かつて、自民党と社会党の二大政党が安定していたのは、日本経済が大きく伸びていた時代だったため、経済界が稼いだお金から多額の税金を徴収し、それを再分配することで社会的平等を実現するというサイクルが回っていたからである。財政的には「大きな政府」同士で差がなくとも、「保守 vs 革新」という軸で十分差別化できたのである。ところが、今は日本の財政が火の車になり、かつ北海道から沖縄まで中央政府が再分配機能を的確に果たすには限界があることが露呈したことで、「大きな政府」が維持できなくなった点に、日本が直面している問題の本質がある。
なお、最後の白人の罪悪感と特権(white guilt and privilege)というのは、ようするに白人は特別であるということと、それとは裏腹に白人が不当に迫害されているという考え方である。黒人が黒人であることに誇りを持つと言っても誰も批判しないのに、白人が白人であることに誇りを持つなどと言うとすぐレイシスト扱いされる(そしてアメリカでレイシスト扱いされるということは社会的な破滅である)、というような。