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Tohazugatali Book Review

1小説吉田学校読者:2006/05/29(月) 22:32:07
新スレ誕生。古今東西、森羅万象、硬軟織り交ぜ、新刊・旧刊問わず、読んだ本、読もうとする本、読んでない本、読ませたくない本をああだこうだ言うスレ。

262とは:2015/01/28(水) 02:41:02
寝よう…(´・ω・`)

263とはずがたり:2015/01/28(水) 15:38:36
なんばのジュンク堂拠って水野の『美女と野獣』買ってきたw

265とはずがたり:2015/02/25(水) 22:19:25
ネットにも日本礼讃記事が溢れていて気持ち悪くて仕方が無い。伝統的な日本人としては謙譲の美徳を重んじるのが居心地良いのである。まあ先の見えない時代で日本人の抱える不安が売れる原因と云われたらそうなのかもとは思うけど。
竹田も日本の美徳を汚す行為をして儲けとんねんなぁ。。

<日本礼賛本>嫌韓・嫌中しのぐ勢い? ブームの理由を探る
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150225-00000047-mai-soci
毎日新聞 2月25日(水)17時38分配信

 書店で“嫌韓・嫌中本”をしのぐ勢いで売れているのが「日本はこんなにスゴイ!」と褒めたたえる“日本礼賛本”だ。謙遜が美徳、自己PRは下手だったはずのこの国で今なぜ、この手の本が売れるのか。理由が知りたくて、尋ねて回った。【小国綾子】

 ◇将来不安癒やす安定剤? 震災機に広がり

 書店でタイトルを拾ってみる。「ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由」「やっぱりすごいよ、日本人」「イギリスから見れば日本は桃源郷に一番近い国」「イギリス、日本、フランス、アメリカ、全部住んでみた私の結論。日本が一番暮らしやすい国でした。」「だから日本は世界から尊敬される」。どれもこの1年間に出版された。
 そういえば、テレビでも「所さんのニッポンの出番」「世界が驚いたニッポン!スゴ〜イデスネ!!視察団」など外国人に日本を褒めてもらう番組がいっぱいだ。

 ブームの「火付け役」の一つは、47万部売れた2010年12月出版の「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」(竹田恒泰著、PHP新書)。担当編集者、藤岡岳哉さんは「当時、正面切って自国を褒める本はほとんどなかった。自国を褒めていいというメッセージが読者に待ち望まれていた」と分析する。

 出版の3カ月後、東日本大震災が発生。整然と助け合う日本人の姿が世界から称賛を浴びた。「『日本は素晴らしい』と口に出す人が増え、部数は大きく伸びた」。シリーズ3冊で累計約81万部。3冊目「日本人はいつ日本が好きになったのか」の表紙のキャッチフレーズはこうだ。

 <「自分の国がいちばん」とやっと素直に僕らは言えた>

 実際、NHKの「日本人の意識」調査(13年)で「日本人はすぐれた素質をもっている」「日本は一流国だ」と答えた人はそれぞれ68%、54%。03年の51%、36%を底にU字回復し、1983年の最高値レベルまで戻している。やはりこのブーム、日本を好きな人が増えたせいなのか。

 一方、斬新な書名が話題の「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」と「住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち」(川口マーン恵美著、講談社+α新書)。前者は16万部、後者が14万部。いかにも日本礼賛といった題名だが、中身は日本をベタ褒めしているわけではない。教育面を中心に日本にも苦言を呈しており、読後の印象はせいぜい「6勝4敗」だ。

「00年代半ばまでは欧米人と結婚した日本人女性が日本の情けないところを指摘する本が売れていた。07年、デュラン・れい子さんの『一度も植民地になったことがない日本』が20万部を超えたあたりで潮目が変わった。震災がその傾向に拍車をかけた」

 昨年は「呆韓論」など韓国や中国をたたく書籍が多くベストセラーに入り、「嫌韓・嫌中本ブーム」として注目された。「読者も飽きてきた」(間渕さん)ところで盛り上がったのが、今回の「日本礼賛本ブーム」だ。ネット上では「ヘイト本ブームと表裏一体」「まるで“愛国ポルノ”」などの批判の声もある。

266とはずがたり:2015/02/25(水) 22:20:00
>>265-266
 もっとも間渕さんは「日本礼賛本=嫌韓・嫌中本の裏返し」という図式には懐疑的だ。「愛国心を動機に読む人だけなら数万部止まり。16万部も売れません。確かに1冊目は最初、産経新聞の読者層や嫌韓・嫌中本を読む50、60代男性に売れた。しかし読者層は広がり、2冊目は女性にもよく読まれている」

 多くの読者を引きつけるには、もっと別の理由があるということか。

 過去にも、日本や日本人をたたえる本が売れた時代はあった。「『日本人論』再考」の著者で東大名誉教授(文化人類学)の船曳建夫(ふなびきたけお)さんは、その手の書籍がブームになる背景には常に「不安」があったと指摘する。「明治維新以来、国が苦境にある時も右肩上がりの時にも、日本人論は日本人がアイデンティティーに不安を抱えた時代に流行し、不安を癒やす『安定剤』の役目を果たしてきました」

 船曳さんによると、日本人論ブームの第1期は日清・日露戦争の富国強兵の時期の「武士道」(新渡戸稲造著)や「代表的日本人」(内村鑑三著)など。西洋の先進国と比較し、日本をポジティブに評価しようとした外向きの時代だ。第2期は29年世界恐慌から開戦ごろまで。九鬼周造の「『いき』の構造」など「日本は非西洋である」を前提に日本の伝統に価値を求めた内向的な時代。

 ◇出版側「自主規制」も

 第3期は敗戦から経済復興までの半世紀。「『菊と刀』から『ジャパン・アズ・ナンバーワン』まで、右肩上がりでも『これでいいのか』という不安を背景に、長く日本人論が読まれてきた」と船曳さんは言う。「今回は第2期に似ている。第2期の不安の相手は西洋だったが、今は中国や韓国を意識している点が特徴。人口減など将来に不安を抱えた日本人が未来に明るいものが見えないゆえに、古来の伝統や西洋人からの評価に価値や癒やしを求め、日本人、ひいては自分自身のアイデンティティーを守ろうとしているのでは」と分析する。

 一方、このブームは出版現場に影を落としているようだ。

 中堅出版社の編集者は「売れる売れないだけでなくイデオロギー面でも自粛ムードが漂う。安倍晋三政権批判や、中国や韓国に好意的な本の企画が『反日』出版社というレッテル貼りを恐れて通らない。ジワジワと自主規制が広がっている」。

 サブカルチャーをけん引する太田出版の前社長で、今は生活クラブ運動系シンクタンク「市民セクター政策機構」で隔月雑誌「社会運動」を編集する高瀬幸途さんは、「批判的な知性こそが90年ごろまでの出版文化の背骨を支えてきた。しかし今は自国に批判的な言説は読者に嫌われる。編集者は広告代理店のようにデータ分析し、手を替え品を替え売れ筋を狙う。結果、肯定的言説の本があふれ、編集者も読者もそこに溺れている」と語る。

 日本礼賛本を「自己啓発本の変種。不安な時代に自己否定的にならず、自己肯定するための実用ツール」と見る高瀬さん、「本は本来、内面の反省を迫る存在だったはずなのに」と懸念する。

 船曳さんからはこんな一言も。「適度なお国自慢は望ましいが、『いいことだらけ』とか『世界で一番』とか、他国を見下すところまで行くと、排他的になり、社会は劣化する。自国の首を絞めます」

 日本を礼賛し過ぎて、自国の足を引っ張ったのでは笑えない。

267とはずがたり:2015/03/09(月) 13:20:04
失礼な言い方になりますがまだ生きてらっしゃったんですね。絵本の古典的な大家の印象の印象だったので。
ご冥福をお祈りします。

<訃報>松谷みよ子さん89歳=児童文学作家
毎日新聞2015年3月9日(月)11:36
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20150309k0000e040176000c.html

 赤ちゃん絵本「いないいないばあ」などの著作で知られる児童文学作家の松谷みよ子(まつたに・みよこ、本名・美代子=みよこ)さんが2月28日、老衰のため死去した。89歳。葬儀は近親者で営んだ。お別れの会を4月4日午前11時、東京都港区南青山の青山葬儀所で開く。自宅は東京都練馬区東大泉6の26の6。喪主は長女瀬川(せがわ)たくみさん。

 東京生まれ。児童文学作家の故・坪田譲治氏に師事した。信州に伝わる伝説を基に1960年に出版した「龍の子太郎」で国際アンデルセン賞優良賞を受賞した。64年、自らの子供をモデルに、その成長をファンタジックに描いた幼年童話「ちいさいモモちゃん」を出版し、野間児童文芸賞、NHK児童文学奨励賞を受賞。全6巻となった「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズでは、児童文学でタブーとされていた両親の離婚なども描き、発行部数620万部のロングセラーとなった。「いないいないばあ」に始まる赤ちゃん絵本では、優しい語り口が読者を魅了した。

 一方、広島の被爆者を描いた「ふたりのイーダ」、ナチスのユダヤ人迫害を取り上げた「私のアンネ=フランク」など、過去の歴史とも向き合い、執筆活動を続けた。

 07年7月には広島で被爆したピアノを題材とし「ミサコの被爆ピアノ」を出版。また、「現代民話考」(全12巻)など、現代に語り継がれている民話の採録にも取り組んだ。

268とはずがたり:2015/04/28(火) 07:50:59
2015年04月08日 18時45分 更新
出版社の倒産、14年度は5割増 消費税引き上げが影落とす 帝国データバンク
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1504/08/news141.html

帝国データバンクによると、14年度に倒産した出版社は前年度から5割増と大幅に増えた。
[ITmedia]

 帝国データバンクによると、2014年度(2014年4月〜2015年3月)に倒産した出版社は前年度から5割増と大幅に増えた。書籍販売が落ち込む中、昨年4月の消費税増税で消費者心理が冷え込んだことも追い打ちをかけたとみられる。

 14年度に倒産したのは46社で、3年ぶりに前年度から増加。負債総額は3.8倍の111億8000万円と大きく増えた。

 昨年度は「小悪魔ageha」で知られるインフォレスト(負債:29億1300万円)が破産を申し立て、「美術手帖」などで知られる美術出版社(負債:19億5000万円)が民事再生法の適用を申請した。

 12年度以降では、小中学生向け参考書の教学研究社(負債:6億円)など、少子化の影響で部数が減っている学習関連出版社の倒産も目立っているという。

269とはずがたり:2015/04/28(火) 07:53:09

「週刊少年サンデー」、40万部割り込む
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150427-00000072-zdn_n-sci
ITmedia ニュース 4月27日(月)16時58分配信

 「週刊少年サンデー」(小学館)の印刷部数(印刷証明付き)が今年1〜3月の平均で39万3417部と、40万部を割り込んでいたことが分かった。

 日本雑誌協会が4月27日に公表した1〜3月の平均印刷部数によると、「週刊少年ジャンプ」が242万2500部、「週刊少年マガジン」が115万6059部だったのに対し、「サンデー」は40万部を下回った。

 サンデーの平均印刷部数は13年10〜12月に50万部割れ。14年1〜3月期の平均は46万部超で、1年で約15%減った計算だ。マガジンも前年同期から約10%減、ジャンプも11%減と、軒並み落ち込んでいる。

270名無しさん:2015/05/10(日) 16:53:13
>>269

http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20150501-00042011-r25
落日の『少年サンデー』に驚きの声
2015.05.01

少年マンガ誌『週刊少年サンデー』の発行部数が40万部を割り込んでいたことが判明し、ネットには驚きの声が寄せられている。

小学館が発行する『週刊少年サンデー』は、『週刊少年ジャンプ』『週刊少年マガジン』とともに、俗に“3大少年マンガ誌”と呼ばれる。青山剛昌の『名探偵コナン』をはじめ、『タッチ』『H2』(あだち充)、『うる星やつら』『犬夜叉』『らんま1/2』(高橋留美子)、『MAJOR』(満田拓也)など、これまで数々の大ヒット作を世に送り出してきた。

そんな『週刊少年サンデー』だが、4月27日に日本雑誌協会が発表した数字では、2015年1〜3月の発行部数は39万3417部(印刷証明付き)となっており、これは前年同期の46万1250部から15%近く減った計算。『ジャンプ』の242万2500部、『マガジン』の115万6059部に大きく水を開けられている。

このニュースに対し、ツイッターには様々な感想が寄せられている。その声を見ると、

「サンデーは大御所がずっと居座って入れ替わらないもんな…新鮮味がまるでない感じがパナイ」
「今のサンデーは全く面白味がないよ。
この10年以上、勢いのある若手が全く育っていないのも致命的」
「サンデーって掲載作品がどんどん幼稚化してるんだよね。対象年齢が低めの漫画が増えた。で、購入してた大人が離れた。挙句には、コナンの再放送ならぬ再掲載。こりゃ酷い」

と、掲載マンガやその内容に理由を求める痛烈な意見があるものの、

「10年後に紙媒体としてのマンガはどうなっているのか。無くなっているか、それとも高額化してなんとか生き延びているのか」
「コンテンツビジネスの在り方も変わってきてるんだろうなぁ」
「自分が子供の時は当たり前のようにみんなジャンプとか読んでたけど、今の子供も同じように読んでるのだろうか?大人しか読んでない気がしてしょうがない」

など、マンガ誌のビジネスモデルの限界を指摘する声もある。また、

「連載中の漫画家さんに1つの世界での、とある物語を数ページ描いてもらい 人気投票で続編を期待できるような企画を連載と1:1で盛り込んでみては?」

と、『サンデー』が復活するための策を考える投稿も。半世紀以上続く、歴史ある週刊誌だけに、今回のニュースに興味を持つ人はかなり多かったようだ。

271とはずがたり:2015/06/04(木) 10:53:43
作家も大変だなぁ。。

芥川賞作家・柳美里氏インタビュー
年収1億円から困窮生活へ――芥川賞作家・柳美里が告白「なぜ、私はここまで貧乏なのか」
http://biz-journal.jp/2015/05/post_10102.html

 芥川賞作家の柳美里氏が、3月に上梓した『貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記』(双葉社)が話題になっている。昨年10月に柳氏が公表して話題となった雑誌「創」(創出版)の連載エッセイの原稿料未納問題や、困窮のためネット回線が止められ、公共料金や仕事の電車賃、あげく食費にも困るという作家の実情がつぶさに書き綴られているのだ。柳氏ほどの著名な作家がなぜここまで生活に苦しむことになったのか……その理由を自らが語った。



--多くの作家が経済的に困っている状態ということですか。
柳 「書くことだけで食べている作家は30人ぐらいではないか」という話を聞いたのですが、かなりリアルな数字だと思います。ただ「貧乏は恥ずかしい」と考えている方が多く、公にしないだけだと思います。

…(以下略)

272とはずがたり:2015/06/04(木) 18:10:32

マケドニアで革命の恐れ? c REUTERS/ Ognen Teofilovski
http://jp.sputniknews.com/europe/20150518/347563.html
2015年05月18日 16:01

マケドニアの首都スコピエの政府庁舎近くの野営で、マケドニア野党の支持者数十人が夜を過ごした。リア・ノーヴォスチ通信の特派員が現地から伝えた。
警察はデモ隊がいる並木道を車両通行止めにしたのみで、野営の活動には干渉していない。

17日、マケドニアの野党はスコピエ中心部にある政府庁舎近くで、同国のグルエフスキー首相の辞任を求める大規模な集会を開いた。

集会の後、野党の政治家ゾラン・ザエフ氏は、内閣が総辞職するまで無期限の運動を行うと発表した。

現在、活動家たちは野営の清掃をし、食料品を購入するために店舗に足を運んでおり、解散する様子はない。

グルエフスキー首相は9年間首相を務めている。マケドニアの経済状況は芳しくなく、失業率は28パーセントで、約45万人(5分の1)の国民が、よりより生活を求めて別の欧州諸国に去った。

マケドニアは欧州で最も貧しい国の一つと考えられている。マケドニアより状況が悪いのは、隣国のアルバニアのみ。

273名無しさん:2015/06/27(土) 21:20:28
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150623-00000131-sph-soci
韓国作家「憂国」の盗作認める
スポーツ報知 6月23日(火)16時50分配信

 韓国を代表する女性小説家、申京淑氏(52)が1996年に発表した短編小説「伝説」の一部が、故・三島由紀夫の短編小説「憂国」の盗作であると指摘された問題で、申氏は韓国紙のインタビューに応じて盗作を事実上認めた。

 23日付の韓国紙、京郷新聞の電子版によると申氏は22日に同紙のインタビューに応じ「『憂国』と『伝説』を何度も読み比べた結果、盗作との問題提起は妥当だと思った」と述べている。

 さらに「いくら過去の記憶をさかのぼっても『憂国』を読んだという記憶はないが、もはや私も自分の記憶を信じられない状況になった」とした上で「出版社と協議して『伝説』を、収録した単行本から削除する」「文学賞の審査委員などすべてを辞退し、自粛する時間を頂きたい」と述べ、謝罪した。

 しかし、自粛後には作家活動は続ける意向で「小説は私にとって命のようなもの。書くのを止めたら生きていけない。文学という『地』で転んだのだから文学という『地』で起きあがりたい」と述べている。

 申氏の盗作疑惑は、小説家のイ・ウンジュン氏(45)が16日のハフィントンポスト韓国語版で提起。同氏が酷似していると指摘したのは「伝説」の中の「二人とも健康な肉体の所有者だった。彼らの夜は激しかった」という描写と「憂国」の「二人とも実に健康な若い肉体を持っていたから、その交情ははげしく」という部分など。

 韓国メディアでは「韓国文学の恥だ」として、徹底追及する声が挙がり、韓国検察当局が詐欺事件でして告発する動きもあったが、提起したイ氏自身は「文学のことは文学で収めるべき」と司法判断はすべきではないという意見を表明していた。

 現在、韓国語版「憂国」は絶版になっている。申氏の作品は日本語に翻訳され「山のある家井戸のある家―東京ソウル往復書簡」「母をお願い」などが出版されている。

274名無しさん:2015/06/27(土) 22:34:20
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00000067-zdn_n-sci
主婦の友社、日経報道に「猛烈に抗議」 Amazonの書籍値下げ販売めぐり
ITmedia ニュース 6月26日(金)15時23分配信

 アマゾンジャパンが発売後一定期間経った書籍を2割引で販売するキャンペーンをめぐり、これを報じた日本経済新聞の記事に対し主婦の友社が「猛烈に抗議する」というコメントを取引先向けに公表した。記事は出版社が「時限再販契約」を結んで実施すると報じているが、同社は「一切結んでいない」として否定している。

 キャンペーンはAmazon.co.jpで26日に始まった「夏の読書推進お買い得キャンペーン」。ベストセラーを含む和書110タイトルを20%引きで販売するもので、和書のベストセラーを期間限定で値下げするのは初という。

 日経新聞は、値下げ販売について主婦の友社など6社が参加するとした上で、「アマゾンと出版社の間で『時限再販』と呼ぶ契約をして、対象書籍を一定期間後に再販制度の枠組みから外すことで値引きできるようにする。出版6社にとっては再販によって守られる利点より返品を減らす利点のほうが大きいとの判断」などと報じ、定価販売を続ける一般書店からは反発が起きる可能性がある、と指摘している。

 主婦の友社はキャンペーンに参加しているが、時限再販契約については「全く事実と異なる」として、「さも契約をしたかのような記事を掲載されたことに対し、Amazon側、また報道した日本経済新聞社にも猛烈に抗議した」という。アマゾンジャパンからは同契約を結んでいないとの確認を取ったとしている。

275とはずがたり:2015/06/27(土) 22:41:33
詳細は忘れちゃったけど委託販売制度は東京一極集中の是正の為に解体しないとあかんという認識・持論だったが,そろそろ制度的にもなんとかしないとダメになってきたのでわ??

【栗田出版再生法申請】販売低迷…出版不況を象徴 「業界全体の再編、避けられぬ」
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-ecn1506260068.html
06月26日 22:13産経新聞

 出版取り次ぎ4位、栗田出版販売の経営破綻は、書籍と雑誌販売が落ち込む近年の出版不況を象徴する出来事といえる。

 出版取り次ぎ会社は、書籍や雑誌を出版社から仕入れて全国の書店に卸す、いわば「本の問屋」だ。書店が自由に返品できる委託販売制度のもとで、全国に一斉配送する仕組みを実現。日本出版販売(日販)とトーハンの2社が中心となって出版界の発展を支えてきた。

 そんな慣行を揺さぶったのが、娯楽の多様化や少子化などが原因とされる構造的な出版不況だ。出版科学研究所によると、出版物の推定販売金額は平成8年をピークに減少し、昨年は前年比4.5%減の1兆6065億円。落ち込み幅は昭和25年の統計開始以来、最大となった。本の返品率は40%近くで高止まりし、裁断などの費用負担も業界にのしかかる。インターネット書店最大手、アマゾンの台頭もあり、全国の新刊書店数は平成12年以降右肩下がりを続け、26年には3分の2以下の約1万4千店にまで減った(アルメディア調べ)。

 取り次ぎでも業界3位の大阪屋が昨年、楽天などの支援を受ける事態となり、出版関係者からは「戦後の出版流通システムは制度疲労を起こしている」と、変革を求める声も出ている。

 出版業界に詳しいジャーナリストの山田順さんは「出版不況で書店は大型店を残して急減している。小規模の書店しか顧客を持たない取り次ぎから淘汰(とうた)される状況だ。出版社、書店も含めた業界全体の再編は避けられないだろう」と予測している。

276とはずがたり:2015/07/04(土) 21:48:32

札幌・久住書房破産、会員らへの返金困難か
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0153125.html
07/04 12:49、07/04 21:46 更新

 先月21日に閉店した札幌市厚別区の書店「くすみ書房」の運営会社で、破産手続き開始決定を受けた久住書房(同市西区、久住邦晴社長)は、インターネットで小口資金を集める「クラウドファンディング」で店舗改装資金を集めたり、会費制の会員組織をつくったりしていた。関係者によると、会員らへの返金は困難とみられる。

 同社は一般債権者への弁済は困難な状態。関係者によると、クラウドファンディングによる改装資金は300万円が目標だった。「寄付型」のため資金を出した人に返還する必要はないというが、書店閉鎖により善意はふいになった形だ。

 年会費1万円の「友の会」の会員は約120人。4回に分けて計7千円程度の書籍が送られてくることになっていた。これまでの配本はゼロで、今後も送られる可能性は小さいという。

 自己破産について、久住社長は「ご支援に報いることができずおわびする」とし、創業地の西区琴似で開店を目指すとしていた小規模店については「白紙にしたい」と話した。

 くすみ書房は「売れない文庫フェア」「中学生はこれを読め!」など、斬新な企画で道内外の出版社・書店から知られる存在だった。(五十嵐知彦)

277とはずがたり:2015/07/15(水) 15:01:06
>川上と川下の企業数が多く、川中が寡占化された、砂時計のような特異な構造を出版業界は有している。他業界にはほとんど見られない構造だ。

> 日販とトーハンの流通寡占であり、出版社は全国の書店やコンビニに書籍・雑誌を流すために2社に依存している

>中小企業の集合体である書店各社も、2社のうちどちらかとでも取引できれば、数多ある出版社の本を一挙に集めることができる

>日配は書籍と雑誌の両方を扱う巨大な「総合取次」であった。このような出版取次業態は世界にない。

>新しく書店を開く際、今日のように読者のニーズが多様化する状況に対応しようとすれば、バラエティに富んだ品揃えを確保するため、大手取次と交渉せざるを得ず、日販やトーハンの系列書店としてスタートすることになる。取次1社と独占契約を結び、一種のフランチャイズ加盟店のようになってしまうのだ。

>欧州の書籍再販国は、再販拘束期間18カ月とか24カ月というように明確な期間を決めて、それを過ぎたら自動的にオープン価格に移行する制度を取っています

>取次と老舗大手・中堅出版社200社超の間には、新刊委託部数分に対して、翌月にその何割かのお金が自動的に支払われる取り決めがある。比率は出版社によって個別に決まっていて、10割のケースから4割のケースまでさまざまだ。新刊委託で送品した本が売れようが売れまいが、新刊本を押し込めさえすれば急場のお金が作れるから、委託販売を止められないのだ。

>新しく取次と取引を始めた新規の出版社には一切そのような特典はなく、新刊委託本の代金は半年後に清算される。取次は、書店に対する配本と集金に関しては大手を優遇し中小には厳しい傾向があるが、出版社に対しては老舗と新参に分けて老舗の有力出版社を優遇しているのである。

2009年08月26日 07時00分 更新
出版&新聞ビジネスの明日を考える:
日販とトーハン、2大取次が寡占する日本の出版流通事情
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0908/26/news015.html

街の書店でベストセラーを買えないのはなぜか。棚に並ぶことなく出版社に返品される本はなぜ発生するのか。硬直していると言われる本の再販制度が守られているのはなぜか――これらの問題を考えるのに避けて通れないのが、日販とトーハンの2大取次だ。出版不況が止まらないのはなぜか? 本記事ではそれを、流通から考えていく。
[長浜淳之介,Business Media 誠]

著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
 日本の出版流通の際立った特徴は、日本出版販売(日販)とトーハンという2大取次(出版業界では卸売業、問屋)が君臨していることである。この2社の売り上げがいかに突出しているかは、取次上位7社の直近の年商を見てみれば一目瞭然だ。

順位__取次社名__年商(億円/単体ベース)
1) 日本出版販売(日販) 6,327
2) トーハン_____ 5,748
3) 大阪屋______ 1,282
4) 栗田出版販売___ 503
5) 太洋社______ 419
6) 日教版______ 379
7) 中央社______ 244
「新文化」の決算記事より作成

 出版社上位4社の年商は『新文化』の決算記事によると、講談社1350億円、小学館1275億円、9月に新しい決算が出る集英社が1376億円、角川グループホールディングスが映像事業339億円を含んで1416億円。

 書店上位5社の年商は「日経MJ」によると、紀伊國屋書店1198億円、丸善958億円、有隣堂546億円、文教堂グループホールディングス512億円、ジュンク堂書店421億円。

278とはずがたり:2015/07/15(水) 15:01:21

 これらを比較してみると、「出版社→取次(卸売)→書店」といった出版流通のメインストリームにおいて、日販、トーハンの占める位置付けがいかに巨大かが分かるだろう。日販、トーハンの規模は取次3位の大阪屋の4.5〜5倍であり、4位の栗田出版販売以下とは10倍以上の開きがある。まさに流通寡占である。

 また、4大出版社の規模や書店トップの紀伊國屋書店の規模は、大阪屋とほぼ拮抗(きっこう)しており、日販、トーハンに比べれば本当に小さな会社である。出版社と書店はいわば中小企業の集合体であって、寡占とは真逆の群雄割拠になっているのだ。

 つまり、川上と川下の企業数が多く、川中が寡占化された、砂時計のような特異な構造を出版業界は有している。他業界にはほとんど見られない構造だ。

 日本型出版流通の大きな特徴は、このように日販とトーハンの流通寡占であり、出版社は全国の書店やコンビニに書籍・雑誌を流すために2社に依存しているということ。また、中小企業の集合体である書店各社も、2社のうちどちらかとでも取引できれば、数多ある出版社の本を一挙に集めることができるのだ。日本における出版流通で取次経路の売り上げが占める割合は約7割であり圧倒的である。

 『書籍再販と流通寡占』(アルメディア)の著者・木下修杏林大学客員教授は、日販、トーハン2社の取次におけるシェアは、近年ますます高まっているという。「公正取引委員会の累積集中度調査によれば、2006年の書籍・雑誌取次業のCR3(上位3社の累積集中度)は84.0%、HHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数:公正取引委員会では1800以上で市場構造が高度に寡占的)は3303でした。1993年のCR3が73.1%、 HHIが2304であり、13年間で前者が10.9ポイント、後者が約1000ポイント増加しています。日販、トーハンの2社の市場占拠率は75%を超えています」とのことだ。

