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政治思想総合スレ

614とはずがたり:2017/02/05(日) 22:52:45

ところがトランプは、「全人民」の大統領になる基盤を失っている。彼を支持する人たちの大統領なのである。

そしてそうである以上、彼を支持しない人たちとの軋轢を生みつづけることになるだろう。この対立があるかぎり民主主義は維持されるのであり、彼の政策のいくつかは法的にも否定されることになるかもしれない。

とすると民主王朝制的な権力が生まれた結果、民主主義が維持されるということになる。

民主王朝制の国・韓国(とは註:この辺http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1440116307/2673-2674も参照)

もっとわかりやすいのは韓国である。

韓国でも大統領は選挙によって選出される。ところが当選した大統領は、あたかも王朝の王様であるかのごとく一族や側近を優遇し、近づいてくる資本家などに便宜を与える。まさに民主王朝制なのである。

だから政権が変わると、敗北した王朝のように不幸な日々がもたらされてしまう。

そういう構造だから、王朝は権力を維持しなければならないし、他の政治家たちは権力の獲得のためには何でもするという行動にでる。一方は王朝を維持しようとし、他方は新王朝を確立しようとするのである。

ところがそのために必要なことは選挙で勝つことだ。とすると「国民の意志」に迎合することや国民を扇動することが必要になってくる。典型的なデマゴーグの政治が発生するのである。ポピュリズムは大衆迎合だが、デマゴーグは人々の支持を得るためには何でもやる扇動政治家である。

だが韓国の状況も、そう言って片づけてしまうこともまたできない。なぜなら選挙へと向かう国民のプロセスのなかには、政策の確立過程やその執行過程の民主的な運営を求める意志が内包されているからである。

民主主義を内包しながら、民主王朝制が展開してきた、それが李承晩独裁政権が終わってからの韓国の歴史だったといってもよい。

民主主義の危機?

近代になって生まれた政治制度には、つねにこのような問題がつきまとってきたのである。

その原因は、国家があまりにも大きな権力をえてしまったことにある。

大統領制であれ議院内閣制であれ、選挙に勝ってしまえば強大な権力を手に入れることができる。

もちろん制度としては行政と立法、司法は別だ。立法府の同意がなければ行政は法律や条約をつくることはできないし、司法は憲法にしたがってそれを監視することになる。

だがこの三権分立も理想どおりに展開したことはない。

行政と立法の関係でいえば大統領制の方が大統領と国会の対立を生みやすく、内閣と国会が一体化してしまう議院内閣制よりはましだということもできるが、実際にはさまざまな懐柔や選挙への思惑などがあって、立法府による行政府への批判が正当なものである保証もまたないのである。

さらには司法の独立性が十分に機能している国を探すことの方が困難なのが現実である。

すなわち、選挙に勝てばあまりにも大きな権力を手に入れることができるがゆえに、つくられた権力は民主王朝制的な性格を大なり小なり帯びることになり、選挙に勝つことが絶対化されるためにポピュリズムやデマゴーグの政治が跋扈することになる。

それは民主主義の危機というものではなく、民主主義がもつ属性だと考えた方がいい。


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