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Tohazugatali Book Review

1小説吉田学校読者:2006/05/29(月) 22:32:07
新スレ誕生。古今東西、森羅万象、硬軟織り交ぜ、新刊・旧刊問わず、読んだ本、読もうとする本、読んでない本、読ませたくない本をああだこうだ言うスレ。

47とはずがたり:2006/12/13(水) 13:35:20
モラル低下を嘆くスレでも立てた方が宜しいかも。
けどどっかに今までのニュース貼り付けた掲示板ぐらいあっても良さそうだけど・・。

図書館の本、傷だらけ…「切り抜き」「線引き」横行
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061212-00000508-yom-soci
12月12日15時38分配信 読売新聞

 各地の公立図書館で、雑誌などから写真や記事を切り取ったり、専門書に蛍光ペンで線を引いたりするなど、図書を傷つける行為が増加している。

 中には、閲覧室で堂々と雑誌を切り取り、職員から注意されると「どうしていけないの」と反論する人もいる。

 公共の財産を傷つけてはいけないという最低限のルールを破る行為の横行に、図書館側は「社会全体のモラル低下の表れでは」とため息をついている。

 東京都世田谷区の区立中央図書館(同区弦巻)で被害が目立ち始めたのは5年ほど前から。徐々に悪化し、資料係の越後信子係長は「最近では1日2、3件のペースで切り取りや書き込みが見つかる」と話す。


最終更新:12月12日15時38分

48小説吉田学校読者:2006/12/13(水) 20:05:51
>>47
昔から「線引き」「蛍光ペン」「○印」はありますが、切り取りはなかったですねえ。

なお、私は、昼食に利用する喫茶店備付の「フライデー」の袋とじをどうするか、毎回、悩んでおります。

49とはずがたり:2006/12/27(水) 10:55:48
ちょいとスレの本旨とはずれそうだけど

〜日本地図購入検討〜

北道(マ) 2001年 紋別道とか知りたい開通もあるが特に差し迫っている訳ではない。
東北(マ) 1999年 常磐三陸道が三郷から気仙沼ぐらいまで直通とかなると俄然買う気が起きるが仙台空港アクセス鉄道ぐらいではねぇ。。
関東(マ) 1998年 ●古い。圏央道とともにそろそろ買いたい。次はアトラス社でと思ってるがちゃんと2007年度版でるのかねぇ。アトラス社の23区版を割と最近買ってしまったこともあるしマップルもありか?
新潟(マ) 2001年
北陸(マ) 2001年
長野(マ) 2001年
中部(マ) 2002年 ●東海環状道も出来たし何かと古い。次はアトラス社のを買ってあげたい。2006年度版の東海かな?静岡版は1999年。東海版にするなら静岡も南遠道路とかの開通を楽しめる奴買いたい。
滋賀(マ) 2006年
近畿(ア) 2003年 ●第二京阪を待つ迄もなく京奈和道や南阪奈道,来春の箕面トンネルなどで購入意欲が湧いてる。次はマップルで。
四国(マ) 1999年 古いけどあんま不便を感じては居ない
中国(―) 未購入 ●何時買っても良いけど時期逃したなぁ。。中国縦断道姫鳥線開通かな
九州(マ) 2001年 有明海沿岸道・九州新幹線開通
沖縄(―) 未購入 ●これも何時買っても良いけど時期逃した。

(マ)…マップル
(ア)…アトラス
(―)…未購入
その後ろの年は出版年
●…急いで買いたい

50片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2006/12/27(水) 11:00:48
>>48
図書館で、新聞が堂々と切り抜かれていて哀しくなりました。
コピーしろよ・・・。

写真週刊誌の袋とじも、コンビニで破かれてることがよくある。

51とはずがたり:2007/01/06(土) 13:12:29
>>49
中国の地図は回避して鳥取と島根の地図を購入。序でに和歌山も。
三重は迷ったけど回避。山口と沖縄は無かった。いずれも県別マップル。本当ならスーパーマップルが買いたかったところ。

52とはずがたり:2007/01/06(土) 13:18:56
>>51
スーパーマップルは何処の県でも発行されてる訳じゃないよーだ。新潟道路地図・長野道路地図を持ってて実家に静岡県があったから何処の県の奴でも売ってるかと思った。
http://www.mapple.co.jp/publ/sm.html
少なくとも懸案の北関東茨城道路地図・栃木県道路地図・群馬道路地図の新規購入は必要だなぁ〜。

53小説吉田学校読者:2007/01/14(日) 23:43:28
久々のブックレビュー。

意外な結末とか、驚愕のラスト1ページとか、そういう類のものではなく、結末のつけ方が見事な作品です。

ハマースミスのうじ虫 ウィリアム・モール
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%98%E8%99%AB-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0-%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4488161022/sr=8-1/qid=1168785662/ref=sr_1_1/250-7024435-9109010?ie=UTF8&s=books

54小説吉田学校読者:2007/01/14(日) 23:49:33
そしてもう1作は、福井晴敏の「Op.ローズダスト」に行きたかった訳ですが、凡作だわねえ。
福井作品は、もう国家観とか政治思想とか思い切りダシにしてチャンチャンバラをやる、これに尽きるわけですけど、そのためには敵を魅力的に映し出さなければいけないんだけど、ちょっとキャラクターの造型がワンパターンに陥り始めたわね。

ということで、前作の傑作傑作、内藤陳ならずとも、読まずに死ねるかと叫んでしまうこちらを。

終戦のローレライ 福井晴敏
http://www.amazon.co.jp/%E7%B5%82%E6%88%A6%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%80%881%E3%80%89-%E7%A6%8F%E4%BA%95-%E6%99%B4%E6%95%8F/dp/4062749661/sr=1-1/qid=1168785945/ref=sr_1_1/250-7024435-9109010?ie=UTF8&s=books

55片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/01/16(火) 19:19:32
寄贈:金子和夫県議、自らの歩みを本に 故郷の市川市に /千葉
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/chiba/news/20070116ddlk12040450000c.html

 店の中から血相を変えて飛んで来るなり、大声で怒鳴りつけた。「ほうきは二本の手で掃け!」

 戦中戦後の激動の時代をたくましく生きる市民の姿を自らの歩みと共に振り返った「何苦礎人生(なにくそじんせい)」2冊13セットを、金子和夫県議(80)が生まれ育った市川市に寄贈した。市立図書館と公民館図書室計13カ所に置かれる。

 1冊目は、子供時代のほか、出征した戦中や家業の青果業を拡大させた戦後の歩みを振り返る構成。当時の町の様子や市民の生活も垣間見ることができる。「政治編」と題した2冊目は、県議当選後に遭遇した不祥事や選挙の裏話のほか、議長や自民県連幹事長時代の経験がつづられ、県の将来展望も記してある。

 今期限りで引退を表明している金子県議。「ぼけてくるからよ、記録に残しておこうと思って」と笑うが、後輩たちの参考になればとそれぞれ約1年かけて書き上げた。

 「本当のことを書いているから苦労はなかった」と話すだけあり、政治編を読んだ堂本知事から「あたしのこと、めちゃくちゃ書きましたね」と軽い小言を言われたという。引退後には「最終編」を書く予定。「もっと面白くなる。暴露本みたいなもんだ」と話している。【中川紗矢子】

毎日新聞 2007年1月16日

56小説吉田学校読者:2007/01/16(火) 20:15:09
>>55
県庁最上階のレストランは、入館チェックが厳しくなっても、昼食目的で入れるのかしら?
あそこは、もうね、堂本批判集会が毎昼行われているようなもんです。

でもまあ、そういう批判ができるだけでもマシと、福島県庁の人が言っていたとかいないとか。

57とはずがたり:2007/01/20(土) 06:32:37
三島は読まず嫌いで一本も読んだことがないのですけど。

「金閣寺」の駅員 実在した
http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000000701190002
2007年01月19日

 小説家三島由紀夫の代表作「金閣寺」に登場する丹後由良駅(宮津市)の駅員が実在の人物をモデルにしていることが、わかった。この駅員を知る由良出身の会社員が妻らから話を聞き、研究誌にその経緯を「三島由紀夫と丹後由良、そしてポッポ屋修(しゅう)さん」として寄稿している。

 丹後由良駅は元国鉄の駅で、現在は北近畿タンゴ鉄道の駅になっている。三島は「金閣寺」出版の1956年の前年、小説のモデルになった放火事件の容疑者の徒弟僧の出身地、舞鶴を取材。由良まで歩いて、3日間滞在したとされる。

 本では主人公が駅に立ち寄った場面が描かれ、三島は「陽気な若い駅員が、この次の
休みに行く映画のことを、大声で吹聴していた」と書いている。

 神奈川県藤沢市の会社員平間武さん(56)は一昨年、この部分を読み、はっとした。18歳まで由良で育ち、家の前に住んでいた国鉄職員の磯野修三さんが24年間、丹後由良駅で働き、よく映画館に連れて行ってくれていたからだ。「あの修さんだ」。磯野さんは昨年3月、76歳で亡くなった。

 平間さんは一昨年8月に帰省した際、修三さんの妻睦子さん(71)から話を聞いた。睦子さんも、由良出身で東京の「京都丹後学会」を主宰する坂本与一郎さん(65)から「修さんが若い頃、駅舎を訪れた三島由紀夫との出会いについて何度か話をしてくれた」と聞いたばかりだった。

 修三さんは坂本さんに、駅を訪れた三島の前で駅長の帽子をかぶっておどけてみせた体験も語ったことがあった。小説では「彼はたえず駅長をからかい、冗談を言い……」とも書かれている。

 間違いないと確信した睦子さんは興味を覚え、丹後由良駅前で当時営業し、三島が泊まった「日の出旅館」の元おかみ、中西信子さん(95)に会った。中西さんは、詰め襟の学生服姿だった三島が2階に上がったまま下りてこないのを不審に思い、警官を呼んだエピソードを話してくれた。小説でも、宿から一歩も出ない主人公を、怪しんだおかみが連れてきた警官が尋問する場面がある。

 平間さんはこれらのことを、研究誌「三島由紀夫研究(3)」(06年12月20日発行)に寄稿した。「三島由紀夫研究」の編集者の一人、佐藤秀明・近畿大学文芸学部教授は「平間さんの寄稿エッセーは研究者としても大変面白い。純然な創作と思われていた部分にモデルがいたのに驚きを感じた」と話している。

58とはずがたり:2007/02/06(火) 04:54:43
昔修士修了後研究職に見切りを付けて銀行へ就職を決めた友人が置いていった
鷲田 小弥太氏の
『大学教授になる方法』
『同 実践篇』
が部屋の片付けをしていたら出てきたので読んでみた。いずれもPHP文庫版。

基本的に大学の人事の選考は酷いものが多いように思う。特に中堅以下の大学教員の実態は酷いものがあるように思う。無駄なところにカネを掛けるのが文化だとしても相当にムダである気がする。
また上の方の大学だからマシということもなくて酷い大学は酷い教授陣が酷い人事をするので改まらないであろう。
立教などは国政選挙になると大学から(選挙の応援に)人が居なくなると聞いた。キリスト教社会主義かw

まぁ少なくとも大学院の定員を増やしたことで競争が激化したのは先生の質の向上に資したか?

氏は皮肉を込めて大学教員の向上の為に書いたという口実の元で,こんなアホでもちゃんとそれなりにやって行けたんだぞと云うのを自慢したい様にも見える。次は筒井の『文学部唯野教授』でも読んでみるかねぇ。。

59小説吉田学校読者:2007/02/14(水) 22:59:58
ぬおお、読まずに死ねるか〜〜〜

「夫婦善哉」続編発見、原稿用紙99枚…舞台は別府へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20070214i306.htm

 大阪の庶民の暮らしを描いた無頼派作家、織田作之助(1913〜47年)の代表作「夫婦善哉(めおとぜんざい)」の続編が、鹿児島県薩摩川内市内で発見された。
 後日談となる続編の舞台は、大阪から九州・別府へ。関門海峡を越えても、しっかり者の女房が駄目夫を支える“浪速の夫婦愛”は健在で、ホロリとさせる佳品に仕上がっている。
 「夫婦善哉」は、1940年、改造社の雑誌「文芸」に掲載された作之助の出世作。大阪・曽根崎新地の芸者だった蝶子が、若旦那(だんな)の柳吉と駆け落ちして結婚。剃刀(かみそり)屋や果物屋、カフェなど職を転々としながら、甲斐性(かいしょう)なしの夫を妻が支える姿を、当時の庶民情緒とともにしみじみと描いた。最後に夫婦が法善寺境内でぜんざいを食べる場面は有名。新潮文庫で版を重ね、55年には森繁久彌さん、淡島千景さん主演で映画化もされた。演劇や文楽などでは現在でも人気の演目。
 戦前に隆盛を誇った出版社「改造社」を創業した山本家が99年、大量の生原稿を出身地の鹿児島県川内市(現・薩摩川内市)へ寄贈。紅野敏郎・早稲田大学名誉教授らの研究グループが内容を調査し、存在が分かった。現在は同市の川内まごころ文学館に収蔵されている。
 続編は200字詰め原稿用紙99枚で、題は「続 夫婦善哉」。柳吉が小倉の競馬場で稼いだ金などを元手に、夫婦は大阪から別府へ移住。温泉客を狙い剃刀店「大阪屋」を開き、繁盛する。しかし戦争による金属品統制で商品が仕入れられなくなり、商売替えを決意。大阪へ船で行く途中、船員に夫婦円満を冷やかされた蝶子が、〈なに言うたはりまんねん。いつも喧嘩(けんか)ばかししてまんねんで。しかし、(略)やっぱり午(うま)が合うんでっしゃろな>と照れる場面で終わる。
 改造社では本編に続いて続編も掲載する予定だったが、金属統制などの記述が検閲に触れるのを恐れて見送ったらしい。大阪府立中之島図書館の織田文庫には「続夫婦善哉」の題名と冒頭が書かれた草稿1枚があるが、作品全体の本文は確認されていなかった。
 調査に参加した日高昭二・神奈川大学教授(日本近代文学)は「何よりも、大阪文学を代表する『夫婦善哉』の続編が九州を舞台にしたことに驚いた」と語る。
 作品は雄松堂出版から今秋、翻刻出版される。

