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ダンゲロス流血少女:01事前応援スレ

1流血少女GK:2015/07/25(土) 00:33:26
事前応援スレです。

49ひじ:2015/07/30(木) 00:24:56
ダンゲロス流血少女MM 陸道舞靡汎用出会いSSテンプレート「代わり映えのしない日々の変わった出会い〜菅生燈編〜」


 面接会場にきゅっきゅ、と金属をこする音が響くのを聞きながら、陸道舞靡はため息をついた。
 今日の面接対象者は全部で30人以上、先ほどで20人目だったか。
 陸道の腕につけられた超巨大プレス機を掃除する下級面接官を横目で見ながら、彼女は先ほど面接した受験生を思い出そうとした。
 代わり映えのしないアピールポイント、特徴のない経歴、ちょっと圧迫したらすぐに潰れてしまった。
 もう顔も思い出せない。記憶のそこからひねり出そうにも、出てくるのはため息だけだ。
 これがまだ10人以上も続くと思うと気が重いが、仕事故に投げ出すこともできない。

「陸道さん、プレス機のメンテ、終わりました」
「ああ、ご苦労。あと、次の人の履歴書も出しておいてね」
「はい」

 下級面接官が取り出した履歴書を、陸道は一瞥もせず机に放置する。どうせ対して期待も出来ない、目を通すだけ無駄というものだ。
 
「それでは、次の方どうぞ」

 可能な限りおざなりになる気持ちを隠し、次の面接対象者を呼ぶ。
 コンコンコン、とドアがノックされ、失礼します、と面接対象者が入ってきました。

「二年三組、保健委員所属、ジャイアントキリングの斉藤です。よろしくお願いします」

 瞬間、部屋の空気が塗り替わった。
 これまでの受験者とは違うすごさでよさのありそうな雰囲気に、陸道は思わず息を呑んだ。
 口の端に笑みが溢れる。この女じゃないやつの力を試したい。圧迫したい。それを押し返すところが見たい。

「それでは、面接を開始させていただきます」

 超巨大プレス機の蒸気シリンダーに煙を吐き出させながら、陸道とジャイアントキリングの斉藤の圧迫面接が始まった。

――――

 ふぅ、と呼気が口から漏れだす。シリンダーの蒸気よりも熱量がこもっているように感じるのも、無理は無いだろう。

「予想外だったな。まさかあんな奴が圧迫されても普通に耐えるとは。
多少口調におかしな部分があったような気もするが、まあ、それは面接なんだからそうもなるだろう」

 違和感を覚えて腕に手を向ける。万全のメンテナンスをされていた超巨大プレス機がガクガクと震えていた。

「恐怖……いや、期待か。まさか私があんな希望を湛えたモケーレ・ムベンベのような瞳をした奴にな……!」

 手元の履歴書に目を落とし、合格の判をプレスする。
 一次面接はこれで突破だ。あいつが最終的に採用されるか、それとも不採用か。それは陸道の知るところではない。だが…… 

「ふふ……どうやらこれから、面白くなりそうだ」

 抑えきれない熱い蒸気が、再び、口とシリンダーから漏れだした。

あとその時菅生燈はキャラメルフラペチーノの誘惑に敗北していた。



50流血少女サブGK:2015/07/30(木) 02:06:55
タイガービーナスのエピソードをwikiに更新しました。

51のし:2015/07/30(木) 20:14:55
転校生全員描きました〜
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=51688999

52雨竜院愛雨:2015/07/30(木) 20:16:15
【波に揺られて】

こころのスイッチをオフにする。
そう。私は、青く広い海の上に浮かんでいる。
ゆったりと躰を広げて、リラックス。リラックスしよう。
瞳を閉じればほら、綺麗な青空に眩しい太陽。
笑顔を忘れちゃいけない。ほら、スマイル、スマイル。
だって、辛そうな顔をしてたら、また殴られてしまうから。

ざぶり。ざぶり。
波のうねりに躰が揺れる。
私はとっても気持ちのいい海にいるの。
そう。気持ちがいいって言わなきゃね。スマイル、スマイル。
にっこり細めた瞳の端から、塩辛い水の流れがひとすじ、ふたすじ。
だってここは海だから、塩水はあたりまえだよね。
さあ笑おう。こころのスイッチをオフにして。
笑っていれば、そのうち終わるから。

心地よい海にゆらゆらと揺れる。
ちゃぷちゃぷと水の音がする。
でも、楽しい空想は、あまり長続きしない。

深く青い海の底から、やってくる。
大きな口に並んだ、鋭く光るたくさんの牙。
がぶり。私の右足に噛みつく。
私の足は、小枝のように簡単にぷつりと食いちぎられる。
おっといけない。スマイル、スマイル。
左足。右腕。左腕。とっても簡単に取れる。
怖くないよ。さあ、笑って。
だって、食べられてる私は現実じゃないから。

ああ、私のこと、本当に食べてくれたらいいのに。
そしたら、もう笑わなくていいから。
揺れる。揺れる。大きな海の上、大波小浪に躰が揺れる。
笑わなきゃ。気持ちいいって言わなくちゃ。
こころのスイッチ、オフにしなきゃ。
ねえ、お母さん、どうして助けてくれないの。
いけない。いけない。スマイル、スマイル。

私の躰は鮫に食べられてもうバラバラ。
だけど、波はお構いなしに私の躰を這い回り、揺らし続ける。
外は真っ暗な闇の夜。
家の中は、闇夜よりも真っ暗な、深い深い海の底。

(業ヶ深院シアクのモノローグ)

53百道桃:2015/07/30(木) 20:51:18
ダンゲロス流血少女MM 陸道舞靡汎用出会いSSテンプレート「代わり映えのしない日々の変わった出会い〜百道桃編〜」

 陸道の腕につけられた超巨大プレス機を掃除する下級面接官を横目で見ながら、彼女は先ほど面接した受験生を思い出そうとした。
 代わり映えのしないアピールポイント、特徴のない経歴、ちょっと圧迫したらすぐに潰れてしまった。
 もう顔も思い出せない。記憶のそこからひねり出そうにも、出てくるのはため息だけだ。
 しかし、ついにやっと最後の一人となったのだ。

「陸道さん、プレス機のメンテ、終わりました」
「ああ、ご苦労。あと、次の人の履歴書も出しておいてね」
「はい」

 下級面接官が取り出した履歴書を、陸道は一瞥もせず机に放置する。どうせ対して期待も出来ない、目を通すだけ無駄というものだ。
 
「それでは、次の方どうぞ」

 可能な限りおざなりになる気持ちを隠し、次の面接対象者を呼ぶ。
 コンコンコン、とドアがノックされ、「失礼」と面接対象者が入ってきた。

「学校部外者で歳は18、国防委員所属、百道桃だ。よろしく」

 瞬間、部屋の空気が塗り替わった。
 これまでの受験者とは違う貫禄のある態度で理想的な顔立ちに素晴らしいプロポーション、陸道は思わず息を呑んだ。
 口の端に笑みが溢れる。この女の力を試したい。圧迫したい。それを押し返すところが見たい。
 
「それでは、面接を開始させていただきます」

 超巨大プレス機の蒸気シリンダーに煙を吐き出させながら、陸道と百道桃の圧迫面接が始まった。

――――

 ふぅ、と呼気が口から漏れだす。シリンダーの蒸気よりも熱量がこもっているように感じるのも、無理は無いだろう。

「予想外だったな。まさかあんな奴が私の圧迫面接をやり過ごすとは。
多少口調におかしな部分があったような気もするが、まあ、それは面接なんだからそうもなるだろう」

 違和感を覚えて腕に手を向ける。万全のメンテナンスをされていた超巨大プレス機がガクガクと震えていた。

「恐怖……いや、期待か。まさか私があんな希望を湛えたイグアナのようなオーラの奴にな……!」

 手元の履歴書に目を落とし、合格の判をプレスする。
 一次面接はこれで突破だ。あいつが最終的に採用されるか、それとも不採用か。それは陸道の知るところではない。だが…… 

「ふふ……どうやらこれから、面白くなりそうだ」

 抑えきれない熱い蒸気が、再び、口とシリンダーから漏れだした。

54雨月星座:2015/07/30(木) 21:59:44
カランドリエ 〜隣り合う月〜



 フランスベッドは清潔なシーツを巻き取られ、寝床を取り上げられている。
 給湯器付きの電話ボックスはティータイムを開くには申し分ない。
 そして、不似合いなワイングラスを手に持たされた当世具足――。
 天井はくり抜かれており、雨露を遮るものなどないだろう。立て掛けられたカンバスはいつかの星座を描いていたその絵を支えていた。
 
