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政治思想総合スレ

608とはずがたり:2017/01/29(日) 19:28:58
>>607-608
 人間という「個」をすっ飛ばしてしまう傾向はいろんなところからもみてとれる。先ほどの内閣府の調査で、日本の若者たちが「自信がない」と述べていたが、それはあくまで「個」に限定される。実は「自国民であることに誇りを持っている」と70%以上が回答をしており、米国(76.2%)、英国(72.7%)らに次ぐ高い水準となっている。また、「自国のために役立つと思うようなことをしたい」というのでは、なんと54.5%でトップ。つまり、日本の若者たちは個人としての自信はないが、日本という「組織」の話になると、他国の若者と比較にならないほどの自信をもっているというのだ。

 「いや、日本人は集団行動が好きだからだよ」とか「日本人は個人よりも公を重んじるからだ」とかいろいろ言う方がいるが、個人的にはそういう生来(せいらい)ものではなく、戦後の「自信の取り戻し方」に大きな問題があると思っている。

 …50〜60代が、まだ若者だったころからバブル崩壊くらいまでに、「退却神経症」という病気が注目された。聞きなれない言葉だと思うが、当時の日本経済新聞で、その「病」にかかったと思しき山本(仮名)という若者が上司とともに、病院を訪れた様子が描かれている。

 『場所は都内の精神科の病院。母親ともども山本を連れて来た上司は「能力はあるのに、自分中心主義で無気力。退社時刻の五時になると、残業を命じても、帰ってしまう」と山本の「病状」を医師に訴えた。

 カルテには「いわゆる退却神経症か?」と書き込まれた。会社のために二十四時間戦う――そうしたビジネス最前線から逃げ出す「病」というわけだ』(日本経済新聞 1991年11月10日)

自分たちは重い「病」にかかっている

 今の若者の感覚すれば、いったい何がいけないのだと思うかもしれないが、当時は組織に貢献をしない若者は「病」とされたのだ。「ファシズム」と聞くと、「確かに戦時中は日本もそういうところがあったかもしれないけど今はこんなに自由じゃない」と思う人がほとんどだが、現代にいたるまで日本は一貫としてファシズム的社会が続いているのだ。… 日本はこういう「個」で自信に満ちて生きる若者を徹底的に排除してきた。「日本はスゴい!」「日本は世界一!」と声高に叫ぶ人はたくさんいるのに、「俺はスゴい!」と言える人が少ないのは、そういう理由だ。

… かつてドラッカーがファシズムの本質だと述べた「運行ダイヤの正確さ」を誇らしげに感じてしまう我々に問題はないのか。そろそろ自分たちが重い「病」にかかっていることを自覚したほうがいい。


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