戦中の国策独占会社、日配を起源とする

 2大取次のルーツは1941年、戦時統制の一環として作られた日本出版配給株式会社(日配)にある。太平洋戦争に突入していく当時の政府は、出版流通統制のために、240社ほどあった取次を解散させ、日配1社に集約させた。

 戦後GHQは財閥解体を目的とする、過度経済力集中排除法を施行。日配も閉鎖機関令(1947年3月)によって閉鎖機関に指定され、清算処理を命じられて、活動停止を余儀なくされた。しかし、日配がなくなれば出版物が流通しない。急遽(きゅうきょ)、日販やトーハン、大阪屋などが誕生した。

 日配は書籍と雑誌の両方を扱う巨大な「総合取次」であった。このような出版取次業態は世界にない。総合取次の起源は関東大震災後の大正末期に、当時の雑誌4大取次の東京堂、北隆館、東海堂、大東館が、書籍も積極的に扱い出したことにある。その頃すでに流通寡占は始まっていたのである。

 「欧州も米国も、書籍と雑誌は別の業界。取次は別々であり、流通チャネルも異なっています。海外の書店は、書籍を売る専門店です。雑誌は主にニューズスタンド、キヨスク、スーパー、コンビニ、通信販売で売っているのです。ところが日本は取次も書店も、雑誌と書籍の両方を扱っています。日本の出版流通は、世界的に見れば奇妙な独特な発展を遂げているのです」と、木下教授は指摘した。

欧米に比肩する書籍流通システムを構築

 「日本の雑誌流通は世界一」という評価がある。大手総合取次は雑誌の流通・販売に力を入れてきたからだ。

 一方、書籍流通は注文品の流通改善がなかなか進まなかった。欧州や米国では情報化の進行を背景にして、1980年代末〜1990年代にかけて大型書籍流通センターが建設され、書籍の注文品流通の合理化・効率化が急速に進んだ。

 一方、日本はそれが大きく遅れた。しかし、2000年代に入ると情報武装型の大型書籍流通センター建設に見られるように、書籍の注文品流通システムが整備されつつあると、木下氏は評価している。世界最大のネット書店・アマゾンの上陸という黒船のインパクトがあったにせよ、取次が書籍の注文品流通システム作りに巨額の投資をし、真剣に流通改善に取り組み始めたのは大きな変化だ。トーハンの桶川SCMセンター、日販の王子流通センター、大阪屋の茨木と新座の流通センターなどがそれである。

日販はTSUTAYA、トーハンはGEOと提携

 出版科学研究所の調べによると、1998年に1兆5315億円あった雑誌総販売金額は、2008年には1兆1299億円にまで落ち込んでいる。つまり雑誌の市場規模は最近約10年で25%近くも減少しているのだ。

279とはずがたり:2015/07/15(水) 15:01:38
 書籍も同様に1998年の1兆100億円から、2008年には8878億円に落ち込んでいるものの、12%程度の減少で、雑誌に比べれば減少幅は小さいと言える。

 出版業界は高度成長期、不況知らずの2ケタ成長が続いていた。1976年に雑誌の売り上げが書籍を抜いて以後、「雑高書低」が基調であった。しかしバブル崩壊以降、出版業界は長期的な売上不振に陥っている。

 このような状況下でさまざまな変化が見られる。日販は「TSUTAYA」のカルチュア・コンビニエンス・クラブ、トーハンは「GEO」のゲオ、大阪屋と日販はアマゾンと関係を結んでいる。アマゾンは現在、日販との関係を深める傾向にあるのも興味深い。

 「TSUTAYA」「GEO」のような総合ソフトショップ、アマゾンのようなネット通販といった、新しい小売業態と取次とのタッグが出版再編の軸になる可能性もある。

書店を系列化して、配本でコントロール

 新しく書店を開く際、今日のように読者のニーズが多様化する状況に対応しようとすれば、バラエティに富んだ品揃えを確保するため、大手取次と交渉せざるを得ず、日販やトーハンの系列書店としてスタートすることになる。取次1社と独占契約を結び、一種のフランチャイズ加盟店のようになってしまうのだ。

 書店は日販やトーハンに配本をコントロールされるだけではない。困ったことに中小零細書店や実績のない書店には、一番欲しいベストセラー本がなかなか配本されないといった事態が発生している。

 ベストセラー本は、販売力のある大型書店、チェーン書店への配本が優先される。小さな書店はベストセラー本を一生懸命売ろうとしても調達が難しく、注文しても後回しにされ、希望する数を調達できず、店頭品切れ状態の期間が長くなって、常に販売機会の損失に苦しむことになってしまうのだ。

 それだけではない。書店には見計らい配本によって、欲しくもない本も箱詰めにされて一緒に送られてくる。

 書店に並んでいる本は再販商品であり、古書と異なり定価で売ることが決められている。書店は売れ残った本を値引き処分したり、売れに売れて品薄になった本を高値で売ることができない。とはいえ、新刊書のほとんどが、一度買っても返品自由な委託販売制のもとにある。ならば書店は気楽な立場かというと、そんなことはない。

 取次は月々の代金回収機能を持っている。中小書店は月に2回の支払いを義務付けられている。一方で大書店は月1回の支払いだ。書店の決済は返品相殺方式なので、いずれの書店も、売れなかった本をできるだけ早く返品して、支払額を少なくしたいといった心理が働く。そこで中小書店からの信じられないほどの大量返品が発生してしまうのだ。

 「新刊本の返品率は大変高い。不適正な配本、不確実な配本、非確実な押込型新刊マーケティング、非適正な新刊広告、書店の決済が送品即請求、返品自由などいくつもの原因が重なって、推計部数返品率は60〜70%になるでしょう」と木下教授。書籍返品率は40%前後と言われるが、これは注文品や買切品も含めた平均値。新刊本の返品は半数をはるかに超え、極端な場合は一度も陳列されずに、出版社に返されていく。

 委託販売制のメリットとしては新刊本をスピーディに全国津々浦々まで配本することや、ヒットする本やベストセラーが出やすい土壌を作れるといった効果がある。一方、問題点としては、出版社・取次の見計らい押し込み送本による大量返品の発生、書店の返品相殺方式・早期決済制と早期返品の発生などがある。

老舗出版社の急場の資金づくりに寄与

 「2大取次を中心とした巨大な日本の出版流通経済システムという枠組を補強するサブシステムとして、委託販売制、固定正味制、帳合制、再販制度などが機能しているのです。委託販売を止めて書籍を買取制にする論議がありますが、出版社たちが持っている既得権を放棄してまで、本気でそれをやろうとしているとは思えません」(木下教授)

 実は、取次と老舗大手・中堅出版社200社超の間には、新刊委託部数分に対して、翌月にその何割かのお金が自動的に支払われる取り決めがある。比率は出版社によって個別に決まっていて、10割のケースから4割のケースまでさまざまだ。新刊委託で送品した本が売れようが売れまいが、新刊本を押し込めさえすれば急場のお金が作れるから、委託販売を止められないのだ。

 しかし、新しく取次と取引を始めた新規の出版社には一切そのような特典はなく、新刊委託本の代金は半年後に清算される。取次は、書店に対する配本と集金に関しては大手を優遇し中小には厳しい傾向があるが、出版社に対しては老舗と新参に分けて老舗の有力出版社を優遇しているのである。

280とはずがたり:2015/07/15(水) 15:01:58
>>277-280
 「再販制度は日本だけではなく多くの国にあります。ただ、欧州の書籍再販国は、再販拘束期間18カ月とか24カ月というように明確な期間を決めて、それを過ぎたら自動的にオープン価格に移行する制度を取っています」(木下教授)

 せめて欧州のように、弾力的に再販制度を運用すれば、出版社にとっても書店にとっても、ビジネスチャンスが広がって良いのではないだろうか。

流通は刷新されたが、出版社が対応しきれない

 1冊の本が売れると、取次のマージンは8%、書店のマージンは22〜23%、残りは著者の印税や制作費がかかるものの全て出版社の取り分である。つまり、出版社は本がヒットすれば、みるみるうちにもうかる仕組みになっている。

 「私はもう“出版不況”という言葉は使わないほうがいいと思います。好況があるから不況もあるのですが、日本の出版物売上高はずっと落ちる一方ですよね。出版不況という言葉は業界人の思考停止・努力不足をごまかすための無責任な都合のいいキーワードにもなっているのです。なぜ日本だけが長期的に停滞・下降しているのか、真剣にその原因究明をすべきです。

 そして、その原因を取次寡占、書店大量閉鎖などに求めるのはおかしいです。日本の出版流通システムは改善されつつあり、しかも大型店が増えているため、書店の売場面積は広がってきているのですから。

 むしろ、大事な問題の1つは作り手側にあります。これだけ取次に優遇されていながら、良い企画、売れる本が作れない。良い著者を発掘できないこと、すなわち編集者の企画力の陳腐化、出版社のマーケティング力不足がまず厳しく問われるべきです」と、木下教授は出版社に手厳しい。

 米国の2007年の書籍売上高は前年より3.2%増。ドイツは3.4%増。フランスは5%増。雑誌を含まない書籍の統計ではあるが、少なくとも欧州、米国の出版業界は、日本のように落ちっぱなしのイメージはなく、不況もあれば好況もあり、むしろ近況では持ち直しているようだ。「インターネット、携帯電話が普及したから本が売れない」というのは、国際的視野から見れば嘘である。

 日本の場合、出版の主役はずっと雑誌であった。しかし平成になって、大手取次が大きな資本を投下して書籍流通システムを改善していったのは、時代を読んだ英断だったのではないだろうか。あとは出版社のコンテンツ作り、書店の売場作りがついてくるかどうかだろう。

出版流通のリーダーとして2大取次の役割は大きい

 以上、取次がどういうもので、どういった商慣行が行われているか見てきたが、出版不況の原因につながりそうな疑問点を整理してみよう。

1.日販やトーハンの過度の寡占で、ほかの取次の商売が阻害されていないかどうかは検討の余地がある。

2.日販やトーハンは中小零細書店を系列化しておいて、ベストセラー本を満足に送らなかったり、月に2回の支払いを求めたりと、売れる環境を整えていないのにお金の取り立てが厳しすぎるのではないか。書店マージンも22〜23%では回転率の悪い現状では、中小零細書店はもうからなさすぎではないか。せめて30%にはならないものか。

3.日販やトーハンと老舗出版社との間に、新刊委託部数分に対して、翌月にその何割かのお金が自動的に支払われる取り決めがあるにせよ、新しい出版社にはそのメリットがないのだから、買取制を進めればどうか。新規参入の買取制の出版社が増えれば、委託販売制のもとでの異常に高い返品率の改善につながるのではないか。

4.雑誌販売のみを視野に入れたと思しき、再販制度の硬直的運用によって、書店は売れ残った書籍を値引き販売して売りさばく自由を失っている。欧州方式で、定価販売の期間を限定して、後は書店が価格を自由に決められるようにしてはどうか。

5.流通システムがいくら最新でも、流すコンテンツや活用の仕方が悪ければ有効に機能しない。日販、トーハンは出版流通のリーダーとして、出版社、書店も巻き込んだ、売れる本作りの開発拠点にならないものか期待したい。出版社や書店を支配するというのではなく、シンクタンク機能を持てないだろうか。

 出版不況の要因は複雑であり、取次のみに原因を求めるべきでない。出版社の企画や売り場が面白くないこともあるだろう。消費者・読者の変化もある。

 しかし取次、特にシェアを寡占している日販とトーハンが、大手書店と老舗出版社を優遇して、零細書店と新興出版に冷たいのなら、新しく書店や出版を始めようとする人がいなくなり、硬直化した業界の衰退は必定だろう。

281とはずがたり:2015/08/05(水) 10:41:22
出版社6社が書店に謀反!? アマゾンと安売り契約で紀伊國屋書店が大激怒!
http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2015/08/post_6109/?utm_source=nikkan&utm_medium=rank&utm_campaign=ctr
2015.08.01

 去る6月26日、出版卸業で業界第4位の栗田出版販売が民事再生を申請した。取引する出版社が約2000社もあったため、出版界はもっぱらこの話題一色に染まった。しかしその裏で、実は同日に、もっと出版界に衝撃を与えるビッグニュースが流れていた。それは、アマゾンが出版社6社と手を組んで、110タイトルの書籍を、期間限定で2割引で販売するという話である。

 これを報じたのは日経新聞と東洋経済オンラインだった。

 日経の記事は「低価格で集客したいアマゾンと、返品を減らしたい出版社の思惑が一致した」とその狙いを指摘。一方の東洋経済オンラインは、「アマゾンの狙いは、期間限定キャンペーンをやることではなく、恒常的に自由な価格で販売できるようにすることだ。『価格の柔軟性があれば返本率を減らすこともできる。マーケットを活性化させることができると信じているため、なるべく早く、"自由な価格で売れること"を普通のことにしたい』(種茂本部長)」とさらに深い分析を掲載した。

 他業界の人からすれば、「割引販売をすることが衝撃のニュース?」とまゆをひそめるかもしれないが、再販制度の下、定価販売が慣習となっている出版業界では「ついに日本でも価格競争が始まるのか?」と思った人も少なくないのである。

 しかし、これらの記事が出るや否や、件の出版6社の中の主婦の友社が「アマゾンとは時限再販契約を結んでいない。日経とアマゾンに猛抗議した」という文章を突如、ホームページにアップした。

 翌日には、日経が「『アマゾンと出版社の間で時限再販と呼ぶ契約をして、対象書籍を一定期間後に再販制度の枠組みから外すことで、値引きできるようにする』とあったのは『アマゾンと出版社の合意に基づき値引きできるようにする』の誤り」とする訂正記事を出した。

 東洋経済オンラインも、「取次である日販も協力」という文言を、「取次である日販にもこの取り組みを説明し、通常の商流を維持する」と訂正した。

 なぜ、主婦の友社は突如、猛抗議したのか。なぜ、東洋経済オンラインは、あまり重要にはみえない日販のくだりを訂正したのだろうか。

 これについてある出版社の営業マンはこう見立てる。

「紀伊國屋書店の高井昌史社長がそれらの記事を見て、大激怒したようだ。その日のうちに6社が呼び出しを受け、アマゾンで割引販売する110タイトルの書籍全点を、すべての紀伊國屋書店から返品すると通告されたそうです。リアル書店でナンバーワンの紀伊國屋さんを怒らせるのは、営業にとっては絶対のタブー。それで、主婦の友社さんはあれだけ過剰に反応したんですよ。『時限再販契約はしていない』といっても合意はあったんでしょうから、紀伊國屋さんとしては、許せないでしょう」

282とはずがたり:2015/08/05(水) 10:41:50
>>281-282
 また別の出版社の営業幹部が話す。

「東洋経済オンラインの初出の記事で、『日販が協力』と書いてあったことで、日販もとばっちりを受けたようです。『紀伊國屋さんから、お叱りの電話をうけた』と聞きました。高井社長のアマゾン嫌いは、業界でも有名な話です。記事が出た翌週の7月1日には、出版流通イノベーションジャパン(紀伊國屋書店と大日本印刷の合弁会社)が新たな出版流通のビジネスモデルを提示する説明会がありました。内容は直取引や時限再販の活用などでした。きっと、自分たちの発表前に、アマゾンに邪魔されたと思ったのでしょう」

 時限再販とは、再販制度の弾力運用の一環で、期間や場所を限定して出版社の価格拘束を解き、小売が自由価格で販売できる制度のことを言う。東京国際ブックフェアや神保町ブックフェスティバルなどで、出版社自らが読者謝恩を目的に、2〜5割引で書籍を販売しているのが、その最たる例だ。

 ただ、この時限再販にはきちんとしたルールがある。出版社が時限再販に指定した書籍はすべての書店が割引販売をしていいのである。では、紀伊國屋書店も怒って返品せずに、割引けばいい――そう思う人も多いだろう。しかし、紀伊國屋がそうできない理由がきちんとある。

 今回のアマゾンの20%割引は、出版社が10%、アマゾンが10%を負担して実施している。事前交渉でアマゾンは「割引負担はすべて出版社の負担で」と強引に言ってきたという話もあるようだ。しかし、それもそのはずで、そもそも書店の粗利は約20数%と低いのである。早い話、20%しかないのだから、20%引きで売ったら、利益はゼロ。ゆえに、出版社がある程度のバックマージンを支払わないと値引き販売はしない・できない構造になっているのだ。それが、制度上は、再販制度の弾力運用が可能であっても、業界に広がらない原因なのである。ネット上で時限再販がこれから広がるなどと安直に書いている人がいるが、この構造を知らないがゆえ、であろう。

 さて、もうお分かりいただけたであろう。紀伊國屋が怒ったのは、今回の6社が、アマゾンだけにバックマージンを支払って割引販売を奨励しているにも関わらず、多くの書店が同じ商品を定価でしか売れない状況を放置したからである。

 取次関係者は言う。

「この一件は、完全に出版社の勇み足ですね。この6社はすべてアマゾンと優遇マーケティングの契約をしている会社です。古い書籍なら他の書店に迷惑をかけないと思っていたのかもしれませんが、完全に見誤っています。事前に一言、説明しておけば、これほどの大事にはならなかったでしょう。紀伊國屋さんが各社を呼びつけたのも、出版社がアマゾン一社を優遇するような流れにくさびを打ちたかったのでしょうね」

 では、書籍を値引き販売することで出版社の売上・利益は上がるのだろうか? アマゾンは、今後も出版社との事例を積み上げて、割引販売の有効性をデータで示そうと考えているようだが、今回の件を受けて協力する出版社はまず少ないだろう。

 6社のうちのある1社に勤務する人物は話す。

「実際、アマゾンの割引販売ですが、それほど売れていません。参考になるデータは取れないでしょう」

「売れない本は安くしても、売れない」という業界の定説は覆されることはないのだろう。

(文/佐伯雄大)

283とはずがたり:2015/08/05(水) 10:42:51
もう限界!儲からない書店に三行半を突き付ける大企業 書店崩壊のXデーはもう間近?
http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2015/06/post_5982/
2015.06.11

「リブロ池袋本店(東京)が西武百貨店池袋本店から撤退。跡地の候補はブックファーストか、三省堂書店か」

 書店のビッグニュースで出版業界がざわつくなか、新たな書店のリストラ話が浮上した。京王グループの京王書籍販売が展開する啓文堂書店が、41店あった店舗を15店閉鎖して26店にまで縮小するうえ、20人の希望退職者を募集しているというのだ(2015年3月に青葉台店、稲城店、代田橋店を閉鎖し、現在は38店)。

 啓文堂書店といわれても出版業界外の人、とくに関東以外の人にはなじみがないかもしれない。だが、2008年の八王子通り魔殺人事件の事件現場になった書店といえば、痛ましい話ではあるが、ご記憶の方も多いだろう。

 その啓文堂書店の2014年度の売上が約90億円。前年度よりも8億円近く減収しているうえ、書籍販売業は赤字になっているという。その赤字を解消するために、不採算店などを閉鎖し、人件費を減らして黒字化を目指すというのが今回のリストラ策のようだ。

 しかし、ある出版社の営業幹部は言う。「今の社長は、どうも書店業への関心が薄いようだ。専門書関係の出版社を集めてリストラ策を発表したときも、『リストラして黒字化せよ』という親会社からの指示をただ実行するためだけに来た人だなという印象だった。前社長は、積極的に業界づき合いをし、出版や書店について熱く語る人だった。そんな人がいなくなったら、こんな状況になった。もしかしたら、Xデーが近いのかもしれないな」

 「Xデーとは」と聞き返すと、「東五軒町のケース」とだけ答えられた。

 出版界の隠語で東五軒町とはその所在地からトーハンを指す。一方の日販はお茶の水と呼ばれている。

 そう、彼が推測するXデーとは、啓文堂書店の身売りのことなのだ。実は、同じ鉄道会社で書店を持つ阪急電鉄は12年、子会社のブックファーストをトーハンに売却したのである。

「事業譲渡において、事業が黒字であるのは最低条件。あくまで憶測にすぎないが、啓文堂は借入れなどの負債も含めて財務状況を健全化したうえで、書店業を売却しようと考えているのではないだろうか。主帳合取引の日販は、書店の買収には積極的ではないようにみえる。オリオン書房(東京・立川)やリブロを支援したのはむしろ異例なこと」(前出の営業幹部)

 ここ数年、書店業を他企業に売却する動きが目立つ。なかでも、大日本印刷による丸善、ジュンク堂書店、文教堂の子会社化はその最たる例だろうが、ファミリーブック(群馬)はゲオホールディングス、明屋書店(愛媛)はトーハンなど、身売りの例はまだまだある。彼らがそう判断する最たる理由は、本の売上が減っていくだけの先行きの暗い書店業界で、経営を維持していくことがかなり難しいからである。一言でいえば、やるだけ赤字で儲からない――からだ。

 詳しくは触れないが、粗利率が2割程度で売上が下がっているなか、家賃や人件費などの固定費を支払うと利益はほとんど残らない――というのが書店経営の実態なのである。客がほとんど入っていないが、営業し続けている小規模の書店をたまにみかける。これは外商や教科書販売という別収入があるからこそ、成り立っているのである。また、大手書店がこの規模を維持できているのは、出版社や取次からのバックマージンがあるからだ。ほかにも、「家族経営で、家族への給料を支払うことがないからやってこれた」、「自社物件で家賃を払う必要がないから何とかやってこれた」など、特殊なケースでない限り、書店の店売でメシを食うことがかなり困難になっているのである。

 新聞やネットで、町の書店が消えていくという記事を目にする。しかし、今は大企業の子会社書店のリストラや身売りにまで、事態は進展している。さらに、成長し続けるアマゾンジャパンですら、紙の本の売上がもう踊り場にきているといわれている。本の売上が減少し続ける環境では、専業書店の未来は暗い。このままでは救済する企業すら出てこなくなってしまうかもしれない。おそらく、そうなったとき、そして支援してくれたはずの企業が書店を見放したとき、そのときこそが書店大崩壊のXデーなのかもしれない。

(文/佐伯雄大)

284とはずがたり:2015/08/05(水) 21:00:24
ご冥福をお祈りします。

作家の阿川弘之さん 死去
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150805/k10010179591000.html
8月5日 20時24分

太平洋戦争を舞台に人々の苦悩や悲哀を描いた作家で、文化勲章受章者の阿川弘之さんが亡くなりました。94歳でした。

285とはずがたり:2015/08/08(土) 11:14:18

阿川弘之さん、亡くなる前日「次はステーキが」
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/entertainment/20150807-567-OYT1T50134.html
08月07日 20:42読売新聞

 3日に老衰で亡くなった作家・阿川弘之さんの長女で、エッセイスト・作家の阿川佐和子さん(61)が7日、最期の様子や父への思いをつづったコメントを書面で発表。

 「今年の夏あたり」から体力が落ちたものの、「亡くなる前日には、私が持っていった薄切りのローストビーフを三枚たいらげ、『次はステーキが食いたい』と、にんまり笑ったりしておりました」というエピソードを明かした。

 3日夜、仕事を終えた佐和子さんが駆け付けた時には、既に呼吸が停止した後で、みとった兄の尚之さんから「 痰 たんを吸い取る機械を入れた際、『苦しい』と言ったのが最後の言葉で、それ以外はさほど苦しむこともなく、大変に穏やかに安眠した」と聞いたという。

 また、「身体が弱り切っても、頭の中は『うまいものが食いたい』という意欲を捨てなかったのは、いかにも父らしく、立派な大往生だったと思っております」と現在の心境を記した。

286とはずがたり:2015/08/08(土) 11:15:55
阿川弘之氏死去=作家、端正な鎮魂文学―「山本五十六」「雲の墓標」、94歳
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-150805X212.html
08月05日 21:34時事通信

 厳しい歴史感覚に基づく目で日本人の姿を見据え、「山本五十六」「志賀直哉」などの人間味あふれる評伝や小説を著した作家で文化勲章受章者の阿川弘之(あがわ・ひろゆき)氏が3日午後10時33分、老衰のため東京都内の病院で死去した。94歳だった。広島市出身。葬儀は近親者で行う。エッセイストの阿川佐和子さんは長女。

 旧制高校時代から小説を執筆、島尾敏雄らの同人誌「こをろ」に参加する。1942年、東大を繰り上げ卒業して海軍に入隊し、敗戦を中国・漢口で迎えた。46年に復員して志賀直哉に師事。同年「年年歳歳」でデビューした。戦時下で苦悩する青春像を描いた「春の城」や「雲の墓標」、広島の原爆を題材にした「魔の遺産」などを次々に発表し、作家としての地位を確立。安岡章太郎、遠藤周作、吉行淳之介らとともに「第三の新人」と呼ばれ、戦後文壇をリードした。

 戦友を失い、廃虚と化した故郷の広島を目の当たりにした阿川氏の心に長い間残っていたのは、「生き延びてしまった」という抜き難い無常観だった。戦後を生きる者として戦争と向き合い、端正な文体で鎮魂の文学を確立した。ベストセラー「山本五十六」「米内光政」「井上成美」の提督3部作では、登場人物に寄り添い、なぜ勝算のない戦争に突入していったのかを鋭く問い掛けた。

 生涯の師と仰いだ志賀直哉の最後の門下生。長編「志賀直哉」では、「小説の神様」と言われた文豪の素顔に迫った。食べ物や乗り物を愛し、洒脱(しゃだつ)な文章にユーモアを交え、「奇人狐狸庵」「南蛮阿房列車」「食味風々録」などのエッセーもつづった。

 他に「暗い波濤」「軍艦長門の生涯」など著書多数。2005年には「阿川弘之全集」(全20巻)が刊行された。日本芸術院会員。1999年文化勲章。

287とはずがたり:2015/08/08(土) 11:20:27
阿房列車のイメージだけど提督3部作ぐらい読んでみようかねぇ。。

歴史事実としてwikiとか熟読するのは面白い─色んな素人が編集するので無味乾燥ではない─けど,小説とかの大戦モノは影響受けた連中が多すぎて食傷気味だからあんま興味がないんだけど。

288とはずがたり:2015/08/22(土) 07:40:30

村上春樹氏の新著、9割買い取り=紀伊國屋書店、ネットに対抗
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/140/263c84a2863233b65a4cb524220fb4c6.html
(時事通信) 00:43

 大手書店の紀伊國屋書店(東京)は21日、作家の村上春樹氏の新著「職業としての小説家」(スイッチ・パブリッシング刊)の初版10万冊のうち9万冊を買い取り、自社店舗と取次店を介して全国の書店で9月10日から販売を開始すると発表した。書籍のインターネット販売に対抗し、街中の「リアル書店」の活性化を目指す新たな取り組みだ。

289名無しさん:2015/08/23(日) 15:00:38
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150821-00000164-sph-soci
直木賞・東山彰良さん、贈呈式で感謝「誰かが見限っていたらこの場には立っていなかった」
スポーツ報知 8月21日(金)19時58分配信

 第153回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の贈呈式が21日、都内のホテルで行われ、「流」で直木賞を受賞した東山彰良さん(46)は「受賞後は、僕の作家人生で空前の忙しさ、充実した日々でした。この場を借りてお礼を申し上げたいです。僕はデビューして12年。商業的にはあまり売れない、パッとしない作家でした。(協力者の)誰かが見限っていたらこの場には立っていなかったと思います」とあいさつした。

 選考委員会では、満場一致で「流」が選ばれた。選考委員の一人、高村薫氏は、こう絶賛した。「それぞれ好みが違う選考委員が皆絶賛しました。奇跡のようなこと。心底読んでいて楽しく、終わりに近づくのが惜しい作品というのは決して多くない。私にとってもこの10年で間違いなくベストです。1970年代の台北の描写を読んでいて、選考委員であることを忘れてしまった。『流』の世界が中国語圏の生活感覚にしっかり密着している。小説家としての天性の才能を感じます。東山さん、素晴らしい小説を本当にありがとうございました」