60とはずがたり:2007/02/27(火) 21:18:51

岩井克人が何年か前に朝日新聞の夕刊の文化欄の思潮21に書いたエッセイの紙切れが出てきた。
ジェーン・オースティンの書いた『高慢と偏見』に就いて書いてあるのであるが(この小説は大学1回生の時クラス指定の英語の授業で読まされて全く訳が判らずなんとつまらない本かと思った),この本は全ての財が商品として売られなければならない資本主義の論理に対して,ただ売れればよいというものではないという資本主義の倫理を語ったが故に傑作であると指摘。財産を持った独身の男に求婚されなければならない女性を消費者に買われなければならない財貨の隠喩として読み解いているのである。柳沢もこれくらい洒落た発言すれば批判も浴びなかったであろうに。。

61小説吉田学校読者:2007/03/03(土) 19:41:00
中野翠さんだったか室井滋さんだったか、「何十年かぶりに『卒業』を見たが、バカらしい内容で笑ってしまった。初めて見たときは感動したのに」みたいなことを書いておりました。
翻って私の話、このオールタイムベスト、久方ぶりに再読しましたが、再読して、実に良かった。不可能犯罪の名手、あの名作に真っ向対決。そして、原題名、「レディ・ジョーカー」に繋がっているのか。
読まずに死ねるか〜〜

貴婦人として死す カーター・ディクスン
http://www.amazon.co.jp/%E8%B2%B4%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E6%AD%BB%E3%81%99-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%B3/dp/4150704031/ref=sr_1_2/503-5139808-1522309?ie=UTF8&s=books&qid=1172918152&sr=8-2

62小説吉田学校読者:2007/03/03(土) 19:47:18
私がサインインすると、amazonの紹介本が「ハロリア」「(ここに書くのもはばかられるAVタイトル。知りたい人はリクエストしてね)」「スポーツイラストレイテッドの水着写真集」「盗聴 二・二六事件」と硬軟取り混ぜたものになっております。
ということで、「盗聴 二・二六事件」一気読み。澤地和枝氏のノンフィクションを読んだら、これいいですよ。
ちょっと暴走もありますが、NHKスペシャルの二・二六シリーズを見た人、これで復習できます。

盗聴二・二六事件 中田整一
http://www.amazon.co.jp/%E7%9B%97%E8%81%B4%E4%BA%8C%E3%83%BB%E4%BA%8C%E5%85%AD%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E4%B8%AD%E7%94%B0-%E6%95%B4%E4%B8%80/dp/4163688609/ref=pd_sim_b_3/503-5139808-1522309

63小説吉田学校読者:2007/03/10(土) 07:35:46
推理の悦楽。戸板康二を読みなさい。

團十郎切腹事件 (文庫)  戸板 康二 (著)
http://www.amazon.co.jp/%E5%9C%98%E5%8D%81%E9%83%8E%E5%88%87%E8%85%B9%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E6%88%B8%E6%9D%BF-%E5%BA%B7%E4%BA%8C/dp/4488458017/ref=sr_1_1/503-5139808-1522309?ie=UTF8&s=books&qid=1173479614&sr=1-1

64片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/03/21(水) 12:25:38
永沢光雄につづき鴨志田穣も死んじゃいましたね。
酒で身を滅ぼしてるのではあるけど、ひとの弱さ儚さが凝縮されてるところがあって、好きといってはなんだが・・・。

65小説吉田学校読者:2007/03/22(木) 22:48:32
この方の小説、私、作品ごとに好き嫌いが激しいです。
「落日燃ゆ」は大嫌いでして、私、大学時代、「何だかんだ書いているが、結局、廣田弘毅は暗愚の帝王」と思ったくらいです。贔屓の引き倒しだと思うんです。
「男子の本懐」も嫌いでしたね。黙契とかで国策を語れるんでしょうか。井上準之助に野心や打算はなかったのかと突っ込みまくりです。
「鼠」も嫌いで、ああいうのを商才がないというんですよ。
「三賢人の世」も嫌いです。ああだこうだ言っているだけの政治家の何が賢人か。ドロを被ってこそ政治家じゃないか。椎名悦三郎だけだろ、賢人は。

でも「総会屋錦城」と「指揮官たちの特攻」と「小説日本銀行」は好きです。

「落日燃ゆ」「男子の本懐」作家・城山三郎氏が死去
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070322-00000511-yom-soci

 経済小説のパイオニアで「落日燃ゆ」「男子の本懐」など、近代日本の指導者像を描いた作家の城山三郎(しろやま・さぶろう=本名・杉浦英一=すぎうら・えいいち)氏が22日午前6時50分、間質性肺炎のため、神奈川県茅ヶ崎市の病院で死去した。79歳。
 告別式は親族のみで行い後日、お別れの会を開く予定。喪主は長男、杉浦有一(ゆういち)氏。
 名古屋市生まれ。愛知学芸大(現・愛知教育大)講師の傍ら小説を書き始め、1959年「総会屋錦城」で直木賞を受賞。「官僚たちの夏」「小説日本銀行」など組織と個人の生き方を問う経済小説を開拓し、歴史小説「黄金の日日」や本紙連載「毎日が日曜日」などのサラリーマンものが次々にドラマ化され、流行語にもなった。吉川英治文学賞、菊池寛賞などを受賞。

66小説吉田学校読者:2007/04/30(月) 10:41:48
旅の醍醐味は道中にあるのだそうですが、その道中でのなんとはない変化をミステリにするとどうなるか。
短編かくあるべし。これぞ小説。堂々の再刊であります。「グリーン車の子供」だけでも、立ち読みしてでも読むべし。

中村雅楽探偵全集2 グリーン車の子供
http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=3689

67片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/05/02(水) 23:40:15
おかやま大研Q:獄門島の舞台「笠岡諸島」 戦争体験がリアル /岡山
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/okayama/news/20070502ddlk33040708000c.html

 「備中笠岡から南へ七里、瀬戸内海のほぼなかほど(中略)そこに周囲二里ばかりの小島があり、その名を獄門島と呼ぶ」という有名な書き出しで始まる横溝正史著「獄門島」。緻密(ちみつ)で論理的なトリック、独創的な見立て殺人で、金田一耕助シリーズの最高傑作との呼び声が高い。舞台となったのは笠岡諸島だ。想像力と作家としての意欲を注いだ「獄門島」には正史のさまざまな思いが詰まっている。文献を手に獄門島の舞台を訪ねた。【石戸諭】

 ◇俳句用い、独自の世界

 ■「獄門島」誕生□

 正史は太平洋戦争末期の1945年4月から約4年間、吉備郡岡田村字桜(現在の倉敷市真備町)に疎開していた。そこで元青年学校の教員、加藤一(ひとし)さんらと、岡山の因習や事件などについて語り合ったことが後の創作につながる。

 正史にとって推理小説は「米の飯」だったが、戦争中は満足に書くことができなかった。戦後は一転、とにかく書いて推理小説への飢餓感を満たそうとする。金田一が初登場する「本陣殺人事件」を書き上げたのは46年末。48年にはシリーズ第2作となる「獄門島」が誕生した。

 作品に懸ける意気込みを正史はこう記している。「米の飯だけでは物足りなくなっている。そこに程よい味つけと、出来れば食欲を刺激するに足る副食物さえ欲しいと思っている」。終戦直後、復員船の中で、獄門島出身の戦友、鬼頭千万太は「三人の妹が殺される…。おれの代わりに獄門島へ行ってくれ」という遺言を金田一に残し、マラリアで死んだ。本家、分家の対立、さまざまな因習が残る漁村で起きた奇怪な連続殺人……。金田一の名推理がさえる「獄門島」は、副食物どころか、絶妙な味付けの大ごちそうが並んだ傑作となった。

 □金田一の戦争体験■

 一見、荒唐無稽(けい)な金田一シリーズだが、戦争体験の描写が作品を支えている。金田一は、大陸から南方の島を転々として「終戦時はニューギニアのウエワクにいた」という設定だ。「獄門島」では、他にも登場人物が、おそらく広島県の大久野島で「(毒ガスを秘密に作っていたため)毒ガスの始末に手を焼いている」という話をしたり、「本陣殺人事件」で知り合った県警の磯川常次郎警部が笠岡諸島の「海賊」を取り締まりに来たりと、随所に当時の岡山の話題が反映されている。

 正史自身、戦争協力を求められたら死のうという決意で青酸カリを隠し持ったり、戦争中に積極的に反対を唱えなかったことを悔いていた。金田一についても、戦争で「人生でいちばん大事な期間を空白で過ごして来たのである」と書く。自分が生み出した若き名探偵への思い、戦争に駆り立てられた人へのまなざしは優しい。

68片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/05/02(水) 23:40:50
>>67-68
 ■俳句と笠岡諸島□

 「獄門島」では、俳句に見立てられた事件が連続する。「真説 金田一耕助」(毎日新聞社)などによると、着想の原点はアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」にある。マザーグースにちなんで起こる殺人に刺激を受けた正史は、俳句の通りに起きる事件を構想した。金田一映画のロケ地に家を建てたほどの筋金入りのファンで、笠岡市役所で笠岡諸島の島おこしを担当する網本善光さん(46)は、その魅力を「金田一作品の中で一番面白い。自分たちの文化である俳句を用いたことで、独自の世界を作り上げたと思う」と語る。

 同時に欠かせないのが、笠岡諸島という舞台だ。正史は疎開中、ほとんど真備町から出ていないにもかかわらず、想像力で架空の島を書き上げた。「島の雰囲気は、トリックから結末まですべての伏線になっていると思います」と網本さん。その舞台を見たくなった。

 □島へ■

 「獄門島」では、金田一の乗った船が笠岡を出港し、真鍋島を過ぎて獄門島に向かうと記される。獄門島の舞台が六島と言われるのはこのためだ。網本さんによれば「加藤一さんは、真鍋島で教員をしたことがあると聞きます。原作の古い漁村は真鍋島のイメージが強いと思う」とのこと。

 笠岡から高速船に乗り約1時間。真鍋島を訪ねてみた。石坂浩二主演の映画「獄門島」のロケ地になったこともあり、路地の雰囲気や、寺までの道など、金田一が駆け回っている様子が想像できる。風光明美な島を一望できる円福寺には釣り鐘がある。釣り鐘は第2の殺人で重要な役割を果たした。殺人事件に使われる俳句「むざんやな胄(かぶと)の下のきりぎりす」を思わずつぶやいてしまう。

 「獄門島」の最終章で、金田一は一目ぼれした女性にふられる。恋と無縁そうな金田一にしては珍しいことだ。船の乗り場が、女性に別れを告げた場所。どんな顔をして船に乗り込んだのか。きっと、いつものように頭をかいて……。「獄門島」は鐘の音を聞きながら金田一が手を合わせるシーンで終わる。鐘は聞こえなかったが、金田一が出てきそうな街並みを堪能することができた。

毎日新聞 2007年5月2日

69やお:2007/05/03(木) 06:12:46
ジャパニーズ・マフィア
ヤクザと法と国家

ピーター・ヒル



目新しいものは、何もありません。
しかし、ヤクザ入門書としては最適ですね。
警察白書からの資料も多いし、江戸時代からのヤクザ史の概略もつかめます。
著名なヤクザ関連図書の総まとめといった感じです。
かなり、ヤクザに同情的な傾向にありますけど。

立ち読みされる方には、第4章と第6章をすすめておきます。

70小説吉田学校読者:2007/05/22(火) 22:32:28
久方ぶりのブックレビューは、旧作再読シリーズであります。
ダールの「あなたに似た人」でノワールをやるとどうなるか。訳も旧訳に比べるとポップでぶっ飛んでいる。そして、主人公もぶっ飛んでいて、ラストもまたぶっ飛んでいる。「あなたの中の殺し屋」。

おれの中の殺し屋
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E3%82%8C%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%AE%E6%AE%BA%E3%81%97%E5%B1%8B-%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%B9%E3%83%B3/dp/4594049621/ref=pd_ecc_rvi_1/250-7507460-4769805

71とはずがたり:2007/06/05(火) 01:42:24
購入検討。しかもお仕事がらみ。
こんなんばっかで全然review出来てないな,俺。。

http://www.amazon.co.jp/New-Economic-Policies-Developing-Countries/dp/8170419948
New Economic Policies in Developing Countries (ハードカバー)
G.S. Batra (編集), Narinder Kaur (編集)

http://www.amazon.co.jp/Income-Distribution-Macroeconomic-Giuseppe-Bertola/dp/0691121710
Income Distribution in Macroeconomic Models (ハードカバー)
Giuseppe Bertola (著), Reto Foellmi (著), Josef Zweimuller (著)

72小説吉田学校読者:2007/06/16(土) 19:04:18
林芙美子、向田邦子、中上健次、そして阿佐田哲也・・・・最近読まれなくなっている作家たち。もっと読まれていい。

阿佐田哲也(色川武大)と妻孝子
http://www.asahi.com/travel/traveler/TKY200706160119.html

73やおよろず:2007/06/16(土) 19:47:32
>>71
新しい発展途上国における経済政策?
マクロ・モデルによる収入の分配?