 部屋の三隅を埋めるようにして置かれ、残された一角は一応の出入り口として残されている。
 カランドリエの部室は酷く殺風景だ。物がないと言うわけではないのだが空間を埋めてやろうと言う意志がまるで希薄な上、統一性が存在しなかった。
 部員の個性に由来したか様々なガラクタが辺りに散らばっているが、それにしたって足の踏み場を埋めるほどではない。

 私は芽月(ジェルミナル)リュドミラ。絵画の魔人。
 一応、カランドリエの中心メンバーとして頑張っているつもりだ。

 「芽月(めつき)ィ。俺が出向いてやったんだからよォ。新人ちゃんに顔見せさすんのがスジってもんじゃねェのかァ?」
 べらんめえ口調のドスの効いた声が部室に響いた。
 「花月(フロレアル)、来ていたのか。姿を見せてくれない?」
 私に知った口を利くのはアマリー、サビーネ、その新人ちゃんこと星座、もちろん部長――、知った中で候補は片手の指に足りる。槭 (かえで)に消えてもらったのはいつだったか。

 足元に勝手に生やされたサボテンを躱して走り、続きを言わせる前に面頬を取り上げる。そこに太歳はいなかった。
 「勝手に取ンのやめてくれる?」
 ワイン色のスライムのようなものがつるりと滑り落ちて、ワイングラスにすぽりと嵌まると刹那。
 「それと、何? そのファンシーな呼び方、普通にはなつきって呼べよな」
 少々の苦笑い。確かに我々に与えられたこの姓の読みは自由だが。
 それにしても一字の違いを物臭がるとは困った人だ。ちなみに我らの革命暦は月の並びに法則はなく月の定めに身の丈を合わせる必要もない。
 
 「油臭い手で触ンじゃねェ」
 何かの精霊か、今流行りのマスコットとでも言うべきか、ミニサイズの女の子がぴょこりと顔を出す。
 「水彩絵の具が何を言うのかな?」
 ゼリーのような弾力を持っているけれど、内側から赤く滲むような生々しさは血腥さを想起させるには十分だ。けれど、今はそれも愛しい赤い水だ。思わず、ひと呑みにしたいと妖として思うほどだ。 
 まぁ、それは戯言だが。

 「はいはい、随分かわいらしいけど、少しは話を聞いてくれるってことでいいんだね?」
 「少なくとも百分の一くらいはねェ。あの星座とか言う転校生について吐いてもらうぜ」
 どっちなんだか、拗ねた様子を可愛らしいと見るのは私だけでいいだろう。
 とは言え、私も十二ある月のひとつに過ぎない。この風来坊に教えてやれることなどさしてないということをわかってほしい。

 「やれやれ、説明しようにも今回探偵連中を動かしたアマリ―は不在。仮にも転校生を引っ張ってくるなんて無理した建前、しばらくは帰って来れそうにないんだよ。
 仮にも連中のスポンサーでゴタゴタを起こしてしまったのは確かだからね。
 それより口舌院家の鬼札が動いたよ、言語さんの身辺に異常はない?」

 「冗談はよしこさんだねェ。それよか知ってるぜ。善良な口舌院たァ、それだけでレアだからなァ」
 呆れながらもぷるりと揺れる細やかな音の響きが何とも愛おしい。でも、今は我慢だ、我慢。
 「そう言うこと、わざわざ言語さんが選んでよこしたってことはこっちとしても絶対に傷を付けて返すわけにはいかない。人質に妹をよこすなんて……本当に策士だよ、我らにとっても副部長は」
 恐らく口舌院通訳には一切の裏が存在しない。こちらの切り札である雉鵠(じかん)がいつ帰って来るかわからない以上、弱味を見せたら指揮権を一気に持っていかれることは必定。
 
 「で、霜月(サビーネ)のバカもいつの間にかあっちに持ってイカれてたと。ケッ。
 いいのかい? 口止めしとかねェと俺は言語のヤツに洗いざらい話すかもしれないぜ」
 「だからこそ中立で、部長――あの方にも忠誠を誓っていないあなたを話し相手に選んだんだよ」
 
 これでも信用してるんだけどね、ほら気がつけば目が潤んできたよ。どうかな、何か話してくれる気になった?
 ……じっと見る。
 「嘘泣きは止めろって話だ。
 ハイハイ、わかったよ。俺は今回の一件はノータッチで済ーまーすッ! はいっ、これいいだろォ?」



55雨月星座:2015/07/30(木) 22:00:16
 
 常に濡れてる私だけど、誠意ってものは案外通じる物だね。
 日和見を決め込んでいる部員が多いのは困りものだけど、絶対に敵に回らないと確認が取れたのは大きい。状況を整理してみましょう――。

 部長派、いや正確には私主導なのだけど明確に味方と言い切れるのは私と葡萄月(アマリー)だけ。
 雨月は部長のためなら動いてくれるでしょうけど、何しでかすかわからないし……、嵐とみた方がいいか。

 花月は今話した通り、必要以上に言語に便宜を図ることはないでしょう。
 熱月さえいてくれれば、いてくれるだけで何もしなくても睨みは効くんだけど……。
 風月は席としてまだ使えない。

 霜月もどう動くかわからないけど、少し脅し過ぎたか……。アレが離れることは考えづらい。
 雪月はあれで優しいお兄ちゃんに絆されてるから正攻法、それも短期間で攻略するのは骨が折れる。 
 霧月を引き込むのは問題外、その労力だけで計画が遂行できる。こんなことなら槭を殺さずにいればよかった……。

 他三人は私達に刃向うだけの我は無いけど、暦の方からアプローチを掛けられたらどうなびくかわからない。下手に裏を教えていないのが仇になったか――!
 この辺りなら別にいくらでも替えはいるけど、下手に動いて均衡が崩れるとあっち側に持っていかれる。ギリギリで過半数を回避できていたんだから、取り込むのも下策。 

 芽月、葡萄月、雨月:部長派
 花月:局外中立
 熱月:無関心
 風月:欠番
 霜月、雪月、霧月:副部長派
 牧草月、果実月、収穫月:日和見

 上の構図はカランドリエと暦、両方に通じる花月もよく知っているはず。
 別に副部長の率いる暦の傘下に入るのが嫌と言うわけではない。
 けれど、下手に使い潰されるのは御免と言う物だ。

 ……余程思いつめた顔をしていたのだろうか?
 ワイングラスから姿を消した代わりに、赤ら顔をした甲冑が動き出していた。
 私の肩をぽんぽんと叩く。

 「いや、もうさ。おめェの"令嬢"計画手放した方がいいんじゃね?
 てンでバラバラに動いているのが俺ら革命暦って連中なんだけどよ、まとめ役のお前さんまで好き勝手してどうするよ? 
 心配しなくても"探偵"連中とどっぷりな以上、あの腹黒だって必要以上にはどうにか出来ねェよ」
 「しかし……」

 いや、分かりきっていたことだ。カランドリエを暦に巻き込んだのも、同時に探偵を巻き込んでカウンターパートにしたのも朋友であるアマリーの功績だ。
 私のささやかな計画もつまらない嫉妬心から来る意趣返しに過ぎないと認めよう。 
 「あいわかった! 近日中に試作品をそっちによこすから手出しは無用と伝えて」
 「はいよッ。ただ霜月と雪月がどう動くかは気を付けろよ、アイツもそっちにまで手を回すつもりは毛頭ねェだろーからなァ」
 
 承知。
 だけど、それは同時に雨月がどう動くか手綱を取るわけではないということ。
 それを知ってか、ニヤリと獰猛な笑みを見せるのが太歳だ。この女とも伊達に長く付き合っているわけではない。互いの心中など手に取るようにわかる。
 
 「あ、そうそう。雨月だけど紅井と転校生同士の交戦に入ったらしいよ」
 「寅忍ねェ、結構前に滅んだって聞いてるけど?」
 「引き籠ってる割りには耳が早いのかもしれないね。ははっ」
 「へっ、百年の前もカビの生えた探偵に後れを取るようなマネはしねェよ」
 「華美の映えた探偵ね、まぁその通りだと思うよ。"令嬢"のモデルにいいんじゃないかな?」
 「知ってて垂れ流してンのざァ知らねェが、俺は賛成しないぜ?」
 
