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政治思想総合スレ

1■とはずがたり:2002/12/07(土) 02:10
ウヨ・サヨ・保守・リベラル何でもありで且つ冷静に。思想史なんかも歓迎で。

607とはずがたり:2017/01/29(日) 19:28:46

2016年12月20日 08時27分 更新
スピン経済の歩き方:
「日本の鉄道は世界一」という人がヤバい理由
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1612/20/news045.html

「鉄道が時間通りに到着するのはスゴい!」といった声を耳にすることがあるが、筆者の窪田氏はこのような自慢をし始めると「ヤバいのでは」と警鐘を鳴らしている。なぜ、ヤバいのか。
[窪田順生,ITmedia

… そうそう、こういうところは日本人が世界一なんだよ、と誇らしげな気持ちになっている方たちには申し訳ないが、個人的には「運行ダイヤの正確さを世界に誇る国」とみられているのは、あまり喜ばしいことではないと思っている。

 なぜか。実はあまりにも度を越した「電車の正確さ」というのは、ファシズム(全体主義)に陥った社会特有の現象だからだ。

 何を言っているのだ、この反日ライターはとお怒りになる方も多いかもしれないが、実は過去にも鉄道の正確さをファシズムと結びつけたジャーナリストがいる。

 その人は、ヒトラーにインタビューを行い、「ナチ党なんてポピュリズム集団だろ」と多くの知識人が鼻で笑っていた時代から、欧州を覆いはじめたファシズムの台頭に警鐘を鳴らしていた。

 もうお分かりだろう、ピーター・F・ドラッカーだ。

戦後の「自信の取り戻し方」に大きな問題

 ドラッカーは、1933年、ヒトラーが政権をとった日の数週間後に書き始めた『「経済人」の終わり』(ダイヤモンド社)の中で以下のように書いている。

 『イタリアの印象を聞かれて、「乞食がいなかった。汽車が時間通りに走っていた」と答えた老婦人を馬鹿にしてはならない。なまじの論文よりも、よほどファシズムの本質をついている。ファシズムにおいては、汽車が時間通りに走り、乞食が大通りから追い払われる。南大西洋で最高速の船を運航し、世界一道幅の広い道路をつくる。組織と技術の細部それ自体が目的と化す。技術的、経済的、軍事的な有用性さえ、二の次となる』(経済人の終わり)

 どうだろう、今の日本社会と妙にシンクロしないか。

 「日本の鉄道は世界一」をうたうわけだから普通に考えれば、「世界一快適な通勤ラッシュ」とか「世界一安全な鉄道」とか「交通機関としての有用性」に注目があたるはずだ。しかし、なぜか「運行ダイヤの正確さ」という「技術の細部」にフォーカスがあてられ、いつの間にやらそれを追求すること自体が目的化してしまう。

 技術や組織力なんてどうでもいいなどと言っているわけではない。本来、人間を幸せにする目的のために「組織」や「技術」があるはずのに、いつの間にやらそこにいる人間をすっ飛ばして、「組織」や「技術」が最も優先されるという本末転倒な事態に、日本人は陥りがちだと申し上げたいのだ。

608とはずがたり:2017/01/29(日) 19:28:58
>>607-608
 人間という「個」をすっ飛ばしてしまう傾向はいろんなところからもみてとれる。先ほどの内閣府の調査で、日本の若者たちが「自信がない」と述べていたが、それはあくまで「個」に限定される。実は「自国民であることに誇りを持っている」と70%以上が回答をしており、米国(76.2%)、英国(72.7%)らに次ぐ高い水準となっている。また、「自国のために役立つと思うようなことをしたい」というのでは、なんと54.5%でトップ。つまり、日本の若者たちは個人としての自信はないが、日本という「組織」の話になると、他国の若者と比較にならないほどの自信をもっているというのだ。

 「いや、日本人は集団行動が好きだからだよ」とか「日本人は個人よりも公を重んじるからだ」とかいろいろ言う方がいるが、個人的にはそういう生来(せいらい)ものではなく、戦後の「自信の取り戻し方」に大きな問題があると思っている。

 …50〜60代が、まだ若者だったころからバブル崩壊くらいまでに、「退却神経症」という病気が注目された。聞きなれない言葉だと思うが、当時の日本経済新聞で、その「病」にかかったと思しき山本(仮名)という若者が上司とともに、病院を訪れた様子が描かれている。

 『場所は都内の精神科の病院。母親ともども山本を連れて来た上司は「能力はあるのに、自分中心主義で無気力。退社時刻の五時になると、残業を命じても、帰ってしまう」と山本の「病状」を医師に訴えた。

 カルテには「いわゆる退却神経症か?」と書き込まれた。会社のために二十四時間戦う――そうしたビジネス最前線から逃げ出す「病」というわけだ』(日本経済新聞 1991年11月10日)

自分たちは重い「病」にかかっている

 今の若者の感覚すれば、いったい何がいけないのだと思うかもしれないが、当時は組織に貢献をしない若者は「病」とされたのだ。「ファシズム」と聞くと、「確かに戦時中は日本もそういうところがあったかもしれないけど今はこんなに自由じゃない」と思う人がほとんどだが、現代にいたるまで日本は一貫としてファシズム的社会が続いているのだ。… 日本はこういう「個」で自信に満ちて生きる若者を徹底的に排除してきた。「日本はスゴい!」「日本は世界一!」と声高に叫ぶ人はたくさんいるのに、「俺はスゴい!」と言える人が少ないのは、そういう理由だ。

… かつてドラッカーがファシズムの本質だと述べた「運行ダイヤの正確さ」を誇らしげに感じてしまう我々に問題はないのか。そろそろ自分たちが重い「病」にかかっていることを自覚したほうがいい。


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