とは氏は、マクロ・経済政策関連の研究者でしたか

74やおよろず:2007/06/16(土) 19:53:49
>>4
Growth Theory: An Exposition (ペーパーバック)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/0195109031/249-7801335-5409126?v=glance&n=1000&m=AN1VRQENFRJN5
Robert M. Solow
価格: ¥ 3,319 (税込み)

岩波書店から出てる福岡正夫教授訳を持ってます

75とはずがたり:2007/06/16(土) 19:57:06
注意深く読むと情報過多でばればれなんでしょうけどその辺はノォコメントというスタンスでお願いします。
日本中世史や言語学,農学あたりの可能性も捨てきれませんw

76やおよろず:2007/06/16(土) 20:05:07
一級の選挙研究者ということで、矛を収めさせてもらいます。

77とはずがたり:2007/06/16(土) 20:08:55
おなさけ感謝w
それは兎も角選挙学会とかあるんですよねぇ。一度かおだしてみようかしらん
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jesa/
参加者の知識がぬるすぎて浮くかなぁ。片言丸氏あたりを会長にすべきだ。

78小説吉田学校読者:2007/06/17(日) 08:36:13
今日から再開、「毎日かあさん」。週刊朝日は巻末から、日曜日の毎日新聞は中面から読みなさい。
サイバラ、散骨の旅に出かけたらしい。

西原理恵子さん、「毎日かあさん」読者の皆さまにメッセージ
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/etc/riezo/

79小説吉田学校読者:2007/06/24(日) 12:00:18
私が日本人で良かったと心から思えたのは、ジェイムズ・ヤッフェの短編集(本国では編まれていない)を読めることであります。
「あなたの街の「美しい国」募集」記事でも書きましたが、「翻訳文化」。米英仏独伊西露中とこんなに翻訳が読まれる国はないんじゃないか。タイムラグとかの問題も出てくるけど、世界に誇っていいと思うよ。
米英仏はあまり翻訳は読まれないそうだ。韓国はつい数年前まで隣国日本の文化を吸収しなかった(表向きは)。中国は翻訳家が育っていない(これ、北京語の特質の問題もあるけど)。翻訳が栄えるというのは日本語の多様性の証明です。
今年のミステリ界の重大ニュースに「チャンドラーの『長いお別れ』を村上春樹が翻訳」だろうが、清水俊二節も村上春樹調もありというのは、私は幸せです。

われわれはみな外国人である―翻訳文学という日本文学
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%AF%E3%81%BF%E3%81%AA%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E2%80%95%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E6%96%87%E5%AD%A6%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%96%87%E5%AD%A6-%E9%87%8E%E5%B4%8E-%E6%AD%93/dp/4901646117/ref=sr_1_1/250-1782256-4042605?ie=UTF8&s=books&qid=1182653499&sr=8-1

80とはずがたり:2007/07/14(土) 23:09:34
書店も此処でいいっすかね?
丸善は洋書も高いしね。お世話にはなっているのだが。

経営再建中の丸善、大日本印刷との資本業務提携を発表
http://www.asahi.com/business/update/0712/TKY200707120421.html
2007年07月12日22時05分

 経営再建中の大型書店・丸善は12日、大日本印刷と資本業務提携すると発表した。大日本が8月にも丸善の株式の25・5%(議決権ベース)を取得、丸善は大日本の傘下に入る。大学などの図書館向けの専門書納入で強みがある丸善だが、出版不況や大型店同士の競争激化に苦しむ。ICタグ(電子荷札)で実績のある大日本と組み、業績の改善をめざす。

 大日本は丸善の株式を大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツから取得し、丸善の筆頭株主となる。関係者によると売買額は80億円程度。大日本は丸善に常勤の取締役1人を送りこむ方針。12日に記者会見した大日本の高波光一副社長は「丸善の経営をするつもりはない。あくまで事業で相乗効果を出していく」と述べた。

 両社がまず取り組むのは、大学や研究機関の図書館の運営・管理を請け負う事業での協力。丸善は全国約70の図書館運営を受託し専門書などを納めており、事業の拡大を目指している。

 大日本は本の貸し出しや返却、蔵書の管理を効率化できるICタグやICカードを生産しており、両社は図書館への導入を積極的に進めて業務効率化をはかる。丸善が出版権を持つ絶版書籍の内容をインターネット上で注文を受け配信するサービスも検討する。

 1869年創業で洋書や文具販売の歴史を持つ丸善だが、経営は厳しい。07年1月期の連結売上高は993億円で営業利益は8億円。当期利益49億円の大半は資産売却で生み出した。

 売上高の約54%を占める大学図書館や研究機関への支援や店舗内装の業務(教育・学術事業本部)では、IT(情報技術)や教育関係企業との競合が激しい。文具専門店を含め48店を持つ店舗事業では、大型化が業界の流れとなっているが投資経費がかかる。

 業績へ追い打ちをかけたのが、今年1月に発覚した約8億1000万円の不正な利益計上。4月に産業再生機構出身の小城武彦社長が就任、6月にはネット通販大手のアマゾンジャパンにネット通販を事実上委託するなどの対策を打ち出していた。

丸善、大阪・心斎橋での136年の歴史に幕
http://www.asahi.com/business/update/0712/OSK200707120140.html
2007年07月12日21時16分

 大手書店の丸善が、そごう心斎橋本店(大阪市)に出店している「大阪心斎橋そごう店」を閉店することが12日、わかった。15日で営業を終える。美術書など専門書のほか、高級文具などを扱っていた。撤退理由は明らかにしていないが、顧客対象を絞った品ぞろえのため、百貨店の上層階では計画通りの集客が出来なかったとみられる。

 丸善のそごう店の前身「大阪心斎橋店」は1871年に開業。首都圏に次ぐ2カ所目の店舗で、05年7月に閉鎖。同年9月のそごうの再開に合わせて、リニューアルした。あわせて136年の心斎橋での歴史に幕を閉じることになる。

 店舗面積は約940平方メートル。団塊世代以上をターゲットに、上層階にこだわりの専門店を集めたそごうの「心祭橋筋商店街」の核テナントだった。そごうは「次の入居業者は交渉中で未定」と話している。

81小説吉田学校読者:2007/07/21(土) 11:23:43
2ちゃんねるで読書と全く関係ないスレで、ミステリのネタバレをやっている奴がいて、本気で怒ったことがあります。

ハッカー、ハリー・ポッター最新刊の結末をばらす
http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPJAPAN-26546120070621

 [ボストン 20日 ロイター] 英作家J・K・ローリング原作の人気小説「ハリー・ポッター」シリーズの最終章「ハリー・ポッターと死の秘宝」(仮題)のあらすじが、ハッカーによりインターネット上に書き込まれた問題を受け、出版社は、書き込みはでたらめの可能性があると注意を呼び掛けた。
 ハッカーは「ガブリエル」と名乗り、英出版元ブルームズベリー・パブリッシングのコンピューターに侵入して、7月21日に発売される最新刊の原稿コピーを入手したと主張。ウェブサイト上で「最新刊を無意味でつまらないものにするため」と書き込みの意図を語っている。
 最終章の結末をめぐっては、ここ数カ月、ファンの間でハリーやハーマイオニーの生死についての論争が巻き起こっていた。
 米の出版元スカラスティックのスポークスマンは、書き込みの真偽についてはコメントを避けたものの、書き込みを信じないよう注意を呼び掛けた。
 英出版元ブルームズベリーのスポークスマンはコメントを控えている。
 「ハリー・ポッター」シリーズの原稿漏出に関しては、第6作「ハリー・ポッターと謎のプリンス」でも発売前に原稿コピーが盗まれる事件が起き、タブロイド紙にコピーを売却しようとしたとして、2人が起訴されている。

82小説吉田学校読者:2007/07/30(月) 06:00:47
「べ平連」「市民立法」でもありますが、海外へなかなかいけない時代に「何でも見てやろう」を書いたのは歴史的業績だと思う。全集が編まれるべき作家だろう。

作家の小田実さんが死去 国際的な反戦運動に尽力
http://www.asahi.com/national/update/0730/OSK200707300001.html

 反戦、反核など国際的な市民運動に取り組んだ作家で、「ベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)」元代表の小田実(おだ・まこと)さんが30日午前2時5分、胃がんのため東京都内の病院で死去した。75歳だった。自宅は公表していない。
 32年大阪市生まれ。45年の敗戦前日の8月14日に大阪大空襲を体験、そこで目の当たりにして後に「難死」と呼んだ「無意味な死」への怒りが言論活動や市民運動の源泉となった。
 東京大文学部卒業後の58年、フルブライト留学生として米国ハーバード大学へ。このときの体験とそれに続く欧州・アジア巡りをつづった1日1ドルの貧乏旅行記「何でも見てやろう」(61年)がベストセラーに。飾り気のない文体と世界の人々と同じ高さの目線で向き合う姿勢が共感を呼んだ。
 65年、ベトナム戦争に反対して哲学者の鶴見俊輔さん、作家の開高健さんらとベ平連を結成。米ワシントン・ポスト紙に日本語で「殺すな」と大書きした反戦広告を掲載するなど、運動の支柱となった。
 ベ平連解散後も、執筆の傍ら政治問題と正面から向き合い、市民の側から発言を続けた。76年には北朝鮮を訪問して当時の金日成主席と会見。87年の東京都知事選では当時の社会党から立候補を打診され、断った。
 95年の阪神大震災は自宅で被災。公的支援の貧弱さを身をもって体験、被災者支援法成立に尽力した。04年6月、作家大江健三郎さんや評論家加藤周一さんらと、憲法を守る「九条の会」の呼びかけ人となった。
 小説では庶民の生活に根ざした素材と言葉で、心のひだへ分け入った。「HIROSHIMA」で88年、第三世界最高の文学賞とされるロータス賞を受賞。97年に川端康成文学賞を受けた「『アボジ』を踏む」は演劇にもなった。
 07年春に末期がんがわかり、親しい知人に手紙で病状を明らかにしていた。著書「中流の復興」では、武器を売らぬ平和経済で繁栄したことが日本の誇りであり、その基盤となった中流層の復権を訴えた。

83小説吉田学校読者:2007/08/05(日) 07:48:37
千葉県立中央図書館前の名物児童書店の話題。
土地柄、教員の来訪者が多いと聞きますが、こういう小さい専門店は大事にしたい。
あと、どこでもいいから、千葉にミステリ専門書店を建ててくれ。

児童書愛して30年 専門店「会留府」
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000708030003

 自分が納得できる本を子どもたちに届けたい。そんな思いで児童書専門店「会留府(えるふ)」(千葉市中央区)を続けて30年になる。本の売れ行きが落ちて店をたたむ仲間もいる中、「意地っぱりだから続けてきてこられた」と店主の阿部裕子さん。有志たちによる「祝う会」が9月29日、県文化会館で開かれ、詩人の谷川俊太郎さんが詩を朗読する。(丸山ひかり)
 店の名前は「指輪物語」に登場する「エルフ族」が由来。昨年12月、30周年を迎えた。県立中央図書館の向かいにある小さな店内には、絵本や文庫本など約4千冊が所狭しと並ぶ。
 本は阿部さん自身が問屋に足を運んで選ぶ。児童書にも流行があるが、「もりのなか」などのロングセラーを欠かさず並べる。読書会を続け、ブログなどを通じた情報発信も欠かさない。
 自宅の一室で始め、最初は稲毛区に店を構えた。当時は近所の子どもが立ち読みをしていったが、最近はそんな光景は見かけなくなった。
 阿部さんは「今の子どもは勉強や他の娯楽で忙しいこともあるのでしょう。でも、子どもたちが読書嫌いになったとは思いません」と話す。
 学校や公立図書館の予算が削られていることに危機感を募らせる。
 「大人には子どもたちのために読書環境を整えてあげる責務があるのに、できていません」
 これまで「客と直接触れ合いたい。自分が読んで欲しいと思う、その人にあった本を届けたい」と店を守ってきたが、店をやめたいと考えたこともあったという。
 本が売れずに経費がかさみ、経営は楽ではない。二人三脚で経営してきた夫が04年に交通事故で亡くなった。「もう無理」とくじけそうになったが、「自分を支えるのはこの仕事。もう少し考えよう」と思い直した。
 自分が読むのが好きだから、児童書にこだわってきた。「子どもたちにとって、自分のために親や先生が本を読んでくれて一緒に楽しい経験をしたという思い出は、成長する上で大きな支えにもなる」と話す。
 そんな阿部さんの歩みを祝おうと、自宅を開放して地域の子どもに本を貸し出したり、読み聞かせをしたりする文庫活動を続ける有志たちが「祝う会」を企画した。
 石倉雅子さんは「私たちにとって、会留府は励みになる存在。本を選ぶ時にもお世話になってきた」という。