 なんだかんだで楽しいことが大好きな二人。
 結果を知ったところで、笑い方、その程度の変化で済まされるのかもしれない。



56雨月星座:2015/07/30(木) 22:05:24
【登場人物紹介】
【花月太歳(フロレアル・たいさい)】(初登場)
カランドリエ所属。飲める吸血鬼。吸精鬼の家系「蛭神」に属するが、彼女がどのようにして精を得ているかについて謎は多い。部長には個人的な恩義を持っているだけであり、部の活動方針については口を挟むことは無い。太陽光が苦手らしく、狭いところに潜むのが好き。能力名:『血に潜る千の目』効果:自身が血液であること
  
【芽月リュドミラ(ジェルミナル-)】
カランドリエ所属。水辺の妖画。百年ほど前に東欧の無名画家によって描かれた。部長と顔を合わせたことのあるメンバーの一人。常に全裸に近い格好で、しかも濡れているので嫌らしい想像を掻き立てるが、絶対に同性しか相手をしてくれない。能力名:『隠れ画(エルミタージュ)』効果:写真や絵を通じて平行世界や異世界へ移動する

【葡萄月アマリリス(ヴァンデミエール-)】
カランドリエ所属。捨て続けてきた一世紀。電話BOXとティータイムをこの上なく愛する。リュドミラの盟友であり、部長のために全存在を賭けている。探偵との間に強いコネクションを有しており、星座を連れてきたのは彼女の仕事。能力名:『ポケット・ビスカッセ』効果:万物を1:2の比率で分割する

【霧月槭(ブリュメール・かえで)】
カランドリエ所属。語られることのなかった物語。かなり無理をした擬古調の話し方をする文芸者。旧「雨月」が迷宮時計の犠牲になった一件で芽月に粛清される。彼女について語るべき事由は特に存在しないだろう。

57赤牛崎黄毬:2015/07/30(木) 22:54:47
ダンゲロス流血少女MM 陸道舞靡汎用出会いSSテンプレート「代わり映えのしない日々の変わった出会い〜赤牛崎黄毬編〜」


 面接会場にきゅっきゅ、と金属をこする音が響くのを聞きながら、陸道舞靡はため息をついた。
 今日の面接対象者は全部で30人以上、先ほどで20人目だったか。
 陸道の腕につけられた超巨大プレス機を掃除する下級面接官を横目で見ながら、彼女は先ほど面接した受験生を思い出そうとした。
 代わり映えのしないアピールポイント、特徴のない経歴、ちょっと圧迫したらすぐに潰れてしまった。
 もう顔も思い出せない。記憶のそこからひねり出そうにも、出てくるのはため息だけだ。
 これがまだ10人以上も続くと思うと気が重いが、仕事故に投げ出すこともできない。

「陸道さん、プレス機のメンテ、終わりました」
「ああ、ご苦労。あと、次の人の履歴書も出しておいてね」
「はい」

 下級面接官が取り出した履歴書を、陸道は一瞥もせず机に放置する。どうせ対して期待も出来ない、目を通すだけ無駄というものだ。
 
「それでは、次の方どうぞ」

 可能な限りおざなりになる気持ちを隠し、次の面接対象者を呼ぶ。
 コンコンコン、とドアがノックされ、失礼します、と面接対象者が入ってこない!

「…等……年、………所…、…牛………で…。よ…………願…………」

 瞬間、部屋の空気が塗り替わらない!
 陸道ご自慢の超巨大プレス機の射程外から声を張り上げているらしいがそれは届いていない!
 これまでの受験者とは違うのか違わないのかな雰囲気など一切伝わってこない!

 赤牛崎黄毬。アピールポイントなき貧弱なる受験者。
 彼女もまた陸道のプレス機に劣らぬ射程を持つが先手を取られれば間違いなく即!圧!殺!
 ゆえに相手のフィールドで戦う気などさらさらない!
 面接できるならしてみるがいい!
 それほどまでに圧迫がしたいのならば!!

 ムッフッフッフ。ムッフッフ。挑発的な目で笑う。いかしたいかレた女が笑う。

 陸道は思わず息を呑んだ。
 口の端に笑みが溢れる。この女の力を試したい。圧迫したい。それを押し返すとかどうでもいいから圧迫したい。

 圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫アパヒャーーーーー!
 
「それではヒャッ、面フヒッ接をヒャ!開始させていただキヤッハァーーーー!!」

 超巨大プレス機の蒸気シリンダーに煙を吐き出させながら、陸道と赤牛崎黄毬の圧迫面接が始まった。

――――

 ふぅ、と呼気が口から漏れだす。シリンダーの蒸気よりも熱量がこもっているように感じるのも、無理は無いだろう。

「予想外だったな。まさかあんなにもあっさり圧迫されて死ぬとは。
多少口調におかしな部分があったような気もするが、まあ、それは面接なんだからそうもなるだろう」

 違和感を覚えて腕に手を向ける。万全のメンテナンスをされていた超巨大プレス機がガクガクと震えていた。

「恐怖……いや、期待か。まさか私があんな粘ついた乙女のような瞳をした奴にな……!」

 手元の履歴書に目を落とし、合格の判をプレスする。
 一次面接はこれで突破だ。あいつが最終的に採用されるか、それとも不採用か。それは陸道の知るところではない。だが…… 

「ふふ……どうやってこれから、死んだやつを面接するんだろう?」

 抑えきれない熱い蒸気が、再び、口とシリンダーから漏れだした。



58一二兆:2015/07/31(金) 01:41:19
柿内 萌華
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=51696240

59仔狐クリス:2015/07/31(金) 02:36:51
【仔狐クリスと十星迦南】 

自分より、格上の存在にノックダウンされた次の日。
私は体力回復に努め、勝てる算段を練った。

昨日の戦闘では、大きな傷を負うことはなかったが、体力の回復には時間が掛かりそうだった。
人の気配がない閉ざされた世界で、私は一人、校舎を背に座って休んでいた。
ぼんやりと、今夜また起きるであろう戦闘での戦法を考えつつ、空を見上げて土星先輩のことも考えていた。

――私が消えた後、先輩はどうなっただろうか。
――無事だろうか。
――また白いフードを被った少女に襲われたりしてないだろうか。

そんな思いが頭に浮かび、ただここで何もすることができないまま回復に勤しむしかない我が身を恨みながら、虚空を睨んでいた時のことだった。

「――星を見るのが好きなんですか?」

その声を聞いた瞬間、私は跳ねるように身体を起こした。

いつの間にか近くに立っていたのはカジュアルな服装をした銀髪の少女。

戦闘が始まるのは夜からだと無意識の内にそう決めつけていたが違ったのだろうか。まだ体力は回復仕切っていない。このまま戦闘するのは些か危険だ。なんとかして逃げる算段を立てなくては――

そんな焦る思考を打ち切る様に、その少女は口を開いた。

「あはは。まだ夜じゃないから戦いませんよ。わたしとしても今戦うのは本意じゃないし、リラックスして欲しいです」
「そんな言葉で隙を突こうとしたって無駄です」

私は警戒心を解かずに強めの口調で応えた。
少女は困ったように頭を掻いてから、言った。

「んー困ったなぁ。暇つぶしの相手になってもらおうと思ったんですけど、随分疑り深い人みたいですね。まぁいいや、そこで立ったまま話相手になってくれるだけでも構わないです。応じてくれればお礼に昨日貴方が戦ったあの強敵の情報を提供してあげちゃってもいいですよ」

それから彼女は私のさっきまでの行動を真似るかのように、校舎を背にして座った。
私は目を見張った。
明らかに臨戦態勢をとっている私を前にくつろぐように座るとは何事かと。
どれだけの余裕があればそんなことができるのだろう。
昨日私が破れた敵について知っているということは、その仲間かとも疑ったが、どうにも私と同格の匂いしかしない。
ならば、この座るという動作は彼女なりの譲歩というやつだろうか。それに昨日の敵の情報を得られるというならば、ぜひ知りたいところだ。

「……分かりました。話相手でいいなら応じましょう」

私は構えを解き、立ったまま校舎に背を預けた。
立った状態ならば、何か相手が仕掛けてもある程度対処できるだろうと思ったからだ。それにずっと警戒したままでは心身ともに疲労し、回復がおぼつかなくなる。
ある種の賭けだったが、一応相手を信用してみることにしたのだ。