 以下、東山さんの「受賞のことば」

 拙著がかくも栄誉ある賞に選ばれたことに、ただただ戸惑うばかりです。上梓直後から大作、重厚などと評していただきましたが、じつのところ、それほど肩肘を張って書いたという記憶はありません。それどころかきわめて個人的なエピソードを忘備録的に綴った面があります。最初は短編、長くても中編くらいのつもりで書き始めました。しかし、私に忘れてもらいたくないエピソードは存外にたくさんあったようです。次から次へ懐かしい思い出が訪れ、執筆中は楽しくて仕方がありませんでした。

 わたしは間もなく四十七で、子供のころわたしを守ってくれていた大人たちはほとんどが黄泉路へと旅立ってしまいました。彼らがいた世界は、いまではわたしの記憶のなかにしか存在しません。それでもふとした瞬間に、彼らの気配を感じてしまうことがあります。至福のとき、失意のどん底にいるとき、ただぼんやりしているときに。

 死者たちがわたしとともに在る。生きている者たちと同様、彼らにも感謝しています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150806-00000068-dal-ent
直木賞受賞東山氏 テキーラマエストロ 学生時代はヘビメタに
デイリースポーツ 8月6日(木)15時28分配信

 第153回直木賞を受賞した東山彰良さん(46)が、4日放送のRKB毎日放送の情報番組「今日感テレビ」(月〜金曜 13時55分〜)にスタジオ生出演。次回作について「もう書き終わりました。次は(ジャンルは)SFです」と明かした。

 東山さんは9歳から福岡県で暮らし、現在は同県の小郡市在住。西南学院大学で非常勤講師を務めている。地元の小郡市立図書館では、現在約50人が受賞作「流」の予約順番待ちで、読むまでに半年くらいかかる状況といい、地元での人気はひときわ高い。

 この日、同番組では「東山さんをもっと知りたい!この情報は本当ですか?」との企画を用意。「学生時代ヘビメタにはまっていた」、「テキーラのソムリエ資格をもっている」という情報に、東山さんは「本当」と答え、小説家や大学の非常勤講師としてだけではない、意外な一面を垣間見せた。「(当時ヘビメタは)相当ハマっていました。(自分で)演奏もするし、いつか世界に出る日に備えて、アイラインのひき方とか練習してました(笑)」、「最近はソムリエといわずに、テキーラマエストロといいます。お酒が好きでいろいろ飲んで、たどり着いたところがテキーラだった」などと明かした。

 東山さんは、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹と綾部祐二がMCを務める同局の福岡ローカルのバラエティ番組「TEEN!TEEN!」((月曜23時53分〜)にも出演する。番組HPによると、「又吉直樹 祝!芥川賞受賞SP企画」と題し、東山さん行きつけのラーメン屋で、受賞裏話や作家の悩みなど「芥川賞・又吉×直木賞・東山」の貴重なトークを17日に放映予定という。

290名無しさん:2015/08/23(日) 15:02:21
>>289

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150718-00000038-scn-cn
「台湾人が直木賞を受賞した!」・・・戦後世代初、台湾では又吉さんの芥川賞より高い関心
サーチナ 7月18日(土)13時57分配信

 第153回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の受賞者・受賞作品が発表された16日夜から、台湾では「台湾人が受賞」の記事見出しが躍った。直木賞受賞者の東山彰良さんが台湾出身だからだ。芥川賞受賞の又吉直樹さんも芸能人として著名なため注目を集めたが、台湾では東山さんの受賞への関心の方が高い。

 台湾の中央通信社は東山さん関連の話題を動画ニュースを含め、14本も配信した。台湾で東山さんの直木賞受賞が喜びと誇りをもって大きく報道されているのは、日本文化に対する“リスペクト”が根強い上に、“日本文化リスペクト”を表明することが自然なこととして定着しているからと考えられる。

 東山さんは1968年生まれで、現在は46歳。本名は王震緒。5歳の時に父親に連れられて日本に渡った。9歳の時にいったんは台湾に戻ったが、ほどなくして改めて日本に渡った。一族は山東省の出身で、東山さんは父から、「父は日中戦争時に遊撃隊として日本に抵抗した」といった話を聞いた。一家はその後、国共内戦の敗北に伴い、台湾に渡った。

 直木賞受賞作品は「流」。戦争に翻弄される一家を描いた。東山さんは父親から聞いた話などにもとづいたと説明し、物語の大半は事実と述べた。東山さんの父親の王孝廉さんも作家として研究者・作家として活動している。王孝廉さんは「流」について「作品中の日本人も中国人も台湾人も悪人としては描かれていない。悪事もしたが、それは環境や時代に強要されたものだ。それこそ戦争の悲劇なのだ」と述べた。

 台湾最大野党の民進党の蔡英文主席(党首)は王孝廉さんの見方に強く感銘したとして、戦争を経験した世代の癒えない傷を知ることは、「平和こそがわれわれの世代が追及すべき時代の精神と、目を開かせてくれる」と述べ、過去を知ることは、「(かつて敵対した人が)互いに包容し、互いに許す」ためとの考えを示した。

 東山さんは「流」について「最初は、日本人の読者の方に、これほど支持されるとは思いもしませんでした」と説明。作品が大きく評価された理由について「過去のことを思う気持ちは日本人とか台湾人とかに関係なく、普遍的な感情なのでしょう」と述べた。

 台湾出身および中華民国国籍保持者の作家が直木賞を受賞するのは第33回(1955年下半期)に「香港」で受賞した邱永漢さん(1924-2012年)、第60回(1968年下半期)に「青玉獅子香炉」で受賞した陳舜臣さん(1924-2015年)に続き、東山さんが3人目。陳舜臣さんは神戸生まれなので、台湾生まれとしては東山さんが2人目。また、東山さんは戦後生まれでは初めてだ。

**********

◆解説◆
 台戦後になり、台湾には国民党関係者や軍人、支持者が大陸から大量にやってきた。彼らおよび彼らの子孫は「外省人」と呼ばれる。戦前からの台湾住民は「本省人」だ。戦後の台湾では、双方の深刻な対立が発生した。本省人による外省人襲撃もあったが、犠牲者や被害者が圧倒的に多かったのは本省人の側だった(2.28事件、白色テロなど)。

 外省人に対しては、引き上げた日本人にかわって利権を握り、台湾の政治、社会、経済を支配したとの指摘がある。しかし実際には、外省人でも社会の上層部に位置したのはひとにぎりの特権階級で、敗残兵や難民として台湾に渡った多くの外省人は、極めて苦しい生活を強いられた。

 東山さんの祖父は、抗日活動に加わったが「非正規のゲリラ」だったので「国民政府軍人」とは認められなかったという。詳しくは伝えられていないが、相当に苦労したと想像できる。

 「東山彰良」のペンネームの「東山」の姓は一族の出身地である「山東」の地名を逆にしたもので、名の部分の「彰」の文字は、幼いころに台湾の「彰化」で暮らしたことことによる。(編集担当:如月隼人)(写真は中央通信社の動画ニュース掲載頁のキャプチャー)

291名無しさん:2015/08/23(日) 15:03:01
>>290

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150718-00000005-ftaiwan-cn
直木賞受賞の「流」、台湾野党トップも注目 「早く中国語版の出版を」
中央社フォーカス台湾 7月18日(土)19時6分配信

(台北 18日 中央社)来年1月の総統選挙に野党・民進党から出馬する蔡英文主席は17日、直木賞に選ばれた台湾出身の作家、東山彰良(本名:王震緒)さんの小説「流」について、自身のフェイスブック上で、「台湾という土地が持つ傷跡や物語を、より多くの台湾人に知ってもらいたい」と語り、1日でも早い中国語版の出版に期待を示した。

「流」は、国共内戦など時代に翻弄される家族にスポットを当てた作品で、1970〜80年代の台湾が主な舞台。ストーリーは東山さんが父・王孝廉さんから聞いた話が基になっており、主人公の少年は父がモデルだという。

蔡氏は、戦後に育った台湾の人々が同書を通じ、戦争を経験した世代の記憶を知ることは、「平和こそが追求すべき精神であると我々に気付かせてくれる」と述べた。

1968年、台北に生まれた東山さんは、16日の記者会見で「台湾は僕の国。この本がもし中国語に翻訳されることがあれば、これに勝る喜びはない」と語っている。

(葉素萍/編集:杉野浩司)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150717-00000010-ftaiwan-cn
直木賞受賞の東山彰良さん「台湾は僕の国」
中央社フォーカス台湾 7月17日(金)18時11分配信

(東京 17日 中央社)直木賞に選ばれた台湾出身の作家、東山彰良(本名:王震緒)さんは16日、東京都内で開かれた記者会見で、「台湾は僕の国。この本がもし中国語に翻訳されることがあれば、これに勝る喜びはない」と笑顔を見せた。

東山さんは1968年、台北生まれ。9歳で福岡に移住したが、その出自から自らのアイデンティティーに悩んだこともあった。会見では「僕にとって、『家族』が自分の確固たるアイデンティティーが持てる場所」だと語り、家族の物語を描いた受賞作「流」もそうした思いで書いたと述べた。

(楊明珠/編集:杉野浩司)

292名無しさん:2015/08/23(日) 15:04:22
>>291

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150717-00010005-nishinp-l40
直木賞に東山さん 「20年に1度の作品」と激賞 台湾生まれ、福岡在住
西日本新聞 7月17日(金)10時21分配信

 第153回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で行われ、芥川賞は人気お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さん(35)=東京都=の「火花」(文学界2月号)と羽田圭介さん(29)=同=の「スクラップ・アンド・ビルド」(文学界3月号)に、直木賞は東山彰良(あきら)さん(46)=福岡県小郡市=の「流(りゅう)」(講談社)に決まった。

 又吉さんは綾部祐二さんとコンビを組み、テレビや舞台で活躍。太宰治好きの「読書芸人」としても知られる。受賞作は若手芸人と先輩芸人の日々を描いた。

 羽田さんは東京都生まれ。高校在学中の2003年に「黒冷水」で文芸賞を受賞しデビューした。受賞作は、求職中の若者が、同居する祖父の介護を通して自分を見つめ直す物語。

 芥川賞選考委員の山田詠美さんは「火花」を「どうしても書かざるを得ない、という切実さを感じた。主人公とカリスマ性のある先輩の火花が散るような関係が描けていた」と評し、「スクラップ-」を「主人公の愚かさが魅力的という不思議さがある」と話した。

 直木賞の東山さんは台湾生まれ。9歳から福岡県に暮らす。西南学院大大学院修了後の2003年にデビューし、09年に「路傍」で大藪春彦賞を受けた。受賞作は、国民党の戒厳令が続く1975年の台湾が舞台。祖父を何者かに殺された主人公の青春の日々を描きつつ、自身のルーツ、祖父の死の真相に迫っていく。

 直木賞選考委員の北方謙三さんは「20年に1度の作品。汗のにおいと血の色がある。欠点のつけようがない青春小説だ」と激賞した。

 贈呈式は8月下旬に東京都内である。賞金は各100万円。

=2015/07/17付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

293名無しさん:2015/08/23(日) 15:04:33
>>292

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150802-00000001-withnews-ent
「20年に1回の直木賞」東山彰良『流』の存在感 大御所・北方謙三が大絶賛 又吉だけじゃない注目作品
withnews 8月2日(日)5時30分配信

 20年に1回の直木賞……先日発表された第153回直木賞を受賞した東山彰良さん「流」は、選考委員にそう激賞されました。芥川賞のピース又吉直樹さんが注目を集めていますが、こちらも見過ごせません。台湾出身の作者が、家族のルーツと向き合った青春小説です。

「歴史的な受賞作」
 芥川・直木賞で受賞作が発表されると、有名作家が名を連ねる選考委員が報道陣に選考の経緯などを説明します。直木賞の選考をした北方謙三さんによると、「流」は満票で選ばれました。
 北方さんはさらにベタ褒めでした。「20年に1回という素晴らしい作品。歴史的な受賞作にもなり得る。大変な商売敵を選んでしまった」

20世紀の台湾庶民史
 大御所にここまで絶賛される「流」は、どんな作品なのでしょう。
 主人公は秋生(チョウシェン)。高校生の1975年、二つの死から物語は始まります。台湾の総統・蒋介石と、何者かに惨殺された祖父。
 秋生は祖父を殺した犯人を捜します。この祖父は、戦中に蒋介石率いる国民党に付き、共産党との内戦に敗れ台湾に渡りました。大陸では住民の大量殺害に関わり、現地には事件の記憶をとどめる石碑が残っています。

 この設定は、家族の実話を膨らませたそうです。

 台北に暮らす秋生の周囲にも、戦争に翻弄された台湾の人々の姿が描かれます。
 祖父ら「外省人」は大陸に戻ることを願い、もともと台湾にいた「本省人」を見下します。日本統治時代を懐かしむ本省人もいて、秋生は彼らとの交流をきっかけに日本に興味を抱きます。
 東山さんは受賞会見で「僕が知っている1960年代後半から70年代の台湾には戦争の影が非常にあった」と語っています。

青春小説、モデルは父
 歴史の悲劇を感じさせますが、痛快なまでの青春小説です。
 けんかに明け暮れ、恋をして、挫折のなかでもがく成長物語。そんな主人公のモデルは東山さんの父親です。

 東山さんは1968年に台湾の台北市で生まれました。9歳で日本に移住し、福岡で育ちました。「母国語は日本語」というほど日本になじんでいます。しかし、日本にも台湾にもよりどころがない不安がありました。

 揺るぎなかったのは家族の存在でした。受賞会見で「家族は確固たるアイデンティティが持てる場所」と語っています。
 
 極上のエンターテインメントでありながら、戦後70年の節目に、歴史や戦争について考えさせる直木賞作品になりました。
 芥川賞の又吉さんフィーバーを逆手にとって、東山さんは「直木賞にも注目してもらえたら丸もうけだ」と会見でおどけました。その言葉の通りに、「20年に1回の直木賞」にふさわしい小説と言えそうです。

294名無しさん:2015/08/23(日) 15:05:25
>>293

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150816-00044592-gendaibiz-bus_all
【『流』直木賞受賞記念対談】伊集院静×東山彰良 人間の「覚悟」と「運命」について語ろうか
現代ビジネス 8月16日(日)6時2分配信

 伊集院氏は言う。「移民の子がことさら不幸と言うつもりはない。ただ何かをする時、人より覚悟が必要なだけだ」。ともに異国をルーツに持つ二人の作家が、人生、家族、そして小説について熱く語り合う。

真実と事実は違う
 伊集院 受賞おめでとう。長く直木賞の選考をしていて、これだけ高い評価を受けた作品はなかなかありません。

 東山 ありがとうございます。まだ身辺が落ち着かない感じです。

 伊集院 私のように韓国にルーツを持つ作家はこれまでいましたが、台湾の人がなかなか出てこないと思っていたら、こういうかたちで読めるとは。一読者として読んでまず感じたのは幸福感。描かれているのは戦争とか、抗争とか、なかなかに大変な世界なんだけれども、読んでいるときの感覚は至福といってもいい……と言うと「そんなに幸せがないのか」と言われそうだけど。

 東山 そんな(笑)。

 伊集院 主人公のモデルは、お父さんですね。

 東山 そうです。それと、祖父と。ずっと疎遠だったんですが、祖父が亡くなったときに親戚たちと話をしていて、若いときにあんなことがあった、こんなこともあった、という話を聞いて興味を持って……。祖父に直接は聞けなかったんですが、当時中国で存命だった祖父の兄弟分の人に話を聞きに行ったりしました。

 伊集院 おじいさんが、日本軍の協力者の住む村を全滅させたことが書かれた碑が建っている、という場面から物語は始まる。

 東山 ええ。僕の父は大陸で生まれて、5歳で台湾に逃れているんですが、どうしても自分のルーツを知りたいと、中国への渡航解禁の前にフランス経由で本土に渡ったんです。山東省で祖父の名の入った碑を見つけたとき、どこからかやってきた爺さんに「お前はこいつの孫か」と言われて怖くなったという話を聞いたので、冒頭に使いました。

 伊集院 あれは象徴的だね。おそらく事実はもっと悲惨で、今でも相当な確執があるんだろうなと。

 たまたま私の父と母も戦前に朝鮮半島から渡ってきた人たちで、私も朝鮮戦争の頃にスパイ容疑をかけられた私の母の弟を、父が助け出しに行く話を書いたんだけど……。

 東山 『お父やんとオジさん』('10年)ですね。あれはやっぱり本当の話だったんですか? 
 伊集院 そう。でも、父親の物語を書こうにも、当時父は密航をしたわけだから、その頃のことを話したがらなかった。

 東山 うちのじいさんも、何も話さなかったです。

 伊集院 そうですか。でも、本人の話を聞いていたら、もしかしたら書けなかったかもしれない。小説を書くということは、「真実」を見つける作業ではあるけれど、「事実」を書くことではない。こうあってほしい、こんな人間がいたら面白いだろうという物語を、作家が作り上げていくわけだ。

 東山 そう思います。

 伊集院 でも、「ああ、これは事実なんだろうな」という強さは、所々で感じましたね。あと、ユーモアも独特。「共産党が国民党の兵士を鍋で煮た」なんて、とても日本人作家には書けない(笑)。

 東山 ハハハ。書いちゃいました。

295名無しさん:2015/08/23(日) 15:05:55
>>294

あなたには書く運命があった
 伊集院 そして、『流』の良さはもう一つ、誰が読んでも物語のエピソードを自分に置き換えられる普遍性を持っていること。自分の若いときを重ねられる箇所がいくつもある。名作の一つの条件だと思う。

 東山 うれしいです。この小説では、以前は怖くて書けなかったことを、開き直ってやった感があります。恋愛だったり、喧嘩だったり、「ベタだな」と思われるかもしれないけど、とにかく一度、思い切り書いてみようと。

 伊集院 それが小説というものだよね。あと、文中に王?という人の詩が出てくるけど……。

 東山 あれは、実は父の筆名で、詩は父の若い頃の作品なんです。

 伊集院 へぇー。〈わたしは水のなかで暮らしているのだから/あなたにはわたしの涙が見えません〉って、すごくいい。

 東山 父のことを書いた作品だから、何か、父のことを絡めようと思って。

 伊集院 つまり親子二代の作品だったんだ。日本へ移住されたのはいつ? 
 東山 5歳です。最初は広島に住んで、2年くらいして父親の仕事が台湾で見つかりそうだということで一度台湾へ戻ったんですが、ダメになって再び父が日本へ行き、福岡に家族を呼び寄せたのが9歳のときでした。

 伊集院 私の周囲にも台湾の人は多かったよ。

 東山 そうなんですか。

 伊集院 私に野球を教えてくれた人がそうだったし、同級生にも。その子と喧嘩するたび、母に「何で移民の子同士が喧嘩するの!」と叱られた。

 東山 今、お話を伺って思い出したんですが、僕も広島にいる頃、隣がやはり韓国からの移民の方でしたね。で、正面がインド人の一家。僕もそこの子たちと遊んでいて、やはり「喧嘩するな」と。

 伊集院 人のルーツにまつわる作品は、必要以上に本人と重ねて想像してしまうところがあるけれども、私が強く感じたのは、人間にはその人を導く運命の糸のようなものがあるんじゃないかということ。

 たとえば、あなたのおじいさんがちょっと違う道を選んでいたら、お父さんもあなたも存在していなかったかもしれない。さらに、その糸が『流』を作り、しかもそれが日本と台湾、中国という、極東アジアの国々で結ばれているダイナミックさ……それが東山さんの作家としての運命だとしたら、素晴らしいことだと思うんです。

296名無しさん:2015/08/23(日) 15:06:33
>>295

祖国とは何か
 東山 「運命の糸」の証拠になるかはわかりませんが、僕は小さい頃から大人たちの話を聞くのが好きだったんです。周りになぜかホラ吹きの大人がたくさんいて……。

 伊集院 ハハハ。いいね。

 東山 彼らは何でもないことを、子どもがドキドキ、ワクワクするような語り方で話す。この小説を書いている間は、そういう人たちに少し近づけたような感覚を味わえて、すごく楽しかったです。

 伊集院 私もあなたも移民の子だよね。だから書く小説に対して「彼らにしか書けない特別なものだ」と言われることがあるけど、それはけっこう面倒くさい。その作家の持っている将来性が、いつもそこへ帰依していってしまうと、作品がだんだん小さくなるんだ。

 東山 そうですよね。

 伊集院 国籍やルーツというのは、背中に貼られたシールのようなもので、剥がすわけにはいかない。だからといって利用するわけでもない。小説を書くときにも、この国に生まれ育った人たちよりも「覚悟」を決めなきゃいけない部分がある。出発が難儀であるぶん、覚悟ができる。そのことはいいことなんじゃないかと。

 東山 はい。僕が中国の大学に留学したとき、校内新聞の取材を受けたことがあるんです。初の台湾籍の大学院生ということでいろいろとお話ししたんですが、結局、アイデンティティーの話になるんです。「自分をどこの国の人間だと思うか」「台湾は中国の一部か」と、モヤモヤしたところを突いてくる。それで結局、「彼が最終的に我々の祖国の意識に目覚めることを期待する」という感じでまとめられていて、すごく違和感がありました。

 伊集院 私も韓国で取材を受けると、必ず「あなたの祖国はどこですか」と訊かれる。それに私は、「私に祖国はない」と答えているんだ。

 東山 おお。

 伊集院 父母の祖国が息子の祖国だとは限らないと。それでもしつこく訊かれると、「俺の祖国はギャンブル場だ!」と言うことにしている。

 東山 ハハハ! 「祖国はない」という感じ、すごくわかります。僕は「台湾で生まれて日本で育った人間」としか言えない。国境で区切られた場所の中に限定できなくて。

 伊集院 そういう人間が日本語で小説を書く意味というのも、私は考えましたね。それは、小説自体がしっかりしたものでないといけないという当たり前のことなんだけれども……。

 でも、書くと覚悟を決めたとして、その背中に乗るものは、私は何でもいいと思っているんです。金がほしいとか、女にモテたいとか、カッコいい人生にしたいとか、むしろ理由がくだらなければくだらないほど、小説家に近づくんじゃないかと。小説はイデオロギーで書けるほど生易しいものじゃないし、やっぱり身体とか、その人が発する熱で書くものだと思うから。

 東山 同感です。

 伊集院 だから、選考委員だけじゃなく、既成の作家たちも『流』にそういうものを感じるんじゃないかと……というと褒め過ぎだけど、まあ、今くらいしか褒めるタイミングがないから(笑)。

 東山 フフフフ。小説を書き始めたときのことはよく覚えているんです。'00年の12月、暮れも押し詰まった晩で、当時、次男が生まれたばかりなのに仕事がなく、博士論文が却下されて学位を取るのも絶望的な状況。にっちもさっちもいかない、これからどうするんだという夜、家族が寝静まってからパソコンを立ち上げて、プロットもなしに書き始めたんです。

 伊集院 ほぉ。

 東山 朝まで書いたら、パソコンがフリーズして全部消えた。嫌になるかと思ったら、推敲しながらもう一度書き始めていた。そのまま3ヵ月くらい書き続けて、最初の小説を仕上げました。

 伊集院 それはすごいな。

 東山 そのときも、書いていてすごく楽しかったんですよね。現実逃避だったと思うんですけど。

297名無しさん:2015/08/23(日) 15:07:20
>>296

楽天的でいいじゃないか
 伊集院 生きるということは、多分にそういうものなんだよ。悪いことをして隠れていたら、そこでたまたま埋蔵金の地図を見つける、ということが往々にしてある(笑)。話を聞いていると、あなたはとても楽天的なのかもしれないな。でも、小説家は楽天的じゃなきゃダメだと、私は思う。

 東山 そうですか。

 伊集院 そうでもなきゃ、にっちもさっちもいかない小説を書いて「もしかしてこれ、ベストセラーになるんじゃないか?」なんて思えないし(笑)。

 東山 たしかに。僕も、悲観的なふりをした楽天家かもしれません。自分の精神が壊れるところなんか、想像できない。

 伊集院 そのくらいでないと、開き直って小説は書けないと思うね。たぶんあなたは、次は全然違うタイプの作品を書くんじゃないかという気がするんだけど……。

 東山 はい。次に考えているのはSFです。

 伊集院 読者はたぶん『流』と同じタイプのものを求めると思うよ。それで「前のものと比べるとちょっと」とか、失礼なことを言うんだ(笑)。

 東山 おぉーっ。

 伊集院 それに対しての私の返し方は「読者は王様ですから」。でも、そこには裸の王様も含まれている(笑)。だから、媚びすぎてもしょうがないんだな。作家は一人で考えて一人で決着をつけていかないといけない仕事だし、小説は常に変化し続ける生き物だから、次に書く作品がいつも一番新しく、厄介なものだと思っておかないといけない。

 東山 そうですね。自分の中で準備ができたらまた、『流』に連なるものを書くつもりです。

 伊集院 それは甘い(笑)。ゆっくり準備してないで、もっと追い込まれて、書き続けてください。

 (構成/大谷道子 写真/熊谷貫)

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いじゅういん・しずか/1950年山口県生まれ。CMディレクターを経て、'81年短編小説『皐月』でデビュー。'92年『受け月』で直木賞を受賞。現在は同賞の選考委員を務める。近著は『無頼のススメ』(新潮社刊)。本誌上にて『それがどうした 男たちの流儀』連載中
ひがしやま・あきら/1968年台湾生まれ。5歳まで台北で過ごし、9歳の時に日本へ。福岡県在住。'02年『タード・オン・ザ・ラン』で第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞。'03年同作を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』でデビュー。『流』で第153回直木賞受賞
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 『流』
著者:東山 彰良 講談社:1600円
1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。大陸から台湾、そして日本へ。歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。台湾生まれ、日本育ち。超弩級の才能が、はじめて己の血を解き放つ! 友情と初恋。流浪と決断。圧倒的物語。

 「週刊現代」2015年8月15日・22日合併号より

週刊現代

298名無しさん:2015/08/30(日) 16:37:45
>>288

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150825-00000021-nkgendai-life
紀伊国屋が村上春樹の新刊買い占め 「独禁法」クリアできるか
日刊ゲンダイ 8月25日(火)9時26分配信

 あの紀伊国屋書店が村上春樹を買い占め――。こんなニュースが注目されている。

 話題の本は村上氏が9月10日に発売するエッセー集「職業としての小説家」。「スイッチ・パブリッシング」が刊行するもので初版は10万部だ。このうち9万部を紀伊国屋が買い取ったのち3万〜4万部を自社で販売。残りをトーハン、日販などの取次会社を通して他の書店に流通させるという。

 目的は「アマゾン」などネット書店への対抗策と報じられている。紀伊国屋が買い取ったあとの残りは1万部。スイッチ社はこのうち5000部を販促イベント用に取り置くため、アマゾンには5000部しか渡らないことになる。買い取りのため紀伊国屋は在庫リスクを抱えるが、店頭への集客につながると判断したようだ。

 ずいぶん大胆な作戦に打って出たものだが、気になるのが「買い占め」だ。9割も仕入れた場合、独占禁止法に抵触しないのか。

「独禁法で処罰される買い占めは企業などが自分の立場を不当に利用して、他社を市場から排除する場合です。下請けに対する地位を生かして買い占めるような行為を指します。紀伊国屋の場合は立場の不当な利用にあたらないため違法ではありません。法理上はお金持ちがお店で爆買いしても法に触れないのと同じです」(元東京地検検事で弁護士の落合洋司氏)

 小売店が人気のゲームソフトや人気女優のAV、多くのファンを抱える「ペヤングソースやきそば」などを買い占めて売っても、立場の不当な利用でなければOKだという。「今回の作戦は紀伊国屋にとってオイシイ商売です」とは都内の中堅出版社社長だ。