 「子どもと一緒に楽しめるものを」と、谷川俊太郎さんには、店の節目ごとに朗読を依頼してきた。今回は作曲家の林光さんがピアノを弾く。9月29日、県文化会館小ホールで午後1時半〜3時半。チケットは中学生以上2950円で、小学生以下2千円。定員は約220人。問い合わせは祝う会(043・274・0187)まで。

84小説吉田学校読者:2007/08/12(日) 10:20:02
呉智英あっぱれ。関西の革新というか市民派は、「人権は大事だが突撃取材も辞さない」(大阪読売黒田軍団)、「共産系だが天皇制尊重」(蜷川府政)など、二面性がキーワードであり、これを器用に扱って、矛盾に悩みながらも現実に適応するのが真骨頂なのだ。
戦争の二面性を論じた小田実ですが、それは自己の二面性を自覚してのことだったのでしょう。二面性や矛盾なくして何が批評であり、評論なんでしょうか。私が小田実が好きなところはここなのであります。

【コラム断 評論家・呉智英】市民運動家の二面性
http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070812/bnk070812001.htm

85とはずがたり:2007/08/13(月) 09:31:12
帰省中。弟達のみならず妻や義妹が実家に参集するなか一人
別役実『日々の暮らし方』白水社1990
を黙々と読み,正しい帰省の仕方を沈思黙考す。

不朽の名文句

「お花見というのは,長年連れそった女房といたすようなものである」という言い方もある。してもちっとも嬉しくないが,だからと言ってしないでいると,何となくうっとうしいのである。

の出典はここだったか〜w
もう忘れてたけど,昔読んだことがあったのだな。

86とはずがたり:2007/08/13(月) 13:10:43
『思いちがい辞典』
別役実
リブロポート
1993

イギリスには,「人はその生涯において,一本の樹を植え,一軒の家を建て,ひとりの息子を育てなければならない」という言葉がある。

87小説吉田学校読者:2007/08/24(金) 23:21:18
朝日を覗いていたら、もう1本。
P・D・ジェイムスの「女には向かない職業」がないのが気に入らないが、この「ボツワナでただ一人の女性探偵プレシャス・ラモツエ。のどかなアフリカの地で、浮気調査から失踪人探しまで、持ち前の洞察力で次々と事件を解決。世界中から愛される女性探偵」・・なんだろう、ものすごい読みたい。

女性探偵特集
http://book.asahi.com/special/TKY200708240081.html

88小説吉田学校読者:2007/08/24(金) 23:24:26
amazonの方では和訳が出ておりましたね。早速明日買う。「サバンナのミス・まープル」・・・これだけで手が動くというものだ。

No.1レディーズ探偵社、本日開業―ミス・ラモツエの事件簿〈1〉
http://www.amazon.co.jp/No-1%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BA%E6%8E%A2%E5%81%B5%E7%A4%BE%E3%80%81%E6%9C%AC%E6%97%A5%E9%96%8B%E6%A5%AD%E2%80%95%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%A2%E3%83%84%E3%82%A8%E3%81%AE%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E7%B0%BF%E3%80%881%E3%80%89-%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%B0%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%B9/dp/4789721051/ref=br_lf_m_1000107876_1_3_ttl/503-8408970-7552752?%5Fencoding=UTF8&s=books&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=center-2&pf_rd_r=1NVYCKMBCYQD33PN47HG&pf_rd_t=1401&pf_rd_p=81215706&pf_rd_i=1000107876

89とはずがたり:2007/09/08(土) 00:43:56
音楽も此処で良いっすか?(;´Д`)
月の光を聴いて久しぶりにペルソナやりたくなったぞw

ドビュッシー

月の光
http://classic-midi.com/midi_player/classic/cla_Debussy_tukihikari.htm

亜麻色の髪の乙女
http://www.voiceblog.jp/andotowa/403901.html

90とはずがたり:2007/10/07(日) 18:23:34

新聞の書評欄にあったが面白そうだ。
主人公とは禅で内なる自分に対して禅僧(瑞厳師彦)がそう呼んだそうで,弥次喜多など近世初期の文芸は二人連れが自己と「他己」が対話しながら旅をする形式を取る。その後者が客観化され増殖する所,例えば西鶴の『好色一代女』,に近世文芸の展開を見いだしているのだそうな。

http://www.amazon.co.jp/主人公の誕生―中世禅から近世小説へ-西田-耕三/dp/4831511730

91とはずがたり:2007/11/23(金) 14:19:38
古本探しにめっちゃ便利だ。

KK紫式部のスーパー源氏
http://sgenji.jp/

92とはずがたり:2007/11/23(金) 14:26:21
AMAZON→丸善の価格の違い。高い本の倍率がより高くなってるな・・。高い高いと云われてる丸善でも価格差は僅かな本もあるようであるけど。

Economic Growth 2nd edi.
\ 9,660→\13,244

2005/12/2に追加された商品
Dynamic Macroeconomic Analysis: Theory and Policy in General Equilibrium - Sumru Altug; ペーパーバック
\ 8,721→ \10,347

2005/11/26に追加された商品
Poverty Traps - Samuel Bowles; ハードカバー
\ 4,446→ \4,635

2005/12/2に追加された商品
A Theory of Economic Growth: Dynamics and Policy in Overlapping Generations - David De LA Croix; ペーパーバック
\ 4,731→ \5,613

93とはずがたり:2007/11/24(土) 16:04:03
私が経済学を真面目に始めた頃岩波のモダン・エコノミックスと云うシリーズが出ていた。
ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱ,マクロ経済学Ⅰ,企業の経済学,労働経済学,公共政策,所得と富,国際貿易,農業経済論,一般均衡の数量分析,不均衡動学の理論,経済思想が刊行されたまま完結することなく終わってしまったようである。
このうち
ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱ,マクロ経済学Ⅰ,企業の経済学,労働経済学,所得と富,国際貿易,不均衡動学の理論(労働経済学,所得と富,国際貿易は古本を購入)
を持っていた。
企業の経済学と所得と富は研究室を引き払う時に後輩にあげてしまったが,やはり読み返したくなってそれらや結局買えなかったものを丸善に発注。
多くが絶版に成っており所得と富と農業経済論しか入手できないとのこと。
企業の経済学,労働経済学,公共政策を>>91で検索して古本屋で発注。あと一冊で全巻完結するし一般均衡の数量分析も購入しちまおうかなぁ。。

94小説吉田学校読者:2007/11/25(日) 11:52:59
用事がないから読んではいけないということはない。なんにも用事はないけれど、本屋へ寄って内田百輭を読んでみようと思う。

内田百輭 [ちくま日本文学001] (ちくま日本文学 1) (文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E5%86%85%E7%94%B0%E7%99%BE%E9%96%92-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%96%87%E5%AD%A6001-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%96%87%E5%AD%A6-%E5%86%85%E7%94%B0-%E7%99%BE%E9%96%92/dp/4480425012/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=books&qid=1195958973&sr=8-4

95やおよろず:2007/11/25(日) 12:01:09
>>93
そのシリーズ、「国際金融 浜田宏一」も刊行されています。
私は、ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱ,マクロ経済学Ⅰ,労働経済学,不均衡動学の理論,国際貿易,国際金融を所有しています。

96とはずがたり:2007/11/26(月) 21:42:22
>>95
おお,ご教授感謝。浜田先生の『国際金融』読んでみたいっす。
また捜してみよっと。

97とはずがたり:2007/12/05(水) 12:42:17
購入しました>国際金融
絶版となってて古本屋で買ったが偉く高かった。。

98とはずがたり:2007/12/05(水) 12:45:55
sageてもた。。
因みにあと所得と富と農業経済論で既刊が全部揃う予定♪

99やおよろず:2007/12/06(木) 21:42:01
>>97
私は河原町今出川の古本屋で買いました。
憎き島田の労働経済学と一緒に。
両方とも半額ぐらいだったような気がします。

100とはずがたり:2007/12/07(金) 00:16:16
考えたら15〜20年程前の本ですので稀覯本の類に成ってしまってるようです・・。
プレミアが付いていて定価より高かったです。
俺も島晴は古本で買いましたよ。

101小説吉田学校読者:2007/12/17(月) 06:42:18
人生万事塞翁が馬。「放浪記」だって「まんが道」だって貧乏自慢のようなもの。

“貧乏自慢”田村裕が手にする大金1億円
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071119-00000001-gen-ent

 もう“貧乏”は売り物にできないか。
 漫才コンビ「麒麟」の田村裕(28)がウハウハだ。今年9月に発売した著書「ホームレス中学生」(ワニブックス)が売り上げ100万部を突破。発売2カ月でのミリオン到達はノンフィクションとしては史上最速で、ギネスブックに申請する計画も検討されている。
 同書は少年時代に一家離散を経験した田村の極貧生活をつづったもので、「公園の土管の中に住んでいた」「雑草やダンボールを食べていた」といったエピソードがちりばめられている。これまでも田村はあちこちで“貧乏ネタ”を披露しているが、それにプラスして「家族に対する愛情が泣ける」と評判で、全国の学校図書館からも注文が殺到しているという。
 田村の“貧乏ネタ”はいまや社会現象といってもいい。気になるのはその稼ぎっぷりだ。
 同書は本体価格1300円で、単純計算でも13億円を売り上げている。版元との契約によるが、印税は10%だとしても1億3000万円が入る。これからさらに売れるのは確実で、田村の手元にも1億円以上の大金が転がり込むことになる。今後は映画化やドラマ化も計画されているだけに、田村だけでなく、所属の吉本興業もニンマリだろう。
 ギャラアップも確実だ。
 「麒麟のテレビ出演ギャラは2人で20万円、営業が60万円といわれています。しかし、ブームに乗って50万〜70万円程度にハネ上がるでしょう。麒麟の全国レギュラーはまだ1本しかありませんが、3本の準レギュラーに加えて今後はゲスト出演が一気に増えるのは間違いない。早くも、生き別れていた父親と田村を14年ぶりに再会させる番組や、父親のインタビューを放送した番組もありますからね」(テレビ関係者)
 少年時代は信じられないほどの貧乏生活を送っていた男が、いまや億単位のカネを動かしている。人生、何が起こるか分からない。

102小説吉田学校読者:2007/12/23(日) 07:52:29
私、「警官と賛美歌」のような意地悪こそO・ヘンリーの真骨頂だと思いますので、賢者の贈り物みたいなハートウォーミングストーリーは嫌い。

愛の旅人 「賢者の贈りもの」 O・ヘンリーと妻アソル
http://www.asahi.com/travel/traveler/TKY200712210263.html

103とはずがたり:2008/01/11(金) 01:35:52
侘美 光彦『世界大恐慌』 お茶の水書房を古本で購入
12000円→7000円だった
大経大の蔵書が登録抹消されて古本市場に流れてきたらしい。

29年恐慌はその価格下落のスピードではなくそのずるずると経過した時間の長さ故に深刻であったようだ。
日本の失われた10年もその不況の深刻さは景気後退のスピードよりもその長さ故だったかねぇ。
ヴィクセルの不均衡累積,更に岩井の不均衡動学なんかで説明出来るのか?

104とはずがたり:2008/01/11(金) 05:25:28
草思社、民事再生法の適用申請=「間違いだらけのクルマ選び」など出版
2008年1月9日(水)20:47
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-09X852.html

 出版社の草思社(東京都文京区)が9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。出版不況の中でこの数年間ヒット作がなく、業績が悪化していたため、自主再建を断念した。東京商工リサーチによると、負債総額は22億4789万円。

 同社は1961年創業。自動車評論家、徳大寺有恒氏の「間違いだらけのクルマ選び」(76〜2006年)のほか、「大国の興亡」(ポール・ケネディ著)、「声に出して読みたい日本語」(齋藤孝著)、「全国鉄道事情大研究」シリーズ(川島令三著)などのベストセラーを出版した。

 帝国データバンクによると、ピーク時の97年10月期には年売上高約39億円に達したが、2006年10月期の年売上高は約16億円まで落ち込んでいた。同社は、各編集者の裁量に任せる方針で知られ、業界関係者は「企画の成否は担当者の力次第。それが裏目に出た」と見ている。

草思社が民事再生法適用を申請、負債額22億5千万円
2008年1月9日(水)21:08
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/entertainment/20080109i414-yol.html

 日本語ブームの火付け役になった斎藤孝著「声に出して読みたい日本語」(160万部)、F・アルベローニ著「他人をほめる人、けなす人」(123万部)などのベストセラーで知られる出版社の草思社(東京都文京区、木谷東男社長)が9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。

 負債額は約22億5千万円。出版不況に伴う業績不振や有利子負債が経営を圧迫した。数社の企業が支援に名乗りを上げており、営業は継続し、3、4月に再スタートを目指すという。

 同社は1968年に創業。76年から2006年まで刊行を続けた徳大寺有恒著「間違いだらけのクルマ選び」、ポール・ケネディ著「大国の興亡」、流行語にもなった中野孝次著「清貧の思想」などを出版。90年代後半は、M・スコット・ペック著「平気でうそをつく人たち」など時代の空気をとらえた好タイトルの翻訳書でヒットを連発し、話題を呼んだ。

105とはずがたり:2008/01/11(金) 05:26:35
出版点数日本一「新風舎」倒産 急増自費出版ブームに冷水
2008年1月8日(火)05:37
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20080108ddm003020136000c.html?C=S