銀髪の少女はそれを見てにっこりと笑い、こちらに話を振ってきた。

「多少は信じてもらえたようで嬉しいです! まずは自己紹介しません? 私、迦南っていいます! 十星迦南!」
「……仔狐クリスといいます」
「こぎつねクリス……成る程、クリスさんって呼びますね! で、クリスさんにもう一度聞きたいんですけど、星を見るのが好きなんです?」
「いえ、私は別に……知り合いに一人、星を見るのが好きな人はいますけど」
「あれれ、空を見上げてたから好きかな―と思ったのに。でも、その知り合いの人とは仲良くなれそうですね!」

この銀髪の少女と土星先輩が果たして仲良くなるだろうか。……仲良くなれそうな気はする。土星先輩は、誰隔てなく仲良く慣れるタイプの人間(惑星?)だ。更に趣味が合うとなれば、私とアンジーちゃんの話題で花咲かせたようにきっと仲良く話すのだろう。
迦南と土星先輩が楽しそうに会話している様子を想像して、少し胸が痛くなった。

60仔狐クリス:2015/07/31(金) 02:37:21
「……空を見ていたのは考え事をしていたからですし、多分私の知り合いと貴方は仲良くなったりしないと思います」
「あれ? なんか発言に棘ありません? もしかして何か怒らせちゃいましたか?」
「気のせいでしょう。それより情報提供してくれるんじゃなかったですっけ。昨日の敵について知ってるのであれば、教えてください」
「えぇー? 星の話題で盛り上がりたかったのに! 夕方に見る星とか、綺麗じゃないですか?」
「情報を」
「はいはい。風情がないですね、もう! 分かりましたよ―。昨日貴方が戦った敵、アレは『転校生』と呼ばれる存在です」

転校生。
魔人から進化したと言われる存在……だと聞いたことがある。身体的にも能力的にも魔人と比べ遥かに優れている、と。
確かにそれならば昨夜のあの強さも理解できる。
えげつない程の攻撃力、私の気力を削ぐほどの存在感。それらは転校生だからこそ持ち得たものなのだろう。

「成る程。転校生については聞いたことがあります。……けれどその転校生である彼女がなんで私の前に現れたんですか? いや、そもそも今行われているこの戦いはそもそも何なのですか? なぜ私達“同格”の成長性を持った魔人達が隔離されたようにこの人気のない世界に飛ばされたのですか?」
「んー質問が多いです! そんな一気に聞かれても答えられませんよ! もう!」
「あっ。ごめんなさい……」

沸々と湧き上がった疑問をそのまま迦南にぶつけてしまっていた。反省しなくては。

「えへへ、素直に謝れる人は好きですよ。ポイント一点!」
「えっ、何のポイントですか……?」
「んーと、まずは私達がなんなのかということから説明しなきゃですかねー」

あ、スルーされた。

「クリスさん、自分が少々特殊な魔人だということは、自覚ありますか?」
「……はい。多少は」

私は身体能力の高い魔人であると同時に、更に高い成長性を持っている。
通常の魔人も鍛えれば成長していく可能性はあるだろうが、それはある程度の期間を経てじっくりと成長していくものだろう。
だが私は、昨日の戦闘で格段に成長した。それまでの私とはまったく違うということを感覚で理解していた。
そしてこの高い成長性は私だけでなく、昨日戦った二人の少女や迦南も持っている特性なのだろう。

「クリスさんや私などがどのように特殊であるかに関しては、恐らくクリスさんが考えている通りなので説明は省きます。この閉じた世界に居る転校生以外の私達は……そうですね、『準転校生』とでもいいましょうか。そんな感じの存在です」
「準転校生……私が、私達が転校生に準ずる存在、なのですか?」
「はい。まぁ現段階は、ですけどね。今後の成長によってはもしかしたら転校生を越える程の実力を持つことになるかもしれません」

転校生を越える実力を得る可能性。
昨日転校生に破れた際に、成長すれば転校生と互角に渡り合えるかもしれないと感じたのは、間違いではなかったようだ。

「成る程……でもなんでそんな存在がこの世界に集められたのでしょうか?」
「んー、それは各々人それぞれの理由によるものじゃないですかね。多分巻き込まれたのでなく自主的にやってきた人も居ます。でも、集められたというよりは元々妃芽薗に居た、と言う方が多分正しいですね」
「妃芽薗に居た……? 貴方も妃芽薗学園の学生なのですか?」
「そうですよ。多分今この世界に居る準転校生のほとんどが妃芽薗学園の生徒だと思います」
「なぜそんな、転校生に近い存在が妃芽薗に集まってるのですか……?」
「さぁ……? 高二力フィールドが何か影響してるのかもしれないですね。でも詳しいことはさっぱりわかりません」
「では準転校生が戦っている理由は? 私はよくわからない戦闘衝動に突き動かされて戦ったのですが……」
「それもよくわかりません。貴方が戦闘衝動に駆られたのは、もしかしたら誰かによる精神操作能力かもしれないですね。ただ、準転校生が戦うことになっているのはどう考えても準転校生を鍛える為でしょう。何の為に鍛えるのか、と聞かれたらそれも分かりませんが」
「ふむ……」

61仔狐クリス:2015/07/31(金) 02:37:55
一応、現段階で分からないことは全て尋ねることができた。
じっくりと咀嚼するように情報を噛み砕いていく。
と、そこでふと気になることが出てきた。

「……貴方は、迦南さんは、どうしてそんなに情報を知っているのでしょうか?」
「えー、そこ聞いちゃいますか? んー、そうですね。とある組織に所属しているから、とだけ言っておきます」
「組織、ですか。その言い方だと詳しくは教えてくれないんでしょうね」
「ですね。言っちゃったらわたし先輩に怒られちゃいますし。……さて、と」

迦南さんは立ち上がり、伸びをした。
それから砂を払うように軽くホットパンツを叩いて言った。

「暇つぶしのお付き合いありがとうございました。いつの間にか良い夜空になりましたね」

夜になった。
その事実は、戦闘の開始を示していた。

「――では、始めましょうか」

薄暗い景色の中で、コバルトブルーの瞳だけが戦意に燃えて光っていた。

◇◇◇

――夜が来て、また戦闘が始まる。

再び戦闘衝動が全身を駆け巡る。
今まで会話していて、かつ情報提供してくれた相手と戦わなくてはならないことは少し心苦しいが、そうも言っていられない。
私には生き延びて元の日常に戻る目的がある。
迷いを振り払って、臨戦態勢になった。

今回の敵は武器が見当たらない。
今のところ、手の内を隠しているようだ。
迦南さんは同じ準転校生だが、今までの敵より強敵の気配がする――そう考え警戒したのは、実際間違いではなかった。

――この銀髪の少女に、私は苦戦を強いられることになる。

まず最初の動作では、私は精神を集中し、相手は回避に備える態勢を取った。
お互い様子見ということである。

痺れを切らした私は、必殺技である「エナジーフィスト」を放った。
私の戦法は、基本的に昨日と変わっていない。
昨日の調子ならば、大敗を喫したあの少女はともかく、他の同格の存在ならばそこそこ戦えるのではないかという算段からだ。
そして恐らくこの戦法が一番ダメージ効率が高いと思われるという理由も、基本戦法を変えない原因になっていた。

しかし相手も攻性行動をしてくるだろうと見込んでの大技であったが、見込み違いであったようだ。
弾速も決して遅くはないはずのエナジーフィストが回避された。
二度目のエナジーフィストも同じく躱される。
昨日戦った虎の仮面を被った少女といい、私よりも速度の速い敵が多いように感じる。
もっと鍛えて、速度で追いつけるようにもならなくては――そんな事を考えていると、カウンターからの四連撃を食らった。

思い出すのは、転校生の攻撃。
彼女も四連撃で攻撃を放ってきた。
トラウマが私の動きを鈍らせたのか、防御も回避も出来なかった。昨日の戦いで少しは防御に動きを割くことも覚えたはずなのに。

昨夜負けた相手と違う点といえば、威力が昨日の相手より小さいということと、攻撃手段が違うということだろうか。
迦南さんは、十字架を召喚して放ってきた。

十字架。
基督教の象徴であり、人を磔に処す為の刑具でもある。
どのような思いでこの十字架を振るっているのだろうか。
戦意に満ちた表情からは伺い知ることはできない。

62仔狐クリス:2015/07/31(金) 02:38:11

私は精神集中を行い、追撃に備える。

続く十字架の四連撃。
計算され尽くされた、美しささえ感じる十字架落としは、四分の一を防御するのが精一杯だった。
咄嗟に放ったエネルギー弾も回避され、気力を削がれる。