「通常、本を売った際の書店の取り分は1割ちょいですが、今回は直接取引。出版元は65%くらいで紀伊国屋に卸しているはずだから紀伊国屋の利幅は35%。通常の2倍以上になります。もともと村上さんの本はバカ売れする上に、買い取りの一件がニュースになって宣伝効果は十分。話題づくりのために仕掛けたんじゃないですか」

 リアル書店vsアマゾンの戦いで神輿に乗った村上氏。何をやっても話題になる人だ。

299とはずがたり:2015/08/30(日) 18:45:15

2015/8/29 15:00
「夜」は古代にどう表現? 言葉の移ろい20年かけ辞典に
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201508/0008347634.shtml

編集に20年を要し「現代語古語類語辞典」を出版した芹生公男さん=加東市上滝野
http://tohazugatali.we b.fc2.com/book/b_08347636.jpg

 元西脇高校長の芹生(せりふ)公男さん(78)=加東市上滝野=が「現代語古語類語辞典」(三省堂)を出版した。約2万1千の現代語が、万葉集のころや江戸時代などに、どのような言葉で表現されていたかを調べられる。その数延べ約32万4千語。芹生さんの辞典を愛用する脚本家の内館牧子さんは「読み物としても、とてつもなく面白い」と絶賛している。(吉岡猛逸)

 長く高校の国語教諭を務めた芹生さんは西脇高の校長だった1995年、現代語から古語を引く「古語類語辞典」を出版し好評を得た。その後20年をかけて新たに編集したのが今回の辞典。「日本語を広く、深く見渡すことができる初めての総合類語辞典。日本語の歴史を知る上でも貴重な資料」と自負する。

 今回は「大辞林」と「福武古語辞典」を基礎資料に用いた。短歌用語辞典や歳時記などの語も加えた数十万語を、データベース化して整理した。

 収録した語は上代(平安時代以前)、中古(平安時代)、中世(鎌倉〜安土桃山時代)、近世(江戸時代)、近代(第2次世界大戦まで)、現代の六つの時代に区分。現代語を見出しとして五十音順に並べ、それぞれの同意語、関連語を収めた。

 例えば「よ(夜)」を引くと、「ばんこく」(近世)▽「よさ」(中世)▽「よさり」(中古)▽「よひ」(上代)-などと、類語を時代別に知ることができる。

 「雨」は357、「風」は498の類語が収められ、最も多いのは「死ぬ」の660語。芹生さんは「類語の多さから日本民族が古来、何に強く興味、関心を持ち続けてきたかを読み取ることもできる」と解説する。

 NHK大河ドラマの脚本も手掛けた内館さんは、芹生さんが前に出した「古語類語辞典」が手放せなかったという。今回の出版にも「ある単語を中古ではどう言ったか、中世では、近代では…と追っていくと、かつての日本人は、こんなにも美しく豊かな日本語を使っていたのかと目がさめる」などと推薦のメッセージを寄せた。

 B6判、2160ページ。6264円。三省堂TEL03・3230・9412(営業)

300とはずがたり:2015/08/30(日) 21:38:23

>再販制は、戦後に薬やガソリンなど生活に必要な商品の多くで採用され、メーカーを保護することで各分野の復興を促しました。しかし、市場の成熟に伴って、メーカーが販売店に定価を強制するのは公正な取引を妨げると、多くの分野では再販制は外れていきました。

リブロ池袋本店は金食い虫? 元店長が閉店理由を分析〈週刊朝日〉
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20150822/asahi_20150822_0003.html
dot. 2015年8月22日 11時39分 (2015年8月23日 12時52分 更新)

 1980年代から90年代にかけて、西武池袋店内のセゾン美術館とともに、「セゾン文化」と称される贅沢(ぜいたく)な空間を作りだしていたリブロ池袋本店が閉店した。リブロが生み、残してきたものから見えてくる戦後の書店の潮流とは何か。リブロ出身で現在はジュンク堂書店池袋本店副店長の田口久美子さんをインタビュアー・木村俊介氏が取材した。
*  *  *
 私がリブロで仕事をしたのは76年から97年まで。93年から97年までは池袋本店の店長を務めました。あの「池袋リブロ」がなくなってしまうのはやはり残念ですよね。

 ただ、西武百貨店にリブロが設立された75年当初から、百貨店の中でリブロはすでに「金食い虫」と言われ、利益の出にくい存在でした。今回の閉店に至るまでの流れにも、他業種に比べての利益率の低さも関係しているかと思います。

 書店業界は、戦後まもなくできた再販制(53年施行)に、ずっと縛られてきているんですよね。出版社は取次を通して新刊を卸す。書店は売れ残れば返品でき、出版社は定価で再出荷できる。販売リスクを減らすこの再販制のおかげで、戦後、小さな書店も含め商売ができ、世界でも出版大国と言われるほどの流通網ができました。ただし、安定した流通を支える取次がマージンを取るため、書店の利益率は小売業でも最低の水準のまま今日まで来ています。

 再販制は、戦後に薬やガソリンなど生活に必要な商品の多くで採用され、メーカーを保護することで各分野の復興を促しました。しかし、市場の成熟に伴って、メーカーが販売店に定価を強制するのは公正な取引を妨げると、多くの分野では再販制は外れていきました。

 最終的には、CDまで再販制は有名無実化し、今では事実上、書籍と雑誌、新聞だけが再販されているわけですよね。書店は低い利益率による経営を大型店化で何とか補い続け、小さな店舗は潰れていきました。でも、それが今では本が売れないのとネット書店の繁栄とで、もはや大規模店も潰れそうになっているんですね。今回のリブロ池袋本店の閉店も、そうした一連の流れの延長線上にあると捉えています。

 創業が70年代半ばと、書店としては後発だったのもあって、池袋リブロには、業界内での、いわゆる「はぐれ者」ばかりが書店員として集まってきていました。置ける本の量では大手にはかなわない。そこで、当時どこでもやってなかった、「自分たちがこの社会を表現する棚を作るんだ」「イベントもやるんだ」という個性を出したのは、その後の書店業界に通じる一つの潮流を生んだとは思います。

301とはずがたり:2015/08/30(日) 21:38:38
>>300-301
 今も特に新興や地方の店舗は、基本的には棚作りとイベントで勝負していますから。その意味では、池袋リブロが閉店するのは残念ですが、魂を受け継ぐ場は残ったと言えるのかもしれません。私を始めリブロ出身者が何人か移って97年に開店したジュンク堂池袋本店にしてもそう。今の若いスタッフも「本の力を生かしたい」という気持ちは持っていて、昔とのつながりを感じますから。

 戦後の書店の大きな変化の一つとしては、女性の活躍も挙げられるかもしれません。今のジュンク堂池袋本店にしても、店内の企画の中心はおおむね30代後半の女性たちが担っています。これは私が働きだした女性に権限のない頃とは、ずいぶん変わりました。

 書店員の労働条件は厳しいのですが、「この業界で生きていくと決めた」とはっきり言ってくれるような、店内でも主力の女性たちはみんな、家の中で本に囲まれて育ったようなんですよ。実利以上に本そのものを大事にする、いわゆる「団塊ジュニア」の彼女たちの存在も、ある意味では戦後民主主義が次世代に生んだものではないでしょうか。

 他の変化としては、やっぱりネットやコンピューターの普及かと思います。

 今は、本というのは検索機でお客さん自身が探すものになりました。店の主役は、それこそかつての池袋リブロのようにムダなく作られた「棚」ではなくて、ムダも含めて多めに集めた本から探す「お客さん」になりました。「棚」が書店の主役たりえていた時代が、リブロ的な文化を代表とする流れの最盛期だったとも言えるのかもしれません。

 与えられたものを読むだけではないという意味で、書店は成熟したとも言えるでしょう。だから、ネット書店が伸びる時代だとも理解できます。しかし、多様性がある中から真の意味で新しい本が選ばれているとは、まだ言いがたい。

 受け取れる刺激がわかりきった安易な本が売れがちだという現実には、危機感がありますね。読者が歯ごたえのある本を求めていなければ、奥の深いものを書く人は存在できない。

 その点で、村上春樹さんのように人気と読みやすさを備えながらも、ものすごく複雑な世界を開拓し続ける作家がいるのは、とてもありがたいことなんです。

※週刊朝日 2015年8月28日号

302名無しさん:2015/09/07(月) 22:25:20
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150907-00000037-mai-soci
<太宰治>佐藤春夫に「芥川賞を私に…伏して懇願」手紙4m
毎日新聞 9月7日(月)14時0分配信

 作家、太宰治(1909〜48年)が、当時芥川賞選考委員の一人で師弟関係にあった作家の佐藤春夫(1892〜1964年)に、芥川賞の授賞を懇願していた手紙が見つかった。

 長さ4.1メートルに及ぶ巻紙には、毛筆で<第二回の芥川賞は、私に下さいまするやう、伏して懇願申しあげます><佐藤さん、私を忘れないで下さい。私を見殺しにしないで下さい>などと書かれ、芥川賞を切望しながら受賞できなかった太宰が、佐藤に泣訴する様子が生々しく読み取れる。第一級の資料が約80年間、人目に触れず保存されていたことに、専門家からは驚きの声が上がっている。

 佐藤の遺品を整理していた河野龍也・実践女子大准教授(日本近代文学)が発見、確認した。佐藤は実名小説「芥川賞」(36年)のなかで、この手紙の一文<……伏して懇願……>を引用していた。だが、文面があまりに直接的で手紙の現物が見つかっていなかったため、存在は研究者の間でも疑問視されてきた。一部で佐藤のフィクションとみられていた逸話が、事実として裏付けられた。

 太宰から佐藤へ芥川賞を請うた書簡としてはこれまで、今回の手紙の8日後に出した<芥川賞をもらへば、私は人の情に泣くでせう>と書いたものが広く知られていた。

 この頃の太宰は、文壇デビューを果たしていたものの自殺未遂を起こし、東大も中退。パビナール(鎮痛剤)中毒で借金もかさむ不安定な精神状態にあった。

 手紙は36年1月28日付。当時太宰は26歳。佐藤は43歳にして大家だった。太宰は前年の第1回芥川賞の候補になりながら落選、第2回の選考会が目前に迫っていた。太宰は前年、佐藤に才能を評価されて以降、親密な関係を続けていた。

 河野准教授は手紙の発見を「文学史上、欠けていた重要な部分が埋められた」と位置づけ、「太宰が相当に切羽詰まっていたことがよく分かる。プライドの高い太宰がここまですがるのは、2人の信頼関係の証しとも言える」と話している。また、太宰から佐藤に宛てた別の書簡2通も今回、新たに発見された。

 見つかった書簡の全文は、10月発売の「佐藤春夫読本」(勉誠出版)に掲載される。また11月には佐藤春夫記念館(和歌山県新宮市)での展示が予定されている。【棚部秀行】

303とはずがたり:2015/09/10(木) 05:47:29
電気書籍が嫌いな俺でもちょっと入手したくなるなw

キンドルで売れまくる「電子エロ本」の落とし穴
Kindlerotica
電子書籍端末で読める格安ポルノ小説がアマゾンの評判を貶めかねない
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2010/10/post-1679.php
2010年10月5日(火)17時56分
ジェームズ・レドベター

304とはずがたり:2015/09/10(木) 06:03:39
全然喋れないんだけど英語で文章書くのが俺の仕事の中で一番重要なんだけど英語で文章を書くと云う事は英語の発想法を強いられていることである,とは感じる所。だが二外に中国語を洗濯してしまった俺は独仏語辺りが全く判らなくてその辺が公平に判断出来ているかは判らない。英語ではなく印欧語風の発想法なのかもしれぬ。

英語による覇権は、希望か絶望か
英語は「ニュースピーク」ではないが、その世界言語としての地位は思考枠の均質化を招くかもしれない
http://www.newsweekjapan.jp/stories/movie/2015/09/post-3893_1.php
2015年9月4日(金)16時30分
今井亮一(東京大学大学院人文社会系研究科、2014年度サントリー文化財団鳥井フェロー)

 1つの言語が世界を覆う――この状況に私たちは、希望と絶望を同時に見ることができる。一方のユートピアの極は、言わば「バベルの前」だ。そこでは人々がスムーズにコミュニケーションをとることができ、まさに神をも畏れぬ大事業を企てることもできる。そしてもう一方のディストピアの極は、ジョージ・オーウェルの『1984年』が垣間見せてくれる。

 独裁者「ビッグ・ブラザー」、相矛盾する考えを同時に信じる「二重思考」など独自の用語で知られる『1984年』だが、わざわざ「補遺」まで付けて説明される「ニュースピーク」はこれらに比べ知名度が劣るかもしれない。党が英語に代えて普及を目指す、語彙を削ぎ、文法・発音を徹底的にシンプルにした言語のことだ。普及した暁には、反体制的な思考が原理的に不可能になると言う。言語を変えるだけで思考統制なんてできない、と思えるかもしれない。しかし例えば、「虹が7色に見えるから7色の言葉があるのか、それとも、7色に該当する言葉があるから虹は7色に見えるのか?」という認知言語学の問いを思い出せば、単純な言語では世界も単純に見え、ひいては複雑な思考が不可能になるという思惑もにわかに説得力を持つだろう。

 もちろんこれは極端な例で、今や世界言語たる英語はニュースピークではない。しかし、「文書を英語で作成しなければならない」と言われるとき、そこには「論展開などは英語のフォーマットに従わなければならない」といった含意もある。あるいは文学作品や映画の場合、「英語で流通しなければ意味がない」といった言が一定の説得力を持ってしまい、英訳されるには英語になって(も)楽しめる内容でなければならないという基準が出来てしまうならば、「世界言語としての英語」が思考枠の均質化を招く可能性も否定できないだろう。

 さて、2015年6月16日(火)に国際文化会館にて開かれたサントリー文化財団フォーラムでは、日本文学に携わる二氏を招き、『アステイオン』82号でも特集された「世界言語としての英語」をテーマに講演が行われた。村上春樹や谷崎潤一郎の作品を翻訳しているチェコのトマーシュ・ユルコヴィッチ氏と、上海生まれで現在は明治大学で教鞭をとる張競氏である。ここでの両氏の講演は、上で見たディストピアを逆照射した体験だと言える。2氏ともに外国語を、自国語だけでは見えなかった世界へのパスポートのように捉えていたからだ。

 確かにオーウェルは「東側」をモデルに『1984年』を書いたとされるが、言うまでもなくチェコ語も中国語もニュースピークでは全くない。(それを言えば、メディアに溢れる日本語だけで事足りるように感じられてしまう現在の日本の方が『1984年』に近いだろう。)にも拘わらず、そこに外国語という補助線を得て、さらには翻訳という作業を経ることで視野が広がったという話は、外国語学習が持つコミュニケーション手段の獲得という以上の意義を、改めて鮮やかに示すものであった。

305とはずがたり:2015/09/10(木) 06:03:53
>>304-305
 当たり前のことだが、翻訳は複数言語に精通する必要がある。「世界言語としての英語」を教育問題と絡めて論じる際、英語学習に押されて母語が疎かになる危険性がよく指摘される。いわば母語がニュースピーク化するわけだ。フォーラム当日、やはり日本の英語教育に絡んだ質問を受けた張氏の、「母語以上に外国語が上手くなることはない」という鋭い答えが、その危険を物語っている。母語もまた学ばなければ、その質が落ちていく。翻訳は複数言語に精通する必要があるというのは、外国語学習だけでは不十分だという意味もある。

 文学史を振り返れば、優れた翻訳は言語を豊かにしてきた。明治日本で西洋語の翻訳が日本語の幅を広げたという話は有名だと思われるが、英語もまた、その表現の最高峰にシェイクスピアと並んで必ずや欽定訳聖書が指摘される。しかも批評家として名高いF. O. マシーセンの、その名もズバリ『翻訳』という論文では、ラテンやギリシャの古典の英訳がシェイクスピアをはじめ当時の英語に影響を与えた「イングリッシュ・ルネサンス」が指摘されている。どんなに近い言語間でもその差がゼロということはあり得ない。それどころか講演では、漢字圏同士、アルファベット圏同士だと、つい引きずられて翻訳が上手くいかないという例も挙げられていた。とすれば翻訳とは、原理的には不可能かもしれないその差を埋めながら、実践的に最大限「等価」にすることだろう。だからこそ1言語の中だけでは起こらない変質が起こり、それはマズい場合には忘れられ、優れた場合には後世に残る豊かさを生む。

 と、ここで私たちは、一口に「○○語」と言っても、その中で「豊か/貧しい」「上手/下手」といった区別をしていることに改めて気づく。これはまた、「思索的/実用的」と換言してもよいのかもしれない。もし「世界言語としての英語」がユートピアを目指すとすれば、世界には英語を母語としない人々がたくさんいるのだから、そこでの英語は「下手かもしれぬが実用的な英語」となるほかない。誤解を恐れずに書けば、これがビジネスで言われるグローバル・イングリッシュ(GE)だ。恐らく、ここで問題が生じる。GEはどれくらい「豊かな英語」であり、どれくらいニュースピークなのか?

 英語の覇権が取り沙汰されるとき、そこでは英語話者の優位がほとんど自明視されていると思われる。しかし別の言語が触媒となって言葉が豊かになった例が多いことを思えば、英語だけに染まることは何より英語にとって不利なのかもしれない。確かに現在は、英語が広がるにつれてむしろ様々な英語が各地で生まれ(インドの「インディッシュ」など)、その素朴さがかえって迫力を持ったり、そこから新たな表現が生まれたりする場合も多い。しかし、その覇権の強大さのあまり、実用一辺倒の「英語」だけが溢れる危険性は、意識しなければならない。そのためにできることは、それこそニュースピーク思考並みに単純な話かもしれないが、自戒を込めて書けば、やはりきちんと語学を勉強するということだろう。

『1984年』においてニュースピークへの移行完了は2050年が目処であった。現実の1984年は無事に過ぎたが、ニュースピークとの戦いは文字通り現在進行形なのだ。

※当記事は「アステイオン」ウェブサイトの提供記事です

306とはずがたり:2015/09/17(木) 19:26:23

<赤瀬川原平氏の死に想う「老人力」>若者層がある割合を超えると「戦争」や「革命」が起きる?
http://mediagong.jp/?p=5058
水留章 2014年10月29日(水) 17:31

307名無しさん:2015/09/17(木) 20:19:58
>>288
>>298

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150916-00010001-bjournal-soci
紀伊國屋書店の「慣習破り」に業界から批判殺到!アマゾン対策で村上本を9割買い切り
Business Journal 9月16日(水)12時12分配信

 作家・村上春樹の雑誌連載をまとめた『職業としての小説家』(スイッチ・パブリッシング/以下、村上本)が9月10日に発売された。実店舗を運営する書店が一丸となってインターネット販売のアマゾンに対抗することを目的に、紀伊國屋書店が初版部数の9割を買い切ったとして話題になった本だが、そのやり方に発売前から他の書店が反発しているという。

 日本一の書店チェーンとはいえ、発行部数の9割を買い切るというのはどういうことなのか。そして、村上本の流通ルートはどう変わっただろうか。

 まず、出版社のスイッチ・パブリッシングが初版10万部を製作。そのうちの9割に当たる9万部を紀伊國屋が買い切った。残りの1万部はネット通販のほか、一部リアル書店との直取引分などに振り分けられる。紀伊國屋の9万部は、自社と大日本印刷グループ傘下の丸善やジュンク堂書店などへ卸される分と、出版取次3社(トーハン、日販、大阪屋)や他の書店へ卸される分に分かれる。つまり、「出版社→取次→書店」という従来の流通ルートから、「出版社→紀伊國屋書店(大日本グループ傘下書店)→取次→書店」になったのである。

 さらに、ここでポイントとなるのが、「買い切り」という条件だ。出版界では、一部の出版社を除いて委託取引(期限内であれば、いくらでも返品可能)が通常の取引形態である。買い切りの条件を設定する場合、出版社は書店への卸正味(書籍の仕入値のこと)を下げて、書店の取り分を増やすのが通例となっている。大手チェーン以外の一般書店の卸正味は本体価格の77〜78%で、例えば店頭価格が1000円の場合、書店が得る粗利は220円〜230円となる。買い切りの場合には、卸正味を65%前後に設定するといわれている。

 ただ、それだけ粗利益率がよくなっても買い切りはリスクが高いととらえる書店も多く、65%で仕入れても75%で返品可能な取引を望む声も多いというのが現状だ。

●書店から不満相次ぐ

 今回の村上本の流通をめぐっては、卸正味設定の件で各書店から不満が相次いでいるようだ。

 たとえば、第一報後に取次から今回の仕入れ方法について聞いた都内のある書店の担当者はこう語る。

「取次からの卸正味は78%で、買い切りが条件という通達があった。うちは通常、卸正味が77.5%でもちろん委託取引が前提。 78%は買い切りの卸正味ではないし、委託よりも高いというのもおかしな話。読者から注文があった分だけを仕入れるくらいしか対応しない」

308名無しさん:2015/09/17(木) 20:20:29
>>307

 また、別の書店担当者は語る。

「東京の書店組合に入っている書店は、76%で仕入れることができる。しかし、買い切りの正味としては大きすぎる。返品リスクが高いので発注は抑えた」

 さらに、ある都内の書店担当者はこう反発する。

「紀伊國屋が都内の老舗書店と組織する書店団体『悠々会』経由であれば、70%で仕入れることができると聞いた。買い切りであれば、せめて30%の粗利は欲しいので妥当な卸正味。しかし、一部の書店だけが恩恵を受ける構図は理解できない。そのうえ、仕入れ先が取次以外にもあることが、公になっていないのも納得いかない」

 ほかにも「出版社と直取引で仕入れている書店もあると聞いた。仕入れ先の情報が錯綜していて、取次の担当者もよくわかっていないようだ」など、紀伊國屋のやり方に反発する声が続出しているのである。

 紀伊國屋は、リスクを冒して9万部を買い切り、「リアル書店が一丸となって販売する新しいスキーム」を標榜しているにもかかわらず、他の書店の目は冷たい。ある取次関係者は話す。

「村上本については、日販とトーハンが合計で5万1000部を取り扱うようだ。大阪屋分を除いても、残り3万部以上はある。紀伊國屋書店や丸善、悠々会の書店だけで本当に売り切れるのだろうか」

 今回の紀伊國屋の行動が、果たして今後の出版業界に大きな変化をもたらすことになるのか。村上本の売れ行きに注目が集まる。

文=佐伯雄大

309とはずがたり:2015/09/18(金) 15:45:55
>「出版社→取次→書店」という従来の流通ルートから、「出版社─(紀伊國屋買い切り)→紀伊國屋書店(大日本グループ傘下書店)→取次→書店」になったのである。

>出版界では、委託取引が通常の取引形態である。買い切りの条件を設定する場合、出版社は書店への卸正味を下げて、書店の取り分を増やすのが通例となっている。大手チェーン以外の一般書店の卸正味は本体価格の77〜78%で、例えば店頭価格が1000円の場合、書店が得る粗利は220円〜230円となる。買い切りの場合には、卸正味を65%前後に設定するといわれている。

>取次からの卸正味は78%で、買い切りが条件という通達があった。うちは通常、卸正味が77.5%でもちろん委託取引が前提。 78%は買い切りの卸正味ではないし、委託よりも高いというのもおかしな話。

2015.09.16
紀伊國屋書店の「慣習破り」に業界から批判殺到!アマゾン対策で村上本を9割買い切り
http://biz-journal.jp/2015/09/post_11567.html
文=佐伯雄大

 作家・村上春樹の雑誌連載をまとめた『職業としての小説家』(スイッチ・パブリッシング/以下、村上本)が9月10日に発売された。実店舗を運営する書店が一丸となってインターネット販売のアマゾンに対抗することを目的に、紀伊國屋書店が初版部数の9割を買い切ったとして話題になった本だが、そのやり方に発売前から他の書店が反発しているという。
 日本一の書店チェーンとはいえ、発行部数の9割を買い切るというのはどういうことなのか。そして、村上本の流通ルートはどう変わっただろうか。
 まず、出版社のスイッチ・パブリッシングが初版10万部を製作。そのうちの9割に当たる9万部を紀伊國屋が買い切った。残りの1万部はネット通販のほか、一部リアル書店との直取引分などに振り分けられる。紀伊國屋の9万部は、自社と大日本印刷グループ傘下の丸善やジュンク堂書店などへ卸される分と、出版取次3社(トーハン、日販、大阪屋)や他の書店へ卸される分に分かれる。つまり、「出版社→取次→書店」という従来の流通ルートから、「出版社→紀伊國屋書店(大日本グループ傘下書店)→取次→書店」になったのである。
 さらに、ここでポイントとなるのが、「買い切り」という条件だ。出版界では、一部の出版社を除いて委託取引(期限内であれば、いくらでも返品可能)が通常の取引形態である。買い切りの条件を設定する場合、出版社は書店への卸正味(書籍の仕入値のこと)を下げて、書店の取り分を増やすのが通例となっている。大手チェーン以外の一般書店の卸正味は本体価格の77〜78%で、例えば店頭価格が1000円の場合、書店が得る粗利は220円〜230円となる。買い切りの場合には、卸正味を65%前後に設定するといわれている。
 ただ、それだけ粗利益率がよくなっても買い切りはリスクが高いととらえる書店も多く、65%で仕入れても75%で返品可能な取引を望む声も多いというのが現状だ。

書店から不満相次ぐ

 今回の村上本の流通をめぐっては、卸正味設定の件で各書店から不満が相次いでいるようだ。
 たとえば、第一報後に取次から今回の仕入れ方法について聞いた都内のある書店の担当者はこう語る。
「取次からの卸正味は78%で、買い切りが条件という通達があった。うちは通常、卸正味が77.5%でもちろん委託取引が前提。 78%は買い切りの卸正味ではないし、委託よりも高いというのもおかしな話。読者から注文があった分だけを仕入れるくらいしか対応しない」

310とはずがたり:2015/09/18(金) 15:46:07
>>309-310
 また、別の書店担当者は語る。
「東京の書店組合に入っている書店は、76%で仕入れることができる。しかし、買い切りの正味としては大きすぎる。返品リスクが高いので発注は抑えた」
 さらに、ある都内の書店担当者はこう反発する。
「紀伊國屋が都内の老舗書店と組織する書店団体『悠々会』経由であれば、70%で仕入れることができると聞いた。買い切りであれば、せめて30%の粗利は欲しいので妥当な卸正味。しかし、一部の書店だけが恩恵を受ける構図は理解できない。そのうえ、仕入れ先が取次以外にもあることが、公になっていないのも納得いかない」
 ほかにも「出版社と直取引で仕入れている書店もあると聞いた。仕入れ先の情報が錯綜していて、取次の担当者もよくわかっていないようだ」など、紀伊國屋のやり方に反発する声が続出しているのである。
 紀伊國屋は、リスクを冒して9万部を買い切り、「リアル書店が一丸となって販売する新しいスキーム」を標榜しているにもかかわらず、他の書店の目は冷たい。ある取次関係者は話す。
「村上本については、日販とトーハンが合計で5万1000部を取り扱うようだ。大阪屋分を除いても、残り3万部以上はある。紀伊國屋書店や丸善、悠々会の書店だけで本当に売り切れるのだろうか」
 今回の紀伊國屋の行動が、果たして今後の出版業界に大きな変化をもたらすことになるのか。村上本の売れ行きに注目が集まる。
(文=佐伯雄大)

311とはずがたり:2015/09/18(金) 15:46:32
もろ被ってました…(;´Д`)

312とはずがたり:2015/09/23(水) 19:10:30
>電気が復旧した15日以降、職員と業者で、被害を受けて処分する本のデータの除籍作業を行った。被害に遭った本を早く処分しなければ、泥に混じった細菌が繁殖し、被害のなかった本にまでカビなどの二次被害が及びかねない。
>1点1点確実に、しかし迅速に除籍し、作業は終了。19日には約3万点全てを処分した。
非情な作業が必要なんだなぁ。。

【東日本豪雨】常総市立図書館、被害の3万点処分 「本に申し訳ない…」 郷土史料は復元検討
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/sankei-afr1509230014.html
18:16産経新聞

 本の匂いに包まれた静謐な空間は、豪雨による浸水被害で一変した?。茨城県常総市水海道天満町にある市立図書館では、床上浸水のために書籍やCDなど約15万点のうち約3万点が泥水を被った。この中には貴重な郷土史の資料も含まれている。泥だらけで悪臭漂う環境の中、職員総出で片付けに追われているが、復旧のめどは立っていない。(上村茉由)

 鬼怒川の水位が上がった10日未明、8人の同館職員は市役所石下庁舎に呼び出され、避難所の開設にあたった。次第にひどくなる雨。心配が募った。

 「図書館に一度戻りたい」。そう思うも、鬼怒川の堤防が決壊して避難所周辺は冠水。10日夜には図書館周辺も冠水したため、いよいよ戻れなくなった。

 高山京子館長(59)が惨状を目にしたのは、水が引いた12日。高山館長は当時をこう振り返る。

 「1冊でも避難させることができたのではと思うと、本に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。床に落ちた本を1冊拾うにも、悔しくて悔しくて…」

 市内唯一の図書館である同館は、東日本豪雨で床上30センチまで浸水。書棚の下段にあった本を中心に泥水に漬かった。本は水を吸って膨張し、書架は壊れた。

 被害を受けた本の中には同館にしかない貴重な郷土史の資料もあるが、それらについては国立国会図書館の専門家に相談するなど、修復を検討している。

 電気が復旧した15日以降、職員と業者で、被害を受けて処分する本のデータの除籍作業を行った。被害に遭った本を早く処分しなければ、泥に混じった細菌が繁殖し、被害のなかった本にまでカビなどの二次被害が及びかねない。

 1点1点確実に、しかし迅速に除籍し、作業は終了。19日には約3万点全てを処分した。現在はボランティアと職員で館内の清掃作業を行っている。

 同館は規模こそ小さいが、絵本やCDの品ぞろえの良さが評判で、子供たちも多く利用していた。

 「被災した皆さんに癒やしの場として図書館を提供したかったんですが、年内の復旧は難しそうです。一部分だけでも早く開館できるよう模索します」

 高山館長はそう言って、再び復旧作業に入った。

313とはずがたり:2015/09/23(水) 19:12:25

関連会社から“疑惑”の選書 武雄市TSUTAYA図書館、委託巡り住民訴訟に発展
http://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2015090200084.html
09月03日 07:00dot.

