所は、風車1基、1,980kWの計画

<ジャネックス社の計画中の案件>
僧都ウインドシステム事業(愛媛県南宇和郡愛南町)、三ツヶ峰ウインドシステム事業、蚕飼山ウインドシステム事業

<ジャネックス社のグループ企業>
九州風力発電(株)、長島黒ノ瀬戸風力発電(株)、関西風力発電(株)、日高池田ウインドシステム(株)、 中部風力発電(株)、四国風力発電(株)、幡豆吉良ウィンドシステム(株)、(株)ジャネスを掲載している。

[ 2013年9月25日 ]

1427とはずがたり:2014/12/12(金) 15:30:34
このスレで引っ掛かった大規模風力発電(メガウインド?20MW以上くらい)はざっとこんな感じか。
約700MWだが稼働率が25%とすると「実効出力」は175MW程。。まだまだである。。

ウィンド・パワー・エナジー(小松崎+SBエナジー)
>>42>>485>>588>>1000>>1002>>1252
出力:100MW
設備利用率:25%
年間発電量:2億1900万kWh/Y(見込)

青山高原ウインドファーム
>>679
95MW(増強後)

新出雲ウインドファーム
>>63>>999
出力:78MW
完成:2009年4月

郡山布引高原風力発電所
>>888
66MW

宗谷岬ウインドファーム
>>888
風車:57基
合計出力:57MW

二又風力(所在地・青森県六ヶ所村,出資:日本風力開発59.96%,出光興産出資40%,六ヶ所村0.04%)
>>122
51MW

ウインドファーム浜田(三井物産+SBエナジー)
>>133>>315>>462>>1424
出力:約48MW
年間発電量:約8500万kWh/年
2015年予

釜石広域ウインドファーム
>>893
43MW
2014年

蚕飼(こがい)山(宮城県登米市〜岩手県一関市,ジャネックス)
>>519
40MW

風の松原自然エネルギー(能代市)
>>524
39.1MW

的山(あづち)大島風力発電所
>>1161
32MW
稼働率低迷・風況悪化。。

西目ウインドファーム(由利本荘市)
>>719
30MW

国見山ウインドファーム(ユーラスエナジー肝付)
>>69
2011年
25MW

1428とはずがたり:2014/12/12(金) 15:36:28
2014年12月03日 13時30分 更新
固定価格買取制度の改正案、買取価格に「9カ月ルール」を導入
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/03/news084.html

固定価格買取制度の見直しを進める政府の委員会が2015年度の改正案を提示し始めた。買取価格の決定時期を契約締結時に変更するほか、地熱・水力・バイオマス・住宅用太陽光の優先度を引き上げる。発電設備の増加に伴う送変電設備の増強工事には入札募集方式を導入することも確実になった。
[石田雅也,スマートジャパン]

 現在の固定価格買取制度で大きな問題になっている点は3つあり、いずれも2015年度に改正することが求められている。

 第1に太陽光発電の急増によって、電力会社の送配電ネットワークに支障が生じる可能性が出てきた。第2に買取価格を変更する直前の年度末に申し込みが急増して、運転開始までの期間が長引いている。そして第3の問題は買い取りに伴う賦課金の負担額が想定を上回るペースで上昇し始めたことである。

 こうした問題点を解消するための改正案の一部が固まってきた。その中で最も大きな変更点は、買取価格の決定を従来の「接続申込時」ではなく「接続契約時」に遅らせることだ(図1)。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/kaitori0_enecho_sj.jpg
図1 発電設備の運転を開始するまでのプロセスと買取価格(買い取る側では調達価格)の決定時期。出典:資源エネルギー庁

 固定価格買取制度の適用を受けるためには、発電事業者は最初に電力会社の送配電ネットワークに接続を申し込む必要がある。申し込みを受けた電力会社は接続に必要な工事費の負担金などを決めたうえで、発電事業者と接続契約を締結する流れになる。この接続を申し込んでから契約を締結できるまでに6〜9カ月程度かかる。

 2015年度から買取価格の決定が接続契約時に変わることで、従来のように接続申込が年度末に集中する状況を回避できる。年度の前半に申し込みを済ませて、年度末までに契約を締結する事例が増える(図2)。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/kaitori1_enecho_sj.jpg
図2 買取価格を決定するタイミングの変更案。出典:資源エネルギー庁

 改正案では契約締結までの期間が長引くケースも想定して、「9カ月ルール」を導入する見通しだ。接続申込から9カ月が経過して契約を締結できない場合でも、電力会社の事情によるものであれば9カ月後の時点で買取価格を確定することができる。