次に放ったエナジーフィストはもはや自棄だったが、相手が回避に失敗した為、当てることができた。

そして、エネルギー弾と十字架が数回交差した。
お互いの身体に傷が増えていく。

埒が明かないと思い、密かにエナジーフィストを当てる算段を立てる。
迦南さんは私より動きが速い。
そこは認めよう。
だからこそ、大技であるエナジーフィストを当てる為に行動を起こさねば、削り負けてしまうだろう。

もう一度、エナジーフィストを打ってみる。外れた。

カウンターの十字架が飛んでくるが、うまく防御に成功する。
私は敢えてここで焦って反撃に移らずに精神集中を行った。
必殺技を打つ隙を見極める為だ。
直後、その隙はやってきた。

「あ……」

乱発しすぎたせいだろう。
迦南さんは十字架の召喚に失敗した。
それは戦闘中に於いて、致命的な隙だった。

「――はァッ!!」

裂帛の気合と共に、エナジーフィストを放つ。

大き目のエネルギー弾が腹部に命中し吹き飛んだ迦南さんは、校舎の壁に激突した。

「……あはは。また負けちゃった。これは先輩に怒られちゃう……なぁ……」

そして蹲る様に意識を失った。
少しだけ心苦しく思ったが、まだ私には次の戦いが控えている。
私は後ろ髪を引かれる思いに苛まれながらもその場を離れ、次の対戦相手を探しに行った。

【END】

63ひじ:2015/07/31(金) 03:10:10
四万十川アリス
tp://p.twpl.jp/show/orig/TwOzA

64雨竜院愛雨:2015/07/31(金) 07:55:16
十星迦南ちゃんー。次は倒す!
tp://t.co/WOazeio2U1

左が後藤さん。右の蟹ちゃんはバーゲンセールに送ったキャラです。
tp://t.co/pyKAlen80s

月雨雪さんvsウルメちゃん。ウルメちゃんの父親の降雨術失敗により、故郷の村に大水害がもたらされたことがあるのです。
tp://t.co/avms0YEQgY

65のし:2015/07/31(金) 10:03:55
GK転校生三傑!!
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=51699226

転校生にも休息は必要

66大鶴ぺたん:2015/07/31(金) 16:22:05
弐番館白雪
tp://t.co/yxecCSoxQJ

髪色のバランス間違えてた版
tp://t.co/ZibVCbAHem

三国屋碧沙
tp://t.co/DEmPhChzB9

シトラ・ストロベリーフィールド
tp://t.co/LYNX6YNe0w

百端一茶
tp://t.co/gF2QGHO62q

陸道舞靡
tp://t.co/Hs0gGY5Tsi

【不定】
tp://t.co/xGm6mcJdpH

67胡亞聞:2015/07/31(金) 18:57:59
ミス・ブラック・メテオライト さん

tp://img.ly/CjCP

68仔狐クリス:2015/07/31(金) 20:04:44
SS:土星先輩と私【中編その1】
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5617099

69ひじ:2015/07/31(金) 21:06:52
樹蔭街みやる
tp://p.twpl.jp/show/orig/wcbdn

70かれん(女騎士モード他):2015/08/01(土) 00:12:53
「くっ殺せ!」

「貴様なんぞに屈しないぞ!」

「女などとうの昔に捨てた!今更何をされようと私は動じない!」

「ふ、触れるな下賤な輩め!」

「くっ、卑怯者め……!」



―――
――



「んぁああああぁああっ!!!」

「んあっ、あっ、き、きもひいいわけないらろぉっ!!」

「ん、あぁっ、あんっ、んんっ」

「こ、ころしぇっ!こんらくつじょくあじわうくらひならぁ…… ころしてくれぇぇぇっ!!」

「あはぁああっ!あっ、や、やめろぉっ、それは、お願いらだからっ!ああっ!!らめっ、らめらめらめ……」

「ふぎぃぃいっ!わ、わかっちゃう、わがっぢゃうぅ!!しきゅうのなか、チンポでえぐられてるのぉぉんっ!!!」

「んほぉぉぉぉぉぉ!おちんぽしゅごい のぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「イッ、イグッ!んふぅっ、ふぅ、んふぅ…… イ、イッちゃう!もうイッちゃうのぉっ!!」

「うまれりゅぅぅぅぅぅぅ!オークのあかひゃんうまれりゅのぉぉぉぉぉぉ!オークのママになりゅのぉぉぉぉぉぉぉ!あひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

「イグッ、イグイグイグイグゥ……」

「んひゃぁあああぁああああああ〜〜〜〜〜っ!!!」





「お疲れ様でした。ご主人様。」
「それではお身体をスキャンさせて頂きます。」

ピッ、ピッ、ピッ・・・。

「血圧、アドレナリン量、体温、残存精液量より、本日は残り3回ほど射精可能です。」
「本日はプレイを続行なさいますか?」


「それではプレイ内容をお伝えください。」

「園児・・、園児同士ですね。」
「おままごと中にペニスが勃起・・・セックスを理解せずに・・。はい、悪戯ですね。」
「女児が興味津々・・はい、処女モードはお使いになられますか?」
「挿入と射精は・・尻穴へと。」
「詳細希望があれば、都度お申し付け下さい。」

「それでは必要な準備を行いますので、5分ほどお待ちください。」


―――
――





「○○くーん、遊びに来たよ!おままごとしよー!!」


<参考画像>
tp://blog-imgs-65.fc2.com/n/y/a/nyaasokuvip/mugen092260403d.jpg
tp://jingyuan.up.n.seesaa.net/jingyuan/image/2d61e5d9913c2b8f22888dbd8d7372c3-411x640.jpg?d=a0

71一二兆:2015/08/01(土) 02:04:20
大鶴ぺたん
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=51714309

72雨竜院愛雨:2015/08/01(土) 08:15:02
【覆面の虎 vs 眼鏡の竜】

ピンク色した虎の覆面を被った珍妙な対戦相手の出現に、ウルメは大喜び。
眼鏡の中の大きなツリ目をキラキラと輝かせる。
「はじめまして、雨竜院愛雨です。デストロイゼムオール!(よろしくお願いします!)」

タイガービーナスこと、紅井影虎は寅流の構え。
左手を手刀の形で前に出し、右足は大きく後ろに引く。
右手は胸の前。リストバンドに隠し持ったクナイは、いつでも取り出せる。
相手は銃を持っている。あの傘も武器だ。ならば容赦はしない。タイガービーナスはそう考える。
「故あって本名は明かせない。タイガービーナス、とだけ名乗らせてもらう」

決闘場所は、岬に立つ大灯台の展望スペース。半径5mほどの円形空間だ。
中央には、巨大なライトと回転するレンズ。その光量はすさまじく、本来ならば夜に一般人が立ち入るような場所ではない。
「うわっ、まぶしっ!」
光線の直撃を受けたウルメが小さく叫んだ。

「えっ、今なんて!? まさか……あなた……伝説の『GUN道』を使うの!?」
タイガービーナスが妙なところに食いついた。

「ふぇ? 私が使うのは『ガン・カサ』だけど?」

「あ、ああ、そうか。うん。そうだね。眩しいときに眩しいって言うのはよく考えたら普通だね。ごめん、気にしないで。さあ、勝負を始めましょう」

奇妙な霊感に導かれて、二人はこの灯台にやって来た。
『準転校生』同士の戦い『ホリラン』を行うために。
二人とも、戦う覚悟は出来ている。
タイガービーナス……影虎は守るべき主君のために。ウルメ……愛雨は非日常の戦いを楽しむために。

「寅忍、タイガービーナス……」
「オペレーション……」
「参る!」
「スタート!」

戦闘開始と同時に、タイガービーナスが鋭い足捌きでウルメに迫る。
ウルメは射撃戦距離を取りたい。左右ジグザグのステップで飛び道具に警戒しながら距離を取ろうとする。
中央の大光量ライトを回るように、二人の高速戦闘者が距離を制さんと争う。

「鬼ごっこはあんまり好きじゃないな。寅流・失伝……」
ウルメを追いながら、タイガービーナスは平坦な胸の前で素早く印を切る。
「真・幻影虎陣形!!」
術が完成するとタイガービーナスが数十体に分身した! なんたる奥義!
四方八方から襲いかかるタイガービーナス分身体。狭い灯台の展望室に逃げ場はない!