 自費出版大手の「新風舎」(東京都港区)が7日、東京地裁に民事再生法の適用を申請して事実上倒産した。出版点数が日本一になるなど事業を拡大する一方で、自費出版契約を結んだ著者が損害賠償を求める訴訟を起こすなど、トラブルも表面化していた。新風舎の破綻(はたん)は過熱する自費出版ブームを再考する契機となりそうだ。【斉藤希史子、鈴木英生、手塚さや香】

 ◇「全国の書店に並ぶ」はずが…トラブル続出

 新風舎の松崎義行社長(43)は7日午後4時から会見。「書店で販売されるという宣伝文句にだまされた」として昨年7月と11月に計6人の著者が起こした損賠訴訟に触れ、「大きく報じられ発注が激減、資金繰りが悪化した」と悔しさをにじませた。

 一方で、出版契約者とのトラブルについては「説明不足や、行き過ぎた営業もあったと思う」と認め、「社の本意ではない」と釈明した。

 松崎社長が新風舎を創業したのは、都立高1年だった80年。自らの詩集の自費出版がきっかけという。現在の出版事情では実現されにくい本を出し、流通させたいという人々の「思いを顕在化させること」が社の理念。「社長・詩人」の肩書で一躍、時代の寵児(ちょうじ)ともてはやされた。

 積極的に広告宣伝を展開したほか、多数の出版賞を創設し、落選者には自費での出版を持ちかけていた。また、契約段階で「協力書店があり、本が店頭に並ぶ」と著者に信じ込ませていたとされる。

 訴訟の原告の一人で滋賀県在住の元大学教授の男性は、海外旅行にまつわるエッセーの出版を137万5000円で契約した。新聞広告を見て新風舎を知ったといい、「一般的な自費出版と違い、全国の書店に本が並ぶ『共同出版』をうたった点に魅力を感じた」と語る。

 印刷された500部のうち50部が手元に送られ、残りは新風舎が販売する契約だった。追加で300部以上を自ら定価の7割の値段で購入した。男性は「全国の書店の棚に並ぶ、と書面や口頭で繰り返してきたのに、地元以外には、どこにも置かれなかった」と主張する。

 今後の対応について、松崎社長は、これまでに新風舎が出版した約1万4000点に関し在庫分の買い取りを著者に打診し、当座の資金を得たいと話す。

 出版準備中の約1100人に対しては、今月中に東京・大阪・福岡などで説明会を開く。「このまま経営が破綻すれば、いっそう著者の方々に迷惑がかかる。それを避けるための民事再生法の適用申請」と強調した。

 ◇簡単に売れぬ−−冷静に判断を

 「佐賀のがばいばあちゃん」(島田洋七著)など、自費出版から大ヒットに結びついたケースがあるのも事実。しかし、NPO「自費出版ライブラリー」の伊藤晋理事長は、実情を「売れると見込まれた本は、出版社が通常の方法で出すに決まっている。自費出版の書店売りは『1部でも2部でも売れたらいい』程度のもの」と話す。

 トラブルも急増し、国民生活センターや自費出版関連団体も注意を呼びかけてきた。同センターなどに寄せられた相談は、02年度の51件から年々増加し、06年度には194件、07年度は上半期だけで130件。「本の一部は受け取ったが、残りが本当に刷られているのか確認できない」「強引な勧誘を受けた」など。

 「危ない!共同出版」の著者で、NPO「リタイアメント情報センター」で自費出版トラブル相談室を開設している尾崎浩一さんは「出版の素人が複数の出版社から見積もりを取り寄せたり、書店に並ぶかを事前に確認するのは困難」と指摘する。

 自費出版を手がける出版社で作るNPO「日本自費出版フォーラム」や「リタイアメント情報センター」の自費出版部会も出版社選びのガイドライン作成を進めており、(1)納期を契約書に記載(2)出版権を確認する(3)費用支払い時期や追加料金の有無の確認――などのチェック項目を盛り込む。

 国民生活センターは「出版社から作品がほめられても簡単に本が売れるとは限らない。契約金額など冷静に検討してほしい」と呼びかけている。

106とはずがたり:2008/01/11(金) 05:26:51
>>105-106
 ◇団塊世代が「供給源」

 ここ数年、自費出版はブームとなっている。自費出版に力を入れている主な出版社3社の新刊書籍刊行点数は06年に計4487点と、00年の1659点の約2・7倍に上った。書籍全体の点数はこの間、約1・2倍にしか増えていない。特に、書店で販売されるものが増え、ブームを後押しした。

 中でも急成長したのが新風舎。「出版年鑑」(出版ニュース社)によると、06年には00年の10倍を超える2788点を刊行した。これは講談社(2013点)を抑え1位。3位も自費出版系の文芸社(1468点)だった。

 自費出版では通常、制作費用を著者が全額負担する代わり、でき上がった本はすべて著者のものとなる。自費出版ライブラリーの伊藤理事長によると、費用は基本料金が1ページあたり1万〜5000円だが、装丁や部数によりまちまちだ。

 書店で売る自費出版では、新風舎で問題になった著者と出版社が費用を負担し合う「共同出版」や、初版の費用を全額著者が負担し、増刷分は出版社が負担するやり方がある。後者を基本とする文芸社の松山正明広報部長によると、「通常のソフトカバーで1000部だと、費用は180万円程度になる」という。

 自費出版の点数が増えた理由には、団塊の世代が一線を退き始めたこともある。出版ニュース社代表の清田義昭さんは「この世代はパソコンを使える人も少なくなく、気軽に本を書く人が多いのではないか」と分析する。

107とはずがたり:2008/01/14(月) 14:45:35
面白そうだと思ったがふと著者を見ると市長選でやや迷走したあの橋爪か!府知事選にしとけばあんな橋元みたいないけ好かないのが出てこなくて良かったのにぃ。

あったかもしれない日本―幻の都市建築史 (単行本)
橋爪 紳也 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4314009985?tag=yamasaiganega-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4314009985&adid=00E2ENAK41BJS6AK0EFY&

108とはずがたり:2008/01/24(木) 20:15:30
>>74
そーいえば洋書で購入しますた。

Growth Theory: An Exposition (ペーパーバック)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/0195109031/249-7801335-5409126?v=glance&n=1000&m=AN1VRQENFRJN5
Robert M. Solow
価格: ¥ 3,319 (税込み)→\4,492-(07.12.19)

因みに>>4のうち以下の3つは購入済み。
全部丸善。俺がこんなに支援してるのに経営再建中>>80との事だが,大丈夫かねぇ。。

Dynamic Macroeconomic Analysis: Theory and Policy in General Equilibrium (ペーパーバック)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/0521534038/249-7801335-5409126?v=glance&n=1000&m=AN1VRQENFRJN5
Sumru Altug ed.
価格: ¥ 6,265 (税込み)→\10,347-(07.11.5)

Poverty Traps (ハードカバー)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/0691125007/249-7801335-5409126?v=glance&n=1000&m=AN1VRQENFRJN5
Samuel Bowles
価格: ¥ 4,476 (税込み)→\4,635-(07.11.5)

A Theory of Economic Growth: Dynamics and Policy in Overlapping Generations (ペーパーバック)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/0521001153/249-7801335-5409126?v=glance&n=1000&m=AN1VRQENFRJN5
David De LA Croix
価格: ¥ 3,836 (税込み)→\5,613-(07.11.5)

ご覧のようにAmazonと比べてアホ程高いから特に洋書では普通は使わんわなぁ・・。

109とはずがたり:2008/02/04(月) 14:36:50
小塩隆士氏の
『社会保障の経済学[第3版]』日本評論社 2005
『人口減少時代の社会保障改革』日本経済新聞社 2005
購入。小塩氏は京都府生まれ,東大教養学部を出て経企庁,イェールに留学してJPモルガン入社,立命館から東京学芸大を経て現在神戸大所属。前の版では載ってた経歴がはしょられとる。学位は大阪大学で国際公共政策で取っておるようだ

特に人口減少の方は今の日本の問題点が分かりやすかった様に思う。

110とはずがたり:2008/02/28(木) 18:11:45
マスコミスレの方が適切か?それともADSLスレかな。。

全雑誌休刊か?ソフトバンクの“脱紙”加速
2008年2月27日(水)10:00
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/business/2008022702-diamond.html

 ソフトバンク傘下の出版社ソフトバンククリエイティブが脱紙化を加速させている。今後、すべての紙媒体の雑誌が休刊となる可能性も出てきた。

 今年3月、同社発行の雑誌「YAHOO! JAPAN Internet Guide」が12年の歴史に幕を下ろし休刊する。2000年に約22万部を記録した部数は、3万部に減少していた。

 じつは、この半年のあいだに休刊する同社の雑誌は3誌にもなる。1991年創刊の「DOS/V magazine」、1999年創刊の「ネットランナー」が、2007年の12月と10月にすでに休刊している。

 いまや、携帯電話会社としてのイメージが強いソフトバンクだが、出版事業は同社の源流といえる。ソフトバンククリエイティブの母体であるソフトバンクの出版部門は、1981年のソフトバンク創業の翌年にはすでに雑誌を創刊していた。

 にもかかわらず、同社が発行する6誌のうち、3誌が休刊の憂き目に遭っているのだ。

 多くの雑誌で部数と広告収入が減少し続けており、出版業界は厳しい環境にある。今年1月には、中堅出版社の草思社が民事再生法の適用を申請している。

 しかし、一連の休刊について、ソフトバンクグループには悲壮感がまったく漂っていない。

 じつは、ソフトバンクには「ITメディア」というインターネット専業のメディア企業があり、上場も果たし、売り上げ、利益共に伸びている。また、ネットで情報提供する子会社も多く、紙媒体の人員をそうした企業に振り分けているのだ。

 そのため、残す3誌についても、休刊の可能性は高い。同社は「紙媒体は情報の告知方法の1つ」(ソフトバンク関係者)ととらえている。もし、ネットのほうが情報伝達手段として有効と判断すれば、紙にはいっさいこだわらない。

 一方で、情報量が多く、紙と親和性のある新書などの書籍は続けていく可能性が高い

 読者に必要な情報を、最適な手段で届ける。しかも、売り上げも増え、利益も出る。それがソフトバンクの“休刊”なのだ。ネットで有力な媒体を持たない大多数の出版社からは嘆息が聞こえてきそうだ。


(『週刊ダイヤモンド』編集部 清水量介)

111杉山真大 ◆mRYEzsNHlY:2008/02/28(木) 20:20:54
>>110
で、同じコンピュータ関連から出発したアスコムはお陀仏、と。

出版社「アスコム」夜逃げ? 関係者に広がる不安
誰にも連絡取れず、書店は早くも「返品中」
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_02/t2008022510_all.html

 NHKの人気番組「ためしてガッテン」などの定期刊行物や田原総一朗氏、松山千春ら有名人の関連書籍を多数発行する出版社「アスコム」(日暮哲也社長 http://www.ascom-inc.jp/ )が夜逃げ騒動に揺れている。東京・麹町にある同社には先週21日朝から、社員らが出社しなくなった。関係者の間では「誰にも連絡が取れない。給料や原稿料はどうなるのか」と波紋が広がっている。

 同社が入居する東京・麹町のテナントビル3階。夕刊フジが22日午後、外からうかがうとオフィスの明かりは消え、人影はない。ビルに入り、社員らに直撃を試みようとしたがエレベーターはすでに3階に停止しない状態だった。

 契約ライターによると、少なくとも21日朝から同社に電話をかけても誰も出ず、留守番電話に切り替わってしまう状態になったという。このライターは「万一(倒産)のことがあったら、原稿料はどうなるのか」と動揺を隠さない。

 書店では、早くもアスコムの書籍を店頭から引き上げる動きが出始めている。東京・丸の内の大手書店では「倒産したとかしないとかなので書籍を返品中です」(従業員)と、同社はすでに“倒産”扱いされていた。

 25日現在、そのような情報は確認できていないが、民間信用調査会社では「事業活動が確認できない」(幹部)。事業が停止しているのは確かなようだ。

 アスコムは2002年7月にアスキーの一般書籍編集部門が分離独立する形で「アスキー・コミュニケーションズ」として設立。03年にアスキーとの資本関係が解消したことで、「アスコム」に社名を変更した。08年1月現在の従業員は43人。

 主な定期出版物は、NHKの「ためしてガッテン」や「英語でしゃべらナイト」の定期刊行物のほか、田原総一朗氏が責任編集する「オフレコ」、松山千春の「月刊松山」などがある。

 過去には「借りたカネは返すな!」「裏帳簿のススメ」などヒット作を送り出し、昨年は歌手・八代亜紀の美容本「舟唄ビューティー」や神田うのの「うの式 幸せのつくり方」、脚本家・一色伸幸氏の「うつから帰って参りました」などをリリースした。だが、話題になってもベストセラーが生まれない苦しい状況が続いていた。

 そんな出版不況のなか、07年3月期の売り上げは前期比約14%減の15億1000万円に。一部出版部門の廃止や在庫整理で1億7400万円の特別損失を計上した結果、当期利益は1億9500万円の赤字に転落していた。

 経営不振とはいえ、NHKの関連書籍を刊行し、知名度もある出版社。一体何が起きたのか。ある関係者は「出資者に見切りを付けられ、運転資金不足で困っているとのウワサは聞いた。出資者の撤退が引き金になったのかもしれない」と推測する。