 2013年4月に市の図書館運営を全国で初めてTSUTAYAとコラボし、注目を浴びた武雄市図書館(佐賀県)。しかし、そこに並ぶのは「公認会計士第2次試験2001」や、シリーズものだが全巻そろっていない「ラーメンマップ埼玉2」など、出版年度が10年以上前で市場価値が低いものばかり。市民から疑惑の声があがっている。

 これらの選書について、市の教育委員会は「TSUTAYAを運営する『カルチュア・コンビニエンス・クラブ』(CCC)に委託して選書していただき、その後、市が確認しました」と話す。CCCに選書した本の購入先について聞くと、こう説明した。

「ネット中古大手『ネットオフ社』より調達。中古流通からの調達は、事前に武雄市にも承諾を得ています」

 ネットオフの運営会社とは、10年にCCCが株式の30%を取得したCCC傘下のグループ企業で、なんと疑惑の選書は全て“身内の新古書店”から購入したものだったのだ。

 ネットオフに、選書された本の費用や当時の単価について問い合わせたが、期限までに回答がなかった。

 ネットオフのHPから、疑惑がもたれている選書の単価を調べてみると、最低価格の108円で購入できるものが多数。1万冊のうち、本誌記者が各ジャンルから抽出した計100冊の平均価格を出すと、なんと一冊あたり“272円”。

「108円は最低価格なので、簿価としては0に近い。ネットの新古書店で流通し、売れなかった本が多数含まれていることになり、公共図書館の蔵書にふさわしくないことは明らかです」(市立図書館の司書)

 図書館問題に詳しい慶応大学の糸賀雅児(まさる)教授は言う。「選書はどんな本であれ、図書館の『裁量権』の範囲と考えられていますが、税金を使う以上、なぜ購入したのか説明責任がある。蔵書の中身より、“20万冊の蔵書”にこだわり、短期間で書架を埋めてオープンに間に合わせることを優先した結果ではないか」

 CCCに選書基準を尋ねると、「『趣味実用』『料理』『旅行』『ビジネス』等のジャンルを中心に選書を行い、幅広く導入することを意識した」。「公認会計士第2次試験2001」や“Windows98”の本の選書については、「蔵書の増加にあたっては過去のアーカイブも含めて幅広く選定。結果、『幅広く』を意識しすぎた在庫が一部導入されており、更なる改善の余地があったと反省しています」。

 選書が「在庫処分ではないか」という声には、「全くの事実無根」と否定し「初期蔵書入れ替えで導入した1万冊については、開館後に累計8万6500回の貸出実績があり、幅広い読書機会の提供ができていると認識している」と回答。

 市民の疑問や不満の声は、選書だけにとどまらない。改修にあたり、書物や視聴覚資料など合計8760点が除籍、廃棄処分された。

「郷土資料『みを』『温泉博士』などが除籍されましたが、これらは県立図書館にも所蔵がない資料で貴重なものだった。さらに、武雄にしかない蘭学資料が詰まった『武雄蘭学館』は、TSUTAYAのレンタルコーナーに改修されてしまったのです」(「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」の代表世話人・井上一夫氏)

 蘭学館には、国産第1号の大砲など蘭学資料が常設で展示され、昨年8月には2千点もの資料が国の重要文化財に指定された。電気通信大学の佐藤賢一准教授が、こう解説する。

「明治以前の西洋技術導入の歴史をひもとく武雄の蘭学資料は、非常に価値のあるもの。戊辰戦争の際に明治天皇からいただいた“錦旗”の現物も展示され、全国的に注目度は高かった」

 さらに、TSUTAYAのポイントカード「Tカード」が利用でき、自動貸出機を使うと1日1回3円分のポイントがたまるシステムも疑問視されている。

「ポイントがたまって使えるなら、提携している店を自然と利用するようになり、その店を優遇することになる。自治体が設置している図書館だが、結果的に利用者の購買をある特定のお店に誘導しているわけで、公共施設としては公平性を欠いている」(糸賀教授)

 選書をはじめ、図書館運営のずさんさに疑問を持った住民らが、市に対し、樋渡啓祐前市長に1億8千万円の損害賠償を求めるよう、訴えを起こしている。

 CCCが約3億円、市が約4億5千万円、計7億5千万円をかけてリニューアルした図書館。公共施設の中で最も活用される図書館だからこそ、“住民”を第一に考えることが大切ではないか。

(本誌・牧野めぐみ)

※週刊朝日  2015年9月11日号より抜粋

314とはずがたり:2015/09/23(水) 19:13:03
<武雄市>子育てセンター計画 児童図書館中心に6機能 市図書館混雑解消も /佐賀
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi_region/region/mainichi_region-20150923ddlk41040165000c.html
15:08毎日新聞

 武雄市の小松政市長は「子育てセンター」(仮称)の建設計画を明らかにした。樋渡啓祐前市長が武雄市図書館の混雑解消策として打ち出した「児童図書館」構想を基に、自らの公約「子育て支援の強化」を具体化した。【渡部正隆】

 センターは「子育て環境のランクアップ」(小松市長)を目指し(1)子ども図書館(2)遊び場(3)託児所つきの大人のスタディールーム(4)みんなの広場(5)ふれあいテラス(6)レストランカフェ??の6機能を持たせるという。

 同市図書館は一昨年4月の改装以来、予想以上の来館者が詰めかけ、混雑の解消が課題となっている。利用者アンケートでも、子を持つ親からはキッズスペースの拡充、児童生徒からは閲覧席の増設を求める声が多い。

 このため、樋渡前市長は新たに児童図書館の建設構想を明言していた。一方、小松市長は1月の市長選で、子育て支援を公約の柱に掲げていた。小松市長は「センターは図書館を中心に、親と子が一緒に過ごし学べる場」と語り、児童図書館構想を発展させた計画であることを指摘した。

 市図書館は8月10日に累計来館者数が200万人を突破。課題の解決が急がれるが、センターは建設の時期も場所も未定。女性職員を中心に庁内にプロジェクトチームを発足させ「12月議会で詳細を示したい」という。

315とはずがたり:2015/09/23(水) 19:22:20
CCC 武雄市図書館蔵書問題で反省「より精度高い選書すべき」
http://news.goo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-20150911-0082.html
09月11日 11:39スポニチアネックス

 レンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は10日、指定管理者として運営をしている佐賀県武雄市の図書館の蔵書について「より精度の高い選書を行うべき点があったことを反省しております」と増田宗昭代表取締役社長兼CEO名義でコメントを発表した。

 CCCは2013年4月から指定管理者として同図書館の運営を開始。この際に追加納入した蔵書のリストとされる文書が今年8月にインターネット上で公開され、武雄市の図書館では需要が低いと見られる図書が多いと指摘されていた。

 これを受け、CCCは「ご指摘の蔵書は、2013年4月のリニューアル開館前に武雄市から業務委託を受け、初期蔵書の強化として追加納入した蔵書になります。追加納入蔵書数10132冊(当時、CCCが出資するネットオフ等より商品リストを事前に確認の上で購入。※現在は資本関係はございません)、納入金額760万円(装備費、物流費含む)で追加納入した蔵書について、より精度の高い選書を行うべき点があった事を反省しております」と経緯を説明。

 リニューアル開館から約2年半で、追加納入した蔵書のうち1630冊が一度も借りられていないことも明かし、この蔵書と同等の冊数を新たに選書し、寄贈することを発表した。

 今後について「官民一体となった取り組みとなる武雄市図書館については、これまでと変わらず市当局と連携をし、細心の注意をもって今後の運営に注力して参ります」と継続して運営することも明言した。

 CCCが運営をするようになってから、同図書館は年中無休にし開館時間も延長、館内にコーヒーチェーン店・スターバックスを入れるなどの民間企業ならではの施策を実施。13年の新装開館から3カ月間で、11年度の年間総数を上回る来館者を記録するなどの実績を残していた。

316名無しさん:2015/09/23(水) 20:05:30
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150918-00010000-nhonz-life
『殺人鬼ゾディアック 犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実』ミステリーと家族の再生
HONZ 9月18日(金)20時24分配信

アメリカ国内で有名な未解決事件のひとつにゾディアック事件といわれる事件がある。1966年から1974年にかけて複数の男女が白人の男に襲われ、猟奇的な方法で6人が殺害された事件だ。この事件を世間に印象付けた理由はゾディアック自身が犯行後に警察を挑発し嘲笑するような電話や自分の本名が書かれていると主張する暗号文をマスコミに送り付けるなどし、世間に大きく扱われるように、犯人自身がその犯行をプロデュースしていた点だ。

また犯人像にも特徴的な点が多い。例えばオペレッタ作品の「ミカド」のセリフを引用し、高度な暗号のテクニックを駆使するなど、かなり教養があり知的水準が高かったことが窺える。さらに殺した相手を来世で奴隷にできるという思相に強いこだわりを見せているなど、一種、独特の世界観を持っている。また、電話で自らの犯行を通報した際には、イギリス訛りの英語を喋っていた。

多くの特徴と、生存者を含む数多の目撃情報、物的証拠などが揃っていながら、サンフランシスコ市警は犯人を捕まえる事ができずに迷宮入りした事件である。

本書の著者であるゲーリーは素晴らしい養父母の下で恵まれた子供時代を過ごした。しかし、いくら深い愛情の下で育てられようと、実の親を知らないという事で常にアイデンティティクラッシュに悩まされてもいたという。しかし、ある日、実の母親だと名乗る女性から手紙が届く。迷った末に彼は母に会いに行くことを決意する。まさか、それが迷宮への入口であるとも知らずに。

息子を伴いルイジアナからサンフランシスコに飛んだ著者は、ジュディと名乗る女性と出会う。最初はぎこちなかった母と息子だが、時間をかけて二人はお互いの溝を埋めていく。実の父が誰なのかを巡る問題を除いて。だが、著者はあきらめず、粘りづよく時を待ち、母から情報を聞き出す。

本書の構成は少し複雑だ。上記の冒頭部分に続き、中盤の前部が父ヴァンの不幸な生い立ちと青春期、「アイスクリーム・ロマン」としてマスコミに報じられた、27歳のヴァンと14歳の少女だった母ジュディとの愛の逃避行、出産、破局。そして中盤の後部は、ジュディを失ったヴァンがゾディアックとして覚醒していく話を中心据えている。

後半は著者が父ヴァンの足跡をたどるうちに、父がゾディアックではないかと疑い、その仮説を証明するために捜査を進める話に軸は足を置く。同時にヴァンと別れた後、母ジュディが歩んだ人生が並列して語られる。

父、ヴァンは牧師の父と美しく才能に恵まれた母の下に生まれる。幼少期を日本で過ごす。彼はすぐに日本語を憶えたという。長じてはドイツ語とイギリス英語のアクセントも完璧にマスターするに至る。また従軍牧師として第二次大戦に参戦する傍ら、海軍の情報部員でもあった父から暗号の組み立て方を教わり、たちまちその技術を習得した。

夫婦の関係は思わしくなかった。家庭を顧みず教区の人々の救済に駆け回る夫に対し美しい妻は不満を抱いていた。彼女は夫の教会に集まる信者たちと密通を交わすことを繰り返す。

やがて夫婦は破局を迎え、父の強い意向でヴァンは母の下で暮らすことになる。母はヴァンに関心を向ける事も愛情を注ぐこともなかった。多くの男が母を目当てに家に現れて消えていく幼少期をヴァンは送る。またスポーツや外での遊びを嫌い、骨董品やオペラに関心を寄せる変わった少年であったヴァンは従妹の少女たちに苛めを受けながら暮らすことになる。彼は女性に疎外され続ける事になる。

高校ではウィリアムという親友が出来た。彼の証言ではヴァンは「ミカド」を愛し、セリフを暗誦することが出来たという。また、殺した相手を奴隷にすることが出来るという考えに憑つかれてもいたという。彼はイギリス英語を愛し、気取ったアクセントで話すことを好んだ。また悪魔崇拝にのめり込むようになり、後にカルト教団としてアメリカを震撼させることになるチャールズ・マンソンなどとも関係を構築していく。

317名無しさん:2015/09/23(水) 20:05:47
>>316

27歳の時に著者の実母ジュディに一目惚れし、彼女を誘惑して「アイスクリーム・ロマン」とマスコミから騒がれた逃避行は、それ自体がとても興味深く面白い。ヴァンがゾディアックであるかどうかに関わりなく、この話だけでも一冊の本になりそうだ。しかし文字数の関係上ここでは割愛する。

ジュディのいない間にヴァンが子供を捨てたことに、驚愕した彼女は彼の下から去り、それがきっかけでヴァンは警察に逮捕されることになる。彼女は成人後、一回り以上年上のロテアという黒人警官と再婚する。黒人差別が公然と行われていた当時、彼は尋常ではない努力で市警の中に蔓延する黒人差別と闘い、異例の出世を遂げていく。市警の花形であり、白人しかなれなかった殺人課の刑事に、黒人で初めて抜擢されたのも彼だ。さらに彼は政界にも進出し、サンフランシスコの黒人社会で名士としての地位を確立する。

父の手掛かりを探す際に著者とジュディは、今は亡きロテアの部下たちを頼る。市警の幹部になっているロテアの部下たちは、最初こそ犯歴を基にヴァンの足跡を追う事を手伝うと約束するが、すぐに態度を一変させる。ヴァンの捜査から手を引けと圧力かけ始めるのだ。

著者は壁にぶつかる。そんな時、偶然テレビで放送されたゾディアク事件のドキュメンタリーを見た著者は衝撃を受ける。警察が作成したゾディアックの似顔絵とロテアの部下が彼に渡してくれた父の写真が瓜二つだったのだ。さらに、ゾディアックの似顔絵を見た息子は「パパそっくりだ」と著者の顔を見つめる。

ロテアの部下たちの圧力、父そっくりのゾディアクの似顔絵。著者ゲーリーはヴァンがゾディアックではないかと疑いを持つ。サンフランシスコの黒人社会で伝説化しているロテアの妻がゾデイアックの前妻だという事はあまりにも不都合な真実ではないのか?ここから、サンフランシスコ市警との熾烈な駆け引きが始まる事になる。

ゾディアックのDNAデータの一部が市警に残されていることを知り、DNA鑑定を申し出る。著者に好意的に接し、再捜査を約束した殺人課の課長が、裏ではゾディアック事件の捜査を打ち切る事を決定し、一切の再捜査を認めていない張本人であったことがわかるなど、捜査は難航を極める。
誰が味方で誰が敵なのか。彼らはなぜヴァンの経歴を隠そうとするのか。謎が謎を呼ぶ。著者は数々の困難にあいながらも、いくつかの決定的な証拠を手にし、本書を通じて世間に問いかける。この事件では政治がらみの隠ぺいがあったのではないかと。

最初は共通点のない個別の物語のように思える、バラバラな物語が終盤にいたる過程でひとつの真実へと収斂していく手法は、まるでミステリー小説を読んでいるようで、ページをめくる手が止まらなくなる。また、養父母の苦悩や家族のあり方、実母との関係の再構築という点を追えば、家族の再生の物語という側面も本書にはある。まさにミステリーと家族の再生を見事に織り交ぜた極上のノンフィクション作品だ。

鰐部 祥平

318名無しさん:2015/10/03(土) 21:53:15
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151003-00000016-pseven-soci
鎌倉の図書館 命のツイート後に緊急会議し図書館の役割再考
NEWS ポストセブン 10月3日(土)16時6分配信

 JR鎌倉駅から徒歩5分。風光明媚な古都・鎌倉の細い路地を進むと、3階建ての古い建物に突き当たる。入り口付近には子供本のコーナーがあり、本棚にある案内POPの多くはひらがなだ。

 ここは、開館から今年で104年になる鎌倉市中央図書館(神奈川県鎌倉市)だ。すべての始まりは8月26日、同図書館の職員が綴ったこのツイートだった。

《もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね》

 1万8048人。これは、1972年から2013年までの42年間に自殺した18才以下の子供の総数だ。日にち別に見ると、最も自殺者が多かったのは、9月1日の131人。ツイートはこのニュースを受けてのつぶやきだった。

 鎌倉市中央図書館が公式ツイッターを始めたのは3年半ほど前。主に図書館の行事や鎌倉市のイベントについて、中央図書館の司書3名と地域の図書館の司書1名の計4名が自由に投稿してきた。前述したツイートをしたのは同図書館の司書・河合真帆さん。18才以下の自殺者が最も多いのが2学期の始まる9月1日、というニュースを知った河合さんは、米国の図書館が「自殺したくなったら図書館へ」というポスターを作った逸話を思い出し、「自殺する子供を減らせれば」との願いからツイートした。

 実は河合さんは小学生の頃、学校に行くのがつらかった時期がある。今回のツイートに込めた思いを彼女は読売新聞にこうコメントしている。

《私は『行かない』という選択肢も知らず、我慢して登校し続けたけれど、家と学校以外にも居場所があるんだよと伝えたい》

 河合さんがつぶやいたのは8月26日午前9時11分。この日の午後、のどかな街の図書館は喧騒に包まれた。河合さんの投稿のリツイート回数が激増し、取材依頼が殺到したのだ。同図書館の菊池隆館長(53才)はこの時、初めて渦中となっているツイートを読んだという。

「メッセージを読んで、う〜ん…なんていうのかな。ちょっと引っかかったのは事実です。“学校に行かなくてもいい”と図書館の公式ツイッターで発言していいのかと…」(菊池館長、以下「」内同)

 時間が経つにつれ、リツイートは爆発的に増え続けた。新聞8社、テレビ10社から一斉に取材依頼があり、そんなことはもちろん、この静かな図書館では前代未聞の出来事だった。

「図書館は教育委員会内の一組織なので、ツイートや取材依頼について報告しました」

 そのまま教育委員会や図書館の職員10名が招集されると、夕方4時から緊急会議が始まった。ある者はこう言った。「即刻ツイートを削除すべきだ」。公の施設として不登校を助長することになるのは不適切、との考えだった。

 またある者は別の理由から削除を強く主張した。「この投稿は“死ぬ”という言葉を使っている。死を連想させる言葉は影響が大きい」と。

 すると別の者が、はっきりとした口調でこう反論した。

「いや、図書館が苦しむ子供たちの居場所となりうるという積極的な意味合いがあるので、残した方がいい」

「そうだ」と同調する者、「いや、どうだろう?」と首を傾げる者…いろんな意見が激しくぶつかった。

 全国の図書館は、日本図書館協会の『図書館の自由に関する宣言』に沿って、利用者の秘密厳守を旨としている。そのため、来館情報や利用者が何を読んだかを外部に漏らすことはない。図書館は、利用者が「根掘り葉掘り聞かれる場所」ではないのだ。

 それゆえ、もしこのツイートで子供が押し寄せる事態になっても、図書館側は何もできないし、そもそも受け入れ態勢さえ整っていない。そうした背景もあって、このメッセージを削除した場合と残した場合の影響について、徹底的な話し合いが行われたのだ。

 最終的な結論に達した頃、辺りはすっかり暗くなっていた。実に3時間にもわたって議論が繰り広げられていた。

「あのツイートには、“子供たちに自殺してほしくない”“図書館が子供たちの居場所になる”という大切なメッセージが込められていたので、削除せず、そのまま残すことを最終的に決断したのです。同時に、このメッセージがどういう意味なのか、ということをわかりやすく説明したメッセージを2つつぶやくことをみんなで決めました」

319名無しさん:2015/10/03(土) 21:53:26
>>318

 翌27日、それは実行された。以下のツイートだ。

《つらいきもちをかかえているあなたへ 図書館はあなたの居場所になりたいと思っています。心のすみっこに「としょかん」をおいてね。図書館にはいろいろな本があるよ。疲れた心によりそうような本が見つかるかも》

《みんなつながっている。きっとあなたもだれかとつながっている。
厚生労働省メンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」http://kokoro.mhlw.go.jp/
つらいきもちによりそって》

 3時間にわたる緊急会議を経て、菊池館長は改めて図書館の役割についての思いを強くした、と振り返る。

「今回の件で、図書館は悩みを抱える子供たちの居場所となるべきという意識を改めて強くしました。そうした子供が来館した時、秘密保護の観点から図書館は積極的な声かけができません。でも、できるだけ意識して子供を見守ってください、という話を職員にしました」

 緊急会議で決定した事項は他にもある。それは悩みを抱える子供たちに相談場所の情報を提供すること。

「鎌倉市は教育センターの相談室で学校や日常生活の悩み相談をしています。ツイート後、館内にそのパンフレットを置いたり、場所や電話番号を掲示するようにしました」

 ツイートを削除した方がいいという者も、削除しない方がいいという者も、「困っている子供を助けたい」と思う気持ちは一緒だった。ルールに従って「何もできない」のではなく、決められたルールのなかで「何ができるのか」をみんなで必死に考えたのだ。

※女性セブン2015年10月15日号

320名無しさん:2015/10/04(日) 18:13:32
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151004-00000081-san-soci
「ツタヤ」管理の神奈川・海老名図書館 蔵書にタイ歓楽街案内
産経新聞 10月4日(日)7時55分配信

 レンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)を運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」などが指定管理者となって1日にリニューアルオープンした神奈川県海老名市立中央図書館が新規購入した書籍に、タイ・バンコクの歓楽街を紹介するガイド本などが少なくとも3冊含まれていたことが3日、分かった。

 3冊はリニューアルにあたって同図書館が購入した約7200冊に含まれており、バンコクの飲食店や性的サービスを提供する風俗店の紹介のほか、店員とのやりとり事例を示したタイ語会話集などを掲載。貸し出しされていた。

 CCCが携わる図書館としては佐賀県武雄市に次いで2例目だったが、武雄市では住民ニーズが低そうな本を購入していたことが批判され、海老名市はリニューアルオープン前に新規購入リストを市教育委員会の教育長らが確認、選書をやり直していた。市教委は「選定基準内で問題はないと判断した。他自治体での選定実績もある」と話している。

 本を確認した同市の山口良樹市議は「女性を不愉快にさせる内容の本が教育長の承認を経て公立図書館に配架されていることに憤りを感じる」と指摘している。

321名無しさん:2015/10/05(月) 19:49:15
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151005-00000003-jij-pol
「ツタヤ図書館」反対多数=愛知・小牧で住民投票
時事通信 10月5日(月)0時20分配信

 愛知県小牧市で4日、レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に運営委託する新図書館建設の賛否を問う住民投票が行われ、即日開票の結果、反対票が多数を占めた。
 投票結果に法的拘束力はないが、住民投票条例は市長に結果の尊重を求めている。山下史守朗市長は5日未明に記者会見し、「結果を真摯(しんし)に受け止め、何が問題なのか市民を交えて検証し、計画を見直していきたい」と述べた。
 投票は20歳以上の有権者によって行われ、賛成票2万4981、反対票3万2352、投票率は50.38%だった。
 市は図書館建て替えに当たり、佐賀県武雄市などで実績のあるCCCに運営委託する新図書館建設計画を策定。中心市街地活性化の目玉として42億円で名古屋鉄道小牧駅前に建設し、2018年度のオープンを目指していた。
 これに対し、市民グループが「住民の意見を聞かないまま、私企業に図書館を委ねようとしている」と白紙撤回を要求。市議会が9月定例会で住民投票の実施を決めた。

322とはずがたり:2015/10/08(木) 12:31:17
ツタヤ以外も参入して競争を起こさせないと質が担保されないかも。

「ツタヤ図書館」逆風 利用者3・6倍もトップダウンへの反発? 佐賀・武雄市
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%80%8C%E3%83%84%E3%82%BF%E3%83%A4%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%80%8D%E9%80%86%E9%A2%A8-%E5%88%A9%E7%94%A8%E8%80%85%EF%BC%93%E3%83%BB%EF%BC%96%E5%80%8D%E3%82%82%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%8F%8D%E7%99%BA%EF%BC%9F-%E4%BD%90%E8%B3%80%E3%83%BB%E6%AD%A6%E9%9B%84%E5%B8%82/ar-AAfd1dz#page=2
産経新聞 3 時間前

 地方の公立図書館再生のモデルとして期待された「ツタヤ図書館」に逆風が吹いている。第1号の佐賀・武雄市図書館は来館者が3倍以上になった一方で、運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)によるずさんな選書が明らかになった。愛知県小牧市の計画は、住民の“反対”で見直しを迫られている。(九州総局 奥原慎平)

 今月4日、愛知県小牧市で、市とCCCなどが連携して計画を進めている新しい図書館の賛否を問う住民投票が実施された。

 市中心部に30年の開業を目指す計画だが、建設費42億円に「費用が膨らみすぎだ」と住民グループから反対の声が上がっていた。住民投票の結果は、「反対」3万2352票、「賛成」2万4981票となった。山下史守朗(しずお)市長は「一度立ち止まって、現在の計画の問題を市民と検証しながら、より良い計画になるよう進める」と述べた。

 住民投票の直前、今月1日にツタヤ図書館を開業した神奈川県海老名市では、タイの風俗店について記述した本が見つかり、市は貸し出しを中止した。



 ツタヤ図書館は、佐賀県武雄市で産声を上げた。平成25年4月、市はCCCを指定管理者として市立図書館をリニューアルオープンした。

 人気のスターバックスカフェを併設したおしゃれな空間は、全国ニュースとなり、話題を集めた。人口5万人の地方都市でありながら、改装初年度は計92万人が来館した。改装前(23年度)の3・6倍もの数字だった。