ウルメの眼鏡が光る。
「そこだっ!」
タン! 分身が放つ蹴りを横飛び回避しながら、ソフトエアガン・マカロフPMから能力弾を発射する。
能力によって誘導されたBB弾は、狙いあやまたずタイガービーナス本体の喉元に命中!
「乾けっ! チョーキング干物ショット!」
「ぐうっ……」
ネガ雨乞いエナジーが作用し、タイガービーナスの喉から水分を奪う。
奪われた水分は天地逆の雨となって天井を打つ。
ウルメはなぜ本体を正確に狙撃できたのか?
それは、灯台の巨大ランプが作り出す影の濃度が、本体のみ濃かったからだ。

先制を決めたウルメは距離を取る。
「ぐぅ……逃がさないっ!」
タイガービーナスはよろめきながらも更に印を組む。
幻影の群れが猛然とウルメに襲いかかる。避けきれない!
「ゴボォッ!」
腹部にいい蹴りを貰ってウルメが呻く。
そして、無数のタイガービーナスの幻影は消え去った。

体勢を崩したウルメに、タイガービーナスは追撃する。
猛獣のような踏み込みから、神速のタイガー・飛び蹴り!
ウルメは体勢を取り戻すことを断念。そのままバランスを失って転倒しつつ飛び蹴りを回避!
「なっ!?」
飛び蹴りが空を切り、タイガービーナスは致命的な隙を晒す。
タタン! 隙を逃さず倒れた体勢からマカロフ2連射! しかし2発ともタイガービーナスを逸れた。
……いや違う! 2発の弾丸は灯台のガラス窓に当たり、反射して再びタイガービーナスを襲う。うち1発が命中!
ザアッ。逆さまの雨が降り、タイガービーナスから更に水分が奪われた。

「跳弾かっ!」
タイガービーナスが、窓の方に一瞬目を向けてウルメから視線を逸らした。
好機! 床で一回転したウルメは立ち上がりながら、素早くタイガービーナスに向かってダッシュ。距離を詰める。
「トライ・ペゾヘドロン!」
至近距離から必殺技を放つ!

73雨竜院愛雨:2015/08/01(土) 08:16:55
「くうっ!」
僅かな隙を付かれたタイガービーナスだが、回避できないタイミングではない。
(接近戦……傘で来るか!?)
タイガービーナスは、ウルメが構えた傘の動きに警戒。

「ドッソイオラーッ!」
ウルメはスモトリヤクザめいたシャウトと共に、前蹴りを放った。
暗黒相撲奥義・ヤクザキックだ!
「アバーッ!?」
想定外の角度から放たれた攻撃にタイガービーナスは対応できず、もろに喰らってしまう。
吹き飛び、ガラス窓に叩き付けられる。
ガラス窓に蜘蛛の巣状のひび割れ。

(『トライ』ペゾなんとか……なるほど、三択攻撃ってわけね……)
タイガービーナスは、傑作映画ファントム・ルージュで主人公が使っていた技を思い起こす。
グーが相撲。接近戦用。
チョキが傘。中距離戦用。
パーが拳銃。遠距離戦用。
相手の裏をかき、心の隙間から大ダメージを叩き込む技。

必殺技を決めたウルメは、大きく優位に立った。
タイガービーナスは鋭い蹴りを何度も叩き込んだが、ウルメは的確にチョーキング干物ショットで反撃し、真綿で首を締めるようにタイガービーナスの水分を奪って行く。
このままでは、タイガービーナスは緩やかに敗北に向かって行くだろう。
だが、タイガービーナスは確信していた。
相手のトドメの一撃は、さっきの三択攻撃だ。
それさえ読みきれれば……勝機はある!

「トライ……」
来た! ウルメが距離を詰める。至近距離! 相撲か!?
(至近距離から出すのは相撲が最も効果的。でも、いつも相撲では相手に読まれて返される。だからここは……)
「ペゾヘドロン!」
タン! 至近距離からの銃撃!
「とうっ!」
タイガービーナスが読み勝った! ウルメの右、傘を持つ手の方向に跳躍して飛び越える!
銃撃が外れる。完全に外れた状態からは『リフメア』による誘導ではリカバリー不可!

「なああっ!? 避けられたっ!?」
ウルメは動揺する。タイガービーナスは印を組む。ウルメは荒れる呼吸を整えようと試みながら振り向く。

パキリ。その時。

ウルメの眼鏡のツルと、リムを結合している留め金が、激しい戦闘に耐えきれず破断した。
眼鏡が外れ、床に落ちる。
ウルメの視界がぼやける。
そして、ウルメの精神状態は、非日常の殺し合いを楽しんでいたあの頃に戻る。
ウルメは、武傘を天地逆に構えた。
首刈りパラソル、モード『メア』。

タイガービーナスは素早く印を組んで秘術を完成させようとするが、眼鏡が外れて雑念が取り払われたウルメの方が速い!
ヒュンっ! 水平に振るわれた傘の持ち手が、タイガービーナスの喉を捉えた。
「んぐっ!」
タイガービーナスの喉から呻き声が漏れる。
武傘の持ち手カバーが外されず、死神の鎌が覆われていたのはタイガービーナスにとって幸運だった。
刃が露出していたら、この一撃でタイガービーナスの首は切り落とされていたかもしれない。
だが、安心するのは早い。矢達メアに戻ったウルメの殺意は……高い!

「ハキョクドーッ!」
モンゴリアン・シャウトと共に、敵の喉を捉えた自分の武傘にウルメは全体重を乗せたショルダーチャージを掛けた。
モンゴリアン相撲最終奥義の殺人応用!
蒙古破極道の破壊力の全てが、武傘を介して梃子の原理で増幅され相手の喉に集中する!
二人は灯台のガラス窓に激突!
先ほど生じた蜘蛛の巣状のヒビがさらに広がり……分厚いガラス窓が割れた!

74雨竜院愛雨:2015/08/01(土) 08:17:09
…………

臨海学校を楽しんでいた紅井美鳥は、悪い胸騒ぎがして宿泊施設を抜け出し、夜の海岸を歩いていた。
何か、良くないことが起きる。取り返しのつかない、何かが。
美鳥は気付いた。灯台の光がおかしい。
何者かが灯具の前にいて遮ってるように、不安定な光りかたをしている。
嫌な予感が更に高まる。
美鳥は灯台に向けて、早足で歩き出した。

ガシャァーン!
窓ガラスの割れる激しい音。
飛び散ったガラスが、ランプの光でキラキラと光る。
その中に、もつれ合って落ちて行くふたつの人影。
美鳥は見た。そのうちの一人は、見覚えのあるピンクの虎覆面をつけている。
美鳥は、全力で走りだした。

……落下地点に美鳥が到達した時には、もう一人の人影は既に立ち去っていた。
灯台の下に倒れていたのは、果たして虎覆面の少女、タイガービーナスであった。
タイガービーナスは、身動きひとつしない。

美鳥はタイガービーナスのことを、それほど良く知ってる訳ではなかったが、なぜだか物凄く胸が苦しい。
まるで、永年の友を失ってしまったような、そんな胸の痛み。
美鳥の瞳に、涙が滲む。
ふらふらと、倒れたタイガービーナスに近付き、しゃがみこみ、そっと手を握る。

(……まだ脈がある!)
美鳥はタイガービーナスの胸に手を当てる。
心臓が動いてる。息をしている。……まだ生きてる!!
美鳥はポーチから電話を取り出した。
アンテナ1本。かろうじて圏内。
そして、震える指で『りんかいのしおり』に記載されている医療センターの番号を入力した。

(おわり)

※可能ならばこのSSで獲得したポイントは、タイガービーナスさんに寄付したいです。

75雨竜院愛雨:2015/08/01(土) 08:31:55
大鶴ぺたんちゃん、後藤さん、業ヶ深院シアクさん配下のバイオ鮫の皆さん
tp://t.co/eRf6T8d9O8

76小灰陵 墓色:2015/08/01(土) 10:15:48
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=manga&illust_id=51717653

自画像とN-SR-CA2-T-1 ハイレッグ・プリンセス殿

77雨月星座:2015/08/01(土) 12:07:57
冥王星さんに倣い、Twitterにあげた自身によるキャラの感想をまとめさせていただきました。
こちらにも投稿いたしますので、どうぞよろしくお願いします。
あと、老婆心ではありますが他にTwitterにあげてらっしゃる方も、お時間が許すならまとめられるといいと思います。