 「編集プロダクションなど関係者先だけで200社前後、契約ライターで400人前後の取引がある」(冒頭の民間信用調査会社幹部)という同社だけに関係者の不安は広がるばかりだ。

112とはずがたり:2008/03/02(日) 11:12:33
2007/12/20-19:49 芥川龍之介の直筆原稿など見つかる=「地獄変」に推敲跡、「邪宗門」別稿も
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200712/2007122001002&rel=y&g=

 芥川龍之介(1892−1927年)の小説「地獄変」の直筆原稿などが、岡山県倉敷市出身の詩人薄田泣菫(1877−1945年)の遺族から寄贈された文書の中に含まれていたと、同市が20日発表した。芥川作品の直筆原稿はほとんどが所在不明で、貴重な資料としている。
 薄田は、芥川が大阪毎日新聞の社友として同紙に「地獄変」や「邪宗門」を発表した当時の学芸部副部長だった。公表された直筆原稿は、「地獄変」の冒頭部分2枚と、「邪宗門」の冒頭部分22枚。芥川が1919年、同新聞の正式な社員と決まった際に書いた「入社の辞」や、薄田にあてた未公開の書簡なども見つかった。
 「邪宗門」は、美しい姫君をめぐり、若殿が法師と対決しようとする未完の作品。現在流布している本文では、若殿とその父大殿が見た目も性質も正反対という設定だが、公表された原稿には、「誠に若殿位、大殿様に生写の方はいらつしやすまい」とし、それが「邪魔になつて」二人の仲が悪くなることがあったと書かれている。
 青山学院大の片山宏行教授(日本文学)によると、この原稿は薄田に送られ、発表直前に現行の文章に書き換えられた可能性が高く、下書きではなく別稿とみなすのが妥当。未完の作品をどう読むか、さまざまな議論がある中で、今回の原稿は「違う展開があったかもしれないという問題提起になる」という。
 一方、「地獄変」には推敲(すいこう)の跡があり、片山教授は「何をどう書こうとし、悩んでいたかなど、執筆の過程や熱意が見て取れる」と話している。

113小説吉田学校読者:2008/03/20(木) 09:39:09
科学や歴史に裏打ちされた物語を書くSF作家の死。
この「虚実皮膜の間」を描くのが日本の作家は下手なのだ。たとえば、「鷲は舞い降りた」などは歴史を上手く使うんですが・・・国民性の差でしょうかねえ。

物語に登場した人工衛星を介した電話など、実社会に及ぼした影響も非常に大でありました。
合掌。

SF作家のアーサー・C・クラーク氏が死去
http://www.asahi.com/obituaries/update/0319/TKY200803190065.html

 映画化された小説「2001年宇宙の旅」などで知られる英国人のSF作家アーサー・C・クラークさんが19日、移住先のスリランカで死去した。90歳だった。
 17年、英国サマーセットの農家に生まれた。46年に発表した短編「太陽系最後の日」でSF作家として注目を集めた。
 その後、「幼年期の終わり」「都市と星」など話題作を次々発表。アシモフ、ハインラインらと並び、世界のSF界を代表する作家となった。科学の最新知識を採り入れて描く宇宙像や未来像の高い予測精度で評価されている。
 68年、スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」で原作と共同脚本を担当。完成された映像と哲学的な主題で、今もSF映画の金字塔とされる。続編となる小説「2010年宇宙の旅」「2061年宇宙の旅」「3001年終局への旅」を書き継いだ。
 ダイビングを愛し、スリランカの海に魅せられて56年に移住。同国の伝説をもとにした「楽園の泉」を発表。「宇宙のランデヴー」に続き、この作品でもヒューゴー、ネビュラ両賞をダブル受賞した。
 精力的に小説を発表する一方で、科学技術の振興にも尽力。95年には英リバプール大の名誉博士号を受けている。

115とはずがたり:2008/04/21(月) 01:25:59
今更ですが愛ルケ視ました。映画版の奴です。
ずっと越中八尾を「やお」と読んでましたけど「やつお」だったんですねぇ。
ハセキョー演じる検事さんがなかなか萌えます(はぁと
全くブックレビューになっちゃいんなw

118とはずがたり:2008/06/05(木) 15:20:51

すげぇ。。
ただ小林の最期に関してこの記事はぬるすぎる。特高の拷問を受け虐殺された,と書くべきである。

「蟹工船」東海でもブーム 低賃金で過酷労働する男たち描く
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008060590122331.html
2008年6月5日 13時06分

 貧しい人々の過酷な労働と団結を描いたプロレタリア文学「蟹工船(かにこうせん)」がブームだ。没後75年の小林多喜二(1903−33年)の代表作で、東海地区でも火がつき、先週あたりから各店の売り上げ上位に登場。昭和初期の作品としては異例で、格差社会を背景に、“ワーキングプア”のリアルな闘争が若者をはじめ幅広い関心を集めているようだ。

 「この1カ月で1000冊近く売れた。爆発的です」。三省堂書店名古屋高島屋店(名古屋市中村区)の担当者は新潮文庫「蟹工船・党生活者」の勢いに驚く。

 北の海で低賃金の男たちが搾取に耐えながらカニ漁に従事し、階級闘争に目覚める名作。同店は「他店で人気が出ている」と意外な話を聞き、今年4月ごろ平積みを始めた。

 テレビなどで本が紹介されて人気が高まり、先週は文庫本ランキングで堂々2位に。「購入者の3−4割が20代では」という。

 新潮社編集部によると4−5月の2カ月で25万部余を増刷。例年の300倍のペースで、佐々木勉副部長は「正社員に比べ悪い待遇を強いられている若い人などの共感を得たのでは」と分析する。

 先週は丸善名古屋栄店(名古屋市中区)でも売り上げ3位。他店も「人気作家の新刊並み」(岐阜市のカルコス本店)、「反響に驚いた」(三重県四日市市のシェトワ白揚書籍館)といい、品切れを心配する声もある。

 東海地区は、有効求人倍率の水準は高い。しかし、派遣労働者らが参加する「名古屋ふれあいユニオン」の委員長、酒井徹さん(24)は、不安定な雇用状況を蟹工船に重ねる。

 「同じ工場で正社員、派遣社員、日系ブラジル人、研修生が働き、しかも待遇が異なる。今や誰でも格差は身近な関心事で、幅広い層がブームを支えているのでは」という。

 蟹工船では労働者が団結し、経営者側に立ち向かう。しかし、自身も派遣やホームレスの経験がある酒井さんはこうも指摘する。

 「現代はむしろ団結が難しく、希望を見いだしにくい。だからこそ、蟹工船があこがれの対象になっているのではないか」

 【蟹工船】 荒れるオホーツク海で長期間、カニ漁をし船内で缶詰をつくる「蟹工船」。各地から集められた貧しい労働者たちが、不衛生な船内に住み込み、低賃金で死と隣り合わせの過酷な仕事に従事する。経営者側の意向をくむ現場の「監督」は、悪天候での危険な漁や無理な労働を強制。従うだけだった労働者らは、やがて力を合わせストライキを起こす。しかし、国民の味方と思っていた駆逐艦の水兵らが現れ、代表らは連行されてしまう。小林多喜二が、1929(昭和4)年に発表した。小林はプロレタリア作家として活躍したが、特高に拷問を受けて死亡した。

(中日新聞)

119とはずがたり:2008/06/15(日) 20:12:05
国民性似通う?辺りの記事はなんか納得できないけど,佐藤優のコメント迄附いてる記事。
俺は翻訳文学の翻訳調が余り好きでないのであるが村上春樹を読むとしょっちゅうロシア文学が出てくるし一般にこの評価の高いロシア文学という奴を一通りは目を通さねばと思っては居るのであるけど・・。

ロシア文学ブーム到来 好調経済も一端、国民性似通う?
http://book.asahi.com/clip/TKY200806150067.html
2008年6月15日

 ロシア文学が時ならぬブームにわいている。ベストセラーになったドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(亀山郁夫訳)を筆頭に、大名作の新訳が続く。日本人は明治時代以来、根っからのロシア文学好き。国としての好感度はいつも断トツ最下位なのに、だ。

 「書店でロシア文学の本が平積みなのを見ると、隔世の感で感動を覚える」。日本人のロシア文学受容を研究する筑波大学の加藤百合准教授は、しみじみそう話す。

 昨年完結した亀山訳『カラマーゾフ……』は全5巻で80万部を突破するベストセラー。亀山さんと佐藤優さんが対談した『ロシア 闇と魂の国家』(文春新書)は、地味なテーマながら3万部と強気の初刷りで、「売り上げが落ちない。近く増刷する」(同編集部)勢いだ。ソ連時代には忘却されたブルガーコフの奇書『巨匠とマルガリータ』(水野忠夫訳、河出書房新社)も4月全面改訳された。7月にはトルストイ『アンナ・カレーニナ』の新訳、9月にはやはり亀山訳のドストエフスキー『罪と罰』が出る。

 ブームの背景にあるのは、圧倒的に読みやすくなった訳文だろう。一昨年に新訳が出たゴーゴリ『鼻/外套(がいとう)/査察官』(浦雅春訳、光文社古典新訳文庫)について、斎藤孝明治大教授は「ロシア文学の重鎮をまるで落語のように軽く訳す。すごすぎる」。

好調経済も一端

 前出の加藤准教授によれば、明治時代、日露戦争前後にもロシア文学の大ブームがあった。「文芸誌に日本人作家の創作がほとんど載らず、巻頭記事がロシア文学の翻訳だったりした」(加藤さん)。加藤さんの研究によると、美文体で一世を風靡(ふうび)した尾崎紅葉の役割が実は大きかった。ロシア語のできる門弟が下訳し紅葉の指導で「読める日本語」に次々置き換えていく「今では考えられないリレー方式」で世に問うた。

 加藤さんは大学でロシア語を教えるが「ロシア語を履修した学生の就職が非常にいい。クラスは活気づいてます」。資源高で絶好調のロシア経済の影響も、再ブームの一端にはあるらしい。

 富山大教授でロシア詩人のカザケービッチさんは、93年に初めて来日したときのことをよく覚えている。日本人のロシア文学研究者と歩いていると、同僚が感慨深げに言った。「少し前まで、ロシア語を話して歩いていたらスイカを投げつけられた」

国民性似通う?

 保守メディアでは嫌韓、嫌中の論調が目立つが、総務省の「外交に関する世論調査」によれば好感度調査では常にロシアがワースト1。07年調査でもロシアに「親しみを感じない」人は81.6%。中国(63.5%)、韓国(42.6%)を引き離す。不思議なねじれだが、カザケービッチさんによれば「それも当然」。

 「プーシキンは外国へ行く友人に『トランクに入れて連れていってくれ』と懇願した。トルストイは家族を連れて亡命したいと手紙に書き、ゴーゴリは『ロシアと聞いて連想するのは雪と卑劣漢』と言い、医師でもあったチェーホフは『ロシア人はウオツカ好きで医者嫌い。そんな民族に、何を言うことがあろうか』と書きました」

 ロシア人は、ロシア人が嫌いである。ロシア人は、世界(ヨーロッパ)の外れにいるという劣等感がある。その劣等感ゆえに、ロシア人はロシアが世界の中心であるように考えがちでもある。結局のところ、ロシア人にはロシアしかいらないのである――。

 カザケービッチさんの母国評だが、「ロシア」を「日本」に置き換えると……。明治以来、何度も繰り返す日本での露文ブームの背後には、二つの国の奇妙な相似形が透かし出されてくる。
   ◇
 佐藤優さん(起訴休職外務事務官)の話 今の日本でのロシア文学、とりわけドストエフスキーが受けていることを、私は実は好ましいとは考えていないんです。ドストエフスキーは世界大混乱を予兆する強烈なニヒリズムの文学であり、ひそかに読まれるべき書。そこに肯定的な価値を付与している日本の読書界は、受け止め方が転倒している。『蟹工船』がヒットしていることとも軌を一にするが、日本社会の現在の閉塞(へいそく)感を表していると見るべきだ。かつての帝政ロシア/ソ連社会のように、今の日本は、いい人がいい人間のままでいることの困難な社会になっていることの証左だと思う。(近藤康太郎)

120とはずがたり:2008/07/31(木) 13:10:12

村上春樹が映画化を嫌がってた理由はなんだ??