 この改正によって買取価格の決定から発電設備の運転開始までの期間が大幅に短くなる。従来のように高い買取価格が決まった後で発電設備のコスト低下を待ってから工事に着手する方法はとれない。買取価格と発電コストのバランスが適正に保たれることで、賦課金が必要以上に上昇することを防ぐことができる。

 さらに接続を申し込んだまま工事を開始しない発電事業者を排除できるため、電力会社の送配電ネットワークに接続できる発電設備の容量を従来よりも高い精度で見積もることが可能になる。九州電力などが実施している接続保留の問題に対しても効果が期待できる。

1429とはずがたり:2014/12/12(金) 15:37:10
>>1428-1429
地熱・水力・バイオマス・住宅用太陽光を優先

 電力会社が再生可能エネルギーによる発電設備の接続を保留している最大の要因は、天候によって出力が変動する太陽光発電の急増にある。送配電ネットワークが不安定になる可能性があるほか、季節によって供給力が需要を上回ってしまうことが予想される。2015年度からは再生可能エネルギーの種類によって、発電した電力を送配電ネットワークで受け入れる優先度も変更する。

 天候に左右されない地熱と水力のほか、バイオマス発電も燃料の特性をもとに優先度を引き上げる方向だ(図3)。住宅用の太陽光発電についても、家庭で消費した電力の余剰分だけを買い取る仕組みになっていることから、節電効果があると判断して優先度を高くする。

kaitori3_enecho_sj.jpg
図3 燃料別に見たバイオマス発電の特性と課題。出典:資源エネルギー庁

 再生可能エネルギーの種類によって優先度を変えることで、出力が安定した電源を増やす一方、急増した非住宅用の太陽光発電の導入量を抑える狙いだ。固定価格買取制度の適用を受けた発電設備に対しては、地域の供給力が需要を上回った場合に出力の抑制を求めるルールがあり、その適用範囲を太陽光と風力に限って拡大することも検討している。

 このほかに電力会社の接続可能量を増やす方策として、送変電設備の増強工事を入札募集方式で実施する制度を2015年度から導入する見込みだ。発電設備の増加によって送配電ネットワークの容量が足りなくなった場合に、従来は最初に接続を申し込んだ発電事業者が工事負担金の全額を電力会社に支払ったうえで、その後に接続を申し込んだ発電事業者から回収する方式をとっていた。

 発電事業者にとっては過度な資金負担を強いられることになり、事業を断念する場合もある。新たに導入する入札募集方式は接続を希望する発電事業者を電力会社が事前に募って、入札金額の高い事業者から順に申し込みを受け付ける。最終的に工事負担金の総額が確定した時点で、各事業者の負担額を調整する仕組みだ(図4)。

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図4 送変電設備の工事負担金を入札募集方式で決定・補正する方法。出典:資源エネルギー庁

 東京電力が先行して群馬県の北部を対象に入札募集方式を実施したところ、募集の規模を上回る応募が集まった。発電事業者にとっても有効な手段であることが実証されている。2015年度からは全国の電力会社が入札募集方式によって送変電設備の増強工事を実施することになる。

1430とはずがたり:2014/12/12(金) 18:44:32
大規模風力発電
http://www.rokkasho.jp/index.cfm/7,309,15,html

六ヶ所村は年間を通して風の強い地域であり、風力発電を行える環境にあります。
この環境を活かし、現在、エコ・パワー㈱、六ヶ所村風力開発㈱、二又風力開発㈱の3社が、合計77基の風車発電を行っています。
また、二又風力開発㈱は、世界初の大容量蓄電池併設風力発電施設。風速変化の影響を受けることなく、一定の電力を送電することができます。 風力発電は、地球温暖化の原因となる排気ガスや二酸化炭素などを排出しない、クリーンなエネルギーとして導入が進められています。

●エコ・パワー(株)
むつ小川原ウィンドファーム
六ヶ所村大字尾駮字上尾駮72-1
1,500Kw×21基 総出力31.5MW
2003年1月

●六ヶ所村風力開発(株)
六ヶ所村風力開発(株)
六ヶ所村大字尾駮字弥栄平1-87
1,500Kw×20基+1,425kw×2基 総出力32.85MW
2003年12月

●二又風力開発(株)>>891=日本風力開発系
二又風力開発(株)
六ヶ所村大字尾駮字弥栄平1-87
1,500Kw×34基 総出力51MW 
世界初 大容量蓄電池併設風力発電施設
2009年8月