【流血少女MMキャラ感想】
tp://togetter.com/li/855030

78口舌院五六八:2015/08/01(土) 13:31:07
口舌院五六八 ドット絵
tps://pbs.twimg.com/media/CLS4TBwUAAEGOHN.png

79一二兆:2015/08/01(土) 16:18:53
とりあえずキャラ感想のまとめ置いておきます

流血少女MMキャラ感想
tp://togetter.com/li/854514

80千本桜明菜:2015/08/01(土) 17:03:38
千本桜明菜エピソードのラストシーンを描きました。

tp://fast-uploader.com/file/6993971717943/

81あやまだ:2015/08/01(土) 17:48:14
ぼくもしたので、みなさまにお届けします。

「#ふぁぼられた数だけ好きな流血少女MMのキャラについて感想書く@あやまだ」
tp://togetter.com/li/855122

82口舌院五六八:2015/08/01(土) 18:30:02
ミス・ブラック・メテオライト ドット絵
tps://pbs.twimg.com/media/CLUCXFsUwAAO5qE.png

83流血少女GK:2015/08/01(土) 19:42:08
>>37
6点

>>38
3点

>>39
6点

>>40
4.5点

>>41-43
12点

>>44
7.5点

>>47
10点+10点(加点)=20点

>>50
10点

>>51
7点+20点(加点)=27点

>>52
5点

>>54-56
12点

>>58
3点

>>59-62
13.5点

>>63
10点

>>64
7点
3点
8点
合計18点

>>65
4点+8点(加点)=12点

84流血少女GK:2015/08/01(土) 19:42:18

>>66
3.5点
-点
1.5点
1点
1点
1.5点
2.5点
合計11点

>>67
7点

>>68
14点

>>69
10点

>>70
3点

>>71
1.5点

>>72-74
12点 →タイガービーナスへ

>>75
5点

>>76
2.5点
1.5点
合計4点

>>77
5.5点

>>78
3点

>>79
6点

>>80
3点

>>81
6点

>>82
3点

85雨月星座:2015/08/01(土) 20:00:03
途中までですが、SSを投下します
得た経験点はタイガービーナスさんに寄付します

1T目星座VSタイガービーナスSS 虎よ、虎よ! わが赴くは星の群



 まえがきに代えて雨月星座から読者の皆様へご挨拶があるようです。

 僕は名前を雨月星座といいます。転校生です。
 あの天空を支配する星に代わり「星座」を号するのはこの僕であると自負しています。
 現に、輝きを失ったあの夜空を見上げる者は少なくなったと思いませんか?
 故に、人と言う極小の身に一等星を詰め込んだこの星座こそが、何よりも『星座』足り得るのです。
 もう誰も信仰していない色情狂の糞親爺の神話など、覚えなくて済むのですよ?
 (ここで星座は憎々しげに空をねめつけます)

 矮小な人間は己の似姿を象って作った偶像を今も崇めている。あの星々の持つ可能性を理解しきれず、この青い星すら塵芥に過ぎないことを理解できない古の人を憎んだ、そう言うことです。
 気に病む必要はないですよ、それが魔人と言う生き物なのですから。
 既存の星座に代わり、僕と言う星座を見上げてください。きっと黴の生えた神話には拠らない、そんな素敵な物語が生まれるでしょうから。
 (ここで星座は優しげに髪を撫でつけます)
 
 さて、少々話を戻しましょうか。
 転校生の定義とは多岐に渡ります。一義に定めるのも無粋でしょう。
 単に強い魔人に与えられる称号? いいえ、強さの定義こそ多岐ではありませんか。
 識家に属するワールドメーカーとその眷属? いいえ、対抗勢力はいくらでもいます。
 
 それとも――転び、校(くらべ)、生きる?
 これは僕たちの意見ですが、世界を回り、比べることが出来ればその人は違った認識を持てる。
 通常とは異なり、大きく広がった可能性、それを持てる魔人だからこそ、強いのかもしれません。
 (ここで星座は物憂げに息をつきます)
 
 魔人の他にも世界を定義づけられる自由(事由)は大量にあり、一個に定めるのは難しく思えますね。
 ここはひとつ、辞書を引いてみようではありませんか。
 
 確かに探偵も、ラーメンも、手芸者も。ここでは少々毛色が変わっていてですね……。
 何よりも、魔人、そして転校生は異能の力として広く衆愚に頒布された概念です。
 言葉の定義は時代と世界によって異なってきて、本来の意味を失ってしまうのでしょう。
 けれど、これらの異能の下敷きになっている以上は職能と、そこに込められた最初の意味は不変であると信じています。……だからこそ始末に負えませんが。
 
 ――「塩」をご存じありませんか? 



 珍妙な風体をした女が海坂を歩む。
 海坂とは海神と人との国を分かち、繋ぐ境界上の場所。
 期せずにして、彼女はそこに立っていた。外界から隔離されたことに気付きもせずにこの砂利道を辿っている。夕暮れ時、一人離れて熱気を帯びた風を避けるようにして歩き続け、ここにいた。
 ……想い人を置いてきたのはどう言った了見だろう?

 女の名を紅井影虎(あかい えいこ)、またの名をタイガービーナス。
 海からやって来た最新にして最悪の概念『塩』の眷属である。
 塩にどういった悪意を付け加えるか? などと言っても正気を疑われるだけだ。それを成し得てしまったのは人として有り得てはならない大罪である。塩十字団と言う意味不明な団体であった。
 そして、虎穴に手を突っ込んでしまった紅井はその力を一端を得てしまった。
 
 知らない、と言う事は時に罪になり得ると言う事を彼女は知らない。
 知らないと言う事すら知らなかった。

 切り立った崖道を進み、崩れかかった切妻破風の廃屋を横目にして進んでいくと。
 道の真中に、黒い闇が蹲っていた。声をかけようかと迷っていると闇は立ち上がる。
 それは空の色だった。体中に身に着けた光が舞った。残酷な西日さえ橙色に染まって恥じ入るように見えた。

 「やあ、きみも転校生なんて面倒な肩書を得て難儀しているクチかい?」
 夜空に似合うまるで死人のように真っ白な肌をした乙女であった。
 日の光を蓄えるわけでなく、自ずから光を放つその正体は星の光。天空から二十の星座を奪い取ったその人、星座と言う名の転校生。
 みるひと・みられるひと、人を二つに分かつとするなら紛れも無く後者に位置するそんな人でした。



86流血少女GK:2015/08/01(土) 20:13:01
>>85
3点(部分点) タイガービーナスへ

87里見晶:2015/08/01(土) 21:54:03
私もやりましたので、皆様に届くとうれしいな!

流血少女mmキャラ感想16人分

tp://togetter.com/li/855195

あと、落書きも描いたり描いてもらったりしました。

里見明
tps://twitter.com/mutiennji/status/627095330853556225
tps://twitter.com/mutiennji/status/627149318500147200


”最低の竜人”ステラ
tps://twitter.com/mutiennji/status/627143099614019584
tps://twitter.com/mutiennji/status/627146730203541504

88あやまだ:2015/08/01(土) 22:20:36
>>84
あ、>>81には点数いらないです。ごめんなさい。

89雨竜院愛雨:2015/08/01(土) 23:21:41
鬼姫災禍ちゃん! 次は倒す! tp://t.co/Szo1iNwqFB

90鬼姫計都/羅喉:2015/08/02(日) 10:49:22
災禍お姉様の落書き、っと。

tp://0006.x0.to/oo/gif/DSC_0149.JPG

91鬼姫計都/羅喉:2015/08/02(日) 11:25:06
災禍お姉様の戦友さんを落書き、っと。
災禍に関係あるからOKだよね?だよね?(汗)

tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=51019871

92鬼姫計都/羅喉:2015/08/02(日) 17:03:52
十七夜月美女

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93鬼姫計都/羅喉:2015/08/02(日) 21:22:09
雨竜院 愛雨

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94流血少女GK:2015/08/03(月) 13:53:02
>>87

8点
0.5点
0.5点
0.5点
0.5点
合計10点

>>88
4点

>>89
2点

>>90
2点

>>92
0.5点

>>93
1点

95雪月通訳:2015/08/04(火) 09:24:35
>>85続き、
続きます

 衝動に身を任せて戦いに臨む。双方ともに、理由などないのだろう。
 けれど、星座には衝動の正体がわかっていた。忍者と探偵の対立……なんて因縁めいたものでは無い。

 家から逃げ出したか、家が滅んだか、違いはあるけれど。
 家業が生き方を決定できるほど体に染みついてはいやしなかったから。
 
 新興の探偵財閥、砲茉莉(つつまつり)に生を受けながら、父を狂わせ己も狂い果てた。
 探偵等と微妙な関係であった内務省警察に星を献上し、百年後に追放された身になって気に病んでいないと言えば、嘘になるだろう。けれど、今は直近の怒りが身を焦がすようだった。
 