 武雄の成功は、公立図書館の立て直しを目指す全国の自治体に波及した。岡山県高梁市や山口県周南市、宮崎県延岡市も、CCCへの運営委託を検討している。

 ところが今年7月、武雄図書館で不備が明らかになった。

 リニューアルに合わせて購入した1万冊の書籍の中に、10年以上前の公認会計士試験の教材や、埼玉県のラーメンマップなど市民にとって利用価値の低い実用本が、多数含まれていた。

 しかも、1万冊は新刊本ではなく、当時CCCと資本関係にあったネット古書大手「ネットオフ」から購入していた。このため、「子会社の在庫処分だ」など、ネットや一部市民の間で批判の声が高まった。廃棄された郷土資料もあった。

 CCC側は9月10日に謝罪し、27年度中に、同数の図書を改めて選び、市に寄贈することを表明した。

 産経新聞の取材に対し、CCC側は、書架の安全性を高めるための追加経費が必要となり、書籍購入費を削ったと釈明した。広報担当者は「幅広く本を選ぶべきだったが、オープンまでの選書期間を短く見積もってしまい、ずさんな結果になった。市側との(書架の)安全対策の打ち合わせも不十分だった。今後、選書の精度を高め、市民の声を反映したものとなるよう努力したい」と語った。

323とはずがたり:2015/10/08(木) 12:31:33
>>322-323
 武雄市におけるツタヤ図書館反対運動の根っこには、当時の市長、樋渡啓祐氏に対する反発がある。樋渡氏は、トップダウン型の政治手法が賛否を巻き起こしていた。

 「住民になんの説明もないまま、CCCありき、しかも東京で図書館の民間委託を打ち出した。図書館運営の実績のない会社を選ぶなんて、独裁的過ぎる。まちづくりの在り方として危機感を抱いた」

 反対運動を主導した「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」代表世話人、井上一夫氏(75)は、こう語った。

 とはいえ、武雄市のツタヤ図書館が、地域のにぎわいづくりに寄与したのは間違いない。

 市はツタヤ図書館がもたらした25年度の経済効果を20億円と弾く。武雄市が「地方創生のロールモデル」(稲田朋美・自民党政調会長)といわれるまでになったきっかけも「ツタヤ図書館」だ。

 観光旅行に武雄を選んだ東京都の会社員、坂田光央氏(26)は「スタバもあって、くつろげる雰囲気です。マニアックな本も多く、読書の切り口が広がる」と書架に手を伸ばした。

 人口減少が本格化する中、地方の公立図書館には役割分担が求められる。専門書などを豊富に備え、その地方の中核となる県立図書館、そして地域のにぎわいの拠点であり、読書の入り口となる市町村立図書館といった具合だ。

 文化庁による「国語に関する世論調査」(平成26年3月)では「1冊も本を読まない」との回答が47・5%に上った。書籍離れが深刻となる中、ツタヤ図書館のように集客力を高めた公立図書館は、市民が書籍に触れるきっかけを生み出す。こうした新たな可能性を秘めているだけに、ずさんな運営で評判を落とした“罪”は重い。

324とはずがたり:2015/10/08(木) 15:42:57

ノーベル文学賞:春樹の街「今年こそ」…東京・千駄ケ谷
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E6%96%87%E5%AD%A6%E8%B3%9E%E6%98%A5%E6%A8%B9%E3%81%AE%E8%A1%97%E3%80%8C%E4%BB%8A%E5%B9%B4%E3%81%93%E3%81%9D%E3%80%8D%E2%80%A6%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%BB%E5%8D%83%E9%A7%84%E3%82%B1%E8%B0%B7/ar-AAfdRW5#page=2
毎日新聞 4 時間前

 相次ぐ日本人受賞に沸く今年のノーベル賞。日本時間の8日夜にはノーベル文学賞の発表がある。有力候補と目される村上春樹氏がデビュー作を書いた街、東京都渋谷区の千駄ケ谷地区では、商店街仲間だった書店「ゆう」の店主、斎藤祐さん(70)らがカウントダウンイベントを企画し、受賞の時を待ちわびている。【柳澤一男】

 ◇デビュー作を書いた街…当時の仲間らがイベント

 村上氏は1977年、夫婦で経営していたジャズ喫茶「ピーターキャット」を東京都国分寺市からこの街に移し、4年間暮らした。ヤクルトファンの村上氏にとって、当地は本拠地・神宮球場のお膝元。観戦中にふと「ぼくにも小説が書けるかもしれない」と思い、78年に執筆したのがデビュー作「風の歌を聴け」だ。

 「ゆう」でも、村上氏の妻がよく料理の本などを買っていたという。斎藤さんは「店では奥さんが調理し、村上さんはせっせと接客していました」と振り返る。サインにあまり応じない村上氏に斎藤さんは一計を案じた。ある日、地元の理髪店に村上氏が座り、前掛けをした瞬間、著書とペンを手渡したのだ。「身動きがとれないのでチャンスだと思いました」と斎藤さん。

 「作家・村上春樹」を生んだ街として外国のガイドブックに紹介され、ここ数年、村上ファンの外国人が目立つようになった。汗だくでかつてのジャズ喫茶を探す観光客も。斎藤さんは「せっかく訪れても、店もなくがっかりさせるだけ。ならば、ゆかりの品を並べてファンが集う場を作ろう」と今夏、書店内に村上氏のコーナーを設けた。村上夫妻がよそへ越した後、残されていたカーテンやジャズ喫茶の店名入りちょうちん、理髪店主が大事にするサイン本などを並べている。

 8日夜には、村上氏の旧宅に近く生活の一部だった鳩森八幡神社に商店街仲間やファンが集う。神社は村上氏の最新エッセー「職業としての小説家」にも登場するファンの「聖地」。受賞者を伝えるノーベル財団の公式ウェブサイトを持参のスクリーンに映し出し、「その瞬間」を待ち受ける計画で、受賞が決まれば手作りの「号外」も配る予定だ。

 斎藤さんは「村上さんがデビュー作を書いた78年には、くしくもヤクルトが日本一になった。リーグ優勝した今年こそ」と期待を膨らませる。

325名無しさん:2015/10/09(金) 22:37:06
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151009-00000011-asahi-soci
ツタヤ図書館、なぜ「ノー」に? 愛知・小牧の住民投票
朝日新聞デジタル 10月9日(金)5時13分配信

 全国で開設や計画が相次ぐ「ツタヤ図書館」。書店やカフェもあって利用者が増える、と自治体は説明するが、愛知県小牧市では「反対」の住民の方が多かった。なぜなのか。

■街活性化?市側の皮算用

 反対3万2352票、賛成2万4981票。小牧市で計画されている新図書館建設を巡る4日の住民投票の結果、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携する計画は、一時停止に追い込まれた。

 市は昨年4月に新図書館の計画を発表し、同8月にCCCを連携事業者に選んだ。老朽化し、蔵書スペース不足が目立つ現在の図書館は建て替える必要がある一方、再開発が進まず活気がない中心市街地に「ツタヤ図書館」を建てれば人が集まり活性化する。そんな「1粒で2度おいしい」をもくろんだ計画だった。建設費は約42億円。延べ床面積を約2・6倍、最大収容冊数を2倍強に増やし、書店やカフェを併設。3年後の開設をめざしていた。

 参考にしたのが、佐賀県武雄市が2013年に開設した全国初の「ツタヤ図書館」。CCCが指定管理者として運営している。初年度の訪問者は92万3千人と当初見込みのほぼ倍。市外からの訪問も多く、武雄市は食事や土産など年間の経済効果を約20億円とはじく。

■利益優先?選書に不安も

 小牧市民はなぜ「ツタヤ図書館」に反対したのか。住民に聞くと「税金の無駄づかいでは」(会社員の西田秀樹さん)、「ツタヤのサービスはツタヤで利用すればいい」(パート従業員の島村厚子さん)。高額な建設費に対する批判が目立ったが、「民間企業が本を選ぶと利益優先になる」という懸念も多く出た。

 武雄市図書館では、CCCと出資関係があった古本業者から中古本を購入していたことが発覚。市民から「在庫本の押しつけ」「貴重な郷土資料などが蔵書からなくなる」といった批判や不安が出た。今月1日に神奈川県海老名市が開設した「ツタヤ図書館」では、市が購入本を全て点検したが、海外の風俗店を案内する不適切な本が開設後に見つかった。

朝日新聞社

326とはずがたり:2015/10/17(土) 18:39:52
井上靖さん生原稿展示 光太夫記念館
http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20151013-OYTNT50124.html?from=yartcl_blist
2015年10月14日

 現在の鈴鹿市出身で、江戸時代、ロシアに漂流した船頭大黒屋光太夫(1751〜1828年)を描いた歴史小説「おろしや国酔夢譚こくすいむたん」をテーマにした特別展が24日、同市若松中の大黒屋光太夫記念館で始まる。「井上靖『おろしや国酔夢譚』の世界」と題し、原作者の井上靖さん(1907〜91年)の生原稿などを展示する。

 光太夫は1782年、地元の港から船で江戸へ向かう途中、暴風雨に遭いアリューシャン列島に漂着。シベリアを横断して帝政ロシアの首都サンクトペテルブルクに到着し、10年後に日本へ帰った。光太夫の苦難を描いた同小説は1966年から月刊誌に連載され、68年に単行本として出版。92年には映画化もされた。

 特別展では、井上さんの現地での取材ノートや、単行本にする際に手を入れた原稿など約50点を展示。小説執筆の背景などを紹介する。

 同展は12月13日まで開催(月曜日休館)。入館無料。今月28日と11月14日の午前10時半から学芸員の展示説明会がある。問い合わせは市文化課(059・382・9031)。

2015年10月14日

327名無しさん:2015/10/24(土) 01:34:18
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/241521
小牧市、ツタヤ図書館白紙化
2015年10月21日 08時45分
 愛知県小牧市は20日、市立図書館建設のためレンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と結んでいたアドバイザリー契約を解消すると発表した。4日の住民投票で「ツタヤ図書館」計画への反対が多数だったことを受け、計画を事実上白紙化した。

 市は現在の図書館が老朽化したとして、CCCと、本の納入を手掛ける図書館流通センターによる共同企業体と契約。ツタヤ運営方式を前提に、約42億円かけて名鉄小牧駅近くに新設する計画を進めていた。山下史守朗市長は「計画の検証に当たり、現在の契約を解消するのが適切だと判断した」とコメントを発表。市は既に基本設計案を作っていたが、設計業者とも近く解約する。違約金は業者側と協議する。CCCは「市と協議して契約解消を決めた。今後のことは全く未定」と話している。計画に反対する市民団体の代表渡辺育代さん(65)は「市民の声を尊重した」と評価した。

328とはずがたり:2015/10/27(火) 13:28:45
ツタヤとの関係、TRC解消へ 「図書館の考え方違う」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%84%E3%82%BF%E3%83%A4%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%80%81%EF%BD%94%EF%BD%92%EF%BD%83%E8%A7%A3%E6%B6%88%E3%81%B8-%E3%80%8C%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9%E9%81%95%E3%81%86%E3%80%8D/ar-BBmsOpC
朝日新聞デジタル
1時間前

 400館以上の公共図書館の運営を手がける民間企業、図書館流通センター(TRC)が、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に、図書館事業で今後新たに組むことはないと5日に申し入れていたことがわかった。図書館に対する考え方の違いが原因で、共同運営する神奈川県海老名市の図書館事業も見直す意向という。

 TRCとCCCは共同事業体として海老名市から図書館運営を任され、1日に同市の中央図書館を改装オープン。愛知県小牧市でも新しい図書館計画の契約を交わしていたが、住民投票で建設計画が反対多数となり、契約解消を決めた。

 TRC広報部は「CCCの独自の図書分類は司書が本を探すのも非常に困難。図書館のあり方として、考え方に折り合いがつかなかった。海老名については、市も含め3者で今後協議していく」としている。一方、CCCは「申し入れがあったのは事実だが、始まったばかりの海老名の運営は共同で行う認識だった」とコメントした。海老名市教育委員会の担当者は「まだ聞いていない」としている。(竹内誠人)

329とはずがたり:2015/10/29(木) 19:11:53
PG13
https://ja.wikipedia.org/wiki/PG-13%E6%8C%87%E5%AE%9A%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB%E4%B8%80%E8%A6%A7
PG-13指定(13歳未満の鑑賞には、保護者の強い同意が必要)

2015.10.18 SUN
プラットフォームが支配する時代の「ヌードなき『PLAYBOY』」
http://wired.jp/2015/10/18/no-nude-playboy/

米雑誌『PLAYBOY』の「ヌード」からの撤退という決断が意味するのは何か。それは、Facebook、Twitterのようなソーシャルメディアというプラットフォーム全盛の時代における、メディアの生き残り方を模索した結果なのかもしれない。

TEXT BY JULIA GREENBERG

これで「職場閲覧」も安心だ。
かつてはアダルト雑誌の筆頭であった『PLAYBOY』(プレイボーイ)が、「ヌードを取りやめる」(ただし「PG13」は維持される)。この事実を最初に伝えた「ニューヨーク・タイムズ」によれば、同誌は、誌面の企画を見直し、2016年3月に発行される号からフルヌード写真を掲載しなくなるという。「1953年に創始者ヒュー・ヘフナーがこの雑誌を創刊して以来、モデル、有名人、そしてもちろん、プレイメイトの裸体が掲載されないのは初めてのこと」だと、同社は語る。
これは思い切った転換である。ヘフナーは、ヌードを打ち出した雑誌を生み出したが、「彼がPLAYBOYをつくったとき、彼は、痛々しいほどに保守的であった当時のアメリカにおいて、個人の、そして性的な自由を守ろうと手を打ったのです」と、プレイボーイ社は説明する。
しかしながら、時代は変わった。ヌードやポルノは、インターネット上でいくらでも見ることができる。多くの人が、雑誌を購買するよりもむしろオンラインでの閲覧を選択している。一方で、従来の読者は、Facebook、Twitter、Pinterestなどのプラットフォームで、ストーリーを読んでいる。そしてこれらのプラットフォームはそれぞれ独自のルールを設け、ヌードを禁止、あるいは制限している。
プラットフォーム・ドリヴンの現代においてPLAYBOYが生き残るためには、こうしたルールを遵守しなければならないというプレッシャーはとてつもなく大きい。ゆえに彼らは、自らのアイデンティティの柱に見切りをつけるわけである。

「プレイ」への適合
とはいえ、PLAYBOYがこうした転向を試みるのは初めてというわけではない。
プレイボーイ社は15年に「職場でも安全に読めるもの」として「Playboy.com」を再始動し、かなりの成功を収めている。「毎月、何千万人もの読者が、美しい女性のグラビアのみならず、ユーモア、セックス、文化、スタイル、ナイトライフ、娯楽、そしてヴィデオゲームについての記事やヴィデオを求めて、わたしたちのヌード以外のコンテンツに接しています」と、彼らは言っている。

330とはずがたり:2015/10/29(木) 19:12:04
>>329-330
同社CEO、スコット・フランダースは、「タイムズ」誌に対して、コンテンツのいくつかを「Facebook、Instagram、そしてTwitterのようなソーシャルメディアプラットフォームに掲載できるように」した、とタイムズ誌に語っている。またタイムズ誌は、ウェブサイト移行後、ひと月あたりのウェブサイト訪問者数がおよそ400万人から1,600万人に増加、読者の平均年齢が47歳から30歳代全般に下がったという。つまり人口統計学からみて「自宅でソーシャルメディアを利用する読者」へと移行した、と伝えている。
多くのソーシャルメディア・プラットフォームでは、セックスなどの「露骨なコンテンツ」を禁止している。そうしたコミュニティー基準はずっと変わっていない。それこそ、53年にヘフナーがマリリン・モンローのヌードを雑誌に「折込み」として発行したときから。

プレイボーイ社は、「Facebookでは、ヌード写真の掲出が禁じられているが、それはグローバルで見たときに、この種のコンテンツに対して過敏なユーザーがいる場合があるからだ」と述べている。Twitterは、ヌードのようなセンシティヴなコンテンツについて、アラートを出して隠せるよう求めている。一方で、セレブや活動家たちが「乳首を自由に」Instagramに掲載するというキャンペーンを行っているが、成功はしていない。アップル社のApp Storeのガイドラインは、「ポルノの資料を含むアプリは拒絶されます」との警告を出している。
このような事態に直面したとき、PLAYBOYのように、コンテンツディストリビューションの観点からプラットフォームに依存している雑誌において、戦略の再検討が必要になるのも無理はない。
雑誌の発行人は、何をすべきだろうか。コンテンツを雑誌のみに掲載するという方針では、企業は必ずしも成長しない。雑誌で見ることのできるものは、オンラインにも掲載されるものだ。プレイボーイ社はブランドの再構築を決断した、ということだ。

PLAYBOYの決断は、コンテンツディストリビューション・モデルが、コンテンツ制作に対していかに「指図をするか」ということについて、完璧な例となるかもしれない。
しかし、ことはこれだけではない。発行人は、彼らの作品が読者/視聴者によってソーシャルメディア上で発見され、共有されるということで、自らの事業が成り立っていることを理解している。「シェア」が、編集者の意思決定の要素となっているが、しかしそれは言うほどにうまくいっているわけでもない。
雑誌というかたちで出版すれば売れる作品が、必ずしもウェブ上でうまくいくとは限らない。ラジオで成功する作品がテレビで報道された場合に、うまくくいくとは限らない。すべてのメディアには独自のルールがある。この違いは、ことコンテンツを考慮なければならないとき、発行人側ではルールを決められない。彼らはただフォローするのみ、なのだ。

331名無しさん:2015/10/31(土) 13:33:41
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151028-00010001-agora-pol
“ツタヤ図書館”の住民投票が問いかけた本当のこと --- 長坂 尚登
アゴラ 10月28日(水)15時20分配信

2015年10月4日、愛知県小牧市で「現在の新図書館建設計画に関する住民投票」が行われました。結果は、賛成24,981票、反対32,352票。私の地元、愛知県豊橋市でも、2020年の完成を目指し、現在、新しい図書館の計画づくりが行われています。それもあり、この住民投票はとても注目していました。

図書館のあり方を問いかけた住民投票
この小牧市の新図書館建設計画は、一年以上前から注目されていました。それは、連携民間事業者に、CCC・TRC共同事業体が選定されたからです。CCCは、TSUTAYAを運営する会社で、佐賀の武雄市図書館の実績から、今、図書館界隈で非常に注目されています。TRC(株式会社図書館流通センター)は、図書館の指定管理最大手。同時期、豊橋まちなかの新しい図書館の整備基本計画も、委託事業者が選定されましたが、その結果は業界紙など一部報道に留まりました。一方、小牧市のCCC・TRC連携事業体の選定は、大きく報道されました。私も新聞で知り、そして注目度の高さをうらやましく思いました。

当時、私は「豊橋に日本一の図書館をつくろうプロジェクト」という活動をしていました。しかし、豊橋のまちなかに新しい図書館ができることへの認知度は低く、5%あるかないか、という体感値でした。それは今でも大きくは変化はしていないと感じています。それに比べると、今回「住民投票」という地方自治において最も大きな動きのひとつにつながった小牧市には、羨望の気持ちさえあります。それが、反対運動が起点でも、市民の半数という非常に多くの人が図書館のことについて、ちょっとでも時間を割いて考えたという事実はとても大きいです。

今回の住民投票が、なぜこれほど大きなことになったのか。投票率とその争点について、少し調べ考えました。まず投票率の高さはすぐに説明がつきました。住民投票は、小牧市の市議会議員選挙と同時に行われていました。では、各市議候補は、大きな争点である図書館について、どう対応したのか。選挙公報を見ると、32人の候補のうち、新図書館についての言及があったのは5人、全員が反対。内訳は共産党が3名、無所属が2名、そして、全員が50億円(または42億円)という金額を明記しています。しかし、住民投票の結果とは逆に、無所属の2人は落選。この結果は非常に興味深いです。まず、32人中、言及がたった5人というのは、この住民投票が非常に機微なテーマであったということです。そして「反対」の姿勢を明確にしても、票に繋がっていない。更に、最も訴えやすいポイントはその金額であったのです。

332名無しさん:2015/10/31(土) 13:34:00
>>331

CCCの図書館参入は“企業誘致”
10年前、私は母校で教育実習をしました。そのとき当時の女子高生に「豊橋に何がほしいか」聞きました。その答えは、スターバックス・マツモトキヨシ・HMV。また、私は昨年度まで商店街マネージャーという仕事で、商店街活性化に関わっていました。ある日、ある商店の娘さんが喜々とした顔で「今日となり町のイオンモールに行ってきた!」と自慢気に話をして来たとき、複雑な気分になりました。しかし、これが現実です。

昨今のCCCによる図書館参入は、指定管理か自治体直営かという課題とは、質が異なると感じています。どちらかと言えば、企業誘致に近い。そして、住民がほしいものは、TSUTAYAではなくスターバックスです。なぜなら、TSUTAYAはもうある。都会の人にはわからないかもしれないが、それだけスターバックスは憧れの存在です。

よく地方に「独自性」が求められますが、それは、外の人の意見です。住んでる人は「みんなが持っているものが私もほしい」のです。だから、女子高生がスターバックスに憧れたり、若い子が豊橋にもイオンがほしいと言うことを否定できない。それは素直な気持ちであり、それだけ、それらの施設は洗練されており、魅力的なのです。都会人が普段、スターバックスやイオンに行きながら、地方に行くと「郊外はどこも同じ」と言うのは横柄です。

2つの役割で揺れる現在の図書館
さて、あなたは自分のまちの図書館が自治体直営か業務委託か指定管理か、ご存知ですか?残念ながら、多くの利用者は、そこに注意を払っていないでしょう。先の連携事業体に与するTRCは国内で400を超える公共図書館に関わっています。もちろん、他の事業者もある。だから、あなたのまちの図書館に民間事業者が関わっている可能性は大いにあります。

今、図書館は大きく2つの役割の間で揺れています。
一つはこれまで図書館が担ってきた「知のセーフティネット」として情報的な役割、THE図書館。もう一つは、最近求められつつある新しい「居場所」や「にぎわいの創出」という空間的な役割、ニュータイプな図書館。THE図書館については、これまでの積み上げもあり、専門家・専門機関にその強みがある。一方、ニュータイプな役割については、必ずしもそうではない。これまで通りのTHE図書館を指向するのは、図書館で働いている方や、THE図書館の愛好家な方々。多くの人は変化を迫られることを恐れます。一方、ニュータイプが指向しているのは、これまで図書館に来なかったような人たちです。

333名無しさん:2015/10/31(土) 13:34:45
>>332

図書館は今、過渡期だ
最近、私がこわいと感じているのは、THE図書館な方々の団結力と排他性です。

私自身ブログで豊橋市の新しい図書館について度々記しているのですが、それについて、否定的な取り上げ方をされるのは、ほとんどが市外の方々。一方で、好意的な反応は、市内の方々から感じます。しかし、情報的な役割と空間的な役割は、全く両立可能だと考えています。例えば、豊橋の新しい図書館は、中央館ではなく地域図書館です。これまで通りのTHE図書館的な役割は引き続き、中央館が担います。だからこそ、新しい図書館では、よりチャレンジングな取り組みがしやすい環境であると考えます。

今、図書館は過渡期です。変化に衝突や試行錯誤はつきものです。それを恐れない地域からきっと魅力的な新しい図書館は生まれます。そして、それは図書館に留まらず、そういう地域が「生き残る地域」となるでしょう。


長坂尚登 愛知県豊橋市議会議員(無所属)、内閣官房地域活性化伝道師
公式サイト(http://nagasakanaoto.com/

編集部より:この記事は、愛知県豊橋市議会議員、内閣官房地域活性化伝道師の長坂尚登氏に依頼し、全国的な話題になった小牧市の新図書館建設問題に関する論評を寄稿いただきました。長坂氏に心より感謝いたします。

長坂 尚登

334名無しさん:2015/11/04(水) 22:02:23
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151104-00000005-sasahi-soci
ネット“炎上”でフェア中断 ジュンク堂の「民主主義」って?〈週刊朝日〉
dot. 11月4日(水)11時33分配信

 大手書店チェーンMARUZEN&ジュンク堂書店の渋谷店が、インターネットで“炎上”にさらされている。

 きっかけは、安保法に反対する若者団体「SEALDs(シールズ)」の本などを集めた販促フェア「自由と民主主義のための必読書50」。9月下旬からレジ正面で実施していた。ところが、書店員が10月19日、ツイッターで「参院選まではうちも闘うと決めました」「一緒に闘ってください」などとつぶやき、「偏向している」と、集中砲火を浴びたのだ。

 炎上騒ぎを重くみた本社は、書店員がツイートに使っていた非公式アカウントを削除。一連のツイートは書店員の私的な見解で、「弊社の公式な意思・見解とは異なる」と釈明した。ツイート発信の経緯を調べ、「コンプライアンス違反が認められた場合は社内の規定に則り適切に対処する」という。

 ここまでは従業員による社内規定違反への対応として理解できる。だが、同社は「本来のフェアタイトルの趣旨にそぐわない選書内容であったため、現在その内容について精査し選書を見直して再開する」との見解も示し、21日にフェアを中断してしまった。

 その結果、今度は「書店の方針で本を選んでも何の問題もない。ネトウヨの思うつぼ」「『さすがジュンク堂!』と思ったのにあっさり退散。残念すぎます」と、同社の姿勢を疑問視する声がネット上に続々と書き込まれた。

 業界関係者によると、ジュンク堂は、売り場づくりを各店舗の現場に一任する自由な店として知られている。ネットで批判されても店の姿勢を貫く姿勢が「さすがジュンク堂」と称賛されることさえあった。

 実際、5月下旬には、難波店が中国バッシングやヘイトスピーチを批判する「反ヘイト本」の売り場を特設し、ネット上で「反日書店」と批判を浴びたが、断固としてフェアを継続していた。そもそも池袋本店では「民主主義を取り返せッ!!」と題し、渋谷店と同様のフェアを9月末まで開催していた。

 今回の本社の対応は、現場にも影を落とした。系列店のある幹部は言う。

「人が選ぶ以上、選書は本質的に偏ったもの。フェアを中断するのが正しい選択だったのだろうか」

 同社の「民主主義」が問われている。

(本誌・藤村かおり、牧野めぐみ、松岡かすみ、西岡千史/今西憲之、黒田朔、桐島瞬)

※週刊朝日 2015年11月13日号

335とはずがたり:2015/11/10(火) 18:35:34
意義深そうだ。

100年分/約8,000冊の科学技術本を蔵書する「夢の図書館」が資金調達中
(2015/11/10 12:18)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/20151110_729721.html

 100年分、約8,000冊の科学技術関連書籍を蔵書する「夢の図書館」が、現在国内のクラウドファンディング「READYFOR」で資金調達を募っている。

 これは、1970年代に月刊アスキーの編集長を務め、現在技術少年出版の代表を務める吉崎武氏が立ち上げたプロジェクト。同氏は「子供の科学」(誠文堂新光社)といった科学技術雑誌(1924年10月1日発刊分から計778冊)から、「ラジオの製作」(電波新聞社)のようなラジオ・無線系雑誌(1960年6月1日発刊分から計235冊)、「アスキー」(アスキー出版)といったコンピュータ系雑誌、そして船舶、鉄道、航空、漫画、SF/映画、デザインなど約8,000冊を蔵書する。最古の蔵書は「少年工藝文庫」(博文館)で、1902年(明治35年)4月3日に遡る。

 一般的な公立図書館は、保管スペースの関係で一定期間が経過すると本が破棄されてしまう。吉崎氏は「子供時代わくわくしながら読んだ夢に見るほど懐かしい雑誌に再会したり、歴史でしか知らない時代の雑誌を読んで時間旅行をしてもらう」ために開設したという。

 現在、高尾山の隣にある丘の頂上で小規模な読書室としてプレオープンしている。東日本大震災でもほとんど揺るがなかった地盤に加えて、200mの高台という安全性の高い場所で保管している。建物は閉店した元書店で、現在は広いフロアに蔵書を入れたコンテナを積み上げ、湿度を維持している状態。今後、綺麗な内装を行ない図書館としてオープンする。