1432とはずがたり:2014/12/12(金) 19:44:36
●「秋田送電」丸紅(東京)、秋田銀行、北都銀行の3社が出資。秋田県沿岸部で風力発電向けの送電網を整備する経済産業省の実証事業
●「上北送電」日本風力開発(東京)など6社が出資。青森県上北地域で風力発電向けの送電網を整備する経済産業省の実証事業

東北電、風力送電網実証事業に参画 本県沿岸と青森
http://www.sakigake.jp/p/akita/economics.jsp?kc=20141128g

 東北電力は27日、秋田県沿岸部と青森県上北地域で風力発電向けの送電網を整備する経済産業省の実証事業に参画すると発表した。丸紅(東京)、秋田銀行、北都銀行の3社が出資する特別目的会社(SPC)「秋田送電」に500万円、日本風力開発(東京)など6社が出資するSPC「上北送電」に250万円をそれぞれ出資。取締役1人ずつを派遣し、現在進められている開発可能性調査に協力する。

 東北電によると、2社から技術協力の要請を受け、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた有効な取り組みと判断し、参画を決めた。

 実証事業は、風況が良好にもかかわらず送電網が脆弱(ぜいじゃく)な地域で、民間の風力発電参入を促すのが目的。送電網を整備するSPCに、事業費の半額を補助する。SPCは事業採択後、開発可能性調査を実施し、経産省の審査で事業化が可能と判断されれば、10年程度を目安に送電網整備を行う。

1433とはずがたり:2014/12/12(金) 20:02:37
http://www.meti.go.jp/press/2013/10/20131021002/20131021002.html
風力発電のための送電網整備実証事業の補助事業者を採択しました

上北送電(株)

出資者
青森風力開発(株)
(株)岡山建設
開発電業(株)
日本電機工業(株)
日本風力開発(株)
むつ小川原港洋上風力開発(株)

風力開発規模
最大90万kW程度

秋田送電
風力開発規模
最大60万kW程度

1434とはずがたり:2014/12/12(金) 20:41:26

風力発電事業が赤字だらけの理由
WEDGE2月号 第二特集
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1674
2012年01月23日(Mon)  斉藤純夫 (ウィンドコネクト代表取締役)

風力発電事業が赤字だらけの理由

 固定価格買取制度がいよいよ導入される。風力発電も花開く時。しかし、肝心の風力発電業界は自治体も民間企業も故障などで赤字、不採算で苦しんでいる。風力専業のベンチャーでは老舗であったエコ・パワー(東京都品川区)は、荏原製作所の子会社になった後も経営が芳しくなく、コスモ石油が買収した。東証マザーズに上場している日本風力開発(東京都港区)も赤字に苦しみ、有価証券報告書に継続疑義の注記が出る異常事態だ。クリーンエナジーファクトリー(CEF・北海道根室市)は2010年、日本風力開発に続きマザーズに上場する計画であったが、現在は一部の風力発電所を売却する事態に至っている。

 風力発電はそれほどまで利益を上げにくいビジネスなのだろうか? この問題を考えてみよう。

 固定価格買取制度が導入される以前は、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」に基づきキロワットアワー(kWh)当たり10円前後の買取価格であり、確かに収益性は取りにくい側面はあった。とはいえ、風力発電のビジネスでは、(1)燃料代がかからない、(2)15年、17年といった長期で電力会社と契約できる、(3)風況に基づく想定発電量は長期ではぶれが小さい。これらのことを考えると、きちんと計画したプロジェクトでは火力発電のような燃料代変動リスクもないことから、不採算になることは起きにくいビジネスだ。

 そのことが世界では認められているからこそ、企業与信ではなく、プロジェクトで得られる売電収益を与信の基本と考えるプロジェクトファイナンスが主流となっている。買取価格が安いことと深刻な赤字になることとは本来結びつかない。

 それでは、失敗の原因は何か。上手くいかない風力発電所を運営する自治体、民間事業者を多数解析してきたが、明確なのは事業計画の甘さ、17年間(法定耐用年数)風車を計画通り運転させるという意識の希薄、そのようなものを強く感じる。また風況が必ずしもよくない場所であったり、風車間を異様に詰めていたりする発電所も目立つ。