村上春樹氏「ノルウェイの森」初の映画化
2008.7.31 07:46
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/080731/bks0807310749000-n1.htm

「ノルウェイの森」 国内発行部数870万部を誇る作家、村上春樹氏(59)の大ベストセラー小説「ノルウェイの森」が映画化されることが30日、発表された。

 大学生の主人公と自殺した友人の恋人を軸に、青春時代のさまざまな葛藤を描く恋愛物語。36言語に翻訳されて世界でも親しまれる村上氏の出世作で、同氏がノーベル文学賞に毎年ノミネートされる足掛かりとなった作品でもある。

 ベトナム系フランス人のトラン・アン・ユン監督(45)=が仏語版を読み、「力強く繊細で、激しさと優雅さが混沌とし、官能的かつ詩情にあふれる。映画化するための題材を数多く含んでおり、ぜひ映画化したいと思った」と村上氏にラブコールを送った。

 村上氏にとっても特別な作品だったが、ベネチア国際映画祭のグランプリ受賞歴を持つ同監督のファンだったことと、何度も足を運ぶ監督の熱意が伝わり、昭和62年の出版から22年目にして映画化を決断した。

 キャストはオーディションで決定し、来年2月に撮影開始。物語は全編日本語になるといい、日本人俳優による日本での撮影が有力だ。公開は平成22年を予定。フジテレビら製作サイドでは、海外公開や映画祭も視野に入れている。

121とはずがたり:2008/08/07(木) 09:04:38

帰省して本棚に小松左京の『おしゃべりな訪問者』を見付けて久しぶりに読む。懐かしいねぇ。
「終末から」と云う雑誌に(恐らく隔月で)連載されたものを筑摩書房が単行本にして,それを当時筑摩は文庫を未だ持ってないせいで新潮文庫から刊行されたものである。この雑誌の廃刊とともに連載も終了したみたいだがどんな雑誌だったのかねぇ。。

徐福伝説
http://www.asukanet.gr.jp/tobira/jofuku/jofuku.htm

金方慶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%96%B9%E6%85%B6
元寇
http://www.h4.dion.ne.jp/~kosak/Genkou.html

元寇って神風の印象とは違って日本軍も良く応戦し大陸の元軍が苦手で海国の日本が得意の海戦等で打撃を与えた上での勝利だったんですね

122とはずがたり:2008/08/19(火) 16:00:29
丸善の営業担当者が次々と(退職により?)変わっている。。
現場は苦しいのでしょうかねぇ。

123とはずがたり:2008/08/19(火) 16:04:46
The Bottom Billion: Why the Poorest Countries Are Failing and What Can Be Done About It (ハードカバー)
Paul Collier (著)
http://www.amazon.co.jp/Bottom-Billion-Poorest-Countries-Failing/dp/0195311450/ref=pd_ts_fb_8?ie=UTF8&s=english-books

124とはずがたり:2008/08/23(土) 22:21:19
面白いですねぇ。文献解析学か。

古典籍を“解析”しよう
http://www.saitama-u.ac.jp/koho/intro/keyaki/2003-9/8/8.htm

125とはずがたり:2008/09/07(日) 03:11:53

>女性客が小池氏に関心を持っているとは考えられない
やっぱ女に人気無いんだねえ

麻生氏が「とてつもない」人気 新書でも熱い戦い
2008.9.6 23:21
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080906/trd0809062326015-n1.htm

自民総裁選候補者らの著書。売り上げでも激戦を展開?

 著作は麻生太郎幹事長がリード−。過熱する自民党総裁選レースの立候補予定者たちが最近出版した新書では、麻生氏の「とてつもない日本」(新潮新書)が、与謝野馨経済財政担当相の「堂々たる政治」(同)と小池百合子元防衛相の「女子の本懐・市ヶ谷の55日」(文春新書)を圧倒している。

 麻生氏の「とてつもない」は昨年6月に出版後、増刷を重ね、すでに12刷17万1000部を発行。今年4月に出版された与謝野氏の「堂々たる」は7刷6万3000部。両氏の政治理念や政策論がつづられたもの。麻生氏の方が出版時期が早く、昨年の総裁選を経ているとはいえ、大差がついている。

 新書は5万部売れればベストセラーといわれ、どちらも出版界の優等生だ。

 新潮社の新書編集部は「福田康夫首相の辞意表明後、『とてつもない』は3〜4倍、『堂々たる』は2〜3倍くらい注文が増えた」とほおを緩める。ともに増刷する予定だ。

 また、「女子の本懐」は昨年10月に発行され、4刷4万5000部。総裁選の情勢同様、ベストセラーまで後一歩だ。

 東京都千代田区にある大手書店の店長は「『とてつもない』がダントツで売れている。(告示日の)10日ごろから店頭に3冊並べて販売する予定」と話す。購買層は40代男性が中心で、意外にも「売り上げからは、女性客が小池氏に関心を持っているとは考えられない」という。

126とはずがたり:2008/09/13(土) 19:43:38
亀井郁夫兄弟!?w

新訳ブーム、亀山郁夫版「カラマーゾフの兄弟」100万部
2008年9月13日(土)11:19
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/20080913-567-OYT1T00273.html

 光文社は13日、古典新訳文庫として刊行している亀山郁夫氏訳のドストエフスキー作「カラマーゾフの兄弟」が、全5巻合わせて100万部を突破したと発表した。

 古典文学としては、異例の売れ行きという。

 同書は2006年9月に発売を始めた。好色で金に汚い父親の殺害事件を巡る3兄弟の言動を通し、神、死、人間の罪などの問題を描いた19世紀ロシア文学を代表する長編だ。

 亀山氏は東京外大学長。新訳は対話形式で進む原語の勢いを生かした軽快さが特徴で、先行訳と比べ、読みやすく理解しやすいと評価されている。昨今の古典作品の新訳ブームのきっかけともなった。

127とはずがたり:2008/10/21(火) 03:10:10
俺は大江の本には触手が伸びず殆ど読んだこと無い。一方井上ひさしは父親が好きだった影響で大好きであった。井上ひさしがこんなに褒めるなら一寸ぐらい読んでみても良いかなぁ。。

大江健三郎さん、ついうっかり 日取り勘違いし講演に姿見せず
2008年10月05日 09:30
http://www.yamagata-np.jp/news/200810/05/kj_2008100500070.php

 ノーベル賞作家も、ついうっかり−。劇場、図書館などから成る山形市の「シベールアリーナ&遅筆堂文庫山形館」で4日予定していた作家大江健三郎さんの講演会「本を読むことに始まる」に本人が姿を見せず、古い友人でこの日は講師の紹介役だった作家井上ひさしさん(川西町出身)が、詰め掛けた約600人の聴衆を前に急きょ代役を務める珍事があった。大江さんが講演の日取りを1日勘違いし、5日だと思っていたのが原因。大江さんの講演会は、後日あらためて開く予定だ。

 大江さんはこの日午後、山形新幹線でJRかみのやま温泉駅に到着するはずだった。ところが、井上さんらが迎えに出た同駅には降り立たず、乗り過ごした可能性を考えて探した山形駅にもいなかった。大江さんが講演日を取り違え、都内の自宅にいたことが分かったのは、開始時刻の午後3時の直前。主催者側は、4日の新幹線チケットを事前に送り、大江さんと2日に最終打ち合わせをしていたという。

 代わりに演壇に立った井上さんは「大江さんには急いで手紙を書いて、あらためて講演をお願いする。本当に申し訳ありません」。大江さんが現在、書き下ろし小説に取り掛かっていることに触れ「日付を忘れるくらい執筆に集中していたのでは。とても誠実で正直な人。本人は苦しんでいると思う」と述べた。

 同じ学年という大江さんの作品については「東大生時代に書いた『芽むしり仔撃ち』を読んで『参った』と思った。あのころは『大江ショック』で小説をあきらめる同世代が多かった。個人的な悩みから希望をつくり出し、自分を乗り越えて人類を励ますのが大江作品の本質」と分析。「大江さんが書いていないジャンルは−と考えた時残っていたのがドタバタ」とユーモアを交えて話し、満員の聴衆の拍手を浴びていた。

 大江さんの次の講演日が決まった時点で、この日の聴衆に連絡。希望者にはチケットの払い戻しも行う。千葉県から訪れたという女性は「井上さんと大江さんの話を聞けるなんて、1回で2度おいしい感じ。次回も来ます」と話していた。

 大江さんは東大在学中に作家デビュー。「個人的な体験」「万延元年のフットボール」「同時代ゲーム」「取り替え子(チェンジリング)」など多くの作品があり、執筆活動は50年を超える。1958(昭和33)年に23歳で芥川賞、94年ノーベル文学賞を受けた。

128とはずがたり:2008/11/05(水) 21:40:07

2008年11月5日 12時36分
携帯電話向け電子書籍のコミックジェイピーが債務超過、MTIが吸収合併へ
http://v.japan.cnet.com/news/article/story/0,2000067548,20383080,00.htm
永井美智子(編集部)

 エムティーアイ(MTI)は11月4日、子会社で携帯電話向けに電子コミックを配信しているコミックジェイピーが債務超過に陥っていることを明らかにした。2009年2月に吸収合併し、再建を図る考えだ。

 12月20日に開催する株主総会での承認を経て、2009年2月1日に合併する。MTIは現在コミックジェイピーの全株式を保有しているため、合併に伴う新株式の発行や資本金の増加などはない。

 コミックジェイピーは2005年12月に設立された。2008年9月期の業績は、売上高が9億5900万円、営業損失が6億1000万円、経常損失と純損失がそれぞれ6億2600万円となっており、9億7000万円の債務超過に陥っていた。

 MTIは2008年9月期の決算において、コミックジェイピー向けの貸付金、出資金に対して、それぞれ貸倒引当金繰入額を11億1000万円、関係会社株式評価損を1000万円計上する。

 なお、MTIは同日、2008年9月期の決算も発表している。運営しているモバイル音楽サイト「music.jp」などが好調で売上高は前年同期比16.7%増の216億1500万円、営業利益は同53.7%増の17億2600万円、経常利益は同62.8%増の16億7500万円、純利益は同46.5%減の5億6300万円となっている。

129とはずがたり:2008/11/05(水) 21:40:54

青山ブックセンター、ブックオフコーポレーション傘下に
(2008年11月04日)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1036413767/711

130とはずがたり:2008/11/11(火) 20:10:43
【本・書籍通販検索】
http://book.tsuhankensaku.com/

131小説吉田学校読者:2008/11/23(日) 10:07:09
>>127
後日談。ああ、この方は永遠の自由人であるとともに、仁義の人でもあるんだなあ。

勘違いの後日談も交えて 大江健三郎さん山形で講演
http://www.yamagata-np.jp/news/200811/16/kj_2008111600254.php

 勘違いで延期になっていたノーベル賞作家大江健三郎さんの講演会「本を読むことに始まる」が16日、山形市のシベールアリーナで開かれた。大江さんは、当初予定の10月4日に来なかったことをわびた上で、後日談をユーモラスに披露した。
 4日の講演会を翌日と間違えていたことを本番直前に知った大江さんは、大声で「もう間に合わない」。「自分一人の失敗でお客さんに迷惑を掛けた」とすっかり落ち込み、自宅2階の書庫にある携帯ベッドに引きこもってしまった。1週間たって、障害のある長男光さんが上がってきた。「パパは気持ちが変になっていましたか?」と言われて「そうだ、気持ちが変になっていたんだ。でももう大丈夫」。2人で堂々と階段を下りたという。
 本に鉛筆で書き込み、赤線を引くのが大江さんの方法。「同じ本の再読が非常に重要。1回目は海図を持たない航海のようなもの。2回目で新しい読み方を発見するだけでなく、再読している自分自身が分かる」と勧めた。
 読書で身に付くのは「想像力」。限られたイメージ群を想像力によって、強力で新鮮なイメージにつくり替えていくのは作家の仕事でもある−と指摘。大江さん不在の前回、急きょ代役を務めた作家井上ひさしさん(川西町出身)の朗読劇「少年口伝隊一九四五」を例に挙げ、解説した。
 聴衆は満員の600人。先着200人には、大江さんが自戒を込めて自著に「注意深く」、同じ意味のフランス語「Attentif!」と記したサイン本が贈られた。

(おまけ)時間のエピソードといいますと、金田一京助の御進講の話がたまらなく好きです。

金田一京助
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E7%94%B0%E4%B8%80%E4%BA%AC%E5%8A%A9#.E9.80.B8.E8.A9.B1

 >昭和天皇にアイヌ語についてご進講することとなり、持ち時間は15分と決まっていたにも関わらず2時間近く話し続けてしまい、金田一は陛下の前で大恥をかいたと落胆してしまう。しかしながら、天皇は後日催された茶会の席で、「この間の話は面白かったよ」と労われ、金田一は「恐れ入りました」と申し上げた後言葉が続かず、涙が止まらなくなったという。なお、金田一の逝去に際し天皇より祭祀料が下賜されている。

132とはずがたり:2008/12/17(水) 10:10:34
丸善って大日本印刷の支配下にはいってたんだっけか?

