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バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ
1413
:
とはずがたり
:2014/12/09(火) 14:53:29
2014年08月15日 07時00分 更新
海洋立国の実力は? 「波力発電」の勝者は誰なのか
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1408/15/news032.html
日本は国土の面積が世界62位でありながら、海岸の長さでは世界6位。海洋エネルギーの確保に向いた立地だといえよう。研究開発や実用化では他国と比較してどのような位置にあるのだろうか。波の力を直接利用する「波力発電」について、国内と海外の状況を紹介する。
[畑陽一郎,スマートジャパン]
他の再生可能エネルギーと比較した波力発電の利点は、出力の変動が比較的少なく、24時間365日の稼働が期待できること。単位面積当たりのエネルギー密度が高いこと、高度な半導体技術や希少元素を用いた材料が不要であることだ。…しかし…欠点もある。立地、コスト、運用のいずれにも問題があり…トレードオフの関係にある。
海洋は漁業や船舶の運航に使われており、観光の対象でもある。海洋生物の生息の場でもある。陸上と違ってはっきりした環境アセスメントの手続きが定まってない場合もあり、計画が立てにくい。「当初から漁業者の意見をくみ取りながら実証実験に入ろうとしている。海洋エネルギーの立地を決め、普及させるには漁業者の理解が必要だ」(新潟県労働観光部産業振興課)。これは海洋再生可能エネルギーの実証フィールドとして選定された6つの候補海域のうち、唯一波力発電も対象とする粟島浦村沖(新潟県、図1)に関する発言だ*2)。
*2) 日本政府は海洋再生可能エネルギーの実証試験を続けており、2014年7月には粟島浦村沖(新潟県)が波力の実証フィールドに選定されている。波力に限定しておらず、日本大学理工学部と協力して海流(潮流)や浮体式洋上風力の実証機を設置する
>>1017
。
トレードオフに苦しむ
「沿岸から離れた洋上に浮体式の波力発電所を立ち上げると、大規模工事が必要になり、経済性が落ちる。さらに日本の沿岸は船舶の往来が比較的多く、航行の安全性を保たなければならない。いずれにしても洋上は避けたい」(大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻教授の重松孝昌氏、関連記事)。
ところが、大量のエネルギーを確保しようとすると、沿岸近くは効率が良くない*3)。波のエネルギーは海の深さ(沿岸からの距離)に従って急速に増える。後ほど紹介するオーストラリアCarnegie Wave Energyの調査では、波打ち際ではほとんどエネルギーを確保できない。水深100mの地点では波のエネルギーは幅1m当たり30〜50kW。水深が1000mを超え、沿岸から500kmほど離れると90kWまで高まる。
沿岸部はシステムを低コストで構築でき、運用コストも低いが、エネルギー密度に難がある。装置を大型化して設置台数を増やすことになる。外洋はエネルギー密度が高いものの構築コスト、運用コストとも高まる。最初の一歩を踏み出すことが難しい。
*3) 重松氏の採った手法は、沿岸部の既設構造物(スリット式防波堤)を利用するというもの。耐用年数を過ぎた構造物を更新するタイミングで、周囲に小型波力発電機を組み込んでいく。エネルギー密度の低さを、設置コストを抑え、設置台数の量で稼ぐという考え方だ。
日本よりも海外が強い
波力発電は日本に限らず、世界的に実証研究の段階にある。特に欧州諸国が熱心だ。図2は内閣府による欧州の海洋エネルギー実証フィールドの主な一覧。全ての実証フィールドが波力を含んでいることが分かる。国内では6つの実証フィールドのうち、1カ所だけが波力を対象としていることと、対照的だ。
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/l_yh20140815WP_CAO_590px.jpg
図2 欧州における海洋エネルギー研究の主な実証拠点と研究対象 出典:内閣府
中でも実用化に近いのは英国スコットランドの企業Pelamis Wave Powerの装置「Pelamis」だろう。図2の左下に小さく写っているのが最新のPelamisだ。
同社は1998年にPelamisの開発を開始、2004年に実物大モデルを試作し、2006年にはポルトガル海岸に第2世代のプロトタイプモデルを据え付けて試験運転を開始した。最新の実証実験はスコットランド北部のオークニー諸島にあるテストサイト「EMEC(欧州海洋エネルギーセンター)」で継続中だ。
2基の「Pelamis P2」波力発電装置は、オークニー諸島メインランド島の沖合2kmに設置されており、2014年6月に系統への接続時間が1万時間を超えた。装置の最大出力は0.75MW(×2)、テストサイトでは30分平均値で0.28MWという出力を得ている。1万時間の売電量は200MWhだ。
同社が波力発電に熱心な理由の1つは、英国が海洋エネルギーに恵まれているからだ。同社が公表した資料によれば、欧州の海洋エネルギーの総量は年平均で167GWという規模。そのうち、18%をスコットランドが占めているという*4)。
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