 例えば、ユーラスエナジー(東京都港区)。業界最大手であり海外でも多数実績を持つ。元々はトーメン系であったが、その後東京電力の子会社となった(11年10月豊田通商が子会社化すると発表)。同社は、北海道稚内市の宗谷岬ウインドファームのように、風況の良い場所での実績もあり、失敗事例だらけという事業者ではない。ただ、09年、島根県出雲市に建設した日本最大でもある新出雲風力発電所(7.8万kW)では異常事態となっている。風車の羽根(ブレード)が支柱(タワー)に接触するなど重大事故が起きるなどし、未だ本格的な稼働に至っていないようだ。

 なぜ、このような事態が起きたのか。過去の経緯など事象を丁寧に追っていくと問題点が見えてくる。新出雲の計画は、もともとユーラスエナジーの開発ではない。ゼネコンが開発した案件にユーラスが途中から参画している。

 当初、2000kWの一般的な風車を44基(8.8万kW)建てる計画だったが、景観問題などで配置変更、規模縮小などとなり、最終的には日本では事例のない3000kWという大型の風車を建てることになった。配置も図を見ると分かるように、かなり風車が狭い範囲に押し込まれている。本来であれば、これはプロジェクトをさらに縮小するか、中止しなければいけないレベルであると筆者は考える。

1435とはずがたり:2014/12/12(金) 20:42:13

独立系の旗手だった日本風力開発

 一方で、日本風力開発のように新規に風力発電所を建て続けることでビジネスが成立しているのではないかと思えるような事業者も存在する。

 親会社が風車メーカー等の販売代理店の役割を担い、風力発電事業は発電所ごとに設置した子会社が行う。親会社は、ゼネコンに風車設備をあっせんしてメーカーから手数料を受け取る。ゼネコンはその設備を発電所に納めるが、販売先の多くは、日本風力開発の子会社である。

 複雑な取引だが、親会社はゼネコンがメーカーに発注した時点で手数料を受け取るので、子会社がゼネコンに購入代金を払う時点との間に時間差を作ることができる仕組みと言える。期ずれによって見かけ上の黒字を作ることが可能という指摘もある。

 ただ、そんなことをすれば子会社が購入代金を支払う期に新たな売上を立てないと赤字になってしまう。事実を確認するべくウェッジ編集部が取材依頼をしたが、一切応じないとのことだった。

 子会社の売上の基礎は売電だが、日本風力開発の風力発電所は明らかに回っていない。直近の決算でも、売電での売上が発電規模に対して少なく、ここから設備利用率を著者が試算すると20%を切っている。採算ラインの22%には遠くおよばない。

 売電で売上が立たなければ、新規建設を続けて、親会社の販売手数料収入を計上しなければならなくなる。その下支えとなったのが、初期投資に出される補助金だ。補助率は民間企業で建設費の3分の1、自治体やNPOなどで2分の1。ただし、09年度から補助金の審査が厳格化され、10年度に将来の固定価格買取制度の導入を見込んで、新規の補助金は打ち切られた。

 日本風力開発は09年度に赤字に転落。決算短信には「風力発電機等の代理店販売は今後の補助金政策が不透明となっている中、風力発電事業全体で新規の風力発電所建設計画がストップしている状況となったため、営業活動が停滞せざるを得ない」と書いた。11年度まで3期連続で赤字の見通しだ。

 筆者は日本風力開発の黎明期、風車1基の頃を知っている。それゆえに上場以降の会社の変貌が残念でならない。1基の頃は風車にニックネームを付けるくらい風車を大切にしていた。

 地元と共に丁寧な開発と謳っていたが、09年には長崎県宇久島という小さな離島に日本最大の10万kWの計画を出し、それが激しい反対運動を招いた。その後、北海道銭函、千葉県鴨川などでも反対運動が起きた。

 本来は、手数料で稼ぐ販売代理店モデルから脱却して、薄利とはいえ売電に収益の柱を移すべきで、これが出来ていれば今の姿はなかっただろう。売電収入で利益が出なければ、販売代理店として風車をよりたくさん売る、新たに扱いはじめたナトリウム硫黄(NAS)電池販売など、販売代理店手数料で稼ぐモデルに依存していくしかなくなる。

補助金モデルからの脱却

 同じような話は、ウェッジ編集部がCEF社長の鎌田宏之氏にインタビューをしたときにもあった。それまで黒字だったのが10年12月期の決算が赤字となった理由について「補助金がなくなったからだ。これまで国が推進してきたのに、急ブレーキをかけられたのだからたまらない」と話した。