 なお資金調達を行なうのは、この図書館の開設にかかる費用ではない。雑誌記事のコピーサービス、および蔵書貸出サービスをインターネットで利用できるようにするための記事単位の検索/読者記事評価システムのシステム構築費の一部である100万円、および蔵書を整理して収納するための本棚制作費用の一部である100万円。12月14日午後11時までに200万円集まった場合、プロジェクト成立となる。

 プロジェクトへの参加は3,000円からで、1年間有効(年会費3,000円相当)な夢の図書館会員証、および1日利用券1枚が送られる。

336名無しさん:2015/11/21(土) 16:33:06
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151120-00010000-shincho-pol
「平和な時代が続くと青年の意見は無視されるようになる」三島由紀夫の言葉(2) 政治編
デイリー新潮 11月20日(金)7時31分配信

 三島由紀夫というと、その最期から「自決した何となく軍人っぽい怖い作家」といったイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし、当然のことながら三島の思想はそんな簡単に片づけられるようなものではない。

 前回の記事では、三島由紀夫の名言から「男と女」に関するものをご紹介した。今回は、「政治」に関連した言葉をご紹介しよう(いずれも『三島由紀夫の言葉 人間の性(さが)』(佐藤秀明・編)より)

 ***

「胃痛のときにはじめて胃の存在が意識されると同様に、政治なんてものは、立派に動いていれば、存在を意識されるはずのものではなく、まして食卓の話題なんかになるべきものではない。政治家がちゃんと政治をしていれば、カジ屋はちゃんとカジ屋の仕事に専念していられるのである。現在、政治は民衆の胃痛になり、民衆の皮膚はアレルギーの症状を示し、異常に敏感なその皮膚は、何事もまず皮膚で感受しようとする。こういう状態こそ政治的危機である」

「日本はふしぎに近代史を見ても、青年の意見がおそれられるのは動乱の時代であり、しばらく平和な時代が続くと青年の意見は無視されるようになる。[…]近代史において、青年の意見がそのまま国の根幹をゆるがし、かつ国の形成に役立ったのは、明治維新をおいてほかにはない」

「もともと戦争が美化されたのは、それを醜いと知っていても、戦争が必要だったから、美化せざるをえなかった点もあるでしょう。今では戦争は必要でないから、美化されるおそれがないかといえば、ろうそくの必要がなくなっても、われわれはろうそくの光りでディナーをとることを好むのです」

「すべての戦争は自衛の戦争の形態をとり、帝国主義戦争、領土侵略戦争、植民地戦争という外観はできるだけ避けられるようになった。自衛の戦争という観念自体に、『やむを得ず』という観念が含まれる。『いやいやながら』という考えが含まれる。いやいやながらという気持ちは複雑であって、その気の進まなさには、一面好奇心や欲望が隠されている。われわれは気の進まない行動をするときに、どこまでほんとうに気が進まないのか疑問なのである」

「あの戦争についての書物は沢山書かれているが、証人は次第に減り、しかも特異な体験だけが耳目に触れるから、今の若い人たちは戦時中の生活について、暗い固定観念の虜(とりこ)になりがちである。そこにも平凡な人間の生活があり、平凡な悲喜哀歓があり、日常性があり、静けさがあり、夢さえあったということは忘れられがちである。たとえば私がクラヴサンの音色を、戦争中の演奏会におけるほど美しく聴いたことは、後にも先にもないのである」

 ***

 どこか最近の政治関連のニュースを想起させる言葉も多く、今の時代にも十分通用する言葉が多いと感じた方もいることだろう。『三島由紀夫の言葉 人間の性』には、厳選された名言309が収録されている。

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337とはずがたり:2015/12/04(金) 10:12:42

2015.12.02
あの取次最大手、本業赤字転落が激震!出版業界、ついに本格的崩壊開始の予兆
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12686.html
文=佐伯雄大

「なんじゃ、こりゃあ」
 刑事ドラマの名作『太陽にほえろ!』のジーパン刑事こと、故松田優作ばりの叫び声を思わずあげてしまったのは、11月25日、出版卸業(取次)最大手の日本出版販売(日販)が2015年上半期中間決算(4〜9月)を発表した日の夜だった。
 筆者がその夜、目にしたのは、日販の「事業別損益内訳」という表で、そこには同社単体の上半期業績の数字が並べられていた。
・売上高:2399億1800万円(前年比171億5200万円減)
・営業損益:3億300万円の赤字(同4億4800万円減)
・経常損益:1億3300万円の赤字(同4億6400万円減)
 なんと、日販の本業である「出版取次事業」が営業損益ベースで赤字になっていたのだ。しかも、本業が赤字になったのは、どうやら初めてというのだ。
 2000年に京都の老舗書店・駸々堂書店の自己破産時に、創業以来初の最終赤字の決算(00年3月期)となったが、そのときですら営業損益ベースは黒字だった。というのも当然で、当時は出版取次業で得た利益を、取引先の倒産による膨大な特別損失が上回ったことによる赤字だった。ただ、不良債権化した書店などの取引先や業績の悪い関連会社の始末に追われていたのも事実で、日販の財務体質が2大取次のもう一方の雄・トーハンよりも脆弱になったのは、その処理に不動産等の「資金」を投入したためともいわれている。
 日販の15年上半期の業績が厳しいものになると聞いてはいたが、まさか赤字とはわが目を疑った。業界紙や同社ホームページで発表された単体の決算は以下のとおりで、決して誉められた数字ではないが、見事黒字になっているからだ。
・売上高:2431億2300万円(対前年比171億6700万円減)
・営業利益:2億8600万円(同3億2500万円減)
・経常利益:7億5000万円(同2億8500万円減)

 前述した事業別損益内訳との乖離が生じている理由は、出版取次事業と「その他(不動産・PPT他)」事業を合算すると、上記のように黒字になるためだ。ちなみに「その他」の業績は以下のとおり。
・売上高:32億400万円(対前年比1500万円減)
・営業利益:5億8900万円(同1億2300万円減)
・経常利益:8億8400万円(同1億7800万円減)
 不動産等のその他事業の売り上げは、本業の1.3%にしかすぎない。たまたま今回は黒字になっただけだろう。(とは註:今回の出版取次事業の赤字を消すべく色々化粧はしたんでわ?たまたまってことはあるまい。)

出版流通の危機的状況

 中堅老舗出版社の取締役は語る。
「●今年6月に民事再生を申請した栗田出版販売の救済に手を上げた日販の子会社・出版共同流通が、最終的に提示された再生案から外れていた。大阪屋1社がスポンサーになるという案に変わっていたのは、今思えば、赤字のせいで栗田救済の数億円をねん出できなかったからだろう」
 また、ある出版社の営業幹部は語る。
「●日販は、返品を減らして売り上げを上げた結果、得られた利益を書店にも還元するというビジネスモデルを出版社と書店に提案した最初の取次。売上面でも最大手だったトーハンを抜いて、出版業界のリーディングカンパニーとして、他取次との返品業務の協業化など流通改善を進めてきた。とくに40%近くもある返品率は業界3者(出版社、取次、書店)にとって共通の“克服課題”。書籍25%、全体で30%などに書店の返品率を抑えるため、PARTNERS契約を結んで返品抑制に努めてきた。ライバルのトーハンと比べて、日販の返品率は低いのはそのためだ。だが、そこまでやっている最大手の取次が営業赤字になったというのは、出版流通の破たんを意味しているのではないか」
 出版社で40年業界経験のある幹部は語る。
「昨年は大阪屋、今年は栗田と、業界3位と4位の取次が事実上、経営破たんした。●大阪屋は楽天が筆頭株主となり、出版社などが出資をして救済。栗田はその大阪屋に吸収合併するという民事再生案が今年のクリスマスイブに諮られる。それ以下の取次では、●一時は400億円以上もあった売り上げが半減以下の177億円になり、赤字を垂れ流し続けている太洋社もいい話は聞かない。●協和出版販売はトーハンに吸収合併されたし、●一昔前は業界3位だった中央社も今やトーハンの傘下。●日教販も日販と資本業務提携している。出版取次の名だたる8社の現状は、こんなにもひどい状況になってしまった」

338とはずがたり:2015/12/04(金) 10:15:29
>>337-338
書店の廃業も加速

 市場が縮小する中では、大手と中小企業の合併・提携によるグループ化が進むか、グループに入れない企業は廃業するしかない。ライバルのトーハンとは別に、大阪屋や栗田などと組む日販陣営は返品業務の協業化を進めてきている。
 それでも赤字になったのは、市場縮小のスピードに業界の改革が追い付かないからだ。それは日販の単体の営業利益の推移をみれば一目瞭然。
・11年度中間決算:16億2900万円
・12年度同:12億6800万円
・13年度同:12億400万円
・14年度同:6億1100万円
・15年度同:2億8600万円
 きれいに右肩下がりが続いているうえに、8%に消費税が上がった14年度は前年に比べて半減、15年度も半減以下と非常に厳しい状況に置かれている。

 14年度を境に業績の落ち込みがひどくなったのは、書店の転・廃業に原因がある。消費増税を機に書店の廃業が前年よりも増えている中、日販の取引書店の坪数増減は14年度中間がマイナス2933坪、15年度中間が同3519坪と2年連続で増床坪数よりも減少坪数のほうが上回ってしまった。これは日販帳合の書店の売り場が2年連続で急激に減ったことを意味している。
 その一方で改革の一端をみてみよう。
 10年にスタートしたPARTNERS契約は、15年中間期において書籍の返品率は38%、雑誌は36.7%。書籍25%の返品を目指して達成できた書店法人はたった2法人。出版社との契約社は97社(前年比8社増、シェア56.2%)という程度に留まっている。返品率は5年かけても30%台後半、出版社との契約もシェアでみて半分、社数では100社未満という少なさだ。誉められた数字とはいいがたい。
 ある取次の幹部は語る。
「日販は、縮小する市場の中でもシェアさえ確保していれば利益は保たれると考えていたのだろう。2大取次としては当然の発想かもしれないが、今回の中間決算で社員数など現在の企業規模を維持するだけの収益をもう上げられないことが判明した。これまで彼らは返品を抑制するために書籍・雑誌の送品を絞り続けた。返品を多少下げたものの、劇的には下がらなかった。さらに、送品減で市場全体を縮小させるようコントロールしてきた。
 だが、いくら送品を減らしても、返品を減らしても、返品物流を協業化しても赤字に陥ってしまった。それは低迷し続ける雑誌という媒体の流通=多頻度・大量流通を前提に書籍などの商品を送り込む中で、個別商品の返品を抑制・削減するという手段では、その効果は限定的にしか発揮されないからではないだろうか。言いかえれば、雑誌はどうあがいても縮小していくし、雑誌の実売数や媒体数が減れば減るほど、取次の利益率は悪化していく。
 であればもはや発想を変えるときだ。この多頻度・大量流通に依存しない送返品のシステムを構築していく必要がある。そのためには、出版ビジネスの根幹である書店の書籍仕入値、正味に手をつけなくてはならないだろう」
 取次幹部の指摘はもっともだろう。すでに大量消費の時代は終わっているし、雑誌を前提とした販売方法を捨て去らなくてはいけない時代に突入している。出版流通システムだけがその考えを維持していても、生じる齟齬がどんどん大きくなるだけだ。赤字になった今だからこそ、新しい流通システムを提案できるのではないか。

正味戦争

 雑誌流通に依存しない書籍の流通を考えると、まずは書籍版元の正味の大幅引き下げの要請が起きてくるだろう。まさしく、一昔前に起こった“正味戦争”が勃発するだろう。正味交渉次第で、出版社は当然、本の定価を上げざる得なくなる。そうなれば、もっと読者は遠ざかり、真の読書好きしか、本を購入しなくなる。それが負のスパイラルとなって、出版社の経営を苦しめる。今以上の人員整理など企業規模の縮小を余儀なくされるだろう。当然、取次も書店も同じだ。ますます縮小するが、雑誌の滅亡とともに、その衰退も落ち着いてくるだろう。
「出版界の将来の市場規模は、1兆円くらいではないか。私が入社した頃がそれくらいだった。まだまだ書店が潰れ、取次が潰れ、出版社が潰れていく。今の半分くらいの出版点数とプレイヤーになれば、市場は下げ止まるのではないか」
 40年以上も出版業界に携わり、すでに引退している取次幹部の独り言が現実味を帯びてきた。
(文=佐伯雄大)

339とはずがたり:2015/12/07(月) 22:51:34
別役がどっかでイギリス人は男たるもの息子の一人は育てないとと(可成りうろ覚え,勿論,ほんとうにそんな諺があると云うよりは別役一流の諧謔だった筈だけど,個人的には大いに影響受けた)書いてたかすかな記憶があるけど本人は一人娘っての含めたネタ振りだったのかw

また丸損を女房と致すようなもの,みたいな表現もあった(これまた可成りうろ覚え。無論,これにも俺は大いに影響を受けているw)だけど奥さんは劇団の美人女優である。

1年前の演目は別役氏病気で変更になったらしい。もう80過ぎみたいだけどご健筆をお祈りしたい。
あとこれは日本芸術院を調べてて別役氏が載ってたのを見てのレス。

別役実の一人娘,べつやくれい嬢らしい。
http://portal.nifty.com/2008/09/20/a/2.htm
http://asiamoth.com/mt/archives/2008-08/16_2352.php

因みに奥さん,楠有子
https://www.google.co.jp/search?q=%E6%A5%A0%E4%BE%91%E5%AD%90&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwiE0KfY78nJAhVHupQKHZDTA_0QsAQIGw&biw=1366&bih=643

2014/10/31
別役実が病気療養のため12月上演の演目が変更に
http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2014/10/31_05.php

340とはずがたり:2015/12/10(木) 12:54:02

当選者1万2千人、半分の名前でっちあげ 懸賞付き雑誌
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E5%BD%93%E9%81%B8%E8%80%85%EF%BC%91%E4%B8%87%EF%BC%92%E5%8D%83%E4%BA%BA%E3%80%81%E5%8D%8A%E5%88%86%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%89%8D%E3%81%A7%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%81%82%E3%81%92-%E6%87%B8%E8%B3%9E%E4%BB%98%E3%81%8D%E9%9B%91%E8%AA%8C/ar-AAg9S7g
朝日新聞デジタル
1日前

 懸賞付き雑誌で「高額賞金ザックザク」などとうたいながら、読者プレゼントの当選者数を実際より多く表示していたとして、消費者庁は8日、雑誌を出版するアイア(東京都渋谷区)に、景品表示法違反(有利誤認)に基づき、再発防止などを求める措置命令を出した。

 アイアは婦人服を中心としたアパレル会社で、出版部門が懸賞付きパズル雑誌を出している。不当表示が確認されたのは、「クロスワードパクロス」など、昨年に定期刊行した全6誌と増刊号など計41雑誌(総発行部数189万部)。いずれも懸賞付きであることをセールスポイントにしていた。

 全問正解すると現金やロボット掃除機といった高額電化製品などが当たるとしていた。だが、誌面で発表していた当選者数は約1万2千人だったのに対し、実際は約半数しかおらず、掲載された当選者名の半分はでっちあげだった。目玉にしていた現金10万円の当選者は1人もいなかった。

 アイアは「予算が足りず、必要な商品を用意できなかった。現在はすべて景品は出している。指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めたい」としている。(重政紀元)

341とはずがたり:2015/12/10(木) 19:11:28
「火垂るの墓」作家の野坂昭如さん死去
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151210/k10010335981000.html
12月10日 11時13分

戦争体験をもとにした小説、「火垂るの墓」で直木賞を受賞し、歌手としても活躍した作家の野坂昭如さんが、9日夜10時半、東京都内の病院で、心不全のため亡くなりました。85歳でした。
野坂さんは神奈川県鎌倉市生まれで、早稲田大学在学中にCMソングの歌詞やテレビの台本などを書き始め、昭和38年に「おもちゃのチャチャチャ」で日本レコード大賞童謡賞を受賞しました。この年、作家としてもデビューし、昭和43年、「アメリカひじき」と、のちにスタジオジブリのアニメになった「火垂るの墓」の2つの短編で直木賞を受賞しました。
その後も「戦争童話集」など、空襲や飢えなどの戦争体験をもとに、多くの小説や童話を書き続け、みずから「焼跡闇市派」と名乗りました。
編集長を務めていた雑誌に掲載した小説「四畳半襖の下張」を巡る裁判では、わいせつの概念について最高裁判所まで争い、話題になりました。
昭和58年には参議院議員に当選しましたが、田中元総理大臣の政治資金の問題を巡り、金権政治を批判して辞職し、その年行われた衆議院選挙に田中元総理大臣と同じ、当時の新潟3区から立候補して落選しました。
また、歌手として「黒の舟唄」などのヒットを飛ばし、ウイスキーのコマーシャルでは「ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか。みんな悩んで大きくなった」というフレーズを流行させました。さらにテレビ番組や雑誌などで辛口のコメントを積極的に発言するなど幅広い分野で活躍しました。
野坂さんは平成15年に脳梗塞で倒れてリハビリを続け、平成21年にはリハビリを兼ねて句集を出版していました。そして最近まで口述筆記でエッセーなどを書いていたということですが、9日夜、自宅のベッドで意識がない状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されたということです。死因は心不全でした。
野末陳平さん「とても優しい人物」
野坂昭如さんと若いころから親交があった元参議院議員で放送作家としても知られる野末陳平さんは「若いときは一緒に多くの仕事をしましたが、とても優しい人物でした。亡くなったことは、けさ、知人を通じて、知りましたが、長い間、会っていなかったので会っていればよかったといまになって思います」と話しています。
元編集者「戦争中の妹の死が根本にあった」
野坂さんの自宅を訪れた中央公論社の元編集者で、最初に野坂さんを担当したという水口義朗さんは「奥さんからは『2か月ぐらい前に誤嚥性(ごえんせい)の肺炎で容体が悪化し、もうだめかと思ったが、医師が驚くほど回復した』と聞いていた。よく頑張った、よくもったなという感じで、覚悟はしていたが残念だ。戦争中に空襲に遭い、1歳4か月の妹が腕の中で餓死したことが彼の中に根本的にずっとあったと思う」と話していました。

342とはずがたり:2015/12/21(月) 20:33:36

2015.12.21 19:32
ツタヤの図書館問題 住民投票求める9000人分署名提出へ
http://www.sankei.com/west/news/151221/wst1512210083-n1.html

 レンタル大手のTSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と山口県周南市が計画する市立図書館新設をめぐり、是非を問う住民投票を求め署名活動をしている反対派の住民団体は21日、約9千人分の署名が集まったと明らかにした。22日に市選挙管理委員会に提出する。

 有効署名が有権者の50分の1(2425人)以上あれば、住民団体が市長へ直接請求し、議会が住民投票実施の条例案を審議することになる。

 署名活動は11月18日〜12月17日に「県オンブズマン市民会議」が実施。沖田秀仁代表(67)は「住民の関心は非常に高い。議会は重みを受け止めてほしい」と話した。同会議は、来年3月の市議会で条例制定し、同5月の市議選と同日の住民投票実施を目指す。

 市は、平成30年度の開館を目標に図書館を核とする駅ビルの新設を計画。図書館の企画・アドバイスでCCCと連携している。一方、佐賀県武雄市などのCCCが関わる図書館で選書が問題化したことなどを受け、同会議が計画に反対している。

343とはずがたり:2016/01/31(日) 19:37:41
今読んでる。なかなか興味深い。宇宙・薬理・数学と多岐に亘る無の科学。

「無」の科学 単行本 ? 2014/7/22
ジェレミー・ウェッブ (著), 水谷 淳 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E7%84%A1%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%A7%91%E5%AD%A6-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%96/dp/4797377011

344名無しさん:2016/02/02(火) 22:49:24
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_0128.html
“かもしれない”の想像力
1月28日 15時37分

「りんごが本当はりんごじゃないかもしれない」
1個のりんごを巡って次々と紡ぎ出されるアイデアを描き、27万部という異例のヒットを記録している絵本『りんごかもしれない』。出版社には、絵本に触発された読者が自分で思いついたりんごを巡るアイデアを描いたイラストが3000点以上寄せられているほか、教材として教育現場でも活用されるなど、広がりを見せています。豊かな発想をいざなう「かもしれない」ということば。その絵本の魅力を取材しました。(ネット報道部 野町かずみ)

345とはずがたり:2016/02/03(水) 11:11:56

解読不能で返本、136万返還要求…国会図書館
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E8%A7%A3%E8%AA%AD%E4%B8%8D%E8%83%BD%E3%81%A7%E8%BF%94%E6%9C%AC%E3%80%81%EF%BC%91%EF%BC%93%EF%BC%96%E4%B8%87%E8%BF%94%E9%82%84%E8%A6%81%E6%B1%82%E2%80%A6%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8/ar-BBp1sSY
読売新聞
11 時間前

国立国会図書館は2日、東京墨田区の出版社「りすの書房」から納本された書籍「亞書」(1巻〜78巻、各6万円)について、出版社に78冊を返本した上で、代償金として支払った約136万円の返還を求めた、と発表した。

国立国会図書館法は、国内で出版された出版物を同図書館に納入することを義務づけており、同図書館は通常、定価の5割と送料を代償金として出版社に支払っている。同書は昨年3月から順次納本され、すでに42冊分の約136万円が支払われているが、ギリシャ文字をランダムに配した解読不能の本であったことなどから、同図書館は「納入義務の対象にはあたらない」と判断した。

346とはずがたり:2016/02/23(火) 20:18:11
2016.02.20
アマゾンと出版社、容赦ない取次「外し」加速…問われる取次の存在意義、存亡の危機か
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13887.html
文=佐伯雄大

 アマゾンジャパンは1月28日、東京・目黒の目黒雅叙園に販売契約協力している出版社などを集めて、2016年の方針説明会を開催した。

「説明会では、『YES 直取』という合言葉を掲げて直取引の説明をしていましたが、直取引の拡大が最大のテーマでした。なんと現在より直取引出版社数を2倍にしたいというから驚きです」(出席した出版社社員)
 アマゾンが直取引の拡大をテーマに掲げていることは知られているが、日本に上陸してから間もなく、「e託販売サービス」というシステムを導入して、出版社との直取引を始めていった。当時のバイスプレジデント、ローレン川崎氏が慣れない日本語で「ちょく、とーりひーきー」と出版社を前に挨拶したのも懐かしい話だ。導入から約10年近くが経った今になって、アマゾンはまた「直取引の拡大」を大声で叫び始めた。
「昨秋頃に、アマゾンはベンダーセントラル(出版社への販売支援システム)に登録する出版社などを集めて、『和書ストア売り伸ばしセミナー』を開催していましたが、結局は直取引の勧誘でした。セミナー出席社に限定して、1カ月以内に申し込めば、通常60%である出版社からアマゾンへの卸率(編注:1000円の書籍であれば600円でアマゾンに卸すという意味)を66%にするというのです」(出版社社員)
 この話に「ぐらっときた」と別の出版社社員はこう明かす。
「うちの取次への正味(卸率)は67%です。しかも新刊は5%の歩戻しが取られますので、実質正味は62%です。また、支払いがアマゾンは月末締めの翌々月末払いとかなり早いですが、取次の場合は6カ月以上かかります。1月に書籍を出してお金が入ってくるのは7月とか8月になってしまうので、アマゾンの提案に気持ちがぐらつくのも当然です」
 この勧誘は、出版業界でちょっとした話題となった。というのも、アマゾンが実施するポイントサービスが再販違反に当たるとして、アマゾンへの出荷を見合わせるなどした日本出版者協議会が、「アマゾンによる出版社直取引(e託取引)の勧誘に対する声明」と題した異例の文書を発表したからだ。
 詳細は同協議会のホームページに掲載されているが、アマゾンが出版社との直取引を拡大すれば、定価販売と委託販売とで成り立っている出版社・取次店・書店を軸にした、いわゆる正常ルートは破壊され、書店・取次店の廃業が続き、ついに出版社もアマゾンのいいなりにならざるを得ないことを懸念している。また、甘い条件は単年度のもので、契約更新時に結局は60%に戻されてしまう懸念もつきまとう。

 この声明が異例なのは、一書店の仕入れ方法を出版社の団体が牽制したことだ。アマゾンと出版社は個々に契約して直取引を行っている。それ自体、ビジネス上はまったく問題がない。それを事業者団体が楔(くさび)を打ち込むかのような行為に出ること自体が珍しい。アマゾンへの脅威が、彼らの背中を押したのかもしれない。
アマゾンの攻勢


 話を冒頭の1月28日の説明会に戻そう。その席でアマゾンは、昨年4月にKADOKAWAがアマゾンと直取引を開始した話を持ち出した。具体的な数字は明らかにはしなかったが、KADOKAWAの出荷売上は大幅に伸長し、在庫あり率は8%改善、搬入リードタイム(注文からアマゾンの倉庫に書籍が届けられるまでの期間)は4日に短縮したそうだ。さらに、全体の出荷金額をベースとした直取引比率が昨年12月は31.2%と単月としては過去最高を記録したとも付け加えた。
 アマゾンは年末年始から異常な状況が続いているとして、1月下旬頃に「緊急事態」と称するメールを特定の出版社に通知した。書店から卸会社・日本出版販売や大阪屋への注文に対し、どれだけ在庫があるのかを示す割合のことを「在庫引当率」というが、これが1月に平時の60%を大きく下回り30%を切ってしまい、1月の売上高に多大な影響を及ぼしているというのだ。
 そのため、出版社には取次から発注が来たら迅速に出荷してほしいなどとする「お願い項目」を3つも並べたて、「過去最悪の欠品率を連日記録している緊急事態につき、是非とも出版社様の多大な御協力を頂きたく存じます」としている。

347とはずがたり:2016/02/23(火) 20:18:28
>>346-347
「このメールが来たときは、何事かと思いました。調べてみると、出荷量は減っていませんし、アマゾンの勘違いじゃないかと担当者と話していました。これはまさに取次批判で、出版社へ直取引を促すものです。そのメールには『既に日次で取次様に引当率の改善を申し入れておりますが、残念ながら短期的な解決に至っておりません』と書いていました。さらに、28日には出版社を集めた方針説明会が予定されていました。『取次はダメだから、出版社にとっても直取引のほうがいいし売上も上がる』とアマゾンがアピールしているようにしか聞こえませんでした」(出版社社員)
 説明会に出席した別の出版社社員は語る。
「このメールの件については、説明会の最後にアマゾンから話がありました。アマゾンの想定を超える注文が入り、日販(日本出版販売)も予定外の注文が来たために、取り寄せ処理が追いつかず、雪だるま式に注文がたまっていった結果、こんな事態になったと言っていました。直取引なら対応できたかもしれないと言いたかったのでしょう」