丸善<8236.T>、09年8月に図書館流通センターと共同持ち株会社方式で経営統合
2008年 12月 16日 15:23 JST
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK020759320081216

 [東京 16日 ロイター] 丸善(8236.T: 株価, ニュース, レポート)は、2009年8月3日に図書館流通センター(東京都文京区)と株式移転により共同持株会社を設立し、経営統合すると発表した。両社の親会社である大日本印刷(7912.T: 株価, ニュース, レポート)も賛同している。持ち株会社が東証に上場を申請し、丸善株の東証上場は廃止となる予定。

 株式移転比率は協議のうえ2009年3月中旬までに決定する。

 両社は図書館業務受託事業でインフラを共有化するほか、図書館スタッフの育成で両社のノウハウを融合させるなどの協力を行っていく。

133小説吉田学校読者:2009/01/03(土) 12:23:58
「踊る黄金像」「ホット・ロック」・・・稀代のストーリーテラーに、さよなら。合掌。

訃報:ドナルド・ウエストレークさん 75歳 死去=米小説家
http://mainichi.jp/select/world/news/20090103ddm041060120000c.html

 ドナルド・ウエストレークさん 75歳(米小説家)AP通信によると、昨年12月31日、休暇先のメキシコで心臓発作を起こし死去。詳しい死因は不明。
 エドガー・アラン・ポー賞を3度受賞。リチャード・スタークの名で書いた「悪党パーカー」シリーズなど多数が日本語に翻訳されている。【共同】

134千葉9区:2009/01/18(日) 16:46:59
ちと高いなあ・・・けっこう専門書チックなんですかね
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090118ddlk13070168000c.html
ぶっく・えんど:『川の地図辞典 江戸・東京/23区編』=菅原健二・著 /東京
 「水の都市」とかつて呼ばれた江戸・東京の姿を明治初期の近代測量図をもとに示し、現在の地図と比較しながら河川や水路の変遷をたどった。

 若者たちでにぎわう渋谷。戦前は、新宿御苑の池を水源として渋谷川が流れ、代々木公園の西側を流れる宇田川とJR渋谷駅東側で合流していた。農業用のかんがい用水として利用されていたが、昭和初期の河川の改修工事を機に、ふたをされたり道路となり、町名だけが名残をとどめる。物資輸送が水運から陸上交通へと変わるにつれて隅田川や周辺の河川も変ぼうを遂げた。

 著者は中央区京橋図書館の職員。「街を歩くときに川や水路の跡、地形の凹凸が分かる地図があったら」と23区の川に関する資料や地図を収集した。一昨年末まで2年がかりでまとめた内容には、500近い江戸・東京の川や用水、運河などを網羅し、解説も加える。「いまはそのうちの6割以上が消えたり、姿を変えている。豊かな水辺に暮らしていた時代に思いを馳せながら、この地図を活用してほしい」と著者は話す。之潮(コレジオ)。3990円。【明珍美紀】

〔都内版〕

毎日新聞 2009年1月18日 地方版

135とはずがたり:2009/01/24(土) 12:48:19
鈴木光太郎『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険』を読む。
有名なオオカミ少女,アマラとカマラの話しはどうやら嘘の様である。
動揺に有名なポップコーンのサブリミナル効果も嘘の様である。

136とはずがたり:2009/02/10(火) 16:50:41

村上春樹ファンの俺としても受賞は如何かと思うなー。

村上春樹氏に文学賞辞退を要求 エルサレム賞でNGO
02/10 16:39
http://www.shizushin.com/news/social/national/2009021001000486.htm

 イスラエルの文学賞、エルサレム賞の受賞が決まった作家の村上春樹氏に対し、大阪市に拠点を置く非政府組織(NGO)「パレスチナの平和を考える会」がウェブサイトに掲載した公開書簡で「受賞はイスラエルの対パレスチナ政策を擁護することになる」として受賞辞退を求め、賛同者を集めている。
 同賞は「社会における個人の自由の理念を表現した著作の筆者」に与えられる。
 書簡は、イスラエルがパレスチナ自治区ガザで行った「虐殺や封鎖政策などはパレスチナ人の自由を抹殺する行為」だと指摘。村上氏の受賞により「イスラエルがあたかも自由を尊重している国であるかのようなイメージが流布される」と懸念を示している。
 書簡への賛同を示す署名は欧米諸国を中心に800件に達した。主催者のウェブサイトによると、村上氏は15日にエルサレムで開かれる授賞式に出席する意向を示した。
 同会の役重善洋事務局長は「受賞はイスラエルの人道犯罪に加担することになる」と主張。村上氏の事務所はコメントしていない。(共同)

137小説吉田学校読者:2009/02/17(火) 07:06:38
>>136
続報。その昔、浅沼稲次郎は中国に招かれて、気分高揚し、「米帝国主義は日中共同の敵」とやった。
村上春樹はその逆をやった。その気概よし。

村上春樹さん、エルサレム賞記念講演でガザ攻撃を批判
http://www.asahi.com/culture/update/0216/TKY200902160022.html

 【エルサレム=平田篤央】イスラエル最高の文学賞、エルサレム賞が15日、作家の村上春樹さん(60)に贈られた。エルサレムで開かれた授賞式の記念講演で、村上さんはイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に触れ、人間を壊れやすい卵に例えたうえで「私は卵の側に立つ」と述べ、軍事力に訴えるやり方を批判した。
 ガザ攻撃では1300人以上が死亡し、大半が一般市民で、子どもや女性も多かった。このため日本国内で市民団体などが「イスラエルの政策を擁護することになる」として賞の返上を求めていた。
 村上さんは、授賞式への出席について迷ったと述べ、エルサレムに来たのは「メッセージを伝えるためだ」と説明。体制を壁に、個人を卵に例えて、「高い壁に挟まれ、壁にぶつかって壊れる卵」を思い浮かべた時、「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調した。
 また「壁は私たちを守ってくれると思われるが、私たちを殺し、また他人を冷淡に効率よく殺す理由にもなる」と述べた。イスラエルが進めるパレスチナとの分離壁の建設を意識した発言とみられる。
 村上さんの「海辺のカフカ」「ノルウェイの森」など複数の作品はヘブライ語に翻訳され、イスラエルでもベストセラーになった。
 エルサレム賞は63年に始まり、「社会における個人の自由」に貢献した文学者に隔年で贈られる。受賞者には、英国の哲学者バートランド・ラッセル、アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘス、チェコの作家ミラン・クンデラ各氏ら、著名な名前が並ぶ。欧米言語以外の作家の受賞は初めて。
 ただ中東紛争のただ中にある国の文学賞だけに、政治的論争と無縁ではない。01年には記念講演でスーザン・ソンタグ氏が、03年の受賞者アーサー・ミラー氏は授賞式に出席する代わりにビデオスピーチで、それぞれイスラエルのパレスチナ政策を批判した。

138とはずがたり:2009/02/17(火) 15:21:10
>>137
おお,呼ばれといて批判するのはなかなか難しいとは思いますが,壁と卵という隠喩を使っての流石の村上春樹流講演でありますね。
>「高い壁に挟まれ、壁にぶつかって壊れる卵」を思い浮かべた時、「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調した。

此処での<たとえる>は例示しているのではなく比喩しているので”例える”は使われへんやろ。。と思うのだが。
>体制を壁に、個人を卵に例えて、

139とはずがたり:2009/02/18(水) 02:06:03
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=751515&amp;media_id=2

140とはずがたり:2009/02/18(水) 02:06:42
>>139
村上春樹さん、ガザ侵攻を批判

141とはずがたり:2009/02/28(土) 00:15:41
どんなもんなんでしょう。
ただの地図なら要らんけど。。

「日本鉄道旅行地図帳」監修・今尾恵介|新潮社
http://www.shinchosha.co.jp/railmap/

日本の鉄道、全線・全駅・全廃線――そのすべての位置を、日本地図帳に正確に記載した日本初の地図ついに誕生!

142とはずがたり:2009/03/03(火) 14:23:27
地理・地誌スレ必要だな。地域スレかねぇ。。
一応地図は広義の書籍と云う事で此処に暫定投下。

地図のゼンリン、北米カーナビむけ事業を一時凍結
http://www.asahi.com/business/update/0302/SEB200903020009.html
2009年3月2日21時19分

 地図情報大手のゼンリン(北九州市)が2日、北米でのカーナビ向け地図情報の新規開発を一時凍結する方針を明らかにした。世界的な景気減速で自動車販売が落ち込んでいるため。この日発表した09〜11年度の中期経営計画は、連結売上高を08年度の505億円から、11年度に約1割増の550億円にする目標を掲げた。

 昨年4月就任した高山善司社長(46)が北九州市内で会見した。計画は、カーナビ需要が国内外で一時的に減り、主力の住宅地図の販売も減っているため、09、10年度の売上高は500億円程度で推移すると予測。その間、地図に付帯した生活情報をデータベース化し、携帯電話などへ提供する事業を進め、11年度の目標達成は可能と説明した。

 海外のカーナビ向け事業は欧米合わせて毎年5億〜7億円投資してきた。一時凍結は、北米40都市で地図や建物を3次元情報化する新規事業を今後1、2年間停止する。今春サービス開始予定の欧州は計画した40都市のうち約30都市で整備が完了しているため、継続する。

 一方、13年度までの計画として、正社員3千人体制を維持したまま売上高を700億円に増やすゼンリン・グロウス・プラン(ZGP)2013も発表。18年度に1千億円にする構想も提示した。

143とはずがたり:2009/03/19(木) 09:38:30
ジュンク堂書店株の51%取得 大日本印刷
2009.3.18 19:47
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090318/biz0903181947048-n1.htm

 大日本印刷は18日、ジュンク堂書店(神戸市)が保有している自己株51%を取得したと発表した。大日本印刷は丸善も傘下におさめており、出版関連の事業をさらに強化する。ジュンク堂は売却益で新規出店など事業の拡大を図る。取得額は数十億円規模という。

 大日本印刷は取締役1人、監査役1人を派遣する。経営面ではジュンク堂の独自性を尊重する方針で、従業員数や店舗網に変更はないという。大日本印刷はマーケティングやネット通販のノウハウも提供する。

 ジュンク堂は主要都市に33店舗を展開。株式上場も検討していたが、提携効果が見込めるとして大日本印刷の傘下入りを選択した。

144とはずがたり:2009/03/24(火) 12:27:23
良く読みましたね,加古さんの絵本。
昭和電工出身と聞いてびっくりしたものです。

ひと:加古里子さん 日本化学会特別功労賞の絵本作家
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20090324k0000m070112000c.html?link_id=TT003

 「だるまちゃんとてんぐちゃん」「からすのパンやさん」など、幼いころ擦り切れるほど読んだ絵本の作り手は、化学メーカーの研究者だった。絵本作家と二足のわらじを履きこなし、退社後も含め半世紀に及ぶ著作生活の作品は、500冊を超える。

 研究の合間に、地域の子どもと直接ふれあい、構想を練った。「ザリガニやトンボより生き生きした内容でなければ、見向きもされない」。子どもを「小さなアインシュタイン」と呼ぶ。「子どもはカネも名誉も関係なく、純粋に好きなことに夢中になれる。入試に役立たなくても、その芽を育てれば、分析力と判断力を持つ大人に育つ。その手伝いをしようと思った」

 実は、著書のうち約150冊が研究者の視点を生かした「かがく絵本」だ。1冊かき上げるのに、約200本の文献を読み、調査に10年以上かかることもある。「まぼろしではなく当然来るべき夢を描き伝えるため」、今も日本化学会会員として最先端の研究にアンテナを張る。その功績が認められ、同学会が加古さんのために特別功労賞を創設、28日に表彰式が開かれる。

 「化学本来の仕事でお役に立てればよかったのですが……」とはにかむ一方、「一線の研究者にしか語れないことがある。チラッとでも子どもたちに目を向け、ぜひ激励してほしい。日本は、その機会が少ない」。【永山悦子】

 【略歴】加古里子(かこ・さとし)さん 福井県出身。48年東京大工学部卒、昭和電工に入社。工学博士。59年に絵本作家デビュー。08年菊池寛賞。82歳。

毎日新聞 2009年3月24日 0時03分

145とはずがたり:2009/04/24(金) 23:26:49

資格本、誤記460か所で絶版…出版社が編集委託先を提訴
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20090424-567-OYT1T00637.html
2009年4月24日(金)15:02

 保育士と調理師の資格本に計約460か所の記述ミスが見つかり、絶版を余儀なくされたとして、発行元の「日本文芸社」(東京)が、編集を委託したプロダクション「超音速」(同)に約1000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことがわかった。

 問題となったのは、保育士や調理師を目指す人たち向けの参考書「最新保育士合格完全ガイド」(1500円)と「最新調理師合格完全ガイド」(同)。いずれも超音速側のライターが執筆し、専門家が監修する形で2005年に刊行され、毎年改訂を続けていた。

 訴状などによると、08年版の出版直後の昨年夏頃、読者から日本文芸社に記述の誤りを指摘する声が寄せられ、同社で改めて校正したところ、「軽費老人ホーム」を「経費老人ホーム」、「腸炎ビブリオ」を「陽炎ビブリオ」、「耐乾性かび」を「耐寒性かび」などとした誤記などが、「保育士」は約170か所、「調理師」は約290か所も見つかった。

 日本文芸社は「間違いが多すぎて売り物にならない」として、2冊を絶版にした。08年版について超音速などに払った製作費と、予定通りに販売していれば得られたはずの利益計約1000万円を求め、今年3月に提訴。超音速側は、2冊の発行部数は各8000冊程度としている。

 超音速は指摘された約460か所について「すべてがミスではない」としたうえで、「最終的にOKを出したのは日本文芸社で、05年版からミスを見落とし続けていた。校正責任をすべて下請けが負うのは納得できない」と反論している。

146とはずがたり:2009/05/20(水) 22:35:10
幻冬舎:元社員が9億円を着服 損害賠償を求める
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090520k0000m040140000c.html

 中堅出版社の幻冬舎(見城徹社長、東京都渋谷区)の元社員が会社の資金を着服していた問題で、同社は19日、着服額が01年8月から今年3月までで総額9億1230万円に上ったと発表した。元社員は3月23日付で懲戒解雇されているが、同社は損害賠償を求めると共に、刑事告訴も検討している。

 調査によると、元社員は経理を担当しており、キャッシュカードを持ち出して社の銀行口座から現金を引き出したうえで会計システムを操作し、架空の売掛金を計上していた。返品制度のある出版業界では、出荷と返品が頻繁にあり、売掛金を個別の取引ごとに管理するのが困難という。元社員はこうした状況を利用して着服・隠ぺいを繰り返していた。資金の私的流用を認めているという。

 同社は管理者責任として見城社長を30%(2カ月)、経営企画局長を20%(同)、それぞれ減俸処分とした。


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