 本来プロジェクトごとにしっかりとした事業計画を立てていれば、初期投資を回収し、利潤は生まれる。補助金がなくなれば、新規プロジェクトを止め、既存のプロジェクトを続けていれば、いずれ全体としての収支は成立するはずである。補助金がなくなれば、急に赤字に転落するという鎌田氏のコメントはCEFのビジネスモデルに疑問を抱かせるものだ。

1436とはずがたり:2014/12/12(金) 20:42:42

 実はCEFは、日本風力開発に似ている部分が多い。CEFも10年に東証マザーズに上場する計画であった。過去を紐解けば、前身の北海道クリーンエナジーファクトリーは、日本風力開発の関連会社だった。その意味で開発手法、株主にゼネコンが控えるなど似ていることが多い。

 各地で激しい反対運動を起こされ、敦賀市や南房総市などでは社会問題化した。乱開発の影響なのか経営的に問題が出たようで、ゼネコンで株主でもあるきんでんが、CEFが建設中の風力発電所2カ所(和歌山県3万kW、山口県5万kW)を子会社化するという異例の事態が発生した。さらには九州の玖珠ウインドファームを、伊藤忠系JENホールディングスに売却している。日本風力開発も建設中であった和歌山県のウインドファームを大阪ガスの子会社に売却している。

 風力事業会社がビジネスの根幹をなす発電所を売却するということそのものが異常な事態を示していると言える。2社はこのまま破綻、解体に進むのではないかとの観測も業界内にはあり、予断を許さない状況だ。

 初期投資に出されてきたこれまでの補助金制度では、長期の事業計画の策定が疎かになってしまう。そうした意味では、発電しなければメリットを享受できない固定価格買取制度のほうが有用だと言える。

固定価格買取制度は機能するのか?

 7月からはじまる固定価格買取制度で、風力発電の買い取りもこれまでより条件が良くなるだろう。これにより、きちんと風車を回せばきちんとした利益が期待できる。

 当然、この対象は新設の風力発電所に限るべきだ。現に経済産業省の資料『再生可能エネルギーの固定価格買取制度について 2011年10月』12ページにおいても「新たな再生可能エネルギーの買取制度は、これから設置される設備が対象です。約1400件ある既設の発電設備については、引き続き、RPS法の下、同様の環境で事業を行うことができます」と記載がある。

 しかし、一部には、「既存風力発電所も対象にし、高く買い取るべき」という声がある。政治家へのロビー活動などをしているという話も聞こえてくる。確かにこれまでの風力発電事業は、黎明期で知見が少なかったために、事業が行き詰まった事例もある。それは確かだが、固定価格買取制度は国民に負担を求める制度だ。その買取価格を高くすることで国民にどんなメリットがあるのかを、きちんと国民の前で説明することなくして、政治家にロビー活動をする、そんな形で高い買取価格を求めるのはおかしいだろう。

 これまでの風力発電には初期投資に補助金が出ている。この補助金の分を割り引いた形で既存風力も買取価格を高くして欲しい、そういう意見もある。しかし、繰り返すが固定価格買取制度は国民に負担をお願いする制度だ。

 そうであるなら、既存風力を対象にするには、最低でも以下の3点を行うことが必要だ。(1)既存風力発電所の発電量や財務内容を完全開示すること。(2)買取価格を高くすることで、どれくらいの費用を風力発電のメンテナンスに充て、この整備改善で発電量がどれだけ伸ばせるのかコミットメントする。(3)補助金申請時は、事業が成り立つとして申請をしている以上、採算が取れないのは事業者側の責任でもあるため、国民に丁寧な説明を行うこと。

 本来、税金である補助金を受けているビジネスであり、情報開示は必要なものだ。情報開示の好例としては、静岡県東伊豆町や鳥取県北栄町の町営風車がある。開示することで補助金の適正運用かもわかるし、緊張感を生み故障を減らす好循環も期待できるだろう。

 なお、現在、日本には約240万kWの風力発電所がある。これを日本風力発電協会(JWPA)などの資料で示されている推定設備利用率18%とすると、年間発電量は約38億kWh。仮に既に入手した補助金の一部返還があったとしても、買取価格をkWh当たり5円高くすれば、年間190億円の国民負担が増えることになる。これは決して安価な負担ではない。

1437とはずがたり:2014/12/12(金) 20:43:02
>>1434-1437
これからの風力発電に求められること

 今必要なのは、自然エネルギーのなかでもポテンシャルと発電コスト面で競争力のある風力発電を、いかにして伸ばして今のエネルギー問題に寄与するかであって、風力事業者を救済することではない。