 死体が立ち上がる。
 足元に点々と散らばる星(骸)を繋げば、星座がどこに行こうとしているのかわかるのだろう。
 『私たちが星座を盗んだ理由』、星座の名を冠した魔人能力は紛れも無く破格の物である。
 けれど、それを一言で説明するのは難しく、今は起きた現象のみを追っていくのが精いっぱいだった。

 敵を敵とも認識しえぬような唐突な邂逅を経て、先手を取ったのはタイガービーナスであった。
 戦装束(?)に身を包んでいた時点で、これを予測していたのか。寅忍に誇りを持つべきか、それともと、複雑な思いを抱くには里の滅亡は早すぎた、それでも感謝と共に放たれる手甲の一撃はひらりと躱される。
 いいや、先程立ち上がった人影は輝きをなくして崩れ落ちる。
 
 そうして、代わるようにして立ち上がる死体のひとつは瞳に星の輝きを映す。
 ここで言う星とは犯罪者の隠語であり、天空に上がった命の喩え――つまりは魂である。
 
 魂を奪い、映し取る力。星座の魔人能力については、ひとまずそう理解いただければいい。
 意表を突き、一見すれば絶好の好機をして雨月は次々と己の命の在処を替えていく、まるで何が出来るかを試すように。きっと、光速で飛び回る星群のいずれかに星座と言う人本来の星(魂)がいるのだ。

 「不意を打つとは貴様、何者っ?」
 凛々しく誰何するその声は自身を鼓舞した。それに、答える声としてひとつ。
 「星座は、名を雨月星座と言います。百回前の催涙雨に生を受けたと言っておきましょうか?」

 同じ顔をした死体に気を取られていたが、その手には望遠鏡がひとつ。
 「僕(しもべ)達十二人は等しく惑い、同じ恒星を回る旅人なのです」
 謎かけめいた言葉、まるで答える気がないような、いいえ実際ないのでしょう。
 「故に号して『少女たちの羅針盤』。紅井影虎――勝ち星を頂きました」

 瞬間、紅井影虎の世界は揺らいだ――。
 ほうと吐き出される息は冷たい。星座はただの人ではない。
 その肌の青白さは、精神と肉体を支える魂魄の片割れを失ったかのように半死と半生の境目を行き来する。で、なければ星座を二十も盗み取るなどと言う暴挙はしない。
 「想い人を見捨て、一人逃げ出すような輩にはこれで二十分――」
 
 踵を返し、海坂から常世――『メロウズ』に帰ろうとする。
 あそこのポーチドエッグは絶品であると、どこかうきうきとした期待に鳴らない胸を高鳴らせた――
 ような気がした。
 魂を撫ぜられるような寒気を感じてなお、死神には遠い。転校生に準ずる者の力量がそうさせるのか。
 「真・幻影虎陣形」

 幻影と真なる影虎、合わせて数十の虎に背を向けた星は大きな痛みを受ける。結局、肉の檻から魂は逃れられないと当たり前のことを教えてくれる。星座は強い、けれど無敵ではない。
 それは、幽世(かくりよ)に半ば足を踏み入れた星座にとって久々の感覚であった。
 「何をしたかわかんないけど、敵に背を向けといて卑怯なんて言わないでよっ!」

 一斉に唱和をするかのように見せ、その実一人きりの声に星座は動揺を隠せなかった。
 それは力なき者の声ではない。それは、暴力だろうか? いいえ、愛の力である。

96雪月通訳:2015/08/04(火) 09:24:49


 
 幅広の砂利道に影法師が伸びる。
 西日が残酷に照り付ける中で立たされ、生と死の判別を付きにくくさせる。
 輝いているものが本物の星座だが、今は唇の動きを読むだけで精いっぱいだ。

 「星座の力なき輝きを誹るわけでなく……、愛ですか? 紅井、影虎様」
 「い、いやいや。影虎は寅忍なんかじゃなくて――、ってなんで愛!?」
 「存じておりますよ、タイガービーナス様。どうやら、あなたが美鳥様を見捨てるなんてことはあり得なかったようですね」
 ふふ、と常の余裕ある笑みに戻しつつ、算段が狂ったことを内心に溜め込む。
 翻って、随分のんきな返す言葉ですこと……いや久しく戦いから離れていたのは星座も同じことか。
 「ここで鍛え直せるなら僥倖、ですね」
 カランドリエの、あの御方の看板を背負っている以上負けは許されない。
 その上で、今起ころうとしている魂の収穫祭に乗り遅れるわけにはいかなかった。
 
 油断なく、星の光が飛び交う中で言葉を紡ぐのは探偵の倣いか、いいえ――違う。
 「さきほど、あまりにも腹が立ったもので――、ここは今現在外界との唯一の出入口になっていますが、通れるのは一人きりなのです。……勘違いにまず、謝罪しましょう」
 「閉鎖空間ってこと? 私が勝ったら洗いざらい教えてねっ!」
 幻影に混じる真実にしたたかに打たれ、砂利道に擦り付けた肌が血を流す。これが痛みであり生の実感かと、自然笑みがこぼれた。



97雨月星座:2015/08/07(金) 22:10:05

 未来は刻一刻積み重なる過去によって作られるのか?

 「百年……、重いなぁ。それをひっくり返すのは中々骨が折れる。いいえ……見えない」
 「じゃあ、私の勝ちってことで洗いざらい吐いてもらうよ、塩十字団の刺客!」
 「は?」
 タイガ―ビーナスこと紅井影虎は転校生「雨月星座」に辛うじて勝利し、立ち上がりながらも荒い息を吐いていた。茜色の夕日はいまだ健在で星座の星を塗り潰すようだった。
 魂の入っていない器を作り出し、魂を自在に移動させる『私たちが星座を盗んだ理由』。
 手に掴める距離だと思ったから、幾光年を隔てた恒星はここにいる。魂を盗み取れる。
 酷く身勝手な能力だったが、今の彼女に関係はなかった。

 認識とは何を置いても"見る"ことからはじまる。
 聞く/触る/匂う/味わう=感じる
 人間本位に観測して現実を好き勝手に改変する彼女にとって、認識を阻害する分身の術は相性が悪過ぎた。ふふふ……、と精一杯の虚勢を張るかのように嗤う星座を見て、少し不気味に思った。
 「僕は……星座は、連中とは関係ありませんが、約束はしていない気がしますが約束は約束。
 今、この学園は魂の草刈り場になっているのですよ。死者は黄泉がえり、声を上げようとも奪われているから届かない、歩むたびに激痛が走るマーメイド……、僕らはそんな状況に置かれているんですよ?」

 「どういうこと……! ここは平和な学園じゃないの?」
 一笑に伏すことは出来ただろう。けれど、戦いの中で感じた真剣さは嘘と感じさせない。 
 「そう思うなら来た道をお帰りなさい。元いた場所に帰れるでしょう。大切な友人を見捨てて逃げ出すなら先に進むがいい。今なら蜘蛛の巣から逃げられるから――。
 繰り返すが、星座は、紅井さん、あなたがそう言う輩と勘違いしたから怒っていた」

 そこまで言うと、星座は崖に身を躍らせた。
 「それでは紅井さん、メロウズでまた会いましょう」
 止める間は無かった。慌てて駆け寄ったところで間に合いはしない。
 落ちながら放たれた言葉が印象に残ったのが救いだったか。
 「あ、それと。紅井さん、あなたが図書室に推薦図書で勧めていた探偵小説――凄くつまらなかったです。あそこでクレーンは無いでしょう。あんなもの、三毛猫ちゃんなら怒りますよ?」
 妙に余裕があるのが――救いだった。

 「……帰ろう」
 傷はなく、勝利することが出来た。自分の理想とする姿に近づけた。
 あの先輩の言葉に従うわけではなかったけれど、今はただ美鳥の無事を見たかった。
 それだけは、何重とブレている私にとってたった一人の真実だったから――。

 ……この帰路にタイガービーナスはもう一人の変身ヒロイン「仔狐クリス」に襲われてあえなく敗北する。
 それはまた別の話であるのだが。



終了

98流血少女GK:2015/08/08(土) 09:22:29
>>95-97
12点


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