アマゾンに傾く出版各社

 では、これほどアマゾンが直取引をアピールする理由はなんなのか。それは、相次ぐ取次の破たんである。
 一昨年に、大手出版社と大日本印刷、楽天の出資により、債務超過を解消した大阪屋。昨年に民事再生を申請して今年4月に大阪屋と合併して、大阪屋栗田となる栗田出版販売。そして、今年2月に自主廃業を発表した太洋社。2014年から毎年中堅の総合取次が破綻しているのである。
 昨年にアマゾンの勧誘セミナーに参加した出版社社員は話す。
「セミナーでアマゾンのスタッフは、契約出版社数が右肩上がりのグラフを見せながら、栗田が民事再生を申請した6月26日以降に直取引の契約を結ぶ出版社が一気に増えたと言っていました。現在も契約出版社数は増えていると思います。卸率66%という条件は、出版社が扱う全商品を直取引の対象とした場合だけです。これまで、様子見や戦略で一部商品しか直取引の対象にしていなかった出版社も巻き込もうとしているようです」
 また、別の出版社社員もこう明かす。
「アマゾンのシェアは高まる一方です。太洋社が自主廃業を発表して、太洋社と取引をしていた書店が別の取次との取引に切り替えていますが、出版社側にしてみれば、その書店に納めていた書籍の初回搬入数は新たな取次が部決する数に反映されない。こうして縮小する書店分の売り上げを補てんするために、出版社が思い切ってアマゾンと直取引しようと考えるのもうなづけます。キャッシュフローもよくなるわけですし」
 どうやら相次ぐ取次の破綻が、出版社とアマゾンとの直取引拡大の追い風になっているようだ。裏を返せば、取次という緩衝材の弱体化により、アマゾンの出版社に対する支配力が増しているともいえる。
 ある出版社社員は言う。
「取次の対応が遅いので、アマゾンと直取引をしようかと思い始めています。ですが、周りの人からアマゾンの辛辣な話をたくさん聞きます。好条件で契約してもすぐに卸率を下げられるのではないか、という心配もあります。ただ、これだけ本が売れない時代に、売れる本だけは、その売り上げを最大化したいという切羽詰まった考えもあります。書店と取次の力が落ちていけばいくほど、出版社はアマゾンに寄りかかっていかざるを得ないという状況になっているのです。それが出版業界を破壊するとしても、業界が新しく生まれ変わるきっかけだと信じて、その道を行くしか選択肢はありません」
(文=佐伯雄大)

348とはずがたり:2016/02/25(木) 23:43:53
>平成17年6月期に売上高が487億円あったが…平成27年6月期には売上高が171億円にまで激減した
10年で半減以下ではやっていけないねぇ。。

2016.02.15
企業・業界 企業・業界
また出版取次が破綻!日販・トーハンの冷酷すぎる「首絞め」、雪崩的に取引奪われる
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13805.html
文=佐伯雄大

 独立系の出版取次、太洋社が2月8日、取引する出版社と書店に対して自主廃業することを正式に発表した。同社はこれから事業清算に向けて、不動産や有価証券などの資産を現金化すると共に、取引書店を他の取次会社に移行する「帳合変更」を進めていく。同時に取引書店に対する売掛金の回収を進め、資産の売却益も足して出版社への弁済原資を確保していくという。

 実は太洋社が自主廃業する可能性は、1年以上前から出版業界では囁かれていた。そのため、業界4位の栗田出版販売が昨年6月26日に民事再生法適用を申請し、太洋社よりも先に破綻したことのほうが、業界を驚かせた。
 太洋社破綻が噂されていた理由として、「帳合変更」が挙げられる。これは、取次会社が優良書店を自社の帳合(=取引)にしようと、書店にとって利のいい条件などを提示して、すでに取引している取次会社から自社の帳合へ変更させる行為である。

 出版界では、取次があの手この手で優良書店を奪い合ってきた。20世紀までは売り上げ拡大がその大きな目的だったが、21世紀に入って出版市場の縮小と書店廃業の進行により、売り上げの維持・確保のために帳合変更をめぐる争いはますます苛烈になっていった。ある出版社の営業幹部は言う。
「トーハンの子会社になった文真堂書店が2008年頃に太洋社から離れた。ほかにも、ジュンク堂書店創業者の親族が経営する喜久屋書店がトーハンに、さらに東武ブックスは段階的に日販に帳合を変えた。その後も、トーハンや日販に帳合変更する書店が相次いだ」

 別の中堅出版社の営業担当者は話す。
「最近では、太洋社の取引先書店の集まりである太洋会会長を務めたブックスタマがトーハンに変更した。あまり知られていないが、滋賀県のレンタルも併設する書店、ハイパーブックスも優良顧客だったが、そこも変更した。そのほか、コミックに強いといわれていたゲーマーズやメロンブックスもアニメイトがグループ化するなかで、帳合を変更していった。また、大口だった図書館流通センターが太洋社との取引をやめ、レンタルチェーン、ゲオの一部店舗もトーハンに変更した」
 太洋社の並みいる大口取引先書店が、他の取次に変更していったのである。

生命線を失う

 8日の自主廃業説明会で國弘晴睦社長は、「平成17年6月期に売上高が487億円あったが、出版市場の縮小に伴う競争激化、帳合変更により、複数の主要取引先を失い、平成27年6月期には売上高が171億円にまで激減した」と明かした。

349とはずがたり:2016/02/25(木) 23:44:07
>>348-349
 太洋社は、トーハンと日販が生き残るための草刈り場となってしまったのだ。2大巨頭といえども、縮小する出版市場のなかでは売り上げがどんどん下がってしまう。それを補填するには、書籍や雑誌を送品する先である書店を増やすしかない。つまり、大手書店チェーンが、既存店の売上高が毎年前年割れを続けているので、新規出店しない限り売り上げは増えないという構図と、同じなのである。
 しかし、書店側も新規に出店する余裕もなくなってきているなかで、取次が手っ取り早く取引先書店を増やすのは帳合変更が一番。その絶好の狩り場となったのが、太洋社だった。
 取次にとって帳合書店は生命線である。この取次を通してしか、出版社は有名書店に商品を入れることはできない。だからこそ出版社は取次と取引をするのだ。老舗や大手書店は別として、1書店1取次が基本だからでもある。よって、トーハンや日販に優良顧客を奪われていった後の太洋社には、出版社もどんどん魅力を感じなくなっていった。

 ある老舗出版社の幹部は語る。
「取引書店の減少と共に太洋社への商品搬入数は落ちて、毎月の入金額もどんどん減っていた。太洋社は優良書店がどんどん減ってしまって、出版社から見ると取引する価値が減ってしまった」

囁かれていたXデー

 こうした帳合変更を背景に、出版業界では太洋社の破綻が噂されるようになった。2011年からは営業損失を計上し続け、昨年には前述の通り栗田が民事再生を申請した。太洋社の破綻へのカウントダウンは、栗田の民事再生申請と同時にスタートしたのかもしれない。ある出版社の社長は言う。
「栗田の民事再生申請と同時に、太洋社への出荷を止めた出版社があると聞いた。当時は『それはいくらなんでも乱暴だろう』と思ったが、余波が太洋社に向かっていったのも事実だろう」
 別の出版社の取締役も語る。
「栗田のような民事再生申請は、太洋社には無理だろうといわれていた。大阪屋や栗田を救った大手出版社が、太洋社の再建にはかかわっていない様子だったからだ。日販に送返品の物流業務を委託した頃から、太洋社も長くないという話が頻繁に出て、同時に売り上げが減っていく中、新刊配本を減数したりするなど出荷を絞っている出版社も出始めた」

 また、ある出版社の営業担当者は言う。
「具体的に自主廃業の話が広がったのは昨年10月頃だった。その後も今年1月20日頃には『なんらかの情報開示があるのでは』という憶測が飛び交った。そのたびに太洋社への出荷を調整する版元が増えていったようです。1月中旬には大洋図書の店舗がいきなり日販に帳合変更となった。この頃から、Xデーは近いのではないかと囁かれ始めた」

 こうした情報を受けて、出版社の営業担当者も情報収集に躍起になった。さらに2月に入ると、大きな異変が起こった。太洋社の取引先で老舗書店の芳林堂書店高田馬場店において、2月3〜7日まで配送倉庫のトラブルで商品入荷ができないという旨の張り紙が出された。芳林堂によると、太洋社への支払いが滞っため、送品を止められたというのだ。
 そして、2月5日午後3時頃、取引出版社に対してファックスが届いた。「お取引先出版社様御中『書籍・雑誌等の供給継続のお願い』」。自主廃業を伝える通知だった。
(文=佐伯雄大)

350とはずがたり:2016/02/26(金) 13:13:39

ツタヤ連携図書館 周南市長「計画進める」
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160223-OYS1T50009.html
2016年02月23日
 レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」の企画会社と山口県周南市が連携して進める新図書館建設計画を巡り、市議会は22日の本会議で、計画の是非を問う住民投票条例案を否決した。採決結果は賛成3、反対26だった。この結果、住民投票は行われないことが決まった。

 否決後、木村市長は記者団に「計画を着々と進めたい」と話した。

351とはずがたり:2016/02/26(金) 18:05:00
芳林堂書店の破産にショック受ける人続々「学生時代お世話になった」
Excite Bit コネタ 2016年2月26日 16時20分
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1456471004201.html

帝国データバンクによると、東京・高田馬場など首都圏で書店を展開する芳林堂書店が2016年2月26日、東京地裁に自己破産を申請し、破産手続きを開始した。負債は約20億円で、書泉(東京都千代田区)に事業譲渡することで同意しているという。この報道にTwitter上では動揺が広がっている。

問屋変更で「棚がスッカスカ」に

芳林堂は都内4店舗のほか、埼玉県、神奈川県でも店舗を運営していた。特に早稲田大学が近くにある高田馬場店は専門書の取扱いの豊富で、学生や教員の利用者も多かった。「高田馬場店は学生時代お世話になったな。ショックだわ」「芳林堂、倒産なのか…学生の頃とても通ってたよ…悲しい」と悲しむツイートが次々に投稿されている。

また、池袋にあるコミックプラザを訪れる漫画ファンも多く、「池袋のコミックプラザはコミケのカタログとかシティのパンフとかよく買ってたし、職場が池袋だった頃ほぼ毎日寄ってたんじゃないかな…」といった発言がTwitter上にあふれている。

芳林堂のウェブサイトには、自己破産の前から「現在、問屋変更にともなうトラブルの為、各店とも雑誌、書籍とも新刊・既刊の入荷が止まっており、店舗、ホームページでのご注文がお受けできない状態になっております」とお知らせが出ていた。店舗にも同様に入荷がストップしていることを伝える貼り紙があり、2月に入ってから「棚がスッカスカ」とネット上で話題になっていた。

出版取次の太洋社が自主廃業に向けた準備を発表後、友朋堂書店、ひょうたんが書店など、書店の閉店や事業撤退が相次いでいる。

352とはずがたり:2016/03/01(火) 15:07:57
ワラw
好きでしたビアスの悪魔の辞典と筒井康隆の乱調文学大辞典♪

現代版「悪魔の金融辞典」
http://jp.reuters.com/article/column-war-on-cash-idJPKCN0VZ0RB?sp=true

Economist
エコノミスト。世界金融危機を予測できなかった人。大抵は普通の数学者で、金融の理解に乏しい。Bernanke, Benを参照。
Bernanke, Ben
ベン・バーナンキ。前FRB議長。住宅バブルの崩壊前にその発生を発見できず、2007年にサブプライムローン問題は「封じ込め」られたと主張した。リーマン・ショック後は、グリーンスパン元FRB議長のスーパーバブルを再び膨らませることに成功。FRB議長を退任後間もなくして、ヘッジファンド大手シタデルに職を得たが、市場に関する洞察力を買われてのことでは恐らくないだろう。Revolving doorを参照。
Revolving door
回転ドア。元政府当局者がウォール街からもうかる仕事を提供され、「くら替え」すること(ルービン元米財務長官はシティグループ、グリーンスパン元FRB議長は米ヘッジファンドのポールソン&カンパニー、バーナンキ前FRB議長はシタデル)。日本では「天下り」として知られる。

353とはずがたり:2016/03/01(火) 19:42:03
なんとw

筒井版 悪魔の辞典〈完全補注〉上 (講談社+α文庫) 文庫 ? 2009/1/20
アンブローズ・ビアス (著), 筒井 康隆 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/%E7%AD%92%E4%BA%95%E7%89%88-%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E8%BE%9E%E5%85%B8%E3%80%88%E5%AE%8C%E5%85%A8%E8%A3%9C%E6%B3%A8%E3%80%89%E4%B8%8A-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE-%CE%B1%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%A2%E3%82%B9/dp/4062812525/ref=pd_ecc_rvi_2

354とはずがたり:2016/03/03(木) 14:08:55

(本屋のない街) 新刊巡り図書館と対立
http://www.asahi.com/articles/CMTW1603012800001.html
2016年3月1日14時39分

 「図書館に行けば、本も雑誌もタダで読める。これは本屋さんや作家にとって大変なことなんです」

 昨年10月、大阪市西区の市立中央図書館であった講演会の終盤、直木賞作家、朝井まかてさんは一瞬の沈黙の後、意を決したように切り出した。「本が売れないと食べていけない。図書館はせめて半年(新刊本の貸し出しを)待っていただけないでしょうか」

   ■    ・    ■

 本屋さんで本が売れない。要因としてネット書店や新古書店などの台頭に加え、公立図書館が利用者を増やすため新刊本などの貸し出しに力を入れるようになった影響との見方が出版関係者には根強くある。

 同じ月に東京都内であった全国図書館大会の「出版と図書館」分科会。新潮社の佐藤隆信社長は一部の新刊本について貸し出しを一定期間猶予するよう図書館側に求める考えを示した。

 相次ぐ発言の背景には出版不況がある。出版科学研究所によると、書籍と雑誌を合わせた「紙の出版物」の推定販売額は1996年をピークに下落。昨年は1兆5千億円と前年比5・3%減で統計を取り始めた50年以降で最大の落ち込みとなった…

355とはずがたり:2016/03/21(月) 19:35:50
おお,ご冥福をお祈りします。
てか苗字出光というのかと思って記事を読んでたら旦那は新出光(出光興産以外の各社製品を取り扱う燃料商社)の会長だとわ!!!!
殆どエネルギースレに投下しようと思ったけどこちらに投入。

作家の夏樹静子さん死去…「Wの悲劇」「蒸発」
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20160321-OYT1T50019.html?from=y10
2016年03月21日 09時54分

 社会派推理小説の名手で、原作映画やドラマも人気を集めた作家の夏樹静子さん(なつき・しずこ=本名・出光静子=いでみつ・しずこ)さんが19日午前3時10分、心不全のため福岡市内の病院で死去していたことが分かった。


 77歳だった。通夜は24日午後6時から、告別式は25日正午から、いずれも同市中央区古小烏町70の1ユウベル積善社福岡斎場で。自宅は同市南区大池2の6の1。喪主は夫で新出光会長の芳秀さん。

 東京都生まれで、慶応大学卒。63年に結婚し、福岡市に移住。69年に母性をテーマにした「天使が消えていく」が江戸川乱歩賞候補となり、本格的な執筆活動に入った。

 73年に「蒸発」で日本推理作家協会賞を受賞。89年には「第三の女」がフランス犯罪小説大賞(ロマン・アバンチュール賞)を受賞した。

 82年の「Wの悲劇」は、薬師丸ひろ子主演で映画化された。原作を手掛けたテレビドラマ「弁護士朝吹里矢子」「検事霞夕子」も人気を博した。裁判に関心が高く、日本司法支援センター(法テラス)顧問も務めた。

356名無しさん:2016/03/26(土) 14:41:44
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160324/k10010454801000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_039
国会図書館に初の女性館長 羽入佐和子氏が就任へ
3月24日 16時31分
国立国会図書館の新しい館長に、お茶の水女子大学の元学長で理化学研究所の理事を務める羽入佐和子氏が、来月、女性としては初めて就任することになりました。
国立国会図書館の新しい館長に就任する羽入佐和子氏は67歳。お茶の水女子大学の元学長で、現在は理化学研究所の理事を務めています。
羽入氏は、24日の衆議院本会議で就任の人事が全会一致で承認されたのを受け、大島衆議院議長のもとを訪れました。そして「大変な重責だが、誠心誠意、務めさせてもらいたい」と話し、大島議長も「初めての女性館長で、多くの女性も期待していると思う」と激励しました。
羽入氏の人事は、来週、参議院本会議でも承認される見通しで、来月1日に正式に就任することになっています。
羽入氏は記者団に対し「男性も女性も利用しやすい図書館の環境作りに取り組みたい。激しい情報のデジタル化の動きに対応できるよう、職員の能力向上に努めていきたい」と抱負を語りました。

357名無しさん:2016/03/26(土) 17:33:12
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date4&k=2016032300296
国会図書館長に羽入氏=初の女性

 衆参両院は23日、議院運営委員会理事会をそれぞれ開き、国立国会図書館長に羽入佐和子理化学研究所理事を起用する人事を内定した。両院本会議の承認を経て、4月1日付で発令される。同館長に女性が就くのは1948年の開館以来初めて。任期は定められていない。
 現館長の大滝則忠氏は3月末で辞任する。(2016/03/23-11:24)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2016032400845
羽入氏「利用しやすい図書館に」

 大島理森衆院議長は24日、国立国会図書館長に来月就任する羽入佐和子氏と会い、「国民に愛され、開かれた図書館となるよう期待する」と激励した。女性初の館長となる羽入氏は「大変な重責だが、誠心誠意努めていく」と抱負を述べた。この後、羽入氏は記者団に「男性も女性も働きやすい、利用しやすい図書館でありたい」と語った。(2016/03/24-19:16)

358とはずがたり:2016/04/04(月) 16:23:21
岩波書店「文学」、年内で休刊…「部数減少」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160403-00050101-yom-ent
読売新聞 4月4日(月)9時22分配信

 岩波書店の文学雑誌「文学」が、今年11月末刊の11・12月号で休刊することが分かった。

 戦中の休刊を挟んで80年以上の歴史を持ち、最新の文学研究の成果を一般読者に紹介する雑誌として親しまれてきたが、同社は「大学での文学研究に逆風が吹いている状況や出版不況により、部数が減少した」としている。

 同誌は、岩波書店が創業20年を迎えた1933年(昭和8年)、「純正なる文学理論の建設」などを掲げて創刊された。多くの研究者が論文を発表したほか、三島由紀夫をはじめ、著名な作家も執筆した。「思想」「科学」と並び、同社を特色づける雑誌の一つだった。90年から季刊、2000年から隔月刊。

 日本文学関連の雑誌では、「国文学」(学燈社)が2009年、「国文学 解釈と鑑賞」(ぎょうせい)が11年にそれぞれ休刊している。

359とはずがたり:2016/04/06(水) 14:59:53

ツタヤ図書館、小中学校で実質的なTカード勧誘活動を展開…教師は説明受けず憤慨
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%84%E3%82%BF%E3%83%A4%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%80%81%E5%B0%8F%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%A7%E5%AE%9F%E8%B3%AA%E7%9A%84%E3%81%AAt%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E5%8B%A7%E8%AA%98%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%82%92%E5%B1%95%E9%96%8B%E2%80%A6%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AF%E8%AA%AC%E6%98%8E%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%9A%E6%86%A4%E6%85%A8/ar-BBrp1T0#page=2
ビジネスジャーナル
株式会社サイゾー
7 時間前

「事前の説明なんか何もないですよ。卒業式前日の3月17日お昼頃でした。突然、『職員室に取りにきてください』と校内放送があって、バタバタと生徒に配っただけです。生徒には1枚の案内がついていましたが、担任の教師にはそれすら渡されませんでした」

 そう憤慨するのは、宮城県・多賀城市内にある小学校の女性教師である。生徒に配布されたのは、「読書通帳」なるシロモノ。最近各地の公共図書館で導入され始めている読書推進ツールなのだが、“ツタヤ図書館”で配布されたとなると、話は少しややこしくなってくる。

 それにしても、小学校の教室で生徒全員に配布されるのに、担任の教師がその内容について一切知らされないということがあっていいのか――。

●読書通帳で子供の読書習慣向上に寄与

 レンタル店「TSUTAYA」を全国展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する公共図書館、通称・ツタヤ図書館。宮城県多賀城市立図書館は、そのツタヤ図書館の全国3番目の事例として3月21日に多賀城駅前の新しいビルに移転、リニューアルオープンした。同館が、先にできた2館にはなかった新しいサービスの目玉として打ち出したのが、読書通帳である。

 読書通帳とは、図書館が発行する預金通帳スタイルの記録簿のことで、館内に設置されたATM(現金自動預け払い機)に似た機械にこの通帳を入れると、借りた本が随時記録される。

 図書館の利用者が「借りて読んだ本の一覧」を毎回記録することで、まるで貯金が増えるかのように目に見えるかたちで読書記録がつけられる。読書の動機づけや励みにするのが目的だ。とりわけ子供たちの読書推進に効果的なツールと関係者の評価も高い。

 開発販売しているのは、事務機で有名な情報商社の内田洋行だ。担当者は、こう話す。

「2月末現在、読書通帳は12の自治体で導入されています。だいたいどこでも小学生以下の希望者には無料配布していて、大人は実費負担です。特に、子供の読書推進に効果を上げていて、これによって大幅に子供の読書量が増えたところも多いです」

 その典型例が、2014年にリニューアルした大阪府の八尾市立・八尾図書館だ。新図書館への移転と同時に読書通帳を導入したところ、目覚ましい効果が出たという。

「児童書分野の貸出点数を見ますと、前年の13年度が17万4794だったのが、導入した14年度は32万3480と、2倍弱まで伸びています。施設が新しくなって全体の来館者が大幅に増えましたので、純粋に読書通帳だけの成果とはいえないですが、読書通帳導入によって児童の読書習慣の底上げ効果があったのは確かだと思います」(八尾図書館広報担当者)

 もともと、利用者が図書館で借りて読んだ本を手書きで記入する手づくりの読書手帳は全国各地であったが、手書きでは不便なため、図書館システムと連携して自動で印字できるように製品化したのが内田洋行の読書通帳だった。

 本を借りた際、カウンター横に設置されている読書通帳機に事前登録した自分の通帳を入れると、貸出日や本のタイトルが印字される。通帳1冊につき216冊のタイトルが記録可能だ。

360とはずがたり:2016/04/06(水) 15:00:04

●システム導入費用は600万円

 多賀城市が導入したのも同社製の通帳で、前述のように市内の小学生には学校を通して全員に無料配布されたほか、中学生及び未就学児童には、図書館窓口で希望者に無料配布中だ。大人は、実費相当の300円で購入できる。

 子供たちの通帳発行費用については、通帳広告欄に企業名が掲載されるスポンサーを募集して調達するのが一般的で、多賀城市の場合も地元の配電機器メーカーがスポンサーとなって、市内の小中学生7000人分の通帳発行費用210万円をまかなっている。

 気になるのは、読書通帳システムの導入費用だ。いったい、いくらかかったのだろうか。

c Business Journal 提供
 同市教育委員会に問い合わせたところ、卓上型の廉価版を2台設置し、その税別の見積額は276万2900円。ほかにサーバー管理用端末及びそれらの設置費用、システム構築費用が本体よりも高い281万610円(税別見積額)もかかっている。税込みトータルで、およそ600万円である。

 内田洋行によれば、標準タイプの場合、システム費用込みの価格は1台500万円程度で2台目以降はその半額となるのが通常だという。つまり、卓上タイプを導入することで少し導入コストを抑えたのは確かだが、それでも、決して安いとはいえない。

 新図書館への移転にあたって3万5000冊の蔵書を追加購入したが、そのうち1万冊超は新刊ではなく中古本にして経費を削っていた。そんな節約志向の多賀城市とツタヤ図書館が、子供たちの読書推進効果が期待できるとはいえ、600万円もの費用をかけて新システムを導入するのは矛盾するように思えてならない。600万円あれば、1冊平均2000円の新刊を300冊も仕入れられる。新刊を購入せず、読書通帳を導入した意図はどこにあるのか。

●読書通帳配布の狙いはTカード会員の勧誘?

 図書館関係者は、読書通帳の問題点を次のように指摘する。

「図書館を訪れた利用者のうち、読書通帳を希望する人に配布することは特に問題ないと思いますが、学校単位で児童全員に配布するのはやりすぎです。全国初のツタヤ図書館である武雄市図書館では、Tカード機能付きなどの図書館利用カードを学校単位で市内全小学生に一括で申し込みさせたところ、『教育現場で子供たちにTカード会員の勧誘をするのは何事か』と激しい批判を浴びました。そこで多賀城市では、図書館利用カードの勧誘を学校では行わず、代わりに読書通帳を配布したのでしょう」

 ほかのツタヤ図書館同様、多賀城市立図書館でも図書館利用カードはTカード機能がついたタイプを選ぶ人が圧倒的に多い。読書通帳を配布された子供たちが図書館を訪れ、そこでTカード会員となる可能性は高い。

 市教委は、読書通帳を配布する狙いを次のように明かしている。

「読書通帳は、そのままでは使えないので、まずは図書館利用カードを作成してもらいます。読書通帳を利用者IDに紐づけ登録することによって初めて使用できます。読書通帳配布は、図書館の利用カード作成を促すということもひとつの狙いとしてあります」

 つまり、読書通帳を配布することで図書利用カードを作成させたいというのが本音なのだ。読書通帳という“エサ”を撒かれ、子供たちはそれを持って図書館に足を運ぶ。そこでは、ほとんどの子供たちがTカード機能付きの図書利用カードを選択する。事実、現時点までの図書利用カード作成者のうち、約9割はTカード機能付きを選択している。小学校で児童全員に通帳を配布することは、取りも直さず小学生にTカードを勧誘しているのに等しい。

 ツタヤ図書館で図書館利用カードに付加しているTカードについては、4月1日付当サイト記事『Tカード、ツタヤ図書館利用し会員拡大&個人情報収集…加盟店には多額負担強制の実態』をはじめとして何度か取り上げているように、加盟店で商品やサービスを購入してTカードを提示すると、購入額に応じてポイントを付与される代わりに買い物履歴がCCCに把握される。

361とはずがたり:2016/04/06(水) 15:00:18
>>359-361
 CCCは、その情報を自社のマーケティング戦略立案や会員への生活提案に使用するだけで、ほかの目的には一切使用しないとしているが、個人情報や行動履歴が筒抜けになっており、いつどこで漏洩するかわからないという漠然とした不安は、多くの人が抱くのではないだろうか。

 Tカードがそのような危うさをはらんでいるのに加え、ツタヤ図書館において読書通帳の情報まで紐付けられれば、新たな個人情報流出リスクを背負うことになるため、読書通帳について否定的な意見も出始めている。

●読書通帳で個人情報流出の危険がさらに高まるおそれ

 そもそも、読書通帳の「貸出履歴印字機能」は、図書館が堅持するべき「利用者の個人情報保護」という基本方針とは根本的に相いれないものだ。

 貸出履歴は、「他人に知られたくない個人情報」として、厳密に管理されることが求められる。その保証があってこそ、市民は安心して公共図書館を利用できる。しかし、その履歴が収集保存されてTカードと紐付けられることは、たとえCCCに情報が伝わらないとの規約があるにせよ、情報流出のリスクと比較考量して公共図書館の基本原則から大きく逸脱するのではないか。

 内田洋行の担当者は、履歴は保存されないと強調する。

「図書館システムに連携している読書通帳は、本を借りた直後から返却するまでのみ印字できる仕組みで、返却後はデータが削除されるため印字できません。利用者の皆さんは、借りた後すぐに通帳機で記帳されます」

 しかし、前出の図書館関係者は、それでも危険がないわけではないと指摘する。

「すでに、読書通帳の危険性はインターネット上でも話題になっています。結局、読書通帳専用のサーバーに一度は個人情報を送らないといけないため、その運用がずさんになされるとTカード機能付き図書館利用カードと同じく、その貸出データが流出するおそれはあります」

 このように、読書通帳導入によってTカード機能付きカードも含めて二重の個人情報漏洩リスクにさらされることになるのだ。ましてや、子供たちの個人情報については、極めて慎重な対応が求められる。それにもかかわらず、冒頭の教師が憤慨するように、なんの説明もなく生徒に無造作に教育現場で配布するという市教委の対応は、あまりにも配慮に欠けた行為で、批判されてしかるべきといえる。

 前出の教師はこう嘆く。

「子供たちに通帳と一緒に配布された案内書を見たところ、Tカード機能付きと普通のカードから選択できると書いてありましたが、そういうことも含め事前に説明はありませんでした。私たち教師も、Tカードについては何も知らないのです」

 もちろん、子供が図書館利用者カードを作成するには、保護者の同意が必要とされてはいるものの、学校で配布する以上、教師にも情報提供が必要だったのではないか。

 次回は、読書通帳を導入した自治体で起きた、とんでもない不正行為事件を紹介したい。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)


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