 買取価格はまだ決まっていないが、価格が高ければよいというものではない。確かに固定価格買取制度は、高い買取価格で新規参入事業者を広く呼び込み、爆発的に普及させてコストダウンをするという狙いがある。ただ、国民負担という前提である限り『儲かる。しかし、儲け過ぎず、損もしない。』そんな価格設定が必要になるだろう。

 世界の風力発電は、デンマークでは約20%を賄い、スペイン、ポルトガルでも10%後半になるなど準主力エネルギーになりつつある。さらにエコとは程遠い印象のある中国やアメリカが今は風力で世界1、2位になっている。これは風力発電は、経済性も備えつつあるエネルギーだということを示している。日本でもエネルギー不足という環境下、自然エネルギーの中でポテンシャルと経済性に強みのある風力発電はエネルギー供給の一翼を担うことができるはずだ。

 そのためには、まずビジネスモデルの転換が必要になる。風力発電は「kW」で示される風車の発電能力が重要なのではない。いくら発電したのかという量を示す「kWh」こそが大切だ。特に出力が安定しない風力発電だからこそ、発電量を徹底的に追求すべきだ。つまり、建てることではなく、いかに風の良い場所で故障させず、たくさんの量を発電させるのか。これを徹底するビジネスモデルに転換を期待したい。

 次に、資金調達の改善だ。風力発電は初期投資がかさむビジネスであるがゆえに、中小企業、ベンチャーにはハードルが高い。さらに「プロジェクトファイナンス」についても現在、多くの銀行が風力発電事業の失敗事例を見てネガティブになっている。筆者は多くの金融機関からこの問題の相談を受けているが、非常に根が深い問題になっている。しかしながら、金融機関が本格的に風力発電市場に資金を投入しない限り、風力発電事業は拡大しない。これまでの失敗を徹底して検証し、「風力発電はリスクが極めて低いビジネスモデル」であるということを実例で立証していくしかないと考える。

 実績を出せない事業者は脱落していくかもしれない。しかし、この数年で逆に風車を大切に回す、メンテナンスを重視するという事業者も次々と頭角を現してきている。発電パフォーマンスは、企業の大小ではなく、その姿勢に関係していると深く感じる。 

 そのような事業者にプロジェクトファイナンスが適用されていけば、風力発電は活性化していくだろう。固定価格買取制度には新しい金融機関も強い関心を示している。ただ、このままではその資金はメガソーラーなどに流れていってしまうだろう。

 最後に、地域と連携した開発だ。近年の開発は、やや強引なものが目立ちはじめている。結果として、各地で強い反対運動が起き、また稼働後も騒音、低周波音、風車の影の明滅(シャドーフリッカー)の問題も起きている。

 筆者は低周波音の経験はないが、騒音被害の現地で実際の騒音を何度も確認している。大企業の風力発電所が、深刻な被害を出している事例も存在する。(特に愛媛県伊方町では、風車と民家の距離が200メートル前後に複数存在し、騒音が酷かった)。筆者は風力エネルギーは地域の資源であると考えている。地域主体の開発、そこに風力発電事業者がイコールパートナーとして共に開発していくようなビジネスモデルになることを切に願う。

1438とはずがたり:2014/12/12(金) 20:44:57
>>1434-1437
補助金漬けビジネスの実体と本来はちゃんとやれば低リスクな風力発電の現状が良く纏まっていると云える。

ゼネコンなんかと一体か少なくともグルに近い形で放漫経営している会社がもしあるとするならば淘汰が必要だなぁ。。
風力発電全体に対してマイナスである。

1439とはずがたり:2014/12/12(金) 21:35:53
日本ガイシ
NAS電池
良くあるご質問
http://www.ngk.co.jp/product/nas/faq/

NAS電池の作動温度は?
モジュール電池内部で約300℃です。モジュール電池の容器は断熱されており、充放電中は電池内部の電気抵抗により発熱して300℃以上を保つため、外部電源(ヒーター)で加熱する必要はありません。

NAS電池の充放電効率は?
運転状態にもよりますが、電池単体で約85%(直流ベース)、交直変換装置(PCS)も含めたシステム全体で約75%(交流ベース)です。

NAS電池の耐久性は?
期待寿命は15年、4,500サイクル(電池の全容量を充放電して1サイクル)です。充放電サイクルが増えるにつれて容量は徐々に低下しますが、15年間使用できます。

「NAS」は日本ガイシ株式会社の登録商標です。


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